JP2004065799A - 遊技装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ストップボタンの操作によって偶然による当選確率を適度に低下し、かつ、遊技者に報知が行われた場合には遊技者の技量によらず確実に入賞を可能とする技術を提供する。
【解決手段】遊技制御基板に一定周期で更新されるソフトウェアカウンタを構成し、偶数状態または奇数状態を生成する状態生成手段とする。そしてストップボタンが押下されたタイミングにおけるソフトウェアカウンタの値を読み取り予め抽選された入賞条件(偶数または奇数)に合致する場合にはその他の要件の満足を条件に入賞を成立させる。また、ソフトウェアカウンタはその状態が更新される際に現在状態に応じたコマンドを生成し演出機構制御基板にその信号を送信する。演出機構制御基板コマンドを受けて入賞条件に合致する期間ストックボタンを押下する旨の報知演出を行う。
【選択図】 図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はスロットマシン等の遊技装置に関する。特に内部抽選の結果当選した賞群に入賞するための新たな条件を付加する技術に関する。また、その賞群に入賞するに必要な情報を報知する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
いわゆるパチスロと称される遊技装置(この遊技装置はスロットマシン、回胴式遊技装置あるいはリール式遊技装置と称される場合もある。以下本明細書ではスロットマシンと称することとする。)では、スタートレバーの操作を契機に内部抽選が行われ、この内部抽選によってある賞群に当選した場合に、その賞群に入賞する権利が与えられる。そしてストップボタンの押下を契機に対応するリールの停止制御が行われ、全てのリールが停止した時点で入賞ライン上に当選賞群に含まれる役を構成する図柄が揃っているかを判定する。役を構成する図柄が揃っていれば入賞と判定され、相当する遊技価値(メダルの払出、特別なゲームあるいはモードへの移行あるいは移行抽選等の特典)が付与される。つまり、内部抽選に当選しただけでは入賞を果たせず、ストップボタンの押下タイミングによっては当選したにもかかわらず入賞できない場合もある。
【0003】
ここで、リールはストップボタンが押下された時点の図柄で直ちに停止するとは限らず、最大4個の範囲内で図柄の引き込みあるいは蹴り飛ばしが行われる。つまり、リール制御として、ストップボタンを押下した時点における図柄番号を取得し、当選賞群の役を構成する図柄が4コマ内にある場合はその図柄を引き込む制御が行われる。逆にある役を構成する図柄が揃うようなタイミングでストップボタンが押下されたとしてもその役を含む賞群に当選していない場合はその図柄に揃わないような蹴り飛ばしの制御が行われる。このようなリール制御の結果、21個存在する図柄位置の何れの4コマ内にもある図柄が存在する場合、その図柄が構成する役はどのようなタイミングでストップボタンを押したとしても入賞の必要条件を満たすこととなる(完全引き込み)。一方、21個存在する図柄位置の何れかの4コマ内に存在しない図柄が構成する役は、その図柄が引き込まれるタイミングを見計らってストップボタンを押下しなければ入賞を果たすことはできない。このようなタイミングを見計らったストップボタンの押下はいわゆる目押しと称され、遊技者の技量が要求されるゲーム要素となっている。
【0004】
内部抽選に当選した賞群(役)に入賞する一般的な手順は以上の通りである。しかし、さらに入賞の条件としてストップボタンを押下する順番(押し順)が正当であることを条件とする場合がある。つまり、3つあるストップボタン(左ボタン、中ボタンおよび右ボタン)を押す順序は、「左中右」、「左右中」、「中左右」、「中右左」、「右左中」および「右中左」の6通りが存在する。この6通りの何れかの押し順をゲーム毎あるいは押し順条件を入賞の要件とする賞群(以下押し順要件賞群という)に当選する毎に抽選を行い、この抽選によって選択された押し順でストップボタンが押されたことを入賞の必要条件とするものである。
【0005】
このような押し順要件を付加したゲームは報知演出(いわゆる押し順ナビ)と組み合わせて実行されるのが一般的である。すなわち、押し順報知演出が行われない場合はランダムに押し順を選択することとなるので、入賞の確率は単純に1/6低下する。一方、押し順の報知演出が行われる場合は報知演出されない場合に比較して6倍に増加する。仮にその賞群に関して完全引き込みのリール制御が行われた場合には、報知に従ってストップボタンの押し順を選択するだけで容易に入賞を果たすことが可能になる。押し順要件賞群への当選確率を予め高く設定しておけば、報知演出のない通常のゲーム状態において適度な入賞確率を実現し、一方報知演出がある場合には遊技者への大きな特典を付与することとなり、高い遊技性を達成することが可能となる。特に、完全引き込みのリール制御を行う場合、入賞に必要な目押しを行う必要がなく初心者にも選択されやすいスロットマシンを提供できる。
【0006】
上記の通り、押し順抽選の要素を導入することによって高い遊技性を実現するスロットマシンが提供される。しかし、そのような遊技性は、押し順報知演出が行われている場合と行われていない場合の出玉(メダルの配当)の傾向にメリハリがつけられてこそ高く維持することができる。つまり、初心者等目押しが苦手な遊技者にも十分な楽しみを提供することを考慮して押し順要件賞群のリール制御が完全引き込みで行われると仮定すると、押し順報知が行われない場合であっても1/6の確率で偶然に入賞することとなる。商用で提供されるスロットマシンの前提として、ある程度の出玉確率に制御する必要があるため前記偶然の確率として1/6を仮定した当選確率を設定する必要がある。一方押し順報知が行われている場合は出来るだけ多くの配当を遊技者に還元してゲーム性を高めたい要求があるが当選確率が前記の通り制限されるため大きな期待を満足する出玉を実現するには制限がある。
【0007】
このような問題は、偶然に入賞する確率を1/6よりさらに低下させ、その分内部抽選での当選確率を高めることによって回避することが可能である。偶然に入賞する確率を1/6より小さくする手法として、従来、押し順抽選に加えて最後のリールを目押しさせることによってさらに1/2(総合的に1/12)に低下させる手法が知られている。つまり、押し順抽選に加えて、一つのリールについてリール制御を行い、そのリールに関してはランダムなタイミングで押下すれば1/2の確率で図柄が揃うようなリール制御を取り入れている。この場合報知演出は押し順に加えて狙い図柄等目押しに関する図柄報知を行うこととなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記した偶然確率の低下手法では、入賞のための要件として目押し操作が介入することとなる。初心者等目押しが苦手な遊技者は、報知演出によって狙い図柄が報知されたとしても目押しの技量が低いことに起因して入賞が果たせない場合が発生する。このような状況は初心者等目押しが苦手な遊技者に不要なストレスを与え、そのような遊技者に選択され難いスロットマシンを提供してしまうことになるという問題がある。
【0009】
本発明は、高い当選確率が設定された賞群においてもストップボタンの操作によって当選確率を適度に低下することが出来る技術を提供することにある。また、本発明の他の目的は、遊技者に報知が行われた場合には遊技者の技量によらず確実に入賞を可能とする技術を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の構成を説明するに先立ち、本明細書で用いる用語の説明を以下に述べる。明示的に他の定義を付した場合を除き、原則として本明細書で用いる用語は以下に定義する意味に用いることとする。
【0011】
「役」とは、図柄の組み合わせのうち遊技価値を与えるものをいう。たとえば「赤7役」、「プラム役」、「ベル役」、「リプレイ役」などがある。
【0012】
「賞群」とは、1つ若しくは複数の役の集まり又は役となる特定図柄の組み合わせ以外の役とは異なる遊技価値を与える複数の図柄組み合わせの集まりをいう。1つの役からなる賞群の場合は、形式的に役と賞群とは一致する。賞群の名称には、たとえば「BB賞」、「RB賞」、「小役賞1(又はスイカ賞)」、「小役賞2(又はベル賞)」、「小役賞3(又はチェリー賞)」、「リプレイ賞(再遊技賞)などがある。なお、役(特定図柄組み合わせ)がないにも拘わらず、遊技価値を得ることができる図柄の組み合わせがある場合には、これも賞群に含まれる。
【0013】
「遊技価値」とは、遊技者が得る価値をいう。賞群又は役によって定まる遊技価値には配当、高当選通常ゲームへの移行および再遊技等がある。
【0014】
「乱数抽出」とは、数列発生器から発生する複数の数値の中から1つの数値をサンプリングするまでのことをいう。
【0015】
「賞群抽選テーブル」とは、複数の賞群毎に定められている数値の幅(抽選区分)の集まりをいう。なお、ゲーム状態(通常ゲーム、高当選通常ゲーム、JACゲームおよびCTゲームなど)で賞群抽選テーブルが異なってもよいため、数値の幅には0を含む。
【0016】
「内部抽選」とは、乱数抽出の結果サンプリングされた数値と賞群抽選テーブルを用いて当選又はハズレを決定することをいう。
【0017】
「当選」とは、いずれかの賞群に応じて入賞する権利が発生することをいう。
【0018】
「入賞する権利」とは、内部抽選の結果与えられる入賞の前提となる権利である。入賞する権利は、回転するリールを停止させ、入賞ライン上に役を構成する図柄を揃えることによって、入賞に転換する。入賞する権利は、賞群ごとに与えられる。入賞する権利には、次回ゲームに持ち越すことが可能な入賞する権利と、持ち越すことができない入賞する権利が含まれる。
【0019】
「ハズレ」とは、入賞する権利が発生しないことをいう。
【0020】
「当選持越し状態」とは、前回以前のゲームにおいて持ち越した入賞する権利が存在する状態をいう。たとえば当選フラグによって抽選の結果を制御する場合、入賞する権利の持ち越しは、当選フラグをクリアしないことにより実現される。この場合、当選持越し状態とは、次回ゲームの内部抽選に関わらず当該賞群の当選フラグが立っている(対応するビットが真)状態をいう。
【0021】
「入賞」とは、内部抽選によって当選した後、有効な入賞ライン上に役が揃うことをいう。
【0022】
「当選フラグ」とは、当選の結果発生した「入賞する権利」を記憶したデータをいう。
【0023】
「当選フラグの持ち越し」とは、当選したにも拘わらず入賞しなかったゲームのフラグが次のゲームでも消去されていないことをいう。
【0024】
「ベット操作」とは、遊技価値によって入賞ラインを有効化する操作をいう。ベット操作には、遊技価値媒体(例えばメダル)を遊技装置に供給する(たとえばメダル投入口からメダルを投入する)方法、クレジットされている遊技価値媒体を機械操作で供給する(たとえばクレジットされているメダルをベットボタンで供給する)方法および両方法を併用する方法がある。再遊技賞で始まるゲームでのベット操作は、前ゲームで有効化された入賞ラインと同じ入賞ラインが自動的に有効化されることで行われる。
【0025】
「ゲーム」とは、ベット操作から次のベット操作が可能になるまでの期間の1回の遊技又はその遊技の繰り返しをいう。
【0026】
「通常ゲーム」とは、内部抽選によって複数の賞群およびハズレのいずれかが抽選されるゲームをいう。
【0027】
「高当選通常ゲーム」とは、当選確率が通常ゲームより高い通常ゲームをいう。
【0028】
「JACゲーム」とは、内部抽選によって1の賞群かハズレのいずれかが抽選されるゲームをいう。
【0029】
「CTゲーム」とは、停止操作のみで少なくとも1つのリールを停止して、特定の賞群の中における役の入賞の有無を決めるゲームをいう。
【0030】
「報知ゲーム」とは、当選した特定の賞群に関連した情報を常に遊技者に報知するゲームをいう。
【0031】
「再遊技当選高確率ゲーム」とは、ハズレをなくすあるいは少なくするかわりに再遊技(リプレイ)賞の当選確率を高くしたゲームをいう。なお本明細書において、再遊技当選高確率ゲームをリプレイゲームあるいはストックゲームと称する場合がある。また、再遊技当選高確率ゲームが行われる期間をリプレイタイムあるいはストックタイムと称する場合がある。
【0032】
「遊技」とは、一般に許可営業の娯楽を指すが、より一般的な娯楽の意味の遊戯をも遊技に含めることとする。
【0033】
以下、本発明の構成その他を説明する。前記課題を解決するため、本発明は以下のような構成を有する。すなわち、本発明の遊技装置は、スタートレバーと、前記スタートレバーの操作を契機に賞群またはハズレを抽選する抽選手段と、周面に識別図柄が配置され前記スタートレバーの操作を契機に回転動作を開始する複数のリールと、前記複数のリールの各々に対応した複数のストップボタンと、予め定義された複数の状態のうち何れかの状態を現在状態として選択する現在状態選択手段と、前記複数のストップボタンのうち何れかのストップボタンが押下された時点における前記現在状態を取得する手段と、前記取得状態に基づいて所定の第1条件が満足されたかを判断する手段と、を有し、前記抽選手段により抽選された当選賞群が特定の賞群の場合に、前記第1条件を満足していることを必要条件として前記当選賞群に入賞したと判断する。
【0034】
このような遊技装置によれば、ストップボタンの押下された時点(タイミング)で現在状態を取得し、その現在状態によって入賞あるいは非入賞を判定する。このため、入賞のための新たな条件を付加することが可能となる。なお、このストップボタンの押下によって取得される現在状態はリールの図柄とは無関係なものであり従来のリールの図柄番号によって入賞が判定される方式とは明確に異なるものである。
【0035】
ここで、「抽選手段」とは、スタートレバーの操作を契機に賞群またはハズレを抽選するものであり、たとえば賞群抽選テーブルと乱数発生手段によって構成することができる。賞群抽選テーブルには賞群またはハズレと数値幅とを対応付けておき、たとえば乱数発生手段により生成した値が何れの数値幅に属するかによって対応する賞群またはハズレに当選したと判断する。「リール」とは識別図柄がその周面に配置されている円筒形の回転体であり、スロットマシンには通常3つのリールが備えられる。「識別図柄」とは、役を構成する図柄であり、たとえば「白7」「赤7」「BAR」「スイカ」「プラム」「チェリー」等を例示できる。なお、「スタートレバー」および「ストップボタン」は通常機械式接点によって電気的なオン・オフ信号を発生させるスイッチが用いられるが、遊技者が操作可能なものでありスロットマシンにその操作に起因する信号を伝達可能なものである限り特に制限されない。たとえば光学式スイッチや磁気スイッチを用いることも可能である。
【0036】
「予め定義された複数の状態」とは、設計者によって意図されている任意の複数の状態であり論理的観念的なものである。「状態」を保持する手段としてはたとえばフラグを例示できる。1ビットフラグを用いればフラグの値が「0」の場合と「1」の場合の2状態を定義できる。同様に2ビットフラグを用いれば「00」「01」「10」「11」の4状態を定義できる。また、状態の保持手段はこれらフラグによる方法には限られない。たとえば一定時間経過後に1づつ増加するカウンタを用いることが可能である。この場合、たとえばカウンタ値が「偶数」の状態と「奇数」の状態の2状態を定義出来る。カウンタを用いる場合には、その他の状態を定義することも可能である。たとえばカウンタ値を3で割り商と余りを算出して、余りが「0」「1」「2」の3状態を定義することが出来る。同様にカウンタ値を4で割れば余りが「0」〜「3」の4状態を定義出来る。その他割る値を変更すれが任意の数の状態を定義出来る。
【0037】
「現在状態」とは、先に定義された「複数の状態」の何れかの状態である。「現在状態選択手段」は定義された複数の状態から現在状態を選択する手段である。前記したフラグを用いて定義した状態の場合、フラグとフラグの値を変更する適当な手段とによって「現在状態選択手段」を構成出来る。フラグの値を変更する手段としては、たとえばランダムに「0」または「1」を発生する乱数生成器とその値をフラグにセットする装置によって実現出来る。また、たとえば前記した「偶数」および「奇数」の2状態を定義するカウンタの場合を例示すれば、カウンタ自体が「現在状態選択手段」になる。つまり、カウンタによるカウントアップ動作自体が「偶数」あるいは「奇数」の状態を選択しているものであり、ここでいう「現在状態選択手段」に当たる。さらに前記したカウンタと余りの計算によって状態を定義する場合、カウンタと余りの計算手段とその計算結果を保持するレジスタとによって「現在状態選択手段」が構成される。
【0038】
「現在状態を取得する手段」はストップボタンの押下操作を契機としてその時点の現在状態を取得する。現在状態は前記の通り現在状態選択手段の記録部(フラグやカウンタあるいはレジスタ)に保持されており、これら記録部から保持されている値を読み出す手段が「現在状態を取得する手段」に相当する。
【0039】
「現在状態の基づいて」とは、現在状態そのものの値あるいは現在状態から計算あるいは演算される値を用いて、という意味である。「所定の第1条件」とは、予め定められている条件であり、前記した複数の状態の何れかの状態を特定する論理的あるいは計算式で表現された条件をいう。たとえば前記複数の状態がカウンタ値の「偶数」および「奇数」で定義される場合、所定の第1条件として「カウンタ値が偶数であること」あるいは「カウンタ値が奇数であること」を例示できる。また、複数の状態が2ビットフラグで表現される場合、「フラグ値が00であること」や「フラグ値が10であること」等を例示することができる。さらに、複数の状態がカウンタ値xを任意の数yで割った結果の余りzで定義される場合、「zがy−1であること」等を所定の第1条件として例示することができる。
【0040】
「現在状態に基づいて所定の第1条件が満足されたか」の判断は、一般的なコンピュータ資源であるCPU(Central Processing Unit)、主記憶装置(DRAM:Dynamic Random Access Memory)、不揮発性記憶装置、適切なインタフェイス、これらを接続するバス等を用いて実行することが可能である。また、不揮発性記憶装置には前記判断を実行するためのプログラムが記憶される。本明細書において、ある手段が実現する機能をコンピュータ等プログラムが必須のハードウェア構成を用いて実現する場合、その機能を実現するためのプログラム等ソフトウェアをもその手段の構成要件として含むものとする。その他の判断や状態等の取得、必要な演算はこれらコンピュータ資源を用いて実行可能である。
【0041】
「当選賞群」とは現ゲームにおいて当選している賞群であり、当選フラグが立っている(リール制御の対象として当該賞群が選択されている)賞群をいう。「第1条件を満足していることを必要条件として前記当選賞群に入賞」とは、第1条件を満足しているかの判断が偽の場合にはその他の条件が満足されていたとしても入賞とは判断しない趣旨である。逆に第1条件を満足しても他の必要な条件が全て満足されない限り入賞とは判断されない。
【0042】
上記の通り本発明によって入賞のための新たな条件を付加することが可能となり、このような新たな入賞条件を用いてゲームを多様に企画することが可能になる。
【0043】
また、本明細書で開示する他の遊技装置は、前記発明の遊技装置において、前記現在状態に基づく前記第1条件が満足されている旨の報知を行う手段を有する。第1条件を満足しているか否かの報知を行う手段を備えることにより、報知を受けた遊技者は、第1条件を満足するようにストップボタンの操作を行うことが可能になり、入賞条件をクリアすることが容易になる。このような報知は所定の条件を満足した場合に与えられる特典として活用することが可能である。なお「報知」は、遊技者がその五感で取得できる情報を発するものであればどの様な手段を用いたものであっても良い。たとえば画像表示装置による画像によって報知を行っても良い。また、音や光による報知であっても構わない。
【0044】
また、本明細書で開示するその他の遊技装置として、前記現在状態選択手段が、先の現在状態を選択した時点から第1時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする第1の構成、を例示できる。「先の現在状態」とは、当該現在状態の前に選択されていた直前の現在状態である。「先の現在状態を選択した時点から第1時間の経過後に現在状態を選択する」とは、第1時間を周期として時間的な周期をもって現在状態が変更されることをいう。第1時間としてはたとえば500msecを例示できる。前記複数の状態がカウンタで生成されるような場合が相当する。この場合カウンタのカウントアップ(またはカウントダウン)周期が第1時間に相当する。「前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする」とは、複数状態として状態A、状態Bおよび状態Cが定義されている場合、A,B,C,A,B,C,A,・・・・の順に状態が選択される趣旨である。つまり内容的な周期性をもって状態が選択されることを意味する。前記カウンタによって複数の状態が選択される場合を例示すれば、カウンタの数値が1,2,3,・・・とカウントアップするに従い、現在状態は「奇数」,「偶数」,「奇数」,「偶数」,・・・と変更される。このような場合は「前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする」に相当する。また、カウンタ値を3で割った余りによって状態を定義する場合、カウンタ値がカウントアップするに従い、現在状態は「1」,「2」,「0」,「1」,・・・と変更される。このような場合も「前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする」に相当する。
【0045】
また、「前記現在状態選択手段」として、先の現在状態を選択した時点から第1時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から無作為に抽出された状態を前記現在状態とする第2の構成、を例示できる。「前記複数の状態から無作為に抽出された状態を前記現在状態とする」とは複数状態の中から任意の状態を無作為に抽出し、この抽出された状態を現在状態とするものである。たとえば前記した状態数が3のカウンタの場合を例にすれば、状態「0」、「1」、「2」の何れかの状態を任意に選択する場合がこの場合に当たる。前記した2ビットフラグの場合を例に挙げれば、各フラグにセットするビットを無作為に生成し、その生成した値を各々のビットにセットする構成が例示できる。
【0046】
さらに、「前記現在状態選択手段」として、先の現在状態を選択した時点から第2時間以上第3時間以下の範囲内で無作為に抽出された時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする第3の構成、を例示できる。「先の現在状態を選択した時点から第2時間以上第3時間以下の範囲内で無作為に抽出された時間の経過後に前記現在状態を選択する」とは、現在状態の変更が時間的にランダムに変更される趣旨である。但し、現在状態が変更される時間は第2時間以上第3時間以下の範囲内である。現在状態の変更時点でリセットされる適切なタイマーを付加することによって実現することが可能である。前記フラグによって状態を定義する場合を例示すれば、フラグに値をセットする時間をランダムに生成する場合、本構成に相当する。
【0047】
また、「前記現在状態選択手段」として、先の現在状態を選択した時点から第2時間以上第3時間以下の範囲内で無作為に抽出された時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から無作為に抽出された状態を前記現在状態とする第4の構成、を採用することも可能である。
【0048】
これら第1から第4の構成を採用することにより、現在状態を時間的あるいは内容的に周期的または非周期的に生成することが可能となり、これを用いた入賞条件の設定において多様なゲーム性を実現することが可能となる。
【0049】
前記した遊技装置において、遊技を制御する第1制御基板と、報知処理を制御する第2制御基板とを有し、前記第1制御基板から前記第2制御基板に送信される信号が所定の第4時間の範囲内でずれを生じる遊技装置とすることができ、前記第1制御基板には、前記現在状態に基づいた信号であって前記当選賞群に入賞するに必要な第1信号を生成し送信する手段を含み、前記第2制御基板には、前記第1信号を受け取った時点から第5時間が経過するまで前記第1条件が満足されている旨の報知を行う手段を含み、前記第5時間は、前記第1時間もしくは前記第2時間から前記第4時間を減じた時間、または、前記第1時間もしくは前記第2時間から前記第4時間および誤動作防止のための第6時間を減じた時間、の何れかの時間とすることができる。
【0050】
このような構成を採用する場合、報知制御を第2制御基板によって分離して行うことが可能となり、報知に必要な信号を第1制御基板から取得する手段を提供することができる。また何らかの理由によって第1制御基板から送信する信号にずれを含む場合であっても、そのずれを考慮して報知制御を行うことが可能となる。
【0051】
ずれの最大時間である第4時間としてたとえば40msecを例示できる。「入賞に必要な第1信号」とは現在状態が第1条件を満足する場合に発せられる信号であり、第1制御基板によって生成される。第1信号の発信はたとえば前記した現在状態の変更時点に行われる。但し、第1信号の発信周期は前記した第4時間の範囲内でずれを生じる。なお、第1制御基板から第2制御基板に送信される信号は前記第1信号を含むが、物理的に何れかの信号が常に第1信号に該当するとは限らない場合がある。たとえば第1制御基板から第2制御基板に送信される信号として状態Aが現在状態である場合にハイレベルとなる信号Aと状態Bが現在状態である場合にハイレベルとなる信号Bと状態Cが現在状態である場合にハイレベルとなる信号Cとで構成される場合、信号A,B,Cの何れの信号が第1信号に該当するかは第1条件によって相違する場合がある。すなわち、第1条件として「現在状態が状態Aであること」と定義されている場合は信号Aが第1信号に該当する。このような場合、予め第1制御信号から送信される当選賞群に関する情報やその他の情報により第1条件に関する情報が送信されている必要がある。この第1条件に関する信号は第1信号と同時に送信されても良い。
【0052】
第2制御基板が受け取る第1信号は、前記の通り第4時間を最大とするずれを含む。よって、第2制御基板が制御する報知処理は、第1信号を受け取った時点から第5時間が経過するまでとする。第5時間は、少なくとも第1条件を満足している時間(つまり第1時間または第2時間)からずれの最大値(第4時間)を減じた時間とする。この結果、第1制御基板が第1信号を発する時間にずれを含んだとしても、そのずれによって生じる可能性のある第1条件を満足しない時間を排除することが可能になる。遊技者は報知を信じてストップボタンを押下するのであり、第1条件が満足されている旨の報知がありながら実際には第1条件を満足しない期間が存在したのでは遊技者の期待を裏切ることになる。つまりずれに起因して生じる可能性のある誤報を排除したものである。たとえば第1時間(第1条件を満足している時間)を500msecとし、ずれの最大(第4時間)を40msecとすると第5時間(報知継続時間)を460msecとする。なお、第5時間は誤動作防止のための第6時間をさらに減じても良い。誤動作防止のための第6時間として8msecを例示することができる。この場合第5時間は452msecとなる。
【0053】
前記した遊技装置において、前記当選賞群が前記特定の賞群である場合に、前記特定の賞群に関する第2の抽選手段を有し、前記第2の抽選手段によって、前記第1条件が変更されるものとすることができる。たとえば先に特定賞群に当選したときの第1条件が「現在状態が偶数であること」であった場合に、現ゲームで特定の賞群に当選した場合の第1条件を「現在状態が奇数であること」に変更することが可能である。現在状態が時間的および内容的に周期性をもって変更される場合、第1条件の内容が固定されていれば第1条件を満足する期間が周期的に訪れることとなる。このような状況は第1条件が満足されている旨の報知を受けなくともその周期性を何らかの方法で発見できれば第1条件を要件とする入賞条件を容易にクリアする打法(ストップボタン押下を含めた遊技装置の操作方法)を遊技者に提供してしまうこととなる。このような特殊な打法の機会を遊技者に与えることは好ましくないので、第1条件の内容を特定賞群への当選毎に変更するようにしたものである。第1条件の内容をランダムに変更すれば前記のような入賞条件の周期性は失われ前記した打法を適用する可能性はなくなる。
【0054】
さらに、前記した遊技装置において、前記ストップボタンの押し順が正当である条件を前記当選賞群に入賞するための必要条件としてさらに付加することができる。本発明が提供する新たな入賞条件をストップボタンの押し順に関する入賞条件に加重することによって、前記発明が解決しようとする課題の欄で説明したようなストップボタン押し順による入賞条件にメリハリを付けたいという要求を満足できる。なお、本発明が提供する新たな入賞条件はリールの目押しとは全く関係がなく、報知演出と組み合わせて適用する場合にはその報知されたタイミングでストップボタンを押下するだけで入賞条件をクリアすることが可能になる手法である。よって目押しが苦手な初心者等にもなじみ易く、報知が無い場合の偶然入賞の確率を低下させるためにリールの目押し操作を導入しなくても本発明を適用して、メリハリを付けかつ初心者等にも受け入れられ易い遊技装置を実現できる。
【0055】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。なお、実施の形態の全体を通して同じ要素には同じ番号を付するものとする。
【0056】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である遊技装置の一例を示した正面図である。表示装置1は、遊技の演出を行うダイス型の模型である。表示装置1は、遊技中に回転し、演出を行う。ランプ5は遊技演出装置であり、遊技内容に応じて点灯し、遊技を演出する。表示装置1および遊技演出装置5は、LED等の発光素子アレイで構成される画像表示装置あるいはブラウン管あるいは液晶表示装置に置き換え可能である。ランプ2は、ボーナスゲーム表示器であり、BB賞あるいはRB賞に入賞した場合に点灯する表示器である。スピーカ3、4および32は、遊技内容に合わせて各種の効果音を発生する。
【0057】
リール(回胴)35、36および37は、円周方向に役を構成する複数の図柄が表示されている。各リールは、個別に回転し、後述するリール回転停止処理によって停止する。遊技装置には、各リールに対応して窓が形成され、リール上の図柄を装置外部に表示するための表示装置が構成されている。各窓からは、各リールにおいて同時に3つの図柄が装置外部から見えるようになっている。各リールに対応して3つのストップボタン28が配置されている。各リールは、それぞれのリールに対応するストップボタンが押下されることを契機として、所定の手順に従って停止する。
【0058】
遊技メダル投入表示ランプ7、8および9は、ベット操作によって遊技メダルが投入されたときに点灯する。メダル1枚投入の場合は、1メダルランプ7が点灯し、同時にその右方向1本の入賞ラインが有効であることを示す。メダル2枚投入の場合は、1メダルランプ7および2メダルランプ8が点灯し、同時にその右方向3本の入賞ラインが有効であることを示す。メダル3枚投入の場合は、1メダルランプ7〜3メダルランプ9の全てが点灯し、同時にその右方向3本と斜め2本を加えた5本の入賞ラインが有効であることを示す。なお、有効化された入賞ラインの何れかに予め定められた図柄の組み合わせが揃うと入賞となり、入賞に応じた遊技価値の付与がなされる。
【0059】
スタートランプ10はスタートレバー24が操作可能であることを示すランプである。リプレイ賞入賞表示ランプ11、入賞表示ランプ12、打ち止め表示ランプ13、BBゲーム中表示ランプ14、RBゲーム中表示ランプ15は、各々、再遊技の作動、入賞、打ち止め、BBゲーム制御の作動、RBゲーム制御の作動を表示する。メダル投入可能表示ランプ16は、遊技メダルの投入が可能であるときに点灯する。
【0060】
ボタン17、18および20はベットボタン(貯留遊技メダル投入ボタン)である。1枚ベットボタン17、2枚ベットボタン18、3枚ベットボタン20の押下は、各々1枚、2枚、3枚の貯留(クレジット)された遊技メダルを投入しベットすることに対応する。クレジット精算ボタン19は、貯留(クレジット)された遊技メダルを精算するときに押下する。遊技メダル返却ボタン21は、投入された不良メダルが詰まったときに返却操作をするためのボタンである。
【0061】
遊技メダル投入口22は、遊技メダルを投入するための投入口である。ドアキー23は打ち止め解除キーを兼用する。スタートレバー24は、リール(回胴)の回転を始動するときに操作するレバーである。スタートレバーは、段階設定を行う場合の操作レバーを兼用する。クレジット枚数表示機25、ボーナスカウント表示機26、メダル配当表示機27は、各々、遊技メダルの貯留枚数、ボーナス回数、遊技メダルの払出枚数を表示する。ストップボタン28は、リールの回転を停止するときに押下するボタンである。左中右の各々のリールに対応した3つのストップボタン28が配置されている。遊技メダル払出口33は遊技メダルの払出のための出口であり、払い出されたメダルは受け皿34で受ける。
【0062】
図2は、図1に例示する遊技装置の構造を、その機能について示したブロック図である。図2に例示する遊技装置は、遊技制御基板50、演出機構制御基板70を含んでいる。
【0063】
遊技制御基板50は、CPU(central processing unit)51、入力ポート52、クロック発生回路53、ROM(read only memory)54、RAM(random access memory)55、乱数発生回路56、出力ポート57および58、データ送出回路59、送出タイミング制御回路60を含む。
【0064】
CPU51は各種データの送受信を制御し、また演算を行う。入力ポート52は外部からの入力データを受け取るポートである。入力ポート52に入力されるデータは、遊技者のボタンあるいはレバー操作により入力されるデータ、管理者のボタンあるいはスイッチ操作により入力されるデータ、各種センサからのデータがある。遊技者操作のボタン操作あるいはレバー操作により入力されるデータは、1枚ベットボタン17、2枚ベットボタン18および3枚ベットボタン20からのボタン押下検知データ、スタートレバー24の操作検知データ、ストップボタン28の押下検知データ、クレジット精算ボタン19の押下検知データがある。管理者操作のボタン操作あるいはスイッチ操作により入力されるデータは、段階設定キースイッチ82のスイッチデータ、リセットスイッチ61のスイッチデータがある。各種センサからのデータには、メダル投入センサ62、メダル払出センサ63、メダル満杯センサ64、各リールの位置検出センサ65、ドアセンサ66からのセンサデータがある。各センサは、各々のセンサに対応するイベントの発生あるいは状態の変化を検出する。クロック発生回路53は、CPU51の動作タイミングをとるクロック信号を発生する。
【0065】
ROM54には、装置の制御プログラム、賞群抽選テーブル、リール停止データ群等の各種データが記録されている。賞群抽選テーブルは、内部抽選の際に参照され、通常ゲーム用の賞群抽選テーブル、BBゲーム用の賞群抽選テーブル、RBゲーム用の賞群抽選テーブル等ゲーム態様に応じたテーブルが用意される。リール停止データ群は、リールの停止操作の際に参照されるリール停止制御テーブルの集まりである。リール停止制御テーブルは、リール毎に用意され、それぞれ当選フラグ(ハズレフラグを含む)に対応したテーブルを含む。なお、特定の賞群に入賞する必要条件としてストップボタンの停止操作順(押し順)が正当である要件が加重されている場合には、その賞群についてはさらに停止操作順ごとに入賞あるいは非入賞が定められたリール停止制御テーブルが用意される。これらROM54に記録されているデータは、CPU51より読み出されて実行あるいは参照される。
【0066】
RAM55は、当選フラグやデータのワークエリアに使用される。乱数発生回路56は、内部抽選その他の抽選を行う際に利用する乱数を発生する。乱数発生回路56は、抽選を行う際に使用する数列を発生する数列発生器として機能する。例えば、乱数発生器56は0〜99999までの数値をランダムに排出する。抽選は、この数値の一つを抽出し、それを所定の抽選テーブルに当てはめることで行われる。
【0067】
出力ポート57は、左中右の各リール駆動モータ67への制御信号、メダル払出モータ68への制御信号、メダルブロッカソレノイド69への制御信号を出力する。
【0068】
出力ポート58は、各種ランプおよび表示機への出力データを出力する。すなわち、1メダルランプ7、2メダルランプ8、3メダルランプ9、スタートランプ10、リプレイ賞入賞表示ランプ11、入賞表示ランプ12、打ち止め表示ランプ13、BBゲーム中表示ランプ14、RBゲーム中表示ランプ15、メダル投入可能表示ランプ16、クレジット枚数表示機25、ボーナスカウント表示機26、メダル配当表示機27へのランプ点灯信号あるいは表示信号を出力する。
【0069】
データ送出回路59は、演出機構制御基板70に送信するデータを送信する回路である。送出するデータには後に説明する当選賞群に関するデータや現在状態選択手段の一つであるカウンタの値を参照して生成されるコマンド等が含まれる。送出タイミング制御回路60は、データ送出回路59の送信タイミングを制御する回路である。送出タイミングは、後に説明するように送出するデータが生成された時点からある程度のずれを生じる。ずれの時間は最大ずれ時間の範囲内でランダムに決定される。最大ずれ時間としてたとえば40msecが例示できる。
【0070】
演出機構制御基板70は、遊技演出を制御する機能を有する。遊技演出は、遊技演出装置1およびスピーカ3、4および32、さらにランプ2および5から行われる。演出機構制御基板70は、CPU72、遊技演出装置駆動回路73、乱数発生回路74、データ入力回路75、クロック発生回路76、ランプ駆動回路77、RAM78、サウンドLSI(large scale integrated circuit)79、アンプ回路80、音声ROM81、を含む。
【0071】
CPU72は、演出機構制御基板70の機能を統括制御するもので、各種信号やデータの制御および演算を行う。遊技演出装置駆動回路73は、CPU72からの指示に従い遊技演出装置1を駆動する機能を有する。乱数発生回路74は、演出機構制御基板70で行われる抽選処理を行う際に利用する乱数を発生する。データ入力回路75は、遊技制御基板から送られてくるデータを受け取る回路である。クロック発生回路76は、CPU72の動作タイミングをとるクロック信号を発生する。ランプ駆動回路77は、演出用のランプ2および5を駆動する。RAM78はデータワークエリアとして使用される。サウンドLSI79は、音響データを制御し演算を行い、演出処理用の音響信号を生成する。アンプ回路80は、サウンドLSI79で生成された音響信号を増幅する。増幅された音響信号は、音量調節回路85で音量が調節され、スピーカ3、4および32から演出音として出力される。音声ROM81には音声、演出効果のための音源その他の音源データが記録される。なお、遊技演出装置1およびランプ5が液晶表示装置等の画像表示装置に置き換えられる場合には、画像表示制御用のドライバ回路をさらに備える。この場合前記したCPU72はドライバ回路に送信する画像データ等を制御する。また、表示画像データが記録されたROMを備える。
【0072】
また、演出機構制御基板70は、後に説明する報知演出を行う。報知演出は遊技制御基板50からのデータを受けて入賞に必要な情報を遊技者に報知するものである。報知演出は、液晶表示装置等の表示装置に入賞に必要な情報を表示する、音や音声あるいは光によって入賞に必要タイミングを知らせる、等の動作を実行する。これら報知演出に必要なプログラムは演出機構制御基板70内のROMあるいはRAMに記録される。
【0073】
図3は、本実施の形態の遊技装置で用いるソフトウェアカウンタの一例を示した概念ブロック図である。本実施の形態の遊技装置では2つのソフトウェアカウンタAおよびBを用いる。図中に記述したコードはカウンタAおよびカウンタBの機能をオブジェクト指向の一プログラミング言語で記述した疑似コードである。当該コードはコンピュータ環境によってはそのまま機能しない場合があるため、本コードの実施をそのまま保証するものではない。なお、当該コードに相当するプログラムは遊技制御基板50のROM54あるいはRAM55に記録されている。カウンタAおよびBは、先に説明したCPU51その他のコンピュータ資源と前記プログラムとによって実現される。
【0074】
カウンタAは遊技制御基板50のCPU51で利用する割り込み信号を利用する。この割り込み信号は1.877msec毎に生成されており、カウンタAの入力とする。カウンタAは割り込み信号を受けると(Acceput.InteruptSig == true)カウント数Nを1減少させる( N = N − 1)。そしてNが0であるかを判断し( N == 0)、0である場合にはNを最高値Nmaxに更新した後に( N = Nmax)、カウンタ信号をカウンタBに送信する(Send.CounterSig)。ここでNmaxを265にセットしておけば、カウンタ信号は500msec毎に生成される。
【0075】
カウンタBはカウンタAで生成されたカウンタ信号を入力とする。カウンタBはカウンタ信号を受けると(Acceput.CountertSig == true)カウント数Nを1増加させる( N = N + 1)。そしてNが奇数であるかを判断し( odd.N = true )、奇数である場合にはコマンドAを送信する( Send.CommandA )。Nが奇数でない場合はNが偶数であるかを判断し( even.N = true )、偶数である場合にはコマンドBを送信する( Send.CommandB )。なお、Nが何れにも該当しないと判断された場合はエラー処理が行われる( err.trup )。そしてNが最大値Nmaxであるかを判断し( N == Nmax )、そうである場合にはNを0に更新する( N = 0 )。すなわち、カウンタBはカウンタAからのカウンタ信号を受けて500msec毎に偶数あるいは奇数の状態を繰り返し、状態が変更される毎に現在の状態に相当するコマンド(奇数の場合はコマンドA、偶数の場合はコマンドB)が生成され送信される。このようなカウンタBは現在状態を生成選択する手段として利用することができ、後に説明するように入賞判定の手段に用いることが可能である。また、コマンドAおよびBは後に説明する報知演出に用いることができる。
【0076】
以上本実施の形態の遊技装置の構成を説明した。次に本実施の形態の遊技装置による遊技の一例を説明する。図4および図5は本実施の形態の遊技装置で実施される1ゲームの流れを例示するフローチャートである。
【0077】
まず、1ゲームの処理が開始されると、ベット操作があるかを判断し(ステップ101)、ベット操作がある場合はステップ102に進む。ベット操作を検知するまではステップ101は繰り返される。ステップ101でベット操作を検知すると、スタートレバーの操作があるかが判断され(ステップ102)、スタートレバーの操作が検知されれば、ステップ103へ進む。ここで、スタートレバーの操作を検知するまではステップ102は繰り返される。
【0078】
ステップ103でベット操作を禁止し、ゲーム態様に応じた賞群抽選テーブルを設定する(ステップ104)。その後、設定した賞群抽選テーブルを用いて内部抽選を行う(ステップ105)。そして内部抽選の結果を受けて当選フラグをセットする(ステップ106)。
【0079】
図6は、当選フラグのセット処理の一例を示したフローチャートである。まず、BB賞に当選したかを判断し(ステップ201)、当選の場合はBB賞当選フラグをセットする(ステップ202)。非当選の場合はステップ203に進む。
【0080】
次に、通常ゲーム中のRB賞に当選したかを判断し(ステップ203)、当選の場合は単独RB賞当選フラグをセットする(ステップ204)。非当選の場合はステップ205に進む。なおここでいう通常ゲームとは、先に定義した通常ゲームに含まれるゲーム態様の一種であるが、当選確率が高く設定されている通常ゲーム(先に定義した高当選通常ゲーム)を含まない通常ゲームをいう。一般にBB賞やRB賞に入賞すると各賞への当選確率が高く設定されている高確率ゲームに移行するが、ここでいう通常ゲームはこのような高確率状態にない通常ゲームを指す。
【0081】
次に、BBゲーム中のRB賞に当選したかを判断し(ステップ205)、当選の場合はBB中RB賞当選フラグをセットする(ステップ206)。非当選の場合はステップ207に進む。なお、BBゲームとはBB賞に入賞することによって与えられる特典ゲームであり、通常のゲームで設定されている各賞への当選確率より高い当選確率が設定されているゲームである。先に定義した高当選通常ゲームに含まれるゲーム態様の一種である。
【0082】
次に、ベル賞に当選したかを判断し(ステップ207)、当選の場合はベル賞当選フラグをセットする(ステップ208)。非当選の場合はステップ209に進む。同様に、その他の各賞(スイカ賞、チェリー賞、リプレイ賞、JAC賞)に当選の場合は、各賞に応じた当選フラグをセットする(ステップ209〜216)。
【0083】
以上のようにして内部抽選の結果を受けた当選フラグのセット処理が終了する。図4に戻って説明を続ける。
【0084】
当選フラグのセット処理(ステップ106)の終了後、リール停止データ群の選択処理を行う(ステップ107)。リール停止データ群は、リール停止制御テーブルの集まりとして提供される。図7は、リール停止データ群の選択処理の一例を示したフローチャートである。
【0085】
まず、JAC賞当選フラグがセットされているかを判断し(ステップ301)、セットされている場合はリール停止データ群からJAC用リール停止データ群を選択する。その後本停止データ群の選択処理を終了する。JAC賞当選フラグがセットされていない場合は次の賞(図ではリプレイ賞)についての当選フラグがセットされているかの検証ステップに進む(ステップ303)。リプレイ賞、スイカ賞、チェリー賞、BB賞、RB賞(通常ゲーム中のRB賞およびBBゲーム中のRB賞)について同様な検証ステップを経て該当する場合には各賞用の停止データ群を選択する(ステップ303〜ステップ314)。
【0086】
上記各賞の何れにも該当していない場合は、ステップ315でベル賞当選フラグがセットされているかを判断する(ステップ315)。ベル賞に当選の場合はリールの停止操作(ストップボタンの押下)順の抽選を行い(ステップ316)、その抽選の結果を受けてベル賞用停止データ群から停止操作順抽選で当選したデータ群を選択する(ステップ317)。
【0087】
表1はベル賞用停止データ群の一例を示した一覧表である。表1において役は停止データ群に付された指標である。停止操作順はその欄内に示された順序でストップボタンの押下操作が行われた場合に入賞するようリール制御が行われることを示す。入賞条件は、後に説明するカウンタBを用いた入賞判定の際に参照する現在状態が欄内に示す状態である場合に入賞するようリール制御が行われることを示す。選択率はステップ316における停止操作順抽選において選択される確率を示したものである。ただし選択率の母数は省略している。この場合の母数は256である。
【0088】
【表1】
Figure 2004065799
ステップ315でベル賞当選フラグがセットされていると判断した場合にはこの一覧表に示すベル1〜ベル12の停止データ群が選択されることになる。ステップ316の抽選によってステップ317で選択される停止データ群はベル1〜ベル12の何れかである。ベル1〜ベル12の停止データ群には、停止操作順および入賞条件によって入賞あるいは非入賞に制御されるリール停止制御テーブルを含む。
【0089】
ここで、入賞が確定するメカニズムとリール停止制御について簡単に説明する。入賞は入賞ラインに役を構成する図柄が揃っているか否かで判定され、図柄の揃いはリール停止制御によって左右される。リール停止制御は、停止操作(ストップボタンの押下)を契機に開始されるが、停止操作直後の図柄で停止するとは限らず、停止テーブル(リール停止制御テーブル)に記録された進みコマ数分だけリールを回転させた後にリールを停止する。このような制御処理によっていわゆる図柄の引き込みあるいは蹴り飛ばしの制御が行われている。
【0090】
前記した通り停止データ群に含まれる何れの停止テーブルが実際の制御に用いられるかは、停止操作が行われたボタンの番号、操作直後に取得した図柄番号あるいはカウンタBの現在状態によって相違する。これら各番号や状態に応じた複数の停止テーブルが各賞ごと(ベル賞の場合は停止操作順および現在状態ごと)の停止データ群として用意される。
【0091】
ステップ317の選択処理を行った場合本停止データ群の選択処理は終了する。ステップ315でベル賞当選フラグもセットされていないと判断した場合は、何れの賞群にも当選しなかったこととなるため不当選用停止データを選択する(ステップ318)。その後本停止データ群の選択処理を終了する。
【0092】
なお、ベル賞は一般に小役であり通常は当選フラグが持ち越されるBB賞やRB賞の前に停止データ群の選択処理が行われる。しかし、本実施の形態ではBB賞やRB賞の後にベル賞の停止データ群の選択処理が行われる(ステップ315〜317)。これは以下の理由による。つまり後に説明するように本実施の形態ではベル賞への当選確率が高く設定されている。このため、BB賞やRB賞の当選フラグがセット(持ち越し)されていても、ベル賞当選フラグの判定を先に行ったのではBB賞やRB賞の停止データ群が選択されず入賞できない頻度が高くなる。このような事態を避けるためにベル賞用停止データ群の選択を最後に行う。
【0093】
以上のようにして停止データ群の選択が終了する。さらに図4に戻って説明を続ける。リール停止データ群の選択が終了した後、リールの回転を開始し(ステップ108)、リールの回転停止処理を実行する(ステップ109)。なお、前記した一連の処理および以下に説明を続ける処理は遊技制御基板50において実行される。一方、当選賞群が確定した段階あるいはベル賞については停止操作順ごとの当選役(ベル1〜ベル12)が確定した段階で演出機構制御基板70における演出処理(ステップ151,152)が開始される。演出処理については後に説明する。
【0094】
図8は、リール停止制御の一例を示したフローチャートである。まず、1回目のストップボタン(停止ボタン)が押下されたかを判断し(ステップ401)、押下された場合にはステップ402に進み、押下されない場合にはステップ401を繰り返す。ステップ402では、押下されたストップボタンの番号を取得し(ステップ402)、さらに停止操作直後のリールの図柄番号およびカウンタBの現在状態を取得する(ステップ403)。なお、現在状態は取得時点におけるカウンタBの値が偶数の場合は偶数状態、奇数の場合は奇数状態である。
【0095】
次に、先に説明した停止データ群の選択処理(図7)で選択された停止データ群から、取得したボタン番号、図柄番号および現在状態を基に、使用可能な停止データ群を限定する(ステップ404)。たとえば、ベル賞当選フラグがセットされておりベル賞の停止データ群のうちベル1が選択されている場合、停止操作が左ボタンであり現在状態が偶数であるときには、入賞ライン上に各リールのベル図柄が停止するような停止テーブルを含むように停止データ群の限定が行われる。逆に、ベル1が選択されている場合に、左ボタン以外のボタンが操作されまたは取得した現在状態が奇数であった場合は各リールのベル図柄が入賞ライン上には揃わないように停止される停止テーブルを含むように停止データ群の限定が行われる。なお、本実施の形態の場合、ベル賞以外の賞では現在状態を参照することがないので、ベル賞以外では取得したボタン番号および図柄番号現に基づく限定が行われる。
【0096】
次に、限定した停止データ群の中から、停止操作順別の停止テーブルの組み合わせを特定する(ステップ405)。つまり、6種類存在する停止操作順ごとに停止テーブルの組み合わせが特定される。なお、ベル賞の場合は正当な停止操作順であることが入賞の条件となるので、第1回目の停止操作によって正当な停止操作順(押し順)が選択されていなかったときには、この段階で特定された停止テーブルの組み合わせの中には入賞ラインにベル図柄が揃う停止テーブルは存在しないことになる。一方、ベル賞以外の賞では停止操作順は入賞の条件とはなっていないのでこの段階では入賞または非入賞の停止テーブルの組み合わせが存在しえる。
【0097】
次に、特定した停止テーブルの組み合わせの中から、第1停止に使用する停止テーブルを決定する(ステップ406)。この決定は停止ボタン番号に応じて行う。たとえば停止ボタン番号が左ボタンに対応する番号であるなら左リールに対応する停止テーブルを決定する。
【0098】
次に決定した停止テーブルから取得した図柄番号に応じた進みコマ数を取得し(ステップ407)、そのコマ数だけ図柄を進めて操作のあったリールを停止する(ステップ408)。以上のようにして第1回目のボタン操作に応答するリール停止処理が終了する。
【0099】
次に第2回目のストップボタン(停止ボタン)が押下されたかを判断し(ステップ409)、押下された場合にはステップ410に進み、押下されない場合にはステップ409を繰り返す。ステップ410では押下されたストップボタンの番号を取得し、さらに停止操作直後のリールの図柄番号を取得する(ステップ411)。次に、先に特定した停止テーブルの組み合わせの中から、第2停止に使用する停止テーブルを決定する(ステップ412)。この決定は停止ボタン番号に応じて行う。たとえば停止ボタン番号が中ボタンに対応する番号であるなら中リールに対応する停止テーブルを決定する。さらに決定した停止テーブルから取得した図柄番号に応じた進みコマ数を取得し(ステップ413)、そのコマ数だけ図柄を進めて操作のあったリールを停止する(ステップ414)。以上のようにして第2回目のボタン操作に応答するリール停止処理が終了する。
【0100】
次に第3回目のストップボタン(停止ボタン)が押下されたかを判断し(ステップ415)、押下された場合にはステップ416に進み、押下されない場合にはステップ415を繰り返す。ステップ416では押下されたストップボタンの番号を取得し、さらに停止操作直後のリールの図柄番号を取得する(ステップ417)。次に、先に特定した停止テーブルの組み合わせの中から、第3停止に使用する停止テーブルを決定する(ステップ418)。この決定は停止ボタン番号に応じて行う。たとえば停止ボタン番号が右ボタンに対応する番号であるなら右リールに対応する停止テーブルを決定する。さらに決定した停止テーブルから取得した図柄番号に応じた進みコマ数を取得し(ステップ419)、そのコマ数だけ図柄を進めて操作のあったリールを停止する(ステップ420)。以上のようにして全てのボタン操作に応答するリール停止処理が終了する。
【0101】
なお、リール停止制御テーブルが決定されたとしてもリール停止操作によって取得した図柄番号により入賞であるか非入賞であるかが相違するのが一般的である。つまり入賞できる図柄番号を取得するタイミングでストップボタンを押下しなければ入賞できないいわゆる目押しが必要である。しかし、本実施の形態では、ベル賞に当選の場合、停止操作の順番(ストップボタンの押し順)が正当であることを入賞の条件とするため、図柄番号についてはどのような番号が取得されたとしても他の要件を満足する限り入賞できるようにリール停止制御テーブル内のデータを構成しておく。つまり目押しが必要のない完全引き込みのリール制御を行う。すなわちリールへの図柄配置としてベル図柄を5コマ以上の間隔が開かないように配置する。このような図柄配置の場合、ストップボタンがどのようなタイミングで押されたとしても4コマ内の図柄引き込みによって必ずベル図柄が揃うようにリールの停止制御が行われる。よって、ベル賞に当選し他の入賞要件を満足している場合に決定されるリール停止テーブルの場合にはいわゆる目押しをする必要がない。
【0102】
本実施の形態の場合ベル賞への入賞の要件は停止操作順が正当であることおよび第1停止操作のタイミングが正当であることになる。つまり、停止操作順当選において選択された停止データ群に合致する第1番目の停止ボタンでかつそのボタンの押下タイミングが選択された停止データ群に合致する条件のときでなければ入賞できない。本実施の形態では第1回目のリール停止操作の際に、ストップボタンが押されたタイミングが条件に合致しなければベル賞への非入賞が決定される。前記図3に示したカウンタBの状態(偶数あるいは奇数の状態)をこのストップボタン押下タイミングによる入賞決定手法に利用している。つまり、カウンタBのありうる状態(つまり偶数および奇数)に対応したリール停止データを表1に示すように用意しておき、ストップボタンが押下されたときのカウンタBの状態によって、対応するリール停止データ群を上記の通り選択する。
【0103】
このような入賞決定手法を導入することによって押し順(停止操作順)の正当性の要件に加え、ストップボタンの押下タイミングが当たりである要件を加重できる。押し順は前記の通り6通りの組み合わせが存在し、上記カウンタBの二つの状態(偶数または奇数)は確率的に均等であるから、都合1/12の確率で偶然に入賞することとなる。押し順抽選の場合のみと比較して偶然入賞の確率は1/2低下させることが可能になり、後に説明する報知ゲームと通常ゲームとの出玉傾向に明確なメリハリをつけることが可能になる。
【0104】
さらに図4に戻って説明を続ける。リールの回転停止処理(ステップ109)が終了すると、各賞への入賞を判定し、所定のメダル払出処理その他の処理を行う。なお、図4の番号1は図5の番号1に続く。
【0105】
まず、リプレイ賞に入賞かを判断し(ステップ110)、リプレイ賞に入賞の場合はリプレイ賞当選フラグをクリアし(ステップ111)、ステップ102に戻る。
【0106】
リプレイ賞に入賞していない場合は、スイカ賞に入賞かを判断し(ステップ112)、スイカ賞に入賞の場合はメダル払出処理(ステップ113)を行った後、ステップ120に進む。スイカ賞に非入賞の場合は、ベル賞に入賞かを判断し(ステップ114)、ベル賞に入賞の場合はメダル払出処理(ステップ115)を行った後、ステップ120に進む。ベル賞に非入賞の場合は、チェリー賞に入賞かを判断し(ステップ116)、チェリー賞に入賞の場合はメダル払出処理(ステップ117)を行った後、ステップ120に進む。チェリー賞に非入賞の場合は、JAC賞に入賞かを判断し(ステップ118)、JAC賞に入賞の場合はメダル払出処理(ステップ119)を行った後、ステップ120に進む。JAC賞に非入賞の場合はステップ120に進む。
【0107】
次に、RBゲーム中であるかを判断し(ステップ120)、RBゲーム中である場合はRBゲーム終了判定処理を行い(ステップ121)、その後ステップ128に進む。なおRBゲーム終了判定処理については後に詳述する。RBゲーム中でない場合は単独RB入賞であるかを判断し(ステップ122)、単独RB入賞である場合はメダル払出処理(ステップ123)を行った後、さらにRBゲーム開始処理(ステップ124)を行い、その後ステップ128に進む。なおRBゲーム開始処理については後に詳述する。単独RB入賞でない場合はBB中RB入賞であるかを判断し(ステップ125)、BB中RB入賞である場合はメダル払出処理(ステップ126)を行った後、さらにRBゲーム開始処理(ステップ127)を行い、その後ステップ128に進む。BB中RB入賞でない場合はステップ128に進む。
【0108】
次に、BBゲーム中であるかを判断し(ステップ128)、BBゲーム中である場合はBBゲーム終了判定処理を行い(ステップ129)、その後1ゲーム終了処理(ステップ133)に進む。なおBBゲーム終了判定処理については後に詳述する。BBゲーム中でない場合はBB入賞であるかを判断し(ステップ130)、BB入賞である場合はメダル払出処理(ステップ131)を行った後、さらにBBゲーム開始処理(ステップ132)を行い、その後1ゲーム終了処理(ステップ133)に進む。なおBBゲーム開始処理については後に詳述する。BB入賞でない場合は1ゲーム終了処理(ステップ133)に進む。
【0109】
図9はRBゲーム終了判定処理の一例を示したフローチャートである。まず、JAC入賞であるかを判断し(ステップ501)、JAC入賞である場合はJAC入賞回数を1減少させる(ステップ502)。JAC入賞でない場合はステップ505に進む。ステップ502に続きJAC入賞回数が0であるかを判断し(ステップ503)、0の場合はステップ508に進む。0でない場合はJAC入賞回数を表示して(ステップ504)、JACゲーム回数を1減ずる(ステップ505)。ステップ505に続いて残りJACゲーム回数が0であるかを判断し(ステップ506)、残りJACゲーム回数が0である場合はステップ508に進み、0でない場合はJACゲーム回数を表示し(ステップ507)、元の処理に戻る。ステップ508では、RBゲーム中であることを記録したフラグをクリアし、次にBBゲーム中であるかを判断する(ステップ509)。BBゲーム中でない場合は元の処理に戻り、BBゲーム中の場合はRB入賞回数を1減じ(ステップ510)、RB入賞回数を表示して(ステップ511)元の処理に戻る。
【0110】
図10は、RBゲーム開始処理の一例を示したフローチャートである。まず、RBゲーム中であることを示すフラグをセットし(ステップ551)、JAC入賞回数を8に設定する(ステップ552)。さらにJACゲーム回数を12に設定し(ステップ553)元の処理に戻る。なお、ここではRBゲームにおけるJAC入賞回数を8回、JACゲーム数を12回と設定しているが、法律の適用の範囲内で任意に変更することが可能である。
【0111】
図11は、BBゲーム終了判定処理の一例を示したフローチャートである。まず、RBゲーム中であるかを判断し(ステップ601)、RBゲーム中である場合は元の処理に戻る。RBゲーム中でない場合は、残りのRB入賞回数が0であるかを判断し(ステップ602)、0である場合はステップ606に進む。0でない場合は、BBゲーム数を1減じ(ステップ603)、残りのBBゲーム回数が0かを判断する(ステップ604)。残りのBBゲーム回数が0の場合、BBゲーム中であることを示すフラグをクリアし(ステップ606)、そうでない場合はBBゲーム回数を表示し(ステップ605)、元の処理に戻る。
【0112】
図12は、BBゲーム開始処理の一例を示したフローチャートである。まず、BBゲーム中であることを示すフラグをセットし(ステップ651)、RB入賞回数を3に設定する(ステップ652)。さらにBBゲーム回数を30に設定し(ステップ653)、元の処理に戻る。なお、ここではRB入賞回数を3回、BBゲーム回数を30回と設定しているが、法律等の適用の範囲内で任意に変更することが可能である。
【0113】
なお、フラグは一般に処理等における状態がその状態にあるか否かを示す指標データを記録する手段を言うが、上記では、BBゲーム中であるか否か、RBゲーム中であるか否かを指標するためにフラグを用いている。コンピュータ等の計算処理装置を適用する場合、1ビットの情報で1つの状態についてのフラグが構成できる。
【0114】
図13は1ゲーム終了処理の一例を示したフローチャートである。リプレイ賞当選フラグがセットされている場合はリプレイ賞当選フラグをクリアする(ステップ701,702)。スイカ賞当選フラグがセットされている場合はスイカ賞当選フラグをクリアする(ステップ703,704)。ベル賞当選フラグがセットされている場合はベル賞当選フラグをクリアする(ステップ705,706)。チェリー賞当選フラグがセットされている場合はチェリー賞当選フラグをクリアする(ステップ707,708)。BB賞当選フラグがセットされている場合は(ステップ709)、さらに入賞したかを判断し(ステップ710)、入賞した場合にはBB賞当選フラグをクリアする(ステップ711)。単独RB賞当選フラグがセットされている場合は(ステップ712)、さらに入賞したかを判断し(ステップ713)、入賞した場合には単独RB賞当選フラグをクリアする(ステップ714)。BB中RB賞当選フラグがセットされている場合はBB中RB賞当選フラグをクリアする(ステップ715,716)。JAC賞当選フラグがセットされている場合はJAC賞当選フラグをクリアする(ステップ717,718)。
【0115】
1ゲーム終了処理(ステップ133)の終了後、ベット操作禁止を解除し(ステップ144)、1ゲームを終了する。なお、1ゲームの終了処理と並行して演出機構制御基板70における終了処理も行われる(ステップ153)。
【0116】
以上遊技制御基板50における処理の流れを説明した。本実施の形態の遊技装置では、ベル賞の入賞判定にカウンタBの値(偶数か奇数かという状態)を用いる手法を追加する。このようなカウンタの状態(現在状態)を参照した入賞判定はリール図柄を目標としたストップボタンの押下(つまり目押し)と関係なく独立に行われるものである。このため遊技者の技量に関わらずゲームを楽しむことが可能となる。
【0117】
次に演出機構制御基板70における報知演出処理について説明する。図14は、報知演出(アシスト)を受けながら実行するゲーム(ATゲーム)を行う権利を付与するかを決定する権利抽選(AT権利抽選)の一例を示したフローチャートである。
【0118】
まず、AT権利抽選の状態は高確率状態であるかを判断し(ステップ801)、高確率状態である場合は高確率状態ゲーム数を1減算し(ステップ802)、さらに高確率状態ゲーム数が0であるかを判断する(ステップ803)。高確率状態ゲーム数が0の場合はAT権利抽選の状態を低確率状態に設定し(ステップ807)、高確率状態ゲーム数を0に設定(クリア)する(ステップ808)。その後ステップ809に進む。ステップ801の判断が偽またはステップ803の判断が偽の場合はリプレイ賞に当選かを判断し(ステップ804)、リプレイ賞当選の場合は低確率状態に移行する抽選を行う(ステップ805)。そして低確率状態への移行に当選した場合ステップ807に進んで前記AT権利抽選の状態を低確率状態に設定する処理および高確率状態ゲーム数を0に設定する処理を行う。低確率状態への移行に不当選の場合はステップ809に進む。
【0119】
ステップ809ではハズレかを判断し(ステップ809)、ハズレの場合にはAT権利抽選の状態に応じて権利抽選を行う。つまり高確率状態の場合は高確率な権利抽選を行い、低確率状態の場合は低確率な権利抽選を行う(ステップ810〜812)。そしてAT権利抽選に当選したかを判断し(ステップ813)、当選の場合にはAT期間中のフラグをセットし(ステップ814)、セット回数を抽選し(ステップ815)、抽選されたセット回数を現在のセット回数に加算する(ステップ816)。その後本処理を終了する。AT権利抽選に不当選の場合はステップ814〜816の処理を行うことなく本処理を終了する。
【0120】
図15は、演出機構制御基板70における報知演出処理の一例を示したフローチャートである。まず、AT期間中かあるいはBBゲーム中であるかを判断し(ステップ901)、AT期間中あるいはBBゲーム中である場合にはステップ902以降の処理を行う。そうでない場合は本処理を終了する。ステップ902ではAT動作中かBBゲーム中であるかを判断し、AT動作中かBBゲーム中である場合はステップ907に進み、そうでない場合はAT動作開始抽選を行い(ステップ903)、AT動作開始抽選に当選した場合はAT動作中フラグのセットおよびATゲーム数(ここでは30ゲームとする)のセットを行う(ステップ904〜906)。そしてステップ907に進む。AT動作開始抽選に不当選の場合は処理を終了する。
【0121】
ステップ907では、ベル賞に当選かを判断し(ステップ907)、ベル賞当選の場合はベル賞当選報知演出、押し順報知演出およびストップボタン押下タイミングの報知演出を行う(ステップ908)。そうでない場合は処理を終了する。
【0122】
図16および図17は、ベル賞当選の報知演出処理の一例を示したフローチャートである。まず、ベル賞に当選したことを報知し(ステップ1001)、次に停止操作順の第1順は左、中、右の何れであるかを判断する(ステップ1002)。なお、ベル賞に当選したことの報知は液晶表示装置へのその旨の表示、音あるいは音声による注意喚起、ランプ発光による注意喚起等が例示できる。これらを組み合わせた報知も勿論可能である。
【0123】
次に、ステップ1002で判断した左、中、右に応じて報知ボタンをセットする(ステップ1003〜1005)。すなわち、停止操作順の第1順が左ボタンである場合報知ボタンを左ボタンにセットし、第1順が中の場合報知ボタンを中ボタンにセットし、第1順が右の場合報知ボタンを右ボタンにセットする。なお、停止操作順の第1順が左、中、右の何れであるかは、遊技制御基板50から送信される当選フラグ(ベル賞の場合は停止操作順抽選の結果当選したベル1、ベル2等の当選役)に関するデータと、演出機構制御基板70が記録している前記表1に相当するテーブルとによって判断することが可能である。
【0124】
ところで、押し順に加重してストップボタン押下タイミングの入賞条件を付加するのみであるなら、押下タイミングの条件が「偶数」あるいは「奇数」であることをさらに抽選する必要はない。すなわち、たとえば予め「偶数」の場合を入賞と定めておけば、これによっても偶然入賞は1/12の確率に下げることは可能である。たとえば表1のベル1とベル2とを併合し選択率を44/256とすれば、偶然入賞の確率を1/12に低下させる効果に関しては同じである。しかし本実施の形態では、表1に示すように、ストップボタンの押下タイミングに関する入賞条件と押し順とを組み合わせた当選役として抽選を行っている。つまり抽選ごとに押下タイミングに関する入賞条件が変化するように構成している。本実施の形態でこのように構成しているのは、入賞条件が固定されるデメリットを避けるためである。つまり、仮に入賞条件が固定された場合、現在状態を保持するカウンタBはゲームの進行に関係なく周期的に状態遷移が行われているので、押下タイミングに関する入賞条件も周期的に入賞・非入賞が繰り返されることになる。この周期は以降に説明する報知動作によって遊技者は知ることが可能であるから、入賞条件を満足するタイミングさえ何らかの方法で知りえた場合、報知を受けなくとも押下タイミングに関する入賞条件を満足するような特殊な打法が実現できてしまうことになる。このような状況は決して好ましいわけではない。よって抽選ごとに入賞条件が変化させ、現在の入賞条件が何れであるかが遊技者からはわからないようにしたものである。
【0125】
報知ボタンをセットした後、次に報知ボタンを遊技者に報知する(ステップ1006)。報知の態様としては、たとえば液晶表示画面等に3つのリールを表示し、この3つのリールのうち報知リールに該当するリールを大きく表示する態様が例示できる。あるいは、回転中のリールにバックライトを設け、報知ボタンに該当するリールのバックライトのみ点灯して何れのボタンを押すべきかを報知することが出来る。また、報知ボタンに該当するストップボタンの内部にランプを設け、このランプを点灯することによって該当するボタンを光らせる報知態様が例示できる。あるいは音声により該当するリール(またはボタン)を「右」「中」「左」のように指示し、遊技者に指示したボタンを押下するように促すことが出来る。
【0126】
次に、押下タイミングに関する入賞条件を判断する(ステップ1007)。入賞条件は、遊技制御基板50から送信される当選フラグ(ベル賞の場合は停止操作順抽選の結果当選したベル1、ベル2等の当選役)に関するデータと、演出機構制御基板70が記録している前記表1に相当するテーブルとによって判断することが可能である。図3に示すカウンタBは奇数の場合コマンドAを発し、偶数の場合コマンドBを発する。よって入賞条件が奇数の場合はコマンドAを受け取ったかを判断し(ステップ1008)、受け取った場合には報知ボタンを押下すべき旨の報知を行う(ステップ1010)。一方入賞条件が偶数の場合はコマンドBを受け取ったかを判断し(ステップ1009)、受け取った場合には報知ボタンを押下すべき旨の報知を行う(ステップ1010)。なお、入賞条件に合致するコマンドAまたはBを受け取るまではステップ1007に戻り処理を繰り返す。
【0127】
ここで、コマンドAまたはBを受け取った後、報知ボタンを押下すべき旨の報知時間には制限がある。図18はカウンタB、コマンドA、コマンドBおよび報知のタイミングを示したタイミング図である。カウンタBは時刻t1,t2,t3で更新される。カウンタBの更新周期はたとえば500msecである。本来コマンドAとコマンドBはカウンタの更新タイミングと同じタイミングで発生するが送出タイミング制御回路60によってその送出タイミングが各々t1’、t2’t3’にずれる。ずれの大きさはおよそ40msecの範囲内でランダムである。このようなずれが存在するため、仮にコマンドを受けてから報知する時間をカウンタの状態保持時間と同じ500msecにしたならば、遊技制御基板ではすでに状態が遷移して入賞条件が変わっているにも関わらず、押下すべき旨の報知が継続されている時間が存在し得ることとなる。遊技者は報知を信じてストップボタンを押すのであり、報知されている期間内にボタンを押したにもかかわらず入賞できないようでは遊技者の支持を失いかねない。よってこのような事態を避けるため、少なくともカウンタの状態保持時間からずれの最大時間を減じた時間に報知時間を制限する。さらに、本実施の形態では誤動作防止のための余裕を設ける。カウンタBの更新時間が500msecであるとすると、報知時間としては460msec、余裕時間としてたとえば8msecを考慮すれば452msecとすることができる。なお、8msecの余裕時間は必ずしも設ける必要はない。また、ここで例示した数値は全て例示であり、特にこの例示した数値に限定されるものではない。
【0128】
このような報知時間の制限を設けることにより、報知されている期間は必ず遊技制御基板においても入賞条件を満足していることが保証され、遊技者に報知に基づく確実な遊技を提供できる。
【0129】
なお、ストップボタンを押下すべき旨の報知として、たとえば報知時間の間「Push」等の文字を画像表示装置に表示する例を挙げることができる。また、リールのバックライトを点滅させ、押下すべき時間内にバックライトを点灯させるように構成することもできる。あるいは押下すべき期間に音を鳴らす、音声により「押して」等の指示を発する等を例示することができる。
【0130】
ステップ1010の報知が所定の期間行われた後は、1回目のボタンが押下されたかを判断し(ステップ1011)、押下された場合はステップ1012に進み、押下されていない場合はステップ1006に戻って処理を繰り返す。このように処理を繰り返すことによってボタンが押下されるまで報知が継続されることとなる。
【0131】
次にステップ1012では1回目の押下ボタンが正当か判断され(ステップ1012)、正当でない場合は処理を終了し、正当である場合は停止操作順の第2順の報知処理に移行する(ステップ1013)。停止操作順の第2順は左、中、右の何れであるかを判断し(ステップ1013)、その判断に応じた報知ボタンをセットする(ステップ1014〜1016)。次に報知ボタンを報知し(ステップ1017)、2回目のボタンの押下があったかを判断する(ステップ1018)。ボタンの押下があるまでステップ1017に戻って処理を繰り返し、2回目のボタンの押下を検知すると押下ボタンが正当か判断され(ステップ1019)、正当でない場合は処理を終了する。正当である場合は停止操作順の第3順の報知処理に移行する(ステップ1020)。停止操作順の第3順は左、中、右の何れであるかを判断し(ステップ1020)、その判断に応じた報知ボタンをセットする(ステップ1021〜1023)。次に報知ボタンを報知し(ステップ1024)、3回目のボタンの押下があったかを判断する(ステップ1025)。ボタンの押下があるまでステップ1024に戻って処理を繰り返す。そして3回目のボタンの押下を検知すると処理を終了する。
【0132】
このように本実施の形態では遊技制御基板における入賞条件および判定と組み合わせて、ストップボタンの押下タイミングを報知演出の内容とすることができる。繰り返し述べているように本入賞条件は目押しとは関係なく単にボタンの押下タイミングが正しいか否かを判断するのみである。よって、目押しが苦手な遊技者にも受け入れられ易い遊技装置を構成できる。また、前記したとおり報知演出は押すタイミングをその期間報せるものであり、目押しに必要な図柄を報知するような複雑なものではなく単に報知演出で指定された時期にボタンを押しさえすれば入賞を果たせる。この点からも初心者等目押しが苦手な遊技者に受け入れられ易い遊技装置を構成できる。
【0133】
図19は報知演出処理の終了処理の一例を示したフローチャートである。BBゲームまたはRBゲームかを判断し(ステップ1101)、そうであるならステップ1109に進み、そうでないならAT動作中であるかを判断する(ステップ1102)。AT動作中でないならステップ1109に進み、AT動作中ならATゲーム数を1減算した後(ステップ1103)、ATゲーム数が0かを判断する(ステップ1104)。ATゲーム数が0でないならステップ1109に進み、ATゲーム数が0ならAT動作中フラグをクリアし(ステップ1105)、セット回数を1減算する(ステップ1106)。さらにセット回数が0かを判断し(ステップ1107)、セット回数が0ならAT期間中フラグをクリアした後(ステップ1108)ステップ1109に進み、セット回数が0でないならそのままステップ1109に進む。ステップ1109ではBBゲームが終了かを判断し、そうでない場合は本処理を終了し、BBゲームが終了なら、AT権利抽選の状態を高確率状態に設定し(ステップ1110)、高確率状態ゲーム数をたとえば20に設定して(ステップ1111)処理を終了する。
【0134】
以上、本発明者によってなされた発明を発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
【0135】
たとえば、前記実施の形態ではカウンタBによって現在状態を偶数または奇数として発生保持させる例を説明した。しかし、これに限らずたとえば一般的なフラグによって現在状態を生成保持するような構成を実現することも可能である。また、前記実施の形態では偶数および奇数の2状態の例を説明したがカウンタ値を3以上の数で割った余りを用いることによってさらに多数の状態を生成することも可能である。
【0136】
また、前記実施の形態では、状態の内容が周期性をもって変化する場合の例を述べた、しかし状態の内容はランダムに変更されてもよい。たとえば偶数および奇数の場合(偶数、奇数、偶数、奇数・・・)と規則正しく変更される必要は無く(偶数、偶数、奇数、偶数、偶数、奇数、奇数・・・)のように不規則に変更されても良い。
【0137】
また、前記実施の形態では、カウンタの更新時期は時間的に周期性をもって更新される例を説明した。しかし、更新時期は時間的にランダムに変更されても良い。たとえば乱数によって次回更新時間を生成し、この更新時間の経過によって現在状態生成手段の内容が変更されるように構成しても良い。
【0138】
また、前記実施の形態では、入賞を得るためにストップボタンの押下タイミングを要件とするリールは一つの場合について説明した。しかし、他のリールについてもストップボタンの押下タイミングを入賞の要件としてもよい。たとえば前記実施の形態において第2番目の停止ボタンについても1/2の確率で選択される押下タイミングの要件を適用すれば偶然入賞の確率は1/24に低下する。さらに第3番目の停止ボタンについても同様の要件を適用すれば偶然入賞の確率は1/48に低下させることが可能である。これにより、報知状態とそうでない時に偶然入賞の確率差をより大きくすることが可能になる。
【発明の効果】
本発明によれば、ストップボタンの操作によって当選確率を適度に低下することが出来る技術を提供できる。また、遊技者に報知が行われた場合には遊技者の技量によらず確実に入賞を可能とする技術を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である遊技装置の一例を示した正面図である。
【図2】図1に例示する遊技装置の構造を、その機能について示したブロック図である。
【図3】本発明の一実施の形態である遊技装置で用いるソフトウェアカウンタの一例を示した概念ブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態である遊技装置で実施される1ゲームの流れを例示するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施の形態である遊技装置で実施される1ゲームの流れを例示するフローチャートである。
【図6】当選フラグのセット処理の一例を示したフローチャートである。
【図7】リール停止データ群の選択処理の一例を示したフローチャートである。
【図8】リール停止制御の一例を示したフローチャートである。
【図9】RBゲーム終了判定処理の一例を示したフローチャートである。
【図10】RBゲーム開始処理の一例を示したフローチャートである。
【図11】BBゲーム終了判定処理の一例を示したフローチャートである。
【図12】BBゲーム開始処理の一例を示したフローチャートである。
【図13】1ゲーム終了処理の一例を示したフローチャートである。
【図14】AT権利抽選の一例を示したフローチャートである。
【図15】報知演出処理の一例を示したフローチャートである。
【図16】ベル賞当選の報知演出処理の一例を示したフローチャートである。
【図17】ベル賞当選の報知演出処理の一例を示したフローチャートである。
【図18】カウンタB、コマンドA、コマンドBおよび報知のタイミングを示したタイミング図である。
【図19】報知演出処理の終了処理の一例を示したフローチャートである。
【符号の説明】
1…遊技演出装置、2…ランプ、3…スピーカ、4…スピーカ、5…ランプ、7…1メダルランプ、8…2メダルランプ、9…3メダルランプ、10…スタートランプ、11…リプレイ賞入賞表示ランプ、12…入賞表示ランプ、13…打ち止め表示ランプ、14…BBゲーム中表示ランプ、15…RBゲーム中表示ランプ、16…メダル投入可能表示ランプ、17…1枚ベットボタン、18…2枚ベットボタン、19…クレジット精算ボタン、20…3枚ベットボタン、21…遊技メダル返却ボタン、22…遊技メダル投入口、23…ドアキー、24…スタートレバー、25…クレジット枚数表示機、26…ボーナスカウント表示機、27…メダル配当表示機、28…ストップボタン、32…スピーカ33…遊技メダル払出口、34…受け皿、35…リール、36…リール、37…リール、50…遊技制御基板、51…CPU、52…入力ポート、53…クロック発生回路、54…ROM、55…RAM、56…乱数発生回路、57…出力ポート、58…出力ポート、59…データ送出回路、60…送出タイミング制御回路、61…リセットスイッチ、62…メダル投入センサ、63…メダル払出センサ、64…メダル満杯センサ、65…位置検出センサ、66…ドアセンサ、67…リール駆動モータ、68…メダル払出モータ、69…メダルブロッカソレノイド、70…演出機構制御基板、72…CPU、73…遊技演出装置駆動回路、74…乱数発生回路、75…データ入力回路、76…クロック発生回路、77…ランプ駆動回路、78…RAM、79…サウンドLSI、80…アンプ回路、81…音声ROM、82…段階設定キースイッチ、85…音量調節回路。

Claims (6)

  1. スタートレバーと、
    前記スタートレバーの操作を契機に賞群またはハズレを抽選する抽選手段と、
    周面に識別図柄が配置され前記スタートレバーの操作を契機に回転動作を開始する複数のリールと、
    前記複数のリールの各々に対応した複数のストップボタンと、
    予め定義された複数の状態のうち何れかの状態を現在状態として選択する現在状態選択手段と、
    前記複数のストップボタンのうち何れかのストップボタンが押下された時点における前記現在状態を取得する手段と、
    前記取得状態に基づいて所定の第1条件が満足されたかを判断する手段と、を有し、
    前記抽選手段により抽選された当選賞群が特定の賞群の場合に、前記第1条件を満足していることを必要条件として前記当選賞群に入賞したと判断する遊技装置。
  2. 前記現在状態に基づく前記第1条件が満足されている旨の報知を行う手段を有する請求項1記載の遊技装置。
  3. 前記現在状態選択手段は、
    先の現在状態を選択した時点から第1時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする第1の構成、
    先の現在状態を選択した時点から第1時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から無作為に抽出された状態を前記現在状態とする第2の構成、
    先の現在状態を選択した時点から第2時間以上第3時間以下の範囲内で無作為に抽出された時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から順に選択された状態を前記現在状態とする第3の構成、または、
    先の現在状態を選択した時点から第2時間以上第3時間以下の範囲内で無作為に抽出された時間の経過後に前記現在状態を選択するものであって、前記複数の状態から無作為に抽出された状態を前記現在状態とする第4の構成、
    の何れかの構成を有する請求項1または2記載の遊技装置。
  4. 遊技を制御する第1制御基板と、報知処理を制御する第2制御基板とを有し、前記第1制御基板から前記第2制御基板に送信される信号が所定の第4時間の範囲内でずれを生じる請求項3記載の遊技装置であって、
    前記第1制御基板には、前記現在状態に基づいた信号であって前記当選賞群に入賞するに必要な第1信号を生成し送信する手段を含み、
    前記第2制御基板には、前記第1信号を受け取った時点から第5時間が経過するまで前記第1条件が満足されている旨の報知を行う手段を含み、
    前記第5時間は、前記第1時間もしくは前記第2時間から前記第4時間を減じた時間、または、前記第1時間もしくは前記第2時間から前記第4時間および誤動作防止のための第6時間を減じた時間、の何れかの時間である請求項3記載の遊技装置。
  5. 前記当選賞群が前記特定の賞群である場合に、前記特定の賞群に関する第2の抽選手段を有し、
    前記第2の抽選手段によって、前記第1条件が変更される請求項1〜4の何れか一項に記載の遊技装置。
  6. 前記ストップボタンの押し順が正当である条件を前記当選賞群に入賞するための必要条件としてさらに付加する請求項1〜5の何れか一項に記載の遊技装置。
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