以下、本発明の一実施の形態である遊技機の構成と動作について説明する。
[外観構成等について]
図1は、本実施の形態である遊技機1の外観を示す正面図である。遊技機1は、具体的にはパチスロ機の例である。この遊技機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークンなどの他、遊技者に付与された、又は付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下では遊技媒体としてメダルを用いるものとして説明する。
遊技機1のコントロールパネル中央部に設けられた枠の後方のキャビネット内部には、3個の小型のメインリール2,3,4が設けられている。以下では、メインリール2を左リール2、メインリール3を中リール3、メインリール4を右リール4とも称する。各メインリール2〜4は縦回転し、その外周面には複数種類の図柄を並べた図柄列が描かれている。また、メインリール2〜4の上方のキャビネット内部には、メインリール2〜4より大型のサブリール5,6,7が設けられている。各サブリール5〜7は縦回転し、その外周面には、演出表示用の複数種類の図柄を並べた図柄列が描かれている。
メインリール2〜4の前部には表示窓となるリール表示窓部39が設けられており、このリール表示窓部39を通して、各メインリール2〜4の外周面に描かれた図柄列を図柄3個分の範囲で視認することができる。また、サブリール5〜7の前部にはリール表示窓部50が設けられており、このリール表示窓部50に形成された表示窓5A,6A,7Aを通して、各サブリール5〜7の外周面に描かれた図柄列を図柄3個分の範囲で視認することができる。
前記のメインリール2〜4及びサブリール5〜7は、いずれもリールドラムの外周にリール帯が貼られて構成されており、このリール帯に前記の図柄列が描かれている。また、前記のメインリール2〜4、及びサブリール5〜7を構成する各リールドラムの内部には、各リールドラムに貼られたリール帯に描かれた図柄を背後から照明する種々の色で発光するLED(発光ダイオード)からなるリールバックランプ47a,47b,47c、リールバックランプ48a,48b,48cがそれぞれ設けられている。
リール表示窓部39の右方のコントロールパネルには、遊技者がメダルを投入するための投入口9が設けられている。ゲーム開始に先立って、遊技者が投入口9からメダルを投入すると、リール表示窓部39上における図1において図示しない複数本の入賞ライン、および、リール表示窓部50の表示窓5A〜7A上における図1において図示しない複数本の入賞ラインが、それぞれ有効化される。そして、有効化された入賞ライン(有効ライン)上に所定の図柄の組み合わせが揃うと、表示役が成立する。
表示窓5A〜7Aの左方のリール表示窓部50には、上部から、ボーナスカウント表示部10、メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13〜15、配当枚数表示部16、貯留枚数表示部17、及び遊技動作表示器18〜22が設けられている。ボーナスカウント表示部10は、3桁の7セグメントLEDからなり、ボーナスゲーム作動時に後述するRB(レギュラーボーナス)遊技状態の残り入賞可能回数などをデジタル表示する。メダル投入枚数表示ランプ(ベットランプ)13〜15は、メダルの投入枚数に応じて点灯制御され、そのときのメダルの投入枚数を遊技者に知らせる。配当枚数表示部16は、2桁の7セグメントLEDからなり、入賞によるメダル払出枚数などを表示する。貯留枚数表示部17は、3桁の7セグメントLEDからなり、装置内部に現在クレジットされているメダル数を表示する。遊技動作表示器18〜22は、遊技状況に応じて点灯制御され、そのときの遊技状況を遊技者に知らせる。
また、表示窓5A〜7Aの右方のリール表示窓部50には、上部から、遊技回数表示部23、遊技状態示唆ランプ24、スタートランプ25、WINランプ26、及びインサートランプ27が設けられている。遊技回数表示部23は、3桁の7セグメントLEDからなり、所定の残り遊技回数などをデジタル表示する。遊技状態示唆ランプ24は、遊技状態示唆ランプ24a及び遊技状態示唆ランプ24bからなり、遊技状態に応じて点灯制御される。スタートランプ25は、メインリール2〜4が作動可能なときに点滅する。WINランプ26は、ボーナスゲームの作動にかかる当籤役(内部当籤役)が決定されると点灯する。また、インサートランプ27は、投入口9にメダルの投入が受付可能なときに点灯する。
リール表示窓部39の左方のコントロールパネルには、1貯留メダル投入ボタン(1ベットボタン)30、2貯留メダル投入ボタン(2ベットボタン)31、及び3貯留メダル投入ボタン(マックスベットボタン)32が設けられている。これら各貯留メダル投入ボタン30〜32は、貯留枚数表示部17にメダル数が表示されてクレジットされているときに、1回のゲームに1枚〜3枚の当該メダルを投入口9へのメダル投入に代えて賭ける場合に使用される。
リール表示窓部39が設けられたコントロールパネルの下方には、左側から、スタートレバー33、停止ボタン(ストップボタン)34,35,36、及び貯留メダル精算ボタン37が設けられている。
スタートレバー33は、単位遊技(1ゲーム)を開始させる開始操作を行うためのレバーであり、開始操作手段を構成している。すなわち、スタートレバー33の操作によりメインリール2〜4及びサブリール5〜7の回転が一斉に開始する。すなわち、開始操作を契機として、メインリール2〜4により表示される図柄の変動が行われる。
左、中、右の各停止ボタン34,35,36は、それぞれ左、中、右の各メインメインリール2,3,4に対応して配置され、また、それぞれサブリール5,6,7にも対応しており、各メインリール2〜4の回転が一定速度に達したときに操作が有効化され、遊技者の操作に応じて各メインリール2〜4及び各サブリール5〜7の回転を停止する停止操作を行う。各停止ボタン34〜36は、メインリール2〜4による複数列の図柄の変動をそれぞれ停止させる停止操作手段を構成している。ここで、全てのメインリール2〜4及びサブリール5〜7が回転しているときに最初に行われるリールの停止操作を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。また、最初のリールの停止を第1停止、2番目のリールの停止を第2停止、3番目のリールの停止を第3停止という。
また、貯留メダル精算ボタン37は、装置内部にメダルをクレジットして遊技を行うか直接投入口9にメダルを投入して遊技を行うかを切り替えるとき、及び装置内部にクレジットされている全てのメダルを払い出して精算するときに使用される。
遊技機1の正面下部にはメダル受皿52が設けられている。このメダル受皿52は、メダル払出口53から払い出しされるメダルを貯留するものである。メダル払出口53の右方には、スピーカ54が設けられている。また、遊技機1の正面上部の左右両側にも、一対のスピーカ96,96が設けられている。
遊技機1の筐体内部には、出玉率の設定値を設定するときに操作される図示しない設定ボタン、及び、出玉率の設定値を選択するときに操作される図示しないリセットボタンが設けられている。出玉率は、遊技機1に投入されたメダルの総枚数に対する払い出されたメダルの総枚数の割合を示すものである。本例では、設定値は設定1〜設定6の6段階用意されている。
ここで、「単位遊技(1ゲーム)」とは、遊技者のスタートレバー33に対する操作に応じてメインリール2〜4が回転してから、遊技者の停止ボタン34〜36に対する操作に応じてメインリール2〜4の回転が停止し、このときに有効化された入賞ライン上に揃った図柄の組合せに応じたメダルの払い出しが行われるまでか、次回のゲームの開始が許可される(次回のゲームが始まる)前までのことである。
[ハードウェア構成について]
図2は、遊技機1の遊技処理動作を制御するメイン制御基板(主制御基板)61の電気的な接続を示すブロック図であり、図3は、遊技機1の演出動作を制御するサブ制御基板(副制御基板)62を中心とする制御系の電気的な接続を示すブロック図である。
図2に示すメイン制御基板61における制御部はマイコン63を主な構成要素とし、これに乱数サンプリングのための回路を加えて構成されている。マイコン63は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(メインCPU)64と、各種プログラムや固定データを記憶しているプログラムROM65と、CPU64の作業エリアとなるバックアップ機能付き制御RAM66とを備えている。
CPU64には、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路67と、当該基準クロックパルスを分周する分周器68と、一定範囲の乱数を発生する乱数発生器69と、当該発生した乱数の1つを特定するサンプリング回路70とが接続されている。さらに、CPU64には、後述する各種周辺装置との間で信号を授受するI/Oポート(入出力ポート)71が接続されている。
マイコン63からの制御信号により動作が制御される主要なアクチュエータとしては、各メインリール2〜4を回転駆動するステッピングモータ45、各種ランプ(ベットランプ13〜15、スタートランプ25、WINランプ26、インサートランプ27)、各種表示部(遊技動作表示器18〜22、貯留枚数表示部17、ボーナスカウント表示部10、遊技回数表示部23、配当枚数表示部16)、メダルを収納するホッパー72などがある。これらはそれぞれモータ駆動回路73、各ランプ駆動回路74、各表示部駆動回路75、ホッパー駆動回路76によって駆動される。これら各駆動回路73〜76は、I/Oポート71を介してCPU64に接続されている。
また、マイコン63が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する主な入力信号発生手段としては、投入口9から投入されたメダルを検出する投入メダルセンサ9S、スタートレバー33の操作を検出するスタートスイッチ33S、貯留メダル投入ボタン30,31,32の操作を検出する貯留メダル投入スイッチ30S,31S,32S、貯留メダル精算ボタン37の操作を検出する貯留メダル精算スイッチ37S、図示しない設定ボタンの操作を検出する設定スイッチ56S、リセットボタンの操作を検出するリセットスイッチ55Sがある。
スタートスイッチ33Sは、投入口9にメダルが投入されてスタートレバー33を操作することにより単位遊技の開始操作が行なわれたことを検出する開始操作検出手段を構成している。乱数発生器69は、乱数を発生させる乱数発生手段を構成している。
さらに、上記の入力信号発生手段としては、各メインリール2〜4の内部に設けられたフォトセンサからの出力パルス信号を受けて各メインリール2〜4の回転位置を検出するリール位置検出回路77がある。フォトセンサは各メインリール2〜4の駆動機構に含まれており、図2には示されていない。
リール位置検出回路77は、メインリール2〜4の回転が開始された後、ステッピングモータ45の各々に供給される駆動パルスの数を計数し、この計数値は制御RAM66の所定エリアに書き込まれる。従って、制御RAM66内には、各メインリール2〜4について、1回転の範囲内における回転位置に対応した計数値が、メインリールの回転位置を示すリールインデックスとして格納されている。また、前記のフォトセンサは各メインリール2〜4が1回転する毎にリセットパルスを発生する。このリセットパルスはリール位置検出回路77を介してCPU64に認識され、制御RAM66で計数されている駆動パルスの計数値が「0」にクリアされる。このクリア処理により、各図柄の移動表示と各ステッピングモーク45の回転との間に生じるずれが、1回転毎に解消されている。
ここで、前述のメインリール2〜4の周面に配された各図柄には、リールの回転方向から順に、夫々を識別するための図柄位置「0」〜「17」が規定されている。そして、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターライン(より正確には、図1におけるリール表示窓部39の中段の領域の中心部)に位置するように、リール位置検出回路77によってリールインデックスが検出される構成となっている。例えば、リールインデックスの検出により図柄の数をカウントするRAM66に格納されている図柄カウンタの値が「0」になる際に、図柄位置「0」に対応する図柄がセンターラインに位置することとなり、この結果、図柄カウンタと図柄位置とが対応付けられる。従って、図柄カウンタを参照することにより、センターラインに位置する図柄を特定することが可能となる。
停止ボタン34〜36が押されたときに対応するメインリール2〜4を停止させる信号を発生するリール停止信号回路78、ホッパー72から払い出されるメダル数を計数するメダル検出部72S、図示しない払出完了信号発生回路は入力信号発生手段となる。これらもI/Oポート71を介してCPU64に接続されている。払出完了信号発生回路は、メダル検出部72Sから入力した実際に払い出しのあったメダル計数値が、各表示部駆動回路75から入力した計数信号で表される配当枚数データに達したときにメダル払い出しの完了を検知する信号を発生する。
リール停止信号回路78は、変動中の図柄の停止操作の検出を行なう停止操作検出手段を構成している。また、ステッピングモータ45、モータ駆動回路73、リール位置検出回路77、及びマイコン63は、リール停止信号回路78により行なわれる図柄の停止操作の検出に基づいて、メインリール2〜4により表示される図柄の中から決定された内部当籤役に応じた図柄を所定の図柄変動範囲内で変動表示させ、メインリール2〜4により表示される図柄の変動を停止制御する停止制御手段を構成している。また、ホッパー72、メダル検出部72S、ホッパー駆動回路76、払出完了信号発生回路及びマイコン63は、停止制御手段によりメインリール2〜4に停止表示された図柄の組み合わせに基づいて、遊技者にメダルを払い出す遊技媒体払出手段を構成している。
I/Oポート71には、サブ制御部通信ポート79が接続されており、マイコン63はこのサブ制御部通信ポート79を介してサブ制御基板62へ信号を送出する。図3に示すサブ制御基板62には、この信号をメインサブ中継基板97及びサブ中継基板98を介して受信するメイン制御部通信ポート88が設けられている。サブ制御部通信ポート79とメイン制御部通信ポート88との間の通信は、サブ制御部通信ポート79からメイン制御部通信ポート88へ向かう一方向についてだけ行われる(メイン制御部通信ポート88からサブ制御部通信ポート79への制御信号の送信は行われない)。本実施の形態では、サブ制御部通信ボート79からメイン制御部通信ポート88へ送出される制御信号(コマンド)は、7ビット長でその制御種別が表されるコマンド種別と、最大24ビット長でそのコマンドの内容が表されるパラメータとで構成されている。
サブ制御基板62は、メイン制御基板61から送信されるコマンドに基づいて所定の演出を行う。サブ制御基板62における制御部はマイコン81を主な構成要素として構成されている。マイコン81も、メイン制御基板61におけるマイコン63と同様、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU(サブCPU)82と、各種制御プログラムや固定データを記憶しているROM83と、CPU82の作業エリアとなるバックアップ機能付き制御RAM84とを備えている。CPU82にも、基準クロックパルスを発生するクロックパルス発生回路85と、当該基準クロックパルスを分周する分周器86と、各アクチュエータとの間で信号を授受するI/Oポート87とが接続されている。
CPU82は、遊技演出の統括制御処理を所定の処理手順に従って行う。この処理手順は、シーケンスプログラムとしてROM83に記憶されている。CPU82は、アドレスバスがアドレスバス切離回路89、データバスがデータバス切離回路90を介してROM83に接続されており、ROM83に記憶された情報を読み出すときには、先ず、ROM83のチップセレクト端子SにI/Oポート87を介してLレベル信号を出力し、続いて、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにもI/Oポート87を介してLレベル信号を出力する。
各切離回路89,90は、それぞれの出力イネーブル端子EにHレベル信号が入力されているときには、データ出力端子がハイインピーダンス状態になり、CPU82とROM83との間は電気的に絶縁された状態になって、CPU82から各切離回路89,90の各データ入力端子に入力されるアドレスバスデータ、データバスデータは、各切離回路89,90のデータ出力端子から出力されない。しかし、各切離回路89,90は、それぞれの出力イネーブル端子EにLレベル信号が入力されると、CPU82から各データ入力端子に入力されるアドレスバスデータ、データバスデータをそのままデータ出力端子から出力する。CPU82は、このデータ出力により、アドレスバス及びデータバスを介してROM83に対する情報読出アクセスが可能になる。
サブ中継基板98には、サブリール制御部62aが接続されている。マイコン81からの制御信号により動作が制御されるアクチュエータとしては、サブリール制御部62aにおけるサブリール5〜7をそれぞれ回転駆動するステッピングモータ101、メインリール2〜4に内蔵されたリールバックランプ47a〜47c、サブリール5〜7に内蔵されたリールバックランプ48a〜48c及び前述した遊技状態示唆ランプ24がある。ステッピングモータ101は、それぞれモータ駆動回路103によって駆動される。また、リールバックランプ47a〜47c及び遊技状態示唆ランプ24の点灯は、I/Oポート87に接続されたランプ駆動回路89からの駆動信号によって制御される。また、リールバックランプ48a〜48cはランプ駆動回路107からの駆動信号によって制御される。ランプ駆動回路107はサブ中継基板98に接続されており、CPU82からの指令に基づいて動作する。
マイコン81が制御信号を生成するために必要な入力信号を発生する入力信号発生手段としては、サブリール5〜7に設けられたフォトセンサからの出力パルス信号を受けて、サブリール5〜7の回転位置を検出するリール位置検出回路105がある。このフォトセンサは、各サブリール5〜7の駆動機構に含まれており、図3には示されていない。
音源IC91には、アドレスバス及びデータバスを介してROM83が接続されている。ROM83には、CPU82のシーケンスプログラムに加えて、音声データが記憶され、そのチップセレクト端子SがI/Oポート87に接続されている。音源IC91は、マイコン81の制御の下、パワーアンプ92の出力をI/Oポート87、メイン制御部通信ポート88及びサブ中継基板98を介してスピーカ54,96,96へ伝え、音声を出力させる。マイコン81は、メインサブ中継基板97、サブ中継基板98及びメイン制御部通信ポート88を介してメイン制御基板61から入力される指示に従い、音源IC91及びパワーアンプ92を制御し、メダル投入音、スタートレバー操作音、停止ボタン操作音、ボーナスゲーム中の遊技音などの効果音をスピーカ54,96,96から出力させる。また、メイン制御基板61から取り込んだ遊技状態及び内部当籤役の情報に基づいて選択した演出態様に基づく出音パターンで、スピーカ54,96,96から出音させる。
音源IC91は、I/Oポート87に接続されたコントロール端子C、バス開放制御端子Z、及びリセット端子Rを備えており、コントロール端子Cに入力される信号に従ってスピーカ54,96,96から出音させる制御を行う。また、音源IC91は、バス開放制御端子Zに入力される信号がLレベルのときには、アドレスバス及びデータバスを有効化し、各バスを使ったROM83に対する読出情報アクセスを可能にする。しかし、バス開放制御端子Zに入力される信号がHレベルのときには、アドレスバス及びデータバスをハイインピーダンス状態にし、音源IC91とROM83との間の電気的接続を断ってROM83に対する情報読出アクセスを行えなくする。また、音源IC91は、リセット端子Rにハイレベル信号が入力されるのを検出すると、動作を開始する。
前述したアドレスバス切離回路89、データバス切離回路90及びCPU82は、各切離回路89,90の出力イネーブル端子K、及び音源IC91のバス開放制御端子Zに入力される信号を制御して、ROM83に対する情報読出アクセスをCPU82又は音源IC91のいずれか一方に規制して同時にアクセスさせないアクセス調整を行なうようにしている。つまり、ROM83に対する情報読出アクセスをCPU82に行わせる場合には、このアクセス調停により、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにLレベル信号が入力され、CPU82とROM83との間のアドレスバス及びデータバスが電気的に接続された状態にされると共に、音源IC91のバス開放制御端子ZにHレベル信号が入力され、音源IC91とROM83との間のアドレスバス及びデータバスによる電気的接続が断たれる。一方、ROM83に対する情報読出アクセスを音源IC91に行わせる場合には、アクセス調停により、各切離回路89,90の出力イネーブル端子EにHレベル信号が入力され、CPU82とROM83との間のアドレスバス及びデータバスによる電気的接続が断たれるとともに、音源IC91のバス開放制御端子ZにLレベル信号が入力され、音源IC91とROM83との間のアドレスバス及びデータバスが電気的に接続された状態にされる。
また、音源IC91のバス開放制御端子Z及びROM83のチップセレクト端子Sは、分断回路93に接続されている。分断回路93は、バス開放制御端子Zに入力される信号がLレベルであり、かつ、チップセレクト端子Sに入力される信号もLレベルのとき、CPU82が制御処理不能な状態に陥って暴走状態にあるものと判断し、アドレスバス切離回路89及びデータバス切離回路90のそれぞれの出力イネーブル端子EにHレベル信号を出力し、CPU82とROM83との間のアドレスバス及びデータバスを電気的に絶縁された状態にする。この分断回路93は、CPU82が制御処理不能な状態に陥ったときに、CPU82がROM83にアクセスする電気接続経路を分断する。
[主要な各種テーブル、各種格納領域について]
次に、主制御基板61で使用する主要な各種テーブル、各種格納領域などについて説明する。これらのテーブルはプログラムROM65などに格納され、格納領域などは制御RAM66などに用意される。
図4を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。
図柄配置テーブルは、各リールの周囲に配された図柄の構成をデータとして表したものである。図4はメインリール2,3,4に関する図柄配置テーブルである。図柄配置テーブルには、リールインデックスが検出されたときに、各図柄表示領域の中段に位置する図柄を図柄位置「0」として、前述の図柄カウンタと対応する図柄位置「0」〜「17」と、各図柄位置に対応する図柄の種別とが規定されている。各図柄の種別は、1バイトのデータにより表される。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各リールの図柄表示領域の中段に位置する図柄や、これに隣接する図柄なども特定可能となる。このメインリール2,3,4に表示される図柄を特別図柄と称する。
次に、図5を参照して、主制御基板61の内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に応じて後述の内部抽籤テーブルを決定するためのテーブルである。すなわち、一般遊技状態のときは一般遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、RT(リプレイタイム)1〜RT4遊技状態のときはそれぞれRT1〜RT4遊技状態用内部抽籤テーブルが決定され、RB遊技状態のときはRB遊技状態用内部抽籤テーブルが決定される。また、一般遊技状態、RT4遊技状態のときは、後述する持越役格納領域の値が1で持越役があるときは後述の抽籤回数を20に決定し、持越役格納領域の値が0で持越役がないときは抽籤回数を17に決定する。RT1〜RT3遊技状態のときは、後述する持越役格納領域の値が1で持越役があるときは後述の抽籤回数を21に決定し、持越役格納領域の値が0で持越役がないときは抽籤回数を18に決定する。さらに、RB遊技状態では、持越役のあるなしにかかわらず抽籤回数を3に決定する。
次に、図6〜図9を参照して、主制御基板61の内部抽籤テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブルにおいては、当籤番号ごとに割り当てられた抽籤値及びデータポインタが規定されている。データポインタは、小役・リプレイ用のものとボーナス用のものの2種類が規定されている。
内部抽籤テーブルでは、前述の内部抽籤テーブル決定テーブル等に基づいて決定される抽籤回数と同じ数の当籤番号が最初に選択される。そして、「0〜65535」の数値範囲(分母65536)より抽出された乱数値から現在の当籤番号に対応している抽籤値を減算し、これにより桁かりが行われれば当該当籤番号に対応している小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを選択する。桁かりが行われなければ現在の当籤番号に「1」を加算して、当該加算後の当籤番号に対応している抽籤値を減算後の値からさらに減算し、これにより桁かりが行われれば当該当籤番号に対応している小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを選択する。桁かりが行われなければ現在の当籤番号に「1」を加算する。以下、同様の処理を桁かりが行われるか、後述の抽籤回数分の減算が行なわれるまで繰り返す。当籤番号がなくなっても桁かりが行われないときはハズレとなる。このように、内部抽籤テーブルは、小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタを決定するための抽籤を行うためのテーブルである。そして、小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタは、後述の内部当籤役決定テーブルによって当たり要求フラグを特定するためのデータであり、当たり要求フラグは内部当籤役を特定するためのデータである。
図6は、一般遊技状態において使用する一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図7は、前述の設定値が1の場合の内部抽籤テーブルであり、一般遊技状態でのメダルの投入枚数は3となる。一般遊技状態用内部抽籤テーブルでは、小役、リプレイ(通常リプレイ)、BB(ビッグボーナス)1,BB2,MB(ミドルボーナス)のほか、特殊役の抽籤も行う。すなわち、特殊役は一般遊技状態から後述のRT1への移行にかかわる役である。
図7は、RB(レギュラーボーナス)遊技状態において使用するRB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図7は、前述の設定値につき全設定値共通の内部抽籤テーブルであり、RB遊技状態でのメダルの投入枚数は2となる。RB遊技状態用内部抽籤テーブルでは、後述の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルに示すように、小役・リプレイ用データポインタ1〜3の小役に当籤する。そして、図7の抽籤値に明らかなように、RB遊技状態においては、たいていの場合にベルに内部当籤する。
図8、図9は、RT1〜RT4作動中用内部抽籤テーブルを示す。これは、それぞれRT1〜RT4の作動中(RT1遊技状態〜RT4遊技状態)に使用する内部抽籤テーブルである。本実施の形態では、一般遊技状態より相対的にリプレイに内部当籤する確率が高いRT(リプレイタイム)をRT1〜RT4の4種類用意している。図8、図9において、当籤番号1〜12に関しては前述の一般遊技状態用内部抽籤テーブルと共通であるため、図示を省略している。図8、図9は、前述の設定値につき全設定値共通の内部抽籤テーブルであり、メダルの投入枚数は3となる。
RT1作動中用内部抽籤テーブルではリプレイ1に内部当籤しうる。リプレイ1はRT1からRT2への移行の契機となる役である。RT2作動中用内部抽籤テーブルではリプレイ2に内部当籤しうる。リプレイ2はRT2からRT3への移行の契機となる役である。RT3作動中用内部抽籤テーブルでは特定リプレイに内部当籤しうる。特定リプレイはRT4への移行の契機となる役である。そして、RT1のリプレイ1、RT2のリプレイ2、RT3の特定リプレイの順に、その当選確率も徐々に高くなる。
また、他の遊技状態への移行の契機とはならない通常のリプレイである通常リプレイの当選確率も、一般遊技状態、RT1、RT2、RT3、RT4の順に高くなる(各内部抽籤テーブルの当籤番号13を参照)。特に、RT4の通常リプレイの当選確率は一般遊技状態、RT1、RT2、RT3に比べて2倍半以上であり、RT1、RT2、RT3、RT4のすべてのRTの中でRT4がいわゆる天井となる。すなわち、RT4作動中は、再遊技の作動にかかるリプレイの当籤確率が非常に高くなるので、一般遊技状態、RT1、RT2、RT3中において同じ回数のゲームが行われる場合と比べて、メダルの消費を抑えることが可能となる。
また、RT1、RT2、RT3、RT4のいずれにおいても特殊役に内部当籤しうる。特殊役は、RT1への移行の契機となる役である。
次に、図10、図11を参照して、主制御基板61の内部当籤役決定テーブルについて説明する。
内部当籤役決定テーブルとしては、図10に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルと、図11に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルとが用意されている。これらの内部当籤役決定テーブルでは、前述の小役・リプレイ用やボーナス用のデータポインタと、当たり要求フラグのデータとが関連付けて規定されている。当たり要求フラグは、内部当籤役を特定するための識別子である。
小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルにおいて、例えば、小役・リプレイ用データポインタが「1」のときは、チェリーが内部当籤役となり、小役・リプレイ用データポインタが「5」のときは、特殊役が内部当籤役となる。小役・リプレイ用データポインタが「0」のときは、何れの役にも内部当籤せず、「ハズレ」となる。
ボーナス用内部当籤役決定テーブルにおいては、ボーナス用データポインタの「1」、「2」にそれぞれ対応して「BB1」、「BB2」の2種類のBBと、ボーナス用データポインタの「3」に対応してMBがそれぞれ規定されている。ボーナス用データポインタの「0」は「ハズレ」であり、いずれのボーナスにも内部当籤しない。
次に、図12を参照して、主制御基板61の図柄組合せテーブルについて説明する。
図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役と、格納領域種別及びメダルの払出枚数と、後述の内部当籤役格納領域を特定するための格納領域データとが規定されている。表示役は、メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に表示される図柄の組合せの種別を識別するためのデータである。
左リール2にチェリー、中リール3にANY(「ANY」はいかなる図柄も許容することを示す。以下同様。)、右リール4にANYが表示されると、表示役がチェリーと決定される。チェリーに対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに15枚、3枚のときに1枚である。左リール2にベル、中リール3にベル、右リール4にベルが表示されると、表示役がベルと決定される。ベルに対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに15枚、3枚のときに5枚である。左リール2にスイカ、中リール3に赤7、右リール4にスイカが表示されると、表示役が特殊役と決定される。特殊役に対応するメダルの払出枚数はメダルの投入枚数が2枚のときに15枚、3枚のときに1枚である。特殊役はRT1遊技状態への移行の契機となる役である。以下同様に、図柄組合せテーブルでは、特典の付与に係る図柄の組合せと、これに対応する表示役、格納領域加算データ及び払出枚数とが規定されている。
また、再遊技の作動にかかる役であるリプレイとしては、通常リプレイ、リプレイ1、リプレイ2、特定リプレイの4種類が用意されている。通常リプレイは「リプレイ‐リプレイ‐リプレイ」の図柄の組み合わせであり、リプレイ1は「リプレイ‐ベル‐リプレイ」の図柄の組み合わせであり、リプレイ2は「リプレイ‐ベル‐ベル」の図柄の組み合わせであり、特定リプレイは「ベル‐リプレイ‐リプレイ」の図柄の組み合わせである。
前述のとおり、リプレイ1、リプレイ2、特定リプレイは、それぞれRT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態へ移行する契機となる役であるが、通常リプレイは他の遊技状態への移行の契機とはならない通常のリプレイである。
通常リプレイ、リプレイ1、リプレイ2、特定リプレイが表示役となると、次回のゲームにおいて再遊技が行われる。即ち、これらが表示役として決定されたゲームにおける投入枚数と同数のメダルが、次回のゲームにおいて、遊技者による投入操作に基づかずに、自動的に投入される。これにより、遊技者はメダルを消費することなく次回のゲームを行うことができ、メダルを節約することができる。
特殊役は「スイカ‐赤7‐スイカ」が図柄の組み合わせであるが、メインリール2,3,4は停止操作位置から4駒の範囲内で図柄を引き込むことが可能である。そして、図4に示す特別図柄の配置により、各メインリール2,3,4について適当に停止操作しても、特殊役の「スイカ‐赤7‐スイカ」の図柄の組み合わせを揃えることは困難であり、「スイカ‐赤7‐スイカ」の図柄を狙って適切な目押しを行う必要がある。なお、「スイカ‐赤7‐スイカ」の図柄の組み合わせを揃えることができなかった場合(取りこぼした場合)には、チャンス目として、「ベル‐ベル‐リプレイ」の図柄の組み合わせが停止制御されるようになっている。
メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に「赤7‐赤7‐赤7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がBB1と決定される。BB1が決定された場合には、BB1のボーナスゲームの作動が開始される。同様に、メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に「青7‐青7‐青7」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がBB2と決定される。BB2が決定された場合には、BB2のボーナスゲームの作動が開始される。同様に、メインリール2,3,4の図柄が表示される図柄表示領域に「BAR‐BAR‐BAR」が順次有効ラインに沿って表示されると、表示役がMBと決定される。MBが決定された場合には、MBのボーナスゲームの作動が開始される。
なお、メインリール2,3,4の図柄表示領域に表示される図柄の組合せが前述の図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せの何れにも該当しない場合には、表示役がハズレと決定される。
格納領域データは、後述する内部当籤役格納領域において内部当籤役格納領域1を選択するか内部当籤役格納領域2を選択するかを決定するデータである。すなわち、格納領域データが0なら内部当籤役格納領域1が決定され、格納領域データが1なら内部当籤役格納領域2が決定される。
次に、図13を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。
ボーナス作動時テーブルには、ボーナスゲームの作動の開始時に、制御RAM66の所定領域に格納されるデータが規定されている。RBの作動時には、後述の制御RAM66の作動中フラグ格納領域におけるRB作動中フラグがオンされ、遊技可能回数カウンタに12が格納され、入賞可能回数カウンタに8が格納される。遊技可能回数カウンタは、RB作動中において行われた単位遊技の回数を計数するためのデータである。入賞可能回数カウンタは、RB作動中において入賞が決定された(例えば、メダルの払い出しに係る表示役が決定された)回数を計数するためのデータである。また、BB1又はBB2(両方を併せて単に「BB」という。以下同様。)の作動時には、後述の制御RAM66の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグがオンされ、ボーナス終了枚数カウンタに345が格納される。ボーナス終了枚数カウンタは、BBの作動中におけるメダルの払出枚数の総数を管理するためのカウンタである。
次に、図14を参照して、主制御基板61の制御RAM66の内部当籤役格納領域の構成について説明する。
内部当籤役格納領域は、図14に示す内部当籤役格納領域1、内部当籤役格納領域2に分かれ、この内部当籤役格納領域1、内部当籤役格納領域2は、前述の内部当籤役決定テーブルの格納領域加算データ0と1にそれぞれ対応している。内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役を示すデータが内部当籤役格納領域に記憶される。
また、主制御基板61の制御RAM66には、表示役のデータを格納する表示役格納領域も格納されている。この表示役格納領域の構成は図14に示す内部当籤役格納領域と同様であり、同じく表示役格納領域1、表示役格納領域2に分かれている(よって図示を省略する)。
次に、図15を参照して、主制御基板61の制御RAM66の持越役格納領域の構成について説明する。
前述の内部当籤役決定テーブルによりボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、それを示す識別子(即ち、フラグ)が、この持越役格納領域に格納される。具体的に、ビット2、ビット1、ビット0にはそれぞれMB、BB1、BB2が対応している。また、持越役格納領域に格納された識別子は、ボーナスゲームの作動が開始されることによりクリアされる。即ち、ボーナスゲームの作動に係る内部当籤役が決定されると、そのボーナスゲームの作動が開始されるまでの間、その識別子が記憶される構成となっている(いわゆる「持ち越し」と称され、格納されている識別子は「持越役」と称される)。そして、持越役格納領域に識別子が格納されている間は、抽出される乱数値にかかわらず、その格納されている識別子が内部当籤役として決定されるようになっている。また、持越役は、内部当籤役に基づいて決定されることから、内部当籤役の下位概念とも言える。
次に、図16を参照して、主制御基板61の制御RAM66の作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域には、現在作動中であるのが、BBか、RBか、CBか、MBかなどに応じて、その種別を示す識別子が格納される。具体的に、ビット0〜7の各々は、RT1作動中フラグ、RT2作動中フラグ、RT3作動中フラグ、RT4作動中フラグ、MB作動中フラグ、CB(チャレンジボーナス)作動中フラグ、RB作動中フラグ、BB作動中フラグにそれぞれ対応している。
[主制御基板の制御動作について]
次に、図17以下に示すフローチャートを参照して、主制御基板61のメインCPU64が行う制御について説明する。
先ず、図17、図18を参照して、主制御基板61のメインCPU64により行われるメイン処理について説明する。メインCPU64は、電源が投入され、リセット端子に電圧が印加されることにより、リセット割込を発生させ、そのリセット割込の発生に基づいて、プログラムROM65に記憶されたリセット割込処理を順次行うように構成されている。
電源が投入されると、初めに、メインCPU64は、初期化処理を行う(ステップS1)。この処理では、電源遮断時に制御RAM66に格納されたレジスタのデータや実行アドレスの復帰を行う処理などが行われる。また、この初期化処理では、設定スイッチ56Sの入力のチェックが行われ、設定スイッチ56Sがオンであると判別した場合には、設定値の変更が行われる。具体的には、リセットスイッチ55S及びスタートスイッチ33Sの人力に基づいて、設定値「1」〜「6」のうちの何れかが制御RAM66の設定値格納領域に格納される。
次に、メインCPU64は、制御RAM66における指定格納領域のクリアを行う(ステップS2)。この処理では、制御RAM66の各種格納領域等に格納されたデータがクリアされる。次に、メインCPU64は、後述するボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。この処理では、必要なボーナスゲームの作動を開始するための処理を行う。次に、メインCPU64は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。この処理では、投入メダルセンサ9S等の入力のチェックに基づく投入枚数カウンタ等の更新や、スタートスイッチ33Sの入力のチェックが行われる。次に、メインCPU64は、乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS5)。この処理では、乱数発生器69とサンプリング回路70によって乱数値を抽出し、制御RAM66の乱数値格納領域に格納する。
次に、メインCPU64は、後述する内部抽籤処理を行う(ステップS6)。この処理では、抽籤により内部当籤役が決定される。次に、メインCPU64は、スタートコマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS7)。スタートコマンドには、内部当籤役や遊技状態などのデータが含まれている。
次に、メインCPU64は、メインリール2,3,4の回転開始を報知するリール回転開始コマンドをセットし(ステップS8)、全リールの回転回始を要求する(ステップS9)。なお、全リールの回転開始が要求されると、後述する割込処理においてメインリール2,3,4の回転を開始する処理が行われる。次に、メインCPU64は、後述するリール停止制御処理を行う(ステップS10)。この処理では、全てのメインリール2,3,4の回転を停止する処理が行われる。
次に、メインCPU64は、図柄組合せテーブル(図12)を参照し、所定の有効ラインに沿って表示される図柄の組合せに基づいて表示役等を決定する処理を行う(ステップS11)。この処理では、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せとメインリール2,3,4の図柄表示領域に表示される図柄の組合せ(有効ラインのいずれかに沿って並ぶ3個の図柄の組合せ)とが比較され、一致するか否かが判別される。そして、一致するときには、該当する表示役及びメダルの払出枚数が決定され、各表示役格納領域及び払出枚数カウンタが更新される。また、一致しないときには、各表示役格納領域に格納されるデータが「0」となり、表示役はハズレとなる。このようにして、停止制御により全てのリールの回転が停止されると、メインリール2,3,4の図柄表示領域に表示される図柄の組合せに基づいて、入賞か否かが決定され、遊技者に対して特典の付与が行われる。
次に、メインCPU64は、表示コマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS12)。表示コマンドには、メインリール2,3,4が全て停止したときに送信され、決定された表示役などのデータが含まれている。
次に、メインCPU64は、メダル払出処理を行う(ステップS13)。この処理では、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー72の制御やクレジットカウンタの更新が行われる。次に、メインCPU64は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(ステップS14)。この処理では、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であることを条件に、当該カウンタから払出枚数に応じた値が減算される。
次に、メインCPU64は、BB又はMB作動中フラグがオンであるか否かを判別する(ステップS15)。メインCPU64は、BB又はMB作動中フラグがオンであると判別したときには、後述するボーナス終了チェック処理を行う(ステップS16)。この処理では、ボーナスゲームの作動時に制御RAM66に格納される各種カウンタが0に更新されたか否かの判別に基づいて、ボーナスゲームの作動を終了する処理が行われる。メインCPU64は、BB及びMB作動中フラグがオフであったときは、後述するRT遊技数制御処理を行う(ステップS17)。この処理では、RTの遊技数を管理する。そして、ステップS16又はS17の後、後述するボーナス作動チェック処理を行う(ステップS18)。この処理では、決定された表示役の種別に基づいて、ボーナスの作動を開始する処理が行われる。そして、以上の処理の後、ステップS2に戻る。
次に、図19を参照して、ボーナス作動監視処理(ステップS3)について説明する。
まず、メインCPU64は、BB作動中フラグがオンで、BBが作動中であるか否かを判断し(ステップS41)、BB作動中フラグがオンのときは、RB作動中フラグがオンで、RBが作動中であるか否かを判断する(ステップS42)。RB作動中フラグがオフで、RBが作動中でないときは、ボーナス作動時テーブル(図13)に基づいてRB作動時処理を行う(ステップS43)。RB作動時処理では、RB作動中フラグをオンにセットする等の処理を行う。
また、BB作動中フラグがオフで、BBが作動中でないときは(ステップS41のN)、MB作動中フラグがオンで、MBが作動中であるか否かを判断する(ステップS44)。MB作動中フラグがオンで、MBが作動中であるときは、CB作動中フラグをオンにする(ステップS45)。このように、CBはMB中に動作する。
次に、図20を参照して、内部抽籤処理(ステップS6)について説明する。
まず、メインCPU64は、前述の内部抽籤テーブル決定テーブル(図5)に基づいて、現在の遊技状態により内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数を決定する(ステップS61)。そして、使用する内部抽籤テーブルをステップS61で決定した内部抽籤テーブルに変更する処理を行う(ステップS62)。次に、メインCPU64は、乱数値格納領域に格納されている抽出された乱数値(ステップS6で格納)を判定用乱数値としてセットし、当籤番号の初期値として1をセットする(ステップS63)。
そして、内部抽籤テーブル(図6〜図9)を参照して、当籤番号に基づいた抽籤値を取得する(ステップS64)。そして、判定用乱数値から当該抽籤値を減算し、この減算により桁かりが行われたか否かを判断する(ステップS65)。桁かりが行われたときは、その桁かりが行われた当籤番号を当籤番号として取得し、ステップS69に移行する。
桁かりが行われなかったときは、前述の当籤番号に「1」加算し、前述の抽籤回数を「1」減算し(ステップS66)、これにより抽籤回数が0になったか否かを判断する(ステップS67)。抽籤回数が0になっていないときは、ステップS64に戻り、再度、判定用乱数値から当該抽籤値を減算し、この減算により桁かりが行われたか否かを判断する(ステップS65)。0になったときは当籤番号として0を取得する。
これらの処理は、桁かりが行われるか(ステップS65のY)、抽籤回数が0になるまで(ステップS67のY)、繰り返される。この場合、2回目以降の処理では、乱数データからの抽籤値の減算は、前回の抽籤値の減算の結果の余りから更に抽籤値を減算するものとする。よって、元の乱数データは減算が繰り返されるたびに値が小さくなる。また、以上の処理が繰り返されるたびに抽籤回数も1ずつ減少していくこととなる。
以上のようにして当籤番号を取得すると、取得した当籤番号に対応する小役・リプレイ用とボーナス用のデータポインタの取得を行う(ステップS69,S68)。そして、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブル(図10)を参照し、取得した小役・リプレイ用のデータポインタに基づいて当たり要求フラグを取得する(ステップS70)。次に、内部当籤役格納領域1(図14)に当該当たり要求フラグを格納する(ステップS71)。
次に、持越役格納領域(図15)の値が0か否か、すなわち持越役が存在しないのか否かを判断する(ステップS72)。そして、持越役格納領域の値が0で、持越役が存在しないときは、ステップS64で取得したボーナス用のデータポインタが0か否かを判断する(ステップS73)。ボーナス用のデータポインタが1以上で、BB又はMBに内部当籤したときは(ステップS73のN)、ボーナス用内部当籤役決定テーブル(図11)を参照し、ボーナス用のデータポインタに基づいて当たり要求フラグを取得し、この取得した当たり要求フラグを持越役格納領域に格納する(ステップS74)。すなわち、持越役格納領域のアドレスをセットして格納する。そして、以上のとおりの処理の後、持越役格納領域と内部当籤役格納領域2との論理和を内部当籤役格納領域2に格納する(ステップS75)。
次に、CB作動中フラグがオンで、CBが作動中であるか否かを判断する(ステップS76)。CB作動中フラグがオンで、CBが作動中であるときは、内部当籤役格納領域1のビット1〜3をオンにセットする(ステップS79)。これにより、CBが作動中であるときは、小役のチェリー、ベル、スイカにはいつでも入賞することができる。
すなわち、CBは、1ゲームのみ実行されるボーナスゲームであり、3つのメインリールのうち左リール2についてのみ停止開始位置から0〜1コマの範囲で停止制御され、ほぼ遊技者の目押しどおりの停止制御を行うことができる。そして、CB中では、チェリー、ベル、スイカの各小役について後述の内部当籤役格納領域1のビットがオンになることにより、これらチェリー、ベル、スイカの各小役について重複して内部当籤するので、遊技者は左リール2の目押しにより、これらの小役に容易に入賞できる。
次に、図21を参照してリール停止制御処理(ステップS10)について説明する。
初めに、メインCPU64は、有効なストップボタンが押圧操作されたか否かを判別する(ステップS81)。有効なストップボタンが押圧操作されたときは、該当するストップボタン2,3又は4の押圧操作を無効化する(ステップS82)。そして、チェック回数として4をセットする(ステップS83)。その後、図柄カウンタに対応する図柄位置からの当該チェック回数の範囲内において、最も優先順位の高い図柄位置を検索する(ステップS84)。そして、この検索の結果に基づいて滑りコマ数を決定する(ステップS85)。ここで、例えば、特殊役である「スイカ‐赤7‐スイカ」の図柄の組み合わせで停止できないときにのみ、「ベル‐ベル‐リプレイ」の図柄の組み合わせで停止するようにスベリコマ数を決定する。
次に、メインCPU64は、停止制御位置待ちに移行する(ステップS86)。例えば、決定された滑りコマ数が「2」であり、停止開始位置が「18」であれば、停止制御位置が「1」に決定される。そして、停止制御位置が決定されると、後述する割込処理において、当該停止制御位置に基づいて該当リールの回転を停止する処理が行われる。なお、滑りコマ数と停止制御位置は、一方が決定されれば、他方も決定される関係にあるため、等価の関係にあるといえる。そして、リールの停止がなされたことを報知するリール停止コマンドをセットし(ステップS87)、押圧操作が有効なストップボタンがあるか否かを判断する(ステップS88)。そして、押圧操作が有効なストップボタンがあれば、ステップS81に戻る。
次に、図22を参照して、ボーナス終了チェック処理(ステップS16)について説明する。
初めに、メインCPU64は、RB作動中フラグがオンで、RBが作動中であるか否かを判断する(ステップS101)。RB作動中フラグがオフであるときは、ボーナス終了枚数カウンタが0か否かを判断する(ステップS102)。ボーナス終了枚数カウンタが0のときは、BBの終了条件となる最大獲得メダル枚数に達している場合であるため、BBを終了させるBB・MB終了時処理を行う(ステップS105)。具体的には、制御RAM66の前述の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグのオフや、ボーナス終了枚数カウンタのクリアが行われる。
また、RB作動中フラグがオンで、RBが作動中であるときや、ボーナス終了枚数カウンタが1以上であるときは、BBが作動中であるか、MBが作動中であるがMBの終了条件となる最大獲得メダル枚数に達していない場合である。この場合には、メインCPU64は、入賞が成立したか否かを判別する(ステップS103)。メインCPU64は、入賞が成立したと判別したときには、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS104)。そして、ボーナス終了枚数カウンタは0であったときは、BBやMBを終了させるBB・MB終了時処理を行う(ステップS105)。具体的には、制御RAM66の前述の作動中フラグ格納領域におけるBB作動中フラグ等のオフや、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタのクリアが行われる。
そして、すべてのRT作動中フラグをオフにセットする(ステップS106)。すなわち、RT1〜RT4遊技状態にそれぞれ移行するときは、RT1〜RT4作動中フラグをそれぞれオンにしてRT1〜RT4遊技状態にそれぞれ移行中であることを示すが、これらのRT作動中フラグをオフにセットする。また、BB・MB終了時処理(ステップS105)を行ったので、ボーナスゲームの終了を報知するボーナス終了コマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS107)。
一方、ボーナス終了枚数カウンタは0でなかったときは(ステップS104のN)、入賞可能回数カウンタを1減算する(ステップS108)。そして、入賞可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(ステップS109)。入賞可能回数カウンタは0であるときは、RB終了時処理を行ない(ステップS112)、RBを終了させる。
また、入賞可能回数カウンタは0でないとき(ステップS109のN)、あるいは、入賞が成立しなかったときは(ステップS103のN)、遊技可能回数カウンタを1減算し(ステップS110)、入賞可能回数カウンタが0であれば(ステップS111のY)、RB終了時処理を行ない(ステップS112)、RBを終了させる。
次に、図23を参照して、RT遊技数制御処理(ステップS17)について説明する。
まず、メインCPU64は、特殊役に内部当籤したが当該特殊役は表示役とはならなかった、すなわち、一般遊技状態において特殊役を取りこぼしたチャンス目の図柄の組み合わせであるか否かを判断する(ステップS131)。特殊役を取りこぼしたときは、RT1作動中フラグをオンにセットして(ステップS132)、RT1遊技状態を作動させる。
また、表示役がリプレイ1であったときは(ステップS133のY)、RT2作動中フラグをオンにセットして(ステップS134)、RT2遊技状態を作動させる。表示役がリプレイ2であったときは(ステップS135のY)、RT3作動中フラグをオンにセットして(ステップS136)、RT3遊技状態を作動させる。表示役が特定リプレイであったときは(ステップS137のY)、RT4作動中フラグをオンにセットして(ステップS138)、RT4遊技状態を作動させる。
次に、図24を参照して、ボーナス作動チェック処理(ステップS18)について説明する。
初めに、メインCPU64は、表示役はMBであるか否かを判別する(ステップS151)。メインCPU64は、表示役はMBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図13)に基づいてMB作動時処理を行う(ステップS152)。
メインCPU64は、表示役がMBでないときは、表示役がBBであるか否かを判別する(ステップS153)。メインCPU64は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブル(図13)に基づいてBB作動時処理を行う(ステップS154)。また、BBが作動するので持越役格納領域の値をクリアする(ステップS155)。さらに、すべてのRT作動中フラグはオフにセットする(ステップS156)。すなわち、BBの入賞はRT1〜RT4の終了条件となる。そのうえ、ボーナスゲームの開始を報知するボーナス開始コマンドを制御RAM66内の通信データ格納領域にセットする(ステップS157)。
一方、表示役がBBでないときは、表示役がリプレイであるか否かを判断し(ステップS158)、表示役がリプレイであるときは、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(ステップS159)。投入枚数カウンタはメダルの投入枚数を管理するカウンタであり、自動投入カウンタはメダルを自動投入する枚数を管理するカウンタである。これにより、次のゲームではメダルを投入することなく遊技を行うことができる。
次に、図25を参照して、主制御基板61のメインCPU64の制御により行われる、1.1173ms周期の割込処理について説明する。
初めに、メインCPU64は、レジスタの退避を行う(ステップS191)。次に、メインCPU64は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS192)。具体的には、メインCPU64は、各スイッチなどからの信号の入力などをチェックする。次に、メインCPU64は、入力状態コマンドの設定処理を行う(ステップS193)。入力状態コマンドは、スタートレバー33、ストップボタン34,35,36の入力状態を副制御基板62に報知するコマンドであり、ここでは、スタートレバー33、ストップボタン34,35,36の入力のチェックを行なって、入力状態コマンドをセットする。次に、メインCPU64は、通信データ送信処理を行う(ステップS194)。具体的には、前述のとおり制御RAM66内の通信データ格納領域にセットされた各種コマンドは当該処理により副制御基板62に送信される。
次に、メインCPU64は、リール制御処理を行う(ステップS195)。具体的には、リールの回転開始要求がされた場合であれば、メインリール2,3,4の回転が開始され、一定速度での回転が行われる。また、停止制御位置が決定された場合であれば、該当リールの図柄カウンタが停止制御位置と同一の値に更新されるのを待って、その回転の減速及び停止が行われる。例えば、図柄カウンタが「0」であり、停止制御位置が「4」であれば、図柄カウンタが「4」に更新されたときにリールの回転が停止される。
次に、メインCPU64は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS196)。具体的には、メインCPU64は、投入枚数カウンタに基づくベットランプ9a、9b、9cの点灯や、情報表示部18への払出枚数の表示などの処理を行う。次に、メインCPU64は、タイマの管理処理(ステップS197)、レジスタの復帰を行う(ステップS198)。この処理が終了すると、1.1173ms周期の割込処理を終了する。
[副制御基板で使用するテーブルについて]
図26は、サブリール5,6,7の図柄配置テーブルの説明図である。
図柄配置テーブルは、ROM83に格納されている。図柄配置テーブルには、リールインデックスが検出されたときに、各図柄表示領域の中段に位置する図柄を図柄位置「0」として、メインリール2,3,4の場合と同様にサブリール5,6,7(左リール5、中リール6、右リール7)図柄カウンタと対応する図柄位置「0」〜「20」と、各図柄位置に対応する図柄の種別とが規定されている。各図柄の種別は、1バイトのデータにより表される。従って、図柄配置テーブルと図柄カウンタとに基づいて、各リールの図柄表示領域の中段に位置する図柄や、これに隣接する図柄なども特定可能となる。なお、サブリール5,6,7の図柄を装飾図柄と称している。
また、図示はしないが、副制御基板62ではメインリール2,3,4の特別図柄とサブリール5,6,7の装飾図柄との対比テーブルも使用され、当該データはROM83に格納されている。すなわち、変動表示が停止制御されたときにサブリール5,6,7にどのような図柄位置で停止したかの情報はリール停止コマンドにより主制御基板61から副制御基板62に送信される。そして、各メインリール2,3,4の停止図柄位置により各サブリール5,6,7の停止図柄位置が決定される。対比テーブルは、この両図柄の対応関係を示しており、メインリール2,3,4の図柄の組み合わせとサブリール5,6,7の図柄の組み合わせとが1対1で対応している。これにより、各メインリール2,3,4の停止図柄位置から各サブリール5,6,7の停止図柄位置が決定される。
[副制御回路の制御動作について]
次に、図27以下に示すフローチャートを参照して、副制御基板62が行う制御について説明する。
以下で説明する処理において、処理を実行するOS(オペレーティングシステム)としては、マルチスレッド・マルチタスク・オペレーティングシステムを採用している。すなわち、あるタスクグループと、別のタスクグループとが、実行権をプリエンプション(横取り)しながら処理を実行する。
図27は、遊技機1の電源投入の際に実行する処理を説明するフローチャートである。
遊技機1の電源が投入されると、サブCPU82は、初期化処理を行う(ステップS301)。具体的には、制御RAM84のエラーチェック、タスクシステムの初期化などを行う。次に、サブCPU82は、後述するランプ制御タスク起動(ステップS302)、後述するサウンド制御タスク起動(ステップS303)、後述するサブリール制御タスク起動(ステップS304)を行う。これらは、タイマによりある時間が経過するごとに割り込み処理を行うタスクのグループである。次に、サブCPU82は、後述する主基板通信タスク起動を行う(ステップS305)。これはコマンドを主制御基板61から受信したときに割り込み処理を行うタスクのグループである。
図28のフローチャートを参照して、ステップS302で起動されたランプ制御タスクについて説明する。
サブCPU82は、まず、リールバックランプ47a〜47c、リールランプ類48a〜48cなどのランプ関連のデータについて所定の初期化処理を行う(ステップS321)。次に、サブCPU82は、2msのイベント待ちを行なう(ステップS322)。すなわち、2ms割込イベントメッセージを受け取るまで、他のタスクが実行される。そして、2msのイベント待ち後にサウンド制御タスクを実行する(ステップS323)。すなわち、ランプ制御タスクからサウンド制御タスクにジャンプする。次に、当該サウンド制御タスクを実行後にランプ制御タスクに戻ってきたときは、ランプデータをランプ格納領域から取り出して解析する処理(ステップS324)からランプ制御タスクを再開する。ランプデータは、リールバックランプ47a〜47c、リールランプ群48a〜48cなどのランプを演出として点灯駆動するための演出データであり、ランプ格納領域は、ROM83に存在する。そして、各ランプを演出のために点灯するランプ点灯制御処理を行なう(ステップS325)。このランプ点灯制御処理では、リールランプ群48a〜48cにおいて点灯する照明を陰極管403からブラックライト404に切り替えるなどの処理も行う。
図29のフローチャートを参照して、ステップS303で起動されたサウンド制御タスクについて説明する。
サブCPU82は、まず、スピーカ54,96,96から出音するサウンド関連のデータについて所定の初期化処理を行う(ステップS351)。次に、サブCPU82は、後述するサブリール制御タスクを実行する(ステップS352)。すなわち、ステップS352からサブリール制御タスクにジャンプする。次に、当該サブリール制御タスクを実行後に当該サウンド制御タスクに戻ってきたときは、サウンドデータをランプ格納領域から取り出す処理(ステップS353)からサウンド制御タスクを再開する。サウンドデータは、スピーカ54,96,96から出音するための演出データであり、サウンド格納領域は、ROM83に存在する(現実の音声データは音源IC91に存在)。そして、取り出したサウンドデータの解析を行なって(ステップS354)、スピーカ54,96,96から出音する音出力制御処理を行なう(ステップS355)。
図30のフローチャートを参照して、ステップS304で起動されたサブリール制御タスクについて説明する。
サブCPU82は、まず、サブリール5〜7の関連のデータについて所定の初期化処理を行う(ステップS371)。次に、サブCPU82は、前述のランプ制御タスクを実行する(ステップS372)。すなわち、ステップS372からランプ制御タスクにジャンプする。次に、当該ランプ制御タスクを実行後に当該サブリール制御タスクに戻ってきたときは、サブリールの演出データを演出リール格納領域から取り出す処理(ステップS373)からサブリール制御タスクを再開する。サブリールの演出データは、サブリール5〜7の回転、停止を制御するための演出データであり、演出リール格納領域は、ROM83に存在する。そして、取り出したサブリールの演出データの解析を行なって(ステップS374)、サブリール5〜7を演出のために回転駆動するサブリール制御処理を行なう(ステップS375)。
図31のフローチャートを参照して、ステップS305で起動された主基板通信タスクについて説明する。
サブCPU82は、まず、主制御基板61から送信されるコマンドを受信する送信メッセージキューを初期化する(ステップS391)。そして、送信メッセージキューに受信されているコマンドがあるか否かをチェックし(ステップS392)、前回と異なるコマンドを受信したか否かを判断する(ステップS393)。そして、前回と異なるコマンドを受信しているときは、当該コマンドから遊技情報を作成する(ステップS394)。具体的には、当該コマンドのパラメータから遊技情報を作成する。そして、当該遊技情報を制御RAM84のゲームデータ記憶領域に格納し(ステップS395)、受信コマンド解析処理を行って(ステップS396)、ステップS392に戻る。受信コマンド解析処理は受信したコマンドの解析を行う処理である。
以上説明した遊技機1によれば、一般遊技状態から再遊技の作動確率の点で遊技者にとって最も有利なRT4遊技状態(いわゆる天井)に達するまでのゲーム数が固定されていない。すなわち、RT1、RT2、RT3の順に順次移行し、最後にRT3からRT4に移行し、この移行は、それぞれリプレイ1、リプレイ2、特定リプレイが表示役となることが条件であり(図23)、リプレイ1、リプレイ2、特定リプレイの内部当籤は抽籤によるので、少ないゲーム数でRT4に到達することもあれば、長いゲーム数を要することもある。よって、遊技者は、このような天井に達するまでのゲーム数を意識することなく遊技を行うことができ、そのため、天井に達するまでのゲーム数が固定されている場合のように、遊技場内で天井に達するまでのゲーム数がわずかとなった遊技機を漁り回るいわゆるハイエナと呼ばれる行為も低減し、遊技機1の稼動の向上を図ることができる。
また、一般遊技状態において特殊役を取りこぼしたときにRT1遊技状態に移行し(ステップS131)、このRT1遊技状態への移行により、RT4遊技状態に至る各RT遊技状態へのステップアップが開始する。そして、図4の図柄配置テーブルに示す図柄配置により、特殊役は、「スイカ‐赤7‐スイカ」(図12)の各図柄を左リール2、中リール3、右リール4で狙って停止操作しないと、当該図柄が引き込まれず容易に表示役とはならない役である。よって、特殊役に内部当籤しても遊技者が適当に停止操作すれば大抵の場合には特殊役は表示役とならず、所定の別の図柄の組み合わせが表示されることになるので、特に目押しを苦手とする初心者であっても容易に一般遊技状態からRT1遊技状態に移行し、RT4遊技状態に至ることが可能となり、初心者であっても天井の発動の恩恵を受けることができ、遊技の初心者の間で遊技機1の稼動の向上を図ることができる。もちろん、上級者も意図的に特殊役を取りこぼすことで、天井の発動の恩恵を受けることができる。
さらに、RT1、RT2、RT3、RT4の順に段階的にRT4に移行させることができ、遊技者に徐々に天井への移行を期待させて遊技の興趣を高めることができる。
この場合に、RT1、RT2、RT3の順に徐々にリプレイの当選確率も上昇するので(図9)、より有利なRTに移行すればするほど遊技者にRT4への移行を期待させて遊技の興趣を高めることができる。
以上説明した一般遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態間の移行は図32に状態遷移図として示している。
また、RT2、RT3、RT4において特殊役をとりこぼしたときは、RT1に転落してしまう(ステップS131、S132)。このように、RT2、RT3、RT4に上がってもRT1に転落する可能性があるため、遊技がスリリングとなり、遊技の興趣を高めることができる。
なお、変形例として、図8に示すRT1遊技状態用内部抽籤テーブル、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルを、図33に示す構成としても良い。すなわち、図32のRT1遊技状態用内部抽籤テーブル、RT2遊技状態用内部抽籤テーブルは、所定の抽籤確率でRT4への移行契機となる特定リプレイに内部当籤できるようにしている。
すなわち、前述の例では、RT1、RT2、RT3、RT4の順に段階的にRT4に移行させるようにしているが、図32に示す構成にすれば、RT4への移行契機となる特定リプレイがRT1、RT2でも表示役となり得るので、その場合はRT1、RT2からいきなり天井であるRT4に移行することができる。
よって、この場合には、初期段階のRTであるRT1、RT2遊技状態にあってもいきなり天井へ移行する場合があるので、いまだRT1、RT2遊技状態にある遊技者も天井への早期移行を期待でき、遊技の興趣を高めることができる。
また、RT4では、リプレイに内部当籤する確率は高いものの、BBやMBに内部当籤する確率は低いので、所定の役が表示役となった場合などを契機としてRT4からさらにBBやMBに内部当籤する確率が高い遊技状態に移行するようにしてもよい。