以下に、本発明に係る遊技機の一例であるパチスロ機について図面に基づいて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示したように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図5参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、入賞ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、入賞ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、演出実行手段(ドット表示器100や前面パネル110)により行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、その他の抽籤処理、例えば演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。
演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブCPU81)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出を実行する。
このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知るあるいは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
特に、パチスロ機1では、複数のLEDからなるドット表示器100と、このドット表示器100の前面に配置された前面パネル110と、を用いて様々な演出を行う。ここで、前面パネル110は、遊技者側に任意のデザインが施され、ドット表示器100のLEDからの光を前面パネル110の一部又は全部において透過可能に構成されている。
パチスロ機1では、所定のプログラムに沿って演出制御手段(後述のサブCPU81)がドット表示器100(LED)の点灯制御(点灯、点滅、消灯)を行い、前面パネル110に施されたデザインを照明することで、様々な演出を行う。
なお、パチスロ機1では、ドット表示器100の前面に配置された前面パネル110を変更するとともに、ドット表示器100を制御するための制御データを変更するだけで、筐体を変更することなく全く異なる演出を行うことも可能である。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2〜図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の保護パネル5を外した状態の正面図である。図4は、本実施の形態におけるパチスロ機1の前面パネル110の正面図である。
このパチスロ機1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ機1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2とを備える。この前面ドア2の正面最上部には、リール上部表示器101が設けられている。また、前面ドア2の正面の略中央には、透明の保護パネル5が設けられ、この保護パネル5の左右には、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104が設けられている。
また、保護パネル5の内部には、図3に示すように、略中央上部に複数の発光ダイオード(LED)が横長矩形形状に配列されたドット表示器100が設けられている。ドット表示器100と保護パネル5との間には、図4に示す横長矩形形状の前面パネル110が配置される。
図4に示すように、前面パネル110は、その一部又は全部においてドット表示器100のLEDからの光を透過可能に構成され、例えば、遊技者によるストップボタン7L、7C、7Rの停止操作順序を示唆する演出を可能とする矢印絵柄がパネル前面側に施されている。
この矢印絵柄は、所定の色彩が施され、ドット表示器100から照明されることにより、透明の保護パネル5を介して遊技者にストップボタン7L、7C、7Rの停止操作順序に関する情報を告知する告知部111L、111Rを構成する。
例えば、ストップボタン7L→7C→7Rの順に停止操作を行うこと(いわゆる順押し)を遊技者に告知する場合には、告知部111Lが点灯あるいは点滅するようドット表示器100が制御され、ストップボタン7R→7C→7Lの順に停止操作を行うこと(いわゆる逆押し)を遊技者に告知する場合には、告知部111Rが点灯あるいは点滅するようドット表示器100が制御されるようになっている。こうしたドット表示器100の制御は、後述するサブCPU81によって実行される。
なお、本実施の形態では、告知部111L、111Rは、矢印絵柄で構成したが、「順押し」及び「逆押し」が遊技者に告知できるものであれば矢印絵柄に限らず、例えば単に「左」、「右」といった文字絵柄など、種々の態様を用いることができる。
また、前面パネル110の最下部には、遊技者によって滑り駒数が「0」で停止目標とした図柄を有効ライン上に停止させる、いわゆる「ビタ押し」がどの程度の正確性をもって行われたか否かを視覚的に遊技者に認識させるためのビタメータ112が設けられている。
このビタメータ112は、前面パネル110の長手方向に点灯領域が5分割されており、遊技者のビタ押しのタイミングに応じていずれかの点灯領域がドット表示器100によって点灯するようになっている。
例えば、中央の点灯領域が点灯した場合には、遊技者によるビタ押しが最も正確に行われたことを示唆している。これに対して、右側の点灯領域が点灯した場合には、ビタ押しのタイミングがやや早いことを示唆し、左側の点灯領域が点灯した場合には、ビタ押しのタイミングがやや遅いことを示唆している。
なお、ビタメータ112は、長手方向に長尺なバー表示に限らず、例えば前面パネル110の短手方向に長尺なバー表示としてもよく、任意のデザインとすることが可能である。また、5分割に限らず、3分割や6分割以上の態様としてもよい。
また、本実施の形態では、ドット表示器100を用いた演出に、ドット表示器100と保護パネル5との間に配置した前面パネル110を用いることとしているが、これに限られず、粘着性のあるシートに所定のデザインを施し、当該シートを前面パネル110の前面(又は背面)に貼り付けることで、ドット表示器100を用いた演出を行うこととしてもよい。
図3に戻り、ドット表示器100は、複数のLEDが前面パネル110の形状と略同一の横長矩形形状に等間隔で配列され構成される。ドット表示器100は、任意の箇所のLEDを点灯(点滅)させることで、前面パネル110に施されたデザインの任意の箇所(本実施の形態では告知部111L、111Rやビタメータ112)を背面から照明する。
ドット表示器100の下方には、リール照明器102が設けられている。本実施形態では、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104に発光ダイオード(LED)を用いて発光させているが、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)等、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子を用いることができる。
リール照明器102の下方には、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが設けられている。表示窓4L、4C、4Rには、右上り斜めのクロスアップライン8a、上段のトップライン8b、中段のセンターライン8c、下段のボトムライン8d及び右下がり斜めのクロスダウンライン8eが表示されている。
また、表示窓4L、4C、4Rには、後述するRB作動状態中のみで有効化される変則ライン8f、8gが表示されている。したがって、ボーナス遊技中でない一般遊技状態において変則ライン8f、8gに役に係る図柄の組合せが表示されても、その変則ライン8f、8gで入賞とみなされないようになっている。
以下では、これらクロスアップライン8a、トップライン8b、センターライン8c、ボトムライン8d、クロスダウンライン8e及び変則ライン8f、8gを入賞ライン8a〜8gともいう。入賞ライン8a〜8gは、後述のMAXベットボタン11及び1ベットボタン12を操作すること(以下「BET操作」という)、あるいはメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、BET操作を行うことは、メダルを投入することと同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のBET操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット60には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4L、4C、4Rを通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4L、4C、4Rの下方には、情報表示器14が設けられている。この情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン12が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED108(図6参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、1単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数のメダルが投入され、投入枚数に応じて入賞ライン8a〜8gのいずれかが有効化される。例えば、一般遊技状態では、MAXベットボタン11の押下操作により3枚のメダルが投入され、BB中RB作動状態では、MAXベットボタン11の押下操作により1枚のメダルが投入される。
一方、1ベットボタン12を1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入され、入賞ライン8a〜8gのいずれかの入賞ラインが有効化される。例えば、後述するBB一般遊技状態においては、1ベットボタン12の1回の押下操作により1枚のメダルが投入され、入賞ライン8aが有効化される。
本実施の形態では、BB中RB作動状態以外の遊技状態(例えば、一般遊技状態やBB一般遊技状態など)において1枚あるいは3枚のいずれかの投入枚数を遊技者が選択して1単位遊技を行うことが可能とされている。したがって、1枚のメダルの投入により1単位遊技を行う場合には、1ベットボタン12が使用される。
MAXベットボタン11及び1ベットボタン12の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を、以下「BET操作」という。また、本実施の形態では、メダル1枚だけのBET操作を「1枚掛け」といい、メダル2枚だけのBET操作を「2枚掛け」、メダル3枚だけのBET操作を「3枚掛け」という。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(1単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
前面ドア2の下部の正面には、左右に効果音や音声等の音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。前面ドア2の最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、前面ドア2の下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図5、図6を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、図64等に示すメインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(図8〜図56参照)、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域(図57〜図62参照)が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも1つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば、16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報等の信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数等を表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプ等によりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ12S及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチ12Sは、1ベットボタン12が遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチ12Sの検出結果に基づき、メダルの投入枚数に応じた入賞ラインを所定数有効化する。したがって、メインCPU31は、有効ライン決定手段を構成する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
さらに、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数に関する情報を表示する情報表示器14とが接続されている。
<副制御回路>
図6は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、図86等に示すサブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。
サブRAM83には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御基板71との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、ベットボタンLED108及び発光部330による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L、9Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、データ記憶領域は、ドット表示器100の点灯、点滅制御するためのLEDデータを備えている。LEDデータに従い、副制御基板72がドット表示器100を制御することで、ドット表示器100のLEDのうち任意の箇所のLEDが点灯制御される。LEDデータは、前面パネル110に施されたデザインに併せて設計者により任意に設計される。
また、副制御基板72は、副中継基板75に接続されており、この副中継基板75を介して各種周辺装置と接続されている。副中継基板75に接続されている周辺装置としては、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104、ベットボタンLED108及び発光部330がある。また、副制御基板72には、スピーカ9L、9Rが接続されている。これら周辺装置等は、副制御基板72によってその動作が制御される。
サブCPU81、DSP84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ9L、9Rにより出力する。
また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104及び発光部330の点灯及び消灯を行う。
例えば、サブCPU81は、演出内容により指定されたLEDデータに従って、発光部330に設けられたバックライト部上段LED、バックライト部中段LED、バックライト部下段LED、左サイド発光部上段LED、左サイド発光部中段、左サイド発光部下段LED、右サイド発光部上段LED、右サイド発光部中段LED、右サイド発光部下段LEDやドット表示器100等の点灯、点滅及び消灯の制御を行う。
[遊技状態の変移]
図7に示すように、メインCPU31は、パチスロ機1の遊技状態として、主遊技状態とRT遊技状態との2つの遊技状態をそれぞれ変移させるようになっている。
<主遊技状態の変移>
メインCPU31は、主遊技状態として、一般遊技状態、BB作動状態及びRB作動状態のいずれかの状態をとる。なお、本発明を理解しやすくするために、RB作動状態については、図示が省略されている。
また、一般遊技状態において、主遊技状態は、遊技者にとって有利なレギュラーボーナス(以下、単に「RB」という)の作動役が入賞した場合には、RB作動状態に移行する。ここで、RBは、内部当籤してからRBの作動役が入賞されるまでの間、常に内部当籤している状態になり、この状態を「RBの持越し状態」という。
RB作動状態において、主遊技状態は、RB終了条件が成立した場合、具体的には、RB作動状態における遊技回数が予め定められた遊技回数(本実施の形態においては、6回)になった場合、又は、RB作動状態における入賞回数が予め定められた入賞回数(本実施の形態においては、6回)になった場合には、一般遊技状態に移行する。
一般遊技状態において、主遊技状態は、遊技者にとってRBよりも有利な特別遊技としてのビッグボーナス(以下、単に「BB」という)の作動役が入賞した場合に、すなわち後述する「C_赤BB」又は「C_青BB」を構成する図柄の組合せ(特定の図柄の組合せ)が有効ライン上に停止したことを条件に、BB作動状態に移行する。ここで、BBは、内部当籤してからBBの作動役が入賞されるまでの間、常に内部当籤している状態になり、この状態を「BBの持越し状態」という。
BB作動状態において、主遊技状態は、BB終了条件が成立した場合、具体的には、BB作動状態において規定枚数を超えるメダルの払出がたあったことを条件に一般遊技状態に移行する。こうしたBBの作動及び終了は、メインCPU31によって制御される。したがって、メインCPU31は、特別遊技制御手段を構成する。
ここで、上述の規定枚数は、後述するBB一般遊技状態中に、払出のある小役を入賞させずに後述するBB中RB作動状態が所定回数(本実施の形態では4回)行われた場合のメダルの払出枚数と同数となるよう規定され、本実施の形態においては「360枚」とされている。
メインCPU31は、BB作動状態として、第1遊技状態としてのBB一般遊技状態、RB作動状態及び第2遊技状態としてのBB中RB作動状態のいずれかの状態をとる。なお、本発明を理解しやすくするために、RB作動状態については、図示が省略されている。
一般遊技状態からBB作動状態に移行した場合には、主遊技状態は、BB一般遊技状態に移行する。本実施の形態に係るBB一般遊技状態では、1枚掛け又は3枚掛けのいずれにおいても遊技が可能である。BB一般遊技状態において、主遊技状態は、RBの作動役が入賞した場合には、RB作動状態に移行する。
BB一般遊技状態から移行したRB作動状態において、主遊技状態は、RB終了条件が成立した場合には、BB一般遊技状態に移行する。なお、BB一般遊技状態から移行したRB作動状態において、主遊技状態は、BB終了条件が成立した場合には、一般遊技状態に移行する。また、BB一般遊技状態におけるRBの持越し状態において、主遊技状態は、BB終了条件が成立した場合には、一般遊技状態に移行する。
BB一般遊技状態において、主遊技状態は、BB中RBの作動役が入賞した場合には、BB中RB作動状態に移行する。ここで、BB中RBは、内部当籤してからBB中RBの作動役が入賞されるまでの間、常に内部当籤している状態になり、この状態を「BB中RBの持越し状態」という。
BB中RB作動状態において、主遊技状態は、BB中RB終了条件が成立した場合、具体的には、BB中RB作動状態における遊技回数が予め定められた遊技回数(本実施の形態においては、6回)となった場合、又は、BB中RB作動状態における入賞回数が予め定められた入賞回数(本実施の形態においては、6回)となった場合には、BB一般遊技状態に移行する。
このBB中RB作動状態では、払出されるメダルの枚数が増加するJAC役(増加役)の当籤確率が相対的に高くなる。なお、こうしたBB中にける主遊技状態の移行は、メインCPU31によって制御される。したがって、メインCPU31は、遊技状態移行制御手段を構成する。
なお、BB中RB作動状態において、主遊技状態は、BB終了条件が成立した場合には、一般遊技状態に移行する。また、BB中RBの持越し状態において、主遊技状態は、BB終了条件が成立した場合には、一般遊技状態に移行する。
<RT遊技状態の変移>
一般遊技状態において、メインCPU31は、RT遊技状態として、RT0遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態のいずれかの状態をとる。すなわち、メインCPU31は、これらRT0遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態の間でRT遊技状態を移行させるようになっている。したがって、メインCPU31は、RT遊技状態移行制御手段を構成する。図中、RT0遊技状態、RT1遊技状態及びRT2遊技状態は、それぞれ「RT0」、「RT1」及び「RT2」と記されている。
RT0遊技状態は、再遊技の作動役であるリプレイ役の当籤確率がRT1遊技状態及びRT2遊技状態より相対的に低いリプレイ低確率状態(低RT遊技状態)である。RT1遊技状態は、リプレイ役の当籤確率がRT0遊技状態より相対的に高いリプレイ中確率状態である。RT2遊技状態は、リプレイ役の当籤確率がRT1遊技状態より相対的に高いリプレイ高確率状態(高RT遊技状態)である。
一般遊技状態のRT0遊技状態において、RT遊技状態は、所定の役(本実施の形態においては、「チェリー役」とする)が内部当籤しているにも関わらず入賞されなかった場合には、RT1遊技状態に移行する。
すなわち、一般遊技状態のRT0遊技状態において、チェリー役がとりこぼされた場合、すなわち、「チェリーこぼし」が生じた場合には、RT遊技状態はRT1遊技状態に移行する。なお、チェリーこぼしが生じた場合には、有効ラインに沿ってRT1移行目が表示される。
一般遊技状態のRT1遊技状態において、RT遊技状態は、チェリー役が入賞した場合、又は、BB若しくはRBが内部当籤した場合には、RT0遊技状態に移行する。また、一般遊技状態のRT2遊技状態において、RT遊技状態は、チェリー役が内部当籤しているにも関わらず入賞しなかった場合には、RT1遊技状態に移行し、チェリー役が入賞した場合、又は、BB若しくはRBが内部当籤した場合には、RT0遊技状態に移行する。なお、RT1遊技状態への移行条件としては、「チェリーこぼし」に限らず、他の役の取りこぼしであってもよい。また、同様に、他の役の入賞でRT1遊技状態からRT0遊技状態に移行するようにしてもよい。
このように、「チェリーこぼし」が生じた場合にRT1遊技状態に移行することとしたため、チェリー役の取りこぼしがなければ得られたであろうメダルの付与を、RT1遊技状態に移行させることで投入するメダルの枚数を減らすことによって補填することができる。なお、「チェリーこぼし」が生じない場合、「チェリーこぼし」が生じてRT1遊技状態に移行した場合のいずれであっても、出玉率に差が生じないようになっている。
BB一般遊技状態において、メインCPU31は、RT遊技状態として、RT0遊技状態又はRT2遊技状態をとる。BB一般遊技状態のRT0遊技状態において、BB中RBに内部当籤した場合には、RT遊技状態はRT2遊技状態に移行する。すなわち、主遊技状態がBB中RBの持越し状態である間、RT遊技状態はRT2遊技状態に維持される。
BB一般遊技状態におけるRT2遊技状態において、主遊技状態がBB中RB作動状態からBB一般遊技状態に移行した場合には、RT遊技状態はRT0遊技状態に移行する。なお、BB中RB作動状態及びRB作動状態において、RT遊技状態は、非作動状態となる。
ここで、一般遊技状態とRB作動状態との間で主遊技状態が移行した場合であっても、RT遊技状態は移行しない。また、一般遊技状態とBB作動状態との間で主遊技状態が移行した場合であっても、RT遊技状態は移行しない。
例えば、RT遊技状態がRT0遊技状態にあるときに、主遊技状態が一般遊技状態からBB作動状態に移行した場合であっても、RT遊技状態はRT0遊技状態に維持される。また、RT遊技状態がRT0遊技状態にあるときに、主遊技状態がBB作動状態から一般遊技状態に移行した場合であっても、RT遊技状態はRT0遊技状態に維持される。また、RT遊技状態がRT2遊技状態にあるときに、主遊技状態がBB作動状態から一般遊技状態に移行した場合であっても、RT遊技状態はRT2遊技状態に維持される。
[メインROMに記憶されているデータテーブル]
図8〜図56は、メインROM32に記憶されている各種のデータテーブルを示している。
<図柄配置テーブル>
図8に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表している。図柄配置テーブルは、21個の図柄位置「0」〜「20」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「20」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「20」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「赤7」、「青7」、「BAR」、「スイカ1」、「ボム1」、「オレンジ」、「チェリー1」、「スイカ2」、「チェリー2」及び「ボム2」を含んでいる。
ここで、「スイカ1」及び「スイカ2」は、メインCPU31が内部的に異なる図柄であると識別可能であればよく、本実施の形態においては、同一の図柄のように遊技者が認識できる図柄とする。同様に、「ボム1」及び「ボム2」と、「チェリー1」及び「チェリー2」とも、メインCPU31が内部的に異なる図柄であるとそれぞれ識別可能であればよく、本実施の形態においては、同一の図柄と遊技者がそれぞれ認識できる図柄とする。
<図柄コード表>
図9に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、本実施の形態においては、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図9に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのデータとしての図柄コードを表している。
例えば、図8に示した図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列を表すものとして説明したが、実際にメインROM32に記憶されている図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄を特定する図柄コードの配列を表している。
本実施の形態において、パチスロ機1で用いる図柄は、上述のように「赤7」、「青7」、「BAR」、「スイカ1」、「ボム1」、「オレンジ」、「チェリー1」、「スイカ2」、「チェリー2」及び「ボム2」の10種類である。
図柄コード表では、「赤7」図柄に対する図柄コードとして「1」が割り当てられている。また、「青7」図柄に対する図柄コードとして「2」が割り当てられている。また、「BAR」図柄に対する図柄コードとして「3」が割り当てられている。
同様に、「スイカ1」、「ボム1」、「オレンジ」、「チェリー1」、「スイカ2」、「チェリー2」及び「ボム2」の各図柄に対する図柄コードとして「4」から「10」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
図10に示す図柄組合せテーブルは、12バイトで表される格納領域識別データによって識別される図柄の組合せ(以下、「コンビネーション」という)と、1枚掛け、2枚掛け及び3枚掛け時に有効ライン上にコンビネーションが表示された場合のメダルの各払出枚数とが対応付けられている。なお、図10に示す図柄組合せテーブルは、発明を理解しやすくするために、各コンビネーションに対して、簡単な説明が付けられている。
例えば、「C_RT1移行目」と呼ばれる「スイカ2−オレンジ−オレンジ」のコンビネーションは、チェリー役がとりこぼされた場合に表示される。「C_RT1移行目」は、入賞役としては「ハズレ」であるため、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、主遊技状態が一般遊技状態であり、RT遊技状態がRT0遊技状態又はRT2遊技状態である場合には、RT遊技状態がRT1遊技状態に移行する。
「C_赤BB」と呼ばれる「赤7−赤7−赤7」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、BBの作動役に入賞したことを表す。すなわち、「C_赤BB」が有効ラインに沿って表示された場合には、主遊技状態がBB作動状態に移行する。「C_青BB」は、「C_赤BB」と同様である。
「C_赤RB」と呼ばれる「BAR−BAR−赤7」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、RBの作動役に入賞したことを表す。すなわち、「C_赤RB」が有効ラインに沿って表示された場合には、主遊技状態がRB作動状態に移行する。「C_青RB」は、「C_赤RB」と同様である。
「C_BB中RB1」と呼ばれる「赤7−チェリー1−チェリー2」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、BB中RBの作動役に入賞したことを表す。すなわち、主遊技状態がBB一般遊技状態であるときに「C_BB中RB1」が有効ラインに沿って表示された場合には、主遊技状態がBB中RB作動状態に移行する。「C_BB中RB2」〜「C_BB中RB18」は、「C_BB中RB1」と同様である。「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」は、総称して「JACIN役」とも呼ばれる。
また、これら「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」を構成する図柄(JACIN図柄)の組合せ(所定の図柄の組合せ)は、一般遊技状態においていずれの内部当籤役も決定されない場合に有効ライン上に停止するハズレ図柄の組合せに含まれている。
このため、BB一般遊技状態において、JACIN役(移行役)と他の役とが重複して有効ライン上に停止する可能性がある。そこで、本実施の形態では、メインCPU31は、一般遊技状態とBB一般遊技状態とでリール3L、3C、3Rの停止制御を変更するようになっている。これにより、BB一般遊技状態中にJACIN役(移行役)と他の役とが重複して入賞することを回避することができる。
「C_リプ」と呼ばれる「オレンジ−オレンジ−オレンジ」のコンビネーションは、有効ラインに沿って表示された場合には、メダルの払出はないが、再遊技の作動役であるリプレイ役に入賞したことを表す。
「C_RB中役1」と呼ばれる「オレンジ−オレンジ−青7」のコンビネーションは、2枚掛け時に有効ラインに沿って表示された場合には、4枚のメダルが払い出される小役、特に、RB作動状態でメダルの払出を行うRB増加役に入賞したことを表す。「C_RB中役2」〜「C_RB中役6」は、「C_RB中役1」と同様である。
「C_RB中役7」と呼ばれる「赤7−オレンジ−青7」のコンビネーションは、2枚掛け時に有効ラインに沿って表示された場合には、15枚のメダルが払い出される小役、特に、RB作動状態でメダルの払出を行うRB増加役が入賞したことを表す。「C_RB中役8」〜「C_BB中RB12」は、「C_RB中役7」と同様である。また、「C_RB中役1」〜「C_BB中RB12」は、総称して「JAC役」とも呼ばれる。
「C_特殊役A」と呼ばれる「ボム2−BAR−ボム2」のコンビネーションは、1〜3枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、それぞれ1枚のメダルが払い出される小役が入賞したことを表す。「C_特殊役A」は、主に、主遊技状態が一般遊技状態にあるときに、BB又はRBに内部当籤していることを表すリーチ目を構成する。「C_特殊役B」〜「C_特殊役E」は、「C_特殊役A」と同様である。
「C_特殊役F」と呼ばれる「ボム2−スイカ1−チェリー2」のコンビネーションは、1枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、15枚のメダルが払い出され、2枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、15枚のメダルが払い出され、3枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、12枚のメダルが払い出される小役が入賞したことを表す。なお、「C_特殊役F」は、試験対策役である。
「C_スイカ1」と呼ばれる「スイカ1−スイカ1−スイカ1」のコンビネーションは、1枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、15枚のメダルが払い出され、2、3枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、1枚のメダルがそれぞれ払い出される小役であるスイカ役が入賞したことを表す。「C_スイカ2」〜「C_スイカ4」は、「C_スイカ1」と同様である。
「C_爆弾A1」と呼ばれる「ボム1−ボム1−ボム1」のコンビネーションは、1、2枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、15枚のメダルがそれぞれ払い出され、3枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、10枚のメダルがそれぞれ払い出される小役であるベル役が入賞したことを表す。「C_爆弾A2」〜「C_爆弾A8」及び「C_爆弾B1」〜「C_爆弾B4」は、「C_爆弾A1」と同様である。
「C_チェ1」と呼ばれる「チェ1−赤7−ANY(いずれかの図柄)」のコンビネーションは、1枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、4枚のメダルが払い出され、2枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、15枚のメダルが払い出され、3枚掛け時に有効ライン上に表示された場合には、1枚のメダルが払い出される小役であるチェリー役が入賞したことを表す。「C_チェ2」〜「C_チェ35」は、「C_チェ1」と同様である。
<内部当籤役別コンビネーションテーブル>
図11に示すフラグ別コンビネーションテーブルは、内部当籤役に対応して有効ライン上に表示させることが許可されるコンビネーションを示している。本実施の形態における内部当籤役としては、「F_BB」、「F_RB」、「F_リプ」、「F_ベルA」、「F_ベルB」、「F_スイカ」、「F_チェリー」、「F_特殊役A」、「F_特殊役B」、「F_RB中全役」、「F_RB中BOM1」、「F_RB中BOM2」、「F_特殊役C」、「F_BB一般リプ」、「F_BB一般チェリー」、「F_BB中RB」、「F_BB一般特殊役A」、「F_BB一般特殊役B」及び「F_特殊役D」がある。
例えば、内部当籤役が「F_BB」である場合には、メインCPU31は、「C_赤BB」及び「C_青BB」を有効ライン上に表示させることを許可する。すなわち、内部当籤役が「F_BB」である場合には、BBに内部当籤していることを表す。
同様に、内部当籤役が「F_RB」である場合には、メインCPU31は、「C_赤RB」及び「C_青RB」を有効ライン上に表示させることを許可する。すなわち、内部当籤役が「F_RB」である場合には、RBに内部当籤していることを表す。
また、内部当籤役が「F_BB中RB」である場合には、メインCPU31は、「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」を有効ライン上に表示させることを許可する。すなわち、内部当籤役が「F_BB中RB」である場合には、BB中RBに内部当籤していることを表す。
また、内部当籤役が「F_ベルA」である場合には、メインCPU31は、試験対策役としての「C_特殊役F」、「C_爆弾A1」〜「C_爆弾A8」及び「C_爆弾B2」を有効ライン上に表示させることを許可する。
ここで、本実施の形態に係る試験対策役、すなわち「C_特殊役F」は、内部当籤役が「F_ベルA」である場合には、「C_爆弾A1」〜「C_爆弾A8」及び「C_爆弾B2」と、図柄配列上、同じ確率で入賞させることができる。ただし、「C_特殊役F」は、一般遊技状態において入賞させることができず、BB中RB作動状態で「F_RB中BOM1」が内部当籤したときに特定の停止操作が行われた場合にのみ、入賞させることができる。
また、「C_爆弾A1」〜「C_爆弾A8」及び「C_爆弾B2」の3枚掛け時の払出枚数が10枚であるのに対して、「C_特殊役F」の3枚掛け時の払出枚数は12枚である。したがって、本実施の形態に係るパチスロ機1の試射試験においては、「F_ベルA」に内部当籤すると、払出枚数が「C_爆弾A1」〜「C_爆弾A8」及び「C_爆弾B2」よりも2枚多い「C_特殊役F」が入賞することとなる。
この結果、パチスロ機1の試射試験においては、一般遊技状態におけるメダルの獲得枚数が実際の稼動時よりも多くなる。このため、BBやRB等の役物によって得られるメダルの獲得枚数を増やしても役物比率を抑制することができる。
また、内部当籤役が「F_特殊役A」である場合には、メインCPU31は、「C_特殊役A」〜「C_特殊役C」及び「C_特殊役E」を有効ライン上に表示させることを許可する。
<内部抽籤テーブル>
図12〜図29に示す複数の内部抽籤テーブルは、各遊技状態及び各投入枚数に対応してメインROM32に記憶され、設定1〜6ごとに分母を65536とした各フラグの当籤確率を示している。
ここで、図12〜図14は、主遊技状態がBB又はRBの持越し状態でない一般遊技状態にある場合における各RT遊技状態の1枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。例えば、図12において、設定1の場合、「はずれ」の確率は「47532/65536」であり、「F_BB」と「F_特殊役A」とが重複して内部当籤する確率は「1/65536」であり、「F_RB」と「F_特殊役B」とが重複して内部当籤する確率は「1/65536」であり、「F_リプ」が内部当籤する確率は「12000/65536」であり、「F_ベルA」が内部当籤する確率は「1/65536」であり、「F_ベルB」が内部当籤する確率は「1/65536」であり、「F_スイカ」が内部当籤する確率は「400/65536」であり、「F_チェリー」が内部当籤する確率は「5600/65536」である。
図15は、主遊技状態が一般遊技状態で、BBの持越し状態にある場合における1枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図15において、「F_BB」は、必ず内部当籤することになる。
図16は、主遊技状態が一般遊技状態で、RBの持越し状態にある場合における1枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図16において、「F_RB」は、必ず内部当籤することになる。
図17は、主遊技状態がRB及びBB中RBの持越し状態でないBB一般遊技状態にあり、RT遊技状態がRT0遊技状態にある場合における1枚掛け時の内部抽籤テーブル(第1の抽籤テーブル)を示している。ここで、図17に示す内部抽籤テーブルは、BBが作動していない一般遊技状態においていずれの内部当籤役も決定されないハズレ確率を、JACIN役(移行役)の当籤確率として規定している。
図18は、主遊技状態がBB一般遊技状態で、RBの持越し状態にある場合における1枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図18において、「F_RB」は、必ず内部当籤することになる。
図19は、主遊技状態がBB一般遊技状態で、BB中RBの持越し状態にある場合における1枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図19において、「F_BB中RB」は、必ず内部当籤することになる。
図20は、主遊技状態がRB作動状態にある場合の内部抽籤テーブルを示している。図21は、主遊技状態がBB中RB作動状態にある場合の内部抽籤テーブルを示している。図22〜図24は、主遊技状態がBB又はRBの持越し状態でない一般遊技状態にある場合における各RT遊技状態の3枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。
図25は、主遊技状態が一般遊技状態で、BBの持越し状態にある場合における3枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図25において、「F_BB」は、必ず内部当籤することになる。なお、図8に示す変移図から明らかなように、主遊技状態が一般遊技状態で、BBの持越し状態にある場合には、RT遊技状態はRT0遊技状態である。
図26は、主遊技状態が一般遊技状態で、RBの持越し状態にある場合における3枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図26において、「F_RB」は、必ず内部当籤することになる。
図27は、主遊技状態がRB及びBB中RBの持越し状態でないBB一般遊技状態にある場合におけるRT0遊技状態の3枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。図28は、主遊技状態がBB一般遊技状態で、RBの持越し状態である場合における3枚掛け時の内部抽籤テーブルを示している。したがって、図28において、「F_RB」は、必ず内部当籤することになる。
図29は、主遊技状態がBB一般遊技状態で、BB中RBの持越し状態にある場合における3枚掛け時の内部抽籤テーブル(第2の抽籤テーブル)を示している。したがって、図29において、「F_BB中RB」は、必ず内部当籤することになる。ここで、図29に示す内部抽籤テーブルは、上述した図17に示す内部抽籤テーブルよりも払出のある小役(例えば、「F_ベルA」及び「F_ベルB」)の当籤確率が高くなるよう規定されている。
<回胴停止初期設定テーブル>
図30に示す回胴停止初期設定テーブルは、リール3L、3C、3Rを停止させるための情報であり、投入枚数及び内部当籤役に応じて予め定められている。メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、投入枚数及び内部当籤役に対応する回胴停止用番号を取得し、リール3L、3C、3Rを停止させるための各種データを取得するようになっている。
具体的には、回胴停止初期設定テーブルでは、回胴停止用番号に対応付けて、押下順序別判定データに加えて、テーブル番号選択データと、第一回胴第一停止後変更データテーブル番号と、第一回胴停止データテーブル番号と、第一回胴第一停止後初期データと、検索順序テーブル番号とを遊技状態に応じて規定している。これらの各種のデータは、単位遊技の進行の状況に応じてリール3L、3C、3Rの停止制御において選択すべき各種のテーブル番号を示す。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、図31に示す引込優先順位テーブルを選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、図32に示す引込優先順位選択テーブルを選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、ストップ用テーブル番号と、変更ステータスとを含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを図34〜図39に一例を示すストップ用テーブルから選択するための番号である。
テーブル番号選択データの「変更ステータス」は、ストップ用テーブル番号に基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止後変更データテーブル番号と、第一回胴停止データテーブル番号と、第一回胴第一停止後初期データとは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴停止データテーブル番号」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブルを図40〜図42に一例を示す第一回胴停止データテーブルから選択するための番号である。
「第一回胴第一停止後初期データ」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを図44及び図45に一例を示す第一回胴第一停止後停止データテーブルから選択するための番号である。
第一回胴第一停止後初期データの「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。
ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「第一回胴第一停止後変更データテーブル番号」は、第一回胴第一停止後初期データを変更するための第一回胴第一停止後変更データテーブルを図46〜図51に一例を示す第一回胴第一停止後変更データテーブルから選択するためのデータである。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブルを図52〜図54に示す検索順序テーブルから選択するための番号である。
<引込優先順位テーブル>
図31に示す引込優先順位テーブルは、内部当籤役に対応して引込み範囲内に表示することができる複数のコンビネーションのなかで、どのコンビネーションを優先して引込むかを表している。なお、図31では、コンビネーションの組合せを表す入賞作動フラグのデータは省略されている。
引込優先順位テーブルでは、入賞作動フラグが表すコンビネーションの引込みの優先順位が表されている。「引込優先順位データ」は、引込みの優先順位をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
例えば、引込優先順位テーブル番号「00」では、「C_リプ」、「C_赤BB」及び「C_青BB」が入賞する可能性が有ると判定されている場合には、「C_赤BB」及び「C_青BB」より「C_リプ」の方が優先順位が高いため、「C_リプ」を優先して引込むように回転中のリール3L、3C、3Rの停止制御が行われる。
<引込み優先順位選択テーブル>
図32に示す引込優先順位選択テーブルでは、引込優先順位選択テーブルごとに、リールの停止操作の順序を示す停止操作種別に対する引込優先順位テーブル番号が対応付けられている。
例えば、引込優先順位テーブル選択番号「01」では、第1停止操作が「左」である場合には、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられ、第1停止操作が「中」である場合には、引込優先順位テーブル番号「02」が対応付けられている。
また、引込優先順位テーブル選択データ「01」では、第2停止操作時に第1停止操作が「左」、第2停止操作が「中」である場合(図中「左→中」)には、引込優先順位テーブル番号「00」が対応付けられ、第2停止操作時に第1停止操作が「右」、第2停止操作が「左」である場合(図中「右→左」)には、引込優先順位テーブル番号「02」が対応付けられている。
<ストップ用テーブル>
図33に構成を示し、図34〜図39に具体例を示すように、ストップ用テーブルは、各図柄位置を表す図柄位置データに対して、7ビットで表される停止データを規定している。なお、本実施の形態においては、8通りのストップ用テーブル「00」〜「17」を用いるが、一部のストップ用テーブルについては、図示が省略されている。
ストップ用テーブルは、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、図52〜図54に示す検索順序テーブルにおける滑り駒数決定データを決定するために参照される。
「bit0」は、右リール3Rすなわち第三回胴のBラインデータを表し、「bit1」は、第三回胴のAラインデータを表し、「bit2」は、第三回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第三回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第三回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit1」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit0」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit3」は、中リール3Cすなわち第二回胴のBラインデータを表し、「bit4」は、第二回胴のAラインデータを表し、「bit5」は、第二回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第二回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第二回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit4」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit3」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit6」は、左リール3Lすなわち第一回胴のBラインデータを表し、「bit7」は、第一回胴のAラインデータを表す。具体的には、第一回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit7」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit6」によって構成されるBラインデータが参照される。
ストップ用テーブルにおいて、メインCPU31によってストップボタン7L、7C、7Rのいずれかの押下が検出されたときに、該当する表示窓4L、4C、4Rの中段に表示されたリール3L、3C、3Rの図柄位置に応じた図柄位置データを起点として、リールの回転方向に、参照するラインデータが「1」となるまで探索した回数が滑り駒数決定データとして決定される。
例えば、図34に示すストップ用テーブル「00」において、ラインステータスがAラインであって、図柄位置データが「5」に該当するリール3Lの図柄が表示窓4Lの中段に表示されたときに、メインCPU31によってストップボタン7Lの押下が検出された場合には、「bit7」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインデータが「1」となる図柄位置データ「7」まで探索されるため、滑り駒数決定データは、「7」から「5」を減じた「2」となる。
<第一回胴停止データテーブル>
図40〜図42に示す第一回胴停止データテーブルは、第一停止リールが左リール3Lである場合に左リール3Lを停止させるときに参照される。第一回胴停止データテーブルは、各図柄の位置を表す図柄位置データに対して、滑り駒数決定データと、チェンジステータスとが規定されている。なお、本実施の形態においては、14通りの第一回胴停止データテーブル「00」〜「13」を用いる。
「滑り駒数決定データ」は、図52〜図54に示す検索順序テーブルにおける滑り駒数決定データを特定するために参照され、「チェンジステータス」は、図46〜図51に示す第一回胴第一停止後変更データテーブルにおけるチェンジステータスを特定するために参照される。
<第一回胴第一停止後停止データテーブル>
図43に構成を示し、図44及び図45に具体例を示すように、第一回胴第一停止後停止データテーブルは、各図柄の位置を表す図柄位置データに対して、7ビットで表される停止データを規定している。なお、本実施の形態においては、55通りの第一回胴第一停止後停止データテーブル「00」〜「54」を用いるが、一部の第一回胴第一停止後停止データテーブルについては、図示が省略されている。
第一回胴第一停止後停止データテーブルは、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、図52〜図54に示す検索順序テーブルにおける滑り駒数決定データを決定するために参照される。なお、以下の説明において、第一回胴第一停止後停止データテーブル、第一回胴停止データテーブル及びストップ用テーブルを総称して「停止テーブル」ともいう。
「bit0」は、右リール3Rすなわち第三回胴のBラインデータを表し、「bit1」は、第三回胴のAラインデータを表し、「bit2」は、第三回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第三回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第三回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit1」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit0」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit3」は、中リール3Cすなわち第二回胴のBラインデータを表し、「bit4」は、第二回胴のAラインデータを表し、「bit5」は、第二回胴のライン変更ビットを表す。
具体的には、第二回胴のライン変更ビットが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「1」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第二回胴停止時に、ラインステータスがAラインであれば、「bit4」によって構成されるAラインデータが参照され、ラインステータスがBラインであれば、「bit3」によって構成されるBラインデータが参照される。
また、「bit6」は、第二回胴のCラインデータを表し、「bit7」は、第三回胴のCラインデータを表す。具体的には、第二回胴停止時に、ラインステータスがCラインであれば、「bit6」によって構成されるCラインデータが参照され、第三回胴停止時に、ラインステータスがCラインであれば、「bit7」によって構成されるCラインデータが参照される。
第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて、メインCPU31によってストップボタン7C、7Rのいずれかの押下が検出されたときに、該当する表示窓4C、4Rの中段に表示されたリール3C、3Rの図柄位置に応じた図柄位置データを起点として、リールの回転方向に、参照するラインデータが「1」となるまで探索した回数が滑り駒数決定データとして決定される。
例えば、図44に示す第一回胴第一停止後停止データテーブル「00」において、ラインステータスがCラインであって、図柄位置データが「5」に該当するリール3Rの図柄が表示窓4Rの中段に表示されたときに、メインCPU31によってストップボタン7Rの押下が検出された場合には、「bit7」によって構成されるCラインデータが参照され、ラインデータが「1」となる図柄位置データ「13」まで探索されるため、滑り駒数決定データは、「13」から「5」を減じた「8」となる。
<第一回胴第一停止後変更データテーブル>
図46〜図51に示す第一回胴第一停止後変更データテーブルは、図柄の特定な位置を表す図柄位置データに対するチェンジステータスを規定している。なお、本実施の形態においては、15通りの第一回胴第一停止後変更データテーブル「00」〜「14」を用いるが、一部の第一回胴第一停止後変更データテーブルについては、図示が省略されている。
チェンジステータスは、図30に示す回胴停止初期設定テーブルにおける第一回胴第一停止後初期データによって決定されたテーブル番号と、ラインステータスとを変更するためのデータである。
第一回胴第一停止後変更データテーブルにおいて、表示窓4Lの中段に表示されたリール3Rの図柄位置に応じた図柄位置データが第一回胴第一停止後変更データテーブルに示されている場合には、図40〜図42に示す第一回胴停止データテーブルで特定されたチェンジステータスに基づいて、テーブル番号と、ラインステータスとが変更される。
例えば、図46に示す第一回胴第一停止後変更データテーブル「00」において、図柄位置データが「4」に該当するリール3Rの図柄が表示窓4Rの中段に表示され、チェンジステータスが「0」である場合には、テーブル番号が「33」に変更され、ラインステータスが維持される。
同様に、図46に示す第一回胴第一停止後変更データテーブル「00」において、図柄位置データが「16」に該当するリール3Rの図柄が表示窓4Rの中段に表示され、チェンジステータスが「0」である場合には、テーブル番号が「30」に変更され、ラインステータスがCラインに変更される。
<検索順序テーブル>
図52〜図54に示す検索順序テーブルは、各リール3L、3C、3Rの滑り駒数を決定するために参照される。なお、本実施の形態においては、3通りの検索順序テーブル「00」〜「02」を用いる。検索順序テーブルは、滑り駒数決定データに対して、滑り駒数が優先順序に応じて対応付けられている。
例えば、図52に示す検索順序テーブル「00」において、滑り駒数決定データが「3」である場合には、滑り駒数「3」が最も優先順序が高く、次いで、滑り駒数「1」、「0」、「4」、「2」の順序で優先順序が下がっていく。
この場合、該当リールを3駒滑らせたときに、内部当籤役に対応するコンビネーションを有効ラインに表示させることができる場合には、滑り駒数「3」が選択され、内部当籤役に対応するコンビネーションを有効ラインに表示させることができない場合には、当該コンビネーションを有効ラインに表示させることができるまで、優先順序が下げられていく。
なお、滑り駒数「2」まで優先順序が下げても内部当籤役に対応するコンビネーションを有効ラインに表示させることができない場合、又は、内部当籤役がない「はずれ」の場合には、最も優先順序が高い滑り駒数「3」が選択される。
<図柄対応入賞作動フラグデータテーブル>
図55に示す図柄対応入賞作動フラグデータテーブルは、リール種別と、入賞判定ラインに表示された各リールの図柄に応じて表示可能な内部当籤役のデータとの対応関係を規定する。すなわち、図柄対応入賞作動フラグデータテーブルを参照することにより、そのときに表示可能な内部当籤役を判別することができる。なお、図柄対応入賞作動フラグデータテーブルは、図11に示した図柄組合せテーブルに対応して設けられる。
例えば、左リール3Lの入賞判定ライン上に図柄「赤7」が停止表示された場合には、リール種別「左」における図柄コード「00000001」(赤7)に対応する格納領域1〜11において、表示可能な内部当籤役に対応するビットに「1」が格納される。この図柄対応入賞作動フラグデータテーブルで規定されるデータと、図58に示す図柄コード格納領域に格納されるデータとの論理積で図柄コード格納領域のデータが更新される。
<ラインマスクデータテーブル>
図56は、ラインマスクデータテーブルを示す図である。ラインマスクデータテーブルは、ストップボタンの種別に対応してラインマスクデータを規定している。遊技者によって操作されたストップボタンが左ストップボタン7Lである場合には、ラインマスクデータ「10000000」が選択される。また、遊技者によって操作されたストップボタンが中ストップボタン7Cである場合には、ラインマスクデータ「00010000」が選択される。また、遊技者によって操作されたストップボタンが右ストップボタン7Rである場合には、ラインマスクデータ「00000010」が選択される。
[メインRAMに割り当てられる格納領域の構成]
図57〜図63は、メインRAM33に割り当てられる各種の格納領域を示している。
<内部当籤役格納領域>
図57に示す内部当籤役格納領域は、内部当籤役格納領域1〜12の12個の格納領域によって構成される。内部当籤役格納領域1〜12には、図12に示す内部当籤役別コンビネーションテーブルにおいて、内部当籤役に対応付けられたコンビネーションに応じたデータ(ビット)が1にセットされ、他のデータが0にリセットされる。
<表示役格納領域>
表示役格納領域は、リール3L、3C、3Rの各リールが停止した後に、有効ラインに沿って表示することができるコンビネーションを表す。すなわち、表示役格納領域は、リール3L、3C、3Rの全てが停止した後には、入賞した内部当籤役を表す。表示役格納領域は、リール3L、3C、3Rの全てが停止した後に、メインCPU31が有効ラインに沿って表示されたコンビネーションを識別するために用いられる。なお、表示役格納領域は、内部当籤役格納領域と同一の構造を有するため図示を省略する。
<図柄コード格納領域>
図58に示す図柄コード格納領域は、有効ラインの数だけ割り当てられ、各図柄コード格納領域は、各有効ラインに沿って表示することができるデータが1にセットされ、リール3L、3C、3Rの停止位置に応じて、有効ラインに沿って表示することができなくなったコンビネーションに応じたデータが0にリセットされる。また、図柄コード格納領域1の上位4ビットには、該当する有効ラインに最近に停止された図柄コードが記憶される。
<持越役格納領域>
図59に示す持越役格納領域は、持越役に係るデータが格納される。例えば、主遊技状態がBBの持越し状態になったことを条件として、持越役格納領域のビット0が「1」にセットされ、RBの持越し状態になったことを条件として、持越役格納領域のビット1が「1」にセットされ、BB中RBの持越し状態になったことを条件として、持越役格納領域のビット2が「1」がセットされ、BB、RB及びBB中RBの各ボーナスが作動したことを条件として、該当ビットが「0」にリセットされる。
<遊技状態フラグ格納領域>
図60に示す遊技状態フラグ格納領域は、主遊技状態及びRT遊技状態に係るデータが格納される。例えば、主遊技状態がBBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット0が「1」にセットされ、主遊技状態がRBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット1が「1」にセットされ、主遊技状態がBB中RBの作動状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット2が「1」にセットされ、BB、RB及びBB中RBの各ボーナスが終了したことを条件として、該当ビットが「0」にリセットされる。
また、RT遊技状態がRT2遊技状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット5が「1」にセットされ、ビット6、7が「0」にリセットされる。また、RT遊技状態がRT1遊技状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット6が「1」にセットされ、ビット5、7が「0」にリセットされる。また、RT遊技状態がRT0遊技状態になったことを条件として、遊技状態フラグ格納領域のビット7が「1」にセットされ、ビット5、6が「0」にリセットされる。
<作動ストップボタン格納領域>
図61に示す作動ストップボタン格納領域は、ストップボタン7L、7C、7Rの状態が格納される。ビット0は、ストップボタン7Lに対応し、ストップボタン7Lが操作されたときには、ビット0に「1」が格納される。
同様に、ビット1は、ストップボタン7Cに対応し、ストップボタン7Cが操作されたときには、ビット1に「1」が格納される。また、ビット2は、ストップボタン7Rに対応し、ストップボタン7Rが操作されたときには、ビット2に「1」が格納される。
ビット4は、ストップボタン7Lに対応し、ストップボタ7Lが有効であるときには、ビット4に「1」が格納される。ビット5は、ストップボタン7Cに対応し、ストップボタン7Cが有効であるときには、ビット5に「1」が格納される。また、ビット6は、ストップボタン7Rに対応し、ストップボタン7Rが有効であるときには、ビット6に「1」が格納される。
本実施の形態において、有効なストップボタンとは、回転中のリール3L、3C、3Rに対応し、メインCPU31によって停止操作を検出することが可能なストップボタン7L、7C、7Rのことをいう。
<押下順序格納領域>
図62に示す押下順序格納領域は、3つのストップボタン7L、7C、7Rの押下順序を示す情報を格納するための領域である。ビット0は押下順序が「左→中→右」に対応し、押下順序が「左→中→右」であるときにビット0に「1」が格納され、他のビットは、「0」にリセットされる。
同様に、ビット1は押下順序が「左→右→中」に対応し、ビット2は押下順序が「中→左→右」に対応し、ビット3は押下順序が「中→右→左」に対応し、ビット4は押下順序が「右→左→中」に対応し、ビット5は押下順序が「右→中→左」に対応する。
<引込優先順位データ格納領域>
図63に示す引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域及び右リール用引込優先順位データ格納領域を含んでいる。なお、中リール用引込優先順位データ格納領域及び右リール用引込優先順位データ格納領域の内容については、左リール用引込優先順位データ格納領域と同様であるため、以下においては左リール用引込優先順位データ格納領域について説明する。
左リール用引込優先順位データ格納領域は、図柄位置データのそれぞれについて、引込優先順位データを格納する。例えば、図31に示す引込優先順位テーブルの引込優先順位データのうち、内部当籤役及び他のリール3C、3Rの状態に基づいた、いずれかの引込優先順位データが図柄位置ごとに格納される。
[主制御処理]
主制御基板71のメインCPU31は、図64〜図85に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<メイン制御処理>
図64は、メイン制御処理を示すフローチャートである。なお、以下に説明するメイン制御処理は、パチスロ機1に電源が投入されたときにスタートする。
最初に、パチスロ機1に電源が投入されると、メインCPU31は、図65に示す電源投入時処理を実行する(S10)。この電源投入時処理では、バックアップが正常であるか、設定変更が適切に行われたかなどが判断され、判断結果に応じた初期化処理が実行される。
次に、メインCPU31は、一のゲーム(1単位遊技)終了時の初期化処理を実行する(S11)。この初期化処理では、例えば、一遊技終了時に初期化するように予め指定された格納領域が初期化される。この初期化処理によって、メインRAM33の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域などに格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU31は、図66に示すメダル受付・スタートチェック処理を実行する(S12)。このメダル受付・スタートチェック処理では、遊技者により投入されたメダルを検出する処理、及び開始操作を検出する処理が実行される。
次に、メインCPU31は、3つの乱数値(乱数値1〜3)を抽出し、メインRAM33に割り当てられた乱数値格納領域に格納する(S13)。ここで、乱数値1は、内部抽籤処理のために使用される値で、本実施の形態においては、0〜65535の中から抽出される。
また、乱数値2、3は、その他の抽籤処理のために使用される値で、本実施の形態においては、それぞれ0〜65535及び0〜255の中から抽出される。なお、メインCPU31は、ステップS13で乱数値2、3を常に抽出する必要はなく、各乱数値2、3を使用が生じた場合にのみ抽出するようにしてもよい。
次に、メインCPU31は、図67に示す内部抽籤処理を実行する(S14)。この内部抽籤処理を実行するメインCPU31は、内部当籤役決定手段を構成する。
次に、メインCPU31は、図70に示すリール停止初期設定処理を実行する(S15)。このリール停止初期設定処理により、内部抽籤処理の結果(内部当籤役)に基づいて、リールの停止制御に関する各情報(例えば、停止テーブル番号等)がメインRAM33の該当領域に格納される。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するスタートコマンドデータを生成し、生成したスタートコマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S17)。
スタートコマンドデータは、例えば、遊技状態フラグの種別、ボーナス終了枚数カウンタの値、内部当籤役の種別及び演出用のタイマの値等を表す。
次に、メインCPU31は、ウェイト処理を実行する(S18)。このウェイト処理では、前回の遊技開始(前回の単位遊技の開始)から所定時間を経過しているか否かが判断され、所定時間を経過していないと判断された場合には、所定時間を経過するまで待機して待ち時間が消化される。このウェイト処理における所定時間、すなわちウェイト時間は、例えば、前回の単位遊技の開始から4.1秒に設定される。
次に、メインCPU31は、投入されたメダルの枚数に応じて、全てのリール3L、3C、3Rを回転させるリール回転開始処理を実行する(S19)。このリール回転開始処理に伴って、作動ストップボタン格納領域(図61参照)に「01110000」が格納される。また、リール回転開始処理は、図85に示す割込処理によって実行される。この割込処理は、一定の周期(1.1172ms)で実行される処理である。
この割込処理によって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動が制御され、リール3L、3C、3Rの回転が開始する。その後、この割込処理によって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動が制御され、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達するまで加速される。
さらに、リール3L、3C、3Rの回転が定速に達すると、この割込処理によって、ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動が制御され、リール3L、3C、3Rが定速で回転するように維持される。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール回転開始コマンドデータを生成し、生成したリール回転開始コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S20)。
このリール回転開始コマンドデータを受信することにより、副制御基板72は、リール回転開始を認識することができるようになり、各種の演出を実行するタイミング等を決定することができる。
次に、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行する(S21)。この引込優先順位格納処理では、図72に示す引込優先順位テーブル選択処理が実行され、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。すなわち、引込優先順位格納処理では、内部当籤役に基づいて、回転中の各リールの図柄位置ごとに、停止情報が図63に示す引込優先順位データ格納領域に格納される。
例えば、各リール3L、3C、3Rの各図柄に対して、該当図柄が停止許可の場合には、優先順位テーブルに基づいてその引込優先順位データが引込優先順位データ格納領域に格納され、停止不許可の場合(例えば、内部当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、引込優先順位データ格納領域に停止禁止を表すデータが格納される。
次に、メインCPU31は、図74に示すリール停止制御処理を実行する(S22)。この処理によって、リール3L、3C、3Rの停止制御が行われる。次に、メインCPU31は、入賞検索処理を実行する(S23)。
この入賞検索処理では、全てのリール3L、3C、3Rが停止した後に、入賞ライン8a〜8gのうち有効化された入賞ラインに表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとが照合されて、入賞ライン8a〜8gのいずれかに表示された図柄組合せが判断される。
具体的には、図柄コード格納領域(図58参照)に格納されたデータと、図柄組合せテーブル(図10参照)のデータとが照合され、その照合結果が表示役格納領域に格納される。
より具体的には、図柄コード格納領域のデータが表示役格納領域にそのまま複写される。その際に、図柄組合せテーブルが参照されて、払出枚数が求められる。この入賞検索処理によって、全てのリール3L、3C、3Rが停止したことで表示窓4L、4C、4Rに表示される図柄の組合せが特定される。
次に、メインCPU31は、図80に示すRT移行処理を実行する(S24)。この処理によって、チェリー役の取りこぼし、又はチェリー役の入賞に基づくRT遊技状態の移行処理が行われる。
次に、メインCPU31は、入賞検索処理の結果に基づいて、表示された図柄組合せに応じたメダル枚数の払出を実行する(S25)。このメダル払出処理に伴って、払出枚数カウンタに基づいて、ホッパー駆動回路41の制御やクレジット枚数の更新が行われる。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信する入賞作動コマンドデータを生成し、生成した入賞作動コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S26)。入賞作動コマンドデータは、例えば、表示役の種別、及びメダルの払出枚数等を表す。
次に、メインCPU31は、図82に示すボーナス終了チェック処理を実行する(S27)。このボーナス終了チェック処理によって、BBの終了条件を満たした場合にBBの作動を終了する処理が実行される。
次に、メインCPU31は、図83に示すボーナス作動チェック処理を実行する(S28)。このボーナス作動チェック処理によって、リール3L、3C、3Rにより表示された図柄の組合せに基づいてBB又はRBの作動を行う処理が実行される。メインCPU31は、ステップS28の処理を実行した後、ステップS11の処理を実行する。
<電源投入時処理>
図65は、図64に示したメイン制御処理のステップS10において実行される電源投入時処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否かを判断する(S30)。この判断処理では、チェックサム値を用いた誤り検出により、バックアップが正常であるか否かが判断される。
例えば、メインCPU31は、電源オフ時にパチスロ機1の設定値等及びその設定値等から算出されたチェックサム値をバックアップデータとしてメインRAM33に格納しておき、電源投入時の当該判断処理(S30)において、メインRAM33に格納されている設定値等及びチェックサム値を読み出す。
そして、メインCPU31は、読み出された設定値等から算出したチェックサムと、バックアップされていたチェックサムとを比較し、比較結果が一致していれば、バックアップが正常であると判断する。
メインCPU31は、バックアップが正常であると判断した場合には(YES)、バックアップされた設定値等をセットする(S31)。これにより、バックアップが正常であった場合には、電源オフ前の設定値がセットされることになる。
ステップS31の処理を実行した後、又はステップS30においてバックアップが正常でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、パチスロ機1のキャビネット60内に設けられている設定変更スイッチがオンであるか否かを判断する(S32)。ここで、メインCPU31は、設定変更スイッチがオンであると判断すると(YES)、メインCPU31は、設定変更時の初期化処理を実行する(S33)。
この設定変更時の初期化処理では、例えば、メインRAM33の内部当籤役格納領域及び表示役格納領域に格納されているデータがクリアされるとともに、設定値がクリアされる。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信する初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する(S34)。初期化コマンドデータは、例えば、設定値変更の有無、及び設定値等を表す。
次に、メインCPU31は、設定値変更処理を実行する(S35)。この設定値変更処理では、リセットスイッチの操作結果に応じて、設定値が1〜6のうちから選択され、これに続いて操作されるスタートレバー6が操作されたときに選択されていた設定値が確定させる。
次に、メインCPU31は、設定変更スイッチがオン状態であるか否かを判断し(S36)、オン状態でない判断結果が得られるまでステップS36の処理を繰り返し実行する。
ここで、設定変更スイッチがオン状態ではない判断結果が得られた場合には(NO)、主制御基板71から副制御基板72へ送信する初期化コマンドデータを生成し、生成した初期化コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納し(S37)、電源投入時処理を終了する。
ステップS32において、メインCPU31は、設定変更スイッチがオンでないと判断した場合には(NO)、バックアップが正常であるか否かを判断する(S38)。ここで、バックアップが正常でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、電源投入時エラー処理を実行する(S39)。
電源投入時エラー処理において、メインCPU31は、バックアップが正常ではないことをエラー表示等によって表示する。なお、メインCPU31は、バックアップが正常でないエラー(バックアップエラー)の状態では、打止解除スイッチ又はリセットスイッチの操作によっては、エラー状態を解除しないようになっており、新たに設定変更が行われた場合にのみ、エラー状態を解除するようになっている。
ステップS38において、バックアップが正常であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メインRAM33に格納されているバックアップデータに基づいて、パチスロ機1の状態を電源断前の状態に復帰させ(S40)、電源投入時処理を終了する。
<メダル受付・スタートチェック処理>
図66は、図64に示したメイン制御処理のステップS12において実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、自動投入要求があるか否かを判断する(S50)。前回の単位遊技でリプレイ役に入賞した場合には、今回の単位遊技では、自動的にメダルが投入される。すなわち、ステップS50の判断処理では、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか否かを判断すればよい。
ステップS50において、メインCPU31は、自動投入要求があると判断した場合には(YES)、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルを自動投入する自動投入処理を実行する(S51)。具体的には、メインCPU31は、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写し、自動投入カウンタをクリアする。
続いて、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するメダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するメダル投入コマンド送信処理を実行する(S52)。ここで、メダル投入コマンドデータは、例えば、メダル投入の有無、投入枚数カウンタの値、及びクレジットカウンタの値等を表す。
ステップS50において、メインCPU31は、自動投入要求がないと判断した場合には(NO)、メダルの受け付けを許可する(S53)。例えば、メインCPU31は、図示しないセレクタのソレノイドを駆動し、メダル投入口22に投入されたメダルがセレクタ内を通過するように径路を形成させる。
なお、ステップS50において、メインCPU31は、自動投入要求があると判断した場合には(YES)、前回の単位遊技からメダルの受け付けが禁止されている状態になっているため、メダルの受け付けに関する処理は実行しない。
ステップS52又はS53の処理が実行された後、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値をセットする(S54)。本実施の形態において、主遊技状態がBB中RB作動状態及びRB作動状態以外の遊技状態では3枚をセットし、RB作動状態では2枚、BB中RB作動状態では1枚をセットする。
次に、メインCPU31は、メダルの受け付けが許可されているか否かを判断する(S55)。ここで、メダルの受け付けが許可されていると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、投入されたメダルの枚数をチェックするメダル投入チェック処理を実行する(S56)。このメダル投入チェック処理では、チェックされたメダルの枚数に応じて、投入枚数カウンタの値が更新される。
続いて、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するメダル投入コマンドデータを生成し、生成したメダル投入コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するメダル投入コマンド送信処理を実行する(S57)。
次に、メインCPU31は、メダルの投入又はクレジットが可能か否かを判断する(S58)。本実施の形態において、メインCPU31は、主遊技状態がBB中RB作動状態及びRB作動状態以外の遊技状態では投入枚数が3枚、RB作動状態では2枚、BB中RB作動状態では1枚であり、かつ、クレジットが50となっていること、又は、ステップS51の自動投入処理を実行したことを条件として、当該条件が成立したときにメダルの投入又はクレジットが可能でないと判断し、当該条件が成立しないときにメダルの投入又はクレジットが可能であると判断する。
ステップS58において、メダルの投入又はクレジットが可能でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、メダルの受け付けを禁止する(S59)。例えば、メインCPU31は、セレクタのソレノイドの駆動を行わずに、メダル投入口22に投入されたメダルがメダル払出口15から排出する径路を形成させる。
ステップS55において、メダルの受け付けが許可されていないと判断した場合(NO)、ステップS58において、メダルの投入又はクレジットが可能であると判断した場合(YES)、又はステップS59の処理を実行した後、メインCPU31は、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であるか否かを判断する(S60)。
すなわち、メインCPU31は、メダルの投入枚数が、単位遊技を開始できる枚数であるか否かを遊技状態に応じて判断する。本実施の形態において、メインCPU31は、主制御遊技状態がBB中RB作動状態及びRB作動状態以外の遊技状態では投入されたメダルが1枚〜3枚のいずれであるか否か、RB作動状態では投入されたメダルが2枚であるか否か、BB中RB作動状態では投入されたメダルが1枚であるか否かを判断する。本実施の形態では、BB中RB作動状態及びRB作動状態を除いて、メダルの投入枚数が1枚、2枚、3枚のいずれでも遊技を行うことが可能とされている。
ここで、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS55の処理を実行する。一方、メダルの投入枚数が遊技を開始できる枚数であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判断する(S61)。
ここで、スタートスイッチ6Sがオンでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS55の処理を実行する。一方、スタートスイッチ6Sがオンであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、メダルの受け付けを禁止し(S62)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
<内部抽籤処理>
図67は、図64に示したメイン制御処理のステップS14において実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S70)。具体的には、メインCPU31は、遊技状態及びメダルの投入枚数(1枚掛け、2枚掛け、3枚掛け)に応じて、図12〜図29のいずれかに示す内部抽籤テーブルをセットする。
次に、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(S71)。次に、メインCPU31は、取得した乱数値とセットした内部抽籤テーブルとに基づき、内部当籤役を決定して内部当籤役格納領域に格納する(S72)。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域(図59参照)の値が「0」であるか否かを判断する(S73)。この判断処理では、持越格納領域の「F_BB」、「F_RB」及び「F_BB中RB」に対応するビット0〜2のいずれかが「1」にセットされたか否かが判断される。
ステップS73において、持越役格納領域の値が「0」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、内部抽籤処理を終了する。一方、持越役格納領域の値が「0」であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、内部当籤役格納領域に格納した内部当籤役のなかで持越役として規定された内部当籤役(例えば、BB赤青共通、RB赤青共通及びBB中RB)を持越役格納領域(図59参照)に格納する(S74)。このステップS73の処理では、例えば内部当籤役として「BB中RB」が取得されたときに、持越役格納領域の「BB中RB」に対応するビット2が「1」にセットされる。
続いて、メインCPU31は、持越役格納領域(図59参照)の値が「0」であるか否かを判断する(S75)。この判断処理では、持越格納領域の「BB赤青共通」、「RB赤青共通」及び「BB中RB」に対応するビット0〜2のいずれかが「1」にセットされたか否かが判断される。
ステップS75において、持越役格納領域の値が「0」であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、内部抽籤処理を終了する。一方、持越役格納領域の値が「0」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、遊技状態フラグ移行処理を実行し(S76)、内部抽籤処理を終了する。
<遊技状態フラグ移行処理>
図68は、図67に示した内部抽籤処理のステップS76において実行される遊技状態フラグ移行処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、持越役格納領域(図59参照)にBB中RBが格納されているか否かを判断する(S90)。この処理では、持越格納領域の「F_BB中RB」に対応するビット2が「1」にセットされているか否かが判断される。
ステップS90において、持越役格納領域にBB中RBが格納されていると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、遊技状態としてRT2遊技状態をセットする(S91)。この処理では、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域(図60参照)の「RT2遊技状態」に対応するビット5を「1」にセットする。ステップS91の処理を実行した後、メインCPU31は、遊技状態フラグ移行処理を終了する。
一方、ステップS90において、持越役格納領域にBB中RBが格納されていないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、持越役格納領域にBB又はRBが格納されているか否かを判断する(S92)。この処理では、持越格納領域の「F_BB」又は「F_RB」に対応するビット0又はビット1が「1」にセットされているか否かが判断される。
ステップS92において、持越役格納領域にBB又はRBが格納されていると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、遊技状態としてRT0遊技状態をセットする(S93)。この処理では、メインCPU31は、遊技状態フラグ格納領域(図60参照)の「RT0遊技状態」に対応するビット7を「1」にセットする。ステップS93の処理を実行した後、又はステップS92において、持越役格納領域にBB又はRBが格納されていないと判断した場合、メインCPU31は、遊技状態フラグ移行処理を終了する。
<リール停止初期設定処理>
図69は、図64に示したメイン制御処理のステップS15において実行されるリール停止初期設定処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、内部当籤役等に基づいて回胴停止用番号を取得する(S100)。回胴停止初期設定テーブルとは、投入枚数及び内部当籤役に対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報が規定されているテーブルである。
次に、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S101)。この処理では、メインCPU31は、例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リール3L、3C、3Rが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(又は押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
停止テーブルには、押下位置に対する滑り駒数の情報が直接的又は間接的に格納されており、これらの情報を使用して、遊技者に不利益を与えず、かつ、誤入賞を発生させない限度において、開発者の意図する停止位置で停止させるように構成されている。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図58参照)に回転中の識別子を格納する(S102)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S103)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<引込優先順位格納処理>
図70は、図64に示したメイン制御処理のステップS21及び図73に示すリール停止制御処理のステップS165において実行される引込優先順位格納処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタの値を検索回数としてメインRAM33に格納する(S110)。次に、メインCPU31は、検索対象のリールを決定する検索対象リール決定処理を実行する(S111)。この処理では、回転中のリールのうち、例えば、より左側の1つのリールが検索対象のリールとして決定される。
次に、メインCPU31は、図71に示す引込優先順位テーブル選択処理を実行する(S112)。この引込優先順位テーブル選択処理は、引込優先順位テーブル(図31参照)のなかから1つの引込優先順位テーブル番号を選択する。
次に、メインCPU31は、メインRAM33にそれぞれ格納されている図柄チェック回数に21(各リールの図柄の数)をセットし、検索図柄位置に0をセットする(S113)。
次に、メインCPU31は、図72に示す図柄コード格納処理を実行する(S114)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、取得した図柄コードと、図柄コード格納領域(図58参照)とに基づいて、表示役格納領域を更新する(S115)。次に、メインCPU31は、引込優先順位データ取得処理を実行する(S116)。
この引込優先順位データ取得処理は、表示役格納領域で該当するビットが1となっていて、内部当籤役格納領域で該当するビットが1となっている役について、ステップS112で選択された引込優先順位テーブルを参照して、引込優先順位データを取得する。
なお、引込優先順位データ取得処理は、停止させた場合に誤入賞となる図柄位置については、「停止禁止」(000H)をセットし、内部当籤していないが、停止させても誤入賞とならない図柄位置については、「停止可能」(001H)をセットする。
次に、メインCPU31は、取得した引込優先順位データを検索対象リールに応じた引込優先順位データ格納領域に格納する(S117)。次に、メインCPU31は、図柄チェック回数から1を減算し、検索図柄位置に1を加算する(S118)。
次に、メインCPU31は、図柄チェック回数が0であるか否かを判断する(S119)。ここで、図柄チェック回数が0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS114の処理を実行する。
一方、図柄チェック回数が0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、検索回数分の検索を実行したか否かを判断する(S120)。ここで、検索回数分の検索を実行したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を終了する。一方、検索回数分の検索を実行していないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS111の処理を実行する。
<引込優先順位テーブル選択処理>
図71は、図70に示した引込優先順位格納処理のステップS112において実行される引込優先順位テーブル選択処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、引込優先順位テーブル選択データがセットされているか否かを判断する(S130)。ここで、引込優先順位テーブル選択データがセットされていると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、押下順序格納領域(図62参照)、作動ストップボタン格納領域(図61参照)を参照し、引込優先順位テーブル選択テーブル(図32参照)から引込優先順位テーブル選択データに対応する引込優先順位テーブル番号をセットし(S131)、引込優先順位テーブル番号に応じた引込優先順位テーブルをセットし(S132)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
一方、引込優先順位テーブル選択データがセットされていないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号に応じた引込優先順位テーブルをセットし(S132)、引込優先順位テーブル選択処理を終了する。
<図柄コード格納処理>
図72は、図70に示した引込優先順位格納処理のステップS114において実行される図柄コード格納処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、有効ラインデータをセットする(S140)。次に、メインCPU31は、検索図柄位置と有効ラインデータとに基づいて、検索対象リールのチェック用図柄位置データをセットする(S141)。
次に、メインCPU31は、チェック用図柄位置データの図柄コードを取得し(S142)、図柄コード格納処理を終了する。
<リール停止制御処理>
図73は、図64に示したメイン制御処理のステップS22において実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判断する(S150)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判断した場合には(NO)、ステップS150の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判断した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図62参照)と、作動ストップボタン格納領域(図61参照)とを更新する(S151)。
ここで、メインCPU31は、第1停止操作、第2停止操作及び第3停止操作のそれぞれに対応する作動ストップボタンの種別を、押下順序納領域(図62参照)に格納し、押下順序納領域を参照することで、ストップボタン7L、7C、7Rの押し順を判断することができる。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S152)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S153)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S154)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、図74に示す滑り駒数決定処理を実行する(S155)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブル(図30参照)から内部当籤役に基づいて選択される停止テーブル選択データ群に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド送信処理を実行する(S156)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)等を表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S157)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S158)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理(図58参照)を実行する(S159)。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S160)。次に、メインCPU31は、図79に示す制御変更処理を行う(S161)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リール停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判断する(S162)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判断する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判断した場合には(NO)、ステップS162の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判断した場合には(YES)、リール停止コマンド送信処理を実行する(S163)。
このリール停止コマンド送信処理で生成されるリール停止コマンドには、ストップスイッチ7SのONエッジ/OFFエッジの情報が含まれる。なお、当該ONエッジ/OFFエッジの情報は、割込処理にて監視して副制御基板72に送信するようにしてもよい。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(S164)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理(図70参照)を実行し(S165)、ステップS150の処理を実行する。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<滑り駒数決定処理>
図74は、図73に示したリール停止制御処理のステップS155において実行される滑り駒数決定処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、図56に示すラインマスクデータテーブルに基づいて、作動ストップボタンに対応するラインマスクデータを選択する処理を行う(S170)。ここで、ラインマスクデータテーブルは、ストップボタンの種別に対応してラインマスクデータを規定している。例えば、遊技者によって操作されたストップボタンが左ストップボタン7Lである場合には、ラインマスクデータ「10000000」が選択される。
次に、メインCPU31は、第1停止時(ストップボタン未作動カウンタの値が2)であるか否かを判断する(S171)。
第1停止時でない場合には(NO)、メインCPU31は、図75に示す第2・第3停止処理を実行する(S172)。一方、第1停止時である場合には(YES)、メインCPU31は、操作されたストップボタンが左ストップボタンであるか否かを判断する(S173)。
操作されたストップボタンが左ストップボタンである場合には(YES)、メインCPU31は、第一回胴停止データテーブル及び図柄カウンタを取得する(S174)。次に、メインCPU31は、対応する第一回胴停止データテーブルを参照し、図柄カウンタに基づいて、滑り駒数決定データ及びチェンジステータスを取得する(S175)。
一方、ステップS173において、操作されたストップボタンが左ストップボタンでないと判断した場合には、メインCPU31は、テーブル番号選択データを取得し、対応するストップ用テーブル番号をセットする(S176)。
次に、メインCPU31は、図76に示すライン変更チェック処理を実行する(S177)。その後、メインCPU31は、図77に示すラインマスクデータ変更処理を実行する(S178)。
次に、メインCPU31は、セットされたストップ用テーブル番号を参照し、ラインマスクデータに基づいて、滑り駒数決定データを取得する(S179)。
次に、ステップS179の処理を行った後、又はステップS172あるいはステップS175の処理を行った後、メインCPU31は、図78に示す優先引込制御処理を実行して(S180)、滑り駒数決定処理を終了する。
<第2・第3停止処理>
図75は、図74に示した滑り駒数決定処理のステップS172において実行される第2・第3停止処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、図76に示すライン変更チェック処理を実行する(S192)。ライン変更チェック処理は、ラインステータスを変更ステータス及び変更ビットに応じて変更するか処理である。次に、メインCPU31は、図77に示すラインマスクデータ変更処理を実行する(S193)。
その後、メインCPU31は、滑り駒数検索処理を実行し(S194)、第2・第3停止処理を終了する。具体的には、メインCPU31は、選択されている第一回胴第一停止後停止データテーブル又はストップ用テーブルを参照して、滑り駒数決定データを決定する。
<ライン変更チェック処理>
図76は、図75に示した第2・第3停止処理のステップS192において実行されるライン変更チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、変更ステータスが「3」であるか否かを判断する(S200)。ここで、変更ステータスが「3」であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ラインステータスをCラインに変更し(S201)、ライン変更チェック処理を終了する。
一方、変更ステータスが「3」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、変更ステータスが「2」であるか否かを判断する(S202)。ここで、変更ステータスが「2」であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ラインステータスがAラインであるか否かを判断する(S203)。
ここで、ラインステータスがAラインであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ラインステータスをBラインに変更し(S204)、ライン変更チェック処理を終了する。
ステップS202において、変更ステータスが「2」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、該当リールに対するライン変更ビットが「1」であるか否かを判断する(S205)。
ここで、ライン変更ビットが「1」であると判断した場合には(YES)、インCPU31は、ライン変更チェック処理をステップS203に移す。一方、ライン変更ビットが「1」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ライン変更チェック処理を終了する。
<ラインマスクデータ変更処理>
図77は、図75に示した第2・第3停止処理のステップS193において実行されるラインマスクデータ変更処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、ラインステータスがCラインであるか否かを判断する(S210)。ラインステータスがCラインであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであるか否か、すなわち、第1停止操作時に左ストップボタン7Lが選択され、かつ、第2停止操作時に中ストップボタン7Cが選択されたか否かを判断する(S211)。
第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタン7Cであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ラインマスクデータを右に2回ローテートして(S213)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
例えば、ラインマスクデータ「00000010」を右に2回ローテートすると、「10000000」に変更となる。この変更したラインマスクデータ「10000000」を用いることで、第一回胴第一停止後停止データテーブルのbit7の列を参照できる。
一方、ステップS211において、第2停止時の作動ストップボタンが中ストップボタン7Cでないと判定した場合には(NO)、メインCPU31は、ラインマスクデータを左に2回ローテートして(S213)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
ステップS210において、ラインステータスがCラインでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ラインステータスがBラインであるか否かを判断する(S214)。
ラインステータスがBラインであると判断した場合には、メインCPU31は、ラインマスクデータを右にローテートし(S215)、ラインマスクデータ変更処理を終了する。一方、ラインステータスがBラインでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ラインマスクデータ変更処理を終了する。
<優先引込制御処理>
図78は、図74に示した滑り駒数決定処理のステップS180において実行される優先引込制御処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、滑り駒数決定データに応じた検索順序テーブルをセットする(S220)。次に、メインCPU31は、検索順序カウンタ及びチェック回数に初期値をセットする(S221)。具体的には、メインCPU31は、検索順序カウンタには、「1」をセットし、チェック回数には、検索順序テーブルのデータ長を値としてセットする。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定データに基づいて検索順序テーブルのアドレスを加算して(S222)、検索順序カウンタの値に対応する滑り駒数を取得する(S223)。その後、メインCPU31は、停止開始時予想アドレスに取得した滑り駒数を加算し、引込優先順位データを取得する(S224)。
続いて、メインCPU31は、先に取得された引込優先順位データを超えるか否かを判断する(S225)。先に取得された引込優先順位データを超える場合には(YES)、メインCPU31は、滑り駒数を退避する(S226)。
一方、先に取得された引込優先順位データを超えない場合(NO)、又はステップS226の処理を行った後、メインCPU31は、チェック回数を「1」減算し、検索順序カウンタを1加算する(S227)。
次に、メインCPU31は、チェック回数が「0」であるか否かを判断する(S228)。チェック回数が「0」である場合には(YES)、メインCPU31は、退避された滑り駒数を復帰させて(S229)、優先引込制御処理を終了する。一方、チェック回数が「0」でない場合には(NO)、メインCPU31は、ステップS223の処理を実行する。
<制御変更処理>
図79は、図73に示したリール停止制御処理のステップS161において実行される制御変更処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、順押しであるか否かを判断する(S243)。順押しであると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、第一回胴停止データテーブルに応じた第一回胴第一停止後初期データを取得し、検索回数をセットする(S245)。一方、順押しでないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、制御変更処理を終了する。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を取得して(S246)、変更対象ポジションを更新する(S247)。次に、メインCPU31は、更新した変更対象ポジションと停止予定位置とが一致するか否かを判断する(S248)。
更新した変更対象ポジションと停止予定位置とが一致すると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、第一回胴第一停止後変更データテーブルの図柄位置に応じた、変更後の第一回胴第一停止後停止データテーブル番号をセットして(S249)、制御変更処理を終了する。
一方、更新した変更対象ポジションと停止予定位置とが一致しないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、第一回胴第一停止後初期データの変更ステータスとテーブル番号をセットして(S250)、制御変更処理を終了する。
<RT移行処理>
図80は、図64に示したメイン制御処理のステップS24において実行されるRT移行処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、内部当籤役がチェリー役か否かを判断する(S270)。ここで、チェリー役とは、「F_チェリー」であって、「C_チェ1」〜「C_チェ35」のいずれかが入賞可能な役である。
内部当籤役がチェリー役でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、RT移行処理を終了する。一方、内部当籤役がチェリー役であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、チェリー役が入賞したか否かを判断する(S271)。具体的には、メインCPU31は、上述の「C_チェ1」〜「C_チェ35」のいずれかが入賞したか否か、すなわち「チェリーこぼし」が生じたか否かを判断する。
チェリー役が入賞したと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、遊技状態としてRT0遊技状態をセットして(S272)、RT移行処理を終了する。例えば、RT1遊技状態やRT2遊技状態においてチェリー役が入賞すると、リプレイ低確率のRT0遊技状態に移行する。
一方、チェリー役が入賞していないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、「チェリーこぼし」が生じたものと判断して、遊技状態としてRT1遊技状態をセットして(S273)、RT移行処理を終了する。例えば、RT0遊技状態やRT2遊技状態において「チェリーこぼし」が生じると、リプレイ中確率のRT1遊技状態に移行する。これにより、チェリー役の取りこぼしがなければ得られたであろう利益が、リプレイ役を中確率とすることで補填される。
<ボーナス終了チェック処理>
図81は、図64に示したメイン制御処理のステップS27において実行されるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、主遊技状態がBB作動状態であるか、すなわち図60に示す遊技状態フラグ格納領域に格納されたBB作動状態フラグがオンであるか否か判断する(S280)。主遊技状態がBB作動状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する。
一方、主遊技状態がBB作動状態であると判断した場合には(YES)、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S281)。次に、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さいか否かを判断する(S282)。
ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さくない、すなわち大きい場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する。一方、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」より小さい場合には(YES)、メインCPU31は、BB作動状態フラグをオフにするBB終了処理を実行する(S283)。
次に、メインCPU31は、RT遊技状態がRT非作動状態であるか否かを判断する(S284)。すなわち、メインCPU31は、BB終了処理が実行されたときにBB中RBが作動中であったか否かを判断する。
RT遊技状態がRT非作動状態でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナス終了チェック処理を終了する。一方、RT遊技状態がRT非作動状態であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、RT遊技状態としてRT0遊技状態をセットする(S285)。
次に、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドデータを副制御基板72に送信するボーナス終了時コマンド送信処理を実行して(S286)、ボーナス終了チェック処理を終了する。
<ボーナス作動チェック処理>
図82は、図64に示したメイン制御処理のステップS28において実行されるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、RB(BB中RB)入賞時か否か、すなわち「C_赤RB(C_青RB)」のコンビネーション、又は「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示されたか否かを判断する(S290)。
RB(BB中RB)入賞時であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、表示されたRB(BB中RB)に対応するRB遊技回数(本実施の形態においては、6回)及びRB入賞回数(本実施の形態においては、6回)をセットし、RB作動状態フラグ(BB中RB作動状態フラグ)をオンにする(S291)。具体的には、メインCPU31は、図60に示した遊技状態フラグ格納領域におけるビット1(BB中RB作動状態ではビット2)を「1」にセットする。
次に、メインCPU31は、RT遊技状態をリセットする(S292)。具体的には、メインCPU31は、図60に示した遊技状態フラグ格納領域におけるビット5〜6を全て「0」にセットする。これにより、主遊技状態がRB作動状態(BB中RB作動状態)にある間は、RT遊技状態がRT非作動状態となる。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアする(S293)。その後、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するボーナス開始コマンドデータを生成し、生成したボーナス開始コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するボーナス開始コマンド送信処理を実行して(S294)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
一方、ステップS290においてRB(BB中RB)入賞時でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、BB入賞時か否か、すなわち「C_赤BB」のコンビネーション、あるいは「C_青BB」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示されたか否かを判断する(S295)。
BB入賞時であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタにボーナス終了枚数である規定枚数「360」をセットし、BB作動状態フラグをオンにする(S296)。具体的には、メインCPU31は、図60に示した遊技状態フラグ格納領域におけるビット0を「1」にセットする。
次に、メインCPU31は、持越役格納領域の値をクリアする(S297)。その後、メインCPU31は、ボーナス開始コマンド送信処理を実行して(S298)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
一方、ステップS290においてBB入賞時でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、主遊技状態がRB作動状態(BB中RB作動状態)であるか否かを判断する(S299)。すなわち、メインCPU31は、RB作動状態フラグ(BB中RB作動状態フラグ)がオンであるか否かを判断する。具体的には、メインCPU31は、図60に示した遊技状態フラグ格納領域におけるビット1(BB中RB作動状態ではビット2)が「1」にセットされているか否かを判断する。
主遊技状態がRB作動状態(BB中RB作動状態)であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、図83に示すRB中処理を実行して(S300)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
一方、主遊技状態がRB作動状態(BB中RB作動状態)でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、リプレイが表示されたか否かを判断する(S301)。具体的には、メインCPU31は、「C_リプ」と呼ばれる「オレンジ−オレンジ−オレンジ」のコンビネーションが有効ラインに沿って表示されたか否かを判断する。
リプレイが表示されなかったと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、ボーナス作動チェック処理を終了する。一方、リプレイが表示されたと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行い(S302)、ボーナス作動チェック処理を終了する。
<RB中処理>
図83は、図63に示したボーナス作動チェック処理のステップS300において実行されるRB中処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、メダル検出部40Sの検出結果に基づき、メダルの払出があったか否かを判断する(S310)。メダルの払出がないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、RB中処理を終了する。
一方、メダルの払出があると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、RB入賞回数を「−1」する、すなわちRB入賞回数を「1」減算する(S311)。次に、メインCPU31は、RB入賞回数が「0」であるか否かを判断する(S312)。
RB入賞回数が「0」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、RB遊技回数を「−1」する、すなわちRB遊技回数を「1」減算する(S313)。次に、メインCPU31は、RB遊技回数が「0」であるか否かを判断する(S314)。RB遊技回数が「0」でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、RB中処理を終了する。
ステップS312においてRB入賞回数が「0」であると判断した場合(YES)、又はステップS314においてRB遊技回数が「0」であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、RB作動状態フラグ(BB中RB作動状態フラグ)をオフにして(S315)、すなわち図60に示した遊技状態フラグ格納領域におけるビット1(BB中RB作動状態ではビット2)を「0」にセットする。次に、メインCPU31は、ボーナス終了時コマンドデータを副制御基板72に送信するボーナス終了時コマンド送信処理を実行して(S316)、RB中処理を終了する。
<メインCPUの制御による割込処理>
図84は、メインCPU31の制御による割込処理を示すフローチャートである。この処理は、1.1172ミリ秒ごとに実行される。
まず、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(S320)。次に、メインCPU31は、図85に示す入力ポートチェック処理を実行する(S321)。この処理では、メインCPU31は、副制御基板72に送信される信号の有無を確認する。
例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを含む各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報等を表す入力状態コマンドデータをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
次に、メインCPU31は、タイマ更新処理を実行する(S322)。続いて、メインCPU31は、演出用タイマ更新処理を実行する(S323)。次に、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を制御するリール制御処理を実行する(S324)。
より詳細には、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、メインCPU31は、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
次に、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を実行する(S325)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。次に、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(S326)、定期的に発生する割込処理を終了する。
<入力ポートチェック処理>
図85は、メインCPU31の制御による割込処理のステップS321において実行される入力ポートチェック処理を示すフローチャートである。
まず、メインCPU31は、各入力ポートの状態をチェックする(S330)。次に、メインCPU31は、前回の割り込み、すなわち、1割り込み前の入力ポートの状態をメインRAM33に格納し(S331)、現在の入力ポートの状態をメインRAM33に格納する(S332)。
このように、1割り込み前の入力ポートの状態と、現在の入力ポートの状態とを比較することができるようにすることにより、メインCPU31は、双方の入力ポートの状態を確認することができるようになり、入力ポートの状態に変化があったか、例えば、MAXベットボタン11や1ベットボタン12が押されたか否か等をチェックしている。
次に、メインCPU31は、オンエッジの状態をメインRAM33に格納する(S333)。本実施の形態において、オンエッジは、ボタンが押されたままの状態のことをいい、オフエッジは、ボタンが放された状態のことをいう。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信する入力状態コマンドデータを生成し、生成した入力状態コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納する入力状態コマンド送信処理を実行して(S334)、入力ポートチェック処理を終了する。
[副制御処理]
副制御基板72のサブCPU81は、図86〜図92に示すフローチャートにしたがって各種処理を実行する。
<電源投入処理>
図86は、電源投入時におけるサブCPU81の電源投入処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、初期化処理を実行する(S350)。この処理では、サブCPU81は、サブRAM83等のエラーチェック、タスクシステムの初期化を行う。タスクシステムは、タイマ割込同期のタスクグループであるランプ制御タスク、及びサウンド制御タスクを含む。
次に、サブCPU81は、図87に示すランプ制御タスクを起動する(S351)。ランプ制御タスクは、サブCPU81が、サブCPU81に対して2ミリ秒ごとに送信されるタイマ割込イベントメッセージを受け取るのを待ち、このタイマ割込イベントメッセージを受け取ったことに応じて、各種ランプの点灯状態を制御する処理を実行する処理である。
次に、サブCPU81は、図88に示すサウンド制御タスクを起動する(S352)。サウンド制御タスクでは、スピーカ9L、9Rからの出音状態がサブCPU81によって制御される。次に、サブCPU81は、マザータスクを起動し(S353)、電源投入処理を終了する。
<ランプ制御タスク>
図87は、図86に示した電源投入処理のステップS351において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、タイマ割込初期化処理を実行する(S360)。次に、サブCPU81は、ランプ関連データの初期化処理を実行する(S361)。
次に、サブCPU81は、タイマ割込待ちを実行する(S362)。この処理では、サブCPU81が2ミリ秒ごとにタイマ割込イベントメッセージを受け取るまでの間、サブCPU81は、タイマ割込同期とは異なるタスクグループを実行する。
タイマ割込同期とは異なるタスクグループとして、例えば、コマンド受信割込同期のタスクグループである主基板通信タスクが挙げられる。また、電源割込同期のタスクグループ(図示せず)や、ドア監視ユニット通信同期のタスクグループ(図示せず)等が挙げられる。
次に、サブCPU81は、図88に示すサウンド制御タスクを実行する(S363)。この処理では、ランプ制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスクを実行する。
本実施の形態において、タイマ割込同期のタスクグループの優先順位は、基本的に、ランプ制御タスク、サウンド制御タスクの順としている。したがって、ステップS363では、ランプ制御タスクの次の優先順位にあるサウンド制御タスクを実行する。なお、ステップS363では、図88に示したサウンド制御タスクのうち、ステップS372及びS373の処理が実行される。
次に、サブCPU81は、ランプデータ解析処理を実行し(S364)、ランプ演出実行処理を実行し(S365)、ステップS362の処理を実行する。
<サウンド制御タスク>
図88は、図86に示した電源投入処理のステップS352において起動されるランプ制御タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、スピーカ9L、9Rからの出音状態に関連するサウンド関連データの初期化処理を実行する(S370)。次に、サブCPU81は、サウンド制御タスクと同一グループであるタイマ割込同期のタスクグループの次の優先順位にあるタスク、すなわち、ランプ制御タスクを実行する(S371)。
次に、サブCPU81は、サウンドデータの解析処理を実行し(S372)、サウンド演出実行処理を行い(S373)、ステップS371の処理を実行する。
<主基板通信タスク>
図89は、図86に示したステップS353で起動されたマザータスクにおいて起動される主基板通信タスクを示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、通信メッセージキューの初期化を実行し(S380)、受信コマンドのチェックを実行する(S381)。
次に、サブCPU81は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判断する(S382)。ここで、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ステップS381の処理を実行する。
一方、前回とは異なるコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、受信したコマンドが正規のコマンドであると判断して、受信したコマンドから遊技情報を作成し、作成した遊技情報をサブRAM83に格納する(S383)。次に、サブCPU81は、図90に示すコマンド解析処理を実行し(S384)、ステップS381の処理を実行する。
<コマンド解析処理>
図90は、図89に示した主基板通信タスクのステップS384において実行されるコマンド解析処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、図91に示す演出内容決定処理を実行し(S390)、ランプデータ決定処理を実行し(S391)、サウンドデータ決定処理を実行し(S392)、決定された各データを登録し(S393)、コマンド解析処理を終了する。
<演出内容決定処理>
図91は、図90に示したコマンド解析処理のステップS390において実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、初期化コマンドを受信したか否かを判断する(S400)。ここで、初期化コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、初期化コマンド受信時処理を実行し(S401)、演出内容決定処理を終了する。初期化コマンド受信時処理では、例えば、初期化コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、初期化コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、メダル投入コマンドを受信したか否かを判断する(S402)。ここで、メダル投入コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、メダル投入コマンド受信時処理を実行し(S403)、演出内容決定処理を終了する。メダル投入コマンド受信時処理では、例えば、メダル投入コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、メダル投入コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、スタートコマンドを受信したか否かを判断する(S404)。ここで、スタートコマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、スタートコマンド受信時処理を実行し(S405)、演出内容決定処理を終了する。スタートコマンド受信時処理では、例えば、スタートコマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、スタートコマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール回転開始コマンドを受信したか否かを判断する(S406)。ここで、リール回転開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、リール回転開始コマンド受信時処理を実行し(S407)、演出内容決定処理を終了する。リール回転開始コマンド受信時処理では、例えば、リール回転開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール回転開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール停止コマンドを受信したか否かを判断する(S408)。ここで、リール停止コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図92に示すリール停止コマンド受信時処理を実行し(S409)、演出内容決定処理を終了する。リール停止コマンド受信時処理では、例えば、リール停止コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、リール停止コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、入賞作動コマンドを受信したか否かを判断する(S410)。ここで、入賞作動コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、入賞作動コマンド受信時処理を実行し(S411)、演出内容決定処理を終了する。入賞作動コマンド受信時処理では、例えば、入賞作動コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、入賞作動コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンドを受信したか否かを判断する(S412)。ここで、ボーナス開始コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、ボーナス開始コマンド受信時処理を実行し(S413)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス開始コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス開始コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス開始コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンドを受信したか否かを判断する(S414)。ここで、ボーナス終了コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、ボーナス終了コマンド受信時処理を実行し(S415)、演出内容決定処理を終了する。ボーナス終了コマンド受信時処理では、例えば、ボーナス終了コマンドとして送信された情報に基づいた演出データがセットされる。
一方、ボーナス終了コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、入力状態コマンドを受信したか否かを判断する(S416)。ここで、入力状態コマンドを受信したと判断した場合には(YES)、サブCPU81は、入力状態コマンド受信時処理を実行し(S417)、演出内容決定処理を終了する。
入力状態コマンド受信時処理では、例えば、メインCPU31は、入力状態コマンドとして、各操作部がオンエッジ状態であるか、オフエッジ状態であるかを送信する。一方、S416において、入力状態コマンドを受信しなかったと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、演出内容決定処理を終了する。
<リール停止コマンド受信時処理>
図92は、図91に示した演出内容決定処理のステップS409において実行されるリール停止コマンド受信時処理を示すフローチャートである。
まず、サブCPU81は、遊技状態がRB作動状態であるか否かを判断する(S420)。具体的には、サブCPU81は、図91に示したステップS404で受信したスタートコマンドに含まれる遊技状態フラグの種別に基づき、遊技状態がRB作動状態であるか否かを判断する。なお、ここでいうRB作動状態は、BB中RB作動状態を含まない。
遊技状態がRB作動状態でないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、リール停止コマンド受信時処理を終了する。一方、遊技状態がRB作動状態であると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、停止操作位置(停止開始位置)のパルスを取得する(S421)。ここで、1図柄分のパルス数は、「16」であり、パルスカウンタによって計数されている。したがって、サブCPU81は、メインCPU31から送信されたパルスカウンタの値に基づき、停止操作位置(停止開始位置)のパルスの値を取得する。
次に、サブCPU81は、取得したパルスの値が特定の範囲内か否かを判断する(S422)。ここで、特定の範囲は、例えば図93に示すように、右リール3Rの図柄Bをセンターライン上にビタ押しする場合には、図柄Aの8パルス目から図柄Bの9パルス目までの範囲(16パルス分)である。
取得したパルスの値が特定の範囲内でないと判断した場合には(NO)、サブCPU81は、図柄Bがセンターライン上にビタ押しされなかったものと判断して、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
一方、取得したパルスの値が特定の範囲内であると判断した場合には(YES)、サブCPU81は、図柄Bがセンターライン上にビタ押しされたものと判断して、パルス数に基づいた報知を行って(S423)、リール停止コマンド受信時処理を終了する。
具体的には、図93に示す特定の範囲は、さらに細かく5分割されており、分割された各区分は3パルス分及び4パルス分である。ここで、特定の範囲の16パルス分のうち、図柄Aの2パルス目から図柄Bの15パルス目までの4パルス分が、図柄Bをビタ押しする上でもっとも余裕のある範囲となる。つまり、停止タイミングが早すぎず遅すぎない適度なタイミングである。本実施の形態では、このタイミングが、遊技者によるビタ押しが最も正確に行われたと判断できるタイミングである。
これに対して、特定の範囲の16パルス分のうち、図柄Aの8パルス目に向かうにしたがい、早いタイミングでビタ押しされていることとなる。一方、特定の範囲の16パルス分のうち、図柄Bの9パルス目に向かうにしたがい、遅いタイミングでビタ押しされていることとなる。
ステップS423では、上述した特定の範囲のうち、ビタ押しのタイミングが早いか遅いかをビタメータ112(図4参照)で報知する。ビタメータ112の報知態様としては、図94に示すように、5分割された点灯領域のうち、ステップS421で取得した停止操作位置(停止開始位置)のパルスの値に応じた点灯領域が点灯される。例えば、取得した停止操作位置(停止開始位置)のパルスの値が、特定の範囲の16パルス分のうち、もっとも余裕のある図柄Aの2パルス目から図柄Bの15パルス目までの4パルス分に含まれる場合には、ビタメータ112の中央の点灯領域が点灯される。
<JACINはずし>
本実施の形態では、BB一般遊技状態においてBB中RBに内部当籤すると、RT遊技状態がRT0遊技状態からRT2遊技状態に移行する。このとき、内部当籤したBB中RBの作動役となる「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」のいずれかが入賞すると、すなわち、JACIN役(移行役)に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されると、BB中RB作動状態に移行するとともにRT遊技状態が非作動状態となる。
その後、BB中RB作動状態が終了すると、RT遊技状態がRT0遊技状態に移行される。したがって、BBが終了した時点でRT2遊技状態に維持することができれば、その後の一般遊技状態におけるRT遊技状態をRT2遊技状態とすることができる。
ここで、例えばBB作動状態において4回のBB中RB作動状態が行われてメダルの払出枚数が360枚となった次のゲーム(次遊技)、すなわち4回目のBB中RB作動状態が終了した次のゲーム(このゲームはRT0遊技状態で、かつBB作動状態は終了していない)で、「F_BB中RB」の当籤確率が相対的に高く、かつ「F_ベルA」又は「F_ベルB」等の小役の当籤確率が相対的に低い1枚掛けで遊技を行うことによりBB中RBに内部当籤させることができれば、RT遊技状態をRT2遊技状態に移行させることができる。
このとき、BB中RBの作動役が入賞してしまうと、RT2遊技状態に維持できないため、このゲームにおいて内部当籤したBB中RBの作動役を入賞させないようにすれば、RT遊技状態をRT2遊技状態に維持できることとなる。
そこで、本実施の形態では、BB中RBに内部当籤した1枚掛けのゲームにおいて、予め定められた第1の手順(所定の手順)で各リール3L、3C、3Rを停止させることで、JACIN役(移行役)に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止しないように、左リール3Lに複数の図柄が配列されている。
具体的には、「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」を構成する左リール3Lの図柄は、「赤7」、「青7(図柄位置9)」、「青7(図柄位置15)」及び「BAR」である(図10参照)。
これら「赤7」、「青7(図柄位置9)」、「青7(図柄位置15)」及び「BAR」の図柄のうち、少なくとも1つが、最大滑り駒数の4駒滑りを伴っても有効ライン上に引き込まれないような配置、つまり「赤7」、「青7(図柄位置9)」、「青7(図柄位置15)」及び「BAR」の少なくともいずれか2つの間が5駒以上、離れた配置となっている。
本実施の形態では、図8に示すように、「赤7」と「青7(図柄位置9)」との間、「青7(図柄位置9)」と「青7(図柄位置15)」との間、「青7(図柄位置15)」と「BAR」との間が5駒以上、離れた配置となっている。
したがって、遊技者は、上述したようなBB中RBに内部当籤した1枚掛けのゲームにおいて、まず右リール3R、中リール3Cの順にリールを停止させる。なお、中リール3C、右リール3Rの順であってもよい。
この手順により、右リール3Rの有効ライン上には、「C_BB中RB1」〜「C_BB中RB18」を構成する「チェリー1」、「チェリー2」又は「青7」が停止し、中リール3Cの有効ライン上には、「チェリー1」又は「チェリー2」が停止する。
次いで、遊技者は、左リール3Lの中段(有効ラインであるセンターライン8c)に「赤7」、「青7(図柄位置9)」、「青7(図柄位置15)」及び「BAR」のいずれも停止しないように、「赤7」、「青7(図柄位置9)」及び「青7(図柄位置15)」のいずれかを下段(ボトムライン8d)にビタ押しする。
これにより、左リール3Lの有効ラインには、「ボム1(図柄位置4)」、「スイカ2(図柄位置10)」及び「ボム1(図柄位置16)」のいずれかが停止し、JACIN役(移行役)を意図的にはずすことができる。この結果、当該ゲームにおいて、BB中RBに内部当籤しているにも関わらず、BB中RBの作動役が入賞しないため、RT2遊技状態が維持される。
その後、遊技者は、次のゲームにおいて、「F_BB中RB」の当籤確率が相対的に低く、かつ「F_ベルA」又は「F_ベルB」等の小役の当籤確率が相対的に高い3枚掛けで小役に内部当籤させることができれば、当該小役を入賞させることによりメダルの払出を受けることができる。これにより、メダルの払出枚数が360枚を超えることとなり、RT2遊技状態を維持したままBB作動状態を終了させることができる。
<BB中RB中のJACはずし>
また、4回目のBB中RB作動状態が終了した次のゲームで、上述したJACINはずしに失敗して、又は誤って内部当籤したBB中RBの作動役に入賞させてしまうと、RT2遊技状態が維持できないまま、BB作動状態を終了させることとなってしまう。このため、BB作動状態の終了後の一般遊技状態がリプレイ低確率のRT0遊技状態となってしまう。
そこで、本実施の形態では、BB中RBの作動役に入賞させてしまった場合には、予め定められた第2の手順で各リール3L、3C、3Rを停止させることで、BB中RB中のJAC役、特にBB中RB中に略内部当籤する「F_RB中BOM1」(図21参照)を入賞させないようにする、すなわち意図的にはずすことができるようになっている。
具体的には、JAC役(増加役)に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止しないよう、各リール3L、3C、3Rに複数の図柄が配列されている。ここで、JAC役(増加役)としての「F_RB中BOM1」には、入賞可能な図柄の組合せとして、「C_スイカ1」〜「C_スイカ4」、「C_爆弾B1」〜「C_爆弾B4」及び「C_チェ1」〜「C_チェ35」がある。
本実施の形態では、BB中RB中のJACはずしとして「C_チェ1」を入賞させないようにする例について説明する。ここで、「C_チェ1」を構成する左リール3Lの図柄は「チェリー1」、中リール3Cの図柄は「赤7」、右リール3Rの図柄は「ANY」である(図10参照)。
したがって、本実施の形態では、遊技者は、まず中リール3Cの中段(有効ラインであるセンターライン8c)に「赤7」を停止させる。なお、BB中RB作動状態においては、1枚掛けで遊技が行われるため、有効ラインはセンターライン8cのみである。
次いで、遊技者は、右リール3Rの中段に、「BAR」の図柄を目安に「ボム1(図柄位置15)」が停止するよう、右リール3Rの停止操作を行う。この手順により、右リール3Rの中段に「ボム1(図柄位置15)」が停止すると、中リール3C及び右リール3Rの中段に「C_チェ1」を構成する図柄が停止することとなる。具体的には、上述したリール3L、3C、3Rの停止制御により、中リール3Cには、「赤7」、右リール3Rには、「ボム1(図柄位置15)」が停止する。
ここで、「C_チェ1」を構成する左リール3Lの図柄は、「チェリー1」であり、左リール3Lに2つ存在する。本実施の形態では、これら「チェリー1」が最大滑り駒数の4駒滑りを伴っても有効ライン上に引き込まれないような配置、つまり「チェリー1(図柄位置6)」と「チェリー1(図柄位置18)」との間が5駒以上、離れた配置となっている。
したがって、遊技者は、回転中の左リール3Lの中段に例えば「青7(図柄位置9)」が表示されたときに、左リール3Lの停止操作を行う。これにより、「C_チェ1」を構成する図柄の組合せが表示されなくなり、「C_チェ1」の入賞が意図的に回避される。
以上のように、本実施の形態に係るパチスロ機1は、BB一般遊技状態中に1枚掛けで遊技を行うことによりBB中RB作動状態に移行する確率が相対的に高くなるため、3枚掛けで遊技を行う場合と比較して容易にBB中RB作動状態に移行させることができる。このため、3枚掛けの場合と比較して、BB一般遊技状態において投入されるメダルの枚数を抑えることができる。したがって、特別な技量を必要とせずに1回のBBにおける投入枚数と払出枚数との差枚数、すなわち1回のBBで遊技者が獲得できるメダルの枚数を最大にすることができる。
また、BB一般遊技状態中に1枚掛けで遊技を行うことによりBB中RB作動状態に移行する確率が相対的に高くなるため、払出のある小役を入賞させずにBB中RB作動状態を所定回数(本実施の形態では、4回)行える可能性が高くなる。これにより、所定回数のBB中RB作動状態が終了した時点での払出枚数を、3枚掛けの場合と比較して容易に規定枚数(本実施の形態では、360枚)に調整することができる。
また、BB中RBの作動役であるJACIN役(移行役)が内部当籤役として決定された遊技において第1の手順で各リール3L、3C、3Rが停止されることで、JACIN役(移行役)に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止しないよう複数の図柄が配列されているので、遊技者が意図的にJACIN役(移行役)の入賞を回避することができる。このため、上述のように払出枚数が規定枚数となった次遊技においてJACIN役(移行役)が内部当籤役として決定された場合には、当該JACIN役(移行役)の入賞を回避することでRT遊技状態をRT2遊技状態に維持することができる。よって、遊技者は、RT2遊技状態に維持された状態で3枚掛けで遊技を行うことにより払出のある小役を入賞させてBB(ビッグボーナス)を終了させることが可能となる。これにより、BB(ビッグボーナス)の終了後のRT遊技状態をRT2遊技状態とすることができる。
このように、本実施の形態に係るパチスロ機1は、技量の伴わない遊技者においてもBB(ビッグボーナス)において容易に最大枚数のメダルを獲得できるとともに、技量のある遊技者においてはBB(ビッグボーナス)中の技術介入によってリプレイ高確率なRT2遊技状態という、さらなる利益を得ることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、図17に示す内部抽籤テーブル(第1の抽籤テーブル)が一般遊技状態のハズレ確率をBB中RB作動状態へのJACIN役(移行役)の当籤確率として規定しているので、BB一般遊技状態中に1枚掛けで遊技を行った場合のBB中RB作動状態に移行する確率を図29に示す内部抽籤テーブル(第2の抽籤テーブル)を用いた場合と比較して高くすることができる。
また、図29に示す内部抽籤テーブル(第2の抽籤テーブル)が図17に示す内部抽籤テーブル(第1の抽籤テーブル)よりも払出のある小役の当籤確率が高くなるよう規定されているので、BB中RB作動状態を所定回数(本実施の形態では、4回)行った後にRT2遊技状態に維持した状態で、3枚掛けで遊技を行った際の払出のある小役の当籤確率を、1枚掛けで遊技を行った場合と比較して高くすることができる。これにより、遊技者は、RT2遊技状態に維持した状態でBB(ビッグボーナス)を容易に終了させることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、一般遊技状態とBB一般遊技状態とで停止制御を変更しているので、BB一般遊技状態中にJACIN役(移行役)と他の役とが重複して内部当籤した場合であっても他の役の入賞を回避することができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、JACIN役(移行役)が内部当籤役として決定された遊技において第1の手順で各リール3L、3C、3Rが停止されることで、JACIN役(移行役)に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止しないよう複数の図柄が配列されているので、遊技者が意図的にJACIN役(移行役)の入賞を回避することができる。このため、上述のように払出枚数が規定枚数となった次遊技においてJACIN役(移行役)が内部当籤役として決定された場合には、当該JACIN役(移行役)の入賞を回避することでRT遊技状態をRT2遊技状態に維持することができる。よって、遊技者は、RT2遊技状態に維持された状態で3枚掛けで遊技を行うことにより払出のある小役を入賞させてBB(ビッグボーナス)を終了させることが可能となる。これにより、BB(ビッグボーナス)の終了後のRT遊技状態をリプレイ高確率なRT2遊技状態とすることができる。
また、本実施の形態に係るパチスロ機1は、BB中RB作動状態中の遊技において第2の手順で各リール3L、3C、3Rが停止されることで、JAC役(増加役)に係る図柄の組合せが有効ライン上に停止しないよう配列されている。このため、上述した払出枚数が規定枚数となった次遊技において誤ってJACIN役(移行役)を入賞させてしまった場合には、当該入賞により作動するBB中RB作動状態における全ての遊技においてJAC役(増加役)の入賞を回避させることができる。
したがって、誤ってJACIN役(移行役)を入賞させてしまった場合であっても、BB(ビッグボーナス)を終了させることなく再度、遊技状態をBB一般遊技状態に戻すことができる。これにより、RT遊技状態をRT2遊技状態に維持するための機会を再度、遊技者に与えることができる。この結果、誤ってJACIN役(移行役)を入賞させてしまった場合であってもBB(ビッグボーナス)における興趣の低下を防止することができる。