JP2004065761A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】通常確率状態時におけるベースの値を向上させること。
【解決手段】遊技機は、特別図柄表示装置の表示結果が特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機であって、普通図柄表示装置の表示結果が所定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な状態となる電動チューリップ型役物により構成された特別図柄始動口を備え、特別図柄始動口に遊技玉が進入したときに特別図柄表示装置の表示結果を導出表示する。また、特別図柄表示装置の表示結果が特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御可能である。高確率状態以外の通常確率状態時(S736でNO)に、普通図柄表示装置の表示結果が特別の表示態様となったときに(S737でYES)、次回の特定遊技状態が発生するまで普通可変入賞球装置が第1の状態となる頻度を向上させる(S738)。
【選択図】 図15
【解決手段】遊技機は、特別図柄表示装置の表示結果が特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機であって、普通図柄表示装置の表示結果が所定の表示態様になったときに遊技者にとって有利な状態となる電動チューリップ型役物により構成された特別図柄始動口を備え、特別図柄始動口に遊技玉が進入したときに特別図柄表示装置の表示結果を導出表示する。また、特別図柄表示装置の表示結果が特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御可能である。高確率状態以外の通常確率状態時(S736でNO)に、普通図柄表示装置の表示結果が特別の表示態様となったときに(S737でYES)、次回の特定遊技状態が発生するまで普通可変入賞球装置が第1の状態となる頻度を向上させる(S738)。
【選択図】 図15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機で代表される遊技機に関する。詳しくは、表示状態が変化可能な特別可変表示装置を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、表示状態が変化可能な普通可変表示装置が備えられ、その普通可変表示装置の表示結果が所定の表示態様となったことを条件として普通可変入賞球装置が遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となり、その普通可変入賞球装置で構成されている特別始動領域へ遊技球が進入したときに、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示が行なわれるように構成されたものがあった。
【0003】
一方、この種の従来の遊技機においては、特別可変表示装置における特定の表示態様が複数種類定められており、その複数種類の特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったとこを条件として、普通可変表示装置の表示結果が前記所定の表示態様となる確率を向上させたり、普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮したりして、普通可変表示装置の表示結果が前記所定の表示態様となる頻度を向上した頻度向上状態に制御されるように構成されていた。そして、特別可変表示装置の表示結果が前記特別の表示態様となった場合には、特定遊技状態(大当たり状態)が発生するばかりでなく当該特定遊技状態の終了後特定遊技状態の発生確率が向上した確率変動状態となるように制御されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の遊技機が、このような構成を有していたために、前述した頻度向上状態の発生は、確率変動状態の発生を伴う特定遊技状態の発生を条件とすることとなる。その結果、確率変動状態以外の通常確率時におけるベースの値がもっぱら釘調整等の遊技場における調整作業に頼ることとなっていた。ここに、ベースとは、特定遊技状態時を除いた通常状態時においての、払出景品玉を打込玉で除した値のことである。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、通常確率時におけるベースの値を向上させることができる遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 表示状態が変化可能な特別可変表示装置(特別図柄表示装置4)を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば「777」)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当たり状態)となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
表示状態が変化可能な普通可変表示装置(普通図柄表示装置18)と、
遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(閉状態)とに変化可能であり、前記普通可変表示装置の表示結果が予め複数種類定められた所定の表示態様のうちのいずれか(たとえば同じ図柄の組合せ)になったときに第1の状態となる普通可変入賞球装置(電動チューリップ型役物5)により構成された特別始動領域(特別図柄始動口6)と、
該特別始動領域に遊技玉が進入したときに前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう特別可変表示制御手段(遊技制御部11および演出制御部14)と、
前記特別可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御する高確率状態制御手段(遊技制御部11、図8のステップS508)と、
前記高確率状態以外の通常確率状態時に、前記普通可変表示装置の表示結果が前記複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様(たとえば「77」)となったときに、次回の前記特定遊技状態が発生するまで(図8のステップS501でYES、かつ、ステップ509でYES)前記普通可変入賞球装置が前記第1の状態となる頻度を向上させた頻度向上状態に制御する頻度向上制御手段(遊技制御部11、図14の普通図柄通常処理、図16の普通図柄変動処理、図17のステップS754)とを含むことを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、高確率状態以外の通常確率状態時に、普通可変表示装置の表示結果が複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、次回の特定遊技状態が発生するまで普通可変入賞球装置が第1の状態となる頻度が向上するため、通常確率状態時におけるベースの値および特別可変表示装置の表示結果の導出頻度を向上させることのできる遊技機を提供することができる。
【0008】
(2) 表示状態が変化可能な特別可変表示装置を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定の遊技状態となる遊技機であって、
表示状態が変化可能な普通可変表示装置と、
遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能であり、前記普通可変表示装置の表示結果が予め複数種類定められた所定の表示態様のうちのいずれかになったときに第1の状態となる普通可変入賞球装置により構成された特別始動領域と、
該特別始動領域に遊技玉が進入したときに前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう特別可変表示制御手段と、
前記特別可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記高確率状態以外の通常確率状態時に、前記普通可変表示装置の表示結果が前記複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、前記普通可変表示装置の表示結果が所定回数導出表示されるまで(図22のステップS826でYES)前記普通可変入賞球装置が前記第1の状態となる頻度を向上させた頻度向上状態に制御する頻度向上制御手段(図2の遊技制御部11、図14の普通図柄通常処理、図16の普通図柄変動処理、図17のステップS754)とを含むことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、高確率状態以外の通常確率状態時に、普通可変表示装置の表示結果が複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、普通可変表示装置の表示結果が所定回数導出表示されるまで普通可変入賞球装置が第1の状態となる頻度が向上するため、通常確率状態時におけるベースの値および特別可変表示装置の表示結果の導出頻度を向上させることのできる遊技機を提供することができる。
【0010】
(3) 前記特別始動領域に進入した遊技玉を始動記憶上限数の範囲内で記憶する特別始動記憶手段(遊技制御部11のRAMの特別図柄始動記憶領域)をさらに含み、
前記特別可変表示制御手段は、前記特別始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行ない、
前記特別始動記憶手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミング(図17のS754、頻度モードが高頻度に設定されるタイミング)で前記始動記憶数の上限を増加させ(遊技制御部11、図6のステップS351〜ステップS356)、
前記特別可変表示制御手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、前記所定のタイミングで、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮する(図9のステップS552)ことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミングで特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間が短縮されるので、所定の時間内に特別可変表示装置の表示結果が導出表示される頻度が向上する。その結果、通常確率状態時における特別可変表示装置の稼動率を向上させることができ、遊技者が特定遊技状態になるかもしれないという期待感を得る頻度を増加させることができる。また、特別始動領域へ進入した遊技玉が始動記憶上限数の範囲内で記憶され、所定のタイミングで始動記憶数の上限が増加するので、特別始動領域へ進入した遊技玉が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0012】
(4) 遊技玉が進入可能な普通始動領域(通過ゲート19)と、
該普通始動領域へ進入した遊技玉を始動記憶上限数の範囲内で記憶する普通始動記憶手段(遊技制御部11のRAMの普通図柄始動記憶領域)と、
該普通始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて前記普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう普通可変表示制御手段(遊技制御部11および演出制御部14)をさらに含み、
前記普通始動記憶手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミング(図17のS754、頻度モードが高頻度に設定されるタイミング)で前記始動記憶数の上限を増加し(図18のステップS803〜ステップS706)、
前記普通可変表示制御手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、前記所定のタイミングで、前記普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮する(図19のステップS812)ことを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミングで、普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間が短縮するので、所定の時間内に普通可変表示装置の表示結果が所定の表示態様となる頻度が向上する。その結果、普通可変入賞球装置が遊技者にとって有利な第1の状態となる頻度が向上する。このため、通常確率時におけるベースの値を確実に向上させることができる。また、普通始動領域へ進入した遊技玉が始動記憶上限数の範囲内で記憶され、所定のタイミングで始動記憶数の上限が増加するので、普通始動領域へ進入した遊技玉が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置(可変表示装置)により特図ゲームを行なう遊技機であり、プリペードカードによって玉貸を行なうカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ機を例にとって説明する。また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、プリペードカード(将来的にはICコイン等も含む価値媒体)によって玉貸を行なうCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって玉貸を行なうパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有する遊技機であれば、どのような形態のものであってもかまわない。
【0016】
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ板)2と、遊技盤2を支持固定する遊技用枠(台枠)3とから構成されている。
【0017】
遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されており、遊技領域のほぼ中央位置には、特別図柄表示装置(可変表示装置)4が設けられている。特別図柄表示装置4の上部には、普通図柄を表示するための普通図柄表示装置18が設けられている。普通図柄表示装置18は、左右1対の7セグメント表示器である。
【0018】
なお、特別図柄表示装置4は、複数の可変表示部で特別図柄(識別情報)を個々に可変表示し、複数の可変表示部に設定される有効ライン上に特別図柄が同一図柄で揃った場合を大当りとする。
【0019】
特別図柄表示装置4の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、大当り発生(特定遊技状態の発生)にときにソレノイド等を駆動することで開放動作を行なう大入賞口(第1種特別電動役物)7とが上下に並んで配設されている。
【0020】
電動チューリップ型役物5は、普通図柄表示装置18の2つの7セグメント表示器の表示結果がたとえば同じ数字となった場合に所定の時間開成し、特別図柄始動口6に遊技球が進入しやすい遊技者にとって有利な状態(開状態)となる。電動チューリップ型役物5が、閉じた状態にある場合には、開状態にある場合に比べて、特別図柄始動口6に遊技球が進入しにくい遊技者にとって不利な状態(閉状態)となる。
【0021】
大入賞口7は、特別図柄始動口6への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行なわれた結果、大当りとなった場合に前面に設けられた大入賞口扉7aの開放動作を行なう。
【0022】
特別図柄始動口6の左の側方位置には、通過ゲート19が配設されている。通過ゲート19は、打玉の通過に伴って普通図柄表示装置18の変動開始(普図ゲーム)を許可する。また、遊技用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。さらには、遊技領域内および遊技領域周辺部には、光装飾用のランプ・LED9が設けられている。
【0023】
図2は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、主として電源部(電源基板)10と、遊技制御部(主基板)11と、入力部12と、出力部13と、演出制御部(演出制御基板)14と、払出制御部(払出制御基板)15と、盤用外部端子板16と、枠用外部端子板17とを供えている。
【0024】
電源部10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。遊技制御部11は、遊技制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、入力部12を介して信号の入力を行なう機能、出力部13を介して信号の出力を行なう機能、演出制御部14および払出制御部15に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0025】
入力部12は、始動口スイッチ12a、ゲートスイッチ12b、特定領域スイッチ12c、カウントスイッチ12d、入賞口スイッチ12e等から構成され、遊技球の検出を行なうようになっている。出力部13は、普通電動役物ソレノイド13a、大入賞口内誘導板ソレノイド13b、大入賞口扉ソレノイド13c等から構成され、役物の開閉動作を行なうようになっている。
【0026】
演出制御部14は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、特図ゲームにおける特図表示制御、普図ゲームにおける普図表示制御(表示制御部による制御)、音声出力制御(音声制御部による制御)、ランプ表示制御(ランプ制御部による制御)を、それぞれ遊技制御部11とは独立して実行するものである。
【0027】
払出制御部15は、遊技玉の貸出や賞球等の払出制御を行なうものである。盤用外部端子板16および枠用外部端子板17は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0028】
ここで、特別図柄表示装置4上に表示される特別図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動パターン指定コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、演出制御部14は、変動パターン指定コマンドを受取ったタイミングから、特別図柄表示装置4上における特別図柄の変動、スピーカ8L,8Rからの音声出力およびランプ・LED9の明滅表示が連動して行なわれるように制御を行なっている。
【0029】
次に、本実施の形態の動作(作用)を説明する。
まず、本実施の形態のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技領域中に遊技球が発射される。遊技制御部11では、入力部12を構成する始動口スイッチ12a等の入力の有無を監視しており、遊技球が特別図柄始動口6に入賞した場合、始動口スイッチ12aにおいて遊技球の入賞が検出される。また、特別図柄始動口6への遊技球の入賞が検出された場合、入賞した遊技球の数(始動記憶数)、入賞時の乱数の抽選値が、遊技制御部11に設けられたRAMの特別図柄始動記憶領域および特別図柄判定バンクにそれぞれ保管される。そして、保管されたデータに基づいて、特別図柄表示装置4において特図ゲームを開始する。
【0030】
また、遊技制御部11では、遊技球が通過ゲート19を通過した場合、ゲートスイッチ12bにおいて遊技球の通過が検出される。通過ゲート19を遊技球が通過したことが検出された場合、通過した遊技球の数、通過時の乱数の抽選値が、遊技制御部11に設けられたRAMの普通図柄始動記憶領域および普通図柄判定バンクにそれぞれ保管される。そして、保管されたデータに基づいて、普通図柄表示装置18において普図ゲームを開始する。
【0031】
図3は、遊技制御部11におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理おいて、CPUは、必要な初期設定処理を行う。
【0032】
初期設定処理において、CPUは、まず、割込み禁止に設定する(ステップS101:以下、単にS101と記す)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(S102)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S103)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(S104)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行った後(S105)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S106)。
【0033】
この実施形態で用いられているCPUには、マスク可能な割込み(INT)のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込みが発生すると、CPUは、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0034】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPUは、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPUは自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1または割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1または割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0035】
割込みモード1:割込みが受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0036】
割込みモード2:CPUの特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、飛び飛びではあるが任意の偶数番地に割込み処理を設けることができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0037】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設けることが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施形態では、初期設定処理のS102において、CPUは割込みモード2に設定される。
【0038】
次に、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを判別する(S107)。クリアスイッチがオン状態である場合(S107;Yes)、後述するS110に移行する一方、クリアスイッチがオン状態でない場合(S107;No)、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等)が行われたか否かを確認する(S108)。
【0039】
この実施形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。すなわち、バックアップなしを確認したら、CPUはS110以降の初期化処理を実行する。
【0040】
バックアップありを確認したら、CPUは、遊技制御部11の内部状態と演出制御部14等の電気部品制御手段の制御状態とを電源断の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(S109)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに再設定され、そのアドレスに復帰する。
【0041】
初期化処理では、CPUは、まず、RAMクリア処理を行う(S110)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタ等)に初期値を設定する初期値設定処理も行われる。
【0042】
さらに、サブ基板(図柄制御基板、音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板等)を初期化するための処理を実行する(S111)。サブ基板を初期化する処理としては、例えば、初期設定コマンドを送出する処理を行い、初期設定コマンドとして、払出可能状態の場合に払出制御部15に出力される払出可能状態指定コマンドまたは払出不能状態の場合に払出停止状態指定コマンド等を送出する。払出不能状態として、例えば、球切れスイッチまたは満タンスイッチ(共に図示せず)がオンしていた状態がある。
【0043】
すなわち、CPUは、球切れスイッチまたは満タンスイッチをオンしていたら払出制御部15に払出停止状態指定コマンドを送出し、そうでなければ、払出可能状態指定コマンドを送出する。なお、払出可能状態指定コマンドまたは払出停止状態指定コマンドは、S109の遊技状態復旧処理においても実行されるように構成してもよい。
【0044】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように、CPUに設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(S112)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0045】
その後、割込み禁止状態に設定(S113)した後に、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する表示図柄乱数更新処理(S114)及び初期値決定用乱数更新処理(S115)を実行し、その後、割込み許可状態に設定する処理(S116)が繰り返し実行される。
【0046】
なお、割込み禁止は、割込み禁止命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現され、割込み許可は、割込み許可命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。また、初期値決定用乱数とは、大当り判定用乱数の初期値を決定するための乱数である。
【0047】
表示図柄乱数更新処理(S114)及び初期値決定用乱数更新処理(S115)におけるカウンタのカウンタ更新処理(数値更新処理)は、割込み禁止状態で実行される。従って、数値更新処理が実行されているときに、タイマ割込み等のマスク可能割込みがかかることはない。すなわち、数値更新処理は、割込み処理によって中断されることなく実行される。
【0048】
この実施形態では、CPUの内蔵CTCが繰り返しタイマ割込みを発生するように設定される。この実施形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込みが発生すると、図4に例示するようなタイマ割込み処理が実行される。
【0049】
図4は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理では、CPUは、レジスタの退避処理を実行した後、S202〜S214の各遊技制御処理を実行する。
【0050】
遊技制御処理において、CPUは、まず、入力部12を介して、始動口スイッチ12a、ゲートスイッチ12b、特定領域スイッチ12c、カウントスイッチ12dおよび入賞口スイッチ12eのスイッチの状態を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S202)。
【0051】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:S203)。
【0052】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する乱数更新処理を行う(S204)。なお、この乱数更新処理では、大当り時に特別図柄表示装置4へ導出表示する図柄を決定するための大当り図柄用乱数の更新処理も行う。CPUは、さらに、初期値決定用乱数更新処理(S205)と表示図柄乱数更新処理(S206)とを行う。なお、S205及びS206の処理の内容は、S115及びS114の処理と同じである。
【0053】
さらに、CPUは、詳細を後述する特別図柄プロセス処理を行う(S207)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。
【0054】
そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPUは、詳細を後述する普通図柄プロセス処理を行う(S208)。普通図柄プロセス処理では、左右一対の7セグメント表示器で構成される普通図柄表示装置18を所定態様で制御するために、普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0055】
次いで、CPUは、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:S209)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:S210)。
【0056】
さらに、CPUは、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、頻度モード等のデータを出力する情報出力処理を行う(S211)。
【0057】
また、CPUは、所定の条件が成立したときにソレノイド回路(図示せず)に駆動指令を行う(S212)。ソレノイド回路は、駆動指令に応じて普通電動役物ソレノイド13a、大入賞口扉ソレノイド13cを駆動し、電動チューリップ型役物5または大入賞口7を開状態または閉状態とする。
【0058】
そして、CPUは、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出出力に基づいて賞球数の設定等を行う賞球処理を実行する(S213)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御部15に払出制御コマンドを出力する。払出制御部15に搭載されている払出制御用CPU(図示せず)は、払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。次に、賞球データなどの種々のデータを記憶する記憶処理を実行する(S214)。遊技制御処理が完了したら、レジスタの復帰処理を行い(S215)、割込み許可状態にする(S216)。
【0059】
以上の制御を行う遊技制御処理は、この実施形態では2ms毎に起動される。また、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、割込み許可状態とはされないので、他の割込みまたは次回のタイマ割込みが発生することはなく、遊技制御処理中の全ての各処理が確実に実行完了する。
【0060】
図5は、CPUが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄プロセス処理は、図4のフローチャートにおけるS207の具体的な処理である。CPUは、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理を行う(S301)。
【0061】
次に、特別図柄始動口6のスイッチ(第1種始動口スイッチ)がオン状態であるか否かを判別する(S302)。第1種始動口スイッチがオン状態である場合(S302;Yes)、始動記憶数が上限値でなければ、始動記憶数を+1するとともに大当り判定用乱数等を抽出する第1種始動口スイッチ通過処理(S303)を行う。始動記憶数は、遊技制御部11が備えるRAMの特別図柄始動記憶領域に記憶される。
【0062】
一方、第一種始動口スイッチがオン状態でない場合(S302;No)、S303の処理を行わずにそのまま、内部状態(特図フラグ情報)に応じて、S304〜S312のうちいずれかの処理を行う。なお、始動入賞時に記憶された記憶情報が所定時間経過した後に特図ゲームに使用された場合、当該特図ゲームにおいて変動時間を短縮するか否かを決定するが、その所定時間を計測するためのタイマが変動短縮タイマである。また、特図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0063】
特図フラグ情報の値が“00H”のとき、特図ゲームにおいて抽選した乱数値が大当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「特別図柄通常処理」を実行する(S304)。
【0064】
特図フラグ情報の値が“01H”のとき、特別図柄表示装置4上で行われる特図ゲームにおける停止図柄を設定する「特別図柄停止図柄設定処理」を実行する(S305)。なお、この特別図柄停止図柄設定処理では、前記特別図柄通常処理で判定された大当りに関する情報に基づいて停止図柄を決定する。具体的には、ハズレが決定された場合は表示図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定し、大当りが決定された場合は大当り図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定する。
【0065】
特図フラグ情報の値が“02H”のとき、特別図柄表示装置4上で行われる特図ゲームの図柄の可変表示態様を設定する「変動パターン設定処理」を実行する(S306)。なお、この変動パターン設定処理では、前記特別図柄停止図柄設定処理で決定された停止図柄に基づいて可変表示態様を決定する。
【0066】
特図フラグ情報の値が“03H”のとき、特別図柄表示装置4において特図ゲームにおける変動処理を行う「特別図柄変動処理」を実行する(S307)。なお、この特別図柄変動処理では、前記変動パターン設定処理で決定された可変表示態様毎に設定された演出時間の期間中、特図ゲームにおける変動処理を行う。また、このようなS307の処理を行うタイミングがコマンド送信手段によるコマンドデータの送信タイミングとなる。
【0067】
特図フラグ情報の値が“04H”のとき、特別図柄の停止表示後の処理を行う「特別図柄停止処理」を実行する(S308)。なお、この特別図柄停止処理では、図柄停止表示後のパチンコ遊技機1の動作を設定する。具体的には、大当りであれば、大当り演出を行う設定を行った後に以下に示す特図フラグ“05H”へ移行する処理を行う。一方、ハズレであれば、次回の図柄の可変表示を行うため、前記特図フラグ“00H”へ移行する処理を行う。
【0068】
特図フラグ情報の値が“05H”のとき、大当り動作のための初期化処理を行う「大入賞口開放前処理」を実行する(S309)。なお、この大入賞口開放前処理では、大当り前の動作に関する処理を行う。具体的には、大入賞口7を開放させるために大入賞口扉ソレノイド13cを駆動する処理を行い、表示制御部、音声制御部、及びランプ制御部へ大当りを演出するためのコマンドデータを送信する処理を行う。
【0069】
特図フラグ情報の値が“06H”のとき、大当り動作に関する様々な処理、及び1回当たりの大入賞口7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(S310)。なお、この大入賞口開放中処理では、大当り中の動作に関する処理を行う。具体的には、大入賞口7への遊技球の入賞球数や特定領域の通過を監視すると共に、大入賞口7の開放時間を監視する。
【0070】
特図フラグ情報の値が“07H”のとき、特定領域スイッチへの遊技球の通過を監視し、特別図柄プロセスが終了したかどうかを判定する「特定領域有効時間処理」を実行する(S311)。なお、この特定領域有効時間処理では、大入賞口7の閉成後、所定時間内における特定領域の遊技球の通過を監視する。具体的には、大入賞口7の閉成直前に入賞した遊技球が特定領域を通過することによる処理を担保するための処理を行う。
【0071】
特図フラグ情報の値が“08H”のとき、特別図柄プロセスの終了かどうか判定し、終了ならばデモ表示(大当り中の画面)フラグのクリア、大当り時特別図柄のクリア、大当り終了表示のクリア、及び大当り中情報のクリアを行う「大当り終了処理」を実行する(S312)。なお、この大当り終了処理は、大当り終了か否かを判定する処理を行う。具体的には、最終ラウンドであるか否かを判定し、最終ラウンドでなければ次のラウンドへの継続条件を満たしているか否かを判定する。
【0072】
以上の結果、大当りが終了すると判定されると、デモ表示フラグ等のデータをクリアすると共に、確率変動条件を満たすものである場合(例えば、確変図柄で大当りした場合等)には、高確率状態へ移行するために確変フラグをセットし、特図フラグ“00H”をセットする。また、次のラウンドへの継続条件を満たしている場合には、次のラウンドにおける大入賞口7を開放するための処理を行うために特図フラグ“05H”をセットする処理を行う。
【0073】
なお、特別図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。また、特図フラグ情報の値によって分岐される各処理の処理内容が複雑化して、タイマ割り込み時間内で処理を完了させることができない場合には、同一処理を複数追加するようにしてもよい。
【0074】
特図ゲームでは、遊技球が特別図柄始動口6を通過したとき、判定用乱数の値によって特別図柄の大当り、ハズレを判定する。判定の結果、大当りとなった場合には、大当り図柄用乱数の値に対応する特別図柄の組み合わせを特別図柄表示装置4に表示する。一方、ハズレとなった場合には、表示図柄用乱数の値に対応する特別図柄を表示する。
【0075】
図6は、第1種始動口スイッチ通過処理を説明するためのフローチャートである。この第1種始動口スイッチ通過処理は、図5のS303に示すプロセスにおいて行なわれる処理である。第1種始動口スイッチ通過処理においては、まず、S351において、頻度モードが「高頻度」に設定されているか否かが判別される。
【0076】
この頻度モードは、後述する普通図柄停止処理において設定される(図17のS754参照)。頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、特別図柄始動口6に対応して設けられた始動口スイッチ12aで検出された始動入賞に伴い大当たりか否かを判定するためのランダムカウンタの抽出値を記憶するための特別図柄用(特図用)乱数記憶領域(特別図柄判定バンク)に記憶可能な最大の始動記憶数が増大する。本実施の形態のにおいて、始動記憶数の最大数は4であるが、頻度モードが「高頻度」である場合には、始動記憶数の最大値は10になる。始動記憶数は、遊技制御部11が備えるRAMの特別図柄始動記憶領域に記憶される。
【0077】
S351において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければ、S352に進み、始動記憶数が4以上であるか否かが判別される。S352において、始動記憶数が4以上であれば、通常の始動記憶数が最大4である遊技状態において、既に始動記憶数が最大となっている。そのため、特別図柄始動口6への始動入賞があっても新たにランダムカウンタの抽出値を記憶することができない。したがって、第1種始動口スイッチ通過処理を終了する。
【0078】
また、S352において、始動記憶数が4よりも小さければ、すなわち、頻度モードが「高頻度」でなく「通常頻度」に設定されている場合において、始動記憶数が最大値の4になっていなければS354に進む。
【0079】
また、S351において、頻度モードが「高頻度」に設定されていると判別された場合にはS353に進み、始動記憶数が「10」になっているか否かが判別される。すなわち、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、始動記憶数の最大値が「10」となるため、その最大値よりも始動記憶数が小さいか否かが判別される。
【0080】
S353において、始動記憶数が「10」であれば、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合においても、既に始動記憶数が最大数となっているため、第1種始動口スイッチ通過処理を終了する。また、S353において、始動記憶数が10よりも小さければS354に進む。
【0081】
次に、S354において、始動記憶数に「1」を加算する。すなわち、特別図柄始動口6に遊技球が入賞したため、その入賞に対応して始動記憶数が「1」増加することになる。
【0082】
次に、S355において、ランダムカウンタの値を抽出する。ここで必要となるランダムカウンタの値は、特別図柄表示装置4の表示結果を大当りにするか否かを決定するためのランダムカウンタの抽出値である。次に、S356において、抽出したランダムカウンタの抽出値を特図用乱数記憶領域に記憶する。
【0083】
次に、図7に基づいて特別図柄通常処理を説明する。この特別図柄通常処理は、図5のS304において行なわれる処理である。特別図柄通常処理においては、まず、S403において、特別図柄始動記憶領域に始動記憶があるか否かの判断が行なわれ、特別図柄始動記憶領域に始動記憶がない場合には、特別図柄変動処理を終了する。
【0084】
また、S403において、始動記憶があれば、S405に進み、特別図柄始動記憶領域1のランダムカウンタの値を読出す。このランダムカウンタの値とは、大当りか否かを決定するために用いられるために始動入賞に伴って抽出された特図用乱数記憶領域に記憶されたランダムカウンタの値である。
【0085】
次に、S406において、大当りか否かを判定するために用いる基準となる判定データを「1」にする。また、判定回数は初回は「1」にする。
【0086】
次に、S407において、現在の遊技状態が高確率モードであるか否かが判別される。すなわち、確率変動状態になっているか否かが判別される。S407において、確率変動状態になっていなければS408に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが同一であるか否かが判別される。ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければ、S419に進むが、ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS418に進む。
【0087】
また、S407において、確率変動状態になっていると判定されれば、S409に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが判別される。ランダムカウンタ1の抽出値と判定データとが一致すれば、S418に進むが、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとの値が一致しなければS410に進む。
【0088】
S410においては判定回数に1を加算する。次に、S411において、判定回数が6回に達しているか否かが判別される。S411において、判定回数が6回になっていなければ判定データに1を加算(S412)してS409に戻り、再び判定を繰返すが、S411において判定回数が6回に達していなければS413に進む。S413においては、判定データを「18」に設定する。
【0089】
次に、S414において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが再び判定される。S414において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致すればS418に進み、抽選フラグの値を大当りであることを示す値にする。抽選フラグは、大当りにするか否かの判定の結果、「大当り」になったことまたは「ハズレ」になったことを示すフラグである。
【0090】
次に、S414において、ランダムカウンタ1の抽出値と基準となる判定データとが一致していなければ、S415に進み判定回数に1を加算する。次に、S416において判定回数が「11」になっているか否かが判別される。
【0091】
S416において、判定回数が「11」になっていなければS417に進み、判定データに1を加算する。そして、S414に戻り、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かの判定を繰返す。
【0092】
また、S416において、判定回数が「11」であれば、S419に進み、抽選フラグを「ハズレ」の値にする。この抽選フラグが「ハズレ」の値であることは、大当りか否かを決定するための判定において、「大当り」ではない、すなわち「ハズレ」であることが決定されたことを意味する。
【0093】
次に、S420に進み、プロセスフラグを01Hに設定し、特別図柄通常処理を終了する。プロセスフラグが01Hに設定されると、次に特別図柄プロセス処理が実行されるときには、図5に示すS305の特別図柄停止図柄設定処理が実行されることになる。
【0094】
S418では、抽選フラグに「当り」が設定される。その後、S420に進む。
【0095】
図8は、特別図柄停止図柄設定処理を説明するためのフローチャートである。この特別図柄停止図柄設定処理は、図5のS305において行なわれる処理である。特別図柄停止図柄設定処理においては、S501において、まず、抽選フラグが当りであるか否かが判別される。この抽選フラグは特別図柄表示装置4の表示結果が当りであるか否かを決定するためのフラグである。
【0096】
S501において、抽選フラグが当りでなければ、(すなわち「ハズレ」であれば)S502に進み、はずれ図柄決定処理を行なう。また、S501において、抽選フラグが当りであればS503に進み、ランダムカウンタの値を抽出する。このランダムカウンタは、特別図柄表示装置4に表示する図柄を決定するためのカウンタである。したがって、ランダムカウンタの抽出値に基づいて、図柄が決定される。S504において、抽出値に従って左図柄を決定する。
【0097】
次に、S505において、決定された左図柄と同じ図柄を右図柄および中図柄に設定する制御を行なう。そしてS506において、各図柄表示領域の停止図柄を特定するコマンドをセットする。このコマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。このコマンドを受信した演出制御部14では、そのコマンドの種類に応じた表示態様で特別図柄表示装置4に表示結果を導出表示する。すなわち、そのコマンドの種類に応じた大当り表示態様の演出が行なわれる。
【0098】
次に、ステップS505で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せか否かが判断される。予め定められた図柄の組合せとは、確率モードを高確率に設定するために定められた図柄の組合せであり、たとえば、奇数の図柄の組合せ、特定の文字または図柄の組合せである。
【0099】
ステップS505で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せと判断された場合にはS508に進み、そうでない場合にはS508をスキップしてS509に進む(S507)。S508では確率変動フラグをセットする。確率変動フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を高確率または低確率の確率モードであるかを示すフラグである。
【0100】
そして、後述する頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグは、図15のS738で設定されるフラグであり、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードに設定可能な状態であることを示すフラグである。頻度向上フラグがセットされている場合には頻度向上フラグをクリアする(S510)。これにより、抽選フラグによる大当りと判定された場合に頻度向上フラグがクリアされるので、高頻度の頻度モードでの遊技状態は、当りと判定されるまで継続されることになる。一方、頻度向上フラグがセットされていない場合には頻度モードは通常頻度なので、S510をスキップして処理を終了する。
【0101】
図9は、特別図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄変動処理は、図5のS307において行なわれる処理である。
【0102】
特別図柄変動処理においては、まず、S551において、頻度モードが「高頻度」に設定されているか否かが判断される。S551において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければS553に進み、特別図柄(特図)変動時間タイマTHに通常時間をセットする。一方、S551において、頻度モードが「高頻度」に設定されていないと判断された場合にはS552に進み、特図変動時間タイマTHに短縮時間をセットする。
【0103】
この特図変動時間タイマTHは、特別図柄表示装置4が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を計時するためのタイマである。特図変動時間タイマTHに設定されている短縮時間は、通常時間に比較して短い時間である。したがって、特別図柄表示装置4が可変表示を開始してから表示結果を停止表示するまでの時間が、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合の方が頻度モードが「通常頻度」に設定されている場合に比べて短くなる。
【0104】
次に、S554においては、特別図柄変動開始コマンドをセットする。この特別図柄変動開始コマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。その結果、演出制御部14の表示制御部においては、特別図柄の変動を開始させる制御を行なう。次に、S556に進み、プロセスフラグを「03H」にする。その後特別図柄変動処理を終了する。
【0105】
図10は、特別図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄停止処理は、図5のS308において行なわれる処理である。特別図柄停止処理においては、まず、S561において、特図変動時間タイマTHが終了しているか否かが判別される。特図変動時間タイマTHが終了していなければ特別図柄停止処理は終了するが、S561において特図変動時間タイマTHが終了していればS562に進む。
【0106】
S562においては、特別図柄停止コマンドをセットする。特別図柄停止コマンドは遊技制御部11から演出制御部14に送信されるコマンドである。それにより、特別図柄停止コマンドを受信した演出制御部14では、特別図柄表示装置4の表示結果を停止表示するための処理が行なわれる。
【0107】
次に、S563において、頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグがセットされている場合にはS564に進み、セットされていない場合にはS564をスキップしてS565に進む。S564では、頻度モードを通常頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードから通常頻度の頻度モードに変更される。S565では、プロセスフラグを00Hにして特別図柄停止処理を終了する。
【0108】
図11は、大当り終了処理の流れを示すフローチャートである。大当り終了処理は、図5のS312で実行される処理である。図11を参照して、大当り終了処理では、確変フラグがセットされているか否かが判断される(S571)。確変フラグがセットされている場合にはS572に進み、セットされていない場合にはS574に進む。S572では、確率モードを高確率に設定し、S573に進む。S573では、確変フラグをクリアした後、処理を終了する。S574では、確率モードを低確率に設定した後、処理を終了する。
【0109】
したがって、パチンコ遊技機1の遊技状態が、高確率または低確率のいずれかの確率モードに変更されるのは、大当りの処理が終了した後である。
【0110】
図12は、CPUが実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図12に示す普通図柄プロセス処理は、図4のフローチャートにおけるS208の具体的な処理である。
【0111】
まず、通過ゲート19を通過した遊技球を検出するための通過チャッカスイッチ(ゲートスイッチ12)がオン状態であるか否かを判別する(S602)。通過チャッカスイッチ(ゲートスイッチ12)がオン状態である場合(S601;Yes)、通過チャッカオン記憶数(普通図柄始動記憶数)に1を加算するとともに小当り判定用乱数等を抽出する通過チャッカスイッチ通過処理(S602)を行う。通過チャッカオン記憶数は、遊技制御部11に設けられたRAMの普通図柄始動記憶領域に記憶される。抽出された小当り判定用乱数の抽出値は、遊技制御部11に設けられたRAMの普図用乱数記憶領域に記憶される。
【0112】
一方、通過チャッカスイッチ(ゲートスイッチ12)がオン状態でない場合(S601;No)、S602の処理を行わずにそのまま、内部状態(普図フラグ情報)に応じて、S603〜S609のうちいずれかの処理を行う。
【0113】
普図フラグ情報の値が“00H”のとき、普図ゲームにおいて抽選した乱数値が小当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「普通図柄通常処理」を実行する(S603)。
【0114】
普図フラグ情報の値が“01H”のとき、普通図柄表示装置18(普通図柄)上で行われる普図ゲームにおける停止図柄を設定する「普通図柄停止図柄設定処理」を実行する(S604)。なお、この普通図柄停止図柄設定処理では、前記普通図柄通常処理で判定された小当りに関する情報に基づいて停止図柄を決定する。具体的には、ハズレが決定された場合は表示図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定し、小当りが決定された場合は小当り図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定する。
【0115】
普図フラグ情報の値が“02H”のとき、普通図柄表示装置18において普図ゲームにおける変動処理を行う「普通図柄変動処理」を実行する(S605)。なお、この普通図柄変動処理では、前記変動パターン設定処理で決定された可変表示態様毎に設定された演出時間の期間中、普図ゲームにおける変動処理を行う。また、このようなS605の処理を行うタイミングがコマンドデータの送信タイミングとなる。
【0116】
普図フラグ情報の値が“03H”のとき、普通図柄の停止表示後の処理を行う「普通図柄停止処理」を実行する(S606)。なお、この普通図柄停止処理では、図柄停止表示後のパチンコ遊技機1の動作を設定する。具体的には、小当りであれば、小当り演出を行う設定を行った後に以下に示す普図フラグ“04H”へ移行する処理を行う。一方、ハズレであれば、次回の図柄の可変表示を行うため、前記普図フラグ“00H”へ移行する処理を行う。
【0117】
普図フラグ情報の値が“04H”のとき、小当り動作のための初期化処理を行う「電動チューリップ開放前処理」を実行する(S607)。なお、この電動チューリップ開放前処理では、小当り前の動作に関する処理を行う。具体的には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を開放させるためにソレノイドを駆動する処理を行う。
【0118】
普図フラグ情報の値が“05H”のとき、小当り動作に関する様々な処理、及び1回当たりの電動チューリップ型役物(普通電動役物)5の開放時間をチェックする「電動チューリップ開放中処理」を実行する(S608)。なお、この電動チューリップ開放中処理では、小当り中の動作に関する処理を行う。具体的には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5への遊技球の入賞球数や特定領域の通過を監視すると共に、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5の開放時間を監視する。
【0119】
普図フラグ情報の値が“06H”のとき、普通図柄プロセスの終了かどうか判定し、終了ならば小当り終了表示のクリア、及び小当り中情報のクリアを行う「電動チューリップ開放終了処理」を実行する(S609)。なお、この電動チューリップ開放終了処理は、電動チューリップの開放状態を終了か否かを判定する処理を行う。具体的には、最終ラウンドであるか否かを判定し、最終ラウンドでなければ次のラウンドへの継続条件を満たしているか否かを判定する。
【0120】
以上の結果、電動チューリップの開放状態が終了すると判定されると、普図フラグ“00H”をセットする。また、次の小当りがあった場合には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を開放するための処理を行うために普図フラグ“04H”をセットする処理を行う。
【0121】
図13は、通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。この通過チャッカスイッチ通過処理は、図12のS602に示すプロセスにおいて行なわれる処理である。通過チャッカスイッチ通過処理においては、まず、S611において、通過チャッカオン記憶数が4以上であるか否かが判別される。通過チャッカオン記憶数は、遊技制御部11が備えるメモリの普通図柄始動記憶領域に記憶された値である。通過チャッカオン記憶数が4以上であれば、通常の通過チャッカオン記憶数が最大4である遊技状態において、既に最大の始動記憶数が普通図柄始動記憶領域に記憶されている。そのため、S352においては、通過ゲート19を遊技球が通過しても新たに通過チャッカオン記憶数を増加させることができない。したがって、通過チャッカスイッチ通過処理を終了する。
【0122】
また、S611において通過チャッカオン記憶数が4よりも小さければ、S612に進む。次に、S612において、通過チャッカオン記憶数に1を加算する。すなわち、通過ゲート19を遊技球が通過したため、その通過に対応して普通図柄始動記憶領域に記憶された通過チャッカオン記憶数を1加算する。
【0123】
次に、S613において、ランダムカウンタの値を抽出する。ここで必要となるランダムカウンタの値は、普通図柄表示装置18の表示結果を小当りにするか否かを決定するためのランダムカウンタの抽出値である。そして、次にS614において、抽出したランダムカウンタの抽出値を普図用乱数記憶領域に記憶する。
【0124】
次に、図14に基づいて普通図柄通常処理を説明する。この普通図柄通常処理は、図12のS603において行なわれる処理である。普通図柄通常処理においては、まず、S711において、通過チャッカオン記憶があるか否かの判断が行なわれ、普通図柄始動記憶領域に通過チャッカオン記憶がない場合には、普通図柄通常処理を終了する。
【0125】
また、S711において、通過チャッカオン記憶があれば、S712に進み、普通図柄始動記憶領域1に対応する普図用乱数記憶領域に記憶されたランダムカウンタの値を読出す。このランダムカウンタの値とは、小当りか否かを決定するために用いられるために通過チャッカへの遊技球の通過に伴って抽出され、普図用乱数記憶領域に記憶されたランダムカウンタの値である。
【0126】
次に、S713において、小当りか否かを判定するために用いる基準となる判定データを「1」にする。また、判定回数は最初は「1」にする。
【0127】
次に、S614において、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態が、高頻度の頻度モードであるか否かが判別される。S714において、高頻度の頻度モードでなければS715に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが同一である否かが判別される。ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければS726に進むが、ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS725に進む。
【0128】
また、S714において、高頻度の頻度モードになっていると判定されれば、S716に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが判別される。ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS725に進むが、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければS717に進む。
【0129】
S717において判定回数に1を加算する。次に、S718において、判定回数が6回に達しているか否かが判別される。S718において、判定回数が6回になっていなければ判定データに1を加算して(S719)、S716に戻り再び判定を繰り返すが、S718において判定回数が6回に達していなければ、S720に進む。S720においては、判定データを「18」にする。
【0130】
次に、S721において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが再び判定される。S721において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致すればS725に進み、普図用抽選フラグの値を小当りであることを示す値にする。普図用抽選フラグは、小当りにするか否かの判定の結果、「当り」になったことまたは「はずれ」になったことを示すフラグである。
【0131】
次に、S721において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致していなければS722に進み、判定回数に1を加算する。次に、S723において判定回数が「11」になっているか否かが判定される。
【0132】
S723において、判定回数が「11」になっていなければS724に進み判定データに1を加算する。そして、S721に戻り、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かの判定を繰返す。
【0133】
また、S723において、判定回数が「11」であればS726に進み、普図用抽選フラグに「ハズレ」が設定される。この普図用抽選フラグが「ハズレ」の値であることは、小当りか否かを決定するための判定において「当り」ではない、すなわち「ハズレ」であることが決定されたことを意味する。
【0134】
一方、S725では、普図用抽選フラグに「当り」が設定される。その後、S727に進む。
【0135】
S727では、プロセスフラグを01Hに設定し、普通図柄通常処理を終了する。プロセスフラグが01Hに設定されると、次に普通図柄プロセス処理が実行されるときには、図12に示すS604の普通図柄停止図柄設定処理が実行されることになる。
【0136】
図15は、普通図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。この普通図柄停止図柄設定処理は、図12のS604において行なわれる処理である。普通図柄停止図柄設定処理においては、S731において、まず、普図用抽選フラグが当りであるか否かが判別される。この普図用抽選フラグが普通図柄表示装置18の表示結果が当りであるか否かを決定するためのフラグである。
【0137】
S731において、普図用抽選フラグが当りでなければ、すなわち「ハズレ」であればS739に進み、はずれ図柄決定処理を行なう。また、S731において、普図用抽選フラグが当りであればS732に進み、ランダムカウンタの値を抽出する。このランダムカウンタは、普通図柄表示装置18に表示する図柄を決定するためのカウンタである。したがって、ランダムカウンタの抽出値に基づいて図柄が決定される。S733において、ランダムカウンタの抽出値に従って左図柄を決定する。
【0138】
次に、S734において、決定された左図柄と同じ図柄を右図柄に設定する制御を行なう。次に、S735において、各図柄表示領域の停止図柄を特定するコマンドをセットする。このコマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。このコマンドを受信した演出制御部14では、そのコマンドの種類に応じた表示態様で普通図柄表示装置18に表示結果を導出表示する。
【0139】
次に、現在のパチンコ遊技機1の遊技状態が、高確率の確率モードか否かが判断される(S736)。高確率の確率モードの場合にはS737に進み、そうでない場合には普通図柄停止図柄設定処理を終了する。
【0140】
次に、ステップS734で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せか否かが判断される。予め定められた図柄の組合せとは、頻度モードを高頻度に設定するために定められた図柄の組合せであり、たとえば、「7」と「7」の図柄の組合せである。
【0141】
ステップS734で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せと判断された場合にはS738に進み、そうでない場合にはS738をスキップして普通図柄停止図柄設定処理を終了する。
【0142】
S738では、頻度向上フラグをセットする。頻度向上フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を高頻度の頻度モードとすることが可能な状態であることを示すフラグである。
【0143】
図16は、普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。普通図柄変動処理は、図12のS605において行なわれる処理である。
【0144】
普通図柄変動処理においては、まず、S741において、普図用変動時間タイマTSに通常時間をセットする。
【0145】
この普図用変動時間タイマTSは、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を計時するためのタイマである。普図用変動時間タイマTSに設定される通常時間は、予め設定された時間であり、たとえば5秒である。
【0146】
次に、S742においては、普通図柄変動開始コマンドをセットする。この普通図柄変動開始コマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。その結果、演出制御部14の表示制御部においては、普通図柄の変動を開始させる制御を行なう。次に、S743に進みプロセスフラグを03Hにする。その後普通図柄変動処理を終了する。
【0147】
図17は、普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。普通図柄停止処理は、図12のS606において行なわれる処理である。普通図柄停止処理においては、まず、S751において、普図用変動時間タイマTSが終了しているか否かが判別される。普図用変動時間タイマTSが終了していなければ普図停止処理を終了するが、S751において普図用変動時間タイマTSが終了していればS752に進む。
【0148】
S752においては、普通図柄停止コマンドをセットする。普通図柄停止コマンドは遊技制御部11から演出制御部14に送信されるコマンドである。それにより、普通図柄停止コマンドを受信した演出制御部14では、普通図柄表示装置18の表示結果を停止表示するための処理が行なわれる。
【0149】
次に、S753において、頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグがセットされている場合にはS754に進み、セットされていない場合にはS755に進む。S754では、頻度モードを高頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。一方、S755では、頻度モードを通常頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常頻度の頻度モードとなる。
【0150】
S756では、プロセスフラグを00Hにして普通図柄停止処理を終了する。以上説明したように本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにある場合であって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となった場合に、次に特別図柄表示装置4の表示結果が大当りとなるまで、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。
【0151】
そして、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率が向上する。電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増すと、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加し、払出される玉が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させるとともに、特別図柄表示装置4の表示結果の導出頻度を向上させることができる。
【0152】
また、頻度向上状態の他の例としては、電動チューリップ型役物5が通常(頻度向上状態にないとき)は1回の開閉であるところを、複数回の開閉としたり、開放時間を延長する。さらに他の例として、電動テューリップ型役物5に入賞する遊技球の数を増加させる。たとえば通常は1個の遊技球が入賞するまで電動チューリップ型役物5の開閉を繰返すものを、5個の遊技球が入賞するまで電動チューリップ型役物5の開閉を繰返すようにする。この場合には、電動チューリップ型役物5は、電動チューリップ型役物に5個の遊技球が入賞するまで開状態を継続してもよく、電動チューリップ型役物5を開状態とした後遊技球が入賞する毎に閉状態とする動作を電動チューリップ型役物5に5個の遊技球が入賞するまで繰返すようにしてもよい。
【0153】
なお、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率を設定するのが望ましい。
【0154】
さらに、高頻度の頻度モードにある場合には、特別図柄表示装置4が可変表示を開始してから停止図柄が表示されるまでの時間が短縮され、いわゆる時短表示される。その結果、特別図柄表示装置4の稼動率を向上させることができ、遊技者が大当りになるかもしれないという期待感を得る頻度を増加させることができる。
【0155】
また、高頻度の頻度モードにある場合には、特別図柄始動口6へ進入した遊技球により抽出される乱数を記憶する特図用乱数記憶領域に記憶可能な始動記憶数の上限が増加するので、特別図柄始動口6へ進入した遊技球が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0156】
なお、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにある場合であって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となった場合に、次に普通図柄表示装置18の表示結果が小当たりとなるまで、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードとするようにしてもよい。この場合には、図15のS735の後に、頻度向上フラグをリセットする処理を追加すればよい。さらに、この場合において、次に普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となる確率を大幅に増大させるようにしてもよい。これにより、一度高頻度の頻度モードになれば、次に普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となる確率が向上するので、高い確率で高頻度の頻度モードが継続される。
【0157】
なお、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる条件を、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにある場合であって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となった場合とした。この特定の表示態様は、「77」に限定されず、たとえば、奇数の図柄の組合せ等複数設けるようにしてもよい。
【0158】
次に、上述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1の変形例について説明する。なお、上述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1と異なる点についてのみ説明する。
【0159】
<第1の変形例>
上述したパチンコ遊技機1では、高頻度の頻度モードである場合に、普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率を向上するようにしたが、第1の変形例におけるパチンコ遊技機においては、高頻度の頻度モードにある場合に普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから停止図柄が表示されるまでの時間を短縮させる、いわゆる時短表示を行なうようにしたものである。
【0160】
このため、上述した通過チャッカスイッチ通過処理(図13)と、普通図柄変動処理(図16)が異なる。
【0161】
図18は、第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。この第1の変形例における通過チャッカスイッチ通過処理は、図12のS602に示すプロセス処理において行なわれる処理である。通過チャッカスイッチ通過処理においては、まず、S701において、頻度モードが高頻度に設定されているか否かが判別される。
【0162】
この頻度モードは、図17のS754において高頻度にセットされるフラグである。頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、通過ゲート19のスイッチ(ゲートスイッチ12b)が検出した遊技球の通過を記憶する普通図柄始動記憶領域の通過チャッカオン記憶数が増大する。本実施の形態においては、通常の遊技においては通過チャッカオン記憶数の最大数は4であるが、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、通過チャッカオン記憶数の最大値は10になる。
【0163】
S801において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければ、S802に進み、通過チャッカオン記憶数が4以上であるか否かが判別される。S802において、通過チャッカオン記憶数が4以上であれば、通常の通過チャッカオン記憶数が最大4である遊技状態においては、既に最大の通過チャッカオン記憶数が普通図柄始動記憶領域に記憶されている。そのため、通過ゲート19への遊技球の通過があっても新たに通過チャッカオン記憶数を増加させることができない。したがって、通過チャッカスイッチ通過処理を終了する。
【0164】
また、S802において通過チャッカオン記憶数が4よりも小さければ、すなわち、頻度モードが「高頻度」でなく「通常頻度」に設定されている場合において、通過チャッカオン記憶数が最大の4になっていなければS804に進む。
【0165】
また、S801において、頻度モードが「高頻度」に設定されていると判別された場合にはS803に進み、通過チャッカオン記憶数が「10」になっているか否かが判別される。すなわち、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、通過チャッカオン記憶数は最大値である「10」となっているため、その最大値よりも通過チャッカオン記憶数が小さくなっているか否かが判別される。
【0166】
S803において、通過チャッカオン記憶数が「10」であれば、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合においても、既に最大数の通過チャッカオン記憶数が記憶されているため通過チャッカスイッチ通過処理を終了する。また、S803において通過チャッカオン記憶数が10よりも小さければS804に進む。
【0167】
次に、S804において、通過チャッカオン記憶数に「1」を加算する。すなわち、通過ゲート19を遊技球が通過したため、その通過に対応する通過チャッカオン記憶数を「1」加算する。
【0168】
次に、S805においてランダムカウンタの値を抽出する。ここで必要となるランダムカウンタの値は、普通図柄表示装置18の表示結果を小当りにするか否かを決定するためのランダムカウンタの抽出値である。次に、S806において抽出したランダムカウンタの抽出値を普通図柄始動記憶領域に記憶する。
【0169】
図19は、第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。この第1の変形例における普通図柄変動処理は、図12のS605に示すプロセスにおいて行なわれる処理である。第1の変形例における普通図柄変動処理においては、まず、S811において、頻度モードが高頻度に設定されているか否かが判断される。S811において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければS813に進み、普通図柄(普図)変動時間タイマTSに通常時間をセットする。一方、S811において、頻度モードが「高頻度」に設定されていないと判断された場合にはS812に進み、普図変動時間タイマTSに短縮時間を設定する。
【0170】
この普図変動時間タイマTSは、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を計時するためのタイマである。普図変動時間タイマTSに設定される短縮時間は、通常時間に比較して短い時間である。たとえば、通常時間を5秒、短縮時間を1秒とする。したがって、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果を停止表示するまでの時間が、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合の方が頻度モードが「通常頻度」に設定されている場合に比べて短くなる。
【0171】
次に、S814においては、普通図柄変動開始コマンドをセットする。この普通図柄変動開始コマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。その結果、演出制御部14の表示制御部においては、普通図柄の変動を開始させる制御を行なう。次に、S815に進みプロセスフラグを「03H」にする。その後普通図柄変動処理を終了する。
【0172】
以上説明したように、第1の変形例におけるパチンコ遊技機においては、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間が短縮され、いわゆる時短表示される。このため、所定の時間内に普通図柄表示装置18の表示結果が小当りの表示態様(右図柄と左図柄とが同じ図柄)となる頻度が向上する。これにより、電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増し、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させるとともに、特別図柄表示装置4の表示結果の導出頻度を向上させることができる。
【0173】
なお、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率、および普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから停止図柄が表示されるまでの時間を短縮するのが望ましい。
【0174】
また、高頻度の頻度モードである場合には、通過ゲート19を遊技球が通過することにより抽出される乱数を記憶する普図用乱数記憶領域に記憶可能な始動記憶数の上限が増加するので、通過ゲート19を通過した遊技球が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0175】
なお、第1の変形例におけるパチンコ遊技機においては、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた所定の表示態様(右図柄と左図柄とが同じとなる表示態様)となる確率を高確率とすることなく、通常頻度の頻度モードにおける確率と同じにすることができる。この場合には、図14に示した普通図柄通常処理が変更される。
【0176】
この場合においては、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を短縮するのが望ましい。
【0177】
図20は、別の普通図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。この別の普通図柄通常処理は、図12のS603において行なわれる処理である。別の普通図柄通常処理においては、まず、S821において、通過チャッカオン記憶があるか否かの判断が行なわれ、普通図柄始動記憶領域に通過チャッカオン記憶がない場合には、普通図柄通常処理を終了する。
【0178】
また、S821において、通過チャッカオン記憶があればS822に進み、普通図柄始動記憶領域1のランダムカウンタの値を読出す。このランダムカウンタの値とは、小当りか否かを決定するために用いられる。そしてこのランダムカウンタ後は、遊技球が通過チャッカを通過することに伴って抽出され、普図用乱数記憶領域に記憶された値である。
【0179】
次に、S823において、小当りか否かを判定するために用いる基準となる判定データを「1」に設定する。
【0180】
そして、S824において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが同一であるか否かが判断される。ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければS826に進むが、ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS825に進む。
【0181】
S825では、普図用抽選フラグに「当り」が設定される。一方、S826では、普図用抽選フラグに「ハズレ」が設定される。この普図用抽選フラグが「ハズレ」の値であることを、小当りか否かを決定するための判定において、「当り」ではない「ハズレ」であることが決定されたことを意味する。
【0182】
S827では、プロセスフラグを「01H」に設定し、別の普通図柄通常処理を終了する。
【0183】
このように、第1の変形例におけるパチンコ遊技機において、高頻度の頻度モードにあるときには、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた所定の表示態様(右図柄と左図柄とが同じとなる表示態様)となる確率を高確率とすることなく、通常頻度の頻度モードにおける確率と同じにすることによっても、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間が短縮されることによって、所定の時間内に普通図柄表示装置18の表示結果が小当りの表示態様(右図柄と左図柄とが同じ図柄)となる頻度が向上する。電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増すと、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加し、払出される玉が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させることができる。
【0184】
この場合において、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を短縮するのが望ましい。
【0185】
<第2の変形例>
上述したパチンコ遊技機1では、高頻度の頻度モードでの遊技状態が終了する条件を、次に特別図柄表示装置4の表示結果が大当りとなることとした。第2の変形例におけるパチンコ遊技機1では、高頻度の頻度モードでの遊技状態が終了する条件を、普通図柄表示装置18の表示結果が停止表示される回数が、高頻度の頻度モードでの遊技状態が開始してから予め定められた所定の回数となることとしたものである。
【0186】
このため、上述したパチンコ遊技機1の特別図柄停止図柄設定処理および普通図柄停止処理が変更される。
【0187】
図21は、第2の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される特別図柄停止図柄設定処理を説明するためのフローチャートである。この第2の変形例における特別図柄停止図柄設定処理は、図5のS305において行なわれる処理である。この第2の変形例における特別図柄停止図柄設定処理は、図8に示した特別図柄停止図柄設定処理のS509およびS510の処理を削除した流れとなっている。その他の処理はすべて同じであり、S501〜S508の処理がS901〜S908の処理にそれぞれ対応する。
【0188】
したがって、第2の変形例におけるパチンコ遊技機においては、特別図柄停止図柄設定処理が実行されることによっては、頻度向上フラグがクリアされないことになる。
【0189】
図22は、第2の変形例におけるパチンコ遊技機1で実行される普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。第2の変形例における普通図柄停止処理は、図12のS606において行なわれる処理である。普通図柄停止処理においては、まず、S921において、普図用変動時間タイマTSが終了しているか否かが判断される。普図用変動時間タイマTSが終了していなければ普通図柄停止処理を終了するが、S921において普図用変動時間帯間TSが終了していればS922へ進む。
【0190】
S922においては、普通図柄停止コマンドをセットする。普通図柄停止コマンドは遊技制御部11から演出制御部14に送信されるコマンドである。それにより、普通図柄停止コマンドを受信した演出制御部14では、普通図柄表示装置18の表示結果を停止表示するための処理が行なわれる。
【0191】
次に、S923において、頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグがセットされている場合にはS924に進み、セットされていない場合にはS925に進む。S924では、頻度モードを高頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。そしてS925で、普通図柄表示装置18で可変表示を開始してから表示結果を導出表示した回数をカウントする普図カウンタの値に1が加算される。
【0192】
次のS926では、普図カウンタの値が予め定められた値Nに一致するか否かが判断される。値Nは、たとえば、確率モードが低確率時におけるベースを所定の値、たとえば1または1.2となるように定められる。普図カウンタの値がNに一致する場合には、S927において頻度向上フラグがクリアされる。これにより、第2の変形例におけるパチンコ遊技機1の遊技状態が、通常頻度の頻度モードとなる。
【0193】
一方、S928では、頻度モードを通常頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機の遊技状態が通常頻度の頻度モードとなる。そして、S929で普図カウンタに「0」が設定される。これにより、パチンコ遊技機1が次に高頻度の頻度モードになった場合に、普通図柄表示装置18の表示結果を導出表示する回数が「0」からカウントされることになる。
【0194】
そして、S930では、プロセスフラグを「00H」にして普通図柄停止処理を終了する。
【0195】
以上説明したように第2の変形例におけるパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにあるときであって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特別の表示態様(77)となったときに、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた回数Nだけ導出表示されるまで、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。
【0196】
そして、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率が向上する。電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増すと、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加し、払出される玉が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させるとともに、特別図柄表示装置4の表示結果の導出頻度を向上させることができる。
【0197】
なお、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように予め定められた回数Nを設定するのが望ましい。
【0198】
また、第2の変形例と第3の変形例とを組合せたパチンコ遊技機としてもよい。
【0199】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】遊技制御部におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図5】CPUが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1種始動口スイッチ通過処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】特別図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】特別図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】特別図柄変動処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】特別図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】大当り終了処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】CPUが実行する普通図柄プログラム処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図13】通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】普通図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】普通図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】別の普通図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】第2の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される特別図柄停止図柄設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】第2の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技用枠、4 特別図柄表示装置、5電動チューリップ型役物、6 特別図柄始動口、7 大入賞口、7a 大入賞口扉、8L,8R スピーカ、9 ランプ・LED、10 電源部、11 遊技制御部、12 入力部、12a 始動口スイッチ、12b ゲートスイッチ、12c 特定領域スイッチ、12d カウントスイッチ、12e 入賞口スイッチ、13 出力部、13a 普通電動役物ソレノイド、13b 大入賞口内誘導板ソレノイド、13c 大入賞口扉ソレノイド、14 演出制御部、15 払出制御部、16 盤用外部端子板、17 枠用外部端子板、18 普通図柄表示装置、19 通過ゲート。
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば、パチンコ遊技機で代表される遊技機に関する。詳しくは、表示状態が変化可能な特別可変表示装置を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったことを条件として遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御可能となる遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技機において、従来から一般的に知られているものに、たとえば、表示状態が変化可能な普通可変表示装置が備えられ、その普通可変表示装置の表示結果が所定の表示態様となったことを条件として普通可変入賞球装置が遊技者にとって不利な第2の状態から遊技者にとって有利な第1の状態となり、その普通可変入賞球装置で構成されている特別始動領域へ遊技球が進入したときに、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示が行なわれるように構成されたものがあった。
【0003】
一方、この種の従来の遊技機においては、特別可変表示装置における特定の表示態様が複数種類定められており、その複数種類の特定の表示態様のうちの予め定められた特別の表示態様となったとこを条件として、普通可変表示装置の表示結果が前記所定の表示態様となる確率を向上させたり、普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮したりして、普通可変表示装置の表示結果が前記所定の表示態様となる頻度を向上した頻度向上状態に制御されるように構成されていた。そして、特別可変表示装置の表示結果が前記特別の表示態様となった場合には、特定遊技状態(大当たり状態)が発生するばかりでなく当該特定遊技状態の終了後特定遊技状態の発生確率が向上した確率変動状態となるように制御されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の遊技機が、このような構成を有していたために、前述した頻度向上状態の発生は、確率変動状態の発生を伴う特定遊技状態の発生を条件とすることとなる。その結果、確率変動状態以外の通常確率時におけるベースの値がもっぱら釘調整等の遊技場における調整作業に頼ることとなっていた。ここに、ベースとは、特定遊技状態時を除いた通常状態時においての、払出景品玉を打込玉で除した値のことである。
【0005】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、通常確率時におけるベースの値を向上させることができる遊技機を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
(1) 表示状態が変化可能な特別可変表示装置(特別図柄表示装置4)を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様(たとえば「777」)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当たり状態)となる遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
表示状態が変化可能な普通可変表示装置(普通図柄表示装置18)と、
遊技者にとって有利な第1の状態(開状態)と遊技者にとって不利な第2の状態(閉状態)とに変化可能であり、前記普通可変表示装置の表示結果が予め複数種類定められた所定の表示態様のうちのいずれか(たとえば同じ図柄の組合せ)になったときに第1の状態となる普通可変入賞球装置(電動チューリップ型役物5)により構成された特別始動領域(特別図柄始動口6)と、
該特別始動領域に遊技玉が進入したときに前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう特別可変表示制御手段(遊技制御部11および演出制御部14)と、
前記特別可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御する高確率状態制御手段(遊技制御部11、図8のステップS508)と、
前記高確率状態以外の通常確率状態時に、前記普通可変表示装置の表示結果が前記複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様(たとえば「77」)となったときに、次回の前記特定遊技状態が発生するまで(図8のステップS501でYES、かつ、ステップ509でYES)前記普通可変入賞球装置が前記第1の状態となる頻度を向上させた頻度向上状態に制御する頻度向上制御手段(遊技制御部11、図14の普通図柄通常処理、図16の普通図柄変動処理、図17のステップS754)とを含むことを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、高確率状態以外の通常確率状態時に、普通可変表示装置の表示結果が複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、次回の特定遊技状態が発生するまで普通可変入賞球装置が第1の状態となる頻度が向上するため、通常確率状態時におけるベースの値および特別可変表示装置の表示結果の導出頻度を向上させることのできる遊技機を提供することができる。
【0008】
(2) 表示状態が変化可能な特別可変表示装置を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定の遊技状態となる遊技機であって、
表示状態が変化可能な普通可変表示装置と、
遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能であり、前記普通可変表示装置の表示結果が予め複数種類定められた所定の表示態様のうちのいずれかになったときに第1の状態となる普通可変入賞球装置により構成された特別始動領域と、
該特別始動領域に遊技玉が進入したときに前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう特別可変表示制御手段と、
前記特別可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記高確率状態以外の通常確率状態時に、前記普通可変表示装置の表示結果が前記複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、前記普通可変表示装置の表示結果が所定回数導出表示されるまで(図22のステップS826でYES)前記普通可変入賞球装置が前記第1の状態となる頻度を向上させた頻度向上状態に制御する頻度向上制御手段(図2の遊技制御部11、図14の普通図柄通常処理、図16の普通図柄変動処理、図17のステップS754)とを含むことを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、高確率状態以外の通常確率状態時に、普通可変表示装置の表示結果が複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、普通可変表示装置の表示結果が所定回数導出表示されるまで普通可変入賞球装置が第1の状態となる頻度が向上するため、通常確率状態時におけるベースの値および特別可変表示装置の表示結果の導出頻度を向上させることのできる遊技機を提供することができる。
【0010】
(3) 前記特別始動領域に進入した遊技玉を始動記憶上限数の範囲内で記憶する特別始動記憶手段(遊技制御部11のRAMの特別図柄始動記憶領域)をさらに含み、
前記特別可変表示制御手段は、前記特別始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行ない、
前記特別始動記憶手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミング(図17のS754、頻度モードが高頻度に設定されるタイミング)で前記始動記憶数の上限を増加させ(遊技制御部11、図6のステップS351〜ステップS356)、
前記特別可変表示制御手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、前記所定のタイミングで、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮する(図9のステップS552)ことを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミングで特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間が短縮されるので、所定の時間内に特別可変表示装置の表示結果が導出表示される頻度が向上する。その結果、通常確率状態時における特別可変表示装置の稼動率を向上させることができ、遊技者が特定遊技状態になるかもしれないという期待感を得る頻度を増加させることができる。また、特別始動領域へ進入した遊技玉が始動記憶上限数の範囲内で記憶され、所定のタイミングで始動記憶数の上限が増加するので、特別始動領域へ進入した遊技玉が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0012】
(4) 遊技玉が進入可能な普通始動領域(通過ゲート19)と、
該普通始動領域へ進入した遊技玉を始動記憶上限数の範囲内で記憶する普通始動記憶手段(遊技制御部11のRAMの普通図柄始動記憶領域)と、
該普通始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて前記普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう普通可変表示制御手段(遊技制御部11および演出制御部14)をさらに含み、
前記普通始動記憶手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミング(図17のS754、頻度モードが高頻度に設定されるタイミング)で前記始動記憶数の上限を増加し(図18のステップS803〜ステップS706)、
前記普通可変表示制御手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、前記所定のタイミングで、前記普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮する(図19のステップS812)ことを特徴とする。
【0013】
このような構成によれば、頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミングで、普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間が短縮するので、所定の時間内に普通可変表示装置の表示結果が所定の表示態様となる頻度が向上する。その結果、普通可変入賞球装置が遊技者にとって有利な第1の状態となる頻度が向上する。このため、通常確率時におけるベースの値を確実に向上させることができる。また、普通始動領域へ進入した遊技玉が始動記憶上限数の範囲内で記憶され、所定のタイミングで始動記憶数の上限が増加するので、普通始動領域へ進入した遊技玉が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。
【0015】
本実施の形態における遊技機としては、LCD等からなる画像表示装置(可変表示装置)により特図ゲームを行なう遊技機であり、プリペードカードによって玉貸を行なうカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ機を例にとって説明する。また、パチンコ遊技機等の弾球遊技機であっても、プリペードカード(将来的にはICコイン等も含む価値媒体)によって玉貸を行なうCR式パチンコ遊技機だけでなく、現金によって玉貸を行なうパチンコ遊技機にも適用可能である。すなわち、LCD等からなる画像表示装置を有する遊技機であれば、どのような形態のものであってもかまわない。
【0016】
図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ板)2と、遊技盤2を支持固定する遊技用枠(台枠)3とから構成されている。
【0017】
遊技盤2にはガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されており、遊技領域のほぼ中央位置には、特別図柄表示装置(可変表示装置)4が設けられている。特別図柄表示装置4の上部には、普通図柄を表示するための普通図柄表示装置18が設けられている。普通図柄表示装置18は、左右1対の7セグメント表示器である。
【0018】
なお、特別図柄表示装置4は、複数の可変表示部で特別図柄(識別情報)を個々に可変表示し、複数の可変表示部に設定される有効ライン上に特別図柄が同一図柄で揃った場合を大当りとする。
【0019】
特別図柄表示装置4の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)6と、大当り発生(特定遊技状態の発生)にときにソレノイド等を駆動することで開放動作を行なう大入賞口(第1種特別電動役物)7とが上下に並んで配設されている。
【0020】
電動チューリップ型役物5は、普通図柄表示装置18の2つの7セグメント表示器の表示結果がたとえば同じ数字となった場合に所定の時間開成し、特別図柄始動口6に遊技球が進入しやすい遊技者にとって有利な状態(開状態)となる。電動チューリップ型役物5が、閉じた状態にある場合には、開状態にある場合に比べて、特別図柄始動口6に遊技球が進入しにくい遊技者にとって不利な状態(閉状態)となる。
【0021】
大入賞口7は、特別図柄始動口6への入賞タイミングに基づいて特図ゲームが行なわれた結果、大当りとなった場合に前面に設けられた大入賞口扉7aの開放動作を行なう。
【0022】
特別図柄始動口6の左の側方位置には、通過ゲート19が配設されている。通過ゲート19は、打玉の通過に伴って普通図柄表示装置18の変動開始(普図ゲーム)を許可する。また、遊技用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられている。さらには、遊技領域内および遊技領域周辺部には、光装飾用のランプ・LED9が設けられている。
【0023】
図2は、遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、主として電源部(電源基板)10と、遊技制御部(主基板)11と、入力部12と、出力部13と、演出制御部(演出制御基板)14と、払出制御部(払出制御基板)15と、盤用外部端子板16と、枠用外部端子板17とを供えている。
【0024】
電源部10は、パチンコ遊技機1内の各回路に所定の電源電圧を供給するものである。遊技制御部11は、遊技制御基板内に設けられた各種回路から構成されており、特図ゲームにおいて用いる乱数の生成機能、入力部12を介して信号の入力を行なう機能、出力部13を介して信号の出力を行なう機能、演出制御部14および払出制御部15に対し、それぞれ制御コマンド信号を出力する機能、ホールの管理コンピュータに対し、各種情報を出力する機能を備えている。
【0025】
入力部12は、始動口スイッチ12a、ゲートスイッチ12b、特定領域スイッチ12c、カウントスイッチ12d、入賞口スイッチ12e等から構成され、遊技球の検出を行なうようになっている。出力部13は、普通電動役物ソレノイド13a、大入賞口内誘導板ソレノイド13b、大入賞口扉ソレノイド13c等から構成され、役物の開閉動作を行なうようになっている。
【0026】
演出制御部14は、遊技制御部11から送信される制御コマンド信号に基づいて、特図ゲームにおける特図表示制御、普図ゲームにおける普図表示制御(表示制御部による制御)、音声出力制御(音声制御部による制御)、ランプ表示制御(ランプ制御部による制御)を、それぞれ遊技制御部11とは独立して実行するものである。
【0027】
払出制御部15は、遊技玉の貸出や賞球等の払出制御を行なうものである。盤用外部端子板16および枠用外部端子板17は、各種遊技関連情報を外部に出力するためのものである。
【0028】
ここで、特別図柄表示装置4上に表示される特別図柄の仮停止タイミングや変動時間等は、後述する変動パターン指定コマンドに従って一意に定まっている。すなわち、演出制御部14は、変動パターン指定コマンドを受取ったタイミングから、特別図柄表示装置4上における特別図柄の変動、スピーカ8L,8Rからの音声出力およびランプ・LED9の明滅表示が連動して行なわれるように制御を行なっている。
【0029】
次に、本実施の形態の動作(作用)を説明する。
まず、本実施の形態のパチンコ遊技機における遊技の流れの概略について説明する。パチンコ遊技機1の右下位置に設けられたハンドルを操作することにより、遊技領域中に遊技球が発射される。遊技制御部11では、入力部12を構成する始動口スイッチ12a等の入力の有無を監視しており、遊技球が特別図柄始動口6に入賞した場合、始動口スイッチ12aにおいて遊技球の入賞が検出される。また、特別図柄始動口6への遊技球の入賞が検出された場合、入賞した遊技球の数(始動記憶数)、入賞時の乱数の抽選値が、遊技制御部11に設けられたRAMの特別図柄始動記憶領域および特別図柄判定バンクにそれぞれ保管される。そして、保管されたデータに基づいて、特別図柄表示装置4において特図ゲームを開始する。
【0030】
また、遊技制御部11では、遊技球が通過ゲート19を通過した場合、ゲートスイッチ12bにおいて遊技球の通過が検出される。通過ゲート19を遊技球が通過したことが検出された場合、通過した遊技球の数、通過時の乱数の抽選値が、遊技制御部11に設けられたRAMの普通図柄始動記憶領域および普通図柄判定バンクにそれぞれ保管される。そして、保管されたデータに基づいて、普通図柄表示装置18において普図ゲームを開始する。
【0031】
図3は、遊技制御部11におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対する電源が投入されると、メイン処理おいて、CPUは、必要な初期設定処理を行う。
【0032】
初期設定処理において、CPUは、まず、割込み禁止に設定する(ステップS101:以下、単にS101と記す)。次に、割込みモードを割込みモード2に設定し(S102)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S103)。そして、内蔵デバイスレジスタの初期化を行う(S104)。また、内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化を行った後(S105)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S106)。
【0033】
この実施形態で用いられているCPUには、マスク可能な割込み(INT)のモードとして以下の3種類のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込みが発生すると、CPUは、自動的に割込み禁止状態に設定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタックにセーブする。
【0034】
割込みモード0:割込み要求を行った内蔵デバイスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よって、CPUは、RST命令に対応したアドレスまたはCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行する。リセット時に、CPUは自動的に割込みモード0になる。よって、割込みモード1または割込みモード2に設定したい場合には、初期設定処理において、割込みモード1または割込みモード2に設定するための処理を行う必要がある。
【0035】
割込みモード1:割込みが受け付けられると、常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0036】
割込みモード2:CPUの特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込みベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込み番地を示すモードである。すなわち、割込み番地は、上位アドレスが特定レジスタの値とされ、下位アドレスが割込みベクタとされた2バイトで示されるアドレスである。従って、飛び飛びではあるが任意の偶数番地に割込み処理を設けることができる。各内蔵デバイスは割込み要求を行うときに割込みベクタを送出する機能を有している。
【0037】
よって、割込みモード2に設定されると、各内蔵デバイスからの割込み要求を容易に処理することが可能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込み処理を設けることが可能になる。さらに、割込みモード1とは異なり、割込み発生要因毎のそれぞれの割込み処理を用意しておくことも容易である。上述したように、この実施形態では、初期設定処理のS102において、CPUは割込みモード2に設定される。
【0038】
次に、遊技機に設けられているクリアスイッチがオン状態であるか否かを判別する(S107)。クリアスイッチがオン状態である場合(S107;Yes)、後述するS110に移行する一方、クリアスイッチがオン状態でない場合(S107;No)、電源断時にバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えば、パリティデータの付加等)が行われたか否かを確認する(S108)。
【0039】
この実施形態では、不測の電源断が生じた場合には、バックアップRAM領域のデータを保護するための処理が行われている。そのような保護処理が行われていた場合をバックアップありとする。すなわち、バックアップなしを確認したら、CPUはS110以降の初期化処理を実行する。
【0040】
バックアップありを確認したら、CPUは、遊技制御部11の内部状態と演出制御部14等の電気部品制御手段の制御状態とを電源断の状態に戻すための遊技状態復旧処理を行う(S109)。そして、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の退避値がPCに再設定され、そのアドレスに復帰する。
【0041】
初期化処理では、CPUは、まず、RAMクリア処理を行う(S110)。また、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バッファ、払出コマンド格納ポインタ等)に初期値を設定する初期値設定処理も行われる。
【0042】
さらに、サブ基板(図柄制御基板、音声制御基板、ランプ制御基板、払出制御基板等)を初期化するための処理を実行する(S111)。サブ基板を初期化する処理としては、例えば、初期設定コマンドを送出する処理を行い、初期設定コマンドとして、払出可能状態の場合に払出制御部15に出力される払出可能状態指定コマンドまたは払出不能状態の場合に払出停止状態指定コマンド等を送出する。払出不能状態として、例えば、球切れスイッチまたは満タンスイッチ(共に図示せず)がオンしていた状態がある。
【0043】
すなわち、CPUは、球切れスイッチまたは満タンスイッチをオンしていたら払出制御部15に払出停止状態指定コマンドを送出し、そうでなければ、払出可能状態指定コマンドを送出する。なお、払出可能状態指定コマンドまたは払出停止状態指定コマンドは、S109の遊技状態復旧処理においても実行されるように構成してもよい。
【0044】
そして、2ms毎に定期的にタイマ割込みがかかるように、CPUに設けられているCTCのレジスタの設定が行われる(S112)。すなわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
【0045】
その後、割込み禁止状態に設定(S113)した後に、表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する表示図柄乱数更新処理(S114)及び初期値決定用乱数更新処理(S115)を実行し、その後、割込み許可状態に設定する処理(S116)が繰り返し実行される。
【0046】
なお、割込み禁止は、割込み禁止命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを禁止に設定したり、マスクレジスタをセットすることによって実現され、割込み許可は、割込み許可命令を発行したり、割込み禁止用のレジスタを許可に設定したり、マスクレジスタをリセットすることによって実現される。また、初期値決定用乱数とは、大当り判定用乱数の初期値を決定するための乱数である。
【0047】
表示図柄乱数更新処理(S114)及び初期値決定用乱数更新処理(S115)におけるカウンタのカウンタ更新処理(数値更新処理)は、割込み禁止状態で実行される。従って、数値更新処理が実行されているときに、タイマ割込み等のマスク可能割込みがかかることはない。すなわち、数値更新処理は、割込み処理によって中断されることなく実行される。
【0048】
この実施形態では、CPUの内蔵CTCが繰り返しタイマ割込みを発生するように設定される。この実施形態では、繰り返し周期は2msに設定される。そして、タイマ割込みが発生すると、図4に例示するようなタイマ割込み処理が実行される。
【0049】
図4は、タイマ割込み処理を示すフローチャートである。タイマ割込み処理では、CPUは、レジスタの退避処理を実行した後、S202〜S214の各遊技制御処理を実行する。
【0050】
遊技制御処理において、CPUは、まず、入力部12を介して、始動口スイッチ12a、ゲートスイッチ12b、特定領域スイッチ12c、カウントスイッチ12dおよび入賞口スイッチ12eのスイッチの状態を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S202)。
【0051】
次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる(エラー処理:S203)。
【0052】
次に、遊技制御に用いられる大当り判定用の乱数等の各判定用乱数を示す各カウンタを更新する乱数更新処理を行う(S204)。なお、この乱数更新処理では、大当り時に特別図柄表示装置4へ導出表示する図柄を決定するための大当り図柄用乱数の更新処理も行う。CPUは、さらに、初期値決定用乱数更新処理(S205)と表示図柄乱数更新処理(S206)とを行う。なお、S205及びS206の処理の内容は、S115及びS114の処理と同じである。
【0053】
さらに、CPUは、詳細を後述する特別図柄プロセス処理を行う(S207)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。
【0054】
そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。また、CPUは、詳細を後述する普通図柄プロセス処理を行う(S208)。普通図柄プロセス処理では、左右一対の7セグメント表示器で構成される普通図柄表示装置18を所定態様で制御するために、普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0055】
次いで、CPUは、特別図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマンド制御処理:S209)。また、普通図柄に関する表示制御コマンドをRAMの所定の領域に設定して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄コマンド制御処理:S210)。
【0056】
さらに、CPUは、例えば、ホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報、頻度モード等のデータを出力する情報出力処理を行う(S211)。
【0057】
また、CPUは、所定の条件が成立したときにソレノイド回路(図示せず)に駆動指令を行う(S212)。ソレノイド回路は、駆動指令に応じて普通電動役物ソレノイド13a、大入賞口扉ソレノイド13cを駆動し、電動チューリップ型役物5または大入賞口7を開状態または閉状態とする。
【0058】
そして、CPUは、各入賞口への入賞を検出するためのスイッチの検出出力に基づいて賞球数の設定等を行う賞球処理を実行する(S213)。具体的には、入賞検出に応じて払出制御部15に払出制御コマンドを出力する。払出制御部15に搭載されている払出制御用CPU(図示せず)は、払出制御コマンドに応じて球払出装置(図示せず)を駆動する。次に、賞球データなどの種々のデータを記憶する記憶処理を実行する(S214)。遊技制御処理が完了したら、レジスタの復帰処理を行い(S215)、割込み許可状態にする(S216)。
【0059】
以上の制御を行う遊技制御処理は、この実施形態では2ms毎に起動される。また、遊技制御処理の全てが実行されるまでは、割込み許可状態とはされないので、他の割込みまたは次回のタイマ割込みが発生することはなく、遊技制御処理中の全ての各処理が確実に実行完了する。
【0060】
図5は、CPUが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図5に示す特別図柄プロセス処理は、図4のフローチャートにおけるS207の具体的な処理である。CPUは、特別図柄プロセス処理を行う際に、変動短縮タイマ減算処理を行う(S301)。
【0061】
次に、特別図柄始動口6のスイッチ(第1種始動口スイッチ)がオン状態であるか否かを判別する(S302)。第1種始動口スイッチがオン状態である場合(S302;Yes)、始動記憶数が上限値でなければ、始動記憶数を+1するとともに大当り判定用乱数等を抽出する第1種始動口スイッチ通過処理(S303)を行う。始動記憶数は、遊技制御部11が備えるRAMの特別図柄始動記憶領域に記憶される。
【0062】
一方、第一種始動口スイッチがオン状態でない場合(S302;No)、S303の処理を行わずにそのまま、内部状態(特図フラグ情報)に応じて、S304〜S312のうちいずれかの処理を行う。なお、始動入賞時に記憶された記憶情報が所定時間経過した後に特図ゲームに使用された場合、当該特図ゲームにおいて変動時間を短縮するか否かを決定するが、その所定時間を計測するためのタイマが変動短縮タイマである。また、特図フラグ情報の値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0063】
特図フラグ情報の値が“00H”のとき、特図ゲームにおいて抽選した乱数値が大当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「特別図柄通常処理」を実行する(S304)。
【0064】
特図フラグ情報の値が“01H”のとき、特別図柄表示装置4上で行われる特図ゲームにおける停止図柄を設定する「特別図柄停止図柄設定処理」を実行する(S305)。なお、この特別図柄停止図柄設定処理では、前記特別図柄通常処理で判定された大当りに関する情報に基づいて停止図柄を決定する。具体的には、ハズレが決定された場合は表示図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定し、大当りが決定された場合は大当り図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定する。
【0065】
特図フラグ情報の値が“02H”のとき、特別図柄表示装置4上で行われる特図ゲームの図柄の可変表示態様を設定する「変動パターン設定処理」を実行する(S306)。なお、この変動パターン設定処理では、前記特別図柄停止図柄設定処理で決定された停止図柄に基づいて可変表示態様を決定する。
【0066】
特図フラグ情報の値が“03H”のとき、特別図柄表示装置4において特図ゲームにおける変動処理を行う「特別図柄変動処理」を実行する(S307)。なお、この特別図柄変動処理では、前記変動パターン設定処理で決定された可変表示態様毎に設定された演出時間の期間中、特図ゲームにおける変動処理を行う。また、このようなS307の処理を行うタイミングがコマンド送信手段によるコマンドデータの送信タイミングとなる。
【0067】
特図フラグ情報の値が“04H”のとき、特別図柄の停止表示後の処理を行う「特別図柄停止処理」を実行する(S308)。なお、この特別図柄停止処理では、図柄停止表示後のパチンコ遊技機1の動作を設定する。具体的には、大当りであれば、大当り演出を行う設定を行った後に以下に示す特図フラグ“05H”へ移行する処理を行う。一方、ハズレであれば、次回の図柄の可変表示を行うため、前記特図フラグ“00H”へ移行する処理を行う。
【0068】
特図フラグ情報の値が“05H”のとき、大当り動作のための初期化処理を行う「大入賞口開放前処理」を実行する(S309)。なお、この大入賞口開放前処理では、大当り前の動作に関する処理を行う。具体的には、大入賞口7を開放させるために大入賞口扉ソレノイド13cを駆動する処理を行い、表示制御部、音声制御部、及びランプ制御部へ大当りを演出するためのコマンドデータを送信する処理を行う。
【0069】
特図フラグ情報の値が“06H”のとき、大当り動作に関する様々な処理、及び1回当たりの大入賞口7の開放時間をチェックする「大入賞口開放中処理」を実行する(S310)。なお、この大入賞口開放中処理では、大当り中の動作に関する処理を行う。具体的には、大入賞口7への遊技球の入賞球数や特定領域の通過を監視すると共に、大入賞口7の開放時間を監視する。
【0070】
特図フラグ情報の値が“07H”のとき、特定領域スイッチへの遊技球の通過を監視し、特別図柄プロセスが終了したかどうかを判定する「特定領域有効時間処理」を実行する(S311)。なお、この特定領域有効時間処理では、大入賞口7の閉成後、所定時間内における特定領域の遊技球の通過を監視する。具体的には、大入賞口7の閉成直前に入賞した遊技球が特定領域を通過することによる処理を担保するための処理を行う。
【0071】
特図フラグ情報の値が“08H”のとき、特別図柄プロセスの終了かどうか判定し、終了ならばデモ表示(大当り中の画面)フラグのクリア、大当り時特別図柄のクリア、大当り終了表示のクリア、及び大当り中情報のクリアを行う「大当り終了処理」を実行する(S312)。なお、この大当り終了処理は、大当り終了か否かを判定する処理を行う。具体的には、最終ラウンドであるか否かを判定し、最終ラウンドでなければ次のラウンドへの継続条件を満たしているか否かを判定する。
【0072】
以上の結果、大当りが終了すると判定されると、デモ表示フラグ等のデータをクリアすると共に、確率変動条件を満たすものである場合(例えば、確変図柄で大当りした場合等)には、高確率状態へ移行するために確変フラグをセットし、特図フラグ“00H”をセットする。また、次のラウンドへの継続条件を満たしている場合には、次のラウンドにおける大入賞口7を開放するための処理を行うために特図フラグ“05H”をセットする処理を行う。
【0073】
なお、特別図柄プロセス処理において実行される各処理としては、前述した処理だけに限るものではなく、他の処理に置換したり、さらに他の処理を追加しても構わない。また、特図フラグ情報の値によって分岐される各処理の処理内容が複雑化して、タイマ割り込み時間内で処理を完了させることができない場合には、同一処理を複数追加するようにしてもよい。
【0074】
特図ゲームでは、遊技球が特別図柄始動口6を通過したとき、判定用乱数の値によって特別図柄の大当り、ハズレを判定する。判定の結果、大当りとなった場合には、大当り図柄用乱数の値に対応する特別図柄の組み合わせを特別図柄表示装置4に表示する。一方、ハズレとなった場合には、表示図柄用乱数の値に対応する特別図柄を表示する。
【0075】
図6は、第1種始動口スイッチ通過処理を説明するためのフローチャートである。この第1種始動口スイッチ通過処理は、図5のS303に示すプロセスにおいて行なわれる処理である。第1種始動口スイッチ通過処理においては、まず、S351において、頻度モードが「高頻度」に設定されているか否かが判別される。
【0076】
この頻度モードは、後述する普通図柄停止処理において設定される(図17のS754参照)。頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、特別図柄始動口6に対応して設けられた始動口スイッチ12aで検出された始動入賞に伴い大当たりか否かを判定するためのランダムカウンタの抽出値を記憶するための特別図柄用(特図用)乱数記憶領域(特別図柄判定バンク)に記憶可能な最大の始動記憶数が増大する。本実施の形態のにおいて、始動記憶数の最大数は4であるが、頻度モードが「高頻度」である場合には、始動記憶数の最大値は10になる。始動記憶数は、遊技制御部11が備えるRAMの特別図柄始動記憶領域に記憶される。
【0077】
S351において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければ、S352に進み、始動記憶数が4以上であるか否かが判別される。S352において、始動記憶数が4以上であれば、通常の始動記憶数が最大4である遊技状態において、既に始動記憶数が最大となっている。そのため、特別図柄始動口6への始動入賞があっても新たにランダムカウンタの抽出値を記憶することができない。したがって、第1種始動口スイッチ通過処理を終了する。
【0078】
また、S352において、始動記憶数が4よりも小さければ、すなわち、頻度モードが「高頻度」でなく「通常頻度」に設定されている場合において、始動記憶数が最大値の4になっていなければS354に進む。
【0079】
また、S351において、頻度モードが「高頻度」に設定されていると判別された場合にはS353に進み、始動記憶数が「10」になっているか否かが判別される。すなわち、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、始動記憶数の最大値が「10」となるため、その最大値よりも始動記憶数が小さいか否かが判別される。
【0080】
S353において、始動記憶数が「10」であれば、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合においても、既に始動記憶数が最大数となっているため、第1種始動口スイッチ通過処理を終了する。また、S353において、始動記憶数が10よりも小さければS354に進む。
【0081】
次に、S354において、始動記憶数に「1」を加算する。すなわち、特別図柄始動口6に遊技球が入賞したため、その入賞に対応して始動記憶数が「1」増加することになる。
【0082】
次に、S355において、ランダムカウンタの値を抽出する。ここで必要となるランダムカウンタの値は、特別図柄表示装置4の表示結果を大当りにするか否かを決定するためのランダムカウンタの抽出値である。次に、S356において、抽出したランダムカウンタの抽出値を特図用乱数記憶領域に記憶する。
【0083】
次に、図7に基づいて特別図柄通常処理を説明する。この特別図柄通常処理は、図5のS304において行なわれる処理である。特別図柄通常処理においては、まず、S403において、特別図柄始動記憶領域に始動記憶があるか否かの判断が行なわれ、特別図柄始動記憶領域に始動記憶がない場合には、特別図柄変動処理を終了する。
【0084】
また、S403において、始動記憶があれば、S405に進み、特別図柄始動記憶領域1のランダムカウンタの値を読出す。このランダムカウンタの値とは、大当りか否かを決定するために用いられるために始動入賞に伴って抽出された特図用乱数記憶領域に記憶されたランダムカウンタの値である。
【0085】
次に、S406において、大当りか否かを判定するために用いる基準となる判定データを「1」にする。また、判定回数は初回は「1」にする。
【0086】
次に、S407において、現在の遊技状態が高確率モードであるか否かが判別される。すなわち、確率変動状態になっているか否かが判別される。S407において、確率変動状態になっていなければS408に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが同一であるか否かが判別される。ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければ、S419に進むが、ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS418に進む。
【0087】
また、S407において、確率変動状態になっていると判定されれば、S409に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが判別される。ランダムカウンタ1の抽出値と判定データとが一致すれば、S418に進むが、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとの値が一致しなければS410に進む。
【0088】
S410においては判定回数に1を加算する。次に、S411において、判定回数が6回に達しているか否かが判別される。S411において、判定回数が6回になっていなければ判定データに1を加算(S412)してS409に戻り、再び判定を繰返すが、S411において判定回数が6回に達していなければS413に進む。S413においては、判定データを「18」に設定する。
【0089】
次に、S414において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが再び判定される。S414において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致すればS418に進み、抽選フラグの値を大当りであることを示す値にする。抽選フラグは、大当りにするか否かの判定の結果、「大当り」になったことまたは「ハズレ」になったことを示すフラグである。
【0090】
次に、S414において、ランダムカウンタ1の抽出値と基準となる判定データとが一致していなければ、S415に進み判定回数に1を加算する。次に、S416において判定回数が「11」になっているか否かが判別される。
【0091】
S416において、判定回数が「11」になっていなければS417に進み、判定データに1を加算する。そして、S414に戻り、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かの判定を繰返す。
【0092】
また、S416において、判定回数が「11」であれば、S419に進み、抽選フラグを「ハズレ」の値にする。この抽選フラグが「ハズレ」の値であることは、大当りか否かを決定するための判定において、「大当り」ではない、すなわち「ハズレ」であることが決定されたことを意味する。
【0093】
次に、S420に進み、プロセスフラグを01Hに設定し、特別図柄通常処理を終了する。プロセスフラグが01Hに設定されると、次に特別図柄プロセス処理が実行されるときには、図5に示すS305の特別図柄停止図柄設定処理が実行されることになる。
【0094】
S418では、抽選フラグに「当り」が設定される。その後、S420に進む。
【0095】
図8は、特別図柄停止図柄設定処理を説明するためのフローチャートである。この特別図柄停止図柄設定処理は、図5のS305において行なわれる処理である。特別図柄停止図柄設定処理においては、S501において、まず、抽選フラグが当りであるか否かが判別される。この抽選フラグは特別図柄表示装置4の表示結果が当りであるか否かを決定するためのフラグである。
【0096】
S501において、抽選フラグが当りでなければ、(すなわち「ハズレ」であれば)S502に進み、はずれ図柄決定処理を行なう。また、S501において、抽選フラグが当りであればS503に進み、ランダムカウンタの値を抽出する。このランダムカウンタは、特別図柄表示装置4に表示する図柄を決定するためのカウンタである。したがって、ランダムカウンタの抽出値に基づいて、図柄が決定される。S504において、抽出値に従って左図柄を決定する。
【0097】
次に、S505において、決定された左図柄と同じ図柄を右図柄および中図柄に設定する制御を行なう。そしてS506において、各図柄表示領域の停止図柄を特定するコマンドをセットする。このコマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。このコマンドを受信した演出制御部14では、そのコマンドの種類に応じた表示態様で特別図柄表示装置4に表示結果を導出表示する。すなわち、そのコマンドの種類に応じた大当り表示態様の演出が行なわれる。
【0098】
次に、ステップS505で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せか否かが判断される。予め定められた図柄の組合せとは、確率モードを高確率に設定するために定められた図柄の組合せであり、たとえば、奇数の図柄の組合せ、特定の文字または図柄の組合せである。
【0099】
ステップS505で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せと判断された場合にはS508に進み、そうでない場合にはS508をスキップしてS509に進む(S507)。S508では確率変動フラグをセットする。確率変動フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を高確率または低確率の確率モードであるかを示すフラグである。
【0100】
そして、後述する頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグは、図15のS738で設定されるフラグであり、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードに設定可能な状態であることを示すフラグである。頻度向上フラグがセットされている場合には頻度向上フラグをクリアする(S510)。これにより、抽選フラグによる大当りと判定された場合に頻度向上フラグがクリアされるので、高頻度の頻度モードでの遊技状態は、当りと判定されるまで継続されることになる。一方、頻度向上フラグがセットされていない場合には頻度モードは通常頻度なので、S510をスキップして処理を終了する。
【0101】
図9は、特別図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄変動処理は、図5のS307において行なわれる処理である。
【0102】
特別図柄変動処理においては、まず、S551において、頻度モードが「高頻度」に設定されているか否かが判断される。S551において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければS553に進み、特別図柄(特図)変動時間タイマTHに通常時間をセットする。一方、S551において、頻度モードが「高頻度」に設定されていないと判断された場合にはS552に進み、特図変動時間タイマTHに短縮時間をセットする。
【0103】
この特図変動時間タイマTHは、特別図柄表示装置4が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を計時するためのタイマである。特図変動時間タイマTHに設定されている短縮時間は、通常時間に比較して短い時間である。したがって、特別図柄表示装置4が可変表示を開始してから表示結果を停止表示するまでの時間が、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合の方が頻度モードが「通常頻度」に設定されている場合に比べて短くなる。
【0104】
次に、S554においては、特別図柄変動開始コマンドをセットする。この特別図柄変動開始コマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。その結果、演出制御部14の表示制御部においては、特別図柄の変動を開始させる制御を行なう。次に、S556に進み、プロセスフラグを「03H」にする。その後特別図柄変動処理を終了する。
【0105】
図10は、特別図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。特別図柄停止処理は、図5のS308において行なわれる処理である。特別図柄停止処理においては、まず、S561において、特図変動時間タイマTHが終了しているか否かが判別される。特図変動時間タイマTHが終了していなければ特別図柄停止処理は終了するが、S561において特図変動時間タイマTHが終了していればS562に進む。
【0106】
S562においては、特別図柄停止コマンドをセットする。特別図柄停止コマンドは遊技制御部11から演出制御部14に送信されるコマンドである。それにより、特別図柄停止コマンドを受信した演出制御部14では、特別図柄表示装置4の表示結果を停止表示するための処理が行なわれる。
【0107】
次に、S563において、頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグがセットされている場合にはS564に進み、セットされていない場合にはS564をスキップしてS565に進む。S564では、頻度モードを通常頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードから通常頻度の頻度モードに変更される。S565では、プロセスフラグを00Hにして特別図柄停止処理を終了する。
【0108】
図11は、大当り終了処理の流れを示すフローチャートである。大当り終了処理は、図5のS312で実行される処理である。図11を参照して、大当り終了処理では、確変フラグがセットされているか否かが判断される(S571)。確変フラグがセットされている場合にはS572に進み、セットされていない場合にはS574に進む。S572では、確率モードを高確率に設定し、S573に進む。S573では、確変フラグをクリアした後、処理を終了する。S574では、確率モードを低確率に設定した後、処理を終了する。
【0109】
したがって、パチンコ遊技機1の遊技状態が、高確率または低確率のいずれかの確率モードに変更されるのは、大当りの処理が終了した後である。
【0110】
図12は、CPUが実行する普通図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。図12に示す普通図柄プロセス処理は、図4のフローチャートにおけるS208の具体的な処理である。
【0111】
まず、通過ゲート19を通過した遊技球を検出するための通過チャッカスイッチ(ゲートスイッチ12)がオン状態であるか否かを判別する(S602)。通過チャッカスイッチ(ゲートスイッチ12)がオン状態である場合(S601;Yes)、通過チャッカオン記憶数(普通図柄始動記憶数)に1を加算するとともに小当り判定用乱数等を抽出する通過チャッカスイッチ通過処理(S602)を行う。通過チャッカオン記憶数は、遊技制御部11に設けられたRAMの普通図柄始動記憶領域に記憶される。抽出された小当り判定用乱数の抽出値は、遊技制御部11に設けられたRAMの普図用乱数記憶領域に記憶される。
【0112】
一方、通過チャッカスイッチ(ゲートスイッチ12)がオン状態でない場合(S601;No)、S602の処理を行わずにそのまま、内部状態(普図フラグ情報)に応じて、S603〜S609のうちいずれかの処理を行う。
【0113】
普図フラグ情報の値が“00H”のとき、普図ゲームにおいて抽選した乱数値が小当り値と一致するか否かを判定したり、それを外部に報知する処理等の通常の遊技状態における「普通図柄通常処理」を実行する(S603)。
【0114】
普図フラグ情報の値が“01H”のとき、普通図柄表示装置18(普通図柄)上で行われる普図ゲームにおける停止図柄を設定する「普通図柄停止図柄設定処理」を実行する(S604)。なお、この普通図柄停止図柄設定処理では、前記普通図柄通常処理で判定された小当りに関する情報に基づいて停止図柄を決定する。具体的には、ハズレが決定された場合は表示図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定し、小当りが決定された場合は小当り図柄用乱数からの所得値に基づいて停止図柄を決定する。
【0115】
普図フラグ情報の値が“02H”のとき、普通図柄表示装置18において普図ゲームにおける変動処理を行う「普通図柄変動処理」を実行する(S605)。なお、この普通図柄変動処理では、前記変動パターン設定処理で決定された可変表示態様毎に設定された演出時間の期間中、普図ゲームにおける変動処理を行う。また、このようなS605の処理を行うタイミングがコマンドデータの送信タイミングとなる。
【0116】
普図フラグ情報の値が“03H”のとき、普通図柄の停止表示後の処理を行う「普通図柄停止処理」を実行する(S606)。なお、この普通図柄停止処理では、図柄停止表示後のパチンコ遊技機1の動作を設定する。具体的には、小当りであれば、小当り演出を行う設定を行った後に以下に示す普図フラグ“04H”へ移行する処理を行う。一方、ハズレであれば、次回の図柄の可変表示を行うため、前記普図フラグ“00H”へ移行する処理を行う。
【0117】
普図フラグ情報の値が“04H”のとき、小当り動作のための初期化処理を行う「電動チューリップ開放前処理」を実行する(S607)。なお、この電動チューリップ開放前処理では、小当り前の動作に関する処理を行う。具体的には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を開放させるためにソレノイドを駆動する処理を行う。
【0118】
普図フラグ情報の値が“05H”のとき、小当り動作に関する様々な処理、及び1回当たりの電動チューリップ型役物(普通電動役物)5の開放時間をチェックする「電動チューリップ開放中処理」を実行する(S608)。なお、この電動チューリップ開放中処理では、小当り中の動作に関する処理を行う。具体的には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5への遊技球の入賞球数や特定領域の通過を監視すると共に、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5の開放時間を監視する。
【0119】
普図フラグ情報の値が“06H”のとき、普通図柄プロセスの終了かどうか判定し、終了ならば小当り終了表示のクリア、及び小当り中情報のクリアを行う「電動チューリップ開放終了処理」を実行する(S609)。なお、この電動チューリップ開放終了処理は、電動チューリップの開放状態を終了か否かを判定する処理を行う。具体的には、最終ラウンドであるか否かを判定し、最終ラウンドでなければ次のラウンドへの継続条件を満たしているか否かを判定する。
【0120】
以上の結果、電動チューリップの開放状態が終了すると判定されると、普図フラグ“00H”をセットする。また、次の小当りがあった場合には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)5を開放するための処理を行うために普図フラグ“04H”をセットする処理を行う。
【0121】
図13は、通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。この通過チャッカスイッチ通過処理は、図12のS602に示すプロセスにおいて行なわれる処理である。通過チャッカスイッチ通過処理においては、まず、S611において、通過チャッカオン記憶数が4以上であるか否かが判別される。通過チャッカオン記憶数は、遊技制御部11が備えるメモリの普通図柄始動記憶領域に記憶された値である。通過チャッカオン記憶数が4以上であれば、通常の通過チャッカオン記憶数が最大4である遊技状態において、既に最大の始動記憶数が普通図柄始動記憶領域に記憶されている。そのため、S352においては、通過ゲート19を遊技球が通過しても新たに通過チャッカオン記憶数を増加させることができない。したがって、通過チャッカスイッチ通過処理を終了する。
【0122】
また、S611において通過チャッカオン記憶数が4よりも小さければ、S612に進む。次に、S612において、通過チャッカオン記憶数に1を加算する。すなわち、通過ゲート19を遊技球が通過したため、その通過に対応して普通図柄始動記憶領域に記憶された通過チャッカオン記憶数を1加算する。
【0123】
次に、S613において、ランダムカウンタの値を抽出する。ここで必要となるランダムカウンタの値は、普通図柄表示装置18の表示結果を小当りにするか否かを決定するためのランダムカウンタの抽出値である。そして、次にS614において、抽出したランダムカウンタの抽出値を普図用乱数記憶領域に記憶する。
【0124】
次に、図14に基づいて普通図柄通常処理を説明する。この普通図柄通常処理は、図12のS603において行なわれる処理である。普通図柄通常処理においては、まず、S711において、通過チャッカオン記憶があるか否かの判断が行なわれ、普通図柄始動記憶領域に通過チャッカオン記憶がない場合には、普通図柄通常処理を終了する。
【0125】
また、S711において、通過チャッカオン記憶があれば、S712に進み、普通図柄始動記憶領域1に対応する普図用乱数記憶領域に記憶されたランダムカウンタの値を読出す。このランダムカウンタの値とは、小当りか否かを決定するために用いられるために通過チャッカへの遊技球の通過に伴って抽出され、普図用乱数記憶領域に記憶されたランダムカウンタの値である。
【0126】
次に、S713において、小当りか否かを判定するために用いる基準となる判定データを「1」にする。また、判定回数は最初は「1」にする。
【0127】
次に、S614において、パチンコ遊技機1の現在の遊技状態が、高頻度の頻度モードであるか否かが判別される。S714において、高頻度の頻度モードでなければS715に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが同一である否かが判別される。ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければS726に進むが、ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS725に進む。
【0128】
また、S714において、高頻度の頻度モードになっていると判定されれば、S716に進み、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが判別される。ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS725に進むが、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければS717に進む。
【0129】
S717において判定回数に1を加算する。次に、S718において、判定回数が6回に達しているか否かが判別される。S718において、判定回数が6回になっていなければ判定データに1を加算して(S719)、S716に戻り再び判定を繰り返すが、S718において判定回数が6回に達していなければ、S720に進む。S720においては、判定データを「18」にする。
【0130】
次に、S721において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かが再び判定される。S721において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致すればS725に進み、普図用抽選フラグの値を小当りであることを示す値にする。普図用抽選フラグは、小当りにするか否かの判定の結果、「当り」になったことまたは「はずれ」になったことを示すフラグである。
【0131】
次に、S721において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致していなければS722に進み、判定回数に1を加算する。次に、S723において判定回数が「11」になっているか否かが判定される。
【0132】
S723において、判定回数が「11」になっていなければS724に進み判定データに1を加算する。そして、S721に戻り、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致するか否かの判定を繰返す。
【0133】
また、S723において、判定回数が「11」であればS726に進み、普図用抽選フラグに「ハズレ」が設定される。この普図用抽選フラグが「ハズレ」の値であることは、小当りか否かを決定するための判定において「当り」ではない、すなわち「ハズレ」であることが決定されたことを意味する。
【0134】
一方、S725では、普図用抽選フラグに「当り」が設定される。その後、S727に進む。
【0135】
S727では、プロセスフラグを01Hに設定し、普通図柄通常処理を終了する。プロセスフラグが01Hに設定されると、次に普通図柄プロセス処理が実行されるときには、図12に示すS604の普通図柄停止図柄設定処理が実行されることになる。
【0136】
図15は、普通図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。この普通図柄停止図柄設定処理は、図12のS604において行なわれる処理である。普通図柄停止図柄設定処理においては、S731において、まず、普図用抽選フラグが当りであるか否かが判別される。この普図用抽選フラグが普通図柄表示装置18の表示結果が当りであるか否かを決定するためのフラグである。
【0137】
S731において、普図用抽選フラグが当りでなければ、すなわち「ハズレ」であればS739に進み、はずれ図柄決定処理を行なう。また、S731において、普図用抽選フラグが当りであればS732に進み、ランダムカウンタの値を抽出する。このランダムカウンタは、普通図柄表示装置18に表示する図柄を決定するためのカウンタである。したがって、ランダムカウンタの抽出値に基づいて図柄が決定される。S733において、ランダムカウンタの抽出値に従って左図柄を決定する。
【0138】
次に、S734において、決定された左図柄と同じ図柄を右図柄に設定する制御を行なう。次に、S735において、各図柄表示領域の停止図柄を特定するコマンドをセットする。このコマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。このコマンドを受信した演出制御部14では、そのコマンドの種類に応じた表示態様で普通図柄表示装置18に表示結果を導出表示する。
【0139】
次に、現在のパチンコ遊技機1の遊技状態が、高確率の確率モードか否かが判断される(S736)。高確率の確率モードの場合にはS737に進み、そうでない場合には普通図柄停止図柄設定処理を終了する。
【0140】
次に、ステップS734で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せか否かが判断される。予め定められた図柄の組合せとは、頻度モードを高頻度に設定するために定められた図柄の組合せであり、たとえば、「7」と「7」の図柄の組合せである。
【0141】
ステップS734で決定された停止図柄の組合せが、予め定められた図柄の組合せと判断された場合にはS738に進み、そうでない場合にはS738をスキップして普通図柄停止図柄設定処理を終了する。
【0142】
S738では、頻度向上フラグをセットする。頻度向上フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を高頻度の頻度モードとすることが可能な状態であることを示すフラグである。
【0143】
図16は、普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。普通図柄変動処理は、図12のS605において行なわれる処理である。
【0144】
普通図柄変動処理においては、まず、S741において、普図用変動時間タイマTSに通常時間をセットする。
【0145】
この普図用変動時間タイマTSは、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を計時するためのタイマである。普図用変動時間タイマTSに設定される通常時間は、予め設定された時間であり、たとえば5秒である。
【0146】
次に、S742においては、普通図柄変動開始コマンドをセットする。この普通図柄変動開始コマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。その結果、演出制御部14の表示制御部においては、普通図柄の変動を開始させる制御を行なう。次に、S743に進みプロセスフラグを03Hにする。その後普通図柄変動処理を終了する。
【0147】
図17は、普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。普通図柄停止処理は、図12のS606において行なわれる処理である。普通図柄停止処理においては、まず、S751において、普図用変動時間タイマTSが終了しているか否かが判別される。普図用変動時間タイマTSが終了していなければ普図停止処理を終了するが、S751において普図用変動時間タイマTSが終了していればS752に進む。
【0148】
S752においては、普通図柄停止コマンドをセットする。普通図柄停止コマンドは遊技制御部11から演出制御部14に送信されるコマンドである。それにより、普通図柄停止コマンドを受信した演出制御部14では、普通図柄表示装置18の表示結果を停止表示するための処理が行なわれる。
【0149】
次に、S753において、頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグがセットされている場合にはS754に進み、セットされていない場合にはS755に進む。S754では、頻度モードを高頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。一方、S755では、頻度モードを通常頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が通常頻度の頻度モードとなる。
【0150】
S756では、プロセスフラグを00Hにして普通図柄停止処理を終了する。以上説明したように本実施の形態におけるパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにある場合であって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となった場合に、次に特別図柄表示装置4の表示結果が大当りとなるまで、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。
【0151】
そして、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率が向上する。電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増すと、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加し、払出される玉が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させるとともに、特別図柄表示装置4の表示結果の導出頻度を向上させることができる。
【0152】
また、頻度向上状態の他の例としては、電動チューリップ型役物5が通常(頻度向上状態にないとき)は1回の開閉であるところを、複数回の開閉としたり、開放時間を延長する。さらに他の例として、電動テューリップ型役物5に入賞する遊技球の数を増加させる。たとえば通常は1個の遊技球が入賞するまで電動チューリップ型役物5の開閉を繰返すものを、5個の遊技球が入賞するまで電動チューリップ型役物5の開閉を繰返すようにする。この場合には、電動チューリップ型役物5は、電動チューリップ型役物に5個の遊技球が入賞するまで開状態を継続してもよく、電動チューリップ型役物5を開状態とした後遊技球が入賞する毎に閉状態とする動作を電動チューリップ型役物5に5個の遊技球が入賞するまで繰返すようにしてもよい。
【0153】
なお、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率を設定するのが望ましい。
【0154】
さらに、高頻度の頻度モードにある場合には、特別図柄表示装置4が可変表示を開始してから停止図柄が表示されるまでの時間が短縮され、いわゆる時短表示される。その結果、特別図柄表示装置4の稼動率を向上させることができ、遊技者が大当りになるかもしれないという期待感を得る頻度を増加させることができる。
【0155】
また、高頻度の頻度モードにある場合には、特別図柄始動口6へ進入した遊技球により抽出される乱数を記憶する特図用乱数記憶領域に記憶可能な始動記憶数の上限が増加するので、特別図柄始動口6へ進入した遊技球が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0156】
なお、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにある場合であって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となった場合に、次に普通図柄表示装置18の表示結果が小当たりとなるまで、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードとするようにしてもよい。この場合には、図15のS735の後に、頻度向上フラグをリセットする処理を追加すればよい。さらに、この場合において、次に普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となる確率を大幅に増大させるようにしてもよい。これにより、一度高頻度の頻度モードになれば、次に普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となる確率が向上するので、高い確率で高頻度の頻度モードが継続される。
【0157】
なお、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる条件を、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにある場合であって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特定の表示態様(77)となった場合とした。この特定の表示態様は、「77」に限定されず、たとえば、奇数の図柄の組合せ等複数設けるようにしてもよい。
【0158】
次に、上述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1の変形例について説明する。なお、上述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1と異なる点についてのみ説明する。
【0159】
<第1の変形例>
上述したパチンコ遊技機1では、高頻度の頻度モードである場合に、普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率を向上するようにしたが、第1の変形例におけるパチンコ遊技機においては、高頻度の頻度モードにある場合に普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから停止図柄が表示されるまでの時間を短縮させる、いわゆる時短表示を行なうようにしたものである。
【0160】
このため、上述した通過チャッカスイッチ通過処理(図13)と、普通図柄変動処理(図16)が異なる。
【0161】
図18は、第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。この第1の変形例における通過チャッカスイッチ通過処理は、図12のS602に示すプロセス処理において行なわれる処理である。通過チャッカスイッチ通過処理においては、まず、S701において、頻度モードが高頻度に設定されているか否かが判別される。
【0162】
この頻度モードは、図17のS754において高頻度にセットされるフラグである。頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、通過ゲート19のスイッチ(ゲートスイッチ12b)が検出した遊技球の通過を記憶する普通図柄始動記憶領域の通過チャッカオン記憶数が増大する。本実施の形態においては、通常の遊技においては通過チャッカオン記憶数の最大数は4であるが、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、通過チャッカオン記憶数の最大値は10になる。
【0163】
S801において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければ、S802に進み、通過チャッカオン記憶数が4以上であるか否かが判別される。S802において、通過チャッカオン記憶数が4以上であれば、通常の通過チャッカオン記憶数が最大4である遊技状態においては、既に最大の通過チャッカオン記憶数が普通図柄始動記憶領域に記憶されている。そのため、通過ゲート19への遊技球の通過があっても新たに通過チャッカオン記憶数を増加させることができない。したがって、通過チャッカスイッチ通過処理を終了する。
【0164】
また、S802において通過チャッカオン記憶数が4よりも小さければ、すなわち、頻度モードが「高頻度」でなく「通常頻度」に設定されている場合において、通過チャッカオン記憶数が最大の4になっていなければS804に進む。
【0165】
また、S801において、頻度モードが「高頻度」に設定されていると判別された場合にはS803に進み、通過チャッカオン記憶数が「10」になっているか否かが判別される。すなわち、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合には、通過チャッカオン記憶数は最大値である「10」となっているため、その最大値よりも通過チャッカオン記憶数が小さくなっているか否かが判別される。
【0166】
S803において、通過チャッカオン記憶数が「10」であれば、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合においても、既に最大数の通過チャッカオン記憶数が記憶されているため通過チャッカスイッチ通過処理を終了する。また、S803において通過チャッカオン記憶数が10よりも小さければS804に進む。
【0167】
次に、S804において、通過チャッカオン記憶数に「1」を加算する。すなわち、通過ゲート19を遊技球が通過したため、その通過に対応する通過チャッカオン記憶数を「1」加算する。
【0168】
次に、S805においてランダムカウンタの値を抽出する。ここで必要となるランダムカウンタの値は、普通図柄表示装置18の表示結果を小当りにするか否かを決定するためのランダムカウンタの抽出値である。次に、S806において抽出したランダムカウンタの抽出値を普通図柄始動記憶領域に記憶する。
【0169】
図19は、第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。この第1の変形例における普通図柄変動処理は、図12のS605に示すプロセスにおいて行なわれる処理である。第1の変形例における普通図柄変動処理においては、まず、S811において、頻度モードが高頻度に設定されているか否かが判断される。S811において、頻度モードが「高頻度」に設定されていなければS813に進み、普通図柄(普図)変動時間タイマTSに通常時間をセットする。一方、S811において、頻度モードが「高頻度」に設定されていないと判断された場合にはS812に進み、普図変動時間タイマTSに短縮時間を設定する。
【0170】
この普図変動時間タイマTSは、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を計時するためのタイマである。普図変動時間タイマTSに設定される短縮時間は、通常時間に比較して短い時間である。たとえば、通常時間を5秒、短縮時間を1秒とする。したがって、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果を停止表示するまでの時間が、頻度モードが「高頻度」に設定されている場合の方が頻度モードが「通常頻度」に設定されている場合に比べて短くなる。
【0171】
次に、S814においては、普通図柄変動開始コマンドをセットする。この普通図柄変動開始コマンドが遊技制御部11から演出制御部14に送信される。その結果、演出制御部14の表示制御部においては、普通図柄の変動を開始させる制御を行なう。次に、S815に進みプロセスフラグを「03H」にする。その後普通図柄変動処理を終了する。
【0172】
以上説明したように、第1の変形例におけるパチンコ遊技機においては、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間が短縮され、いわゆる時短表示される。このため、所定の時間内に普通図柄表示装置18の表示結果が小当りの表示態様(右図柄と左図柄とが同じ図柄)となる頻度が向上する。これにより、電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増し、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させるとともに、特別図柄表示装置4の表示結果の導出頻度を向上させることができる。
【0173】
なお、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率、および普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから停止図柄が表示されるまでの時間を短縮するのが望ましい。
【0174】
また、高頻度の頻度モードである場合には、通過ゲート19を遊技球が通過することにより抽出される乱数を記憶する普図用乱数記憶領域に記憶可能な始動記憶数の上限が増加するので、通過ゲート19を通過した遊技球が無視されることによる遊技者の不満を極力解消することができる。
【0175】
なお、第1の変形例におけるパチンコ遊技機においては、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた所定の表示態様(右図柄と左図柄とが同じとなる表示態様)となる確率を高確率とすることなく、通常頻度の頻度モードにおける確率と同じにすることができる。この場合には、図14に示した普通図柄通常処理が変更される。
【0176】
この場合においては、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を短縮するのが望ましい。
【0177】
図20は、別の普通図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。この別の普通図柄通常処理は、図12のS603において行なわれる処理である。別の普通図柄通常処理においては、まず、S821において、通過チャッカオン記憶があるか否かの判断が行なわれ、普通図柄始動記憶領域に通過チャッカオン記憶がない場合には、普通図柄通常処理を終了する。
【0178】
また、S821において、通過チャッカオン記憶があればS822に進み、普通図柄始動記憶領域1のランダムカウンタの値を読出す。このランダムカウンタの値とは、小当りか否かを決定するために用いられる。そしてこのランダムカウンタ後は、遊技球が通過チャッカを通過することに伴って抽出され、普図用乱数記憶領域に記憶された値である。
【0179】
次に、S823において、小当りか否かを判定するために用いる基準となる判定データを「1」に設定する。
【0180】
そして、S824において、ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが同一であるか否かが判断される。ランダムカウンタの抽出値と基準となる判定データとが一致しなければS826に進むが、ランダムカウンタの抽出値と判定データとが一致すればS825に進む。
【0181】
S825では、普図用抽選フラグに「当り」が設定される。一方、S826では、普図用抽選フラグに「ハズレ」が設定される。この普図用抽選フラグが「ハズレ」の値であることを、小当りか否かを決定するための判定において、「当り」ではない「ハズレ」であることが決定されたことを意味する。
【0182】
S827では、プロセスフラグを「01H」に設定し、別の普通図柄通常処理を終了する。
【0183】
このように、第1の変形例におけるパチンコ遊技機において、高頻度の頻度モードにあるときには、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた所定の表示態様(右図柄と左図柄とが同じとなる表示態様)となる確率を高確率とすることなく、通常頻度の頻度モードにおける確率と同じにすることによっても、普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間が短縮されることによって、所定の時間内に普通図柄表示装置18の表示結果が小当りの表示態様(右図柄と左図柄とが同じ図柄)となる頻度が向上する。電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増すと、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加し、払出される玉が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させることができる。
【0184】
この場合において、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように普通図柄表示装置18が可変表示を開始してから表示結果が停止表示されるまでの時間を短縮するのが望ましい。
【0185】
<第2の変形例>
上述したパチンコ遊技機1では、高頻度の頻度モードでの遊技状態が終了する条件を、次に特別図柄表示装置4の表示結果が大当りとなることとした。第2の変形例におけるパチンコ遊技機1では、高頻度の頻度モードでの遊技状態が終了する条件を、普通図柄表示装置18の表示結果が停止表示される回数が、高頻度の頻度モードでの遊技状態が開始してから予め定められた所定の回数となることとしたものである。
【0186】
このため、上述したパチンコ遊技機1の特別図柄停止図柄設定処理および普通図柄停止処理が変更される。
【0187】
図21は、第2の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される特別図柄停止図柄設定処理を説明するためのフローチャートである。この第2の変形例における特別図柄停止図柄設定処理は、図5のS305において行なわれる処理である。この第2の変形例における特別図柄停止図柄設定処理は、図8に示した特別図柄停止図柄設定処理のS509およびS510の処理を削除した流れとなっている。その他の処理はすべて同じであり、S501〜S508の処理がS901〜S908の処理にそれぞれ対応する。
【0188】
したがって、第2の変形例におけるパチンコ遊技機においては、特別図柄停止図柄設定処理が実行されることによっては、頻度向上フラグがクリアされないことになる。
【0189】
図22は、第2の変形例におけるパチンコ遊技機1で実行される普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。第2の変形例における普通図柄停止処理は、図12のS606において行なわれる処理である。普通図柄停止処理においては、まず、S921において、普図用変動時間タイマTSが終了しているか否かが判断される。普図用変動時間タイマTSが終了していなければ普通図柄停止処理を終了するが、S921において普図用変動時間帯間TSが終了していればS922へ進む。
【0190】
S922においては、普通図柄停止コマンドをセットする。普通図柄停止コマンドは遊技制御部11から演出制御部14に送信されるコマンドである。それにより、普通図柄停止コマンドを受信した演出制御部14では、普通図柄表示装置18の表示結果を停止表示するための処理が行なわれる。
【0191】
次に、S923において、頻度向上フラグがセットされているか否かが判断される。頻度向上フラグがセットされている場合にはS924に進み、セットされていない場合にはS925に進む。S924では、頻度モードを高頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。そしてS925で、普通図柄表示装置18で可変表示を開始してから表示結果を導出表示した回数をカウントする普図カウンタの値に1が加算される。
【0192】
次のS926では、普図カウンタの値が予め定められた値Nに一致するか否かが判断される。値Nは、たとえば、確率モードが低確率時におけるベースを所定の値、たとえば1または1.2となるように定められる。普図カウンタの値がNに一致する場合には、S927において頻度向上フラグがクリアされる。これにより、第2の変形例におけるパチンコ遊技機1の遊技状態が、通常頻度の頻度モードとなる。
【0193】
一方、S928では、頻度モードを通常頻度に設定する。これにより、パチンコ遊技機の遊技状態が通常頻度の頻度モードとなる。そして、S929で普図カウンタに「0」が設定される。これにより、パチンコ遊技機1が次に高頻度の頻度モードになった場合に、普通図柄表示装置18の表示結果を導出表示する回数が「0」からカウントされることになる。
【0194】
そして、S930では、プロセスフラグを「00H」にして普通図柄停止処理を終了する。
【0195】
以上説明したように第2の変形例におけるパチンコ遊技機1においては、パチンコ遊技機1の遊技状態が低確率の確率モードにあるときであって、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた特別の表示態様(77)となったときに、普通図柄表示装置18の表示結果が予め定められた回数Nだけ導出表示されるまで、パチンコ遊技機1の遊技状態が高頻度の頻度モードとなる。
【0196】
そして、高頻度の頻度モードにある場合には、普通図柄表示装置18の表示結果が小当りとなる確率が向上する。電動チューリップ型役物5が開放する頻度が増すと、電動チューリップ型役物5に入賞する遊技球が増加し、払出される玉が増加する。その結果、低確率の確率モードにおけるベースの値を向上させるとともに、特別図柄表示装置4の表示結果の導出頻度を向上させることができる。
【0197】
なお、パチンコ遊技機の遊技状態が高頻度の頻度モードにある場合のベースの値が、1または1.2となるように予め定められた回数Nを設定するのが望ましい。
【0198】
また、第2の変形例と第3の変形例とを組合せたパチンコ遊技機としてもよい。
【0199】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおけるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】遊技制御部を中心としたシステム構成例を示すブロック図である。
【図3】遊技制御部におけるCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
【図4】タイマ割込処理を示すフローチャートである。
【図5】CPUが実行する特別図柄プロセス処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図6】第1種始動口スイッチ通過処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】特別図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】特別図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】特別図柄変動処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】特別図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】大当り終了処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】CPUが実行する普通図柄プログラム処理のプログラムの一例を示すフローチャートである。
【図13】通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】普通図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】普通図柄停止図柄設定処理の流れを示すフローチャートである。
【図16】普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される通過チャッカスイッチ通過処理の流れを示すフローチャートである。
【図19】第1の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される普通図柄変動処理の流れを示すフローチャートである。
【図20】別の普通図柄通常処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】第2の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される特別図柄停止図柄設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図22】第2の変形例におけるパチンコ遊技機で実行される普通図柄停止処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機、2 遊技盤、3 遊技用枠、4 特別図柄表示装置、5電動チューリップ型役物、6 特別図柄始動口、7 大入賞口、7a 大入賞口扉、8L,8R スピーカ、9 ランプ・LED、10 電源部、11 遊技制御部、12 入力部、12a 始動口スイッチ、12b ゲートスイッチ、12c 特定領域スイッチ、12d カウントスイッチ、12e 入賞口スイッチ、13 出力部、13a 普通電動役物ソレノイド、13b 大入賞口内誘導板ソレノイド、13c 大入賞口扉ソレノイド、14 演出制御部、15 払出制御部、16 盤用外部端子板、17 枠用外部端子板、18 普通図柄表示装置、19 通過ゲート。
Claims (4)
- 表示状態が変化可能な特別可変表示装置を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態となる遊技機であって、
表示状態が変化可能な普通可変表示装置と、
遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能であり、前記普通可変表示装置の表示結果が予め複数種類定められた所定の表示態様のうちのいずれかになったときに第1の状態となる普通可変入賞球装置により構成された特別始動領域と、
該特別始動領域に遊技玉が進入したときに前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう特別可変表示制御手段と、
前記特別可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記高確率状態以外の通常確率状態時に、前記普通可変表示装置の表示結果が前記複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、次回の前記特定遊技状態が発生するまで前記普通可変入賞球装置が前記第1の状態となる頻度を向上させた頻度向上状態に制御する頻度向上制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。 - 表示状態が変化可能な特別可変表示装置を有し、該特別可変表示装置の表示結果が予め定められた特定の表示態様となったときに遊技者にとって有利な特定の遊技状態となる遊技機であって、
表示状態が変化可能な普通可変表示装置と、
遊技者にとって有利な第1の状態と遊技者にとって不利な第2の状態とに変化可能であり、前記普通可変表示装置の表示結果が予め複数種類定められた所定の表示態様のうちのいずれかになったときに第1の状態となる普通可変入賞球装置により構成された特別始動領域と、
該特別始動領域に遊技玉が進入したときに前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう特別可変表示制御手段と、
前記特別可変表示装置の表示結果が前記特定の表示態様となる確率が向上した高確率状態に制御する高確率状態制御手段と、
前記高確率状態以外の通常確率状態時に、前記普通可変表示装置の表示結果が前記複数種類の所定の表示態様のうちの予め定められた特別表示態様となったときに、前記普通可変表示装置の表示結果が所定回数導出表示されるまで前記普通可変入賞球装置が前記第1の状態となる頻度を向上させた頻度向上状態に制御する頻度向上制御手段とを含むことを特徴とする、遊技機。 - 前記特別始動領域に進入した遊技玉を始動記憶上限数の範囲内で記憶する特別始動記憶手段をさらに含み、
前記特別可変表示制御手段は、前記特別始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行ない、
前記特別始動記憶手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミングで前記始動記憶数の上限を増加させ、
前記特別可変表示制御手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、前記所定のタイミングで、前記特別可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。 - 遊技玉が進入可能な普通始動領域と、
該普通始動領域へ進入した遊技玉を始動記憶上限数の範囲内で記憶する普通始動記憶手段と、
該普通始動記憶手段に記憶されている始動記憶数を用いて前記普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示制御を行なう普通可変表示制御手段をさらに含み、
前記普通始動記憶手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、所定のタイミングで前記始動記憶数の上限を増加し、
前記普通可変表示制御手段は、前記頻度向上状態のときにおいて、前記所定のタイミングで、前記普通可変表示装置の表示結果を導出表示するための可変表示の動作時間を短縮することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の遊技機。
Priority Applications (1)
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JP2002231717A JP2004065761A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 遊技機 |
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JP2002231717A JP2004065761A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 遊技機 |
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JP2002231717A Withdrawn JP2004065761A (ja) | 2002-08-08 | 2002-08-08 | 遊技機 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012024279A (ja) * | 2010-07-22 | 2012-02-09 | Taiyo Elec Co Ltd | 遊技機 |
JP2016158918A (ja) * | 2015-03-03 | 2016-09-05 | 株式会社平和 | 遊技機 |
-
2002
- 2002-08-08 JP JP2002231717A patent/JP2004065761A/ja not_active Withdrawn
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