JP2012024279A - 遊技機 - Google Patents

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秀明 赤尾
Satoshi Goto
聡 後藤
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Abstract

【課題】通常状態中においても、普通図柄および第2始動口の存在価値を高めることにより、普通図柄の存在によって通常状態中の遊技者の遊技興趣を向上させる。
【解決手段】開放促進状態が発生していない通常状態において、普通図柄が複数の当り普通図柄のうち特定当り普通図柄で停止表示する場合に、それ以降の普通図柄遊技の普通図柄変動表示時間が通常時よりも短縮設定される。このため、通常状態において、特別図柄遊技の進捗状況に関係なく、普通図柄遊技の実行頻度を向上させることができ、「開放促進状態が発生していない状態で、第2始動口が開放状態になる機会を増加させて特別図柄遊技の実行頻度を高める新規な遊技性」を実現できる。この結果、特別図柄遊技に集中する遊技者が予期せぬタイミングで突然に「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を発生させることができ、通常状態中の遊技者の遊技興趣を高めることができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、遊技機に関し、特に、いわゆるセブン機、羽根物、権利物といったパチンコ遊技機や組合せ式遊技機(アレンジボール遊技機)等の遊技機(弾球遊技機)に関する。
従来の遊技機では、始動口への遊技球入球を契機として大当りとするか否かの当否抽選を行い、その後に特別図柄の変動表示を開始させることで遊技を開始している。また、当否抽選の結果が大当りの場合には、特別図柄を大当り図柄で停止表示させ、その後に大入賞口を開放状態とする大当り遊技を発生させるように構成されている。このような遊技機において、遊技盤面上に始動口を2個設け、各始動口に対応する特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が設けられた遊技機が提案されている(下記特許文献1参照)。この遊技機では、複数の特別図柄を設けるにあたり、各特別図柄に対応する始動口(第1始動口、第2始動口)が異なる構成で設けられている。具体的には、第1特別図柄に対応する第1始動口は、遊技球が常時入球可能に構成されている。また、第2特別図柄に対応する第2始動口は、遊技球が入球可能な開放状態と、遊技球が入球不能な閉鎖状態とに切換可能な可動片(所謂「電動式チューリップ」)を具備して構成されている。
また、第2始動口を閉鎖状態から開放状態とするには、特別図柄と異なる普通図柄が当り図柄で停止表示することが条件とされている。この普通図柄は、第2始動口を開放状態とするか否かの当否抽選が行われた後に変動表示を開始する。この当否抽選の結果が当りの場合には、普通図柄を当り図柄で停止表示させ、その後に第2始動口が所定時間開放状態となる。さらに、このような遊技機では、特別図柄での大当り遊技終了後に、遊技球が第2始動口に入球し易くなる開放時間延長機能を作動させることが知られている。開放時間延長機能が作動すると、通常状態中に比べて第2始動口が開放状態になる時間が長くなり、その結果、遊技球が第2始動口に入球し易くなる。このため、開放時間延長機能の作動中は、第1特別図柄だけでなく第2特別図柄での変動表示も高い頻度で実行可能となり、大当り遊技の実行に係る当否抽選が通常状態中よりも多く行われる遊技者に有利な状態となる。
特開2007−268126号公報
しかしながら、上述の遊技機は、開放時間延長機能が作動していない通常状態中においては第2始動口が開放状態になる頻度が低く、通常状態中における普通図柄および第2始動口の存在価値はほとんどなかった。このため、普通図柄は通常状態中に遊技者の興趣を向上させるものではなかった。
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、通常状態中においても、普通図柄および第2始動口の存在価値を高めることにより、普通図柄の存在によって通常状態中の遊技者の遊技興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の遊技機は、
遊技球を常時入球可能とする第1始動口と、
遊技球を入球可能とする開放状態または入球不能とする閉鎖状態に切換可能な第2始動口と、
遊技球が前記第1始動口または前記第2始動口に入球することで、特別図柄の変動表示を開始し、その後に前記特別図柄を当り特別図柄または外れ特別図柄で停止表示する特別図柄遊技を実行する特別図柄遊技実行手段と、
前記特別図柄遊技にて前記当り特別図柄が停止表示することで、遊技者にとって有利な当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
遊技球が始動ゲートを通過することで、前記特別図柄と異なる普通図柄の変動表示を開始し、その後に普通図柄が当り普通図柄または外れ普通図柄で停止表示する普通図柄遊技を実行する普通図柄遊技実行手段と、
前記普通図柄遊技にて前記当り普通図柄が停止表示することで、前記第2始動口を前記開放状態とする第2始動口開放手段と、
前記大当り遊技の終了後に、前記普通図柄が前記当り普通図柄で停止表示する頻度を向上させるとともに、前記第2始動口が前記開放状態となる開放時間を通常時間より長い時間に設定する開放促進状態を発生させる開放促進状態発生手段と、を備えた遊技機において、
前記普通図柄遊技実行手段は、
前記普通図柄遊技を実行するときに、前記普通図柄を前記当り普通図柄または前記外れ普通図柄のいずれで停止表示させるかを決定する普通図柄決定手段と、
前記普通図柄の変動表示を開始してから、該普通図柄を前記当り普通図柄または前記外れ普通図柄で停止表示するまでの普通図柄変動表示時間を決定する普図変動時間決定手段と、を備え、
前記普図変動時間決定手段は、
前記開放促進状態が発生していない状態での前記普通図柄遊技にて前記普通図柄が複数の前記当り普通図柄のうちの特定当り普通図柄で停止表示すると、それ以後の前記普通図柄遊技では、前記特定当り普通図柄が停止表示される前に決定される通常変動用変動時間よりも短い短縮変動用変動時間を前記普通図柄変動表示時間に決定する
ことを特徴とする。
このような構成によると、開放促進状態(所謂、開放時間延長機能が作動している状態)が発生していない通常状態において、普通図柄が複数の当り普通図柄のうち特定当り普通図柄で停止表示する場合に、それ以降の普通図柄遊技の普通図柄変動表示時間が通常時よりも短縮設定される。このため、通常状態において、特別図柄遊技の進捗状況(特別図柄の変動表示中、特別図柄の停止表示中など)に関係なく、普通図柄遊技の実行頻度を向上させることができ、「開放促進状態が発生していない状態で、第2始動口が開放状態になる機会を増加させて特別図柄遊技の実行頻度を高める新規な遊技性」を実現できる。この結果、特別図柄遊技に集中する遊技者が予期せぬタイミングで突然に「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を発生させることができ、通常状態中の遊技者の遊技興趣を高めることができる。
また、「短縮変動用変動時間」は、開放促進状態中と通常状態中とで同じ変動時間が設定されていてもよいし、開放促進状態中と通常状態中とで異なる変動時間が設定されていてもよい。短縮変動用変動時間として、開放促進状態中と通常状態中とで異なる変動時間を設定する場合には、通常変動用変動時間よりも短縮されたことが遊技者に認識可能な短縮変動用変動時間(例えば、通常変動用変動時間の1/3よりも短い変動表示時間)にしておくことが好ましい。また、普通図柄遊技にて普通図柄が当り普通図柄(特定当り普通図柄も含む)で停止表示する「当り確率値」は、開放促進状態中と通常状態中とで同じ確率値が設定されていてもよいし、開放促進状態中と通常状態中とで異なる確率値が設定されていてもよい。なお、開放促進状態中と通常状態中との双方で当り確率値が高確率値(普通図柄遊技にて普通図柄が外れ普通図柄で停止表示する外れ確率値と同等、或いは外れ確率値よりも高い確率値)に設定される場合(開放促進状態中と通常状態中とで同じ確率値でも異なる確率値でもよい)には、特定当り普通図柄の停止表示後の普通図柄遊技にて、「当り普通図柄が停止表示される頻度」が向上することとなり、「開放促進状態が発生していない状態で、第2始動口を開放状態にし易くして特別図柄遊技の実行頻度を高める遊技性」を実現できる。
また、「特別図柄」としては、第1始動口および第2始動口で共通する「1種類の特別図柄」が設定されていてもよいし、第1始動口に対応する「第1特別図柄」と、第2始動口に対応する「第2特別図柄」とが設定されていてもよい。また、「第1特別図柄」と「第2特別図柄」とを設定する場合には、何れの特別図柄で大当り遊技が発生したかに応じて利益差が出るように、各特別図柄間で優劣を設定してもよい。「特別図柄」として、第1始動口に対応する「第1特別図柄」と、第2始動口に対応する「第2特別図柄」とが設定されている場合には、特別図柄遊技の進捗状況に関係なく、突然に「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を発生させることで「開放促進状態が発生していない状態で、有利な特別図柄遊技の実行頻度が高められる機会を遊技者に突然に与える新規な遊技性」を実現できる。
また、本発明の遊技機は、
前記普図変動時間決定手段により前記短縮変動用変動時間が決定される前記普通図柄遊技の実行回数が、所定の限度回数に達したか否かを判定する判定手段を備え、
前記普図変動時間決定手段は、
前記判定手段により前記実行回数が前記限度回数に達したと判定されることで、それ以後の前記普通図柄遊技では、前記通常変動用変動時間を前記普通図柄変動表示時間に決定することを特徴とする。
このように、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」が開始された後に、普通図柄遊技の実行回数が所定の限度回数に達することにより「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を終了させることで、特別図柄遊技の進捗状況に関係なく突然に「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を発生させるだけでなく、特別図柄遊技の進捗状況に関係なく「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を終了させることもできる。この結果、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を特別図柄遊技での遊技状態の変遷(例えば、特別図柄遊技から大当り遊技への変遷など)を跨いで発生させることができ、上記遊技性をより効果的に実現できる。また、普通図柄遊技の実行回数により「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」の発生期間を定めておくことで、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」における第2始動口が開放状態となる最大回数を制限でき、開放促進状態が発生していない通常状態で遊技者に付与する利益量を適度に調整できる。
また、本発明の遊技機は、
前記普通図柄が前記特定当り普通図柄で停止表示する場合に、前記限度回数を複数種類の限度回数のうちいずれかに設定する限度回数設定手段を備えることを特徴とする。
このように「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を終了させる限度回数を複数種類設けることで、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」の発生期間に長短を持たせることができ、この結果、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」を用いた遊技バリエーションを様々にできる。例えば、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」の発生期間を短期間にするには、終了契機となる普通図柄遊技の実行回数(限度回数)を、第2始動口に最低でも1つの遊技球が入球する程度の回数(例えば10回以内)に設定し、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」の発生期間を長期間にするには、終了契機となる普通図柄遊技の実行回数(限度回数)を、第2始動口への遊技球入球が長期間連続していることが把握できる程度の回数(例えば10回を超える回数)に設定することが考えられる。また、複数種類の限度回数のいずれを設定するかの条件としては、例えば、「複数の特定当り普通図柄の種類」や「特定当り普通図柄が停止表示したときの遊技進捗状況」等を参照することとしてもよい。特に、「特定当り普通図柄が停止表示したときの特別遊技の進捗状況(特別遊技の遊技回数、大当り遊技の実行状況など)」を参照して限度回数を設定することとすれば、主となる特別図柄遊技遊技の進行状況に応じて、開放促進状態が発生していない通常状態で遊技者に付与する利益量を適切に設定できる。
また、本発明の遊技機は、
前記普通図柄遊技実行手段は、
所定条件が成立することで、前記開放促進状態が発生していない状態での前記普通図柄遊技にて前記普通図柄が前記特定当り普通図柄で停止表示される頻度を向上させる特定当り向上手段を備えることを特徴とする。
このように、所定条件が成立することで普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示する頻度を向上させることで、開放促進状態が発生していない通常状態での普通図柄遊技における「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモードの発生可能性」に高低を持たせることができる。この結果、「第2始動口への遊技球の入球機会が高まるモード」の発生バリエーションを豊富にでき、上記遊技性をより効果的に実現できる。なお、「普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示される頻度を向上させる」とは、例えば、「普通図柄遊技で特定当り普通図柄が停止表示される確率を、通常確率よりも高い高確率に設定すること」や、「普図変動表示時間を通常時よりも短く(短縮変動用変動時間よりは長く)設定すること」等が挙げられる。また、普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示する頻度を向上させるための「所定条件」は、例えば、「普通図柄遊技が所定回数(例えば100回)行われたとき」、「特別図柄遊技が所定回数(例えば1000回)行われたとき」、「特別図柄遊技での当否判定で大当り以外の遊技結果(外れや小当りなど)が判定され、大当り遊技と異なる遊技結果が導出されたとき」等、普通図柄遊技の進捗状況または特別図柄遊技の進捗状況に応じて様々に設定することができる。また、普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示する頻度を向上させる期間としては、予め定めた一定期間としてもよいし、終了抽選等の結果によってランダムに終了する不定期間としてもよい。
本発明によれば、開放時間延長機能が作動していない通常状態中においても、普通図柄および第2始動口の存在価値を高め、普通図柄の存在によって遊技者の遊技興趣を向上させることができる。
本発明を適用した実施例に係る遊技機の正面図である。 遊技盤の正面図である。 演出表示装置の画面表示例を示す説明図である。 電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。 メインジョブの流れを示すフローチャートである。 普通図柄遊技処理を示すフローチャートである。 普通図柄変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 普通電動役物遊技処理を示すフローチャートである。 普通図柄の当否判定用テーブルを示す説明図である。 普通図柄の停止図柄設定用テーブルを示す説明図である。 特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。 特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。 始動口入賞処理を示すフローチャートである。 第1特別図柄変動表示処理を示すフローチャートである。 第2特別図柄変動表示処理を示すフローチャートである。 特別電動役物遊技処理を示すフローチャートである。 普図高速モード関連演出処理を示すフローチャートである。 他実施例の演出表示装置の画面表示例を示す説明図である。 他実施例の演出表示装置の画面表示例を示す説明図である。 変形例の特別図柄遊技処理を示すフローチャートである。 変形例の特別電動役物遊技処理を示すフローチャートである。 変形例の当り遊技終了時処理を示すフローチャートである。 変形例の普通図柄変動パターン設定処理を示すフローチャートである。 変形例の演出表示装置の画面表示例を示す説明図である。
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。本発明の遊技機をパチンコ遊技機(以下、単に遊技機という)に適用した実施例を図面に示す。
図1は、本実施例の遊技機1の正面図である。図1に示すように、遊技機1の前面部は、本体枠2、中枠3、前面枠4、上皿部5、下皿部6、施錠装置9、遊技盤20等を備えている。なお、図1では遊技盤20の詳細な図示を省略している。また、中枠3は前面枠4等が前面側に配置されているため、図1においては明示されていない。本体枠2は木製の板状体を略長方形の枠状に組立てたものであり、遊技機1の外枠を構成している。中枠3はプラスチック製であり、本体枠2の内側にはめ込まれて設置されており、外枠2に対して開閉可能に左端で軸支されている。中枠3は、上側2/3程度を占める枠体部と下側1/3程度を占める下板部とから構成されている。枠体部の前面側には遊技盤20と前面枠4とが重なるように設けられており、下板部の前面側には上皿部5と下皿部6が設けられている。下板部には、遊技球を遊技盤20に発射する発射手段を構成する発射装置ユニット(図示略)、遊技球を発射装置ユニットに供給する球送り装置(図示略)が設けられている。前面枠4は、中枠3の前面側に配置され、中枠3の左端で開閉可能に支持されている。前面枠4はプラスチック製であり、奥側に配置される遊技盤20の盤面を視認可能にするために、円形状の開口部4aが形成されている。前面枠4の裏面には、開口部4aに対応したガラス板等の透明板を備える略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。前面枠4における遊技盤20の周囲には、LED等のランプ類(図示略)が設けられている。これらのランプ類は、遊技効果を高めるためにゲーム進行に応じて点灯・消灯あるいは点滅する。
上皿部5は、前面枠4の下側に設けられ、中枠3の左端に開閉可能に支持されている。上皿部5は、皿外縁部5aと、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5bと、上皿部5の遊技球を下皿部6に排出する球抜きボタン5cとを備えている。皿外縁部5aの上面には、演出ボタン5dや球貸ボタン5e等が設けられている。演出ボタン5dは、皿外縁部5aの上面に突出して設けられており、遊技者が押圧操作することで下方に移動するとともに、押圧を解くことで図示しない弾性手段(例えばバネ部材)により上方に移動する出没式の押しボタンとして構成されている。下皿部6は、上皿部5の下方に設けられている。下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から下皿部6に遊技球を排出するための排出口6aが設けられている。下皿部6の左端には灰皿7が設けられている。下皿部6の右端には、遊技者が発射装置ユニット(図示略)を操作するための発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者が触れていることを検出する接触検知手段としてのタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
施錠装置9は、中枠3の右端中央に設けられており、前面枠4を閉じた場合にこれを施錠するためのものである。
また、遊技機1には、遊技状態に応じた効果音等を発生させるためのスピーカ10a〜10dが設けられている。スピーカ10a〜10dは、遊技機1の上部に設けられた上部スピーカ10a、10bと遊技機1の下部に設けられた下部スピーカ10c、10dとからなる。さらに、遊技機1の左側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
次に、本実施例の遊技盤20の表面構造について説明する。図2は遊技盤20の正面図である。遊技盤20は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に着脱可能に取り付けられているとともに、裏機構盤(図示略)によりその背面側が覆われている。
図2に示すように、遊技盤20には、遊技盤20の表面(盤面)に設けられた外レール22と内レール23とにより、略円形状の遊技領域21が形成されている。遊技領域21内には、中央装置24、普通図柄作動ゲート27、大入賞装置(特別電動役物)33、始動口28、左入賞口34,35、右入賞口36,37、第1装飾部材50、第2装飾部材60等の遊技装置が配設されている。また、遊技領域21には各遊技装置との位置バランスを考慮して多数の障害釘が配設されている。
中央装置(センター役物)24は遊技領域21の略中央部に配置され、演出表示装置25を備えている。本実施例では、演出表示装置25として大型の液晶表示装置を用いており、演出表示装置25の表示領域では各種演出表示が行われる。
大入賞装置33は遊技領域21における中央装置24の下方に配置されている。第1装飾装置50は遊技領域21における大入賞装置33の左側に配置され、第2装飾装置60は遊技領域21における大入賞装置33の右側に配置されており、装飾装置50,60はいわゆるサイド飾りを構成している。また、第1装飾装置50には左入賞口34,35が一体化されており、第2装飾装置60には右入賞口36,37が一体化されている。
普通図柄作動ゲート27は、中央装置24の左側に設けられている。普通図柄作動ゲート27の内部には、遊技球の通過を検知する普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s(図4参照)が設けられている。遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過することで、普通図柄が変動開始する。
始動口28は、中央装置24の中央位置の下方に設けられている。始動口28は、遊技盤20の盤面上を流下する遊技球を受け入れる遊技球受入口が形成された2つの入球口を上下方向に並べて配置したもので、上側に設けられた第1始動口28aと下側に設けられた第2始動口28bとから構成されている。
第1始動口28aは、遊技球受入口の大きさが変化せず遊技球の入球可能性が一定とされる固定式の始動口として構成されており、遊技球の入球が常時可能となっている。一方、第2始動口28bはいわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部(可動片)を備えており、この一対の翼片部の上端間隙が遊技球受入口となっている。この一対の翼片部は、各々左右方向に傾動することで開閉動作を行うものとされており、この開閉動作により、第2始動口28bは一対の翼片部の遊技球受入口の大きさが変化する可変式の始動口として構成されている。第2始動口28bは、一対の翼片部が開動作することで入球可能性が高い状態となり、一対の翼片部が閉動作することで入球可能性が低い状態(入球不能な状態を含む)となる。普通図柄が当り図柄の組合せで停止表示された場合には、一対の翼片部が開動作して第2始動口28bの遊技球受入口が拡大され、第2始動口28bは普通電動役物として機能する。
始動口28の内部には、遊技球の入球を検知する始動口入球検知スイッチ28s(図4参照)と、一対の翼片部を作動させるための始動口ソレノイド28c(図4参照)とが備えられている。この一対の翼片部が左右に開動作した場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが通常時より拡大され、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となる。一方、一対の翼片部が立設された場合には、第2始動口28bの遊技球受入口の大きさが遊技球の直径より僅かに大きい(遊技球1個が通過可能な)通常の大きさとされ、第2始動口28bは遊技球の入球可能性が小さくなる(または入球不能となる)閉鎖状態となる。遊技球が始動口28a、28bに入球することで、後述の特別図柄が変動開始する。本実施例の遊技機1は2種類の特別図柄を有しており、遊技球が第1始動口28aに入球することで、第1特別図柄が変動開始し、遊技球が第2始動口28bに入球することで、第2特別図柄が変動開始する。
大入賞装置33は、始動口28の下方に配設されている。ここで、大入賞装置33は、帯状に開口された大入賞口33aと、この大入賞口33aを開放・閉鎖する開閉板33bと、この開閉板33bを作動させるための大入賞口ソレノイド33c(図4参照)と、遊技球の入球を検知する入球検知スイッチ33s(図4参照)とから主に構成されている。
大入賞装置33の左斜め上方と右斜め上方には、左入賞口34,35と右入賞口36,37が設けられている。これら入賞口の内部には、それぞれ入賞口入球検知スイッチ(図示せず)が設けられている。
第1装飾部材50には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、普通図柄表示部51、普図保留表示部52、第1特別図柄保留表示部53、第2特別図柄保留表示部54が構成されている。同様に第2装飾部材60には、複数のLEDが設けられており、これらのLEDの組合せにより、第1特別図柄表示部61、第2特別図柄表示部62が構成されている。
普通図柄表示部51は、3個のLEDから構成されており、これらのLEDにより普通図柄の表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄の変動表示及び停止表示が行われる。普通図柄表示部51では、普通図柄作動ゲート27を遊技球が通過することにより普通図柄の変動表示を開始し、所定時間経過後に当り普通図柄の表示態様あるいは外れ普通図柄の表示態様で停止表示される。なお、本実施例では、普通図柄表示部51を構成する3個のLEDは、複数色(赤、青、緑、オレンジの4色)で発光可能なフルカラーLEDであり、これら3個のLEDの点灯態様(点灯あるいは消灯)、および点灯しているLEDの色の組合せ態様(赤、青、緑の組合せで点灯など)により、1種類の外れ普通図柄と、50種類の当り普通図柄を表示可能に構成されている。外れ普通図柄と当り普通図柄の表示態様の詳細については後述する。また、本実施例では、普通図柄の変動表示を、各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。そして、普通図柄が予め設定された当り普通図柄の表示態様で停止表示すると、第2始動口28bが所定の開放パターンにしたがって開放される。
また、第2始動口28bの開放パターンは複数種類設定されている。第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能の非作動時(通常時)には、第1開放時間(例えば1秒)が設定された短時間開放パターンが設定され、開放時間延長機能の作動時には第1開放時間より長い第2開放時間(例えば4.5秒)が設定された長時間開放パターンが設定される。なお、開放時間延長機能については後述する。
本実施例では、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過した際に取得される乱数として、「普通図柄当否判定用乱数」と「普図停止図柄決定用乱数」が設けられている。普通図柄当否判定用乱数(例えば「1〜100」の乱数値)には、予め当り値(例えば「1〜80」)が設定されており、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したタイミングで取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に当りと判定される。そして、当りと判定された場合には、普図停止図柄決定用乱数を用いて行われる当り普通図柄の設定を経て、普通図柄表示部51で停止表示される当り普通図柄の表示態様が決定される。一方、外れと判定された場合(取得された普通図柄当否判定用乱数が当り値と一致しない場合)には、普通図柄表示部51で停止表示される普通図柄は予め定められた1種類の外れ普通図柄の表示態様に決定される。また、本実施例では、開放時間延長機能が作動していない状態で普通図柄当否判定用乱数が所定の当り値と一致する確率(通常時の普通図柄当否判定の当選確率)は、「80/100」となっており、通常時の普通図柄当否判定の結果の多くが「当り(当選)」となる。なお、通常時の普通図柄当否判定の当選確率は、後述する特別図柄当否判定の当選確率よりも高い確率に設定すればよく、好ましくは「50%以上」に設定すればよい。これにより、通常時に普通図柄当否判定が行われた場合、その結果の半数程度を「当り(当選)」とすることができる。
また、普図停止図柄決定用乱数(例えば「1〜50」の乱数値)は、上述の普通図柄当否判定で当りと判定された場合に、50種類の当り普通図柄のうちの何れの当り普通図柄を停止図柄とするかの決定に用いられる乱数である。本実施例では、普通図柄当否判定で当りと判定された場合に、この50種類の当り普通図柄のうちの何れの当り普通図柄を停止表示するかは各々1/50に設定されている。なお、本実施例では、この50種類の当り普通図柄のうちの予め定められた1種類の当り普通図柄を「特定当り普通図柄」として設定している。この「特定当り普通図柄」についての詳細は後述する。また、普通図柄作動ゲート27の遊技球通過に伴って取得されるこれらの乱数(普通図柄当否判定用乱数、普図停止図柄決定用乱数)は、主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される。
また、普通図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの変動表示時間である普図変動表示時間(普通図柄変動パターン)は、複数種類用意されている。そして、普通図柄の停止図柄の設定後に、後述する普通図柄変動パターン設定処理にて、いずれかの普図変動表示時間がそのときの遊技の進行状況に応じて選択されて設定される。また、複数種類の普図変動表示時間としては、「通常変動用変動時間(例えば40秒間)」と、通常変動用変動時間より短い「短縮変動用変動時間(例えば1秒間)」と、通常変動用変動時間より短く、短縮変動用変動時間よりも長い「開始演出用変動時間(例えば5秒間)」の3種類の変動表示時間が設けられている。なお、これらの普図変動表示時間は、主制御部200のROMに記憶されている。
また、本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)および開放時間延長機能が作動する特定遊技(開放促進状態、いわゆる時短遊技および確変遊技など)が開始される。このうち、変動時間短縮機能には、普図変動表示時間として上述の短縮変動用変動時間を設定する普図変動時間短縮機能と、特別図柄の変動表示時間である特図変動表示時間を通常時に比べ短縮する特図変動時間短縮機能とがある。これらの変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)は、大当り遊技後に開放時間延長機能の作動と同時に開始され、特別図柄遊技が所定回数行われることで開放時間延長機能の作動と同時に終了する。
ここで、普図変動表示時間は、「第2特別図柄の変動表示の実行頻度」を考慮して予め設定されている。つまり、本実施例では、通常時(普図変動時間短縮機能が作動していない状態)においても普通図柄当否判定の結果は多くが「当り(当選)」と判定されるようになっていることから(当選確率「80/100」)、通常時でも第2始動口28bが特別図柄遊技の進行過程の中で度々開放状態となる。そこで、通常時(普図変動時間短縮機能が作動していない状態)の普図変動表示時間を比較的長く設定しておくことで、通常時に第2始動口28bが開放状態となる頻度(開放頻度)を抑制することとしている。つまり、通常時の普図変動表示時間が長ければ、第2始動口28bの開放頻度は低下し、始動口28bへの遊技球の入球頻度も低くなり、その結果、第2始動口28bへの遊技球入球に伴う第2特別図柄の変動表示の実行頻度も低くなる。このように、通常時の普図変動表示時間を長く設定しておけば、固定式の第1始動口28aへの遊技球入球を契機とする第1特別図柄を用いた特別図柄遊技が主体の遊技となり、第2特別図柄を用いた特別図柄遊技の実行頻度を抑えることができる。なお、普図変動表示時間として通常変動用変動時間を「40秒」に限定する必要性はなく、普図変動時間短縮機能の非作動時(通常時)において第2始動口28bの開放頻度が著しく高くならない時間であれば、その変動表示時間は問わない。
一方、普図変動時間短縮機能の作動時には、普通図柄の変動表示時間として短縮変動用変動時間が設定され、普通図柄の変動表示時間が長い場合(通常変動用変動時間に設定される場合)に比べ、第2特別図柄の変動表示の実行頻度を高くすることができる。つまり、普図変動表示時間が短くなる程、第2始動口28bの開放頻度は高くなり、第2始動口28bの開放頻度が高ければ、第2始動口28bへの遊技球の入球頻度も高くなって、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴う第2特別図柄の変動表示の実行頻度も高くなる。このように、普図変動時間短縮機能の作動時の普図変動表示時間を短く設定しておけば、開閉式の第2始動口28bへの遊技球入球を契機とする第2特別図柄を用いた特別図柄遊技が主体の遊技となり、第2特別図柄を用いた特別図柄遊技の実行頻度を促進することができる。また、普通図柄の短縮変動用変動時間を「1秒」に限定する必要性はなく、第2始動口28bの開放頻度が普図変動時間短縮機能の非作動時に比べ高くなっていることを遊技者が確実に体感できる程度の時間であれば、その変動表示時間は問わない。
また、本実施例では、普図変動時間短縮機能の非作動時において、特定当り普通図柄の停止表示を契機として、普図変動表示時間として短縮変動用変動時間が設定される「普図特殊変動遊技」を所定回数連続して実行する「普図高速モード」を発生可能に構成されている。普図高速モードでは、普図変動表示時間として短縮変動用変動時間が設定される普図特殊変動遊技が実行されるため、第2始動口28bが開放状態となる時間が短いものの(開放時間延長機能が非作動の為)、始動口28bの開放頻度が高く、始動口28bへの遊技球の入球に伴う第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高くなる。なお、「特定当り普通図柄」の詳細については後述する。
普図高速モードは、普通図柄の変動表示回数(普図特殊変動遊技の実行回数)が所定回数(本実施例では10回)に達した時点で終了する。本実施例では、普図高速モードの終了契機となる普通図柄の変動表示回数を固定値(10回)としているが、これを変動値として乱数抽選等によりランダムに決定してもよい。なお、普図高速モードの開始および終了処理、普通図柄の変動表示回数の計数処理は、主制御部200の制御により実現される。
次に、普通図柄の保留について説明する。普図保留表示部52は2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、4個を上限として保留数を表示することができる。普通図柄作動ゲート27を通過した遊技球数は、普通図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)まで保留可能となっている。普通図柄保留数は、普通図柄作動ゲート27への遊技球通過が発生する度に取得されて主制御基板200のRAMの所定領域に記憶される普通図柄関連乱数(普通図柄当否判定用乱数と、普図停止図柄決定用乱数とを総称したもの)の個数(普通図柄当否判定用乱数と普図停止図柄決定用乱数とを、1つの普通図柄関連乱数として計数した記憶数)に相当する。そして、次回の普通図柄当否判定が行われ普通図柄の変動表示が開始する毎に、未始動回数(保留数)が消化され、普通図柄保留数が1個ずつ減少する。
次に、特別図柄について説明する。第1特別図柄表示部61と第2特別図柄表示部62は、それぞれ7個のLEDから構成されており、これらのLEDにより第1特別図柄と第2特別図柄が表示される。これらの特別図柄表示部61、62を構成する各LEDは、点灯および消灯が可能となっており、これら各LEDの点灯および消灯の組合せにより特別図柄の複数の表示態様を表示できる。そして、7個のLEDで表示される特別図柄の組合せのうち、特定の組合せが当り特別図柄(大当り図柄)として設定されており、当り特別図柄以外が外れ特別図柄(外れ図柄)と設定されている。本実施例では、特別図柄の変動表示を各LEDが点灯と消灯を繰り返す点滅表示で行うものとしている。なお、本実施例では、大当り図柄が複数設定されており、具体的には、後述のように「確変大当り図柄」と「通常大当り図柄」とが設定されている。
第1特別図柄表示部61では、第1始動口28aに遊技球が入球することにより第1特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に第1特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される。第2特別図柄表示部62では、第2始動口28bに遊技球が入球することにより第2特別図柄が変動開始し、所定時間経過後に第2特別図柄が大当り図柄あるいは外れ図柄で停止表示される。第1特別図柄表示部61の第1特別図柄と第2特別図柄表示部62の第2特別図柄は、同時に変動表示しないように構成されている。つまり、始動口28a、28bのうち一方に遊技球が入球し、この入球に対応して特別図柄表示部61、62のうち一方で特別図柄が変動表示している際に、他方の始動口に遊技球が入球した場合には、他方の特別図柄表示部での特別図柄の変動は保留される。
本実施例では、遊技球が第1始動口28aに入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの第1特別図柄当否判定に用いられる第1特別図柄当否判定用乱数と、遊技球が第2始動口28bに入球した際に取得され、大当り遊技(特別遊技)を実行するか否かの第2特別図柄当否判定に用いられる第2特別図柄当否判定用乱数が設けられている。さらに、第1特別図柄の停止図柄を決定するための第1特別図柄決定用乱数と第2特別図柄の停止図柄を決定するための第2特別図柄決定用乱数とが設けられている。
第1始動口28aの遊技球入球に伴って、第1特別図柄当否判定用乱数と第1特別図柄決定用乱数が取得され、この取得された第1特別図柄当否判定用乱数と第1特別図柄決定用乱数は、主制御基板200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される。また、第2始動口28bの遊技球入球に伴って、第2特別図柄当否判定用乱数と第2特別図柄決定用乱数が取得され、主制御基板200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶される。
ここで、特別図柄の保留について説明する。第1特別図柄保留表示部53と第2特別図柄保留表示部54はそれぞれ2つのLEDからなり、2個のLEDの消灯、点灯、および点滅を組み合わせることで、それぞれ4個を上限として保留数を表示することができる。
第1始動口28aに入球した遊技球数は、第1特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第1特別図柄保留数は、第1始動口28aへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御基板200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶される第1特別図柄当否判定用乱数の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第1始動口28aへの遊技球の入球に伴い、第1特別図柄当否判定用乱数とともに第1特別図柄決定用乱数も取得されるので、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第1特別図柄保留数は、第1特別図柄当否判定が行われ第1特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。
第2始動口28bに入球した遊技球数は、第2特別図柄保留数として最大保留数(本実施例では4個)に達するまで保留可能となっている。第2特別図柄保留数は、第2始動口28bへの遊技球の入球が発生する度に取得されて主制御基板200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶される第2特別図柄当否判定用乱数の個数(記憶数)に相当する。本実施例では、第2始動口28bへの遊技球の入球に伴い、第2特別図柄当否判定用乱数とともに第2特別図柄決定用乱数も取得されるので、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄決定用乱数の記憶個数にも相当する。そして、第2特別図柄保留数は、第2特別図柄当否判定が行われ第2特別図柄の変動表示が開始される毎に消化され、1個ずつ減少する。なお、第1、第2特別図柄の保留および保留消化は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われる。
特別図柄当否判定用乱数(例えば「1〜300」の乱数値)には、大当りか否かを判定するため当否判定用の当り値(例えば「7」)が設定されており、遊技球が第1始動口28aまたは第2始動口28bに入球したタイミングで取得された特別図柄当否判定用乱数が当り値と一致する場合に大当りと判定される。第1特別図柄当否判定は、第1特別図柄が変動表示を開始する際に行われ、第2特別図柄当否判定は、第2特別図柄が変動表示を開始する際に行われる。そして、第1特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄は当り特別図柄(確変当り特別図柄または通常当り特別図柄)に決定され、第2特別図柄当否判定の結果が大当りの場合には、第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄は当り特別図柄(確変当り特別図柄または通常当り特別図柄)に決定される。なお、第1特別図柄の当り特別図柄の種類は第1特別図柄決定用乱数に基づき決定され、第2特別図柄の当り特別図柄の種類は第2特別図柄決定用乱数に基づき決定される。
一方、第1特別図柄当否判定が外れの場合には、第1特別図柄表示部61で停止表示される第1特別図柄が外れ特別図柄に決定され、第2特別図柄当否判定が外れの場合には第2特別図柄表示部62で停止表示される第2特別図柄が外れ図柄に決定される。
第1特別図柄および第2特別図柄は、所定の特別図柄変動パターンにしたがって変動表示するように構成されている。この特別図柄変動パターンは、特別図柄が変動表示を開始してから停止表示するまでの特図変動表示時間や、その変動におけるリーチ演出の有無(演出内容)を規定するものである。第1特別図柄および第2特別図柄の特別図柄変動パターンは、第1特別図柄当否判定および第2特別図柄当否判定が実行される際に取得される特図変動パターン決定用乱数を参照して、複数の特別図柄変動パターンが格納された特図変動パターンテーブルから一の特別図柄変動パターンが選択されることにより決定される。
第1特別図柄および第2特別図柄の特図変動パターンテーブルは、それぞれ複数用意されており、遊技状態に応じて選択されて用いられる。これらの複数の特図変動パターンテーブルには、当否判定結果が大当りの場合に選択される当り用特図変動パターンテーブルと、当否判定結果が外れの場合に選択される外れ用特図変動パターンテーブルとが含まれている。
また、本実施例の遊技機1では、第2特別図柄の変動表示を第1特別図柄より優先的に実行する第2特別図柄優先変動処理が行われるように構成されている。つまり、第1特別図柄保留数と第2特別図柄保留数の双方が1以上である場合には、第1特別図柄より第2特別図柄が優先的に変動開始し、第2特別図柄の保留が優先的に消化される。そして、第1特別図柄保留数が1以上で、かつ、第2特別図柄保留数がゼロとなった場合に、第1特別図柄の変動表示が実行される。
また、特別図柄当否判定、特別図柄変動パターンの決定、特別図柄の停止図柄の決定、第2特別図柄の優先変動は、後述の主制御基板200のCPU200aによって行われるように構成されている。
次に、大当り遊技(特別遊技)について説明する。第1特別図柄表示部61で停止表示された第1特別図柄が当り特別図柄であった場合(第1特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)、あるいは第2特別図柄表示部62で停止表示された第2特別図柄が当り特別図柄であった場合(第2特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)に、主制御基板200のCPU200aは遊技者に相対的に有利な大当り遊技(特別遊技)を開始させる。大当り遊技は、大当り遊技フラグをONに設定することで開始する。大当り遊技は、大入賞装置33を作動させる、換言すると大入賞口33aを複数回開閉させることで、大入賞口33aへの遊技球の入球に関して遊技者に利益(賞球)を付与するものであり、後述の特別電動役物遊技処理が繰り返し実行されることによって実現される。
大当り遊技中(特別遊技中)は、大入賞装置33が作動し、大入賞口33aへの遊技球の入球に応じて、所定数の賞球(例えば、1個の入球に対して15個の賞球)が払い出される。具体的には、大当り遊技の開始により、大入賞装置(特別電動役物)33を連続して作動させ、大入賞口33aを開放状態と閉鎖状態とに切り替える大入賞口開閉動作が複数回連続して行われる。大入賞装置33の作動開始により、大入賞口33aが開放状態となる。この開放状態は、所定の終了条件成立により終了し、開放していた大入賞口33aが閉鎖状態となる。所定の終了条件として、大入賞口33aの開放時間が所定時間(本実施例では30秒)に達したとき、もしくは開放状態の大入賞口33aに入球した遊技球数が所定数(本実施例では10個)に達したときとすることができる。
この大入賞口33aの開放状態の開始から終了までを1ラウンドとした場合、大当り遊技は、所定数のラウンドが行われることで終了する。大入賞装置33では、大入賞口33aの開放が終了、すなわち大入賞口33aが閉鎖状態となってから所定時間(例えば2秒)が経過した後に、大入賞口33aは再び開放状態となり、次のラウンドが開始する。このような大入賞口33aの開放開始から終了までを1ラウンドとする大入賞口33aの開閉動作は、所定の最高継続ラウンド数が終了するまで繰り返し継続される。なお、本実施例では、第1特別図柄表示部61で停止表示された第1特別図柄が当り特別図柄であった場合(第1特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)と、第2特別図柄表示部62で停止表示された第2特別図柄が当り特別図柄であった場合(第2特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)とで、大当り遊技(特別遊技)の最高継続ラウンド数を異ならせている。具体的には、第1特別図柄表示部61で停止表示された第1特別図柄が当り特別図柄であった場合(第1特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)の大当り遊技(特別遊技)の最高継続ラウンド数を「7ラウンド」に設定し、第2特別図柄表示部62で停止表示された第2特別図柄が当り特別図柄であった場合(第2特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)の最高継続ラウンド数を「15ラウンド」に設定している。これにより、第1特別図柄が当り特別図柄であった場合よりも、第2特別図柄が当り特別図柄であった場合の方が遊技者に払い出される総賞球量が多くなる。この結果、第1特別図柄が当り特別図柄で停止表示されることを契機として実行される大当り遊技よりも、第2特別図柄が当り特別図柄で停止表示されることを契機として実行される大当り遊技の方が遊技者にとって有利になる。また、これらのことから、第2始動口28bに遊技球が入球し易くなる開放時間延長機能の作動中や、後述する普図高速モード中は、第2特別図柄の保留数を増加させるだけでなく、大きな利益(15ラウンドの大当り遊技)を得るチャンス期間でもあるため、通常時に比べて有利であるといえる。
上述したように、本実施例の遊技機では、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)や開放時間延長機能、確率変動機能が作動する特定遊技(開放促進状態、いわゆる時短遊技および確変遊技)が開始される。特別図柄当否判定(第1特別図柄当否判定および第2特別図柄当否判定)には、複数種類の大当りが設定されており、特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常当り特別図柄)の場合には、大当り遊技終了後、時短遊技(開放促進状態)が開始され、特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変当り特別図柄)の場合には、大当り遊技終了後、確変遊技が開始される。なお、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)、開放時間延長機能、確率変動機能の各機能は、それぞれ変動短縮フラグ、開放延長フラグ、確変フラグをONに設定することで作動する。
特別図柄当否判定の結果が通常大当り(特別図柄の停止図柄が通常当り特別図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、変動時間短縮機能および第2始動口28bの開放時間を延長させる開放時間延長機能が作動開始し、時短遊技(開放促進状態)が開始される。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、主制御基板200のCPU200aの制御により作動または停止されるものであり、変動時間短縮機能には、普通図柄変動時間を短縮させる普通図柄変動時間短縮機能と、特別図柄変動時間を短縮させる特別図柄変動時間短縮機能とが含まれている。変動時間短縮機能および開放時間延長機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまでの間、または特別図柄の変動回数が所定回数(本例では100回)に到達するまで作動する。開放時間延長機能の作動により、第2始動口28bの開放時間が、例えば、通常時「1秒」であったのが「4.5秒(1.5秒×3回開放あるいは4.5秒×1回開放など)」に延長される。これにより、第2始動口28bへの遊技球入球頻度が、通常時(開放時間延長機能未作動時)に比べて高くなる。
特別図柄当否判定の結果が確変大当り(特別図柄の停止図柄が確変当り特別図柄)の場合には、大当り遊技の終了後、確率変動機能が作動開始し、確変遊技が開始される。確変遊技は、主制御基板200のCPU200aの制御により実現されるものであり、この確変遊技では、上記変動時間短縮機能および開放時間延長機能に加え、特別図柄当否判定の確率、すなわち特別図柄が大当り図柄で停止表示する確率を変更(向上)させる確率変動機能が作動する。確率変動機能作動中は、当否判定用の当り値が増加することで、特別図柄当否判定の確率が向上する。確率変動機能は、大当り遊技終了後、次回の大当り遊技が開始されるまで作動する。
次に、演出表示装置25で表示される演出図柄について説明する。図3は、演出表示装置25の画面表示例を示している。図3に示すように、演出表示装置25の表示領域には、演出図柄を表示する演出図柄表示部25a〜25cが設けられている。演出図柄表示部25a〜25cの演出図柄は第1特別図柄表示部61の第1特別図柄または第2特別図柄表示部62の第2特別図柄の変動表示および停止表示に連動して表示される。
演出図柄表示部25a〜25cは、左図柄が表示される左図柄表示領域25a、中図柄が表示される中図柄表示領域25b、右図柄が表示される右図柄表示領域25cからなる3つの図柄表示領域から構成されている。各図柄表示領域25a〜25cは、これらの表示領域の配置方向と略直交する向き、この場合、上下方向(縦方向)に図柄変動方向が設定されている。各図柄表示領域25a〜25cは、「1」〜「9」からなる図柄をそれぞれ表示可能となっている。
演出図柄は、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示開始により変動表示を開始し、第1特別図柄または第2特別図柄が何れかの停止図柄で停止表示されると、演出図柄は第1特別図柄または第2特別図柄の停止図柄に応じた図柄で停止表示される。演出図柄では、3桁同一の偶数図柄の組合せが特別図柄の通常当り特別図柄に対応し、3桁同一の奇数図柄の組合せが特別図柄の確変当り特別図柄に対応し、それら以外の図柄の組合せが特別図柄の外れ図柄に対応している。
演出図柄の変動態様(特別図柄変動パターン)および停止図柄の決定は、主制御基板200のCPU200aから送信される変動パターン指定コマンドに基づいてサブ制御基板260のCPU260aによって行われるように構成されている。ここで、主制御基板200のCPU200aから送信される変動パターン指定コマンドは、特別図柄の変動パターンを示すもので、具体的には、特別図柄の変動表示時間や、リーチ演出の有無等の演出内容を示している。主制御基板200のCPU200aは、特別図柄の当否判定が実行される際に取得される特図変動パターン決定用乱数を参照して、複数の特別図柄変動パターンが格納された特図変動パターンテーブルから一の特図変動パターンを決定する。そして、主制御基板200のCPU200aにより決定された特別図柄変動パターンに基づき、サブ制御基板260のCPU260aが、演出図柄表示部25aで表示される演出図柄の演出パターンを決定する。
演出表示装置25には、第1保留表示部25dと第2保留表示部25eが設けられている。第1保留表示部25dは、第1特別図柄保留表示部53と連動して表示され、第1特別図柄保留数に対応する数の丸図形「○」が表示される。第2保留表示部25eは、第2特別図柄保留表示部54と連動して表示され、第2特別図柄保留数に対応する数の丸図形「○」が表示される。本実施例の保留表示部25d、25eでは、一番左側の丸図形「○」が最先に記憶された保留を示し、右側に向かって順番に新しく記憶された保留を示している。
また、演出表示装置25には、後述する普図高速モードの開始を示す「普図高速モード開始演出」と、普図高速モード中であることを示す「普図高速モード中演出」と、普図高速モードが終了することを示す「普図高速モード終了演出」と、を表示する普図演出関連表示部25fが設けられている。この普図演出関連表示部25fでは、遊技球が第2始動口28bに入球する頻度が向上し、第2特別図柄保留数を貯め易くなる普図高速モードの発生可否に関連する演出表示を行う表示部である。なお、普図高速モード開始演出」、「普図高速モード中演出」、「普図高速モード終了演出」の詳細については後述する。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置について、図4に基づいて説明する。図4は、電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図4に示すように、電子制御装置は、主制御基板200と、その主制御基板200に接続された副制御基板230、260、280とを含んで構成されている。副制御基板は、払出制御基板(賞球制御基板)230、サブ制御基板260及び演出表示制御基板280から構成される。
各制御基板200、230、260、280には、図示しない主電源から電源が供給されている。また、電源立上げ時には、システムリ設定信号が各制御基板200、230、260、280に送信される。なお、本実施例の遊技機1は、電源断時に主制御基板200及び払出制御基板230に作動電圧を供給する図示しないバックアップ電源部(図示略)を備えており、電源断時にも主制御基板200及び払出制御基板230のRAMデータが保持される。
主制御基板200は、遊技の進行を司る主制御手段を構成するものであり、各副制御基板230、260に処理内容を指示する指令信号(コマンドデータ)を送信し、各副制御基板230、260、280は指令信号に基づいて各種制御を行うように構成されている。
主制御基板200のCPU200aは、CPUコア、内蔵RAM(以下、単にRAMともいう)、内蔵ROM(以下、単にROMともいう)等を備えており、ROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(遊技の基本進行制御)を司る。また、主制御基板200は、CPU200aが主体となって、ROMに格納された当否判定プログラムにより特別図柄の当否判定を行う当否判定手段を構成している。また、主制御基板200のCPU200aは、特別図柄当否判定を実行する際に、ROMに格納された特別図柄の変動パターンテーブルから一の特別図柄変動パターンを決定する。なお、本実施例の主制御基板200のCPU200aの制御周期は4msに設定されている。
主制御基板200には、盤面入力中継基板201と盤面出力中継基板202とが接続されている。盤面入力中継基板201には、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27s、始動口入球検知スイッチ28s、大入賞口入球検知スイッチ33sが接続されており、これらの信号が主制御基板200に入力するように構成されている。盤面出力中継基板202には、図柄表示装置(普通図柄表示部54、第1特別図柄表示部61、第2特別図柄表示部62)、始動口ソレノイド28c、大入賞口ソレノイド33cが接続されており、主制御基板200からの制御信号が出力される。
払出制御基板230は、主制御基板200のCPU200aと同様の構成を有するCPUを備えている。払出制御基板230には、発射制御基板250、CRユニット13等が接続されている。主制御基板200から払出制御基板230には、賞球払出を指示する賞球指示信号、遊技開始許可を指示する遊技開始許可信号、各種発射制御コマンド等のコマンドが送信される。各種発射制御コマンドには、球送り許可・禁止、発射許可・禁止、遊技開始許可等が含まれている。
サブ制御基板260には、CPU260aや図示しないROM、RAM、入出力ポート等を有する演算回路構成要素とサウンドジェネレータが設けられており、入出力ポートにおいて主制御基板200に接続されている。サブ制御基板260は、各種ランプ類による装飾表示、スピーカ10a〜10dから出力される効果音、演出表示装置25による演出図柄表示等を用いた演出制御を司るように構成されている。
主制御基板200からサブ制御基板260には、各種ランプ制御コマンド及び各種音声制御コマンドが送信される。主制御基板200から演出表示制御基板280には、サブ制御基板260を介して、演出図柄の表示制御を指示する各種図柄制御制御コマンドが送信される。サブ制御基板260から演出表示制御基板280には、演出表示制御を指示する各種演出表示制御コマンドが同時に送信される。
サブ制御基板260には、演出表示制御基板280が接続されている。演出表示制御基板280には、CPU、RAM、ROM、入出力ポート、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)等を有する演算回路構成要素(図示略)が設けられ、入出力ポートにおいてサブ制御基板260に接続されている。演出表示制御基板280には演出表示装置25が接続されている。演出表示制御基板280は、CPUがROMに格納された制御プログラムに従ってRAMをワークエリアとして演出表示装置25の表示制御を行うように構成されている。演出表示制御基板280のROMには、演出表示装置25で表示される演出用図柄の画像データが格納されている。
サブ制御基板260には、装飾駆動基板261を介して各種LED・ランプ262が接続されている。各種LED・ランプ262は、遊技効果を高めるためのものであり、これらのランプ類はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。また、サブ制御基板260にはアンプ基板263が接続されている。アンプ基板263にはスピーカ10a〜10dが接続されている。スピーカ10a〜10dからは、遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。さらに、サブ制御基板260には、演出ボタン基板264を介して演出ボタン5dが接続されている。サブ制御基板260のCPUは、主制御基板200や演出ボタン5dからの各種指令(演出パターン指定コマンドの受信)に基づいて、各種LED・ランプの点灯・点滅パターンの選択・実行処理や、スピーカ10a〜10dから出力される効果音データの選択・出力処理や、演出表示装置25での演出表示のパターンの選択・実行処理等を行う。
次に、本実施例の遊技機1の作動をフローチャートに基づいて説明する。図5は、主制御基板200のCPU200aがROMに格納されたプログラムに基づいて実行するメインジョブの一例を示している。図5に示すメインジョブは、電源投入処理S100を実行した後、遊技開始処理S200、普通図柄遊技処理S300、普通電動役物遊技処理S400、特別図柄遊技処理S500、特別電動役物遊技処理S600の各ステップが、タイマリ設定される毎に繰り返し実行される。電源断発生処理S50は、停電等によって電源断が発生した場合に、使用レジスタやスタックポインタの保存、払出モータの停止等が行われ、システムリ設定が発生した場合に電源投入処理S100に移るようになっている。電源投入処理S100は、電源投入時と電源断発生後の復電時に行われるものであり、電源投入時にはRAM初期化処理等が行われ、電源断復帰時には電源断時の遊技状態に復帰させるための復帰設定等が行われ。遊技開始処理S200では、各種スイッチ状態の検出、各種乱数の更新、賞球制御等が行われる。
次に、普通図柄遊技処理S300を図6のフローチャートに基づいて説明する。まず、普通図柄作動ゲート検知スイッチ27sにより、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したか否かを判定する(S301)。この結果、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過していないと判定された場合には(S301:NO)、S304の処理に移行する。一方、遊技球が普通図柄作動ゲート27を通過したと判定された場合には(S301:YES)、普通図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S302)。この結果、普通図柄保留数が4以上である場合には(S302:NO)、S304の処理に移行する。一方、普通図柄保留数が4未満の場合には(S302:YES)、前述の普通図柄関連乱数(普通図柄当否判定用乱数、普図停止図柄決定用乱数)を取得してRAMの所定領域に記憶する(S303)。これにより、普通図柄保留数が1増加する。
次に、第2始動口28bが開放中であるか否かを判定し(S304)、第2始動口28bが開放中であると判定された場合には(S304:YES)、普通図柄遊技処理を終了し、第2始動口28bが開放中でないと判定された場合には(S304:NO)、普通図柄が変動中か否かを判定する(S305)。この結果、普通図柄が変動中であると判定された場合には(S305:YES)、S313の処理に移行する。一方、普通図柄が変動中でないと判定された場合には(S305:NO)、普通図柄の停止表示時間中か否かを判定する(S306)。ここで、普通図柄の停止表示時間とは、停止表示された普通図柄を確定させる時間のことであり、本実施例では、普通図柄の停止表示時間を「1秒」としている。そして、普通図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S306:NO)、後述のS316の処理に移行し、普通図柄表示時間中でないと判定された場合には(S306:YES)、普通図柄保留数がゼロか否かを判定する(S307)。
この結果、普通図柄保留数がゼロであると判定された場合は(S307:YES)、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄保留数がゼロでないと判定された場合は(S307:NO)、S303の処理で取得して記憶した普通図柄当否判定用乱数をRAMの所定領域から読み出し、普通図柄当否判定を行う(S308)。この普通図柄当否判定では、S303で記憶した普通図柄当否判定用乱数(1〜100の乱数値のいずれか)が、そのときの遊技状態に対応する「普通図柄当否判定用テーブル」に設定された当り値と一致しているか否かを判定する。普通図柄当否判定用テーブルは、図9にあるように、開放時間延長機能が作動していない状態での普通図柄当否判定で用いられる「通常用普図当否判定用テーブル」(図9(a)参照)と、開放時間延長機能が作動している状態での普通図柄当否判定で用いられる「高確用普図当否判定用テーブル」(図9(b)参照)とがある。なお、開放時間延長機能が作動している状態を「高確用」と称するのは、開放時間延長機能が作動している状態では普通図柄当否判定で当りと判定される確率が、開放時間延長機能が作動していない状態に比して高いためである。図9からも明らかなように、「高確用普図当否判定用テーブル」は、「通常用普図当否判定用テーブル」よりも「当り値」が多く設定されており(当り確率が99/100)、開放時間延長機能が作動している状態での普通図柄当否判定では、非常に高い確率(90%以上)で当り判定がされる。また、前述したように「通常用普図当否判定用テーブル」も、当り確率が「80/100」と高確率に設定されていることから、開放時間延長機能が作動していない状態での普通図柄当否判定でも多くが当り判定されることになる。
そして、普通図柄当否判定が行われた後は、S303の処理で取得して記憶した普図停止図柄決定用乱数をRAMの所定領域から読み出し、普通図柄の停止図柄設定を行う(S309)。この停止図柄設定では、先に行われた普通図柄当否判定で外れと判定された場合には、普通図柄の停止図柄を1種類の外れ普通図柄に設定し、先に行われた普通図柄当否判定で当りと判定された場合には、普通図柄の停止図柄を50種類の当り普通図柄のいずれかに設定する処理が行われる。普通図柄の停止図柄は、普図停止図柄設定用テーブル(図10)を参照して設定される。図10にあるように、普図停止図柄設定用テーブルとしては、普通図柄当否判定で外れと判定された場合に用いられる「外れ時普図停止図柄設定用テーブル」(図10(a)参照)と、普通図柄当否判定で当りと判定された場合に用いられる「当り時普図停止図柄設定用テーブル」(図10(b)参照)とがある。
図10(a)からも明らかなように、「外れ時普図停止図柄設定用テーブル」には、全ての普図停止図柄決定用乱数(1〜50)に1種類の外れ普通図柄が対応して設定されている。外れ普通図柄の表示態様としては、普通図柄表示部51を構成する3個のLEDが全て青色(「上LED−左下LED−右下LED」が「青−青−青」)で点灯する表示態様が設定されている。また、図10(b)からも明らかなように、「当り時普図停止図柄設定用テーブル」には、普図停止図柄決定用乱数(1〜50の乱数値)各々に50種類の当り普通図柄が個別に対応して設定される。各々の当り普通図柄の表示態様は、他の当り普通図柄の表示態様および外れ普通図柄の表示態様とは異なる表示態様が設定されている。また、本実施例では、50種類の当り普通図柄のうち、1種類の当り普通図柄(図10(b)中の当り普通図柄50)を特定当り普通図柄としている。特定当り普通図柄の表示態様としては、普通図柄表示部51を構成する3個のLEDが全て赤色(「上LED−左下LED−右下LED」が「赤−赤−赤」)で点灯する表示態様が設定されている。なお、本実施例では、この特定当り普通図柄が停止図柄に設定されることを、後述の普図高速モードの発生契機としている。
普通図柄の停止図柄設定が行われた後は、次に、普図変動表示時間を設定する普通図柄変動パターン設定処理を行う(S310)。ここで、普通図柄変動パターン設定処理を図7のフローチャートに基づいて説明する。
まず、普図特殊変動フラグがONに設定されているか否かを判定する(S310a)。「普図特殊変動フラグ」は、普図特殊変動遊技が実行中であること示すフラグであり、普図変動時間短縮機能の非作動時に特定当り普通図柄が停止表示されたときに後述のS310fの処理でONに設定される。S310aで普図特殊変動フラグがONに設定されていないと判定された場合には(S310a:NO)、変動短縮フラグがONに設定されているか否かを判定し(S310b)、ONに設定されていない場合には(S310b:NO)、普通図柄遊技処理のS309で普通図柄の停止図柄に特定当り普通図柄が設定されたか否かを判定する(S310c)。S310cで特定当り普通図柄が設定されていないと判定された場合には(S310c:NO)、普図変動表示時間として、通常変動用変動時間(本実施例では40秒)を設定する(S310d)。一方、S310cで特定当り普通図柄が設定されていると判定された場合には(S310c:YES)、普図変動表示時間として、開始演出用変動時間(本実施例では5秒)を設定し(S310e)、普図特殊変動フラグをONにする(S310f)。なお、普図特殊変動フラグをONに設定したときに、普図特殊変動フラグがONになったことを示す「普図特殊変動フラグON信号」をサブ制御基板260に送信している(図示省略)。サブ制御基板260は、普図特殊変動フラグON信号を受けることにより、開始演出用変動時間中に、普図高速モードの開始を示す「普図高速モード開始演出」を実行することができる。
一方、変動短縮フラグがONに設定されていると判定された場合には(S310b:YES)、普図変動表示時間として、短縮変動用変動時間(本実施例では1秒)を設定する(S310h)。また、S310aの判定処理で、普図特殊変動フラグがONに設定されていると判定された場合においても(S310a:YES)、後述のカウンタ計数を経て、普図変動表示時間として短縮変動用変動時間(本実施例では1秒)を設定する(S310h)。これにより、普図変動時間短縮機能の非作動時であっても、普図特殊変動フラグがONに設定されている場合には、普図変動表示時間が短縮される普通図柄遊技が行われる。本実施例では、「普図変動時間短縮機能の非作動時であっても普図変動表示時間が短縮される普通図柄変動遊技」を「普図特殊変動遊技」と称し、この普図特殊変動遊技が連続して実行される遊技期間を「普図高速モード」と称する。なお、本実施例では、普図高速モード中(普図特殊変動フラグがONに設定されている状態)に、普通図柄の停止図柄として特定当り普通図柄が停止表示されたときは、普図特殊変動フラグを改めてONに設定し直すことなく、他の普通図柄が停止表示されたときと同様の処理で普通図柄遊技を進行させるようにしている。これにより、普図高速モードが必要以上に長期化しないようにしている。
なお、普図特殊変動フラグがONに設定されていると判定された場合には、短縮変動用変動時間を設定するのに先立ち、普図特殊変動カウンタのカウント値を「1」減算する(S310i)。その後に、普図特殊変動カウンタのカウント値が「0(ゼロ)」であるか否かを判定し(S310j)、普図特殊変動カウンタのカウント値が「0(ゼロ)」であると判定された場合には(S310j:YES)、普図特殊変動フラグをOFFに設定する(S310k)。これにより、普図特殊変動遊技が実行される遊技期間(普図高速モード)が終了する。なお、普図特殊変動フラグをOFFに設定したときに、普図特殊変動フラグがOFFになったことを示す「普図特殊変動フラグOFF信号」をサブ制御基板260に送信している(図示省略)。サブ制御基板260は、普図特殊変動フラグOFF信号を受けることにより、普図特殊変動遊技の終了を示す「普図高速モード終了演出」を実行することができる。一方、普図特殊変動カウンタのカウント値が「0(ゼロ)」でないと判定された場合には(S310j:NO)、普図特殊変動フラグをONのまま維持して、S310hの処理に進む。
なお、普通図柄変動パターン設定処理では、上述の普図特殊変動フラグと変動短縮フラグの両方がONに設定されている状態も発生し得る(普図特殊変動フラグがONの状態で大当り遊技が終了して、変動短縮フラグがONになる場合がある)。しかし、この場合は、普図変動表示時間として同一の短縮変動用変動時間が設定されるので、普図変動時間短縮機能の作動による本来の優位性(従来の特定遊技での優位性)が失われることはない。また、この場合、普図特殊変動カウンタの値は、変動短縮フラグがONになっている間に行われる普通図柄が変動表示される毎に減少する。
普図変動表示時間を設定したら、図6のS311の処理に移行して普通図柄の変動表示を開始し(S311)、普通図柄保留数を1減算する(S312)。以上までが、普通図柄の変動表示を開始する際の処理である。
次に、上記S305の処理で普通図柄が変動中であると判定された場合には(S305:YES)、普図変動表示時間が経過したか否かを判定し(S313)、普図変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S313:NO)、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普図変動表示時間が経過していると判定された場合には(S313:YES)、普通図柄の変動を停止し(S314)、普通図柄の停止表示時間を設定する(S315)。
次に、普通図柄の停止表示時間が経過したか否かを判定し(S316)、普通図柄の停止表示時間が経過していないと判定された場合には(S316:NO)、普通図柄遊技処理を終了する。一方、普通図柄の停止表示時間が経過していると判定された場合には(S316:YES)、普通図柄の停止図柄が第2始動口28bを作動(開放作動)させることとなる当り普通図柄であるか否かを判定する(S317)。この結果、普通図柄の停止図柄が当り図柄でないと判定された場合には(S317:NO)、普通図柄遊技処理を終了する。
一方、普通図柄の停止図柄が当り図柄であると判定された場合には(S317:YES)、開放延長フラグがONに設定されているか否か(開放時間延長機能が作動しているか否か)を判定する(S318)。この結果、開放延長フラグがONの場合(開放時間延長機能が作動している場合)には(S318:YES)、第2始動口28bの開放パターンとして長時間開放パターン(本実施例では4.5秒)を設定し(S319)、開放延長フラグがOFFの場合(開放時間延長機能が作動していない場合)には、第2始動口28bの開放パターンとして短時間開放パターン(本実施例では1秒)を設定する(S320)。そして、第2始動口28bを設定された開放パターンに従って開放状態とする作動を開始させる(S321)。これにより、一対の翼片部が左右に開動作して、第2始動口28bが開放状態となる。
次に、普通電動役物遊技処理S400を図8のフローチャートに基づいて説明する。まず、第2始動口28bが作動中(開放状態中)であるか否かを判定する(S401)。この結果、第2始動口28bが作動中でないと判定された場合には(S401:NO)、普通電動役物遊技処理を終了する。一方、第2始動口28bが作動中であると判定された場合には(S401:YES)、第2始動口28bの作動時間(開放時間)が経過したか否かを判定し(S402)、第2始動口28bの作動時間が経過していないと判定された場合には(S402:NO)、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったか否か(規定数の遊技球が入球したか否か)を判定する(S403)。
この結果、第2始動口28bに規定入賞数の入賞がないと判定された場合は(S403:NO)、普通電動役物遊技処理を終了する。一方、第2始動口28bに規定入賞数の入賞があったと判定された場合と(S403:YES)、第2始動口28bの作動時間(開放時間)が経過していると判定された場合には(S402:YES)、第2始動口28bの作動を停止する(S404)。第2始動口28bが作動停止すると、一対の翼片部が閉動作して、第2始動口28bは閉鎖状態(通常状態)となる。
次に、特別図柄遊技処理S500を図11〜図14のフローチャートに基づいて説明する。まず、図11(a)に示すように、始動口入賞処理を行う(S501)。ここで、始動口入賞処理について図12のフローチャートに基づいて説明する。
まず、第1始動口28aに入賞(遊技球が入球)したか否かを判定し(S501a)、第1始動口28aに入賞していないと判定された場合には(S501a:NO)。S501dの処理に移行する。一方、第1始動口28aに入賞したと判定された場合には(S501a:YES)、第1特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501b)。この結果、第1特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501b:NO)、S501dの処理に移行し、第1特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501b:YES)、第1特別図柄用乱数(第1図柄当否判定情報)を取得してRAMの所定領域に記憶する(S501c)。第1特別図柄用乱数は、第1特別図柄当否判定用乱数、第1特別図柄の当り図柄決定用乱数、リーチ乱数などからなる。これにより、第1特別図柄保留数が1増加する。
次に、第2始動口28bに入賞したか否かを判定し(S501d)、第2始動口28bに入賞していないと判定された場合には(S501d:NO)。始動口入賞処理を終了する。一方、第2始動口28bに入賞したと判定された場合には(S501d:YES)、第2特別図柄保留数が4未満であるか否かを判定する(S501e)。この結果、第2特別図柄保留数が4未満でない(4以上である)と判定された場合には(S501e:NO)、始動口入賞処理を終了し、第2特別図柄保留数が4未満であると判定された場合には(S501e:YES)、第2特別図柄用乱数(第2図柄当否判定情報)を取得して記憶する(S501f)。第2特別図柄用乱数は、第2特別図柄当否判定用乱数、第2特別図柄決定用乱数、リーチ乱数などからなる。これにより、第2特別図柄保留数が1増加する。
図11(a)に戻り、始動口入賞処理(S501)から復帰すると、大当り遊技中であるか否かを判定する(S502)。この結果、大当り遊技中であると判定された場合には(S502:YES)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中でないと判定された場合には(S502:NO)、第1特別図柄または第2特別図柄が変動中であるか否かを判定する(S503)。この結果、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれかが変動中であると判定された場合には(S503:YES)、後述のS510の処理に移行し、第1特別図柄または第2特別図柄のいずれもが変動中でないと判定された場合には(S503:NO)、第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時間中であるか否かを判定する(S504)。第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時間中であると判定された場合には(S504:YES)、後述のS513の処理に移行し、第1特別図柄または第2特別図柄の停止表示時間中でないと判定された場合には(S504:NO)、第2特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S506)。この結果、第2特別図柄保留数がゼロであると判定された場合(S506:YES)には、第1特別図柄保留数がゼロであるか否かを判定する(S507)。
そして、第1特別図柄保留数がゼロであると判定された場合には(S507:YES)、特別図柄遊技処理を終了する。一方、第1特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S507:NO)、第1特別図柄変動表示処理を行う(S508)。ここで、第1特別図柄変動表示処理を図13のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御基板200のRAMの所定領域(第1保留記憶領域)に記憶されている第1特別図柄当否判定用乱数(第1始動口28aへの遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S508a)、第1特別図柄当否判定を行う(S508b)。第1特別図柄当否判定では、確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りとなる確率を高くした状態(高確率状態)で当否判定を行い、確率変動機能が作動中でない(通常状態中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定、すなわち判定結果が大当りとなる確率を低くした状態(低確率状態)で当否判定を行う。
次に、当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S508c)。この結果、大当りであると判定された場合には(S508c:YES)、大当り変動パターンテーブルを設定し(S508d)、変動パターン決定乱数を取得し、主制御基板200のRAMの所定領域に記憶されている当り図柄決定用乱数(第1始動口28aへの遊技球入球時に取得された第1特別図柄決定用乱数)を読み出す(S508e)。
一方、外れであると判定された場合には(S508c:NO)、リーチ演出を伴う外れである否かを判定する(S508f)。この結果、リーチ演出を伴う外れである場合には(S508f:YES)、リーチあり外れ変動パターンテーブルを設定し(S508g)、リーチ演出を伴わないリーチ外れである場合には(S508f:NO)、リーチなし外れ変動パターンテーブルを設定する(S508h)。そして、変動パターン決定乱数と外れ図柄決定乱数を取得する(S508i)。
次に、第1特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S508j)。第1特別図柄の変動パターンは、S508eまたはS508iで取得した第1特別図柄変動パターン決定用乱数を用いて、S508d、S508g、S508hの何れかの処理で設定した変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。第1特別図柄の停止図柄は、S508eで読み出した当り図柄決定乱数またはS508iで取得した外れ図柄決定乱数用いて第1特別図柄の停止図柄を確変大当り図柄、通常大当り図柄、外れ図柄の何れかに決定する。
次に、S508jで決定された停止図柄および変動パターンに従って、第1特別図柄表示部61で第1特別図柄の変動表示を開始し(S508k)、サブ制御基板260に第1特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドを送信する(S508l)。変動パターン指定コマンドは、S508jで設定された変動パターンを指定するコマンドであり、第1特別図柄情報指定コマンドは、第1特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
次に、第1特別図柄保留数を1減算し(S508m)、第1特別図柄保留数コマンドをサブ制御基板260に送信する(S508n)。
次に、図11(a)に戻り、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第2特別図柄変動表示処理を行う(S509)。なお、S506の判定処理で第2特別図柄保留数がゼロでないと判定された場合には(S506:NO)、第1特別図柄保留数がゼロでなくても(1以上であっても)第2特別図柄の変動表示処理が実行される。これにより、第2特別図柄が第1特別図柄よりも優先して変動表示が行われることとなり、S506の判定処理によって第2特別図柄の優先変動機能が実現される。
ここで、第2特別図柄変動表示処理を図14のフローチャートに基づいて説明する。まず、主制御基板200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶されている第2特別図柄当否判定用乱数(第2始動口28bへの遊技球入球時に取得された当否判定用乱数)を読み出し(S509a)、第2特別図柄当否判定を行う(S509b)。確率変動機能が作動中(確変遊技中)の場合には、確率変動時の当否判定(高確率状態の当否判定)を行い、確率変動機能が作動中でない(通常状態中)と判定された場合には、非確率変動時の当否判定(低確率状態の当否判定)を行う。
次に、当否判定の結果が大当りであるか否かを判定する(S509c)。この結果、当否判定の結果が大当りであると判定された場合には(S509c:YES)、大当り変動パターンテーブルを設定し(S509d)、変動パターン決定乱数を取得し、主制御基板200のRAMの所定領域(第2保留記憶領域)に記憶されている当り図柄決定用乱数(第2始動口28bへの遊技球入球時に取得された第2特別図柄決定用乱数)を読み出す(S509e)。
一方、外れであると判定された場合には(S509c:NO)、リーチ演出を伴う外れである否かを判定する(S509f)。この結果、リーチ演出を伴う外れである場合には(S509f:YES)、リーチあり外れ変動パターンテーブルを設定し(S509g)、リーチ演出を伴わないリーチ外れである場合には(S509f:NO)、リーチなし外れ変動パターンテーブルを設定する(S509h)。そして、変動パターン決定乱数と外れ図柄決定乱数を取得する(S509i)。
次に、第2特別図柄の変動パターンと停止図柄を決定する(S509j)。第2特別図柄の変動パターンは、S509eまたはS509iで取得した第2特別図柄変動パターン決定用乱数を用いて、S509d、S509g、S509hの何れかの処理で設定した変動パターンテーブルから特定の変動パターンを選択する。第2特別図柄の停止図柄は、S509eで読み出した当り図柄決定乱数(第2始動口28bへの遊技球入球時に取得された第2特別図柄決定用乱数)またはS509iで取得した外れ図柄決定乱数を用いて第2特別図柄の停止図柄を確変大当り図柄、通常大当り図柄、外れ図柄の何れかに決定する。
次に、S509jで決定された停止図柄および変動パターンに従って、第2特別図柄表示部61で第2特別図柄の変動表示を開始し(S509k)、サブ制御基板260に第2特別図柄の変動パターン指定コマンドと停止情報指定コマンドを送信する(S509l)。変動パターン指定コマンドは、S509jで設定された変動パターンを指定するコマンドであり、第2特別図柄情報指定コマンドは、第2特別図柄の停止図柄を指定するコマンドである。
次に、第2特別図柄保留数を1減算し(S509m)、第2特別図柄保留数コマンドをサブ制御基板260に送信する(S509n)。
次に、図11(a)に戻り、上記S503で第1特別図柄または第2特別図柄が変動中であると判定された場合には(S503:YES)、変動中の特別図柄の変動表示時間が経過しているか否かを判定する(図11(b)のS510)。この結果、特別図柄の変動表示時間が経過していないと判定された場合には(S510:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の変動表示時間が経過していると判定された場合には(S510:YES)、特別図柄の変動を停止し(S511)、特別図柄の停止表示時間を設定する(S512)。
次に、特別図柄の停止図柄表示時間が経過したか否かを判定する(S513)。この結果、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していないと判定された場合には(S513:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、特別図柄の停止図柄表示時間が経過していると判定された場合には(S513:YES)、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かを判定する(S514)。この結果、特別図柄の停止図柄が大当り図柄であると判定された場合には(S514:YES)、大当り遊技フラグをONに設定する(S515)。これにより、大当り遊技が開始される。
次に、確変フラグがONであるか否かを判定し(S516)、確変フラグがONであると判定された場合は(S516:YES)、確変フラグをOFFに設定し(S517)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S518)、開放延長フラグをOFFに設定する(S519)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、確率変動機能、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)、開放時間延長機能が作動停止する。
一方、確変フラグがONでないと判定された場合には(S516:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S520)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S520:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S520:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S518)、開放延長フラグをOFFに設定する(S519)。これにより、大当り遊技の開始に伴い、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)、開放時間延長機能が作動停止する。
上記S514の判定処理で、特別図柄の停止図柄が大当り図柄でないと判定された場合には(S514:NO)、変動短縮フラグがONであるか否かを判定する(S521)。この結果、変動短縮フラグがONでないと判定された場合には(S521:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動短縮フラグがONであると判定された場合には(S521:YES)、特別図柄の変動回数を計数し(S522)、変動回数が予め設定された変動回数(本実施例では100回)に到達したか否かを判定する(S523)。
この結果、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達していないと判定された場合には(S523:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、変動回数が予め設定された変動回数(100回)に到達したと判定された場合には(S523:YES)、変動短縮フラグをOFFに設定し(S524)、開放延長フラグをOFFに設定する(S525)。これにより、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)、開放時間延長機能が作動停止する。
次に、特別電動役物遊技処理S600について図15のフローチャートに基づいて説明する。まず、大当り遊技中であるか否かを判定し(S601)、大当り遊技中でないと判定された場合には(S601:NO)、特別図柄遊技処理を終了し、大当り遊技中であると判定された場合には(S601:YES)、大入賞口33aが開放中であるか否かを判定する(S602)。ここで、大当り遊技中であるか否かの判定は、図11(b)に示したS515の処理にてONに設定される「大当り遊技フラグ」を参照することによって(「大当り遊技フラグ」がONに設定されているか否かを判定することによって)行うことができる。
そして、S602にて大入賞口33aが開放中であると判定された場合には(S602:YES)、大入賞口33aの開放時間が経過したか否かを判定し(S603)、大入賞口33aの開放時間が経過していないと判定された場合には(S603:NO)、大入賞口33aに最大入賞数が入賞したか否かを判定する(S604)。
この結果、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していないと判定された場合には(S604:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aに最大入賞数が入賞していると判定された場合(S604:YES)または大入賞口33aの開放時間が経過していると判定された場合には(S603:YES)、大入賞口33aを閉鎖する(S605)。
上記S602で、大入賞口33aが開放中でないと判定された場合には(S602:NO)、大当り遊技のラウンド数が所定回数(最高継続ラウンド数)に達したか否かを判定する(S606)。なお、本実施例では、第1特別図柄表示部61で停止表示された第1特別図柄が当り特別図柄であった場合(第1特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)には、大当り遊技の最高継続ラウンド数が「7ラウンド」に設定され、第2特別図柄表示部62で停止表示された第2特別図柄が当り特別図柄であった場合(第2特別図柄当否判定の結果が大当りだった場合)には、大当り遊技の最高継続ラウンド数が「15ラウンド」に設定される。そして、大当り遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していないと判定された場合には(S606:NO)、大入賞口33aの閉鎖時間(インターバル時間)が経過しているか否かを判定し(S607)、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していないと判定された場合には(S607:NO)、特別電動役物遊技処理を終了し、大入賞口33aの閉鎖時間が経過していると判定された場合には(S607:YES)、大入賞口33aを開放させる(S608)。
上記S606で、大当り遊技のラウンド数が最高継続ラウンド数に達していると判定された場合には(S606:YES)、大当り遊技フラグをOFFに設定する(S609)。これにより、大当り遊技が終了する。そして、大当り遊技の開始契機となった特別図柄当否判定の結果(停止表示された大当り図柄の種類)が確変大当り図柄か否かを判定する(S610)。この結果、特別図柄当否判定の結果が確変大当り図柄であると判定された場合には(S610:YES)、確変フラグをONに設定し(S611)、変動短縮フラグをONに設定し(S612)、開放延長フラグをONに設定する(S613)。これにより、確率変動機能、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)、開放時間延長機能が作動開始する。
一方、S610の判定処理で特別図柄当否判定が確変大当り図柄でない(通常大当り図柄である)と判定された場合には(S610:NO)、変動短縮フラグをONに設定し(S612)、開放延長フラグをONに設定する(S613)。これにより、変動時間短縮機能(普図変動時間短縮機能、特図変動時間短縮機能)、開放時間延長機能が作動開始する。
以上説明したように、大当り遊技が開始されるときや、大当り遊技が終了するときには、確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグをON、OFF設定する処理が行われる。ここで、前述した普図特殊変動フラグについて説明する。普図特殊変動フラグのON,OFF設定は、確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグをON、OFF設定する契機(大当り遊技が開始されるときや、大当り遊技が終了するとき)と一致していないため、特別図柄遊技の進捗状況や大当り遊技の実行可否に左右されずに行われる。すなわち、本実施例の普図特殊変動遊技は、変動短縮フラグがONの間を除いて、大当り遊技中や特別図柄の変動表示中など、特別図柄遊技の遊技進行状況に拘らず実行されるように制御されている。このため、普図特殊変動遊技(普図高速モード)は、特別図柄遊技の様々なタイミングで開始されることになり、特別図柄遊技を主に行う遊技者に意外性を与えることができる。
次に、サブ制御基板260のCPU260aが主体となって行う普図高速モード関連演出処理について説明する。図16は、サブ制御基板260のCPU260aがROMに格納されたプログラムに基づいて実行する普図高速モード関連演出処理の流れを示すフローチャートであり、この処理はサブ制御基板260のCPU260aが実行する図示しないメインルーチンのサブルーチンとして実行される。
まず、主制御基板200から送信される普図特殊変動フラグON信号を受信したか否かを判定する(S701)。この結果、普図特殊変動フラグON信号を受信していないと判定された場合には(S701:NO)、本処理を終了する。一方、普図特殊変動フラグON信号を受信したと判定された場合には(S701:YES)、普図特殊変動遊技が連続して実行される「普図高速モード」が開始されたことを示す「普図高速モード開始演出」を実行する(S702)。普図高速モード開始演出は、演出表示装置25の普図演出関連表示部25f上での「普図高速モード開始!」という特殊演出表示と、普図高速モードの開始を示す特殊音声出力により実現される。なお、普図高速モード開始演出は、特定当り普通図柄が停止表示されるときの普通図柄の変動表示中に行われる。すなわち、普通図柄が開始演出用変動時間(本実施例では5秒間)で変動表示する間に普図高速モード開始演出が行われ、普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示することで普図高速モード開始演出が終了する。そして、普図高速モード開始演出の終了とともに、特定当り普通図柄が停止表示し、第2始動口28bを短開放パターンで開放状態に作動させることとなる。
普図高速モード開始演出を実行した後は、普図高速モード中演出を実行する(S703)。この普図高速モード中演出は、10回の普通図柄の変動表示が行われるまで(普図特殊変動フラグOFF信号を受信するまで)継続して実行する(S704:NO)。なお、普図高速モード中演出は、演出表示装置25の普図演出関連表示部25f上での「普図高速モード中!」という特殊演出表示と、普図高速モード中であることを示す特殊音声出力により実現される。
そして、S704の判定処理で、主制御基板200から送信される普図特殊変動フラグOFF信号を受信したと判定された場合には(S704:YES)、普図高速モード中演出を終了し、普図高速モード終了演出を実行する(S705)。この普図高速モード終了演出は、演出表示装置25の普図演出関連表示部25f上での「普図高速モード終了!」という特殊演出表示と、普図高速モードが終了することを示す特殊音声出力により実現される。普図高速モード終了演出を実行した後は、普図高速モード演出関連処理を終了し、再び普図特殊変動フラグON信号を受信するまで待機する。
以上説明した本実施例では、普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示する際に普図特殊変動フラグがONとなり、普図特殊変動遊技が所定回数連続して実行可能となる「普図高速モード」が発生する。この普図特殊変動遊技は、変動短縮フラグがONになっていないにも拘らず、普通図柄の変動時間として短縮変動用変動時間が設定される特殊な普通図柄遊技である。また、本実施例では、開放時間延長機能が作動していないときであっても、普通図柄が当り普通図柄で停止表示する確率が80/100と高確率である。このため、普図高速モードの発生期間は、普図特殊変動遊技が所定回数(本実施例では10回)連続して実行されることで、第2始動口28bの開放状態(短開放パターン)が集中して発生し易くなる(本実施例では、約8回開放状態となる)。これにより、普図変動時間短縮機能が作動していない状態であっても、第2始動口28bの開放状態を頻発させる遊技期間を設けることができ、通常時や大当り遊技中に、第1特別図柄よりも遊技者に有利な第2特別図柄に対応する第2始動口28bへの入球頻度を高めることができる。この結果、通常時や大当り遊技中の遊技者の遊技興趣を効果的に向上させることができる。
また、普図高速モードの開始および終了を、特別図柄遊技の進行過程を擬似的に示す演出表示装置25上で行うことで次のような遊技効果が得られる。すなわち、特別図柄遊技の進行を注視している遊技者に、普図高速モードの開始および終了を容易に認識させることができ、「普図高速モードが発生していることの見落とし」により遊技者が損失を受けること(普図高速モード中に遊技球発射を停止してしまう等)を防止することができる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、上記実施例では、普図高速モード中演出として「普図高速モード中!」の演出表示や特殊音声出力を行うこととしていたが、普図高速モード中演出を次のように構成してもよい。すなわち、普図特殊変動遊技における普通図柄の短縮変動用変動時間と、普通図柄の停止時間と、第2始動口28bが開放状態となる開放時間とを、夫々予め規定された1種類の時間だけに設定し、普通図柄の保留数がゼロにならないことを前提として、所定回数の普図特殊変動遊技が連続して行われるのに要する時間(普図高速モードの開始から終了までの発生時間)を把握可能に構成し、図17に示すように「普図高速モードの残り時間」を遊技者に向けて表示や音声で報知する構成としてもよい。
具体的には、普図特殊変動遊技における普通図柄の短縮変動用変動時間を「1秒」の1種類とし、普通図柄の停止時間を「0.5秒」の1種類とし、第2始動口28bの開放時間(短開放パターン)を「1.5秒」の1種類とする。これによると、1回の普図特殊変動遊技に要する時間は、「3秒(=1秒+0.5秒+1.5秒)」と規定できる。そして、普図特殊変動遊技が行われる普通図柄変動回数を「10回(普図特殊変動カウンタのカウント値を10とする)」とすると、普通図柄の保留がゼロにならないことを前提として、所定回数の普図特殊変動遊技が行われるのに要する時間(普図高速モードの開始から終了までの発生時間)を「30秒(=3秒×10回)」と推定できる。このような構成の場合に、普図高速モード開始演出終了後に行われる普図高速モード中演出にて「30秒」のカウントダウン表示(「残り時間○○秒!」の報知)を随時行うように設定しておくことで、報知時間中に遊技者の興趣を向上させるとともに、報知時間が「0(ゼロ)」になるまで遊技者による遊技球の発射を促進することができる。また、このように第2始動口28bが開放状態となりやすい期間が「時間」で規定されているかのような特殊な遊技モードを設けることで、従来の大当り遊技等とは異なる新たな遊技価値を付加することができる。
また、上述のように普図高速モードの発生時間を報知する場合には、普図特殊変動フラグをONに設定する契機を次のようにしてもよい。すなわち、特定当り普通図柄が停止表示されたときの普通図柄の保留数が、普図高速モードの終了契機である普通図柄の変動表示回数以上である場合にだけ、普図特殊変動フラグをONに設定することとする。例えば、上述の実施例での普図高速モードは、普図特殊変動遊技が10回行われることを終了契機としていたため、普通図柄の保留数の最大値を「10」まで記憶可能に構成するとする。そして、特定当り普通図柄が停止表示されたときの普通図柄の保留数が「10」である場合にだけ普図特殊変動フラグをONに設定することとする。この場合、特殊普通図柄変動遊技の開始されるときには、普通図柄の保留数が「10」のときに限定され、既に10回の普通図柄遊技の実行が担保されているため、普図高速モード中に普図特殊変動遊技が途切れる(普通図柄の保留数がゼロになってしまう)事態が発生せず、確実に10回の普図特殊変動遊技を連続して実行可能となる。この結果、普図高速モードの残り時間の報知と実際の普図高速モードの発生期間に「ズレ」が生じることを抑制でき、普図高速モードを高い精度で実現できる。
また、上記実施例では、普図特殊変動遊技に用いる普図変動表示時間として、普図変動時間短縮機能が作動しているときと同じ変動表示時間(短縮変動用変動時間)を設定することとしていた。しかしながら、普図特殊変動遊技に用いる普図変動表示時間は、普図変動時間短縮機能が作動しているときと同じ変動表示時間である必要はなく、通常変動用変動時間よりも明らかに短縮されたことが分かる変動表示時間(例えば、通常変動用変動時間の1/3よりも短い変動表示時間)であれば、どのような時間であってもよい。例えば、普図変動時間短縮機能が作動しているときには短縮変動用変動時間(1秒)を用い、普図特殊変動遊技に用いる普図変動表示時間としては、通常変動用変動時間よりも短く短縮変動用変動時間と異なる「特殊変動用変動時間(例えば2秒)」を用いることとしてもよい。このような構成であっても、普図高速モードによる上述の遊技性を実現できる。
また、上記実施例では、普図特殊変動カウンタに設定するカウント値を1種類としていたが、特定当り普通図柄を複数種類設け、各々の特定当り普通図柄に対応して普図特殊変動カウンタの値を異ならせるようにしてもよい。例えば、上記実施例の50種類の当り普通図柄のうち、特定当り普通図柄として、特定当り普通図柄Aと、特定当り普通図柄Bと、特定当り普通図柄Cを設けるとする。これらの特定当り普通図柄が停止表示される確率は、特定当り普通図柄A、特定当り普通図柄B、特定当り普通図柄Cの順に低下するように構成されている。そして、図7のS310cでの判定を、特定当り普通図柄Aと、特定当り普通図柄Bと、特定当り普通図柄Cのいずれであるか否かの判定に置き換え、特定当り普通図柄Aである場合には、普図特殊変動カウンタの値を「5」に設定し、特定当り普通図柄Bである場合には、普図特殊変動カウンタの値を「10」に設定し、特定当り普通図柄Cである場合には、普図特殊変動カウンタの値を「20」に設定する。これにより、普図高速モードの発生期間が、その発生契機となった特定当り普通図柄の種類に応じて様々に変化し、普図高速モードを用いた遊技性を多様化できる。この結果、普図高速モードを用いた遊技性を一層興趣の高いものにすることができる。
また、普図特殊変動カウンタに設定するカウント値を複数種類設けるに際して、設定するカウンタ値を次のように決定してもよい。すなわち、上記実施例の50種類の当り普通図柄のうち1種類の当り普通図柄を特定当り普通図柄として設定する。そして、その特定当り普通図柄が停止表示されたときの特別図柄遊技の進捗状況に応じて、複数種類のカウンタ値のいずれかを普図特殊変動カウンタのカウンタ値に決定してもよい。例えば、特定当り普通図柄が停止表示されたときに、大当りフラグがONに設定されていない場合(通常時または時短遊技時)は、普図特殊変動カウンタの値を上述の実施例と同様に「10」に設定する。一方、特定当り普通図柄が停止表示されたときに、大当りフラグがONに設定されている場合(大当り遊技が実行されている場合)は、普図特殊変動カウンタの値を「100」に設定する。こうすることで、普図特殊変動遊技の実行により、大当り遊技中以外には、上述の実施例のように「第2特別図柄の変動表示頻度を向上させる」という遊技効果を発揮し、大当り遊技中には、「大当り遊技での出球量増加(大入賞口への遊技球入球による賞球だけでなく、第2始動口28bへの遊技球入球による賞球も付加される)」という異なる遊技効果を発揮できる。これにより、普図高速モードの発生期間が、特定当り普通図柄が停止表示されたときの特別図柄遊技の進捗状況に応じて様々に変化し、普図高速モードを用いた遊技性を多様化できる。この結果、普図高速モードを用いた遊技性を一層興趣の高いものにすることができる。
また、特定当り普通図柄が停止表示されたときの特別図柄遊技の進捗状況に応じて、普図高速モード関連演出(普図高速モード開始演出、普図高速モード中演出、普図高速モード終了演出の全て、又はいずれか)の演出実行内容を異ならせることとしてもよい。たとえば、図16の普図高速モード関連演出において、各種演出を実行する前(S701がYESと判定された後や、S702の後や、S704がYESと判定された後)に、「大当り遊技中か?」の判定処理を加え、大当り遊技中であるか否かに応じて演出内容を変化させることとしてもよい。例えば、大当り遊技中である場合には「普図高速モード開始演出A」、「普図高速モード中演出A」、「普図高速モード終了演出A」を実行し、大当り遊技中でない場合には「普図高速モード開始演出B」、「普図高速モード中演出B」、「普図高速モード終了演出B」を実行するようにしてもよい。ここで、「普図高速モード開始演出A」としては、例えば、大入賞口33aだけでなく、第2始動口28bも開放状態になり易くなることを示す開始演出(「開放部増加期間開始!」の表示など)を行い「普図高速モード中演出A」としては、例えば、大当り遊技中に第2始動口28bへの遊技球入球により得られた「+α」の賞球数を示す計数演出(「○○球GET!」の表示など)を行い、普図高速モード終了演出A」としては、例えば、大当り遊技中に第2始動口28bへの遊技球入球により得られた「+α」の賞球総数を示す計数演出(「全部で○○球獲得!」の表示など)を行う。なお、「普図高速モード開始演出B」、「普図高速モード中演出B」、「普図高速モード終了演出B」は、上述の実施例と同じ普図高速モード関連演出を行う。これにより、普図高速モードが行われる際の特別図柄遊技の進捗状況に合った適切な演出を行うことができ、普図高速モードの発生を一層盛り上げることができる。
また、上記実施例では、特定当り普通図柄が停止表示するときの普通図柄の変動時間を「開始演出用変動時間」として、普図高速モード開始演出の実行期間として利用したが、普図高速モード開始演出の実行タイミングを次のように構成してもよい。すなわち、上記実施例の図6のS315の処理中に行われる普通図柄の停止表示時間設定として、普通図柄が特定当り普通図柄で停止表示するか否かの判定を付加し、特定当り普通図柄が停止表示する場合に、他の停止図柄(当り普通図柄、外れ普通図柄)が停止表示する場合よりも長い普通図柄停止表示時間を設定する。例えば、他の停止図柄(当り普通図柄、外れ普通図柄)が停止表示する場合は、「1秒」の普通図柄停止表示時間を設定し、特定当り普通図柄が停止表示する場合には、「5秒」の普通図柄停止表示時間を設定することとする。これにより、特定当り普通図柄が停止表示する場合に、「5秒」の普通図柄停止表示時間を要することになるので、普図高速モード開始演出の実行期間を普通図柄の停止表示時間中にも確保することができる。また、このように構成することで、普通図柄停止表示時間中に行う普図高速モード開始演出の終了に伴い、特定当り普通図柄に係る第2始動口28bの開放状態を直ちに行うことができる。
また、普図高速モード開始演出の実行タイミングを、第2始動口28bの翼片部の開動作が終了した後にしてもよい。すなわち、普図特殊変動遊技の実行を経て行われる普通電動役物遊技処理(図8)での始動口の作動停止(S404)後に、一定の待機時間(例えば5秒)を設け、この待機時間の開始時に待機中信号をサブ制御基板260に送信し、サブ制御基板260が待機時間内に普図高速モード開始演出を実行するようにしてもよい。また、普図特殊変動遊技の実行を通常変動用変動時間(40秒)を用いて行うようにしてもよく、この場合に、通常変動用変動時間のラスト5秒間に普図高速モード開始演出を実行するようにしてもよい。なお、これらのように構成する場合、上記実施例にあるような「開始演出用変動時間」を不要にすることができるし、「開始演出用変動時間」と併用することもできる。
また、上記実施例では、普図高速モード中(普図特殊変動フラグがONに設定されている状態)に、普通図柄の停止図柄として特定当り普通図柄が停止表示されたときは、普図特殊変動フラグを改めてONに設定することなく、他の当り普通図柄が停止表示されたときと同様の処理で普通図柄遊技を進行させるようにしていた。これに代えて、普図高速モード中(普図特殊変動フラグがONに設定されている状態)でも、普通図柄の停止図柄として特定当り普通図柄が停止表示されたか否かを判定するようにし、普通図柄の停止図柄として特定当り普通図柄が停止表示されたときは、普図特殊変動フラグを改めてONに設定し直し(一旦OFFに設定して、その後にONに設定する)、普図変動短縮カウンタを再設定(上記実施例の場合は「10」を再設定)することとしてもよい。これにより、普図高速モードの途中で特定当り普通図柄が停止表示されると、普図高速モードが再び最初から開始されることになり、普図高速モードを継続させる遊技性が新たに付加できる。また、この場合、普図特殊変動フラグを改めてONに設定し直したことを示す「普図特殊変動フラグ再設定信号」を主制御基板200がサブ制御基板260に送信することとしてもよい。そして、普図特殊変動フラグ再設定信号を受信したサブ制御基板260が、普図高速モードが再度開始されること(普図高速モードの継続期間が延びたこと)を示す「普図高速モード継続演出」を表示または音声で行う。これにより、普図高速モードの継続を一層際立たせことができ効果的である。なお、普図特殊変動フラグを改めてONに設定し直した場合には、普図変動短縮カウンタの値を同じ値(前の普図変動短縮カウンタの値と同じ値)に設定してもよいし、異なる値(前の普図変動短縮カウンタの値よりも多い値、または少ない値)に設定してもよい。
また、上記実施例では、普図特殊変動カウンタのカウント値を「普通図柄の変動表示」が行われる毎に減少させていたが、普図特殊変動カウンタのカウント値を「1」減算する契機を「当り普通図柄の停止表示」としてもよい。これを実現するには、図7のS310i〜S310kの処理を、図6のS317のYES判定の後(図6のS318の前)に行うこととすればよい。この場合、普図高速モード中に行われる普図特殊変動遊技で「外れ普通図柄」が停止表示されたときは、普図特殊変動カウンタのカウント値が減少しなくなる。このため、普図高速モード中には、確実に第2始動口28bの開放を所定回数(上記実施例では10回)実施することができる。また、このような構成の場合に、普図高速モード開始演出終了後に行われる普図高速モード中演出にて、図18のように「残り開放回数○○回!」の報知を随時行うことで、報知される回数(第2始動口28bが開放状態となる残り回数)がゼロになるまで遊技者の興趣を向上させることができるとともに、遊技者による遊技球の発射を促進することができる。また、このように第2始動口28bが開放状態となる回数により規定される特殊な遊技モードを設けることで、従来の大当り遊技等とは異なる新たな遊技価値を付加することができる。
また、上記実施例において、特定当り普通図柄の停止表示確率と、普図特殊変動カウンタのカウント値を次のように設定することとしてもよい。すなわち、特定当り普通図柄の停止表示確率を特別図柄の大当り確率よりも低い確率(例えば1/1000)に設定し、普図特殊変動カウンタのカウント値を「複数回の大当り遊技実行が期待できる遊技期間に相当するカウント値(例えば10000)」を設定する。これにより、特定当り普通図柄が停止表示された場合には、以後10000回の普図特殊変動遊技が行われることになり、普図高速モードを長期間に亘って継続させることができる。なお、普図特殊変動フラグがON設定されている場合は、特別図柄遊技で大当り遊技や開放時間延長機能が作動しても、OFFに設定されることはないので、大当り遊技中や開放時間延長機能の作動終了後にも普図高速モードが継続し、遊技者は非常に有利な状態で遊技を進行し続けることができる。そして、この長期間の普図高速モードの発生条件を特別図柄の大当り確率よりも低い確率に設定しておくことで、「特定当り普通図柄の停止表示」をプレミア当りとして位置づけることができる。この結果、特別図柄遊技での大当り発生だけでなく、長期間に亘って遊技者に有利な「特定当り普通図柄の停止表示」に期待させて遊技者に遊技を続けさせる新規な遊技性を実現できる。
また、上記実施例において、普通図柄遊技の進捗状況または特別図柄遊技の進捗状況に応じて、特定当り普通図柄の停止表示確率を変動させる機能(特定当り普通図柄停止表示確率変動機能)をさらに有することとしてもよい。すなわち、「普図特殊変動遊技を除く普通図柄遊技が所定回数(例えば100回)行われたとき」、「特別図柄遊技が所定回数(例えば1000回)行われたとき」、「特別図柄遊技での当否判定で大当りと異なる小当りが判定され、大当り遊技と異なる小当り遊技が実行されたとき」等などに、一定期間の間に亘って特定当り普通図柄の停止表示頻度を、それ以前よりも向上させることとしてもよい。ここで、「特定当り普通図柄の停止表示頻度を向上させる」とは、例えば、「普通図柄遊技での当り普通図柄設定の際に、特定当り普通図柄が設定される確率を、通常確率よりも高い高確率に設定すること」や、「普通図柄遊技での普図変動表示時間の設定の際に、普図変動表示時間を通常中よりも短く、普図特殊変動遊技中よりも長い普図変動表示時間を設定すること」等が挙げられる。一例として、特別図柄遊技での当否判定で小当りと判定され、小当り遊技が実行された後に特定当り普通図柄の停止表示頻度を向上させる場合の変形例を図19〜図23のフローチャートを用いて説明する。
まず、上述の実施例からの変更点について説明する。変形例の遊技機は、第1特別図柄変動表示処理での当否判定(図13のS508b)の判定結果として、大当りの判定がされなかった場合に「小当りか否か」を判定する小当り判定(小当り抽選)が行われる。この小当り判定は、第1特別図柄当否判定用乱数が「小当り用当り値」と一致するか否かによって判定される。そして、第1特別図柄当否判定用乱数が「小当り用当り値」と一致する場合には、小当り用の特別図柄変動表示パターンを設定し、第1特別図柄の停止図柄を小当り図柄に設定して、第1特別図柄の変動表示を開始する。そして、第1特別図柄変動表示処理で第1特別図柄当否判定用乱数が「小当り用当り値」と一致すると判定されて、第1特別図柄が小当り図柄で停止表示するときに、以下に説明する図19の処理を行うものとする。なお、第2特別図柄変動表示処理については、小当り判定を行わず、図14と同一の処理が行われるものとする。
次に、小当り遊技について説明する。第1特別図柄が小当り図柄で停止表示された場合に、主制御部200は小当り遊技を開始させる。小当り遊技は、小当り遊技フラグをONに設定することで開始する当り遊技である。小当り遊技では、大入賞口33aが0.5秒間開放した後に、0.5秒間閉鎖し、その後に再度0.5秒間開放する(0.5秒間ずつ2回開放する)ように構成されており、大入賞口33aに遊技球が入球する可能性が極めて低い。このため、小当り遊技は、遊技者が得られる総賞球数の期待値が大当り遊技よりも低い当り遊技となっている。また、小当り遊技終了後は、当該小当り遊技が開始されるとき(小当り図柄が停止表示されたとき)の各機能の作動状態(確率変動機能の作動状態、変動短縮機能の作動、開放時間延長機能の作動状態)が維持される。
図19は、図11(b)にS526、S527、S528を付加したものである。先ず第1特別図柄が小当り図柄で停止表示する場合に(S526:YES)、大入賞口の開放パターンを小当り用の大入賞口開放パターンに設定する(S527)。「小当り用の大入賞口開放パターン」は、前述したように、大入賞口33aが0.5秒間開放した後に、0.5秒間閉鎖し、その後に再度0.5秒間開放する(0.5秒間ずつ2回開放する)大入賞口開放パターンが設定されている。そして、小当り用の大入賞口開放パターンを設定した後は、小当り遊技を実行すべく小当り遊技実行フラグをONにする(S528)。
小当り遊技は、図20の特別電動役物遊技処理で実行される。本変形例では、大当り遊技だけでなく小当り遊技でも大入賞口33aを開放状態とするため、大当り遊技実行時と小当り遊技実行時とに特別電動役物遊技処理が行われる。図20の特別電動役物遊技処理では、大当り遊技時は、大当り用の大入賞口開放パターンで大入賞口33aを開閉させ、小当り遊技時は、小当り用の大入賞口開放パターンで大入賞口33aを開閉させる処理が行われる。
当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が終了すると(図20のS606:YES)、当り遊技終了時処理(図20のS610)が行われる。図21は、変形例の当り遊技終了時処理を示すフローチャートである。なお、当り遊技終了時処理は、先に説明した実施例の図15のS610〜S613の処理に対応するものである。当り遊技終了時処理では、まず、当り遊技フラグ(大当り遊技フラグまたは小当り遊技フラグ)をOFFに設定する(S610a)。次に、今回の当りが小当りであるたか否か(終了する当り遊技が小当り遊技であるか否か)を判定する(S610b)。この結果、今回の当りが小当りでない、すなわち終了する当り遊技が小当り遊技でないと判定された場合には(S610b:NO)、S610fの処理に移行する。一方、今回の当りがが小当りであると判定された場合には(S610b:YES)、小当り発生時に確変フラグ、開放延長フラグ、変動短縮フラグおよび普図特殊変動フラグのいずれもがONに設定されていない通常状態であったか否かを判定する(S610c)。
そして、小当り発生時の遊技状態が通常状態でないと判定された場合には(S610c:NO)、S610fの処理に移行する。一方、小当り発生時の遊技状態が通常状態であると判定された場合には(S610c:YES)、普図チャンスフラグをONに設定し(S610d)、普図チャンスカウンタを所定回数(本実施例では30回)に設定する(S610e)。ここで、「普図チャンスフラグ」と「普図チャンスカウンタ」について説明する。「普図チャンスフラグ」は、「普図チャンス遊技」の実行有無に係るフラグであり、ONに設定されている間は普図チャンス遊技が実行される。普図チャンス遊技は、詳しくは後述するが、普図高速モードの発生頻度が通常の普通図柄遊技よりも高頻度となる普通図柄遊技であり、普図チャンス遊技が連続して行われる遊技期間は、普図高速モードの開始可能性が高い「普図高速モード高確率期間」となる。なお、普図チャンスフラグは、小当り発生時に確変フラグ、開放延長フラグ、変動短縮フラグおよび普図特殊変動フラグのいずれかがONに設定されていた場合(通常状態でなかった場合)には、小当り遊技が実行されてもONに設定されることはない。また、普図チャンスフラグをONにしたときに、普図チャンスフラグがONになったことを示す「普図チャンスフラグON信号」をサブ制御基板260に送信している(図示省略)。サブ制御基板260は、普図チャンスフラグON信号を受けることにより、普図高速モードの開始可能性が高い普図高速モード高確率期間であることを示す「普図高速モード高確率演出(図23参照)」を開始することができる。この普図高速モード高確率演出の実行により、普図高速モードの発生に対する遊技者の期待感を向上させることができる。
「普図チャンスカウンタ」は、「普図チャンス遊技」が実行される回数を計数するカウンタであり、普図チャンス遊技が1回行われる毎に、「1」が減算される。普図チャンスカウンタがゼロになることで、普図チャンスフラグがOFFに設定され、普図チャンス遊技が終了する。
次に、今回の当りが確変大当りであるか否かを判定する(S610f)。この結果、確変大当りであると判定された場合は(S610f:YES)、確変フラグをONに設定する(S610g)。これにより、確率変動機能の作動が開始する(高確率状態となる)。そして、変動短縮フラグをONに設定し(S610i)、開放延長フラグをONに設定し(S610j)、変動短縮カウンタを10,000回に設定する(S610k)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動も開始する。一方、上記S610fの判定処理で、今回の当りが確変大当りでないと判定された場合は(S610f:NO)、今回の当りが通常大当りであるか否かを判定する(S610m)。この結果、通常大当りでないと判定された場合(つまり、今回の当りが小当りの場合)には(S610m:NO)、S610lの処理に移行し、通常大当りであると判定された場合には(S610m:YES)、変動短縮フラグをONに設定し(S610o)、開放延長フラグをONに設定し(S610p)、変動短縮カウンタを100回に設定する(S610q)。これにより、変動時間短縮機能と開放時間延長機能の作動が開始する(開放促進状態の開始)。
次に、変形例における普通図柄の停止図柄設定について説明する。上述の実施例では、図6のS309にて普通図柄の停止図柄設定として、図10の外れ時普図停止図柄設定用テーブルまたは当り時普図停止図柄設定用テーブルを用いた停止図柄設定が行われていた。変形例では、当り時普図停止図柄設定用テーブルとして2種類のテーブルを用いて普通図柄の停止図柄を設定する。この2種類の当り時普図停止図柄設定用テーブルは、普図チャンス遊技中であるか否かに応じて使い分けられる。なお、外れ時普図停止図柄設定用テーブルについては、上述の実施例と同様のため説明を省略する。
ここで、変形例で用いられる2種類の当り時普図停止図柄設定用テーブルについて説明する。まず、普図チャンスフラグがOFFのとき(普図チャンス遊技以外の普通図柄変動遊技中)に用いられる「当り時普図停止図柄設定用テーブルA」について説明する。この当り時普図停止図柄設定用テーブルAには、50種類の当り普通図柄のうち特定当り普通図柄が1種類設けられており(図10(b)の当り普通図柄50が特定当り普通図柄)、特定当り普通図柄が当り停止図柄に設定される確率は、「1/50」に設定されている。
次に、普図チャンスフラグがONのとき(普図チャンス遊技中)に用いられる「当り時普図停止図柄設定用テーブルB」について説明する。この当り時普図停止図柄設定用テーブルBには、50種類の当り普通図柄のうち特定当り普通図柄が2種類設けられており(図10(b)の当り普通図柄5と、当り普通図柄50の2つが特定当り普通図柄)、特定当り普通図柄が当り停止図柄に設定される確率は、「2/50(1/25)」に設定されている。このように、変形例では、普通図柄の停止図柄の設定が当り時普図停止図柄設定用テーブルBを用いて行われる場合は、普通図柄の停止図柄の設定が当り時普図停止図柄設定用テーブルAを用いて行われる場合よりも、特定当り普通図柄が停止図柄に設定され易くなるように構成されている。このため、当り時普図停止図柄設定用テーブルBが用いられる普図チャンス遊技は、普図特殊変動フラグがONに設定され易く、普図チャンス遊技が連続して行われる普図高速モード高確率期間は、普図高速モードが開始されやすい期間となる。
次に、変形例の普通図柄変動パターン設定処理について説明する。図22は、変形例の普通図柄変動パターン設定処理を示すフローチャートである。図22は、図7に対し、新たにS310l〜S310p(S310bがNOであった場合に行われる処理)が追加されたものであり、S310a〜S310kは、図7のS310a〜S310kと同様のため、説明を省略する。
まず、変動短縮フラグがONに設定されていない場合(S310b:NO)に、普図チャンスフラグがONに設定されているか否かを判定する(S310l)。「普図チャンスフラグ」は、普図チャンス遊技が実行中であること示すフラグであり、通常状態(確変フラグ、開放延長フラグ、変動短縮フラグおよび普図特殊変動フラグのいずれもがONに設定されていない状態)で実行された小当り遊技が終了したときにONに設定される。S310lで普図チャンスフラグがONに設定されていないと判定された場合には(S310l:NO)、普通図柄遊技処理(図6参照)で普通図柄の停止図柄に特定当り普通図柄が設定されたか否かを判定するS310cの処理に移行する。一方、310lで普図チャンスフラグがONに設定されていると判定された場合には(S310l:YES)、普図変動表示時間として、チャンス用変動時間(本変形例では20秒)を設定する(S310m)。つまり、上述した普図チャンス遊技では、通常時の普通図柄遊技(普図変動表示時間として、通常変動用変動時間が設定される普通図柄遊技)よりも短い時間だけ普通図柄変動表示が行われることとなる。このため、普図チャンス遊技が連続して行われる普図高速モード高確率期間の発生期間(発生時間)が必要以上に長引いてしまうことを防止できる。
普図変動表示時間として、チャンス用変動時間を設定したら(S310m)、次に、普図チャンスカウンタのカウント値を「1」減算する(S310n)。その後に、普図チャンスカウンタのカウント値が「0(ゼロ)」であるか否かを判定し(S310o)、普図チャンスカウンタのカウント値が「0(ゼロ)」であると判定された場合には(S310o:YES)、普図チャンスフラグをOFFに設定する(S310p)。これにより、普図チャンス遊技が連続して実行される遊技期間(普図高速モード高確率期間)が終了する。なお、普図チャンスフラグをOFFにしたときに、普図チャンスフラグがOFFになったことを示す「普図チャンスフラグOFF信号」をサブ制御基板260に送信している(図示省略)。サブ制御基板260は、普図チャンスフラグOFF信号を受けることにより、上述の「普図高速モード高確率演出」を終了させることができる。一方、普図特殊変動カウンタのカウント値が「0(ゼロ)」でないと判定された場合には(S310o:NO)、普図チャンスフラグをONのまま維持して、普通図柄変動パターン設定処理を終了する。
また、変形例の普通図柄変動パターン設定処理では、上述の普図特殊変動フラグと普図チャンスフラグの両方、または、普図特殊変動フラグと普図チャンスフラグと変動短縮フラグの3つがONに設定されている状態も発生し得る。しかし、この場合は、普図変動表示時間として短縮変動用変動時間が優先して設定されるので、普図高速モードや普図変動時間短縮機能の作動による遊技性が失われることはない。また、この場合、普図特殊変動カウンタの値は、変動短縮フラグがONになっている間に行われる普通図柄の変動表示毎に減少するが、普図チャンスカウンタの値は、普図特殊変動フラグや変動短縮フラグがONになっている間であっても減少されない。これにより、普図高速モードの終了後や普図変動時間短縮機能の作動後に、普図高速モード高確率期間の残り期間を継続して発生させることができる。
以上に説明した変形例では、特別図柄遊技の小当り遊技の発生を契機に普図高速モード高確率期間を発生させることで、一連の遊技進行過程において普図高速モードの発生可能性に高低を持たせることができる。この結果、普図高速モードの発生バリエーションを豊富にでき(通常時から突然に普図高速モードが発生する場合と、普図高速モード高確率期間を介して普図高速モードが発生する場合とがある)、上述実施例で得られる遊技性を一層向上させることができる。また、大当り遊技に比して遊技者の注目度の低い「小当り遊技」に新たな遊技価値を付加した新規な遊技牲を実現できる。
1…遊技機、28a…第1始動口、28b…第2始動口、61…第1特別図柄表示部、62…第2特別図柄表示部、200…主制御基板(特別図柄遊技実行手段、普通図柄遊技実行手段、当り遊技実行手段、第2始動口開放手段、開放促進状態発生手段、普通図柄決定手段、普図変動時間決定手段、判定手段、限度回数設定手段、特定当り向上手段)、260…サブ制御基板。

Claims (4)

  1. 遊技球を常時入球可能とする第1始動口と、
    遊技球を入球可能とする開放状態または入球不能とする閉鎖状態に切換可能な第2始動口と、
    遊技球が前記第1始動口または前記第2始動口に入球することで、特別図柄の変動表示を開始し、その後に前記特別図柄を当り特別図柄または外れ特別図柄で停止表示する特別図柄遊技を実行する特別図柄遊技実行手段と、
    前記特別図柄遊技にて前記当り特別図柄が停止表示することで、遊技者にとって有利な当り遊技を実行する当り遊技実行手段と、
    遊技球が始動ゲートを通過することで、前記特別図柄と異なる普通図柄の変動表示を開始し、その後に普通図柄が当り普通図柄または外れ普通図柄で停止表示する普通図柄遊技を実行する普通図柄遊技実行手段と、
    前記普通図柄遊技にて前記当り普通図柄が停止表示することで、前記第2始動口を前記開放状態とする第2始動口開放手段と、
    前記大当り遊技の終了後に、前記普通図柄が前記当り普通図柄で停止表示する頻度を向上させるとともに、前記第2始動口が前記開放状態となる開放時間を通常時間より長い時間に設定する開放促進状態を発生させる開放促進状態発生手段と、を備えた遊技機において、
    前記普通図柄遊技実行手段は、
    前記普通図柄遊技を実行するときに、前記普通図柄を前記当り普通図柄または前記外れ普通図柄のいずれで停止表示させるかを決定する普通図柄決定手段と、
    前記普通図柄の変動表示を開始してから、該普通図柄を前記当り普通図柄または前記外れ普通図柄で停止表示するまでの普通図柄変動表示時間を決定する普図変動時間決定手段と、を備え、
    前記普図変動時間決定手段は、
    前記開放促進状態が発生していない状態での前記普通図柄遊技にて前記普通図柄が複数の前記当り普通図柄のうちの特定当り普通図柄で停止表示すると、それ以後の前記普通図柄遊技では、前記特定当り普通図柄が停止表示される前に決定される通常変動用変動時間よりも短い短縮変動用変動時間を前記普通図柄変動表示時間に決定する
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    前記普図変動時間決定手段により前記短縮変動用変動時間が決定される前記普通図柄遊技の実行回数が、所定の限度回数に達したか否かを判定する判定手段を備え、
    前記普図変動時間決定手段は、
    前記判定手段により前記実行回数が前記限度回数に達したと判定されることで、それ以後の前記普通図柄遊技では、前記通常変動用変動時間を前記普通図柄変動表示時間に決定することを特徴とする遊技機。
  3. 請求項2に記載の遊技機において、
    前記普通図柄が前記特定当り普通図柄で停止表示する場合に、前記限度回数を複数種類の限度回数のうちいずれかに設定する限度回数設定手段を備えることを特徴とする遊技機。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の遊技機において、
    前記普通図柄遊技実行手段は、
    所定条件が成立することで、前記開放促進状態が発生していない状態での前記普通図柄遊技にて前記普通図柄が前記特定当り普通図柄で停止表示される頻度を向上させる特定当り向上手段を備えることを特徴とする遊技機。
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