JP2004065707A - 乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり - Google Patents

乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり Download PDF

Info

Publication number
JP2004065707A
JP2004065707A JP2002230777A JP2002230777A JP2004065707A JP 2004065707 A JP2004065707 A JP 2004065707A JP 2002230777 A JP2002230777 A JP 2002230777A JP 2002230777 A JP2002230777 A JP 2002230777A JP 2004065707 A JP2004065707 A JP 2004065707A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
pacifier
nipple
components
state
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002230777A
Other languages
English (en)
Inventor
Taro Kawasaki
川▲さき▼ 太郎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2002230777A priority Critical patent/JP2004065707A/ja
Publication of JP2004065707A publication Critical patent/JP2004065707A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Medical Preparation Storing Or Oral Administration Devices (AREA)

Abstract

【課題】乳幼児が自ら好んでおしゃぶりをし、鼻呼吸を促進させることができ、また、乳幼児の虫歯予防も容易に行える乳幼児用おしゃぶりを得る。
【解決手段】乳幼児用おしゃぶりは、体内又は口内に摂取可能な成分が、他の成分に包含された状態で乳首部に含有されていることを特徴とする。体内又は口内に摂取可能な成分が、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された状態、またはコーティング成分で被覆された状態で乳首部に含有されていることが好ましく、また、おしゃぶりの際の圧力や熱、唾液又は経時によって摂取可能な形態で乳首部に含有されていることが好ましい。体内又は口内に摂取可能な成分としては、味覚成分、嗅覚成分、栄養補助成分、食物繊維、虫歯進行防止成分、歯増白化成分、歯石灰化促進成分、歯茎強化成分、薬などが挙げられ、特にキシリトールが好適である。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶりに関し、さらに詳細には、乳幼児が自ら好んでおしゃぶりをし、鼻呼吸を促進させることが可能であり、さらには、乳幼児への投薬が容易であり、特に、虫歯予防を容易に行うことができる乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶりに関する。
【0002】
【従来の技術】
乳幼児用おしゃぶりの構造としては、図3で示されるように、乳首部21と、鍔部(座板部)31と、環状取手41とを有する構造が代表的である。このような従来の乳幼児用おしゃぶり11では、乳首部21は、ゴム系材料により形成されている。乳幼児は、乳幼児用おしゃぶりの乳首部を口腔内に入れおしゃぶりして遊んでいるのであるが、このおしゃぶりによって口が閉じられるので、鼻で呼吸することになる。従って、乳幼児にとって遊戯であるおしゃぶりは、鼻呼吸の促進に関係している。このように、乳幼児にとっておしゃぶりは極めて重要な行為であるが、従来の乳幼児用おしゃぶりは、口腔内に入れる乳首部がゴム系材料により形成されており、このゴム系材料によるゴムの臭いに敏感な乳幼児もおり、おしゃぶり(特に長時間のおしゃぶり)を嫌う乳幼児もいる。
【0003】
また、薬を飲んだり、歯を磨いたりすることを嫌う乳幼児がおり、乳幼児への投薬や歯磨きは親にとっては困難な作業である。乳幼児は、虫歯菌(ミュータンス菌)は本来有していないが、乳歯の萌出とともに感染が始まり、乳幼児の年齢が19ヶ月から27ヶ月程度の間の感染が最も多いと言われている。また、乳幼児の虫歯は、主として母親から感染していると言われており、そのため、母親が虫歯をなくすことが、乳幼児への虫歯菌の感染を防止する最も効果的な方法であると言われており、現在、乳幼児自身が虫歯菌への抵抗力をつける手段がないのが実情である。
【0004】
なお、実公昭42−6908号公報では、乳首状の容筒よりなる吸着部を網目状の多数の孔を設けた多孔容筒に形成して固形状の食物の収納室とすると共に該多孔容筒を食物の出入用の伸縮口部の頸部分を介して径大な鍔部の貫通孔に一体的且つ取外し可能に栓体で配設してなるおしゃぶりの構造が開示されている。また、特開昭52−34838号公報では、従来の乳幼児用おしゃぶりにおいて乳首本体を網状袋としてなる乳幼児用おしゃぶりが開示されている。これらの文献では、おしゃぶりの乳首部が、容筒や袋の構成を有し且つその内部に飴玉や氷砂糖等の食物を入れる構成となっており、前記食物は、おしゃぶりにより孔や網目を通して摂取することができる構成となっている。
【0005】
さらにまた、特公平5−60949号公報では、口当てとこの口当てに固定されていてかつ小児の唾液と混合して作用物質が溶解して流出する透孔を備えたゴム等から成るおしゃぶり様の吸い口とを備えた乳首から成り、この場合吸い口口当てが吸い口と解離可能に結合されている、虫歯を予防処置する作用物質を乳児に経口投与するための装置として、具体的なものが提案されている。虫歯を予防処置する作用物質としては、キシリット等が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述のようなおしゃぶりでは、母親等が、おしゃぶりを分解して乳首部を分離し、その後、乳首部の内室に食物や虫歯予防成分(虫歯を予防処置する作用物質)などを挿入し、さらに組み立てる作業が必要である。しかも、食物等として液状のものは、通常、用いることができない。なお、このようなおしゃぶりでは、乳首部の内室に挿入するものが食物等の場合は、乳幼児に摂取させたい食物を適宜、おしゃぶりの内室に挿入できる大きさにして、おしゃぶりの内室に挿入すればよいが、虫歯予防成分の場合は、通常、おしゃぶり専用の虫歯予防成分を必要とする。しかし、このようなおしゃぶり専用の虫歯予防成分は、日本国内では、全国的に広く市販されておらず、入手するのが困難であり、前述のように、現在のところ、乳幼児自身が虫歯菌への抵抗力をつける手段がないのが実情である。
【0007】
従って、本発明の目的は、容易に乳幼児におしゃぶりを与えることができ、しかも、乳幼児が自ら好んでおしゃぶりをし、鼻呼吸を促進させることができる乳幼児用おしゃぶりを提供することにある。
本発明の他の目的は、また、おしゃぶりにより、各種成分を体内又は口内に摂取することができ、乳幼児への投薬が容易であり、また、乳幼児の虫歯予防も容易に行うことができる乳幼児用おしゃぶりを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため鋭意検討した結果、乳幼児用おしゃぶりの乳首部に、特定の成分をおしゃぶりによって摂取可能な特定の形態で含有させると、容易に乳幼児におしゃぶりを与えることができ、しかも、乳幼児のおしゃぶり欲を効果的に高めることができ、そのため乳幼児が自ら好んでおしゃぶりをするようになり、その結果、鼻呼吸を促進させることができ、さらには、乳幼児への投薬を容易にすることも可能であり、特に、乳幼児の虫歯予防も容易に行うことができることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
すなわち、本発明は、体内又は口内に摂取可能な成分が、他の成分に包含された状態で乳首部に含有されていることを特徴とする乳幼児用おしゃぶりを提供する。
【0010】
前記体内又は口内に摂取可能な成分は、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された状態、またはコーティング成分で被覆された状態で乳首部に含有されていることが好ましく、特に、おしゃぶりの際の圧力や熱、唾液又は経時によって摂取可能な形態で乳首部に含有されていることが好ましい。
【0011】
また、前記体内又は口内に摂取可能な成分としては、味覚成分、嗅覚成分、栄養補助成分、食物繊維、虫歯進行防止成分、歯増白化成分、歯石灰化促進成分、歯茎強化成分および薬から選択された少なくとも一種の成分が好適である。なお、前記体内又は口内に摂取可能な成分は、液状物又は固形状物であってもよく、特に、キシリトールを好適に用いることができる。
【0012】
【発明の実施の態様】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一部材又は部位については同一の符号を付している場合がある。
本発明の乳幼児用おしゃぶりの特徴は、体内又は口内に摂取可能な成分(「経口摂取成分」と称する場合がある)を他の成分に包含された状態で乳首部に含有していることにある。このような経口摂取成分としては、体内又は口内に摂取しても乳幼児に悪影響を及ぼさないものであれば特に制限されず、例えば、味覚成分、嗅覚成分、栄養補助成分、食物繊維、虫歯進行防止成分、歯増白化成分、歯石灰化促進成分、歯茎強化成分、薬などが挙げられる。従って、乳幼児は、前記乳幼児用おしゃぶりを口腔に入れておしゃぶりすると、各種経口摂取成分(特に、味覚成分や嗅覚成分)による味や臭い等を知覚することができるので、おしゃぶり欲が高められる。そのため、前記乳幼児用おしゃぶりを用いると、乳幼児は自ら好んでおしゃぶりするようになり、これによって口が閉じられて口呼吸が抑制され、その結果、鼻呼吸が促進される。しかも、経口摂取成分として、例えば、虫歯進行防止成分を用いると、乳幼児の虫歯予防を効果的に行うことができる。
【0013】
特に、本発明では、経口摂取成分は予め他の成分に包含された状態で乳首部に(特に、乳首部の構成材料中に)含有されているので、乳幼児がおしゃぶりをする際に、母親等が乳幼児用おしゃぶりの内室等に経口摂取成分を入れる必要がない。そのため、母親等は、容易に乳幼児におしゃぶりを与えることができる。また、経口摂取成分は、他の成分に包含された状態で用いられているので、経口摂取成分の溶解や劣化などを効果的に防止することができ、長期間にわたり経口摂取成分をフレッシュな状態で保持させることも可能である。しかも、経口摂取成分を他の成分に包含した状態で用いているので、経口摂取成分としては、固形状物に限定されず、液状物であってもよく、従来よりも幅広い範囲の成分や材料の中から経口摂取成分を適宜選択して利用することができる。
【0014】
図1は、本発明の乳幼児用おしゃぶりの一例を示す概略斜視図である。また、図2は、図1に係る乳幼児用おしゃぶりの断面を示す概略断面図である。図1及び図2において、1は乳幼児用おしゃぶり、2は経口摂取成分を他の成分に包含された状態で含有している乳首部、3は鍔部(座板部)、4は取手である。乳幼児用おしゃぶり1は、経口摂取成分を他の成分に包含された状態で含有している乳首部2と、鍔部3と、取手4とから構成されている。乳首部2は、略乳首形状を有しており、乳幼児がおしゃぶりに際して口腔に入れてくわえる部分である。鍔部3は、略円形で且つ略鍔形状を有しており、乳幼児が乳幼児用おしゃぶりを飲み込むことを防止する等のために設けられている。取手4は、環状の形状を有しており、指を掛けて取り扱いやすくする等のために設けられている。
【0015】
他の成分に包含された状態の経口摂取成分を含有している乳首部において、その乳首部本体を構成する材料(乳首部を主として構成する材料;構成材料)としては、母親の乳首の感触と同様の感触を発揮し、さらに経口摂取成分を他の成分に包含された状態で含有することができるものであれば特に制限されないが、加熱殺菌処理(例えば、熱湯等による殺菌処理など)を行うタイプの乳幼児用おしゃぶりの場合は、加熱殺菌処理によって容易に劣化しないものが好ましい。具体的には、乳首部としては、例えば、シリコーンゴムや天然ゴム等のゴム系材料;エラストマー系材料や熱可塑性樹脂系材料などの粘弾性材料により形成することができる。乳首部の材料(構成材料)は単独で又は2種以上組み合わせて用いられていてもよい。
【0016】
乳首部の形状は、略乳首形状を有していれば特に制限されない。また、乳首部の大きさなどは、特に制限されないが、乳幼児が口腔内に入れておしゃぶりをすることができる適度な大きさであることが重要である。さらに、乳首部の粘弾性などの物性としても特に制限されないが、おしゃぶりをするための適度な粘弾性と、乳首部に含有されている経口摂取成分を乳幼児がおしゃぶりによりその成分を摂取することができる適度な物性とを有していることが重要である。いずれにせよ、乳首部の形状、大きさ、各種物性などは、本発明の作用・効果を損なわない範囲で、乳首部の材料(素材)、経口摂取成分の種類、乳幼児の口腔の大きさ等に応じて適宜選択することができる。
【0017】
経口摂取成分としては、前述のように、味覚成分、嗅覚成分、栄養補助成分、食物繊維、虫歯進行防止成分、歯増白化成分、歯石灰化促進成分、歯茎強化成分、薬などを好適に用いることができ、なかでも、乳幼児が好むものを好適に用いることができる。経口摂取成分は1種で又は2種以上組み合わせて使用することができる。なお、経口摂取成分は、天然物であってもよく、人工物であってもよい。
【0018】
味覚成分や嗅覚成分としては、乳幼児が味や臭いを知覚することができる成分であれば特に制限されないが、乳幼児が好む味や臭いを有する成分であることが好ましい。より具体的には、味覚成分や嗅覚成分としては、例えば、糖類、乳類、塩類、有機酸又はその塩、エステル類、テルペン類、アルコール類、エーテル類、フェノール類、アミド類、アミン類、複素環化合物類、ケトン類、アルデヒド類、各種臭気成分(果物臭成分、植物臭成分、花臭成分、樹木臭成分、甘味臭成分、乳臭成分、食品フレーバー、香気成分など)、人工甘味料(アスパルテームなど)や、これらを1種又は2種以上含んでいる成分などが挙げられる。
【0019】
前記糖類としては、特に制限されず、母乳に含有されている糖類、母乳に含有されていない糖類のいずれであってもよい。糖類は、例えば、単糖類(トリオース、テトロース、ペントース、ヘキソース、ヘプトース、オクトース、ノノースや、これらに関連する糖アルコール、カルボン酸、グリコシド、アミノ糖、リン酸エステル、チオ糖など)、オリゴ糖類や多糖類(二糖類、三糖類、それ以上の多糖類や、これらに関連する糖アルコールなど)などに分類される。前記糖アルコールとしては、鎖状、環状のいずれの形状を有するものであってもよく、例えば、キシリトール、マンニトール、マルチトール、ラクチトール、ソルビトール、エリスリトール、アラビトール、リビトール、ガラクチトール、還元パラチノース、還元水飴、還元麦芽糖水飴、還元澱粉糖化物、還元澱粉加水分解物、パラチニット、マルトトリイトール、イソマルトトリイトールなどが挙げられる。
【0020】
オリゴ糖類は、単糖類が複数個結合したものであり、公知乃至慣用のオリゴ糖類を用いることができる。オリゴ糖類としては、鎖状オリゴ糖、環状オリゴ糖のいずれであってもよい。オリゴ糖類としては、例えば、スクロース、ラクトース、マルトース、セロビオース、トレハロース、メリビオース、ラフィノース、デキストリン、デンプンの部分加水分解物、シクロデキストリン(α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリンなど)やその誘導体(ヒドロキシエチル−β−シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、グリコシル−β−シクロデキストリン、ジグリコシル−β−シクロデキストリン、マルトシル−β−シクロデキストリン、ジマルトシル−β−シクロデキストリン)などが挙げられる。具体的には、オリゴ糖類としては、例えば、フラクトオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳化オリゴ糖、キシロオリゴ糖などを用いることができる。
【0021】
アミノ糖には、公知乃至慣用のアミノ酸(例えば、グルコサミン、ガラクトサミン、グルコサミン硫酸、ガラクトサミン硫酸など)を用いることができる。糖類に関連するカルボン酸としては、例えば、グルコン酸、ガラクトン酸などが挙げられる。多糖類としては、公知乃至慣用の多糖類(例えば、コンドロイチン−4−硫酸、コンドロイチン−6−硫酸、デルマタン硫酸、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、ヘパリン及びそれらの誘導体、グルコマンナン、アミロース、アガロース、アミロペクチン、ガラクトマンナンなど)を用いることができる。
【0022】
本発明では、糖類としては、例えば、ショ糖、転化糖、異性化糖、ブドウ糖、果糖、乳糖、麦芽糖、D−キシロース、異性化乳糖、グラニュー糖、粉糖、水飴などを用いることができる。糖類としては、甘味を呈する糖類が好ましい。また、糖類としては、唾液によって分解されて、前記例示の糖類等に変換される多糖類(例えば、デンプンなど)等も好適に用いることができる。
【0023】
また、前記乳類としては、例えば、母乳や牛乳の他、これらを加工した乳製品(例えば、母乳や牛乳の濃縮物又は乾燥粉末物、脱脂粉乳など)などが挙げられる。
【0024】
前記塩類としては、食塩が好適である。前記有機酸又はその塩には、例えば、クエン酸、りんご酸、酒石酸、グルコン酸、フマル酸、アスコルビン酸などの有機酸や、これらの有機酸の塩(ナトリウム塩等)などが含まれる。
【0025】
また、栄養補助成分としては、市販されている栄養補助食品等に含有されている成分を用いることができる。具体的には、栄養補助成分としては、例えば、タンパク質、アミノ酸、ミネラル成分、ビタミン類、ポリフェノール類、エキス類の他、酵素、ビフィズス菌、乳酸菌、プロテイン、キトサン、高度不飽和脂肪酸[ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)など]、カゼインホスホペプチド(CPP)、ビール酵母、果物や野菜またはこれらの果汁(例えば、オレンジ果汁、リンゴ果汁、桃果汁、ブルーベリー果汁、グレープフルーツ果汁等の果物の果汁や、にんじん果汁、ほうれん草果汁等の野菜の果汁など)、プロポリス、ローヤルゼリー、脂質(グリセロリン脂質、グリセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂質など)、糖脂肪酸エステル(ショ糖脂肪酸エステル、セラミド糖脂肪酸エステルなど)、核酸構成成分(ヌクレオチド、ヌクレオシドなど)などを用いることができる。
【0026】
前記タンパク質としては、例えば、コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、血清アルブミン、卵白アルブミン、ヘモグロビン、カゼイン、乳清タンパク質を含む牛乳タンパク質類、ラクトアルブミン、グロブリン、フィブリノーゲン等の動物性タンパク質類;大豆、ハウチハマメ、エンドウ、ヒヨコマメ、アルファルファ、ソラマメ、ヒラマメ、インゲンマメ、ナタネ、ヒマワリ、小麦、トウモロコシ、大麦、麦芽、エンバクやライ麦等のマメ科の植物や穀類などから抽出した植物性タンパク質類などが挙げられる。
【0027】
前記アミノ酸としては、公知乃至慣用のアミノ酸から適宜選択することができ、必須アミノ酸、非必須アミノ酸のいずれであってもよい。具体的には、アミノ酸としては、アルギニン、フェニルアラニン、ロイシン、メチオニン、ヒスチジン、リジン、イソロイシン、バリン、スレオニン、トリプトファンなどを用いることができる。
【0028】
前記食物繊維としては、公知乃至慣用の食物繊維であれば特に制限されず、例えば、植物や野菜、穀物、海藻などの中に含まれる食物繊維を保持した状態で加工(例えば、乾燥粉末化)したものや、セルロース、ヘミセルロース、ペクチン、イヌリン、グルコマンナン、アルギン酸、ポリデキストロース、キトサン、コラーゲン、グアーガム、アップルファイバー、コーンファイバー、リグニン、レジスタントスターチ、難消化性デンプン、難消化性デキストリン、オリゴ糖などの難消化性や水溶性の食物繊維などが挙げられる。
【0029】
前記ミネラル成分としては、例えば、カルシウム系化合物、鉄系化合物、マグネシウム系化合物、ナトリウム系化合物、カリウム系化合物、リン系化合物、亜鉛系化合物、セレン系化合物、クロム系化合物、マンガン系化合物、銅系化合物、ヨウ素系化合物、モリブデン系化合物などが挙げられる。カルシウム系化合物の具体例としては、例えば、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、塩化カルシウム、グリセロリン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、第一リン酸カルシウムの他、第三リン酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0030】
前記ビタミン類には、公知乃至慣用のビタミン類であれば特に制限されず、例えば、ビタミンA群、ビタミンB群(ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12など)、ビタミンC群、ビタミンD群(ビタミンD3など)、ビタミンE群、ビタミンK群(ビタミンK2など)、ビタミンP、葉酸、ナイアシン、パントテン酸又はその塩(パントテン酸カルシウムなど)、ビオチン、カロチン類などが含まれる。
【0031】
前記ポリフェノール類としては、例えば、カテキン、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンガレート、エピカテキンガレート、ガロカテキンガレート、エピガロカテキンガレート、エピガロカテキンの他、タンニン、フラボノイド、アントシアニンなどが挙げられる。
【0032】
前記エキス類には、例えば、シソの葉エキス、イチョウの葉エキス、人参エキス、甜茶エキス、アロエエキス、アガリクス茸エキス等の植物又はその葉のエキスや、ブルーベリーエキス、プルーンエキス、梅エキス等の果実のエキスの他、魚介類のエキス(カキエキス等)、海藻のエキス、穀物のエキス、食肉のエキス(牛肉エキス等)などが含まれる。なお、これらのエキス類のエキス抽出前の材料をそのまま粉末状や液状の状態で使用することもできる。
【0033】
虫歯進行防止成分とは、虫歯になった場合、その虫歯の進行を抑制又は防止することが可能な成分のことを意味している。虫歯進行防止成分としては、公知乃至慣用の成分を用いることができるが、キシリトールが好適である。該キシリトールは、糖類にも分類され、使用目的に応じて分類することができるが、糖類としての甘味機能と、虫歯進行防止成分としての虫歯進行防止機能とをともに発揮することができる。なお、キシリトール以外の虫歯進行防止成分としては、抗菌性成分(例えば、緑茶から得られる茶ポリフェノール抽出物や大豆から得られるイソフラボン抽出物などの抗菌性植物抽出物)、殺菌性成分(例えば、塩化セチルピリジニウムなど)や、歯垢形成抑制成分などを用いることができる。
【0034】
歯増白化成分とは、歯の色を増白させることが可能な成分のことを意味している。歯増白化成分としては、特に制限されないが、ハイドロキシアパタイトが好適である。
【0035】
歯石灰化促進成分とは、歯の石灰化を促進させることが可能な成分(特に、虫歯を引き起こす細菌により浸食された歯の再石灰化を促進させることが可能な成分)のことを意味している。歯石灰化促進成分としては、特に制限されないが、例えば、乳タンパク分解物、リン酸系化合物(第二リン酸カルシウム、リン酸ナトリウムなど)などを用いることができる。
【0036】
歯茎強化成分とは、歯茎を強化させることができる成分のことを意味している。歯茎強化成分としては、特制限されないが、例えば、塩化ナトリウムが好適である。
【0037】
薬としては、乳幼児が摂取可能な薬(内服用薬、口腔用薬など)であれば特に制限されず、例えば、風邪薬、解熱剤、消炎薬剤、抗生物質や、喉に関する薬、歯に関する薬、気管に関する薬、内臓に関する薬などの公知乃至慣用の薬を用いることができる。
【0038】
経口摂取成分としては、キシリトールが好適である。キシリトールを用いることにより(特に、キシリトールとともに他の糖類や乳類を用いることにより)、乳幼児のおしゃぶり欲を大きく高め、乳幼児が自ら好んでおしゃぶりをするようになり、その結果、鼻呼吸を促進させることができるとともに、虫歯予防を行うことができる。
【0039】
なお、経口摂取成分としては、複数の作用・機能を有している場合、その使用目的等に応じて、適切な成分に適宜分類することができる。
【0040】
前記経口摂取成分は、他の成分に包含された状態で、且つおしゃぶりによって経口摂取成分を摂取可能な形態で乳首部に含有されていることが重要である。乳首部における経口摂取成分の含有形態としては、他の成分に包含された状態であり、且つ乳幼児がおしゃぶりによって経口摂取成分を摂取することができる形態であれば特に制限されない。
【0041】
経口摂取成分を具備する乳首部の部位としては、乳首部中(乳首部の構成材料中)や乳首部表面などが挙げられる。なお、他の成分に包含された状態の経口摂取成分が乳首部中に含有されている場合、均一な分散状態であってもよく、不均一な分散状態であってもよい。また、他の成分に包含された状態の経口摂取成分が乳首部表面に含有されている場合、乳首部の全表面に他の成分に包含された状態の経口摂取成分を、必要に応じて樹脂成分や食用ゲル化剤などを用いて被覆した状態であってもよく、乳首部の表面に部分的に他の成分に包含された状態の経口摂取成分を、必要に応じて樹脂成分や食用ゲル化剤などを用いて被覆した状態であってもよい。
【0042】
なお、他の成分に包含された状態の経口摂取成分が乳首部中にも含有されている場合、例えば、乳首部を多孔質構造とすることにより、乳首部中に含有されている他の成分に包含された状態の経口摂取成分をおしゃぶりによってその味や臭いを味わうことを可能にすることができる。このように、乳首部は多孔質形状を有していてもよく、該多孔質構造としては、連続気泡を有していることが好ましい。
【0043】
また、経口摂取成分としては、乳幼児にとって無害な成分であることが重要であり、そのため、経口摂取成分を包含する他の成分としては、無害な成分を用いることが重要である。なお、経口摂取成分を包含する他の成分(材料)とは、乳首部本体を構成する材料や経口摂取成分以外の成分又は材料のことを意味している。
【0044】
本発明では、経口摂取成分が他の成分に包含された状態としては、特に制限されないが、例えば、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された状態、コーティング成分で被覆された状態などが挙げられる。従って、経口摂取成分を包含する他の成分としては、例えば、マイクロカプセルの被膜部(殻部)を構成する材料(成分)、多孔質体を構成する材料(成分)やコーティング成分などが挙げられる。経口摂取成分が他の成分に包含された状態としては、特にマイクロカプセルに内包された状態が好適である。他の成分に包含された状態の経口摂取成分は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0045】
なお、経口摂取成分が他の成分に包含された状態は、通常、粉粒状の状態である。
【0046】
また、他の成分に包含された状態の経口摂取成分の含有形態としては、おしゃぶりの際の圧力や熱、唾液又は経時によって摂取可能な形態が好ましい。このような摂取可能な形態としては、具体的には、乳幼児の吸引力等による圧力、乳幼児の体温や摩擦熱等による熱、乳幼児の口腔内に分泌される唾液、又はおしゃぶり時又はおしゃぶり前の経時によって、経口摂取成分が乳首部から出てきて、乳幼児が体内又は口内に摂取することができる形態が挙げられる。
【0047】
前記マイクロカプセルの被膜部(殻部)を構成する材料としては、特に制限されず、公知乃至慣用の被膜部材料を用いることができるが、乳首部は乳幼児の口腔内に入れられるので、乳幼児にとって無害な成分であることが好ましい。従って、マイクロカプセルの被膜部を構成する材料としては、食用ゲル化剤を好適に用いることができる。前記食用ゲル化剤としては、特に制限されないが、食品に用いられる高分子構造を有する多糖類やたんぱく質が好ましい。食用ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、カゼイン、カラギーナン、アルギン酸又はその塩(アルギン酸ナトリウム等)、ペクチン、寒天、ジェランガム、ファーセランが好適であるが、その他、アルファ化デンプン、アラビアガム、カシアガム、キサンタンガム、ローカストビーンガム、グアーガム、ヘミセルロース、プルラン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ゼイン、デキストリン、シクロデキストリンなども用いることが可能である。食用ゲル化剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0048】
なお、架橋剤(加硫剤)や硬化剤等も用いて、食用ゲル化剤を架橋(加硫)又は硬化させることができる。このような架橋剤(加硫剤)や硬化剤としては、特に制限されないが、食品用として用いられるもの、または架橋(加硫)又は硬化させた後の食用ゲル化剤の架橋体(加硫体)又は硬化体を食品用として用いることができるものが好ましい。
【0049】
経口摂取成分を内包するマイクロカプセルは、公知乃至慣用の調製方法(例えば、食用ゲル化剤のゲル化温度を利用した液中硬化方法、ゾル溶液による粉床方法、噴霧乾燥方法、あるいはコアセルベーション法など)を利用して調製することができる。具体的には、液中硬化方法では、例えば、食用ゲル化剤と経口摂取成分と水とを含む混合液を、必要に応じて加熱して、植物油などの分散用油脂に滴下して攪拌分散させて冷却することにより、経口摂取成分を内包するマイクロカプセルを調製することができる。なお、必要に応じて、分散用油脂や水を除去したり、架橋(加硫)又は硬化処理を行ったりすることができる。また、噴霧乾燥方法(スプレー乾燥方法)では、例えば、食用ゲル化剤を含む水溶液を調製した後、該食用ゲル化剤含有水溶液中に経口摂取成分を攪拌しながら入れ混合して、経口摂取成分が分散された分散液を形成し、さらに、前記分散液をスプレー乾燥タワー中に加熱空気の供給下でスプレーし、半固体の表皮が形成された粒子を得て、ついで、この得られた粒子を低い温度で乾燥することにより、経口摂取成分を内包するマイクロカプセルを調製することができる。
【0050】
このような経口摂取成分を内包するマイクロカプセルは、その被膜部を構成する材料の種類や被膜部の厚みなどに応じて、例えば、(1)おしゃぶりの際に生じる圧力(吸引力など)によって、マイクロカプセルの被膜部が破壊されて経口摂取成分が放出される形態(感圧放出性を有する形態)、(2)おしゃぶりの際に生じる熱(乳幼児の体温や摩擦熱など)によって、マイクロカプセルの被膜部が破壊されて経口摂取成分が放出されたり、マイクロカプセルの被膜部から経口摂取成分が溶出や浸出したりする形態(感熱放出性を有する形態)、(3)おしゃぶりの際に乳幼児から分泌される唾液によって、マイクロカプセルの被膜部が溶解等により破壊されて経口摂取成分が放出されたり、マイクロカプセルの被膜部から経口摂取成分が溶出や浸出したりする形態(唾液接触放出性を有する形態)、(4)おしゃぶり前やおしゃぶりの経過時間によって、マイクロカプセルの被膜部から経口摂取成分が徐々に溶出又は浸出する形態(徐放性を有している形態)などを有するように調製することができる。
【0051】
なお、経口摂取成分を内包しているマイクロカプセルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。また、1つのマイクロカプセル中には、1種又は2種以上の経口摂取成分を内包することができる。
【0052】
また、経口摂取成分を含浸させることが可能な多孔質体としては、特に制限されず、例えば、多孔性無機物、多孔性ポリマーなどを用いることができ、具体的には、前記例示の食用ゲル化剤による多孔質体などが挙げられる。また、経口摂取成分を多孔質体に含浸させる方法としては、特に制限されず、各種成分を多孔質体に含浸させる公知乃至慣用の含浸方法を利用することができる。
【0053】
経口摂取成分を被覆することが可能なコーティング成分としては、特に制限されず、前記例示の食用ゲル化剤を好適に用いることができる。また、経口摂取成分にコーティング成分を被覆する方法としては、特に制限されず、各種成分にコーティング成分を被覆させる公知乃至慣用の被覆方法(コーティング方法)を利用することができる。
【0054】
なお、経口摂取成分は、液状物(ペースト状物やゲル状物を含む)、固形状物のいずれの状態であってもよい。経口摂取成分が液状物である場合、例えば、マイクロカプセルに内包された状態で乳首部に含有されていることが好ましい。一方、経口摂取成分が固形状物である場合、例えば、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された形態やコーティング成分で被覆された形態などの形態で乳首部に含有されていてもよい。このように、経口摂取成分を他の成分に包含させた状態で用いているので、経口摂取成分は液状物であっても、粉粒体等の固形物状態にして用いることができ、しかも、効果的に乳幼児に経口摂取成分を摂取させることができる。
【0055】
本発明の乳幼児用おしゃぶりは、経口摂取成分を他の成分に包含された状態で含有する乳首部を有していることが重要であり、その他の成分や構造等は特に制限されない。例えば、乳幼児用おしゃぶり中には、前記経口摂取成分とともに、食品添加剤(例えば、防腐剤、防かび剤、酸化防止剤、食料保存料など)、充填剤、可塑剤、分散剤、乳化剤、増粘剤、湿潤剤、ゲル化剤、着色剤、賦形剤、架橋剤、硬化剤、加硫剤、加硫促進剤、加硫促進助剤などが、経口摂取成分とともに他の成分に包含された状態や、他の成分に包含されていない状態などの種々の状態で含まれていてもよい。
【0056】
乳幼児用おしゃぶりの構造としては、例えば、図1や2で示されるように、鍔部や取手を有している構造であってもよい。乳幼児用おしゃぶりとしては、少なくとも鍔部を有していることが好ましい。前記鍔部や取手の形状や大きさ等は、特に制限されず、各種条件に応じて適宜選択することができる。
【0057】
乳首部以外の部位は、乳首部から分離できる構成であってもよく、分離できない構成であってもよい。なお、乳首部から分離できない部位(例えば、鍔部や取手など)は、加熱殺菌処理を行うタイプの乳幼児用おしゃぶりの場合、乳首部とともに殺菌処理(加熱殺菌処理など)されても容易に劣化しないものが好ましい。また、所定の剛性や柔軟性を備えた材料で形成されていることが好ましい。例えば、鍔部は、ポリプロピレンやポリカーボネート等により形成することができる。
【0058】
なお、乳幼児用おしゃぶりとしては、例えば、鈴やぬいぐるみ等のおもちゃ;各種色彩や模様を表す印刷部;ひもやゴム等の固定具;体温測定器等の各種測定器;窒息を防止するための通気孔部などを有していてもよい。
【0059】
乳幼児用おしゃぶりは、1回〜3回程度の使用で捨てる短期間使用タイプ(いわゆる「使い捨てタイプ」)や、加熱殺菌処理などの殺菌処理を施しながら数ヶ月又はそれ以上の期間使用することができる長期間使用タイプなどのいずれのタイプであってもよい。
【0060】
本発明の乳幼児用おしゃぶりは、公知乃至慣用の成形方法を利用して製造することができる。例えば、乳幼児用おしゃぶりの乳首部としては、乳首部の構成材料(例えば、ゴム系材料、エラストマー系材料、熱可塑性樹脂系材料など)に、経口摂取成分を他の成分に包含された状態(マイクロカプセルに内包した状態など)で入れて混合又は混練し、また、この混合又は混練の前後又はその途中で、必要に応じてその他の成分を入れ混合又は混練して、経口摂取成分を他の成分に包含された状態で含有する混合組成物を調製する。その後、この他の成分に包含された状態の経口摂取成分を含有する混合組成物を、所定の形状の金型に注入して、必要に応じて架橋(加硫)又は硬化させることにより、所定の形状を有する乳首部を製造することができる。また、別途、公知乃至慣用の製造方法により作製された鍔部や取手などの乳幼児用おしゃぶりの構成物と、前記製造された乳首部とを、所定の構造となるように、接着や嵌合等を行うことにより、所定の構造を有する乳幼児用おしゃぶりを製造することができる。
【0061】
なお、本発明では、経口摂取成分を他の成分により包含する状態や、経口摂取成分を包含する他の成分の種類などを適宜選択することにより、種々の機能又は作用等を有する構成の乳幼児用おしゃぶりとすることができる。例えば、乳幼児用おしゃぶりとして、おしゃぶりすればするほど(噛んだり吸い付いたりすればするほど)、味や臭いを知覚することができる構成にすると、乳幼児は自然におしゃぶりをし続けることを好むようになり、その結果、乳幼児の噛む力や吸い付く力をより一層向上させることができる。これは、乳幼児の顎の発達にも寄与している。このようなおしゃぶりすればするほど味や臭いを知覚することができるような乳幼児用おしゃぶりの構成としては、例えば、経口摂取成分がマイクロカプセルに内包された状態で乳首部に含有されている構成や、経口摂取成分が多孔質体に含浸された状態で乳首部に含有されている構成の他、経口摂取成分が他の成分により包含された状態(この包含状態は特に制限されない)で且つ乳首部の表面(外面)から内面に向かって濃度が傾斜されている形態(濃度勾配を有する形態)で乳首部に含有されている構成などが挙げられる。
【0062】
また、乳幼児用おしゃぶりとして、断続的に味や臭いを知覚することができる構成(すなわち、断続的に乳幼児の味覚や嗅覚が刺激される構成)にすると、おしゃぶり中の味や臭いの知覚度合いに強弱又は濃淡をつけることができ、おしゃぶりに遊び的要素を付加させることができ、より一層、乳幼児のおしゃぶりしたい又はおしゃぶりし続けたい気持ちを高めさせることができる。このような断続的に味や臭いを知覚することができるような乳幼児用おしゃぶりの構成としては、例えば、経口摂取成分が他の成分により包含された状態(この包含状態は特に制限されないが、経口摂取成分がマイクロカプセルに内包された状態や経口摂取成分が多孔質体に含浸された状態が好適である)で且つ乳首部に分散された形態(例えば、乳幼児の舌がおしゃぶり中に接触する部位では、他の成分により包含されている経口摂取成分の割合が多く、他の部位では前記割合が少ないような形態や、その逆の形態など)で乳首部に含有されている構成などが挙げられる。
【0063】
このように、本発明の乳幼児用おしゃぶりでは経口摂取成分は予め他の成分に包含された状態で乳首部に(特に、乳首部の構成材料中に)含有されているので、経口摂取成分を摂取する構成として種々の機能や作用を有する構成とすることができ、従来のおしゃぶりでは到底達成できないような機能や作用を付与することが可能となり、乳幼児の発育や虫歯予防等に大きく貢献することができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明の乳幼児用おしゃぶりは、乳首部に特定の成分が他の成分に包含された状態で且つおしゃぶりによって摂取可能な形態で含有されているので、容易に乳幼児におしゃぶりを与えることができ、しかも乳幼児が自ら好んでおしゃぶりをするようになり、その結果、鼻呼吸を促進させることができる。また、おしゃぶりにより、各種成分を体内又は口内に摂取することができるので、乳幼児への投薬が容易であり、また、乳幼児の虫歯予防も容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の乳幼児用おしゃぶりの一例を示す概略斜視図である。
【図2】図1に係る乳幼児用おしゃぶりの断面を示す概略断面図である。
【図3】従来の乳幼児用おしゃぶりの構造を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1  乳幼児用おしゃぶり
2  経口摂取成分を他の成分に包含された状態で含有している乳首部
3  鍔部(座板部)
4  取手
11 従来の乳幼児用おしゃぶり
21 従来の乳幼児用おしゃぶり11の乳首部
31 従来の乳幼児用おしゃぶり11の鍔部(座板部)
41 従来の乳幼児用おしゃぶり11の取手
【0009】
すなわち、本発明は、体内又は口内に摂取可能な成分が、他の成分に包含された状態で乳首部に分散して含有されていることを特徴とする乳幼児用おしゃぶりを提供する。
【0010】
前記体内又は口内に摂取可能な成分は、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された状態、またはコーティング成分で被覆された状態で乳首部に分散して含有されていることが好ましく、特に、おしゃぶりの際の圧力や熱、唾液又は経時によって摂取可能な形態で乳首部に分散して含有されていることが好ましい。
【0013】
特に、本発明では、経口摂取成分は予め他の成分に包含された状態で乳首部に(特に、乳首部の構成材料中に)分散して含有されているので、乳幼児がおしゃぶりをする際に、母親等が乳幼児用おしゃぶりの内室等に経口摂取成分を入れる必要がない。そのため、母親等は、容易に乳幼児におしゃぶりを与えることができる。また、経口摂取成分は、他の成分に包含された状態で用いられているので、経口摂取成分の溶解や劣化などを効果的に防止することができ、長期間にわたり経口摂取成分をフレッシュな状態で保持させることも可能である。しかも、経口摂取成分を他の成分に包含した状態で用いているので、経口摂取成分としては、固形状物に限定されず、液状物であってもよく、従来よりも幅広い範囲の成分や材料の中から経口摂取成分を適宜選択して利用することができる。
【0009】
すなわち、本発明は、体内又は口内に摂取可能な成分が、他の成分に包含された状態で乳首部の構成材料中又は乳首部表面に分散して含有されていることを特徴とする乳幼児用おしゃぶりを提供する。
【0010】
前記体内又は口内に摂取可能な成分は、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された状態、またはコーティング成分で被覆された状態で乳首部の構成材料中又は乳首部表面に分散して含有されていることが好ましく、特に、おしゃぶりの際の圧力や熱、唾液又は経時によって摂取可能な形態で乳首部の構成材料中又は乳首部表面に分散して含有されていることが好ましい。
【0041】
経口摂取成分を具備する乳首部の部位としては、乳首部中(乳首部の構成材料中)や乳首部表面が挙げられる。なお、他の成分に包含された状態の経口摂取成分が乳首部中に含有されている場合、均一な分散状態であってもよく、不均一な分散状態であってもよい。また、他の成分に包含された状態の経口摂取成分が乳首部表面に含有されている場合、乳首部の全表面に他の成分に包含された状態の経口摂取成分を、必要に応じて樹脂成分や食用ゲル化剤などを用いて被覆した状態であってもよく、乳首部の表面に部分的に他の成分に包含された状態の経口摂取成分を、必要に応じて樹脂成分や食用ゲル化剤などを用いて被覆した状態であってもよい。

Claims (6)

  1. 体内又は口内に摂取可能な成分が、他の成分に包含された状態で乳首部に含有されていることを特徴とする乳幼児用おしゃぶり。
  2. 体内又は口内に摂取可能な成分が、マイクロカプセルに内包された状態、多孔質体に含浸された状態、またはコーティング成分で被覆された状態で乳首部に含有されている請求項1記載の乳幼児用おしゃぶり。
  3. 体内又は口内に摂取可能な成分が、おしゃぶりの際の圧力や熱、唾液又は経時によって摂取可能な形態で乳首部に含有されている請求項1又は2記載の乳幼児用おしゃぶり。
  4. 体内又は口内に摂取可能な成分が、味覚成分、嗅覚成分、栄養補助成分、食物繊維、虫歯進行防止成分、歯増白化成分、歯石灰化促進成分、歯茎強化成分および薬から選択された少なくとも一種の成分である請求項1〜3の何れかの項に記載の乳幼児用おしゃぶり。
  5. 体内又は口内に摂取可能な成分が、液状物又は固形状物である請求項1〜4の何れかの項に記載の乳幼児用おしゃぶり。
  6. 体内又は口内に摂取可能な成分が、キシリトールである請求項1〜5の何れかの項に記載の乳幼児用おしゃぶり。
JP2002230777A 2002-08-08 2002-08-08 乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり Pending JP2004065707A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002230777A JP2004065707A (ja) 2002-08-08 2002-08-08 乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002230777A JP2004065707A (ja) 2002-08-08 2002-08-08 乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004065707A true JP2004065707A (ja) 2004-03-04

Family

ID=32016731

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002230777A Pending JP2004065707A (ja) 2002-08-08 2002-08-08 乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004065707A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010520850A (ja) * 2006-09-14 2010-06-17 フィート,ラインホルト,ダブリュ ビタミンd組成物及びヒトに投与する方法
JP2011512335A (ja) * 2008-02-08 2011-04-21 コルゲート・パーモリブ・カンパニー 組成物およびデバイス
US20130200030A1 (en) * 2010-10-13 2013-08-08 Nestec S.A. Suction device
IT202000006256A1 (it) * 2020-03-25 2021-09-25 Inlinea Srl Sciroppo calmante

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010520850A (ja) * 2006-09-14 2010-06-17 フィート,ラインホルト,ダブリュ ビタミンd組成物及びヒトに投与する方法
JP2011512335A (ja) * 2008-02-08 2011-04-21 コルゲート・パーモリブ・カンパニー 組成物およびデバイス
US10130597B2 (en) 2008-02-08 2018-11-20 Colgate-Palmolive Company Compositions and devices
US20130200030A1 (en) * 2010-10-13 2013-08-08 Nestec S.A. Suction device
IT202000006256A1 (it) * 2020-03-25 2021-09-25 Inlinea Srl Sciroppo calmante

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2009274404B2 (en) Appetising medicament for oral administration in solid form
MXPA02005486A (es) Composicion nutricional.
CN104644609B (zh) 一种功能性咀嚼型软胶囊皮
JP2007523904A (ja) 被覆された、球状のシームレス型充填カプセル
JP3593547B2 (ja) 無糖の糖衣チューイングボンボン
JP2007131620A (ja) 機能性咀嚼物及びその製造方法並びにその使用方法
JP7194375B2 (ja) 被覆粉末食品及びその製造方法
KR101790666B1 (ko) 애완동물용 구강용해필름
KR20170055062A (ko) 갈색거저리를 이용한 연하식품 및 이의 제조방법
JP2022552777A (ja) 寒天マトリックスを有する耐熱性チュアブル経口投与剤形およびその製造方法
JP5810605B2 (ja) 果実含有ハードグミキャンディ様構造物
KR100398470B1 (ko) 연하식품 및 그 제조 방법
JP5106948B2 (ja) ペット用経口投与補助剤組成物
JP2004065707A (ja) 乳幼児用おしゃぶりおよびキシリトール入り乳幼児用おしゃぶり
ES2219928T5 (es) Metodo de aceleracion de la velocidad de digestion de una proteina y su empleo.
US20110045073A1 (en) Methods and compositions of sphingolipid for preventing and treating microbial infections
JP6575962B2 (ja) とろみ状栄養組成物
JP6831558B2 (ja) 脳機能改善組成物
JP2010252681A (ja) ソフトキャンディ
JP2024513604A (ja) 組成物
JP3199097U (ja) 黒酢グルコサミン混合物を含有する錠剤
JP2001136914A (ja) ペットフード
CN104394844A (zh) 胃瘘用半固态化营养剂
JP6087191B2 (ja) 胃瘻用半固形栄養組成物
JP7084925B2 (ja) 高カロリー栄養組成物および包装体

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040324

A521 Written amendment

Effective date: 20040324

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821