JP2004065363A - 個人認証装置と個人認証方法、及び信号伝送装置 - Google Patents
個人認証装置と個人認証方法、及び信号伝送装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】従来の機器と互換性を有しかつ容易に機器間認証を実現できる信号伝送装置と、常時に個人認証ができる個人認証装置と個人認証方法及びそれらを用いた信号伝送装置を提供する。
【解決手段】ヘッドフォン31に、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82a、及び、耳の音響特性、骨伝導特性、血管パターン、皮膚の模様、又は、形状などの生体情報を検出する個人認証装置(不図示)が設けられている。サーバー35上のコンテンツを再生する時は、ヘッドフォン31の利用者の耳の特性で個人認証を行ない、また、PKIチップ2cと2b、そして2bと82aは、個人サーバー35と音声再生装置36、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なう。PKIチップ82aは、伝送路3より電力を得て、また、伝送路3を介してPKIチップ2bと相互通信を行なう。
【選択図】図20
【解決手段】ヘッドフォン31に、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82a、及び、耳の音響特性、骨伝導特性、血管パターン、皮膚の模様、又は、形状などの生体情報を検出する個人認証装置(不図示)が設けられている。サーバー35上のコンテンツを再生する時は、ヘッドフォン31の利用者の耳の特性で個人認証を行ない、また、PKIチップ2cと2b、そして2bと82aは、個人サーバー35と音声再生装置36、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なう。PKIチップ82aは、伝送路3より電力を得て、また、伝送路3を介してPKIチップ2bと相互通信を行なう。
【選択図】図20
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人認証装置と信号伝送装置に関し、例えば、音楽データの著作権を保護する、又は、決済情報や個人情報等のデータが流出することを防止するための個人認証または機器認証機能付きの信号伝送装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットやディジタル放送等の通信ネットワークを介して通信端末装置間で、音楽コンテンツや番組などの情報の送受信を行なっている。
このような通信システムにおいて、例えばインターネット上の公開サイトは、アップロードされた例えば音楽などのコンテンツをインターネットを介して各利用者のコンピュータに配信する。各利用者は、配信されたコンテンツをコンピュータのハードディスクに記録し、これを任意のタイミングで再生できる。これにより利用者は、サイトから配信された種々のコンテンツを利用できるようになっている。
また、ディジタル放送局から送信された音楽/映像番組を直接テレビ画面上に視聴しても良いが、受信装置の内蔵ハードディスクに記録し、都合の良いタイミングで再生して鑑賞することもできる。
【0003】
以上のようなインターネットやディジタル放送等を用いた配信では、配信側において、コンテンツは全て圧縮技術によりエンコードされて、さらに暗号化されて配信されているので、配信側から利用者までの通信経路は安全であり、著作権が侵害されにくいと思われている。
しかし、配信されたコンテンツは利用者側で複製されて違法コピーが作られる問題が発生しており、被害が問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解消する方法として、コンテンツに電子透かし(ディジタル・ウォーターマーク:Digital Watermark)情報を埋め込んで、配信されたコンテンツの使用及び複製を制限する等のことが考えられるが、電子透かしを用いた場合は、機器に対する制限は電子透かしに対応する機器でしかできず、従来の機器に関しては何ら反応しないので効果がなく、実用上は不便である。
また、従来は、例えば音楽コンテンツそのものを暗号化しても、再生機器のアナログ端子からそのコンテンツをアナログ信号として出力する時点で違法コピーが可能になる。この点を改善する為にアナログ・ウォーターマークが考案されたが、個人向けの配信するサービスに向いていない。
また、暗号化によって特定の人間にその音楽や映像を視聴する権利を与える方法も提案されている。この場合は個人別の鍵を用いて他人の違法利用を防ぐことができるので、個別配信に向いている。しかし、アナログ音声信号が再生機器から出力されると、アナログ音声信号を録音し、違法コピーの問題は解消されていない。
【0005】
一方、配信されたコンテンツを配信者に許可された再生機器だけが再生できるように、合法な利用者が使用する再生機器を限定することも提案されている。例えば、認定されたスピーカーであれば、音声出力をさせ、そうでなければ、出力をさせない、このように出力先を限定する。しかし、出力先を特定できたとしても、前述したようなアナログ録音の問題が解消されていない。
【0006】
従来は、以上のように出力先に制限を加え、かつ、アナログ録音を防止するためには、アナログ信号が取れない専用のデジタル・スピーカーや、複雑な回路をスピーカー側に取り付ける必要があった。このため、専門スピーカーメーカが製造した汎用かつ音質の高いスピーカーを使用できず、従来の音質を維持することが難しく、製造コストが上がる問題があった。またインターフェースが特殊になるので汎用のものを作るのも非常に困難であった。
【0007】
コンテンツに対する保護をさらに強化し、違法コピーを防ぐために、機器を限定することに加え、利用者を特定することは必要である。
機器だけを特定できても、利用者が本人かどうかを判定できないので2次利用や不正な手段で不特定多数の人間が利用でき、前述した違法コピーの問題が生じる。
利用者を特定できれば、機器の利用者が合法な本人であるか否かを判定でき、購入者のみが視聴出来る様にし、第三者の合法な機器での違法操作を防止できる。
そのために、利用者本人の個人認証が容易に、確実に、かつ常時に行なわれることが望ましい。しかし、このような技術が提案されていない。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされ、その第1の目的は、容易に機器間認証を実現し、違法コピーを防ぐことができ、かつ従来の機器と互換性を有する信号伝送装置を提供することにある。
その第2の目的は、耳のような生体情報を用いて個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法、及びそれらを用いた信号伝送装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点の信号伝送装置は、送信手段と、受信手段と、前記送信手段からの信号を前記受信手段に伝送する信号伝送路と、前記送信手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、前記受信手段の機器認証に用いられる第2の認証手段とを有し、前記送信手段は、前記信号伝送路を介して前記第2の認証手段へ電力を供給し、前記第1の認証手段と前記第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して、認証信号を互いに伝送して前記受信手段と前記送信手段の正当性を判断し、前記送信手段と前記受信手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記送信手段に信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記受信手段に信号を受信させる。
【0010】
前記第2の認証手段は、前記受信手段に取り付けられている。
前記認証信号の帯域は、可聴帯域より周波数の高い帯域を含む。又は、前記認証信号はスペクトラム拡散信号を含む。
前記送信手段は、前記信号伝送路の伝送インピーダンスを検出し、前記伝送インピーダンスが変化した場合、送信を制限する。
【0011】
本発明の第2の観点の信号伝送装置は、音声信号を音声再生手段から音声出力手段に伝送する信号伝送路と、前記音声再生手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、前記音声出力手段の機器認証に用いられる第2の認証手段とを有し、前記音声再生手段は、前記信号伝送路を介して前記第2の認証手段へ電力を供給し、前記第1の認証手段と前記第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して認証信号を互いに伝送して前記音声出力手段と前記音声再生手段の正当性を判断し、前記音声出力手段と前記音声再生手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記音声再生手段に音声信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記音声出力手段に音声を出力させる。
【0012】
前記第2の認証手段は、前記音声出力手段に取り付けられている。
前記認証信号の帯域は、可聴帯域外の帯域を含む。または、前記認証信号の帯域は、可聴帯域より周波数の高い帯域を含む。または、前記認証信号はスペクトラム拡散信号を含む。
前記音声再生手段は、前記信号伝送路の伝送インピーダンスを検出し、該伝送インピーダンスが変化した場合、再生を制限する。
【0013】
本発明の第3の観点の個人認証装置は、耳に装着された状態で、耳の特性を検出する検出手段と、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータが記憶されており、前記検出された耳の特性データを、前記記憶された耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する認証手段とを有する。
【0014】
耳に装着された状態で、耳に音声信号を出力しながら認証信号を出力する音声出力手段を有し、前記検出手段は、前記音声出力手段に取り付けられ、前記検出手段は、前記認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により前記耳の特性を検出する。
【0015】
前記耳の特性は、耳内部において信号の伝播特性を含む、または、前記耳の特性は、耳近傍の骨において信号の伝導特性を含む。
前記認証信号の帯域は、可聴帯域外の帯域を含む。
前記認証信号は、スペクトラム拡散信号を含む。または、前記認証信号は、前記音声出力手段が出力した音声信号を含む。または、前記認証信号に、個人毎に異なる電子透かしが埋め込まれている。または、前記認証信号は、個人毎に異なるスペクトラム拡散信号を含み、前記認証手段は、前記個人毎に異なる認証信号と前記応答信号の相関係数が所定の値より大きいことにより、利用者の正当性を判断する。
【0016】
或は、前記検出手段は、耳の一部に入射光を照射する光源と、耳を挟んで前記光源と対向する、前記入射光が前記耳の一部を透過した透過光を検出する受光部とを有し、前記検出手段は、前記受光部で検出された透過光により、耳内部の静脈血管のパターンを検出し、前記認証手段は、検出された前記静脈血管のパターンを、事前に測定された正当な利用者の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0017】
或は、前記検出手段は、耳の形状を検出し、前記認証手段は、検出された耳の形状パターンを、事前に測定された正当な利用者の耳の形状パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
具体的に、前記検出手段は、撮像装置を含む。又は、前記検出手段は、静電検出器、または、圧電検出器を含み、前記検出手段は耳と接触し、該接触された耳の部分の形状を検出する。
【0018】
或は、前記検出手段は、耳の一部に入射光を照射する光源と、前記入射光が前記耳の一部での反射光を検出する受光部とを有し、前記検出手段は、検出された前記反射光により、耳の皮紋パターンを検出し、前記認証手段は、検出された前記皮紋パターンを、事前に測定された正当な利用者の皮紋パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0019】
又は、前記検出手段は、第1の偏光板と、前記第1の偏光板の偏光方向と直交する第2の偏光板とを有し、前記第1の偏光板は、前記入射光を所望の偏光方向にし、前記第2の偏光板は、耳の表皮からの反射光を少なくとも一部を遮断し、前記検出手段は、前記第2の偏光板を通過した、前記耳の表皮の下の真皮からの反射光を検出し、耳の皮紋を検出する。
【0020】
本発明の第4の観点の個人認証装置は、耳に装着された状態で、利用者本人が発した声を測定し、耳の特性を検出する検出手段と、事前に測定された正当な利用者の耳の特性データが記憶されており、前記検出された耳の特性データを前記記憶された耳の特性データと比較し、利用者の正当性を判断する認証手段とを有する。
前記検出手段は、耳近傍の骨において前記声の伝導特性を検出する。または、前記検出手段は、耳内部に装着された状態で前記声の耳内部での伝播特性を検出する。
【0021】
本発明の第5の観点の信号伝送装置は、音声再生手段と、耳に装着可能な音声出力手段と、前記音声出力手段に取り付けられ、耳に装着された状態で、耳の特性を検出する検出手段と、音声信号を前記音声再生手段から前記音声出力手段に伝送する信号伝送路と、前記音声再生手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、前記音声出力手段に取り付けられ、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータが記憶されており、前記検出手段により検出された耳の特性を、前記記憶された耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する第2の認証手段とを有し、前記音声再生手段は、前記信号伝送路を介して、前記第2の認証手段へ電力を供給し、前記第1及び第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して、認証信号を互いに伝送して前記音声出力手段と音声再生手段の正当性を判断し、前記利用者及び前記音声出力手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記音声再生手段に音声信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記音声出力手段に音声を出力させる。
【0022】
本発明の第6の観点の個人認証方法は、耳に音声信号を出力しながら認証信号を出力し、前記認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により耳の特性を検出し、前記検出された耳の特性データを、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0023】
本発明の第7の観点の個人認証方法は、耳の一部に入射光を照射し、前記入射光が前記耳の一部を透過した透過光を検出し、前記検出された透過光により、耳内部の静脈血管のパターンを検出し、検出された前記静脈血管のパターンを、事前に測定された正当な利用者の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0024】
本発明の第8の観点の個人認証方法は、耳の形状を検出し、検出された耳の形状パターンを、事前に測定された正当な利用者の耳の形状パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0025】
本発明の第9の観点の個人認証方法は、耳の一部に入射光を照射し、前記入射光が前記耳の一部での反射光を測定し、検出された前記反射光により、耳の皮紋パターンを検出し、検出された前記皮紋パターンを、事前に測定された正当な利用者の皮紋パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
前記入射光を所望の偏光方向にし、耳の表皮からの所望の偏光方向を有する反射光を、偏光方向が直交する偏光板により少なくとも一部を遮断し、前記偏光板を通過した、前記耳の表皮の下の真皮からの反射光を検出し、耳の皮紋を検出する。
【0026】
本発明の第10の観点の個人認証方法は、利用者本人が発した声を測定し、耳の特性を検出し、前記検出された耳の特性データを事前に測定された正当な利用者の耳の特性データと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0027】
本発明の第1と第2の観点の信号伝送装置によれば、第2の認証手段は、信号伝送路を介して送信手段又は音声再生手段から電力を供給され、信号伝送路を介して第1の認証手段と、送信手段又は音声再生手段と受信手段又は音声出力手段の機器認証を行なう。
【0028】
また、本発明の第3と第4の観点の個人認証装置によれば、耳の特性を検出し、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータと比較して利用者の正当性を判断する。具体的に、検出手段は、認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により耳の特性を検出する、或は、利用者本人が発した声で耳の特性を検出する、或は、耳内部の静脈血管のパターンを検出する、或は、耳の表皮又は真皮の皮紋パターンを検出する、或は、耳の形状を検出する。
【0029】
本発明の第5の観点の信号伝送装置によれば、音声出力手段に取り付けられた検出手段で耳の特性を検出して個人認証を行ない、音声出力手段に取り付けられた第2の認証手段は、信号伝送路を介して音声再生手段から電力を供給され、信号伝送路を介して第1の認証手段と互いに認証信号を伝送し、音声再生手段と音声出力手段の機器認証を行なう。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して述べる。
第1の実施形態
本実施形態は、容易に機器間認証を実現し、違法コピーを防ぐことができ、かつ従来の機器と互換性を有する信号伝送装置、特に、音声信号を伝送する装置について述べる。
本実施形態に係る信号伝送装置においては、音声信号をそのままに、送信側と受信側共に、通信機能及び認証機能を持つ、例えば、公開鍵暗号チップ(以後PKIチップ)を取り付けて、暗号を用いた送信側と受信側の機器間認証を行なう。相互に認証された場合のみに、送信側からコンテンツを受信側へ送信する。
【0031】
従来、受信側はスピーカー、イヤフォン、又は、ヘッドフォンなどの電源を持っていない機器である場合は、これらの機器に取り付けたPKIチップの電力供給が問題となり、実現できなかった。
本実施形態では、送信側と受信側の間の信号伝送路を利用して、PKIチップへの電源供給を行ない、また、送信側と受信側のPKIチップ間の認証のための通信も、送信側と受信側の間の信号伝送路に高周波数の信号や音声帯域外の信号などを重畳して行なう。
また、アナログ録音については、違法アナログ録音の際に、送信側と受信側の伝送路の伝送特性の変化を利用して対応する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成図である。
図1に示された信号伝送装置は、音声再生装置6と例えばスピーカーやヘッドフォンなどの音声出力装置8とを有し、音声出力装置8は、音声出力部1を含む。音声再生装置6と音声出力装置8には、例えば、公開鍵暗号チップ(PKIチップ)2aと2bからなる認証手段が取り付けられている。
音声再生装置6は、例えば音楽データである音声信号Aを、スピーカーケーブルである信号伝送路3を経由して音声出力装置8へ伝送する。また、PKIチップ2aと2bは、信号伝送路3を経由して電力供給と相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置6と音声出力装置8の機器間の相互認証をし、再生を開始して良いかを判定し、音声出力装置8の再生制限を行なう。
本実施形態において、通信の伝送路であるスピーカーケーブル3の特性が精密に設計されることが要求されるので、スピーカーケーブル3としては、例えば、シールド線や、シールドされたツイストペアのケーブル等を用いる。
【0033】
図2は、図1の構成の信号伝送装置の具体的な接続の例を示す図である。図2に示すように、PKIチップ2bを取り付けた音声再生装置6のアナログ出力端子5に、スピーカーケーブル3を介して音声出力部1に接続しているピンプラグ4を挿入し、音声再生装置6と音声出力装置8とを接続する。音声出力装置8にはPKIチップ2aが取り付けられている。また、音声出力部1への直流電流を遮断する容量7は設けられている。
【0034】
図3(a)、(b)及び(c)は、PKIチップ2aを音声出力部1に取り付ける方法を示す斜視図、側面図と部分拡大図である。図3(a)、(b)及び(c)に示すように、PKIチップ装着セット2xは音声出力部1の後部に取り付けられている。PKIチップ装着セット2xにおいて、PKIチップ2aが保護板12に被覆され、さらに、接着剤11でPKIチップ2aと保護板12を音声出力部1の後部に固着する。PKIチップ2aを無理に取ろうとすると、PKIチップ2a及び音声再生装置6と音声出力装置8との接続が破壊される仕組みとなっているので、音声出力部1からPKIチップ2aを取り外して違法行為を行なうことを防ぐことができる。
このようにして、音声再生装置6と音声出力装置8の間で、確実に機器間認証を行ない、音声再生装置6は音声出力装置8に対して、確実に再生制限を行なうことができる。
【0035】
図4(a)、(b)及び(c)は、本実施形態に係る信号伝送装置におけるPKIチップ2aと2bとの通信方式を説明する図である。
本実施形態では、PKIチップ2aと2bの間で認証信号のやり取りをするので、双方向の通信が必要である。本実施形態では、再生される音声信号に影響しないように、音声帯域外の信号、または、耳に聞こえにくい帯域の信号、または高周波信号を、スピーカーケーブル3が伝送する音声信号Aに重畳し、認証信号のやり取り及び音声再生装置8の再生制限を行なう。
例えば、スピーカーケーブル3で伝送されている音声信号Aに13.5MHzの高周波信号を重畳して通信を行なう。通信手段としてはAM(振幅変調:Amplitude Modulation)、FM(周波数変調:Frequency Modulation)、ASK(Amplitude Shifting Key)、PSK(Phase Shifting Key)、スペクトラム拡散(Spectrum Spread)通信などが使うことができる。
【0036】
図4(a)、(b)と(c)は、スピーカーケーブル3で伝送されている音声信号A及び高周波信号のスペクトラムを示す。図4(a)、(b)と(c)において、スペクトラムaは、音声再生装置6から音声出力装置8へ伝送する音声信号Aのスペクトラムであり、スペクトラムbは、PKIチップ2aと2bの間の通信信号のスペクトラムである。
図4(a)は、ASK、または、PSK通信方式の場合のPKIチップ間の通信信号スペクトラムを示し、図4(b)は、スペクトラム拡散通信方式の場合のPKIチップ間の通信信号スペクトラムを示している。また、スペクトラム拡散通信方式の場合は、図4(c)のように、スペクトラムbはスペクトラムaとオバーラップしても良い。
【0037】
このように、音声再生装置6側で、上記の各種通信用の信号を音声信号に重畳して、従来の信号伝送方法で音声出力装置8と音声再生装置6との間で相互認証や再生制限などが行なえる。
【0038】
本実施形態において、既存のスピーカーなどの機器に応用できるように、音声出力装置8側に電源を設けなくてもよいことが好ましい。即ち、PKIチップ2aは音声出力装置8から電源を供給されない。
PKIチップ2aの動作に必要な電力が小さいものであるので、本実施形態では、スピーカーケーブル3で伝送されている信号を抽出して電力信号として、PKIチップ2aに供給する。
【0039】
図5(a)と(b)、及び図6(a)と(b)は、PKIチップ2aがスピーカーケーブル3から電源を供給される方法の例を示す図である。
図5(a)は、RF(Radio Frequency)(高周波信号)重畳方式の場合を示す。音声再生装置6から音声出力装置8に伝送する音声信号にRF信号を重畳して伝送する。音声出力部1の直前に、低周波信号を通過させるローパスフィルター(LPF)21で高周波信号をカットして音声信号を選択し、音声出力部1に伝送する。一方、PKIチップ2aの直前に、高周波信号を通過させるハイパスフィルター(HPF)22で音声信号をカットして高周波信号を選択し、PKIチップ2aの電源として使う。
PKIチップ間通信用の搬送波は高周波信号であるので、搬送波そのものを電力信号として使っても良い。周波数の異なる電力専用搬送波を用いる方法もある。AM,FM,ASK,PSKなどであれば通信と兼用できる。
【0040】
図5(b)は、搬送波重畳方式の場合を示す。特定の周波数の信号を音声信号に重畳して、これを平滑することで電力を供給する。具体的に、音声出力部1の直前に、LPF23で搬送波信号をカットして音声信号を選択し、音声出力部1に伝送する。一方、PKIチップ2aの直前に、HPF24で音声信号をカットして周波数の高い搬送波を選択し、PKIチップ2aの電源として使う。
【0041】
図6(a)は、DC重畳方式の場合を示す。音声信号はAC成分なので、電源電圧をDCで音声信号に重畳して伝送することが可能である。具体的に、図6(a)に示すように、音声出力部1の直前にHPF25でDC成分をカットしてAC成分である音声信号を音声出力部1に伝送する。PKIチップ2aの直前には、逆にAC成分をLPF26でカットしてDC成分を電源として利用する。
【0042】
図6(b)は、音声信号平滑方式の場合を示す。PKIチップの電力が十分小さければ、音声信号そのものから電力を作り出すことが可能になる。音声出力部1のインピーダンスよりも十分大きなインピーダンスで電源平滑回路27を用いて、電源を構成することができる。
【0043】
また、上記した本実施形態の信号伝送装置は、違法アナログ録音に対応できる。
例えば、PKIチップを音声再生装置と録音機器に取り付けて、機器間認証を行ない、重畳されたPKIチップ通信信号によって、音声再生装置と録音機器が認証された場合のみ、録音機器は録音できる。重畳信号が無い場合は制限付きで録音ないしは禁止する。
制限方法としては、まず、重畳信号が無い場合に、ネバーコピー(Never Copy)として記録出来ない、或は、重畳信号が無い場合に、コピーワンス(Copy Once)として記録して、2回目のコピーができないようにする、或は、重畳信号が無い場合に、元が何であれ、サンプリン周波数48kHz16ビットステレオ以下のレートでしか記録しない、などがある。
【0044】
さらに、PKIチップ2aを搭載した音声出力装置8に並列にアナログ録音機を接続して違法録音を行なうことも防止できる。
図7を用いてこれについて説明する。図7において、音声出力装置8に並列にアナログ録音装置14をスピーカーケーブル3に繋げて、音声再生装置6と音声出力装置8が互いに認証され、音声再生装置6から音声出力装置8へ音声信号を送信する時に、録音装置14で違法録音ができてしまう。
しかし、録音装置14をスピーカーケーブル3に接続した為に、PKIチップ2aと2bの伝送路の特性が変化する。本実施形態では、スピーカーケーブル3の伝送特性の変化を利用して不正な接続を検出する。具体的には、次のような方法がある。
【0045】
例えば、音声再生装置6の出力をモニターして正しい音声出力装置8以外のものが接続されていないかを調べる。
或は、接続端子とケーブルを外側からアクセスできない様な構造にする。
または、あらかじめ登録する際にインピーダンス特性を広範囲の周波数まで測り登録し、これと異なる条件の時は再生不可能にする、などの方法がある。
【0046】
本実施形態では、スピーカーケーブル3の伝送インピーダンスを利用する。音声出力装置8以外の機器をスピーカーケーブル3に接続すると、スピーカーケーブル3の伝送インピーダンスを含む伝送特性が変化するので、これを検出して、音声再生装置6の再生を制限する。
この方法では、入力インピーダンスが高く、影響が少ない機器でも高周波の伝送特性には影響をするので、効果が高い。
【0047】
この場合は、スピーカーケーブル3の伝送特性を高精度、厳密に設計してスピーカーのインピーダンスを管理する必要がある。図1のような正常な接続の場合は、伝送特性が変化せず、音声再生装置6が通常に再生する。図7のように、音声再生装置6と音声出力装置8の間に録音装置14を接続した場合に、伝送特性が劣化して正しい通信が行なえなくなる。音声再生装置6側がこれを検出して再生を止めることができる。十分に高い周波数帯域を通信に使えば音声信号の品質を落とさずに実現可能である。
これによって、従来の認証機能のない機器による録音を制限することも可能である。
【0048】
また、購入したコンテンツを他人の機器で再生することも制限することができる。配信されたコンテンツが暗号化されている場合、このコンテンツの再生制限を解除するには、登録されたスピーカーが必要であるので、利用者を限定できる。
【0049】
また、再生周波数や分解能をPKIチップによってクラス分けすれば、音楽配信等でもサービスによって同じコンテンツのグレードを制御した再生も可能である。より高音質で著作権者が気にするコンテンツはセキュリティグレードの高い伝送系を用意して、対応することが考えられる。
【0050】
従来は、機器間認証を行なうには、スピーカーをディジタル化した方法や、ハードウエアタンパーな一体化されたものを作るしかなかった。
本実施形態によれば、PKIチップのような暗号チップをスピーカーに貼りつけて、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、スピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を行なうことができる。
さらに、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、デジタル・スピーカーなどの専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。また、暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。
従って、本実施形態の汎用性が高い。
機械的に暗号チップを剥そうとすると機器が壊れるような材質で接着しておけば、成りすましの機器を作る事も出来ないようにできる。
再生装置側は再生制限を行なうことで不正な録音を防止することができる。
購入したコンテンツを他人の機器で再生することも制限することができる。
【0051】
なお、上記の説明で、一例として、PKIチップ2aを音声出力部1に取り付けたが、音声出力装置8の他の部分でも構わない。例えば、アンプなどに付けても良い。
だが、配信のセキュリティをエンドツーエンド(End−to−End)で行なうのが理想的なので、その場合はスピーカーやヘッドフォン(イヤフォン)または再生装置と一体となったスピーカーが適している。
また、以上に、PKIチップを用いて機器間の相互認証を行なったが、相互機器認証の機能は個別の秘密鍵を用いても実現可能である。
【0052】
第2の実施形態
本実施形態において、音楽コンテンツ配信サーバーと、音声再生装置と、ヘッドフォンからなる音声出力装置との間で機器認証を行ない、音楽コンテンツを配信して再生する信号伝送装置について述べる。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成成分に同じ符号を用いる。
図8は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、暗号化されたコンテンツ、例えば音楽コンテンツを格納また配信する個人サーバー35、音声再生装置36、及びヘッドフォン31とを有する。
【0053】
個人サーバー35は、例えば、利用者個人の自宅に配置されているコンピュータからなる。個人サーバー35には、機器間認証に用いるPKIチップ2cが設けられている。
利用者は、購入した暗号化された音楽コンテンツをサーバー35になる自分のコンピュータに保存し、利用者は外出中に、ワイヤレス・デバイスや、インターネットなどを経由して、例えば、ヘッドフォンステレオからなる音声再生装置36で、個人サーバー35にある音楽コンテンツを再生する。
【0054】
サーバー35側と音声再生装置36側には、アンテナ32a、32bがそれぞれ設けられている。ヘッドフォン31には、機器間認証に用いるPKIチップ2aが設けられている。
音声再生装置36は、アンテナ32bと接続する受信機33、受信したコンテンツを復号する復号器34、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
【0055】
利用者は個人サーバー35上の音楽コンテンツをヘッドフォン31で再生する場合は、例えばインターネットを経由して個人サーバー35にアクセスする。常に暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用する際に鍵交換を行なう必要がある。PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、個人サーバー35と音声再生装置36の機器間認証を行ない、個人サーバー35からコンテンツを配信して良いかを判定する。
【0056】
音声再生装置36上のコンテンツを復号する際にも鍵交換が必要である。即ち、上記の同じように、PKIチップ2bと2aは、暗号鍵を交換し、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、ヘッドフォン31は、音声再生装置36と同一所有者であるかを判定する。
【0057】
個人サーバー35と音声再生装置36とヘッドフォン31は互いに認証された場合は、個人サーバー35は、アンテナ32aを介して暗号化されたコンテンツを配信し、音声再生装置36はアンテナ32bと受信機33でそれを受信し、復号器34において復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号をヘッドフォン31に伝送する。
利用者は、ヘッドフォン31を耳に装着し、再生された音楽を聴くことができる。
【0058】
第1の実施形態と同じように、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0059】
また、例えば、音声再生装置36は、ヘッドフォン端子が2系統ある場合は、該2端子はそれぞれ独立した相互認証機能を持たせることができる。第1のヘッドフォンが一方の端子に挿された時は、他方の端子には再生音声を出力しない。第2のヘッドフォンもつながれた時に、再び相互認証を行い、正しい場合のみ音声信号を出力する。どちらかがライセンスされていない場合は音声出力を停止する。
【0060】
本実施形態は、ヘッドフォンの出力端子しか持っていない音声再生機器、例えばヘッドフォンステレオのような場合は、実現性が高い。
また、以上の音楽配信方法で合法的にナプスターと同様なサービスもできる。ここで利用されるコンテンツは全て暗号化されていて、権利者のみが外部からPKIチップにより復号及び再生ができるので、個人のサーバーに著作権があるコンテンツを蓄積しておいても他者は再生できないので問題は無い。
【0061】
また、コンテンツの復号化をサーバー35側で行なうことも有効的な方法である。この場合、ヘッドフォン31のPKIチップ2aが行なうのはサーバー35側の制御になるので、パッシブな構成であるヘッドフォン31でセキュリティが構築できる。
この場合、コンテンツが復号化された状態で伝送されるが、今後IPV6等でアドレスそのものが安全になり、さらに伝送路そのものが暗号化されて守られれば、コンテンツ専用にさらに暗号化が必要とされないシステムが可能になるので、問題にならない。
【0062】
本実施形態によれば、ヘッドフォンなどのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を容易に行なえ、専用な機器や伝送路を必要とせず、汎用性が高い。
また、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
【0063】
第3の実施形態
本実施形態において、パッケージメディアを再生する信号伝送装置について述べる。
図9は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。
図9に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46、音声出力装置8とを有する。
【0064】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮データを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを含む。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、機器間認証に用いるPKIチップ2aとを有する。
例えば、図2のように、音声出力装置8がイヤフォン・ジャクに差し込んで、音楽の再生を準備する。
【0065】
メディア48上の音楽を再生する場合は、音声再生装置46がメディア48上の圧縮データを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証を行なうことが必要である。即ち、PKIチップ2bと2aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
音声再生装置46と音声出力装置8は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア48上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。
音声出力部1は、音楽を出力する。
【0066】
第1の実施形態と同じように、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0067】
本実施形態によれば、スピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンのような電源を持っていない機器であっても、PKIチップをスピーカーに貼りつけて、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、機器認証を行なうことができる。また、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。従って、本実施形態の汎用性が高い。音声出力装置のPKIチップの暗号を解ける鍵があれば、従来の再生装置を用いても良い。
【0068】
第4の実施形態
本実施形態において、暗号鍵を付けたパッケージメディアを再生する信号伝送装置について述べる。
図10は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。
図10に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46、音声出力装置8とを有する。
【0069】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮されたデータを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
メディア48には、PKIチップ2cが設けられており、メディア48の機器認証を行なう。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、機器間認証に用いるPKIチップ2aとを有する。
【0070】
メディア48上の音楽を再生する場合は、音声再生装置46がメディア48上の圧縮されたデータを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証を行なうことが必要である。即ち、PKIチップ2bと2aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
【0071】
さらに、本実施形態では、メディア48にPKIチップ2cが設けられ、メディア48上の音楽は、許可された音声出力装置でしか再生できないと制限されている。従って、メディア48上の音楽を音声出力装置8で再生して良いかを判定する必要がある。そのため、PKIチップ2cと2aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、メディア48と音声出力装置8の機器認証を行ない、音声出力装置8は正当な機器であるか、メディア48上の音楽を再生する権利を有するかを判定する。
なお、メディア48と音声出力装置8の機器認証は、メディア単位、或は、コンテンツ単位で行なう。
【0072】
音声再生装置46と音声出力装置8とメディア48は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。
音声出力部1は、音楽を出力する。
【0073】
前述した実施形態と同じように、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、また、メディア48と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0074】
本実施形態によれば、電源を持っていない音声出力装置であっても、PKIチップをスピーカーに貼りつけ、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、機器認証を行なうことができる。
また、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。
従って、本実施形態の汎用性が高い。
また、メディアやコンテンツ単位で、機器認証を行なうことを可能となり、違法利用を防止できる。
【0075】
第5の実施形態
本実施形態において、インターネットを介して、例えば携帯電話や携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)などの通信装置へ、音楽コンテンツのストリームを送信し、再生する信号伝送装置について述べる。
図11は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
図11に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、例えば音楽コンテンツを格納し、配信するサーバー59、音声再生装置56、及び音声出力装置8とを有する。サーバー59はインターネットを介して音声再生装置56にデータストリームを配信する。サーバー59は、PKIチップ2cを有する。
音声再生装置56は、サーバー59が配信したデータストリームを受信する受信機58、受信したデータを復号する復号器57、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。音声出力装置8は、機器間認証に用いるPKIチップ2cを有する。
【0076】
利用者はサーバー59上の音楽コンテンツを音声出力装置8で再生する場合は、例えば音声再生装置56はインターネットを経由してサーバー59にアクセスする。常に暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用する際に鍵交換を行なう必要がある。PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、サーバー59と音声再生装置56の機器間認証を行ない、サーバー59からコンテンツを配信して良いかを判定する。
【0077】
音声再生装置56上のコンテンツを復号する際にも鍵交換が必要である。即ち、上記と同じように、PKIチップ2bと2aは、暗号鍵を交換し、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、音声出力装置8は、音声再生装置56と同一所有者であるかを判定する。
【0078】
サーバー59と音声再生装置56と音声出力装置8は互いに認証された場合は、サーバー59は、暗号化されたコンテンツのストリームを配信し、音声再生装置56は受信機58でそれを受信し、復号器57で復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力装置8は、音声を出力する。
【0079】
第1の実施形態と同じように、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0080】
本実施形態は、ストリーミングによりリアルタイムにコンテンツをサーバー59から送り出すサービスにも応用できる。この場合復号を音声再生装置56で行なわずにサーバー59で復号して再生制限だけ行なうことが可能である。また今後通信路が安全性が高まることにつれてコンテンツそのものを暗号化しないで、再生制限のみをPKIで行なう専用端末も可能である。
【0081】
また、本実施形態の信号伝送装置では、音声再生装置56は汎用の端末であり、利用者は自分のヘッドフォンなどの音声出力装置8で音楽を聞くことも可能である。この場合は、例えば電車や航空機といった環境に設置された再生機において、自分に所有権があるコンテンツをサーバーから呼び出せるサービスも可能になる。これによって、旅行先に自分の再生装置やコンテンツを持ち歩かなくても良くなり便利である。
【0082】
本実施形態によれば、汎用の機器でも、機器認証を容易に行なえ、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
【0083】
第6の実施形態
上記の第1〜5実施形態は、機器を限定することによって、違法コピーを防ぐことを図った。しかし、機器だけを特定できても、機器の利用者が本人かどうかを判定できないので、違法コピーを完全に防ぐことができない。
利用者を特定できれば、機器の利用者が合法な本人か否かを判定でき、購入者以外の第三者の視聴を防止できる。
本実施形態では、利用者を特定する方法として、個人認証方法及び個人認証装置について述べる。
個人認証を行なう場合は、コンテンツにとって、正当な利用者本人を認証できれば、どの機器でも視聴できることが望ましい。
本実施形態では、例えば、ヘッドフォンを耳に装着して音楽コンテンツを聴く時に、例えばヘッドフォンにセンサーを取り付けて、耳の音響特性や身体の特徴の違いから利用者を特定して、個人認証を行なう。
【0084】
図12(a)と(b)は、本実施形態において、耳の内部の音響特性による個人認証装置の基本構成の一例を示す図である。
図12(a)は、不図示のマイクを取り付けたイヤフォン74、または、兼用のマイクスピーカーを耳69に装着し、耳69の音響特性を測定する、図12(b)は、マイクを取り付けたヘッドフォン75を耳69に装着し、耳69の音響特性を測定する個人認証装置をそれぞれ模式的に示す。また、71は、外耳道、72は鼓膜を示す。
【0085】
図12(a)と(b)において、イヤフォン74またはヘッドフォン75は、例えば、入射信号を耳に出力し、マイクはその入力信号の耳においての反射、共鳴、減衰等後の応答信号を採取する。
マイクで記録された応答信号は個人の耳が特有の周波数特性、遅延特性、インパルス応答、共鳴現象などに関係し、個人により異なってくるので、個人を区別できる。
あらかじめ認証手段70に本人の耳の音響特性を登録しておけば、それを検出された応答信号から得た特性と比較し、本人か否かを判定できる。
この判断結果によって、例えば、イヤフォン74またはヘッドフォン75の再生制限を行なう。
【0086】
入射信号として、通常の音楽出力に影響しないように、耳に聞こえにくい信号が望ましい。例えば、耳に聞こえにくい帯域制限を施したスペクトラム拡散信号が好適である。また、音楽信号そのものを利用して、音響特性を測定するのも好適である。
他には、例えば、個人別に音声電子透かしを入れて置き、それをイヤフォン74またはヘッドフォン75で検出してもよい。
また、自分の声を発してこれをイヤフォン74またはヘッドフォン75で耳の内部で検出し、独自の音響特性の影響を受けた状態で取り込み、声紋と音響特性を併用して個人認証する方法もある。言葉の内容を毎回違うとすれば、安全性の高い方法である。
従来、声を用いた音声認識はすでに実用化されているが、テープレコーダー等で容易に成りすませる。これに対して耳の中から測定した音は容易には入手できないので、セキュリティが高くなる。
【0087】
耳の音響特性は、一種のディジタルフィルターとして機能する。マイクで測定した応答音声は、入力した音声に耳の音響特性フィルターを掛けたものである。最近は、パーソナルコンピュータによって、周波数特性を分析し、音声フィルターは容易に作れる。これを用いると個人の耳の音響特性と同一のフィルターも合成できるので、成りすましの問題が起きる。
本実施形態では、スペクトラム拡散信号の相関関数を利用して、成りすましを防止する。
【0088】
個人毎に異なるスペクトラム拡散信号を耳に出力し、入力された信号に登録された耳の音響特性を掛け合わせて、それを耳の内部から戻ってきて観測された応答信号との相関関数を求め、相関係数がある一定以上であることを本人であることの条件とし、この条件を満たす場合は再生制限を解除する。
周波数特性だけだと成りすましが可能だが、コンピュータでリアルタイム処理する場合、AD変換と演算により遅延が発生するので、実際の耳から得られる波形より遅れるので、このズレを検出すればコンピュータによる成りすましは不可能になる。
【0089】
図13は、骨の音声伝導特性による個人認証装置を示す。
図13において、不図示のヘッドフォンとその一部に骨電動マイク73を取り付けて、本人の骨の音声伝導特を測る。耳に入射した信号は、頭蓋骨に振動を与えて、骨電動マイク73はその振動を採取する。骨における信号の伝導特性は、個人により異なってくるので、個人認証に用いることができる。
あらかじめ認証手段70に本人の特性を登録しておけば、本人か否かを判定できる。
【0090】
自分の声を発してこれを骨伝導マイク73で測定して、独自の音響特性の影響を受けた状態で取り込み、声紋と音響特性を併用して個人認証する方法もある。骨伝導マイク73を耳にかけた場合は、耳の付近の骨の音響特性を測るが、この他に頭部の骨伝導特性を利用することできる。
【0091】
本実施形態によれば、従来は機器までしか特定できなかったので、完全なコンテンツセキュリティはできなかった。これを人体の特性と結びつけることで、本人しか聞くことが出来ないよう制限することが可能になる。
本実施形態の個人認証方法は常時行なうことが可能であるので、音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に適している。
また、本人の声を用いた場合は、耳の中から測定した音は容易には入手できないので、従来の音声認識技術に比して安全性が高い。
【0092】
第7の実施形態
本実施形態では、耳内部の血管パターンから利用者を特定して、個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法について述べる。
耳内部の静脈は個人差が大きく、ある程度恒常性があるので個人認証に使える。
静脈パターンを検出するために、本実施形態の個人認証装置は、例えばヘッドフォンに光源と受光部を取り付けて、光源が耳の一部に光を照射し、受光部が耳の静脈血管パターンを撮像する構成を有する。
【0093】
図14(a)と(b)は、本実施形態において、耳内部の静脈パターンを撮像する個人認証装置の構成の一例を示す。
図14(a)は、頭部の側面(即ち耳の正面)から見た本実施形態の個人認証装置の平面図である。図14(b)は、頭部の後方から見た耳の中央における断面図である。
図14(a)と(b)において、耳掛けからなるアーム部92、スピーカー94、ケース95、耳接触面96からヘッドフォンが構成される。
【0094】
頭部97と耳69の間に置かれているヘッドフォンのアーム部92に光源91が設けられている。光源91から光を照射し、その照射光は耳69の一部を透過する。ヘッドフォンの耳接触面96に、耳を介して光源91と対向する位置に、その透過光を受光する受光部93が設けられており、受光部93は、光源91からの透過光を受光し、その透過光により耳69の内部にある静脈パターンを撮像する。
図12及び図13と同じように、不図示の認証手段は設けられており、該認証手段は、検出された静脈血管パターンを事前に測定された本人の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0095】
撮像方法としては、光源91は近赤外光を照射し、その近赤外光が耳を通過した時、酸化ヘモグロビンの吸光特性で影になる部分を血管とし、受光部93により撮像される。
また、光源91と受光部93を入れ替えて、光源91を耳接触面96に設置し、アーム部92に受光部93を置いても良い。
透過する部位は耳の一部であればどこでも良い。
【0096】
図15(a)と(b)は、耳内部の静脈パターンを撮像する個人認証装置の構成の他の例を示す。
図15(a)と(b)は、インナーイヤー型のヘッドフォンの場合についての例である。図15(a)は、耳正面の平面図であり、図15(b)は、頭部の上部から見た耳の中央部の断面図である。
図15(a)と(b)において、耳掛けからなるアーム部92a、スピーカー94aからイヤフォンが構成される。
【0097】
外耳道71の入口と耳珠69aの内側の間に置かれたスピーカー94aと、耳珠69aの外側に置かれたイヤフォンのアーム部92aとが、耳珠69aを挟んで配置されている。アーム部92aに光源91aが設けられ、光源91から近赤外光を照射し、その照射光は耳珠69aを透過する。スピーカー94aと耳珠69aの接触面に、耳珠69aを介して光源91aと対向する位置に受光部93aが設けられており、耳珠69aを透過する透過光を受光する。その透過光により耳珠69aの静脈パターンを撮像する。
不図示の認証手段は、検出された静脈血管パターンを、事前に測定された本人の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
また、光源91aと受光部93aの位置を入れ替えても構わない。
【0098】
本実施形態によれば、コンテンツセキュリティを人体の特性と結びつけることで、本人しか聞くことが出来ないよう制限することが可能になる。
本実施形態の個人認証方法は常時行なうことが可能であるので、音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に適している。
また、血管パターンを検出するには、耳の一部しか使わないので、認証装置の小型化が可能であり、認証結果の安定性と再現性が高い。
【0099】
第8の実施形態
本実施形態では、耳の皮膚の模様(皮紋)から利用者を特定して、個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法について述べる。
耳の皮膚の模様を個人認証に利用できる。人間皮膚の表皮は約4週間で入れ替わるが、この模様は表皮の下にある真皮によって形成される。従って、表皮でも安定な皮膚の模様が得られる。
真皮の上部の模様は恒常性があるので、この部分を撮像し、個人認証に用いることが可能である。表皮で撮像した皮膚の模様を使うか、表皮下の真皮層の表面の模様を使うかは、セキュリティレベルに応じて使い分ければ良い。露出されない真皮の模様を用いれば、写真等で成りすますことが不可能になり、安全性が高い。
【0100】
図16(a)と(b)は、本実施形態において、耳の皮膚模様を検出する個人認証装置の構成の第1の例を示す。図16(a)は平面図、図16(b)は側面断面図である。
図16(a)と(b)において、リング状の光源支持部100に4つの光源101a、101b、101c、101dが設けられており、支持部100の中央に受光部103が配置されている。
図16は皮膚の表皮の模様を撮像する装置の一例である。安定した画像を得るために、光源101a、101b、101c、101dは光を耳69の一部に照射し、その照射光が反射され、受光部103はその反射光を撮像する。
【0101】
図17(a)と(b)は、本実施形態において、耳の皮膚模様を検出する個人認証装置の構成の第2の例を示す。図17(a)は平面図、図17(b)は側面断面図である。
図17(a)と(b)において、支持部100に4つの光源101e、101f、101g、101hが設けられており、支持部100の中央に受光部103が配置されている。さらに、光源101e、101f、101g、101hに偏光板104a1、104a2、104c1、104c2、受光部103に偏光板104bが配置されている。偏光板104a1、104a2、104c1、104c2の偏光方向は、偏光板104bの偏光方向と直交するようにする。
【0102】
図17の装置によって、皮膚の真皮の模様を撮像できる。
具体的には、光源101e、101f、101g、101hからの光は、偏光板104a1、104a2、104c1、104c2を通過して、例えば、直線偏光になる。その直線偏光である照射光は耳69の一部の表皮に照射し、反射される。偏光板104bに入射される。偏光板104bの偏光方向は、偏光板104a1、104a2、104c1、104c2の偏光方向と直交するので、表皮からの反射光は偏光板104bに遮断される。
【0103】
一方、偏光板104a1、104a2、104c1、104c2を通過した後の直線偏光は、耳69の一部の内部に入って、例えば真皮で反射される。耳69の内部に入射された光は、表皮下の組織の影響によって、偏光状態が変化する。このような反射光は偏光板104bに入射され、偏光板104bの偏光方向と直交する成分は偏光板104bに遮断され、偏光板104bの偏光方向と平行する成分は偏光板104bを通過し、受光部103に入射される。受光部103はその反射光を撮像する。
このようにして、表皮部分が写りにくくなり、主に真皮表面が撮像される。
【0104】
図18(a)と(b)は、本実施形態において、耳の皮膚模様を検出する個人認証装置の構成の第3の例を示す。図18(a)は平面図、図18(b)は側面断面図である。
図18(a)と(b)において、支持部100に光源101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g、101hが設けられており、支持部100の中央に受光部103が配置されている。さらに、光源101e、101f、101g、101hに偏光板104a1、104a2、104c1、104c2、受光部103に偏光板104bが配置されている。偏光板104a1、104a2、104c1、104c2の偏光方向は、偏光板104bの偏光方向と直交するようにする。
【0105】
図18の装置に、偏光板のある光源101e、101f、101g、101hと偏光板のない光源101a、101b、101c、101dとを用意することにより、皮膚の表皮と真皮の模様を選択的に撮像できる。
具体的に、図18(a)と(b)において、光源101e、101f、101g、101hを用いて照射する場合には真皮層の模様、光源101a、101b、101c、101dを用いて照射する場合は表皮の模様を撮像できる。両者を撮像することにより写真等による成りすましに対して対策することができる。
【0106】
図16〜18で示した個人認証装置は、図14と図15のように耳に取り付ければ良い。また、図15のようなインナーイヤー型のヘッドフォンを用いる場合、静脈の測定と同じように耳珠の部分を撮像することで、コンパクトな個人認証装置が作れる。
また、表皮の模様を撮像する場合は、光学系でなくても、静電センサーや圧電センサー、温度センサーなどでも可能である。
【0107】
本実施形態によれば、コンテンツセキュリティを人体の特性と結びつけることで、本人しか聞くことが出来ないよう制限することが可能になる。
本実施形態の個人認証方法は常時行なうことが可能であるので、音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に適している。
また、耳の皮膚の表皮或は真皮の模様を検出するには、耳の一部しか使わないので、認証装置の小型化が可能であり、また、認証結果の安定性と再現性が高い。
さらに、皮膚下の真皮の模様を用いれば、写真等で成りすますことが不可能になり、安全性が高い。
【0108】
第9の実施形態
本実施形態では、耳の形状から利用者を特定して、個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法について述べる。
耳の軟骨は生後4ヶ月で決まり、個人差の大きい部位であり、恒常性があるので、耳の形状は個人認証に使うことが可能であることが知られている。
図19(a)、耳の形状を検出する個人認証装置の構成の一例を示す。
図19(a)において、耳全体を覆うヘッドフォン76の耳接触面に、不図示の静電センサーや圧電センサー、温度センサーを設け、接触している部分の形状を検出する。図19(b)は得られる耳の形状の模様77を模式的に示す。
また、第7と第8の実施形態のように、光学系を設け、耳全体を撮像し、耳の形状を取る。そのために、一般的には、CCD等のセンサーを用いて撮像することができる。
本実施形態は、第6〜8の実施形態と同じ効果を有する。
【0109】
第10の実施形態
本実施形態において、耳の音響特性、頭部の骨伝導特性、血管パターン、皮膚の模様、形状などの生体情報を用いた個人認証機能とPKIチップの機能を具備した認証手段を備えた信号伝送装置について述べる。
該認証手段は、まず個人の生体情報から個人認証を行ない、個人を特定する。そして、個人認証した情報により、前述したPKIチップと同じように、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、機器間の相互認証を行なうことで再生を開始して良いかを判定し、必要に応じて再生制限を解除する。
【0110】
図20は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図8に示した第2の実施形態の信号伝送装置と同様である。
図20に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、暗号化されたコンテンツ、例えば音楽コンテンツを格納また配信する個人サーバー35、音声再生装置36、及びヘッドフォン31とを有する。個人サーバー35には、機器間認証に用いるPKIチップ2cが設けられている。
利用者は、例えば、ヘッドフォンステレオからなる音声再生装置36で、個人サーバー35にある音楽コンテンツを再生する。
【0111】
ヘッドフォン31には、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aが設けられている。また、ヘッドフォン31には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。音声再生装置36は、受信機33、受信したコンテンツを復号する復号器34、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
【0112】
利用者はインターネットを経由して個人サーバー35上の音楽コンテンツをヘッドフォン31で再生する場合は、暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用するために、PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、個人サーバー35と音声再生装置36の機器間認証を行ない、個人サーバー35からコンテンツを配信して良いかを判定する。
音声再生装置36上のコンテンツを復号するために、ヘッドフォン31の利用者の個人認証及び音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証が必要である。
【0113】
まずは、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
本人である場合、PKIチップ2bと82aは暗号鍵を交換し、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、ヘッドフォン31は、音声再生装置36と同一所有者であるかを判定する。
本人でない場合、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なわず、音声再生装置36とヘッドフォン31共に動作しない。
【0114】
ヘッドフォン31の利用者の個人認証は成功し、かつ、個人サーバー35と音声再生装置36とヘッドフォン31は互いに認証された場合は、個人サーバー35は、暗号化されたコンテンツを配信し、音声再生装置36は受信機33でそれを受信し、復号器34において復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号をヘッドフォン31に伝送する。利用者は、ヘッドフォン31を耳に装着し、再生された音楽を聴くことができる。
【0115】
ここで、前述と同じように、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0116】
本実施形態によれば、ヘッドフォンなどのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を容易に行なえ、専用な機器や伝送路を必要とせず、汎用性が高い。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
また、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
【0117】
第11の実施形態
本実施形態において、生体情報を用いた個人認証機能を具備し、パッケージメディアを再生する信号伝送装置について述べる。
図21は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図9に示した第3の実施形態の信号伝送装置と同様である。図21に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46と、音声出力装置8とを有する。
【0118】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮データを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを含む。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aとを有し、また、音声出力装置8には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。
【0119】
メディア48上の音楽を再生するために、音声出力装置8の利用者の個人認証及び音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証が必要である。
まずは、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
【0120】
本人である場合、音声再生装置46がメディア48上の圧縮データを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証を行なうことが必要である。即ち、PKIチップ2bと82aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
音声再生装置46と音声出力装置8は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア48上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力部1は、音楽を出力する。
【0121】
また、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0122】
本実施形態によれば、ヘッドフォンなどのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を容易に行なえ、専用な機器や伝送路を必要とせず、汎用性が高い。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
【0123】
第12の実施形態
本実施形態において、生体情報を用いた個人認証機能を有し、パッケージメディアに暗号鍵を付けて再生する信号伝送装置について述べる。
図22は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図10に示した第4の実施形態の信号伝送装置と同様である。
図22に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46、音声出力装置8とを有する。
【0124】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮されたデータを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
メディア48には、PKIチップ2cが設けられており、メディア48の機器認証を行なう。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aとを有する。また、音声出力装置8には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。
【0125】
メディア48上の音楽は、許可された利用者と音声出力装置でしか再生できない。従って、メディア48上の音楽を音声出力装置8の利用者が音声出力装置8で再生して良いかを判定する必要がある。
まずは、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
【0126】
本人である場合、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう。即ち、PKIチップ2cと82aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、メディア48と音声出力装置8の機器認証を行ない、音声出力装置8は正当な機器であるか、メディア48上の音楽を再生する権利を有するかを判定する。
なお、メディア48と音声出力装置8の機器認証は、メディア単位、或は、コンテンツ単位で行なう。
【0127】
以上の認証を成功した場合は、音声再生装置46がメディア48上の圧縮されたデータを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証をさらに行なう。即ち、PKIチップ2bと82aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
【0128】
個人認証を成功し、かつ、音声再生装置46と音声出力装置8とメディア48は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力部1は、音楽を出力する。
なお、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、また、メディア48と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0129】
本実施形態によれば、電源を持っていない音声出力装置であっても、PKIチップをスピーカーに貼りつけ、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、機器認証を行なうことができる。
また、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。従って、本実施形態の汎用性が高い。
また、メディアやコンテンツ単位で、機器認証を行なうことを可能となり、違法利用を防止できる。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
【0130】
第13の実施形態
本実施形態において、生体情報を用いた個人認証機能を具備し、インターネットを介して、音楽コンテンツのストリームを送受信して再生する信号伝送装置について述べる。
図23は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図11に示した第5の実施形態の信号伝送装置と同様である。
図23に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、例えば音楽コンテンツを配信するサーバー59、音声再生装置56、及び音声出力装置8とを有する。サーバー59はインターネットを介して音声再生装置56にデータストリームを配信する。サーバー59は、PKIチップ2cを有する。
音声再生装置56は、サーバー59が配信したデータストリームを受信する受信機58、受信したデータを復号する復号器57、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aとを有し、また、音声出力装置8には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。
【0131】
利用者はインターネットを経由してサーバー59上の音楽コンテンツを音声出力装置8で再生する場合は、サーバー59上の暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用するために、PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、サーバー59と音声再生装置56の機器間認証を行ない、サーバー59からコンテンツを配信して良いかを判定する。
また、音声再生装置56上のコンテンツを復号するために、音声出力装置8の利用者の個人認証及び音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証が必要である。
即ち、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
【0132】
本人である場合、PKIチップ2bと82aは暗号鍵を交換し、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、音声出力装置8は、音声再生装置56と同一所有者であるかを判定する。
【0133】
個人認証、サーバー59と音声再生装置56と音声出力装置8は互いに認証された場合は、サーバー59は、暗号化されたコンテンツのストリームを配信し、音声再生装置56は受信機58でそれを受信し、復号器57で復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力装置8は、音声を出力する。
【0134】
なお、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0135】
本実施形態によれば、汎用の機器でも、機器認証を容易に行なえ、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
【0136】
以上、本発明を好ましい実施の形態に基づき説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変が可能である。
以上の実施例で説明した信号伝送装置や、個人認証装置の構成は一例であり、本発明は、以上の構成に限定されず、他の構成にも適用できる。
また、以上の実施形態では、認証手段として、PKIチップを用いていたが、相互機器認証の機能は個別の秘密鍵を用いた方法でも可能である。
また、機器間相互認証は、サーバーとスピーカー、サーバーと再生装置、サーバーとメディア、再生装置とスピーカー、メディアとスピーカーなど色々な組み合わせが可能である。ストリーミングの場合はストリームの記録の許可にも応用できる。
【0137】
個人認証機能付きの信号伝送装置の実施形態において、個人認証を行なう方法は、耳を用いた認証方法でなくでも、従来の指紋、アイリスといった方法でも構わない。
個人認証機能付きの信号伝送装置の実施形態において、個人認証を行なった後は、機器間認証を行なわなくても良い。これによって、本人であれば、どの機器でも利用できるようになる。
【0138】
また、本発明は、音楽の再生のみならず、金融などの業界において、個人情報など大事なデータを取扱う場合に、セキュリティを高める方法として適用できる。例えば、携帯電話や、固定電話の受話器のような装置を耳に付けて使用する時に、確実に個人認証を行なう。
【0139】
【発明の効果】
本発明の信号伝送装置によれば、スピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンのような電源を持っていない機器の場合でも、機器認証が容易にできる。また、従来の機器をそのまま用いることができ、従来機器との互換性が優れており、さらに、製造工程が非常に簡単であり、汎用性が高い。これによって、従来不可能だった配信コンテンツの利用方法はできるようになり、利用範囲が拡大される。また、アナログ録音を防止できる。
また、本発明の個人認証機能を有する信号伝送装置によれば、耳を用いて個人認証を行なうことで、コンテンツの保護と人体の特性と結びつけ、本人しか聞くことができないよう制限することが可能になる。これにより、機器だけを特定することではなく、利用者まで特定できるので、セキュリティが極めて高いコンテンツの保護は可能になる。
また、音声出力装置を耳に付けて個人認証を行なうので、個人認証は常時行なうことが可能であり、例えば音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に好適である。
【0140】
従って、本発明によって、ヘッドフォンなどの音声出力装置だけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができ、再生機器のみならず契約した個人のみがコンテンツを視聴出来るようになる。また、従来機器に互換性があるので、音質を全く損ねないで著作権保護が行なえる。これによって、著作権保護が非常に楽にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置の接続の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、PKIチップの装着の一例を示す図である。
【図4】(a)、(b)及び(c)は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、伝送路に重畳された認証信号のスペクトラムの例を示す図である。
【図5】(a)と(b)は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、PKIチップが伝送路から電力を供給される方法を例示した図である。
【図6】図5に続いて、(a)と(b)は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、PKIチップが伝送路から電力を供給される方法を例示した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、違法アナログ録音を防止する方法を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態において、コンテンツ配信サーバーと再生装置間の機器間認証を行なう信号伝送装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態において、パッケージメディアを再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態において、認証機能付きのパッケージメディアを再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の第5の実施形態において、インターネットや放送などからのストリーミングデータを再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【図12】(a)と(b)は、本発明の第6の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第1の例を示す図である。
【図13】本発明の第6の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第2の例を示す図である。
【図14】(a)と(b)は、本発明の第7の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の一例を示す図である。
【図15】(a)と(b)は、本発明の第7の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の他の例を示す図である。
【図16】(a)と(b)は、本発明の第8の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第1の例を示す図である。
【図17】(a)と(b)は、本発明の第8の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第2の例を示す図である。
【図18】(a)と(b)は、本発明の第8の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第3の例を示す図である。
【図19】(a)と(b)は、本発明の第9の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の例を示す図である。
【図20】本発明の第10の実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
【図21】本発明の第11の実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
【図22】本発明の第12の実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
【図23】本発明の第13の実施形態において、インターネットや放送などからのストリーミングデータを個人認証機能付きに再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…スピーカー、2、2a、2b、2c…PKIチップ、2x…PKIチップ装着セット、3…伝送路、4…ピンプラグ、5…ジャック、6…音声再生機器、7…容量、8…音声出力装置、9…スピーカー端子、11…接着剤、12…保護板、14…録音装置、21…LPF、22…HPF、23…LPF、24…HPF、25…HPF、26…LPF、27…平滑回路、31…ヘッドフォン、32a、32b…アンテナ、33…受信機、34…復号器、35…個人サーバー、46…再生機器、47…復号装置、48…パッケージメディア、56…再生機器、57…復号装置、58…受信装置、59…サーバー、61…ヘッドフォン、62…アンテナ、63…受信装置、64…復号装置、65…録音機、66…録音制御回路、69…耳、69a…耳珠、70…認証手段、71…外耳道、72…鼓膜、73…骨伝導センサー、74…イヤフォン、75、76…ヘッドフォン、77…耳の形状の模様、82a…個人認証機能付きPKIチップ、91…光源、92…アーム部、93…受光部、94…スピーカー、95…ケース、96…耳接触面、97…頭部、91a…光源、92a…アーム部、93a…受光部、94a…イヤフォン、100…外耳道、101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g、101h…光源、103…受光部、104a、104b、104c、104a1、104a2、104c1、104c2…偏光板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、個人認証装置と信号伝送装置に関し、例えば、音楽データの著作権を保護する、又は、決済情報や個人情報等のデータが流出することを防止するための個人認証または機器認証機能付きの信号伝送装置に適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
インターネットやディジタル放送等の通信ネットワークを介して通信端末装置間で、音楽コンテンツや番組などの情報の送受信を行なっている。
このような通信システムにおいて、例えばインターネット上の公開サイトは、アップロードされた例えば音楽などのコンテンツをインターネットを介して各利用者のコンピュータに配信する。各利用者は、配信されたコンテンツをコンピュータのハードディスクに記録し、これを任意のタイミングで再生できる。これにより利用者は、サイトから配信された種々のコンテンツを利用できるようになっている。
また、ディジタル放送局から送信された音楽/映像番組を直接テレビ画面上に視聴しても良いが、受信装置の内蔵ハードディスクに記録し、都合の良いタイミングで再生して鑑賞することもできる。
【0003】
以上のようなインターネットやディジタル放送等を用いた配信では、配信側において、コンテンツは全て圧縮技術によりエンコードされて、さらに暗号化されて配信されているので、配信側から利用者までの通信経路は安全であり、著作権が侵害されにくいと思われている。
しかし、配信されたコンテンツは利用者側で複製されて違法コピーが作られる問題が発生しており、被害が問題となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この問題を解消する方法として、コンテンツに電子透かし(ディジタル・ウォーターマーク:Digital Watermark)情報を埋め込んで、配信されたコンテンツの使用及び複製を制限する等のことが考えられるが、電子透かしを用いた場合は、機器に対する制限は電子透かしに対応する機器でしかできず、従来の機器に関しては何ら反応しないので効果がなく、実用上は不便である。
また、従来は、例えば音楽コンテンツそのものを暗号化しても、再生機器のアナログ端子からそのコンテンツをアナログ信号として出力する時点で違法コピーが可能になる。この点を改善する為にアナログ・ウォーターマークが考案されたが、個人向けの配信するサービスに向いていない。
また、暗号化によって特定の人間にその音楽や映像を視聴する権利を与える方法も提案されている。この場合は個人別の鍵を用いて他人の違法利用を防ぐことができるので、個別配信に向いている。しかし、アナログ音声信号が再生機器から出力されると、アナログ音声信号を録音し、違法コピーの問題は解消されていない。
【0005】
一方、配信されたコンテンツを配信者に許可された再生機器だけが再生できるように、合法な利用者が使用する再生機器を限定することも提案されている。例えば、認定されたスピーカーであれば、音声出力をさせ、そうでなければ、出力をさせない、このように出力先を限定する。しかし、出力先を特定できたとしても、前述したようなアナログ録音の問題が解消されていない。
【0006】
従来は、以上のように出力先に制限を加え、かつ、アナログ録音を防止するためには、アナログ信号が取れない専用のデジタル・スピーカーや、複雑な回路をスピーカー側に取り付ける必要があった。このため、専門スピーカーメーカが製造した汎用かつ音質の高いスピーカーを使用できず、従来の音質を維持することが難しく、製造コストが上がる問題があった。またインターフェースが特殊になるので汎用のものを作るのも非常に困難であった。
【0007】
コンテンツに対する保護をさらに強化し、違法コピーを防ぐために、機器を限定することに加え、利用者を特定することは必要である。
機器だけを特定できても、利用者が本人かどうかを判定できないので2次利用や不正な手段で不特定多数の人間が利用でき、前述した違法コピーの問題が生じる。
利用者を特定できれば、機器の利用者が合法な本人であるか否かを判定でき、購入者のみが視聴出来る様にし、第三者の合法な機器での違法操作を防止できる。
そのために、利用者本人の個人認証が容易に、確実に、かつ常時に行なわれることが望ましい。しかし、このような技術が提案されていない。
【0008】
本発明は、上記の課題を鑑みてなされ、その第1の目的は、容易に機器間認証を実現し、違法コピーを防ぐことができ、かつ従来の機器と互換性を有する信号伝送装置を提供することにある。
その第2の目的は、耳のような生体情報を用いて個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法、及びそれらを用いた信号伝送装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点の信号伝送装置は、送信手段と、受信手段と、前記送信手段からの信号を前記受信手段に伝送する信号伝送路と、前記送信手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、前記受信手段の機器認証に用いられる第2の認証手段とを有し、前記送信手段は、前記信号伝送路を介して前記第2の認証手段へ電力を供給し、前記第1の認証手段と前記第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して、認証信号を互いに伝送して前記受信手段と前記送信手段の正当性を判断し、前記送信手段と前記受信手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記送信手段に信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記受信手段に信号を受信させる。
【0010】
前記第2の認証手段は、前記受信手段に取り付けられている。
前記認証信号の帯域は、可聴帯域より周波数の高い帯域を含む。又は、前記認証信号はスペクトラム拡散信号を含む。
前記送信手段は、前記信号伝送路の伝送インピーダンスを検出し、前記伝送インピーダンスが変化した場合、送信を制限する。
【0011】
本発明の第2の観点の信号伝送装置は、音声信号を音声再生手段から音声出力手段に伝送する信号伝送路と、前記音声再生手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、前記音声出力手段の機器認証に用いられる第2の認証手段とを有し、前記音声再生手段は、前記信号伝送路を介して前記第2の認証手段へ電力を供給し、前記第1の認証手段と前記第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して認証信号を互いに伝送して前記音声出力手段と前記音声再生手段の正当性を判断し、前記音声出力手段と前記音声再生手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記音声再生手段に音声信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記音声出力手段に音声を出力させる。
【0012】
前記第2の認証手段は、前記音声出力手段に取り付けられている。
前記認証信号の帯域は、可聴帯域外の帯域を含む。または、前記認証信号の帯域は、可聴帯域より周波数の高い帯域を含む。または、前記認証信号はスペクトラム拡散信号を含む。
前記音声再生手段は、前記信号伝送路の伝送インピーダンスを検出し、該伝送インピーダンスが変化した場合、再生を制限する。
【0013】
本発明の第3の観点の個人認証装置は、耳に装着された状態で、耳の特性を検出する検出手段と、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータが記憶されており、前記検出された耳の特性データを、前記記憶された耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する認証手段とを有する。
【0014】
耳に装着された状態で、耳に音声信号を出力しながら認証信号を出力する音声出力手段を有し、前記検出手段は、前記音声出力手段に取り付けられ、前記検出手段は、前記認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により前記耳の特性を検出する。
【0015】
前記耳の特性は、耳内部において信号の伝播特性を含む、または、前記耳の特性は、耳近傍の骨において信号の伝導特性を含む。
前記認証信号の帯域は、可聴帯域外の帯域を含む。
前記認証信号は、スペクトラム拡散信号を含む。または、前記認証信号は、前記音声出力手段が出力した音声信号を含む。または、前記認証信号に、個人毎に異なる電子透かしが埋め込まれている。または、前記認証信号は、個人毎に異なるスペクトラム拡散信号を含み、前記認証手段は、前記個人毎に異なる認証信号と前記応答信号の相関係数が所定の値より大きいことにより、利用者の正当性を判断する。
【0016】
或は、前記検出手段は、耳の一部に入射光を照射する光源と、耳を挟んで前記光源と対向する、前記入射光が前記耳の一部を透過した透過光を検出する受光部とを有し、前記検出手段は、前記受光部で検出された透過光により、耳内部の静脈血管のパターンを検出し、前記認証手段は、検出された前記静脈血管のパターンを、事前に測定された正当な利用者の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0017】
或は、前記検出手段は、耳の形状を検出し、前記認証手段は、検出された耳の形状パターンを、事前に測定された正当な利用者の耳の形状パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
具体的に、前記検出手段は、撮像装置を含む。又は、前記検出手段は、静電検出器、または、圧電検出器を含み、前記検出手段は耳と接触し、該接触された耳の部分の形状を検出する。
【0018】
或は、前記検出手段は、耳の一部に入射光を照射する光源と、前記入射光が前記耳の一部での反射光を検出する受光部とを有し、前記検出手段は、検出された前記反射光により、耳の皮紋パターンを検出し、前記認証手段は、検出された前記皮紋パターンを、事前に測定された正当な利用者の皮紋パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0019】
又は、前記検出手段は、第1の偏光板と、前記第1の偏光板の偏光方向と直交する第2の偏光板とを有し、前記第1の偏光板は、前記入射光を所望の偏光方向にし、前記第2の偏光板は、耳の表皮からの反射光を少なくとも一部を遮断し、前記検出手段は、前記第2の偏光板を通過した、前記耳の表皮の下の真皮からの反射光を検出し、耳の皮紋を検出する。
【0020】
本発明の第4の観点の個人認証装置は、耳に装着された状態で、利用者本人が発した声を測定し、耳の特性を検出する検出手段と、事前に測定された正当な利用者の耳の特性データが記憶されており、前記検出された耳の特性データを前記記憶された耳の特性データと比較し、利用者の正当性を判断する認証手段とを有する。
前記検出手段は、耳近傍の骨において前記声の伝導特性を検出する。または、前記検出手段は、耳内部に装着された状態で前記声の耳内部での伝播特性を検出する。
【0021】
本発明の第5の観点の信号伝送装置は、音声再生手段と、耳に装着可能な音声出力手段と、前記音声出力手段に取り付けられ、耳に装着された状態で、耳の特性を検出する検出手段と、音声信号を前記音声再生手段から前記音声出力手段に伝送する信号伝送路と、前記音声再生手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、前記音声出力手段に取り付けられ、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータが記憶されており、前記検出手段により検出された耳の特性を、前記記憶された耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する第2の認証手段とを有し、前記音声再生手段は、前記信号伝送路を介して、前記第2の認証手段へ電力を供給し、前記第1及び第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して、認証信号を互いに伝送して前記音声出力手段と音声再生手段の正当性を判断し、前記利用者及び前記音声出力手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記音声再生手段に音声信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記音声出力手段に音声を出力させる。
【0022】
本発明の第6の観点の個人認証方法は、耳に音声信号を出力しながら認証信号を出力し、前記認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により耳の特性を検出し、前記検出された耳の特性データを、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0023】
本発明の第7の観点の個人認証方法は、耳の一部に入射光を照射し、前記入射光が前記耳の一部を透過した透過光を検出し、前記検出された透過光により、耳内部の静脈血管のパターンを検出し、検出された前記静脈血管のパターンを、事前に測定された正当な利用者の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0024】
本発明の第8の観点の個人認証方法は、耳の形状を検出し、検出された耳の形状パターンを、事前に測定された正当な利用者の耳の形状パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0025】
本発明の第9の観点の個人認証方法は、耳の一部に入射光を照射し、前記入射光が前記耳の一部での反射光を測定し、検出された前記反射光により、耳の皮紋パターンを検出し、検出された前記皮紋パターンを、事前に測定された正当な利用者の皮紋パターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
前記入射光を所望の偏光方向にし、耳の表皮からの所望の偏光方向を有する反射光を、偏光方向が直交する偏光板により少なくとも一部を遮断し、前記偏光板を通過した、前記耳の表皮の下の真皮からの反射光を検出し、耳の皮紋を検出する。
【0026】
本発明の第10の観点の個人認証方法は、利用者本人が発した声を測定し、耳の特性を検出し、前記検出された耳の特性データを事前に測定された正当な利用者の耳の特性データと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0027】
本発明の第1と第2の観点の信号伝送装置によれば、第2の認証手段は、信号伝送路を介して送信手段又は音声再生手段から電力を供給され、信号伝送路を介して第1の認証手段と、送信手段又は音声再生手段と受信手段又は音声出力手段の機器認証を行なう。
【0028】
また、本発明の第3と第4の観点の個人認証装置によれば、耳の特性を検出し、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータと比較して利用者の正当性を判断する。具体的に、検出手段は、認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により耳の特性を検出する、或は、利用者本人が発した声で耳の特性を検出する、或は、耳内部の静脈血管のパターンを検出する、或は、耳の表皮又は真皮の皮紋パターンを検出する、或は、耳の形状を検出する。
【0029】
本発明の第5の観点の信号伝送装置によれば、音声出力手段に取り付けられた検出手段で耳の特性を検出して個人認証を行ない、音声出力手段に取り付けられた第2の認証手段は、信号伝送路を介して音声再生手段から電力を供給され、信号伝送路を介して第1の認証手段と互いに認証信号を伝送し、音声再生手段と音声出力手段の機器認証を行なう。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して述べる。
第1の実施形態
本実施形態は、容易に機器間認証を実現し、違法コピーを防ぐことができ、かつ従来の機器と互換性を有する信号伝送装置、特に、音声信号を伝送する装置について述べる。
本実施形態に係る信号伝送装置においては、音声信号をそのままに、送信側と受信側共に、通信機能及び認証機能を持つ、例えば、公開鍵暗号チップ(以後PKIチップ)を取り付けて、暗号を用いた送信側と受信側の機器間認証を行なう。相互に認証された場合のみに、送信側からコンテンツを受信側へ送信する。
【0031】
従来、受信側はスピーカー、イヤフォン、又は、ヘッドフォンなどの電源を持っていない機器である場合は、これらの機器に取り付けたPKIチップの電力供給が問題となり、実現できなかった。
本実施形態では、送信側と受信側の間の信号伝送路を利用して、PKIチップへの電源供給を行ない、また、送信側と受信側のPKIチップ間の認証のための通信も、送信側と受信側の間の信号伝送路に高周波数の信号や音声帯域外の信号などを重畳して行なう。
また、アナログ録音については、違法アナログ録音の際に、送信側と受信側の伝送路の伝送特性の変化を利用して対応する。
【0032】
図1は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成図である。
図1に示された信号伝送装置は、音声再生装置6と例えばスピーカーやヘッドフォンなどの音声出力装置8とを有し、音声出力装置8は、音声出力部1を含む。音声再生装置6と音声出力装置8には、例えば、公開鍵暗号チップ(PKIチップ)2aと2bからなる認証手段が取り付けられている。
音声再生装置6は、例えば音楽データである音声信号Aを、スピーカーケーブルである信号伝送路3を経由して音声出力装置8へ伝送する。また、PKIチップ2aと2bは、信号伝送路3を経由して電力供給と相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置6と音声出力装置8の機器間の相互認証をし、再生を開始して良いかを判定し、音声出力装置8の再生制限を行なう。
本実施形態において、通信の伝送路であるスピーカーケーブル3の特性が精密に設計されることが要求されるので、スピーカーケーブル3としては、例えば、シールド線や、シールドされたツイストペアのケーブル等を用いる。
【0033】
図2は、図1の構成の信号伝送装置の具体的な接続の例を示す図である。図2に示すように、PKIチップ2bを取り付けた音声再生装置6のアナログ出力端子5に、スピーカーケーブル3を介して音声出力部1に接続しているピンプラグ4を挿入し、音声再生装置6と音声出力装置8とを接続する。音声出力装置8にはPKIチップ2aが取り付けられている。また、音声出力部1への直流電流を遮断する容量7は設けられている。
【0034】
図3(a)、(b)及び(c)は、PKIチップ2aを音声出力部1に取り付ける方法を示す斜視図、側面図と部分拡大図である。図3(a)、(b)及び(c)に示すように、PKIチップ装着セット2xは音声出力部1の後部に取り付けられている。PKIチップ装着セット2xにおいて、PKIチップ2aが保護板12に被覆され、さらに、接着剤11でPKIチップ2aと保護板12を音声出力部1の後部に固着する。PKIチップ2aを無理に取ろうとすると、PKIチップ2a及び音声再生装置6と音声出力装置8との接続が破壊される仕組みとなっているので、音声出力部1からPKIチップ2aを取り外して違法行為を行なうことを防ぐことができる。
このようにして、音声再生装置6と音声出力装置8の間で、確実に機器間認証を行ない、音声再生装置6は音声出力装置8に対して、確実に再生制限を行なうことができる。
【0035】
図4(a)、(b)及び(c)は、本実施形態に係る信号伝送装置におけるPKIチップ2aと2bとの通信方式を説明する図である。
本実施形態では、PKIチップ2aと2bの間で認証信号のやり取りをするので、双方向の通信が必要である。本実施形態では、再生される音声信号に影響しないように、音声帯域外の信号、または、耳に聞こえにくい帯域の信号、または高周波信号を、スピーカーケーブル3が伝送する音声信号Aに重畳し、認証信号のやり取り及び音声再生装置8の再生制限を行なう。
例えば、スピーカーケーブル3で伝送されている音声信号Aに13.5MHzの高周波信号を重畳して通信を行なう。通信手段としてはAM(振幅変調:Amplitude Modulation)、FM(周波数変調:Frequency Modulation)、ASK(Amplitude Shifting Key)、PSK(Phase Shifting Key)、スペクトラム拡散(Spectrum Spread)通信などが使うことができる。
【0036】
図4(a)、(b)と(c)は、スピーカーケーブル3で伝送されている音声信号A及び高周波信号のスペクトラムを示す。図4(a)、(b)と(c)において、スペクトラムaは、音声再生装置6から音声出力装置8へ伝送する音声信号Aのスペクトラムであり、スペクトラムbは、PKIチップ2aと2bの間の通信信号のスペクトラムである。
図4(a)は、ASK、または、PSK通信方式の場合のPKIチップ間の通信信号スペクトラムを示し、図4(b)は、スペクトラム拡散通信方式の場合のPKIチップ間の通信信号スペクトラムを示している。また、スペクトラム拡散通信方式の場合は、図4(c)のように、スペクトラムbはスペクトラムaとオバーラップしても良い。
【0037】
このように、音声再生装置6側で、上記の各種通信用の信号を音声信号に重畳して、従来の信号伝送方法で音声出力装置8と音声再生装置6との間で相互認証や再生制限などが行なえる。
【0038】
本実施形態において、既存のスピーカーなどの機器に応用できるように、音声出力装置8側に電源を設けなくてもよいことが好ましい。即ち、PKIチップ2aは音声出力装置8から電源を供給されない。
PKIチップ2aの動作に必要な電力が小さいものであるので、本実施形態では、スピーカーケーブル3で伝送されている信号を抽出して電力信号として、PKIチップ2aに供給する。
【0039】
図5(a)と(b)、及び図6(a)と(b)は、PKIチップ2aがスピーカーケーブル3から電源を供給される方法の例を示す図である。
図5(a)は、RF(Radio Frequency)(高周波信号)重畳方式の場合を示す。音声再生装置6から音声出力装置8に伝送する音声信号にRF信号を重畳して伝送する。音声出力部1の直前に、低周波信号を通過させるローパスフィルター(LPF)21で高周波信号をカットして音声信号を選択し、音声出力部1に伝送する。一方、PKIチップ2aの直前に、高周波信号を通過させるハイパスフィルター(HPF)22で音声信号をカットして高周波信号を選択し、PKIチップ2aの電源として使う。
PKIチップ間通信用の搬送波は高周波信号であるので、搬送波そのものを電力信号として使っても良い。周波数の異なる電力専用搬送波を用いる方法もある。AM,FM,ASK,PSKなどであれば通信と兼用できる。
【0040】
図5(b)は、搬送波重畳方式の場合を示す。特定の周波数の信号を音声信号に重畳して、これを平滑することで電力を供給する。具体的に、音声出力部1の直前に、LPF23で搬送波信号をカットして音声信号を選択し、音声出力部1に伝送する。一方、PKIチップ2aの直前に、HPF24で音声信号をカットして周波数の高い搬送波を選択し、PKIチップ2aの電源として使う。
【0041】
図6(a)は、DC重畳方式の場合を示す。音声信号はAC成分なので、電源電圧をDCで音声信号に重畳して伝送することが可能である。具体的に、図6(a)に示すように、音声出力部1の直前にHPF25でDC成分をカットしてAC成分である音声信号を音声出力部1に伝送する。PKIチップ2aの直前には、逆にAC成分をLPF26でカットしてDC成分を電源として利用する。
【0042】
図6(b)は、音声信号平滑方式の場合を示す。PKIチップの電力が十分小さければ、音声信号そのものから電力を作り出すことが可能になる。音声出力部1のインピーダンスよりも十分大きなインピーダンスで電源平滑回路27を用いて、電源を構成することができる。
【0043】
また、上記した本実施形態の信号伝送装置は、違法アナログ録音に対応できる。
例えば、PKIチップを音声再生装置と録音機器に取り付けて、機器間認証を行ない、重畳されたPKIチップ通信信号によって、音声再生装置と録音機器が認証された場合のみ、録音機器は録音できる。重畳信号が無い場合は制限付きで録音ないしは禁止する。
制限方法としては、まず、重畳信号が無い場合に、ネバーコピー(Never Copy)として記録出来ない、或は、重畳信号が無い場合に、コピーワンス(Copy Once)として記録して、2回目のコピーができないようにする、或は、重畳信号が無い場合に、元が何であれ、サンプリン周波数48kHz16ビットステレオ以下のレートでしか記録しない、などがある。
【0044】
さらに、PKIチップ2aを搭載した音声出力装置8に並列にアナログ録音機を接続して違法録音を行なうことも防止できる。
図7を用いてこれについて説明する。図7において、音声出力装置8に並列にアナログ録音装置14をスピーカーケーブル3に繋げて、音声再生装置6と音声出力装置8が互いに認証され、音声再生装置6から音声出力装置8へ音声信号を送信する時に、録音装置14で違法録音ができてしまう。
しかし、録音装置14をスピーカーケーブル3に接続した為に、PKIチップ2aと2bの伝送路の特性が変化する。本実施形態では、スピーカーケーブル3の伝送特性の変化を利用して不正な接続を検出する。具体的には、次のような方法がある。
【0045】
例えば、音声再生装置6の出力をモニターして正しい音声出力装置8以外のものが接続されていないかを調べる。
或は、接続端子とケーブルを外側からアクセスできない様な構造にする。
または、あらかじめ登録する際にインピーダンス特性を広範囲の周波数まで測り登録し、これと異なる条件の時は再生不可能にする、などの方法がある。
【0046】
本実施形態では、スピーカーケーブル3の伝送インピーダンスを利用する。音声出力装置8以外の機器をスピーカーケーブル3に接続すると、スピーカーケーブル3の伝送インピーダンスを含む伝送特性が変化するので、これを検出して、音声再生装置6の再生を制限する。
この方法では、入力インピーダンスが高く、影響が少ない機器でも高周波の伝送特性には影響をするので、効果が高い。
【0047】
この場合は、スピーカーケーブル3の伝送特性を高精度、厳密に設計してスピーカーのインピーダンスを管理する必要がある。図1のような正常な接続の場合は、伝送特性が変化せず、音声再生装置6が通常に再生する。図7のように、音声再生装置6と音声出力装置8の間に録音装置14を接続した場合に、伝送特性が劣化して正しい通信が行なえなくなる。音声再生装置6側がこれを検出して再生を止めることができる。十分に高い周波数帯域を通信に使えば音声信号の品質を落とさずに実現可能である。
これによって、従来の認証機能のない機器による録音を制限することも可能である。
【0048】
また、購入したコンテンツを他人の機器で再生することも制限することができる。配信されたコンテンツが暗号化されている場合、このコンテンツの再生制限を解除するには、登録されたスピーカーが必要であるので、利用者を限定できる。
【0049】
また、再生周波数や分解能をPKIチップによってクラス分けすれば、音楽配信等でもサービスによって同じコンテンツのグレードを制御した再生も可能である。より高音質で著作権者が気にするコンテンツはセキュリティグレードの高い伝送系を用意して、対応することが考えられる。
【0050】
従来は、機器間認証を行なうには、スピーカーをディジタル化した方法や、ハードウエアタンパーな一体化されたものを作るしかなかった。
本実施形態によれば、PKIチップのような暗号チップをスピーカーに貼りつけて、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、スピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を行なうことができる。
さらに、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、デジタル・スピーカーなどの専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。また、暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。
従って、本実施形態の汎用性が高い。
機械的に暗号チップを剥そうとすると機器が壊れるような材質で接着しておけば、成りすましの機器を作る事も出来ないようにできる。
再生装置側は再生制限を行なうことで不正な録音を防止することができる。
購入したコンテンツを他人の機器で再生することも制限することができる。
【0051】
なお、上記の説明で、一例として、PKIチップ2aを音声出力部1に取り付けたが、音声出力装置8の他の部分でも構わない。例えば、アンプなどに付けても良い。
だが、配信のセキュリティをエンドツーエンド(End−to−End)で行なうのが理想的なので、その場合はスピーカーやヘッドフォン(イヤフォン)または再生装置と一体となったスピーカーが適している。
また、以上に、PKIチップを用いて機器間の相互認証を行なったが、相互機器認証の機能は個別の秘密鍵を用いても実現可能である。
【0052】
第2の実施形態
本実施形態において、音楽コンテンツ配信サーバーと、音声再生装置と、ヘッドフォンからなる音声出力装置との間で機器認証を行ない、音楽コンテンツを配信して再生する信号伝送装置について述べる。なお、本実施形態において、第1の実施形態と同じ構成成分に同じ符号を用いる。
図8は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
図8に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、暗号化されたコンテンツ、例えば音楽コンテンツを格納また配信する個人サーバー35、音声再生装置36、及びヘッドフォン31とを有する。
【0053】
個人サーバー35は、例えば、利用者個人の自宅に配置されているコンピュータからなる。個人サーバー35には、機器間認証に用いるPKIチップ2cが設けられている。
利用者は、購入した暗号化された音楽コンテンツをサーバー35になる自分のコンピュータに保存し、利用者は外出中に、ワイヤレス・デバイスや、インターネットなどを経由して、例えば、ヘッドフォンステレオからなる音声再生装置36で、個人サーバー35にある音楽コンテンツを再生する。
【0054】
サーバー35側と音声再生装置36側には、アンテナ32a、32bがそれぞれ設けられている。ヘッドフォン31には、機器間認証に用いるPKIチップ2aが設けられている。
音声再生装置36は、アンテナ32bと接続する受信機33、受信したコンテンツを復号する復号器34、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
【0055】
利用者は個人サーバー35上の音楽コンテンツをヘッドフォン31で再生する場合は、例えばインターネットを経由して個人サーバー35にアクセスする。常に暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用する際に鍵交換を行なう必要がある。PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、個人サーバー35と音声再生装置36の機器間認証を行ない、個人サーバー35からコンテンツを配信して良いかを判定する。
【0056】
音声再生装置36上のコンテンツを復号する際にも鍵交換が必要である。即ち、上記の同じように、PKIチップ2bと2aは、暗号鍵を交換し、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、ヘッドフォン31は、音声再生装置36と同一所有者であるかを判定する。
【0057】
個人サーバー35と音声再生装置36とヘッドフォン31は互いに認証された場合は、個人サーバー35は、アンテナ32aを介して暗号化されたコンテンツを配信し、音声再生装置36はアンテナ32bと受信機33でそれを受信し、復号器34において復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号をヘッドフォン31に伝送する。
利用者は、ヘッドフォン31を耳に装着し、再生された音楽を聴くことができる。
【0058】
第1の実施形態と同じように、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0059】
また、例えば、音声再生装置36は、ヘッドフォン端子が2系統ある場合は、該2端子はそれぞれ独立した相互認証機能を持たせることができる。第1のヘッドフォンが一方の端子に挿された時は、他方の端子には再生音声を出力しない。第2のヘッドフォンもつながれた時に、再び相互認証を行い、正しい場合のみ音声信号を出力する。どちらかがライセンスされていない場合は音声出力を停止する。
【0060】
本実施形態は、ヘッドフォンの出力端子しか持っていない音声再生機器、例えばヘッドフォンステレオのような場合は、実現性が高い。
また、以上の音楽配信方法で合法的にナプスターと同様なサービスもできる。ここで利用されるコンテンツは全て暗号化されていて、権利者のみが外部からPKIチップにより復号及び再生ができるので、個人のサーバーに著作権があるコンテンツを蓄積しておいても他者は再生できないので問題は無い。
【0061】
また、コンテンツの復号化をサーバー35側で行なうことも有効的な方法である。この場合、ヘッドフォン31のPKIチップ2aが行なうのはサーバー35側の制御になるので、パッシブな構成であるヘッドフォン31でセキュリティが構築できる。
この場合、コンテンツが復号化された状態で伝送されるが、今後IPV6等でアドレスそのものが安全になり、さらに伝送路そのものが暗号化されて守られれば、コンテンツ専用にさらに暗号化が必要とされないシステムが可能になるので、問題にならない。
【0062】
本実施形態によれば、ヘッドフォンなどのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を容易に行なえ、専用な機器や伝送路を必要とせず、汎用性が高い。
また、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
【0063】
第3の実施形態
本実施形態において、パッケージメディアを再生する信号伝送装置について述べる。
図9は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。
図9に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46、音声出力装置8とを有する。
【0064】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮データを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを含む。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、機器間認証に用いるPKIチップ2aとを有する。
例えば、図2のように、音声出力装置8がイヤフォン・ジャクに差し込んで、音楽の再生を準備する。
【0065】
メディア48上の音楽を再生する場合は、音声再生装置46がメディア48上の圧縮データを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証を行なうことが必要である。即ち、PKIチップ2bと2aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
音声再生装置46と音声出力装置8は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア48上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。
音声出力部1は、音楽を出力する。
【0066】
第1の実施形態と同じように、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0067】
本実施形態によれば、スピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンのような電源を持っていない機器であっても、PKIチップをスピーカーに貼りつけて、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、機器認証を行なうことができる。また、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。従って、本実施形態の汎用性が高い。音声出力装置のPKIチップの暗号を解ける鍵があれば、従来の再生装置を用いても良い。
【0068】
第4の実施形態
本実施形態において、暗号鍵を付けたパッケージメディアを再生する信号伝送装置について述べる。
図10は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。
図10に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46、音声出力装置8とを有する。
【0069】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮されたデータを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
メディア48には、PKIチップ2cが設けられており、メディア48の機器認証を行なう。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、機器間認証に用いるPKIチップ2aとを有する。
【0070】
メディア48上の音楽を再生する場合は、音声再生装置46がメディア48上の圧縮されたデータを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証を行なうことが必要である。即ち、PKIチップ2bと2aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
【0071】
さらに、本実施形態では、メディア48にPKIチップ2cが設けられ、メディア48上の音楽は、許可された音声出力装置でしか再生できないと制限されている。従って、メディア48上の音楽を音声出力装置8で再生して良いかを判定する必要がある。そのため、PKIチップ2cと2aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、メディア48と音声出力装置8の機器認証を行ない、音声出力装置8は正当な機器であるか、メディア48上の音楽を再生する権利を有するかを判定する。
なお、メディア48と音声出力装置8の機器認証は、メディア単位、或は、コンテンツ単位で行なう。
【0072】
音声再生装置46と音声出力装置8とメディア48は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。
音声出力部1は、音楽を出力する。
【0073】
前述した実施形態と同じように、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、また、メディア48と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0074】
本実施形態によれば、電源を持っていない音声出力装置であっても、PKIチップをスピーカーに貼りつけ、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、機器認証を行なうことができる。
また、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。
従って、本実施形態の汎用性が高い。
また、メディアやコンテンツ単位で、機器認証を行なうことを可能となり、違法利用を防止できる。
【0075】
第5の実施形態
本実施形態において、インターネットを介して、例えば携帯電話や携帯情報端末(Personal Digital Assistant:PDA)などの通信装置へ、音楽コンテンツのストリームを送信し、再生する信号伝送装置について述べる。
図11は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
図11に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、例えば音楽コンテンツを格納し、配信するサーバー59、音声再生装置56、及び音声出力装置8とを有する。サーバー59はインターネットを介して音声再生装置56にデータストリームを配信する。サーバー59は、PKIチップ2cを有する。
音声再生装置56は、サーバー59が配信したデータストリームを受信する受信機58、受信したデータを復号する復号器57、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。音声出力装置8は、機器間認証に用いるPKIチップ2cを有する。
【0076】
利用者はサーバー59上の音楽コンテンツを音声出力装置8で再生する場合は、例えば音声再生装置56はインターネットを経由してサーバー59にアクセスする。常に暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用する際に鍵交換を行なう必要がある。PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、サーバー59と音声再生装置56の機器間認証を行ない、サーバー59からコンテンツを配信して良いかを判定する。
【0077】
音声再生装置56上のコンテンツを復号する際にも鍵交換が必要である。即ち、上記と同じように、PKIチップ2bと2aは、暗号鍵を交換し、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、音声出力装置8は、音声再生装置56と同一所有者であるかを判定する。
【0078】
サーバー59と音声再生装置56と音声出力装置8は互いに認証された場合は、サーバー59は、暗号化されたコンテンツのストリームを配信し、音声再生装置56は受信機58でそれを受信し、復号器57で復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力装置8は、音声を出力する。
【0079】
第1の実施形態と同じように、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。
また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ2aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0080】
本実施形態は、ストリーミングによりリアルタイムにコンテンツをサーバー59から送り出すサービスにも応用できる。この場合復号を音声再生装置56で行なわずにサーバー59で復号して再生制限だけ行なうことが可能である。また今後通信路が安全性が高まることにつれてコンテンツそのものを暗号化しないで、再生制限のみをPKIで行なう専用端末も可能である。
【0081】
また、本実施形態の信号伝送装置では、音声再生装置56は汎用の端末であり、利用者は自分のヘッドフォンなどの音声出力装置8で音楽を聞くことも可能である。この場合は、例えば電車や航空機といった環境に設置された再生機において、自分に所有権があるコンテンツをサーバーから呼び出せるサービスも可能になる。これによって、旅行先に自分の再生装置やコンテンツを持ち歩かなくても良くなり便利である。
【0082】
本実施形態によれば、汎用の機器でも、機器認証を容易に行なえ、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
【0083】
第6の実施形態
上記の第1〜5実施形態は、機器を限定することによって、違法コピーを防ぐことを図った。しかし、機器だけを特定できても、機器の利用者が本人かどうかを判定できないので、違法コピーを完全に防ぐことができない。
利用者を特定できれば、機器の利用者が合法な本人か否かを判定でき、購入者以外の第三者の視聴を防止できる。
本実施形態では、利用者を特定する方法として、個人認証方法及び個人認証装置について述べる。
個人認証を行なう場合は、コンテンツにとって、正当な利用者本人を認証できれば、どの機器でも視聴できることが望ましい。
本実施形態では、例えば、ヘッドフォンを耳に装着して音楽コンテンツを聴く時に、例えばヘッドフォンにセンサーを取り付けて、耳の音響特性や身体の特徴の違いから利用者を特定して、個人認証を行なう。
【0084】
図12(a)と(b)は、本実施形態において、耳の内部の音響特性による個人認証装置の基本構成の一例を示す図である。
図12(a)は、不図示のマイクを取り付けたイヤフォン74、または、兼用のマイクスピーカーを耳69に装着し、耳69の音響特性を測定する、図12(b)は、マイクを取り付けたヘッドフォン75を耳69に装着し、耳69の音響特性を測定する個人認証装置をそれぞれ模式的に示す。また、71は、外耳道、72は鼓膜を示す。
【0085】
図12(a)と(b)において、イヤフォン74またはヘッドフォン75は、例えば、入射信号を耳に出力し、マイクはその入力信号の耳においての反射、共鳴、減衰等後の応答信号を採取する。
マイクで記録された応答信号は個人の耳が特有の周波数特性、遅延特性、インパルス応答、共鳴現象などに関係し、個人により異なってくるので、個人を区別できる。
あらかじめ認証手段70に本人の耳の音響特性を登録しておけば、それを検出された応答信号から得た特性と比較し、本人か否かを判定できる。
この判断結果によって、例えば、イヤフォン74またはヘッドフォン75の再生制限を行なう。
【0086】
入射信号として、通常の音楽出力に影響しないように、耳に聞こえにくい信号が望ましい。例えば、耳に聞こえにくい帯域制限を施したスペクトラム拡散信号が好適である。また、音楽信号そのものを利用して、音響特性を測定するのも好適である。
他には、例えば、個人別に音声電子透かしを入れて置き、それをイヤフォン74またはヘッドフォン75で検出してもよい。
また、自分の声を発してこれをイヤフォン74またはヘッドフォン75で耳の内部で検出し、独自の音響特性の影響を受けた状態で取り込み、声紋と音響特性を併用して個人認証する方法もある。言葉の内容を毎回違うとすれば、安全性の高い方法である。
従来、声を用いた音声認識はすでに実用化されているが、テープレコーダー等で容易に成りすませる。これに対して耳の中から測定した音は容易には入手できないので、セキュリティが高くなる。
【0087】
耳の音響特性は、一種のディジタルフィルターとして機能する。マイクで測定した応答音声は、入力した音声に耳の音響特性フィルターを掛けたものである。最近は、パーソナルコンピュータによって、周波数特性を分析し、音声フィルターは容易に作れる。これを用いると個人の耳の音響特性と同一のフィルターも合成できるので、成りすましの問題が起きる。
本実施形態では、スペクトラム拡散信号の相関関数を利用して、成りすましを防止する。
【0088】
個人毎に異なるスペクトラム拡散信号を耳に出力し、入力された信号に登録された耳の音響特性を掛け合わせて、それを耳の内部から戻ってきて観測された応答信号との相関関数を求め、相関係数がある一定以上であることを本人であることの条件とし、この条件を満たす場合は再生制限を解除する。
周波数特性だけだと成りすましが可能だが、コンピュータでリアルタイム処理する場合、AD変換と演算により遅延が発生するので、実際の耳から得られる波形より遅れるので、このズレを検出すればコンピュータによる成りすましは不可能になる。
【0089】
図13は、骨の音声伝導特性による個人認証装置を示す。
図13において、不図示のヘッドフォンとその一部に骨電動マイク73を取り付けて、本人の骨の音声伝導特を測る。耳に入射した信号は、頭蓋骨に振動を与えて、骨電動マイク73はその振動を採取する。骨における信号の伝導特性は、個人により異なってくるので、個人認証に用いることができる。
あらかじめ認証手段70に本人の特性を登録しておけば、本人か否かを判定できる。
【0090】
自分の声を発してこれを骨伝導マイク73で測定して、独自の音響特性の影響を受けた状態で取り込み、声紋と音響特性を併用して個人認証する方法もある。骨伝導マイク73を耳にかけた場合は、耳の付近の骨の音響特性を測るが、この他に頭部の骨伝導特性を利用することできる。
【0091】
本実施形態によれば、従来は機器までしか特定できなかったので、完全なコンテンツセキュリティはできなかった。これを人体の特性と結びつけることで、本人しか聞くことが出来ないよう制限することが可能になる。
本実施形態の個人認証方法は常時行なうことが可能であるので、音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に適している。
また、本人の声を用いた場合は、耳の中から測定した音は容易には入手できないので、従来の音声認識技術に比して安全性が高い。
【0092】
第7の実施形態
本実施形態では、耳内部の血管パターンから利用者を特定して、個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法について述べる。
耳内部の静脈は個人差が大きく、ある程度恒常性があるので個人認証に使える。
静脈パターンを検出するために、本実施形態の個人認証装置は、例えばヘッドフォンに光源と受光部を取り付けて、光源が耳の一部に光を照射し、受光部が耳の静脈血管パターンを撮像する構成を有する。
【0093】
図14(a)と(b)は、本実施形態において、耳内部の静脈パターンを撮像する個人認証装置の構成の一例を示す。
図14(a)は、頭部の側面(即ち耳の正面)から見た本実施形態の個人認証装置の平面図である。図14(b)は、頭部の後方から見た耳の中央における断面図である。
図14(a)と(b)において、耳掛けからなるアーム部92、スピーカー94、ケース95、耳接触面96からヘッドフォンが構成される。
【0094】
頭部97と耳69の間に置かれているヘッドフォンのアーム部92に光源91が設けられている。光源91から光を照射し、その照射光は耳69の一部を透過する。ヘッドフォンの耳接触面96に、耳を介して光源91と対向する位置に、その透過光を受光する受光部93が設けられており、受光部93は、光源91からの透過光を受光し、その透過光により耳69の内部にある静脈パターンを撮像する。
図12及び図13と同じように、不図示の認証手段は設けられており、該認証手段は、検出された静脈血管パターンを事前に測定された本人の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
【0095】
撮像方法としては、光源91は近赤外光を照射し、その近赤外光が耳を通過した時、酸化ヘモグロビンの吸光特性で影になる部分を血管とし、受光部93により撮像される。
また、光源91と受光部93を入れ替えて、光源91を耳接触面96に設置し、アーム部92に受光部93を置いても良い。
透過する部位は耳の一部であればどこでも良い。
【0096】
図15(a)と(b)は、耳内部の静脈パターンを撮像する個人認証装置の構成の他の例を示す。
図15(a)と(b)は、インナーイヤー型のヘッドフォンの場合についての例である。図15(a)は、耳正面の平面図であり、図15(b)は、頭部の上部から見た耳の中央部の断面図である。
図15(a)と(b)において、耳掛けからなるアーム部92a、スピーカー94aからイヤフォンが構成される。
【0097】
外耳道71の入口と耳珠69aの内側の間に置かれたスピーカー94aと、耳珠69aの外側に置かれたイヤフォンのアーム部92aとが、耳珠69aを挟んで配置されている。アーム部92aに光源91aが設けられ、光源91から近赤外光を照射し、その照射光は耳珠69aを透過する。スピーカー94aと耳珠69aの接触面に、耳珠69aを介して光源91aと対向する位置に受光部93aが設けられており、耳珠69aを透過する透過光を受光する。その透過光により耳珠69aの静脈パターンを撮像する。
不図示の認証手段は、検出された静脈血管パターンを、事前に測定された本人の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する。
また、光源91aと受光部93aの位置を入れ替えても構わない。
【0098】
本実施形態によれば、コンテンツセキュリティを人体の特性と結びつけることで、本人しか聞くことが出来ないよう制限することが可能になる。
本実施形態の個人認証方法は常時行なうことが可能であるので、音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に適している。
また、血管パターンを検出するには、耳の一部しか使わないので、認証装置の小型化が可能であり、認証結果の安定性と再現性が高い。
【0099】
第8の実施形態
本実施形態では、耳の皮膚の模様(皮紋)から利用者を特定して、個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法について述べる。
耳の皮膚の模様を個人認証に利用できる。人間皮膚の表皮は約4週間で入れ替わるが、この模様は表皮の下にある真皮によって形成される。従って、表皮でも安定な皮膚の模様が得られる。
真皮の上部の模様は恒常性があるので、この部分を撮像し、個人認証に用いることが可能である。表皮で撮像した皮膚の模様を使うか、表皮下の真皮層の表面の模様を使うかは、セキュリティレベルに応じて使い分ければ良い。露出されない真皮の模様を用いれば、写真等で成りすますことが不可能になり、安全性が高い。
【0100】
図16(a)と(b)は、本実施形態において、耳の皮膚模様を検出する個人認証装置の構成の第1の例を示す。図16(a)は平面図、図16(b)は側面断面図である。
図16(a)と(b)において、リング状の光源支持部100に4つの光源101a、101b、101c、101dが設けられており、支持部100の中央に受光部103が配置されている。
図16は皮膚の表皮の模様を撮像する装置の一例である。安定した画像を得るために、光源101a、101b、101c、101dは光を耳69の一部に照射し、その照射光が反射され、受光部103はその反射光を撮像する。
【0101】
図17(a)と(b)は、本実施形態において、耳の皮膚模様を検出する個人認証装置の構成の第2の例を示す。図17(a)は平面図、図17(b)は側面断面図である。
図17(a)と(b)において、支持部100に4つの光源101e、101f、101g、101hが設けられており、支持部100の中央に受光部103が配置されている。さらに、光源101e、101f、101g、101hに偏光板104a1、104a2、104c1、104c2、受光部103に偏光板104bが配置されている。偏光板104a1、104a2、104c1、104c2の偏光方向は、偏光板104bの偏光方向と直交するようにする。
【0102】
図17の装置によって、皮膚の真皮の模様を撮像できる。
具体的には、光源101e、101f、101g、101hからの光は、偏光板104a1、104a2、104c1、104c2を通過して、例えば、直線偏光になる。その直線偏光である照射光は耳69の一部の表皮に照射し、反射される。偏光板104bに入射される。偏光板104bの偏光方向は、偏光板104a1、104a2、104c1、104c2の偏光方向と直交するので、表皮からの反射光は偏光板104bに遮断される。
【0103】
一方、偏光板104a1、104a2、104c1、104c2を通過した後の直線偏光は、耳69の一部の内部に入って、例えば真皮で反射される。耳69の内部に入射された光は、表皮下の組織の影響によって、偏光状態が変化する。このような反射光は偏光板104bに入射され、偏光板104bの偏光方向と直交する成分は偏光板104bに遮断され、偏光板104bの偏光方向と平行する成分は偏光板104bを通過し、受光部103に入射される。受光部103はその反射光を撮像する。
このようにして、表皮部分が写りにくくなり、主に真皮表面が撮像される。
【0104】
図18(a)と(b)は、本実施形態において、耳の皮膚模様を検出する個人認証装置の構成の第3の例を示す。図18(a)は平面図、図18(b)は側面断面図である。
図18(a)と(b)において、支持部100に光源101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g、101hが設けられており、支持部100の中央に受光部103が配置されている。さらに、光源101e、101f、101g、101hに偏光板104a1、104a2、104c1、104c2、受光部103に偏光板104bが配置されている。偏光板104a1、104a2、104c1、104c2の偏光方向は、偏光板104bの偏光方向と直交するようにする。
【0105】
図18の装置に、偏光板のある光源101e、101f、101g、101hと偏光板のない光源101a、101b、101c、101dとを用意することにより、皮膚の表皮と真皮の模様を選択的に撮像できる。
具体的に、図18(a)と(b)において、光源101e、101f、101g、101hを用いて照射する場合には真皮層の模様、光源101a、101b、101c、101dを用いて照射する場合は表皮の模様を撮像できる。両者を撮像することにより写真等による成りすましに対して対策することができる。
【0106】
図16〜18で示した個人認証装置は、図14と図15のように耳に取り付ければ良い。また、図15のようなインナーイヤー型のヘッドフォンを用いる場合、静脈の測定と同じように耳珠の部分を撮像することで、コンパクトな個人認証装置が作れる。
また、表皮の模様を撮像する場合は、光学系でなくても、静電センサーや圧電センサー、温度センサーなどでも可能である。
【0107】
本実施形態によれば、コンテンツセキュリティを人体の特性と結びつけることで、本人しか聞くことが出来ないよう制限することが可能になる。
本実施形態の個人認証方法は常時行なうことが可能であるので、音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に適している。
また、耳の皮膚の表皮或は真皮の模様を検出するには、耳の一部しか使わないので、認証装置の小型化が可能であり、また、認証結果の安定性と再現性が高い。
さらに、皮膚下の真皮の模様を用いれば、写真等で成りすますことが不可能になり、安全性が高い。
【0108】
第9の実施形態
本実施形態では、耳の形状から利用者を特定して、個人認証を行なう個人認証装置と個人認証方法について述べる。
耳の軟骨は生後4ヶ月で決まり、個人差の大きい部位であり、恒常性があるので、耳の形状は個人認証に使うことが可能であることが知られている。
図19(a)、耳の形状を検出する個人認証装置の構成の一例を示す。
図19(a)において、耳全体を覆うヘッドフォン76の耳接触面に、不図示の静電センサーや圧電センサー、温度センサーを設け、接触している部分の形状を検出する。図19(b)は得られる耳の形状の模様77を模式的に示す。
また、第7と第8の実施形態のように、光学系を設け、耳全体を撮像し、耳の形状を取る。そのために、一般的には、CCD等のセンサーを用いて撮像することができる。
本実施形態は、第6〜8の実施形態と同じ効果を有する。
【0109】
第10の実施形態
本実施形態において、耳の音響特性、頭部の骨伝導特性、血管パターン、皮膚の模様、形状などの生体情報を用いた個人認証機能とPKIチップの機能を具備した認証手段を備えた信号伝送装置について述べる。
該認証手段は、まず個人の生体情報から個人認証を行ない、個人を特定する。そして、個人認証した情報により、前述したPKIチップと同じように、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、機器間の相互認証を行なうことで再生を開始して良いかを判定し、必要に応じて再生制限を解除する。
【0110】
図20は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図8に示した第2の実施形態の信号伝送装置と同様である。
図20に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、暗号化されたコンテンツ、例えば音楽コンテンツを格納また配信する個人サーバー35、音声再生装置36、及びヘッドフォン31とを有する。個人サーバー35には、機器間認証に用いるPKIチップ2cが設けられている。
利用者は、例えば、ヘッドフォンステレオからなる音声再生装置36で、個人サーバー35にある音楽コンテンツを再生する。
【0111】
ヘッドフォン31には、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aが設けられている。また、ヘッドフォン31には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。音声再生装置36は、受信機33、受信したコンテンツを復号する復号器34、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
【0112】
利用者はインターネットを経由して個人サーバー35上の音楽コンテンツをヘッドフォン31で再生する場合は、暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用するために、PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、個人サーバー35と音声再生装置36の機器間認証を行ない、個人サーバー35からコンテンツを配信して良いかを判定する。
音声再生装置36上のコンテンツを復号するために、ヘッドフォン31の利用者の個人認証及び音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証が必要である。
【0113】
まずは、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
本人である場合、PKIチップ2bと82aは暗号鍵を交換し、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、ヘッドフォン31は、音声再生装置36と同一所有者であるかを判定する。
本人でない場合、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なわず、音声再生装置36とヘッドフォン31共に動作しない。
【0114】
ヘッドフォン31の利用者の個人認証は成功し、かつ、個人サーバー35と音声再生装置36とヘッドフォン31は互いに認証された場合は、個人サーバー35は、暗号化されたコンテンツを配信し、音声再生装置36は受信機33でそれを受信し、復号器34において復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号をヘッドフォン31に伝送する。利用者は、ヘッドフォン31を耳に装着し、再生された音楽を聴くことができる。
【0115】
ここで、前述と同じように、音声再生装置36とヘッドフォン31の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0116】
本実施形態によれば、ヘッドフォンなどのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を容易に行なえ、専用な機器や伝送路を必要とせず、汎用性が高い。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
また、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
【0117】
第11の実施形態
本実施形態において、生体情報を用いた個人認証機能を具備し、パッケージメディアを再生する信号伝送装置について述べる。
図21は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図9に示した第3の実施形態の信号伝送装置と同様である。図21に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46と、音声出力装置8とを有する。
【0118】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮データを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを含む。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aとを有し、また、音声出力装置8には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。
【0119】
メディア48上の音楽を再生するために、音声出力装置8の利用者の個人認証及び音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証が必要である。
まずは、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
【0120】
本人である場合、音声再生装置46がメディア48上の圧縮データを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証を行なうことが必要である。即ち、PKIチップ2bと82aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
音声再生装置46と音声出力装置8は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア48上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力部1は、音楽を出力する。
【0121】
また、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0122】
本実施形態によれば、ヘッドフォンなどのような電源を持っていない機器であっても、機器認証を容易に行なえ、専用な機器や伝送路を必要とせず、汎用性が高い。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
【0123】
第12の実施形態
本実施形態において、生体情報を用いた個人認証機能を有し、パッケージメディアに暗号鍵を付けて再生する信号伝送装置について述べる。
図22は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図10に示した第4の実施形態の信号伝送装置と同様である。
図22に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、音声再生装置46、音声出力装置8とを有する。
【0124】
音声再生装置46は、例えば、音楽CDなどのメディア48を再生する。音声再生装置46は、メディア48と、メディア48上の圧縮されたデータを復号する復号化装置47と、機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
メディア48には、PKIチップ2cが設けられており、メディア48の機器認証を行なう。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aとを有する。また、音声出力装置8には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。
【0125】
メディア48上の音楽は、許可された利用者と音声出力装置でしか再生できない。従って、メディア48上の音楽を音声出力装置8の利用者が音声出力装置8で再生して良いかを判定する必要がある。
まずは、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
【0126】
本人である場合、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう。即ち、PKIチップ2cと82aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、メディア48と音声出力装置8の機器認証を行ない、音声出力装置8は正当な機器であるか、メディア48上の音楽を再生する権利を有するかを判定する。
なお、メディア48と音声出力装置8の機器認証は、メディア単位、或は、コンテンツ単位で行なう。
【0127】
以上の認証を成功した場合は、音声再生装置46がメディア48上の圧縮されたデータを復号化する条件として、音声再生装置46と音声出力装置8が暗号鍵を交換し、機器間認証をさらに行なう。即ち、PKIチップ2bと82aは、相互通信を行ない、暗号鍵を交換し、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行ない、音声出力装置8となるヘッドフォンが正当な機器であるか、復号化して良いかを判定する。
【0128】
個人認証を成功し、かつ、音声再生装置46と音声出力装置8とメディア48は互いに認証された場合は、音声再生装置46は復号化装置47によりメディア上の音楽データを復号化し、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力部1は、音楽を出力する。
なお、音声再生装置46と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、また、メディア48と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0129】
本実施形態によれば、電源を持っていない音声出力装置であっても、PKIチップをスピーカーに貼りつけ、電気信号をスピーカーケーブルから抽出することで、機器認証を行なうことができる。
また、従来のスピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンをそのまま用いることができ、専用音声出力機器や専用伝送路は必要とせず、従来機器との互換性が優れている。暗号チップの装着は、非常に簡単なので、特別な製造工程は要らない。従って、本実施形態の汎用性が高い。
また、メディアやコンテンツ単位で、機器認証を行なうことを可能となり、違法利用を防止できる。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
【0130】
第13の実施形態
本実施形態において、生体情報を用いた個人認証機能を具備し、インターネットを介して、音楽コンテンツのストリームを送受信して再生する信号伝送装置について述べる。
図23は、本実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。本実施形態の信号伝送装置の基本構成は図11に示した第5の実施形態の信号伝送装置と同様である。
図23に示すように、本実施形態の信号伝送装置は、例えば音楽コンテンツを配信するサーバー59、音声再生装置56、及び音声出力装置8とを有する。サーバー59はインターネットを介して音声再生装置56にデータストリームを配信する。サーバー59は、PKIチップ2cを有する。
音声再生装置56は、サーバー59が配信したデータストリームを受信する受信機58、受信したデータを復号する復号器57、及び機器間認証に用いるPKIチップ2bを有する。
音声出力装置8は、例えば、ヘッドフォンやイヤフォンのような音声を出力する機器であり、スピーカーである音声出力部1と、個人認証機能と機器間認証機能を備えたPKIチップ82aとを有し、また、音声出力装置8には、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかが設けられており、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出する。
【0131】
利用者はインターネットを経由してサーバー59上の音楽コンテンツを音声出力装置8で再生する場合は、サーバー59上の暗号化された状態で保存されているコンテンツを利用するために、PKIチップ2cと2bは、暗号鍵を交換し、サーバー59と音声再生装置56の機器間認証を行ない、サーバー59からコンテンツを配信して良いかを判定する。
また、音声再生装置56上のコンテンツを復号するために、音声出力装置8の利用者の個人認証及び音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証が必要である。
即ち、第6〜第9の実施形態で示した個人認証装置のいずれかで、耳の音響特性や、頭部の骨伝導特性や、血管パターンや、皮膚の模様や、形状などの生体情報を検出し、PKIチップ82aは、検出された生体情報を事前に測定された本人の生体情報と比較し、利用者の正当性を判断する。
【0132】
本人である場合、PKIチップ2bと82aは暗号鍵を交換し、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行ない、復号して良いかを判定する。例えば、音声出力装置8は、音声再生装置56と同一所有者であるかを判定する。
【0133】
個人認証、サーバー59と音声再生装置56と音声出力装置8は互いに認証された場合は、サーバー59は、暗号化されたコンテンツのストリームを配信し、音声再生装置56は受信機58でそれを受信し、復号器57で復号化し、暗号を解いて、アナログ音声信号を音声出力装置8に伝送する。音声出力装置8は、音声を出力する。
【0134】
なお、音声再生装置56と音声出力装置8の機器間認証を行なう時は、伝送路3を介して相互通信を行ない、例えば暗号鍵を交換する。また、機器認証中と音楽再生中に、PKIチップ82aは、伝送路3が伝送する信号より電力を得る。
【0135】
本実施形態によれば、汎用の機器でも、機器認証を容易に行なえ、従来不可能だった配信コンテンツの個人での利用範囲が拡大される。
また、個人認証機能を加えたことから、ヘッドフォンだけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができる。これによって、コンテンツを購入した本人が端末、または、ヘッドフォンのみで何処からでも聞くことが可能である。
【0136】
以上、本発明を好ましい実施の形態に基づき説明したが、本発明は以上に説明した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の改変が可能である。
以上の実施例で説明した信号伝送装置や、個人認証装置の構成は一例であり、本発明は、以上の構成に限定されず、他の構成にも適用できる。
また、以上の実施形態では、認証手段として、PKIチップを用いていたが、相互機器認証の機能は個別の秘密鍵を用いた方法でも可能である。
また、機器間相互認証は、サーバーとスピーカー、サーバーと再生装置、サーバーとメディア、再生装置とスピーカー、メディアとスピーカーなど色々な組み合わせが可能である。ストリーミングの場合はストリームの記録の許可にも応用できる。
【0137】
個人認証機能付きの信号伝送装置の実施形態において、個人認証を行なう方法は、耳を用いた認証方法でなくでも、従来の指紋、アイリスといった方法でも構わない。
個人認証機能付きの信号伝送装置の実施形態において、個人認証を行なった後は、機器間認証を行なわなくても良い。これによって、本人であれば、どの機器でも利用できるようになる。
【0138】
また、本発明は、音楽の再生のみならず、金融などの業界において、個人情報など大事なデータを取扱う場合に、セキュリティを高める方法として適用できる。例えば、携帯電話や、固定電話の受話器のような装置を耳に付けて使用する時に、確実に個人認証を行なう。
【0139】
【発明の効果】
本発明の信号伝送装置によれば、スピーカーやイヤフォン、ヘッドフォンのような電源を持っていない機器の場合でも、機器認証が容易にできる。また、従来の機器をそのまま用いることができ、従来機器との互換性が優れており、さらに、製造工程が非常に簡単であり、汎用性が高い。これによって、従来不可能だった配信コンテンツの利用方法はできるようになり、利用範囲が拡大される。また、アナログ録音を防止できる。
また、本発明の個人認証機能を有する信号伝送装置によれば、耳を用いて個人認証を行なうことで、コンテンツの保護と人体の特性と結びつけ、本人しか聞くことができないよう制限することが可能になる。これにより、機器だけを特定することではなく、利用者まで特定できるので、セキュリティが極めて高いコンテンツの保護は可能になる。
また、音声出力装置を耳に付けて個人認証を行なうので、個人認証は常時行なうことが可能であり、例えば音楽を再生している間でも継続的に本人確認でき、インターネットで音楽を配信する場合に著作物の保護に好適である。
【0140】
従って、本発明によって、ヘッドフォンなどの音声出力装置だけでネットワーク対応したコンテンツ保護ができ、再生機器のみならず契約した個人のみがコンテンツを視聴出来るようになる。また、従来機器に互換性があるので、音質を全く損ねないで著作権保護が行なえる。これによって、著作権保護が非常に楽にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置の接続の一例を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、PKIチップの装着の一例を示す図である。
【図4】(a)、(b)及び(c)は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、伝送路に重畳された認証信号のスペクトラムの例を示す図である。
【図5】(a)と(b)は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、PKIチップが伝送路から電力を供給される方法を例示した図である。
【図6】図5に続いて、(a)と(b)は、本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、PKIチップが伝送路から電力を供給される方法を例示した図である。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る信号伝送装置において、違法アナログ録音を防止する方法を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態において、コンテンツ配信サーバーと再生装置間の機器間認証を行なう信号伝送装置の構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態において、パッケージメディアを再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【図10】本発明の第4の実施形態において、認証機能付きのパッケージメディアを再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【図11】本発明の第5の実施形態において、インターネットや放送などからのストリーミングデータを再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【図12】(a)と(b)は、本発明の第6の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第1の例を示す図である。
【図13】本発明の第6の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第2の例を示す図である。
【図14】(a)と(b)は、本発明の第7の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の一例を示す図である。
【図15】(a)と(b)は、本発明の第7の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の他の例を示す図である。
【図16】(a)と(b)は、本発明の第8の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第1の例を示す図である。
【図17】(a)と(b)は、本発明の第8の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第2の例を示す図である。
【図18】(a)と(b)は、本発明の第8の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の第3の例を示す図である。
【図19】(a)と(b)は、本発明の第9の実施形態において、耳を用いた個人認証装置の基本構成の例を示す図である。
【図20】本発明の第10の実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
【図21】本発明の第11の実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
【図22】本発明の第12の実施形態に係る信号伝送装置の構成を示す図である。
【図23】本発明の第13の実施形態において、インターネットや放送などからのストリーミングデータを個人認証機能付きに再生する信号伝送装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1…スピーカー、2、2a、2b、2c…PKIチップ、2x…PKIチップ装着セット、3…伝送路、4…ピンプラグ、5…ジャック、6…音声再生機器、7…容量、8…音声出力装置、9…スピーカー端子、11…接着剤、12…保護板、14…録音装置、21…LPF、22…HPF、23…LPF、24…HPF、25…HPF、26…LPF、27…平滑回路、31…ヘッドフォン、32a、32b…アンテナ、33…受信機、34…復号器、35…個人サーバー、46…再生機器、47…復号装置、48…パッケージメディア、56…再生機器、57…復号装置、58…受信装置、59…サーバー、61…ヘッドフォン、62…アンテナ、63…受信装置、64…復号装置、65…録音機、66…録音制御回路、69…耳、69a…耳珠、70…認証手段、71…外耳道、72…鼓膜、73…骨伝導センサー、74…イヤフォン、75、76…ヘッドフォン、77…耳の形状の模様、82a…個人認証機能付きPKIチップ、91…光源、92…アーム部、93…受光部、94…スピーカー、95…ケース、96…耳接触面、97…頭部、91a…光源、92a…アーム部、93a…受光部、94a…イヤフォン、100…外耳道、101a、101b、101c、101d、101e、101f、101g、101h…光源、103…受光部、104a、104b、104c、104a1、104a2、104c1、104c2…偏光板。
Claims (36)
- 送信手段と、
受信手段と、
前記送信手段からの信号を前記受信手段に伝送する信号伝送路と、
前記送信手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、
前記受信手段の機器認証に用いられる第2の認証手段と
を有し、
前記送信手段は、前記信号伝送路を介して前記第2の認証手段へ電力を供給し、
前記第1の認証手段と前記第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して、認証信号を互いに伝送して前記受信手段と前記送信手段の正当性を判断し、
前記送信手段と前記受信手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記送信手段に信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記受信手段に信号を受信させる
信号伝送装置。 - 前記第2の認証手段は、前記受信手段に取り付けられている
請求項1に記載の信号伝送装置。 - 前記認証信号の帯域は、可聴帯域より周波数の高い帯域を含む
請求項1に記載の信号伝送装置。 - 前記認証信号はスペクトラム拡散信号を含む
請求項1に記載の信号伝送装置。 - 前記送信手段は、前記信号伝送路の伝送インピーダンスを検出し、前記伝送インピーダンスが変化した場合、送信を制限する
請求項1に記載の信号伝送装置。 - 音声信号を音声再生手段から音声出力手段に伝送する信号伝送路と、
前記音声再生手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、
前記音声出力手段の機器認証に用いられる第2の認証手段と
を有し、
前記音声再生手段は、前記信号伝送路を介して前記第2の認証手段へ電力を供給し、
前記第1の認証手段と前記第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して認証信号を互いに伝送して前記音声出力手段と前記音声再生手段の正当性を判断し、
前記音声出力手段と前記音声再生手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記音声再生手段に音声信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記音声出力手段に音声を出力させる
信号伝送装置。 - 前記第2の認証手段は、前記音声出力手段に取り付けられている
請求項6に記載の信号伝送装置。 - 前記認証信号の帯域は、可聴帯域外の帯域を含む
請求項6に記載の信号伝送装置。 - 前記認証信号の帯域は、可聴帯域より周波数の高い帯域を含む
請求項6に記載の信号伝送装置。 - 前記認証信号はスペクトラム拡散信号を含む
請求項6に記載の信号伝送装置。 - 前記音声再生手段は、前記信号伝送路の伝送インピーダンスを検出し、該伝送インピーダンスが変化した場合、再生を制限する
請求項6に記載の信号伝送装置。 - 耳に装着された状態で、耳の特性を検出する検出手段と、
事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータが記憶されており、前記検出された耳の特性を示す特性データを、前記記憶された耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する認証手段と
を有する
個人認証装置。 - 耳に装着された状態で、耳に音声信号を出力しながら認証信号を出力する音声出力手段を有し、
前記検出手段は、前記音声出力手段に取り付けられ、
前記検出手段は、前記認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により前記耳の特性を検出する
請求項12に記載の個人認証装置。 - 前記認証信号の帯域は、可聴帯域外の帯域を含む
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記耳の特性は、耳内部において信号の伝播特性を含む
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記耳の特性は、耳近傍の骨において信号の伝導特性を含む
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記認証信号は、スペクトラム拡散信号を含む
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記認証信号は、前記音声出力手段が出力した音声信号を含む
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記認証信号に、個人毎に異なる電子透かしが埋め込まれている
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記認証信号は、個人毎に異なるスペクトラム拡散信号を含み、
前記認証手段は、前記個人毎に異なる認証信号と前記応答信号の相関係数が所定の値より大きいことにより、利用者の正当性を判断する
請求項13に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、耳の一部に入射光を照射する光源と、耳を挟んで前記光源と対向する、前記入射光が前記耳の一部を透過した透過光を検出する受光部とを有し、
前記検出手段は、前記受光部で検出された透過光により、耳内部の静脈血管のパターンを検出し、
前記認証手段は、検出された前記静脈血管のパターンを、事前に測定された正当な利用者の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する
請求項12に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、耳の形状を検出し、
前記認証手段は、検出された耳の形状パターンを、事前に測定された正当な利用者の耳の形状パターンと比較し、利用者の正当性を判断する
請求項12に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、撮像装置を含む
請求項22に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、静電検出器、または、圧電検出器を含み、
前記検出手段は耳と接触し、該接触された耳の部分の形状を検出する
請求項22に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、耳の一部に入射光を照射する光源と、前記入射光が前記耳の一部での反射光を検出する受光部とを有し、
前記検出手段は、検出された前記反射光により、耳の皮紋パターンを検出し、前記認証手段は、検出された前記皮紋パターンを、事前に測定された正当な利用者の皮紋パターンと比較し、利用者の正当性を判断する
請求項12に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、第1の偏光板と、前記第1の偏光板の偏光方向と直交する第2の偏光板とを有し、
前記第1の偏光板は、前記入射光を所望の偏光方向にし、
前記第2の偏光板は、耳の表皮からの反射光を少なくとも一部を遮断し、
前記検出手段は、前記第2の偏光板を通過した、前記耳の表皮の下の真皮からの反射光を検出し、耳の皮紋を検出する
請求項25に記載の個人認証装置。 - 耳に装着された状態で、利用者本人が発した声を測定し、耳の特性を検出する検出手段と、
事前に測定された正当な利用者の耳の特性データが記憶されており、前記検出された耳の特性データを前記記憶された耳の特性データと比較し、利用者の正当性を判断する認証手段と
を有する
個人認証装置。 - 前記検出手段は、耳近傍の骨において前記声の伝導特性を検出する
請求項27に記載の個人認証装置。 - 前記検出手段は、耳内部に装着された状態で前記声の耳内部での伝播特性を検出する
請求項27に記載の個人認証装置。 - 音声再生手段と、
耳に装着可能な音声出力手段と、
前記音声出力手段に取り付けられ、耳に装着された状態で、耳の特性を検出する検出手段と、
音声信号を前記音声再生手段から前記音声出力手段に伝送する信号伝送路と、
前記音声再生手段の機器認証に用いられる第1の認証手段と、
前記音声出力手段に取り付けられ、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータが記憶されており、前記検出手段により検出された耳の特性を、前記記憶された耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する第2の認証手段と
を有し、
前記音声再生手段は、前記信号伝送路を介して、前記第2の認証手段へ電力を供給し、
前記第1及び第2の認証手段は、前記信号伝送路を介して、認証信号を互いに伝送して前記音声出力手段と音声再生手段の正当性を判断し、
前記利用者及び前記音声出力手段が正当である場合に、前記第1の認証手段は前記音声再生手段に音声信号を送信させ、前記第2の認証手段は前記音声出力手段に音声を出力させる
信号伝送装置。 - 耳に音声信号を出力しながら認証信号を出力し、
前記認証信号の耳内部での応答信号を検出し、該応答信号により耳の特性を検出し、
前記検出された耳の特性データを、事前に測定された正当な利用者の耳特性のデータと比較し、利用者の正当性を判断する
個人認証方法。 - 耳の一部に入射光を照射し、
前記入射光が前記耳の一部を透過した透過光を検出し、
前記検出された透過光により、耳内部の静脈血管のパターンを検出し、
検出された前記静脈血管のパターンを、事前に測定された正当な利用者の静脈血管のパターンと比較し、利用者の正当性を判断する
個人認証方法。 - 耳の形状を検出し、
検出された耳の形状パターンを、事前に測定された正当な利用者の耳の形状パターンと比較し、利用者の正当性を判断する
個人認証方法。 - 耳の一部に入射光を照射し、
前記入射光が前記耳の一部での反射光を測定し、
検出された前記反射光により、耳の皮紋パターンを検出し、
検出された前記皮紋パターンを、事前に測定された正当な利用者の皮紋パターンと比較し、利用者の正当性を判断する
個人認証方法。 - 前記入射光を所望の偏光方向にし、
耳の表皮からの所望の偏光方向を有する反射光を、偏光方向が直交する偏光板により少なくとも一部を遮断し、
前記偏光板を通過した、前記耳の表皮の下の真皮からの反射光を検出し、耳の皮紋を検出する
請求項34に記載の個人認証方法。 - 利用者本人が発した声を測定し、耳の特性を検出し、
前記検出された耳の特性データを事前に測定された正当な利用者の耳の特性データと比較し、利用者の正当性を判断する
個人認証方法。
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