JP2004064691A - 通信装置及びデータの再送制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】通信装置において否定応答信号(NACK信号)を誤受信した際に、当該通信装置からデータの再送が行われないことによる通信相手装置での受信データの欠落を未然に防止し得る通信装置及びデータの再送制御方法を提供すること。
【解決手段】通信装置において、肯定応答信号(ACK信号)の信頼度に基づいて、データの再送を決定することにより、否定応答信号(NACK信号)を肯定応答信号(ACK信号)と誤受信した場合において、通信装置からデータの再送が行われないという不都合を回避することができる。
【選択図】 図3
【解決手段】通信装置において、肯定応答信号(ACK信号)の信頼度に基づいて、データの再送を決定することにより、否定応答信号(NACK信号)を肯定応答信号(ACK信号)と誤受信した場合において、通信装置からデータの再送が行われないという不都合を回避することができる。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、下り回線で高速パケット伝送を行う無線通信システムに使用される通信装置及びデータの再送制御方法に適用するに好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば無線通信システムの分野において、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置(移動局)が共有し、下り回線で高速パケット伝送を行うHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)等が提案されている。HSDPA等の高速パケット伝送方式では、スロット等の時間単位又は拡散符号を用いた多重化を行う。個々の通信端末装置が基地局装置からの下り回線の伝搬路の状態を観測し、その観測結果を基地局装置に対して報告する。
【0003】
基地局装置は、通信端末装置からのその伝搬路状態の報告(HSDPAではCQI(Channel Quality Indicator)信号に相当する)に基づいて、状態のよい通信端末装置を選択し、送信するスケジューリング技術、伝搬路の状態に応じて適応的に変調方式及び誤り訂正符号(MCS:Modulation and Coding Scheme)を変更する適応変調技術等、伝送効率を高める技術が用いられている。
【0004】
基地局装置は、スケジューリング及び適応変調を行いながら各通信端末装置に対する送信を行う。通信端末装置は、受信データの受信品質が満足される場合には、受信成功を意味するACK(ACKnowledgment)信号(肯定応答信号)を基地局装置に対して送信する。また、これに対して、受信データの受信品質が満足されなかった場合には、受信失敗を意味するNACK(Negative ACKnowledgment)信号(否定応答信号)を基地局装置に対して送信する。
【0005】
基地局装置は、NACK信号を受信すると、同じデータを再送信するようにスケジューリングを行う。このように、ACK信号及びNACK信号は、基地局装置が通信端末装置に対してデータを再送するか否かを決定する重要な情報となっている。
【0006】
ここで、従来の基地局装置の構成を図11に示す。すなわち、図11は、従来の基地局装置の構成を示すブロック図であり、この基地局装置10は、アンテナ11を介して受信された受信信号を、共用器12を介して受信RF(Radio Frequency)部13に受ける。
【0007】
受信RF部13は、無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、これを逆拡散部14に供給する。逆拡散部14、RAKE合成部15及び復調部16は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、受信RF部13から供給される受信ベースバンド信号に対して逆拡散処理、RAKE合成処理及び誤り訂正復号処理等の復調処理を順次施すことにより、各通信端末装置(ユーザ)ごとの復調データを得る。
【0008】
この復調データは、送信先決定部51及び変調方式決定部52にそれぞれ供給される。送信先決定部51は、復調部16から供給された信号がACK信号又はNACK信号のいずれであるかに基づいて、同じデータを再送信するか否かを判断する。
【0009】
すなわち、復調部16から供給された信号がNACK信号である場合、このことは、このNACK信号の送信元の通信端末装置において、受信の失敗があったことを意味しており、送信先決定部51は、このNACK信号に基づいて、対応する通信端末装置に対して、先に送信したデータ(♯i)を再送信することを決定する。
【0010】
これに対して、復調部16から供給された信号がACK信号である場合、このことは、このACK信号の送信もとの通信端末装置において、受信を成功したことを意味しており、送信先決定部51は、このACK信号に基づいて、対応する通信端末装置に対して、次のデータ(♯i+1)を送信することを決定する。
【0011】
このようにして送信先決定部51において決定された送信先の通信端末装置を表す情報及び送信データを特定する情報は、データ選択部53に供給される。データ選択部53は、各通信端末装置に対する送信データを選択する。
【0012】
また、変調方式決定部52は、復調部16から供給される下り回線状況報告情報としてのCQI信号に基づいて、符号化率及び変調方式を決定し、その決定結果を符号化部54及び適応変調部55に供給する。
【0013】
符号化部54は、変調方式決定部52から供給された符号化率を表す情報に基づく符号化率によって、送信データを符号化する。また、適応変調部55は、符号化部54から供給された符号化データ(パケットデータ)に対して、変調方式決定部52によって決定された変調方式を用いて変調を行う。変調方式としては、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等の方式のなかから選択決定される。
【0014】
これにより、符号化部54及び適応変調部55において、CQI信号に基づく符号化及び変調が行われる。
【0015】
適応変調部55において変調されたデータは、拡散部56において拡散処理された後、多重部57に供給される。多重部57は、各通信端末装置に送信する個別データを多重し、これを送信RF部58に供給する。送信RF部58は、多重部57から供給されたベースバンドのディジタル信号を無線周波数の信号に変換し、これを共用器12及びアンテナ11を介して送信する。
【0016】
このように、従来の基地局装置10では、各通信端末装置から送信される、ACK信号又はNACK信号に基づいて、データ再送の判断を行うようになされている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通信端末装置(移動局:MS)は、基地局装置10からデータを誤りなく受信できたか否かを基地局装置10に対してACK信号又はNACK信号によって報告するようになされている。しかしながら、あるデータ♯iの受信が失敗したことを表すNACK信号を通信端末装置が基地局装置10に対して送信したにも関わらず、基地局装置10において、このNACK信号をACK信号として誤受信した場合には、この基地局装置10は、データ♯iについては、通信端末装置において受信が成功したと判断し、このデータ♯iに続くデータ♯i+1の送信処理に移ることとなる。
【0018】
従って、通信端末装置では、データ♯iの受信に失敗したにもかかわらず、基地局装置10において、このデータ♯iに続くデータ♯i+1の送信処理に移行することとなって、通信端末装置では、受信に失敗したデータ♯iが欠落する結果となる問題があった。
【0019】
すなわち、図12は、基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。この図12では、通信端末装置(移動局装置)から基地局装置に対して送信されたACK信号及びNACK信号のいずれをも、基地局装置において正しく受信した場合を示す。
【0020】
この図12に示すように、通信端末装置(移動局装置)から基地局装置に対して、下り回線伝送路品質報告(CQI)が送信されると、基地局装置は、このCQI信号に基づく符号化率及び変調方式によって、データ♯1〜♯Nを送信する処理に入る。
【0021】
そしてこの処理において、基地局装置は、まず、HS−SCCH(Shared Control Channel of HS−PDSCH)によって通信端末装置(移動局)やMCSを指定する。因みに、HS−SCCHは、下り方向の共有チャネルであり、リソース割り当てに関する情報(TFRI:Transport−format and Resource related Information)、H−ARQ(Hybrid−Automatic Repeat Request)制御に関する情報等が伝送される。
【0022】
続いて、基地局装置は、HS−PDSCH(High Speed − Physical DownlinkShared Channel)によってデータ♯1を送信する。因みに、HS−PDSCHは、パケットの伝送に使用される下り方向の共有チャネルである。通信端末装置は、データ♯1の受信に成功すると、ACK信号を送信することによって、受信成功報告を基地局装置に対して行う。
【0023】
通信端末装置からのACK信号の受信に成功した基地局装置は、これに続いて、データ♯2の送信を、データ♯1の場合と同様にして行う。そして、通信端末装置が、このデータ♯2の受信に失敗した場合、当該通信端末装置は、NACK信号を送信することによって、受信失敗報告を基地局装置に対して行う。
【0024】
通信端末装置からのNACK信号の受信に成功した基地局装置は、再度、データ♯2を送信する。このようにして、基地局装置は、通信端末装置から送信されるACK信号又はNACK信号を正しく受信した場合には、その限りにおいて、ACK信号又はNACK信号に応じた処理(次のデータの送信、又はデータの再送信)を行うことができ、データ♯1〜データ♯Nを確実に通信端末装置に受信させることができる。
【0025】
これに対して、図13は、基地局装置において、通信端末装置から送信されたACK信号の受信に失敗し、このACK信号をNACK信号として誤受信した場合の例を示すシーケンス図である。
【0026】
図13に示すように、データ♯2の受信に成功した通信端末装置から、当該成功したことを意味するACK信号が送信されることにより、基地局装置に対して受信成功報告がなされる。そして、基地局装置が、このACK信号の受信に失敗すると、ACK信号をNACK信号として誤受信することとなり、基地局装置は、この受信結果(誤受信の結果)に基づいて、通信端末装置がデータ♯2の受信に失敗したと判断する。
【0027】
そして、基地局装置は、この判断結果に基づいて、データ♯2を再度送信する。この結果、通信端末装置は、ACK信号を送信しているにもかかわらず、同じデータ♯2を再度受信することとなる。このように、基地局装置が、ACK信号の受信に失敗して、ACK信号の受信をNACK信号の受信と誤判断した場合では、同じデータ♯2が再度基地局装置から送信されることとなるが、その後、当該データ♯2の再送の受信に通信端末装置が成功すると、この通信端末装置から、ACK信号が再び送信されることになり、基地局装置が、このACK信号の受信に成功すれば、次のデータ♯3の送信処理に移行することとなり、同じデータ♯2が複数回送信されるだけであって、通信端末装置において、データが欠落するといったデータの復調上、重大な不都合が生じることはない。
【0028】
これに対して、図14は、基地局装置において、通信端末装置から送信されたNACK信号の受信に失敗し、このNACK信号をACK信号として誤受信した場合の例を示すシーケンス図である。
【0029】
図14に示すように、データ♯2の受信に失敗した通信端末装置から、当該失敗したことを意味するNACK信号が送信されることにより、基地局装置に対して受信失敗報告がなされる。そして、基地局装置が、このNACK信号の受信に失敗すると、NACK信号をACK信号として誤受信することとなり、基地局装置は、この受信結果(誤受信の結果)に基づいて、通信端末装置がデータ♯2の受信に成功したと判断する。
【0030】
そして、基地局装置は、この判断結果に基づいて、データ♯2に続くデータ♯3を送信する。この結果、通信端末装置は、NACK信号を送信しているにもかかわらず、受信に失敗したデータ♯2を再度受信することができず、このデータ♯2が欠落した状態となる。このように、基地局装置が、NACK信号の受信に失敗して、NACK信号の受信をACK信号の受信と誤判断した場合では、再送要求があるにもかかわらず、基地局装置からその再送要求のあったデータ♯2が送信されなくなることにより、通信端末装置では、このデータ♯2が欠落した状態となる。このように、通信端末装置にデータの欠落が生じることは、受信データの復調に必要なデータがかけているという重大な不都合が生じることとなる。
【0031】
この点に関して、3GPPにおける標準化では、NACK信号の誤り率が10−4以下(ACK信号の誤り率は10−2以下)を満たすことが要求条件となっている。
【0032】
しかしながら、TSG R1−02−0364, LG Electronics,“On the HS−DPCCH performance with consideration of the channel estimation”によれば、チャネル推定を3スロットとすることで受信性能が改善するものの、移動局(通信端末装置)が30[km/h]で移動した場合には、エラーフロアが生じ、要求されている性能を満たすことが困難になると考えられる。
【0033】
また、単純にACK信号及びNACK信号の復調を行う基地局装置の場合、エラーフロアの分だけ、NACK信号をACK信号と誤判定することになり、スループットの低下は免れない。
【0034】
さらに、今後標準化において改善案が導入されたとしても、劣悪な伝搬路において常に上記要求を満たすことは困難であると考えられる。そして、仮にNACK信号の誤り率が10−4以下という条件を満足した場合であっても、N個すべてのデータが揃わないとデータが復元困難である場合には、N個のデータのうちの1つがNACK信号の誤受信により欠落しても、すべてのデータを再送信する必要が生じ、スループットが大きく劣化するという問題がある。
【0035】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、否定応答信号(NACK信号)の誤受信による受信データの欠落を未然に防止し得る通信装置及びデータの再送制御方法を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信装置は、受信された信号が、通信相手装置におけるデータの受信結果を表す信号である場合に、その信号の信頼度を求める信頼度算出手段と、前記信頼度算出手段の算出結果に基づいて、前記受信された信号が通信相手装置における受信の成功を表す肯定応答信号であるか、又は受信の失敗を表す否定応答信号であるかを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記データの再送制御を行う再送制御手段と、を具備する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、通信相手の受信結果を表す情報を受信した場合に、この情報の信頼度が低い場合には、その情報の内容を変えることにより、実際に通信相手装置から送信された受信結果を表す情報に基づく処理を行うことができる。
【0038】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記判定手段は、前記受信された信号が、前記肯定応答信号である場合に、前記算出結果に基づく判定を行う構成を採る。
【0039】
この構成によれば、受信された信号が肯定応答信号である場合に、その信頼度に基づく判定を行うことにより、否定応答信号を誤受信した結果としての肯定応答信号であった場合に、データ再送が行われなくなるといった不都合を防止することができる。従って、通信相手装置におけるデータの欠落を回避することができる。
【0040】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記信頼度算出手段は、前記通信相手装置からの上り回線の受信品質を前記信頼度として用いる構成を採る。
【0041】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される肯定応答信号又は否定応答信号に対応した受信シンボルに基づいて求める構成を採る。
【0042】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される前記肯定応答信号又は前記否定応答信号の複数回分に基づいて求める構成を採る。
【0043】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される肯定応答信号又は否定応答信号に多重されたパイロット信号に対応する受信シンボルに基づいて求める構成を採る。
【0044】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される前記肯定応答又は前記否定応答信号の複数回分に基づいて求める構成を採る。
【0045】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された肯定応答信号又は否定応答信号に対応する受信シンボルと、前記通信相手装置から送信されたパイロット信号に対応する受信シンボルとに基づいて求める構成を採る。
【0046】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記肯定応答信号又は前記否定応答信号の複数回分と、前記パイロット信号の複数回分とに基づいて求める構成を採る。
【0047】
これらの構成によれば、実際に測定された受信品質に基づいて、信頼度を求めることができるので、実際に通信相手装置から送信されたものが肯定応答信号であるか又は否定応答信号であるかについて、状況に合った判断をすることができる。また、肯定応答信号又は否定応答信号の複数回分、及び/又はパイロット信号の複数回分に基づいて信頼度を求めることにより、求められた信頼度のばらつきを少なくすることができ、肯定応答信号又は否定応答信号の複数回分と、パイロット信号の複数回分を用いる処理を併用することで、さらに一段とばらつきを少なくすることができるとともに、一層正確な信頼度を求めることが可能となる。
【0048】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記信頼度算出手段は、予めテーブル化された、測定された受信品質の最高値と実際の受信品質を表す値との関係に基づいて、測定された受信品質に対して想定される実際の受信品質の最低値を前記信頼度とする構成を採る。
【0049】
この構成によれば、受信品質が変化することの対策として、信頼できるか否かの判定閾値を、想定し得る範囲で厳しく設定することにより、誤判定を防止することができる。
【0050】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記データの再送の有無に基づいて、前記判定手段の判定閾値を変化させる閾値決定手段を具備する構成を採る。
【0051】
この構成によれば、再送が行われた場合には、再び再送が必要となる環境であると仮定して、判定閾値を厳しく設定することにより、状況に合わせた判定を行うことが可能となる。
【0052】
本発明のデータの再送制御方法は、受信された信号が、通信相手装置におけるデータの受信結果を表す信号である場合に、その信号の信頼度を求める信頼度算出ステップと、前記信頼度算出ステップの算出結果に基づいて、前記受信された信号が通信相手装置における受信の成功を表す肯定応答信号であるか、又は受信の失敗を表す否定応答信号であるかを判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記データの再送制御を行う再送制御ステップと、を具備するようにした。
【0053】
この方法によれば、通信相手の受信結果を表す情報を受信した場合に、この情報の信頼度が低い場合には、その情報の内容を変えることにより、実際に通信相手装置から送信された受信結果を表す情報に基づく処理を行うことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、基地局装置において受信されたACK信号の信頼度を求め、信頼度が低い場合は、否定応答信号(NACK信号)を肯定応答信号(ACK信号)と誤受信したものとして、データを再送信することである。
【0055】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0056】
図1は、本発明の実施の形態のシステム構成図である。
【0057】
図1において、制御局(RNC)100は、複数の基地局装置(NodeB)200と有線接続し、各基地局装置200は、複数の通信端末装置(UE)300と無線通信を行う。なお、以下の説明では、制御局装置100が2つの基地局装置200と有線接続し、各基地局装置200が3つの通信端末装置300と無線通信を行う場合を想定する。
【0058】
次に、制御局装置100の構成について図2のブロック図を用いて説明する。
【0059】
信号処理部101は、接続する基地局装置の数だけ用意され、通信端末装置300から送信され、基地局装置200にて復号された信号を入力し、この信号をネットワーク網で伝送するに適した状態に処理し、分離部102に出力する。
【0060】
分離部102は、接続する基地局装置の数だけ用意され、信号処理部101の出力信号からデータと制御信号を分離する。データは、ネットワーク網に出力される。分離部102にてデータと分離された制御信号の中には、通信端末装置300が測定した周辺基地局装置の共通制御チャネルの受信電力を示す信号(以下、「受信電力信号」という)等が含まれる。
【0061】
ハンドオーバ制御部103は、受信電力信号に基づいて各通信端末装置についてHO状態にあるか否か、すなわち、セルエッジに存在するか否かを判定し、判定結果を示す信号(以下、「HO端末信号」という)をTPC生成方法選択部104に出力する。
【0062】
TPC生成方法選択部104は、接続する基地局装置の数だけ用意され、HSDPAサービスを受ける通信端末装置であって、かつ、HO状態であるものに対して、プライマリ基地局装置のA−DPCHの受信SIRが目標SIRとなるようにTPCコマンドを生成する方法(以下、「プライマリ基準のTPCコマンド生成方法」という)を選択する。一方、HSDPAサービスを受ける通信端末装置であって、かつ、HO状態にないものに対して、接続する基地局装置のDPCHあるいはA−DPCHの受信SIRの合成値が目標SIRとなるようにTPCコマンドを生成する方法(以下、「合成値基準のTPCコマンド生成方法」という)を選択する。そして、TPC生成方法選択部104は、選択したTPCコマンド生成方法を示す信号(以下、「TPC生成方法信号」という)を多重部(MUX)105に出力する。
【0063】
多重部105は、接続する基地局装置の数だけ用意され、ネットワーク網からの入力信号にTPC生成方法信号を多重して、信号処理部106に出力する。信号処理部106は、接続する基地局装置の数だけ用意され、多重部105の出力信号を基地局装置で伝送するに適した状態に処理し、多重部107に出力する。
【0064】
多重部107は、接続する基地局装置の数だけ用意され、信号処理部106の出力信号にパケット伝送用制御信号及びHS−SCCHのA−DPCHに対する送信電力のオフセット値を示すオフセット信号等を多重して基地局装置200に出力する。
【0065】
次に、本発明に係る通信装置の一例である基地局装置200の構成について図3のブロック図を用いて説明する。基地局装置200は、各端末装置に送信するための個別データ、パケットデータ、パケット伝送用制御信号及びオフセット信号を制御局装置100から入力する。また、基地局装置200は、接続中の通信端末装置から無線送信された信号を受信する。
【0066】
共用器202は、アンテナ201に受信された信号を受信RF部203に出力する。また、共用器202は、送信RF部266から出力された信号をアンテナ201から無線送信する。
【0067】
受信RF部203は、共用器202から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、復調部204に出力する。
【0068】
復調部204は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、受信ベースバンド信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部205に出力する。
【0069】
分離部205は、復調部204の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部205にて分離された制御信号には、DL(Down Link)用TPCコマンド、CQI信号、ACK/NACK信号、受信電力信号等が含まれる。CQI信号及びACK/NACK信号はスケジューラ251に出力され、DL用TPCコマンドは送信電力制御部258に出力され、データ及び受信電力信号は制御局装置100に出力される。
【0070】
SIR測定部206は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定し、SIRを示す信号をTPCコマンド生成部207に出力する。この実施の形態の場合、受信SIRの測定には、受信されたACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いるようになされている。
【0071】
TPCコマンド生成部207は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、上り回線の受信SIRと目標SIRとの大小関係により、上り回線の送信電力の増減を指示するUL(Up Link)用TPCコマンドを生成する。
【0072】
また、SIR測定部206は、測定した上り回線の受信SIR(Signal to Interference Ratio)を、信頼度算出部211に出力する。信頼度算出部211は、SIR測定部206において測定された受信SIRの測定結果(これを測定SIRと呼ぶ)に基づいて、信頼度を求める。
【0073】
この信頼度を求める際に、信頼度算出部211は、予め記憶している入力SIRと測定SIR(最大値)との関係を示すテーブルを用いるようになされている。すなわち、図4は、信頼度算出部211に記憶されている、入力SIRと測定SIR(最大値)との関係を実測値に基づいて表したテーブルである。この図4において、入力SIRとは、実際のSIRを意味し、測定SIRとは測定されたSIRを意味する。
【0074】
この図4に示すように、測定SIRは、測定環境や信号レベルによってばらつきが生じるものであり、例えば、実際のSIR(入力SIR)が同じ値であっても、測定SIRの値は、最大値から最小値までの間でばらつくこととなる。
【0075】
従って、信頼度算出部211に記憶されているテーブルとしては、最大の測定SIRと入力SIRとの関係が用いられる。これにより、測定SIRから当該テーブルを用いて求められる入力SIR(実際のSIR)は、常に最小値(最悪値)となるようになっており、このようにして求められた実際のSIR(入力SIR)は、そのまま信頼度として用いられる。この結果、実際のSIR値よりも大きなSIR値が信頼度として用いられること、すなわち、実際の信頼度よりも高い信頼度が得られることがなくなる。このことは、ACK信号の信頼度として、実際の信頼度よりも高い信頼度が求められることによる弊害(ACK信号の信頼度が低く、これをNACK信号として判定すべきところを、ACK信号として判定してしまうこと)を防止することができる。
【0076】
信頼度算出部211は、このようにして得られた信頼度をACK/NACK判定部212に出力する。ACK/NACK判定部212は、信頼度算出部211から供給された信頼度に基づいて、このとき復調されたACK信号を予め設定されている所定の閾値に基づいて判定する。
【0077】
図5は、ACK/NACK判定部212における判定処理手順を示すフローチャートである。この図5に示すように、ACK/NACK判定部212は、ステップST111において、分離部205から出力される復調結果がACK信号であるか否かを判定する。
【0078】
そして、ステップST111において否定結果が得られると、このことは、復調された信号がNACK信号であることを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、復調されたNACK信号を判定結果としてスケジューラ251に出力する。これにより、復調結果がNACK信号である場合には、そのNACK信号がそのままスケジューラ251に供給される。
【0079】
これに対してステップST111において肯定結果が得られると、このことは、復調された信号がACK信号であることを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、ステップST112に移って、信頼度算出部211において算出された信頼度(すなわち、このとき復調されたACK信号の信頼度)が予め設定されている判定閾値よりも小さいか否かを判断する。
【0080】
このステップST112において否定結果が得られると、このことは、信頼度算出部211において図4について上述したテーブルを用いて得られた信頼度(このとき復調されたACK信号の信頼度)が、信頼するに足りる程度に高いことを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、ステップST114に移って、判定結果を復調結果と同じACK信号として、これをスケジューラ251に出力する。
【0081】
これに対してステップST112において肯定結果が得られると、このことは、信頼度算出部211において図4について上述したテーブルを用いて得られた信頼度(このとき復調されたACK信号の信頼度)が、信頼するに十分ではないことを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、ステップST113に移って、判定結果を復調結果とは異なるNACK信号として、これをスケジューラ251に出力する。
【0082】
かくして、ACK/NACK判定部212は、復調された信号がACK信号であって、かつ、このACK信号の信頼度が高い場合のみ、復調された信号(すなわち受信した信号)がACK信号であると判定して、その判定結果をスケジューラ251に出力する。従って、ACK/NACK判定部212は、復調された信号がNACK信号である場合、又は復調された信号がACK信号であって、かつ、その信頼度が低い場合には、復調された信号(すなわち受信した信号)がNACK信号であると判定して、その判定結果をスケジューラ251に出力する。
【0083】
このように、基地局装置200では、ACK/NACK判定部212において、受信した信号がNACK信号であれば、その信頼度に関わらずデータの再送を行うことにより、通信端末装置(移動局)に対して、少なくともデータの受信が失敗した可能性がある場合においてデータの再送が行われることとなり、通信端末装置におけるデータの欠落を防止することができる。
【0084】
これに対して、ACK/NACK判定部212において、受信した信号がACK信号である場合には、その信頼度を判定することにより、この復調結果(受信結果)であるACK信号が、受信成功の結果としてのACK信号であるか、又は、受信失敗の結果としてのACK信号であるかを判断する。すなわち、受信成功の結果としてのACK信号であれば、スケジューラ251は、そのACK信号に基づいて、データの再送を行わずに次ぎのデータを送信することができる。これに対して、受信失敗の結果としてのACK信号であれば、このACK信号に基づいてデータの再送を行わないこととすると、通信端末装置において、データの欠落が生じることになるので、この場合には、ACK/NACK判定部212において、このACK信号をNACK信号と判定し、スケジューラ251は、その判定結果に基づいて、データの再送を行うことにより、通信端末装置におけるデータの欠落を防止することができる。
【0085】
かくして、基地局装置200では、信頼度算出部211及びACK/NACK判定部212において、図5に示した処理手順を実行することにより、通信端末装置において、データの欠落が生じないようなスケジューリングを行うことが可能となる。
【0086】
スケジューラ251は、各通信端末装置からのCQI信号及びパケット伝送用制御信号等に基づいてパケットを送信する通信端末装置(以下、「送信先装置」という)を決定し、送信先装置を示す情報をバッファ(Queue)252に出力する。その際、スケジューラ251は、ACK/NACK判定結果として、ACK信号を入力した場合には新しいデータを送信するように、また、ACK/NACK判定結果として、NACK信号を入力した場合には前回送信したデータを再送するようにバッファ252に指示する。また、スケジューラ251は、送信先装置のCQI信号に基づいて変調方式及び符号化率を決定し、変調部253に指示する。また、スケジューラ251は、パケットデータの送信電力を決定する際に参照となる信号を送信電力制御部254に出力する。なお、本発明においてはパケットデータの送信電力制御方法に制限はなく、パケットデータの送信電力制御を行わなくとも良い。また、スケジューラ251は、HS−SCCHによって送信先装置に送信する信号(以下、「HS−SCCH用信号」という)を増幅部261に出力する。HS−SCCH用信号には、パケットデータを送信するタイミング、パケットデータの符号化率及び変調方式等を示す情報(TFRI)が含まれる。
【0087】
バッファ252は、スケジューラ251に指示された送信先装置に対するパケットデータを変調部253に出力する。
【0088】
変調部253は、スケジューラ251の指示に従ってパケットデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部255に出力する。
【0089】
送信電力制御部254は、増幅部255の増幅量を制御することにより、変調部253の出力信号の送信電力を制御する。増幅部255の出力信号は、HS−PDSCHで送信される信号であって、多重部265に出力される。
【0090】
多重部256は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、各通信端末装置に送信する個別データ(制御信号も含む)にパイロット信号及びUL用TPCコマンドを多重して変調部257に出力する。
【0091】
変調部257は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、多重部256の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部259に出力する。
【0092】
送信電力制御部258は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、DL用TPCコマンドに従って増幅部259の増幅量を制御することにより、変調部257の出力信号の送信電力を制御する。また、送信電力制御部258は、送信電力値を示す信号を送信電力制御部260に出力する。増幅部259にて増幅された信号は、DPCH(A−DPCHを含む)で送信される信号であって、多重部265に出力される。
【0093】
送信電力制御部260は、送信電力制御部258の送信電力値にオフセットをつけた値で増幅部261の増幅量を制御することにより、スケジューラ251から出力されたHS−SCCH用信号の送信電力を制御する。増幅部261にて増幅された信号は、HS−SCCHで送信される信号であって、多重部265に出力される。なお、送信電力制御部260は、再送状態等によりオフセット値を補正してもよい。
【0094】
変調部262は、共通制御データに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部264に出力する。送信電力制御部263は、増幅部264の増幅量を制御することにより、変調部262の出力信号の送信電力を制御する。増幅部264の出力信号は、CPICH等で送信される信号であって、多重部265に出力される。
【0095】
多重部265は、増幅部255、増幅部259、増幅部261及び増幅部264の各出力信号を多重し、送信RF部266に出力する。
【0096】
送信RF部266は、多重部265から出力されたベースバンドのディジタル信号を無線周波数の信号に変換して共用器202に出力する。
【0097】
次に、通信端末装置300の構成について図6のブロック図を用いて説明する。通信端末装置300は、基地局装置200から個別データ、共通制御データ、パケットデータ、HS−SCCH用信号を受信する。
【0098】
共用器302は、アンテナ301に受信された信号を受信RF部303に出力する。また、共用器302は、送信RF部358から出力された信号をアンテナ301から無線送信する。
【0099】
受信RF部303は、共用器302から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、HS−PDSCHの信号をバッファ304に出力し、HS−SCCH用信号を復調部305に出力し、DPCHの信号を復調部308に出力し、共通制御チャネルの信号をCIR(Carrier to Interference Ratio)測定部313にする。
【0100】
バッファ304は、HS−PDSCHの信号を一時的に保存して復調部306に出力する。
【0101】
復調部305は、HS−SCCH用信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、自局宛パケットデータの到来タイミング、当該パケットデータの符号化率及び変調方式等、パケットデータの復調に必要な情報を取得して復調部306に出力する。
【0102】
復調部306は、復調部305にて取得された情報に基づいてバッファに保存されているHS−PDSCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、復調処理によって得られたパケットデータを誤り検出部307に出力する。
【0103】
誤り検出部307は、復調部306から出力されたパケットデータに対して誤り検出を行い、誤りが検出されなかった場合にはACK信号を、誤りが検出されなかった場合にはNACK信号を多重部351に出力する。
【0104】
復調部308は、DPCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部309に出力する。
【0105】
分離部309は、復調部308の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部309にて分離された制御信号には、UL用TPCコマンド、TPC生成方法信号等が含まれる。UL用TPCコマンドは送信電力制御部357に出力され、TPC生成方法信号はSIR選択部311に出力される。
【0106】
SIR測定部310は、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって下り回線の受信SIRを、接続する基地局装置毎に測定し、測定した全ての受信SIRをSIR選択部311に出力する。
【0107】
SIR選択部311は、TPC生成方法信号が合成値基準のTPCコマンド生成方法を示す場合、受信SIRの合成値をTPCコマンド生成部312に出力する。一方、SIR選択部311は、TPC生成方法信号がプライマリ基準のTPCコマンド生成方法を示す場合、プライマリ基地局装置から送信された信号の受信SIRのみをTPCコマンド生成部312に出力する。
【0108】
TPCコマンド生成部312は、SIR選択部311から出力された受信SIRと目標SIRとの大小関係によりDL用TPCコマンドを生成し、多重部354に出力する。
【0109】
CIR測定部313は、プライマリ基地局装置からの共通制御チャネルの信号を用いてCIRを測定し、測定結果をCQI生成部314に出力する。CQI生成部314は、プライマリ基地局装置から送信された信号のCIRに基づくCQI信号を生成して多重部351に出力する。
【0110】
受信電力測定部315は、プライマリ基地局装置以外の周辺基地局装置からの共通制御チャネルの受信電力を示す受信電力を測定して、受信電力信号を多重部351に出力する。
【0111】
多重部351は、CQI信号、受信電力信号及びACK/NACK信号を多重して変調部352に出力する。変調部352は、多重部351の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部356に出力する。
【0112】
変調部353は、基地局装置200に送信するデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部356に出力する。
【0113】
多重部354は、DL用TPCコマンド、パイロット信号を多重して変調部355に出力する。変調部355は、多重部354の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部356に出力する。
【0114】
多重部356は、変調部352、変調部353及び変調部355の各出力信号を多重し、送信RF部358に出力する。この多重化では、ACK/NACK信号とパイロット信号とで異なる拡散符号を用いることで、コード多重を行う。
【0115】
送信電力制御部357は、UL用TPCコマンドに従って送信RF部358の増幅量を制御することにより、多重部356の出力信号の送信電力を制御する。なお、複数の基地局装置と接続している場合、送信電力制御部357は、全てのUL用TPCコマンドが送信電力の上昇を指示する場合のみ送信電力を上昇させる制御を行う。
【0116】
送信RF部358は、多重部356から出力されたベースバンドのディジタル信号を増幅し、無線周波数の信号に変換して共用器302に出力する。
【0117】
以上の構成において、基地局装置200は、通信端末装置(移動局)から送信されたACK信号又はNACK信号に基づいて、データの再送信を行うか否かを判断する。
【0118】
すなわち、基地局装置200は、受信した信号がACK信号であると判断した場合には、データの再送は行わず、次のデータを送信することとなっている。従って、このACK信号が受信されたと判断された場合、その信頼度によっては通信端末装置においてデータが欠落する可能性がある。
【0119】
そこで、本実施の形態の基地局装置200では、この受信したACK信号の信頼度を基に、当該ACK信号をそのままACK信号と判定して次のデータの送信に移行するか、又はNACK信号と判定してデータの再送信を行うかを決定している。
【0120】
これにより、元々通信端末装置から出力された信号がNACK信号であって、これを基地局装置200がACK信号を受信したものと誤受信した場合であっても、その信頼度に基づいて、NACK信号を受信したものと判定することができる。すなわち、SIRが劣化した場合に誤受信が発生するものと考え、このSIRを信頼度として求めて、この信頼度に基づいて誤受信の有無を判定する。
【0121】
因みに、図7は基地局装置200及び通信端末装置(移動局装置)300の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。この図7に示すように、データ♯1の受信に成功した通信端末装置300から基地局装置200に対して、ACK信号による受信成功報告が送信されると、基地局装置200は、このACK信号の信頼度に基づいて、そのACK信号が真のACK信号であるか、又はNACK信号を誤受信した結果であるかを判定する。
【0122】
この場合、通信端末装置300は実際にACK信号を送信していることにより、信頼度も所定の閾値よりも高くなっており、基地局装置200ではこのACK信号を信頼できるものと判定し、ACK信号を受信したものとして、データ♯1に続くデータ♯2を送信する。
【0123】
また、通信端末装置300において、このデータ♯2の受信に失敗すると、通信端末装置300は、NACK信号による受信失敗報告が送信される。基地局装置200において、このNACK信号の受信に失敗すると、基地局装置200では、復調された受信信号をACK信号を誤判断するが、この場合には、そのSIRが低くなっているのが一般的であり、基地局装置200は、当該受信信号の信頼度に基づいて、ACK信号として受信された信号をNACK信号として判定する。
【0124】
これにより、基地局装置200は、ACK信号を受信したものと誤判断した場合であっても、その信号の信頼度に基づいて、NACK信号を受信したものと判定することにより、本来再送すべきデータ♯2の再送を確実に行うことができる。これにより、通信端末装置300において、一度受信に失敗したデータ♯2の再送を受けることができ、データの欠落が発生することを防止することができる。
【0125】
このように、本実施の形態の基地局装置200によれば、受信したACK信号の信頼度が低い場合には、その信号をNACK信号と判定し、データを再送することにより、通信端末装置におけるデータの欠落を防止して、伝送効率の低下を防ぐことができる。
【0126】
なお、上述の実施の形態においては、ACK/NACK判定部212において予め用意されるテーブルとして、図4について上述したものを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図8に示すように、測定されたSIRの値(SIRmes)に対して、理想的な測定SIRの値よりも、固定値である幅(A[dB])だけ低くした値を入力SIR(実際のSIR)として求めるようにしてもよく、また、この図8に示す算出方法と図4について上述した算出方法を併用するようにしてもよい。
【0127】
また、上述の実施の形態においては、ACK/NACK判定部212における判定閾値を固定(図4に示したSIRworst又は図8に示したSIRmes−A)とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、可変としてもよい。
【0128】
すなわち、図3との対応部分に同一符号を付して示す図9は、判定閾値を可変とした場合の基地局装置200の構成を示すブロック図である。この図9に示すように、基地局装置200は、スケジューラ251において決定された再送情報を閾値決定部220に出力する。閾値決定部220は、上位レイヤで再送が発生すると、通信端末装置300において受信の失敗すなわちデータの欠落が発生している状況であると判断して、閾値を大きくしてACKと判定する基準を厳しくする。
【0129】
これに対して、上位レイヤで再送が発生していない状態では、閾値を小さくしてACKと判定する基準を緩くする。
【0130】
この閾値決定処理手順を図10に示す。図10は閾値決定部220における閾値決定処理手順を示すフローチャートである。この図10において、閾値決定部220は、ステップST121において、ある時間内に上位レイヤ(スケジューラの決定結果等)においてデータの再送が発生したか否かを判断する。
【0131】
ここで肯定結果が得られると、このことは、上位レイヤでデータの再送が発生していること、すなわち、通信端末装置300から送信される信号がNACK信号であるにも関わらずACK信号と誤受信する可能性が高くなっていることを意味しており、このとき閾値決定部220は、ステップST122に移って、ACK/NACK判定部212における信頼度の閾値(図4に示したSIRworst又は図8に示したSIRmes−A)を大きくする。
【0132】
これにより、ACK信号として受信された信号をそのままACK信号として判定する際の基準が厳しくなる。
【0133】
これに対して、ステップST121において否定結果が得られると、このことは、データの再送が発生していないこと、すなわち、通信端末装置300から送信される信号がACK信号である可能性が高くなっていることを意味しており、このとき閾値決定部220は、ステップST123に移って、ACK/NACK判定部212における信頼度の閾値(図4に示したSIRworst又は図8に示したSIRmes−A)を小さくする。
【0134】
これにより、ACK信号として受信された信号をそのままACK信号として判定する際の基準が緩くなる。
【0135】
このように、図9及び図10の構成によれば、通信端末装置300からNACK信号が送信される可能性が高い場合には、基地局装置200において受信された信号がACK信号であると判定されるための基準が厳しくなることにより、NACK信号が誤受信によってACK信号と判定されることを一段と厳しく回避することができる。
【0136】
また、上述の実施の形態においては、信頼度としてSIRを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばSNR(Signal to Noise power Ratio)、SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)又はCIR(Carrier Interference Ratio)等を用いるようにしてもよい。この場合、図3について上述した基地局装置200のSIR測定部206において、受信SINRを測定し、この結果から干渉成分を差し引いた結果に基づいてSNRを求めることができる。また、CIRについては、受信RF部203(図3)から出力される復調前の信号を用いて測定する。また、信頼度を求める場合、短時間(2[ms])の受信信号を基に求めると、求められた信頼度にばらつきが生じることとなる。従って、このばらつきを解消するための対策として、図4又は図8について上述した、最悪値マージン又は固定オフセットを信頼度に加える方法に加えて、ACK信号又はNACK信号の受信回数分の信頼度の平均を用いる方法、上り回線の個別物理制御チャネル(UL−DPCCH)のSIRと平均したものを信頼度とする方法、等を用いることができる。
【0137】
また、上述の実施の形態においては、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定する方法として、ACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いる場合について述べたが、この場合、1つの受信シンボルから信頼度を求める方法に限らず、複数回測定されたACK信号又はNACK信号の各受信シンボルに基づいて信頼度を求めるようにしてもよい。
【0138】
また、上述の実施の形態においては、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定する方法として、ACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コード多重または時間多重された、通信端末装置からのパイロット信号に対応する受信シンボルに基づいて、信頼度を求めるようにしてもよい。この場合、1つの受信シンボルから信頼度を求める方法に限らず、複数回測定されたパイロット信号の各受信シンボルに基づいて信頼度を求めるようにしてもよい。因みに、図6について上述した通信端末装置300では、多重部356において、ACK/NACK信号とパイロット信号とで異なる拡散符号を用いた拡散処理を行うことにより、ACK/NACK信号にパイロット信号をコード多重するようにしたが、これに代え、パイロット信号をACK/NACK信号に時間多重するようにしてもよい。この場合、図6において、多重部351にACK/NACK信号及びパイロット信号を入力し、この多重部351においてこれらを時間多重する。
【0139】
また、上述の実施の形態においては、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定する方法として、ACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上記ACK信号又はNACK信号から求めた信頼度と、上記パイロット信号から求めた信頼度とを、ACK信号又はNACK信号とパイロット信号の電力オフセットを考慮して平均した値を用いることにより、ACK信号又はNACK信号と、パイロット信号の両方を用いて信頼度を求めるようにしてもよい。
【0140】
また、上述の実施の形態においては、便宜上、W−CDMAシステムに使用されるチャネルの名称を使用しているが、本発明は、W−CDMAシステムに限らず、下り回線でパケット伝送を行う他システムにも適用することができる。
【0141】
また、上述の実施の形態においては、本発明を基地局装置に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は通信を行う装置に広く適用することができる。また、この場合、通信の方法としては、無線通信に限らず、有線通信を行うものであってもよい。
【0142】
また、上述の実施の形態においては、ACK信号が受信された場合においてのみ、その信頼度に基づくACK/NACK判定を行う場合(図5)について述べたが、本発明はこれに限らず、NACK信号が受信された場合においてもその信頼度に基づく判定を行うようにしてもよい。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信装置において、肯定応答信号(ACK信号)の信頼度に基づいて、データの再送を決定することにより、否定応答信号(NACK信号)を肯定応答信号(ACK信号)と誤受信した場合において、通信装置からデータの再送が行われないという不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成図
【図2】上記実施の形態に係る制御局装置の構成を示すブロック図
【図3】上記実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図4】信頼度算出方法の説明に供する略線図
【図5】ACK/NACK判定処理手順を示すフローチャート
【図6】上記実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図7】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【図8】他の実施の形態による信頼度算出方法の説明に供する略線図
【図9】他の実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図10】他の実施の形態に係る閾値決定処理手順を示すフローチャート
【図11】従来の基地局装置の構成を示すブロック図
【図12】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【図13】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【図14】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
103 ハンドオーバ制御部
104 TPC生成方法選択部
200 基地局装置
206 SIR測定部
211 信頼度算出部
212 ACK/NACK判定部
251 スケジューラ
252 バッファ
253、257、262 変調部
254、258、260、263 送信電力制御部
255、259、261、264 増幅部
256、265 多重部
300 通信端末装置
304 バッファ
305、306、308 復調部
307 誤り検出部
310 SIR測定部
311 SIR選択部
312 TPCコマンド生成部
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、下り回線で高速パケット伝送を行う無線通信システムに使用される通信装置及びデータの再送制御方法に適用するに好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば無線通信システムの分野において、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置(移動局)が共有し、下り回線で高速パケット伝送を行うHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)等が提案されている。HSDPA等の高速パケット伝送方式では、スロット等の時間単位又は拡散符号を用いた多重化を行う。個々の通信端末装置が基地局装置からの下り回線の伝搬路の状態を観測し、その観測結果を基地局装置に対して報告する。
【0003】
基地局装置は、通信端末装置からのその伝搬路状態の報告(HSDPAではCQI(Channel Quality Indicator)信号に相当する)に基づいて、状態のよい通信端末装置を選択し、送信するスケジューリング技術、伝搬路の状態に応じて適応的に変調方式及び誤り訂正符号(MCS:Modulation and Coding Scheme)を変更する適応変調技術等、伝送効率を高める技術が用いられている。
【0004】
基地局装置は、スケジューリング及び適応変調を行いながら各通信端末装置に対する送信を行う。通信端末装置は、受信データの受信品質が満足される場合には、受信成功を意味するACK(ACKnowledgment)信号(肯定応答信号)を基地局装置に対して送信する。また、これに対して、受信データの受信品質が満足されなかった場合には、受信失敗を意味するNACK(Negative ACKnowledgment)信号(否定応答信号)を基地局装置に対して送信する。
【0005】
基地局装置は、NACK信号を受信すると、同じデータを再送信するようにスケジューリングを行う。このように、ACK信号及びNACK信号は、基地局装置が通信端末装置に対してデータを再送するか否かを決定する重要な情報となっている。
【0006】
ここで、従来の基地局装置の構成を図11に示す。すなわち、図11は、従来の基地局装置の構成を示すブロック図であり、この基地局装置10は、アンテナ11を介して受信された受信信号を、共用器12を介して受信RF(Radio Frequency)部13に受ける。
【0007】
受信RF部13は、無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、これを逆拡散部14に供給する。逆拡散部14、RAKE合成部15及び復調部16は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、受信RF部13から供給される受信ベースバンド信号に対して逆拡散処理、RAKE合成処理及び誤り訂正復号処理等の復調処理を順次施すことにより、各通信端末装置(ユーザ)ごとの復調データを得る。
【0008】
この復調データは、送信先決定部51及び変調方式決定部52にそれぞれ供給される。送信先決定部51は、復調部16から供給された信号がACK信号又はNACK信号のいずれであるかに基づいて、同じデータを再送信するか否かを判断する。
【0009】
すなわち、復調部16から供給された信号がNACK信号である場合、このことは、このNACK信号の送信元の通信端末装置において、受信の失敗があったことを意味しており、送信先決定部51は、このNACK信号に基づいて、対応する通信端末装置に対して、先に送信したデータ(♯i)を再送信することを決定する。
【0010】
これに対して、復調部16から供給された信号がACK信号である場合、このことは、このACK信号の送信もとの通信端末装置において、受信を成功したことを意味しており、送信先決定部51は、このACK信号に基づいて、対応する通信端末装置に対して、次のデータ(♯i+1)を送信することを決定する。
【0011】
このようにして送信先決定部51において決定された送信先の通信端末装置を表す情報及び送信データを特定する情報は、データ選択部53に供給される。データ選択部53は、各通信端末装置に対する送信データを選択する。
【0012】
また、変調方式決定部52は、復調部16から供給される下り回線状況報告情報としてのCQI信号に基づいて、符号化率及び変調方式を決定し、その決定結果を符号化部54及び適応変調部55に供給する。
【0013】
符号化部54は、変調方式決定部52から供給された符号化率を表す情報に基づく符号化率によって、送信データを符号化する。また、適応変調部55は、符号化部54から供給された符号化データ(パケットデータ)に対して、変調方式決定部52によって決定された変調方式を用いて変調を行う。変調方式としては、QPSK(Quaternary Phase Shift Keying)、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM等の方式のなかから選択決定される。
【0014】
これにより、符号化部54及び適応変調部55において、CQI信号に基づく符号化及び変調が行われる。
【0015】
適応変調部55において変調されたデータは、拡散部56において拡散処理された後、多重部57に供給される。多重部57は、各通信端末装置に送信する個別データを多重し、これを送信RF部58に供給する。送信RF部58は、多重部57から供給されたベースバンドのディジタル信号を無線周波数の信号に変換し、これを共用器12及びアンテナ11を介して送信する。
【0016】
このように、従来の基地局装置10では、各通信端末装置から送信される、ACK信号又はNACK信号に基づいて、データ再送の判断を行うようになされている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通信端末装置(移動局:MS)は、基地局装置10からデータを誤りなく受信できたか否かを基地局装置10に対してACK信号又はNACK信号によって報告するようになされている。しかしながら、あるデータ♯iの受信が失敗したことを表すNACK信号を通信端末装置が基地局装置10に対して送信したにも関わらず、基地局装置10において、このNACK信号をACK信号として誤受信した場合には、この基地局装置10は、データ♯iについては、通信端末装置において受信が成功したと判断し、このデータ♯iに続くデータ♯i+1の送信処理に移ることとなる。
【0018】
従って、通信端末装置では、データ♯iの受信に失敗したにもかかわらず、基地局装置10において、このデータ♯iに続くデータ♯i+1の送信処理に移行することとなって、通信端末装置では、受信に失敗したデータ♯iが欠落する結果となる問題があった。
【0019】
すなわち、図12は、基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。この図12では、通信端末装置(移動局装置)から基地局装置に対して送信されたACK信号及びNACK信号のいずれをも、基地局装置において正しく受信した場合を示す。
【0020】
この図12に示すように、通信端末装置(移動局装置)から基地局装置に対して、下り回線伝送路品質報告(CQI)が送信されると、基地局装置は、このCQI信号に基づく符号化率及び変調方式によって、データ♯1〜♯Nを送信する処理に入る。
【0021】
そしてこの処理において、基地局装置は、まず、HS−SCCH(Shared Control Channel of HS−PDSCH)によって通信端末装置(移動局)やMCSを指定する。因みに、HS−SCCHは、下り方向の共有チャネルであり、リソース割り当てに関する情報(TFRI:Transport−format and Resource related Information)、H−ARQ(Hybrid−Automatic Repeat Request)制御に関する情報等が伝送される。
【0022】
続いて、基地局装置は、HS−PDSCH(High Speed − Physical DownlinkShared Channel)によってデータ♯1を送信する。因みに、HS−PDSCHは、パケットの伝送に使用される下り方向の共有チャネルである。通信端末装置は、データ♯1の受信に成功すると、ACK信号を送信することによって、受信成功報告を基地局装置に対して行う。
【0023】
通信端末装置からのACK信号の受信に成功した基地局装置は、これに続いて、データ♯2の送信を、データ♯1の場合と同様にして行う。そして、通信端末装置が、このデータ♯2の受信に失敗した場合、当該通信端末装置は、NACK信号を送信することによって、受信失敗報告を基地局装置に対して行う。
【0024】
通信端末装置からのNACK信号の受信に成功した基地局装置は、再度、データ♯2を送信する。このようにして、基地局装置は、通信端末装置から送信されるACK信号又はNACK信号を正しく受信した場合には、その限りにおいて、ACK信号又はNACK信号に応じた処理(次のデータの送信、又はデータの再送信)を行うことができ、データ♯1〜データ♯Nを確実に通信端末装置に受信させることができる。
【0025】
これに対して、図13は、基地局装置において、通信端末装置から送信されたACK信号の受信に失敗し、このACK信号をNACK信号として誤受信した場合の例を示すシーケンス図である。
【0026】
図13に示すように、データ♯2の受信に成功した通信端末装置から、当該成功したことを意味するACK信号が送信されることにより、基地局装置に対して受信成功報告がなされる。そして、基地局装置が、このACK信号の受信に失敗すると、ACK信号をNACK信号として誤受信することとなり、基地局装置は、この受信結果(誤受信の結果)に基づいて、通信端末装置がデータ♯2の受信に失敗したと判断する。
【0027】
そして、基地局装置は、この判断結果に基づいて、データ♯2を再度送信する。この結果、通信端末装置は、ACK信号を送信しているにもかかわらず、同じデータ♯2を再度受信することとなる。このように、基地局装置が、ACK信号の受信に失敗して、ACK信号の受信をNACK信号の受信と誤判断した場合では、同じデータ♯2が再度基地局装置から送信されることとなるが、その後、当該データ♯2の再送の受信に通信端末装置が成功すると、この通信端末装置から、ACK信号が再び送信されることになり、基地局装置が、このACK信号の受信に成功すれば、次のデータ♯3の送信処理に移行することとなり、同じデータ♯2が複数回送信されるだけであって、通信端末装置において、データが欠落するといったデータの復調上、重大な不都合が生じることはない。
【0028】
これに対して、図14は、基地局装置において、通信端末装置から送信されたNACK信号の受信に失敗し、このNACK信号をACK信号として誤受信した場合の例を示すシーケンス図である。
【0029】
図14に示すように、データ♯2の受信に失敗した通信端末装置から、当該失敗したことを意味するNACK信号が送信されることにより、基地局装置に対して受信失敗報告がなされる。そして、基地局装置が、このNACK信号の受信に失敗すると、NACK信号をACK信号として誤受信することとなり、基地局装置は、この受信結果(誤受信の結果)に基づいて、通信端末装置がデータ♯2の受信に成功したと判断する。
【0030】
そして、基地局装置は、この判断結果に基づいて、データ♯2に続くデータ♯3を送信する。この結果、通信端末装置は、NACK信号を送信しているにもかかわらず、受信に失敗したデータ♯2を再度受信することができず、このデータ♯2が欠落した状態となる。このように、基地局装置が、NACK信号の受信に失敗して、NACK信号の受信をACK信号の受信と誤判断した場合では、再送要求があるにもかかわらず、基地局装置からその再送要求のあったデータ♯2が送信されなくなることにより、通信端末装置では、このデータ♯2が欠落した状態となる。このように、通信端末装置にデータの欠落が生じることは、受信データの復調に必要なデータがかけているという重大な不都合が生じることとなる。
【0031】
この点に関して、3GPPにおける標準化では、NACK信号の誤り率が10−4以下(ACK信号の誤り率は10−2以下)を満たすことが要求条件となっている。
【0032】
しかしながら、TSG R1−02−0364, LG Electronics,“On the HS−DPCCH performance with consideration of the channel estimation”によれば、チャネル推定を3スロットとすることで受信性能が改善するものの、移動局(通信端末装置)が30[km/h]で移動した場合には、エラーフロアが生じ、要求されている性能を満たすことが困難になると考えられる。
【0033】
また、単純にACK信号及びNACK信号の復調を行う基地局装置の場合、エラーフロアの分だけ、NACK信号をACK信号と誤判定することになり、スループットの低下は免れない。
【0034】
さらに、今後標準化において改善案が導入されたとしても、劣悪な伝搬路において常に上記要求を満たすことは困難であると考えられる。そして、仮にNACK信号の誤り率が10−4以下という条件を満足した場合であっても、N個すべてのデータが揃わないとデータが復元困難である場合には、N個のデータのうちの1つがNACK信号の誤受信により欠落しても、すべてのデータを再送信する必要が生じ、スループットが大きく劣化するという問題がある。
【0035】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、否定応答信号(NACK信号)の誤受信による受信データの欠落を未然に防止し得る通信装置及びデータの再送制御方法を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
本発明の通信装置は、受信された信号が、通信相手装置におけるデータの受信結果を表す信号である場合に、その信号の信頼度を求める信頼度算出手段と、前記信頼度算出手段の算出結果に基づいて、前記受信された信号が通信相手装置における受信の成功を表す肯定応答信号であるか、又は受信の失敗を表す否定応答信号であるかを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果に基づいて、前記データの再送制御を行う再送制御手段と、を具備する構成を採る。
【0037】
この構成によれば、通信相手の受信結果を表す情報を受信した場合に、この情報の信頼度が低い場合には、その情報の内容を変えることにより、実際に通信相手装置から送信された受信結果を表す情報に基づく処理を行うことができる。
【0038】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記判定手段は、前記受信された信号が、前記肯定応答信号である場合に、前記算出結果に基づく判定を行う構成を採る。
【0039】
この構成によれば、受信された信号が肯定応答信号である場合に、その信頼度に基づく判定を行うことにより、否定応答信号を誤受信した結果としての肯定応答信号であった場合に、データ再送が行われなくなるといった不都合を防止することができる。従って、通信相手装置におけるデータの欠落を回避することができる。
【0040】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記信頼度算出手段は、前記通信相手装置からの上り回線の受信品質を前記信頼度として用いる構成を採る。
【0041】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される肯定応答信号又は否定応答信号に対応した受信シンボルに基づいて求める構成を採る。
【0042】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される前記肯定応答信号又は前記否定応答信号の複数回分に基づいて求める構成を採る。
【0043】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される肯定応答信号又は否定応答信号に多重されたパイロット信号に対応する受信シンボルに基づいて求める構成を採る。
【0044】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信される前記肯定応答又は前記否定応答信号の複数回分に基づいて求める構成を採る。
【0045】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された肯定応答信号又は否定応答信号に対応する受信シンボルと、前記通信相手装置から送信されたパイロット信号に対応する受信シンボルとに基づいて求める構成を採る。
【0046】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記受信品質は、前記肯定応答信号又は前記否定応答信号の複数回分と、前記パイロット信号の複数回分とに基づいて求める構成を採る。
【0047】
これらの構成によれば、実際に測定された受信品質に基づいて、信頼度を求めることができるので、実際に通信相手装置から送信されたものが肯定応答信号であるか又は否定応答信号であるかについて、状況に合った判断をすることができる。また、肯定応答信号又は否定応答信号の複数回分、及び/又はパイロット信号の複数回分に基づいて信頼度を求めることにより、求められた信頼度のばらつきを少なくすることができ、肯定応答信号又は否定応答信号の複数回分と、パイロット信号の複数回分を用いる処理を併用することで、さらに一段とばらつきを少なくすることができるとともに、一層正確な信頼度を求めることが可能となる。
【0048】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記信頼度算出手段は、予めテーブル化された、測定された受信品質の最高値と実際の受信品質を表す値との関係に基づいて、測定された受信品質に対して想定される実際の受信品質の最低値を前記信頼度とする構成を採る。
【0049】
この構成によれば、受信品質が変化することの対策として、信頼できるか否かの判定閾値を、想定し得る範囲で厳しく設定することにより、誤判定を防止することができる。
【0050】
本発明の通信装置は、上記構成において、前記データの再送の有無に基づいて、前記判定手段の判定閾値を変化させる閾値決定手段を具備する構成を採る。
【0051】
この構成によれば、再送が行われた場合には、再び再送が必要となる環境であると仮定して、判定閾値を厳しく設定することにより、状況に合わせた判定を行うことが可能となる。
【0052】
本発明のデータの再送制御方法は、受信された信号が、通信相手装置におけるデータの受信結果を表す信号である場合に、その信号の信頼度を求める信頼度算出ステップと、前記信頼度算出ステップの算出結果に基づいて、前記受信された信号が通信相手装置における受信の成功を表す肯定応答信号であるか、又は受信の失敗を表す否定応答信号であるかを判定する判定ステップと、前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記データの再送制御を行う再送制御ステップと、を具備するようにした。
【0053】
この方法によれば、通信相手の受信結果を表す情報を受信した場合に、この情報の信頼度が低い場合には、その情報の内容を変えることにより、実際に通信相手装置から送信された受信結果を表す情報に基づく処理を行うことができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
本発明の骨子は、基地局装置において受信されたACK信号の信頼度を求め、信頼度が低い場合は、否定応答信号(NACK信号)を肯定応答信号(ACK信号)と誤受信したものとして、データを再送信することである。
【0055】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0056】
図1は、本発明の実施の形態のシステム構成図である。
【0057】
図1において、制御局(RNC)100は、複数の基地局装置(NodeB)200と有線接続し、各基地局装置200は、複数の通信端末装置(UE)300と無線通信を行う。なお、以下の説明では、制御局装置100が2つの基地局装置200と有線接続し、各基地局装置200が3つの通信端末装置300と無線通信を行う場合を想定する。
【0058】
次に、制御局装置100の構成について図2のブロック図を用いて説明する。
【0059】
信号処理部101は、接続する基地局装置の数だけ用意され、通信端末装置300から送信され、基地局装置200にて復号された信号を入力し、この信号をネットワーク網で伝送するに適した状態に処理し、分離部102に出力する。
【0060】
分離部102は、接続する基地局装置の数だけ用意され、信号処理部101の出力信号からデータと制御信号を分離する。データは、ネットワーク網に出力される。分離部102にてデータと分離された制御信号の中には、通信端末装置300が測定した周辺基地局装置の共通制御チャネルの受信電力を示す信号(以下、「受信電力信号」という)等が含まれる。
【0061】
ハンドオーバ制御部103は、受信電力信号に基づいて各通信端末装置についてHO状態にあるか否か、すなわち、セルエッジに存在するか否かを判定し、判定結果を示す信号(以下、「HO端末信号」という)をTPC生成方法選択部104に出力する。
【0062】
TPC生成方法選択部104は、接続する基地局装置の数だけ用意され、HSDPAサービスを受ける通信端末装置であって、かつ、HO状態であるものに対して、プライマリ基地局装置のA−DPCHの受信SIRが目標SIRとなるようにTPCコマンドを生成する方法(以下、「プライマリ基準のTPCコマンド生成方法」という)を選択する。一方、HSDPAサービスを受ける通信端末装置であって、かつ、HO状態にないものに対して、接続する基地局装置のDPCHあるいはA−DPCHの受信SIRの合成値が目標SIRとなるようにTPCコマンドを生成する方法(以下、「合成値基準のTPCコマンド生成方法」という)を選択する。そして、TPC生成方法選択部104は、選択したTPCコマンド生成方法を示す信号(以下、「TPC生成方法信号」という)を多重部(MUX)105に出力する。
【0063】
多重部105は、接続する基地局装置の数だけ用意され、ネットワーク網からの入力信号にTPC生成方法信号を多重して、信号処理部106に出力する。信号処理部106は、接続する基地局装置の数だけ用意され、多重部105の出力信号を基地局装置で伝送するに適した状態に処理し、多重部107に出力する。
【0064】
多重部107は、接続する基地局装置の数だけ用意され、信号処理部106の出力信号にパケット伝送用制御信号及びHS−SCCHのA−DPCHに対する送信電力のオフセット値を示すオフセット信号等を多重して基地局装置200に出力する。
【0065】
次に、本発明に係る通信装置の一例である基地局装置200の構成について図3のブロック図を用いて説明する。基地局装置200は、各端末装置に送信するための個別データ、パケットデータ、パケット伝送用制御信号及びオフセット信号を制御局装置100から入力する。また、基地局装置200は、接続中の通信端末装置から無線送信された信号を受信する。
【0066】
共用器202は、アンテナ201に受信された信号を受信RF部203に出力する。また、共用器202は、送信RF部266から出力された信号をアンテナ201から無線送信する。
【0067】
受信RF部203は、共用器202から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、復調部204に出力する。
【0068】
復調部204は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、受信ベースバンド信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部205に出力する。
【0069】
分離部205は、復調部204の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部205にて分離された制御信号には、DL(Down Link)用TPCコマンド、CQI信号、ACK/NACK信号、受信電力信号等が含まれる。CQI信号及びACK/NACK信号はスケジューラ251に出力され、DL用TPCコマンドは送信電力制御部258に出力され、データ及び受信電力信号は制御局装置100に出力される。
【0070】
SIR測定部206は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定し、SIRを示す信号をTPCコマンド生成部207に出力する。この実施の形態の場合、受信SIRの測定には、受信されたACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いるようになされている。
【0071】
TPCコマンド生成部207は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、上り回線の受信SIRと目標SIRとの大小関係により、上り回線の送信電力の増減を指示するUL(Up Link)用TPCコマンドを生成する。
【0072】
また、SIR測定部206は、測定した上り回線の受信SIR(Signal to Interference Ratio)を、信頼度算出部211に出力する。信頼度算出部211は、SIR測定部206において測定された受信SIRの測定結果(これを測定SIRと呼ぶ)に基づいて、信頼度を求める。
【0073】
この信頼度を求める際に、信頼度算出部211は、予め記憶している入力SIRと測定SIR(最大値)との関係を示すテーブルを用いるようになされている。すなわち、図4は、信頼度算出部211に記憶されている、入力SIRと測定SIR(最大値)との関係を実測値に基づいて表したテーブルである。この図4において、入力SIRとは、実際のSIRを意味し、測定SIRとは測定されたSIRを意味する。
【0074】
この図4に示すように、測定SIRは、測定環境や信号レベルによってばらつきが生じるものであり、例えば、実際のSIR(入力SIR)が同じ値であっても、測定SIRの値は、最大値から最小値までの間でばらつくこととなる。
【0075】
従って、信頼度算出部211に記憶されているテーブルとしては、最大の測定SIRと入力SIRとの関係が用いられる。これにより、測定SIRから当該テーブルを用いて求められる入力SIR(実際のSIR)は、常に最小値(最悪値)となるようになっており、このようにして求められた実際のSIR(入力SIR)は、そのまま信頼度として用いられる。この結果、実際のSIR値よりも大きなSIR値が信頼度として用いられること、すなわち、実際の信頼度よりも高い信頼度が得られることがなくなる。このことは、ACK信号の信頼度として、実際の信頼度よりも高い信頼度が求められることによる弊害(ACK信号の信頼度が低く、これをNACK信号として判定すべきところを、ACK信号として判定してしまうこと)を防止することができる。
【0076】
信頼度算出部211は、このようにして得られた信頼度をACK/NACK判定部212に出力する。ACK/NACK判定部212は、信頼度算出部211から供給された信頼度に基づいて、このとき復調されたACK信号を予め設定されている所定の閾値に基づいて判定する。
【0077】
図5は、ACK/NACK判定部212における判定処理手順を示すフローチャートである。この図5に示すように、ACK/NACK判定部212は、ステップST111において、分離部205から出力される復調結果がACK信号であるか否かを判定する。
【0078】
そして、ステップST111において否定結果が得られると、このことは、復調された信号がNACK信号であることを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、復調されたNACK信号を判定結果としてスケジューラ251に出力する。これにより、復調結果がNACK信号である場合には、そのNACK信号がそのままスケジューラ251に供給される。
【0079】
これに対してステップST111において肯定結果が得られると、このことは、復調された信号がACK信号であることを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、ステップST112に移って、信頼度算出部211において算出された信頼度(すなわち、このとき復調されたACK信号の信頼度)が予め設定されている判定閾値よりも小さいか否かを判断する。
【0080】
このステップST112において否定結果が得られると、このことは、信頼度算出部211において図4について上述したテーブルを用いて得られた信頼度(このとき復調されたACK信号の信頼度)が、信頼するに足りる程度に高いことを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、ステップST114に移って、判定結果を復調結果と同じACK信号として、これをスケジューラ251に出力する。
【0081】
これに対してステップST112において肯定結果が得られると、このことは、信頼度算出部211において図4について上述したテーブルを用いて得られた信頼度(このとき復調されたACK信号の信頼度)が、信頼するに十分ではないことを意味しており、このときACK/NACK判定部212は、ステップST113に移って、判定結果を復調結果とは異なるNACK信号として、これをスケジューラ251に出力する。
【0082】
かくして、ACK/NACK判定部212は、復調された信号がACK信号であって、かつ、このACK信号の信頼度が高い場合のみ、復調された信号(すなわち受信した信号)がACK信号であると判定して、その判定結果をスケジューラ251に出力する。従って、ACK/NACK判定部212は、復調された信号がNACK信号である場合、又は復調された信号がACK信号であって、かつ、その信頼度が低い場合には、復調された信号(すなわち受信した信号)がNACK信号であると判定して、その判定結果をスケジューラ251に出力する。
【0083】
このように、基地局装置200では、ACK/NACK判定部212において、受信した信号がNACK信号であれば、その信頼度に関わらずデータの再送を行うことにより、通信端末装置(移動局)に対して、少なくともデータの受信が失敗した可能性がある場合においてデータの再送が行われることとなり、通信端末装置におけるデータの欠落を防止することができる。
【0084】
これに対して、ACK/NACK判定部212において、受信した信号がACK信号である場合には、その信頼度を判定することにより、この復調結果(受信結果)であるACK信号が、受信成功の結果としてのACK信号であるか、又は、受信失敗の結果としてのACK信号であるかを判断する。すなわち、受信成功の結果としてのACK信号であれば、スケジューラ251は、そのACK信号に基づいて、データの再送を行わずに次ぎのデータを送信することができる。これに対して、受信失敗の結果としてのACK信号であれば、このACK信号に基づいてデータの再送を行わないこととすると、通信端末装置において、データの欠落が生じることになるので、この場合には、ACK/NACK判定部212において、このACK信号をNACK信号と判定し、スケジューラ251は、その判定結果に基づいて、データの再送を行うことにより、通信端末装置におけるデータの欠落を防止することができる。
【0085】
かくして、基地局装置200では、信頼度算出部211及びACK/NACK判定部212において、図5に示した処理手順を実行することにより、通信端末装置において、データの欠落が生じないようなスケジューリングを行うことが可能となる。
【0086】
スケジューラ251は、各通信端末装置からのCQI信号及びパケット伝送用制御信号等に基づいてパケットを送信する通信端末装置(以下、「送信先装置」という)を決定し、送信先装置を示す情報をバッファ(Queue)252に出力する。その際、スケジューラ251は、ACK/NACK判定結果として、ACK信号を入力した場合には新しいデータを送信するように、また、ACK/NACK判定結果として、NACK信号を入力した場合には前回送信したデータを再送するようにバッファ252に指示する。また、スケジューラ251は、送信先装置のCQI信号に基づいて変調方式及び符号化率を決定し、変調部253に指示する。また、スケジューラ251は、パケットデータの送信電力を決定する際に参照となる信号を送信電力制御部254に出力する。なお、本発明においてはパケットデータの送信電力制御方法に制限はなく、パケットデータの送信電力制御を行わなくとも良い。また、スケジューラ251は、HS−SCCHによって送信先装置に送信する信号(以下、「HS−SCCH用信号」という)を増幅部261に出力する。HS−SCCH用信号には、パケットデータを送信するタイミング、パケットデータの符号化率及び変調方式等を示す情報(TFRI)が含まれる。
【0087】
バッファ252は、スケジューラ251に指示された送信先装置に対するパケットデータを変調部253に出力する。
【0088】
変調部253は、スケジューラ251の指示に従ってパケットデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部255に出力する。
【0089】
送信電力制御部254は、増幅部255の増幅量を制御することにより、変調部253の出力信号の送信電力を制御する。増幅部255の出力信号は、HS−PDSCHで送信される信号であって、多重部265に出力される。
【0090】
多重部256は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、各通信端末装置に送信する個別データ(制御信号も含む)にパイロット信号及びUL用TPCコマンドを多重して変調部257に出力する。
【0091】
変調部257は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、多重部256の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部259に出力する。
【0092】
送信電力制御部258は、無線通信を行う通信端末装置の数だけ用意され、DL用TPCコマンドに従って増幅部259の増幅量を制御することにより、変調部257の出力信号の送信電力を制御する。また、送信電力制御部258は、送信電力値を示す信号を送信電力制御部260に出力する。増幅部259にて増幅された信号は、DPCH(A−DPCHを含む)で送信される信号であって、多重部265に出力される。
【0093】
送信電力制御部260は、送信電力制御部258の送信電力値にオフセットをつけた値で増幅部261の増幅量を制御することにより、スケジューラ251から出力されたHS−SCCH用信号の送信電力を制御する。増幅部261にて増幅された信号は、HS−SCCHで送信される信号であって、多重部265に出力される。なお、送信電力制御部260は、再送状態等によりオフセット値を補正してもよい。
【0094】
変調部262は、共通制御データに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って増幅部264に出力する。送信電力制御部263は、増幅部264の増幅量を制御することにより、変調部262の出力信号の送信電力を制御する。増幅部264の出力信号は、CPICH等で送信される信号であって、多重部265に出力される。
【0095】
多重部265は、増幅部255、増幅部259、増幅部261及び増幅部264の各出力信号を多重し、送信RF部266に出力する。
【0096】
送信RF部266は、多重部265から出力されたベースバンドのディジタル信号を無線周波数の信号に変換して共用器202に出力する。
【0097】
次に、通信端末装置300の構成について図6のブロック図を用いて説明する。通信端末装置300は、基地局装置200から個別データ、共通制御データ、パケットデータ、HS−SCCH用信号を受信する。
【0098】
共用器302は、アンテナ301に受信された信号を受信RF部303に出力する。また、共用器302は、送信RF部358から出力された信号をアンテナ301から無線送信する。
【0099】
受信RF部303は、共用器302から出力された無線周波数の受信信号をベースバンドのディジタル信号に変換し、HS−PDSCHの信号をバッファ304に出力し、HS−SCCH用信号を復調部305に出力し、DPCHの信号を復調部308に出力し、共通制御チャネルの信号をCIR(Carrier to Interference Ratio)測定部313にする。
【0100】
バッファ304は、HS−PDSCHの信号を一時的に保存して復調部306に出力する。
【0101】
復調部305は、HS−SCCH用信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、自局宛パケットデータの到来タイミング、当該パケットデータの符号化率及び変調方式等、パケットデータの復調に必要な情報を取得して復調部306に出力する。
【0102】
復調部306は、復調部305にて取得された情報に基づいてバッファに保存されているHS−PDSCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、復調処理によって得られたパケットデータを誤り検出部307に出力する。
【0103】
誤り検出部307は、復調部306から出力されたパケットデータに対して誤り検出を行い、誤りが検出されなかった場合にはACK信号を、誤りが検出されなかった場合にはNACK信号を多重部351に出力する。
【0104】
復調部308は、DPCHの信号に対して逆拡散、RAKE合成、誤り訂正復号等の復調処理を行い、分離部309に出力する。
【0105】
分離部309は、復調部308の出力信号をデータと制御信号とに分離する。分離部309にて分離された制御信号には、UL用TPCコマンド、TPC生成方法信号等が含まれる。UL用TPCコマンドは送信電力制御部357に出力され、TPC生成方法信号はSIR選択部311に出力される。
【0106】
SIR測定部310は、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって下り回線の受信SIRを、接続する基地局装置毎に測定し、測定した全ての受信SIRをSIR選択部311に出力する。
【0107】
SIR選択部311は、TPC生成方法信号が合成値基準のTPCコマンド生成方法を示す場合、受信SIRの合成値をTPCコマンド生成部312に出力する。一方、SIR選択部311は、TPC生成方法信号がプライマリ基準のTPCコマンド生成方法を示す場合、プライマリ基地局装置から送信された信号の受信SIRのみをTPCコマンド生成部312に出力する。
【0108】
TPCコマンド生成部312は、SIR選択部311から出力された受信SIRと目標SIRとの大小関係によりDL用TPCコマンドを生成し、多重部354に出力する。
【0109】
CIR測定部313は、プライマリ基地局装置からの共通制御チャネルの信号を用いてCIRを測定し、測定結果をCQI生成部314に出力する。CQI生成部314は、プライマリ基地局装置から送信された信号のCIRに基づくCQI信号を生成して多重部351に出力する。
【0110】
受信電力測定部315は、プライマリ基地局装置以外の周辺基地局装置からの共通制御チャネルの受信電力を示す受信電力を測定して、受信電力信号を多重部351に出力する。
【0111】
多重部351は、CQI信号、受信電力信号及びACK/NACK信号を多重して変調部352に出力する。変調部352は、多重部351の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部356に出力する。
【0112】
変調部353は、基地局装置200に送信するデータに対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部356に出力する。
【0113】
多重部354は、DL用TPCコマンド、パイロット信号を多重して変調部355に出力する。変調部355は、多重部354の出力信号に対して誤り訂正符号化、変調及び拡散を行って多重部356に出力する。
【0114】
多重部356は、変調部352、変調部353及び変調部355の各出力信号を多重し、送信RF部358に出力する。この多重化では、ACK/NACK信号とパイロット信号とで異なる拡散符号を用いることで、コード多重を行う。
【0115】
送信電力制御部357は、UL用TPCコマンドに従って送信RF部358の増幅量を制御することにより、多重部356の出力信号の送信電力を制御する。なお、複数の基地局装置と接続している場合、送信電力制御部357は、全てのUL用TPCコマンドが送信電力の上昇を指示する場合のみ送信電力を上昇させる制御を行う。
【0116】
送信RF部358は、多重部356から出力されたベースバンドのディジタル信号を増幅し、無線周波数の信号に変換して共用器302に出力する。
【0117】
以上の構成において、基地局装置200は、通信端末装置(移動局)から送信されたACK信号又はNACK信号に基づいて、データの再送信を行うか否かを判断する。
【0118】
すなわち、基地局装置200は、受信した信号がACK信号であると判断した場合には、データの再送は行わず、次のデータを送信することとなっている。従って、このACK信号が受信されたと判断された場合、その信頼度によっては通信端末装置においてデータが欠落する可能性がある。
【0119】
そこで、本実施の形態の基地局装置200では、この受信したACK信号の信頼度を基に、当該ACK信号をそのままACK信号と判定して次のデータの送信に移行するか、又はNACK信号と判定してデータの再送信を行うかを決定している。
【0120】
これにより、元々通信端末装置から出力された信号がNACK信号であって、これを基地局装置200がACK信号を受信したものと誤受信した場合であっても、その信頼度に基づいて、NACK信号を受信したものと判定することができる。すなわち、SIRが劣化した場合に誤受信が発生するものと考え、このSIRを信頼度として求めて、この信頼度に基づいて誤受信の有無を判定する。
【0121】
因みに、図7は基地局装置200及び通信端末装置(移動局装置)300の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図である。この図7に示すように、データ♯1の受信に成功した通信端末装置300から基地局装置200に対して、ACK信号による受信成功報告が送信されると、基地局装置200は、このACK信号の信頼度に基づいて、そのACK信号が真のACK信号であるか、又はNACK信号を誤受信した結果であるかを判定する。
【0122】
この場合、通信端末装置300は実際にACK信号を送信していることにより、信頼度も所定の閾値よりも高くなっており、基地局装置200ではこのACK信号を信頼できるものと判定し、ACK信号を受信したものとして、データ♯1に続くデータ♯2を送信する。
【0123】
また、通信端末装置300において、このデータ♯2の受信に失敗すると、通信端末装置300は、NACK信号による受信失敗報告が送信される。基地局装置200において、このNACK信号の受信に失敗すると、基地局装置200では、復調された受信信号をACK信号を誤判断するが、この場合には、そのSIRが低くなっているのが一般的であり、基地局装置200は、当該受信信号の信頼度に基づいて、ACK信号として受信された信号をNACK信号として判定する。
【0124】
これにより、基地局装置200は、ACK信号を受信したものと誤判断した場合であっても、その信号の信頼度に基づいて、NACK信号を受信したものと判定することにより、本来再送すべきデータ♯2の再送を確実に行うことができる。これにより、通信端末装置300において、一度受信に失敗したデータ♯2の再送を受けることができ、データの欠落が発生することを防止することができる。
【0125】
このように、本実施の形態の基地局装置200によれば、受信したACK信号の信頼度が低い場合には、その信号をNACK信号と判定し、データを再送することにより、通信端末装置におけるデータの欠落を防止して、伝送効率の低下を防ぐことができる。
【0126】
なお、上述の実施の形態においては、ACK/NACK判定部212において予め用意されるテーブルとして、図4について上述したものを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば図8に示すように、測定されたSIRの値(SIRmes)に対して、理想的な測定SIRの値よりも、固定値である幅(A[dB])だけ低くした値を入力SIR(実際のSIR)として求めるようにしてもよく、また、この図8に示す算出方法と図4について上述した算出方法を併用するようにしてもよい。
【0127】
また、上述の実施の形態においては、ACK/NACK判定部212における判定閾値を固定(図4に示したSIRworst又は図8に示したSIRmes−A)とした場合について述べたが、本発明はこれに限らず、可変としてもよい。
【0128】
すなわち、図3との対応部分に同一符号を付して示す図9は、判定閾値を可変とした場合の基地局装置200の構成を示すブロック図である。この図9に示すように、基地局装置200は、スケジューラ251において決定された再送情報を閾値決定部220に出力する。閾値決定部220は、上位レイヤで再送が発生すると、通信端末装置300において受信の失敗すなわちデータの欠落が発生している状況であると判断して、閾値を大きくしてACKと判定する基準を厳しくする。
【0129】
これに対して、上位レイヤで再送が発生していない状態では、閾値を小さくしてACKと判定する基準を緩くする。
【0130】
この閾値決定処理手順を図10に示す。図10は閾値決定部220における閾値決定処理手順を示すフローチャートである。この図10において、閾値決定部220は、ステップST121において、ある時間内に上位レイヤ(スケジューラの決定結果等)においてデータの再送が発生したか否かを判断する。
【0131】
ここで肯定結果が得られると、このことは、上位レイヤでデータの再送が発生していること、すなわち、通信端末装置300から送信される信号がNACK信号であるにも関わらずACK信号と誤受信する可能性が高くなっていることを意味しており、このとき閾値決定部220は、ステップST122に移って、ACK/NACK判定部212における信頼度の閾値(図4に示したSIRworst又は図8に示したSIRmes−A)を大きくする。
【0132】
これにより、ACK信号として受信された信号をそのままACK信号として判定する際の基準が厳しくなる。
【0133】
これに対して、ステップST121において否定結果が得られると、このことは、データの再送が発生していないこと、すなわち、通信端末装置300から送信される信号がACK信号である可能性が高くなっていることを意味しており、このとき閾値決定部220は、ステップST123に移って、ACK/NACK判定部212における信頼度の閾値(図4に示したSIRworst又は図8に示したSIRmes−A)を小さくする。
【0134】
これにより、ACK信号として受信された信号をそのままACK信号として判定する際の基準が緩くなる。
【0135】
このように、図9及び図10の構成によれば、通信端末装置300からNACK信号が送信される可能性が高い場合には、基地局装置200において受信された信号がACK信号であると判定されるための基準が厳しくなることにより、NACK信号が誤受信によってACK信号と判定されることを一段と厳しく回避することができる。
【0136】
また、上述の実施の形態においては、信頼度としてSIRを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばSNR(Signal to Noise power Ratio)、SINR(Signal to Interference plus Noise power Ratio)又はCIR(Carrier Interference Ratio)等を用いるようにしてもよい。この場合、図3について上述した基地局装置200のSIR測定部206において、受信SINRを測定し、この結果から干渉成分を差し引いた結果に基づいてSNRを求めることができる。また、CIRについては、受信RF部203(図3)から出力される復調前の信号を用いて測定する。また、信頼度を求める場合、短時間(2[ms])の受信信号を基に求めると、求められた信頼度にばらつきが生じることとなる。従って、このばらつきを解消するための対策として、図4又は図8について上述した、最悪値マージン又は固定オフセットを信頼度に加える方法に加えて、ACK信号又はNACK信号の受信回数分の信頼度の平均を用いる方法、上り回線の個別物理制御チャネル(UL−DPCCH)のSIRと平均したものを信頼度とする方法、等を用いることができる。
【0137】
また、上述の実施の形態においては、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定する方法として、ACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いる場合について述べたが、この場合、1つの受信シンボルから信頼度を求める方法に限らず、複数回測定されたACK信号又はNACK信号の各受信シンボルに基づいて信頼度を求めるようにしてもよい。
【0138】
また、上述の実施の形態においては、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定する方法として、ACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、コード多重または時間多重された、通信端末装置からのパイロット信号に対応する受信シンボルに基づいて、信頼度を求めるようにしてもよい。この場合、1つの受信シンボルから信頼度を求める方法に限らず、複数回測定されたパイロット信号の各受信シンボルに基づいて信頼度を求めるようにしてもよい。因みに、図6について上述した通信端末装置300では、多重部356において、ACK/NACK信号とパイロット信号とで異なる拡散符号を用いた拡散処理を行うことにより、ACK/NACK信号にパイロット信号をコード多重するようにしたが、これに代え、パイロット信号をACK/NACK信号に時間多重するようにしてもよい。この場合、図6において、多重部351にACK/NACK信号及びパイロット信号を入力し、この多重部351においてこれらを時間多重する。
【0139】
また、上述の実施の形態においては、復調の過程で測定される希望波レベル及び干渉波レベルによって上り回線の受信SIRを測定する方法として、ACK/NACK信号に対応した受信シンボルを用いる場合について述べたが、本発明はこれに限らず、上記ACK信号又はNACK信号から求めた信頼度と、上記パイロット信号から求めた信頼度とを、ACK信号又はNACK信号とパイロット信号の電力オフセットを考慮して平均した値を用いることにより、ACK信号又はNACK信号と、パイロット信号の両方を用いて信頼度を求めるようにしてもよい。
【0140】
また、上述の実施の形態においては、便宜上、W−CDMAシステムに使用されるチャネルの名称を使用しているが、本発明は、W−CDMAシステムに限らず、下り回線でパケット伝送を行う他システムにも適用することができる。
【0141】
また、上述の実施の形態においては、本発明を基地局装置に適用する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、要は通信を行う装置に広く適用することができる。また、この場合、通信の方法としては、無線通信に限らず、有線通信を行うものであってもよい。
【0142】
また、上述の実施の形態においては、ACK信号が受信された場合においてのみ、その信頼度に基づくACK/NACK判定を行う場合(図5)について述べたが、本発明はこれに限らず、NACK信号が受信された場合においてもその信頼度に基づく判定を行うようにしてもよい。
【0143】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、通信装置において、肯定応答信号(ACK信号)の信頼度に基づいて、データの再送を決定することにより、否定応答信号(NACK信号)を肯定応答信号(ACK信号)と誤受信した場合において、通信装置からデータの再送が行われないという不都合を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のシステム構成図
【図2】上記実施の形態に係る制御局装置の構成を示すブロック図
【図3】上記実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図4】信頼度算出方法の説明に供する略線図
【図5】ACK/NACK判定処理手順を示すフローチャート
【図6】上記実施の形態に係る通信端末装置の構成を示すブロック図
【図7】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【図8】他の実施の形態による信頼度算出方法の説明に供する略線図
【図9】他の実施の形態に係る基地局装置の構成を示すブロック図
【図10】他の実施の形態に係る閾値決定処理手順を示すフローチャート
【図11】従来の基地局装置の構成を示すブロック図
【図12】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【図13】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【図14】基地局装置及び通信端末装置(移動局装置)の間でのデータの送受信の手順を示すシーケンス図
【符号の説明】
103 ハンドオーバ制御部
104 TPC生成方法選択部
200 基地局装置
206 SIR測定部
211 信頼度算出部
212 ACK/NACK判定部
251 スケジューラ
252 バッファ
253、257、262 変調部
254、258、260、263 送信電力制御部
255、259、261、264 増幅部
256、265 多重部
300 通信端末装置
304 バッファ
305、306、308 復調部
307 誤り検出部
310 SIR測定部
311 SIR選択部
312 TPCコマンド生成部
Claims (12)
- 受信された信号が、通信相手装置におけるデータの受信結果を表す信号である場合に、その信号の信頼度を求める信頼度算出手段と、
前記信頼度算出手段の算出結果に基づいて、前記受信された信号が通信相手装置における受信の成功を表す肯定応答信号であるか、又は受信の失敗を表す否定応答信号であるかを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、前記データの再送制御を行う再送制御手段と、
を具備することを特徴とする通信装置。 - 前記判定手段は、前記受信された信号が、前記肯定応答信号である場合に、前記算出結果に基づく判定を行うことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記信頼度算出手段は、前記通信相手装置からの上り回線の受信品質を前記信頼度として用いることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された肯定応答信号又は否定応答信号に対応した受信シンボルに基づいて求めることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
- 前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された前記肯定応答信号又は前記否定応答信号の複数回分に基づいて求めることを特徴とする請求項4記載の通信装置。
- 前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された肯定応答信号又は否定応答信号に多重されたパイロット信号に対応する受信シンボルに基づいて求めることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
- 前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された前記パイロット信号の複数回分に基づいて求めることを特徴とする請求項6記載の通信装置。
- 前記受信品質は、前記通信相手装置から送信された肯定応答信号又は否定応答信号に対応する受信シンボルと、前記通信相手装置から送信されたパイロット信号に対応する受信シンボルとに基づいて求めることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
- 前記受信品質は、前記肯定応答信号又は前記否定応答信号の複数回分と、前記パイロット信号の複数回分とに基づいて求めることを特徴とする請求項8記載の通信装置。
- 前記信頼度算出手段は、予めテーブル化された、測定された受信品質の最高値と実際の受信品質を表す値との関係に基づいて、測定された受信品質に対して想定される実際の受信品質の最低値を前記信頼度とすることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
- 前記データの再送の有無に基づいて、前記判定手段の判定閾値を変化させる閾値決定手段を具備することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
- 受信された信号が、通信相手装置におけるデータの受信結果を表す信号である場合に、その信号の信頼度を求める信頼度算出ステップと、
前記信頼度算出ステップの算出結果に基づいて、前記受信された信号が通信相手装置における受信の成功を表す肯定応答信号であるか、又は受信の失敗を表す否定応答信号であるかを判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて、前記データの再送制御を行う再送制御ステップと、
を具備することを特徴とするデータの再送制御方法。
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