JP2004063923A - 荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法 - Google Patents

荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レチクルに異物が付着した場合でも、生産性の低下及び製造コストの上昇を抑えることができる荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法を提供する。
【解決手段】荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、 前記レチクルの表面に対向するように配置され、レチクルに付着した異物を静電気力によって吸着する異物吸着部材をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光装置とした。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レチクル上に形成された回路パターンを投影光学系を介してウェハ等の感応基板上に転写する際に好適な荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法に関するものである。特には、レチクルに異物が付着した場合でも、生産性の低下及び製造コストの上昇を抑えることができる荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造においては、より微細な回路パターンを作成するために、光を用いた光縮小投影露光装置に代わって、荷電粒子線(例えば、電子線やイオンビーム等)あるいはX線を利用する新しい露光装置の開発が行われている。このうち、荷電粒子線として電子線を利用した電子線露光装置は、電子線そのものを細く絞ることができるため、微細な形状を有するパターンを作製できるという大きな特徴を有している。
【0003】
従来の電子線露光装置は、電子線を細く絞り、電子線に感度を持つレジストが塗布された半導体基板上を走査して、回路パターンを描画するものであった。しかしながら、回路パターンを一本の電子線で一筆書きしているため、1つのチップを作製するのに描画時間が長くなり、一括して回路パターンを基板上に転写露光する光縮小投影露光装置に比べて、生産性が低いという問題があった。
【0004】
そこで、現在では、光縮小投影露光装置と同様に、予め露光すべき回路パターンを形成したレチクル上に電子線を照射し、そのパターンをウェハ等の感応基板上に縮小投影する技術が開発されつつある。この縮小投影する電子線露光装置では、一度に露光できる面積が大きい(例えば、ウェハ上で0.25mm角程度)ので、従来の一筆書きの露光装置に比べると、生産性は飛躍的に向上する。
【0005】
電子線露光用のレチクルとしては、例えば、厚さ0.1μm程度のメンブレン状のSiNに散乱体(タングステン、金、白金、タンタル等の重金属)で回路パターンを形成したメンブレンレチクルや、厚さ2μm程度のメンブレン状のシリコンやダイヤモンド等に電子線透過部の開口を開けて回路パターンを形成したステンシルレチクルがある。
【0006】
電子線を上記レチクルに照射すると、メンブレンレチクルでは、散乱体で電子線は大きく散乱されるが、散乱体の無いメンブレンのみの領域を通過した電子線はウェハ上に結像されるので、散乱体の配置に応じたパターンが転写される。一方、ステンシルレチクルでは、メンブレンが存在する領域で電子線は散乱され、開口部を通過した電子線はウェハ上に結像されるので、開口部の配置に応じたパターンが転写される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、レチクルを用いて露光を行う場合、メンブレンレチクルではメンブレン上に、ステンシルレチクルでは開口部に電子線を透過しない性質を持つ異物(ごみ)が付着すると、異物によって電子線が遮られてしまい、回路パターンが正しくウェハ上に転写されなくなる。
【0008】
従来の光を用いた露光装置では、透明な樹脂やガラス等で作成される、厚さが数μm程度の薄いフィルム状の保護膜(ペリクル)でレチクルのパターン上面を覆って、パターン面への異物の付着を防止している。異物がペリクル上に付着しても、異物の物面位置がパターン面と異なるため、異物はウェハレジストには結像されない。
【0009】
これに対して、電子線を用いた露光装置において、レチクルにこのようなペリクルを装着して露光すると、電子線がペリクルを通過しにくいため、ウェハレジスト上で十分な電子線強度が得られない。さらに、電子線の焦点深度が深いため、ペリクル上のごみもレジストに結像するため異物除けの効果が期待できない。なお、電子線を透過する薄膜は存在するが、薄膜を直進する際に露光電子線が散乱されるなどして悪影響を受けることがある。このような理由により、結局、電子線露光装置においては、異物の付着防止のためにレチクルを覆うペリクル等の保護膜を設けることができない。そのため、電子線露光装置では、一般に、レチクルに異物が付着しているか検査を行い、レチクルに異物が付着している場合にはレチクルの洗浄を行うか、新しいレチクルに交換している。
【0010】
しかしながら、レチクルの洗浄には液体を用いることが多く、洗浄後の乾燥処理等が必要である。この乾燥処理に要する時間は長いため、生産性が低下してしまうという問題があった。一方、新しいレチクルに交換するためには同一のレチクルを複数用意することが必要になり、製造コストの上昇を招くという問題があった。
【0011】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、レチクルに異物が付着した場合でも、生産性の低下及び製造コストの上昇を抑えることができる荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る荷電粒子線露光装置は、 荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、 前記レチクルの表面に対向するように配置され、レチクルに付着した異物を静電気力によって吸着する異物吸着部材をさらに有することを特徴とする。
【0013】
静電気力を利用してレチクルに付着した異物を異物吸着部材に吸着させ、レチクルから異物を除去しているので、レチクル洗浄に液体を使用しないで済む。そのため、長い時間を要する乾燥処理の工程を行う必要がないので、微細なパターンを有する半導体デバイスや液晶表示素子等の製造工程において生産性の低下を抑えることができる。また、異物が付着したレチクルを新しいレチクルと交換する必要がないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0014】
また、本発明に係る荷電粒子線露光装置は、 荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、 前記レチクルの表面に対向するように配置され、導電性部と誘電体を有する異物吸着部材と、 前記レチクル及び導電性部に電圧を印加する電圧印加手段と、 をさらに有することを特徴とする。
【0015】
レチクル及び導電性部に電圧を印加して、レチクルに異物吸着部材を接近させることにより、レチクルに付着している異物と異物吸着部材との間にお互いに引き合う静電気力が働くことになる。この静電気力を利用してレチクルに付着した異物を異物吸着部材に吸着させ、レチクルから異物を除去しているので、レチクル洗浄に液体を使用しないで済む。そのため、長い時間を要する乾燥処理の工程を行う必要がないので、微細なパターンを有する半導体デバイスや液晶表示素子等の製造工程において生産性の低下を抑えることができる。また、異物が付着したレチクルを新しいレチクルと交換する必要がないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0016】
さらに、本発明に係る荷電粒子線露光装置は、 荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、 前記レチクルに接続されたアース着脱機構と、 前記レチクルの表面に対向するように配置され、導電性を備えた異物吸着部材と、 をさらに有することを特徴とする。
【0017】
アース着脱機構によりレチクルのアース接続を解除した後、レチクルに荷電粒子線を照射すると、照射された荷電粒子はレチクル上に蓄積される。この状態で導電性の異物吸着部材とレチクルを接近させると、異物吸着部材とレチクルに付着している異物との間に電位差が発生し、お互いに引き合う静電気力が働くことになる。この静電気力を利用してレチクルに付着した異物を異物吸着部材に吸着させ、レチクルから異物を除去しているので、レチクル洗浄に液体を使用しないで済む。そのため、長い時間を要する乾燥処理の工程を行う必要がないので、生産性の低下を抑えることができる。また、異物が付着したレチクルを新しいレチクルと交換する必要がないので、製造コストの上昇を抑えることができる。
【0018】
本発明においては、 前記レチクル又は異物吸着部材を走査する走査手段をさらに有することが好ましい。
本発明に係る荷電粒子線露光方法は、 荷電粒子線源から発生する荷電粒子線をレチクルに照射し、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する荷電粒子線露光方法であって、 前記レチクルの表面に対向するように異物吸着部材を配置し、この異物吸着部材とレチクルに付着した異物との間に静電気力を発生させ、異物をレチクルから除去する異物除去工程をさらに有することを特徴とする。
【0019】
本発明においては、 前記異物除去工程は、前記レチクルの表面に対向するように導電性部と誘電体を有する異物吸着部材を配置し、前記レチクル及び導電性部に電圧を印加することが好ましい。
【0020】
また、本発明においては、 前記異物除去工程は、前記レチクルがアースされていない状態でレチクルに荷電粒子線を照射し、前記レチクルの表面に対向するように導電性を備えた異物吸着部材を配置することが好ましい。
【0021】
さらに、本発明においては、 前記異物除去工程は、前記レチクル又は異物吸着部材を走査する工程をさらに有することが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明の実施の形態では、荷電粒子線の一種である電子線を用いる露光を例として説明しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、イオンビーム等を含む全ての荷電粒子線に適用することができる。
【0023】
まず、縮小投影方式の電子線露光装置に用いられるレチクルの詳細例について、図4を参照しつつ説明する。
図4は、電子線露光用のレチクルの構成例を模式的に示す図であり、図4(A)は全体の平面図であり、図4(B)は一部の斜視図であり、図4(C)は1つの小メンブレン領域の平面図である。このようなレチクルは、例えばシリコンウェハに電子線描画、エッチングを行うことにより製作できる。
【0024】
図4(A)に示すように、レチクル4には、全体のパターンが分割して配置されており、多数の正方形41で示されている領域が、1つのサブフィールドに対応したパターン領域を含む小メンブレン領域(厚さ0.1〜数μm程度)である。図4(C)に示すように、この小メンブレン領域41は、中央部のパターン領域(サブフィールド)42と、その周囲の額縁状の非パターン領域(スカート43)とからなる。サブフィールド42は転写すべきパターンの形成された部分である。スカート43はパターンの形成されてない部分であり、照明ビームの縁の部分が当たる。Siステンシルレチクルの場合、パターンは、メンブレンに開口部を設けることで形成される。また、メンブレンレチクルの場合、パターンは、メンブレンに散乱体を設けることで形成される。
【0025】
1つのサブフィールド42は、現在検討されているところでは、レチクル上で0.5〜5mm角程度の大きさを有する。投影の縮小率を1/5とすると、サブフィールドがウェハ上に縮小投影された投影像の大きさは、0.1〜1mm角程度である。小メンブレン領域41の周囲の直交する格子状のマイナーストラットと呼ばれる部分45は、レチクルの機械強度を保つための、例えば、幅0.1mm程度、厚さ0.5〜1mm程度の梁である。なお、スカート43の幅は、例えば0.05mm程度である。
【0026】
図4(A)に示すように、図の横方向(X方向)に多数の小メンブレン領域41が並んで1つのグループ(エレクトリカルストライプ44)をなし、そのようなエレクトリカルストライプ44が図の縦方向(Y方向)に多数並んで1つのメカニカルストライプ49を形成している。エレクトリカルストライプ44の長さ(メカニカルストライプ49の幅)は照明光学系の偏向可能視野の大きさによって制限される。
【0027】
メカニカルストライプ49は、X方向に並列に複数存在し、隣り合うメカニカルストライプ49の間にメジャーストラット47として示されている幅の太い梁は、レチクル全体のたわみを小さく保つためのものである。メジャーストラット47はマイナーストラット45と一体である。
【0028】
次に、本発明の実施の形態に係る電子線露光装置について、図1を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る電子線露光装置の概要構成を示す図である。
【0029】
電子線露光装置13の上部には、電子銃1が配置されており、下方に向けて電子線2を放射する。電子銃1の下方には、コンデンサレンズや電子線偏向器等を含む照明光学系3、レチクル4が配置されている。電子銃1から放射された電子線2は、照明光学系3によって収束、走査(スキャン)され、照明光学系3の視野内にあるレチクル4のサブフィールドの照明が行われる。なお、図面の簡略化のため照明光学系3は一段で示しているが、実際の照明光学系には、数段のレンズ、ビーム成形開口、ビーム偏向器等が設けられている。
【0030】
レチクル4は、レチクルステージ5の上部に設けられたチャックに静電吸着等により固定されている。レチクルステージ5には、レーザ干渉計を用いた位置検出器11が付設されており、レチクルステージ5の位置をリアルタイムで正確に把握することができる。レチクル4は、実際には光軸垂直面内(X−Y面)に広がっており、多数のサブフィールドを有する。レチクル4上には、全体として1個の半導体デバイスチップをなすパターン(チップパターン)が形成されている。もちろん、複数のレチクルに1個の半導体デバイスチップをなすパターンを分割して配置しても良い。
【0031】
レチクル4の下方には、投影レンズ6a、6b、ビーム偏向器、各種補正コイル等を含む投影光学系6が配置されている。投影光学系6の下方には、ウェハ(感応基板)7が配置されている。ウェハ7は、ウェハステージ8の上部に設けられたチャックに静電吸着等により固定されている。なお、ウェハステージ8にも、上述のレチクルステージ5と同様に位置検出器12が装備されている。
【0032】
レチクル4を通過した電子線2は、投影光学系6によって収束、偏向されて、ウェハ7上の所定の位置にレチクル4のパターン像が結像される。そして、上記レチクルステージ5とウェハステージ8とを同期走査することにより、投影光学系の視野を越えて広がるチップパターン内の各部を順次露光することができる。
【0033】
さらに、図1に示す電子線露光装置13では、導電性部(電極)と誘電体を有する異物吸着部材9がレチクル4の表面と向かい合うように配置されている。図ではレチクル4の上面4aに対向するように異物吸着部材9が配置されているが、レチクル4の下面4bに対向するように異物吸着部材9を配置しても良い。さらに、この異物吸着部材9の導電性部及びレチクル4に電圧を印加することができるように、電子線露光装置13には電圧印加手段である電源10が設けられている。
【0034】
続いて、本発明の実施の形態に係る電子線露光装置を用いてレチクルに付着した異物を除去する工程について、図2を参照しつつ説明する。図2は、本発明の実施の形態に係る電子線露光装置のレチクル周辺部を示す概略図である。なお、図2では、図面の簡略化のために図4に示すレチクルの1つのサブフィールドについて示したものであり、ストラット等の図示は省略している。
【0035】
レチクル4の表面(図2では、上面4a)に対向する位置には、導電性部(電極)25と誘電体27を有する異物吸着部材9が配置されている。このとき、異物吸着部材9のうち少なくともレチクル4の上面4aと対向する面9aは誘電体27で構成されている。このような構成とするために、例えば、導電性部25のレチクル4と対向する面に誘電体27をコートしても良いし、導電性部25の全体を誘電体27(厚さ数mm程度)で覆っても良い。導電性部25の材質としては、例えば、銅、アルミニウム、金、タングステン等の導電性を備えた金属が挙げられる。また、誘電体27の材質としては、セラミックスやアクリル樹脂(例えば、アルミナやSiC等)が挙げられる。
【0036】
また、電源10が導電性部25及びレチクル4に接続されている。さらに、異物吸着部材9は駆動機構23に保持されており、異物吸着部材9とレチクル4との間隔を調整したり、レチクル4に対して異物吸着部材9を走査させたりすることができる。
【0037】
この電子線露光装置を用いて露光を行う前に、まず、電子線露光装置の内部又は外部に設けられたレチクル検査機構(不図示)を用いて、レチクル4に異物21が付着しているか検査を行う。レチクル検査機構としては、例えば、レチクルのメンブレン表面あるいはパターン開口部の側壁に付着した異物を検出するためのプローブ光の光源、照射光学系及び検出系を有するものが挙げられる。プローブ光源としては、UV、DUV(Deep Ultraviolet)、EB(電子線)、FIB(収束イオンビーム)等が挙げられる。レチクルのメンブレン表面の異物検出にはUV、DUVが有効であり、レチクルのパターン開口部の側壁に付着した異物の検出には高NAのDUV、EB、FIB等が有効である。また、検出系としては、例えば、レチクルステージに高解像度のCCDカメラを取り付け、レチクルのパターン開口部を透過するEB等を取り込み、画像処理することによりレチクルのパターン開孔の側壁に付着した微細物を検出することもできる。
【0038】
レチクル検査でレチクル4に異物21が付着していると判断された場合には、電源10によりレチクル4及び導電性部25に電圧を印加する。このとき、レチクル4の極性をマイナスにした場合には、導電性部25の極性はプラスになるように制御する。なお、これとは反対に、レチクル4の極性をプラスに、導電性部25の極性をマイナスになるように制御しても良い。次に、電圧が印加された異物吸着部材9を駆動機構23を用いてレチクル4に接近させ、レチクル4の全面を走査する。
【0039】
レチクル4と異物吸着部材9を接近させると、レチクル4と異物吸着部材9との間にお互いに引き合う静電気力が働くことになる。この静電気力は、レチクル4に付着している異物21と異物吸着部材9との間にも働いている。したがって、静電気力が異物21とレチクル4との間の付着力より強くなるように電圧を印加することにより、異物21は異物吸着部材9に引き寄せられてレチクル4から脱離するので、レチクル4から異物21を除去することができる。そして、レチクル4又は異物吸着部材9を走査手段(レチクルステージ5又は駆動機構23)で移動させることによって、レチクル4の全面で静電気力が働くように走査して、レチクル4全面の異物を除去する。レチクル4全面の走査を行う代わりに、レチクル検査時に異物の確認された部位のみについて異物吸着部材9を作用させて、異物を除去するようにしても良い。レチクル4から除去された異物21は異物吸着部材9の表面9aに付着しているので、異物吸着部材9は定期的に交換するか、洗浄を行って再利用することが好ましい。
【0040】
次に、本発明の他の実施の形態に係る電子線露光装置について、図3を参照しつつ説明する。図3は、本発明の他の実施の形態に係る電子線露光装置のレチクル周辺部を示す概略図である。なお、図3では、図面の簡略化のために図4に示すレチクルの1つのサブフィールドについて示したものであり、ストラット等の図示は省略している。また、レチクル周辺部以外は図1に示す電子線露光装置13とほぼ同様である。
【0041】
図3に示す電子線露光装置では、図1に示す電子線露光装置13と同様に、レチクル4の表面と向かい合うように異物吸着部材9が設置されているが、この異物吸着部材9は導電性を備え、アースされて電位は零になっている。なお、異物吸着部材9をアース接続する代わりに、異物吸着部材9の極性がプラスになるように電圧を印加しても良い。また、レチクル4にはアース着脱機構35が接続されている。アース着脱機構35を制御することにより、レチクル4をアースしたり、アース接続を解除することができる。通常の露光時には、レチクル4はアースされて電位は零になっている。
【0042】
レチクル検査でレチクル4に異物31が付着していると判断された場合には、アース着脱機構35によりレチクル4のアース接続を解除した後、レチクル4に電子線37を照射する。レチクル4がアースされていない状態で電子線37がレチクル4に照射されると、照射された電子39はレチクル4の外部に流れることができないので、レチクル4上に電子39が蓄積される。その結果、レチクル4及び異物31はマイナスの電荷で帯電することになる。
【0043】
次に、アースされている異物吸着部材9を駆動機構33を用いてレチクル4に接近させる。レチクル4と異物吸着部材9を接近させると、レチクル4と異物吸着部材9との間に電位差が発生し、お互いに引き合う静電気力が働くことになる。この静電気力は、レチクル4に付着している異物31と異物吸着部材9との間にも働いている。したがって、異物31は異物吸着部材9に引き寄せられてレチクル4から脱離するので、レチクル4から異物31を除去することができる。そして、レチクル4又は異物吸着部材9を走査手段(レチクルステージ5又は駆動機構33)で移動させることによって、レチクル4の全面で静電気力が働くように走査して、レチクル4全面の異物を除去する。レチクル4全面の走査を行う代わりに、レチクル検査時に異物の確認された部位のみについて異物吸着部材9を作用させて、異物を除去するようにしても良い。レチクル4から除去された異物31は異物吸着部材9の表面に付着しているので、異物吸着部材9は定期的に交換するか、洗浄を行って再利用することが好ましい。
【0044】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(実施例1)
本発明の第一の実施例では、図2に示す電子線露光装置を用いてレチクルに付着した異物を除去する例を示す。レチクル4として、厚さ2μmのシリコンメンブレンに0.3μm幅のパターン(開口部)を作製したステンシルレチクルを用いる。このレチクル4には、平均粒径が0.1μmのアルミナ粒子が異物21として付着している。レチクル4に対向する位置に設置された異物吸着部材9の導電性部25として銅製の板を用いている。そして、導電性部25のレチクル4と対向する面には誘電体27(厚さ数μm程度のアルミナ)がコートされている。また、異物吸着部材9はレチクルの表面に対して垂直方向に移動可能なステージ(駆動機構23)に保持されている。
【0045】
レチクル4に付着した異物21を除去する場合、レチクル4と異物吸着部材9の導電性部25を電源10に接続し、10kVの電圧を印加する。このとき、レチクル4の極性がマイナスになるように電圧を印加している。異物吸着部材9を駆動機構23を用いてレチクル4の表面に50μmまで接近させた後、レチクルステージ5を駆動してレチクル4の全面を走査する。以上のようにレチクル4の全面を異物吸着部材9で走査することにより、ステンシルレチクルの表面及びパターン開口部の側壁に付着した異物を除去することができる。
【0046】
(実施例2)
本発明の第二の実施例では、図3に示す電子線露光装置を用いてレチクルに付着した異物を除去する例を示す。レチクル4として、厚さ2μmのシリコンメンブレンに0.4μm幅のパターン(開口部)を作製したステンシルレチクルを用いる。このレチクル4には、平均粒径が0.3μmのSiO粒子が異物31として付着している。異物吸着部材9として銅線を用い、この異物吸着部材9はレチクルの表面に対して垂直方向に移動可能なピエゾアクチュエーター(駆動機構33)に保持されている。
【0047】
レチクル4に付着した異物31を除去する場合、アース着脱機構35によりレチクル4のアース接続を解除する。次に、レチクル4に電子線37(加速電圧は100kV)を照射する。これにより、レチクル4及び異物31はチャージアップすることになる。そして、アースされている異物吸着部材9を駆動機構33を用いてレチクル4の表面に10μmまで接近させた後、レチクルステージ5を駆動してレチクル4の全面を走査する。以上のようにレチクル4の全面を異物吸着部材9で走査することにより、ステンシルレチクルの表面及びパターン開口部の側壁に付着した異物を除去することができる。
【0048】
以上、本発明の実施の形態に係る荷電粒子線露光装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、様々な変更を加えることができる。
例えば、本発明の実施の形態では、レチクル4の表面のうち一面(上面4a)のみに向かい合うように異物吸着部材9が設置されているが、レチクル4の表面の二面(上面4a及び下面4b)それぞれに向かい合うように複数の異物吸着部材9を設置しても良い。異物はレチクルの両面に付着する可能性があるので、上面の異物を除去した後に下面の異物も除去する必要がある。複数の異物吸着部材9を設置し、レチクル4の両面を同時に走査することにより、異物除去に要する時間を短縮することができる。
【0049】
また、本発明の実施の形態では、回路パターンとして電子線透過部の開口を設けたステンシルレチクルを用いているが、メンブレンに散乱体を設けたメンブレンレチクルを用いても良い。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の荷電粒子線露光装置及び荷電粒子線露光方法によれば、レチクルに付着した異物を静電気力を利用して除去している。そのため、レチクル洗浄に液体を使用しないで済むので、長い時間を要する乾燥処理の工程を行う必要がない。その結果、微細なパターンを有する半導体デバイスや液晶表示素子等の製造工程において生産性の低下を抑えることができる。また、異物が付着したレチクルを洗浄して再利用することができるので、新しいレチクルと交換する必要がない。そのため、同一のレチクルを複数用意しないで済むので、製造コストの上昇を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る電子線露光装置の概要構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る電子線露光装置のレチクル周辺部を示す概略図である。
【図3】本発明の他の実施の形態に係る電子線露光装置のレチクル周辺部を示す概略図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る電子線露光装置用のレチクルの構成例を模式的に示す図であり、図4(A)は全体の平面図であり、図4(B)は一部の斜視図であり、図4(C)は1つの小メンブレン領域の平面図である。
【符号の説明】
1・・・電子銃            2・・・電子線
3・・・照明光学系          4・・・レチクル
5・・・レチクルステージ       6・・・投影光学系
6a、6b・・・投影レンズ      7・・・ウェハ(感応基板)
8・・・ウェハステージ        9・・・異物吸着部材
10・・・電源(電圧印加手段)    11、12・・・位置検出器
13・・・電子線露光装置       21・・・異物
23・・・駆動機構          25・・・導電性部
27・・・誘電体           31・・・異物
33・・・駆動機構          35・・・アース着脱機構
37・・・電子線           39・・・照射された電子
41・・・小メンブレン領域
42・・・パターン領域(サブフィールド)
43・・・非パターン領域(スカート)
44・・・エレクトリカルストライプ  45・・・マイナーストラット
47・・・メジャーストラット     49・・・メカニカルストライプ

Claims (8)

  1. 荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、
    前記レチクルの表面に対向するように配置され、レチクルに付着した異物を静電気力によって吸着する異物吸着部材をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  2. 荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、
    前記レチクルの表面に対向するように配置され、導電性部と誘電体を有する異物吸着部材と、
    前記レチクル及び導電性部に電圧を印加する電圧印加手段と、
    をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  3. 荷電粒子線源と、前記荷電粒子線源からの荷電粒子線をレチクルに照射する照明光学系と、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する投影光学系と、を有する荷電粒子線露光装置であって、
    前記レチクルに接続されたアース着脱機構と、
    前記レチクルの表面に対向するように配置され、導電性を備えた異物吸着部材と、
    をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の荷電粒子線露光装置であって、
    前記レチクル又は異物吸着部材を走査する走査手段をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光装置。
  5. 荷電粒子線源から発生する荷電粒子線をレチクルに照射し、前記レチクルに形成されたパターンを感応基板上に投影結像する荷電粒子線露光方法であって、
    前記レチクルの表面に対向するように異物吸着部材を配置し、この異物吸着部材とレチクルに付着した異物との間に静電気力を発生させ、異物をレチクルから除去する異物除去工程をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光方法。
  6. 請求項5に記載の荷電粒子線露光方法であって、
    前記異物除去工程は、前記レチクルの表面に対向するように導電性部と誘電体を有する異物吸着部材を配置し、前記レチクル及び導電性部に電圧を印加することを特徴とする荷電粒子線露光方法。
  7. 請求項5に記載の荷電粒子線露光方法であって、
    前記異物除去工程は、前記レチクルがアースされていない状態でレチクルに荷電粒子線を照射し、前記レチクルの表面に対向するように導電性を備えた異物吸着部材を配置することを特徴とする荷電粒子線露光方法。
  8. 請求項5乃至7のいずれかに記載の荷電粒子線露光方法であって、
    前記異物除去工程は、前記レチクル又は異物吸着部材を走査する工程をさらに有することを特徴とする荷電粒子線露光方法。
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