JP2009246046A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光光の透過率を維持しつつ、装置内の光学素子の汚染を効果的に防止することができる露光装置を提供する。
【解決手段】本発明は、真空環境下でレチクル6上に形成された回路パターンをウエハ9上に露光するEUV露光装置700であって、EUV露光装置700の内部を複数の領域に分離する複数の真空チャンバ1〜5と、並列した複数のワイヤ電極で構成されるワイヤ電極列30とを有し、ワイヤ電極列30は、隣り合う真空チャンバの境界に設けられた露光光通過用の開口部25〜28に配置され、第1の位相の交流電圧Vaが印加される第1のワイヤ電極群と第1の位相とは異なる第2の位相の交流電圧Vbが印加される第2のワイヤ電極群とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は露光装置に係り、特に、装置内の光学素子の汚染を効果的に防止する露光装置に関する。
近年、半導体を製造するための光リソグラフィ技術にて用いられる露光光は、短波長化が進められ、i線、g線からKrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光へ進化してきた。露光光の短波長化が進むことで、より微細なマスクパターンをウエハに転写することが可能となる。
しかしながら、細い線幅のパターンを露光するためには、紫外光を用いたリソグラフィ技術では原理的限界にある。そこで近年では、紫外光より短波長である極端紫外光(EUV光、波長:13〜20nm)を用いたEUVリソグラフィ技術が注目を集めている。
EUV光で用いられる代表的な波長は13.5nmである。このため、従来の光リソグラフィ技術を遥かに上回る解像度を実現することが可能となる。しかしその反面、EUV光は物質に吸収されやすいという性質を持つ。このため、従来のような紫外光を光源としたリソグラフィ技術のように、屈折光学系を用いた縮小露光を行うと、硝材によってEUV光が吸収されてしまい、ウエハ等の被露光体に到達する光量が極端に少なくなってしまう。したがって、EUV光を用いて露光を行う際には、反射光学系を用いた縮小露光を構成する必要がある。
EUV露光装置に用いられるEUV光は、装置内の雰囲気によって吸収されてしまう。特に、酸素や水分はEUV光を強く吸収する。そのため、EUV光の透過率を高く保つには、真空ポンプなどを利用してチャンバ内を真空状態にする必要がある。
半導体露光装置における回路パターンの露光では、ウエハ面上にレジストと呼ばれる感光剤が塗布されている必要がある。露光中に露光光とウエハに塗布されたレジストが反応することで、炭化水素などの放出ガスが発生する。EUV露光装置においては、EUV光のエネルギーが強いので、多量の放出ガスが発生する。
これらの放出ガスは、ウエハから投影光学系空間に飛散し、多層膜ミラーなどの光学素子表面において露光光に照射されると、光学素子表面にコンタミ物質となって付着する。放出ガスが炭化水素であれば、光学素子表面に炭素が付着する。光学素子に付着したコンタミ物質は、EUV光を吸収し、光学素子の反射率を低下させる。光学素子の反射率が低下すると、スループットの低下へとつながる。
EUV光源の一方式であるレーザープラズマは、ターゲット材に高強度のパルスレーザ光を照射することで、ターゲット材からEUV光を発生する。しかしそれとともに、デブリと呼ばれる粒子を発生する。このデブリが光源空間に飛散し、光学素子を汚染又は損傷し、反射率の低下を引き起こす。デブリが照明光学系空間に飛散すると、照明光学系空間内の光学素子を汚染する。
EUV露光装置では、EUV光の光量維持のため、光源空間、照明光学系空間、投影光学系空間に多層膜ミラーを設置し、反射光学系を構成している。多層膜ミラーにEUV光が照射されると二次電子が放出されることが知られている。この二次電子が光学素子に付着すると、光学素子を汚染し反射率が低下する。
また、EUV露光装置では、装置チャンバ内のステージの可動部などからゴミ粒子が飛散する可能性がある。これらパーティクルもステージ空間から投影光学系空間に移動し、光学素子に付着することで、光学性能を劣化させる。
加えて、レチクルやウエハが装置チャンバに搬送されるまでに、ロボットハンドやゲートバルブの動作等、摺動や、摩擦によりパーティクルが発生し、これがレチクルやウエハに付着する可能性がある。レチクルやウエハに付着したこれらのゴミ粒子は、装置チャンバ内にレチクルやウエハが搬送された後に、光学素子が設置された空間に飛散していく可能性がある。このように、装置チャンバ外で発生したゴミ粒子が、装置チャンバ内に運びこまれ、装置チャンバ内の光学素子表面に付着し、光学性能を劣化させる可能性がある。
そこで、例えば特許文献1には、レジストから発生した放出ガスが投影光学系空間に進入しないようにするために、ウエハステージ空間と投影光学系空間の境界に薄膜を設ける方法が開示されている。
特開2005−43895号公報
特許文献1の方法では、薄膜によって放出ガス、ゴミ粒子の移動を物理的に阻止することは可能である。しかしながら、薄膜の膜厚は100nm以下と非常に薄いため、その薄膜の製造は極めて困難である。さらに、薄膜は100nm以下の厚さのため、ワイヤなどの支持機構を必要とする。このため、薄膜を製造する際には、支持機構であるワイヤを含めて製造する必要があり、製造時の工数が多くなってコストがかかる。また、薄膜の厚さが数100nmの場合であっても、13.5nmの波長のEUV光の透過率は50%程度となる。このため、薄膜がない場合と比較して、十分に透過率を維持しているとは言えない。
また、薄膜への放出ガスやパーティクルの付着により薄膜が汚染され、薄膜の性能劣化が避けられない。薄膜自体のクリーニングは困難だと考えられるため、薄膜の交換が必要となりスループットの低下につながる。
以上のように、従来技術では、露光光の透過率を維持した上で、EUV露光装置内において放出ガスやデブリ、二次電子、ゴミ粒子などのパーティクルが各ユニットを自由に行き来するのを防ぎ、光学素子を汚染から守ることができない。
そこで本発明では、露光光の透過率を維持しつつ、装置内の光学素子の汚染を効果的に防止する露光装置を提供する。また本発明は、そのような露光装置を用いた高精度なデバイス製造方法を提供する。
本発明の一側面としての露光装置は、真空環境下で原版上に形成された回路パターンを基板上に露光する露光装置であって、前記露光装置の内部を複数の領域に分離する複数の真空チャンバと、並列した複数のワイヤ電極で構成されるワイヤ電極列とを有し、前記ワイヤ電極列は、隣り合う前記真空チャンバの境界に設けられた露光光通過用の開口部に配置され、第1の位相の交流電圧が印加される第1のワイヤ電極群と該第1の位相とは異なる第2の位相の交流電圧が印加される第2のワイヤ電極群とを有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、露光光の透過率を維持しつつ、装置内の光学素子の汚染を効果的に防止する露光装置を提供することができる。
また、本発明によれば、そのような露光装置を用いた高精度なデバイス製造方法を提供することができる。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
まず、本実施例における露光装置の概略について説明する。図1は、本実施例における露光装置の概略構成図である。
EUV露光装置700は、真空環境下で原版上(レチクル上)に形成された回路パターンを基板上(ウエハ上)に露光する露光装置である。EUV露光装置700は、露光装置の内部を複数の領域に分離する複数の真空チャンバ1〜5を備えている。
真空チャンバ1は光源空間を構成し、その内部には光源100が収容されている。真空チャンバ2は照明光学系空間を構成し、その内部には照明光学系200が収容されている。真空チャンバ3は、その内部にレチクルステージを収容したレチクルステージ空間を構成する。真空チャンバ4は投影光学系空間を構成し、その内部には投影光学系400が収容されている。真空チャンバ5は、その内部にウエハステージを収容したウエハステージ空間を構成する。
レチクルステージ空間を構成する真空チャンバ3には、レチクル6を保持するレチクル保持部7、及び、レチクル保持部7を搭載するレチクルステージ8が設けられている。また、真空チャンバ3には、レチクル6の位置合わせを行うために用いられるレチクルアライメント光学系12が設けられている。
ウエハステージ空間を構成する真空チャンバ5には、ウエハ9を保持するウエハ保持部10、及び、ウエハ保持部10を搭載するウエハステージ11が設けられている。また、真空チャンバ5には、ウエハ9の位置合わせを行うために用いられるウエハアライメント光学系13、及び、フォーカス位置検出機構14が設けられている。
光源100から発せられたEUV光15は、真空チャンバ2の内部に設けられた照明光学系ミラー16、17を介して、レチクル6に照射される。レチクル6にて反射されたEUV光15は、真空チャンバ4の内部に設けられた投影光学系ミラー18〜23(多層膜ミラー)を介してウエハ9に照射される。
光源100にはいくつか種類があり、その中の一つであるレーザ生成プラズマ光源は、ターゲット材24の選択により、ほぼ必要な波長帯のみの発光を可能とする。例えば、Xeをターゲット材としてパルスノズルから噴出し、これにパルスレーザを照射してプラズマを発生させると、波長13〜14nmのEUV光が放射される。
EUV露光装置700は、EUV光15の物質による吸収を避けるため、EUV光15を照射する空間を真空に保つ必要がある。そのため、EUV露光装置700には、真空ポンプなどの排気系が複数台取り付けられている。EUV光15が通過するチャンバ内は、圧力が10−3Pa以下であり、酸素及び水分の分圧が限りなく低いことが望ましい。
照明光学系200は、複数枚の照明光学系ミラー16、17(多層膜ミラー)と不図示のオプティカルインテグレータなどから構成されている。照明光学系200の役割は、光源100から放射された光を効率よく集光すること、及び、露光領域の照度を均一にすること等である。また、オプティカルインテグレータは、レチクル6(マスク)を所定の開口数で均一に照明する役割を持っている。
投影光学系400は、投影光学系ミラー18〜23を有する。各投影光学系ミラー18〜23は、MoとSiが交互にコーティングされた多層膜ミラーである。この多層膜は、EUV光の直入反射率が67%程度であるため、多層膜ミラーに吸収されたエネルギーの大部分は熱に変わる。このため、投影光学系ミラー18〜23の基板材料としては、低熱膨張ガラス等が用いられる。
レチクルステージ8及びウエハステージ11は、真空環境下で駆動する機構を持ち、縮小倍率に比例した速度比により同期して走査する。また、レチクルステージ8及びウエハステージ11の位置や姿勢は、不図示のレーザ干渉計により観測され、制御される。レチクルステージ8及びウエハステージ11は、それぞれ微動機構を持ち、レチクル6又はウエハ9のそれぞれの位置決めが可能である。
アライメント検出機構は、レチクルアライメント光学系12及びウエハアライメント光学系13を備える。これらのレチクルアライメント光学系12及びウエハアライメント光学系13は、それぞれ、レチクル6の位置と投影光学系400の光軸との位置関係、及び、ウエハ9と投影光学系400の光軸との位置関係を計測する。その結果に基づき、レチクル6の投影像がウエハ9上における所定の位置に一致するように、レチクルステージ8及びウエハステージ11の位置と角度が調整される。
また、フォーカス位置検出機構14は、投影光学系400の結像位置をウエハ面上に保つために、ウエハ面上における垂直方向のフォーカス位置を検出する。
一回の露光が終わると、ウエハステージ11は、X方向及びY方向にステップ移動して次の走査露光開始位置に移動し、再び露光が行われる。このとき、EUV露光装置700の内部において放出ガスやデブリ、二次電子、ゴミ粒子等のパーティクルが発生する。このパーティクルが光学素子に付着すると、光学素子の表面が汚染される。
そこで本実施例では、パーティクルが各ユニットを自由に行き来するのを防止するため、隣り合う真空チャンバの境界(壁45、46、47、48)に設けられた露光光通過用の開口部25〜28に、ワイヤ電極列30が配置されている。
図1に示されるように、ワイヤ電極列30は、光源空間(真空チャンバ1)と照明光学系空間(真空チャンバ2)との境界の開口部25、及び、照明光学系空間(真空チャンバ2)とレチクルステージ空間(真空チャンバ3)との境界の開口部26に配置されている。また、ワイヤ電極列30は、レチクルステージ空間(真空チャンバ3)と投影光学系空間(真空チャンバ4)との境界の開口部27、及び、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)との境界の開口部28に配置されている。
このように、隣り合う真空チャンバの境界の開口部にワイヤ電極列30を設けることにより、各真空チャンバ間(各ユニット間)でのパーティクルの自由な行き来を防止することが可能になる。
以下、ワイヤ電極列30の具体的な実施例について説明する。
まず、本発明の実施例1について説明する。図2は、実施例1の露光装置におけるウエハステージ空間(真空チャンバ5)及び投影光学系空間(真空チャンバ4)を示す。本実施例では、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界における露光光通過用の開口部28にワイヤ電極列30が配置されている。
ワイヤ電極列30は、並列した複数のワイヤ電極で構成される。2つ以上のワイヤ電極を有するワイヤ電極は、水平に等間隔に並べることでメッシュ状に配置されている。また、ワイヤ電極列30は、第1の位相の交流電圧が印加される第1のワイヤ電極群と、第1の位相とは異なる第2の位相の交流電圧が印加される第2のワイヤ電極群とを有する。
ワイヤ電極列30は、各電極群に互いに位相の異なる交流電圧が印加されることにより、帯電したパーティクル29が隣り合う他の空間に侵入するのを防止する。このように、ワイヤ電極列30は、帯電したパーティクル29を跳ね返すように、又は、帯電したパーティクル29を搬送する非接触の電界カーテンとして作用する。
このため、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)で発生したパーティクル29は、開口部28を通って投影光学系空間(真空チャンバ4)へ侵入することはない。同様に、投影光学系空間(真空チャンバ5)で発生したパーティクル29は、開口部28を通ってウエハステージ空間(真空チャンバ5)へ侵入することはない。
次に、ワイヤ電極列の構成とその効果について説明する。図3は、本実施例において、第1のワイヤ電極群Waと第2のワイヤ電極群Wbの2つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列を示す。
第1のワイヤ電極群Waは、複数の第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5から構成されている。同様に、第2のワイヤ電極群Wbは、複数の第2のワイヤ電極Wb1〜Wb2から構成されている。また、第1のワイヤ電極群Waを構成する第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5及び第2のワイヤ電極群Wbを構成する第2のワイヤ電極Wb1〜Wb5は、交互に配列されている。
図3では、第1のワイヤ電極群Waは5本の第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5から構成され、第2のワイヤ電極群Wbは5本の第2のワイヤ電極Wb1〜Wb5から構成されている。第1のワイヤ電極群Waに含まれる第1のワイヤ電極、及び、第2のワイヤ電極群Wbに含まれる第2のワイヤ電極の数は、これに限定されるものではない。第1のワイヤ電極群Waは少なくとも1本の第1のワイヤ電極を有し、第2のワイヤ電極群Wbは少なくとも1本の第2のワイヤ電極を有していればよい。ただし、第1のワイヤ電極群Wa及び第2のワイヤ電極群Wbは、それぞれ、複数の第1のワイヤ電極及び複数の第2のワイヤ電極から構成されることがより好ましい。ワイヤ電極列は、例えば100本程度のワイヤ電極から構成される。
第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5及び第2のワイヤ電極Wb1〜Wb5は、等間隔で水平に並べてメッシュ状に配置される。第1のワイヤ電極群Waを構成する第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5は、第1の位相の交流電圧Vaを印加する交流電源に接続されている。また、第2のワイヤ電極群Wbを構成する第2のワイヤ電極Wb1〜Wb5は、第2の位相の交流電圧Vbを印加する交流電源に接続されている。
第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5及び第2のワイヤ電極Wb1〜Wb5の材料としては、例えばステンレス鋼(SUS)が用いられる。ただし、これに限定されるものではなく、耐久性があり細線化が可能であれば他の材料でも構わない。例えば、金(Au)、白金(Pt)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)等を用いてもよい。
本実施例の露光装置に用いられるワイヤ電極において、ワイヤ径D及びワイヤ間隔Pは、それぞれ、D<100μm、P>100μmを満たすことが好ましい。例えば、ワイヤ径Dを10μm、ワイヤ間隔Pを250μmとしてワイヤ電極列を構成する。露光光は、波長が短くなるほど減衰しやすくなるため、より短い波長の露光光を用いる場合には、ワイヤ径Dをさらに小さくし、かつ、ワイヤ間隔Pをさらに大きくすることがより好ましい。
図4は、本実施例において、第1のワイヤ電極群Wa、第2のワイヤ電極群Wb、第3のワイヤ電極群Wcの3つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列を示す。
図4に示されるワイヤ電極列は、第1のワイヤ電極群Wa及び第2のワイヤ電極群Wbに加えて、第1の位相及び第2の位相のいずれとも異なる第3の位相の交流電圧Vcが印加される第3のワイヤ電極群Wcを有する。
第1のワイヤ電極Wa1〜Wa5、第2のワイヤ電極Wb1〜Wb5、及び、第3のワイヤ電極Wc1〜Wc5は、順に配列されている。すなわち、各ワイヤ電極群を構成するワイヤ電極は、1本ずつ順番に繰り返し並べられている。
図4に示されるように、第1のワイヤ電極群Waは3本のワイヤ電極Wa1〜Wa3から、また、第2のワイヤ電極群Wbは3本のワイヤ電極Wb1〜Wb3から、それぞれ構成されている。同様に、第3のワイヤ電極群Wcは3本のワイヤ電極Wc1〜Wc3から構成されている。ただし、各ワイヤ電極群に含まれるワイヤ電極の本数はこれに限定されるものではない。第1のワイヤ電極、第2のワイヤ電極、及び、第3のワイヤ電極はそれぞれ、少なくとも1本以上あればよい。
第1のワイヤ電極Wa1〜Wa3、第2のワイヤ電極Wb1〜Wb3、及び、第3のワイヤ電極Wc1〜Wc3は、等間隔で水平に並べてメッシュ状に配置される。第1のワイヤ電極群Waを構成する第1のワイヤ電極Wa1〜Wa3は、第1の位相の交流電圧Vaを印加する交流電源に接続されている。また、第2のワイヤ電極群Wbを構成する第2のワイヤ電極Wb1〜Wb3は、第2の位相の交流電圧Vbを印加する交流電源に接続されている。さらに、第3のワイヤ電極群Wcを構成する第3のワイヤ電極Wc1〜Wc3は、第3の位相の交流電圧Vcを印加する交流電源に接続されている。各交流電源により印加される交流電圧Va、Vb、Vcの第1の位相、第2の位相、及び、第3の位相は、それぞれ異なっている。
ワイヤ電極列を3つのワイヤ電極群で構成した場合、ワイヤ電極列は、近づいてきたパーティクルを一方向に送り出すように作用する。このため、パーティクルを特定方向に導くように制御する場合には、ワイヤ電極列を3つ以上のワイヤ電極群で構成することが好ましい。
図5は、図3に示される2つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列に印加する交流電圧の波形図である。
図3に示されるように、ワイヤ電極列は、第1のワイヤ電極群Wa及び第2のワイヤ電極群Wbの2つの電極群から構成されている。そして、第1のワイヤ電極群Waと第2のワイヤ電極群Wbのそれぞれには、互いに180°位相の異なる交流電圧Va、Vbが印加される。
図5には、電圧Vpp=2kV、周波数f=10kHzの条件で、互いに位相を180°ずらして第1のワイヤ電極群Wa及び第2のワイヤ電極群Wbに印加した交流電圧Va、Vbの波形が示されている。このように、第1のワイヤ電極群Waに印加される第1の位相と第2のワイヤ電極群Wbに印加される第2の位相の位相差は180°であることが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、第1の位相と第2の位相とが異なるように制御されていれば、180°以外の位相差に設定してもよい。
図6は、図4に示される3つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列に印加する交流電圧の波形図である。
図4に示されるように、ワイヤ電極列は、第1のワイヤ電極群Wa、第2のワイヤ電極群Wb、及び、第3のワイヤ電極群Wcの3つの電極群から構成されている。そして、第1のワイヤ電極群Wa、第2のワイヤ電極群Wb、及び、第3のワイヤ電極群Wcのそれぞれには、互いに120°位相の異なる交流電圧が印加される。
図6には、電圧Vpp=2kV、周波数f=10kHzの条件で、互いに位相を120°ずらして第1のワイヤ電極群Wa、第2のワイヤ電極群Wb、及び、第3のワイヤ電極群Wcに印加した交流電圧Va、Vb、Vcの波形が示されている。このように、第1の位相、第2の位相、及び、第3の位相の間の位相差は120°に設定することが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、これらの3つの位相がいずれも異なるように制御されていれば、120°以外の位相差に設定してもよい。
ワイヤ電極群の数は、2つや3つに限定されるものではなく、4つ以上のワイヤ電極群を用いることもできる。電極群の数をNに一般化したとき、360/N°だけ位相の異なる交流電圧を各ワイヤ電極群に印加することが好ましい。ただし、これに限定されるものではなく、N個のワイヤ電極群に印加される交流電圧の位相のそれぞれがいずれも異なるように制御されていれば、360/N°以外の位相差に設定してもよい。
次に、図7を用いて、2つのワイヤ電極群でワイヤ電極列を構成したときに得られる効果を説明する。
2つのワイヤ電極群の位相は互いに180°異なる。このため、近接した2つのワイヤ電極には逆符号の電圧が印加され、ワイヤ電極間で電位勾配が発生する。帯電したパーティクル29がワイヤ電極列に近づくと、近接した2つのワイヤ電極が作る電位勾配によって、パーティクル29は静電気力を受ける。この静電気力の作用する方向は、パーティクル29に近接した2つのワイヤ電極間にできる電気力線の接線方向である。
両ワイヤ電極群には交流電圧が印加される。このため、時間の経過によりワイヤ電極の電圧の正負は入れ替わり、2つのワイヤ電極間の電位勾配の正負も入れ替わる。つまり、時間の経過とともに、パーティクル29に働く静電気力の方向が逆となり、パーティクル29は一定の位置で静電気力を受けて振動する。2つのワイヤ電極間の電気力線は、ワイヤ電極列の面以外では外側に凸な曲線となる。このため、振動したパーティクル29には遠心力が発生し、ワイヤ電極列から跳ね返される。したがって、ワイヤ電極列に近づいてくる帯電したパーティクル29は、ワイヤ電極面を挟んで反対側の空間に進入することができない。
なお、2つのワイヤ電極群の位相差を180°に設定すると、両ワイヤ電極群が電圧ゼロになる場合がある。このため、2つのワイヤ電極群の間に印加する交流電圧の周波数を高く設定することがより好ましい。交流電圧の周波数を高く設定することにより、2つのワイヤ電極群に電圧が印加されない期間を短くすることができる。
また、3つ以上のワイヤ電極群でワイヤ電極列を構成したときに得られる効果は、以下のとおりである。
3つ以上のワイヤ電極群に互いに位相をずらした交流電圧を印加すると、ワイヤ電極列のワイヤ電極を構成する面に、進行波型不平等電界が得られる。帯電したパーティクル29がワイヤ電極列に近づくと、パーティクルは進行波型不平等電界によってワイヤ電極面からある程度離れた位置で保持されながらワイヤ電極面と平行な方向に運搬される。このため、ワイヤ電極列に近づいてくる帯電したパーティクル29は、ワイヤ電極面を挟んで反対側の空間に進入できない。
前述したように、レジストが塗布されたウエハ9に露光光が入射することによって、放出ガスが発生する。放出ガスは、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)から投影光学系空間(真空チャンバ4)へ飛散し、光学素子に付着して光学性能を劣化させる。放出ガスは、露光光との作用により一部帯電している。
ここで、図2に示されるように、ワイヤ電極列30をウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界(壁48)における露光光通過用の開口部28に設置する。ワイヤ電極列30は配置されていることにより、帯電した放出ガスが開口部28を介してウエハステージ空間(真空チャンバ5)から投影光学系空間(真空チャンバ4)に進入するのを防ぐことができる。
図8は、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界における露光光通過用の開口部28の構成図である。
開口部28の側壁31は、金属で被覆されており、グランド電位(GND)に接地されている。このように、グランド電位に接地された金属がワイヤ電極列30のワイヤ電極面に水平な方向を取り囲むことにより、ワイヤ電極列30の作る電場が電気的なノイズとなってワイヤ電極列30から離れた領域に影響を及ぼすのを抑制する。
ワイヤ電極は、開口部28の側壁31の金属部分に対して絶縁されている。ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界を構成する壁48の部材が金属であれば壁48自体を、又は、壁48と露光装置が一体に構成されているものであれば露光装置をグランド電位に接地させる。
また、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)に存在するステージ可動部等から発生したゴミ粒子、又は、搬送過程でウエハに付着しウエハステージ空間(真空チャンバ5)に再飛散したゴミ粒子は、その発生過程により帯電している可能性が高い。このため、ワイヤ電極列30が設けられていることにより、帯電したゴミ粒子がウエハステージ空間(真空チャンバ5)から投影光学系空間(真空チャンバ4)に進入するのを防ぐことができる。
以上のように、本実施例の構成によれば、帯電した放出ガス、ゴミ粒子が、開口部28を介して投影光学系空間の光学素子を汚染することを効果的に防止することができる。特に、本実施例の構成によれば、正に帯電した放出ガス、ゴミ粒子及び負に帯電した放出ガス、ゴミ粒子の両方による汚染を防ぐことが可能である。
投影光学系空間(真空チャンバ4)に設置されている投影光学系ミラー18〜23は、露光光の入射により二次電子を放出する。二次電子が光学素子に付着すると、光学性能が劣化する。ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界にワイヤ電極列30を設置することによって、二次電子が投影光学系空間(真空チャンバ4)からウエハステージ空間(真空チャンバ5)に進入するのを防ぐことができる。
また、投影光学系空間(真空チャンバ4)から発生した正又は負に帯電したゴミ粒子についても、投影光学系空間(真空チャンバ4)からウエハステージ空間(真空チャンバ5)に進入するのを防ぐことができる。このように、本実施例によれば、二次電子や帯電ゴミ粒子による開口部28を介したウエハの汚染を効果的に防ぐことができる。また、本実施例によれば、開口部28を介した双方向のパーティクル29の進入を防ぐことができる。
次に、ワイヤ電極列30が露光光の透過率に対して及ぼす影響について説明する。
本実施例の露光装置において、各ワイヤ電極のワイヤ径D及びワイヤ間隔Pをそれぞれ、D<100μm、P>100μmを満たすものとすれば、露光光の照度劣化は十分小さい。つまり、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界にワイヤ電極列30を配置しても、露光光の透過率を維持したままパーティクル29の進入阻止が可能となる。
また、ワイヤ電極列30は、非接触の電界カーテンとしてパーティクル29に作用する。このため、ワイヤ電極列30自体はほとんど劣化せず、そのパーティクル遮蔽作用を維持し続ける。つまり、ワイヤ電極列30は、定期的な交換が不要なパーティクル遮蔽装置として働き、露光装置のスループットは低下しない。
本実施例では、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界における露光光通過用の開口部28にワイヤ電極列30を配置したが、配置場所はこれに限定されるものではない。前述のように、パーティクル29が発生する露光装置内の真空チャンバ(ユニット)と、それに隣り合う他の真空チャンバ(ユニット)の境界部分であれば、いずれの場所にも配置することができる。
一般に、このような境界部分には、露光光通過のための必要最低限の開口部が備わっている。光源空間(真空チャンバ1)ではデブリ、照明光学系空間(真空チャンバ2)及び投影光学系空間(真空チャンバ4)では二次電子、レチクルステージ空間(真空チャンバ3)ではゴミ粒子が発生しうる。
このため、他にワイヤ電極列30を配置することが好ましい場所としては、光源空間(真空チャンバ1)と照明光学系空間(真空チャンバ2)の境界の開口部25が挙げられる。さらに、照明光学系空間(真空チャンバ2)とレチクルステージ空間(真空チャンバ3)の境界の開口部26、レチクルステージ空間(真空チャンバ3)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界の開口部27にもワイヤ電極列30を配置することがより好ましい。
以上のように、本実施例の構成によれば、隣り合う真空チャンバ(ユニット)間の境界を介したパーティクルの自由な行き来を効果的に防止することができる。これらの境界においてワイヤ電極列が配置されている場合でも、露光光の透過率は維持され、その透過率が実質的に低下することはない。
次に、本発明の実施例2について説明する。図9は、実施例2の露光装置におけるウエハステージ空間(真空チャンバ5)及び投影光学系空間(真空チャンバ4)の構成図である。
本実施例の露光装置は、真空チャンバ4、5の内部に、真空チャンバ4、5の内部で発生するパーティクル29をイオン化するイオン化装置32が設置されている点で、実施例1の露光装置とは異なる。
本実施例のイオン化装置32としては、例えば、レーザ光源、UVランプ、電子線源、イオンビーム源等が用いられる。イオン化装置32は、放出ガス等のパーティクル29がワイヤ電極列30に向かう過程において、パーティクル29を積極的にイオン化又は帯電させる。パーティクル29の帯電量が増加することで、パーティクル29に作用する静電気力が増大し、ワイヤ電極列30のパーティクル遮蔽効果が高まる。
イオン化装置32の設置位置は、ワイヤ電極列30に向かって飛散しているパーティクル29に照射できる位置が好ましい。ウエハステージ空間(真空チャンバ5)であれば、ウエハ9の近傍からワイヤ電極列30の間にイオン化ビームが照射されるのが望ましい。投影光学系空間(真空チャンバ4)では、投影光学系ミラー18〜23の近傍、又は、ワイヤ電極列30の近傍にイオン化ビームが照射されるのが望ましい。
本実施例では、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界にワイヤ電極列30を設置した場合のイオン化装置32について説明した。ただし、本実施例のイオン化装置32の設置場所は、これに限定されるものではない。ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界以外の場所にワイヤ電極列30を設置してもよい。
このような構成の場合、例えば、各ワイヤ電極列の近傍、光源空間(真空チャンバ1)のターゲット材24の近傍、照明光学系空間(真空チャンバ2)の照明光学系ミラー16、17の近傍、レチクルステージ空間(真空チャンバ3)のレチクルステージ8の近傍等にイオン化装置32を設置可能である。このように、イオン化装置32は、ワイヤ電極列30に向かって飛散しているパーティクル29に照射できる位置に設置されることが好ましい。
本実施例の構成によれば、ワイヤ電極列30に向かうパーティクル29にイオン化ビームを照射することで、ワイヤ電極列30のパーティクル遮蔽効果を高めることができる。
次に、本発明の実施例3について説明する。図10は、実施例3の露光装置におけるウエハステージ空間(真空チャンバ5)及び投影光学系空間(真空チャンバ4)の構成図である。
本実施例の露光装置は、真空チャンバ4、5の内部に、真空チャンバ4、5の内部に存在する帯電したパーティクル29を捕らえる補助電極33が設置されている点で、実施例1の露光装置とは異なる。
補助電極33は、ワイヤ電極列30によって跳ね返されたイオン化放出ガス等のパーティクル29を即座に捕らえることにより、パーティクル29が光学素子に再付着するのを防止する。図10に示されるように、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)及び投影光学系空間(真空チャンバ4)のそれぞれに、正負に荷電した一対の補助電極33が設けられている。すなわち、図10中の右側には正に帯電した補助電極33が設置され、左側には負に帯電した補助電極33が設置されている。
本実施例では、正負に帯電した一対の補助電極33がワイヤ電極列30の近傍に設置されているため、ワイヤ電極列30によって跳ね返された帯電したパーティクル29は、その正負を問わずに補助電極33によって捕らえられる。すなわち、正に帯電したパーティクル29は負に帯電した補助電極33に捕らえられ、負に帯電したパーティクル29は正に帯電した補助電極33に捕らえられる。
本実施例の露光装置では、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界にワイヤ電極列30を設置した場合の補助電極33について説明した。ただし、これに限定されるものではなく、他のユニット境界(隣り合う真空チャンバの境界)にワイヤ電極列30を設置することもできる。
このような構成でも、正負に荷電した一対の補助電極33をワイヤ電極列30の近傍に設置することで、ワイヤ電極列30に跳ね返された帯電したパーティクル29の光学素子への再付着を防止することができる。
次に、本発明の実施例4について説明する。図11は、実施例4の露光装置におけるウエハステージ空間(真空チャンバ5)及び投影光学系空間(真空チャンバ4)の構成図である。
本実施例の露光装置は、真空チャンバ4、5の内部に、実施例2と同様のイオン化装置32、及び、実施例3と同様の補助電極33が設置されている点で、実施例1の露光装置とは異なる。
本実施例では、ワイヤ電極列30の近傍において、イオン化装置32及び補助電極33が設置されている。イオン化装置32は、パーティクル29を積極的に帯電させることにより、ワイヤ電極列30のパーティクル遮蔽効果、及び、補助電極33のパーティクル捕集効果をともに高めることができる。
なお、本実施例では、ウエハステージ空間(真空チャンバ5)と投影光学系空間(真空チャンバ4)の境界にワイヤ電極列30を設置した場合のイオン化装置32と補助電極33について説明した。ただし、これに限定されるものではなく、実施例3、4で説明したように、イオン化装置32と補助電極33は他のユニット境界(隣り合う真空チャンバの境界)に設けたワイヤ電極列30の近傍に配置することもできる。また、イオン化装置は飛散しているパーティクル29を照射できる位置に設置することもできる。他のユニット境界に設けたワイヤ電極列30の近傍にイオン化装置32及び補助電極33を設置することにより、他のユニット境界においてもワイヤ電極列30のパーティクル遮蔽効果、補助電極のパーティクル捕集効果を高めることができる。
上記各実施例の露光装置は、半導体デバイス等の微細なパターンを有するデバイスの製造等に適して用いられる。上記各実施例は、特に、EUV光のような短波長(0.5〜50nm)の光を用いて露光を行う露光装置、又は、高真空雰囲気下でミラーやレンズ等の光学素子を用いて露光を行う露光装置に適して用いられる。
デバイス(半導体集積回路素子、液晶表示素子等)は、前述のいずれかの実施例の露光装置を使用して感光剤を塗布した基板(ウエハ、ガラスプレート等)を露光する工程と、その基板を現像する工程と、他の周知の工程と、を経ることにより製造される。
上記各実施例によれば、露光光の透過率を維持しながら、EUV露光装置内の放出ガスやデブリ、二次電子、ゴミ粒子などのパーティクルが各ユニットを自由に行き来して光学素子を汚染するのを防ぐことが可能な露光装置を提供することができる。また、上記各実施例によれば、そのような露光装置を用いた高精度なデバイス製造方法を提供することができる。
以上、本発明の実施例について具体的に説明した。ただし、本発明は上記実施例に記載された事項に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で適宜変更が可能である。
本実施例における露光装置の概略構成図である。 実施例1の露光装置におけるウエハステージ空間及び投影光学系空間の構成図である。 実施例1の露光装置に設けられた2つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列の構成図である。 実施例1の露光装置に設けられた3つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列の構成図である。 図3に示される2つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列に印加される交流電圧の波形図である。 図4に示される3つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列に印加される交流電圧の波形図である。 2つのワイヤ電極群で構成されたワイヤ電極列の効果を説明する図である。 実施例1の露光装置における露光光通過用の開口部の構成図である。 実施例2の露光装置におけるウエハステージ空間及び投影光学系空間の構成図である。 実施例3の露光装置におけるウエハステージ空間及び投影光学系空間の構成図である。 実施例4の露光装置におけるウエハステージ空間及び投影光学系空間の構成図である。
符号の説明
1 真空チャンバ(光源空間)
2 真空チャンバ(照明光学系空間)
3 真空チャンバ(レチクルステージ空間)
4 真空チャンバ(投影光学系空間)
5 真空チャンバ(ウエハステージ空間)
6 レチクル
7 レチクル保持部
8 レチクルステージ
9 ウエハ
10 ウエハ保持部
11 ウエハステージ
12 レチクルアライメント光学系
13 ウエハアライメント光学系
14 フォーカス位置検出機構
15 EUV光
16、17 照明光学系ミラー
18、19、20、21、22、23 投影光学系ミラー
24 ターゲット材
25、26、27、28 開口部
29 パーティクル
30 ワイヤ電極列
31 開口部の側壁
32 イオン化装置
33 補助電極
45、46、47、48 壁
100 光源
200 照明光学系
400 投影光学系
700 EUV露光装置
Va、Vb、Vc 交流電圧
Wa1、Wa2、Wa3、Wa4、Wa5 第1のワイヤ電極
Wb1、Wb2、Wb3、Wb4、Wb5 第2のワイヤ電極
Wc1、Wc2、Wc3 第3のワイヤ電極




Claims (10)

  1. 真空環境下で原版上に形成された回路パターンを基板上に露光する露光装置であって、
    前記露光装置の内部を複数の領域に分離する複数の真空チャンバと、
    並列した複数のワイヤ電極で構成されるワイヤ電極列とを有し、
    前記ワイヤ電極列は、隣り合う前記真空チャンバの境界に設けられた露光光通過用の開口部に配置され、第1の位相の交流電圧が印加される第1のワイヤ電極群と該第1の位相とは異なる第2の位相の交流電圧が印加される第2のワイヤ電極群とを有することを特徴とする露光装置。
  2. 前記第1のワイヤ電極群を構成する第1のワイヤ電極及び前記第2のワイヤ電極群を構成する第2のワイヤ電極は、交互に配列されていることを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  3. 前記ワイヤ電極列は、さらに、前記第1の位相及び前記第2の位相のいずれとも異なる第3の位相の交流電圧が印加される第3のワイヤ電極群を有することを特徴とする請求項1記載の露光装置。
  4. 前記第1のワイヤ電極群を構成する第1のワイヤ電極、前記第2のワイヤ電極群を構成する第2のワイヤ電極、及び、前記第3のワイヤ電極群を構成する第3のワイヤ電極は、順に配列されていることを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記ワイヤ電極列は、前記複数の真空チャンバのうち、ウエハステージを収容する真空チャンバと投影光学系を収容する真空チャンバとの境界に設けられた開口部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の露光装置。
  6. 前記ワイヤ電極列は、前記複数の真空チャンバのうち、レチクルステージを収容する真空チャンバと照明光学系を収容する真空チャンバとの境界に設けられた開口部に配置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の露光装置。
  7. 前記ワイヤ電極列は、前記複数の真空チャンバのうち、照明光学系を収容する真空チャンバと光源を収容する真空チャンバとの境界に設けられた開口部に設置されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一に記載の露光装置。
  8. 前記真空チャンバの内部には、該真空チャンバの内部で発生するパーティクルをイオン化するイオン化装置が設置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の露光装置。
  9. 前記真空チャンバの内部には、該真空チャンバの内部に存在する帯電したパーティクルを捕らえる補助電極が設置されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一に記載の露光装置。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一に記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップと、を有することを特徴とするデバイス製造方法。
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