JP2004063798A - 磁性複合材料 - Google Patents

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Yoshinobu Nogi
野木 栄信
Hiroshi Watanabe
渡辺 洋
Takuo Tajima
田島 卓雄
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Abstract

【課題】本発明は軟磁性合金粉末を用いた磁性複合材料の磁気特性向上、その中でも特に、ナノ結晶磁性粉末、非晶質磁性粉末を用いた磁性複合材料の磁気特性向上、プロセスの簡素化することを課題とする。
【解決手段】磁性粉としては、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しているナノ結晶磁性材料、または、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有している非晶質磁性材料とバインダーとしてガラス転移温度Tgが420℃以下の熱可塑性樹脂を複合化させた磁性複合材料。
【効果】磁性複合材料の保磁力、飽和磁化特性に代表される軟磁気特性が良好であり、磁性複合材料の製造プロセスが簡略化できる。

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主に、電子部品に用いられる磁性複合材料、特に良好な軟磁気特性を有するFe基軟磁性合金粉末を用いた磁性複合材料とその製造法に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、軟磁気特性に優れた合金としては、非晶質合金、ナノ結晶磁性材料が知られており、形状加工が容易な粉末への適応が図られている。たとえば、特願2002−172093などに磁気特性の優れた扁平非晶質合金粉末、扁平ナノ結晶磁性粉末の発明はあるが、形状が扁平状であるため、成型性が困難であり、その磁気特性が生かせるバインダーがいままで無かった。
【0003】
磁性複合材料の従来技術としては、例えば、特開平09−102409にてアトマイズ鉄粉と熱硬化性エポキシ樹脂の例があるが、熱硬化性樹脂を用いているため、熱硬化時に磁性粉末にかかる応力を緩和できず、十分な磁気特性が得られるのが困難であった。
【0004】
また、例えば、特開2000−21618では、磁性材料として軟磁性合金粉末とバインダーとしてポリイミド、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール等熱可塑性樹脂を用いた磁性複合材、特開平11−298187では、磁性材料としてナノ結晶磁性粉末を用いた磁性複合材料の出願はなされているが、バインダーとしている樹脂に具体性が欠けること、また、扁平状磁性粉の成型性、また、製造時に多くの有機溶媒を使うため環境性に問題があることなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は軟磁性合金粉末を用いた磁性複合材料の磁気特性向上、その中でも特に、ナノ結晶磁性粉末、非晶質磁性粉末を用いた磁性複合材料の磁気特性向上、製造時の溶媒を減らすことができる、又は、製造時の溶媒を無くすできるというプロセスの簡素化することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、扁平状ナノ結晶磁性粉末および扁平状非晶質磁性粉末の磁性複合材料のプロセス面の向上、磁気特性の向上の鋭意検討した結果、扁平状ナノ結晶磁性粉末および扁平状非晶質磁性粉末がガラス転移温度Tgが420℃以下の熱可塑性樹脂が磁気特性の向上の効果があり、更に、これらの樹脂は有機溶媒が減らすこと、もしくは、有機溶媒を無くすことを見出し、また、プロセス面の環境性向上ができることを見出し、本発明に到達した。
【0007】
すなわち、本発明は、磁性粉としては、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しているナノ結晶磁性材料、または、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有している非晶質磁性材料とバインダーとしてガラス転移温度Tgが420℃以下の熱可塑性樹脂を複合化させたことを特徴とする保磁力、飽和磁化に代表される軟磁気特性が優れ、製造の際、プロセス面の向上ができる磁性複合材料である。
【0008】
本発明に用いられる磁性粉の厚み、粒径は厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しているものが良い。
【0009】
本発明に用いられる磁性材料は、ナノ結晶磁性材料もしくは非晶質磁性材料が用いられる。
【0010】
本発明に用いられるナノ結晶磁性材料は組織が粒径100nm以下のナノ結晶粒を主成分とする磁性材料であり、非晶質合金を結晶化温度以上で熱処理し、ナノ結晶粒を析出させることで得られる。ナノ結晶磁性材料の組成としては、ナノ結晶磁性材料として代表的なFe−Cu−Nb−Si−Bでもよいが、最も望ましくは、一般式(Fe1−x100−a−b−c−dSiAlM’(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0≦a≦24、1≦b≦20、4≦c≦30、0≦d≦10を満たすものとする)で表わされる組成が望ましい。
【0011】
一方、同じく本発明に用いられる非晶質磁性材料は、熱処理後も非晶質構造を維持しており、非晶質磁性材料の組成としては、一般式(Fe1−x100−a−b−cSiM’(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、cは原子%を示し、それぞれ0≦x<1、0≦a≦24、4≦b≦30、0≦c≦10を満たすものとする)が望ましい。
【0012】
また、本発明においてバインダーとして用いられる熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgが420℃以下が良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、磁性粉としては、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しているナノ結晶磁性材料、または、非晶質磁性材料とバインダーとしてガラス転移温度Tgが420℃以下の熱可塑性樹脂を複合化させることにより得られる。
【0014】
本発明に用いられる磁性粉の厚み、粒径は厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しているものが良く、更に望ましく、厚み5ミクロン以下、粒径300ミクロン以下が望ましい。更に望ましくは、厚み3ミクロン以下、粒径200ミクロン以下が望ましい。
【0015】
更に望ましくは、本発明に用いられる磁性粉の形状は、丸みを帯びた楕円状であって、角張った形状では無いものが良い。その寸法は長径方向の寸法が20〜500ミクロン、短径方向の寸法が10〜200ミクロン、長径/短径=1.0〜4.0であって、厚みが5ミクロン以下のものが良い。更に望ましくは、寸法は長径方向の寸法が50〜200ミクロン、短径方向の寸法が15〜60ミクロン、長径/短径=1.3〜3.5であって、厚みが3ミクロン以下である。
【0016】
本発明に用いられる磁性粉は、上記の扁平状磁性粉の単独でも良いが、球状磁性粉や他の形状の磁性粉と混合で用いても良い。
【0017】
本発明に用いられる磁性材料は、ナノ結晶磁性材料もしくは非晶質磁性材料が用いられる。
【0018】
本発明に用いられるナノ結晶磁性材料は組織が粒径100nm以下のナノ結晶粒を主成分とする磁性材料であり、非晶質合金を結晶温度以上で熱処理し、ナノ結晶粒を析出させることで得られる。ナノ結晶磁性材料の組成としては、ナノ結晶磁性材料として代表的なFe−Cu−Nb−Si−Bなどでもよいが、最も望ましくは、一般式(Fe1−x100−ab−cSiAlM’(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0≦a≦24、1≦b≦20、4≦c≦30、0≦d≦10を満たすものとする)で表わされる組成が望ましい。
【0019】
磁性材料に含まれるナノ結晶粒は、100nm以下、望ましくは50nm以下、更に望ましくは、30nm以下が望ましい。磁性材料にこれらナノ結晶粒が含まれることで、保磁力の低減等の軟磁気特性の向上が見られる。ナノ結晶粒は、実験的には、X線回折を測定し、、ピーク半値幅より結晶粒のサイズを測定することができる。
【0020】
一方、同じく本発明に用いられる非晶質磁性材料は、熱処理後も非晶質構造を維持しており、非晶質磁性材料の組成としては、これに制限を受けないが、一般式(Fe1−x100−a−b−cSiM’(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、cは原子%を示し、それぞれ0≦x<1、0≦a≦24、4≦b≦30、0≦c≦10を満たすものとする)が望ましい。
【0021】
本発明に用いられる磁性材料は、上記ナノ結晶材料、非晶質磁性材料それぞれ単独でも良いが、ナノ結晶磁性材料と非晶質金属材料とを混合させても良い。更に、他の磁性材料、例えば、フェライトやセンダストなどとの混合して用いても良い。
【0022】
本発明の磁性粉の製造方法であるが、合金溶湯を急冷し得られた非晶質リボンを作成した後、粉砕し粉末を得る方法や水アトマイズ方法やガスアトマイズ方法により直接粉末を得てアトライターにより扁平化させる方法などがあるが、本発明においては、直接扁平粉が得られる特開平7−166212に基づいた方法で作製された。すなわち、磁性粉組成の合金を高周波溶解炉で溶湯とし、溶解炉の底に取り付けたノズルを通して溶湯を流下させ、ノズル先に取り付けたガスアトマイズ部より高圧ガスで溶湯を微粒化し、更にこの微粒化させた溶湯を金属の回転冷却体に衝突させ、楕円状扁平状磁性粉を作製した。
【0023】
また、本発明においてバインダーとして用いられる熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度Tgが420℃以下が良く、更に、望ましくは、ガラス転移温度Tgが50℃以上420℃以下のものが良く、更に望ましくは、ガラス転移温度Tgが60℃以上350℃以下のものが良い。更に望ましくは、ガラス転移温度Tgが100℃以上300℃以下のものが良い。
【0024】
これに限定されないが、本発明に用いられる熱可塑性樹脂を具体的に挙げるとすれば、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリサルホン、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリ乳酸、ポリエチレン、ポリプロピレン等々あるが、この中でも、望ましくは、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンが最も望ましい。
【0025】
更に述べると、ポリエステルの中でも、ガラス転移温度Tgが60℃以上350℃以下であるポリエチレンテレフタレートも望ましい樹脂の一つである。
【0026】
バインダーとして用いられる樹脂は上記樹脂、単独で用いられても良いが、上記樹脂2種以上を混合して用いられても良い。
【0027】
本発明の磁性複合材料の作成方法としては、溶媒、例えば、ジメチルアセトアミドのような有機溶媒に樹脂を溶かし、磁性粉を混合し、ペーストを作成し、ドクターブレード法によりペースト膜を作り、乾燥させ磁性複合体を作成する方法もあるが、上記に挙げた樹脂を用いれば、磁性粉と樹脂を混合し、直接ホットプレスをする方法で磁性複合材料を作成することでき、有機溶媒を使わないため、プロセスが簡略化できるメリットがあり、成型性、均一性に優れた磁性複合材料を作成することができる。磁性粉末100重量部に対して熱可塑性樹脂は通常1〜900重量部、好ましくは5〜400重量部用いるのが好ましく、更に好ましくは、10〜70重量部用いるのが好ましい。この範囲にあると本発明の効果である軟磁気特性の向上が特に発現する。
【0028】
【実施例】
【0029】
【実施例1】Fe66NiSi14AlNbの合金を高周波溶解炉で1300℃の溶湯とし、溶解炉の底に取り付けたノズルを通して溶湯を流下させ、ノズル先に取り付けたガスアトマイズ部より75kg/cm2の高圧ガスで溶湯を微粒化し、更にこの微粒化させた溶湯をロール径190mm、円錐角度80度、回転数7200rpmの回転冷却体に衝突させ、Fe66NiSi14AlNb(at%)の組成を有する長径150ミクロン、短径55ミクロン、厚み2ミクロンの扁平状磁性粉を作製した。磁性粉の熱処理前のX線回折を測定した結果、磁性粉は典型的な非晶質のハローパターンを示し、完全な非晶質であることが明らかになった。得られた磁性粉を550℃で1時間熱処理を行った。磁性粉の熱処理後のX線回折を測定した結果、熱処理後の磁性粉は微結晶化しており、ピーク半値幅よりほぼ20nmの微結晶が析出していることが明らかになった。
【0030】
バインダーとして用いるポリエーテルサルホン(三井化学社製)のペレットをボールミルで粉砕し、ポリエーテルサルホンの粒径100ミクロンの粉末を作製した。
【0031】
そして、得られたナノ結晶磁性粉を80重量部、バインダーとして前記のポリエーテルサルホンの粉末を20重量部を混合し、ハイブリッドミキサー(キーエンス社製)にて10分攪拌し、均一な磁性粉と樹脂からなる混合粉末を得た。更に、この複合粉末を、250℃、15MPaにて熱プレスを行い、厚さ0.5mmの複合材シートを作製した。この複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0032】
【実施例2】実施例1と同様に合金を高周波溶解炉で1300℃の溶湯とし、溶解炉の底に取り付けたノズルを通して溶湯を流下させ、ノズル先に取り付けたガスアトマイズ部より75kg/cm2の高圧ガスで溶湯を微粒化し、更にこの微粒化させた溶湯をロール径190mm、円錐角度80度、回転数7200rpmの回転冷却体に衝突させ、Co66FeNi14Si15(at%)の組成を有する長径70ミクロン、短径20ミクロン、厚み3ミクロンの扁平状磁性粉を作製した。作製した磁性粉を380℃で1時間、窒素ガス雰囲気中で熱処理した。磁性粉の熱処理前後のX線回折の結果、熱処理前後に拘わらず、完全な非晶質であることが明らかになった。
【0033】
バインダーとして用いるポリエーテルケトン(ビクトレックス社製)のペレットをボールミルで粉砕し、ポリエーテルケトンの粒径100ミクロンの粉末を作製した。
【0034】
そして、得られた非晶質磁性粉を80重量部、バインダーとしてポリエーテルケトンの粉末を20重量部を混合し、その混合粉末を200℃で熱プレスを行い、厚さ0.5mmTの磁性複合体シートを作製した。更に、複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0035】
【実施例3】実施例1と同様に合金を高周波溶解炉で1300℃の溶湯とし、溶解炉の底に取り付けたノズルを通して溶湯を流下させ、ノズル先に取り付けたガスアトマイズ部より75kg/cm2の高圧ガスで溶湯を微粒化し、更にこの微粒化させた溶湯をロール径190mm、円錐角度80度、回転数7200rpmの回転冷却体に衝突させ、Fe78Si13(at%)の組成を有する長径150ミクロン、短径60ミクロン、厚み2ミクロンの楕円型扁平状磁性粉を作製した。作製した磁性粉を400℃で1時間、窒素ガス雰囲気中で熱処理した。作製した磁性粉の熱処理前後のX線回折を測定した結果、実施例2の場合と同様に、熱処理前の磁性粉は典型的な非晶質のハローパターンを示し、熱処理前後に拘わらず、完全な非晶質であることが明らかになった。
【0036】
そして、得られた非晶質磁性粉を80重量部、バインダーとしてポリエチレンテレフタレートの粉末(三井化学社製)の粉末を20重量部を混合し、その混合粉末を280℃で熱プレスを行い、厚さ0.5mmTの磁性複合体シートを作製した。更に、複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0037】
【実施例4】実施例1と同様に合金を高周波溶解炉で1400℃の溶湯とし、溶解炉の底に取り付けたノズルを通して溶湯を流下させ、ノズル先に取り付けたガスアトマイズ部より80kg/cm2の高圧ガスで溶湯を微粒化し、更にこの微粒化させた溶湯をロール径190mm、円錐角度80度、回転数7200rpmの回転冷却体に衝突させ、Fe66Co18Si15(at%)の組成を有する長径170ミクロン、短径80ミクロン、厚み3ミクロンの楕円型扁平状磁性粉を作製した。作製した磁性粉を400℃で1時間、窒素ガス雰囲気中で熱処理した。作製した磁性粉の熱処理前後のX線回折を測定した結果、実施例2の場合と同様に、熱処理前の磁性粉は典型的な非晶質のハローパターンを示し、熱処理前後に拘わらず、完全な非晶質であることが明らかになった。
【0038】
そして、得られた非晶質磁性粉を80重量部、バインダーとしてのポリエーテルサルホン(三井化学社製)の粉末を20重量部を混合し、その混合粉末を280℃で熱プレスを行い、厚さ0.5mmTの磁性複合体シートを作製した。更に、複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0039】
【実施例5】実施例1で用いたFe66NiSi14AlNb(at%)の組成を有する長径150ミクロン、短径55ミクロン、厚み2ミクロンの扁平状磁性粉を熱処理し、ナノ結晶磁性粉を得た。
【0040】
そして、得られたナノ結晶磁性粉を80重量部、ポリエチレンテレフタレートの粉末(三井化学社製)の粉末を20重量部を混合し、その混合粉末を280℃で熱プレスを行い、厚さ0.5mmTの磁性複合体シートを作製した。更に、複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0041】
【比較例1】実施例1と同一のナノ結晶磁性粉80重量部とエポキシ接着剤20重量部(スリーボンド社)を用いて、厚み0.5mmの複合材シートを作製した以外は、実施例1と同様にこの複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0042】
【比較例2】実施例2と同一の非晶質磁性粉80重量部とポリベンゾイミダゾール(ヘキスト社製)20重量部を用いて、厚み0.5mmの板を作製し、実施例2と同様にこの複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0043】
【比較例3】実施例3と同一の非晶質磁性粉80重量部とエポキシ接着剤20重量部(スリーボンド社)20重量部をを用いて、厚み0.5mmの板を作製し、実施例3と同様にこの複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0044】
【比較例4】実施例4と同一の非晶質磁性粉80重量部とエポキシ接着剤20重量部(スリーボンド社)20重量部を用いて、厚み0.5mmの板を作製し、実施例3と同様にこの複合材シートから内径20mm外径40mmのトロイダル形状の磁気コアを打抜き、直流BH特性の評価により、保磁力、最大飽和磁束密度のデータを得た。また、用いたバインダーのガラス転移温度Tgをバインダー単体のみの10℃/分の昇温速度条件のDSC法(島津DSC−60)により測定した。これらの結果について、表1に示す。
【0045】
【表1】
Figure 2004063798

Claims (4)

  1. (A)Fe基含有磁性合金粉末
    (B)熱可塑性樹脂
    を含む磁性複合材料であって、
    磁性粉末の形状が厚み5ミクロン以下の偏平状の形状を有しており、組織が100nm以下のナノ結晶粒を含んでおり、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が420℃以下である磁性複合材料。
  2. 磁性材料が、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しており、一般式(Fe1−cMx)100−a−b−c−dSiAlM’(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、c、dは原子%を示し、それぞれ0≦x≦0.5、0≦a≦24、1≦b≦20、4≦c≦30、0≦d≦10を満たすものとする)で表されることを特徴とする請求項1記載の磁性複合材料
  3. (A)Fe基又はCo基含有磁性合金粉末
    (B)熱可塑性樹脂
    を含む磁性複合材料であって、
    磁性粉末の形状が厚み5ミクロン以下の偏平状の形状を有しており、組織が非晶質構造を含んでおり、熱可塑性樹脂のガラス転移温度(Tg)が420℃以下である磁性複合材料。
  4. 磁性材料として、厚み5ミクロン以下の扁平状の形状を有しており、一般式(Fe1−x100−a−b−cSiM’(式中、MはCo及び/又はNi、M’はNb、Mo、Zr、W、Ta、Hf、Ti、V、Cr、Mn、Y、Pd、Ru、Ga、Ge、C、Pから選ばれる1種類以上の元素を表わす。xは原子比を、a、b、cは原子%を示し、それぞれ0≦x<1、0≦a≦24、4≦b≦30、0≦c≦10を満たすものとする)で表される請求項3記載の磁性複合材料
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