JP2004063728A - 受動素子内蔵セラミック・モジュール基板及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】積層一体化された複数層のセラミック基板からなるセラミック・モジュール基板に於いて、該セラミック・モジュール基板の少なくとも一層の基板23に埋め込まれた受動素子用異種材料層24と、該基板23と該受動素子用異種材料層24との間に介在して該基板23に埋め込まれた応力緩和層25とを備える。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、Bluetooth(登録商標)仕様機器、その他モバイル端末機器などを小型化するのに有効で、且つ、信頼性が高く高周波用として有効な受動素子内蔵セラミック・モジュール基板及びそれを製造するのに好適な方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、モバイル機器などを用いた無線情報通信、無線LANなどに於いては、音声、画像、データなどの大容量の信号を高速で伝送することが期待され、これを実現する為の端末機器については、小型化、多機能化、高性能化が急速に進行しつつある。
【0003】
例えば、小型化を実現する為には、実装技術を改善して一層の高密度化を図ること、及び、高周波回路中のアンテナやフィルタを一体モジュール化することが行われている。
【0004】
この一体モジュール化には様々な手段が提案されていて、そのなかでも、低温焼成セラミック(low−temperature cofired ceramic:LTCC)技術を用い、アンテナ層、フィルタ層、コンデンサ層などをモジュール中に組み込む構成が比較的安価に実現できる為、モジュール化技術の主流になりつつある。尚、内部導体パターンをもち且つ多層化されたセラミック基板の表面にコンデンサなどの受動素子を搭載した構成のモジュールは、あらゆる面で時流にそぐわない部品となりつつある。
【0005】
このようなモジュールについて、より一層の小型化を図る為、次のような検討がなされている。
(1) 材料開発
高周波用低誘電損失の高誘電率材料について開発が進められている。伝送電磁波の波長は材料の誘電率の平方根の逆数に比例する為、材料の誘電率が大きいほど波長は短くなり、小型化が可能になる。
【0006】
(2) 構造・プロセス開発
モジュール基板を小型化する為、特性(誘電率)が異なる層を多層構造のセラミック基板内に導入して一体化するプロセス技術の開発が行われている。
【0007】
従来例1
前記したモジュール基板の小型化を図る為の一手段として、各層の表面に異種材料をパターン形成し、受動素子を2次元方向に形成して内蔵する手段、即ち、セラミック・グリーン・シート上に厚膜印刷法を適用することに依って異種材料からなるパターンを形成し、同一温度で一体焼成することが行われている。
【0008】
図3は従来の技術を説明する為のセラミック・モジュール基板を表す要部切断側面図であり、図に於いて、1はベース・グリーン・シート、2は厚膜の誘電体層、3はAgからなる内部導体、4は電極をそれぞれ示している。
【0009】
このセラミック・モジュール基板を作製するには、ベース・グリーン・シート1上に誘電体ペーストからなるパターンを印刷して厚膜の誘電体層2を形成し、その誘電体層2に電極4を形成し、このようなグリーン・シート1を積層することでセラミック・モジュール基板を実現する。
【0010】
この方法に依る場合、パターンを容易に形成できる旨の利点はあるが、誘電体ペーストを用いたことに起因して緻密さが劣るなどの問題があり、そして、異種材料膜の膜厚が50〔μm〕以下と薄く、電極やベースのグリーン・シートと反応し易く、材料自体がもつ良好な誘電特性が得られないなどの欠点がある。
【0011】
また、前記した方法では、異種材料を用いた受動素子の内蔵化能力、及び、電気的不連続性に依る信号の減衰や反射などの伝送特性に限界があるので、能動素子に更に近接して高性能の受動素子を設置する技術の実現が望まれている。
【0012】
従来例2
また、別の従来の技術として、多層構造の所要層を異種材料にして受動素子を構成し、キャパシタなどの表面実装部品などを基板中に内蔵する試みがなされている。
【0013】
具体的には、ベースのグリーン・シートとは材料組成を異にするグリーン・シート上に導体パターンを形成し、それらグリーン・シートを積層し、同一温度で一体焼成するものである。
【0014】
従来例2
図4は導体パターンをもつ異種材料からなるグリーン・シートを積層する様子を説明する為の要部分解斜面図であり、図5は導体パターンをもつ異種材料からなるグリーン・シートを積層して多層化したモジュール基板の要部切断側面図であり、図3に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0015】
図に於いて、5は通常のグリーン・シート、6及び7は異種材料からなるグリーン・シートを示し、これらグリーン・シート5乃至7は各別の材料であって、個々の材料に於ける焼成収縮率及び焼成収縮挙動が相違する為、多層化時に層間剥離(delamination)が発生し易い旨の欠点があり、そして、特性を異にする材料が層間を跨ぐ為、電気信号特性が不安定になる。
【0016】
また、異種材料を層方向に積層した場合、低誘電率の伝送回路と高誘電率のキャパシタやフィルタなどの回路層が積層されている為、回路の設計手法の如何に依っては、低誘電率の伝送線路が高誘電率の回路を跨ぐような構成となってインピーダンスの不整合を起こす。
【0017】
更にまた、受動素子が各種の異種材料層で構成される為、その異種材料層まで接続線路を敷設する必要があり、受動素子内蔵構造を採ったからといって、表面にSMD(surface−mounted device)を形成する場合に比較し、必ずしも接続線路の短縮に結び付かない。
【0018】
然しながら、個々のグリーン・シートは、バルク成形体であることから、材料の緻密化が容易であって、特性良好な誘電体を得ることができる点は特筆すべき利点と思われる。
【0019】
従来例3
前記した従来の技術に於ける問題点を綜合した結果、バルク特性に近い材料をパターン化し、それをベース・グリーン・シート中に埋め込む技術が提案されていて、例えば、特開平5−174649号公報には、パターン化された異種材料をグリーン・シート中に埋め込む発明が開示されている。
【0020】
図6は異種材料を埋め込んだグリーン・シートを積層して形成したモジュール基板を表す要部切断側面図であり、図3に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとし、また、図に於いて、10はグリーン・シートに埋め込まれた異種材料層を示している。
【0021】
然しながら、前記公報中にも記載されているのであるが、グリーン・シートに抜き穴を形成し、その抜き穴にグリーン・シートとは材質を異にする異種材料層10を埋め込んだ場合、異種材料が脆くなって、ベースのグリーン・シートと異種材料層との界面で強固な密着性を維持できない。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、受動素子を内蔵したセラミック・モジュール基板を製造する際、グリーン・シートと受動素子を作り込む為の異種セラミック材料層との間に発生する応力を簡単な手段で緩和できるようにする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明に依る受動素子内蔵セラミック・モジュール基板及びその製造方法に於いては、積層一体化された複数層のセラミック基板からなるセラミック・モジュール基板に於いて、該セラミック・モジュール基板の少なくとも一層の基板に受動素子用異種材料層が埋め込まれ、該基板と該受動素子用異種材料層との間に介在して応力を緩和する応力緩和層が埋め込まれることが基本になっている。
【0024】
前記手段を採ることに依り、バルクに近い特性をもち、且つ、パターン形成された受動素子用異種材料層を基板中に埋め込むに際し、埋め込み異種材料と基板を構成するベース材料との間に介在させた応力緩和層の存在で各材料間の強固な密着性を維持することが可能であり、従来のように、埋め込み異種材料層が脆くなって損傷される旨の問題は解消される。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明では、ベースであるグリーン・シートに受動素子用として大きさ及び形状を選択した孔(ビア)を形成し、その孔内の側壁に応力緩和材料からなる層を印刷で形成する。この応力緩和材料には、ベース材料と受動素子用異種材料との中間の組成をもつものを用いるか、或いは、若干複雑にはなるが成膜した場合、組成が傾斜するようにしても良い。その後、孔内にペースト或いは粉末状の受動素子用異種材料を埋め込んでから、グリーン・シートの表面に導体パターンを形成する。このようにして作製した各グリーン・シートは積層・加圧・一体焼成されることに依り、バルク材料に近い特性良好な異種材料からなる受動素子を内蔵した小型で信頼性が高いセラミック・モジュール基板となり、この場合、受動素子用として別の層を付加することは一切不要である。
【0026】
図1は本発明に依る高周波用受動素子内蔵セラミック・モジュール基板を説明する為の要部分解斜面図である。
【0027】
図に於いて、21は配線のみが形成された基板、22は配線、23は受動素子を内蔵した基板、24は受動素子用異種材料層、25は異種材料層と基板との間に介在する応力緩和層、26は受動素子を内蔵した基板、27は受動素子用異種材料層、28は異種材料層と基板との間に介在する応力緩和層、29は配線のみが形成された基板、30は配線をそれぞれ示している。
【0028】
図2は本発明に依る高周波用受動素子内蔵セラミック・モジュール基板を説明する為の要部切断側面図であり、図1に於いて用いた記号と同記号は同部分を表すか或いは同じ意味を持つものとする。
【0029】
図2は図1に見られるモジュール基板そのものを切断して表したものではないが、基板に受像素子用異種材料層が埋め込まれ、それ等の間に応力緩和層が介在している状態が明瞭に看取できる。
【0030】
次に、本発明に依る高周波用受動素子内蔵セラミック・モジュール基板を製造する場合の実施例について説明する。
【0031】
実施例1
(1) 平均粒径5〔μm〕のTiO2 粉末を20〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のNdTiO3 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を調合し、更にPVB(polyvinyl butyral)樹脂を前記粉末に対して8〔重量%〕、可塑剤としてジブチルフタレートを3〔重量%〕を添加し、アセトンを溶媒として加えてボールミルで20〔時間〕混合する。
【0032】
(2) 前記ミリングされたスラリーをドクターブレードで成形し、厚さ200〔μm〕のグリーン・シートを作製し、これを切断・打ち抜きに依って定型にする。
【0033】
(3) 前記定型化されたグリーン・シートにパンチを用いて直径1〔mm〕、2〔mm〕、3〔mm〕の三種の孔を形成する。
【0034】
(4) 平均粒径5〔μm〕のTiO2 粉末を10〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のNdTiO3 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末40〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のアルミナ粉末30〔容量%〕、平均粒径6〔μm〕の硼珪酸ガラス粉末20〔容量%〕を含む誘電体ペースト(上記無機成分80〔容量%〕に対し、更にPVB樹脂5〔重量%〕を加え、溶剤成分としてテルピオネールを用いたペースト)を前記グリーン・シートに設けた孔の側壁にスクリーン印刷法を適用して塗布する。尚、この塗布膜が応力緩和層25となるものである。
【0035】
(5) 平均粒径3〔μm〕のアルミナ粉末を50〔容量%〕、平均粒径6〔μm〕の硼珪酸ガラス粉末を50〔容量%〕の無機組成に対し、更にPVB樹脂を5〔重量%〕及び溶剤成分としてテルピオネールを加えた誘電体ペーストを前記グリーン・シートに設けられた孔、即ち、前記工程(4)に於いて、側壁に応力緩和層となるべき誘電体ペーストの塗布膜が形成された孔に更にスクリーン印刷法を適用して埋め込むようにする。
【0036】
(6) その後、恒温槽内に於いて温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で乾燥させる。
【0037】
(7) 前記工程を経たグリーン・シートに再びパンチを用いて直径100〔μm〕のビア用の孔を形成して、この孔に対してAg導体のペーストを充填し、グリーン・シート表面に対してもAg導体のペーストを用いるスクリーン印刷で回路パターンを形成する。
【0038】
(8) このようにして得られた多数枚のグリーン・シートを位置合わせ及び重ね合わせして、プレスを用いて温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で積層する。その積層体を温度900〔℃〕、時間2〔時間〕の条件で大気焼成してセラミック・モジュール基板を完成する。
【0039】
実施例2
(1) 平均粒径2〔μm〕のBa(Mg1/3,Ta2/3)O3 粉末を30〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のMgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を70〔容量%〕調合し、更にPVB樹脂を前記粉末に対して8〔重量%〕、可塑剤としてジブチルフタレートを3〔重量%〕を添加し、アセトンを溶媒として加えてボールミルで20〔時間〕混合する。
【0040】
(2) 前記ミリングされたスラリーをドクターブレードで成形し、厚さ200〔μm〕のグリーン・シートを作製し、これを切断・打ち抜きに依って定型にする。
【0041】
(3) 前記定型化されたグリーン・シートにパンチを用いて2mm×3mmの孔を形成する。
【0042】
(4) 平均粒径3〔μm〕のアルミナ粉末を20〔容量%〕、平均粒径2〔μm〕のBa(Mg1/3,Ta2/3)O3 粉末を20〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のMgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を60〔容量%〕の無機組成に対し、更にPVB樹脂を5〔重量%〕加え、溶剤成分としてテルピネオールを用いて作製した誘電体ペーストを前記グリーン・シートに設けた孔の側壁面にスクリーン印刷法を適用することに依って印刷し、その後、恒温槽内で温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で乾燥させる。尚、ここで形成した誘電体ぺースト層が応力緩和層となる。
【0043】
(5) 平均粒径3〔μm〕のアルミナ粉末を40〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のMgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を60〔容量%〕の無機組成に対し、更にPVB樹脂を5〔重量%〕加え、溶剤成分としてテルピネオールを用いて作製した誘電体ペーストを前記グリーン・シートに設けた孔にスクリーン印刷法を適用して埋め込み、その後、恒温槽内に於いて温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で乾燥させる。
【0044】
(6) 前記工程を経たグリーン・シートに再びパンチを用いて直径100〔μm〕のビア用の孔を形成して、この孔に対してAg導体のペーストを充填し、グリーン・シート表面に対してもAg導体のペーストを用いるスクリーン印刷で回路パターンを形成する。
【0045】
次に、前記(1)〜(6)の工程を経て作製したグリーン・シートに積層する為の別種のグリーン・シートを作製する工程を実施例2の一連の工程として説明する。
【0046】
(7) 平均粒径3〔μm〕のBaTi4 O9 粉末を40〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のMgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を60〔容量%〕調合し、更にPVB樹脂を前記粉末に対して8〔重量%〕、可塑剤としてジブチルフタレートを3〔重量%〕添加し、アセトンを溶媒として加えてボールミルで20〔時間〕混合する。
【0047】
(8) 前記ミリングされたスラリーをドクターブレードで成形し、厚さ200〔μm〕のグリーン・シートを作製し、これを切断・打ち抜きに依って定型にする。
【0048】
(9) 前記定型化されたグリーン・シートにパンチを用いて孔を形成する。
【0049】
(10) BaTi4 O9 −アルミナ−MgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラスを含む誘電体ペーストを前記グリーン・シートに設けた孔の側壁面にスクリーン印刷法を適用することに依って印刷し、その後、恒温槽内で温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で乾燥させる。
【0050】
(11) 平均粒径3〔μm〕のアルミナ粉末を40〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のMgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を60〔容量%〕の無機組成に対し、更にPVB樹脂を5〔重量%〕加え、溶剤成分としてテルピネオールを用いて作製した誘電体ペーストを前記グリーン・シートに設けた孔にスクリーン印刷法を適用して埋め込み、その後、恒温槽内に於いて温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で乾燥させる。尚、ここで形成した誘電体ペースト層が応力緩和層である。
【0051】
(12) 平均粒径3〔μm〕のアルミナ粉末を40〔容量%〕、平均粒径3〔μm〕のMgCaSiO4 結晶が析出する硼珪酸系ガラス粉末を60〔容量%〕の無機組成に対し、更にPVB樹脂を5〔重量%〕加え、溶剤成分としてテルピネオールを用いて作製した誘電体ペーストを前記グリーン・シートに設けた孔にスクリーン印刷法を適用して埋め込み、その後、恒温槽内に於いて温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件で乾燥させる。
【0052】
(13) 前記工程を経たグリーン・シートに再びパンチを用いて直径100〔μm〕のビア用の孔を形成して、この孔に対してAg導体のペーストを充填し、グリーン・シート表面に対してもAg導体のペーストを用いるスクリーン印刷で回路パターンを形成する。
【0053】
(14) 前記のようにして得られた二種類のグリーン・シートを多数枚、位置合わせ及び重ね合わせを行ってから、温度80〔℃〕、時間30〔分〕の条件下でプレスを用いて加圧積層し、その積層体を温度900〔℃〕、時間2〔時間〕の条件で大気焼成してセラミック・モジュール基板を完成する。
【0054】
本発明の各実施例の実験結果を従来例と比較して表1として纏め、下記に示した。表1からは、本発明に依る各実施例が、従来例と比較し、受動部品搭載の信頼性、誘電特性に優れ、小型化に有効であることが窺知できる。
【0055】
【表1】
【0056】
本発明に於いては、前記説明した実施の形態を含め、多くの形態で実施することができ、以下、それを付記として例示する。
【0057】
(付記1)
積層一体化された複数層のセラミック基板からなるセラミック・モジュール基板に於いて、
該セラミック・モジュール基板の少なくとも一層の基板に埋め込まれた受動素子用異種材料層と、
該基板と該受動素子用異種材料層との間に介在して該基板に埋め込まれた応力緩和層と
を備えてなることを特徴とする受動素子内蔵セラミック・モジュール基板。
【0058】
(付記2)
応力緩和層が基板の組成と受動素子用異種材料層の組成との間の組成をもつこと
を特徴とする(付記1)記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板。
【0059】
(付記3)
受動素子用異種材料層の表裏に厚膜導体を備えてなること
を特徴とする(付記1)或いは(付記2)記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板。
【0060】
(付記4)
少なくとも一層のグリーン・シートに応力緩和層材料を該グリーン・シートに接する側に埋め込み且つ該応力緩和層材料に接して受動素子用異種材料を埋め込む工程と、
前記工程で作製したグリーン・シートを含め複数層のグリーン・シートを積層一体化焼成してセラミック・モジュール基板とする工程と
が含まれてなることを特徴とする受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。
【0061】
(付記5)
グリーン・シートに受動素子用として必要な大きさ及び形状の孔を形成して応力緩和層材料及び受動素子用異種材料を埋め込むこと
を特徴とする(付記4)記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。
【0062】
(付記6)
受動素子用異種材料を粉末或いはぺーストの状態でグリーン・シートに埋め込むこと
を特徴とする(付記4)記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。
【0063】
(付記7)
グリーン・シートに応力緩和層材料を埋め込む際に複数回に分けて実施すること
を特徴とする(付記4)記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。
【0064】
(付記8)
グリーン・シートに応力緩和層材料を埋め込む際に複数回に分けて実施すると共に各回毎に組成を変えること
を特徴とする(付記4)記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。
【0065】
【発明の効果】
本発明に依る受動素子内蔵セラミック・モジュール基板及びその製造方法に於いては、積層一体化された複数層のセラミック基板からなるセラミック・モジュール基板に於いて、該セラミック・モジュール基板の少なくとも一層の基板に受動素子用異種材料層が埋め込まれ、該基板と該受動素子用異種材料層との間に介在して応力を緩和する応力緩和層が埋め込まれることが基本になっている。
【0066】
前記構成を採ることに依り、バルクに近い特性をもち、且つ、パターン形成された受動素子用異種材料層を基板中に埋め込むに際し、埋め込み異種材料と基板を構成するベース材料との間に介在させた応力緩和層の存在で各材料間の強固な密着性を維持することが可能であり、従来のように、埋め込み異種材料層が脆くなって損傷される旨の問題は解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に依る高周波用受動素子内蔵セラミック・モジュール基板を説明する為の要部分解斜面図である。
【図2】本発明に依る高周波用受動素子内蔵セラミック・モジュール基板を説明する為の要部切断側面図である。
【図3】従来の技術を説明する為のセラミック・モジュール基板を表す要部切断側面図である。
【図4】導体パターンをもつ異種材料からなるグリーン・シートを積層する様子を説明する為の要部分解斜面図である。
【図5】導体パターンをもつ異種材料からなるグリーン・シートを積層して多層化したモジュール基板の要部切断側面図である。
【図6】異種材料を埋め込んだグリーン・シートを積層して形成したモジュール基板を表す要部切断側面図である。
【符号の説明】
21 配線のみが形成された基板
22 配線
23 受動素子を内蔵した基板
24 受動素子用異種材料層
25 異種材料層と基板との間に介在する応力緩和層
26 受動素子を内蔵した基板
27 受動素子用異種材料層
28 異種材料層と基板との間に介在する応力緩和層
29 配線のみが形成された基板
30 配線
Claims (5)
- 積層一体化された複数層のセラミック基板からなるセラミック・モジュール基板に於いて、
該セラミック・モジュール基板の少なくとも一層の基板に埋め込まれた受動素子用異種材料層と、
該基板と該受動素子用異種材料層との間に介在して該基板に埋め込まれた応力緩和層と
を備えてなることを特徴とする受動素子内蔵セラミック・モジュール基板。 - 応力緩和層が基板の組成と受動素子用異種材料層の組成との間の組成をもつこと
を特徴とする請求項1記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板。 - 少なくとも一層のグリーン・シートに応力緩和層材料を該グリーン・シートに接する側に埋め込み且つ該応力緩和層材料に接して受動素子用異種材料を埋め込む工程と、
前記工程で作製したグリーン・シートを含め複数層のグリーン・シートを積層一体化焼成してセラミック・モジュール基板とする工程と
が含まれてなることを特徴とする受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。 - グリーン・シートに受動素子用として必要な大きさ及び形状の孔を形成して応力緩和層材料及び受動素子用異種材料を埋め込むこと
を特徴とする請求項3記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。 - 受動素子用異種材料を粉末或いはぺーストの状態でグリーン・シートに埋め込むこと
を特徴とする請求項3記載の受動素子内蔵セラミック・モジュール基板の製造方法。
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