JP2004063132A - 電極リード用部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】電解質に対しての耐食性を有し、大電流を通電することが可能な優れた電気的特性を持ち、また、ばりやまくれの発生が防止され、エネルギーロスおよび発熱による損傷を防止しつつ、ラミネートシートの封止部の封止性を向上させることが可能な電極リード用部材を提供する。
【解決手段】電極リード用部材は、第1層,第2層,第3層からなる3層構造とし、芯材となる第2層を電気伝導性に優れる比較的安価な銅または銅を主成分とする合金で形成し、第2層の両面に接合される第1層および第3層を耐食性に優れたニッケルまたはニッケルを主成分とする合金で形成したクラッド材で構成する。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラミネートシートで外装されたポリマ電池、フィルムラミネート型Liイオン電池、パッケージ型EL(Electro Luminescence)パネル、ペーパーディスプレイ(電子ペーパー)等の電気装置の内部と外部とを電気的に接続するために使用される電極リード用部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリマ電池やELパネル等の電気装置は、外装がラミネートシートで構成され、その内部と外部とを電気的に接続するためのリードを有する。例えば、ポリマ電池の場合、正極物質と負極物質とをセパレータで電気的に絶縁して設置し、電解液と共にラミネートシートに封入し、この正極および負極と外部とをリードで接続する構成としている。
【0003】
従来、上記リードを構成する電極リード用部材としては、耐食性に優れた純ニッケルが一般に使用されている。
【0004】
近年、電気製品の高性能化や電池の用途の拡大に伴い、電池の小型化および高エネルギー密度化が要求されるようになってきている。そのため、電池を構成する各部材の小型化および薄型化が必要であるが、発電体や電極リード用部材を小型化または薄型化すると電気抵抗が増大するため、電気的エネルギーロスが大きくなるという問題があった。
【0005】
その一方で、製品の高機能化および高出力化に対応して、必要とされる電流は大きくなる傾向にあるため、電極リード用部材は可及的に通電容量が大きな材料で構成することが望ましいと考えられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記発電体や電極リード用部材を薄型化することにより通電容量は小さくなり、そのため、大電流を流したときに大きな電気的負荷が生じ、短絡が生じたり、ジュール熱の発生によりセパレータやラミネートシート等の樹脂製部材に悪影響を及ぼすという欠点があった。
【0007】
また、特にラミネート型電池において、樹脂製部材の変形によるリードの位置ずれや、ラミネートシート封止部の封止性の劣化が問題となっていた。
【0008】
そのため、電極リード用部材をより薄型化,小型化でき、かつ大電流を流すことが可能であるような電気的特性と耐食性とを兼ね備えるような材料の開発が求められていた。
【0009】
こうした課題を解決する最も簡単な方法は電極リード用部材を電気抵抗が低い材料で形成することである。選択可能な材料としては例えば、アルミニウム,銅,銀等が挙げられる。
【0010】
しかし、電解液(電解質)との反応性(耐食性)やコスト面等をすべて満足する理想的な電極リード用部材はこれまでのところ開発されていなかった。例えば銅は高い電気伝導性を持つが、電極リード用部材として使用するには耐食性が低いという点で問題があった。
【0011】
そのため、電極リード用部材としては、これまで主に純ニッケルが用いられてきた。ところが、純ニッケルを正極リードおよび負極リードとして用いると、縁部にばりを生じ易い難点がある。このばりが生じると電池内部材を損傷し易くなり、電池特性を劣化させ、電池を製造してからの不良率に影響を及ぼす原因となっていた。
【0012】
そのため、このばりを生じないようにするため、板材からリード幅にスリットする際のスリッタを調整する等の手段がとられる。しかし、ばりを抑えるようにスリッタを調整すると、材料が持つ延性,粘性や靭性によりまくれと呼ばれる耳部の変形が大きくなるという傾向があり、電極リード用部材が樋状になり、これらリードの接触面積が低下し、その結果、かえって電池特性を悪化させることがあった。
【0013】
特に、ラミネートタイプの電池等においては、ラミネートの封止部と電極リード部材とが直接接触するため、電極リード用部材のばりやまくれは、ラミネートの封止性を低下させるものであるため、ばりやまくれの発生を防止する電極リード用部材の開発が望まれていた。特に、ラミネートシートとして金属ラミネート箔を使用する場合、電極リード用部材のばりおよびまくれにより、電極リード用部材とラミネート内の金属とが接触すると短絡の原因となるため、これを確実に防止することが必要であった。さらに、電極リード用部材のばりおよびまくれにより電解液等の内部物質が流出するケースもあった。
【0014】
このばりとまくれが電池特性に及ぼす影響について着目し、これらを低減することを目的とした構成は、これまでのところ提案されていなかった。従って、小型化および高エネルギー密度の電池の開発を可能とするために、電気抵抗が小さく、ばりやまくれが発生しない電極リード用部材の開発が望まれていた。
【0015】
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、電解質に対しての耐食性を有し、大電流を通電することが可能な優れた電気的特性を有し、また、ばりやまくれの発生が防止され、エネルギーロスおよび発熱による構成材の損傷を防止しつつ、ラミネートシートの封止部の封止性を向上させることが可能な電極リード用部材を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、電池を小型化および高エネルギー密度化するために、電気伝導性に優れ、加工時の変形によるばりおよびまくれを抑制してラミネートの封止性を保持する電極リード用部材を鋭意研究した。その結果、電極リード用部材を第1層,第2層,第3層からなる3層構造を少なくとも具備し、芯材となる第2層に電気伝導性に優れる比較的安価な銅層を用い、第2層の両面に接合される第1層および第3層に耐食性に優れたニッケル層を配置したクラッド材で構成することにより、上記課題が効果的に解決されるとの知見を得た。
【0017】
つまり、電極リード用部材を、銅製の芯材の両面にニッケル製の合せ材を一体に接合したクラッド材で形成することにより、導電性及び耐食性が良好でかつ電極リード用部材を構成する各構成金属の厚さが薄くなるため、ばりを小さくすることが可能となり、またまくれによる浮き上がりを抑制するようなスリット方法を行うことで、ばり高さとまくれ高さの合計の突出量を小さくする効果が顕著になるとの知見を得た。
【0018】
すなわち、本発明に係る電極リード用部材は、電池等の電気装置の内部と外部とを電気的に接続する電極リードに使用される電極リード部材において、前記電極リード用部材が3層構造のクラッド材から成り、このクラッド材は純ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金で形成されたニッケル層からなる第1層および第3層と、この第1層と第3層の間に介装された純銅または銅を主成分とする合金から形成された銅層から成る第2層とから形成されることを特徴とする。
【0019】
電極リード用部材の第2層として用いられる銅は電気伝導性や加工性等の特性に優れているが、電極リード用部材として単体で使用するには電解質に対しての耐食性及び反応性の問題があった。本発明に係る電極リード用部材は、芯材となる第2層を高い電気伝導性を持つ銅で形成し、銅層の第2層の両面に配置される合わせ材としての第1層および第3層を耐食性に優れたニッケル層で形成した3層構造のクラッド材とした。なお、本発明のクラッド材はニッケル層/銅層/ニッケル層の3層構造を具備していればよく、ニッケル層上に他の金属層を設けたものや絶縁樹脂層を設けたものを除外するものではない。
【0020】
従って、化学的特性が良好で、大電流を流通した場合でも電気抵抗による発熱が少なく、エネルギーロスも防止することができる。
【0021】
また、電極リード用部材をクラッド材で形成することにより、製造時のばりやまくれの発生を抑制することができる。このため、電極リードの電気伝導度の低下や電気装置内部の部材およびラミネートシートの損傷を起こすことが少なく、液漏れ等による電池や電気機器の特性の劣化が効果的に防止できる。例えば、銅層の両面にニッケルめっきによりニッケル層を設けることも考えられるが、めっき層では層間の接合強度が十分でなく、銅−ニッケル層間の剥離によるシール不良が発生しやすいので必ずしもよいとは言えない。
【0022】
従って、電極リードを小型化および薄型化することが可能であり、ラミネート電池やELパネル等の電気装置を、より高性能化および小型化して高エネルギー密度化することが可能である。
【0023】
また、本発明に係る電極リード用部材に生じるばりの高さとまくれの高さとを合計した突出部の高さが50μm以下であることが好ましい。
【0024】
電極リード用部材に発生するばりは、例えば、電池の電極リードとして使用した場合、セパレータや正極,負極等の電池内部の部材に傷を生じ、電池特性の劣化を招く。また、まくれは正極リードおよび負極リードの接触面積の低下を招き、エネルギーロスの原因ともなる。本発明者らの研究によれば、電極リード用部材のばりおよびまくれとを合計した浮き上がり高さが、50μm以下であれば、電気装置内の部材の損傷やラミネートシートの封止性の低下が起きず、電気特性の劣化が発生しない。また、ばりの高さは10μm以下、まくれの高さは15μm以下であることが好ましい。
【0025】
本発明に係る電極リード用部材においては、このばりとまくれをあわせた高さを50μm以下に抑制することが可能であり、従来の純ニッケルを使用した電極リード用部材に比較して電池特性の劣化防止効果が高い。
【0026】
また、本発明に係る電極リード用部材において、芯材としての前記第2層を構成する銅層中の銅の純度(銅含有量)が99質量%以上であることが好ましい。
【0027】
電極リード用部材の第2層は、純銅または銅を主成分とする合金を使用することが可能である。純銅としては、例えば、JIS−H−3100のC1020R等で規定される無酸素銅を使用することが可能であり、また、銅を主成分とする合金は、銅含有量が99質量%以上である合金であることが好ましく、例えばジルコニウムあるいはクロムなどを添加したCr−Zr含有銅合金など公知の銅合金を使用することが可能である。
【0028】
さらに、本発明に係る電極リード用部材において、合せ材としての前記第1層および前記第3層を構成するニッケル層のニッケル純度(ニッケル含有量)が99質量%以上であることが好ましい。
【0029】
前記第2層の両面は、純ニッケルまたはニッケルを主成分とする合金で形成された第1層および第3層を積層して一体に構成する。純ニッケルとしては、例えば、JIS−H−4551のNW2200等に規定される各種純ニッケルを使用することが可能であり、また、ニッケルを主成分とする合金は、ニッケル含有量が99質量%以上であることが好ましく、例えばCuを含有したCu含有ニッケル合金を使用することが可能である。
【0030】
本発明に係る電極リード用部材は、3層構造を具備するクラッド材とすることにより、ニッケルが発揮する耐食性と、銅が発揮する電気伝導性とを活用することを特徴とする。従って、第2層に使用される銅および第1層および第3層に使用されるニッケルはどちらもそれぞれ純金属に近い組成を有することが好ましい。
【0031】
銅およびニッケルの純度は、現在の金属精製技術およびコストから、部材の製造コストおよび電極リード用部材としての性能をともに満足する純度として、ニッケル層はニッケル99質量%以上、銅層は銅99質量%以上としたものである。
【0032】
一方、本発明に係る電極リード用部材においては、電極リード用部材の厚さに対する前記第2層の厚さの比(銅層の厚さ/全体の厚さ)が10%以上であることが好ましい。
【0033】
本発明者らの知見によると、電極リード用部材厚さに対する第2層の平均厚さの割合を10%以上とした電極リード用部材は、高い電気伝導性を保持しつつ、ばりおよびまくれの発生を抑制する効果が高く、電気特性を劣化させるセパレータやラミネートシートの傷等を効果的に防止することが可能である。
【0034】
特に、電極リード用部材のばりおよびまくれを抑制するためには、電極リード用部材厚さに対する第1層および第3層であるニッケル層厚さの比をそれぞれ15%〜37.5%、第2層である銅層厚さの比が25%〜70%の範囲に設けることが好ましい。なお、Ni/Cu/Niの3層構造の表面に他の金属層を具備する場合は、その金属層も全体の厚さとしてカウントする。一方、表面に樹脂被覆を設けた場合、この樹脂被覆は全体の厚さにはカウントしないものとする。これは、金属層が電極として機能するのに対し、樹脂層が絶縁物であるため電極として機能しないためである。そのため、酸化膜等の絶縁性被膜(絶縁性セラミックス被膜)を設けた場合もその絶縁性被膜の厚さは全体の厚さにカウントしない。
【0035】
さらに、本発明に係る電極リード用部材においては、ニッケル層である前記第1層および前記第3層の厚さはそれぞれ5μm以上とすることが好ましい。第1層と第3層の厚さは異なっていてもよいが、異なる厚さのニッケル層を用意することは製造性の観点から必ずしもよいとは言えないので、第1層と第3層の厚さは同じであることが好ましい。
【0036】
第1層および第3層のニッケル層は主に耐食性を要求されるものであるため、一定以上の厚さを保持する必要がある。本発明者らの研究によれば、表面層厚さを5μm以上とすることにより、十分な耐食性を備えた電極リード用部材を提供することが可能である。また、5μm以上あればクラッド材の強度の向上にも寄与する。
【0037】
さらに、本発明に係る電極リード用部材において、クラッド材全体の板厚は0.5mm以下であることが好ましい。
【0038】
ラミネートシートの封止部は、電極リードを封止樹脂で被覆して両面からラミネートシートで圧着する構成としてあるため、電極リードはラミネートシートの封止部の封止性を保持するため、なるべく薄く形成することが好ましい。好ましい全体の厚さは0.05〜0.3mmである。
【0039】
本発明者らによれば、電極リード用部材の板厚を0.5mm以下とすることにより、ラミネートシートによる封止性の低下を防止することが可能である。
【0040】
一方、本発明の電極リード用部材において、電極リード用部材の表面粗さは算術平均粗さ(Ra)基準で0.05〜1.0μmの範囲に設定することが好ましい。なお、本発明のRaではカットオフを0.8mmにして測定したものとする。また、Raの測定においては電極リード用部材の表面の中心部を通る少なくとも3ヶ所以上測定した平均値で示すものとする。
【0041】
電極リード用部材の表面粗さは、ラミネートシートによる封止性に影響する。本発明者らによれば、この電極リード用部材の表面粗さを、0.05〜1.0μm−Raの範囲に設定することにより、封止部の封止性が長期間にわたって良好に維持される。表面粗さRaを0.05μm未満とするように研磨することや、Ra1.0μmを超えて粗面とすることは、封止性および製造コストの点で好ましくない。例えば、Ra0.05〜1.0μm程度であれば圧延工程のロールの表面粗さを調整することにより所望のRaを得ることが可能である。一方、Ra0.05μm未満または1.0μmを超えるものは表面研磨やブラスト処理等圧延工程以外の処理が必要になり製造コストの増大につながる。
【0042】
また、表面粗さをRa基準で0.1〜0.3μmの範囲に設定した電極リード用部材では、ラミネートシートの封止性がさらに向上するため、より好ましい。
【0043】
上記構成に係る電極リード用部材によれば、電極リード用部材を高い耐食性と電気伝導性とを兼ね備えた3層構造のクラッド材により構成したので、従来以上に大きな電流を通電することが可能である。また、電極リード用部材のばりやまくれを防止して電気特性の劣化や発熱を防止できる。その結果、より小型で高性能な高エネルギー密度の電池を提供することが可能になる。
【0044】
【発明の実施の形態】
本発明に係る電極リード部材の好ましい実施の形態について、添付図面を参照して以下に具体的に説明する。
【0045】
本発明に係る電極リード用部材は、例えば図1に示すような構造を有するラミネート電池10の部品として適用される。
【0046】
ラミネート電池10は、発電体1と、発電体1と外部とを電気的に接続する正極リード2および負極リード3と、発電体1を外部と電気的に絶縁して封入するラミネートシート4とから構成される。
【0047】
図2にラミネート電池10の部分的断面図を示す。ラミネートシート4は、表面側樹脂フィルム4a、バリア材4b、シーラントフィルム4cを積層して構成される。発電体1は、正極5とセパレータ6と負極7とをこの順番に積層して、正極5と負極7とを電気的に絶縁したものである。正極5は正極活物質5aと正極集電体5bとから構成され、負極7は負極活物質7aと負極集電体7bとから構成される。この正極5および負極7には、それぞれ正極リード2と負極リード3とが接続される。正極リード2および負極リード3の取出部分のラミネートシート封止部には、封止樹脂8が塗布されてラミネートシート4が封止される。
【0048】
図3を参照して電極リード用部材12の構成を説明する。このラミネート電池10の正極リード2および負極リード3を本発明の電極リード用部材で形成する。
【0049】
この電極リード用部材12は、第1層21と第2層22と第3層23とをこの順番に積層して、3層構造に設けられる。芯材としての第2層22は良好な導電性を有する材料で構成される。この電極リード用部材12において、第2層22を銅または銅を主成分とする合金で形成する。一方、芯材としての第2層22の表裏に接合される第1層21および第3層23は、主に電解質に対する耐食性を発揮させるものであり、電極リード用部材12においてニッケルまたはニッケルを主成分とする合金で形成される。
【0050】
また、ラミネートシート4の封止部は、図4のように構成される。すなわち、電極リード用部材12は、両側が封止樹脂8によって被覆され、その外側がラミネートシート4により圧着される。電極リード用部材12の両端には、電極リード用部材の製造時にばりおよびまくれが形成されている。図4において、ばりの高さをBで示し、まくれの高さをAで示す。
【0051】
本発明者らは、表1に示すような条件仕様で実施例1〜実施例6,比較例1〜比較例4に係る電極リード用部材を、純度99質量%以上の銅と、純度99質量%以上ニッケルとを用いて圧延法により製作し、ばりおよびまくれの大きさおよび物性を比較した。なお、Raはすべて0.2μmに統一したものとする。
【0052】
これらの電極リード用部材を使用してラミネート電池10を作製し、過大電流を通電して封着性について試験した。具体的には、過大電流を流した際に約10時間後の封着部(封着樹脂8またはラミネートフィルム4)の密着性または短絡の有無を確認し、不具合が発生しているものの割合を測定した。
【0053】
試験結果を下記表1に示す。
【0054】
【表1】
Figure 2004063132
【0055】
上記表1に示す結果に基づいて、まず、ばりおよびまくれの大きさについて比較すると、実施例1〜実施例6の電極リード用部材の場合、ばりとまくれとを合わせた合計高さは、実施例5における21μmが最大で、いずれの実施例においても50μm以下に抑制されており、電極リード用部材として好適であることが判明した。
【0056】
また、表1に示す試験結果から明らかなように、実施例1〜実施例6に係る電極リード用部材のように、銅層厚さの電極リード用部材厚さに対する比を25%から80%の範囲に設定したものは、ラミネート電池において封止性の低下による短絡等の故障を発生しない。一方、比較例1および比較例2の電極リード用部材は、第2層である銅層の電極リード用部材厚さに対する比をそれぞれ0%および8%としたもので、これらの電極リード用部材は、ばりおよびまくれ高さが各実施例と比較して大きく、そのためラミネート電池の封止性に与える影響が大きく不具合の発生頻度が大きい。
【0057】
これらの試験結果から、電極リード用部材の厚さに対する銅層の厚さの電極リード用部材厚さに対する比を10%以上とすることが好ましい。
【0058】
また、比較例4のように電極リード用部材全体の厚さを0.7mmとした場合においても、ラミネートシートの封着性が低下するため、液もれ等の原因となることが明らかとなった。これは電極リード用部材の厚さがあまり厚くなりすぎると、リード用部材の側面部の封着性が低下する(シール不具合が発生しやすい)ためであると考えられる。
【0059】
従って、本発明の電極リード用部材は、厚さを0.5mm以下とすべきことが明確になった。
【0060】
一方、電極リード用部材の表裏のニッケル層厚さに差異を設けることによる電極リード用部材特性に対する影響について検討した。
【0061】
すなわち、同一の厚さの銅層に、電極リード用部材全体の厚さに対する銅層の厚さ比が50%となるようにNi層を銅層の両面に接合した電極リード用部材において、両面のニッケル層の厚さを同一(25μm)とした実施例2の電極リード用部材と、両面のニッケル層の厚さをそれぞれ5μm,45μmとした実施例4の電極リード用部材とを比較した。
【0062】
その結果、実施例2と実施例4とにおいては、材料特性に大きな差異を生じず、また、実施例2および実施例4の電極リード用部材とも通電による発熱が効果的に抑制され、どちらにも不具合を発生しないことが判明した。
【0063】
また、実施例4の結果より、片側のニッケル層厚さは、片側を5μm以上に設けることによりラミネートシートの封着性を損なうことが少ない電極リード用部材を提供することが可能であると判断された。言い換えれば本実施例にかかるリード用部材は、第1層と第3層のニッケル層の厚さが異なっていても封着性に悪影響を与えないものと言える。
【0064】
次に、電極リード用部材を使用したラミネート電池を作製し、過大電流の通電試験について検討する。その結果、純ニッケルからなる比較例1の電極リード用部材を使用した電池においては、電極リードからの発熱が大きく、その結果ラミネートシートの封止性が低下して電池特性が劣化したのに対して、実施例1〜6に係るクラッド材を使用した電池においては、リードからの発熱が効果的に抑制されており、電池特性の劣化の原因となる不具合が認められなかった。
【0065】
この発熱抑制効果は各クラッド材の電気抵抗値と相関関係を持つが、電池に使用した際の発熱抑制効果は使用中のばりおよびまくれによる電極リードの浮き上がりとも密接な関係を持っている。
【0066】
本発明者らの研究によると、表1に示すように、実施例1〜実施例6の銅とニッケルとのクラッド材からなる電極リード用部材を使用して電極リードを作製することにより、従来の純ニッケル製の正極リードあるいは負極リードの固有抵抗値に比較して電気抵抗値を小さくすることが可能である。例えば、実施例4に係るクラッド材では、電気抵抗値が比較例1の3分の1以下に低減されており、本発明に係る電極リード用部材の通電能力における優位性が明らかとなった。
【0067】
また比較例1のニッケル材のみで作製した電極リード用部材は、ジュール熱によるラミネートシート封止部の封止性の低下が顕著であり、異常の発生頻度が高かった。
【0068】
すなわち、クラッド材で形成した正極リードおよび負極リードを備えた実施例1〜実施例6に係る電池によれば、エネルギーロスや発熱の原因となるばりやまくれの発生が少ない。また、電気抵抗値が小さいため、発熱やエネルギーロスの少ない電池を提供することが可能であることが判明した。
【0069】
次に、表面粗さRaを変えた場合について検討する。表2に示したようにRaを変えたリード用部材を用意した。各部材の表面に封止樹脂層を設け、その密着性を測定した。具体的には、JIS−C−6481に準じた引き剥がし強さ測定方法に従い、密着強度が1.7N/mmを超えるものを「○」、1.7N/mm以下のものを「×」で表示した。
【0070】
その結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
Figure 2004063132
【0072】
表2から分かる通り、Raが0.05μm以上のものは密着性が良好であることが分かる。これは表面をあらすことにより封止樹脂との間でアンカー効果が得られると考えられる。
【0073】
一方、参考例1のようにRaが1.0μmを超える場合は密着性はよいがブラスト処理等であらさなければならず製造工程が増えてしまった。
【0074】
【発明の効果】
以上説明の通り、本発明に係る電極リード用部材によれば、電極リード用部材を高い耐食性と電気伝導性とを兼ね備えた3層構造のクラッド材により構成したので、従来以上に大きな電流を通電することが可能である。また、電極リード用部材のばりやまくれを防止して電気特性の劣化や発熱を防止できる。その結果、より小型で高性能な高エネルギー密度の電池を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電極リード用部材を使用したラミネート電池の構造図。
【図2】ラミネート電池の部分的断面図。
【図3】本発明に係る電極リード用部材の構成図。
【図4】ラミネート電池の封止部の構造図。
【符号の説明】
1 発電体
2 正極リード
3 負極リード
4 ラミネートシート
4a 表面側樹脂フィルム
4b バリア材
4c シーラントフィルム
5 正極
5a 正極活物質
5b 正極集電体
6 セパレータ
7 負極
7a 負極活物質
7b 負極集電体
10 ラミネート電池
12 電極リード用部材
21 第1層
22 第2層
23 第3層
A ばり高さ
B まくれ高さ

Claims (9)

  1. 電気装置の内部と外部とを電気的に接続する電極リードに使用される電極リード部材において、前記電極リード部材が純ニッケル及び/又はニッケルを主成分とする合金からなるニッケル層の間に純銅又は銅を主成分とする合金からなる銅層を具備するクラッド材から成ることを特徴とする電極リード用部材。
  2. 前記電極リード用部材に生じるばりの高さとまくれの高さとを合計した突出部の高さが50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
  3. 該ばりの高さ10μm以下、該まくれの高さ15μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の電極リード用材料。
  4. 前記銅層が純度99質量%以上の銅であることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
  5. 前記ニッケル層が純度99質量%以上のニッケルであることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
  6. 該電極リード用部材全体の厚さに対する前記銅層の厚さの比(銅層/全体の厚さ)が10%以上であることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
  7. 前記ニッケル層の厚さが片側5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
  8. 前記電極リード用部材全体の厚さが0.5mm以下であることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
  9. 電極リード用部材の表面粗さが算術平均粗さ(Ra)基準(カットオフ0.8mm)で0.05〜1.0μmの範囲であることを特徴とする請求項1記載の電極リード用部材。
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