JP2004063120A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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JP2004063120A
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Eiichiro Nonaka
野中 英一郎
Koji Aoto
青砥 宏治
▲徳▼永 敦志
Atsushi Tokunaga
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

【課題】プラズマディスプレイ装置において、パネル本体の表面ガラスと背面ガラスの密着力を強めで保ち、減圧地域での誤放電及びノイズをなくすこと、およびフリット部からのガスリークをなくすことを目的とする。
【解決手段】少なくとも前面側が透明な一対の基板1、5を基板間に放電空間が形成されるように対向配置するとともに、周辺部をシール材10により封着することにより構成し、かつ前記シール材10を結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとを含有する材料により構成したものである。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大画面で、薄型、軽量のディスプレイ装置として知られているプラズマディスプレイ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このプラズマディスプレイ装置には、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、プラズマディスプレイ装置の主流は、3電極構造の面放電型のものである。
【0003】
この面放電型のパネル構造は、少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置するとともに、前記放電空間を複数に仕切るための隔壁を基板に配置し、かつ前記隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように基板に電極群を配置するとともに放電により発光する赤色、緑色、青色に発光する蛍光体を設けて複数の放電セルを構成したもので、放電により発生する波長の短い真空紫外光によって蛍光体を励起し、赤色、緑色、青色の放電セルからそれぞれ赤色、緑色、青色の可視光を発することによりカラー表示を行っている。
【0004】
このようなプラズマディスプレイ装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなプラズマディスプレイ装置に用いられるプラズマディスプレイパネル(PDP)において、基板を貼り合せるシール材は非晶質性ガラスフリットまたは結晶性ガラスフリットのどちらかを使うのが一般的であった。しかし、非晶質ガラスは溶融すると緻密性はあるが、垂れやすく、形状を維持できない。一方、結晶性ガラスは、塗布した形状を保持しやすいが、緻密さに欠けるという特性があった。
【0006】
すなわち、非結晶性ガラスフリットを用いたPDPでは、フリットが形状を保持できず、貼り合せたガラスに歪が生じ、表面ガラスと背面ガラスの密着力が弱くなり、背面ガラスに構成されているリブと表面ガラスに隙間が生じ、隣り合う画素間で誤放電及びノイズが発生する恐れがある。特に、外気の気圧が低い地域、特に高度の高い場所、あるいは飛行機内では特に顕著となる。
【0007】
結晶性ガラスフリットを用いたPDPでは、溶融したガラスフリットの緻密性に欠けることから、製品として出荷したPDPのガラスフリット部から徐々にガスがリークし、点灯しなくなる恐れがある。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するもので、減圧地域での誤放電及びノイズをなくしつつ、ガラスフリット部からのガスリークを発生させないようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、シール材を結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとを含有する材料により構成したことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
すなわち、本発明の請求項1記載の発明は、少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置するとともに、周辺部をシール材により封着することにより構成し、かつ前記シール材を結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとを含有する材料により構成したものである。
【0011】
以下、本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置について、図1〜図4を用いて説明するが、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。
【0012】
図1に本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置に用いるPDPの概略構造を示し、図2にPDP全体の概略構造を示している。
【0013】
図1に示すように、PDPは前面パネルと背面パネルとから構成されており、前面パネルを構成するガラス基板などの透明な前面側の基板1上には、スキャン電極とサステイン電極とで対をなすストライプ状の表示電極2が複数列形成され、そしてその電極群を覆うように誘電体層3が形成され、その誘電体層3上には保護膜4が形成されている。
【0014】
また、前記前面パネルの基板1に対向配置される背面パネルの基板5上には、スキャン電極及びサステイン電極の表示電極2と交差するように、オーバーコート層6で覆われた複数列のストライプ状のアドレス電極7が形成されている。このアドレス電極7間のオーバーコート層6上には、アドレス電極7と平行に複数の隔壁8が配置され、この隔壁8間の側面およびオーバーコート層6の表面に蛍光体層9が設けられている。
【0015】
そして、これらの基板1と基板5とは、図2に示すように、スキャン電極およびサステイン電極の表示電極2とアドレス電極7とがほぼ直交するように、微小な放電空間を挟んで対向配置されるとともに、周辺部がシール材10により封着され、そして前記放電空間には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、キセノンのうちの一種または混合ガスが放電ガスとして封入されている。また、放電空間は、隔壁8によって複数の区画に仕切ることにより、表示電極2とアドレス電極7との交点が位置する複数の放電セルが設けられ、その各放電セルには、赤色、緑色及び青色となるように蛍光体層9が一色ずつ順次配置されている。
【0016】
ここで、本発明においては、前記シール材10を結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとを含有する材料により構成している。結晶性ガラスフリットの組成は一般的にPbO−ZnO−B系であり、本発明も同系のものから構成している。結晶性ガラスフリットの転移点は約320℃、軟化点は約400℃であり、結晶化を十分に進行するためには、封着温度は約450℃で30分程度保持することが望ましい。一方、非結晶性ガラスフリットは一般的にPbO−B系であり、本発明も同系のものから構成している。非結晶性ガラスフリットの転移点は約320℃、軟化点は約380℃であり、封着は約450℃で10分程度保持すれば十分である。
【0017】
なお、結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットの熱膨張係数はガラス基板(80〜90×10−7/℃)とマッチングさせることが好ましく、70〜100×10−7/℃になるように設定することが望ましい。熱膨張係数を調整するには、フィラーと呼ばれるセラミックスを添加することが可能である。また、それらの軟化点は、主成分でほぼ決定するが、微量の添加物によって変化させることも可能である。例えば、アルカリ土類金属の酸化物を微量添加することで、軟化点を下げることができる。
【0018】
本発明においては、前面パネルと背面パネルのいずれか一方、または両方の周辺部に結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとを含有するシール材10を塗布し、その後焼成することにより、温度上昇に伴い、最初に結晶性ガラスフリットが結晶化し、次に非結晶性ガラスフリットが軟化し、流動性を有するようになり、結晶性ガラスフリットの間隙を埋めるような形で、緻密さを増していく。また、形状は結晶化した結晶が骨格となり、維持できる。このようなプロセス(封着温度450℃ 20分)で、緻密で形状安定性に優れたシールが可能となる。なお、結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットは適当な溶剤と混合し、ペースト状態にして、ディスペンサ法やスクリーン印刷法などにより塗布される。
【0019】
以下に、具体的な例により本発明を説明する。
【0020】
転移点320℃、軟化点400℃のPbO−ZnO−B系の結晶性ガラスフリットと、転移点320℃、軟化点380℃のPbO−B系の非結晶性ガラスフリットを用い、結晶性ガラスフリットが100%のシール材(例1)、結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットがそれぞれ50%の本発明によるシール材(例2)、非結晶性ガラスフリットが100%のシール材(例3)の3種類を準備し、これらのシール材でパネルをシールして、緻密性と形状安定性を評価するため、断面観察を行った。この結果を表1に示す。なお、表1中の○は良好、×は不良を表わしている。
【0021】
【表1】
Figure 2004063120
【0022】
この表1に示すように、例1の結晶性ガラスフリットだけでは緻密性が悪く、パネル内ガスリークの可能性が大きい。また、例3の非結晶性ガラスフリットだけでは流動性が大きく、形状が安定しない。そのため、パネルの貼り合わせ断面形状は、図3のようになり、前面パネルの基板1と背面パネルの基板5に構成される隔壁8とに隙間が生じる構造となることで、減圧地域での誤放電及びノイズに不利となる。
【0023】
一方、本発明による例2のものは、緻密性と形状安定性の両者に優れた特性を示し、図4に示すように前面パネルの基板1は背面パネルの基板5に形成された隔壁8に、より密着する方向に応力が働く。これにより、通常の気圧下ではパネルの内部ガス圧が約500Torrに対し、高度0m地点で760Torrのため、260Torrの圧力で前面パネルの基板と背面パネルの基板が圧接されることとなる。すなわち、高地の減圧環境、すなわち高度約3000m以上で外気圧が約500Torrとなってパネルの内部ガス圧と等しいか、逆に内部圧力が高くなることにより、前面パネルの基板と背面パネルの基板が離れ、誤放電が発生する状態となっても、パネルの基板が離間されず、安定した表示画面が得られる。また、フリットの緻密性も十分にあることからフリット部からのガスリークも発生させず、パネル品質を保つことができる。
【0024】
ここで、上記具体例では、結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとの配合比率をそれぞれ50%としたが、この比率に限定されるものではなく、結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとの配合比率は、パネル設計およびプロセス仕様などに応じて最適な比率とすればよい。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明にかかるプラズマディスプレイ装置によれば、高地などの外気減圧下においても誤放電がなく、安定した高画質を得ることができる。また、ガラスフリット部からのガスリークも発生させず、パネル品質を保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるプラズマディスプレイ装置に用いるプラズマディスプレイパネルの概略構成を示す斜視図
【図2】同プラズマディスプレイパネルの全体構成を示す概略平面図
【図3】従来のプラズマディスプレイパネルの短辺方向の断面図
【図4】本発明のプラズマディスプレイパネルの短辺方向の断面図
【符号の説明】
1、5 基板
2 表示電極
3 誘電体層
4 保護膜
6 オーバーコート層
7 アドレス電極
8 隔壁
9 蛍光体層
10 シール材

Claims (1)

  1. 少なくとも前面側が透明な一対の基板を基板間に放電空間が形成されるように対向配置するとともに、周辺部をシール材により封着することにより構成し、かつ前記シール材を結晶性ガラスフリットと非結晶性ガラスフリットとを含有する材料により構成したことを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115108725A (zh) * 2021-03-19 2022-09-27 博思有限公司 用于密封有机发光显示装置的玻璃组合物

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