JP2013098068A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Hirotoshi Tabuchi
浩敏 田渕
Kazuaki Yanagida
一晃 柳田
Takahiro Takamori
孝宏 高森
Katsuyuki Ishizu
勝之 石津
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Abstract

【課題】文字および絵図が長時間固定表示された後に発生する焼き付きによる残像を防止する。
【解決手段】複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスの脱離ガスイオン強度が9.2×10-9以上1.0×10-8以下のH2O、および、脱離ガスのイオン強度が7.1×10-12以上7.8×10-11以下の炭化水素ガスであることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPという)を表示デバイスとして用いたプラズマディスプレイ装置(以下、PDP装置という)に関するものである。
このPDP装置に用いられるパネルは、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類がある。近年、高精細化、大画面化および製造の簡便性が求められていることから、PDP装置の主流は、3電極構造の面放電型のものである。この面放電型のPDP構造は、少なくとも前面側が透明な一対の前面基板と背面基板とを基板間に放電空間が形成されるように対向配置されている。そして、放電空間を複数に仕切るための隔壁が、背面基板に形成された絶縁体層上に形成され、かつ、隔壁により仕切られた放電空間で放電が発生するように背面基板の絶縁層中に電極群が配置されている。さらに、隔壁間には、放電により発光する赤色、緑色、青色に発光する蛍光体を設けて複数の放電セルを構成している。そして、放電により発生する波長の短い真空紫外光によって蛍光体を励起し、赤色、緑色、青色の放電セルからそれぞれ赤色、緑色、青色の可視光を発することによりカラー表示を行っている。
このようなPDP装置は、液晶パネルに比べて高速の表示が可能であり、視野角が広いこと、大型化が容易であること、自発光型であるため表示品質が高いことなどの理由から、フラットパネルディスプレイの中で最近特に注目を集めており、多くの人が集まる場所での表示装置や家庭で大画面の映像を楽しむための表示装置として各種の用途に使用されている。
このようなPDP装置において、例えば、パラジウム又はパラジウムを含む合金をPDP内部に配置して、放電維持電圧を増加させることなく、放電に伴って分解された水素を吸蔵して水分子や炭化水素分子を除去することができることが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−228474号公報
しかし、PDPの背面基板上に備える絶縁体層の空隙率によっては、水分子や炭化水素分子が極端に少なくなると、絵図および文字などが焼き付きやすくなり、残像が発生するため表示品質が劣る恐れがある。
本発明はこのような現状に鑑みなされたもので、PDPの高性能化および高品質化を目的とする。
この課題を解決するために本発明は、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板と背面板とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDPであって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度は9.2×10-9以上1.0×10-8以下のH2O、かつ、脱離ガスのイオン強度は7.1×10-12以上7.8×10-11以下の炭化水素ガスであることを特徴とする。
本発明によれば、残像の発生がより抑えられた高品質かつ高性能なPDP装置を提供することができる。
本発明の一実施の形態によるPDP装置に用いるPDPの要部を示す斜視図 本発明の一実施の形態によるPDP装置の電極配列図 本発明の一実施の形態によるPDP装置の回路ブロック図 本発明の一実施の形態によるPDPの画面上に表示される文字を示す図 本発明の一実施の形態によるPDP装置の各種ガスの存在率および焼き付き解消を示す図
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態によるPDP装置について、図1〜図6を用いて説明する。しかし、本発明の実施の態様はこれに限定されるものではない。
1、プラズマディスプレイパネル(PDP)
まず、PDP装置におけるPDP11の構造について図1を用いて説明する。図1は、本発明の第1実施形態によるPDP装置に用いるPDP11の要部を示す図である。図1に示すように、PDP11は、フロート法により形成された硼珪素ナトリウム系ガラスなどの前面基板1と背面基板2とを、その間に放電空間を形成するように対向配置することにより構成されている。前面基板1上には表示電極を構成する走査電極3と維持電極4とが間に放電ギャップGを設けて互いに平行に対をなしてストライプ状に複数形成されている。そして、走査電極3および維持電極4を覆うようにガラス材料からなる誘電体層5が形成され、その誘電体層5上にはMgOからなる保護層6が形成されている。走査電極3および維持電極4は、ITOなどの透明電極3a、4aと、この透明電極に重ねて形成したバス電極はCr/Cu/CrまたはAgなどの材料からなるバス電極3b、4bとから構成されている。
また、背面基板2上には、ガラス材料からなる絶縁体層7で覆われたストライプ状に配列したAgからなる複数のデータ電極8が設けられ、その絶縁体層7上には、前面基板1と背面基板2との間の放電空間を放電セルS毎に区切るための井桁状のガラス材料からなる隔壁9が設けられている。なお、隔壁9は、横隔壁を除いたストライプ状の隔壁にも適応できる。また、絶縁体層7の表面および隔壁9の側面に赤色10R、緑色10G、青色10Bの蛍光体層10が設けられている。そして、走査電極3および維持電極4とデータ電極8とが交差するように前面基板1と背面基板2とが対向配置されており、その間に形成される放電空間には、放電ガスとして、NeおよびXeなどを混合した放電ガスを66500Pa(500Torr)程度の圧力で封入されている。なお、PDP11の構造は上述したものに限られるわけではなく、例えばストライプ状の隔壁9を備えたものであってもよい。
次に、PDP11の電極について説明する。図2はこのPDP11の電極配列図である。図2に示すように、PDP11の表示領域には、行方向にn本の走査電極SC1〜SCn(図1の走査電極)およびn本の維持電極SU1〜SUn(図1の維持電極)が、維持電極SU1−走査電極SC1−走査電極SC2−維持電極SU2・・・・の配列となるように形成され、列方向にm本のデータ電極D1〜Dm(図1のデータ電極)が走査電極SC1〜SCnおよびn本の維持電極SU1〜SUnと交差する配列となるように形成されている。そして、1対の走査電極SCiおよび維持電極SUi(i=1〜n)と1つのデータ電極Dj(j=1〜m)とが交差した部分に放電セルSが形成され、放電セルSは放電空間内にm×n個形成されている。また、PDP11の表示領域の周囲には、非表示領域が設けられ、その非表示領域には、複数本(図示のものは、片側に2本)のダミー電極が形成されている。
次に、PDP装置の回路ブロックについて説明する。図3はこのPDP11を用いたPDP装置の回路ブロック図である。図3に示すように、このPDP装置は、PDP11、画像信号処理回路12、データ電極駆動回路13、走査電極駆動回路14、維持電極駆動回路15、タイミング発生回路16および電源回路(図示せず)を備えている。また、データ電極駆動回路13は、図2に示すように、PDP11のデータ電極8の一端に接続され、かつデータ電極8に電圧を供給するための半導体素子からなる複数のデータドライバを有している。データ電極8は、数本ずつのデータ電極で1ブロックとして複数のブロックに分割し、そのブロック単位で複数のデータドライバをPDP11の下端部の電極引出部に接続して配置している。
図3において、画像信号処理回路12は、画像信号sigをサブフィールド毎の画像データに変換する。データ電極駆動回路13はサブフィールド毎の画像データを各データ電極D1〜Dmに対応する信号に変換し、各データ電極D1〜Dmを駆動する。タイミング発生回路は水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vをもとにして各種のタイミング信号を発生し、各駆動回路ブロックに供給している。走査電極駆動回路14はタイミング信号にもとづいて走査電極SC1〜SCnに駆動電圧波形を供給し、維持電極駆動回路15はタイミング信号にもとづいて維持電極SU1〜SUnに駆動電圧波形を供給する。ここで、走査電極駆動回路14および維持電極駆動回路15は、維持パルス発生部を備えている。
2、PDP11の製造方法
2−1、前面板20の製造方法
フォトリソグラフィ法によって、前面基板上に、走査電極3および維持電極4が形成される。走査電極3は、インジウム錫酸化物(ITO)などの透明電極3a、4aと、透明電極3a、4aに積層された銀(Ag)などからなるバス電極3b、4bとから構成されている。維持電極4は、ITOなどの透明電極と、透明電極3a、4aに積層されたCr/Cu/CrまたはAgなどの材料からなるバス電極3b、4bとから構成されている。
バス電極3b、4bの材料には、銀(Ag)と銀などを結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含む電極ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、電極ペーストが、透明電極が形成された前面基板1上に塗布される。次に、乾燥炉によって、電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、電極ペーストが露光される。
次に、電極ペーストが現像され、バス電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、バス電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、電極パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、バス電極3b、4bが形成される。
ここで、電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
次に、誘電体層5が形成される。誘電体層5の材料には、誘電体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む誘電体ペーストが用いられる。まずダイコート法などによって、誘電体ペーストが所定の厚みで走査電極3、維持電極4を覆うように前面基板1上に塗布される。次に、乾燥炉によって、誘電体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、誘電体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、誘電体ペースト中の樹脂が除去される。また、誘電体ガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた誘電体ガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、誘電体層5が形成される。ここで、誘電体ペーストをダイコートする方法以外にも、スクリーン印刷法、スピンコート法などを用いることができる。また、誘電体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによって、誘電体層5となる膜を形成することもできる。
次に、誘電体層5上に保護層6が形成される。以上の工程により前面基板1上に走査電極3、維持電極4、誘電体層5および保護層6を有する前面板20が完成する。
2−2、背面板30の製造方法
フォトリソグラフィ法によって、背面基板2上に、データ電極8が形成される。データ電極8の材料には、導電性を確保するための銀(Ag)と銀を結着させるためのガラスフリットと感光性樹脂と溶剤などを含むデータ電極ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、データ電極ペーストが所定の厚みで背面基板2上に塗布される。次に、乾燥炉によって、データ電極ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、データ電極ペーストが露光される。次に、データ電極ペーストが現像され、データ電極パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、データ電極パターンが所定の温度で焼成される。つまり、データ電極パターン中の感光性樹脂が除去される。また、データ電極パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、データ電極8が形成される。ここで、データ電極ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、スパッタ法、蒸着法などを用いることができる。
次に、絶縁体層7が形成される。絶縁体層7の材料には、絶縁体ガラスフリットと樹脂と溶剤などを含む絶縁体ペーストが用いられる。まず、スクリーン印刷法などによって、絶縁体ペーストが所定の厚みでデータ電極8が形成された背面基板2上にデータ電極8を覆うように塗布される。次に、乾燥炉によって、絶縁体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、絶縁体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、絶縁体ペースト中の樹脂が除去される。また、絶縁体ガラスフリットが溶融するその後、室温まで冷却することにより、溶融していた絶縁体ガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、絶縁体層7が形成される。ここで、絶縁体ペーストをスクリーン印刷する方法以外にも、ダイコート法、スピンコート法などを用いることができる。また、絶縁体ペーストを用いずに、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、絶縁体層7となる膜を形成することもできる。
なお、本実施の形態における絶縁体層7を構成する絶縁体ペーストは、ガラス成分20−50%、絶縁性フィラー10−50%、導電性フィラー0−5%、バインダ10−20%、溶剤20−30%の配合比のものを数種類用いた。
絶縁性フィラーとは、シリカやチタニアのような絶縁性を持った物質で構成されたフィラーであり、導電性フィラーは酸化スズやマンガンといった導電性をもった物質で構成されたフィラーである。
また絶縁性フィラーとガラス成分の比率を変更することで、絶縁体層7の空隙率を変更できる。後述する実験結果においてはこれらの配合比を変更して材料を作成し検討した。特に、ガラス成分45%−50%、絶縁性フィラー10−15%とすることで良好な結果が得られた。
次に、フォトリソグラフィ法によって、隔壁9が形成される。隔壁9の材料には、フィラーと、フィラーを結着させるためのガラスフリットと、感光性樹脂と、溶剤などを含む隔壁ペーストが用いられる。まず、ダイコート法などによって、隔壁ペーストが所定の厚みで絶縁体層7上に塗布される。次に、乾燥炉によって、隔壁ペースト中の溶剤が除去される。次に、所定のパターンのフォトマスクを介して、隔壁ペーストが露光される。次に、隔壁ペーストが現像され、隔壁パターンが形成される。最後に、焼成炉によって、隔壁パターンが所定の温度で焼成される。つまり、隔壁パターン中の感光性樹脂が除去される。また、隔壁パターン中のガラスフリットが溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していたガラスフリットが、ガラス化する。以上の工程によって、隔壁9が形成される。ここで、フォトリソグラフィ法以外にも、サンドブラスト法などを用いることができる。本実施の形態においてできた絶縁体層7の空隙率の平均値は、0.1〜1%の範囲とする。ここで空隙率とは、絶縁体層7の中で絶縁体層のガラス成分が存在していない部分の体積の割合であって、以下の方法で測定される。
(1)背面板を割断し、絶縁体層7の断面が露出したサンプルを切り出す。
(2)絶縁体層7を二次電子走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮像する。
(3)撮像された誘電体断面の画像から、空隙率を算出する。
また誘電体の断面は、SEM撮像時のコントラストを上げ、かつ割断時の割れ具合による測定ばらつきを防止するため、空隙部や周辺を樹脂でコートすることが望ましい。本測定は、日立製作所製走査型電子顕微鏡S−3000を用いて行った。算出に用いた撮像は反射電子計測モードで、加速電圧15kV、ワークディスタンス15mmにて行った。
次に、蛍光体層10が形成される。蛍光体層10の材料には、蛍光体粒子とバインダと溶剤などとを含む蛍光体ペーストが用いられる。まず、ディスペンス法などによって、蛍光体ペーストが所定の厚みで隣接する複数の隔壁間の絶縁体層7上および隔壁9の側面に塗布される。次に、乾燥炉によって、蛍光体ペースト中の溶剤が除去される。最後に、焼成炉によって、蛍光体ペーストが所定の温度で焼成される。つまり、蛍光体ペースト中の樹脂が除去される。以上の工程によって、蛍光体層10が形成される。ここで、ディスペンス法以外にも、スクリーン印刷法などを用いることができる。
以上の工程により、背面基板2上に、データ電極8、絶縁体層7、隔壁9および蛍光体層10を有する背面板30が完成する。
2−3、前面板20と背面板30との組立方法
まず、ディスペンス法などによって、背面板の周囲に封着ペーストが塗布される。塗布された封着ペーストは、封着ペースト層(図示せず)を形成する。次に乾燥炉によって、封着ペースト層中の溶剤が除去される。その後、封着ペースト層は、約350℃の温度で仮焼成される。仮焼成によって、封着ペースト層中の樹脂成分などが除去される。次に、表示電極とデータ電極8とが直交するように、前面板20と背面板とが対向配置される。
さらに、前面板20と背面板の周縁部が、クリップなどにより押圧した状態で保持される。この状態で、所定の温度で焼成することにより、低融点ガラス材料が溶融する。その後、室温まで冷却することにより、溶融していた低融点ガラス材料がガラス化する。これにより、前面板20と背面板とが気密封着される。最後に、放電空間にNe、Xeなどを含む放電ガスが封入されることによりPDP11が完成する。
3、PDP11内部に存在するガスについて
上記の絶縁体ペースト材料を使用すると、絶縁体ペースト材料が持ち込むH2Oガス、炭化水素ガスが減少すると考えられる。
このようなPDP11において、例えば、PDP11の表示面に図4に示すような文字40「8:00」を所定時間以上連続して表示し続けた後、文字40を表示面から消去して全画面を白色に表示したとする。すると、PDP11の表示面には、表示していた文字40と文字が表示されていない文字40の周辺部50とで輝度差が発生し、うっすら文字40が表示されていた領域が表示面に残ったように視認できる。それは、表示されていた文字40と文字40の周辺部50とで放電開始電圧の差(ΔVf)がより大きくなるために起こる現象である。その結果として、文字40の放電開始電圧が表示面の放電開始電圧より大きい場合、表示面より文字40の方が暗く視認される。または、文字40の放電開始電圧が表示面の放電開始電圧より小さい場合、表示面より文字40の方が明るく視認される。なお、図4では表示面より文字40の方が暗く視認される場合を示している。
さらに、図4に示すように文字40とその周辺部50との間の領域に染み出し部60が発生する場合もあり、2段階の輝度差が視認できる場合もある。それは、表示されていた文字40と文字40の外周と内周の領域の染み出し部60とで放電開始電圧の差(ΔVf)がより大きくなるために起こる現象である。その結果として、文字40の放電開始電圧が染み出し部60の放電開始電圧より大きい場合、染み出し部60より文字40の方が暗く視認される。なお、図4では染み出し部60より文字40の方が暗く視認される場合を示している。
そして、本実施の形態では輝度差を、文字40の輝度の平均値、周辺部50の輝度平均値、染み出し部60の輝度平均値をそれぞれ測定して算出した輝度比として表わすことにする。
例えば、文字40と周辺部50の輝度比は、1−(文字40の輝度の平均値)/(周辺部50の輝度平均値)であり、文字40と染み出し部60の輝度比は、1−(文字40の輝度の平均値)/(染み出し部60の輝度平均値)であり、染み出し部60と周辺部50の輝度比は1−(染み出し部60の輝度の平均値)/(周辺部50の輝度平均値)である。
上記問題を解決するために本実施の形態では、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度は9.2×10-9以上1.0×10-8以下のH2O、かつ、脱離ガスのイオン強度は7.1×10-12以上7.8×10-11以下の炭化水素ガスであることを特徴とする。
炭化水素ガスは、本実施の形態では、C49とC25COとの混合ガスと、C66とを用いている。そして、C49とC25COとの混合ガスの場合、3.8×10-11以上7.8×10-11以下であり、C66の場合、7.1×10-12以上1.3×10-11以下である。
ここで、脱離ガスとは、背面板表面に付着しているH2Oガスおよび炭化水素ガスであり、ULVAC製昇温脱離ガス分析装置を使用して、背面板への加熱温度を上昇させて、発生する脱離ガス量を積算し、その積算した値を脱離ガスイオン強度として算出している。なお、脱離ガスイオン強度の値に単位はない。加熱温度は、H2Oの場合、410〜720℃、C49とC25COとの混合ガスの場合、50〜720℃、C66の場合、50〜720℃である。そして、各脱離ガス量における文字40と周辺部50と染み出し部60における輝度比を求めた。
輝度比は、まず、文字40、周辺部50、染み出し部60のそれぞれの輝度平均値を求める。輝度平均値の測定は、KONICA MINOLTA製2次元色彩輝度計CA2000を使用する。そして、測定された各々の輝度平均値から文字40と周辺部50との輝度比、文字40と染み出し部60の輝度比、染み出し部60と周辺部50の輝度比を絶対値で求める。この各輝度比のうち絶対値が最も大きい輝度比で焼き付き判定を行う。輝度比の絶対値が1.5%以下である場合は焼き付き判定レベルを◎とし、輝度比の絶対値が1.5%を超え2.0%以下の場合は焼き付き判定レベルを△とし、2.0%を超える場合は焼き付き判定レベルを×とする。
次に、詳細な実施例、比較例について図5を用いて下記に示す。比較例におけるPDP11は、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度が9.10×10-9のH2O、2.97×10-11のC49とC25COとの混合ガス、および、5.77×10-12のC66が含まれる。
つまり、H2O、C49とC25COとの混合ガス、C66のいずれも好ましい脱離ガス量の範囲から逸脱している。
よって、比較例における輝度比は2.2%となり焼き付きが発生したため、焼き付きレベルは×であった。
実施例1におけるPDP11は、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度が9.70×10-9のH2O、4.95×10-11のC49とC25COとの混合ガス、および、8.99×10-12のC66が含まれる。
実施例1における輝度比は、0.3%であり、焼き付きレベルとしては◎である。したがって、所定時間文字40を表示し続けても残像は発生しにくい。
実施例2におけるPDP11は、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度が9.70×10-9のH2O、6.45×10-11のC49とC25COとの混合ガス、および、1.13×10-11のC66が含まれる。
実施例2における輝度比は、0.6%であり、焼き付きレベルとしては◎である。したがって、所定時間、文字40を表示し続けても残像は発生しにくい。
実施例3におけるPDP11は、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度が9.10×10-9のH2O、5.10×10-11のC49とC25COとの混合ガス、および、8.38×10-12のC66が含まれる。実施例3における輝度比は、1.6%であり、焼き付きレベルとしては△である。
以上の結果から、複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板20と背面板30とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたPDP11であって、絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスのイオン強度が9.2×10-9以上1.0×10-8以下のH2O、かつ、脱離ガスのイオン強度が7.1×10-12以上7.8×10-11以下の炭化水素ガスが含まれることを特徴とする。
これにより、残像の発生がより抑えられた高品質かつ高性能なPDP装置を提供することができる。
以上のように本発明は、残像の発生しない画像品質に優れた高性能のプラズマディスプレイ装置を提供する上で有用な発明である。
1 前面基板
2 背面基板
3 走査電極
4 維持電極
3a、4a 透明電極
3b、4b バス電極
5 誘電体層
6 保護層
7 絶縁体層
8 データ電極
9 隔壁
10 蛍光体層
11 プラズマディスプレイパネル(PDP)
12 画像信号処理回路
13 データ電極駆動回路
14 走査電極駆動回路
15 維持電極駆動回路
16 タイミング発生回路
20 前面板
30 背面板
40 文字
50 周辺部
60 染み出し部
S 放電セル
G 放電ギャップ

Claims (2)

  1. 複数の表示電極対と誘電体層と保護層とが形成された前面基板と、複数のデータ電極と絶縁体層と隔壁と蛍光体層とが形成された背面基板とを有し、表示電極対とデータ電極とが交叉するように前面板と背面板とを対向配置して周囲を封着部材にて封着されたプラズマディスプレイパネルであって、
    前記絶縁体層の厚み0〜50%における空隙率の平均値が0.1〜1%の範囲であり、放電空間側の背面板表面に含まれる脱離ガスの脱離ガスイオン強度が9.2×10-9以上1.0×10-8以下のH2O、かつ、7.1×10-12以上7.8×10-11以下の炭化水素ガスであることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記炭化水素ガスは、C49とC25COとの混合ガス又はC66の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
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