JP2007128775A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】発光効率の向上、対向放電時の放電開始電圧の低減を実現しながら製造歩留まりの向上を図ることができるPDPを提供する。
【解決手段】誘電体膜23の放電空間側主面に、前面パネル10に向けて誘電体材料からなる凸状の隔壁25を設け、隔壁25の頂面と保護膜16との間に放電空間を挟み、前面パネル10または背面パネル20の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、走査電極13と、データ電極22とが重なる領域に、凸状隔壁25頂面の一部を重ねたことにより、隔壁25頂面と保護膜16との間の間隙D2にて電界強度が強められ、電界集中が起こるので、書き込み放電時の放電開始電圧の低減、発光効率の向上を実現しながら製造歩留まりの向上を図ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、特に書き込み放電時の放電開始電圧を低くするための技術に関する。
薄型表示装置の一つとしてプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」と記す。)装置があり、特に大型化、寿命特性などの面からAC型PDP装置が脚光を浴びている。
<PDP装置の構成>
PDP装置には、主にPDPと、当該PDPの各電極に接続された駆動部と、当該駆動部を制御する制御部とが設けられている。
図9に従来のAC型PDP装置の要部構成図を示す。図9に示すように、PDP900は、前面パネル80と背面パネル90とで放電空間96を挟んだ構造となっている。
前面パネル80では、ガラス基板81の主面にスキャン(走査)電極82と維持電極83とが対をなし、かつストライプ状に形成されて表示電極対84を形成している。
走査電極82および維持電極83は、透明電極821,831主面に金属製のバス電極822,832が積層されてなる。
上記加工が施された前面パネル80主面を覆うように第1誘電体膜85および保護膜86がこの順に積層されている。
背面パネル90では、ガラス基板91の主面にデータ電極92がストライプ状に形成され、上記加工の施されたガラス基板91主面を覆うように第2誘電体膜93が積層され、そして、データ電極92を挟むような位置関係で隔壁94が第2誘電体膜93主面に形成されている。第2誘電体膜93の主面から隔壁94の側壁にかけて、蛍光体膜95が塗布されている。
以上のように形成された前面パネル80と背面パネル90とは、電極の形成された面を対向させ、かつ表示電極対84とデータ電極92とが立体交差するように張り合わされており、その周辺部がフリットガラス等で封着されている。
上記構成によってPDP900では、表示電極対84とデータ電極92との立体交差する領域に、放電セルが形成され、放電セルがマトリクス状に配列されている。
<PDPの駆動方法>
上記PDPの駆動方法として、1フレームの映像を重み付けされた複数のサブフレームに分割し、各サブフィールドの点灯/非点灯を制御することによって階調表示を行う方法がある。
当該駆動方法では、1サブフレームを、初期化期間、書き込み期間、維持期間、消去期間の4つの動作期間に分割し、特に、書きこみ期間では、点灯予定の放電セルにて、維持電極83に正電位パルスを、走査電極82に負電位パルスを、データ電極92に正電位パルスを印加することによって、対向放電を生じさせ、以後の維持期間において発光予定の放電セルに壁電荷を蓄積させ、以後の維持期間にて、上記壁電荷が形成された放電セルを、当該壁電荷による壁電位を利用しながらパルス発光させる。
一般に、PDPは、以上のような構造を有し、以上のような過程で駆動させるが、上記PDPを備えた表示装置には、更なる発光効率の向上と対向放電時の放電開始電圧の低減とが要求されている。
かかる発光効率の向上を図るべく、PDPの放電空間に充填され、Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガスなどを主成分とする放電ガスにおいて、Xeガス濃度を増大させる技術がある(非特許文献1を参照)。
また、かかる要求に対し、放電セルにおいて、背面パネル90上のデータ電極92を前面パネル80側に持ち上げて表示電極対84側に近づけることによって、上記データ電極92と上記表示電極対84との間隙を従来よりも縮めた発明を適用することが可能と考えられる(特許文献1を参照)。
特許文献1記載の発明を用いれば、対向放電時における放電開始電圧を低下させることができるので、上記問題を解決することが可能と考えられる。
第9回プラズマディスプレイ放電発光調査専門委員会議事録 議事7.「高いキセノン分圧を持つPDPの紫外線発光効率」(橋本幹事) (P2〜3) 特開2003−142003号公報
しかし、上記非特許文献1記載の技術では、Xeガス濃度の増大に伴って対向放電時における放電開始電圧が増大するという問題がある。
また、上記特許文献1記載の発明では、データ電極92を前面パネル80側に持ち上げるために、データ電極92を低層リブと称する台の頂部に形成する必要があり、きわめて高い位置決め精度が要求され、PDPの製造歩留まりを低下させるという問題がある。
そのうえ、特許文献1記載のPDPでは、蛍光体が塗布された領域を増やすことができるので、発光効率が上がるとしているが、帯状電極同士の間隙領域において、低層リブと称する台によって放電空間間隙が狭くなっているので、維持放電の成長が妨げられ、発光効率の向上が十分でないと考えられる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、発光効率の向上、対向放電時の放電開始電圧の低減を実現しながら製造歩留まりの向上を図ることができるPDPを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のPDPでは、放電空間を挟んで第1の基板と第2の基板とを対向配置させ、第1基板の上記放電空間側主面に略帯状の表示電極対を配設させ、第2基板の上記放電空間側主面に上記表示電極対と立体交差するように帯状のデータ電極を配設させ、上記表示電極対および上記データ電極の各々を覆うように、各基板の上記放電空間側主面に誘電体膜を積層させたPDPに対し、少なくとも一方の基板における上記誘電体膜の上記空間側主面に、他方の基板に向けて誘電体材料からなる凸部を設け、上記凸部の頂面と他方の基板の上記誘電体膜との間に、上記放電空間を挟ませ、上記プラズマディスプレイパネルを、上記第1の基板または上記第2の基板の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、上記表示電極対のうち少なくとも一方の帯状電極と上記データ電極とが重なる領域に、上記凸部頂面の少なくとも一部が存するように構成した。
以上のように、本発明のPDPでは、少なくとも一方の基板における上記誘電体膜の上記空間側主面に、他方の基板に向けて誘電体材料からなる凸部を設け、上記凸部の頂面と他方の基板の上記誘電体膜との間に、上記放電空間を挟ませ、本発明のPDPを、上記第1の基板または上記第2の基板の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、上記表示電極対のうち少なくとも一方の帯状電極と上記データ電極とが重なる領域に、上記凸部頂面の少なくとも一部が存するので、当該凸部形成領域では、凸部非形成領域と比べて、放電空間の間隙が小さい。
したがって、凸部非形成領域における放電空間間隙を従来のPDPのそれと同等もしくはそれ以上とすることによって、当該PDPでは、従来のPDPに比べて、上記少なくとも一方の帯状電極とデータ電極との対向放電時に、上記凸部形成領域の放電空間の間隙が小さくなるので、上記凸部頂面重ね領域の放電間隙において電界強度が強められ、書き込み放電(対向放電)時に当該凸部頂面重ね領域にて放電が起こりやすくなる。
よって、当該PDPでは、対向放電時の放電開始電圧を下げても、従来のPDPに比べて確実に対向放電を生じさせることができる。
また、凸部を設けていない領域では、従来のPDPと同等もしくはそれ以上の放電空間を確保することができるので、発光輝度を維持もしくは向上させることができる。
したがって、当該PDPでは、発光効率を従来のPDPと同等あるいは向上させ、かつ対向放電時の放電開始電圧を低減することができる。
なお、特許文献1記載のPDPでは、蛍光体が塗布された領域を増やすことができるので、発光効率が上がるとしているが、帯状電極同士の間隙領域で放電空間間隙が狭くなっているので、維持放電の成長が妨げられると考えられる。
これに対して、本発明のPDPでは、上記のように放電空間が確保できるので、特許文献1記載のPDPと比べて、発光効率を向上させることができる。
ここで、本発明のPDPでは、発光効率の向上のためにXe分圧を高く設定しても、従来のPDPにてXe分圧を高めたものに比べると、対向放電時の放電開始電圧を低減することができる。
本発明のPDPでは、電界強度を向上させるにあたって、凸部を誘電体層の主面に設けただけであり、特許文献1のPDPのように低層リブの頂部にデータ電極を設ける構成としていないことから、特許文献1のPDPに比べて製造が容易で、製造歩留まりの向上を図ることができる。
そして、本発明のPDPでは、上記凸部を、少なくとも一方の基板の上記膜において、上記データ電極の延伸方向に点在させることとした。
そうすると、本発明のPDPでは、データ電極延伸方向において隣り合う凸部同士の間に凸部の存在しない領域を設けることができ、特許文献1記載のPDPと比べると、書き込み放電の後に、上記表示電極対を構成する帯状電極同士でなされる維持放電において、帯状電極同士に挟まれた領域における放電空間を広く確保することができる。
よって、本発明のPDPでは、維持放電時における放電の成長を妨げることが抑制される。
上記第2基板にて、上記凸部を上記データ電極と交差する方向に隔壁状に設けた場合、データ電極延伸方向に配された放電セル同士で起こりうるクロストークを抑制することができる。ここで、「放電セル」とは、表示電極対とデータ電極とが立体交差する領域に対応して形成されるPDPの最小表示単位を言う。
本発明のPDPにおいて、上記表示電極対と上記データ電極とが立体交差する領域に対応して、上記一方の帯状電極に、拡幅部を設け、当該PDPを、上記第1の基板または上記第2の基板の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、上記拡幅部と上記データ電極とが重なる領域に、上記凸部頂面の少なくとも一部が存するようにした場合、表示電極対を放電セル中央に配することができ、表示電極どうしにおける維持放電を放電セル中央部で起こすことができるので、発光輝度がさらに向上し、発光効率が向上して好ましい。
また、本発明のPDPにおいて、上記凸部を、上記一方の帯状電極と上記データ電極とが立体交差する領域内に凸部の頂部が収まるように、上記第1基板における上記誘電体膜の上記放電空間側主面に設けた場合、上記凸部が上記立体交差領域に広く存在することになるので、電界強度がより強められ、対向放電が起こりやすくなって、好ましい。
本発明のPDPにおいて、上記凸部を、凸レンズ形状にすれば、維持放電によって得られた可視光を従来のPDPに比べて効率よく集光できる。
すると、本発明のPDPでは、従来のPDPと比べて、当該可視光を上記第1基板の上記空間側主面と逆の主面側へ効率よく出射させることができ、したがって、輝度向上、発光効率の向上、さらに混色の抑制を図ることができ、好ましい。
上記凸部の可視光に対する屈折率を1.4以上2.1以下に設定すれば、集光効率がさらに向上し、好ましい。
本発明のPDPにおいて、上記表記電極対が、帯状の走査電極と帯状の維持電極とからなっており、上記一方の帯状電極として上記走査電極を用いることにより、上記効果を奏することができる。
本発明のPDPにおいて、上記第1基板の上記膜の上記空間側主面に、MgOを主成分とする膜を積層させると、二次電子の放出効率がさらに向上し、更なる放電開始電圧の低減が可能となって、好ましい。
上記凸部頂面と他方の基板の前記膜とが対向する領域において、上記空間の間隙を10[μm]以上50[μm]以下に設定すれば、対向放電時における放電開始電圧の低減効果がより確実となって、好ましい。
本発明のPDPでは、放電開始電圧の低減を図ることができるので、駆動電圧の低減および消費電力の低減を図ることができ、これをPDP装置に採用すれば、従来のPDP装置に比べて耐電圧の低い駆動用ICを採用することができ、低廉なPDP装置を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態について、図1を用いて説明する。
図1に本実施の形態におけるPDPの分解斜視図を示す。なお、図1では、説明の便宜のため、前面パネルにおいてバス電極を省略している。
図1において、前面パネル10と背面パネル20とが放電空間を挟んで対向するように配置され、前面パネル10のガラス基板11主面に、走査電極13および維持電極12が帯状に配され、走査電極13と維持電極12とが、対を成して、表示電極対14を形成する。
走査電極13および維持電極12のそれぞれは、ITO膜で形成された帯状の透明電極121,131と、透明電極121,131の放電空間側主面に配されかつ透明電極121,131の幅より細い幅に設定された図示しない金属製のバス電極とで構成されている。
バス電極は、走査電極13および維持電極12への電荷供給を容易にして、透明電極121,131の電気抵抗に起因する弊害を低減している。
ガラス基板11において、上記加工が施された放電空間側主面を覆うように誘電体膜15および保護膜16がこの順に積層されている。
保護膜16は、薄膜プロセスで形成され、MgOを主成分とし、放電によって発生した高エネルギーのイオンから走査電極13、維持電極12および誘電体膜15を保護すると同時に、放電空間に2次電子を効率よく放出して放電開始電圧を低減する機能を有する。
背面パネル20では、表示電極対14と立体交差するように、金属膜または導電ペーストからなる帯状のデータ電極22が背面パネル20のガラス基板21の放電空間側主面に延伸配置されている。
データ電極22を覆うように、背面パネル20のガラス基板21の放電空間側主面に誘電体膜23が積層され、データ電極22と表示電極対14とが立体交差する領域に対応して放電空間を仕切るように、井桁状の隔壁24,25が誘電体膜23主面に配されている。
隔壁24,25は、誘電体膜23と同様、低融点ガラスで作製されているが、これに限定されず、チタン酸バリウムやチタン酸鉛など、他の誘電体材料で作製されていても良い。例えば、本実施の形態におけるPDPに、チタン酸バリウムやチタン酸鉛を低融点ガラスに混合した場合、その比誘電率が100程度まで向上し、低融点ガラスに上記材料を混合しない場合に比べて、電界強度が向上し、その結果、発光効率が向上するので好ましい。
図1において一点鎖線で囲った領域が放電セル17に対応しており、井桁状の隔壁24,25は、放電セル17間のクロストークを防止する機能を果たす。
背面パネル20では、カラー表示のために、単位放電セル17毎に誘電体膜23主面から隔壁24,25側壁にかけて例えば赤、緑、青の蛍光体膜26が塗布されており、表示電極対14の延伸方向に配列された赤色、緑色、青色のそれぞれの蛍光体膜26を有する放電セルが一組となってカラー表示のための一画素を形成している。
前面パネル10と背面パネル20とで挟まれた放電空間には、放電ガス(Ne−Xe系ガスやHe−Xe系ガスなど)が充填されている。
井桁状の隔壁24、25では、PDP製造時における排気工程および放電ガスの導入を容易にするために、表示電極対14の延伸方向に配された隔壁25とデータ電極22の延伸方向に配された隔壁24との間で高さに差があり、データ電極22延伸方向の隔壁24が、表示電極対14延伸方向の隔壁25より高くなるように設けられている。
放電セル17では、走査電極13の帯状透明電極131が走査電極13の延伸方向と直交する方向に拡幅され、拡幅されたことにより突出した部分131vが表示電極対14延伸方向に配された隔壁25頂部主面の一部を覆って(オーバーラップして)いる。
すなわち、当該PDPでは、前面パネル10または背面パネル20の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、透明電極131の突出部131vとデータ電極22とが重なる領域に隔壁25頂部主面が存する構成となっている。
なお、ここで「前面パネル10または背面パネル20の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき」とは、当該PDPを、パネル主面に垂直な視野から、仮想的に当該パネル内部を透過して見ることを指す。
同様に、放電セル17において、走査電極13と対をなす維持電極12の帯状透明電極121が拡幅され、走査電極13に向けて突き出すように突出部分が維持電極12にも設けられている。
これにより、維持放電時において走査電極13と維持電極12との間で電荷保持力が均等に保たれる。
以下、図2を用いて、放電空間間隙と電気的物性との関係について詳細に説明する。
図2(a)は、本実施の形態におけるPDPを前面パネル10側から見た要部平面図であり、同図(b)は、(a)において、突出部131vが走査電極13延伸方向に配された隔壁25頂部主面の一部を覆う(オーバーラップする)領域を、X−Z面に垂直な方向からA矢視した要部矢視図であり、同図(c)は、(b)で示したB領域を拡大した図であり、B領域における電気的物性を模式的に示した図である。上記いづれの図においても、説明の便宜のため、前面パネル10における透明電極121,131の放電空間側主面に配されたバス電極を省略している。
図2(b)に示すように、突出部131vの空間側主面と隔壁25頂部主面の上記一部とが対向する領域において、保護膜16と隔壁25頂部主面の上記一部との間に間隙D2が形成されている。
間隙D2は、放電セル17において、維持電極12と誘電体膜23とが対向する領域における保護膜16と蛍光体膜26との間隙D1に比べて、狭い。
間隙D2は10[μm]以上50[μm]以下であることが好ましい。間隙D2が10[μm]以下であると、放電セル間での放電開始電圧のばらつきが大きく実用化が困難であり、間隙D2が50[μm]以上であると、放電開始電圧の低減効果が得られないからである。
一方、間隙D1は、従来の一般的なPDPにおける放電空間の間隙と同等に設定されている。
間隙D1は、これに限定されず、従来の一般的なPDPの放電空間の間隙より大きく設定されていても良い。
図2(c)に示すように、帯状透明電極131とデータ電極22との立体交差領域において、保護膜16の放電空間側主面と蛍光体膜23の放電空間側主面との間の間隙D1を挟んで形成される静電容量をC1、保護膜16の放電空間側主面と隔壁25頂部主面との間の間隙D2を挟んで形成される静電容量をC2、隔壁25頂部主面と誘電体膜23の放電空間側主面との間で形成される静電容量をC3とした場合に、突出部131vの放電空間側主面が隔壁25頂部主面にオーバーラップしている部分では、その静電容量をそれぞれC2,C3とする2つのコンデンサが直列接続された状態となる。
静電容量がC2のコンデンサにおける比誘電率をε2とし、静電容量がC3のコンデンサC3における比誘電率をε3、その平行平板間の間隙(隔壁25頂部主面と誘電体膜23の放電空間側主面との間の間隙)をD3とすると、それらの静電容量C2,C3は、
[式1]
C2=ε2・(S/D2)
[式2]
C3=ε3・(S/D3)
となる。但し、Sは、平行平板の極板面積であり、いづれのコンデンサにおいても等しい。
すると、C3をC2で表すと、
[式3]
C3=(ε3/ε2)・(D2/D3)・C2=ε・(D2/D3)・C2
となる。但し、(ε3/ε2)をεとしている。
また、静電容量C2のコンデンサと静電容量C3のコンデンサとが直列接続されているので、直列接続された2つのコンデンサの蓄積可能な電荷を、等しくQと置くことができ、電荷Qと、静電容量Cと、平行平板間の電圧Vとの間には、
[式4]
Q=C・V
の関係があることから、静電容量C2のコンデンサおよび静電容量C3のコンデンサでの電圧V2,V3は、
[式5]
V2=(Q/C2)
[式6]
V3=(Q/C3)
となる。式3を式6に代入して整理すると、静電容量C3のコンデンサでの電圧V3は、
[式7]
V3=(Q/C2)・(D3/(ε・D2))
と表すことができ、したがって、走査電極13とデータ電極22との間に印加される電圧をVとすると、
[式8]
V=V2+V3=(Q/C2)・((ε・D2+D3)/(ε・D2))
となり、したがって、
[式9]
(Q/C2)=V2=((ε・D2)/(ε・D2+D3))・V
と表せる。
静電容量C2のコンデンサの電界強度E2は、
[式10]
E2=V2/D2
と表せるので、式9を式10に代入して整理すると、
[式11]
E2=(ε/(ε・D2+D3))・V
となる。
D2がD1の約半分であり、D2とD3とがほぼ等しいので、ε=9とするとき、静電容量C2のコンデンサでの電界強度E2は、
[式12]
E2=(9/5)・(V/D1)=(9/5)・E1
となり、静電容量C2のコンデンサの電界強度E2は、静電容量C1のコンデンサの電界強度E1に比べて、約80%向上する。
すなわち、本実施の形態におけるPDPでは、上記オーバーラップ部の電界強度が放電セル中央部と比べて高くなっているので、放電セル中央部の電解強度に比べてオーバーラップ部のそれが強められ、したがって、書き込み放電期間において、オーバーラップ部で放電が開始され、これが種放電となって、維持放電時における沿面放電の成長と同様に、放電セル中央部に向けて放電が成長し、種放電が書き込み放電にまで成長する。
図3は、表示電極対14に直交するPDPの断面において、上記種放電が発生してから書き込み放電に成長するまでの過程を示した概略図である。図3(a)に示すように、まず、空間間隙D2にて種放電が発生し、続いて同図(b)に示すように、徐々に種放電が放電セル17中央部に向けて成長し、最後に同図(c)に示すように、種放電が書き込み放電に成長する。
この書き込み放電の終了と共に、走査電極13の放電空間側主面に設けられた保護膜16の放電空間側主面に壁電荷が蓄積される。
上述した静電容量C1のコンデンサは、従来のPDPの放電セル内にて形成されたコンデンサと同様でもあるので、既述した静電容量C1のコンデンサと静電容量C2のコンデンサとの対比は、そのまま、本実施の形態におけるPDPと従来のPDPとの対比に置換することができる。
すなわち、本実施の形態におけるPDPでは、走査電極13の突出部131vとデータ電極22との対向領域において、空間間隙が従来のPDPのそれに比べて狭い部分を設けることができるので、放電セル内にて従来のPDPに比べて電界強度の強い部分を設けることができる。
図4は図2(a)と同様の平面図であり、本実施の形態におけるPDPの他のバリエーションを示した概略平面図である。図4では、データ電極22と蛍光体膜26を省略している。図4に示すように、表示電極対14が、表示電極対14延伸方向に配された隔壁25側に偏った構造であって、走査電極13が表示電極対14延伸方向に配された隔壁25頂部主面の一部にオーバラップしていてもよい。当該構成を採用した場合、本実施の形態におけるPDPにおいて透明電極121,131の構造が簡単になり、かつ上記オーバーラップ状態の作製が容易となる。
《実施の形態1におけるPDPの効果》
本実施の形態におけるPDPでは、走査電極13の突出部131vの放電空間側主面が隔壁25頂部主面にオーバーラップしているので、放電セル17内で走査電極13の放電空間側主面とデータ電極22の放電空間側主面とが立体交差する領域において、当該オーバーラップ領域における保護膜16の放電空間側主面と隔壁25頂部主面との間の間隙D2が、保護膜16の放電空間側主面と蛍光体膜26の放電空間側主面との間の間隙D1より狭くなる。
すなわち、放電セル17内の一部領域において、他の領域の放電空間ギャップと比べて、放電空間ギャップが狭くなる。
したがって、本実施の形態におけるPDPでは、走査電極13とデータ電極22との間における書き込み放電時において、間隙D2を挟む狭ギャップ領域にて電界強度が強められるので、印加電圧が低くても当該狭ギャップ領域にて種放電が発生し、当該種放電が書き込み放電に成長する。
よって、本実施の形態におけるPDPでは、従来のPDPに比べて、書き込み放電期間において印加電圧を下げても書き込み放電を発生させることができ、その結果、発光効率の向上を図ることができ、また、従来に比べて低い印加電圧で書き込み放電が生じるので、従来と同等の印加電圧を印加すれば、確実に放電が生じ、したがって、書き込みミスを削減することができ、表示品質の向上を図ることができる。
かつ、「他の領域」では、放電空間ギャップを従来と同様に確保することができるので、維持放電時にも十分な大きさで維持放電を発生させることができる。
すると、本実施の形態におけるPDPでは、PDPの発光効率向上のために放電ガス中のXe濃度を高くしても、従来のPDPに対して放電ガス中のXe濃度を高くしたものと比べて放電開始電圧を低減することができる。
本実施の形態におけるPDPでは、前面パネル10の誘電体膜16の放電空間側主面にMgOを主成分とする膜が積層されているので、2次電子放出効率がさらに向上し、更に放電開始電圧を低減させることができる。
また、本実施の形態におけるPDPでは、放電空間において電界強度が強められた領域を形成させるにあたり、データ電極22を、従来のPDPと同様に、背面パネル20側ガラス基板21の放電空間側主面に配しており、特許文献1に記載のPDPのように、低層リブの頂部に設けていないことから、特許文献1のPDPに比べて製造を容易にすることができ、歩留まりの向上を図ることができる。
さらに、本実施の形態におけるPDPでは、上記のように、放電セル内において、電界強度向上領域がデータ電極22延伸方向に帯状に設けられていないので、書き込み放電期間後の維持放電期間において走査電極13と維持電極12との間で発生する維持放電の放電空間を特許文献1に記載のPDPに比べて広く確保することができる。
よって、本実施の形態におけるPDPでは、特許文献1に記載のPDPと比べて維持放電時の放電の成長を妨げることが抑制される。
そのうえ、拡幅部131vを設けることにより、表示電極対を放電セル中央部に配することができるので、走査電極13と維持電極12との間で行われる維持放電が放電セル中央部にて発生することとなり、放電セル内の蛍光体膜26全体に、維持放電により生じる紫外光を照射することができ、発光輝度が向上する。
<評価試験>
(評価試験1)
本実施の形態におけるPDP並びに従来のPDPに駆動部、制御部を接続して、それぞれのPDPに対して駆動電圧を変化させながら書き込み放電期間において対向放電が発生するか否か検証したところ、従来のPDPでは、180[V]の電圧にて放電が開始したのに対し、本実施の形態のPDPでは、150[V]の電圧にて放電が開始した。
(評価試験2)
本実施の形態のPDPおよび従来のPDPにおいて、放電空間に充填される放電ガス中のXe分圧を20%高め、これらに駆動部、制御部を接続して、それぞれのPDPに対して駆動電圧を変化させながら書き込み放電期間において対向放電が発生するか否か検証したところ、従来のPDPでは、210[V]の電圧にて放電が開始したのに対し、本実施の形態のPDPでは、180[V]の電圧にて放電が開始した。
(考察)
評価試験1の結果から、本実施の形態におけるPDPでは、従来のPDPに比べて、書き込み放電時の放電開始電圧を低減できることを確認した。
評価試験1および評価試験2双方の結果を加味して考察すると、本実施の形態におけるPDPでは、放電ガス中のXe濃度を高めても、Xe濃度を高めていない従来のPDPと同等の放電開始電圧で駆動していることから、従来のPDPに比べて、書き込み放電時における放電開始電圧の上昇を招かないことを確認した。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態におけるPDPでは、誘電体膜、保護膜、隔壁および表示電極対以外の構成が実施の形態1のPDPと同様であるので、誘電体膜、保護膜、隔壁、表示電極対以外の構成については詳しい説明を省略する。
図5に本実施の形態におけるPDPの要部斜視図を示す。図5に示すように、前面パネル10では、ガラス基板11主面に、例えばITOを主成分とする帯状の透明電極121,131と、透明電極121,131主面に配された金属製で帯状の図示しないバス電極とで構成されている表示電極対12が複数延伸配置されており、表示電極対12を覆って、かつガラス基板11の放電空間側主面に誘電体膜15が設けられ、誘電体膜15の放電空間側主面に保護膜16が設けられている。
一方、背面パネル20では、金属膜または導電ペーストからなるデータ電極22が、前面パネル10の表示電極対12と立体交差するようにガラス基板21主面に延伸配置され、誘電体膜23が、データ電極22およびガラス基板21主面を覆うように配され、ストライプ状の隔壁24が、データ電極22を挟むように誘電体膜23主面に延伸配置されている。
本実施の形態では、前面パネル10において、帯状の走査電極13主面とデータ電極22主面とが立体交差する領域に対応して、誘電体膜15の放電空間側主面にレンズ状の凸部(バンプ)18aが設けられている。
すなわち、本実施の形態におけるPDPでは、前面パネル10または背面パネル20の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、走査電極13とデータ電極22とが重なる領域にバンプ18aの頂部が存する構成となっている。
なお、「前面パネル10または背面パネル20の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき」については、実施の形態1で既に説明した事項と同様であるので、ここでの説明は省略する。
バンプ18aは可視光に対して透明で、屈折率の大きい材料を用い、平凸レンズ状に設けられている。
バンプ18aを、例えば、前面パネル10側の誘電体膜15と同一の低融点ガラスを用い、印刷法によってバンプ18aを形成しようとする領域に塗布し、焼成することによって作製することができる。
このような方法により、バンプ18aを誘電体膜15の放電空間側主面に平凸レンズ状に容易に成型することができる。
バンプ18aの放電空間側主面に、保護膜16が設けられており、保護膜16は、バンプ18aの形状に沿って、均一な厚みで設けられているので、保護膜16の放電空間側主面に平凸レンズ状のバンプ18bが設けられている。
したがって、前面パネル10の放電空間側主面に放電空間を臨む平凸レンズ状のバンプ18bが設けられている。
上記の位置関係を持ってバンプ18bが放電空間に臨んで設けられたことにより、各放電セルでの保護膜16の放電空間側主面と蛍光体膜26の放電空間側主面との間の間隙において、バンプ18bの頂面と蛍光体膜26の放電空間側主面との間の間隙が最も狭くなる。
なお、此処でいう「放電セル」とは、表示電極対14とデータ電極22とが立体交差する領域に形成された最小表示単位を意味する。
図6は、図5に示したC面にて切断した概略断面図である。
図6に示すように、放電セルにおいて、走査電極13の透明電極131とデータ電極22とが立体交差する領域に対応して、前面パネル10における保護膜16の放電空間側主面にレンズ状のバンプ18bが設けられている。
したがって、本実施の形態では、放電セル17において、バンプ18bの頂面と蛍光体膜26の放電空間側主面とで挟まれたギャップD2が、バンプ18a,18bの設けられていない領域における保護膜16の放電空間側主面と蛍光体膜26とで挟まれたギャップD1より狭くなっている。
間隙D2は10〜50[μm]であることが好ましい。間隙D2が10[μm]以下であれば、放電セル間での放電開始電圧のばらつきが大きく、実用化が困難だからである。
逆に、間隙D2が50[μm]以上であれば、放電開始電圧の低減効果が小さくなるからである。
図7は、図5に示したD面にて切断した概略断面図である。
図7に示すように、本実施の形態におけるPDPでは、前面パネル10と背面パネル20とが、ストライプ状の隔壁24によって、所定の間隔を挟んで対峙した状態となっており、走査電極13とデータ電極22とが立体交差する領域に対応して放電セルが形成されている。
図7に示すように、本実施の形態では、前面パネル10の放電空間側主面において、すなわち保護膜16の放電空間側主面において、バンプ18bが平凸レンズ状に設けられているため、PDP駆動時において蛍光体26から放出された可視光が、バンプ18bにより集光され、従来のPDPに比べると、前面パネル10の放電空間側主面と逆の主面に効率よく出射される。
PDP駆動時において蛍光体膜26から放出された可視光を効率よく集光するためには、バンプ18a,18bの屈折率は1.4以上2.1以下であることが望ましい。屈折率が高いほど集光効果が向上し、1.4以上で十分な効果を発揮することが出来るが、2.1以上となると透過率が減少するという問題が顕著に表れるからである。
図8(a)は、本実施の形態におけるPDPを前面パネル側から見た概略平面図である。
図8に示すように、走査電極13とデータ電極22とが立体交差する領域に対応してバンプ18a,18bが配されている。
バンプ18a,18bの配置は、これに限定されず、図8(b)に示すように、走査電極13および維持電極12の両方とデータ電極22とが立体交差する領域に対応してレンズ状のバンプ18a,18bが設けられていてもよい。このようにバンプ18a,18bが設けられると、集光効率がさらに向上する。
なお、図8(b)は、PDPを前面パネル側から見た平面図であって、他のバリエーションを示した図である。このように1セルあたりのバンプを複数個に増加することで書き込みの失敗確率が下がり、放電の安定性が向上する。
《実施の形態2におけるPDPの効果》
本実施の形態におけるPDPでは、前面パネル10を構成する誘電体膜15および保護膜16双方の放電空間側主面において、走査電極13に対応する領域に、背面パネル20に向けて突出したレンズ状のバンプ18a,18bが設けられているため、放電セル17において前面パネル10と背面パネル20とのギャップ(放電空間間隙)が部分的に狭くなっている領域を設けることができる。
したがって、本実施の形態におけるPDPでは、走査電極13とデータ電極22との間における書き込み放電時において、当該狭ギャップ領域にて電界強度が強められ、電界集中が起こり、当該狭ギャップ領域にて対向放電が発生しやすくなる。当該狭ギャップ領域における対向放電が種放電となり、放電セル全体に対向放電が広がる。この書き込み放電終了とともに、バンプ18bの放電空間側主面に壁電荷が蓄積され、当該壁電荷が以後の維持放電に供される。
よって、本実施の形態におけるPDPでは、対向放電時の放電開始電圧を下げることができ、また、書き込みミスを削減することができるので表示品位が向上する。
すると、実施の形態1のPDPと同様、PDPの発光効率向上のために放電ガス中のXe濃度を高くしても、従来のPDPに対して放電ガス中のXe濃度を高くしたものと比べて放電開始電圧を低減することができ、また、特許文献1に記載のPDPのように、低層リブの頂部にデータ電極を設けていないことから、特許文献1のPDPに比べて製造を容易にすることができ、歩留まりの向上を図ることができ、さらに、放電セル内において、電界強度向上領域がデータ電極22延伸方向に帯状に設けられていないので、書き込み放電期間後の維持放電期間において走査電極13と維持電極12との間で発生する維持放電の放電空間を特許文献1に記載のPDPに比べて広く確保することができるため、特許文献1に記載のPDPと比べて維持放電時の放電の成長を妨げることが抑制される。
また、本実施の形態におけるPDPでは、当該バンプ18a,18bの形状が平凸レンズ状となっていることから、蛍光体26から発射される可視光が当該レンズ状バンプ18a,18bによって集光されてパネル表面から放射されるため、従来のPDPに比べて発光輝度を向上させることができる。
さらに、本実施の形態におけるPDPでは、当該レンズ状バンプ18a,18bの集光により、従来のPDPに比べてデータ電極22延伸方向に隣り合う放電セル17同士において混色を抑制することができる。
よって、本実施の形態におけるPDPでは、隔壁24が、データ電極22と平行に、ストライプ状に配されていても、従来のPDPに比べて、データ電極22延伸方向に隣り合う放電セル17同士における混色を抑制することができ、高精彩な画像を表示することができる。
その上、本実施の形態では、走査電極13の放電空間側主面とデータ電極22のそれとが対向する領域にバンプ18bの頂面が存在するので、実施の形態1に比べると、放電セル内において、対向放電における放電間隙の狭い領域が広くなり、電界強度が強められ、対向放電が起こりやすい。
<評価試験>
(評価試験1)
本実施の形態におけるPDP並びに従来のPDPに駆動部、制御部を接続して、それぞれのPDPに対して駆動電圧を変化させながら書き込み放電期間において対向放電が発生するか否か検証したところ、従来のPDPでは、180[V]の電圧にて放電が開始したのに対し、本実施の形態のPDPでは、150[V]の電圧にて放電が開始した。
(評価試験2)
本実施の形態のPDPおよび従来のPDPにおいて、放電空間に充填される放電ガス中のXe分圧を20%高め、これらに駆動部、制御部を接続して、それぞれのPDPに対して駆動電圧を変化させながら書き込み放電期間において対向放電が発生するか否か検証したところ、従来のPDPでは、210[V]の電圧にて放電が開始したのに対し、本実施の形態のPDPでは、180[V]の電圧にて放電が開始した。
(考察)
評価試験1の結果から、本実施の形態におけるPDPでは、従来のPDPに比べて、書き込み放電時の放電開始電圧を低減できることを確認した。
評価試験1および評価試験2双方の結果を加味して考察すると、本実施の形態におけるPDPでは、放電ガス中のXe濃度を高めても、Xe濃度を高めていない従来のPDPと同等の放電開始電圧で駆動していることから、従来のPDPに比べて、書き込み放電時における放電開始電圧の上昇を招かないことを確認した。
(その他)
上記各実施の形態は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、組み合わせることが可能である。
基板11,21は、ガラスを主成分としているが、これに限定されず、例えば、プラスチック材料など、ガラスと同等のあるいはガラスより優れた透明性および機械的強度を確保できる材料を主成分としていても良い。
透明電極121,131は、ITOを主成分としているが、これに限定されず、ITOと同等のあるいはITOより優れた透明性、導電性を確保できる材料を主成分としていても良い。
バス電極は、Agを主成分としているが、これに限定されず、Al−NdやCr−Cu−Crなど、Agと同等のあるいはAgより優れた導電性、反射率を備える限り、他の材料を主成分としていても良い。
誘電体膜15,23は、低融点ガラスのほか、これと同等のあるいは優れた誘電率を備える限りにおいて、他の材料を主成分としていても良い。
保護膜16は、MgOのほか、これと同等あるいは優れた電子放出性、放電安定性、および耐スパッタ性を備える限り他の材料を主成分としてもよい。
本発明により、PDPの消費電力を抑制することができ、PDPに接続される駆動素子の耐圧を引き下げることができるとともに、PDPの発光輝度、解像度が向上し、高品質、低価格のPDP表示装置の実現が可能であり、その産業上の効果は大である。
実施の形態1におけるPDPの概略分解図である。 (a)は、実施の形態1におけるPDPの概略平面図であり、(b)は、(a)で示したA面にて切断した矢視断面図であり、(c)は、(b)で示したB領域を拡大してB領域における電気的物性を模式的に示した図である。 書き込み放電時における種放電が発生してから書き込み放電に成長するまでの過程図である。 実施の形態1におけるPDPの他のバリエーションを示した概略平面図である。 実施の形態2におけるPDPの要部斜視図である。 実施の形態2のPDPにおける図4に示したC面での概略断面図である。 実施の形態2のPDPにおける図4に示したD面での概略断面図である。 (a)は、実施の形態2におけるPDPの概略平面図であり、(b)は、実施の形態2におけるPDPの他のバリエーションを示した概略平面図である。 従来のPDPの概略斜視図である。
符号の説明
10 前面パネル
11 ガラス基板
12 走査電極
13 維持電極
14 表示電極対
15 前面パネル側誘電体膜
16 保護膜
17 放電セル
18a,18b バンプ
20 背面パネル
21 ガラス基板
22 データ電極
23 背面パネル側誘電体膜
24 第1隔壁
25 第2隔壁
26 蛍光体膜
121,131 透明電極
131v 突出部

Claims (10)

  1. 放電空間を挟んで第1の基板と第2の基板とが対向配置され、第1基板の前記放電空間側主面に略帯状の表示電極対が配設され、第2基板の前記放電空間側主面に前記表示電極対と立体交差するように帯状のデータ電極が配設され、前記表示電極対および前記データ電極の各々を覆うように、各基板の前記放電空間側主面に誘電体膜が積層されたプラズマディスプレイパネルであって、
    少なくとも一方の基板における前記誘電体膜の前記空間側主面に、他方の基板に向けて誘電体材料からなる凸部が設けられ、
    前記凸部の頂面と他方の基板の前記誘電体膜とが、前記放電空間を挟んでおり、
    前記プラズマディスプレイパネルを、前記第1の基板または前記第2の基板の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、前記表示電極対のうち少なくとも一方の帯状電極と前記データ電極とが重なる領域に、前記凸部頂面の少なくとも一部が存することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記凸部は、前記データ電極の延伸方向に点在することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記第2基板において、その主面に前記凸部が前記データ電極と交差する方向に隔壁状に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記表示電極対と前記データ電極とが立体交差する領域に対応して、前記一方の帯状電極には、拡幅部が設けられており、
    前記プラズマディスプレイパネルを、前記第1の基板または前記第2の基板の平面方向に垂直な視野から投影して見たとき、前記拡幅部と前記データ電極とが重なる領域に、前記凸部頂面の少なくとも一部が存することを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記凸部が、前記一方の帯状電極と前記データ電極とが立体交差する領域内に凸部の頂部が収まるように、前記第1基板における前記誘電体膜の前記放電空間側主面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記凸部は、凸レンズ形状を有することを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記凸部の可視光に対する屈折率が1.4以上2.1以下であることを特徴とする請求項5または6に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記表記電極対は、帯状の走査電極と帯状の維持電極とからなり、
    前記一方の帯状電極は、前記走査電極であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記第1基板において、前記誘電体膜の前記空間側主面には、MgOを主成分とする膜が積層されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記凸部頂面と他方の基板の前記放電空間に臨む膜とが対向する領域において、前記放電空間の間隙が10[μm]以上50[μm]以下に設定されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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