JP2004061233A - 振動式液面検出装置 - Google Patents

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宮川 功
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Abstract

【課題】振動式液面検出装置を、形状が異なる容器間において、容器内液面位置をその最大位置から最小位置まで連続して検出可能且つ共通使用可能として、振動式液面検出装置の種類を低減し、コストを低減できる振動式液面検出装置を提供することである。
【解決手段】高さ寸法が最大値である燃料タンクに対応して振動板2の全長Lを設定し、この燃料レベルゲージ1を、高さ寸法D1が上述の最大値よりも小さい燃料タンク40において、燃料タンク40の鉛直方向Pに対して角度θ1だけ傾斜させて取り付ける構成としている。これにより、異なる高さ寸法、つまり異なる形状の燃料タンクにおいて、燃料液面41aを最大位置から最小位置まで連続して検出可能としつつ燃料レベルゲージ1を共通使用して、燃料レベルゲージ1のコストを低減することができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンクの内部に取り付けられて燃料の液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動式液面検出装置としては、たとえば、特許第3026105号公報に開示される超音波レベル検出装置がある。この超音波レベル検出装置は、金属棒状体の任意の位置に圧電素子を固着し、この圧電素子にパルス状の信号を印加し、該印加後の予め決められた固定時間内に検出された信号の位相を検出して、前記金属棒状体が浸漬する液体のレベルを検出するものである。この超音波レベル検出装置は、液面の変動に対応して回転する浮子を用いてその回転角度を検出する方式に比べて、運動部分が無いため信頼性を向上させることができる。
【0003】
上述の振動式液面検出装置を、たとえば自動車の燃料タンク内に取り付けて燃料タンク内燃料の液面検出用として用いる場合、振動式液面検出装置は、燃料タンク内に振動部材の振動伝播方向、すなわち振動部材の長さ方向を燃料タンクの鉛直方向に一致させて取り付けられている。そして、燃料タンク内の燃料液面を燃料タンク内の燃料量が最大、すなわち満タンの状態から最小の空状態まで連続して検出できるように、振動式液面検出装置の振動部材の振動伝播方向長さ、つまり振動部材の長さは、取り付けられる燃料タンクの満タン時における燃料深さに対応して設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車の燃料タンク形状は、搭載される車種毎に対応して設定されるため、燃料タンクの高さ寸法、言い換えると満タン時における燃料深さは車種毎に異なっている。一方、振動式液面検出装置における振動部材の長さは、取り付けられる燃料タンクの高さに合わせて設定されている。このため、高さ寸法の異なる燃料タンク毎に振動部材の長さを設定する必要があるので、振動式液面検出装置の種類が増加して振動式液面検出装置のコストが増大する、という問題がある。
【0005】
また、多品種の燃料タンク形状のなかには、満タン状態における燃料液面と空状態における燃料液面とが燃料タンクの鉛直方向に重ならないものがある。この場合、振動式液面検出装置を燃料タンク内に振動部材の長さ方向を燃料タンクの鉛直方向に一致させて取り付けても、燃料液面を満タン状態から空の状態まで連続して検出することができない。たとえば、燃料液面が振動式液面検出装置の振動部材の下端に来た時点、つまり振動式液面検出装置が最小液面位置検出信号を出力する時点でも空の状態の液面はさらに下方にある、言い換えると、燃料タンク内の残存燃料量が十分あるにもかかわらず、振動式液面検出装置は空状態の検出信号を出力するという事態が発生する。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みなされたもので、その目的は、形状が異なる容器間において、容器内液面位置をその最大位置から最小位置まで連続して検出可能且つ共通使用可能として、振動式液面検出装置の種類を低減し、コストを低減できる振動式液面検出装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成する為に以下の技術的手段を採用する。
【0008】
本発明の請求項1に記載の振動式液面検出装置では、振動部材と、振動部材の両端部にそれぞれ固定される圧電素子とを備え、圧電素子の一方は外部からパルス状の入力信号を印加されて振動部材を振動させ、圧電素子の他方は振動部材の振動を検出して検出信号を外部へ出力し、入力信号および検出信号に基づき振動部材が浸漬される液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置であって、振動部材は、液体が収容される容器内に容器の鉛直方向に対して傾斜して配置される構成とした。通常、振動式液面検出装置は、液体が収容される容器内に振動部材の振動伝播方向を容器の鉛直方向に一致させて取り付けられている。そして、容器内における液体液面を容器に収容される液体量が最大、すなわち満タンの状態から最小の状態までを連続して検出することができるように、振動式液面検出装置の振動部材の最大長さは、取り付けられる容器の満タン時における液体深さとほぼ同等の長さに設定されている。したがって、振動式液面検出装置を形状、すなわち満タン時における液体深さが異なる複数種類の容器に取り付ける場合、各振動部材の最大長さを各容器に対応させて複数種類設定しており、振動式液面検出装置のコスト増大を招いていた。
【0009】
そこで、本発明の請求項1に記載の振動式液面検出装置では、振動部材の振動伝播方向の長さが最大のもの、つまり満タン時における液体深さが最大である容器に対応する一種類とし、それ以外の容器に対しては、容器の鉛直方向に対して傾斜させて取り付ける構成としている。これにより、すなわち振動式液面検出装置の種類を低減して、異なる形状の容器において共通の振動式液面検出装置を使用可能として、振動式液面検出装置のコストを低減することができる。
【0010】
この場合、振動部材の振動伝播方向の長さを一種類ではなく数種類とし、容器の形状に応じて、取り付け時の傾斜角度(容器の鉛直方向と振動部材の振動伝播方向との成す角度)を小さくできるようにしても良い。
【0011】
また、容器内の液面の最大位置と最小位置とが容器の鉛直方向に重ならないような形状の容器であっても、振動式液面検出装置を、容器内において、振動部材の長さ方向を容器の鉛直方向に対して傾斜させて取り付けることにより、容器内液面位置を、その最大位置から最小位置まで連続して検出することができる。
【0012】
本発明の請求項2に記載の振動式液面検出装置では、振動部材は細長い板状部材で形成され、且つ少なくとも1個の円弧部を備える構成とした。これにより、振動部材上における圧電素子の作動により発生した振動の伝播を妨げることなく、振動部材の形状を必要に応じて最適な形状に変える、たとえば、取り付けられる燃料タンクの形状に合わせて最適な形状とすることができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の振動式液面検出装置では、振動部材は略U字状に形成される構成としている。これにより、振動部材形状を略棒状として、振動部材上における圧電素子の作動により発生した振動の伝播を妨げることなく、振動式液面検出装置の体格、つまり液体の深さ方向に直交する平面上の形状を小型化することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態による振動式液面検出装置を、自動車の燃料タンク内に装着されて燃料液面位置を検出するための燃料レベルゲージに適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0015】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による振動式液面検出装置である燃料レベルゲージ1の燃料タンク40内における装着状態を示す説明図である。図2は、燃料レベルゲージ1の断面図であり、図1のII−II線断面図である。図3は、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1を従来の燃料タンク400内にお装着した状態を示す説明図である。なお、各図において、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0016】
燃料レベルゲージ1は、大きくは、振動部材である振動板2と、振動板2の両端部それぞれに固定される圧電素子4、5と、振動板2が固定される保持板6とから構成されている。燃料レベルゲージ1は、図1に示すように、容器である自動車の燃料タンク40の天板内面から垂下するブラケット40aに保持板6を介して取り付けられると共に、燃料レベルゲージ1の振動板2は液体である燃料41中に浸漬されている。本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1において、圧電素子4に外部からパルス状の入力信号が印加されるとそれに応じて圧電素子4の体積が変化して振動板2を振動させる。この振動が振動板2上を伝播して圧電素子5に至り圧電素子5に圧力を作用させと圧電素子5に電荷が発生し検出信号として外部へ出力される。ところで、圧電素子4へのパルス状入力信号印加後、圧電素子5から検出信号が出力されるまでの時間は、振動板2の燃料41中にある部分の長さ、つまり液面41a位置によって変化する。すなわち、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1においては、圧電素子4へのパルス状入力信号印加後、圧電素子5から検出信号が出力されるまでの時間を測定し、それに基づいて液面41a位置を検出している。
【0017】
振動部材である振動板2は、自体の振動を効率良く伝播可能な材質、たとえば、金属材料であるステンレス鋼の薄板からなり、図2に示すように、U字状に形成されている。U字の底部には円弧部2aが形成されている。つまり、振動板2は、ステンレス鋼の薄板をその長手方向略中央部に円弧部2aを成すように折り曲げて形成されている。円弧部2aの半径の大きさは、後述する圧電素子4により起振された振動板2の振動の伝播に影響を及ぼさないように、具体的には、振動伝播速度および振幅が変化しないように設定されている。振動板2の両端部には、図1に示すように、圧電素子4、5が固定されている。両圧電素子4、5は、振動板2を確実に振動させることができるように、あるいは振動板2の振動を確実に検出できるように強固に固定されている。上述したように、振動板2をU字状に形成することで、振動板2の全長部材の全長L(図2参照)を延長することなしに両圧電素子4、5間の振動伝播経路長さを延長できるので、燃料レベルゲージ1の液面検出精度、検出分解能を向上することができる。また、振動板2の両端部、すなわち両圧電素子4、5よりも端部側(図2において上側)には、振動板2を支持板6に固定するための貫通孔2bが形成されている。2つの貫通孔2bはほぼ同軸上に設けられている。
【0018】
圧電素子4、5は、ピエゾ効果を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。圧電素子4、5には、両者を外部に接続するためのリード線(図示せず)が引き出されている。
【0019】
上述の振動板2は、支持板6に取り付けられている。支持板6は、たとえば鋼板から形成されている。
【0020】
ところで、圧電素子4により起振された振動板2の振動が、振動板2の円弧部2aを経由する経路と平行して他のルートによっても圧電素子5に伝達されると、液面検出の良好な精度を維持することが困難となる。したがって、燃料レベルゲージ1としての液面検出機能を良好に維持するためには、振動板2は、支持板6に振動的に絶縁されて取り付けられることが望ましい。
【0021】
以下に、振動板2の支持板6への取り付け構造について、図2に基づき説明する。
【0022】
先ず、振動板2の貫通孔2bにブッシュ7を装着する。ブッシュ7は柔軟性を有する材質、たとえばゴムあるいは樹脂で形成されている。
【0023】
次に、ブッシュ7の貫通孔7aに、スリーブ8を挿入する。スリーブ8は、たとえば鋼管で形成されている。
【0024】
次に、鋼板製のワッシャ9を介してボルト10をスリーブ8および支持板6の貫通孔6aに貫通させて、ナット11を締付ける。
【0025】
以上で、振動板2の支持板6への取り付けが完了する。
【0026】
ここで、ブッシュ7の単品時(取り付け前の状態)における全長(図2の左右方向長さ)は、スリーブ8の軸方向長さ(図2の左右方向長さ)よりも若干長く設定されている。したがって、ボルト10およびナット11を締付けて振動板2の支持板6への取り付けが完了すると、ブッシュ7は圧縮され弾性変形し、その弾性力により振動板2が保持される。また、ブッシュ7による保持力は、燃料レベルゲージ1としての液面検出機能を良好に維持できるレベルであるように、ブッシュ7およびスリーブ8の長さ、ブッシュ7の材質特性(特に硬さ)が設定されている。
【0027】
次に、以上説明した本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1の燃料タンク40への取り付け状態について説明する。
【0028】
従来の燃料タンク400内において、燃料レベルゲージ1は、図3に示すように、燃料タンク400の天板内面から垂下するブラケット400aに振動板2の長さ方向を燃料タンク400の鉛直方向Pと一致させて取り付けられている。この場合、燃料レベルゲージ1の振動板2の全長Lは、燃料41の液面41aを満タン状態からほぼ空の状態まで連続して検出できるように、燃料タンク400の高さ寸法、つまり図3中における寸法D2に対応して設定されている。したがって、燃料タンク高さが寸法D2より小さい寸法D1である燃料タンク40に対しては、燃料レベルゲージ1は使用できず、振動板2の全長Lが短い燃料レベルゲージを新たに製作して搭載していた。
【0029】
本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1は、従来の燃料タンク400と比べて高さ寸法が小さい燃料タンク40内に、図1に示すように、振動板2の長さ方向を燃料タンク40の鉛直方向Pに対して傾斜させて、すなわち燃料タンク40の鉛直方向Pとの成す角度をθ1として取り付けられている。このように、燃料レベルゲージ1を燃料タンク40の鉛直方向Pに対して傾斜させて取り付けても、燃料41の液面41aを満タン状態からほぼ空の状態まで連続して検出することができる。これにより、異なる高さ寸法の燃料タンクに対して燃料レベルゲージ1を共通使用することができるので、振動板2の全長Lが短い燃料レベルゲージを新たに製作することを不要として、燃料レベルゲージ1のコストを低減することができる。この場合、異なる高さ寸法の燃料タンクに対しては、振動板2の長さ方向と燃料タンク40の鉛直方向Pとの成す角度θ1、すなわち振動板2の傾斜角度θ1を最適となるように調整することにより、容易に搭載可能である。
【0030】
なお、燃料レベルゲージ1の振動板2全長Lの設定に際して、燃料レベルゲージが搭載される複数種類の燃料タンクの中で、高さ寸法が最大のものに対応するように設定すれば、一種類の燃料レベルゲージ1を、全ての種類の燃料タンクにおいて共通使用することができる。
【0031】
また、燃料レベルゲージが搭載される複数種類の燃料タンクを、高さ寸法に基づいて複数のグループに分類し、グループ毎に、そのグループ内で高さ寸法が最大のものに対応して燃料レベルゲージ1の振動板2全長Lの設定し、その燃料レベルゲージ1をそのグループ内の燃料タンクにおいて共通使用するようにしてもよい。
【0032】
次に、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1による燃料液面検出システムについて、図4に示す、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1を用いた燃料レベル表示システムを説明する構成図に基づいて説明する。
【0033】
先ず、燃料液面検出システム説明に先立ち、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1の液面検出原理について簡単に説明する。
【0034】
圧電素子4は、パルス状の電気信号を印加されると体積が変化する、すなわち振動する。本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1においては、圧電素子4は、図2において上下方向に振動して振動板2を同じく上下方向に振動させ、この振動が横波(振動方向と進行方向が同一の波)として振動板2を圧電素子5に向かって伝播する。この横波の伝播速度は、下記の数式1で表される。
【0035】
【数1】V∝√EI/(ρ1+ρ2)
数式1中において、Vは横波の伝播速度、Eは振動板2のヤング率、Iは振動板2の断面2次モーメント、ρ1は振動板2の密度、ρ2は振動板2周囲の流体の密度である。ρ2は、振動板2が燃料41に浸っている場合は燃料41の密度であり、振動板2が燃料41から露出している場合は空気の密度である。
【0036】
燃料41の密度は、空気の密度よりはるかに大きいので、数式1から明らかなように、振動板2が燃料41に浸っている場合と、振動板2が燃料41から露出している、つまり空気中にある場合とでは、振動板2における振動の伝播速度が異なる。すなわち、振動板2の燃料41に浸っている部分における振動伝播速度は、振動板2の燃料41から露出して空気中にある部分における振動伝播速度よりも小さくなる。したがって、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間、すなわち振動の伝播時間は、振動板2全体が燃料41に浸漬されている状態、つまり満タン状態のときに最大値となり、燃料41がエンジン(図示せず)により消費されて液面41aが低下、すなわち振動板2の空気中への露出部分長さが増加するに連れて伝播時間は減少する。振動板2全体が空気中へ露出した状態のときに最小値となる。
【0037】
以上説明したように、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間を計測することにより、容易に且つ正確に液面41a位置を検出することができる。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1による燃料液面検出システムについて説明する。
【0039】
図4に示すように、イグニッションスイッチ50がONされると、バッテリ60から電力が制御装置20へ供給される。
【0040】
制御装置20は、燃料レベルゲージ1の圧電素子4へパルス状の電気信号を印加すると共に、圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信する。そして、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間、すなわち振動の伝播時間を計測して、それに基づいて燃料タンク40内の燃料41の液面41aを算出する。
【0041】
さらに制御部20は、算出した液面41aに基づいて、コンビネーションメータ30内の燃料計31を駆動するための駆動信号を出力する。この駆動信号により燃料計31のムーブメント(図示せず)が指針31aを回動させて、燃料41の液面41a位置が表示される。
【0042】
以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1では、高さ寸法D2が最大である燃料タンク400に対応して振動板2の全長Lを設定し、この燃料レベルゲージ1を、高さ寸法D1が上述の高さ寸法最大値D2よりも小さい燃料タンク40において、燃料タンク40の鉛直方向Pに対して角度θ1だけ傾斜させて取り付ける構成としている。これにより、異なる高さ寸法の燃料タンクに対して燃料レベルゲージ1を共通使用することができるので、振動板2の全長Lが短い燃料レベルゲージを新たに製作することを不要として、燃料レベルゲージ1のコストを低減することができる。
【0043】
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2をU字状に形成し、且つU字の底部には円弧部2aを形成する構成とした。振動板2をU字状に形成することで、振動板2の全長部材の全長L(図2参照)を延長することなしに両圧電素子4、5間の振動伝播経路長さを延長できるので、燃料レベルゲージ1の液面検出精度、検出分解能を向上することができる。また、U字の底部、つまり振動板2の折れ曲がり部を円弧状に形成することで、振動板2上における圧電素子4の作動により発生した振動の伝播が振動板2の折れ曲がり部により妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)ことを防止しつつ、振動板2の形状を必要に応じて所望の形状(本発明の第1実施形態においてはU字状)として、たとえば、取り付けられる燃料タンク40の形状に合わせて搭載容易な形状とすることができる。
【0044】
(第2実施形態)
図5に、本発明の第2実施形態による燃料レベルゲージ1の燃料タンク40内における装着状態の説明図を示す。
【0045】
本発明の第2実施形態による燃料レベルゲージ1は、上述の第1実施形態による燃料レベルゲージ1とは燃料タンク40形状が異なっている。すなわち、第2実施形態における燃料タンク40では、図5に示すように、燃料タンク40が満タン状態の時の液面41bと燃料タンク40が空状態の時の液面41cとが、燃料タンク40の鉛直方向に重ならず、両者は、水平方向(図5の左右方向)に距離Hだけ隔てて形成される。第2実施形態では、振動板2を燃料タンク40の鉛直方向Pに対して角度θ2だけ傾斜させ、振動板2の下端が液面41c以下として、つまり液面41cを検出可能であるように、燃料レベルゲージ1を燃料タンク40内に取り付けている。したがって、燃料タンク40内の燃料液面を、満タン時の液面41bから空時の液面41cまで、すなわちその最大位置から最小位置まで連続して検出することができる。
【0046】
さらに、燃料タンク40の形状が複数種類あり、それに対応して振動板2の全長Lも燃料タンク40の種類と同数設定される場合において、全長Lが最大である燃料レベルゲージ1を各種燃料タンク40に応じて傾斜角度θ2を適宜変更して取り付けることにより、本発明の第1実施形態の場合と同様に、燃料レベルゲージ1を共通化して燃料レベルゲージ1のコストを低減することができる。
【0047】
図6、図7、図8に、本発明の第1実施形態および第2実施形態による燃料レベルゲージ1の変形例および他の変形例を示す。これらの変形例および他の変形例は、いずれも振動板2の形状を各図に示すような形状に変更したものである。すなわち、振動板2における円弧部2aの個数が、図6、図7、図8においては、それぞれ2個、3個、4個となっている。これにより、振動板2の折れ曲がり部を円弧状として振動板2上における圧電素子4の作動により発生した振動の伝播が振動板2の折れ曲がり部により妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)ことを防止しつつ、振動板2の形状を、取り付けられる燃料タンク40の形状に応じて最適な形状とすることができる。
【0048】
なお、以上説明した本発明の第1実施形態および第2実施形態、その変形例および他の変形例による燃料レベルゲージ1においては、振動板2をステンレス鋼板、すなわち金属材料で形成しているが、振動を効率良く伝播可能であれば他の材料、たとえば樹脂、セラミックス等であっても良い。
【0049】
また、本発明の第1実施形態および第2実施形態、その変形例および他の変形例では、振動式液面検出装置を自動車用燃料レベルゲージ1に適用した場合を例に説明したが、本発明の振動式液面検出装置を他の用途における振動式液面検出装置に適用してもよい。また、検出する液体も、燃料以外に水、潤滑油、各種薬品、各種飲料等であってもよい。その場合も、上述の本発明の第1実施形態および第2実施形態による燃料レベルゲージ1の場合と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1の燃料タンク40内における装着状態を示す説明図である。
【図2】本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1の断面図であり、図1中のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による振動式液面検出装置である燃料レベルゲージ1の従来の燃料タンク400内における装着状態を示す説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態による燃料レベルゲージ1を用いた燃料レベル表示システムを説明する構成図である。
【図5】本発明の第2実施形態による燃料レベルゲージ1の燃料タンク40内における装着状態を示す説明図である。
【図6】本発明の第1実施形態および第2実施形態の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図7】本発明の第1実施形態および第2実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図8】本発明の第1実施形態および第2実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【符号の説明】
1  燃料レベルゲージ(振動式液面検出装置)
2  振動板(振動部材)
2a  円弧部
4、5  圧電素子
6  保持板
7  ブッシュ
8  スリーブ
9  ワッシャ
10  ボルト
11  ナット
20  制御装置
30  コンビネーションメータ
31  燃料計
40  燃料タンク(容器)
40a  ブラケット
41  燃料(液体)
41a  液面
41b  液面
41c  液面
50  イグニッションスイッチ
60  バッテリ
D1  高さ寸法
D2  高さ寸法
H  距離
L  長さ寸法
P  鉛直方向
θ1  角度
θ2  角度

Claims (3)

  1. 振動部材と、
    前記振動部材の両端部にそれぞれ固定される圧電素子とを備え、
    前記圧電素子の一方は外部からパルス状の入力信号を印加されて前記振動部材を振動させ、
    前記圧電素子の他方は前記振動部材の前記振動を検出して検出信号を外部へ出力し、
    前記入力信号および前記検出信号に基づき前記振動部材が浸漬される液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置であって、
    前記振動部材は、前記液体が収容される容器内に容器の鉛直方向に対して傾斜して配置されることを特徴とする振動式液面検出装置。
  2. 前記振動部材は細長い板状部材で形成され、且つ少なくとも1個の円弧部を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動式液面検出装置。
  3. 前記振動部材は略U字状に形成されることを特徴とする請求項2に記載の振動式液面検出装置。
JP2002218608A 2002-07-26 2002-07-26 振動式液面検出装置 Withdrawn JP2004061233A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100917761B1 (ko) * 2008-12-23 2009-09-15 한국가스공사연구개발원 Lng 연료용기의 과충전방지장치
KR100927349B1 (ko) * 2008-12-23 2009-11-19 한국가스공사연구개발원 Lng 연료용기의 과충전방지방법
JP2014206504A (ja) * 2013-04-15 2014-10-30 日本精機株式会社 液面位置検出装置及び液面位置検出方法

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