JP2004101486A - 車両用液面検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両走行中に石等異物が超音波検出器に衝突して超音波検出器が破損することを防止できると共にタンク内の液体量が減少して液面が低下した場合でも、高い精度で液面位置を検出可能な車両用液面検出装置を提供する。
【解決手段】燃料液面センサ2を燃料タンク3の側面35下方に取り付けると共に、燃料液面センサ2から発射される超音波を液面51に向けて反射し且つ液面51への入射角が0度となるように反射する測定プレート31およびを燃料液面センサ2から発射される超音波を直接燃料液面センサ2に向けて反射する較正プレート32を配置した。これにより、燃料液面センサ2が石等の異物との衝突により損傷を受けることを防止できる。また、液面からと較正プレート32からとの2種類の反射パルスに基づいて液面位置を測定することにより、燃料タンク3内の液面51位置を高い精度で検出することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料液面センサ2を燃料タンク3の側面35下方に取り付けると共に、燃料液面センサ2から発射される超音波を液面51に向けて反射し且つ液面51への入射角が0度となるように反射する測定プレート31およびを燃料液面センサ2から発射される超音波を直接燃料液面センサ2に向けて反射する較正プレート32を配置した。これにより、燃料液面センサ2が石等の異物との衝突により損傷を受けることを防止できる。また、液面からと較正プレート32からとの2種類の反射パルスに基づいて液面位置を測定することにより、燃料タンク3内の液面51位置を高い精度で検出することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて液体の液面位置を検出する車両用液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等において燃料の量、すなわち燃料液面を検出する車両用液面検出装置としては、燃料の表面に浮くフロートに回動腕を設け、液面の変動によるフロートの位置変化に応じて回動腕を回動させ、その回動角度変化をたとえば電気抵抗変化に変換するものが一般的である。しかしながら、この方式の液面検出装置は、体格が大きく設置場所が制限される、あるいは検出精度があまり良くない、等の問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、たとえば特開平6−249697号公報、特開2000−314651号公報、あるいは特開2001−208595号公報に開示される液面検出装置においては、液体容器底部に超音波振動子を備える超音波センサを装着し、超音波センサから液体容器内の液体中に超音波を発射し、この超音波が液面で反射して再び超音波センサにて受信して、超音波が超音波センサと液面間を往復する時間を計測し、これに基づいて液面位置を検出している。これにより、液面検出装置の体格を小型化できると共に、検出精度を向上することができる。
【0004】
さらに、上述の特開2001−208595号公報に開示される液面検出装置においては、タンク内の予め定めた測定基準高さ位置で、且つ超音波を超音波センサに反射する反射板を設置し、この反射板からの反射波データおよび液面からの反射波データの2種類の超音波データを活用して液面を測定している。これにより、液体の温度や圧力が変化して液体中における超音波の伝播速度が変化しても、高い精度で液面位置を検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
とこるで、上述の各公報に開示される液面検出装置においては、いずれも超音波センサを液体容器底部に取り付けている。したがって、上述の各公報に開示される液面検出装置を自動車の燃料タンク内の燃料液面検出用として用いた場合、超音波センサは、燃料タンク底面から自動車下方、つまり路面側に張り出している。このため、自動車走行中において、タイヤによる跳ね石等の異物に直撃されて、超音波センサが破損する恐れがある。
【0006】
また、特開2001−208595号公報に開示される液面検出装置においては、液体の温度や圧力如何に関わらず液面位置を高い精度で検出できるものの、タンク内の液体量が減少して液面が上述の反射板以下になると、液面位置の測定精度が低下するという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、超音波検出器のタンクへの取り付け位置に工夫を凝らして、車両走行中に異物が超音波検出器に衝突して超音波検出器が損傷を受けることを防止できる車両用液面検出装置を提供することである。
【0008】
もう1つの目的は、タンク内の液体量が減少して液面が低下した場合でも、高い精度で液面位置を検出することができる車両用液面検出装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、超音波振動子を内蔵しタンクの外表面に取り付けられる超音波検出器とを備え、超音波検出器からタンク内の液体に超音波を発射して液面を計測する車両用液面検出装置において、超音波検出器が取り付けられる外表面はタンクの側面であり、タンク内に設けられて超音波検出器から発射される超音波を反射する反射部材を備え、この反射部材は超音波検出器から発射される超音波を液面に向けて反射し且つ液面への入射角が0度となるように配置される構成とした。超音波検出器から液体内に発射された超音波は、反射部材により反射されて液面に入射角0度、すなわち超音波の入射方向と液面の鉛直方向との成す角度が0度で入射する。このため、超音波は、液面においてその入射方向と同一方向に反射され、入射時と同一経路を辿って反射部材に向かって進み、さらに反射部材で反射されて超音波検出器に入射して受信される。これにより、超音波検出器をタンク側面の外表面に取り付けた場合においても、超音波検出器を底面に取り付けた場合と同様に液面を検出することができる。したがって、車両走行中に異物がタンク外表面に取り付けられた超音波検出器に衝突して超音波検出器が損傷を受けることを防止できる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の車両用液面検出装置では、超音波検出器は側面の底面近傍に取り付けられ且つ反射部材はタンクの底面に固定される構成とした。これにより、タンク内の液面高さが底面に近い場合、つまりタンク内の液体量が少ない場合においても、液面位置を精度良く検出することができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、タンク内に超音波検出器から発射される超音波を直接超音波検出器に向けて反射する較正用反射部材を備える構成とした。ところで、液体中における超音波の伝播速度は、当該液体の温度、圧力等の変化に応じて変化する。したがって、液面位置が一定の場合であっても、液体の温度、圧力等が変化すると、超音波検出器が超音波を発射してから反射部材を経由して液面からの反射波を受信するまでの時間が変化するので、液面位置を正確に検出することが困難である。
【0013】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、反射部材に加えて較正用反射部材を設けている。較正用反射部材は超音波検出器に対して予め定められた位置に固定されている、言い換えると、超音波検出器と較正用反射部材間距離は不変且つ既知の値である。したがって、超音波検出器が超音波を発射してから較正用反射部材からの反射波を受信するまでの時間を測定することにより、その時点の当該液体の温度、圧力条件下における超音波の速度が算出可能となる。この速度データおよび反射部材を経由して液面で反射された反射波を受信するまでの時間データに基づいて、タンク内の液面位置を高い精度で検出することができる。さらに、タンク内の液体量が少ない場合、つまりタンク内の液面高さが底面に近い場合においても液面位置を精度良く検出することができる。
【0014】
本発明の請求項4に記載の車両用液面検出装置では、反射部材、較正用反射部材およびタンクは樹脂材料からなり且つ反射部材および校正用反射部材はタンクと一体成形により形成される構成としている。これにより、反射部材および較正用反射部材と超音波検出器との位置関係を正確に維持することができる。また、部品点数を低減してコストを低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による車両用液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、液体としての燃料5を貯蔵するタンクである燃料タンク3の部分断面図である。図2は、図1中のII矢視図である。また、図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。なお、各図においては、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0017】
燃料液面検出装置1は、図1に示すように、タンクである燃料タンク3、超音波検出器である燃料液面センサ2、反射部材である測定プレート31および校正用反射部材である較正プレート32から構成されている。
【0018】
以下に、燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0019】
先ず、超音波検出器である燃料液面センサ2について説明する。燃料液面センサ2は、図1に示すように、液体を貯蔵するタンクである自動車の燃料タンク3の外表面である側面35上において、タンク3の下方、つまり底面35近傍に固定されている。
【0020】
燃料液面センサ2において、超音波を発生し且つ超音波の反射波を受信するという中枢機能を果たしている超音波振動子21は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化する一方、外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。また、超音波振動子21には、図1に示すように、外部から超音波振動子21に電圧を印加するため、あるいは超音波振動子21にて発生した電圧信号を外部へ出力するためのリード線26が接続されている。また、超音波振動子21はハウジング22に、たとえば接着等により固定されている。
【0021】
ハウジング22は、剛性の高い材質、たとえば金属(ステンレス鋼板等)から形成され、超音波振動子21を保護すると共に、超音波振動子21の振動を確実に外部へ伝達する役目を果たしている。また、ハウジング22は、樹脂製のケース24に保持されている。ここで、ハウジング22は、柔軟で振動を吸収可能な材質からなる防振部材23を介して樹脂製のケース24に保持されている。これにより、超音波振動子21の振動が燃料タンク3内の燃料以外に伝達されることを防止して、良好な燃料液面検出機能を維持している。
【0022】
ケース24は、略円盤状に形成されている。ケース24には、図1に示すように、後述する燃料タンク3の孔部34と係合する突き出し部25が2個、中心を挟んで対向して設けられている。燃料液面センサ2は、突き出し部25が後述する燃料タンク3の孔部34に係合・当接することにより燃料タンク3に保持固定される。
【0023】
次に、タンクである燃料タンク3について説明する。
【0024】
燃料タンク3は、樹脂材料により形成されている。また、燃料タンク3の側面35には、図1に示すように、側面35沿い方向への燃料液面センサ2の移動、すなわち図1中における左右方向への移動を規制する略円筒状の支持壁33が設けられている。支持壁33には、燃料液面センサ2の突き出し部25と係合するための孔部34が設けられている。孔部34は、図1に示すように、側面35と略平行な貫通孔状に形成されている。また、支持壁33は、燃料タンク3の樹脂成形時において燃料タンク3と一体に形成される。
【0025】
燃料タンク3の底面36には、燃料液面センサ2から発射される超音波を反射する反射部材である測定プレート31が設けられている。この測定プレート31は、燃料液面センサ2および液面51に対して、測定プレート31で反射される超音波の液面51への入射角が0度となる、言い換えると、図1に示すように、超音波の進行方向と液面51との成す角度が90度となるような位置関係に配置されている。また、測定プレート31は樹脂材料からなり、燃料タンク3と一体成形により形成されている。測定プレート31を上述した位置関係に配置することにより、燃料液面センサ2の設置位置を、従来の燃料液面検出装置における燃料タンク3の底面外表面ではなく、燃料タンク3の側面35上としても液面51位置を検出することが可能となる。
【0026】
また、燃料タンク3の底面36には、燃料液面センサ2から発射される超音波を直接燃料液面センサ2に向けて反射する較正用反射部材である較正プレート32が設けられている。
【0027】
測定プレート31および較正プレート32は、図2に示すように、燃料液面センサ2の超音波発射部であるハウジング22に対向して設けられている。また、図1中のII矢視方向における測定プレート31および較正プレート32それぞれの輪郭線の境界線Cが、図2に示すように、ハウジング22を略二分する位置に形成されている。これにより、燃料液面センサ2から発射される超音波は、同時に測定プレート31および較正プレート32に入射する。燃料液面センサ2から測定プレート31に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Aのように、測定プレート31で反射されて液面51へ向かって進み、液面51で反射されて往路と同一の経路を辿り再び燃料液面センサ2によって受信される。一方、燃料液面センサ2から較正プレート32に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Bのように、較正プレート32で燃料液面センサ2に向けて反射され、直ちに燃料液面センサ2によって受信される。すなわち、燃料液面センサ2が1つの超音波パルスを発射すると、燃料液面センサ2は、上述の2つの反射パルス、つまり液面51からの反射パルスと較正プレート32からの反射パルスを受信する。
【0028】
さらに、測定プレート31の底面36側端部と燃料液面センサ2が取り付けられる側面35との距離L1は、較正プレート32と側面35との距離L2より大きく設定されている。これにより、測定プレート31を経由する液面51からの反射パルスの燃料5中の伝播距離は、較正プレート32からの反射パルスの燃料5中の伝播距離よりも常に大きくなっている。このため、燃料液面センサ2が1つの超音波パルスを発射した後上述の各反射パルスを受信するまでの時間は、液面51からの反射パルスを受信するまでの時間の方が液面51からの反射パルスを受信するまでの時間より長くなる。言い換えると、燃料液面センサ2が1つの超音波パルスを発射した後、較正プレート32からの反射パルスが常に先に受信されることになる。
【0029】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の組付け工程における燃料液面センサ2の燃料タンク3への取り付け方法について説明する。
【0030】
先ず、燃料タンク3の支持壁33の内側に略円形のシート状の接着剤4をセットする。
【0031】
次に、燃料液面センサ2を、燃料タンク3の支持壁33の内側に、燃料液面センサ2の突き出し部25と支持壁33の孔部34との円周方向位置を一致させ、ハウジング22を側面35に向かう方向に押圧する。これにより、支持壁33は、突き出し部25に押されて図1の上下方向に弾性変形する。さらに燃料液面センサ2を押込んでいくと、燃料液面センサ2の突き出し部25が燃料タンク3の支持壁33の孔部34に係合して、燃料液面センサ2の燃料タンク3への取り付け作業が完了する。このとき、接着剤4は、燃料タンク3底面35と燃料液面センサ2のハウジング22の両者に完全に密着している。これにより、超音波振動子21と燃料タンク3内の燃料との間の空気を排除して、超音波振動子21から燃料への超音波放射および液面からの反射波受信を安定させて、燃料液面センサ2による液面検出精度を向上できる。
【0032】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、燃料液面検出作動について、図3に基づいて説明する。
【0033】
図3に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図を示す。
【0034】
燃料液面センサ2(詳しくは超音波振動子21)は制御回路6に接続され、この制御回路6は表示部7に接続されている。
【0035】
制御回路6は、超音波振動子21への電圧印加を制御するパルス発生回路61、超音波振動子21から出力される電圧信号を処理して液面位置を算出する演算回路62、および演算回路62により算出された液面位置信号に基づき表示部7を駆動する駆動信号を出力する駆動回路63から構成されている。なお、制御回路6にはバッテリ(図示せず)から電力が供給されている。
【0036】
表示部7は、たとえば指針計器等からなり、燃料タンク3内の液面位置を運転者が認知可能に表示するものである。一般に、表示部7は、自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。
【0037】
パルス発生回路61からの信号により超音波振動子21が振動して燃料液面センサ2がパルス状の超音波を燃料タンク3内の燃料5中に発射すると、この超音波パルスは、図1中に各矢印で示す方向に進行し、燃料5の液面51あるいは較正プレート32で反射され、再び燃料液面センサ2により受信される。このとき、燃料液面センサ2は反射パルスを2回受信する。最初に、較正プレート32からの反射パルスが受信され、次に、液面51からの反射パルスが受信される。超音波振動子21は、これら反射パルスを受信する度に振動して電圧信号を発生し、この電圧信号は演算回路62に入力される。
【0038】
演算回路62は、パルス発生回路61が超音波振動子21へ信号を発してから反射パルスを検出するまでの時間を算出する。ここで、演算回路62は、最初に受信する較正プレート32からの反射パルスに基づいて燃料5中における超音波パルスの伝播速度を算出し、この伝播速度および液面51からの反射パルスを受信するまでの時間に基づいて、液面51位置、つまり図1中における液面高さHを算出する。
【0039】
駆動回路63は、表示部7に演算回路62が算出した液面高さHを表示させるための信号、たとえば指針軸(図示せず)を液面高さHに対応した角度まで回動させるための駆動信号を出力する。
【0040】
以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料液面センサ2を燃料タンク3の側面35下方に取り付けると共に、燃料タンク3内の底面36に燃料液面センサ2から発射される超音波を反射する測定プレート31を設けている。さらに、この測定プレート31を、燃料液面センサ2から発射される超音波を液面51に向けて反射し且つ液面51への入射角が0度となるように配置した。これにより、燃料液面センサ2を燃料タンク3側面の側面35の外表面に取り付けた場合でも、従来の燃料液面検出装置のように燃料液面センサ2を燃料タンクの底面に取り付けた場合と同様に液面を検出することが可能となる。したがって、自動車走行中等において、石等の異物が燃料タンクに衝突しても、燃料液面センサ2が燃料タンク3側面35に装着されるため、燃料液面センサ2が石等の異物との衝突により損傷を受けることを防止できる。
【0041】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3内に燃料液面センサ2から発射される超音波を直接燃料液面センサ2に向けて反射する較正プレート32を備える構成とした。プレート32は燃料液面センサ2に対して予め定められた位置に固定されている、言い換えると、燃料液面センサ2と較正プレート32間距離は不変且つ既知の値である。したがって、燃料液面センサ2が超音波を発射してから較正プレート32からの反射波を受信するまでの時間に基づいて、その時点の燃料温度、圧力条件下における超音波の燃料中の伝播速度が算出できる。このようにして算出された超音波の燃料中の伝播速度および液面51で反射された反射波の伝播時間データに基づいて液面位置を測定することにより、燃料タンク3内の液面51位置を高い精度で検出することができる。
【0042】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3を樹脂で形成すると共に、測定プレート31および較正プレート32、さらに燃料液面センサ2固定用の支持壁33を燃料タンク3の樹脂成形時において燃料タンク3と一体に形成している。これにより、部品点数を低減してコストを低減すると共に、燃料液面センサ2と測定プレート31および較正プレート32との位置関係を正確に維持できるので、液面51位置検出精度を向上することができる。
【0043】
図4に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図を示す。この変形例においては、測定プレート31および較正プレート32の形状を変更している。すなわち、図4に示すように、測定プレート31および較正プレート32を一体化している。これにより、両プレート31、32を独立して形成する場合に比べて、燃料タンク3の成形型形状を簡略化することができる。この場合、燃料液面高さが、較正プレート32の高さD以下になると、燃料液面センサ2が受信する2個の反射パルスのうち、液面51からの反射パルスがなくなり、較正プレート32による反射パルスのみになり、液面検出ができなくなる。しかし、通常、燃料タンク3にはある死蔵量が存在しており、較正プレート32の高さDをこの死蔵量のレベル相当とすれば、運転者が必要とする燃料量検出機能上は問題無い。
【0044】
図5に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図を示す。この他の変形例においては、上述の変形例に対して、図5に示すように、測定プレート31および較正プレート32の上下方向の位置関係を入れ替えたものである。この場合も、両プレート31、32を一体化することで燃料タンク3の成形型形状を簡略化することができる。また、他の変形例においては、燃料液面高さが、測定プレート31の高さE以下になると、燃料液面センサ2が受信する2個の反射パルスのうち、較正プレート32による反射パルスがなくなり、液面51からの反射パルスのみになり、燃料中における超音波の伝播速度の較正ができなくなる。しかし、液面51からの反射パルスのみによって若干精度が落ちるものの液面位置の測定は可能である。また、液面レベルがこのような位置にある場合は、燃料タンク3内の残存燃料量は極わずかで直ちに給油が必要なレベルであるので、実用上は問題無い。
【0045】
なお、以上説明した本発明の一実施形態および各変形例による燃料液面検出装置1において、接着剤4をシート状としているが、シート状に限る必要はなく、たとえなゼリー状等であってもよい。
【0046】
また、以上説明した実施形態および各変形例は、本発明の車両用液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。車両に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のIIである。
【図3】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図である。
【図4】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例における平面図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(車両用液面検出装置)
2 燃料液面センサ(超音波検出器)
21 超音波振動子
22 ハウジング
23 防振部材
24 ケース
25 突き出し部
26 リード線
3 燃料タンク(タンク)
31 測定プレート(反射部材)
32 較正プレート(較正用反射部材)
33 支持壁
34 孔部
35 側面(外表面)
36 底面
4 接着剤
5 燃料(液体)
51 液面
6 制御回路
61 パルス発生回路
62 演算回路
63 駆動回路
7 表示部
A、B 伝播経路
C 境界線
D、E プレート高さ
H 液面高さ
L1、L2 距離
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて液体の液面位置を検出する車両用液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等において燃料の量、すなわち燃料液面を検出する車両用液面検出装置としては、燃料の表面に浮くフロートに回動腕を設け、液面の変動によるフロートの位置変化に応じて回動腕を回動させ、その回動角度変化をたとえば電気抵抗変化に変換するものが一般的である。しかしながら、この方式の液面検出装置は、体格が大きく設置場所が制限される、あるいは検出精度があまり良くない、等の問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、たとえば特開平6−249697号公報、特開2000−314651号公報、あるいは特開2001−208595号公報に開示される液面検出装置においては、液体容器底部に超音波振動子を備える超音波センサを装着し、超音波センサから液体容器内の液体中に超音波を発射し、この超音波が液面で反射して再び超音波センサにて受信して、超音波が超音波センサと液面間を往復する時間を計測し、これに基づいて液面位置を検出している。これにより、液面検出装置の体格を小型化できると共に、検出精度を向上することができる。
【0004】
さらに、上述の特開2001−208595号公報に開示される液面検出装置においては、タンク内の予め定めた測定基準高さ位置で、且つ超音波を超音波センサに反射する反射板を設置し、この反射板からの反射波データおよび液面からの反射波データの2種類の超音波データを活用して液面を測定している。これにより、液体の温度や圧力が変化して液体中における超音波の伝播速度が変化しても、高い精度で液面位置を検出することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
とこるで、上述の各公報に開示される液面検出装置においては、いずれも超音波センサを液体容器底部に取り付けている。したがって、上述の各公報に開示される液面検出装置を自動車の燃料タンク内の燃料液面検出用として用いた場合、超音波センサは、燃料タンク底面から自動車下方、つまり路面側に張り出している。このため、自動車走行中において、タイヤによる跳ね石等の異物に直撃されて、超音波センサが破損する恐れがある。
【0006】
また、特開2001−208595号公報に開示される液面検出装置においては、液体の温度や圧力如何に関わらず液面位置を高い精度で検出できるものの、タンク内の液体量が減少して液面が上述の反射板以下になると、液面位置の測定精度が低下するという問題がある。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、超音波検出器のタンクへの取り付け位置に工夫を凝らして、車両走行中に異物が超音波検出器に衝突して超音波検出器が損傷を受けることを防止できる車両用液面検出装置を提供することである。
【0008】
もう1つの目的は、タンク内の液体量が減少して液面が低下した場合でも、高い精度で液面位置を検出することができる車両用液面検出装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、超音波振動子を内蔵しタンクの外表面に取り付けられる超音波検出器とを備え、超音波検出器からタンク内の液体に超音波を発射して液面を計測する車両用液面検出装置において、超音波検出器が取り付けられる外表面はタンクの側面であり、タンク内に設けられて超音波検出器から発射される超音波を反射する反射部材を備え、この反射部材は超音波検出器から発射される超音波を液面に向けて反射し且つ液面への入射角が0度となるように配置される構成とした。超音波検出器から液体内に発射された超音波は、反射部材により反射されて液面に入射角0度、すなわち超音波の入射方向と液面の鉛直方向との成す角度が0度で入射する。このため、超音波は、液面においてその入射方向と同一方向に反射され、入射時と同一経路を辿って反射部材に向かって進み、さらに反射部材で反射されて超音波検出器に入射して受信される。これにより、超音波検出器をタンク側面の外表面に取り付けた場合においても、超音波検出器を底面に取り付けた場合と同様に液面を検出することができる。したがって、車両走行中に異物がタンク外表面に取り付けられた超音波検出器に衝突して超音波検出器が損傷を受けることを防止できる。
【0011】
本発明の請求項2に記載の車両用液面検出装置では、超音波検出器は側面の底面近傍に取り付けられ且つ反射部材はタンクの底面に固定される構成とした。これにより、タンク内の液面高さが底面に近い場合、つまりタンク内の液体量が少ない場合においても、液面位置を精度良く検出することができる。
【0012】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、タンク内に超音波検出器から発射される超音波を直接超音波検出器に向けて反射する較正用反射部材を備える構成とした。ところで、液体中における超音波の伝播速度は、当該液体の温度、圧力等の変化に応じて変化する。したがって、液面位置が一定の場合であっても、液体の温度、圧力等が変化すると、超音波検出器が超音波を発射してから反射部材を経由して液面からの反射波を受信するまでの時間が変化するので、液面位置を正確に検出することが困難である。
【0013】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、反射部材に加えて較正用反射部材を設けている。較正用反射部材は超音波検出器に対して予め定められた位置に固定されている、言い換えると、超音波検出器と較正用反射部材間距離は不変且つ既知の値である。したがって、超音波検出器が超音波を発射してから較正用反射部材からの反射波を受信するまでの時間を測定することにより、その時点の当該液体の温度、圧力条件下における超音波の速度が算出可能となる。この速度データおよび反射部材を経由して液面で反射された反射波を受信するまでの時間データに基づいて、タンク内の液面位置を高い精度で検出することができる。さらに、タンク内の液体量が少ない場合、つまりタンク内の液面高さが底面に近い場合においても液面位置を精度良く検出することができる。
【0014】
本発明の請求項4に記載の車両用液面検出装置では、反射部材、較正用反射部材およびタンクは樹脂材料からなり且つ反射部材および校正用反射部材はタンクと一体成形により形成される構成としている。これにより、反射部材および較正用反射部材と超音波検出器との位置関係を正確に維持することができる。また、部品点数を低減してコストを低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による車両用液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、液体としての燃料5を貯蔵するタンクである燃料タンク3の部分断面図である。図2は、図1中のII矢視図である。また、図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。なお、各図においては、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0017】
燃料液面検出装置1は、図1に示すように、タンクである燃料タンク3、超音波検出器である燃料液面センサ2、反射部材である測定プレート31および校正用反射部材である較正プレート32から構成されている。
【0018】
以下に、燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0019】
先ず、超音波検出器である燃料液面センサ2について説明する。燃料液面センサ2は、図1に示すように、液体を貯蔵するタンクである自動車の燃料タンク3の外表面である側面35上において、タンク3の下方、つまり底面35近傍に固定されている。
【0020】
燃料液面センサ2において、超音波を発生し且つ超音波の反射波を受信するという中枢機能を果たしている超音波振動子21は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化する一方、外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。また、超音波振動子21には、図1に示すように、外部から超音波振動子21に電圧を印加するため、あるいは超音波振動子21にて発生した電圧信号を外部へ出力するためのリード線26が接続されている。また、超音波振動子21はハウジング22に、たとえば接着等により固定されている。
【0021】
ハウジング22は、剛性の高い材質、たとえば金属(ステンレス鋼板等)から形成され、超音波振動子21を保護すると共に、超音波振動子21の振動を確実に外部へ伝達する役目を果たしている。また、ハウジング22は、樹脂製のケース24に保持されている。ここで、ハウジング22は、柔軟で振動を吸収可能な材質からなる防振部材23を介して樹脂製のケース24に保持されている。これにより、超音波振動子21の振動が燃料タンク3内の燃料以外に伝達されることを防止して、良好な燃料液面検出機能を維持している。
【0022】
ケース24は、略円盤状に形成されている。ケース24には、図1に示すように、後述する燃料タンク3の孔部34と係合する突き出し部25が2個、中心を挟んで対向して設けられている。燃料液面センサ2は、突き出し部25が後述する燃料タンク3の孔部34に係合・当接することにより燃料タンク3に保持固定される。
【0023】
次に、タンクである燃料タンク3について説明する。
【0024】
燃料タンク3は、樹脂材料により形成されている。また、燃料タンク3の側面35には、図1に示すように、側面35沿い方向への燃料液面センサ2の移動、すなわち図1中における左右方向への移動を規制する略円筒状の支持壁33が設けられている。支持壁33には、燃料液面センサ2の突き出し部25と係合するための孔部34が設けられている。孔部34は、図1に示すように、側面35と略平行な貫通孔状に形成されている。また、支持壁33は、燃料タンク3の樹脂成形時において燃料タンク3と一体に形成される。
【0025】
燃料タンク3の底面36には、燃料液面センサ2から発射される超音波を反射する反射部材である測定プレート31が設けられている。この測定プレート31は、燃料液面センサ2および液面51に対して、測定プレート31で反射される超音波の液面51への入射角が0度となる、言い換えると、図1に示すように、超音波の進行方向と液面51との成す角度が90度となるような位置関係に配置されている。また、測定プレート31は樹脂材料からなり、燃料タンク3と一体成形により形成されている。測定プレート31を上述した位置関係に配置することにより、燃料液面センサ2の設置位置を、従来の燃料液面検出装置における燃料タンク3の底面外表面ではなく、燃料タンク3の側面35上としても液面51位置を検出することが可能となる。
【0026】
また、燃料タンク3の底面36には、燃料液面センサ2から発射される超音波を直接燃料液面センサ2に向けて反射する較正用反射部材である較正プレート32が設けられている。
【0027】
測定プレート31および較正プレート32は、図2に示すように、燃料液面センサ2の超音波発射部であるハウジング22に対向して設けられている。また、図1中のII矢視方向における測定プレート31および較正プレート32それぞれの輪郭線の境界線Cが、図2に示すように、ハウジング22を略二分する位置に形成されている。これにより、燃料液面センサ2から発射される超音波は、同時に測定プレート31および較正プレート32に入射する。燃料液面センサ2から測定プレート31に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Aのように、測定プレート31で反射されて液面51へ向かって進み、液面51で反射されて往路と同一の経路を辿り再び燃料液面センサ2によって受信される。一方、燃料液面センサ2から較正プレート32に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Bのように、較正プレート32で燃料液面センサ2に向けて反射され、直ちに燃料液面センサ2によって受信される。すなわち、燃料液面センサ2が1つの超音波パルスを発射すると、燃料液面センサ2は、上述の2つの反射パルス、つまり液面51からの反射パルスと較正プレート32からの反射パルスを受信する。
【0028】
さらに、測定プレート31の底面36側端部と燃料液面センサ2が取り付けられる側面35との距離L1は、較正プレート32と側面35との距離L2より大きく設定されている。これにより、測定プレート31を経由する液面51からの反射パルスの燃料5中の伝播距離は、較正プレート32からの反射パルスの燃料5中の伝播距離よりも常に大きくなっている。このため、燃料液面センサ2が1つの超音波パルスを発射した後上述の各反射パルスを受信するまでの時間は、液面51からの反射パルスを受信するまでの時間の方が液面51からの反射パルスを受信するまでの時間より長くなる。言い換えると、燃料液面センサ2が1つの超音波パルスを発射した後、較正プレート32からの反射パルスが常に先に受信されることになる。
【0029】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の組付け工程における燃料液面センサ2の燃料タンク3への取り付け方法について説明する。
【0030】
先ず、燃料タンク3の支持壁33の内側に略円形のシート状の接着剤4をセットする。
【0031】
次に、燃料液面センサ2を、燃料タンク3の支持壁33の内側に、燃料液面センサ2の突き出し部25と支持壁33の孔部34との円周方向位置を一致させ、ハウジング22を側面35に向かう方向に押圧する。これにより、支持壁33は、突き出し部25に押されて図1の上下方向に弾性変形する。さらに燃料液面センサ2を押込んでいくと、燃料液面センサ2の突き出し部25が燃料タンク3の支持壁33の孔部34に係合して、燃料液面センサ2の燃料タンク3への取り付け作業が完了する。このとき、接着剤4は、燃料タンク3底面35と燃料液面センサ2のハウジング22の両者に完全に密着している。これにより、超音波振動子21と燃料タンク3内の燃料との間の空気を排除して、超音波振動子21から燃料への超音波放射および液面からの反射波受信を安定させて、燃料液面センサ2による液面検出精度を向上できる。
【0032】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、燃料液面検出作動について、図3に基づいて説明する。
【0033】
図3に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図を示す。
【0034】
燃料液面センサ2(詳しくは超音波振動子21)は制御回路6に接続され、この制御回路6は表示部7に接続されている。
【0035】
制御回路6は、超音波振動子21への電圧印加を制御するパルス発生回路61、超音波振動子21から出力される電圧信号を処理して液面位置を算出する演算回路62、および演算回路62により算出された液面位置信号に基づき表示部7を駆動する駆動信号を出力する駆動回路63から構成されている。なお、制御回路6にはバッテリ(図示せず)から電力が供給されている。
【0036】
表示部7は、たとえば指針計器等からなり、燃料タンク3内の液面位置を運転者が認知可能に表示するものである。一般に、表示部7は、自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。
【0037】
パルス発生回路61からの信号により超音波振動子21が振動して燃料液面センサ2がパルス状の超音波を燃料タンク3内の燃料5中に発射すると、この超音波パルスは、図1中に各矢印で示す方向に進行し、燃料5の液面51あるいは較正プレート32で反射され、再び燃料液面センサ2により受信される。このとき、燃料液面センサ2は反射パルスを2回受信する。最初に、較正プレート32からの反射パルスが受信され、次に、液面51からの反射パルスが受信される。超音波振動子21は、これら反射パルスを受信する度に振動して電圧信号を発生し、この電圧信号は演算回路62に入力される。
【0038】
演算回路62は、パルス発生回路61が超音波振動子21へ信号を発してから反射パルスを検出するまでの時間を算出する。ここで、演算回路62は、最初に受信する較正プレート32からの反射パルスに基づいて燃料5中における超音波パルスの伝播速度を算出し、この伝播速度および液面51からの反射パルスを受信するまでの時間に基づいて、液面51位置、つまり図1中における液面高さHを算出する。
【0039】
駆動回路63は、表示部7に演算回路62が算出した液面高さHを表示させるための信号、たとえば指針軸(図示せず)を液面高さHに対応した角度まで回動させるための駆動信号を出力する。
【0040】
以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料液面センサ2を燃料タンク3の側面35下方に取り付けると共に、燃料タンク3内の底面36に燃料液面センサ2から発射される超音波を反射する測定プレート31を設けている。さらに、この測定プレート31を、燃料液面センサ2から発射される超音波を液面51に向けて反射し且つ液面51への入射角が0度となるように配置した。これにより、燃料液面センサ2を燃料タンク3側面の側面35の外表面に取り付けた場合でも、従来の燃料液面検出装置のように燃料液面センサ2を燃料タンクの底面に取り付けた場合と同様に液面を検出することが可能となる。したがって、自動車走行中等において、石等の異物が燃料タンクに衝突しても、燃料液面センサ2が燃料タンク3側面35に装着されるため、燃料液面センサ2が石等の異物との衝突により損傷を受けることを防止できる。
【0041】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3内に燃料液面センサ2から発射される超音波を直接燃料液面センサ2に向けて反射する較正プレート32を備える構成とした。プレート32は燃料液面センサ2に対して予め定められた位置に固定されている、言い換えると、燃料液面センサ2と較正プレート32間距離は不変且つ既知の値である。したがって、燃料液面センサ2が超音波を発射してから較正プレート32からの反射波を受信するまでの時間に基づいて、その時点の燃料温度、圧力条件下における超音波の燃料中の伝播速度が算出できる。このようにして算出された超音波の燃料中の伝播速度および液面51で反射された反射波の伝播時間データに基づいて液面位置を測定することにより、燃料タンク3内の液面51位置を高い精度で検出することができる。
【0042】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3を樹脂で形成すると共に、測定プレート31および較正プレート32、さらに燃料液面センサ2固定用の支持壁33を燃料タンク3の樹脂成形時において燃料タンク3と一体に形成している。これにより、部品点数を低減してコストを低減すると共に、燃料液面センサ2と測定プレート31および較正プレート32との位置関係を正確に維持できるので、液面51位置検出精度を向上することができる。
【0043】
図4に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図を示す。この変形例においては、測定プレート31および較正プレート32の形状を変更している。すなわち、図4に示すように、測定プレート31および較正プレート32を一体化している。これにより、両プレート31、32を独立して形成する場合に比べて、燃料タンク3の成形型形状を簡略化することができる。この場合、燃料液面高さが、較正プレート32の高さD以下になると、燃料液面センサ2が受信する2個の反射パルスのうち、液面51からの反射パルスがなくなり、較正プレート32による反射パルスのみになり、液面検出ができなくなる。しかし、通常、燃料タンク3にはある死蔵量が存在しており、較正プレート32の高さDをこの死蔵量のレベル相当とすれば、運転者が必要とする燃料量検出機能上は問題無い。
【0044】
図5に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図を示す。この他の変形例においては、上述の変形例に対して、図5に示すように、測定プレート31および較正プレート32の上下方向の位置関係を入れ替えたものである。この場合も、両プレート31、32を一体化することで燃料タンク3の成形型形状を簡略化することができる。また、他の変形例においては、燃料液面高さが、測定プレート31の高さE以下になると、燃料液面センサ2が受信する2個の反射パルスのうち、較正プレート32による反射パルスがなくなり、液面51からの反射パルスのみになり、燃料中における超音波の伝播速度の較正ができなくなる。しかし、液面51からの反射パルスのみによって若干精度が落ちるものの液面位置の測定は可能である。また、液面レベルがこのような位置にある場合は、燃料タンク3内の残存燃料量は極わずかで直ちに給油が必要なレベルであるので、実用上は問題無い。
【0045】
なお、以上説明した本発明の一実施形態および各変形例による燃料液面検出装置1において、接着剤4をシート状としているが、シート状に限る必要はなく、たとえなゼリー状等であってもよい。
【0046】
また、以上説明した実施形態および各変形例は、本発明の車両用液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。車両に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のIIである。
【図3】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図である。
【図4】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図である。
【図5】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例における平面図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(車両用液面検出装置)
2 燃料液面センサ(超音波検出器)
21 超音波振動子
22 ハウジング
23 防振部材
24 ケース
25 突き出し部
26 リード線
3 燃料タンク(タンク)
31 測定プレート(反射部材)
32 較正プレート(較正用反射部材)
33 支持壁
34 孔部
35 側面(外表面)
36 底面
4 接着剤
5 燃料(液体)
51 液面
6 制御回路
61 パルス発生回路
62 演算回路
63 駆動回路
7 表示部
A、B 伝播経路
C 境界線
D、E プレート高さ
H 液面高さ
L1、L2 距離
Claims (4)
- 液体を貯蔵するタンクと、
超音波振動子を内蔵し前記タンクの外表面に取り付けられる超音波検出器とを備え、
前記超音波検出器から前記タンク内の液体に超音波を発射して液面を計測する車両用液面検出装置において、
前記外表面は前記タンクの側面であり、
前記タンク内に設けられて前記超音波検出器から発射される超音波を反射する反射部材を備え、
前記反射部材は前記超音波検出器から発射される超音波を前記液面に向けて反射し且つ前記液面への入射角が0度となるように配置されることを特徴とする車両用液面検出装置。 - 前記超音波検出器は前記側面の底面近傍に取り付けられ且つ前記反射部材は前記タンクの底面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の車両用液面検出装置。
- 前記タンク内に前記超音波検出器から発射される超音波を直接前記超音波検出器に向けて反射する較正用反射部材を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用液面検出装置。
- 前記反射部材、前記較正用反射部材および前記タンクは樹脂材料からなり且つ前記反射部材および前記校正用反射部材は前記タンクと一体成形により形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用液体検出装置。
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