JP2004156949A - 液面検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液面位置が低い場合、つまり液面位置が容器底部とほぼ同レベルにあっても液面位置を正確に検出可能な液面検出装置を提供する。
【解決手段】燃料タンク3底部の内面である底面31に燃料5を分離貯留し且つ上部に反射板41を備える較正タンク4を設け、燃料タンク3底部の外面32に、超音波センサ2を、液面51に向けて超音波を発射可能且つ燃料タンク3の鉛直方向においてピエゾ素子21の一部が較正タンク4の反射板41と重なるように取り付た。これにより、燃料タンク3内の液面51位置がどこであっても、較正タンク4内、詳しくは貯留空間45内を常時燃料5で満たして燃料5中における超音波の伝播速度の較正を可能として、液面51位置が低い、つまり底面31とほぼ同レベルにあっても、液面51位置を正確に検出可能な燃料液面検出装置1を実現できる。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料タンク3底部の内面である底面31に燃料5を分離貯留し且つ上部に反射板41を備える較正タンク4を設け、燃料タンク3底部の外面32に、超音波センサ2を、液面51に向けて超音波を発射可能且つ燃料タンク3の鉛直方向においてピエゾ素子21の一部が較正タンク4の反射板41と重なるように取り付た。これにより、燃料タンク3内の液面51位置がどこであっても、較正タンク4内、詳しくは貯留空間45内を常時燃料5で満たして燃料5中における超音波の伝播速度の較正を可能として、液面51位置が低い、つまり底面31とほぼ同レベルにあっても、液面51位置を正確に検出可能な燃料液面検出装置1を実現できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンクに貯蔵される液体の液面位置を検出する液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波が液体の液面で反射する性質を利用して、超音波センサを用いて容器内の液面位置を検出することが提案されている。
【0003】
ところで、超音波を用いた液面検出装置では、液体の温度、圧力等の変化に応じて液体中における超音波の伝播速度が変化するため液面位置を正確に検出することが困難である。そこで、容器底面より上方の既知の位置に、超音波センサから発射された超音波を直接超音波センサに反射する反射板を設置し、この反射板からの反射波および液面からの反射波の2種類の反射波を検知し、それらに基づいて超音波の伝播速度を較正して液面位置を正確に検出しようというものである。
【0004】
この種の液面検出装置としては、容器の底部外面に超音波センサを取り付けると共に、容器内部の予め定めた測定基準高さ位置に超音波センサから発せられた超音波を超音波センサ側に反射する超音波反射部材を設けたものがある。この液面検出装置においては、超音波センサから容器内の上方、つまり液面に向けて発射し、且つこの超音波の液面での反射波および超音波反射部材での反射波をそれぞれ検知し、これら2つの検知信号に基づいて液面位置を検出している。(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−208595号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の液面検出装置においては、超音波反射部材が液体中浸漬されている場合、すなわち超音波反射部材からの反射波が液体中のみを進行する場合は、液面位置を正確に検出することができる。しかし、容器内の液体量が減少し超音波反射部材が液体から空気中に露出すると、超音波反射部材からの反射波は液体と空気の物性が異なる2種類の物質中を進行することになり、液面位置を正確に検出できなくなる。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、液面位置が低い場合、つまり液面位置が容器底部とほぼ同レベルにあっても液面検出が可能な液面検出装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0009】
本発明の請求項1に記載の液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、上端が開口し且つタンクの底部の内面に固定されて液体を分離貯留する貯留手段と、貯留手段の内側に内面に対向して設けられる反射板と、反射板のタンクの内面側表面および貯留手段の内壁面により形成される貯留空間とタンク内部の空間とを連通する通路と、超音波を発射し且つこの超音波の反射波を検知する超音波センサとを備え、貯留手段の上端はタンク内における液体の液面の最高位置よりも低い位置に設けられ、超音波センサは、タンクの底部の外面に、タンク内の液面に向けて超音波を発射可能且つタンクの鉛直方向においてその振動面の一部が貯留手段の反射板と重なるように取り付けられる構成とした。
【0010】
従来の液面検出装置においては、容器、すなわちタンク底面上方の既知の位置に超音波反射部材を取り付けている。超音波反射部材は、タンク内の液体量が多い場合は、液面より下方、つまり液体中に浸漬されており、液面位置を正確に検出することができる。タンク内の液面が低下して液面が超音波反射部材より下側になると、液面位置を正確に検出することができない。ここで、何らかの手段を講じることにより、超音波反射部材が、タンク内の液面位置の高低に拘わらず常に液体中に浸漬されるようにすれば、タンク内の液面が超音波反射部材より下側にある時でも液面位置を正確に検出できる、つまり、タンク内の液体量が最大量からほぼ空の状態まで液面位置を正確に検出することができる。
【0011】
本発明の請求項1に記載の液面検出装置では、タンク内に液体を分離貯留する貯留手段を設置すると共に、貯留手段の上端近傍に超音波センサからの超音波を超音波センサ側に反射する反射板を設けている。貯留手段の上端はタンクの最高液面位置より低い位置に設けられ且つ貯留手段は貯留空間と貯留手段の外側とを連通する通路を備えている。したがって、タンク内が液体で最大量まで充填されると、貯留手段内は完全に液体で充満される。さらに、容器内の液体量が減少して液面位置が低下しても、貯留手段は液体で充満され続ける、つまり反射板は液体中に浸漬され続ける。これにより、タンク内の液体量が最大量からほぼ空の状態、すなわち液面がタンク底部とほぼ同レベルまで液面位置を正確に検出することができる液面検出装置が実現できる。
【0012】
この場合、本発明の請求項2に記載の液面検出装置のように貯留手段をタンクと一体的に形成すれば、貯留手段をタンクに取り付ける工程を省略して液面検出装置の組付け工数を低減することができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の液面検出装置は、先に説明した本発明の請求項1に記載の液面検出装置において、タンク底部の外面に取り付けられていた超音波センサをタンク底部の内面、すなわちタンクの内側に取り付ける構成としている。これにより、タンク外部の異物等との接触により超音波センサが損傷を受けることを防止できる。
【0014】
また、この場合、本発明の請求項4に記載の液面検出装置のように、貯留手段を超音波センサと一体的に形成すれば、液面検出装置の組付け工数を低減することができる。
【0015】
本発明の請求項5に記載の液面検出装置では、通路は反射板に設けられた貫通孔である構成とした。この通路は、タンク内に液体が最大容量まで充填された際に、貯留手段の貯留空間に液体を導入するほかに、この貯留空間内からの液体の流出を抑制する役割を果たしている。つまり、通路の断面積を適当に設定する、望ましくは、通路の管路抵抗が大きいように設定することにより、何らかの原因でタンクが振動して貯留空間内の液体が貯留空間外へ流出しようとすると、通路の管路抵抗が大きく流れ難くなり、液体の流出を抑制できるので、常に貯留空間内に液体を確実に充満させておくことができる。本発明の請求項5に記載の液面検出装置のように、反射板に貫通孔を設けて通路を形成すれば、液面検出装置の仕様に応じて最適な断面積を有する通路を容易に作成できる。
【0016】
本発明の請求項6に記載の液面検出装置では、反射板は、タンクの鉛直方向において貯留手段の上端よりも低い位置に設けられる構成とした。タンク内に液体が最大容量まで充填されて貯留手段内が液体で満たされると、貯留手段において、反射板の上方、すなわち貯留空間の外側にも液体が保持されることになる。何らかの原因でタンクが振動した場合、この部分の液体の一部は貯留手段外へこぼれるものの大部分は残留する。つまり、貯留手段の反射板上方の空間が補助タンクの役割を果たすので、貯留空間内に液体を確実に充満させておくことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態による液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における、液体である燃料5を貯蔵するタンクとしての燃料タンク3の部分断面図である。図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。図2は、図1中のII−II線断面図である。
【0019】
燃料液面検出装置1は、図1に示すように、大きくは、燃料タンク3、貯留手段である較正タンク4および超音波センサ2から構成されている。
【0020】
以下に、燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0021】
超音波センサ2は、図1に示すように、燃料タンク3の底部の外面32に、接合材6(たとえば接着剤等)を介して取り付けられている。超音波センサ2は、超音波を発生し且つこの超音波の反射波を受信するための振動面であるピエゾ素子21を備えている。ピエゾ素子21は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化する一方、外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。ピエゾ素子21は、超音波センサ2のケース24の内面に、柔軟性を有する接着剤(図示せず)を介して接着されている。また、ピエゾ素子21からは、ピエゾ素子21に電圧を印加する、あるいはピエゾ素子21が発生する電圧信号を外部へ送達するためのリード線26が延出されている。ピエゾ素子21の背面側には、外部の振動がピエゾ素子21に伝達されることを防止するための防振部材22が配置されている。これにより、ピエゾ素子21の振動が燃料タンク3内の燃料以外に伝達されることを防止して、良好な燃料液面検出機能を維持している。ケース24内には、ピエゾ素子21の気密を維持するために、ポッティング材23が充填されて、さらに、ケース24の開口端(図1の上端)にはカバー25が取り付けられている。超音波センサ2に電圧が印加されると、ピエゾ素子21が振動して、この振動が燃料タンク3に伝わり、燃料タンク3の底部の内面である底面31から液面51に向けて、つまり図1において上方に向けて超音波が発射される。
【0022】
燃料タンク3は、たとえば、樹脂材料を型成形して形成されている。また、燃料タンク3の底部の内面である底面31には、燃料を燃料タンク3から分離貯留する貯留手段である較正タンク4が設けられている。
【0023】
較正タンク4は、上端46(図1の上側端部)が開口する有底円筒状に形成されている。較正タンク4の上端46は、燃料タンク3内における燃料5液面51の最高位置52よりも低い位置に設けられている。較正タンク4の内側の上端46からやや下方には、燃料タンク3の底面31に対向するように、反射板41が取り付けられている。これにより、反射板41の底面側表面である表面43と、較正タンク4の内壁面44とに囲まれる貯留空間45が形成される。また、反射板41には、上述の貯留空間45を燃料タンク3内の空間とを連通する通路として貫通孔状の連通路42が設けられている。このため、燃料タンク3内に燃料5が満タン状態まで、すなわち液面51が最高位置52になるように補給されると、貯留空間45へは連通路42を介して燃料5が流入し、貯留空間45は燃料で満たされる。また、超音波センサ2のピエゾ素子21と較正タンク4の燃料タンク3の鉛直方向における位置関係は、図2に示すように、ピエゾ素子21の一部が較正タンク4の底面46と重なるように設定されている。このように配置することにより、ピエゾ素子21からの振動を、なお、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、較正タンク4は、樹脂材料により燃料タンク3と一体的に形成されている。
【0024】
次に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における、燃料液面検出作動について説明する。
【0025】
先ず、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における検出回路構成について、図3に示す、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図に基づいて説明する。
【0026】
超音波センサ2(詳しくはピエゾ素子21)は制御装置7に接続され、この制御装置7は表示部8に接続されている。
【0027】
制御装置7は、ピエゾ素子21への電圧印加を制御するパルス発生回路71、ピエゾ素子21から出力される電圧信号を処理して液面位置を算出する演算回路72、および演算回路72により算出された液面位置信号に基づき表示部8を駆動する駆動信号を出力する駆動回路73から構成されている。
【0028】
また、制御装置7は、イグニッションスイッチ9のON、OFFを検出可能にバッテリ10に接続されており、イグニッションスイッチ9がON状態となると作動を開始する。
【0029】
表示部8は、一般に、自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。表示部8は、たとえば指針計器等からなり、燃料タンク3内の液面位置を運転者が認知可能に表示する。
【0030】
次に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における液面検出作動について説明する。
【0031】
パルス発生回路71からパルス状電圧信号が超音波センサ2に印加されるとピエゾ素子21が振動し、燃料タンク3内では、底面31から燃料5の液面51に向けて超音波が発射されると共に、底面46から反射板41の表面43に向けて超音波が発射される。液面51に向かう超音波は、図1における矢印Aで示す経路を辿って進行し、液面51で反射して再びピエゾ素子21に入射する。この反射パルスを受信すると、ピエゾ素子21は電圧信号である液面信号を発生する。一方、反射板41に向かう超音波は、図1における矢印Bで示す経路を辿って進行し、表面43で反射して再びピエゾ素子21に入射する。この反射パルスを受信して、ピエゾ素子21は電圧信号である較正信号を発生する。すなわち、超音波センサ2は、超音波を発射した後に2種類の反射パルスを受信し、それに対応して、2種類の信号、液面信号および較正信号を出力する。これらの電圧信号は演算回路72に入力される。
【0032】
演算回路72は、パルス発生回路71がピエゾ素子21へ信号を発してから上述した2種類の反射パルスを検出するまでの時間を算出する。演算回路72は、較正信号に基づいて燃料5中における超音波パルスの伝播速度を算出し、この伝播速度と液面信号とに基づいて、液面51位置を算出する。
【0033】
従来の液面検出装置においては、液面位置が低下して超音波の伝播速度較正用の反射部材が燃料中から空気中へ露出すると、液中における超音波の伝播速度の較正が不可能になり液面位置を正確に検出することができなくなるという問題があった。
【0034】
これに対して、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、液面51が、反射板41の上端46よりも下方にある場合においても、較正タンク4内は燃料5で満たされている。つまり、液面51位置に拘わらず常時、較正タンク4内、詳しくは貯留空間45内は燃料5で満たされている。したがって、液面51位置に拘わらず常時、燃料5中における超音波の伝播速度の較正が可能となる。これにより、満タン状態から空の状態になるまで液面51位置を正確に検出することができる。
【0035】
ところで、液面51が、反射板41の上端46よりも下方にある場合においては、較正タンク4の反射板41より上方に貯留される燃料5の一部は、自動車(図示せず)走行時の振動により燃料タンク3内へこぼれ出る。これにより、較正タンク4内の燃料液面位置は、図1に示すように、その上端46より若干低いところにある。しかしながら、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、反射板41の貫通孔42の直径および長さを、貯留空間45内と外部との燃料の移動を抑制可能なように、すなわち、燃料タンク3が揺れた場合でも、連通孔42で絞られるために貯留空間45内の燃料5が外部へ流出し難いように設定しているので、貯留空間45を確実に燃料5で満たされた状態にしておくことができる。
【0036】
以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3と、上端が開口し且つ燃料タンク3内側の底面31に固定されて燃料5を分離貯留する較正タンク4と、較正タンク4の内側に底面31に対向して設けられる反射板41と、反射板41の底面31側表面43および較正タンク4の内壁面44により形成される貯留空間45と燃料タンク3内部の空間とを連通する連通路42と、超音波を発射し且つこの超音波の反射波を検知する超音波センサ2とを備え、さらに、較正タンク4の上端46は燃料タンク3内における液面51の最高位置52よりも低い位置に設けられ、超音波センサ2は、燃料タンク3の底部の外面32に、燃料タンク3内の液面51に向けて超音波を発射可能且つ燃料タンク3の鉛直方向においてそのピエゾ素子21の一部が較正タンク4の反射板41と重なるように取り付けられる構成とした。これにより、1個の超音波センサ2を用いて、液面51および反射板41の両方に向けて超音波を発射し且つ両者からの反射波を検知できると共に、燃料タンク3内の液面51位置がどこであっても、較正タンク4内、詳しくは貯留空間45内は常に燃料5で満たされている。したがって、燃料タンク3内が、満タン状態から空の状態、つまり液面51位置が底面31とほぼ同レベルとなるまでの間、常時、燃料5中における超音波の伝播速度の較正を可能として、液面51位置を正確に検出することができる。
【0037】
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、較正タンク4は、樹脂材料により燃料タンク3と一体的に形成されている。これにより、部品点数を低減し且つ組付け工数を低減して燃料液面検出装置のコスト上昇を抑えることができる。
【0038】
図4に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分平面図であり、図1中のIV矢視図である。この変形例においては、貯留空間45を外部と連通する連通路42を、図4に示すように、反射板41に切り取り部47を設けることにより形成している。
【0039】
図5に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図示す。他の変形例においては、上述の、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1に対して、反射板41の厚さを大きくしている。すなわち、図5に示すように、反射板41の上端を、較正タンク4の上端46と略一致させている。この場合、貫通孔42は、その長さがより長く形成されるので、貯留空間45から外部への燃料5の移動を効果的に抑制することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図6に、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図を示す。上述の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ2を燃料タンク3底部の外面32に取り付けている。これに対し、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ2を、図6に示すように、燃料タンク3内部の底面31に取り付けている。また、較正タンク4は、超音波センサ2と一体化されている、すなわち、樹脂材料により超音波センサ2のケース24と一体成形により形成されている。
【0041】
この場合も、較正タンク4内は、液面51位置に拘わらず燃料5で満たされる。したがって、液面51が、最高位置52からピエゾ素子21と同じレベル、すなわち図6中における液面53となるまでの間は、液面51位置を正確に検出することができる。
【0042】
また、較正タンク4を、超音波センサ2と一体化することにより、部品点数を低減し且つ組付け工数を低減して燃料液面検出装置のコスト上昇を抑えることができる。
【0043】
なお、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3は、樹脂成形品、あるいは鋼板プレス加工品のいずれであってもよい。
【0044】
さらに、超音波センサ2を燃料タンク3内に取り付けることにより、自動車の走行中等において、各種異物との衝突により超音波センサ2が損傷を受けることを防止できる。
【0045】
図7に、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図を示す。この変形例においては、燃料タンク3の形状を変更している。すなわち、図7に示すように、低部の一部を下方へ突出させ、この突出させた部分の内側に超音波センサ2を取り付けている。これにより、ピエゾ素子21の位置を燃料タンク3の通常の底面31とほぼ同レベルとして、検出可能最低液面位置、すなわち検出可能最低燃料量を、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1より小さくすることができる。
【0046】
なお、以上説明した本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1、その変形例および他の変形例においては、燃料タンク3を樹脂成形により形成しているが、他の材料、たとえば鋼板等により形成してもよい。この場合、較正タンク4は、鋼板を略有底円筒状にプレス加工して形成してもよいし、あるいは樹脂成形してもよい。
【0047】
また、以上説明した本発明の第1実施形態、その変形例および他の変形例、第2実施形態およびその変形例は、本発明の液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。自動車に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。さらに、自動車以外の用途において、各種液体を貯蔵する容器の液面検出装置として適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路を説明する構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(液面検出装置)
2 超音波センサ
21 ピエゾ素子(振動面)
22 防振部材
23 ポッティング
24 ケース
25 カバー
26 リード線
3 燃料タンク(タンク)
31 底面(内面)
32 外面
4 較正タンク(貯留手段)
41 反射板
42 貫通孔(通路)
43 表面
44 内壁面
45 貯留空間
46 上端
47 切り取り部
5 燃料(液体)
51 液面
52 最高位置
6 接着材
7 制御装置
71 パルス発生回路
72 演算回路
73 駆動回路
8 表示部
9 イグニッションスイッチ
10 バッテリ
A、B 伝播経路
【発明の属する技術分野】
本発明は、タンクに貯蔵される液体の液面位置を検出する液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、超音波が液体の液面で反射する性質を利用して、超音波センサを用いて容器内の液面位置を検出することが提案されている。
【0003】
ところで、超音波を用いた液面検出装置では、液体の温度、圧力等の変化に応じて液体中における超音波の伝播速度が変化するため液面位置を正確に検出することが困難である。そこで、容器底面より上方の既知の位置に、超音波センサから発射された超音波を直接超音波センサに反射する反射板を設置し、この反射板からの反射波および液面からの反射波の2種類の反射波を検知し、それらに基づいて超音波の伝播速度を較正して液面位置を正確に検出しようというものである。
【0004】
この種の液面検出装置としては、容器の底部外面に超音波センサを取り付けると共に、容器内部の予め定めた測定基準高さ位置に超音波センサから発せられた超音波を超音波センサ側に反射する超音波反射部材を設けたものがある。この液面検出装置においては、超音波センサから容器内の上方、つまり液面に向けて発射し、且つこの超音波の液面での反射波および超音波反射部材での反射波をそれぞれ検知し、これら2つの検知信号に基づいて液面位置を検出している。(たとえば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−208595号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来の液面検出装置においては、超音波反射部材が液体中浸漬されている場合、すなわち超音波反射部材からの反射波が液体中のみを進行する場合は、液面位置を正確に検出することができる。しかし、容器内の液体量が減少し超音波反射部材が液体から空気中に露出すると、超音波反射部材からの反射波は液体と空気の物性が異なる2種類の物質中を進行することになり、液面位置を正確に検出できなくなる。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、液面位置が低い場合、つまり液面位置が容器底部とほぼ同レベルにあっても液面検出が可能な液面検出装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0009】
本発明の請求項1に記載の液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、上端が開口し且つタンクの底部の内面に固定されて液体を分離貯留する貯留手段と、貯留手段の内側に内面に対向して設けられる反射板と、反射板のタンクの内面側表面および貯留手段の内壁面により形成される貯留空間とタンク内部の空間とを連通する通路と、超音波を発射し且つこの超音波の反射波を検知する超音波センサとを備え、貯留手段の上端はタンク内における液体の液面の最高位置よりも低い位置に設けられ、超音波センサは、タンクの底部の外面に、タンク内の液面に向けて超音波を発射可能且つタンクの鉛直方向においてその振動面の一部が貯留手段の反射板と重なるように取り付けられる構成とした。
【0010】
従来の液面検出装置においては、容器、すなわちタンク底面上方の既知の位置に超音波反射部材を取り付けている。超音波反射部材は、タンク内の液体量が多い場合は、液面より下方、つまり液体中に浸漬されており、液面位置を正確に検出することができる。タンク内の液面が低下して液面が超音波反射部材より下側になると、液面位置を正確に検出することができない。ここで、何らかの手段を講じることにより、超音波反射部材が、タンク内の液面位置の高低に拘わらず常に液体中に浸漬されるようにすれば、タンク内の液面が超音波反射部材より下側にある時でも液面位置を正確に検出できる、つまり、タンク内の液体量が最大量からほぼ空の状態まで液面位置を正確に検出することができる。
【0011】
本発明の請求項1に記載の液面検出装置では、タンク内に液体を分離貯留する貯留手段を設置すると共に、貯留手段の上端近傍に超音波センサからの超音波を超音波センサ側に反射する反射板を設けている。貯留手段の上端はタンクの最高液面位置より低い位置に設けられ且つ貯留手段は貯留空間と貯留手段の外側とを連通する通路を備えている。したがって、タンク内が液体で最大量まで充填されると、貯留手段内は完全に液体で充満される。さらに、容器内の液体量が減少して液面位置が低下しても、貯留手段は液体で充満され続ける、つまり反射板は液体中に浸漬され続ける。これにより、タンク内の液体量が最大量からほぼ空の状態、すなわち液面がタンク底部とほぼ同レベルまで液面位置を正確に検出することができる液面検出装置が実現できる。
【0012】
この場合、本発明の請求項2に記載の液面検出装置のように貯留手段をタンクと一体的に形成すれば、貯留手段をタンクに取り付ける工程を省略して液面検出装置の組付け工数を低減することができる。
【0013】
本発明の請求項3に記載の液面検出装置は、先に説明した本発明の請求項1に記載の液面検出装置において、タンク底部の外面に取り付けられていた超音波センサをタンク底部の内面、すなわちタンクの内側に取り付ける構成としている。これにより、タンク外部の異物等との接触により超音波センサが損傷を受けることを防止できる。
【0014】
また、この場合、本発明の請求項4に記載の液面検出装置のように、貯留手段を超音波センサと一体的に形成すれば、液面検出装置の組付け工数を低減することができる。
【0015】
本発明の請求項5に記載の液面検出装置では、通路は反射板に設けられた貫通孔である構成とした。この通路は、タンク内に液体が最大容量まで充填された際に、貯留手段の貯留空間に液体を導入するほかに、この貯留空間内からの液体の流出を抑制する役割を果たしている。つまり、通路の断面積を適当に設定する、望ましくは、通路の管路抵抗が大きいように設定することにより、何らかの原因でタンクが振動して貯留空間内の液体が貯留空間外へ流出しようとすると、通路の管路抵抗が大きく流れ難くなり、液体の流出を抑制できるので、常に貯留空間内に液体を確実に充満させておくことができる。本発明の請求項5に記載の液面検出装置のように、反射板に貫通孔を設けて通路を形成すれば、液面検出装置の仕様に応じて最適な断面積を有する通路を容易に作成できる。
【0016】
本発明の請求項6に記載の液面検出装置では、反射板は、タンクの鉛直方向において貯留手段の上端よりも低い位置に設けられる構成とした。タンク内に液体が最大容量まで充填されて貯留手段内が液体で満たされると、貯留手段において、反射板の上方、すなわち貯留空間の外側にも液体が保持されることになる。何らかの原因でタンクが振動した場合、この部分の液体の一部は貯留手段外へこぼれるものの大部分は残留する。つまり、貯留手段の反射板上方の空間が補助タンクの役割を果たすので、貯留空間内に液体を確実に充満させておくことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態による液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における、液体である燃料5を貯蔵するタンクとしての燃料タンク3の部分断面図である。図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。図2は、図1中のII−II線断面図である。
【0019】
燃料液面検出装置1は、図1に示すように、大きくは、燃料タンク3、貯留手段である較正タンク4および超音波センサ2から構成されている。
【0020】
以下に、燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0021】
超音波センサ2は、図1に示すように、燃料タンク3の底部の外面32に、接合材6(たとえば接着剤等)を介して取り付けられている。超音波センサ2は、超音波を発生し且つこの超音波の反射波を受信するための振動面であるピエゾ素子21を備えている。ピエゾ素子21は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化する一方、外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。ピエゾ素子21は、超音波センサ2のケース24の内面に、柔軟性を有する接着剤(図示せず)を介して接着されている。また、ピエゾ素子21からは、ピエゾ素子21に電圧を印加する、あるいはピエゾ素子21が発生する電圧信号を外部へ送達するためのリード線26が延出されている。ピエゾ素子21の背面側には、外部の振動がピエゾ素子21に伝達されることを防止するための防振部材22が配置されている。これにより、ピエゾ素子21の振動が燃料タンク3内の燃料以外に伝達されることを防止して、良好な燃料液面検出機能を維持している。ケース24内には、ピエゾ素子21の気密を維持するために、ポッティング材23が充填されて、さらに、ケース24の開口端(図1の上端)にはカバー25が取り付けられている。超音波センサ2に電圧が印加されると、ピエゾ素子21が振動して、この振動が燃料タンク3に伝わり、燃料タンク3の底部の内面である底面31から液面51に向けて、つまり図1において上方に向けて超音波が発射される。
【0022】
燃料タンク3は、たとえば、樹脂材料を型成形して形成されている。また、燃料タンク3の底部の内面である底面31には、燃料を燃料タンク3から分離貯留する貯留手段である較正タンク4が設けられている。
【0023】
較正タンク4は、上端46(図1の上側端部)が開口する有底円筒状に形成されている。較正タンク4の上端46は、燃料タンク3内における燃料5液面51の最高位置52よりも低い位置に設けられている。較正タンク4の内側の上端46からやや下方には、燃料タンク3の底面31に対向するように、反射板41が取り付けられている。これにより、反射板41の底面側表面である表面43と、較正タンク4の内壁面44とに囲まれる貯留空間45が形成される。また、反射板41には、上述の貯留空間45を燃料タンク3内の空間とを連通する通路として貫通孔状の連通路42が設けられている。このため、燃料タンク3内に燃料5が満タン状態まで、すなわち液面51が最高位置52になるように補給されると、貯留空間45へは連通路42を介して燃料5が流入し、貯留空間45は燃料で満たされる。また、超音波センサ2のピエゾ素子21と較正タンク4の燃料タンク3の鉛直方向における位置関係は、図2に示すように、ピエゾ素子21の一部が較正タンク4の底面46と重なるように設定されている。このように配置することにより、ピエゾ素子21からの振動を、なお、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、較正タンク4は、樹脂材料により燃料タンク3と一体的に形成されている。
【0024】
次に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における、燃料液面検出作動について説明する。
【0025】
先ず、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における検出回路構成について、図3に示す、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図に基づいて説明する。
【0026】
超音波センサ2(詳しくはピエゾ素子21)は制御装置7に接続され、この制御装置7は表示部8に接続されている。
【0027】
制御装置7は、ピエゾ素子21への電圧印加を制御するパルス発生回路71、ピエゾ素子21から出力される電圧信号を処理して液面位置を算出する演算回路72、および演算回路72により算出された液面位置信号に基づき表示部8を駆動する駆動信号を出力する駆動回路73から構成されている。
【0028】
また、制御装置7は、イグニッションスイッチ9のON、OFFを検出可能にバッテリ10に接続されており、イグニッションスイッチ9がON状態となると作動を開始する。
【0029】
表示部8は、一般に、自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。表示部8は、たとえば指針計器等からなり、燃料タンク3内の液面位置を運転者が認知可能に表示する。
【0030】
次に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における液面検出作動について説明する。
【0031】
パルス発生回路71からパルス状電圧信号が超音波センサ2に印加されるとピエゾ素子21が振動し、燃料タンク3内では、底面31から燃料5の液面51に向けて超音波が発射されると共に、底面46から反射板41の表面43に向けて超音波が発射される。液面51に向かう超音波は、図1における矢印Aで示す経路を辿って進行し、液面51で反射して再びピエゾ素子21に入射する。この反射パルスを受信すると、ピエゾ素子21は電圧信号である液面信号を発生する。一方、反射板41に向かう超音波は、図1における矢印Bで示す経路を辿って進行し、表面43で反射して再びピエゾ素子21に入射する。この反射パルスを受信して、ピエゾ素子21は電圧信号である較正信号を発生する。すなわち、超音波センサ2は、超音波を発射した後に2種類の反射パルスを受信し、それに対応して、2種類の信号、液面信号および較正信号を出力する。これらの電圧信号は演算回路72に入力される。
【0032】
演算回路72は、パルス発生回路71がピエゾ素子21へ信号を発してから上述した2種類の反射パルスを検出するまでの時間を算出する。演算回路72は、較正信号に基づいて燃料5中における超音波パルスの伝播速度を算出し、この伝播速度と液面信号とに基づいて、液面51位置を算出する。
【0033】
従来の液面検出装置においては、液面位置が低下して超音波の伝播速度較正用の反射部材が燃料中から空気中へ露出すると、液中における超音波の伝播速度の較正が不可能になり液面位置を正確に検出することができなくなるという問題があった。
【0034】
これに対して、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、液面51が、反射板41の上端46よりも下方にある場合においても、較正タンク4内は燃料5で満たされている。つまり、液面51位置に拘わらず常時、較正タンク4内、詳しくは貯留空間45内は燃料5で満たされている。したがって、液面51位置に拘わらず常時、燃料5中における超音波の伝播速度の較正が可能となる。これにより、満タン状態から空の状態になるまで液面51位置を正確に検出することができる。
【0035】
ところで、液面51が、反射板41の上端46よりも下方にある場合においては、較正タンク4の反射板41より上方に貯留される燃料5の一部は、自動車(図示せず)走行時の振動により燃料タンク3内へこぼれ出る。これにより、較正タンク4内の燃料液面位置は、図1に示すように、その上端46より若干低いところにある。しかしながら、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、反射板41の貫通孔42の直径および長さを、貯留空間45内と外部との燃料の移動を抑制可能なように、すなわち、燃料タンク3が揺れた場合でも、連通孔42で絞られるために貯留空間45内の燃料5が外部へ流出し難いように設定しているので、貯留空間45を確実に燃料5で満たされた状態にしておくことができる。
【0036】
以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3と、上端が開口し且つ燃料タンク3内側の底面31に固定されて燃料5を分離貯留する較正タンク4と、較正タンク4の内側に底面31に対向して設けられる反射板41と、反射板41の底面31側表面43および較正タンク4の内壁面44により形成される貯留空間45と燃料タンク3内部の空間とを連通する連通路42と、超音波を発射し且つこの超音波の反射波を検知する超音波センサ2とを備え、さらに、較正タンク4の上端46は燃料タンク3内における液面51の最高位置52よりも低い位置に設けられ、超音波センサ2は、燃料タンク3の底部の外面32に、燃料タンク3内の液面51に向けて超音波を発射可能且つ燃料タンク3の鉛直方向においてそのピエゾ素子21の一部が較正タンク4の反射板41と重なるように取り付けられる構成とした。これにより、1個の超音波センサ2を用いて、液面51および反射板41の両方に向けて超音波を発射し且つ両者からの反射波を検知できると共に、燃料タンク3内の液面51位置がどこであっても、較正タンク4内、詳しくは貯留空間45内は常に燃料5で満たされている。したがって、燃料タンク3内が、満タン状態から空の状態、つまり液面51位置が底面31とほぼ同レベルとなるまでの間、常時、燃料5中における超音波の伝播速度の較正を可能として、液面51位置を正確に検出することができる。
【0037】
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、較正タンク4は、樹脂材料により燃料タンク3と一体的に形成されている。これにより、部品点数を低減し且つ組付け工数を低減して燃料液面検出装置のコスト上昇を抑えることができる。
【0038】
図4に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分平面図であり、図1中のIV矢視図である。この変形例においては、貯留空間45を外部と連通する連通路42を、図4に示すように、反射板41に切り取り部47を設けることにより形成している。
【0039】
図5に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図示す。他の変形例においては、上述の、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1に対して、反射板41の厚さを大きくしている。すなわち、図5に示すように、反射板41の上端を、較正タンク4の上端46と略一致させている。この場合、貫通孔42は、その長さがより長く形成されるので、貯留空間45から外部への燃料5の移動を効果的に抑制することができる。
【0040】
(第2実施形態)
図6に、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図を示す。上述の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ2を燃料タンク3底部の外面32に取り付けている。これに対し、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ2を、図6に示すように、燃料タンク3内部の底面31に取り付けている。また、較正タンク4は、超音波センサ2と一体化されている、すなわち、樹脂材料により超音波センサ2のケース24と一体成形により形成されている。
【0041】
この場合も、較正タンク4内は、液面51位置に拘わらず燃料5で満たされる。したがって、液面51が、最高位置52からピエゾ素子21と同じレベル、すなわち図6中における液面53となるまでの間は、液面51位置を正確に検出することができる。
【0042】
また、較正タンク4を、超音波センサ2と一体化することにより、部品点数を低減し且つ組付け工数を低減して燃料液面検出装置のコスト上昇を抑えることができる。
【0043】
なお、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1においては、燃料タンク3は、樹脂成形品、あるいは鋼板プレス加工品のいずれであってもよい。
【0044】
さらに、超音波センサ2を燃料タンク3内に取り付けることにより、自動車の走行中等において、各種異物との衝突により超音波センサ2が損傷を受けることを防止できる。
【0045】
図7に、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図を示す。この変形例においては、燃料タンク3の形状を変更している。すなわち、図7に示すように、低部の一部を下方へ突出させ、この突出させた部分の内側に超音波センサ2を取り付けている。これにより、ピエゾ素子21の位置を燃料タンク3の通常の底面31とほぼ同レベルとして、検出可能最低液面位置、すなわち検出可能最低燃料量を、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1より小さくすることができる。
【0046】
なお、以上説明した本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1、その変形例および他の変形例においては、燃料タンク3を樹脂成形により形成しているが、他の材料、たとえば鋼板等により形成してもよい。この場合、較正タンク4は、鋼板を略有底円筒状にプレス加工して形成してもよいし、あるいは樹脂成形してもよい。
【0047】
また、以上説明した本発明の第1実施形態、その変形例および他の変形例、第2実施形態およびその変形例は、本発明の液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。自動車に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。さらに、自動車以外の用途において、各種液体を貯蔵する容器の液面検出装置として適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路を説明する構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(液面検出装置)
2 超音波センサ
21 ピエゾ素子(振動面)
22 防振部材
23 ポッティング
24 ケース
25 カバー
26 リード線
3 燃料タンク(タンク)
31 底面(内面)
32 外面
4 較正タンク(貯留手段)
41 反射板
42 貫通孔(通路)
43 表面
44 内壁面
45 貯留空間
46 上端
47 切り取り部
5 燃料(液体)
51 液面
52 最高位置
6 接着材
7 制御装置
71 パルス発生回路
72 演算回路
73 駆動回路
8 表示部
9 イグニッションスイッチ
10 バッテリ
A、B 伝播経路
Claims (6)
- 液体を貯蔵するタンクと、
上端が開口し且つ前記タンク底部の内面に固定されて前記液体を分離貯留する貯留手段と、
前記貯留手段の内側に前記内面に対向して設けられる反射板と、
前記反射板の前記内面側表面および前記貯留手段の内壁面により形成される貯留空間と前記タンク内部の空間とを連通する通路と、
超音波を発射し且つこの超音波の反射波を検知する超音波センサとを備え、
前記貯留手段の上端は前記タンクにおける前記液体の液面の最高位置よりも低い位置に設けられ、
前記超音波センサは、前記タンクの底部の外面に、前記タンク内の前記液面に向けて超音波を発射可能且つ前記タンクの鉛直方向においてその振動面の一部が前記貯留手段の前記反射板と重なるように取り付けられることを特徴とする液面検出装置。 - 前記貯留手段は前記タンクと一体的に形成されることを特徴とする請求項1に記載の液面検出装置。
- 上端が開口し且つ前記タンク底部の内面に固定されて前記液体を分離貯留する貯留手段と、
前記貯留手段の内側に前記内面に対向して設けられる反射板と、
前記反射板の前記内面側表面および前記貯留手段の内壁面により形成される貯留空間と前記タンク内部の空間とを連通する通路と、
超音波を発射し且つこの超音波の反射波を検知する超音波センサとを備え、
前記貯留手段の上端は前記タンクにおける前記液体の液面の最高位置よりも低い位置に設けられ、
前記超音波センサは、前記タンク底部の前記内面に、前記タンク内の液体の液面に向けて超音波を発射可能且つ前記タンクの鉛直方向においてその一部が前記貯留手段の前記反射板と重なるように取り付けられることを特徴とする液面検出装置。 - 前記貯留手段は前記超音波センサと一体的に形成されることを特徴とする請求項3に記載の液面検出装置。
- 前記通路は前記反射板に設けられた貫通孔であることを特徴とする請求項1または請求項4に記載の液面検出装置。
- 前記反射板は、前記タンクの鉛直方向において前記貯留手段の上端よりも低い位置に設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の液面検出装置。
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2002
- 2002-11-05 JP JP2002321090A patent/JP2004156949A/ja active Pending
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