JP2003302385A - センサ - Google Patents

センサ

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JP2003302385A
JP2003302385A JP2002107465A JP2002107465A JP2003302385A JP 2003302385 A JP2003302385 A JP 2003302385A JP 2002107465 A JP2002107465 A JP 2002107465A JP 2002107465 A JP2002107465 A JP 2002107465A JP 2003302385 A JP2003302385 A JP 2003302385A
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gas
case
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filler
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JP2002107465A
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Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Keigo Tomono
圭吾 伴野
Takashi Morita
剛史 森田
Noboru Ishida
昇 石田
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02809Concentration of a compound, e.g. measured by a surface mass change
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02881Temperature

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動波の伝播特性を改善することのできるセ
ンサ構造を提供する。 【解決手段】 素子アセンブリとしての検出用素子本体
40は、センサ素子としての圧電素子51と、この圧電
素子51を収納する素子ケース42と、素子ケース42
内に充填された第1の充填材58とを有する。この検出
用素子本体40と電子回路基板70との間には緩衝材8
8が介挿される。その後、収納部22内に第2の充填材
74が充填される。緩衝材88は、2つの充填材58,
74が直接接触しないようにするための介在物として機
能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動波を用いたセ
ンサの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、特定のガス成分の濃度や湿度
を検出するガスセンサが知られている。ガスセンサの一
例として、超音波の伝播速度の変化を利用してガソリン
や軽油などの濃度を検出するガス濃度センサがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなガス濃度セ
ンサでは、超音波素子が充填材で封止される場合が多
い。充填材の充填状態などの超音波素子周辺の構造は、
超音波の伝播特性に影響する。特に、充填材などのよう
な超音波素子の周辺構造の熱膨張は、センサの特性に大
きな影響がある。しかし、従来は、超音波素子の周辺構
造の熱膨張によるセンサ特性への影響についてはあまり
考慮されていなかった。このような問題は、超音波素子
を使用するセンサに限らず、一般に、振動波を送信また
は受信するための素子を備えるセンサに共通する問題で
あった。なお、本明細書において、「振動波」とは電気
的な振動波ではなく、力学的な振動波を意味する。
【0004】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、振動波の伝播特性を改善す
ることのできるセンサ構造を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による
第1のセンサは、振動波の送信と受信の少なくとも一方
に用いられるセンサ素子と、前記センサ素子を収納する
素子ケースと、前記センサ素子を封止するように前記素
子ケース内に充填された第1の充填材とを有する素子ア
センブリと、前記素子アセンブリを収納するための収納
室と、前記収納室内に前記素子アセンブリが装着された
後に前記収納室内に充填された第2の充填材とを有する
素子アセンブリ収納部と、を備え、前記第1と第2の充
填材との間に、前記第1と第2の充填材とが直接接触し
ないように介在物が設けられていることを特徴とする。
【0006】このセンサによれば、第1と第2の充填材
との間に介在物が設けられており、第1と第2の充填材
とが直接接触しないので、第2の充填材の熱膨張の影響
がセンサ素子を覆う第1の充填材に及ぶことを防止する
ことができる。この結果、第2の充填材により発生する
第1の充填材への熱応力の影響を低減することができ、
高温時における振動波の伝播特性を改善することができ
る。
【0007】前記介在物は、弾性を有する緩衝材である
ことが好ましい。この構成によれば、第2の充填材に発
生した熱応力が介在物により低減され、介在物からの応
力がセンサ素子を覆う第1の充填材にあまり加わらない
ので、振動波の伝播特性をより改善することができる。
【0008】また、前記緩衝材は、前記第1の充填材に
接触した状態で設けられていることが好ましい。この構
成によれば、第1の充填材の表面の露出部分が少ないの
で、第1の充填材の上方に存在する空気層の熱膨張によ
って、この露出部分に印加される応力を低減することが
できる。この結果、振動波の伝播特性をさらに改善する
ことができる。
【0009】また、前記緩衝材は、発泡体を含むことが
好ましい。この構成によれば、第2の充填材に発生した
熱応力が介在物により十分に低減され、介在物からの応
力がセンサ素子を覆う第1の充填材にあまり加わらない
ので、振動波の伝搬特性をさらに改善することができ
る。
【0010】本発明による第2のセンサは、振動波の発
信と受信の少なくとも一方に用いられるセンサ素子と、
前記センサ素子を収納する素子ケースと、前記センサ素
子を封止するように前記素子ケース内に充填された充填
材とを有する素子アセンブリと、前記充填材に接触した
状態で設けられた発泡材と、を備えることを特徴とす
る。
【0011】このセンサにおいても、充填材の表面の露
出部分が少ないので、充填材の上方に存在する空気層の
熱膨張によって、この露出部分に印加される応力を低減
することができる。この結果、振動波の伝播特性を改善
することができる。
【0012】なお、前記発泡材は、多数の独立気泡を有
する独立気泡体であることが好ましい。この構成によれ
ば、第2の充填材がその充填時に発泡体を通過して素子
ケース内側への浸透することが無いため第2の充填材が
第1の充填材と接触することが無く、第2の充填材によ
り発生する第1の充填材(センサ素子を覆う充填材)へ
の熱応力の影響を回避することが可能である。
【0013】なお、前記センサ素子は、被測定対象であ
る気体への超音波の送信及び該気体中を伝播した超音波
の受信の少なくとも一方を行うための素子であり、前記
センサは、前記超音波の伝播速度と前記気体の温度とに
応じて前記気体中に含まれる少なくとも1種類のガス成
分の濃度を検出するために利用されるものであるものと
してもよい。このセンサによれば、ガス成分の濃度を精
度良く測定することが可能である。
【0014】なお、本発明は、種々の態様で実現するこ
とが可能であり、例えば、センサ、センサの製造方法、
ガスの特性または性質の検出方法または測定方法、等の
態様で実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例とし
てのガスセンサの分解斜視図である。このガスセンサ1
0は、超音波の伝播速度がガス濃度により変化すること
を利用してガソリン蒸気の濃度を検出するセンサであ
る。このガスセンサは、例えば内燃機関を動力源とする
車両に搭載されたキャニスタから吸気通路にガソリンを
パージする通路に配置されて、パージされるガソリン濃
度を検出する目的などに用いられる。
【0016】(A)ガスセンサの全体構成:図1に示し
たように、このガスセンサ10は、大きくは、濃度を検
出しようとするガスが通過する流路を形成する流路形成
部材20と、この流路形成部材20に一体に作り込まれ
た収納部22に収納される検出用素子本体40、流路を
通過するガスの温度を検出するサーミスタ60、検出用
素子本体40の上部に配置される電子回路基板70、収
納部22にはめ込まれる金属製のケース80から構成さ
れている。検出用素子本体40は、収納部22に設けら
れた取り付け用凹部24に超音波溶着により固定されて
おり、サーミスタ60は、取り付け用の挿入孔25に挿
入・固定されている。後述するように、検出用素子本体
40やサーミスタ60は、電気的な信号をやり取りする
ための端子を有し、この端子は、電子回路基板70の対
応する取り付け穴に挿入され、はんだ付けにより固定さ
れる。ガスセンサ10は、これら検出用素子本体40や
サーミスタ60を収納部22に固定した後、信号処理を
行なう基板である電子回路基板70を取り付け、更にケ
ース80を収納部22にはめ込み、その上で、全体をウ
レタンなどの樹脂によりモールドして製造されている。
なお、ガスセンサ10の製造工程については後述する。
【0017】(B)流路形成部材20の構成:ガスセン
サ10の流路形成部材20は、ガラスフィラー入りの合
成樹脂を成形したものであり、その引張り弾性率は、ガ
スセンサとして適切な値に調整されている。この流路形
成部材20は、図1に示したように、上部に検出用素子
本体40を収納する収納部22を備え、その下部に、検
出用のガスが流通する流路を有する。主な流路として
は、ガスセンサ10にガソリン蒸気が含まれるガスを導
入する導入路27,このガスにおけるガソリン濃度を超
音波により検出するための測定室28,測定室28に対
してガスをバイパスするバイパス流路29が形成されて
いる。測定室28は、検出用素子本体40のほぼ直下
に、バイパス流路29は、サーミスタ60のほぼ直下
に、それぞれ設けられている。
【0018】こうした流路構造を詳しく説明するため
に、ガスセンサ10の垂直断面を図2に示す。図2は、
ガスセンサ10を、導入路27および検出用素子本体4
0の軸線を含む平面で切断した断面図である。なお、ガ
スセンサ10は最終的には樹脂(例えばウレタン)が充
填されてモールドされるが、図2では、図示の簡明さを
図って、全体をモールドする樹脂は描いていない。図2
に示したように、流路形成部材20の内部は、流路に着
目すれば、導入路27、測定室28、バイパス流路29
に分かれている。これらは、成形時の型を可動可能に設
けることにより容易に成形することができる。導入路2
7はバイパス流路29に直角に連通しており、更に導入
孔32を介して測定室28とも連通している。バイパス
流路29の下方は出口34が形成されており、導入路2
7から導入されたガソリン蒸気を含むガスは、出口34
から排出され、この実施例では、内燃機関の吸気通路に
図示しないホースにより接続されている。バイパス流路
29の出口34と反対側の端部は、サーミスタ60が取
り付けられる挿入孔25として形成される。従って、サ
ーミスタ60は、導入路27から流入したガスの温度に
所定の関係を持って、これを検出することになる。
【0019】測定室28は、上部が検出用素子本体40
が取り付けられる凹部24(図1)に連通しており、そ
の下方には、超音波を反射するための反射部33が形成
されている。この反射部33の働きについては、後述す
るが、測定室28の底部からは、所定距離(本実施例で
は数ミリ)持ち上げられた構造となっており、この反射
部33の周囲の空隙は、そのまま測定室28の底部に連
通する排出流路35を介してバイパス流路29につなが
っている。このため、導入路27から導入孔32を通っ
て流入したガスは、測定室28の内部に充満し、所定の
割合で、排出流路35からバイパス流路29に出てい
く。なお、排出流路35は、測定室28の底部に設けら
れていることから、測定室28内の水蒸気やガソリン蒸
気などが結露して液化した場合、これらの水滴・油滴を
排出するドレインとしても働く。反射部33の周囲の溝
に溜まった液体が排出されやすいように、反射部33の
周辺外形は、排出流路35に向けて傾斜されている。
【0020】流路形成部材20の上部に形成された収納
部22には、上述したように、測定室28に連通する開
口を有する取り付け用凹部24や、サーミスタ取り付け
用の挿入孔25などが形成されているが、この収納部2
2に相当する場所には、金属板36がインサート成形さ
れている。この金属板36は、その一隅に切り起こし部
83を備える。この切り起こし部83は、インサート成
形された後、図1に示したように、収納部22の内側に
立設された状態となり、電子回路基板70を取り付ける
際、基板上の取付孔72に挿入される。取付孔72に
は、接地ラインに接続されたランドが用意されており、
切り起こし部83は、このランドにはんだ付けされる。
なお、電子回路基板70側の取付孔の内寸を、切り起こ
し部83より小さくし、切り起こし部83を、内側に導
電材料がメッキされた取付孔72に圧入することで、機
械的に電気的な接触を実現するものとしても良い。もと
より、圧接、嵌合、かみ合わせなどの手法を採用するこ
とも可能である。
【0021】収納部22の外側には、電気信号をやりと
りするためのコネクタ31が形成されており、コネクタ
31を形成する端子(図示せず)は、収納部22の外壁
をこの部分で貫通している。
【0022】図2からも理解できるように、流路形成部
材20の成形時には、電子回路基板70を収納する回路
基板収納室23と測定室28とが連通し、また、回路基
板収納室23と挿入孔25(「温度測定室」とも呼ぶ)
が連通するように、流路形成部材20が樹脂で一体的に
成形される。但し、組み立て後の状態では、回路基板収
納室23と測定室28との間は検出用素子本体40で封
止されており、また、回路基板収納室23と挿入孔25
との間もサーミスタ60によって封止されている。
【0023】なお、後述するように、検出用素子本体4
0は、超音波の音速検出用の素子と、他の部材(例えば
電気的な接続のための端子など)とを含むので、「音速
検出素子アセンブリ(音速検出素子組立体)」、また
は、単に「素子アセンブリ」とも呼ぶ。
【0024】(C)検出用素子本体40の構造:検出用
素子本体40の構造を、図3の断面図に示した。この検
出用素子本体40は、図1に示したように、組立後は円
盤形状となるが、これはフランジ部41を有する合成樹
脂製の素子ケース42の内部に、後述する圧電素子51
などを収納したのち、ウレタンを内部に充填しているか
らである。素子ケース42のフランジ部41は、収納部
22に設けられた取り付け用凹部24(図1)より大径
に形成されており、フランジ部41の下部の収容部43
は、凹部24より小径に形成されている。この素子ケー
ス42単体の状態では、収容部43の下面は開口されて
おり、その端面45の外側縁部には、段差部46が形成
されている。製造時には、この段差部46の内側に、耐
ガソリン性のある材料を用いた円形の保護フィルム48
が接着される。
【0025】保護フィルム48の中心には、円柱形状の
音響整合板50が接着・固定されており、この音響整合
板50の上面には超音波素子である圧電素子51が接着
・固定されている。音響整合板50は、圧電素子51の
振動を、保護フィルム48を介して効率よく、空気中に
(本実施例では測定室28へ)送出するために設けられ
ている。音波や超音波は、媒質の密度の差が存在する場
所で反射し易いので、圧電素子51を直接保護フィルム
48に接着するのではなく、音響整合板50を介して接
合することにより、圧電素子51の振動を効率よく超音
波として測定室28内に送出することができる。本実施
例では、音響整合板50として、多数の小さなガラス玉
をエポキシ系樹脂で固めたものを用いた。また、これら
の音響整合板50と圧電素子51とを取り囲むように、
筒体52が配置されている。この筒体52は、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム52aに銅箔52cを接着
層52bを介して貼り合わされたものであり、銅箔52
c側を内側にして円筒形に巻き、端面を重ねて貼り合わ
せたものである。この筒体52の内径は、音響整合板5
0の外径と略一致しているので、筒体52は、音響整合
板50の外周に密着している。両者は接着されていな
い。
【0026】圧電素子51は、ピエゾなどの電歪素子を
円柱形に形成したものであり、軸方向上下面に形成され
た電極に電圧を印加した際、軸方向にのみ歪曲が生じる
ように、格子の方向を整えて切り出されている。圧電素
子51は、後述するように、超音波を測定室28内に送
出する送信器として働くが、同時に本実施例では超音波
振動を受信して電気信号を出力する受信器としても機能
する。もとより、送信用の素子と受信用の素子とを別々
に設けて、ガスセンサを作ることも可能である。圧電素
子51としては、圧電セラミックスや水晶などの結晶体
などを適宜用いることができる。電極は、特に図示しな
いが、圧電素子51の上下面に蒸着などの手法により形
成しても良いし、金属の薄板を貼り付けて構成しても良
い。
【0027】素子ケース42は、断面が略逆「L」字形
状をしており、その内周面は、鉛直面に対して所定の角
度(本実施例では約11度)の傾きでテーパが付けられ
ている。従って、収容部43の外壁に相当する部分は、
下部、即ち保護フィルム48に近づくにつれて厚みを増
す。この結果、素子ケース42の収容部43は、フラン
ジ部41との付け根の付近で外壁の厚みが薄く、可撓性
に富み、その下端では、保護フィルム48を貼付する充
分な面積を用意している。この素子ケース42は、ほぼ
円筒形に形成されているものの、端子55a,55bが
埋設されている箇所だけ、内側に突出した形状を有す
る。この突出部56a,56bに埋設された端子55
a,55bは、「L」字形状に曲っており、その下端に
は、リード線54a,54bがはんだ付けされる。端子
55a,55bの上端は、電子回路基板70の対応する
取り付け孔に挿入され、その場所に用意されたランドに
はんだ付けされる。こうして圧電素子51のリード線5
4a,54bの取付を終えてから、素子ケース42の内
部には、ウレタンが充填される。
【0028】素子ケース42は、フランジ部41の下面
略中央に、溶着用の突起59を円周状に備えている。こ
の突起59は、超音波溶着時に溶融して、フランジ部4
1を、収納部22の取り付け用凹部24にしっかりと固
着する。
【0029】(D)電子回路基板70とその回路および
ガス濃度検出の手法:次に、電子回路基板70の構造
と、その取付について説明する。電子回路基板70は、
ガラスエポキシ基板に予めエッチング等により回路パタ
ーンを形成したものであり、部品の取付位置にランドや
スルーホールが設けられている。また、検出用素子本体
40やサーミスタ60、あるいはコネクタ31の端子な
どが取付られる部位には、それぞれの端子形状に合わせ
た大きさの取付孔が設けられ、その周囲をランドパター
ンが取り巻いている。従って、完成した電子回路基板7
0は、所定の位置に、信号処理用の各種部品、例えば信
号処理用の集積回路(IC)や、抵抗器,コンデンサな
どが取り付けられており、これを、検出用素子本体40
やサーミスタ60の取付が完了した収納部22に装着
し、はんだ付けを行なうことで、電気的な回路構成は完
了する。ガスセンサ10の製造としては、最終的には樹
脂モールドを行なうが、この点は、後で製造方法の項で
一括して説明する。
【0030】こうして完成したガスセンサ10の電気的
な構成を、図4のブロック図に示す。図示するように、
この電子回路基板70は、マイクロプロセッサ91を中
心に構成されており、マイクロプロセッサ91に接続さ
れた各回路素子、即ち、デジタル−アナログコンバータ
(D/Aコンバータ)92、ドライバ93、増幅器96
が接続されたコンパレータ97等を備える。サーミスタ
60は、直接マイクロプロセッサ91のアナログ入力ポ
ートPAPに接続されている。また、ドライバ93と増
幅器96は、検出用素子本体40に接続されている。
【0031】ドライバ93はマイクロプロセッサ91か
らの指令を受けて、短時間だけ検出用素子本体40の圧
電素子51を駆動する回路である。ドライバ93が出力
するこの矩形波の信号を受けると、圧電素子51は振動
し、送信器として機能して、超音波を測定室28内に送
出する。
【0032】測定室28内に送出された超音波は、比較
的高い指向性を保ったまま直進し、測定室28底部の反
射部33に反射して戻ってくる。戻ってきた超音波が保
護フィルム48に到達すると、保護フィルム48および
音響整合板50を介して、圧電素子51にその振動は伝
わり、圧電素子51は今度は受信器として機能して、振
動に応じた電気信号を出力する。この様子を、図5に示
した。図において、区間P1は、ドライバ93が信号を
出力しており、圧電素子51が送信器として機能してい
る期間を、区間P2は、反射部33で反射した超音波に
より振動が圧電素子51に伝わり、圧電素子51が受信
器として機能している期間を、それぞれ示している。
【0033】受信器として機能した際の圧電素子51の
信号は、増幅器96に入力されて増幅される。この増幅
器96の出力は、コンパレータ97に入力されており、
ここで予め用意された閾値Vref と比較される。閾値V
ref は、ノイズなどの影響により増幅器96が出力する
誤信号を弁別できるレベルである。誤信号としては、ノ
イズなどによるものの他、検出用素子本体40自身が持
っている残響などの影響によるものがある。
【0034】図5に示されているように、圧電素子51
が送信器として機能するときにも、圧電素子51の信号
が増幅器96で増幅され、受信波形RVとして出力され
る。この受信波形RVは、圧電素子51の送信動作が終
了した後にも直ちに減衰せず、ある程度の時間に渡って
受信波形が残存する。この理由は、送信時の振動が圧電
素子51近傍において減衰するのに時間を要するためで
ある。送信動作が終了した後の振動は「残響」と呼ばれ
ている。なお、本明細書では、残響を含む送信時の受信
波形RVを「残響波」と呼ぶ。
【0035】コンパレータ97は、増幅器96からの信
号を閾値Vref と比較することにより、圧電素子51が
受信した振動の大きさが所定以上になったときにその出
力を反転する。このコンパレータ97の出力をマイクロ
プロセッサ91により監視し、圧電素子51からの最初
の超音波の出力タイミング(図5のタイミングt1)か
ら、コンパレータ97の出力が反転するまで(図5のタ
イミングt2)の時間Δtを計測することにより、超音
波が測定室28内の反射部33までの距離Lを往復する
のに要した時間を知ることができる。超音波が、ある媒
質中を伝播する速度Cは、次式(1)に従うことが知ら
れている。
【0036】
【数1】
【0037】この式(1)は、複数の成分が混在してい
るガスについて成り立つ一般式であり、変数nは、第n
成分についてであることを示すサフィックスである。従
って、Cpnは測定室28内に存在するガスの第n成分
の定圧比熱、Cvnは測定室28のガスの第n成分の定
積比熱、Mnは第n成分の分子量、Xnは第n成分の濃
度比を表している。また、Rは気体定数、Tは測定室2
8内のガスの温度、である。ガスに関する比熱などは知
られているので、伝播速度Cは、測定室28内のガスの
温度Tと濃度比Xnにより定まることになる。超音波の
伝播速度Cは、圧電素子51から反射部33までの距離
Lを用いて、 C=2×L/Δt …(2) と表せるから、Δtを計測すれば、濃度比Xn、即ち、
ガソリン濃度を求めることができる。なお、本実施例で
は、ガソリン蒸気の濃度を検出したが、濃度が既知の場
合には、温度Tや距離Lを求めるセンサとして用いるこ
とも可能である。
【0038】マイクロプロセッサ91は、上記の式に従
う演算を高速に行ない、求めたガソリン濃度に対応した
信号をD/Aコンバータ92を介して出力する。この信
号SGNLがコネクタ31の端子を介して外部に出力さ
れる。実施例では、この信号SGNLは、内燃機関の燃
料噴射量を制御しているコンピュータに出力され、ここ
で、キャニスタからのガソリンのパージ量を勘案して、
燃料噴射量を補正するといった処理に用いられる。な
お、図4には、電源関係のラインは特に図示しなかった
が、マイクロプロセッサ91を初めとする各素子には、
いずれも直流電圧Vccを供給する電源ラインとグラン
ド(接地ライン)とが接続されている。このうち接地ラ
インは、既に説明したように、流路形成部材20の収納
部22の位置にインサート成形された金属板36とケー
ス80とに接続されている。図4では、これらの部材は
模式的に描いたが、金属板36(図2参照)とケース8
0(図1参照)とは、互いに組み合わさって検出用素子
本体40を覆う箱体を構成しており(図2参照)、これ
を同電位に保っていることから、電気的には電磁シール
ドを実現している。従って、内部に収納された検出用素
子本体40や電子回路基板70は、その外部からのノイ
ズに対して効果的に保護される。
【0039】(E)検出用素子本体40の周辺構造:図
6は、実施例における検出用素子本体40(音速検出素
子アセンブリ)の周辺構造を示す説明図であり、図2の
一部を拡大したものである。但し、図6では説明の便宜
上、サーミスタ60や、圧電素子51周辺の筒体52
(図3)などのいくつかの部材の図示が省略されてい
る。
【0040】検出用素子本体40の素子ケース42の内
部には、圧電素子51を封止するために第1の充填材5
8が充填されている。この第1の充填材としては、例え
ばウレタン樹脂やシリコーン樹脂を利用することができ
る。第1の充填材58は、圧電素子51の振動を減衰さ
せる働きがあり、これによってセンサの性能を向上させ
る効果がある。
【0041】検出用素子本体40のフランジ部41(図
3)と電子回路基板70の間には、緩衝材88が固定さ
れている。緩衝材88の固定には、例えば、両面テープ
や接着剤を用いることができる。緩衝材88は、検出用
素子本体40と略同一の外径に形成された略円盤状の発
泡体である。この発泡体は、例えばシリコーン樹脂で形
成されており、その厚さは数ミリである。この緩衝材8
8には、検出用素子本体40から上方に突き出た端子5
5a,55bが貫通する開口も設けられている。緩衝材
88を検出用素子本体40と電子回路基板70との間に
介挿させた状態で、収納部22内に第2の充填材74が
充填される。このとき、充填材74の進入が緩衝材88
によって阻止されるので、検出用素子本体40内の第1
の充填材58と、収納部22内の第2の充填材74とが
直接接触しない構造が得られる。
【0042】なお、本実施例においては、検出用素子本
体40が本発明の素子アセンブリに相当し、また、圧電
素子51がセンサ素子に、収納部22が収納室にそれぞ
れ相当する。
【0043】図7は、比較例の構造を示す説明図であ
る。この比較例では、緩衝材88が設けられておらず、
検出用素子本体40の充填材58と収納部22の充填材
74とが互いに接触した構造となっている。図8は、8
5℃における比較例と実施例の構造の受信波形を比較し
て示す説明図である。これらの波形は、図5で説明した
送信時の増幅器出力(残響RVを含む波形部分)のより
現実的な波形である。図8の比較結果から理解できるよ
うに、比較例の構造では、受信波の振幅が実施例よりも
長時間に渡って減衰しない状態で維持されてしまい、長
い残響が生じる。送信時の残響が過度に長くなると、送
信波と受信波とが重なってしまい測定誤差が大きくなる
という問題が生じる。実施例は、比較例に比べて残響特
性が改善されているので、このような問題が生じにくい
という利点がある。
【0044】比較例の構造によって残響特性が悪化する
理由は、以下のように推測される。センサの環境が高温
になると、センサ各部の熱膨張によって熱応力が発生す
る。このとき、2つの充填材58,74が互いに接触し
ている場合には、充填材74で発生した熱応力が、検出
用素子本体40内部の充填材58に加わり、充填材58
を介して圧電素子51にも加わる。このような熱応力
は、充填材58や圧電素子51の振動特性に大きな影響
を与えるので、振動波の減衰が遅くなり、図8(A)に
示すように残響特性が悪化するものと考えられる。これ
に対して、実施例の構成では、検出用素子本体40の充
填材58と収納部22の充填材74とが互いに接触せ
ず、緩衝材88によって隔てられているので、このよう
な熱応力の影響がより小さく抑えられている。従って、
残響特性も比較例に比べて優れているものと推測され
る。
【0045】なお、緩衝材88によって残響特性を向上
させる効果は、特に、本実施例のように、素子ケース4
2の内面がテーパ状に形成されており、素子ケース42
上端の開口面積が底面の開口面積よりも大きくなってい
る場合に顕著である。この理由は、素子ケース42の内
面がこのようなテーパ面に形成されていると、充填材5
8が熱膨張するときに上方に向けて変形しようとするた
めである。すなわち、比較例ではこのような充填材58
の変形が収納部22の充填材74によって妨げられるの
で、充填材58内部の熱応力が高まる傾向にある。これ
に対して、実施例の構造では、充填材58の上方への変
形が充填材74によって妨げられないので、充填材58
内部の熱応力も小さくなり、残響特性が向上する。
【0046】また、圧電素子51から放射される超音波
は、音響整合層50を通じて測定室28へと放射される
成分だけでなく、測定室28と反対方向に(すなわち第
1の充填材58へと)放射される成分も存在し、このよ
うにして第1の充填材58へと放射された超音波は第1
の充填材58の表面で反射して圧電素子51へと戻るこ
とになるため、この成分がノイズとして受信波形に合成
されてしまうこととなる。このようなノイズ成分に対し
て、本実施例の構造では、緩衝材88が第1の充填材5
8の表面に直接接触することとなり、かつ緩衝材は弾性
を有しており、さらには超音波を吸収しやすい発泡材で
あるので、上記ノイズ成分が第1の充填材58の表面に
達した際にそのノイズ成分を吸収する役目を果たし、測
定精度向上に対しても効果がある。
【0047】図9は、図6に示した実施例の第1の変形
例を示す説明図である。この第1の変形例は、検出用素
子本体40の充填材58と緩衝材88との間にもう1つ
の緩衝材89が介挿されている点で図6に示した実施例
と異なるだけであり、他の点は上記実施例と同一であ
る。すなわち、図6の実施例では、検出用素子本体40
の充填材58と緩衝材88との間に空間(空隙)が生じ
ており、ここに空気層が存在していたが、図9の第1の
変形例では、この空間が緩衝材89によってほとんど埋
められている。
【0048】この第1の変形例も、上記実施例と同様に
残響特性を向上させる効果を有する。また、第1の変形
例では、素子ケース42内の充填材58の表面が緩衝材
89に接触しているので、空気層の熱膨張による応力が
充填材58および圧電素子51に加わりにくいという利
点がある。より具体的に説明すれば、第1の変形例で
は、充填材58が空気に接する面積が少ないので、充填
材58の上方にある空気層が熱膨張しても、空気の膨張
による応力の総計は小さな値に抑えられる。また、緩衝
材88,89はクッション効果(弾性)があるので、緩
衝材88,89の熱膨張による応力はほとんど無視でき
る程度である。この意味では、緩衝材88,89は、な
るべくクッション効果の高い材料で構成されていること
が好ましく、例えば、独立気泡体で構成されていること
が好ましい。ここで、「独立気泡体」とは、互いに連結
していない独立した多数の気泡を含む材料を意味してい
る。このような独立気泡体は、シリコーン樹脂やウレタ
ン樹脂で形成することができる。但し、シリコーン樹脂
の方がウレタン樹脂よりも耐熱性の点で優れているの
で、緩衝材88,89としては、シリコーン樹脂製の独
立気泡体を用いることが好ましい。
【0049】また、充填材58に接触する緩衝材89
は、充填材58の表面の大部分を覆うことが好ましく、
その80%以上を覆うことが好ましい。このとき、緩衝
材89によって覆われる充填材58の面積は、緩衝材8
9に発泡が無いものとして計算される。また、緩衝材8
9は、常温において多少圧縮された状態で充填材58の
表面に密着していることが好ましい。この理由は、この
ように常温で密着している状態にすれば、環境温度が高
温になったときにも緩衝材89と充填材58との間に間
隙が生じることを防止することができ、この結果、残響
特性をさらに向上させることができるからである。
【0050】なお、緩衝材88,89としては、発泡体
以外の他の材料を用いることも可能であり、例えば、不
織布やゴムなどを利用することが可能である。また、緩
衝材88,89は、別体として形成されている必要はな
く、一体として形成されていてもよい。
【0051】図10は、第2の変形例を示す説明図であ
る。この第2の変形例は、緩衝材88の代わりにO−リ
ング87が介挿されている点で図6に示した実施例と異
なるだけであり、他の点は上記実施例と同一である。こ
の第2の変形例では、素子ケース42内の充填材58と
電子回路基板70との間には、空間(空気層)が形成さ
れている。この第2の変形例も、上記実施例と同様に残
響特性を向上させる効果を有する。
【0052】上述した実施例や第1および第2の変形例
は、検出用素子本体40の充填材58と、収納部22内
の充填材74との間に、これらの充填材58,74が直
接接触しないように介在物が設けられている点で共通し
ている。このような構造を採用することにより、検出用
素子本体40の充填材58に加わる熱応力を軽減するこ
とができ、残響特性を向上させることができるという利
点がある。
【0053】図11は、第3の変形例を示す説明図であ
る。この第3の変形例は、図9に示した第1の変形例か
ら充填材74を無くしたものであり、他の点は第1の変
形例とほぼ同一である。なお、収納部22は蓋21で密
閉されている。この第3の変形例も、第1の変形例と同
様に、検出用素子本体40内の充填材58の上方にある
空気が膨張しても空気の膨張による充填材58への圧力
が小さいので、残響特性を向上することが可能である。
すなわち、収納部22に充填材74が充填されていない
場合にも、検出用素子本体40の充填材58の表面に接
触した状態で緩衝材88,89を配置することによっ
て、残響特性を向上させることができる。
【0054】(F)ガスセンサの製造方法:次に、本実
施例におけるガスセンサ10を製造する方法について、
説明する。図12は、ガスセンサの製造工程を示す工程
図である。図示するように、このガスセンサ10を製造
するに際しては、まず圧電素子を組み立てる(工程S1
00)。他方、こうして得られた圧電素子組立を封入す
る素子ケース42(図3)を用意する(工程S11
0)。素子ケース42は、ガラスフィラー入りの合成樹
脂を射出成形して製造するが、削り出しなどの手法によ
っても良い。
【0055】次に、検出用素子本体40を組み立てる作
業を行なう(工程S120)。この工程では、まず、工
程S110で製造した素子ケース42に、工程S100
で組み立てた圧電素子組立を組み付ける。この状態で、
筒体52を、素子ケース42の開口側から挿入し、音響
整合板50の外周に嵌め込む作業を行なう(工程S13
0)。作業に先立って、銅箔52cを接着層52bを介
してポリエチレンテレフタレートフィルム52aに貼り
合わせたものを、予め音響整合板50の外径に合わせた
内径に巻き、筒体52として製造しておく。筒体52
は、特に接着などはせず、音響整合板50に嵌め合わせ
ただけである。
【0056】この状態で、圧電素子51から延びる2本
のリード線54a,54bを、端子55a,55bには
んだ付けなどの手法で接続する作業を行なう(工程S1
40)。以上の処理により、検出用素子本体40に必要
に部品は全て組み付けられる。そこで、次に素子ケース
42の開口側から、ウレタンを充填する処理を行なう
(工程S150)。なお、図2,図3ではウレタンは省
略されている。
【0057】以上説明した検出用素子本体40の製造と
は別に、流路形成部材20(図2)の製作が行なわれ
る。この工程を工程S200以下に示した。流路形成部
材20の製作に際しては、まず金属板をプレス加工し
て、インサート成形用の金属板36を成形する処理を行
なう(工程S200)。
【0058】次に、流路形成部材20を、その内部に金
属板36を備えるようにインサート成形する処理を行な
う(工程S210)。流路形成部材20は、ガラスフィ
ラー入りの合成樹脂を用いて成形する。
【0059】こうして流路形成部材20を製作した後、
この流路形成部材20の収納部22の底部の凹部24
に、既に製造しておいた検出用素子本体40を溶着する
作業を行なう(工程S230)。溶着は、超音波溶着に
より行なう。これは検出用素子本体40を所定の治具に
取り付けた上で、凹部24の中心に検出用素子本体40
の中心を一致させ、この検出用素子本体40を超音波領
域の振動数で振動させて、そのフランジ部41(図3)
の下面を収納部22の接合面に強く打ちつける。図3に
示すように、フランジ部41の下面には、突起59が形
成されているから、超音波振動による力は全てこの突起
59に集中することになり、突起59は機械的なエネル
ギが集中することにより加熱され、やがて溶融する。こ
の結果、検出用素子本体40は、フランジ部41下面
で、流路形成部材20の収納部22の接合面に隙間なく
溶着する。検出用素子本体40の取り付けの前後の様子
を、図13(A)(B)に示した。なお、溶着は、熱板
溶着など、他の手法に拠っても良い。
【0060】検出用素子本体40の取り付けと前後し
て、サーミスタ60を流路形成部材20の挿入孔25に
取り付ける作業も行なう(工程S240)。その後、検
出用素子本体40の上に緩衝材88を載置する(工程S
250)。
【0061】緩衝材88を配置した後、図14(A)に
示したように、電子回路基板70上に用意された取り付
け孔に、次の4つの部材を嵌め合わせつつ、電子回路基
板70を、上方から、収納部22に収納する(工程S2
60)。即ち、 ・金属板36から切り起こされて収納部22底部に立設
している切り起こし部83、 ・検出用素子本体40から突出した端子55a,55
b、 ・サーミスタ60の端子64a,64b、 ・コネクタ31の4本の端子、 の4つの部材を、電子回路基板70の所定の取付孔に嵌
合する。このうちコネクタ31の複数の端子のうち、図
4に示したGND,SGNL,Vcc用の端子を、電子
回路基板70上の取付孔周囲に設けられたランドにはん
だ付けする。
【0062】次に、図14(B)に示したように、この
収納部22にケース80を取り付ける作業を行なう(工
程S270)。このとき、ケース80に設けられた挿入
孔85に、コネクタ31の複数の端子のうちの1本の端
子31dを貫通させ、その後、これをはんだ付けまたは
ロウ付けする。これでケース80の取付作業は完了す
る。その後、収納部22内に樹脂(本実施例ではウレタ
ン)を充填する作業を行なう(工程S280)。ウレタ
ンで検出用素子本体40や電子回路基板70をモールド
するのである。なお、図14では、樹脂モールドした樹
脂は描いていない。その後、測定室28に濃度を他の検
出装置で検出したガソリン蒸気を含むガスを導入し、ガ
スセンサ10を動作させて、その出力を較正(キャリブ
レーション)する処理を行なう(工程S290)。ガス
センサ10の較正は、この実施例では、検出結果から、
ガスセンサ10の出力と他の測定装置で検出済みのガソ
リン濃度との関係を示す較正曲線を求めて、これをマイ
クロプロセッサ91に内蔵したEEPROMに書き込む
ことで行なったが、ウレタンの充填前に、電子回路基板
70上に用意したトリマなどを調整することで行なうよ
うにしても良い。後者の場合には、ケース80に調整用
の工具を差し入れるための開口部を設けておき、ケース
80を取り付けた状態(樹脂モールド未実施の状態)で
調整を行なうことが望ましい。
【0063】以上、本発明のいくつかの実施例について
説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内におい
て変更することが可能である。
【0064】例えば、本発明は、超音波を用いた他の種
類のセンサ(例えば比熱センサ)にも適用可能であり、
また、超音波以外の振動波を用いて種々の性質を検出す
るセンサに適用することができる。また、本発明は、上
記実施例のように送信部および受信部の両方として機能
するセンサに限らず、振動波の送信部と受信部のうちの
いずれか一方としてのみ機能するセンサにも適用可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガスセンサ10の概略構成を示す分解
斜視図である。
【図2】ガスセンサ10の構造を示す断面図である。
【図3】検出用素子本体40の構造を示す断面図であ
る。
【図4】電子回路基板70の内部の電気的な構成を示す
説明図である。
【図5】超音波を用いたガス濃度の検出の原理を説明す
る説明図である。
【図6】実施例における検出用素子本体40(音速検出
素子アセンブリ)の周辺構造を示す説明図である。
【図7】比較例の構造を示す説明図である。
【図8】比較例と実施例の構造での受信波形を比較して
示す説明図である。
【図9】第1の変形例を示す説明図である。
【図10】第2の変形例を示す説明図である。
【図11】第3の変形例を示す説明図である。
【図12】実施例におけるガスセンサ10の製造方法を
示す工程図である。
【図13】検出用素子本体40を流路形成部材20の収
納部22に組み付ける様子を示す説明図である。
【図14】電子回路基板70とケース80との取付の様
子を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ガスセンサ 20…流路形成部材 21…蓋 22…収納部 23…回路基板収納室 24…凹部 25…挿入孔 27…導入路 28…測定室 29…バイパス流路 31…コネクタ 31d…端子 32…導入孔 33…反射部 34…出口 35…排出流路 36…金属板 40…検出用素子本体 41…フランジ部 42…素子ケース 43…収容部 45…端面 46…段差部 48…保護フィルム 50…音響整合板 51…圧電素子 52…筒体 52a…ポリエチレンテレフタレートフィルム 52b…接着層 52c…銅箔 54a,54b…リード線 55a,55b…端子 56a,56b…突出部 58…第1の充填材 59…突起 60…サーミスタ 64a,64b…端子 70…電子回路基板 72…取付孔 74…第2の充填材 80…ケース 83…切り起こし部 85…挿入孔 87…リング 88,89…緩衝材 91…マイクロプロセッサ 92…D/Aコンバータ 93…ドライバ 96…増幅器 97…コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴野 圭吾 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 森田 剛史 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 大島 崇文 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 BC02 BC15 CA01 GA01 GA18 GB11 5D019 AA17 EE05 FF01 GG05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサであって、 振動波の送信と受信の少なくとも一方に用いられるセン
    サ素子と、前記センサ素子を収納する素子ケースと、前
    記センサ素子を封止するように前記素子ケース内に充填
    された第1の充填材とを有する素子アセンブリと、 前記素子アセンブリを収納するための収納室と、前記収
    納室内に前記素子アセンブリが装着された後に前記収納
    室内に充填された第2の充填材とを有する素子アセンブ
    リ収納部と、を備え、 前記第1と第2の充填材との間に、前記第1と第2の充
    填材とが直接接触しないように介在物が設けられている
    ことを特徴とするセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセンサであって、前記介
    在物は、弾性を有する緩衝材である、センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセンサであって、 前記緩衝材は、前記第1の充填材に接触した状態で設け
    られている、センサ。
  4. 【請求項4】 請求項3または4記載のセンサであっ
    て、 前記緩衝材は、発泡材を含む、センサ。
  5. 【請求項5】 センサであって、 振動波の発信と受信の少なくとも一方に用いられるセン
    サ素子と、前記センサ素子を収納する素子ケースと、前
    記センサ素子を封止するように前記素子ケース内に充填
    された充填材とを有する素子アセンブリと、 前記充填材に接触した状態で設けられた発泡材と、を備
    えることを特徴とするセンサ。
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載のセンサであっ
    て、 前記発泡材は、多数の独立気泡を有する独立気泡体であ
    る、センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のセ
    ンサであって、 前記センサ素子は、前記センサの被測定対象である気体
    への超音波の送信及び該気体中を伝播した超音波の受信
    の少なくとも一方を行うための素子であり、 前記センサは、前記超音波の伝播速度と前記気体の温度
    とに応じて前記気体中に含まれる少なくとも1種類のガ
    ス成分の濃度を検出するために利用されるものである、
    センサ。
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