JP2003302380A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JP2003302380A
JP2003302380A JP2002107476A JP2002107476A JP2003302380A JP 2003302380 A JP2003302380 A JP 2003302380A JP 2002107476 A JP2002107476 A JP 2002107476A JP 2002107476 A JP2002107476 A JP 2002107476A JP 2003302380 A JP2003302380 A JP 2003302380A
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gas sensor
flow path
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path forming
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JP2002107476A
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Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Keigo Tomono
圭吾 伴野
Noboru Ishida
昇 石田
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02809Concentration of a compound, e.g. measured by a surface mass change

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスセンサ10は、測定室28を形成する流
路形成部材20を樹脂材料で形成するとともに検出特性
の向上を図る。 【解決手段】 ガスセンサ10は、気体が存在する測定
室28を有する流路形成部材20と、測定室28に臨ん
で配置され圧電効果により超音波を送信または受信する
圧電素子51とを備えている。流路形成部材20は、ガ
ラス繊維入りのナイロン系樹脂から形成され、引張り弾
性率が15GPa未満である。このような樹脂材料は、
減衰能が優れ、ノイズを低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象物が所定
体積の流路に存在する気体であるガスセンサの構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から測定用素子を用いて、流路に存
在する気体の性質として、例えば特定成分の濃度や温
度、あるいは湿度などを測定するガスセンサが知られて
いる。こうしたガスセンサでは、測定用素子からの信号
を電気的に処理して、気体の性質に対応した電気信号と
して出力する。ガスセンサの一例として、自動車などの
内燃機関を搭載した輸送機器に設けられ、超音波の伝播
速度の変化を利用してガソリンや軽油などの濃度を検出
するガス濃度センサを取り上げる。こうしたガス濃度セ
ンサは、例えば自動車に搭載されたキャニスタから内燃
機関の吸気管に接続されたパージラインの途中に設けら
れ、センサに形成された所定体積の流路に、ガソリンな
どが含まれる蒸発燃料ガスが通過するよう構成される。
ガソリン蒸気の濃度が変化すると、媒質中を通過する超
音波の速度が変化するので、この変化を超音波の受信器
で検出し、信号を処理して、ガソリン濃度に対応した信
号として出力するのである。
【0003】すなわち、ガスセンサの具体的な構成を示
すと、ガスセンサは、気体が存在する流路を構成する流
路形成部材と、上記流路に臨んで設けられ、気体の性質
を測定する超音波素子を収納した素子ケースと、を備え
ている。流路形成部材と素子ケースとは、アルミニウム
などの金属から形成されており、その間には、ゴムブッ
シュを介在させている。ゴムブッシュは、流路を外部に
対してシールするとともに、ダンパ材としても作用し、
測定室以外から伝播するノイズを低減している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、流路形成部材
および素子ケースは、金属から形成されているので、軽
量化の阻害要因になるとともに、コストアップになる。
また、ゴムブッシュも、コストアップになるだけでな
く、圧入作業を必要とするため組付作業が面倒であると
いう問題があった。さらに、ゴムブッシュの材質につい
ても、熱や化学的条件を加味した上でシールとダンパ性
能を両立させるような材料を選定しなければならないと
いう制約もある。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、測定室を形成する流路形成部材を樹脂材料で形
成するとともに、その樹脂材料としてガスセンサに適し
た材料を選択して検出特性の向上を図ることを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた本発明は、測定対象物
である気体の濃度を測定するガスセンサにおいて、樹脂
材料から形成され、上記気体が存在する測定室を有する
流路形成部材と、上記測定室に臨んで配置され、圧電効
果により超音波を送信または受信する超音波素子と、を
備え、上記樹脂材料は、引張り弾性率が15GPa未満
である材料を用いたことを特徴とする。
【0007】本発明にかかるガスセンサでは、流路形成
部材の測定室内に超音波素子から超音波を送信し、その
超音波の伝播時間を測定することにより、ガスの濃度を
測定する。流路形成部材は、樹脂材料で形成され、従来
の技術で説明した金属製の流路形成部材を用いた場合の
ように、ゴムブッシュを用いる必要がなく、製造や組付
作業が簡単になり、コストの低減を図ることができる。
【0008】また、樹脂材料は、引張り弾性率が15G
Pa未満である材料から形成されているので、超音波の
減衰能が高く、超音波のノイズを低減し、検出特性を向
上させることができる。なお、樹脂材料が単一の場合に
は、引張り弾性率が小さい方が減衰能を高めることがで
きるが、他の材料を添加することにより、一層、減衰能
を高めることができる。すなわち、樹脂材料中に、無機
フィラーを50wt%以下添加することにより、母材と
なる樹脂材料と無機フィラーとの界面において超音波を
大きく減衰させることができるからである。無機フィラ
ーとしては、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン、金
属酸化物などを適用できる。ここで、無機フィラーが5
0wt%を越えると、耐衝撃性の低下を招くので、これ
以下であることが好ましい。
【0009】また、ガスセンサの好適な態様として、超
音波素子を、流路形成部材の樹脂材料と同じ樹脂材料か
らなる素子ケースに収納し、素子ケースを流路形成部材
に熱溶着により接合する構成をとることができる。ここ
で、熱溶着で接合する手段として、例えば、超音波溶着
法、熱板溶着法、振動溶着法などの各種の手段をとって
もよい。この構成により、素子ケースによる超音波の減
衰特性を活かすとともに、同じ樹脂材料であるから、熱
溶着、振動溶着により容易に接合することができる。な
お、上記超音波溶着による接合をとった場合には、接合
部のシール性に優れ、測定室と外部とのシール部材を必
要としないから、構成を簡単にできる。
【0010】また、素子ケースの好適な態様として、超
音波素子を収納しかつほぼ円筒形状の収容部と、該収容
部の一端の開口外周端に形成されたフランジ部と、を備
え、上記フランジ部と上記流路形成部材の支持面との間
で熱溶着した構成をとることができる。この態様によれ
ば、接合部は、フランジ部と支持面との間に設けられて
いるので、素子ケースの他端側に配置された超音波素子
から離れている構成となっている。このため、超音波素
子から発せられた超音波のうち、接合部から流路形成部
材へ伝わるものは、迂回して流路形成部材へ減衰して伝
播し、さらに戻る超音波も大きく減衰する。よって、超
音波素子は、ノイズの影響を受けにくい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例とし
てのガスセンサの分解斜視図である。このガスセンサ1
0は、超音波の伝播速度がガス濃度により変化すること
を利用してガソリン蒸気の濃度を検出するセンサであ
る。このガスセンサは、例えば内燃機関を動力源とする
車両に搭載されたキャニスタから吸気通路にガソリンを
パージする通路に配置されて、パージされるガソリン濃
度を検出する目的などに用いられる。
【0012】(A)ガスセンサ10の全体構成:図1に
示したように、このガスセンサ10は、大きくは、濃度
を測定しようとするガスが通過する流路を形成する流路
形成部材20と、この流路形成部材20に一体に作り込
まれた収納部22に収納される検出用素子本体40と、
流路を通過するガスの温度を検出するサーミスタ60
と、検出用素子本体40の上部に配置される電子回路基
板70と、収納部22にはめ込まれる金属製のケース8
0と、から構成されている。検出用素子本体40は、収
納部22に設けられた取付用凹部24に超音波溶着によ
り固定されており、サーミスタ60は、取り付け用の挿
入孔25に挿入・固定されている。後述するように、検
出用素子本体40やサーミスタ60は、電気的な信号を
やり取りするための端子を有し、この端子は、電子回路
基板70の対応する取り付け穴に挿入され、はんだ付け
により固定される。ガスセンサ10は、これら検出用素
子本体40やサーミスタ60を収納部22に固定した
後、電子回路基板70を取り付け、さらにケース80を
収納部22にはめ込み、その上で、全体をウレタンなど
の樹脂によりモールドして製造されている。なお、ガス
センサ10の製造工程については、後で、詳しく説明す
る。
【0013】(B)流路形成部材20の構成:ガスセン
サ10の流路形成部材20は、ガラス繊維入りの樹脂材
料を成形したものであり、その引張り弾性率はガス濃度
センサとして適切な値に調整されている。なお、樹脂材
料については後述する。この流路形成部材20は、図1
に示したように、上部に検出用素子本体40を収納する
収納部22を備え、その下部に、測定用のガスが流通す
る流路を有する。主な流路としては、ガスセンサ10に
ガソリン蒸気が含まれるガスを導入する導入路27、こ
のガスにおけるガソリン濃度を超音波により測定するた
めの測定室28、測定室28に対してガスをバイパスす
るバイパス流路29が形成されている。測定室28は、
検出用素子本体40のほぼ直下に、バイパス流路29
は、サーミスタ60のほぼ直下に、それぞれ設けられて
いる。
【0014】こうした流路構造を詳しく説明するため
に、ガスセンサ10の垂直断面を図2に示す。図2は、
ガスセンサ10を、導入路27および検出用素子本体4
0の軸線を含む平面で切断した断面図である。図示する
ように、流路形成部材20の内部は、流路に着目すれ
ば、導入路27、測定室28、バイパス流路29に分か
れている。導入路27はバイパス流路29に直角に連通
しており、さらに導入孔32を介して測定室28とも連
通している。バイパス流路29の下方は出口34が形成
されており、導入路27から導入されたガソリン蒸気を
含むガスは、出口34から排出され、この実施例では、
内燃機関の吸気通路に図示しないホースにより接続され
ている。バイパス流路29の出口34と反対側の端部
は、サーミスタ60が取り付けられる挿入孔25として
形成される。したがって、サーミスタ60は、導入路2
7から流入したガスの温度に所定の関係を持って、これ
を測定することになる。
【0015】測定室28は、上部が検出用素子本体40
が取り付けられる取付用凹部24に連通しており、その
下方には、超音波を反射するための反射部33が形成さ
れている。この反射部33の働きについては、後述する
が、測定室28の底部からは、所定距離(本実施例では
数ミリ)持ち上げられた構造となっており、この反射部
33の周囲の空隙は、そのまま測定室28の底部に連通
する排出流路35を介してバイパス流路29につながっ
ている。このため、導入路27から導入孔32を通って
流入したガスは、測定室28の内部に充満し、所定の割
合で、排出流路35からバイパス流路29に出ていく。
なお、排出流路35は、測定室28の底部に設けられて
いることから、測定室28内の水蒸気やガソリン蒸気な
どが結露して液化した場合、これらの水滴・油滴を排出
するドレインとしても働く。
【0016】流路形成部材20の上部に形成された収納
部22には、上述したように、測定室28に連通する開
口を有する取付用凹部24や、サーミスタ取り付け用の
挿入孔25などが形成されているが、この収納部22に
相当する場所には、図2に示した金属板36がインサー
ト成形されている。この金属板36は、図示するよう
に、収納部22の底面形状にほぼ倣う形状をしている。
この金属板36は、その一隅に切り起こし部83を備え
る。この切り起こし部83は、インサート成形された
後、図1に示したように、収納部22の内側に立設され
た状態となり、電子回路基板70を取り付ける際、基板
に接地される。
【0017】また、収納部22の側部には、電気信号を
やりとりするためのコネクタ31が形成されており、電
子回路基板70に接続されている。
【0018】(C)検出用素子本体40の構造:検出用
素子本体40の構造を、図3の断面図に示した。この検
出用素子本体40は、図1に示したように、組立後は円
盤形状となるが、これはフランジ部41を有する合成樹
脂製の素子ケース42の内部に、後述する超音波素子と
しての圧電素子51を収納したのち、ウレタンを内部に
充填しているからである。なお、素子ケース42の樹脂
材料は、流路形成部材20と同じであり、その特性につ
いては後述する。素子ケース42のフランジ部41は、
収納部22に設けられた取付用凹部24より大径に形成
されており、フランジ部41の下部の収容部43は、取
付用凹部24より小径に形成されている。この収容部4
3の下面は開口されており、その端面45の外側縁部に
は、段差部46が形成されている。製造時には、この段
差部46の内側に、耐ガソリン性を有する円形の保護フ
ィルム48が接着される。端面45の外径は、保護フィ
ルム48の外周より、やや大きく、所定の公差をもって
形成されている。
【0019】保護フィルム48の中心には、円柱形状の
音響整合板50が接着・固定されており、この音響整合
板50の上面には圧電素子51が接着・固定されてい
る。また、これらの音響整合板50と圧電素子51とを
取り囲むように、筒体52が配置されている。この筒体
52の内径は、音響整合板50の外径と略一致している
ので、筒体52は、音響整合板50の外周に密着してい
る。両者は接着されていない。
【0020】圧電素子51は、ピエゾなどの電歪素子を
円柱形に形成したものであり、軸方向上下面に形成され
た電極に電圧を印加した際、軸方向にのみ歪曲が生じる
ように、格子の方向を整えて切り出されている。圧電素
子51は、後述するように、超音波を測定室28内に送
出する送信器として働くが、同時に本実施例では超音波
振動を受信して電気信号を出力する受信器としても機能
する。もとより、送信用の素子と受信用の素子とを別々
に設けて、ガスセンサを作ることも可能である。圧電素
子51としては、圧電セラミックスや水晶などの結晶体
などを適宜用いることができる。電極は、特に図示しな
いが、圧電素子51の上下面に蒸着などの手法により形
成しても良いし、金属の薄板を貼り付けて構成しても良
い。
【0021】素子ケース42は、断面が略逆「L」字形
状をしており、その内周面は、鉛直面に対して所定角度
(本実施例では約11度)の傾きでテーパが付けられて
いる。したがって、収容部43の外壁に相当する部分
は、下部、即ち保護フィルム48に近づくにつれて厚み
を増す。この結果、素子ケース42の収容部43は、フ
ランジ部41との付け根の付近で外壁の厚みが薄く、可
撓性に富み、その下端では、保護フィルム48を貼付す
るのに十分な面積を用意している。この素子ケース42
は、ほぼ円筒形に形成されているものの、端子55a,
55bが埋設されている箇所だけ、内側に突出した形状
を有する。この突出部56a,56bに埋設された端子
55a,55bは、「L」字形状に曲っており、その下
端には、リード線54a,54bがはんだ付けされる。
端子55a,55bの上端は、電子回路基板70の対応
する取り付け孔に挿入され、その場所に用意されたラン
ドにはんだ付けされる。こうして圧電素子51のリード
線54a,54bの取付を終えてから、素子ケース42
の内部には、ウレタンからなる充填材57が充填されて
いる。
【0022】素子ケース42は、フランジ部41の下面
略中央に、溶着用の鋭利な突起41a(図7(A)参
照)を円周状に備えている。この突起41aは、超音波
溶着時に溶融して、フランジ部41を、図3に示す収納
部22の支持面22aにしっかりと固着する接合部41
bとなっている。
【0023】(D) 電子回路基板70の回路及びガス
濃度検出の手法:電子回路基板70は、圧電素子51を
振動させるためのパルスを送るとともに、圧電素子51
の振動を電気信号に変換し、その伝播時間を測定するこ
とによりガス濃度を求める回路を実装している。
【0024】図示しないパージラインから送られたガス
は、導入路27、導入孔32を通り、測定室28へ流入
し、さらに排出流路35を通じて、出口34から流出す
る。このとき、導入路27からのガスの流量が多い場合
には、バイパス流路29へ流れ、出口34から排出され
る。
【0025】このようにガスが流れている状態にて、電
子回路基板70から圧電素子51にパルスが送られる
と、圧電素子51は振動して音響整合板50を共振させ
て、測定室28内に超音波を送信する。測定室28内に
送出された超音波は、比較的高い指向性を保ったまま直
進し、測定室28底部の反射部33に反射して戻ってく
る。戻ってきた超音波が保護フィルム48に到達する
と、保護フィルム48および音響整合板50を介して、
圧電素子51にその振動が伝わり、圧電素子51は、受
信器として機能して振動に応じた電気信号を出力する。
この様子を、図4に示した。図4において、圧電素子5
1が送信器として機能してから超音波が送信されると
(時刻t1)、反射部33で反射した超音波により振動
が圧電素子51に伝わり、圧電素子51が受信器として
機能して振動を受信する(時刻t2)。そして、電子回
路基板70は、送信から受信までの伝播時間(Δt)お
よびサーミスタ60による温度補正を行なうことによ
り、ガソリンの濃度を求めている。
【0026】(E) ガスセンサ10の製造工程:次
に、本実施例におけるガスセンサ10を製造する方法に
ついて説明する。このガスセンサ10を製造するに際し
ては、まず検出用素子本体40を組み立てる工程を行
う。この工程は、図5に示すように、保護フィルム48
を所定形状に切り出し、その中心に音響整合板50を接
着する。さらに、その上に、圧電素子51を中心を合わ
せて接着する。接着後、圧電素子51の電極には、リー
ド線54a,54bをはんだ付けする。
【0027】一方、図6(A)に示すように、素子ケー
ス42は、ガラスフィラ入りの合成樹脂を射出成形して
製造する。このとき、素子ケース42内には、端子55
a,55bをインサート成形する。
【0028】次に、検出用素子本体を組み立てる作業を
行う。この工程では、まず、素子ケース42に、超音波
素子組立を組み付ける。この作業は、図6(B)に示し
たように、ほぼ円形に切り出した保護フィルム48の外
周を、素子ケース42の下方の端面45に接着剤で貼付
し、固定することで行う。このとき、端面45の外周に
は、段差部46が設けられているので、端面45に保護
フィルム48を位置決めして接着するのは容易である。
この状態で、図7(A)に示したように、筒体52を、
素子ケース42の開口側から挿入し、音響整合板50の
外周に嵌め込む作業を行う。
【0029】この状態で、圧電素子51から延びる2本
のリード線54a,54bを、端子55a,55bには
んだ付けする作業を行う。以上の処理により、図7
(B)に示したように、検出用素子本体40に必要な部
品は全て組み付けられる。そこで、次に素子ケース42
の開口側から、ウレタンを充填する処理を行う。充填後
の状態を図7(C)に示した。
【0030】以上説明した検出用素子本体40の製造と
は別に、流路形成部材20の製作が行なわれる。流路形
成部材20の製作に際しては、まず金属板をプレス加工
して、インサート成形用の金属板36を作成し、これを
インサート部材として流路形成部材20を射出成形す
る。
【0031】こうして流路形成部材20を製作した後、
この流路形成部材20の収納部22の底部の取付用凹部
24に、既に製造しておいた検出用素子本体40を溶着
する作業を行う。溶着は、超音波溶着により行なう。こ
れは検出用素子本体40を所定の治具に取り付けた上
で、この検出用素子本体40を超音波領域の振動数で振
動させ、そのフランジ部41の下面を取付用凹部24の
支持面22aに強く打ちつける。フランジ部41の下面
には、突起41aが形成されているから、超音波振動に
よる力は全てこの突起41aに集中することになり、突
起41aは機械的なエネルギが集中することにより加熱
され、やがて溶融する。この結果、検出用素子本体40
は、フランジ部41下面で、流路形成部材20の収納部
22の底に形成された取付用凹部24の支持面22aに
隙間なく溶着する。検出用素子本体40の取り付けの前
後の様子を、図8(A)(B)に示した。
【0032】その後、サーミスタ60を流路形成部材2
0の挿入孔25に取り付け、さらに、検出用素子本体4
0の上に発泡体などからなる緩衝材88を載置する(図
8(B))。電子回路基板70を収納部22に収納し
て、各種の配線接続を行なった後に(図9(A))、ケ
ース80を取り付け、収納部22内にウレタンを充填す
ることにより、検出用素子本体40や電子回路基板70
をモールドする。これにより、ガスセンサ10が完成す
る(図9(B))。
【0033】(F) ガスセンサ10の作用効果:上記
ガスセンサ10によれば以下の効果を奏する。
【0034】(F)−1 上記ガスセンサ10を構成す
る流路形成部材20および素子ケース42は、樹脂によ
り形成されているので、成型が容易であり、コストダウ
ンを実現できる。
【0035】(F)−2 従来の技術で説明した金属製
の流路形成部材や素子ケースを用いた場合のように、ゴ
ムブッシュを用いる必要がないので、製造や組付作業が
簡単になり、コストの低減を図ることができる。
【0036】(F)−3 素子ケース42は、収納部2
2の支持面22aに接合部41bを介して接合され、し
かも、接合部41bは、測定室28と外部とをシールす
るので、他のシール部材を用いることなく、構成を簡単
にできる。
【0037】(F)−4 上記流路形成部材20および
素子ケース42を樹脂で形成することにより、同じ樹脂
材料であるから、超音波溶着により容易に接合すること
ができるとともに、樹脂の性質から金属よりも超音波減
衰能に優れているから、流路形成部材20から伝わるノ
イズを低減することができる。
【0038】(F)−5 接合部41bは、流路形成部
材20の支持面22aまたは素子ケース42に形成され
た鋭利な突起41aを、超音波溶着により接合している
ので、接合とシールとを同時かつ簡単に行なうことがで
きる。
【0039】(F)−6 接合部41bは、素子ケース
42のフランジ部41と流路形成部材20の支持面22
aとの間に設けられ、素子ケース42の他端側に配置さ
れた圧電素子51から離れている構成となっているの
で、圧電素子51から発せられた超音波のうち、接合部
41bから流路形成部材20へ伝わるものは、迂回して
流路形成部材20へ減衰して伝播し、さらに戻る超音波
も大きく減衰する。よって、圧電素子51は、ノイズの
影響を受けにくい。
【0040】(F)−7 フランジ部41に設けた接合
部41bは、圧電素子51から離れているので、溶着時
における熱的影響や振動に対する影響を回避することが
できる。
【0041】(F)−8 素子ケース42は、接合部4
1bを介して流路形成部材20に堅固に固定されている
ので、従来のゴムブッシュ等を利用した場合に比較し
て、ガスセンサ10の内外部の振動や熱応力によって検
出用素子本体40の移動もしくは変形が生じにくくな
る。したがって、端子55a,55bが破断したり、端
子55a,55bと電子回路基板70との接合部が破損
したりするおそれが少ない。
【0042】(F)−9 流路形成部材20に適用した
樹脂材料は、主に受信波のノイズを低減する特性に基づ
いて選択されている。すなわち、図4に示すように、圧
電素子51から送信された超音波が受信器で受信される
までの伝播時間を測定することによりガス濃度が測定さ
れる。しかし、超音波は、素子ケース42から流路形成
部材20にも伝播し、これが反射波として受信されて、
ノイズの要因になる。すなわち、図10に示すように、
送信波と受信波とが重なり合って、超音波の伝播時間を
測定することが難しくなる。
【0043】したがって、流路形成部材20に伝播する
超音波を低減すればノイズを減らすことができる。この
ための一手段として、流路形成部材20中を伝播する超
音波の減衰能を大きくする手段をとることができる。超
音波の減衰能は、材料特性に応じて異なる。このような
観点から、樹脂材料の減衰能を、図11の実験装置によ
り調べた。
【0044】図11は超音波が樹脂材料を伝播するとき
の減衰能を調べる装置を説明する説明図である。図11
において、超音波検査装置100は、送信用超音波素子
102と、受信用超音波素子104と、送信回路106
と、受信回路108と、オシロスコープ110とを備
え、送信用超音波素子102と受信用超音波素子104
との間に、試験片TPを挟持している。そして、送信用
超音波素子102を一定のバースト波で駆動すると、超
音波が試験片TPを伝播する。この伝播した超音波は、
受信用超音波素子104にて検出され、オシロスコープ
110により表示される。
【0045】送信用超音波素子102にバースト波で振
動させて超音波を試験片TP中に送信すると、図12に
示すように、オシロスコープ110に受信波が検出され
る。試験片TPは、慣性により振動を継続しようとする
が、試験片TPの減衰能に応じて、受信波が減衰するま
での時間(尾引き長さ)が変わる。このような事実に基
づき、各々の試験片TPにつき、受信波の尾引き長さの
時間を測定し、これに基づいて、樹脂材料の減衰能を判
定した。
【0046】図13は超音波の伝播特性を検出した材料
特性およびその結果を説明する説明図である。図13に
示すように、5種類の試験片(試料1〜5)を作成し
た。ここで、試料1はアルミニウム、試料2はポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)、試料3は芳香族ナイロ
ン、試料4,5はポリアセタール(POM)であり、そ
のうち試料5がガラス繊維を入れないものである。各々
の試験片は、8mm×8mm×60mmの四角柱とし
た。
【0047】図13に示すように、試験片の引張り弾性
率と、尾引き時間との間に強い相関関係があることがわ
かった。すなわち、試料2〜試料5の樹脂材料のよう
に、試料1の金属材料(アルミニウム)より、引張り弾
性率が小さいと、尾引き時間が短く、減衰能が優れてい
ることがわかった。また、樹脂材料であっても、試料3
〜試料5の樹脂材料のように、試料2の樹脂材料より引
張り弾性率が小さい場合には、尾引き時間が急激に短く
なることがわかった。すなわち、引張り弾性率が15G
Paを閾値として尾引き時間が急激に短くなり、減衰能
が大きくなることがわかった。
【0048】また、試料4と試料5とは、同じ樹脂材料
(POM)を用い、試料4にだけガラス繊維を25wt
%添加している。このように樹脂材料は、ガラス繊維を
添加すると、尾引き時間が短くなり、減衰能を向上でき
ることがわかった。これは、超音波は、樹脂の母材とガ
ラス繊維のように異なる材料の界面において大きく減衰
するためと考えられる。
【0049】さらに、流路形成部材20として適用する
樹脂材料に、ガラス繊維を添加することは、他の要素、
例えば、機械的性質を改善することができるからより好
ましい。この場合、例えば、試料3では、荷重たわみ温
度などの特性を改善できる。このような樹脂材料として
は、例えば、デュポン社のザイテルHTN51Gを用い
ることができる。
【0050】(F)−10 また、素子ケース42も流
路形成部材20と同じ樹脂材料で形成することにより、
(F)−9と同様に超音波の減衰特性を改善することが
できる。
【0051】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0052】上記実施例では、無機フィラーとして、ガ
ラス繊維を用いたが、引張り弾性率が15GPa未満を
維持することができるものであり、また、他の機械的特
性などを改善することができるものであれば、これに限
定されず、例えば、ガラスビーズ、カーボン、金属酸化
物などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガスセンサ10の概略構成を示す分解
斜視図である。
【図2】ガスセンサ10の構造を示す断面図である。
【図3】検出用素子本体40の構造を示す断面図であ
る。
【図4】超音波の伝播波形を説明する説明図である。
【図5】超音波素子組立の様子を示す説明図である。
【図6】超音波素子組立を素子ケース42に組み付ける
手順を示す説明図である。
【図7】検出用素子本体40を製造する処理を順に示す
説明図である。
【図8】検出用素子本体40を流路形成部材20の収納
部22に組み付ける様子を示す説明図である。
【図9】電子回路基板70とケース80との取付の様子
を示す説明図である。
【図10】超音波の伝播波形を説明する説明図である。
【図11】超音波が樹脂材料を伝播するときの減衰能を
調べる装置を説明する説明図である。
【図12】超音波の減衰能を説明する説明図である。
【図13】超音波の伝播特性を調べた材料の特性および
その結果を説明する説明図である。
【符号の説明】
10…ガスセンサ 20…流路形成部材 22…収納部 22a…支持面 24…取付用凹部 25…挿入孔 27…導入路 28…測定室 29…バイパス流路 31…コネクタ 32…導入孔 33…反射部 34…出口 35…排出流路 36…金属板 40…検出用素子本体 41…フランジ部 41a…突起 41b…接合部 42…素子ケース 43…収容部 45…端面 46…段差部 48…保護フィルム 50…音響整合板 51…圧電素子 52…筒体 54a,54b…リード線 55a,55b…端子 56a,56b…突出部 57…充填材 60…サーミスタ 70…電子回路基板 80…ケース 83…切り起こし部 88…緩衝材 100…超音波検査装置 102…送信用超音波素子 104…受信用超音波素子 106…送信回路 108…受信回路 110…オシロスコープ TP…試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴野 圭吾 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 大島 崇文 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 BA03 BC02 CA01 EA05 EA16 EA21 GA01 GB23

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物である気体の濃度を測定する
    ガスセンサにおいて、 樹脂材料から形成され、上記気体が存在する測定室を有
    する流路形成部材と、 上記測定室に臨んで配置され、圧電効果により超音波を
    送信または受信する超音波素子と、 を備え、 上記樹脂材料は、引張り弾性率が15GPa未満である
    材料を用いたことを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1のガスセンサにおいて、 上記樹脂材料は、無機フィラーが50wt%以下含有さ
    れているガスセンサ。
  3. 【請求項3】 請求項2のガスセンサにおいて、 上記無機フィラーは、ガラス繊維、ガラスビーズまたは
    カーボンの少なくとも1から選択されているガスセン
    サ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかのガ
    スセンサにおいて、 上記超音波素子は、上記樹脂材料と同じ樹脂材料からな
    る素子ケースに収納され、上記素子ケースを上記流路形
    成部材に熱溶着により接合したガスセンサ。
  5. 【請求項5】 請求項4のガスセンサにおいて、 上記素子ケースは、上記超音波素子を収納しかつほぼ円
    筒形状の収容部と、該収容部の一端の開口外周端に形成
    されたフランジ部と、を備え、 上記フランジ部と上記流路形成部材の支持面との間で熱
    溶着した接合部を介して接合したガスセンサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113544500A (zh) * 2019-03-14 2021-10-22 株式会社电装 气体传感器、以及气体传感器的制造方法

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