JP2003302384A - センサ - Google Patents

センサ

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JP2003302384A
JP2003302384A JP2002107462A JP2002107462A JP2003302384A JP 2003302384 A JP2003302384 A JP 2003302384A JP 2002107462 A JP2002107462 A JP 2002107462A JP 2002107462 A JP2002107462 A JP 2002107462A JP 2003302384 A JP2003302384 A JP 2003302384A
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sensor
gas
filler
urethane resin
case
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Application number
JP2002107462A
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Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Keigo Tomono
圭吾 伴野
Noboru Ishida
昇 石田
Takafumi Oshima
崇文 大島
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2291/00Indexing codes associated with group G01N29/00
    • G01N2291/02Indexing codes associated with the analysed material
    • G01N2291/028Material parameters
    • G01N2291/02809Concentration of a compound, e.g. measured by a surface mass change

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Ultrasonic Waves (AREA)
  • Transducers For Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動波の伝播特性を改善することのできるセ
ンサ構造を提供する。 【解決手段】 検出用素子本体40は、センサ素子とし
ての圧電素子51と、素子ケース42と、圧電素子51
を封止するように素子ケース42内に充填された充填材
58と、を有する。充填材58は、損失正接が0.2よ
りも大きなウレタン樹脂で形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動波を用いたセ
ンサの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、特定のガス成分の濃度や湿度
を検出するガスセンサが知られている。ガスセンサの一
例として、超音波の伝播速度の変化を利用してガソリン
や軽油などの濃度を検出するガス濃度センサがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなガス濃度セ
ンサでは、超音波素子が充填材で封止されるのが普通で
ある。充填材の材質や充填状態は、超音波の伝播特性に
大きな影響がある。しかし、従来は、充填材の材質や充
填状態が必ずしも適切に選択されていない場合があっ
た。このような問題は、超音波素子を使用するセンサに
限らず、一般に、振動波を送信または受信するための素
子を備えるセンサに共通する問題であった。なお、本明
細書において、「振動波」とは電気的な振動波ではな
く、力学的な振動波を意味する。
【0004】本発明は、上述した従来の課題を解決する
ためになされたものであり、振動波の伝播特性を改善す
ることのできるセンサ構造を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するため、本発明による
センサは、振動波の送信と受信の少なくとも一方に用い
られるセンサ素子と、前記センサ素子を収納する素子ケ
ースと、前記センサ素子を封止するように前記素子ケー
ス内に充填された充填材と、を有する素子アセンブリを
備え、前記充填材は、損失正接が0.2よりも大きなウ
レタン樹脂で形成されていることを特徴とする。
【0006】このセンサによれば、損失正接が0.2よ
りも大きなウレタン樹脂で形成された充填材によってセ
ンサ素子が封止されているので、充填材の制振性能が向
上し、センサ素子の無駄な振動を効率良く減衰させるこ
とができる。
【0007】なお、前記ウレタン樹脂は、無機フィラー
を均一に混合することによって比重が1.5以上になる
ように調整されたものであることが好ましい。比重を
1.5以上にすれば、充填材の制振性能を更に向上させ
ることができる。
【0008】また、前記無機フィラーは金属酸化物であ
ることが好ましい。金属酸化物は化学的に安定なので、
高温環境下でも長時間良好な制振性能を維持することが
可能である。
【0009】前記素子ケースは、前記素子ケースの上端
に設けられ、前記センサの他の所定の部材と結合するた
めに用いられるフランジ部を有し、前記充填材の充填量
は、前記充填材の表面の高さが前記フランジ部の下面以
下になるように設定されていることが好ましい。このよ
うに充填量を調整することによって、フランジ部で発生
する熱応力が充填材に加わりにくくすることができ、こ
の結果、振動波の伝播特性を改善することが可能であ
る。
【0010】前記ウレタン樹脂は、ブタジエンの2重結
合に水素添加されたブタジエン系樹脂成分を含むことが
好ましい。ブタジエンの2重結合は、高温環境下では他
の分子と重合し易いので、ここに水素添加されたものを
用いることによって、高温環境下でも長時間良好な制振
性能を維持することが可能である。
【0011】前記ウレタン樹脂は誘電正接が3%以下に
なるように調整されたものであることが好ましい。誘電
正接が低いウレタン樹脂を用いた場合、センサ素子の電
極間で生じる静電容量に起因するノイズをのりにくくす
ることができる。
【0012】なお、前記センサ素子は、被測定対象であ
る気体への超音波の送信及び該気体中を伝播した超音波
の受信の少なくとも一方を行うための素子であり、前記
センサは、前記超音波の伝播速度と前記気体の温度とに
応じて前記気体中に含まれる少なくとも1種類のガス成
分の濃度を検出するために利用されるものであるものと
してもよい。このセンサによれば、ガス成分の濃度を精
度良く測定することが可能である。
【0013】なお、本発明は、種々の態様で実現するこ
とが可能であり、例えば、センサ、センサ用の素子アセ
ンブリ、センサまたは素子アセンブリの製造方法、ガス
の特性または性質の検出方法または測定方法、等の態様
で実現することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例とし
てのガスセンサの分解斜視図である。このガスセンサ1
0は、超音波の伝播速度がガス濃度により変化すること
を利用してガソリン蒸気の濃度を検出するセンサであ
る。このガスセンサは、例えば内燃機関を動力源とする
車両に搭載されたキャニスタから吸気通路にガソリンを
パージする通路に配置されて、パージされるガソリン濃
度を検出する目的などに用いられる。
【0015】(A)ガスセンサの全体構成:図1に示し
たように、このガスセンサ10は、大きくは、濃度を検
出しようとするガスが通過する流路を形成する流路形成
部材20と、この流路形成部材20に一体に作り込まれ
た収納部22に収納される検出用素子本体40、流路を
通過するガスの温度を検出するサーミスタ60、検出用
素子本体40の上部に配置される電子回路基板70、収
納部22にはめ込まれる金属製のケース80から構成さ
れている。検出用素子本体40は、収納部22に設けら
れた取り付け用凹部24に超音波溶着により固定されて
おり、サーミスタ60は、取り付け用の挿入孔25に挿
入・固定されている。後述するように、検出用素子本体
40やサーミスタ60は、電気的な信号をやり取りする
ための端子を有し、この端子は、電子回路基板70の対
応する取り付け穴に挿入され、はんだ付けにより固定さ
れる。ガスセンサ10は、これら検出用素子本体40や
サーミスタ60を収納部22に固定した後、信号処理を
行なう基板である電子回路基板70を取り付け、更にケ
ース80を収納部22にはめ込み、その上で、全体をウ
レタンなどの樹脂によりモールドして製造されている。
なお、ガスセンサ10の製造工程については後述する。
【0016】(B)流路形成部材20の構成:ガスセン
サ10の流路形成部材20は、ガラスフィラー入りの合
成樹脂を成形したものであり、その引張り弾性率は、ガ
スセンサとして適切な値に調整されている。この流路形
成部材20は、図1に示したように、上部に検出用素子
本体40を収納する収納部22を備え、その下部に、検
出用のガスが流通する流路を有する。主な流路として
は、ガスセンサ10にガソリン蒸気が含まれるガスを導
入する導入路27,このガスにおけるガソリン濃度を超
音波により検出するための測定室28,測定室28に対
してガスをバイパスするバイパス流路29が形成されて
いる。測定室28は、検出用素子本体40のほぼ直下
に、バイパス流路29は、サーミスタ60のほぼ直下
に、それぞれ設けられている。
【0017】こうした流路構造を詳しく説明するため
に、ガスセンサ10の垂直断面を図2に示す。図2は、
ガスセンサ10を、導入路27および検出用素子本体4
0の軸線を含む平面で切断した断面図である。なお、ガ
スセンサ10は最終的には樹脂(例えばウレタン)が充
填されてモールドされるが、図2では、図示の簡明さを
図って、全体をモールドする樹脂は描いていない。図2
に示したように、流路形成部材20の内部は、流路に着
目すれば、導入路27、測定室28、バイパス流路29
に分かれている。これらは、成形時の型を可動可能に設
けることにより容易に成形することができる。導入路2
7はバイパス流路29に直角に連通しており、更に導入
孔32を介して測定室28とも連通している。バイパス
流路29の下方は出口34が形成されており、導入路2
7から導入されたガソリン蒸気を含むガスは、出口34
から排出され、この実施例では、内燃機関の吸気通路に
図示しないホースにより接続されている。バイパス流路
29の出口34と反対側の端部は、サーミスタ60が取
り付けられる挿入孔25として形成される。従って、サ
ーミスタ60は、導入路27から流入したガスの温度に
所定の関係を持って、これを検出することになる。
【0018】測定室28は、上部が検出用素子本体40
が取り付けられる凹部24(図1)に連通しており、そ
の下方には、超音波を反射するための反射部33が形成
されている。この反射部33の働きについては、後述す
るが、測定室28の底部からは、所定距離(本実施例で
は数ミリ)持ち上げられた構造となっており、この反射
部33の周囲の空隙は、そのまま測定室28の底部に連
通する排出流路35を介してバイパス流路29につなが
っている。このため、導入路27から導入孔32を通っ
て流入したガスは、測定室28の内部に充満し、所定の
割合で、排出流路35からバイパス流路29に出てい
く。なお、排出流路35は、測定室28の底部に設けら
れていることから、測定室28内の水蒸気やガソリン蒸
気などが結露して液化した場合、これらの水滴・油滴を
排出するドレインとしても働く。反射部33の周囲の溝
に溜まった液体が排出されやすいように、反射部33の
周辺外形は、排出流路35に向けて傾斜されている。
【0019】流路形成部材20の上部に形成された収納
部22には、上述したように、測定室28に連通する開
口を有する取り付け用凹部24や、サーミスタ取り付け
用の挿入孔25などが形成されているが、この収納部2
2に相当する場所には、金属板36がインサート成形さ
れている。この金属板36は、その一隅に切り起こし部
83を備える。この切り起こし部83は、インサート成
形された後、図1に示したように、収納部22の内側に
立設された状態となり、電子回路基板70を取り付ける
際、基板上の取付孔72に挿入される。取付孔72に
は、接地ラインに接続されたランドが用意されており、
切り起こし部83は、このランドにはんだ付けされる。
なお、電子回路基板70側の取付孔の内寸を、切り起こ
し部83より小さくし、切り起こし部83を、内側に導
電材料がメッキされた取付孔72に圧入することで、機
械的に電気的な接触を実現するものとしても良い。もと
より、圧接、嵌合、かみ合わせなどの手法を採用するこ
とも可能である。
【0020】収納部22の外側には、電気信号をやりと
りするためのコネクタ31が形成されており、コネクタ
31を形成する端子(図示せず)は、収納部22の外壁
をこの部分で貫通している。
【0021】図2からも理解できるように、流路形成部
材20の成形時には、電子回路基板70を収納する回路
基板収納室23と測定室28とが連通し、また、回路基
板収納室23と挿入孔25(「温度測定室」とも呼ぶ)
が連通するように、流路形成部材20が樹脂で一体的に
成形される。但し、組み立て後の状態では、回路基板収
納室23と測定室28との間は検出用素子本体40で封
止されており、また、回路基板収納室23と挿入孔25
との間もサーミスタ60によって封止されている。
【0022】なお、後述するように、検出用素子本体4
0は、超音波の音速検出用の素子と、他の部材(例えば
電気的な接続のための端子など)とを含むので、「音速
検出素子アセンブリ(音速検出素子組立体)」、また
は、単に「素子アセンブリ」とも呼ぶ。
【0023】(C)検出用素子本体40の構造:検出用
素子本体40の構造を、図3の断面図に示した。この検
出用素子本体40は、図1に示したように、組立後は円
盤形状となるが、これはフランジ部41を有する合成樹
脂製の素子ケース42の内部に、後述する圧電素子51
などを収納したのち、ウレタンを内部に充填しているか
らである。素子ケース42のフランジ部41は、収納部
22に設けられた取り付け用凹部24(図1)より大径
に形成されており、フランジ部41の下部の収容部43
は、凹部24より小径に形成されている。この素子ケー
ス42単体の状態では、収容部43の下面は開口されて
おり、その端面45の外側縁部には、段差部46が形成
されている。製造時には、この段差部46の内側に、耐
ガソリン性のある材料を用いた円形の保護フィルム48
が接着される。
【0024】保護フィルム48の中心には、円柱形状の
音響整合板50が接着・固定されており、この音響整合
板50の上面には超音波素子である圧電素子51が接着
・固定されている。音響整合板50は、圧電素子51の
振動を、保護フィルム48を介して効率よく、空気中に
(本実施例では測定室28へ)送出するために設けられ
ている。音波や超音波は、媒質の密度の差が存在する場
所で反射し易いので、圧電素子51を直接保護フィルム
48に接着するのではなく、音響整合板50を介して接
合することにより、圧電素子51の振動を効率よく超音
波として測定室28内に送出することができる。本実施
例では、音響整合板50として、多数の小さなガラス玉
をエポキシ系樹脂で固めたものを用いた。また、これら
の音響整合板50と圧電素子51とを取り囲むように、
筒体52が配置されている。この筒体52は、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム52aに銅箔52cを接着
層52bを介して貼り合わされたものであり、銅箔52
c側を内側にして円筒形に巻き、端面を重ねて貼り合わ
せたものである。この筒体52の内径は、音響整合板5
0の外径と略一致しているので、筒体52は、音響整合
板50の外周に密着している。両者は接着されていな
い。
【0025】圧電素子51は、ピエゾなどの電歪素子を
円柱形に形成したものであり、軸方向上下面に形成され
た電極に電圧を印加した際、軸方向にのみ歪曲が生じる
ように、格子の方向を整えて切り出されている。圧電素
子51は、後述するように、超音波を測定室28内に送
出する送信器として働くが、同時に本実施例では超音波
振動を受信して電気信号を出力する受信器としても機能
する。もとより、送信用の素子と受信用の素子とを別々
に設けて、ガスセンサを作ることも可能である。圧電素
子51としては、圧電セラミックスや水晶などの結晶体
などを適宜用いることができる。電極は、特に図示しな
いが、圧電素子51の上下面に蒸着などの手法により形
成しても良いし、金属の薄板を貼り付けて構成しても良
い。
【0026】素子ケース42は、断面が略逆「L」字形
状をしており、その内周面は、鉛直面に対して所定の角
度(本実施例では約11度)の傾きでテーパが付けられ
ている。従って、収容部43の外壁に相当する部分は、
下部、即ち保護フィルム48に近づくにつれて厚みを増
す。この結果、素子ケース42の収容部43は、フラン
ジ部41との付け根の付近で外壁の厚みが薄く、可撓性
に富み、その下端では、保護フィルム48を貼付する充
分な面積を用意している。この素子ケース42は、ほぼ
円筒形に形成されているものの、端子55a,55bが
埋設されている箇所だけ、内側に突出した形状を有す
る。この突出部56a,56bに埋設された端子55
a,55bは、「L」字形状に曲っており、その下端に
は、リード線54a,54bがはんだ付けされる。端子
55a,55bの上端は、電子回路基板70の対応する
取り付け孔に挿入され、その場所に用意されたランドに
はんだ付けされる。こうして圧電素子51のリード線5
4a,54bの取付を終えてから、素子ケース42の内
部には、ウレタンが充填される。
【0027】素子ケース42は、フランジ部41の下面
略中央に、溶着用の突起59を円周状に備えている。こ
の突起59は、超音波溶着時に溶融して、フランジ部4
1を、収納部22の取り付け用凹部24にしっかりと固
着する。
【0028】(D)電子回路基板70とその回路および
ガス濃度検出の手法:次に、電子回路基板70の構造
と、その取付について説明する。電子回路基板70は、
ガラスエポキシ基板に予めエッチング等により回路パタ
ーンを形成したものであり、部品の取付位置にランドや
スルーホールが設けられている。また、検出用素子本体
40やサーミスタ60、あるいはコネクタ31の端子な
どが取付られる部位には、それぞれの端子形状に合わせ
た大きさの取付孔が設けられ、その周囲をランドパター
ンが取り巻いている。従って、完成した電子回路基板7
0は、所定の位置に、信号処理用の各種部品、例えば信
号処理用の集積回路(IC)や、抵抗器,コンデンサな
どが取り付けられており、これを、検出用素子本体40
やサーミスタ60の取付が完了した収納部22に装着
し、はんだ付けを行なうことで、電気的な回路構成は完
了する。ガスセンサ10の製造としては、最終的には樹
脂モールドを行なうが、この点は、後で製造方法の項で
一括して説明する。
【0029】こうして完成したガスセンサ10の電気的
な構成を、図4のブロック図に示す。図示するように、
この電子回路基板70は、マイクロプロセッサ91を中
心に構成されており、マイクロプロセッサ91に接続さ
れた各回路素子、即ち、デジタル−アナログコンバータ
(D/Aコンバータ)92、ドライバ93、増幅器96
が接続されたコンパレータ97等を備える。サーミスタ
60は、直接マイクロプロセッサ91のアナログ入力ポ
ートPAPに接続されている。また、ドライバ93と増
幅器96は、検出用素子本体40に接続されている。
【0030】ドライバ93はマイクロプロセッサ91か
らの指令を受けて、短時間だけ検出用素子本体40の圧
電素子51を駆動する回路である。ドライバ93が出力
するこの矩形波の信号を受けると、圧電素子51は振動
し、送信器として機能して、超音波を測定室28内に送
出する。
【0031】測定室28内に送出された超音波は、比較
的高い指向性を保ったまま直進し、測定室28底部の反
射部33に反射して戻ってくる。戻ってきた超音波が保
護フィルム48に到達すると、保護フィルム48および
音響整合板50を介して、圧電素子51にその振動は伝
わり、圧電素子51は今度は受信器として機能して、振
動に応じた電気信号を出力する。この様子を、図5に示
した。図において、区間P1は、ドライバ93が信号を
出力しており、圧電素子51が送信器として機能してい
る期間を、区間P2は、反射部33で反射した超音波に
より振動が圧電素子51に伝わり、圧電素子51が受信
器として機能している期間を、それぞれ示している。
【0032】受信器として機能した際の圧電素子51の
信号は、増幅器96に入力されて増幅される。この増幅
器96の出力は、コンパレータ97に入力されており、
ここで予め用意された閾値Vref と比較される。閾値V
ref は、ノイズなどの影響により増幅器96が出力する
誤信号を弁別できるレベルである。誤信号としては、ノ
イズなどによるものの他、検出用素子本体40自身が持
っている残響などの影響によるものがある。
【0033】図5に示されているように、圧電素子51
が送信器として機能するときにも、圧電素子51の信号
が増幅器96で増幅され、受信波形RVとして出力され
る。この受信波形RVは、圧電素子51の送信動作が終
了した後にも直ちに減衰せず、ある程度の時間に渡って
受信波形が残存する。この理由は、送信時の振動が圧電
素子51近傍において減衰するのに時間を要するためで
ある。送信動作が終了した後の振動は「残響」と呼ばれ
ている。なお、本明細書では、残響を含む送信時の受信
波形RVを「残響波」と呼ぶ。
【0034】コンパレータ97は、増幅器96からの信
号を閾値Vref と比較することにより、圧電素子51が
受信した振動の大きさが所定以上になったときにその出
力を反転する。このコンパレータ97の出力をマイクロ
プロセッサ91により監視し、圧電素子51からの最初
の超音波の出力タイミング(図5のタイミングt1)か
ら、コンパレータ97の出力が反転するまで(図5のタ
イミングt2)の時間Δtを計測することにより、超音
波が測定室28内の反射部33までの距離Lを往復する
のに要した時間を知ることができる。超音波が、ある媒
質中を伝播する速度Cは、次式(1)に従うことが知ら
れている。
【0035】
【数1】
【0036】この式(1)は、複数の成分が混在してい
るガスについて成り立つ一般式であり、変数nは、第n
成分についてであることを示すサフィックスである。従
って、Cpnは測定室28内に存在するガスの第n成分
の定圧比熱、Cvnは測定室28のガスの第n成分の定
積比熱、Mnは第n成分の分子量、Xnは第n成分の濃
度比を表している。また、Rは気体定数、Tは測定室2
8内のガスの温度、である。ガスに関する比熱などは知
られているので、伝播速度Cは、測定室28内のガスの
温度Tと濃度比Xnにより定まることになる。超音波の
伝播速度Cは、圧電素子51から反射部33までの距離
Lを用いて、 C=2×L/Δt …(2) と表せるから、Δtを計測すれば、濃度比Xn、即ち、
ガソリン濃度を求めることができる。なお、本実施例で
は、ガソリン蒸気の濃度を検出したが、濃度が既知の場
合には、温度Tや距離Lを求めるセンサとして用いるこ
とも可能である。
【0037】マイクロプロセッサ91は、上記の式に従
う演算を高速に行ない、求めたガソリン濃度に対応した
信号をD/Aコンバータ92を介して出力する。この信
号SGNLがコネクタ31の端子を介して外部に出力さ
れる。実施例では、この信号SGNLは、内燃機関の燃
料噴射量を制御しているコンピュータに出力され、ここ
で、キャニスタからのガソリンのパージ量を勘案して、
燃料噴射量を補正するといった処理に用いられる。な
お、図4には、電源関係のラインは特に図示しなかった
が、マイクロプロセッサ91を初めとする各素子には、
いずれも直流電圧Vccを供給する電源ラインとグラン
ド(接地ライン)とが接続されている。このうち接地ラ
インは、既に説明したように、流路形成部材20の収納
部22の位置にインサート成形された金属板36とケー
ス80とに接続されている。図4では、これらの部材は
模式的に描いたが、金属板36(図2参照)とケース8
0(図1参照)とは、互いに組み合わさって検出用素子
本体40を覆う箱体を構成しており(図2参照)、これ
を同電位に保っていることから、電気的には電磁シール
ドを実現している。従って、内部に収納された検出用素
子本体40や電子回路基板70は、その外部からのノイ
ズに対して効果的に保護される。
【0038】(E)検出用素子本体40の充填材58の
材質と充填状態:図6は、検出用素子本体40(音速検
出素子アセンブリ)の充填材58の充填状態を示す説明
図である。但し、図6では説明の便宜上、圧電素子51
周辺の筒体52(図3)や端子55a,55bなどのい
くつかの部材の図示が省略されている。
【0039】実施例で用いた素子ケース42の寸法は以
下の通りである。 ・素子ケース42の全体高さH:10.5mm ・素子収納部の底面開口部の直径D:14mm ・素子収納部の上端開口部の直径d:18mm ・素子収納部の外径O:20mm ・フランジ部41の厚みF:3.0mm ・素子ケース42の底面から圧電素子51の上面までの
高さh:3.5mm但し、これらの寸法は一例であり、
他の寸法を採用することも可能である。
【0040】素子ケース42の内部には、圧電素子51
を封止するために充填材58が充填されている。この充
填材58としては、例えばウレタン樹脂を利用すること
が好ましい。充填材58は、圧電素子51の振動を減衰
させる働きがあり、これによってセンサの性能を向上さ
せる効果がある。より具体的に言えば、図5の増幅器出
力の波形に現れているように、圧電素子51は送信波形
の入力後に慣性振動を起こし、これが残響となる。この
残響が長いと、受信波と重なってしまい、センサの測定
精度が低下する。従って、充填材58の材質としては、
振動の減衰効果が高く、圧電素子51の慣性振動を十分
に抑制できるものが好ましい。
【0041】充填材58の振動減衰効果(制振効果)を
向上させるため、通常は、充填材58の材料(例えばウ
レタン樹脂)に重金属など混入させて比重を大きくする
工夫がなされる。本実施例では、比重のみでなく、損失
正接(後述する)にも注目して充填材58の減衰効果を
向上させる工夫を行った。
【0042】図7は、本発明の第1実施例と比較例にお
ける充填材58の特性を示している。第1実施例では、
硬化後の比重が1.64となるウレタン混合物の2液性
の原液を用いた。このウレタン原液は、比重増加用混入
物(フィラー)としての金属酸化物が予め均一に混入さ
れたものである。金属酸化物としては、例えばアルミナ
(Al23)を用いることができる。また、フィラーと
しては、金属酸化物以外の無機フィラーを用いることも
可能である。第1実施例では、フィラーとして金属酸化
物を予め均一に混合することによって、硬化後のウレタ
ン樹脂の比重が1.64になるように調整されたウレタ
ン原液を用いた。このウレタン原液としては、例えばサ
ンユレック株式会社(大阪府高槻市)の品番SZ−11
37を用いることができる。充填材58の充填時には、
まず、この2液性のウレタン原料を混合し、この混合液
を素子ケース42内に所定の高さjまで注入して圧電素
子51を封止した。
【0043】第1実施例で用いたウレタン樹脂の損失正
接tanδは、0.30であった。ここで、「損失正接
tanδ」とは、応力と歪みの位相角δの正接の値であ
り、一般に「振動吸収係数」とも呼ばれている。
【0044】損失正接tanδは以下のように導かれ
る。ある物体に架せられた応力に対する歪みの位相遅れ
を考慮した粘弾性の考え方に基づくと、弾性率E* は次
の(3)式のように複素数で表される。 E* =E’+ iE” …(3)
【0045】ここで、E’は物体の弾性的特性(貯蔵弾
性率)、E”は粘性的特性(損失弾性率)である。損失
弾性率E”は、熱として消費されるエネルギを反映して
いる。損失正接tanδは、次の(4)式のように損失
弾性率E”と貯蔵弾性率E’の比として表される。 tanδ=E”/E’ …(4)
【0046】この損失正接tanδは、振動吸収性を表
す尺度(粘弾性系における減衰性能の尺度)として用い
ることができる。
【0047】比較例(図7)では、硬化後の比重が1.
00となるウレタン混合物の2液性の原液を用いた。こ
のウレタン原液は、比重増加用混入物(フィラー)が配
合されていないものである。比較例では、ウレタン原液
とは別に、比重増加用の混入物として重金属粉末を準備
した。この重金属粉末としては鉛粉末を用いた。充填材
58の充填時には、まず、2液性のウレタン原料を重金
属粉末とともに混合し、この混合液を素子ケース42内
に所定の高さjまで注入して圧電素子51を封止した。
重金属粉末の混合量は、硬化後の充填材58の比重が
1.64となるように調整した。比較例で用いたウレタ
ン樹脂の損失正接tanδは、0.20であった。
【0048】図8は、第1実施例と比較例における残響
長さの測定結果を示す説明図である。図8(A)は、図
5に示した増幅器出力のより具体的な波形を示してい
る。図8(B)は、比較例と第1実施例の残響長さの測
定結果を示しており、横軸は損失正接、縦軸は残響長さ
である。ここで、「残響長さ」とは、送信の開始時刻か
ら、残響波(送信時の受信波形)の振幅が所定の閾値以
下になる時刻までの時間を意味している。このときの閾
値は、例えば最大振幅の50%に設定される。
【0049】図8(B)から明らかなように、第1実施
例のウレタン樹脂の損失正接(0.30)は、比較例の
ウレタン樹脂の損失正接の値(0.20)よりもかなり
大きな値である。損失正接は、粘弾性系における減衰性
能の尺度を表しているので、損失正接が大きいと、その
制振効果も高いことが理解できる。この意味から、ウレ
タン樹脂の損失正接の値は、0.20よりも大きなこと
が好ましく、0.25〜0.4の範囲が特に好ましい。
【0050】なお、残響長さが短いほど、残響波と受信
波とが重なる可能性が低くなり、センサの測定精度が向
上するという利点がある。また、残響長さが短いほど測
定室28(図2)の長さも短くすることができるので、
センサの全体をコンパクトにできるという利点もある。
【0051】また、第1実施例のウレタン樹脂では、そ
の原液に金属酸化物が予め混合されているので、充填時
に改めて混入物(フィラー)を計量して混合するという
工程が不要になるという利点がある。また、充填時のフ
ィラー量の誤差によって充填材58の材質が代わってし
まうことを防止できるという利点もある。
【0052】図9は、実施例における比重と残響長さの
関係を示すグラフである。ここでは、図6に示した第1
実施例における金属酸化物の混入量を調整することによ
って、種々の比重のウレタン樹脂を生成して用いた。こ
の図9から理解できるように、比重が大きいほど残響長
さが短くなり、より好ましい。ウレタン樹脂の比重は、
無機フィラーを均一に混合させることによって1.5以
上とすることが好ましく、1.6〜1.9の範囲が特に
好ましい。
【0053】図10は、図6に示した第1実施例と比較
例の構造に熱衝撃を加えたときのセンサ感度の変化を示
すグラフである。ここで、「センサ感度」とは、受信波
(図8(A))の最大振幅を意味している。熱衝撃は、
センサを収納した熱衝撃実験装置内に、120℃と−4
0℃の空気を50分ずつ交互に導入することによって実
現した。
【0054】第1実施例は、比較例に比べてセンサ感度
が低下し難く、高温環境下においても長期間安定した性
能を保つことができた。この理由は、第1実施例ではウ
レタン樹脂として耐熱性の高いものを用いており、ウレ
タンが熱により酸化劣化して硬度や弾性が変化するのを
防いでいるからである。すなわち、第1実施例で使用し
たウレタン樹脂(サンユレック株式会社のSZ−113
7)は、以下に説明するように、ブタジエンの2重結合
に水素添加されたブタジエン系樹脂成分を含んでいる。
【0055】通常のブタジエン系樹脂成分は、以下のよ
うに二重結合を含んでいる。 〜CH2 −CH=CH−CH2
【0056】このブタジエンの二重結合は、高温環境下
において切断されて他の分子と重合してしまう傾向があ
る。一方、第1実施例で用いられているウレタン樹脂で
は、以下のように、ブタジエンの2重結合に水素が添加
されており、2重結合が除去されている。 〜CH2 −CH2 −CH2 −CH2
【0057】2重結合が存在しない場合には、高温環境
下において2重結合が切断されるという現象が生じない
ため、他の分子と重合する恐れが無く、この結果、ウレ
タン樹脂の耐熱性が向上する。第1実施例では、このよ
うなウレタン樹脂を用いたことによって、比較例に比べ
て耐久性が向上しているものと推測される。但し、使用
条件等によっては、2重結合への水素添加を行わないウ
レタン樹脂を使用することも可能である。
【0058】図11(A)は、実施例のウレタン樹脂の
充填量が残響長さに与える影響を示すグラフである。横
軸の充填量jは、図6に示すように、素子ケース42の
底面から充填材58の表面までの高さを意味している。
ここでは、4.5mm,6.5mm,10.5mmの3
つの充填量jの値について、それぞれ複数サンプルを作
成して実験した平均値が黒丸で示されている。また、黒
丸を中心とした上下の範囲は、標準偏差σの3倍値であ
る3σの範囲である。図11(B)〜図11(D)は、
3つの充填量jのときの充填状態を示す断面図である。
充填量jが7.5mmのとき(図11(C))には、充
填材58の表面がフランジ部41の下面41aとほぼ一
致している。充填量jが10.5mmのとき(図11
(D))には、充填材58の表面がフランジ部41の上
面41b(すなわち素子ケース42の上面)とほぼ一致
している。
【0059】図11(A)のグラフから理解できるよう
に、充填量jが多くなるほど残響長さも長くなる傾向に
ある。その第1の理由は、充填量jが少ないほど、ウレ
タン樹脂自身の熱膨張による変形が少なくなり、圧電素
子51への熱応力も少なくなるからである。第2の理由
は、充填量jが多い場合には、フランジ部41で発生し
た熱応力がフランジ部41から直接充填材58に伝わる
からである。特に、フランジ部41は、センサケースで
ある流路形成部材20(図2)に結合されるので、高温
環境下では素子ケース42の熱膨張が流路形成部材20
によって規制され、これによってフランジ部41に熱応
力が発生する。図11(D)に示すような充填量jが多
い場合には、このフランジ部41に発生した熱応力が充
填材58に直接加わることになる。従って、充填材58
の表面がフランジ部41の下面41a以下の高さになる
ように充填量jを設定することによって、充填材58に
加わる熱応力を低減することができ、センサ性能を向上
させることが可能である。
【0060】また、実施例に使用されたウレタン樹脂は
誘電正接が3%以下になるように調整されている。すな
わち、誘電正接が低いウレタン樹脂を用いることでセン
サ素子の電極間で生じる静電容量に起因するノイズをの
りにくくすることが可能であり、より好適である。
【0061】(F)ガスセンサの製造方法:次に、本実
施例におけるガスセンサ10を製造する方法について、
説明する。図12は、ガスセンサの製造工程を示す工程
図である。図示するように、このガスセンサ10を製造
するに際しては、まず圧電素子を組み立てる(工程S1
00)。他方、こうして得られた圧電素子組立を封入す
る素子ケース42(図3)を用意する(工程S11
0)。素子ケース42は、ガラスフィラー入りの合成樹
脂を射出成形して製造するが、削り出しなどの手法によ
っても良い。
【0062】次に、検出用素子本体40を組み立てる作
業を行なう(工程S120)。この工程では、まず、工
程S110で製造した素子ケース42に、工程S100
で組み立てた圧電素子組立を組み付ける。この状態で、
筒体52を、素子ケース42の開口側から挿入し、音響
整合板50の外周に嵌め込む作業を行なう(工程S13
0)。作業に先立って、銅箔52cを接着層52bを介
してポリエチレンテレフタレートフィルム52aに貼り
合わせたものを、予め音響整合板50の外径に合わせた
内径に巻き、筒体52として製造しておく。筒体52
は、特に接着などはせず、音響整合板50に嵌め合わせ
ただけである。
【0063】この状態で、圧電素子51から延びる2本
のリード線54a,54bを、端子55a,55bには
んだ付けなどの手法で接続する作業を行なう(工程S1
40)。以上の処理により、検出用素子本体40に必要
に部品は全て組み付けられる。そこで、次に素子ケース
42の開口側から、ウレタンを充填する処理を行なう
(工程S150)。なお、図2,図3ではウレタンは省
略されている。
【0064】以上説明した検出用素子本体40の製造と
は別に、流路形成部材20(図2)の製作が行なわれ
る。この工程を工程S200以下に示した。流路形成部
材20の製作に際しては、まず金属板をプレス加工し
て、インサート成形用の金属板36を成形する処理を行
なう(工程S200)。
【0065】次に、流路形成部材20を、その内部に金
属板36を備えるようにインサート成形する処理を行な
う(工程S210)。流路形成部材20は、ガラスフィ
ラー入りの合成樹脂を用いて成形する。
【0066】こうして流路形成部材20を製作した後、
この流路形成部材20の収納部22の底部の凹部24
に、既に製造しておいた検出用素子本体40を溶着する
作業を行なう(工程S230)。溶着は、超音波溶着に
より行なう。これは検出用素子本体40を所定の治具に
取り付けた上で、この検出用素子本体40を超音波領域
の振動数で振動させて、そのフランジ部41(図3)の
下面を収納部22の接合面に強く打ちつける。図3に示
すように、フランジ部41の下面には、突起59が形成
されているから、超音波振動による力は全てこの突起5
9に集中することになり、突起59は機械的なエネルギ
が集中することにより加熱され、やがて溶融する。この
結果、検出用素子本体40は、フランジ部41下面で、
流路形成部材20の収納部22の接合面に隙間なく溶着
する。検出用素子本体40の取り付けの前後の様子を、
図13(A)(B)に示した。なお、溶着は、熱板溶着
など、他の手法に拠っても良い。
【0067】検出用素子本体40の取り付けと前後し
て、サーミスタ60を流路形成部材20の挿入孔25に
取り付ける作業も行なう(工程S240)。その後、検
出用素子本体40の上に緩衝材88を載置する(工程S
250)。
【0068】緩衝材88を配置した後、図14(A)に
示したように、電子回路基板70上に用意された取り付
け孔に、次の4つの部材を嵌め合わせつつ、電子回路基
板70を、上方から、収納部22に収納する(工程S2
60)。即ち、 ・金属板36から切り起こされて収納部22底部に立設
している切り起こし部83、 ・検出用素子本体40から突出した端子55a,55
b、 ・サーミスタ60の端子64a,64b、 ・コネクタ31の4本の端子、 の4つの部材を、電子回路基板70の所定の取付孔に嵌
合する。このうちコネクタ31の複数の端子のうち、図
4に示したGND,SGNL,Vcc用の端子を、電子
回路基板70上の取付孔周囲に設けられたランドにはん
だ付けする。
【0069】次に、図14(B)に示したように、この
収納部22にケース80を取り付ける作業を行なう(工
程S270)。このとき、ケース80に設けられた挿入
孔85に、コネクタ31の複数の端子のうちの1本の端
子31dを貫通させ、その後、これをはんだ付けまたは
ロウ付けする。これでケース80の取付作業は完了す
る。その後、収納部22内に樹脂(本実施例ではウレタ
ン)を充填する作業を行なう(工程S280)。ウレタ
ンで検出用素子本体40や電子回路基板70をモールド
するのである。なお、図14では、樹脂モールドした樹
脂は描いていない。その後、測定室28に濃度を他の検
出装置で検出したガソリン蒸気を含むガスを導入し、ガ
スセンサ10を動作させて、その出力を較正(キャリブ
レーション)する処理を行なう(工程S290)。ガス
センサ10の較正は、この実施例では、検出結果から、
ガスセンサ10の出力と他の測定装置で検出済みのガソ
リン濃度との関係を示す較正曲線を求めて、これをマイ
クロプロセッサ91に内蔵したEEPROMに書き込む
ことで行なったが、ウレタンの充填前に、電子回路基板
70上に用意したトリマなどを調整することで行なうよ
うにしても良い。後者の場合には、ケース80に調整用
の工具を差し入れるための開口部を設けておき、ケース
80を取り付けた状態(樹脂モールド未実施の状態)で
調整を行なうことが望ましい。
【0070】以上、本発明のいくつかの実施例について
説明したが、本発明はこうした実施例に何ら限定される
ものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲内におい
て変更することが可能である。
【0071】例えば、本発明は、超音波を用いた他の種
類のセンサ(例えば比熱センサ)にも適用可能であり、
また、超音波以外の振動波を用いて種々の性質を検出す
るセンサに適用することができる。また、本発明は、上
記実施例のように送信部および受信部の両方として機能
するセンサに限らず、振動波の送信部と受信部のうちの
いずれか一方としてのみ機能するセンサにも適用可能で
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガスセンサ10の概略構成を示す分解
斜視図である。
【図2】ガスセンサ10の構造を示す断面図である。
【図3】検出用素子本体40の構造を示す断面図であ
る。
【図4】電子回路基板70の内部の電気的な構成を示す
説明図である。
【図5】超音波を用いたガス濃度の検出の原理を説明す
る説明図である。
【図6】検出用素子本体40(音速検出素子アセンブ
リ)の充填構造を示す説明図である。
【図7】第1実施例と比較例における充填材の特性を示
す説明図である。
【図8】第1実施例と比較例における残響長さの測定結
果を示す説明図である。
【図9】実施例における比重と残響長さの関係を示すグ
ラフである。
【図10】第1実施例と比較例の構造に熱サイクルを加
えたときのセンサ感度の変化を示すグラフである。
【図11】実施例のウレタン樹脂の充填量が残響長さに
与える影響を示すグラフである。
【図12】実施例におけるガスセンサ10の製造方法を
示す工程図である。
【図13】検出用素子本体40を流路形成部材20の収
納部22に組み付ける様子を示す説明図である。
【図14】電子回路基板70とケース80との取付の様
子を示す説明図である。
【符号の説明】
10…ガスセンサ 20…流路形成部材 22…収納部 23…回路基板収納室 24…凹部 25…挿入孔 27…導入路 28…測定室 29…バイパス流路 31…コネクタ 31d…端子 32…導入孔 33…反射部 34…出口 35…排出流路 36…金属板 40…検出用素子本体 41…フランジ部 41a…下面 42b…上面 42…素子ケース 43…収容部 45…端面 46…段差部 48…保護フィルム 50…音響整合板 51…圧電素子 52…筒体 52a…ポリエチレンテレフタレートフィルム 52b…接着層 52c…銅箔 54a,54b…リード線 55a,55b…端子 56a,56b…突出部 58…充填材 59…突起 60…サーミスタ 64a,64b…端子 70…電子回路基板 72…取付孔 80…ケース 83…切り起こし部 85…挿入孔 87…リング 88…緩衝材 91…マイクロプロセッサ 92…D/Aコンバータ 93…ドライバ 96…増幅器 97…コンパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伴野 圭吾 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 大島 崇文 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 BC02 BC15 CA01 GA01 GA18 GB11 GB28 5D019 AA21 AA22 FF01 GG05 GG07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサであって、 振動波の送信と受信の少なくとも一方に用いられるセン
    サ素子と、 前記センサ素子を収納する素子ケースと、 前記センサ素子を封止するように前記素子ケース内に充
    填された充填材と、を有する素子アセンブリを備え、 前記充填材は、損失正接が0.2よりも大きなウレタン
    樹脂で形成されていることを特徴とするセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセンサであって、 前記ウレタン樹脂は、無機フィラーを均一に混合するこ
    とによって比重が1.5以上になるように調整されたも
    のである、センサ。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセンサであって、 前記無機フィラーは金属酸化物である、センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載のセ
    ンサであって、 前記素子ケースは、前記素子ケースの上端に設けられ、
    前記センサの他の所定の部材と結合するために用いられ
    るフランジ部を有し、 前記充填材の充填量は、前記充填材の表面の高さが前記
    フランジ部の下面以下になるように設定されている、セ
    ンサ。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれかに記載のセ
    ンサであって、 前記ウレタン樹脂は、ブタジエンの2重結合に水素添加
    されたブタジエン系樹脂成分を含む、センサ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかに記載のセ
    ンサであって、前記ウレタン樹脂は誘電正接が3%以下
    になるように調整されたものである、センサ。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載のセ
    ンサであって、 前記センサ素子は、前記センサの被測定対象である気体
    への超音波の送信及び該気体中を伝播した超音波の受信
    の少なくとも一方を行うための素子であり、 前記センサは、前記超音波の伝播速度と前記気体の温度
    とに応じて前記気体中に含まれる少なくとも1種類のガ
    ス成分の濃度を検出するために利用されるものである、
    センサ。
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