JP2003254950A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JP2003254950A
JP2003254950A JP2002060605A JP2002060605A JP2003254950A JP 2003254950 A JP2003254950 A JP 2003254950A JP 2002060605 A JP2002060605 A JP 2002060605A JP 2002060605 A JP2002060605 A JP 2002060605A JP 2003254950 A JP2003254950 A JP 2003254950A
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protective film
gas sensor
gas
liquid
ultrasonic
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JP2002060605A
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Hideki Ishikawa
秀樹 石川
Yoshikuni Sato
美邦 佐藤
Takashi Morita
剛史 森田
Masashi Sakamoto
将士 阪本
Noboru Ishida
昇 石田
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Niterra Co Ltd
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスセンサは、測定ガス中に含まれている液
体によって伝搬効率の低下を生じ難く、また超音波素子
を確実に取り付けることができる。 【解決手段】 ガスセンサは、素子ケース42と、圧電
素子51と、音響整合板50と、保護フィルム48と、
を有する検出用素子本体40と、保護フィルム48を測
定室28に臨んで配置する収納部22とを有する流路形
成部材20と、を備えている。素子ケース42の開口下
端43aは、段差部46が形成され、保護フィルム48
の中心部位より液体に対する表面張力を小さくした親液
性部位であり、保護フィルム48の超音波放射面に液体
が付着するのを回避する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象物が所定
体積の流路に存在する気体であるガスセンサの構造に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から測定用素子を用いて、流路に存
在する気体の性質として、例えば特定成分の濃度や温
度、あるいは湿度などを測定するガスセンサが知られて
いる。こうしたガスセンサでは、測定用素子からの信号
を電気的に処理して、気体の性質に対応した電気信号と
して出力する。ガスセンサの一例として、自動車など内
燃機関を搭載した輸送機器に設けられ、超音波の伝搬速
度の変化を利用してガソリンや軽油などの濃度を検出す
るガス濃度センサを取り上げる。こうしたガス濃度セン
サは、例えば自動車に搭載されたキャニスタから内燃機
関の吸気管に接続されたパージラインの途中に設けら
れ、センサに形成された所定体積の流路に、ガソリンな
どが含まれる蒸発燃料ガスが通過するよう構成される。
ガソリン蒸気の濃度が変化すると、媒質中を通過する超
音波の速度が変化するので、この変化を超音波の受信器
で検出し、信号を処理して、ガソリン濃度に対応した信
号として出力するのである。
【0003】このようなガスセンサとして、例えば、特
開2000−241398号公報が知られている。図1
1はガスセンサ100の要部を説明する説明図である。
ガスセンサ100は、気体が存在する測定室102を構
成する流路形成部材104と、この測定室102に臨ん
で設けられた素子ケース110と、素子ケース110内
に収納された圧電素子112と、音響整合板114と、
充填材116とを備えている。圧電素子112と音響整
合板114とは、互いに接着されるとともに、音響整合
板114が保護フィルム118を介して素子ケース11
0の開口下端110aに接着されている。測定室102
には、ガソリンや水などの液体を含んだガスが流れ、圧
電素子112から送信された超音波の伝搬時間を測定す
ることにより、ガソリン濃度を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記保護フィルム11
8は、測定室102に面しているために、図12に示す
ように、ガスに含まれているガソリンや水などの液体L
qが結露して表面に付着することがある。図13は圧電
素子112からの送受信波を示す。保護フィルム118
の中心部位は、超音波の放射面であるから、液体が付着
すると、図13に示したように受信波の減衰が大きくな
り、超音波の伝搬効率の低下を生じるという問題があ
る。また、圧電素子112から送信された超音波が液体
Lqで反射して、受信ノイズの原因になることもある。
【0005】また、保護フィルム118は、組付作業時
や測定室102内を流れるガス流により剥がす方向への
力を受けることがある。このような力を受けて保護フィ
ルム118が剥がれたり、損傷したりした場合には、充
填材116が液体に晒され、膨潤して圧電素子112の
特性を劣化させることがある。
【0006】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るものであり、測定ガス中に含まれている液体によって
超音波の伝搬効率の低下を生じ難く、また受信ノイズを
低減し、さらに超音波素子を確実に取り付けることがで
きるガスセンサを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた本発明は、測定対象物
である気体の濃度を測定するガスセンサにおいて、収容
室の一端を開口とする収容部を有する素子ケースと、収
容室に収納され圧電効果により超音波を送信または受信
する超音波素子と、上記開口の周囲に形成される開口下
端に装着され超音波素子を支持する保護フィルムと、を
有する検出用素子本体と、上記気体が存在する測定室
と、上記保護フィルムを測定室に臨んで配置する収納部
とを有する流路形成部材と、を備え、上記保護フィルム
の外周部は、該保護フィルムの中心部位より液体に対す
る親和性を大きくした親液性部位であること、を特徴と
する。
【0008】本発明にかかるガスセンサでは、流路形成
部材の測定室内に存在するガスを、素子ケースに収納さ
れた超音波素子から送信される超音波の伝搬時間を測定
することにより、ガスの濃度を測定する。例えば、測定
室内に水蒸気やガソリンなどが含まれているガスを導入
して、ガス濃度を測定する場合には、水蒸気やガソリン
などが結露して、保護フィルムに付着する。保護フィル
ムの外周部は、親液性部位となっており、中心部位より
外周部の方が液体に対する親和性が大きいから、液体
は、保護フィルムの中心部位に付着せず、外周部に付着
する。したがって、超音波の放射面となる中心部位に液
体が付着しにくいので、超音波を減衰させる要因となら
ず、伝搬効率が低下しない。
【0009】上記親液性部位の好適な態様として、収容
部の開口下端に設けられかつ保護フィルムの周縁を取り
付けるための端面と、この端面の外縁の少なくとも一部
に沿いかつ収容部の下端から延設された段差部と、を備
えて構成することができる。段差部は、液体の表面張力
を保護フィルムの中心部位より大きくする形状であるか
ら、液体が優先して付着する。このような段差部は、収
容部の下端から延設するという形状の変更でよいから、
構成も簡単である。なお、段差部は、上記端面の全周に
わたって突設するほか、親液性を付与するための有効な
範囲となるように一部に突設してもよい。
【0010】また、段差部は、保護フィルムの外周端を
外部に露出しないように覆うから、検出用素子本体が組
付時に他の部材と当たっても保護フィルムの外周端が大
きな力を受けることがなく、また、保護フィルムの外周
端がガス流により大きな力を受けることもない。よっ
て、保護フィルムの剥離により、検出用素子本体内がガ
ス流に直接に晒されるという不具合を生じることもな
く、超音波素子の特性を劣化させることもない。
【0011】また、段差部の内側に形成された端面は、
その外径が保護フィルムより僅かな公差をもって形成す
ることにより、保護フィルムを開口下端側から入れれ
ば、段差部が保護フィルムを位置決め支持するから、保
護フィルムと素子ケースとの中心のずれを一定値のバラ
ツキに収めることができる。したがって、保護フィルム
を素子ケースの開口下端に取り付けるための位置決め用
の治具が不要であり、作業性に優れている。
【0012】段差部は、素子ケースと一体に形成するほ
か、素子ケースの開口下端に装着される別部材で形成
し、この部材との間で保護フィルムを挟持することによ
り取り付ける構成であってもよい。
【0013】また、本発明の親液性部位の他の好適な態
様として、保護フィルムの周縁部に形成され、液体に対
する親液性の大きい材料から構成することができる。す
なわち、親液性部位は、保護フィルムの外周部を、中心
部位より液体に対する親和性の大きい別の部材で形成し
たり、その表面を界面活性剤により化学的被膜処理した
りすることにより構成できる。
【0014】さらに、保護フィルムを端面に接着剤で接
着する場合には、接着剤に液体に対する親和性が高いも
のを用いるとともに、接着剤を保護フィルムの外周端か
ら露出させかつ覆うように塗布する。これにより、保護
フィルムの外周端からはみ出した部分が、親液性部位と
して作用する。この場合には、特別の部材や形状変化を
必要としないから、構成が簡単である。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施例とし
てのガスセンサの分解斜視図である。このガスセンサ1
0は、超音波の伝搬速度がガス濃度により変化すること
を利用してガソリン蒸気の濃度を検出するセンサであ
る。このガスセンサは、例えば内燃機関を動力源とする
車両に搭載されたキャニスタから吸気通路にガソリンを
パージする通路に配置されて、パージされるガソリン濃
度を検出する目的などに用いられる。
【0016】(A)ガスセンサ10の全体構成:図1に
示したように、このガスセンサ10は、大きくは、濃度
を測定しようとするガスが通過する流路を形成する流路
形成部材20と、この流路形成部材20に一体に作り込
まれた収納部22に収納される検出用素子本体40と、
流路を通過するガスの温度を検出するサーミスタ60
と、検出用素子本体40の上部に配置される電子回路基
板70と、収納部22にはめ込まれる金属製のケース8
0と、から構成されている。検出用素子本体40は、収
納部22に設けられた取付用凹部24に超音波溶着によ
り固定されており、サーミスタ60は、取り付け用の挿
入孔25に挿入・固定されている。後述するように、検
出用素子本体40やサーミスタ60は、電気的な信号を
やり取りするための端子を有し、この端子は、電子回路
基板70の対応する取り付け穴に挿入され、はんだ付け
により固定される。ガスセンサ10は、これら検出用素
子本体40やサーミスタ60を収納部22に固定した
後、電子回路基板70を取り付け、さらにケース80を
収納部22にはめ込み、その上で、全体をウレタンなど
の樹脂によりモールドして製造されている。なお、ガス
センサ10の製造工程については、後で、詳しく説明す
る。
【0017】(B)流路形成部材20の構成:ガスセン
サ10の流路形成部材20は、ガラスフィラ入りの合成
樹脂を成形したものであり、その弾性率はガス濃度セン
サとして適切な値に調整されている。この流路形成部材
20は、図1に示したように、上部に検出用素子本体4
0を収納する収納部22を備え、その下部に、測定用の
ガスが流通する流路を有する。主な流路としては、ガス
センサ10にガソリン蒸気が含まれるガスを導入する導
入路27、このガスにおけるガソリン濃度を超音波によ
り測定するための測定室28、測定室28に対してガス
をバイパスするバイパス流路29が形成されている。測
定室28は、検出用素子本体40のほぼ直下に、バイパ
ス流路29は、サーミスタ60のほぼ直下に、それぞれ
設けられている。
【0018】こうした流路構造を詳しく説明するため
に、ガスセンサ10の垂直断面を図2に示す。図2は、
ガスセンサ10を、導入路27および検出用素子本体4
0の軸線を含む平面で切断した断面図である。図示する
ように、流路形成部材20の内部は、流路に着目すれ
ば、導入路27、測定室28、バイパス流路29に分か
れている。導入路27はバイパス流路29に直角に連通
しており、さらに導入孔32を介して測定室28とも連
通している。バイパス流路29の下方は出口34が形成
されており、導入路27から導入されたガソリン蒸気を
含むガスは、出口34から排出され、この実施例では、
内燃機関の吸気通路に図示しないホースにより接続され
ている。バイパス流路29の出口34と反対側の端部
は、サーミスタ60が取り付けられる挿入孔25として
形成される。したがって、サーミスタ60は、導入路2
7から流入したガスの温度に所定の関係を持って、これ
を測定することになる。
【0019】測定室28は、上部が検出用素子本体40
が取り付けられる取付用凹部24に連通しており、その
下方には、超音波を反射するための反射部33が形成さ
れている。この反射部33の働きについては、後述する
が、測定室28の底部からは、所定距離(本実施例では
数ミリ)持ち上げられた構造となっており、この反射部
33の周囲の空隙は、そのまま測定室28の底部に連通
する排出流路35を介してバイパス流路29につながっ
ている。このため、導入路27から導入孔32を通って
流入したガスは、測定室28の内部に充満し、所定の割
合で、排出流路35からバイパス流路29に出ていく。
なお、排出流路35は、測定室28の底部に設けられて
いることから、測定室28内の水蒸気やガソリン蒸気な
どが結露して液化した場合、これらの水滴・油滴を排出
するドレインとしても働く。
【0020】流路形成部材20の上部に形成された収納
部22には、上述したように、測定室28に連通する開
口を有する取付用凹部24や、サーミスタ取り付け用の
挿入孔25などが形成されているが、この収納部22に
相当する場所には、金属板36がインサート成形されて
いる。この金属板36は、図示するように、収納部22
の底面形状にほぼ倣う形状をしている。この金属板36
は、その一隅に切り起こし部83を備える。この切り起
こし部83は、インサート成形された後、図1に示した
ように、収納部22の内側に立設された状態となり、電
子回路基板70を取り付ける際、基板に接地される。
【0021】また、収納部22の側部には、電気信号を
やりとりするためのコネクタ31が形成されており、電
子回路基板70に接続されている。
【0022】(C)検出用素子本体40の構造:検出用
素子本体40の構造を、図3の断面図に示した。この検
出用素子本体40は、図1に示したように、組立後は円
盤形状となるが、これはフランジ部41を有する合成樹
脂製の素子ケース42の内部に、後述する超音波素子と
しての圧電素子を収納したのち、ウレタンを内部に充填
しているからである。素子ケース42のフランジ部41
は、収納部22に設けられた取付用凹部24より大径に
形成されており、フランジ部41の下部の収容部43
は、取付用凹部24より小径に形成されている。この収
容部43の下面は開口されており、その端面45の外側
縁部には、段差部46が形成されている。製造時には、
この段差部46の内側に、耐ガソリン性を有する円形の
保護フィルム48が接着される。端面45の外径は、保
護フィルム48の外周より、やや大きく、所定の公差を
もって形成されている。
【0023】保護フィルム48の中心には、円柱形状の
音響整合板50が接着・固定されており、この音響整合
板50の上面には圧電素子51が接着・固定されてい
る。また、これらの音響整合板50と圧電素子51とを
取り囲むように、筒体52が配置されている。この筒体
52の内径は、音響整合板50の外形と略一致している
ので、筒体52は、音響整合板50の外周に密着してい
る。両者は接着されていない。
【0024】圧電素子51は、ピエゾなどの電歪素子を
円柱形に形成したものであり、軸方向上下面に形成され
た電極に電圧を印加した際、軸方向にのみ歪曲が生じる
ように、格子の方向を整えて切り出されている。圧電素
子51は、後述するように、超音波を測定室28内に送
出する送信器として働くが、同時に本実施例では超音波
振動を受信して電気信号を出力する受信器としても機能
する。もとより、送信用の素子と受信用の素子とを別々
に設けて、ガスセンサを作ることも可能である。圧電素
子51としては、圧電セラミックスや水晶などの結晶体
などを適宜用いることができる。電極は、特に図示しな
いが、圧電素子51の上下面に蒸着などの手法により形
成してもよいし、金属の薄板を貼り付けて構成してもよ
い。
【0025】素子ケース42は、断面が略逆「L」字形
状をしており、その内周面は、鉛直面に対して所定角度
(本実施例では約11度)の傾きでテーパが付けられて
いる。したがって、収容部43の外壁に相当する部分
は、下部、即ち保護フィルム48に近づくにつれて厚み
を増す。この結果、素子ケース42の収容部43は、フ
ランジ部41との付け根の付近で外壁の厚みが薄く、可
撓性に富み、その下端では、保護フィルム48を貼付す
る充分面積を用意している。この素子ケース42は、ほ
ぼ円筒形に形成されているものの、端子55a,55b
が埋設されている箇所だけ、内側に突出した形状を有す
る。この突出部56a,56bに埋設された端子55
a,55bは、「L」字形状に曲っており、その下端に
は、リード線54a,54bがはんだ付けされる。端子
55a,55bの上端は、電子回路基板70の対応する
取り付け孔に挿入され、その場所に用意されたランドに
はんだ付けされる。こうして圧電素子51のリード線5
4a,54bの取付を終えてから、素子ケース42の内
部には、ウレタンからなる充填材57が充填されてい
る。
【0026】素子ケース42は、フランジ部41の下面
略中央に、溶着用の鋭利な突起41a(図7(A)参
照)を円周状に備えている。この突起41aは、超音波
溶着時に溶融して、フランジ部41を、図3に示す収納
部22の支持面22aにしっかりと固着する接合部41
bとなっている。
【0027】(D) 電子回路基板70の回路及びガス
濃度検出の手法:電子回路基板70は、圧電素子51を
振動させるためのパルスを送るとともに、圧電素子51
の振動を電気信号に変換し、その伝搬時間を測定するこ
とによりガス濃度を求める回路を実装している。
【0028】図示しないパージラインから送られたガス
は、導入路27、導入孔32を通り、測定室28へ流入
し、さらに排出流路35を通じて、出口34から流出す
る。このとき、導入路27からのガスの流量が多い場合
には、バイパス流路29へ流れ、出口34から排出され
る。
【0029】このようにガスが流れている状態にて、電
子回路基板70から圧電素子51にパルスが送られる
と、圧電素子51は振動して音響整合板50を共振させ
て、測定室28内に超音波を送信する。測定室28内に
送出された超音波は、比較的高い指向性を保ったまま直
進し、測定室28底部の反射部33に反射して戻ってく
る。戻ってきた超音波が保護フィルム48に到達する
と、保護フィルム48および音響整合板50を介して、
圧電素子51にその振動が伝わり、圧電素子51は、受
信器として機能して振動に応じた電気信号を出力する。
この様子を、図4に示した。図4において、圧電素子5
1が送信器として機能してから超音波が送信されると
(時刻t1)、反射部33で反射した超音波により振動
が圧電素子51に伝わり、圧電素子51が受信器として
機能して振動を受信する(時刻t2)。そして、電子回
路基板70は、送信から受信までの伝搬時間Δtおよび
サーミスタ60による温度補正を行なうことにより、ガ
ソリンの濃度を求めている。
【0030】(E) ガスセンサ10の製造工程:次
に、本実施例におけるガスセンサ10を製造する方法に
ついて説明する。このガスセンサ10を製造するに際し
ては、まず検出用素子本体40を組み立てる工程を行
う。この工程は、図5に示すように、保護フィルム48
を所定形状に切り出し、その中心に音響整合板50を接
着する。さらに、その上に、圧電素子51を中心を合わ
せて接着する。接着後、圧電素子51の電極には、リー
ド線54a,54bをはんだ付けする。
【0031】一方、図6(A)に示すように、素子ケー
ス42は、ガラスフィラ入りの合成樹脂を型に流し込ん
で製造する。このとき、素子ケース42内には、端子5
5a,55bをインサート成形する。
【0032】次に、検出用素子本体を組み立てる作業を
行う。この工程では、まず、素子ケース42に、圧電素
子組立を組み付ける。この作業は、図6(B)に示した
ように、ほぼ円形に切り出した保護フィルム48の外周
を、素子ケース42の下方の端面45に接着剤で貼付
し、固定することで行う。このとき、端面45の外周に
は、段差部46が設けられているので、端面45に保護
フィルム48を位置決めして接着するのは容易である。
この状態で、図7(A)に示したように、筒体52を、
素子ケース42の開口側から挿入し、音響整合板50の
外周に嵌め込む作業を行う。
【0033】この状態で、圧電素子51から延びる2本
のリード線54a,54bを、端子55a,55bには
んだ付けする作業を行う。以上の処理により、図7
(B)に示したように、検出用素子本体40に必要な部
品は全て組み付けられる。そこで、次に素子ケース42
の開口側から、ウレタンを充填する処理を行う。充填後
の状態を図7(C)に示した。
【0034】以上説明した検出用素子本体40の製造と
は別に、流路形成部材20の製作が行なわれる。流路形
成部材20の製作に際しては、まず金属板をプレス加工
して、インサート成形用の金属板36を作成し、これを
インサート部材として流路形成部材20を射出成形す
る。
【0035】こうして流路形成部材20を製作した後、
この流路形成部材20の収納部22の底部の取付用凹部
24に、既に製造しておいた検出用素子本体40を溶着
する作業を行う。溶着は、超音波溶着により行なう。こ
れは検出用素子本体40を所定の治具に取り付けた上
で、この治具ごと超音波領域の振動数で振動させ、その
フランジ部41の下面を取付用凹部24の接合面に強く
打ちつける。フランジ部41の下面には、突起41aが
形成されているから、超音波振動による力は全てこの突
起41aに集中することになり、突起41aは機械的な
エネルギが集中することにより加熱され、やがて溶融す
る。この結果、検出用素子本体40は、フランジ部41
下面で、流路形成部材20の収納部22の底に形成され
た取付用凹部24の接合面に隙間なく溶着する。検出用
素子本体40の取り付けの前後の様子を、図8(A)
(B)に示した。
【0036】その後、サーミスタ60を流路形成部材2
0の挿入孔25に取り付け、さらに、検出用素子本体4
0の上に発泡体などからなる緩衝材88を載置する(図
8(B))。電子回路基板70を収納部22に収納し
て、各種の配線接続を行なった後に(図9(A))、ケ
ース80を取り付け、収納部22内にウレタンを充填す
ることにより、検出用素子本体40や電子回路基板70
をモールドする。これにより、ガスセンサ10が完成す
る(図9(B))。
【0037】(F) ガスセンサ10の作用効果:上記
ガスセンサ10によれば以下の効果を奏する。
【0038】(F)−1 図10に示すように、上記ガ
スセンサ10では、測定室28内に水蒸気やガソリンな
どが含まれているガスを導入して、ガス濃度を測定する
が、このときに、水蒸気やガソリンなどが結露して、保
護フィルム48に付着する。段差部46は、液体の表面
張力を保護フィルム48の中心部位より大きくする形状
であるから、液体が優先して付着する。すなわち、段差
部46の周囲に液体Lqが付着し、保護フィルム48の
中央部、つまり超音波放射面に液体が付着しない。よっ
て、図4に示したように、受信波の強度は、保護フィル
ム48に付着した液体などによって、従来の技術で説明
した図13のように受信波が減衰することもなく、超音
波の伝搬効率が低下せず、また、受信ノイズの原因とな
ることもない。
【0039】(F)−2 上記段差部46は、収容部4
3の下端から延設するという形状の変更でよいから、構
成も簡単である。
【0040】(F)−3 段差部46は、保護フィルム
48の外周端を外部に露出しないように覆うから、検出
用素子本体40が組付時に他の部材と当たっても保護フ
ィルム48の外周端が大きな力を受けることがなく、ま
た、保護フィルム48の外周端がガス流により大きな力
を受けることもない。よって、保護フィルム48の剥離
により、検出用素子本体40内がガス流に直接に晒され
るという不具合を生じることもなく、圧電素子51の特
性を劣化させることもない。
【0041】(F)−4 図6に示すように、段差部4
6の内側に形成された端面45は、その外径が保護フィ
ルム48の外径より大きくかつ所定の公差をもって形成
することにより、保護フィルム48を開口下端43a側
から入れれば、段差部46が保護フィルム48を位置決
め支持するから、保護フィルム48と素子ケース42と
の中心のずれを一定値のバラツキに収めることができ
る。したがって、保護フィルム48を素子ケース42の
開口下端43aに取り付けるための位置決め用の治具が
不要であり、作業性に優れている。
【0042】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例のガスセンサ10の概略構成を示す分解
斜視図である。
【図2】ガスセンサ10の構造を示す断面図である。
【図3】検出用素子本体40の構造を示す断面図であ
る。
【図4】送受信波の伝搬する様子を説明する説明図であ
る。
【図5】圧電素子組立の様子を示す説明図である。
【図6】圧電素子組立を素子ケース42に組み付ける手
順を示す説明図である。
【図7】検出用素子本体40を製造する処理を順に示す
説明図である。
【図8】検出用素子本体40を流路形成部材20の収納
部22に組み付ける様子を示す説明図である。
【図9】電子回路基板70とケース80との取付の様子
を示す説明図である。
【図10】ガスセンサ10の作用を説明する説明図であ
る。
【図11】従来のガスセンサ100の要部を説明する説
明図である。
【図12】従来のガスセンサ100の課題を説明する説
明図である。
【図13】従来のガスセンサ100の送受信波を説明す
る説明図である。
【符号の説明】
10...ガスセンサ 20...流路形成部材 22...収納部 22a...支持面 24...取付用凹部 25...挿入孔 27...導入路 28...測定室 29...バイパス流路 31...コネクタ 32...導入孔 33...反射部 34...出口 35...排出流路 36...金属板 40...検出用素子本体 41...フランジ部 41a...突起 41b...接合部 42...素子ケース 43...収容部 43a...開口下端 45...端面 46...段差部 48...保護フィルム 50...音響整合板 51...圧電素子 52...筒体 54a,54b...リード線 55a,55b...端子 56a,56b...突出部 57...充填材 60...サーミスタ 70...電子回路基板 80...ケース 83...切り起こし部 88...緩衝材 Lq...液体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 剛史 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 阪本 将士 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 (72)発明者 石田 昇 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特殊 陶業株式会社内 Fターム(参考) 2G047 AA01 AC05 BA03 BC02 CA01 EA04 EA05 EA11 GA02 GA03 GA09 GB12 GB28 GF06 GG30 GG43

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物である気体の濃度を測定する
    ガスセンサにおいて、 収容室の一端を開口とする収容部を有する素子ケース
    と、上記収容室に収納され圧電効果により超音波を送信
    または受信する超音波素子と、上記開口の周囲に形成さ
    れる開口下端に装着され超音波素子を支持する保護フィ
    ルムと、を有する検出用素子本体と、 上記気体が存在する測定室と、上記保護フィルムを該測
    定室に臨んで配置する収納部とを有する流路形成部材
    と、 を備え、 上記保護フィルムの外周部は、該保護フィルムの中心部
    位より液体に対する親和性を大きくした親液性部位であ
    ること、 を特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】 請求項1のガスセンサにおいて、 上記親液性部位は、上記収容部の上記開口下端に設けら
    れかつ上記保護フィルムの周縁を取り付けるための端面
    と、該端面の外縁の少なくとも一部に沿いかつ上記収容
    部の下端から延設された段差部と、を備えているガスセ
    ンサ。
  3. 【請求項3】 請求項1のガスセンサにおいて、 上記親液性部位は、上記保護フィルムの周縁部に形成さ
    れ、液体に対する親液性の大きい材料から形成されてい
    るガスセンサ。
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