JP4120447B2 - 車両用液面検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて液体の液面位置を検出する車両用液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等において燃料の量、すなわち燃料液面を検出する車両用液面検出装置としては、燃料の表面に浮くフロートに回動腕を設け、液面の変動によるフロートの位置変化に応じて回動腕を回動させ、その回動角度変化をたとえば電気抵抗変化に変換するものが一般的である。しかしながら、このような機械式の液面検出装置は、体格が大きく設置場所が制限される、あるいは検出精度があまり良くない、等の問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、液面を機械的に検出するのではなく、たとえば、超音波を発射し液面からの反射波を受信して液面を検出する方法、つまり非接触式の液面検出装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
これは、超音波発振素子と筒体を備える超音波センサを液体容器中の底部に配置し、筒体に超音波発振素子に対向して液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体を設け、液面レベル測定用反射体により超音波発振素子から発せられた超音波を筒体に設けられた開口部を通して液面に向けて反射し、この超音波の液面における反射波を超音波センサにより受信し、一方、伝搬時間測定用反射体により超音波発振素子から発せられた超音波を直接伝搬時間測定用反射体に向けて反射しこれを超音波センサにより受信する構成としている。この場合、液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体を並列に配置している。すなわち、超音波センサから発せられた超音波の進行方向に直行する方向、言い換えると筒体の幅方向に並んでいる。そして、液面レベル測定用反射体を介した液面からの反射波の受信信号および伝搬時間測定用反射体からの反射波の受信信号に基づいて液面位置を算出している。これにより、液面検出装置の体格を小型化できると共に、検出精度を向上することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−153471号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、超音波センサから発せられた超音波の進行経路について考えると、伝搬時間測定用反射体からの反射波の進行経路は、液面レベル測定用反射体を介した液面からの反射波の進行経路よりも短くなっている。このため、伝搬時間測定用反射体からの反射波が超音波センサで伝搬時間測定用反射体に向けて反射され、この超音波の伝搬時間測定用反射体による反射波、すなわち二次反射波が超音波センサに入射し、超音波センサが再度受信信号を出力する場合がある。
【0007】
この場合、二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して、精度の高い液面検出が困難となる。
【0008】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、伝搬時間測定用反射体による二次反射波の超音波センサへの入射を抑制して、良好な検出精度が得られる車両用液面検出装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、タンク内の底部に配置される超音波発振素子と、超音波発振素子を保持固定するための固定部材と、超音波発振素子が発射した超音波をタンク内の液体の液面に向かい且つ液面への入射角が0度となるように反射する測定用反射部材と、超音波発振素子が発射した超音波を超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材とを備え、超音波発振素子は固定部材の校正用反射部材および測定用反射部材とは反対側の面である裏面に固定され、超音波発振素子を発振させて固定部材の校正用反射部材および測定用反射部材側の面である表面から超音波を液体中に発射するとともに液面で反射した反射波および校正用反射部材の反射面で反射した反射波を受信して液面位置を検出する車両用液面検出装置において、表面の校正用反射部材に対向する部分と校正用反射部材の反射面とを、互いに平行な位置関係ではなく、所定角度だけ傾斜するような位置関係に配置する構成とした。
【0011】
従来の車両用液面検出装置では、超音波発振素子の振動により超音波が発射される表面および校正用反射部材の反射面とは平行な関係に配置されている。このため、表面から校正用反射部材までの超音波の進行経路と校正用反射部材から表面までの反射波の進行経路とは一致している。すなわち、表面から発射された超音波の校正用反射部材への入射角および校正用反射部材からの反射波の表面への入射角はともに0度である。言い換えると、表面および校正用反射部材間において超音波は同一経路を往復している。したがって、校正用反射部材からの二次反射波は確実に表面に入射する。
【0012】
これに対して、本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置では、表面の校正用反射部材に対向する部分と校正用反射部材の反射面とを、互いに平行な位置関係ではなく、所定角度、つまりθだけ傾斜するような位置関係に配置する構成とした。
【0013】
この場合、表面から発射された超音波の校正用反射部材への入射角は0度ではなく、表面と校正用反射部材との成す角度である所定角度θとなり、さらに校正用反射部材から上述の所定角度θで出射する。この反射波は、表面の最初に超音波が発射された発射点とは異なる点に入射角2θで入射し、且つ出射角2θで出射する。
【0014】
すなわち、表面から発射された超音波および校正用反射部材による反射波の表面および校正用反射部材上における入射点位置は、反射を繰返す度に、表面と校正用反射部材とがより離間する側へ移動していく。
【0015】
したがって、表面の校正用反射部材に対向する部分と校正用反射部材の反射面との成す角度を適切な値に設定すれば、二次反射波は固定部材外方へ進行するため表面に入射することはない。したがって、超音波発振素子が二次反射波による受信信号を出力することを防止して、二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという不具合をなくして、良好な検出精度が得られる車両用液面検出装置を実現できる。
【0016】
本発明の請求項2に記載の車両用液面検出装置では、表面の校正用反射部材に対向する部分と校正用反射部材の反射面との成す傾斜角度は、校正用反射部材の反射面で表面に向かって反射した超音波が表面で反射した際に再び校正用反射部材の反射面に入射しないような角度である構成としている。
【0017】
これにより、校正用反射部材からの反射波が表面で反射した超音波は校正用反射部材の外へ進行するので、二次反射波は発生せず、超音波発振素子が二次反射波による受信信号を出力することを確実に防止できる。
【0018】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、タンク内の底部に配置される超音波発振素子と、超音波発振素子を保持固定するための固定部材と、超音波発振素子が発射した超音波を前記タンク内の液体の液面に向かい且つ液面への入射角が0度となるように反射する反射部材と、超音波発振素子が発射した超音波を超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材とを備え、超音波発振素子は固定部材の校正用反射部材および反射部材とは反対側の面である裏面に固定され、超音波発振素子を発振させて固定部材の校正用反射部材および反射部材側の面である表面から超音波を液体中に発射するとともに液面で反射した反射波および校正用反射部材の反射面で反射した反射波を受信して液面位置を検出する車両用液面検出装置において、超音波発振素子の発振面は略円形に形成され、測定用反射部材および校正用反射部材は、超音波発振素子が発射する超音波の進行方向において超音波発振素子側から校正用反射部材、測定用反射部材の順で重なるように配置され、校正用反射部材には発振面と略同心上の円形貫通孔が設けられ、超音波発振素子から発射される超音波は校正用反射部材の貫通孔を通過して測定用反射部材に到達し、表面の校正用反射部材に対向する部分は貫通孔と略同心上且つ校正用反射部材に向かって凸の円錐面状または球面状に形成される、あるいは、校正用反射部材は貫通孔と略同心上且つ表面に向かって凸の円錐面状または球面状に形成される構成としている。
【0019】
上述の構成によれば、表面の校正用反射部材に対向する部分と校正用反射部材の反射面とは、互いに平行な位置関係ではなく、所定角度だけ傾斜するような位置関係に配置される。
【0020】
したがって、円錐面の中心角を調整して、表面の校正用反射部材に対向する部分と校正用反射部材の反射面との成す角度を適切な値に設定すれば、本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置の場合と同様に、二次反射波を固定部材外方へ進行させて表面に入射させないことができ、超音波発振素子が二次反射波による受信信号を出力することを防止することができる。
【0021】
この場合、本発明の請求項4に記載の車両用液面検出装置のように、表面全域を貫通孔と略同心上且つ校正用反射部材に向かって凸の球面状に形成しても、同様の効果が得られる、すなわち超音波発振素子が二次反射波による受信信号を出力することを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態による車両用液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における、液体としての燃料7を貯蔵するタンクである燃料タンク2の部分断面図である。また、図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。
【0024】
図2は、図1中のII矢視図である。なお、各図においては、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0025】
図3は、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路構成を説明する模式図である。
【0026】
燃料液面検出装置1は、大きくは、図1に示すように、タンクである燃料タンク2、超音波発振素子である超音波センサ3、超音波センサ3を燃料タンク2に固定する固定部材であるブラケット4、測定用反射部材である測定プレート5および校正用反射部材である校正プレート6から構成されている。
【0027】
以下に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0028】
超音波発振素子である超音波センサ3は、図1に示すように、液体を貯蔵するタンクである自動車の燃料タンク2内の底面21上に、固定部材であるブラケット4を介して固定されている。
【0029】
超音波センサ3は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化し、且つ外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から構成され、両電極(図示せず)間に電圧を印加すると、発振面31が、図1中の左右方向に振動する。超音波センサ3は、ブラケット4に発振面31を密着させて固定されている。したがって、発振面31の振動がブラケット4に伝わり、ブラケット4の表面である表面41、42が振動して、表面41、42から燃料7中に超音波が発射される。また、表面41、42に超音波が入射し、それにより発振面31が振動すると、超音波センサ3の両電極(図示せず)間に電圧が発生し、これが受信信号として出力される。また、超音波センサ3は円盤状に形成され、したがって、発振面31は円形をなしている。これにより、超音波センサ3とブラケット4との位置関係の方向性を無くして、つまり、超音波センサ3は、その発振面31の中心軸Cに対する取り付け角度は任意となるので、超音波センサ3のブレケット4への取り付け作業性を向上できる。また、超音波センサ3は、その両電極にリード線32が接続され、このリード線32を介して超音波センサ3に電圧が印加され、且つ受信信号が外部へ出力される。リード線32は、燃料タンク2の外部へ気密的に引き出されている。
【0030】
ブラケット4は、たとえば樹脂材料から形成され、燃料タンク2内において底面21に固定されている。ブラケット4には、超音波センサ3が、発振面31をブラケット4の裏面43に密着させて固定されている。また、ブラケット4は、超音波センサ3の発振面31の振動により、後述する測定用反射部材である測定プレート5および校正用反射部材である校正プレート6に向けて超音波を発射する表面である表面41および表面42が形成されている。なお、図2に示すように、表面41は測定プレート5の反射面51に対向して、表面42は校正プレート6の反射面61に対向して設けられている。
【0031】
測定プレート5および校正プレート6は、樹脂材料または金属材料で形成されている。一般に、金属材料は樹脂材料に比べて超音波の反射率が高いので、測定プレート5および校正プレート6を金属材料で形成すれば、超音波センサ3における反射波の受信信号レベルを高めることができる。
【0032】
測定プレート5は、その反射面51において、ブラケット4の表面41から発射される超音波センサ3からの超音波を、燃料タンク2内の液面71に向けて、且つ液面への入射角が0度となるように、言い換えると、図1に示すように、超音波の伝播経路Aと液面71との成す角度が90度となるように反射するように配置されている。これにより、超音波センサ3から発射され測定プレート5の反射面51を経て液面71へ到達した超音波を、液面71で反射した後、往きと同じ経路を辿って進行させ、確実に超音波センサ3に入射させることができる。なお、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、当該自動車への搭載時において、燃料液面71と燃料タンク2の底面21とは平行関係にあるので、測定プレート5は、図1に示すように、反射面51を底面21に対して45度傾斜させて取り付けられている。
【0033】
校正プレート6は、その反射面61において、ブラケット4の表面42から発射される超音波センサ3からの超音波を、超音波センサ3に向けて、つまり表面42に向けて反射するように配置されている。
【0034】
次に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の特徴である表面42と校正プレート6との位置関係、およびその作用・効果について説明する。
【0035】
超音波センサ3の発振面31の振動により超音波を発射するブラケット4の表面の校正プレート6に対向する部分である表面42と校正プレート6の反射面61とは、従来の車両用液面検出装置のように平行な関係、つまり表面42は表面41と同一平面上にある関係、ではなくて、図2に示すように角度θだけ傾斜させて配置されている。
【0036】
このため、超音波センサ3の発振面31の振動により表面42から発射される超音波は、従来の車両用液面検出装置の場合のようにブラケット4、校正プレート6間を同一経路を経て往復するのではなく、図2中に示す伝播経路Bのように、往路と復路とは異なる経路となっている。すなわち、図2に示すように、表面42から発射されて校正プレート6の反射面61で反射された超音波の表面42への入射点42bの位置は、発射点42aの位置よりも、図2の下側、つまり表面42と校正プレート6の反射面61との距離がより大きい側へ移動する。
【0037】
そして、校正プレート6からの反射波が表面42で反射すると、この超音波は校正プレート6へは入射せずに校正プレート6の外方へ進行する。言い換えると、表面42の校正プレート6に対する傾斜角度θは、校正プレート6からの反射波が表面42で反射したときに、この超音波が校正プレート6に確実に入射しないような角度に設定されている。
【0038】
このような構成としたことにより、従来の車両用液面検出装置における不具合、すなわち、校正プレート6からの反射波が表面42で反射して再度校正プレート6で反射した反射波、いわゆる二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという不具合を確実に防止することができる。したがって、良好な検出精度が得られる燃料液面検出装置1を実現することができる。
【0039】
なお、二次反射波は、表面41から発射され測定プレート5を経由する液面71からの反射波においても発生するが、こちらは、その発生時期から二次反射波による受信信号であると明確に判別可能であるのと、超音波の伝播経路長さが、上述の校正プレート6と表面42間の伝播経路長さより長く、したがって超音波の減衰により二次反射波による超音波センサ3の受信信号レベルが小さいこと等から、受信信号誤認識の不具合は生じない。
【0040】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成について図3に基づき説明する。
【0041】
制御回路8は、図3に示すように、イグニッションスイッチ10を介してバッテリ11から電力を供給されて、超音波センサ3を発振させてパルス状に超音波を発射させるとともに、液面71からの反射波および校正プレート6からの反射波の超音波パルスを受信して超音波センサ3が出力した受信信号を処理して液面位置を算出し、その算出結果に基づいて表示部9を駆動して表示部9により液面位置を運転者が視認可能に表示している。
【0042】
このため、制御回路8は、超音波センサ3へパルス状電圧信号を印加するためのパルス発生回路81、超音波センサ3から出力される反射波受信信号を処理し、それに基づいて液面位置を算出する演算回路82、および演算回路82により算出された液面位置信号に基づき表示部9を駆動する駆動信号を出力する駆動回路83から構成されている。
【0043】
表示部9は、たとえば指針計器等からなり、当該自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。
【0044】
次に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1における燃料液面検出作動について、簡単に説明する。
【0045】
パルス発生回路81によりパルス状電圧信号を印加されて超音波センサ3の発振面31が振動すると、ブラケット4の表面41、42からパルス状の超音波が燃料タンク2内の燃料7中に発射される。
【0046】
表面41から発射された超音波パルスは、測定プレート5の反射面51で反射して液面71に到達して液面71で反射する。この反射パルスは、図1に示す伝播経路Aを辿って表面41に入射し、これにより、超音波センサ3は受信信号を出力する。
【0047】
一方、表面42から発射された超音波パルスは、校正プレート6の反射面61に到達し、そこで反射する。この反射パルスは、図2に示す伝播経路Bを辿り表面42に入射し、これにより、超音波センサ3は受信信号を出力する。
【0048】
本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1において、超音波センサ3が1つの超音波パルスを発射すると、超音波センサ3は、上述の2つの反射パルス、つまり液面71からの反射パルスと校正プレート6からの反射パルスを受信する。最初に、伝播経路長さの短い校正プレート6からの反射パルスが受信され、次に、伝播経路長さの長い液面71からの反射パルスが受信される。超音波センサ3は、これらの反射パルスを受信する度に電圧信号を出力し、この出力信号は演算回路82に入力される。
【0049】
演算回路82は、パルス発生回路81がパルス状電圧信号を発してから反射パルスを検出するまでの時間を算出する。ここで、演算回路82は、最初に受信する校正プレート6からの反射パルスに基づいて燃料7中における超音波パルスの伝播速度を算出し、算出した伝播速度と液面71からの反射パルスを受信するまでの時間とに基づいて、液面71位置、つまり図1中における液面高さHを算出する。
【0050】
駆動回路83は、表示部9に演算回路82が算出した液面高さHを表示させるための信号、たとえば指針軸(図示せず)を液面高さHに対応した角度まで回動させるための駆動信号を出力する。これにより、表示部9により燃料タンク2内の液面71位置が表示される。
【0051】
以上説明した、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ3の発振面31の振動により超音波を発射するブラケット4の表面の校正プレート6に対向する部分である表面42と校正プレート6の反射面61とを、従来の車両用液面検出装置のように平行な関係ではなくて、角度θだけ傾斜させて配置している。さらに、角度θは、校正プレート6の反射面61において表面42に向かって反射した超音波が表面42で反射した際に再び校正プレート6の反射面61に入射しないような角度に設定している。
【0052】
これにより、校正プレート6の反射面61において表面42に向かって反射した超音波は、表面42で反射すると校正プレート6の反射の外へ進行するので、二次反射波は発生せず、したがって、超音波センサ3は二次反射波による受信信号を出力しないので、二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという従来の車両用液面検出装置における不具合を確実に防止することができる。
【0053】
図4に、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分平面図を示す。
【0054】
上述の、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1においては、校正プレート6の反射面61を表面41と平行、つまり従来の車両用液面検出装置と同様に配置し、且つ表面42を表面41に対して角度θだけ傾斜させることにより、表面42と校正プレート6の反射面61との位置関係を平行ではなく傾斜するように設定している。
【0055】
これに対して、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例においては、図4に示すように、表面42と表面41とを同一平面上に配置し、且つ校正プレート6を表面42および表面41に対して角度θだけ傾斜させている。
【0056】
この場合も、上述の、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1と同様の効果が得られる。すなわち、二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという従来の車両用液面検出装置における不具合を確実に防止することができる。
【0057】
(第2実施形態)
図5は、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図を示す。
【0058】
本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1は、第1実施形態による燃料液面検出装置1とは、測定プレート5および校正プレート6の位置関係、校正プレート6の形状およびブラケット4の形状が異なっている。
【0059】
すなわち、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1では、測定プレート5および校正プレート6を、超音波センサ3の発振面31の振動方向、つまり図5における左右方向において、超音波センサ3側から校正プレート6、測定プレート5の順に重なるように配置するとともに、校正プレート6に、超音波センサ3の発振面31と同軸上に貫通孔である円孔62を設けている。さらに、ブラケット4の校正プレート6側の表面、つまり超音波が発射される表面は、図5に示すように、校正プレート6の円孔62と同軸上且つ円孔62と略同一直径の円形に形成される表面41と、表面41の外周側に接する表面42とを備えている。この表面42は、校正プレート6の反射面61に対向するとともに、反射面61に向かって凸となる円錐面状に形成されている。したがって、校正プレート6の反射面61と表面42とは、互いに平行な関係ではなくて、所定角度だけ、つまり図5に示すように、角度θだけ傾斜させて配置されている。
【0060】
本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1において、超音波センサ3の発振面31が振動すると表面41および表面42から超音波が発射される。
【0061】
表面41から発射された超音波は、校正プレート6の円孔62を通過して測定プレート5の反射面51に到達し、そこで反射して液面71に達する。そして、図5中に矢印で示す伝播経路A上を進行して、表面41に入射し、それにより、超音波センサ3は受信信号を出力する。
【0062】
一方、表面42から発射された超音波は、従来の車両用液面検出装置の場合のようにブラケット4、校正プレート6間を同一経路を経て往復するのではなく、図5中に矢印で示す伝播経路Bのように、往路と復路とが異なる経路となっている。すなわち、図5に示すように、表面42から発射されて校正プレート6の反射面61で反射された超音波の表面42への入射点42bの位置は、発射点42aの位置よりも、図5の上側、つまり表面42と校正プレート6の反射面61との距離がより大きい側へ移動する。そして、校正プレート6からの反射波が表面42で反射すると、この超音波は校正プレート6の反射面61へは入射せずに校正プレート6の外方へ進行する。すなわち、表面42の校正プレート6に対する傾斜角度θは、校正プレート6の反射面61からの反射波が表面42で反射した超音波が再度校正プレート6に入射しないような角度に設定されている。
【0063】
このような構成としたことにより、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1においても、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の場合と同様に、従来の車両用液面検出装置における不具合、すなわち、校正プレート6からの反射波が表面42で反射して再度校正プレート6で反射した反射波、いわゆる二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという不具合を確実に防止することができる。したがって、良好な検出精度が得られる燃料液面検出装置1を実現することができる。
【0064】
図6には、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図を示す。
【0065】
この変形例においては、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1においてブラケット4に形成している円錐面状の表面42を、校正プレート6に設けている。
【0066】
すなわち、ブラケット4の校正プレート6側の表面41全体を校正プレート6の反射面61と平行な平面で形成するとともに、校正プレート6の反射面61を円孔62と同心上且つ表面41に向かって凸の円錐面状に形成している。
【0067】
この変形例においても、本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の場合と同様に、従来の車両用液面検出装置における不具合、すなわち、校正プレート6からの反射波が表面42で反射して再度校正プレート6で反射した反射波、いわゆる二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという不具合を確実に防止することができる。したがって、良好な検出精度が得られる燃料液面検出装置1を実現することができる。
【0068】
図7に、本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1における他の変形例の部分断面図を示す。
【0069】
この他の変形例においては、ブラケット4の校正プレート6に対向する面、つまり超音波が発射される表面43を球面状に形成している。表面43を構成する球面の半径は、校正プレート6の反射面61からの反射波が表面43で反射した超音波が再度校正プレート6に入射しないような大きさに設定されている。したがって、他の変形例においても、従来の車両用液面検出装置における不具合、すなわち、校正プレート6からの反射波が表面42で反射して再度校正プレート6で反射した反射波、いわゆる二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという不具合を確実に防止することができる。
【0070】
なお、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態および各変形例による燃料液面検出装置1においては、校正プレート6の反射面61とブラケット4の表面42との成す角度θ、あるいは校正プレート6の反射面61とブラケット4の表面41との成す角度θを、校正プレート6の反射面61からの反射波が表面42で反射した超音波が再度校正プレート6に入射しないような角度に設定している。すなわち、二次反射波が発生しないように設定している。これに対して、角度θを、二次反射波は発生するものの、二次反射波が表面42あるいは表面41に入射しないような角度に設定してもよい。この場合においても、超音波センサ3が二次反射波を受信して受信信号を出力することが防止できるので、二次反射波による受信信号を液面からの反射波の受信信号と誤認識して液面検出の精度が低下するという不具合を確実に防止することができる。
【0071】
また、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態および各変形例による燃料液面検出装置1においては、ブラケット4、測定プレート5および校正プレート6をそれぞれ別体に形成し、個別に燃料タンク2に固定する構成としているが、三者を予め一体に組み付けた後に燃料タンク2に固定する、あるいは三者を1つの部品として一体成形し、燃料タンク2に固定する等の構成としてもよい。
【0072】
また、以上説明した実施形態および各変形例は、本発明の車両用液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。車両に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のII矢視図である。
【図3】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図である。
【図7】本発明の第2実施形態による燃料液面検出装置1の他の変形例の部分断面図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(車両用液面検出装置)
2 燃料タンク(タンク)
21 底面(底部)
3 超音波センサ(超音波発振素子)
31 発振面
32 リード線
4 ブラケット(固定部材)
41 表面
42 表面
42a 発射点
42b 入射点
43 表面
5 測定プレート(測定用反射部材)
51 反射面
6 校正プレート(校正用反射部材)
61 反射面
62 貫通孔(円孔)
7 燃料(液体)
71 液面
8 制御回路
81 パルス発生回路
82 演算回路
83 駆動回路
9 表示部
10 イグニッションスイッチ
11 バッテリ
A、B 伝播経路
H 液面高さ
Claims (4)
- 液体を貯蔵するタンクと、
前記タンク内の底部に配置される超音波発振素子と、
前記超音波発振素子を保持固定するための固定部材と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記タンク内の液体の液面に向かい且つ前記液面への入射角が0度となるように反射する測定用反射部材と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材とを備え、
前記超音波発振素子は前記固定部材の前記校正用反射部材および前記測定用反射部材とは反対側の面である裏面に固定され、
前記超音波発振素子を発振させて前記固定部材の前記校正用反射部材および前記測定用反射部材側の面である表面から超音波を前記液体中に発射するとともに前記液面で反射した反射波および前記校正用反射部材の反射面で反射した反射波を受信して前記液面位置を検出する車両用液面検出装置において、
前記表面の前記校正用反射部材に対向する部分と前記校正用反射部材の前記反射面とを、互いに平行な位置関係ではなく、所定角度だけ傾斜するような位置関係に配置することを特徴とする車両用液面検出装置。 - 前記表面の前記校正用反射部材に対向する部分と前記校正用反射部材の前記反射面との成す傾斜角度は、前記校正用反射部材の前記反射面で前記表面に向かって反射した超音波が前記表面で反射した際に再び前記反射面に入射しないような角度であることを特徴とする車両用液面検出装置。
- 液体を貯蔵するタンクと、
前記タンク内の底部に配置される超音波発振素子と、
前記超音波発振素子を保持固定するための固定部材と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記タンク内の液体の液面に向かい且つ前記液面への入射角が0度となるように反射する測定用反射部材と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材とを備え、
前記超音波発振素子は前記固定部材の前記校正用反射部材および前記測定用反射部材とは反対側の面である裏面に固定され、
前記超音波発振素子を発振させて前記固定部材の前記校正用反射部材および前記測定用反射部材側の面である表面から超音波を前記液体中に発射するとともに前記液面で反射した反射波および前記校正用反射部材の反射面で反射した反射波を受信して前記液面位置を検出する車両用液面検出装置において、
前記超音波発振素子の前記発振面は略円形に形成され、
前記測定用測定用反射部材および前記校正用反射部材は、前記超音波発振素子が発射する超音波の進行方向において前記超音波発振素子側から前記校正用反射部材、前記測定用反射部材の順で重なるように配置され、
前記校正用反射部材には前記発振面と略同心上の円形貫通孔が設けられ、
前記超音波発振素子から発射される超音波は前記校正用反射部材の前記貫通孔を通過して前記測定用反射部材に到達し、
前記表面の前記校正用反射部材に対向する部分は前記貫通孔と略同心上且つ前記校正用反射部材に向かって凸の円錐面状または球面状に形成される、あるいは、前記校正用反射部材は前記貫通孔と略同心上且つ前記表面に向かって凸の円錐面状または球面状に形成されることを特徴とする車両用液面検出装置。 - 前記表面は前記貫通孔と略同心上且つ前記校正用反射部材に向かって凸の球面状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の車両用液面検出装置。
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