JP2004294073A - 車両用液面検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】測定プレート5および校正プレート6を金属で形成するとともに、超音波センサ3が発射する超音波の進行方向において重なり且つ超音波センサ3側から校正プレート6、測定プレート5の順に配置した。さらに、校正プレート6に超音波センサ3の発振面31と同軸上に円孔61を設け、円孔61を通して測定プレート5に超音波を入射させた。これにより、超音波センサ3〜測定プレート5〜液面71間の伝播経路Aによる反射波および超音波センサ3〜校正プレート6間の伝播経路Bによる反射波の超音波センサ3による受信信号レベルをほぼ同等として、燃料液面71の検出精度を良好に維持可能な燃料液面検出装置1を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて液体の液面位置を検出する車両用液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等において燃料の量、すなわち燃料液面を検出する車両用液面検出装置としては、燃料の表面に浮くフロートに回動腕を設け、液面の変動によるフロートの位置変化に応じて回動腕を回動させ、その回動角度変化をたとえば電気抵抗変化に変換するものが一般的である。しかしながら、このような機械式の液面検出装置は、体格が大きく設置場所が制限される、あるいは検出精度があまり良くない、等の問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、液面を機械的に検出するのではなく、たとえば、超音波を発射し液面からの反射波を受信して液面を検出する方法、つまり非接触式の液面検出装置が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
これは、超音波発振素子と筒体を備える超音波センサを液体容器中の底部に配置し、筒体に超音波発振素子に対向して液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体を設け、液面レベル測定用反射体により超音波発振素子から発せられた超音波を筒体に設けられた開口部を通して液面に向けて反射し、この超音波の液面における反射波を超音波センサにより受信し、一方、伝搬時間測定用反射体により超音波発振素子から発せられた超音波を直接伝搬時間測定用反射体に向けて反射しこれを超音波センサにより受信する構成としている。この場合、液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体を並列に配置している。すなわち、超音波センサから発せられた超音波の進行方向に直行する方向、言い換えると筒体の幅方向に並んでいる。そして、液面レベル測定用反射体を介した液面からの反射波の受信信号および伝搬時間測定用反射体からの反射波の受信信号に基づいて液面位置を算出している。これにより、液面検出装置の体格を小型化できると共に、検出精度を向上することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−153471号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、超音波センサが備える超音波発振素子は組み付け性向上等の面から円盤状に形成されており、これにより、超音波センサからは超音波が円錐状に放射される。
【0007】
ところで、上述の公報に開示される液面検出装置において、液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体は、それぞれ超音波センサに対向しつつ筒体の幅方向に並んで配置されている。したがって、液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体に入射する超音波は円錐状にはならず、つまり軸対象形状にならない。このため、両反射体の境界部側の角部において、超音波の回折現象、超音波の干渉等が発生し、超音波センサにおける液面レベル測定用反射体を介した液面からの反射波の受信信号および伝搬時間測定用反射体からの反射波の受信信号が不安定になる可能性がある。
【0008】
このため、超音波センサを用いた車両用液面検出装置において、良好な検出精度が得られなくなる恐れがある。
【0009】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、液面レベル測定用反射体および伝搬時間測定用反射体の配置に工夫を凝らして、良好な検出精度が得られる車両用液面検出装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0011】
本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、タンク内の底部に取り付けられる超音波発振素子と、超音波発振素子が発射した超音波をタンク内の液体の液面に向かい且つ液面への入射角が0度となるように反射する測定用反射部材と、超音波発振素子が発射した超音波を超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材とを備え、超音波発振素子により超音波を発射するとともに測定用反射部材により液面に到達し液面で反射した反射波および校正用反射部材で反射した反射波を受信して液面位置を検出する車両用液面検出装置において、測定用反射部材および校正用反射部材は、超音波発振素子が発射する超音波の進行方向において超音波発振素子側から前記校正用反射部材、測定用反射部材の順で重なるように配置され、校正用反射部材には超音波発振素子に対向して貫通孔が設けられ、超音波発振素子から発射される超音波は校正用反射部材の貫通孔を通過して測定用反射部材に到達する構成とした。
【0012】
一般に、超音波が固体表面に入射すると一部はそこで反射して進行方向が変わり、一部は固体内部を伝播して反対側の表面から出射して入射前と同一方向に進行する。したがって、超音波発振素子からの超音波の進行方向において超音波発振素子側から校正用反射部材、測定用反射部材の順で重なるように配置した場合、超音波発振素子からの超音波は校正用反射部材を透過して測定用反射部材に到達する。
【0013】
しかしながら、校正用反射部材における超音波の透過率は、校正用反射部材の材質により、また温度により変動するため、超音波発振素子が発する両反射部材からの反射波の受信信号レベルを常に安定させることが困難となる。
【0014】
これに対して、本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置においては、校正用反射部材に超音波発振素子に対向して貫通孔を設け、この貫通孔を介して超音波発振素子から発射される超音波を測定用反射部材に到達させている。
【0015】
これにより、測定用反射部材に入射する超音波の強度は常に一定のレベルとなるので、超音波発振素子が発する両反射部材からの反射波の受信信号レベルを常に安定させることができる。したがって、良好な検出精度が得られる車両用液面検出装置を実現することができる。
【0016】
本発明の請求項2に記載の車両用液面検出装置では、測定用反射部材および校正用反射部材は金属材料から形成される構成とした。
【0017】
金属材料、たとえば金属の薄板から測定用反射部材および校正用反射部材を形成した場合、測定用反射部材および校正用反射部材における超音波の反射率は高く、且つ温度による変化はほとんど無くなる。
【0018】
これにより、測定用反射部材に入射する超音波の強度は常に一定のレベルとなるので、超音波発振素子が発する両反射部材からの反射波の受信信号レベルを常に安定させることができる。したがって、良好な検出精度が得られる車両用液面検出装置を実現することができる。
【0019】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、超音波発振素子の超音波を発射する振動面は略円形に形成され、貫通孔の断面形状の図心は振動面と同軸上に形成される構成とした。
【0020】
超音波発振素子としては、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)が用いられるが、超音波を発射する振動面を円形、つまり円盤状にすれば、PZTの車両用液面検出装置への組み付け作業性を向上できる。
【0021】
また、超音波発振素子の振動面を円盤状にした場合、発射される超音波の強度、すなわち振幅の大きさは、円盤の中心線上において大きく、中心から外周側へ行くに連れて小さくなる。すなわち、超音波発振素子から発射される超音波の強度分布は、軸対象状となっている。
【0022】
ところで、超音波発振素子〜測定用反射部材〜液面間の超音波伝播経路長さは、超音波発振素子〜校正用反射部材間の超音波伝播経路長さに比べて、大きくなっている。伝播経路長さが長くなると、超音波の強度の減衰度合いも大きくなる。
【0023】
そこで、校正用反射部材に設ける貫通孔を超音波発振素子の振動面と同軸上に配置して超音波発振素子からの超音波の強度の高い部分を測定用反射部材に入射させることにより、液面からの反射波の強度を高いレベルにすることができるので、超音波発振素子におけるその受信信号レベルを高くし、良好な検出精度が得られる車両用液面検出装置を実現することができる。
【0024】
この場合、本発明の請求項4に記載の車両用液面検出装置のように、貫通孔の断面形状を円形とすれば、超音波発振素子からの超音波の強度の高い部分を高効率で測定用反射部材に入射させることができる。
【0025】
本発明の請求項5に記載の車両用液面検出装置では、超音波発振素子は支持部材を介してタンクに固定され、測定用反射部材および校正用反射部材は支持部材に固定される構成とした。
【0026】
これにより、予め、超音波発振素子、測定用反射部材および校正用反射部材を支持部材に組み付け、それをタンクに取り付けることにより、車両用液面検出装置の組み付け作業性を向上できる。
【0027】
また、超音波発振素子、測定用反射部材および校正用反射部材を支持部材に組み付けられた状態で、タンク内に組み込む前に単体の状態で、超音波発振素子を作動させて受信信号レベル調整等を実施することができるので、車両用液面検出装置の作動確認を容易に行うことができる。
【0028】
本発明の請求項6に記載の車両用液面検出装置では、前記支持部材は、前記測定用反射部材および前記校正用反射部材と一体成形される構成とした。
【0029】
これにより、超音波発振素子、測定用反射部材および校正用反射部材の位置関係を容易に正確に設定維持することが出来る。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による車両用液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、液体である燃料7を貯蔵するタンクとしての燃料タンク2の部分断面図である。図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。
【0032】
図2は、図1中のII矢視図である。なお、各図においては、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0033】
図3は、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路構成を説明する模式図である。
【0034】
燃料液面検出装置1は、大きくは、図1に示すように、タンクである燃料タンク2、超音波発振素子であるの超音波センサ3、反射部材である測定プレート5および校正用反射部材である校正プレート6から構成されている。
【0035】
以下に、燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0036】
超音波発振素子である超音波センサ3は、図1に示すように、液体を貯蔵するタンクである自動車の燃料タンク2内の底面21上に、支持部材であるブラケット4を介して固定されている。
【0037】
超音波センサ3は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化し、且つ外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から構成され、両電極(図示せず)間に電圧を印加すると、図1中の左右方向に振動し発振面31から超音波を発射する。また、発振面31に超音波が入射して超音波センサ3が振動すると、両電極(図示せず)間に電圧を発生、つまり受信信号を発生している。また、超音波センサ3は円盤状に形成され、したがって、発振面31は円形をなしている。これにより、超音波センサ3とブラケット4との位置関係の方向性を無くして、つまり、超音波センサ3は、その発振面31の中心軸Cに対する取り付け角度は任意となるので、超音波センサ3のブレケット4への取り付け作業性を向上できる。また、超音波センサ3は、その両電極にリード線32が接続され、このリード線32を介して超音波センサ3に電圧が印加され、且つ受信信号が外部へ出力される。リード線32は、燃料タンク2の外部へ気密的に引き出されている。
【0038】
ブラケット4は、たとえば、樹脂材料から形成されている。超音波センサ3は、ブラケット4に、たとえば接着により発振面31をブラケット4に密着させて固定されている。ブラケット4は、燃料タンク2内において底面21に固定されている。また、ブラケット4には、測定用反射部材である測定プレート5および校正用反射部材である校正プレート6が取り付けられている。
【0039】
これらの測定プレート5および校正プレート6は、ブラケット4に、図1に示すように、超音波センサ3が発する超音波の進行方向(図1中の左右方向)において超音波センサ3側から校正プレート6、測定プレート5の順番で、且つ両者が重なるように直列に固定されている。
【0040】
測定プレート5および校正プレート6は、金属材料、たとえば鋼板から形成されている。測定プレート5および校正プレート6を金属で形成することにより、両プレートにおける超音波の反射率を高めることが出来る。ここで、超音波の反射率は、同じ金属であっても密度の高いものほど高くなるので、たとえばアルミニウムよりは、鋼板のほうが高い反射率が得られる。また、鋼板の板厚は、プレス加工等の生産性、自動車に搭載時の振動による変形防止等の点を考慮して決定されるが、大体0.3mm〜2.0mmくらいである。
【0041】
校正用プレート6は、超音波センサ3からの超音波を超音波センサ3に向けて反射させるために、超音波センサ3の振動面31の中心軸Cに直交するように配置されている。また、校正用プレート6には、図2に示すように、貫通孔である円孔61が振動面31の中心軸Cと同軸上に設けられている。この円孔61は、超音波センサ3が発射する超音波の一部を通過させて測定用プレート5に到達させるためのものである。
【0042】
測定用プレート5は、超音波センサ3からの超音波を、燃料タンク2内の液面71に向けて、且つ液面への入射角が0度となるように、言い換えると、図1に示すように、超音波の伝播経路Aと液面71との成す角度が90度となるように反射可能に配置されている。これにより、超音波センサ3から発射され測定プレート5を経て液面71へ到達した超音波を、液面71で反射した後、往きと同じ経路を辿って進行させ、確実に超音波センサ3に入射させることができる。なお、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、当該自動車への搭載時において、燃料液面71と燃料タンク2の底面21とは平行関係にあるので、測定用プレート5は、図1に示すように、ブラケット4に対して45度傾斜させて取り付けられている。
【0043】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成について図3に基づき説明する。
【0044】
制御回路8は、図3に示すように、イグニッションスイッチ10を介してバッテリ11から電力を供給されて、超音波センサ3を発振させてパルス状に超音波を発射させるとともに、超音波センサ3による超音波パルスの反射波の受信信号を処理して液面位置を算出し、その算出結果に基づいて表示部9を駆動して表示部9により液面位置を運転者が視認可能に表示している。
【0045】
このため、制御回路8は、超音波センサ3へパルス状電圧信号を印加するためのパルス発生回路81、超音波センサ3から出力される反射波受信信号を処理し、それに基づいて液面位置を算出する演算回路82、および演算回路82により算出された液面位置信号に基づき表示部9を駆動する駆動信号を出力する駆動回路83から構成されている。
【0046】
表示部9は、たとえば指針計器等からなり、当該自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。
【0047】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、燃料液面検出作動について、特に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の特徴である、校正プレート6および測定プレート5の構成の効果を中心に説明する。
【0048】
パルス発生回路81によりパルス状電圧信号を印加されて超音波センサ3がパルス状の超音波を燃料タンク2内の燃料7中に発射すると、この超音波は、校正プレート6に到達する。その一部は、図1中に示す伝播経路Bのように、校正プレート6で超音波センサ3に向けて反射され、直ちに超音波センサ3によって受信される。また、校正プレート6に到達した超音波の一部、詳しくは、校正プレート6の円孔61に向かう超音波は、円孔61を通過して透過して測定プレート5に入射する。
【0049】
測定プレート5に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Aのように、測定プレート5で反射されて液面71へ向かって進み、液面71で反射されて往路と同一の経路を辿り再び超音波センサ3によって受信される。
【0050】
ところで、超音波センサ3から発射される超音波の強度、つまり振動の振幅は、発振面31の中心軸C上において最大となり、外周側に向かうに連れて徐々に小さくなっている。本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における超音波センサ3の発振面31は円形に形成されているので、超音波の強度分布は軸対象状となっている。
【0051】
上述したように、校正プレート6の円孔61は、発振面31と同軸上に形成されているので、超音波センサ3から発射された超音波は、その強度の高い部分が、円孔61を通過して測定プレート5に入射することになる。
【0052】
一方、超音波発振素子〜測定用反射部材〜液面間の超音波伝播経路Aの長さは、超音波発振素子〜校正用反射部材間の超音波伝播経路Bの長さに比べて、長くなっている。伝播経路長さが長くなると、超音波の強度の減衰量も大きくなる。
【0053】
本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波の伝播経路長さが長い区間、すなわち超音波センサ3〜測定プレート5〜液面71間の伝播経路Aによる液面71検出に超音波の強度の高い部分を用い、超音波の伝播経路長さが短い区間、すなわち超音波センサ3〜校正プレート6間の伝播経路Bによる校正用音波速度検出に超音波の強度の低い部分を用いている。
【0054】
これにより、両伝播経路A、Bからの反射波の超音波センサ3による受信信号レベルをほぼ同等とすることができるので、制御回路8において、確実に高精度な信号処理が可能となり、燃料液面71の検出精度を良好に維持可能な燃料液面検出装置1を実現することができる。
【0055】
また、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、校正用プレート6の貫通孔の断面形状を円形としているので、超音波センサ3からの超音波の強度の高い部分を高効率且つ軸対象形状で測定プレート5に入射させることができる。したがって、液面71からの反射波の強度分布をバランスの良い安定したものとして、超音波センサ3により高レベル且つ安定した受信信号を得ることができる。
【0056】
本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1において、超音波センサ3が1つの超音波パルスを発射すると、超音波センサ3は、上述の2つの反射パルス、つまり液面71からの反射パルスと校正プレート6からの反射パルスを受信する。最初に、伝播経路長さの短い校正プレート6からの反射パルスが受信され、次に、伝播経路長さの長い液面71からの反射パルスが受信される。超音波センサ3は、これらの反射パルスを受信する度に電圧信号を出力し、この出力信号は演算回路82に入力される。
【0057】
演算回路82は、パルス発生回路81がパルス状電圧信号を発してから反射パルスを検出するまでの時間を算出する。ここで、演算回路82は、最初に受信する校正プレート6からの反射パルスに基づいて燃料7中における超音波パルスの伝播速度を算出し、算出した伝播速度と液面71からの反射パルスを受信するまでの時間とに基づいて、液面71位置、つまり図1中における液面高さHを算出する。
【0058】
駆動回路83は、表示部9に演算回路82が算出した液面高さHを表示させるための信号、たとえば指針軸(図示せず)を液面高さHに対応した角度まで回動させるための駆動信号を出力する。これにより、表示部9により燃料タンク2内の液面71位置が表示される。
【0059】
以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、測定プレート5および校正プレート6を金属、つまり鋼板により形成したので、超音波センサ3が発射する超音波の反射率を高めることができ、それにより、超音波センサ3の各反射パルス受信時における検出信号レベルを高めて、安定した液面検出を行うことが出来る。
【0060】
また、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ3からの超音波の進行方向において、超音波センサ3側から校正プレート6、測定プレート5の順に配置するとともに、校正プレート6に、超音波センサ3の発振面31と同軸上に円孔61を設け、超音波センサ3からの超音波をこの円孔61を通過させて測定プレート5に到達させている。これにより、超音波の伝播経路長さが長い区間、すなわち超音波センサ3〜測定プレート5〜液面71間の伝播経路Aによる液面71検出に超音波の強度の高い部分を用い、超音波の伝播経路長さが短い区間、すなわち超音波センサ3〜校正プレート6間の伝播経路Bによる校正用音波速度検出に超音波の強度の低い部分を用いている。
【0061】
これにより、超音波センサ3〜測定プレート5〜液面71間の伝播経路Aによる反射波および超音波センサ3〜校正プレート6間の伝播経路Bによる反射波の超音波センサ3による受信信号レベルをほぼ同等とすることができるので、制御回路8において、確実に高精度な信号処理が可能となり、燃料液面71の検出精度を良好に維持可能な燃料液面検出装置1を実現することができる。
【0062】
また、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、超音波センサ3はブラケット4を介して燃料タンク2に固定され、且つ測定プレート5および校正プレート6をブラケット4に固定している。
【0063】
これにより、予め、超音波センサ3、測定用プレート5および校正プレート6をブラケット4に組み付けて一体化しておき、それを燃料タンク2に取り付けることにより、燃料液面検出装置1の組み付け作業性を向上できる。さらに、超音波センサ3、測定用プレート5および校正プレート6をブラケット4に組み付けて一体化した状態で、これを燃料タンク2内に組み込む前において、超音波センサ3を作動させて受信信号レベル調整作業等を実施することができるので、燃料液面検出装置1の検出特性調整、作動確認を容易に行うことができる。
【0064】
なお、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、ブラケット4と測定プレート5および校正プレート6とを個別の部品として製作しているが、これらの3者を一体成形、たとえば金属により一体的に成形してもよい。これにより、部品点数を低減、組み付け工数低減が可能になる。なお、この場合、超音波センサ3と金属製ブラケットとの間に電気絶縁部材を介在させてもよい。
【0065】
また、以上説明した実施形態は、本発明の車両用液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。すなわち、車両に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。さらには、各種液体を輸送する車両に取り付けられる輸送用タンク内の液面を検出するために適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のII矢視図である。
【図3】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路構成を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(車両用液面検出装置)
2 燃料タンク(タンク)
21 底面(底部)
3 超音波センサ(超音波発振素子)
31 発振面
32 リード線
4 ブラケット
5 測定プレート(測定用反射部材)
6 校正プレート(校正用反射部材)
7 燃料(液体)
71 液面
8 制御回路
81 パルス発生回路
82 演算回路
83 駆動回路
9 表示部
10 イグニッションスイッチ
11 バッテリ
A、B 伝播経路
C 中心軸
H 液面高さ
Claims (6)
- 液体を貯蔵するタンクと、
前記タンク内の底部に取り付けられる超音波発振素子と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記タンク内の液体の液面に向かい且つ前記液面への入射角が0度となるように反射する測定用反射部材と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材とを備え、
前記超音波発振素子により超音波を発射するとともに前記測定用反射部材により前記液面に到達し前記液面で反射した反射波および前記校正用反射部材で反射した反射波を受信して前記液面位置を検出する車両用液面検出装置において、
前記測定用反射部材および前記校正用反射部材は、前記超音波発振素子が発射する超音波の進行方向において前記超音波発振素子側から前記校正用反射部材、前記測定用反射部材の順で重なるように配置され、
前記校正用反射部材には前記超音波発振素子に対向して貫通孔が設けられ、
前記超音波発振素子から発射される超音波は前記校正用反射部材の前記貫通孔を通過して前記測定用反射部材に到達することを特徴とする車両用液面検出装置。 - 前記測定用反射部材および前記校正用反射部材は金属材料から形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用液面検出装置。
- 前記超音波発振素子の超音波を発射する振動面は略円形に形成され、
前記貫通孔の断面形状の図心は前記振動面と同軸上に形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用液面検出装置。 - 前記貫通孔の断面形状は円形であることを特徴とする請求項3に記載の車両用液面検出装置。
- 前記超音波発振素子は支持部材を介して前記タンクに固定され、前記測定用反射部材および前記校正用反射部材は前記支持部材に固定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用液面検出装置。
- 前記支持部材は、前記測定用反射部材および前記校正用反射部材と一体成形されることを特徴とする請求項5に記載の車両用液面検出装置。
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