JP2004340911A - 車両用液面検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】超音波センサ3と測定プレート41の間にガイドパイプ5を、測定プレート41と天井22の間にガイドパイプ6をそれぞれ設けて、超音波センサ3から発射された超音波の大部分を測定プレート41あるいは校正プレート42に入射させるとともに、液面71で反射した超音波の大部分を測定プレート41に入射、すなわち超音波センサ3に入射させる構成としている。これにより、液面71からの反射波および校正プレート42からの反射波のエネルギを高めて、超音波センサ3によるこれらの反射波の検出信号レベル高めることができるので、高精度な液面検出が可能な燃料液面検出装置1が実現できる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に搭載されて液体の液面位置を検出する車両用液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンク内の燃料液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車等において燃料の量、すなわち燃料液面を検出する車両用液面検出装置としては、燃料の表面に浮くフロートに回動腕を設け、液面の変動によるフロートの位置変化に応じて回動腕を回動させ、その回動角度変化をたとえば電気抵抗変化に変換するものが一般的である。しかしながら、このような機械式の液面検出装置は、体格が大きく設置場所が制限される、あるいは検出精度があまり良くない、等の問題があった。
【0003】
このような問題を解決するために、液面を機械的に検出するのではなく、たとえば、超音波を発射し液面からの反射波を受信して液面を検出する方法、つまり非接触式検出法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
これは、超音波発振素子と筒体を備える超音波センサを液体容器中の底部に配置し、筒体に設けられる反射体により超音波発振素子から発せられた超音波を筒体に設けられた開口部を通して液面に向けて反射し、この超音波の液面における反射波を超音波センサにより受信し、これに基づいて液面位置を検出している。これにより、液面検出装置の体格を小型化できると共に、検出精度を向上することができる。
【0005】
【特許文献1】
特開平11−153471号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の公報に開示される液面検出装置においては、車両の振動により液面が揺れる、つまり液面が水平から傾斜すると、液面で反射した超音波の進行方向が変動して、超音波センサにおける液面からの反射波の受信感度が低下することがある。
【0007】
また、超音波発振素子と反射体の間の超音波伝播経路は、正方形横断面を有する筒体で囲まれている。このような角筒内を超音波が進行する場合、角筒の各角部における超音波の干渉等の影響で、超音波の強度が低下する場合がある。
【0008】
このため、液面検出精度が低下する可能性がある。
【0009】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、タンク内の液面が揺動する場合でも、高い精度で液面位置を検出することができる車両用液面検出装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0011】
本発明の請求項1に記載の車両用液面検出装置では、液体を貯蔵するタンクと、タンク内の底部に取り付けられる超音波発振素子と、超音波発振素子が発射した超音波をタンク内の液体の液面に向かい且つ液面への入射角が0度となるように反射する反射部材とを備え、超音波発振素子により超音波を発射するとともに液面で反射した反射波を受信して液面位置を検出する車両用液面検出装置において、超音波発振素子と反射部材の間に超音波発振素子の発振面の中心軸と略同心上に設けられる第1の筒と、タンクの天井と反射部材の間に超音波発振素子の発振面の中心軸が反射部材に反射した中心軸と略同心上に設けられる第2の筒とを備え、第1の筒は、その断面が略円形且つその直径が超音波発振素子側から反射部材側に向かうに連れて大きくなるように形成され、第2の筒は、その断面が略円形且つその直径が反射部材側から天井側に向かうに連れて小さくなるように形成される構成とした。
【0012】
一般に、超音波振動素子は、略円錐状に超音波を放射している。一方、第1の筒は、超音波発振素子側から反射部材側に向かうに連れてラッパ状に広がる形状となっている。このため、超音波発振素子から発射された超音波が第1の筒に入射して反射した場合、その反射波の進行方向は超音波振動素子の発振面の鉛直方向により近づくことになる。
【0013】
さらに、第1の筒は、その横断面形状が円形に形成されているので、従来の液面検出装置の正方形横断面を有する筒体における角部における超音波の干渉等による超音波の強度低下を防止することができる。
【0014】
これにより、超音波発振素子から発射された超音波を減衰させることなく高効率で反射部材に入射させることができるので、高い精度で液面位置を検出することができる。
【0015】
また、液面の揺動により、液面で反射した超音波の進行方向が変動する、つまり反射部材に向かう方向から逸れることがあっても、第2の筒により、この反射波を反射部材に向かう方向に反射させることができるので、高い精度で確実に液面位置を検出することができる。
【0016】
本発明の請求項2に記載の車両用液面検出装置では、超音波発振素子が発射した超音波を超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材を備える構成とした。
【0017】
ところで、液体中における超音波の伝播速度は当該液体の温度、圧力等の変化に応じて変化する。したがって、液面位置が一定の場合であっても、液体の温度、圧力等が変化すると、超音波発振素子が超音波を発射してから反射部材を経由して液面からの反射波を受信するまでの時間が変化するので、液面位置を正確に検出することが困難である。
【0018】
本発明の請求項2に記載の車両用液面検出装置では、反射部材に加えて校正用反射部材を設けている。校正用反射部材は超音波発振素子に対して予め定められた位置に固定されているので、超音波発振素子が超音波を発射してから校正用反射部材からの反射波を受信するまでの時間を測定することにより、その時点の当該液体の温度、圧力条件下における超音波の速度が算出可能となる。この速度データおよび反射部材を経由して液面で反射された反射波を受信するまでの時間データに基づいて、タンク内の液面位置を高い精度で検出することができる。
【0019】
本発明の請求項3に記載の車両用液面検出装置では、第1の筒は、軸方向の一部に円筒部を備える構成とした。たとえば、第1の筒の超音波発振素子側端部および反射部材側端部の少なくとも一方に円筒部を接続すれば、第1の筒を超音波発振素子あるいは反射部材と容易に接続することができる。
【0020】
本発明の請求項4に記載の車両用液面検出装置では、第1の筒および第2の筒の少なくとも一方は金属から形成される構成としている。
【0021】
一般に、金属材料は超音波の反射率が高いので、液面検出の精度向上に関する第1の筒および第2の筒の効果をより高めることができる。
【0022】
本発明の請求項5に記載の車両用液面検出装置では、第1の筒および第2の筒の少なくとも一方は金属材料から円筒状に形成される構成とした。
【0023】
一般に、筒状部材を金属材料により製作する場合、円筒形状のほうが、円錐形状に比べて容易に成形することができる。したがって、第1の筒および第2の筒の少なくとも一方を容易に作ることができるので、車両用液面検出装置のコストを低減することができる。
【0024】
本発明の請求項6に記載の車両用液面検出装置では、第2の筒は、タンク内に設置されタンク内の燃料をタンク外部へ吐出する燃料ポンプと一体的に形成される構成とした。これにより、車両用液面検出装置の部品点数および組み付け工数を低減することができる。
【0025】
本発明の請求項7に記載の車両用液面検出装置では、第1の筒の筒壁の液面側に第1の筒の内側と外側を連通する連通手段を設ける構成とした。
【0026】
車両の作動中等に液面が揺動すると、第1の筒の一部が液面から露出し第1の筒内に空気が入り、そのまま留まる場合がある。第1の筒内に空気があると、そこで超音波が反射するので液面検出精度が低下する可能性がある。
【0027】
第1の筒内に浸入した空気は、液体から受ける浮力の作用のため、主に第1の筒内の液面側に滞留する。
【0028】
本発明の請求項7に記載の車両用液面検出装置のように、第1の筒の筒壁の液面側に第1の筒の内側と外側を連通する連通手段を設ければ、第1の筒内に滞留した空気を、この連通手段を介して第1の筒内外に排出することができる。
【0029】
したがって、液面検出の高い精度を維持することができる。
【0030】
本発明の請求項8に記載の車両用液面検出装置では、連通手段は貫通孔あるいは貫通溝である構成とした。これにより、第1の筒の筒壁に容易に連通手段を形成することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による車両用液面検出装置を、自動車の燃料タンク内の燃料液面位置を検出するための燃料液面検出装置1に適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、液体である燃料7を貯蔵するタンクである燃料タンク2の部分断面図である。図1において、図の上下方向が自動車の上下方向である。
【0033】
図2は、図1中のII矢視図である。なお、各図においては、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0034】
図3は、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路構成を説明する模式図である。
【0035】
燃料液面検出装置1は、図1に示すように、タンクである燃料タンク2、超音波発振素子である超音波センサ3、反射部材である測定プレート41、校正用反射部材である校正プレート42、第1の筒であるガイドパイプ5および第2の筒であるガイドパイプ6から構成されている。
【0036】
以下に、燃料液面検出装置1の構成について説明する。
【0037】
超音波発振素子である超音波センサ3は、図1に示すように、液体を貯蔵するタンクである自動車の燃料タンク2内の底面21上に、ブラケット4を介して固定されている。
【0038】
超音波センサ3は、ピエゾ効果(電圧が印加されると体積が変化する一方、外部から力を受けると電圧を発生する特性)を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成される超音波振動子(図示せず)を備え、この超音波振動子を作動させて、発振面31から超音波を発振し且つ発振面31において超音波の反射波を受信するという機能を果たしている。この発振面31は円形に形成されている。また、超音波センサ3は、超音波振動子に電圧を印加するため、あるいは超音波線振動子が超音波を受信して発生した電圧信号を外部へ出力するためのリード32が接続されている。このリード線32は、燃料タンク2外部へ気密的に引き出されている。
【0039】
ブラケット4は、超音波センサ3を保持固定するとともに、第1の筒であるガイドパイプ5を保持固定している。また、ブラケット4は、反射部材である測定プレート41および校正用反射部材である校正プレート42を備えている。
【0040】
この測定プレート41は、超音波センサ3および液面71に対して、超音波センサ3から発射され測定プレート41で反射される超音波の液面71への入射角が0度となる、言い換えると、図1に示すように、超音波の進行方向と液面71との成す角度が90度となるような位置関係に配置されている。これにより、超音波センサ3から発射され測定プレート41を経て液面71へ到達した超音波を、液面で反射した後、往きと同じ経路を辿って進行させ、確実に超音波センサ3に入射させることができる。
【0041】
一方、校正プレート42は、測定プレート41と同様にブラケット4と燃料タンク2の底面36には、超音波センサ3から発射される超音波を直接超音波センサ3に向けて反射可能な位置に設けられている。
【0042】
測定プレート41および校正プレート42は両方とも、図2に示すように、超音波センサ3から発射された超音波が入射可能なように配置されている。これにより、超音波センサ3から発射される超音波は、同時に測定プレート41および校正プレート42に入射する。超音波センサ3から測定プレート41に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Aのように、測定プレート41で反射されて液面71へ向かって進み、液面71で反射されて往路と同一の経路を辿り再び超音波センサ3によって受信される。一方、超音波センサ3から校正プレート42に入射した超音波は、図1中に示す伝播経路Bのように、校正プレート42で超音波センサ3に向けて反射され、直ちに超音波センサ3によって受信される。すなわち、超音波センサ3が1つの超音波パルスを発射すると、超音波センサ3は、上述の2つの反射パルス、つまり液面71からの反射パルスと校正プレート42からの反射パルスを受信する。また、測定プレート41および校正プレート42は、ブラケット4と一体的に形成されているので、測定プレート41および校正プレート42と超音波センサ3との位置関係を精度良く維持することができ、したがって、燃料液面検出装置1の液面検出精度を良好に維持できる。
【0043】
また、ブラケット4には、第1の筒であるガイドパイプ5が、超音波センサ3と測定プレート41との間に保持固定されている。ガイドパイプ5は、金属、たとえば鉄鋼、あるいはアルミニウムの薄板からなり、その断面形状が円形且つその直径が超音波センサ3側から測定プレート41に向かうに連れて大きくなるように、言い換えると略円錐状に形成されている。また、ガイドパイプ5は、その測定プレート41側に、ストレート状の円筒部51が形成されている。ガイドパイプ5をプレス加工(深絞り等)により形成する場合、円筒部51があることにより寸法出しが容易になる。また、ガイドパイプ5は、超音波センサ3の発振面31の中心軸Cと同心上に配置されている。
【0044】
第2の筒であるガイドパイプ6は、測定プレート41と燃料タンク2の天井22との間に配置されている。ガイドパイプ6は、ガイドパイプ5と同様に、金属、たとえば鉄鋼、あるいはアルミニウムの薄板からなり、その断面形状が円形且つその直径が測定プレート41から天井22に向かうに連れて小さくなるように、言い換えると略円錐状に形成されている。また、ガイドパイプ6は、超音波センサ3の発振面31の中心軸Cが測定プレート41に反射した中心軸C‘と同心上に設けられている。また、ガイドパイプ6は、図1に示すように、その上端部61が、燃料タンク2における最高燃料液面72よりも上方に位置するように、図示しないブラケットを介して燃料タンク2内に取り付けられている。ガイドパイプ6の上端部61を最高燃料液面72よりも上方に位置させることで、超音波センサ3から発射され測定プレート41で反射した超音波が入射する燃料の液面71は、常にガイドパイプ6の内側に位置している。
【0045】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の電気回路構成について図3に基づき説明する。
【0046】
制御回路8は、図3に示すように、イグニッションスイッチ10を介してバッテリ11から電力を供給されて、超音波センサ3を発振させてパルス状に超音波を発射させるとともに、超音波センサ3による超音波パルスの反射波の受信信号を処理して液面位置を算出し、その算出結果に基づいて表示部9を駆動して表示部9により液面位置を運転者が視認可能に表示している。
【0047】
このため、制御回路8は、超音波センサ3へパルス状電圧信号を印加するためのパルス発生回路81、超音波センサ3から出力される反射波受信信号を処理し、それに基づいて液面位置を算出する演算回路82、および演算回路62により算出された液面位置信号に基づき表示部9を駆動する駆動信号を出力する駆動回路83から構成されている。
【0048】
表示部9は、たとえば指針計器等からなり、自動車の運転席正面のコンビネーションメータ(図示せず)内に設置されている。
【0049】
次に、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における、燃料液面検出作動について説明する。
【0050】
パルス発生回路81によりパルス状電圧信号を印加されて超音波センサ3がパルス状の超音波を燃料タンク2内の燃料7中に発射すると、この超音波パルスは、図1中に各矢印で示す方向に進行し、燃料7の液面71あるいは校正プレート42で反射され、再び超音波センサ3により受信される。つまり、超音波センサ3は反射パルスを2回受信する。最初に、校正プレート42からの反射パルスが受信され、次に、液面71からの反射パルスが受信される。超音波センサ3は、これらの反射パルスを受信する度に電圧信号を発生し、この電圧信号は演算回路82に入力される。
【0051】
演算回路82は、パルス発生回路81がパルス状電圧信号を発してから反射パルスを検出するまでの時間を算出する。ここで、演算回路82は、最初に受信する校正プレート42からの反射パルスに基づいて燃料5中における超音波パルスの伝播速度を算出し、算出した伝播速度と液面71からの反射パルスを受信するまでの時間とに基づいて、液面71位置、つまり図1中における液面高さHを算出する。
【0052】
駆動回路83は、表示部9に演算回路82が算出した液面高さHを表示させるための信号、たとえば指針軸(図示せず)を液面高さHに対応した角度まで回動させるための駆動信号を出力する。これにより、表示部9により燃料タンク2内の液面71位置が表示される。
【0053】
ところで、超音波センサ3の発振面31から発射される超音波は、放射状に発射される。このため、従来の車両用液面検出装置においては、超音波センサ3から発射された超音波の一部は、測定プレート41および校正用プレートに入射せずに燃料タンク2内を進行してしまう。
【0054】
さらに、自動車作動中において、燃料タンク2内の液面71は自動車の振動により絶えず揺動している。このため、液面71で反射した超音波の進行方向もそれに対応して時々刻々変化し、必ずしも測定プレート41に入射するとは限らない。
【0055】
以上により、超音波センサ3から発射された超音波による液面からの反射波および校正プレート42からの反射波のエネルギが小さくなり、超音波センサ3によるこれらの反射波の検出信号レベルが低くなり高精度な液面検出が困難となる可能性があった。つまり、従来の液面検出装置においては、超音波センサ3が発する超音波の利用効率が低いという問題があった。
【0056】
これに対して、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、ガイドパイプ5およびガイドパイプ6を設けている。
【0057】
超音波センサ3から測定プレート41および校正プレート42に直接向かわない方向に発射された超音波は、図1中の矢印で示すように、ガイドパイプ5により測定プレート41あるいは校正プレート42に直接向かう方向に反射される。これにより、超音波センサ3から発射された超音波の大部分を測定プレート41あるいは校正プレート42に入射させることができる。
【0058】
また、液面71における超音波の反射波の進行方向が変化しても、図1中の矢印で示すように、ガイドパイプ6により測定プレート41に直接向かう方向に反射される。これにより、液面71からの反射波の大部分を超音波センサ3から発射された超音波の大部分を測定プレート41に入射、言い換えると超音波センサ3に入射させることができる。
【0059】
したがって、超音波センサ3から発射された超音波を高効率で液面検出に利用することができ、それにより、超音波センサ3における反射波の検出信号レベルを高めて高精度な液面検出が可能となる。
【0060】
以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1においては、ガイドパイプ5およびガイドパイプ6を設けて、超音波センサ3から発射された超音波の大部分を測定プレート41あるいは校正プレート42に入射させるとともに、液面71で反射した超音波の大部分を測定プレート41に入射、すなわち超音波センサ3に入射させる構成としている。これにより、液面71からの反射波および校正プレート42からの反射波のエネルギを高めて、超音波センサ3によるこれらの反射波の検出信号レベル高めることができるので、高精度な液面検出が可能な燃料液面検出装置1が実現できる。
【0061】
図4には、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図を示す。
【0062】
図5には、図4中のV矢視図を示す。
【0063】
この変形例では、図4、図5に示すように、ガイドパイプ5の筒壁の液面71側に、連通手段である貫通孔52を2個設けている。これらの貫通孔52は、ガイドパイプ5の内部と外部を連通している。
【0064】
自動車の走行時の振動により液面が揺動すると、ガイドパイプ5の一部が液面71から露出しガイドパイプ5内に空気が入り、そのまま留まる場合がある。この現象は、液面71が、満タン時の液面位置である最高燃料液面72よりも低下するに連れて起こり易くなる。また、空になった燃料タンク2に給油した際に、ガイドパイプ5内に空気が残留する場合がある。ガイドパイプ5内に空気があると、燃料7と空気の界面で超音波が反射し、その反射波の一部が超音波センサ3に入射してしまい、液面検出精度が低下する可能性がある。
【0065】
ところで、ガイドパイプ5内に浸入した空気は、燃料7から受ける浮力の作用のため、ガイドパイプ5内の上方、つまり液面71側に滞留する。
【0066】
そこで、本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例のようにガイドパイプ5に貫通孔52を設ければ、ガイドパイプ5内に滞留した空気を貫通孔52からガイドパイプ5外に排出することができるので、燃料液面検出装置1における液面検出の高い精度を維持することができる。
【0067】
この変形例においては、貫通孔52の形状を円形とし、個数を2個とし、図4、図5に示すように配置しているが、貫通孔52の形状、個数および配置は、液面検出精度低下を生じさせない範囲で必要に応じて自由に設定してよい。たとえば、形状は、円形に限らず、長方形の溝状としてもよい。
【0068】
なお、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1およびその変形例においては、ガイドパイプ5の測定プレート41側に円筒部51を設けているが、これを設けなくてもよい。あるいは、測定プレート41側だけでなく、超音波センサ3側にも円筒部を設けてもよい。
【0069】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1およびその変形例においては、ガイドパイプ5、6を金属材料から形成しているが、ガイドパイプ5、6の少なくとも一方を他の材質、たとえば樹脂材料等から形成してもよい。
【0070】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1およびその変形例においては、ガイドパイプ5とブラケット4を別部品として形成しているが、両者を一部品として形成、たとえば樹脂成形、あるいはアルミダイキャスト等により一体成形してもよい。この場合、部品点数が低減して、燃料液面検出装置1の組み付け工数を低減できる。
【0071】
また、以上説明した本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1およびその変形例においては、ガイドパイプ6は、図示しないブラケットを介して燃料タンク2に固定しているが、燃料タンク2内に配置され、燃料タンク2内の燃料を燃料タンク2外部へ吐出する燃料ポンプ(図示せず)と一体的に形成してもよい。この場合も、部品点数が低減して、燃料液面検出装置1の組み付け工数を低減できる。
【0072】
また、以上説明した実施形態は、本発明の車両用液面検出装置を、自動車の燃料液面検出装置1に適用した場合を例に説明したが、燃料液面検出装置1以外に適用してもよい。すなわち、車両に搭載される他の液体、たとえば、エンジンオイル、ブレーキフルードあるいはウィンドウォッシャ液等の液面検出に用いてもよい。さらには、各種液体を輸送する車両に取り付けられる輸送用タンク内の液面を検出するために適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の部分断面図である。
【図2】図1中のII矢視図である。
【図3】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1における電気回路構成を説明する模式図である。
【図4】本発明の一実施形態による燃料液面検出装置1の変形例の部分断面図である。
【図5】図4中のV矢視図である。
【符号の説明】
1 燃料液面検出装置(車両用液面検出装置)
2 燃料タンク(タンク)
21 底面(底部)
22 上面(天井)
3 超音波センサ(超音波発振素子)
31 発振面
32 リード線
4 ブラケット
41 測定プレート(反射部材)
42 校正プレート(校正用反射部材)
5 ガイドパイプ(第1の筒)
51 円筒部
52 貫通孔(連通手段)
6 ガイドパイプ(第2の筒)
61 上端部
7 燃料(液体)
71 液面
72 液面
8 制御回路
81 パルス発生回路
82 演算回路
83 駆動回路
9 表示部
10 イグニッションスイッチ
11 バッテリ
A、B 伝播経路
C、C‘ 中心軸
Claims (8)
- 液体を貯蔵するタンクと、
前記タンク内の底部に取り付けられる超音波発振素子と、
前記超音波発振素子が発射した超音波を前記タンク内の液体の液面に向かい且つ前記液面への入射角が0度となるように反射する反射部材とを備え、
前記超音波発振素子により超音波を発射するとともに前記液面で反射した反射波を受信して前記液面位置を検出する車両用液面検出装置において、
前記超音波発振素子と前記反射部材の間に前記超音波発振素子の発振面の中心軸と略同心上に設けられる第1の筒と、
前記タンクの天井と前記反射部材の間に前記超音波発振素子の発振面の中心軸が前記反射部材に反射した中心軸と略同心上に設けられる第2の筒とを備え、
前記第1の筒は、その断面が略円形且つその直径が前記超音波発振素子側から前記反射部材側に向かうに連れて大きくなるように形成され、
前記第2の筒は、その断面が略円形且つその直径が前記反射部材側から前記天井側に向かうに連れて小さくなるように形成されることを特徴とする車両用液面検出装置。 - 前記超音波発振素子が発射した超音波を前記超音波発振素子に向けて反射する校正用反射部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用液面検出装置。
- 前記第1の筒は、軸方向の一部に円筒部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用液面検出装置。
- 前記第1の筒および前記第2の筒の少なくとも一方は金属から形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用液面検出装置。
- 前記第1の筒および前記第2の筒の少なくとも一方は金属材料から円筒状に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用液面検出装置。
- 前記第2の筒は、前記タンク内に設置され前記タンク内の燃料を前記タンク外部へ吐出する燃料ポンプと一体的に形成されることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用液面検出装置。
- 前記第1の筒の筒壁の前記液面側に前記第1の筒の内側と外側を連通する連通手段を設けることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の車両用液面検出装置。
- 前記連通手段は貫通孔あるいは貫通溝であることを特徴とする請求項7に記載の車両用液面検出装置。
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