JP2004061234A - 振動式液面検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】振動板2の配置に工夫を凝らして、燃料41の波の衝突時の衝撃力による振動板2の変形、破損を防止できる燃料レベルゲージ1を提供する。
【解決手段】振動板2全体をカバー3で覆う構成とした。これにより、自動車走行中の振動により燃料タンク40内燃料41が揺れて波が発生しても、カバー3により、燃料41の波が振動板2に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動板2が変形あるいは破損することを防止できる。
また、カバー3に、振動板2を支持するためのガイド部3aを設ける構成とした。これにより、振動板2は、カバー3内においてカバー3との間に適切な隙間を維持しつつ収容保持されるので、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して、両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。
【選択図】 図1
【解決手段】振動板2全体をカバー3で覆う構成とした。これにより、自動車走行中の振動により燃料タンク40内燃料41が揺れて波が発生しても、カバー3により、燃料41の波が振動板2に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動板2が変形あるいは破損することを防止できる。
また、カバー3に、振動板2を支持するためのガイド部3aを設ける構成とした。これにより、振動板2は、カバー3内においてカバー3との間に適切な隙間を維持しつつ収容保持されるので、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して、両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンクの内部に取付けられて燃料の液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動式液面検出装置としては、たとえば、特許第3026105号公報に開示される超音波レベル検出装置がある。この超音波レベル検出装置は、金属棒状体の任意の位置に圧電素子を固着し、この圧電素子にパルス状の信号を印加して、印加後の予め決められた固定時間内に検出された信号の位相を検出し、前記金属棒状体が浸漬する液体のレベルを検出するものである。この超音波レベル検出装置は、液面の変動に対応して回転する浮子を用いてその回転角度を検出する方式に比べて、運動部分が無いため信頼性を向上させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の超音波レベル検出装置を、たとえば自動車の燃料タンク内に取付けて燃料タンク内燃料の液面検出用として用いた場合、自動車走行中に自動車の振動により燃料タンク内燃料が揺れて波が発生する。この燃料の波により衝撃力を受けて、超音波レベル検出装置の金属棒状体が変形あるいは破損する等の不具合を生じる可能性がある。
【0004】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、振動部材の配置に工夫を凝らして、燃料の波の衝突時衝撃力による振動部材の変形、破損を防止できる振動式液面検出装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0006】
本発明の請求項1に記載の振動式液面検出装置では、振動部材と、振動部材の両端部にそれぞれ固定される圧電素子とを備え、圧電素子の一方は外部からパルス状の入力信号を印加されて振動部材を振動させ、圧電素子の他方は振動部材の振動を検出して検出信号を外部へ出力し、入力信号および検出信号に基づき振動部材が浸漬される液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置であって、振動部材の略全体を覆うカバーを備える構成とした。これにより、たとえば、振動式液面検出装置が自動車の燃料タンク内燃料の液面検出用として使用される場合において、当該自動車の振動により燃料タンク内燃料が揺れて波が発生しても、カバーにより燃料の波が振動部材に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動部材の変形、破損を防止できる振動式液面検出装置を実現できる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の振動式液面検出装置では、カバーは振動部材を支持する支持手段を備える構成とした。これにより、振動部材とカバーとの間に適切な隙間を維持できるので、振動部材とカバーが支持手段以外の部位において接触して、言い換えると衝突して両者が変形あるいは破損することを防止できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の振動式液面検出装置では、振動部材は細長い板状部材で形成され、且つ少なくとも1個の円弧部を備える構成している。これにより、振動部材上における圧電素子の作動により発生した振動の伝播が妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)こと無しに、振動部材の形状を必要に応じて所望の形状に変える、たとえば、取付けられる燃料タンクの形状に合わせて搭載容易な形状とすることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の振動式液面検出装置では、振動部材は略U字状に形成される構成としている。振動式液面検出装置では、圧電素子の一方にパルス状の入力信号を印加してから圧電素子の他方がこのパルスによる振動部材の振動を検出するまでの時間を測定し、それに基づいて液面位置を検出している。したがって、振動部材の振動伝播経路長さ、すなわち両圧電素子間経路長さが長いほど、液面検出精度、検出分解能が良好となる。本発明の請求項4に記載の振動式液面検出装置では、振動部材を略U字状に形成することにより、振動部材の全長を変えずに、振動部材の振動伝播経路長さ、つまり両圧電素子間経路長さを振動部材全長の約倍に延長して良好な液面検出精度、検出分解能が得られる振動式液面検出装置を実現することができる。また、振動部材を略U字状に形成することにより両圧電素子を振動式液面検出装置の一端側にまとめて配置できるので、両圧電素子と外部との電気接続用リード線の取出しが容易に行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による振動式液面検出装置を、自動車の燃料タンク内に装着されて燃料液面位置を検出するための燃料レベルゲージに適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による振動式液面検出装置である燃料レベルゲージ1の断面図であり、図2のI−I線断面図である。図2は、燃料レベルゲージ1の断面図であり、図1のII−II線断面図である。なお、各図において、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0012】
燃料レベルゲージ1は、大きくは、振動部材である振動板2と、振動板2の両端部それぞれに固定される圧電素子4、5と、振動板2を収容するケース3と、振動板2およびケース3が固定される保持板6とから構成されている。燃料レベルゲージ1は、図3に示すように、自動車の燃料タンク40の天板内面から垂下するブラケット40aに保持板6を介して取付けられると共に、燃料レベルゲージ1の振動板2は燃料41中に浸漬されている。本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1において、圧電素子4に外部からパルス状の入力信号が印加されるとそれに応じて圧電素子4の体積が変化して振動板2を振動させる。この振動が振動板2上を伝播して圧電素子5に至り圧電素子5に圧力を作用させと圧電素子5に電荷が発生し検出信号として外部へ出力される。ところで、圧電素子4へのパルス状入力信号印加後、圧電素子5から検出信号が出力されるまでの時間は、振動板2の燃料41中にある部分の長さ、つまり液面41a位置によって変化する。すなわち、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、圧電素子4へのパルス状入力信号印加後、圧電素子5から検出信号が出力されるまでの時間を測定し、それに基づいて液面41a位置を検出している。
【0013】
振動部材である振動板2は、自体の振動を効率良く伝播可能な材質、たとえば、金属材料であるステンレス鋼の薄板からなり、図1に示すように、U字状に形成されている。U字の底部には円弧部2aが形成されている。つまり、振動板2は、ステンレス鋼の薄板をその長手方向略中央部に円弧部2aを成すように折り曲げて形成されている。円弧部2aの半径の大きさは、後述する圧電素子4により起振された振動板2の振動の伝播に影響を及ぼさないように、具体的には、振動伝播速度および振幅が変化しないように設定されている。振動板2の両端部には、図1に示すように、圧電素子4、5が固定されている。両圧電素子4、5は、振動板2を確実に振動させることができるように、あるいは振動板2の振動を確実に検出できるように強固に固定されている。上述したように、振動板2をU字状に形成することで、振動板2の全長部材の全長L(図1参照)を延長することなしに両圧電素子4、5間の振動伝播経路長さを延長できるので、燃料レベルゲージ1の液面検出精度、検出分解能を向上することができる。また、振動板2の両端部、すなわち両圧電素子4、5よりも端部側(図1において上側)には、振動板2を支持板6に固定するための貫通孔2bが形成されている。2つの貫通孔2bはほぼ同軸上に設けられている。
【0014】
圧電素子4、5は、ピエゾ効果を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。圧電素子4、5には、両者を外部に接続するためのリード線(図示せず)が引き出されている。
【0015】
カバー3は、ステンレス鋼の薄板からなり、断面が長方形の筒状に形成されている。カバー3の両端(図1および図2における上下端)は開口されて、振動板2全体を完全に収容している。カバー3は、図1に示すように、その上端側において支持板6にビス12により固定されている。このように、振動板2全体をカバーで覆う構成とすることにより、自動車走行中の振動により燃料タンク40内燃料41が揺れて波が発生しても、カバー3により燃料41の波が振動板2に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動板2の変形、破損を防止できる燃料レベルゲージ1を実現できる。また、カバー3の両端が開口しているので、カバー3内外の燃料41の液面41aは常に同一となる。したがって、カバー3を装着しても、液面41a位置を正確に検出することができる。
【0016】
また、カバー3の下端側には、支持手段であるガイド部3aが、図2に示すように、カバー3の対向する壁面の一部をそれぞれ内側に突出させることにより設けられている。すなわち、ガイド部3aは、プレス加工等を施すことにより、図2における上方が固定端である板ばね状に形成されている。そして、両ガイド部3aは、弾性変形しつつ振動板2の幅方向の側端面にそれぞれ弾性変形して付勢力を作用させて押圧接触している。これにより、振動板2は、カバー3内においてカバー3との間に適切な隙間を維持しつつ収容保持されるので、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して、両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。また、振動板2上におけるガイド部3aが押圧接触する部位を、振動板2の幅方向の側端面としている。これにより、振動板2における圧電素子4により起振された振動の伝播を妨害することなく、振動板2を保持することができる。
【0017】
以上説明した振動板2およびカバー3は、支持板6に取付けられている。支持板6は、たとえば鋼板から形成されている。
【0018】
ところで、圧電素子4により起振された振動板2の振動が、振動板2の円弧部2aを経由する経路と平行して他のルートによっても圧電素子5に伝達されると、液面検出の良好な精度を維持することが困難となる。したがって、燃料レベルゲージ1としての液面検出機能を良好に維持するためには、振動板2は、支持板6に振動的に絶縁されて取付けられることが望ましい。
【0019】
以下に、振動板2の支持板6への取付け構造について、図1に基づき説明する。
【0020】
先ず、振動板2の貫通孔2bにブッシュ7を装着する。ブッシュ7は柔軟性を有する材質、たとえばゴムあるいは樹脂で形成されている。
【0021】
次に、ブッシュ7の貫通孔7aに、スリーブ8を挿入する。スリーブ8は、たとえば鋼管で形成されている。
【0022】
次に、鋼板製のワッシャ9を介してボルト10をスリーブ8および支持板6の貫通孔6aに貫通させて、ナット11を締付ける。
【0023】
以上で、振動板2の支持板6への取付けが完了する。
【0024】
ここで、ブッシュ7の単品時(取付け前の状態)における全長(図1の左右方向長さ)は、スリーブ8の軸方向長さ(図1の左右方向長さ)よりも若干長く設定されている。したがって、ボルト10およびナット11を締付けて振動板2の支持板6への取付けが完了すると、ブッシュ7は圧縮され弾性変形し、その弾性力により振動板2が保持される。また、ブッシュ7による保持力は、燃料レベルゲージ1としての液面検出機能を良好に維持できるレベルであるように、ブッシュ7およびスリーブ8の長さ、ブッシュ7の材質特性(特に硬さ)が設定されている。
【0025】
次に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1による燃料液面検出システムについて、図3に基づいて説明する。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1を用いた燃料レベル表示システムを説明する構成図である。
【0027】
ここで、燃料液面検出システム説明に先立ち、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の液面検出原理について簡単に説明する。
【0028】
圧電素子4は、パルス状の電気信号を印加されると体積が変化する、すなわち振動する。本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、圧電素子4は、図1において上下方向に振動して、振動板2が図1において上下方向に振動するように起振され横波(振動方向と進行方向が同一の波)として振動板2を圧電素子5に向かって伝播する。この横波の伝播速度は、下記の数式1で表される。
【0029】
【数1】V∝√EI/(ρ1+ρ2)
数式1中において、Vは横波の伝播速度、Eは振動板2のヤング率、Iは振動板2の断面2次モーメント、ρ1は振動板2の密度、ρ2は振動板2周囲の流体の密度である。ρ2は、振動板2が燃料41に浸っている場合は燃料41の密度であり、振動板2が燃料41から露出している場合は空気の密度である。
【0030】
燃料41の密度は、空気の密度よりはるかに大きいので、数式1から明らかなように、振動板2が燃料41に浸っている場合と、振動板2が燃料41から露出している、つまり空気中にある場合とでは、振動板2における振動の伝播速度が異なる。すなわち、振動板2の燃料41に浸っている部分における振動伝播速度は、振動板2の燃料41から露出して空気中にある部分における振動伝播速度よりも小さくなる。したがって、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間、すなわち振動の伝播時間は、振動板2全体が燃料41に浸漬されている状態、つまり満タン状態のときに最大値となり、燃料41がエンジン(図示せず)により消費されて液面41aが低下、すなわち振動板2の空気中への露出部分長さが増加するに連れて伝播時間は減少する。振動板2全体が空気中へ露出した状態のときに最小値となる。
【0031】
以上説明したように、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間を計測することにより、容易に且つ正確に液面41a位置を検出することができる。
【0032】
次に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1による燃料液面検出システムについて、図3に基づいて説明する。
【0033】
図3に示すように、イグニッションスイッチ50がONされると、バッテリ60から電力が制御装置20へ供給される。
【0034】
制御装置20は、燃料レベルゲージ1の圧電素子4へパルス状の電気信号を印加すると共に、圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信する。そして、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間、すなわち振動の伝播時間を計測して、それに基づいて燃料タンク40内の燃料41の液面41aを算出する。
【0035】
さらに制御部20は、算出した液面41aに基づいて、コンビネーションメータ30内の燃料計31を駆動するための駆動信号を出力する。この駆動信号により燃料計31のムーブメント(図示せず)が指針31aを回動させて、燃料41の液面41a位置が表示される。
【0036】
以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2全体をカバー3で覆う構成とした。これにより、自動車走行中の振動により燃料タンク40内燃料41が揺れて波が発生しても、カバー3により、燃料41の波が振動板2に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動板2が変形あるいは破損することを防止できる燃料レベルゲージ1を実現できる。
【0037】
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、カバー3に、振動板2を支持するためのガイド部3aを設ける構成とした。これにより、振動板2は、カバー3内においてカバー3との間に適切な隙間を維持しつつ収容保持されるので、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して、両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。
【0038】
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2をU字状に形成し、且つU字の底部には円弧部2aを形成する構成とした。振動板2をU字状に形成することで、振動板2の全長部材の全長L(図1参照)を延長することなしに両圧電素子4、5間の振動伝播経路長さを延長できるので、燃料レベルゲージ1の液面検出精度、検出分解能を向上することができる。また、U字の底部、つまり振動板2の折れ曲がり部を円弧状に形成することで、振動板2上における圧電素子4の作動により発生した振動の伝播が振動板2の折れ曲がり部により妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)ことを防止しつつ、振動板2の形状を必要に応じて所望の形状(本発明の一実施形態においてはU字状)として、たとえば、取付けられる燃料タンク40の形状に合わせて搭載容易な形状とすることができる。
【0039】
なお、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2を支持するためのガイド部3aを、互いに対向するように一対設けているが、どちらか1個を省略してもよい。
【0040】
図4、図5、図6に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の変形例および他の変形例を示す。これらの変形例および他の変形例は、いずれも振動板2の形状を各図に示すような形状に変更したものである。すなわち、振動板2における円弧部2aの個数が、図4、図5、図6においては、それぞれ2個、3個、4個となっている。これにより、振動板2の折れ曲がり部を円弧状として振動板2上における圧電素子4の作動により発生した振動の伝播が振動板2の折れ曲がり部により妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)ことを防止しつつ、振動板2の形状を、取付けられる燃料タンク40の形状に応じて最適な形状とすることができる。
【0041】
図7に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の他の変形例を示す。この他の変形例は、カバー3のガイド部3aの形状を変更したものである。すなわち、カバー3のガイド部3aの一方を図7に示すように、ガイド部3bに変更している。ガイド部3bは、カバー3の壁面から内側に凸状に形成されている。この場合も、上述の一実施形態の場合と同様に、振動板2を、ガイド部3aの弾性変形力によりカバー3との間に適切な隙間を維持しつつカバー3内に保持して、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。
【0042】
なお、以上説明した本発明の一実施形態、その変形例および他の変形例による燃料レベルゲージ1においては、振動板2を金属板で形成しているが、振動を効率良く伝播可能であれば他の材料、たとえば樹脂、セラミックス等であっても良い。
【0043】
また、以上説明した本発明の一実施形態、その変形例および他の変形例による燃料レベルゲージ1においては、ケース3を金属板で形成しているが、他の材料、たとえば樹脂等であっても良い。
【0044】
また、本発明の一実施形態、その変形例および他の変形例では、振動式液面検出装置を自動車用燃料レベルゲージ1に適用した場合を例に説明したが、本発明の振動式液面検出装置を他の用途における振動式液面検出装置に適用してもよい。また、検出する液体も、燃料以外に水、潤滑油、各種薬品、各種飲料等であってもよい。その場合も、上述の一実施形態による燃料レベルゲージ1の場合と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の断面図であり、図2中のI−I線断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の断面図であり、図1中のII−II線断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1を用いた燃料レベル表示システムを説明する構成図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図7】本発明の一実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の部分断面図である。
【符号の説明】
1 燃料レベルゲージ(振動式液面検出装置)
2 振動板(振動部材)
2a 円弧部
3 カバー
3a ガイド部(支持手段)
3b ガイド部(支持手段)
4、5 圧電素子
6 保持板
7 ブッシュ
8 スリーブ
9 ワッシャ
10 ボルト
11 ナット
20 制御装置
30 コンビネーションメータ
31 燃料計
40 燃料タンク
40a ブラケット
41 燃料
41a 液面
50 イグニッションスイッチ
60 バッテリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置に関するものであり、たとえば自動車に装備される燃料タンクの内部に取付けられて燃料の液面を検出する用途に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動式液面検出装置としては、たとえば、特許第3026105号公報に開示される超音波レベル検出装置がある。この超音波レベル検出装置は、金属棒状体の任意の位置に圧電素子を固着し、この圧電素子にパルス状の信号を印加して、印加後の予め決められた固定時間内に検出された信号の位相を検出し、前記金属棒状体が浸漬する液体のレベルを検出するものである。この超音波レベル検出装置は、液面の変動に対応して回転する浮子を用いてその回転角度を検出する方式に比べて、運動部分が無いため信頼性を向上させることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の超音波レベル検出装置を、たとえば自動車の燃料タンク内に取付けて燃料タンク内燃料の液面検出用として用いた場合、自動車走行中に自動車の振動により燃料タンク内燃料が揺れて波が発生する。この燃料の波により衝撃力を受けて、超音波レベル検出装置の金属棒状体が変形あるいは破損する等の不具合を生じる可能性がある。
【0004】
本発明は上記のような点に鑑みなされたものであり、その目的は、振動部材の配置に工夫を凝らして、燃料の波の衝突時衝撃力による振動部材の変形、破損を防止できる振動式液面検出装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
【0006】
本発明の請求項1に記載の振動式液面検出装置では、振動部材と、振動部材の両端部にそれぞれ固定される圧電素子とを備え、圧電素子の一方は外部からパルス状の入力信号を印加されて振動部材を振動させ、圧電素子の他方は振動部材の振動を検出して検出信号を外部へ出力し、入力信号および検出信号に基づき振動部材が浸漬される液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置であって、振動部材の略全体を覆うカバーを備える構成とした。これにより、たとえば、振動式液面検出装置が自動車の燃料タンク内燃料の液面検出用として使用される場合において、当該自動車の振動により燃料タンク内燃料が揺れて波が発生しても、カバーにより燃料の波が振動部材に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動部材の変形、破損を防止できる振動式液面検出装置を実現できる。
【0007】
本発明の請求項2に記載の振動式液面検出装置では、カバーは振動部材を支持する支持手段を備える構成とした。これにより、振動部材とカバーとの間に適切な隙間を維持できるので、振動部材とカバーが支持手段以外の部位において接触して、言い換えると衝突して両者が変形あるいは破損することを防止できる。
【0008】
本発明の請求項3に記載の振動式液面検出装置では、振動部材は細長い板状部材で形成され、且つ少なくとも1個の円弧部を備える構成している。これにより、振動部材上における圧電素子の作動により発生した振動の伝播が妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)こと無しに、振動部材の形状を必要に応じて所望の形状に変える、たとえば、取付けられる燃料タンクの形状に合わせて搭載容易な形状とすることができる。
【0009】
本発明の請求項4に記載の振動式液面検出装置では、振動部材は略U字状に形成される構成としている。振動式液面検出装置では、圧電素子の一方にパルス状の入力信号を印加してから圧電素子の他方がこのパルスによる振動部材の振動を検出するまでの時間を測定し、それに基づいて液面位置を検出している。したがって、振動部材の振動伝播経路長さ、すなわち両圧電素子間経路長さが長いほど、液面検出精度、検出分解能が良好となる。本発明の請求項4に記載の振動式液面検出装置では、振動部材を略U字状に形成することにより、振動部材の全長を変えずに、振動部材の振動伝播経路長さ、つまり両圧電素子間経路長さを振動部材全長の約倍に延長して良好な液面検出精度、検出分解能が得られる振動式液面検出装置を実現することができる。また、振動部材を略U字状に形成することにより両圧電素子を振動式液面検出装置の一端側にまとめて配置できるので、両圧電素子と外部との電気接続用リード線の取出しが容易に行える。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による振動式液面検出装置を、自動車の燃料タンク内に装着されて燃料液面位置を検出するための燃料レベルゲージに適用した場合を例に図に基づいて説明する。
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による振動式液面検出装置である燃料レベルゲージ1の断面図であり、図2のI−I線断面図である。図2は、燃料レベルゲージ1の断面図であり、図1のII−II線断面図である。なお、各図において、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0012】
燃料レベルゲージ1は、大きくは、振動部材である振動板2と、振動板2の両端部それぞれに固定される圧電素子4、5と、振動板2を収容するケース3と、振動板2およびケース3が固定される保持板6とから構成されている。燃料レベルゲージ1は、図3に示すように、自動車の燃料タンク40の天板内面から垂下するブラケット40aに保持板6を介して取付けられると共に、燃料レベルゲージ1の振動板2は燃料41中に浸漬されている。本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1において、圧電素子4に外部からパルス状の入力信号が印加されるとそれに応じて圧電素子4の体積が変化して振動板2を振動させる。この振動が振動板2上を伝播して圧電素子5に至り圧電素子5に圧力を作用させと圧電素子5に電荷が発生し検出信号として外部へ出力される。ところで、圧電素子4へのパルス状入力信号印加後、圧電素子5から検出信号が出力されるまでの時間は、振動板2の燃料41中にある部分の長さ、つまり液面41a位置によって変化する。すなわち、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、圧電素子4へのパルス状入力信号印加後、圧電素子5から検出信号が出力されるまでの時間を測定し、それに基づいて液面41a位置を検出している。
【0013】
振動部材である振動板2は、自体の振動を効率良く伝播可能な材質、たとえば、金属材料であるステンレス鋼の薄板からなり、図1に示すように、U字状に形成されている。U字の底部には円弧部2aが形成されている。つまり、振動板2は、ステンレス鋼の薄板をその長手方向略中央部に円弧部2aを成すように折り曲げて形成されている。円弧部2aの半径の大きさは、後述する圧電素子4により起振された振動板2の振動の伝播に影響を及ぼさないように、具体的には、振動伝播速度および振幅が変化しないように設定されている。振動板2の両端部には、図1に示すように、圧電素子4、5が固定されている。両圧電素子4、5は、振動板2を確実に振動させることができるように、あるいは振動板2の振動を確実に検出できるように強固に固定されている。上述したように、振動板2をU字状に形成することで、振動板2の全長部材の全長L(図1参照)を延長することなしに両圧電素子4、5間の振動伝播経路長さを延長できるので、燃料レベルゲージ1の液面検出精度、検出分解能を向上することができる。また、振動板2の両端部、すなわち両圧電素子4、5よりも端部側(図1において上側)には、振動板2を支持板6に固定するための貫通孔2bが形成されている。2つの貫通孔2bはほぼ同軸上に設けられている。
【0014】
圧電素子4、5は、ピエゾ効果を有する物質、たとえばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)から形成されている。圧電素子4、5には、両者を外部に接続するためのリード線(図示せず)が引き出されている。
【0015】
カバー3は、ステンレス鋼の薄板からなり、断面が長方形の筒状に形成されている。カバー3の両端(図1および図2における上下端)は開口されて、振動板2全体を完全に収容している。カバー3は、図1に示すように、その上端側において支持板6にビス12により固定されている。このように、振動板2全体をカバーで覆う構成とすることにより、自動車走行中の振動により燃料タンク40内燃料41が揺れて波が発生しても、カバー3により燃料41の波が振動板2に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動板2の変形、破損を防止できる燃料レベルゲージ1を実現できる。また、カバー3の両端が開口しているので、カバー3内外の燃料41の液面41aは常に同一となる。したがって、カバー3を装着しても、液面41a位置を正確に検出することができる。
【0016】
また、カバー3の下端側には、支持手段であるガイド部3aが、図2に示すように、カバー3の対向する壁面の一部をそれぞれ内側に突出させることにより設けられている。すなわち、ガイド部3aは、プレス加工等を施すことにより、図2における上方が固定端である板ばね状に形成されている。そして、両ガイド部3aは、弾性変形しつつ振動板2の幅方向の側端面にそれぞれ弾性変形して付勢力を作用させて押圧接触している。これにより、振動板2は、カバー3内においてカバー3との間に適切な隙間を維持しつつ収容保持されるので、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して、両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。また、振動板2上におけるガイド部3aが押圧接触する部位を、振動板2の幅方向の側端面としている。これにより、振動板2における圧電素子4により起振された振動の伝播を妨害することなく、振動板2を保持することができる。
【0017】
以上説明した振動板2およびカバー3は、支持板6に取付けられている。支持板6は、たとえば鋼板から形成されている。
【0018】
ところで、圧電素子4により起振された振動板2の振動が、振動板2の円弧部2aを経由する経路と平行して他のルートによっても圧電素子5に伝達されると、液面検出の良好な精度を維持することが困難となる。したがって、燃料レベルゲージ1としての液面検出機能を良好に維持するためには、振動板2は、支持板6に振動的に絶縁されて取付けられることが望ましい。
【0019】
以下に、振動板2の支持板6への取付け構造について、図1に基づき説明する。
【0020】
先ず、振動板2の貫通孔2bにブッシュ7を装着する。ブッシュ7は柔軟性を有する材質、たとえばゴムあるいは樹脂で形成されている。
【0021】
次に、ブッシュ7の貫通孔7aに、スリーブ8を挿入する。スリーブ8は、たとえば鋼管で形成されている。
【0022】
次に、鋼板製のワッシャ9を介してボルト10をスリーブ8および支持板6の貫通孔6aに貫通させて、ナット11を締付ける。
【0023】
以上で、振動板2の支持板6への取付けが完了する。
【0024】
ここで、ブッシュ7の単品時(取付け前の状態)における全長(図1の左右方向長さ)は、スリーブ8の軸方向長さ(図1の左右方向長さ)よりも若干長く設定されている。したがって、ボルト10およびナット11を締付けて振動板2の支持板6への取付けが完了すると、ブッシュ7は圧縮され弾性変形し、その弾性力により振動板2が保持される。また、ブッシュ7による保持力は、燃料レベルゲージ1としての液面検出機能を良好に維持できるレベルであるように、ブッシュ7およびスリーブ8の長さ、ブッシュ7の材質特性(特に硬さ)が設定されている。
【0025】
次に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1による燃料液面検出システムについて、図3に基づいて説明する。
【0026】
図3は、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1を用いた燃料レベル表示システムを説明する構成図である。
【0027】
ここで、燃料液面検出システム説明に先立ち、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の液面検出原理について簡単に説明する。
【0028】
圧電素子4は、パルス状の電気信号を印加されると体積が変化する、すなわち振動する。本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、圧電素子4は、図1において上下方向に振動して、振動板2が図1において上下方向に振動するように起振され横波(振動方向と進行方向が同一の波)として振動板2を圧電素子5に向かって伝播する。この横波の伝播速度は、下記の数式1で表される。
【0029】
【数1】V∝√EI/(ρ1+ρ2)
数式1中において、Vは横波の伝播速度、Eは振動板2のヤング率、Iは振動板2の断面2次モーメント、ρ1は振動板2の密度、ρ2は振動板2周囲の流体の密度である。ρ2は、振動板2が燃料41に浸っている場合は燃料41の密度であり、振動板2が燃料41から露出している場合は空気の密度である。
【0030】
燃料41の密度は、空気の密度よりはるかに大きいので、数式1から明らかなように、振動板2が燃料41に浸っている場合と、振動板2が燃料41から露出している、つまり空気中にある場合とでは、振動板2における振動の伝播速度が異なる。すなわち、振動板2の燃料41に浸っている部分における振動伝播速度は、振動板2の燃料41から露出して空気中にある部分における振動伝播速度よりも小さくなる。したがって、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間、すなわち振動の伝播時間は、振動板2全体が燃料41に浸漬されている状態、つまり満タン状態のときに最大値となり、燃料41がエンジン(図示せず)により消費されて液面41aが低下、すなわち振動板2の空気中への露出部分長さが増加するに連れて伝播時間は減少する。振動板2全体が空気中へ露出した状態のときに最小値となる。
【0031】
以上説明したように、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間を計測することにより、容易に且つ正確に液面41a位置を検出することができる。
【0032】
次に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1による燃料液面検出システムについて、図3に基づいて説明する。
【0033】
図3に示すように、イグニッションスイッチ50がONされると、バッテリ60から電力が制御装置20へ供給される。
【0034】
制御装置20は、燃料レベルゲージ1の圧電素子4へパルス状の電気信号を印加すると共に、圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信する。そして、圧電素子4へパルス状の電気信号を印加してから圧電素子5から発せられる振動検出信号を受信するまでの時間、すなわち振動の伝播時間を計測して、それに基づいて燃料タンク40内の燃料41の液面41aを算出する。
【0035】
さらに制御部20は、算出した液面41aに基づいて、コンビネーションメータ30内の燃料計31を駆動するための駆動信号を出力する。この駆動信号により燃料計31のムーブメント(図示せず)が指針31aを回動させて、燃料41の液面41a位置が表示される。
【0036】
以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2全体をカバー3で覆う構成とした。これにより、自動車走行中の振動により燃料タンク40内燃料41が揺れて波が発生しても、カバー3により、燃料41の波が振動板2に直接衝突して衝撃力を与えることを防止できるので、振動板2が変形あるいは破損することを防止できる燃料レベルゲージ1を実現できる。
【0037】
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、カバー3に、振動板2を支持するためのガイド部3aを設ける構成とした。これにより、振動板2は、カバー3内においてカバー3との間に適切な隙間を維持しつつ収容保持されるので、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して、両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。
【0038】
また、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2をU字状に形成し、且つU字の底部には円弧部2aを形成する構成とした。振動板2をU字状に形成することで、振動板2の全長部材の全長L(図1参照)を延長することなしに両圧電素子4、5間の振動伝播経路長さを延長できるので、燃料レベルゲージ1の液面検出精度、検出分解能を向上することができる。また、U字の底部、つまり振動板2の折れ曲がり部を円弧状に形成することで、振動板2上における圧電素子4の作動により発生した振動の伝播が振動板2の折れ曲がり部により妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)ことを防止しつつ、振動板2の形状を必要に応じて所望の形状(本発明の一実施形態においてはU字状)として、たとえば、取付けられる燃料タンク40の形状に合わせて搭載容易な形状とすることができる。
【0039】
なお、以上説明した、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1においては、振動板2を支持するためのガイド部3aを、互いに対向するように一対設けているが、どちらか1個を省略してもよい。
【0040】
図4、図5、図6に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の変形例および他の変形例を示す。これらの変形例および他の変形例は、いずれも振動板2の形状を各図に示すような形状に変更したものである。すなわち、振動板2における円弧部2aの個数が、図4、図5、図6においては、それぞれ2個、3個、4個となっている。これにより、振動板2の折れ曲がり部を円弧状として振動板2上における圧電素子4の作動により発生した振動の伝播が振動板2の折れ曲がり部により妨げられる(たとえば伝播速度が変化する、あるいは振動の振幅が減衰する)ことを防止しつつ、振動板2の形状を、取付けられる燃料タンク40の形状に応じて最適な形状とすることができる。
【0041】
図7に、本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の他の変形例を示す。この他の変形例は、カバー3のガイド部3aの形状を変更したものである。すなわち、カバー3のガイド部3aの一方を図7に示すように、ガイド部3bに変更している。ガイド部3bは、カバー3の壁面から内側に凸状に形成されている。この場合も、上述の一実施形態の場合と同様に、振動板2を、ガイド部3aの弾性変形力によりカバー3との間に適切な隙間を維持しつつカバー3内に保持して、自動車走行中の振動により振動板2とカバー3が接触して両者が変形する、あるいは破損することを防止できる。
【0042】
なお、以上説明した本発明の一実施形態、その変形例および他の変形例による燃料レベルゲージ1においては、振動板2を金属板で形成しているが、振動を効率良く伝播可能であれば他の材料、たとえば樹脂、セラミックス等であっても良い。
【0043】
また、以上説明した本発明の一実施形態、その変形例および他の変形例による燃料レベルゲージ1においては、ケース3を金属板で形成しているが、他の材料、たとえば樹脂等であっても良い。
【0044】
また、本発明の一実施形態、その変形例および他の変形例では、振動式液面検出装置を自動車用燃料レベルゲージ1に適用した場合を例に説明したが、本発明の振動式液面検出装置を他の用途における振動式液面検出装置に適用してもよい。また、検出する液体も、燃料以外に水、潤滑油、各種薬品、各種飲料等であってもよい。その場合も、上述の一実施形態による燃料レベルゲージ1の場合と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の断面図であり、図2中のI−I線断面図である。
【図2】本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1の断面図であり、図1中のII−II線断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による燃料レベルゲージ1を用いた燃料レベル表示システムを説明する構成図である。
【図4】本発明の一実施形態の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図5】本発明の一実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図6】本発明の一実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の振動板2の断面図である。
【図7】本発明の一実施形態の他の変形例による燃料レベルゲージ1の部分断面図である。
【符号の説明】
1 燃料レベルゲージ(振動式液面検出装置)
2 振動板(振動部材)
2a 円弧部
3 カバー
3a ガイド部(支持手段)
3b ガイド部(支持手段)
4、5 圧電素子
6 保持板
7 ブッシュ
8 スリーブ
9 ワッシャ
10 ボルト
11 ナット
20 制御装置
30 コンビネーションメータ
31 燃料計
40 燃料タンク
40a ブラケット
41 燃料
41a 液面
50 イグニッションスイッチ
60 バッテリ
Claims (4)
- 振動部材と、
前記振動部材の両端部にそれぞれ固定される圧電素子とを備え、
前記圧電素子の一方は外部からパルス状の入力信号を印加されて前記振動部材を振動させ、
前記圧電素子の他方は前記振動部材の前記振動を検出して検出信号を外部へ出力し、
前記入力信号および前記検出信号に基づき前記振動部材が浸漬される液体の液面位置を検出する振動式液面検出装置であって、
前記振動部材の略全体を覆うカバーを備えることを特徴とする振動式液面検出装置。 - 前記カバーは前記振動部材を支持する支持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の振動式液面検出装置。
- 前記振動部材は細長い板状部材で形成され、且つ少なくとも1個の円弧部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の振動式液面検出装置。
- 前記振動部材は略U字状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の振動式液面検出装置。
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-
2002
- 2002-07-26 JP JP2002218609A patent/JP2004061234A/ja not_active Withdrawn
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040825 |
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