JP2004060680A - 液体封入式マウント - Google Patents

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Abstract

【課題】防振特性の変更の自由度を大きくでき、かつ低コストで生産可能な液体封入式マウントを提供する。
【解決手段】外側取付筒2の内周に、内ケース4及び内側取付筒1を一体に有するゴム状弾性材料からなる主弾性体3と、補強部材6を一体に有するゴム状弾性材料からなる副弾性体5が、互いに組み合わされた状態で、その外周シール部36,53において密封的に嵌着され、外側取付筒2と主弾性体3との間に画成された第一液室Aと、外側取付筒2と副弾性体5に形成されたダイアフラム52との間に画成された第二液室Bと、主弾性体3の外周シール部36及び副弾性体5の外周シール部53に跨って形成され第一液室Aと第二液室Bとの間を連通するオリフィスC,Dに、作動液が封入される。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は防振技術に属するものであって、例えば自動車のエンジン等の防振支持手段として用いられ、弾性体で画成された第一液室と第二液室の間で、作動液が移動することにより緩衝及び振動低減を行う液体封入式マウントに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジンは、その振動が車体へ伝達されるのを極力防止するため、エンジンマウントを介して車体に弾性的に支持されており、このようなエンジンマウントとして用いられる液体封入式マウントの典型的な従来技術が、例えば特公平4−54099号公報に開示されている。この液体封入式マウントは、エンジンを含むパワーユニット側及び車体フレーム側のうちの一方に取り付けられる内側取付筒と、その外周にあって前記パワーユニット側及び車体フレーム側のうちの他方に取り付けられる外側取付筒との間が、ゴム状弾性材料からなる主弾性体を介して結合されており、この主弾性体によって画成された第一液室(受圧室)と、ゴム状弾性材料からなるにダイアフラムよって画成された第二液室(平衡室)との間で、作動液がオリフィスを介して移動するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術による液体封入式マウントにおいては、主弾性体とダイアフラムとがゴム状弾性材料で一体的に成形される一方、オリフィスを、外側取付筒の内周面との間で別部品によって形成する構造が採用されている。したがって、この主弾性体とダイアフラムからなる成形品を、防振要求性能が異なる他機種に転用する場合、液柱共振周波数の調整は、オリフィスを形成する部品の寸法変更のみに依存されることになり、防振特性の変更の自由度が小さかった。
【0004】
また、オリフィスを形成する部品との気密性を確保する目的で、最も大径である外側取付筒の内周面に、ゴム状弾性材料による膜状のシールゴムを加硫接着する必要があるため、大径の加硫成形金型が必要となって、コストの上昇を来していた。
【0005】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたもので、その技術的課題とするところは、防振特性の変更の自由度を大きくでき、かつ低コストで生産可能な液体封入式マウントを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る液体封入式マウントは、内側取付筒及びその外周の内ケースをゴム状弾性材料からなる主弾性体に加硫接着した第一の加硫成形体と、補強部材をゴム状弾性材料からなる副弾性体に加硫接着した第二の加硫成形体が、互いに組み合わされた状態で外側取付筒の内周に密封的に嵌着され、前記外側取付筒と前記主弾性体との間に画成された第一液室と、前記外側取付筒と前記副弾性体に形成されたダイアフラムとの間に画成された第二液室と、前記主弾性体及び副弾性体に跨って形成され前記第一液室と前記第二液室との間を連通するオリフィスに、作動液が封入されたものである。
【0007】
請求項2の発明に係る液体封入式マウントは、請求項1に記載の構成において、主弾性体及び副弾性体に、外側取付筒の内周面と密接して第一液室、第二液室及びオリフィスからなる密閉空間をシールするシール部が形成される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る液体封入式マウントを、図面を参照しながら説明する。まず図1は、本発明に係る液体封入式マウントの好ましい実施の形態を、軸心を通る平面で被支持荷重方向に切断して示す断面図、図2は、図1におけるII−II線の位置で軸心と直交する平面で切断して示す断面図、図3は、図1におけるIII方向の矢視図、図4は、内部の加硫成形体を分解した状態を、軸心を通る平面で被支持荷重方向に切断して示す断面図、図5は、内部の加硫成形体を分解した状態を、軸心と直交する平面で切断して示す断面図、図6は、作動液の流動経路を説明するための、図5におけるVI方向の矢視図である。
【0009】
図1〜図5において、参照符号1は、金属製の中空軸状の内側取付筒で、その軸方向中間部には、被支持荷重の入力方向すなわち上下方向に突出した下側ストッパ11及び上側ストッパ12が一体的に設けられている。下側ストッパ11は、上側ストッパ12よりも突出高さが大きく形成されている。参照符号2は、内側取付筒1の外周側に配置された円筒状を呈する金属製の外側取付筒で、その軸方向両端には、内向き鍔部21,22が形成されている。内側取付筒1は、ゴム状弾性材料で成形された主弾性体3を介して、外側取付筒2の軸心よりも上方へ偏心した位置に支持されている。
【0010】
主弾性体3は、内側取付筒1及びストッパ11,12と、その外周側に配置された金属製の内ケース4とに跨って一体的に加硫成形(加硫接着)されており、すなわち、これら内側取付筒1、主弾性体3、ストッパ11,12及び内ケース4は、図4及び図5に示される第一の加硫成形体10を構成している。主弾性体3は、内側取付筒1に加硫接着された基部31と、この基部31から軸心と直交する断面が八の字形をなして斜め下方へ延びる一対の側壁部32,32と、前記基部31からストッパ11,12の軸方向両側に位置する一対の端壁部33,33と、下側ストッパ11の下端を覆うように形成された緩衝体34と、上側ストッパ12を覆うように形成された膜状の弾性層35を有する。
【0011】
内ケース4は、図5に破線で示されるように、軸心と平行な方向の投影形状がほぼ円形をなすものであって、図4及び図5に示されるように、主弾性体3における各側壁部32の端部内を延びる一対の中間補強部41,41と、この中間補強部41,41の軸方向両端から下側へ、主弾性体3における各端壁部33の外周部に沿って円弧状に延びる一対の端壁補強部42,42と、中間補強部41,41の軸方向両端から上側へ、円弧状に延びる一対の上側円弧部43,43とからなる。主弾性体3の側壁部32,32及び端壁部33,33は、被支持体であるエンジンを含むパワーユニット側の荷重を弾性的に支持する主体であるため、その肉厚が十分に大きく形成されている。
【0012】
内ケース4における中間補強部41,41の外周側は、主弾性体3の一部からなる外周シール部36,36となっており、端壁補強部42,42の外周側は、主弾性体3の一部からなる外周シール部37,37となっており、上側円弧部43,43の外周側にも、主弾性体3の一部からなる密接部38,38が形成されており、これらが、外側取付筒2の内周面に密接されている。
【0013】
参照符号5はゴム状弾性材料で成形された副弾性体で、半円弧状を呈する金属製の補強部材6に一体的に加硫接着されており、すなわち、これら副弾性体5と補強部材6は、図4及び図5に示される第二の加硫成形体20を構成している。補強部材6は、図1及び図4に示されるように、軸方向両端に外周側へ屈曲形成された一対の鍔部61,61を有し、図5に示されるように、円周方向二箇所に開口部62,62が開設されている。
【0014】
副弾性体5は、図2に示されるように、主弾性体3における弾性槽35で被覆された上側ストッパ12と上下に対向する緩衝体51と、その円周方向両側に形成された一対のダイアフラム52,52と、補強部材6の外周側にあって外側取付筒2の内周面に密着される外周シール部53とを有する。
【0015】
ダイアフラム52,52は、主弾性体3における側壁部32,32及び端壁部33,33に比較して十分に薄肉に形成されており、上側ストッパ12の両側の位置へ突出した袋状を呈するもので、その上端開口部が、補強部材6における開口部62,62と合致している。また、各ダイアフラム52,52と、主弾性体3との間は、適当な隙間Gを介して非接触状態となっている。
【0016】
内側取付筒1の下側には、主弾性体3における側壁部32,32及び端壁部33,33とで囲まれた空間と、これを下側から塞ぐように存在する外側取付筒2の下部2aとの間には、第一液室Aが画成されている。一方、ダイアフラム52,52の内側空間は、それぞれ第二液室Bとなっており、これら第一及び第二液室A,Bは、図2に示される第一オリフィスC及び第二オリフィスDを介して互いに連通している。
【0017】
第一オリフィスCは、内ケース4における一方(図2における右側)の中間補強部41の外周側の外周シール部36に形成された通路C1と、副弾性体5における外周シール部53に形成された通路C2からなる。詳しくは、図5に示される第一の加硫成形体10における主弾性体3の外周シール部36,36の上端部及び内ケース4の中間補強部41,41の上端部と、第二の加硫成形体20における副弾性体5の外周シール部53の円周方向両端部及び補強部材6の円周方向両端部が、互いに密接状態に嵌合されることによって、主弾性体3の外周シール部36に形成された通路C1と、副弾性体5の外周シール部53に形成された通路C2が互いに連続した第一オリフィスCを構成している。
【0018】
図6に示されるように、副弾性体5の外周シール部53に形成された第一オリフィスCの通路C2は、内ケース4側の通路C1に比較して流路断面積が小さく形成されていると共に、図6における右側の第二液室B(B)を迂回して、後述する第二オリフィスDの通路D2に合流し、この通路D2を介して図6における左側の第二液室B(B)に連通している。また、第二液室B,B(B,B)は、第一オリフィスCに比較して流路断面積が十分に大きい通路Eを介して互いに連通している。
【0019】
一方、第二オリフィスDは、内ケース4における他方(図2における左側)の中間補強部41の外周側の外周シール部36に形成された通路D1と、副弾性体5における外周シール部53に形成された通路D2からなる。すなわち、第一オリフィスCと同様、図5に示される第一の加硫成形体10における主弾性体3の外周シール部36,36及び内ケース4の中間補強部41,41の上端部と、第二の加硫成形体20における副弾性体5の外周シール部53の円周方向両端部及び補強部材6の円周方向両端部が、互いに密接状態に嵌合されることによって、通路D1,D2が互いに連続し、第二オリフィスDを構成している。第二オリフィスDの流路断面積は、第一オリフィスCにおける通路C2よりも十分に大きく、例えば通路Eと同等に形成されている。また、通路D2は図6における左側の第二液室B(B)に連通しており、このため第一オリフィスCよりも流路長さが短いものとなっている。
【0020】
互いに連通している第一液室A、第一オリフィスC、第二オリフィスD、第二液室B及び通路Eからなる密閉空間には、シリコーンオイル等のような、適当な粘性を有する非圧縮性の作動液が充填されている。先に説明したように、第一オリフィスCは流路長さが長く、かつ流路断面積が小さく形成されているので、この第一オリフィスC内を、図6に矢印で示されるように作動液が流れる際には、大きな流動抵抗が発生する。これに対し、第二オリフィスDは、流路長さが短く、かつ流路断面積が大きく形成されているので、第二オリフィスD内を作動液が流れる際の流動抵抗は、第一オリフィスCに比較して十分に小さいものとなっている。
【0021】
第一オリフィスC及び第二オリフィスDにおける液柱共振周波数は、それぞれの流路長さ及び流路断面積と、主弾性体3における側壁部32,32及び端壁部33,33の弾性(ばね定数)と、副弾性体5におけるダイアフラム52,52の拡張弾性によって決まる。このうち、第一オリフィスCの液柱共振周波数は、低周波数域、例えばエンジンシェイク等による振動の周波数域に同調され、第二オリフィスDの液柱共振周波数は、中・高周波数域、例えばエンジンの機関振動等による継続的な小振幅の振動の周波数域に同調される。
【0022】
したがって、支持対象であるパワーユニットの仕様変更等に合わせて、当該液体封入式マウントの特性を変更する場合は、副弾性体5の外周シール部53に形成された通路C2あるいは通路D2の形状や寸法及びダイアフラム52,52の形状や肉厚等の変更によって対応することができる。
【0023】
以上の構成を備える本形態の液体封入式マウントの製造においては、まず、内側取付筒1、ストッパ11,12、外側取付筒2、内ケース4及び補強部材6を製作する。なお、この時点では、外側取付筒2には軸方向一端の内向き鍔部21のみが形成される。
【0024】
次に、図4及び図5に示されるような、主弾性体3に内側取付筒1、ストッパ11,12及び内ケース4を一体化した加硫成形体10と、副弾性体5に補強部材6を一体化した加硫成形体20を、それぞれ加硫成形金型を用いて製作する。
【0025】
外側取付筒2の内周面には、従来のように、ゴム状弾性材料による膜状のシールゴムを加硫接着する必要がない。これは、本形態においては、図1及び図2に示されるように、第一液室A、第二液室B、及びオリフィスC,Dからなる密閉空間のシールは、主弾性体3における外周シール部36,37及び副弾性体5における外周シール部53が、外側取付筒2の内周面に密接することによってなされるからである。したがって、外側取付筒2の全周にシールゴムを形成するための大型の加硫成形金型が不要となる。
【0026】
次に、加硫成形体10,20を、主弾性体3における外周シール部36,36の上端部及び内ケース4の中間補強部41,41の上端部と、副弾性体5における外周シール部53の円周方向両端部及び補強部材6の円周方向両端部が、互いに密接嵌合状態となるように組み合わせ、槽内に貯留したシリコーンオイル等の液中で、外側取付筒2の内周に、内ケース4の軸方向一端が外側取付筒2の内向き鍔部21に当接するまで圧入する。この圧入過程で、槽内の液の一部が第一液室A、第二液室B、及びオリフィスC,Dに閉じ込められる。最後に、外側取付筒2の軸方向他端を内周側へカシメて内向き鍔部22を形成し、内向き鍔部21,22間に加硫成形体10,20を固定することによって、組立が完了する。
【0027】
図示の形態による液体封入式マウントにおいて、内側取付筒1は、支持対象の振動体であるエンジンを含むパワーユニット側及び支持体である車体フレーム側のうちの一方に、また、外側取付筒2はパワーユニット側及び車体フレーム側のうちの他方に連結される。そして、主弾性体3における側壁部32,32及び端壁部33,33がパワーユニットの荷重による初期変形を受けた状態では、図1及び図2に示されるように、内側取付筒1の下側ストッパ11(緩衝体34)が、外側取付筒2の下部内周面から適当な高さだけ浮上しており、かつ上側ストッパ12(弾性槽35)が、副弾性体5に形成された緩衝体51に対して、適当な隙間を介して非接触状態にある。したがって、パワーユニット側あるいは車体側からの振動が入力されると、内側取付筒1と外側取付筒2は、主弾性体3の変形を伴いながら、図1乃至図3における上下方向へ相対的に反復変位される。
【0028】
入力された振動が、例えばエンジンシェイク等による低周波大振幅の変位である場合は、この振動変位の半周期において、内側取付筒1が外側取付筒2に対して相対的に下方へ大きく変位されることによって、主弾性体3における側壁部32,32及び端壁部33,33が大きな変形を受けると、内側取付筒1の下側の第一液室Aが加圧されるので、第一液室A内の作動液は、第一オリフィスCを通じて相対的に低圧の第二液室B側へ移動する。そして次の半周期では、内側取付筒1が外側取付筒2に対して相対的に上方へ変位されることによって、上述とは逆に、作動液は容積拡張過程にある第一液室Aへ向けて第一オリフィスC内を移動する。そして、第一オリフィスC内では、入力された低周波振動に対する液柱共振によって、作動液が円滑に流れる。このため、主弾性体3の側壁部32,32及び端壁部33,33の変形に伴う内部摩擦による減衰力のほか、細く長い第一オリフィスC内を作動液体が流れる時の摩擦によって大きな減衰力を発生し、前記エンジンシェイク等による振動を短時間で収束させる。
【0029】
また、上記エンジンシェイク等の衝撃入力による内側取付筒1と外側取付筒2の相対変位量は、内側取付筒1に設けられた下側ストッパ11の下端の緩衝体34と外側取付筒2の内周面、又は上側ストッパ12の上端の弾性槽35と副弾性体5の緩衝体51の接触によって制限される。このため、主弾性体3の側壁部32,32及び端壁部33,33の過大変形による破損が防止される。また、このときの衝突音の発生は、ゴム状弾性材料からなる緩衝体34,51によって、有効に抑制される。
【0030】
なお、低周波大振幅の変位入力において、第一液室A内が加圧されて作動液が第二液室Bへ流入することによってダイアフラム52は膨張変形を受けるが、このとき、内側取付筒1は、主弾性体3の変形を伴いながら下方へ相対変位する過程にあるので、膨張したダイアフラム52,52の下端が主弾性体3と接触してその変形を妨げられることはない。逆に、リバウンドによって内側取付筒1が上方へ相対変位する過程では、第一液室A内が負圧となって作動液が第二液室Bから第一液室Aへ戻り、ダイアフラム52が収縮する過程にあるので、主弾性体3がダイアフラム52の下面に干渉することはない。
【0031】
次に、入力振動がエンジンの機関振動等による中・高周波数帯域の継続的な小振幅の振動変位である場合は、第一オリフィスCにおける液柱慣性が大きくなるので、作動液がこの第一オリフィスCを介して反復移動することはなく、それよりも液柱共振周波数の高い第二オリフィスD内を、ダイアフラム52,52の微小変形を伴いながら、小刻みに反復移動する。したがって、振動入力による第一液室Aの液圧変化が第二オリフィスDにおける作動液の移動によって有効に吸収され、動ばね定数が低下するので、第一液室A内の作動液を介しての伝達振動を有効に絶縁する。
【0032】
【発明の効果】
請求項1の発明に係る液体封入式マウントによれば、副弾性体の外周シール部に形成されたオリフィスの形状や寸法及びダイアフラムの形状や肉厚等の変更によって、オリフィスにおける減衰特性及び液柱共振周波数を設定することができるため、支持対象のエンジン等の仕様変更等に対応して、防振特性を変更する場合の設計の自由度を向上することができる。
【0033】
請求項2の発明に係る液体封入式マウントによれば、請求項1による効果に加え、外側取付筒の全周にシールゴムを成形するための大型の加硫成形金型が不要になることによる製作コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液体封入式マウントの好ましい実施の形態を、被支持荷重方向の中心線を通る平面で切断して示す断面図である。
【図2】図1におけるII−II線の位置で軸心と直交する平面で切断して示す断面図である。
【図3】図1におけるIII方向の矢視図である。
【図4】本発明に係る液体封入式マウントの好ましい実施の形態において、第一及び第二の加硫成形体を、軸心を通る平面で被支持荷重方向に切断して示す断面図である。
【図5】本発明に係る液体封入式マウントの好ましい実施の形態において、第一及び第二の加硫成形体を、軸心と直交する平面で切断して示す断面図である。
【図6】本発明に係る液体封入式マウントの好ましい実施の形態における作動液の流動経路を説明するための、図5におけるVI方向の矢視図である。
【符号の説明】
1 内側取付筒
11,12 ストッパ
2 外側取付筒
21,22 内向き鍔部
3 主弾性体
31 基部
31a ゴム膜
32 側壁部
33 端壁部
34 緩衝体
35 弾性層
36,37 外周シール部
4 内ケース
41 中間補強部
42 端壁補強部
43 上側円弧部
5 副弾性体
51 緩衝体
52 ダイアフラム
53 外周シール部
6 補強部材
61 鍔部
62 開口部
10 第一の加硫成形体
20 第二の加硫成形体
A 第一液室
B 第二液室
C 第一オリフィス
C1,C2,D1,D2,E 通路
D 第二オリフィス

Claims (2)

  1. 内側取付筒(1)及びその外周の内ケース(4)をゴム状弾性材料からなる主弾性体(3)に加硫接着した第一の加硫成形体(10)と、補強部材(6)をゴム状弾性材料からなる副弾性体(5)に加硫接着した第二の加硫成形体(20)が、互いに組み合わされた状態で外側取付筒(2)の内周に密封的に嵌着され、前記外側取付筒(2)と前記主弾性体(3)との間に画成された第一液室(A)と、前記外側取付筒(2)と前記副弾性体(5)に形成されたダイアフラム(52)との間に画成された第二液室(B)と、前記主弾性体(3)及び副弾性体(5)に跨って形成され前記第一液室(A)と前記第二液室(B)との間を連通するオリフィス(C,D)に、作動液が封入されたことを特徴とする液体封入式マウント。
  2. 主弾性体(3)及び副弾性体(5)に、外側取付筒(2)の内周面と密接して第一液室(A)、第二液室(B)及びオリフィス(C,D)からなる密閉空間をシールするシール部(36,37,53)が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の液体封入式マウント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2005015053A1 (de) * 2003-08-06 2005-02-17 Trelleborg Automotive Technical Centre Gmbh Hydraulisch dämpfende lagerbuchse

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