JP2004060522A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電動モータ2の駆動力によりエンジン1を始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段を備えたハイブリッド車両において、エンジン始動処理において、回転速度検出手段S3にて検出される電動モータ2の実回転速度を予め設定されるエンジン始動用の目標回転速度に近づけるように、比例制御により電動モータ2の動作を制御し、且つ、回転速度検出手段S3にて検出される電動モータ2の実回転速度が、エンジン始動用の目標回転速度以上の値に設定された始動判定用回転速度よりも高くなると、エンジンが始動したと判別する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンと、電動モータと、エンジン始動要求があると前記電動モータの駆動力により前記エンジンを始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段とを備えたハイブリッド車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記構成のハイブリッド車両においては、上述したように電動モータの駆動力によりエンジンを始動させるエンジン始動処理を実行する構成となっているが、このエンジン始動処理を実行する場合において、エンジンが始動していることを判別するための構成として、従来では、例えば、特開2000−186654号公報に示される構成のものがあった。
【0003】
つまり、エンジンを電動モータの駆動力により始動させる場合、エンジンの実回転速度が始動用目標回転速度に近づくように電動モータに対する電流指令値を求め、その電流指令値を電動モータに通電して電動モータを回転させてエンジンを始動させるように構成され、前記電流指令値が、零あるいは零に近い値として設定された基準値以下になったことが検出されると、その時点から設定時間が経過した後において、エンジンの実回転速度が完爆判定用の回転速度以上になったことを判別すると、その時点でエンジンが始動したと判別する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来構成においては、電動モータに対する電流指令値が前記基準値以下になったか否かを判断した後、それから更に設定時間が経過した後において、エンジンの実回転速度が完爆判定用の回転速度以上になったか否かに基づいてエンジンの始動を判別するようになっているので、エンジン始動処理を開始してからエンジンの始動判別が行われるまでの間に時間が長くかかることになり、ハイブリッド車両においては、このようにエンジンの始動判別が行われるまでに時間が長くかかると、次のような不都合が生じるおそれがあった。
【0005】
例えば、パラレル型のハイブリッド車両においては、要求される走行駆動力が比較的小さい低速走行時等においては、エンジンが運転停止状態になっている場合があるが、このときアクセル操作具が踏み込み操作され加速操作が行われると、要求される走行駆動力が大きくなりエンジンを始動させる必要が生じる。このような場合において、エンジンの始動判別が行われるまでに時間が長くかかると、アクセル操作具の踏み込み操作が行われてエンジンの始動要求があったときから実際に加速されるまでの間に時間遅れが生じて操作者が違和感を感じるおそれがある。
【0006】
車両が走行停止してエンジンが作動停止している状態から車両の走行を開始するとき、走行開始と同時にエンジンを始動させる必要があるような場合においても同様に、アクセル操作具の踏み込み操作が行われてエンジンの始動要求があったときからエンジンが始動して車両が発進するまでの間に時間遅れが生じて操作者が違和感を感じるおそれがある。
【0007】
又、ハイブリッド車両においては、エンジンが作動しているときに電動モータを回生状態にして発電を行い、その発電電力にてバッテリーを充電する構成となっているのが一般的であるが、上記したようなエンジン始動処理を行うと、大きな駆動力を必要とするので多くの電力を消費することになるが、エンジンの始動判別が行われるまでに時間が長くかかると、それだけ電力消費量が必要以上に多くなるという不都合もある。
【0008】
本発明はかかる点に着目してなされたものであり、その目的は、エンジンの始動要求があったときからエンジンの始動判別が行われるまでの時間を極力短くして上記したような不都合を解消することが可能となるハイブリッド車両を提供する点にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のハイブリッド車両は、エンジンと、電動モータと、エンジン始動要求があると前記電動モータの駆動力により前記エンジンを始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段とを備えたハイブリッド車両であって、前記電動モータの実回転速度を検出する回転速度検出手段が備えられ、前記制御手段が、前記エンジン始動処理において、前記回転速度検出手段にて検出される前記電動モータの実回転速度を予め設定されるエンジン始動用の目標回転速度に近づけるように、比例制御により前記電動モータの動作を制御し、且つ、前記回転速度検出手段にて検出される前記電動モータの実回転速度が、前記エンジン始動用の目標回転速度以上の値に設定された始動判定用回転速度よりも高くなると、前記エンジンが始動したと判別するよう構成されていることを特徴とする。
【0010】
すなわち、エンジン始動要求があると電動モータの駆動力によりエンジンを始動させるエンジン始動処理を実行するのであるが、そのとき、制御手段は、回転速度検出手段にて検出される電動モータの実回転速度をエンジン始動用の目標回転速度に近づけるように、それらの偏差に対する比例要素のみを用いる比例制御により電動モータの動作を制御する。エンジン始動用の目標回転速度は、エンジンを始動させるのに適した回転速度としてエンジンの仕様等を考慮して予め設定されている。
そして、回転速度検出手段にて検出される電動モータの実回転速度が、エンジン始動用の目標回転速度以上の値に設定された始動判定用回転速度よりも高くなると、エンジンが始動したと判別するのである。尚、この始動判定用回転速度は、エンジンの特性に応じて実験結果等に基づいて適正な値が設定されることになる。
【0011】
ここで、電動モータの動作について検討を加えると、例えば、図4に示すように、電動モータの実回転速度Nxはエンジン始動用の目標回転速度Ns1に近づくように増大していくことになるが、上記したように比例制御を行うので、エンジン1が始動していない状態が継続している場合には、図4のラインL1に示すように、電動モータの実回転速度Nxは、エンジン始動用の目標回転速度Ns1を超えるようなオーバーシュート現象を発生することはないが、定常状態では、エンジン始動用の目標回転速度Ns1を下回り定常偏差ΔNを有する状態で安定してしまうことになる。これに対して、電動モータの実回転速度がエンジン始動用の目標回転速度に近づいたときに、エンジンが始動すると、エンジンが駆動力を発揮する状態となるので、電動モータの実回転速度Nxが、図4のラインL2に示すように、エンジンの駆動力によってエンジン始動用の目標回転速度Ns1を越えて大きく上昇して、前記始動判定用回転速度Ns2よりも高い状態になる。
【0012】
つまり、エンジン1が始動してなければ電動モータの実回転速度が始動判定用回転速度よりも高い状態になることはなく、エンジンが始動すると電動モータの実回転速度が始動判定用回転速度よりも高い状態になるので、電動モータの実回転速度が始動判定用回転速度よりも高くなることによりエンジンの始動を判別することができるのである。
【0013】
尚、実回転速度をエンジン始動用の目標回転速度に近づけるように電動モータの動作を制御する場合、比例制御(P制御)に代えて、偏差に対する比例要素だけでなく積分要素を加味した比例積分制御(PI制御)や更に微分要素も加味した比例微分積分制御(PID制御)にて実行することも可能であるが、このように積分要素を加味した制御を行うと、例えば図7に示すように、比例制御のような定常偏差は発生しないが、電動モータの実回転速度Nxがエンジン始動用の目標回転速度Ns1を超えるオーバーシュート現象が発生するので、実回転速度が前記始動判定用回転速度よりも高くなったか否かにより、エンジンの始動を判別するようにしても誤判別するおそれが大となる。
これに対して、比例制御によって電動モータを制御することで、このような誤判別するおそれが少ない状態で適正にエンジンの始動判別を行うことが可能となるのである。
【0014】
このように、電動モータの回転速度の制御を行うために検出する実回転速度の検出情報に基づいて、その電動モータの実回転速度が始動判定用回転速度よりも高くなると、エンジンが始動したと判別するので、従来技術のような複雑な処理や余計な待ち時間がなく、エンジンを始動開始してからエンジンの始動判別が行われるまでの経過時間を短かくすることが可能となる。
【0015】
しかも、電動モータの回転速度は、エンジンの回転に伴う駆動トルクや電動モータの発生トルクが積分されて平滑化された情報として得られるので、例えば、電動モータの電流値や電圧値等に基づいて制御を行うものに比べて、エンジンのトルク脈動や電動モータの過渡応答による瞬時的なトルク変動などのノイズによる影響を受け難く、このようなノイズに起因して誤検出を起こすおそれが少ないので、エンジン始動を精度よく検出することができる。
【0016】
従って、請求項1に記載の構成によれば、エンジンの始動要求があったときからエンジンの始動判別が行われるまでの時間を極力短くして、加速時や車両の発進時における動作遅れによる操作上の違和感を解消することができるとともに、電力消費量が必要以上に多くなるといった不都合を解消することが可能となるハイブリッド車両を提供できるに至った。
【0017】
請求項2に記載のハイブリッド車両は、請求項1において、車両走行時には常に前記エンジンが駆動状態となることを条件として、エンジンの駆動回転を停止させるためのエンジン停止条件が予め設定されており、前記制御手段が、前記エンジン停止条件が満たされたことを判別すると、前記エンジンの駆動を停止させるように構成されていることを特徴とする。
【0018】
すなわち、制御手段は、エンジン停止条件が満たされたことを判別すると、エンジンの駆動を停止させ、エンジン始動要求があるとエンジン始動処理を実行することになるが、前記エンジン停止条件としては、車両走行時には常にエンジンが駆動状態となることを条件としているので、例えば、車両が停止してエンジンが駆動停止している状態から車両を発進させるときは、エンジンを始動させながら車両を発進させることになる。
【0019】
従って、車両を発進させるためにアクセル操作具を踏み込み操作して、そのことによってエンジン始動要求がありエンジン始動処理を実行するような場合に、アクセル操作具を踏み込み操作してからエンジンが始動して車両が発進するまでの遅れ時間を極力少なくすることができ、請求項1を実施するのに好適な手段が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るハイブリッド車両について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、ハイブリッド車両は、走行駆動用のエンジン1、及び、このエンジン1の出力軸1aに直結された走行駆動用の電動モータ2を備えて、これらの動力により走行装置としての左右の車輪3を駆動して走行するように駆動ユニットKUが構成されている。前記電動モータ2は、エンジン1の出力軸1aにロータ2aが同一軸芯で一体回動するように連結され、そのロータ2aの外周部を囲うステータ2bが位置固定状態で図示しない車体支持部に支持される構成となっている。
【0021】
そして、この電動モータ2は、エンジン1の作動が停止している状態においてその出力軸1aに対して駆動力を与えてエンジン1を始動させるように構成され、且つ、エンジン1が始動した後は、出力軸1aに対してエンジン回転方向と同方向の駆動力を与えてトルクアシストを行うアシスト状態と、前記出力軸1aから駆動力が与えられて発電する回生状態とに切り換え可能に構成されている。つまり、駆動ユニットKUに対して要求される駆動力に対してエンジン1が高効率状態で運転するときの動力では不足するときに、電動モータ2が、エンジン1にて回転駆動される出力軸1aに対してその回転方向と同一方向に回転トルクを出力させる、いわゆる力行状態に切り換えることで、所望の走行駆動力を出力しながらエンジン1が高効率状態で運転して低燃費状態となるように、エンジン1の出力に対する動力の補助つまりトルクアシストを行うことができる構成となっている。又、エンジン1の出力に余裕があるときは、電動モータ2が回生状態となって、出力軸1aから駆動力が与えられて発電して得られた回生電力をバッテリー4に充電することができる構成となっている。
【0022】
前記駆動ユニットKUの動力は、走行クラッチ5を介してトランスミッション6に伝えられ、このトランスミッション6内部の図示しないギア式の変速機構により変速された後に差動機構7を介して左右の車輪3に伝えられる構成となっている。
【0023】
次に、このハイブリッド車両における走行駆動用の制御構成について説明する。
図2にも示すように、車両全体の動作を統括して管理する車両制御部8、この車両制御部8からの制御情報に基づいて前記電動モータ2の動作を制御するモータ制御部9、車両制御部8からの制御情報に基づいて前記エンジン1の出力、具体的には、電子スロットル弁10のスロットル開度及びインジェクタ11による燃料噴射量を自動調節するエンジン制御部12夫々が備えられ、アクセル操作具13の操作量を検出するポテンショメータ式のアクセル操作量検出センサS1、ブレーキ操作具14が踏み込み操作されているか否かを検出するスイッチ式のブレーキ操作検出センサS2、電動モータ2の回転速度を検出する回転速度検出手段としての回転速度センサS3、及び、車輪3の車軸の回転速度に基づいて車速を検出する車速センサS4等による各種の検出情報が車両制御部8に入力される構成となっている。前記電動モータ2並びに前記各制御部9,12に対する駆動電力はバッテリー4から供給され、このバッテリー4は後述するように電動モータ2からの発電電力によって充電される構成となっている。
【0024】
前記ブレーキ操作具14により機械式制動手段KSを作動させて機械的な制動力を発生させるための構成について説明を加えると、運転者の足踏み操作にてブレーキ操作具14が操作されると、その足踏み操作力に対応させて制動用の油圧操作力を発生させる周知構成のマスターシリンダ15が備えられ、このマスターシリンダ15から作動油供給路15aを通して出力される油圧操作力にて前記車輪3の近傍に設けられた摩擦式の制動装置16を作動させて車体を制動させる構成となっている。このような機械式制動手段KSは、ブレーキ操作具14に対する運転者の操作力が大きくなるほど、その油圧操作力、すなわち、機械的な制動力が大となるように変更調節自在に構成されている。
【0025】
前記車両制御部8は、アクセル操作量検出センサS1の検出情報および車速センサS4の検出情報等の走行用の駆動力調整情報に基づいて、駆動ユニットKUに対して要求される要求駆動力を演算して求め、駆動ユニットKUがその要求駆動力を出力するように、エンジン1及び電動モータ2の作動を制御すべく、モータ制御部9およびエンジン制御部12に制御情報を指令するようになっている。つまり、アクセル操作具13が踏み込み操作された状態で車両が走行している場合には、大きい要求駆動力が必要であるから、そのときの車速に応じて必要とされる要求駆動力が演算にて求められ、エンジン1の出力を調整するとともに、エンジンの出力では駆動力が不足するときは、電動モータ2によりエンジン1にて回転駆動される出力軸1aに対してその回転方向と同一方向に回転トルクを出力させることでトルクアシストを行うように作動を制御するよう構成されている。
又、アクセル操作具13の操作が解除されて要求駆動力が小さい場合、あるいは、ブレーキ操作具14が操作され、車速を減速させるような場合には、回生制動力を出力するように電動モータ2の作動を制御するよう構成されている。このとき、電動モータ2は発電機として機能し、発電した電力はバッテリー4に充電される構成となっている。
【0026】
走行クラッチ5を切り操作して車両の走行を停止させているような場合においては、車両走行用の駆動力は不要であるから、基本的には、エンジン1は燃料供給が停止されて作動を停止することになる。但し、車両の走行を停止してエンジン1が作動を停止しているときに、バッテリー4の充電量が設定量以下にまで低下してバッテリー4を充電する必要があるような場合には、走行クラッチ5を切り操作した状態でエンジン1を作動させてエンジン1の動力を電動モータ2の回生制動による発電に利用して、発電した電力をバッテリー4に充電するようになっている。バッテリー4を充電する必要があると判断した場合に、そのとき既にエンジン1が作動停止していれば、車両制御部8がエンジン始動要求があると判断して、車両制御部8は、電動モータ2による駆動力にてエンジン1を始動させるべくモータ制御部9およびエンジン制御部12にエンジン始動用の指令情報を指令する構成となっている。
又、車両を停止している状態から発進させるために、アクセル操作具13が踏み込み操作され要求駆動力が大きくなったような場合においても同様に、車両制御部8がエンジン始動要求があると判断して、車両制御部8は、電動モータ2による駆動力にてエンジン1を始動させるべくモータ制御部9およびエンジン制御部12にエンジン始動用の指令情報を指令する構成となっている。
【0027】
従って、車両制御部8、モータ制御部9、および、エンジン制御部12の夫々により、エンジン始動要求があると電動モータ2の駆動力によりエンジン1を始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段Hが構成されている。
そして、この制御手段Hは、前記エンジン始動処理において、回転速度センサS3にて検出される電動モータ2の実回転速度を予め設定されるエンジン始動用の目標回転速度に近づけるように、比例制御により電動モータ2の動作を制御し、且つ、回転速度センサS3にて検出される電動モータ2の実回転速度が、エンジン始動用の目標回転速度以上の値に設定された始動判定用回転速度よりも高くなると、エンジン1が始動したと判別するよう構成されている。
【0028】
又、上記したように、このハイブリッド車両においては、車両走行時には常にエンジン1が駆動状態となることを条件として、エンジン1の駆動回転を停止させるためのエンジン停止条件が予め設定されており、制御手段Hが、エンジン停止条件が満たされたことを判別すると、エンジン1の駆動を停止させ、且つ、エンジン始動要求があると電動モータ2の駆動力によりエンジン1を始動させるエンジン始動処理を実行するように構成されている。
説明を加えると、上記構成のハイブリッド車両においては、車両が走行停止してバッテリー4の充電量が設定量以上であることがエンジン停止条件であり、車両を停止状態から走行すべく発進させるとき、および、車両走行停止中にバッテリー4の充電量が設定量以下になっているときにエンジン始動が要求される構成となっている。
【0029】
次に、制御手段Hによるエンジン始動処理についてフローチャートに基づいて説明する。
図3に示すように、上述したように、車両を発進させるとき、あるいは、走行停止中にバッテリー4の充電量が設定量以下になっているときにおいて、エンジン始動要求があると、エンジン1を始動させるべく電動モータ2を力行状態にして駆動開始する(ステップ1,2)。そして、回転速度センサS3にて検出される電動モータ2の実回転速度Nxがエンジン始動用の目標回転速度Ns1に近づくように、比例制御により電動モータ2の動作を制御する(ステップ3)。具体的には、電動モータ2の駆動電圧に対する制御指令値を、実回転速度Nxとエンジン始動用の目標回転速度Ns1との偏差に対して比例定数を掛けた比例要素に対応する指令値として逐次求め、その指令値に対応する駆動電圧をモータ制御部9が電動モータ2に供給するように動作制御する構成となっている。
【0030】
このような比例制御を行うことによりエンジン1のクランク軸が回転することになるが、そのとき、例えばエンジン1を始動させるのに適した速度にまで上昇すると、エンジン1に燃料供給を開始するとともに始動に適したスロットル開度に調整するべく、電子スロットル弁10のスロットル開度及びインジェクタ11による燃料噴射量を自動調節する処理を実行する(ステップ4)。
【0031】
そして、図4に示すように、回転速度センサS3にて検出される電動モータ2の実回転速度Nxがエンジン始動用の目標回転速度Ns1以上の値に設定された始動判定用回転速度Ns2よりも高くなり、その高い状態が設定時間ts(例えば100msec)以上継続すると、エンジン1が始動したものとして始動判定処理を行う(ステップ5,6,7)。このとき、実回転速度Nxが始動判定用回転速度Ns2よりも高くない場合、および、実回転速度Nxが始動判定用回転速度Ns2よりも極短時間(100msecより短い時間)だけ高くなるが、その後、低い値に戻るような場合には、エンジンが未だ始動していないものと判断する。極短時間(100msecより短い時間)だけ高くなる場合にエンジン1が未だ始動していないものと判断するのは、ノイズによる誤検出を防止するためである。
【0032】
上記したような電動モータ2の駆動による始動操作にかかわらず、エンジン1が始動されない場合には、電動モータ2の実回転速度Nxは、図4のラインL1に示すようにエンジン始動用の目標回転速度Ns1を下回り定常偏差ΔNを有する状態で安定してしまうことになる。これに対して、電動モータ2の実回転速度Nxがエンジン始動用の目標回転速度Ns1に近づいたときに、エンジン1が始動すると、エンジン1が駆動力を発揮する状態となるので、電動モータ2の実回転速度Nxが、図4のラインL2に示すように、エンジン1の駆動力によってエンジン始動用の目標回転速度Ns1を越えて大きく上昇して、始動判定用回転速度Ns2よりも高い状態になるのである。従って、電動モータ2の実回転速度Nxに基づいてエンジンの始動を極力迅速に判別することができる。
【0033】
ところで、エンジン1が始動した後は、車両が走行中であれば、アクセル操作量等の走行用の駆動力調整情報に基づいて求められる要求駆動力を、駆動ユニットKUが出力するようにエンジン1及び電動モータ2の作動を制御することになり、要求駆動力の大きさに応じて電動モータ2を力行状態に切り換えたり、回生状態に切り換えることになる。具体的には、電動モータの要求トルクを求め、要求トルクが出力されるよう、電動モータをトルク制御する。又、走行停止中にバッテリー4を充電するときは、電動モータ2を回生状態に切り換えて、エンジン1の動力により発電してバッテリー4に充電することになる。
【0034】
〔別実施形態〕
以下、別実施形態を列記する。
【0035】
(1)上記実施形態では、前記電動モータ2の実回転速度Nxが前記始動判定用回転速度Ns2よりも高くなり、その高い状態が設定時間ts以上継続すると、エンジン1が始動したものとして始動判定処理を行う構成としたが、このような構成に限らず、実回転速度Nxが前記始動判定用回転速度Ns2よりも高くなると直ちにエンジン1が始動したものとして始動判定処理を行う構成としてもよい。
【0036】
(2)上記実施形態では、前記駆動ユニットKUの動力が、走行クラッチ5を介して、トランスミッション6、差動機構7、および、左右の車輪3に伝えられる構成としたが、前記走行クラッチ5の代わりにトルクコンバータを備える構成としてもよい。又、ギア式の変速機構に代えて、ベルト式無段変速装置を用いる構成としてもよい。
【0037】
(3)上記実施形態では、走行駆動用のエンジンの出力軸と走行駆動用の電動モータとを直結する構成として、車両走行時には常にエンジンが駆動状態となることを条件として、エンジンの駆動回転を停止させるためのエンジン停止条件が予め設定されているハイブリッド車両を例示したが、このような構成に代えて、次の(イ)、(ロ)に記載するような構成としてもよい。
【0038】
(イ)例えば、図5に示すように、バッテリー充電用の発電機を兼用するエンジン始動用の電動モータ2とは別に車両走行用の電動モータ20が設けられ、エンジン1、エンジン始動用の電動モータ2、及び、車両走行用の電動モータ20が夫々、遊星歯車機構21を介して連結されて、エンジン1及び車両走行用の電動モータ20の夫々により走行用駆動力を出力するとともに、エンジン始動用の電動モータ2の駆動力にてエンジン1を始動させるような構成のパラレル方式のハイブリッド車両であってもよい。
【0039】
上記(イ)の構成においては、車両停止中のみならず車両走行中であってもエンジンが停止する状態があるから、車両走行時には常にエンジンが駆動状態になるとは限らない。例えば、エンジン停止条件として、上記実施形態における停止条件に加えて、車両走行中における要求駆動力が小さく車両走行用の電動モータの駆動力のみで対応できるような場合にエンジンを停止させるような場合がある。従って、この構成においては、上記実施形態におけるエンジン始動要求の条件に加えて、車両走行中にエンジンが停止している状態において、アクセル操作具の踏み込み操作によって加速操作が行われた場合や、バッテリーの充電量が下限値よりも低下したような場合に、エンジンの始動が要求されることになる。
【0040】
(ロ)又、図6に示すような構成としてもよい。この構成は、バッテリー充電用の発電機を兼用するエンジン始動用の電動モータ2とは別に車両走行用の電動モータ20が設けられる点は、図5の構成と同じであるが、エンジン1は、エンジン始動用の電動モータ2を駆動して発電機として機能させ、その発電電力にてバッテリー4を充電する構成であり、車両走行用の電動モータ20による駆動力のみにより走行する構成である。この構成では、エンジン1の停止条件としては、バッテリー4の充電量が必要量を確保されていることであり、エンジン1の始動要求があるのは、バッテリー4の充電量が下限値以下に低下した場合である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハイブリッド車両の概略構成を示す図
【図2】制御ブロック図
【図3】制御動作のフローチャート
【図4】エンジン始動時における回転速度の変化を示す図
【図5】別実施形態のハイブリッド車両の概略構成を示す図
【図6】別実施形態のハイブリッド車両の概略構成を示す図
【図7】積分要素を加味した制御によるエンジン始動時における回転速度の変化を示す図
【符号の説明】
1 エンジン
2 電動モータ
H 制御手段
S3 回転速度検出手段
Claims (2)
- エンジンと、電動モータと、エンジン始動要求があると前記電動モータの駆動力により前記エンジンを始動させるエンジン始動処理を実行する制御手段とを備えたハイブリッド車両であって、
前記電動モータの実回転速度を検出する回転速度検出手段が備えられ、
前記制御手段が、前記エンジン始動処理において、
前記回転速度検出手段にて検出される前記電動モータの実回転速度を予め設定されるエンジン始動用の目標回転速度に近づけるように、比例制御により前記電動モータの動作を制御し、且つ、
前記回転速度検出手段にて検出される前記電動モータの実回転速度が、前記エンジン始動用の目標回転速度以上の値に設定された始動判定用回転速度よりも高くなると、前記エンジンが始動したと判別するよう構成されているハイブリッド車両。 - 車両走行時には常に前記エンジンが駆動状態となることを条件として、エンジンの駆動回転を停止させるためのエンジン停止条件が予め設定されており、
前記制御手段が、前記エンジン停止条件が満たされたことを判別すると、前記エンジンの駆動を停止させるように構成されている請求項1記載のハイブリッド車両。
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