JP2011201414A - 車両用駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン11及び電動モータ17の少なくとも一方を駆動させることによって駆動輪14を駆動して車両を走行させるハイブリッド車両において、スタータを利用しないで走行中のエンジン11の始動を行うと共に、そのエンジン11の始動を安定的にかつ短時間で行う。
【解決手段】車両用駆動装置CRのコントローラ2は、車両の走行中に、停止しているエンジン11の始動条件が成立したときには、エンジン11の少なくとも膨張行程にある気筒に対して燃料を供給し、点火及び燃焼を行うことでエンジン11を始動させる燃焼始動を実行する。エンジン11が停止しているときには、その停止位置が燃焼始動の実行に関して適正範囲内にあるか否かを判断すると共に、適正範囲内にないときには、断続手段121の締結及び開放を少なくとも1回、行うことによって、エンジン11に駆動輪14側からトルクを与える。
【選択図】図3

Description

ここに開示する技術は、電動モータとエンジンとを備え、それらの駆動を切り換えながら走行可能なハイブリッド車両の駆動制御装置に関し、特に車両の走行中のエンジンの停止及び始動の制御に係る。
近年、車両の駆動源としてエンジン及び電動モータを備えたハイブリッド車両が普及しつつある(例えば特許文献1参照)。こうしたハイブリッド車両では、特許文献1にも記載されているように、エンジンを停止しかつ、電動モータの駆動により走行するモータ走行領域と、電動モータを停止しかつ、エンジンの駆動により走行するエンジン走行領域とが少なくとも設定され、車両の走行中には、例えば車速とアクセル開度とによって決定される車両の運転状態に基づいて走行領域が切り換えられること伴い、電動モータの駆動及び停止、並びに、エンジンの駆動及び停止がそれぞれ切り換えられる。
特開2009−143264号公報
前述したように、ハイブリッド車両においては走行領域が切り換えられることから、車両の走行中にエンジンの停止と始動とが頻繁に繰り返されることになる。例えば特許文献1に記載されているハイブリッド車両では、スタータとオルタネータとを統合したISG(Integrated Starter Generator)やクランク軸に直結したCISG(Crank Integrated Starter Generator)を備え(以下、これらを総称して、単にスタータと呼ぶ場合がある)、車両走行中のエンジンの始動に際しては、このスタータを駆動させることによって、エンジンを始動させるようにしている。
ところが、前述したように、ハイブリッド車両においては、車両走行中のエンジンの始動が頻繁に実行されることから、スタータが頻繁に作動されることになる。このことは、例えばスタータの大型化や、その寿命の低下といった不都合を招き得る。また、スタータを利用したエンジンの再始動は、始動時間が長くなってしまうという不都合もある。
ここに開示する技術は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ハイブリッド車両において、スタータを利用しないで走行中のエンジンの始動を行うと共に、そのエンジンの始動を安定的にかつ短時間で行うことにある。
ここに開示する技術は、スタータを利用せずにエンジンの始動を短時間で行い得る技術として、停止時膨張行程気筒に燃料を噴射すると共に、点火及び燃焼を行うことでエンジンにトルクを付与する燃焼始動を利用することにしたものである。
その上で、ここに開示する車両用駆動制御装置では、前記の燃焼始動を確実にかつ短時間で行う上では、エンジンが停止したときの位置(ピストンの位置)が適正な範囲に存在していることが望ましい点に着目した。ここでいう適正な範囲は、筒内の空気量が、所望の燃焼エネルギを発生させる上で十分に確保され得ると共に、点火後の燃焼エネルギがピストンに作用する行程が十分に確保され得る範囲であり、具体的には、停止時膨張行程気筒において、ピストンの位置が、ATDC100〜120°CAである。
エンジンを停止させるときに、エンジンの燃焼始動を見越して、エンジンの停止条件が成立してから実際に停止するまでの間に、例えば吸入空気量の調整のためにスロットル開度を制御したり、クランク軸の回転抵抗の調整のためにオルタネータの制御を行ったりして、エンジンの停止位置を適正範囲内にすることが知られている。しかしながら、そうした制御を行っても、エンジンの停止位置を適正範囲から外れる場合があり得る。
そこで、ここに開示する車両用駆動制御装置では、車両の走行中に、エンジンの停止位置が適正範囲から外れているときには、車輪側からエンジンにトルクを付与することによってエンジンの停止位置を変更し、それによってエンジンの停止位置を適正範囲内にして、次の燃焼始動に備えるようにした。
具体的に、ここに開示する車両用駆動制御装置は、車両に搭載された多気筒エンジンと、前記エンジンに連結されて、駆動輪を駆動する自動変速機と、前記自動変速機を介さずに前記駆動輪を駆動する電動モータと、前記エンジンと前記駆動輪との間でトルクが断続するように、開放及び締結を切り換える断続手段と、前記エンジン、前記自動変速機、前記電動モータ、及び前記断続手段の制御を実行するコントローラを備える。
そして、前記コントローラは、前記車両の走行中は、前記エンジン及び前記電動モータの駆動を切り換えながら前記駆動輪を駆動させるように構成されており、前記車両の走行中に前記エンジンを停止させるときには、前記断続手段を開放し、前記コントローラはまた、前記車両の走行中に、停止している前記エンジンの始動条件が成立したときには、少なくとも膨張行程にある気筒に対して燃料を供給し、点火及び燃焼を行うことで前記エンジンを始動させる燃焼始動を実行し、前記コントローラはさらに、前記車両の走行中で前記エンジンが停止しているときには、当該エンジンの停止位置が前記燃焼始動の実行に適した適正範囲内にあるか否かを判断すると共に、前記エンジンの停止位置が前記適正範囲内にないときには、前記断続手段の締結及び開放を少なくとも1回、行うことによって、前記エンジンに前記駆動輪側からのトルクを与える。
ここで、「自動変速機」は、例えば歯車変速機構からなる多段変速機、及び、例えばベルト変速機構からなる無段変速機の双方を含み得る。また、「流体を介したトルク伝達を行う流体伝動装置」には、トルクコンバータやフルードカップリング等が含まれ得る。さらに、「駆動輪」は前輪及び後輪のいずれであってもよく、また、エンジンが駆動力を付与する駆動輪と、電動モータが駆動力を付与する駆動輪とは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、「断続手段」は、エンジンと車輪との間でトルクの断続を切り換え得る手段であって、例えばエンジンと車輪との間のトルク伝達経路上に配置されたクラッチ要素としてもよい。また、前記の自動変速機が歯車変速機構からなる多段の自動変速機である場合には、当該歯車変速機構に含まれる複数の摩擦締結要素(クラッチ要素及びブレーキ要素を含む)を利用して、前記の断続手段を構成してもよい。すなわち、一般的に、多段の歯車変速機構は、複数の摩擦締結要素の内から選択した、少なくとも2つの摩擦締結要素を締結することによって各変速段を実現する(ドライブ状態)。つまりトルク伝達が接続される。一方、そうした締結を行わないときには遊転状態(ニュートラル状態)となりトルク伝達が行われない。つまりトルク伝達が遮断されたことと等価になる。
そこで、前記歯車変速機構に含まれる各摩擦締結要素の開放及び締結を切り換えることによって、エンジンと車輪との間でのトルク伝達の接続及び遮断を切り換える断続手段を構成してもよい。
こうした自動変速機内部の摩擦締結要素を利用して断続手段を構成する場合には、トルク断続の応答性の観点からは、次のような構成を採用することがより好ましい。つまり、前述したように、多段の歯車変速機構において所定の変速段の実現、つまりトルク伝達の接続状態の実現には、少なくとも2つの摩擦締結要素を締結する必要があることから、所定の変速段の実現に際し締結が必要な摩擦締結要素の内のいずれか1つの締結要素を非締結とし、残り全ての締結要素を締結させたときには、前記のトルクの遮断状態となる。一方で、その遮断状態からは、前記非締結であった1つの締結要素を締結させることだけで、ニュートラル状態からドライブ状態へと移行して、トルク伝達の接続状態に切り換え得る。このことは、例えば油圧ポンプの大型化等を行わなくても、トルク伝達の遮断状態から接続状態へ、高い応答性でもって切り換え得る。また、この構成は、例えばエンジンの始動時においては、前記所定の変速段を、エンジンの始動後において要求される変速段と一致させておくことによって、エンジンの始動後の挙動がスムースになり得ることになり、極めて有効である。
前記の構成によると、車両の走行中に、停止しているエンジンの始動条件が成立したときには、少なくとも膨張行程にある気筒に対して燃料を供給し、点火及び燃焼を行うことでエンジンを始動させる燃焼始動を実行する。このようにエンジンの始動にスタータを利用しないことで、スタータの頻繁な利用に起因して発生し得る様々な不都合を全て解消し得る。
このように燃焼始動を行うためには、前述したとおりエンジンの停止位置が重要であり、その停止位置は予め設定された適正範囲内であることが望まれる。前記の構成では、車両の走行中でエンジンが停止しているときには、当該エンジンの停止位置が燃焼始動の実行に適した適正範囲内にあるか否かを判断すると共に、エンジンの停止位置が適正範囲内にないときには、エンジンを回転させて適正範囲内にさせることを試みる。
具体的には、断続手段の締結及び開放を少なくとも1回、行う。このことによって、駆動輪側からエンジン側へとトルクが一時的に伝達され、エンジンが一旦、回転をした後に、停止するようになる。ここで、エンジンの停止位置が適正範囲内になるまで、前記の断続手段の締結及び開放を繰り返し行ってもよい。
このような断続手段の締結及び開放を実行してエンジンを回転及び停止させることにより、エンジンの停止位置が適正範囲内に変更され得るから、次のエンジンの燃焼始動時には、当該エンジンを確実にかつ短時間で始動させ得る。
前記コントローラは、前記断続手段の締結及び開放時には、それに伴い発生するトルクショックを打ち消すように、前記電動モータのトルク制御を実行する、としてもよい。
走行中の断続手段の締結に伴い、駆動輪側からエンジンにトルクが奪われること(トルクの引き込み)に起因してトルクショックが発生し得るが、電動モータのトルク制御によってそのトルクショックが打ち消され、ドライバの違和感が軽減され得る。
前記車両用駆動制御装置は、前記エンジンと前記自動変速機との間で、流体を介したトルク伝達を行うロックアップクラッチ付きの流体伝動装置をさらに備え、前記コントローラは、前記断続手段の締結と共に、前記ロックアップクラッチを作動させる、としてもよい。
断続手段の締結と共に、ロックアップクラッチを作動させることにより、流体伝動装置の滑りの影響を抑制乃至無くして、エンジンに付与するトルクが大きくなる。このことは、例えば車両が低車速の場合でも、エンジンを回転させ得る大きさのトルクをエンジンに付与し得るようになる。
前記コントローラは、前記ロックアップクラッチを所定のスリップ量で作動させる、としてもよい。
前述したように、走行中の車両において、断続手段の締結により駆動輪側からエンジンにトルクを伝達することに伴いトルクショックが生じ得るものの、ロックアップクラッチを所定のスリップ量で作動させることにより、そのトルクショックが緩和乃至回避し得る。ロックアップクラッチのスリップ制御と、前記の電動モータのトルク制御とを組み合わせることは、トルクショックの確実に緩和乃至回避を実現し得る。
以上説明したように、前記の車両用駆動制御装置によると、車両の走行中に、停止しているエンジンを始動させるときには、いわゆる燃焼始動を行うことで、スタータの頻繁な利用に起因して発生する様々な不都合を全て解消し得る。また、車両の走行中に、エンジンの停止位置が適正範囲内にないときには、断続手段の締結及び開放によってエンジンに対し駆動輪側からのトルクを付与することで、エンジンを回転及び停止させ、それによってエンジンの停止位置が適正範囲内になるように試みる。その結果、エンジンの停止位置が適正範囲内になって、次回のエンジンの燃焼始動時には、確実にかつ短時間での始動が実現し得る。
車両のパワートレイン及び制御装置の全体ブロック図である。 制御装置が実行する、走行中のエンジン始動及び停止についてのパワートレインの制御に係るフローチャートである。 一実施形態に係る、(a)走行モード、(b)車速、(c)スロットル開度、(d)オルタネータ制御、(e)タービン回転数、(f)エンジン回転数、(g)断続手段の状態、(h)ロックアップクラッチの状態、(i)エンジンの燃焼、及び(j)モータ駆動トルクの変化の一例を示すタイムチャートである。
以下、車両の制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。図1は車両のパワートレイン及び制御装置の全体ブロック図である。パワートレインPTは、駆動力を発生する多気筒(例えば4気筒)エンジン11と、このエンジン11に連結されて変速を行う歯車変速機構12と、歯車変速機構12からの出力を受けて左右に駆動力を配分する差動装置13と、差動装置13からの駆動力を受ける左右の駆動輪(例えば前輪)14,14と、エンジン11と歯車変速機構12との間に配置された、ロックアップクラッチ15付きのトルクコンバータ(流体伝動装置)16と、前記歯車変速機構12を介さずに、差動装置13を通じて前記駆動輪14を駆動する電動モータ17と、を備えている。この車両は、前述の通り、駆動源としてのエンジン11及び電動モータ17を備えたハイブリッド車両であり、後述するように、車速及びアクセル開度に基づいて設定される運転状態に応じて、電動モータ17により駆動しエンジン11を停止させるモータ走行モードと、エンジン11により駆動し電動モータ17を停止させるエンジン走行モードと、電動モータ17とエンジン11との双方を駆動する併用走行モードと、を切り換えながら走行するように構成されている。
エンジン11は、詳細な図示は省略するが、4サイクル火花点火式エンジンであると共に、その各気筒内に燃料を直接、噴射可能に構成された直噴エンジンである。このエンジン11は、後述するように、その始動に際しては、所定の気筒、より正確には、停止状態で膨張行程に対応する気筒内に燃料を噴射すると共に、点火及び燃焼を行うことで、エンジン11に正転方向のトルクを付与して始動するように構成されており、基本的にスタータを利用しなくても始動が可能に構成されている。尚、エンジン11は、クランク軸に対し連結されたオルタネータを備えており、このオルタネータは、スタータ及びオルタネータを統合したISG18とされている。
歯車変速機構12は、詳細な図示は省略するが、例えばその内部に、遊星歯車機構と、遊星歯車機構に含まれる各回転要素の回転を選択的に規制する摩擦締結要素として、複数のクラッチ要素及びブレーキ要素とを含んで構成されており、例えば前進4速の多段自動変速機として構成されている。この歯車変速機構12においては、複数のクラッチ要素及びブレーキ要素から選択された、少なくとも2つの要素を締結することで、各変速段を実現するように構成されている。つまり、歯車変速機構12は、少なくとも2つの要素を締結することで所定の変速段を実現したドライブ状態と、前記の要素を全て締結しないことによって、エンジン11と駆動輪14との間のトルクの伝達を遮断したニュートラル状態とに切り換わることから、このハイブリッド車両においては特に、後述するように、歯車変速機構12を、前記の各クラッチ要素及び各ブレーキ要素の開放及び締結を切り換えることによって、エンジン11と駆動輪14との間でトルクを断続させる断続手段121として機能させる。
さらに、このハイブリッド車両においては、歯車変速機構12を、所定の変速段の実現に必要な少なくとも2つの要素の内のいずれか1つの要素のみを非締結とし、その他の要素を締結することによって、前記のニュートラル状態としつつも、当該所定変速段への切り換えを素早く行い得るようにした待機状態にするようにしている。この待機状態は、モータ走行モード時を含む、エンジン11を停止しているときに実行される状態である。つまり、待機状態はニュートラル状態であることから、モータ走行モード時に待機状態とすることで、車両の走行に連動してエンジン11が引き摺られながら従動回転する引き摺り現象が回避される。
また、待機状態においては、前述した非締結とする要素を、締結直前の状態(いわゆるプリチャージ状態)にする。これによって、非締結から締結への切り換えの応答性が高まり、前述したように、1つの締結要素をのみを締結することと相俟って、待機状態(換言すればニュートラル状態)からドライブ状態への切り換え応答性を大幅に高めるようにしている。尚、待機状態ではエンジン11は停止していることから、プリチャージ状態を実現する上で、図示は省略するが、このハイブリッド車両には、電動の油圧ポンプが設けられている。尚、前記のように、エンジン11を停止しているときには、ロックアップクラッチ15もまた、プリチャージ状態にされる。
前記電動モータ17は、例えば3相の交流同期モータであって、図示省略のバッテリ及びインバータを介して供給された駆動電流により駆動する。ここで、前記のモータ走行モードには、電動モータ17の駆動力によって走行している状態、電動モータ17を回生させながら走行している状態、電動モータ17が何ら作動せずに惰性で走行している状態、の少なくとも3つの状態を含む。
車両の制御装置CRは、エンジン11の出力、ロックアップクラッチ15の断接(スリップ制御を含む)、前記インバータの制御を通じた電動モータ17の作動(力行及び回生を含む)、歯車変速機構12の変速段等をそれぞれ制御する装置である。制御装置CRは、コントローラ2と、車両の走行状態を含む各種の状態を検出し、コントローラ2に提供する各種センサ31〜37とを備えて構成されている。この内、コントローラ2は、例えば通常のマイクロコンピュータであり、図示は省略するが、少なくともCPU、ROM、RAM、I/Oインターフェース回路、及びデータバスを備えて構成される。
各種のセンサには、少なくとも、車両の走行速度に関する情報をコントローラ2に提供する車速センサ31、アクセルペダルの踏み込み量に対応するアクセル開度に関する情報をコントローラ2に提供するアクセル開度センサ32、コントローラ2においてエンジン回転数及びクランク角度の検出に利用される信号を提供するクランク角センサ33、コントローラ2において気筒識別に利用される信号を提供するカム角センサ34、バッテリの充電状態(SOC:State of Charge)やバッテリ温度に係る情報を含む、バッテリの各種状態に係る情報をコントローラ2に提供するバッテリ状態センサ35、電動モータ17の温度に係る情報を含む、電動モータ17の各種状態に係る情報を提供するモータ状態センサ36、及び、トルクコンバータ16のタービン回転数に関する情報をコントローラ2に提供するタービン回転数センサ37を含んでいる。コントローラ2は、これらの各センサ31〜37からのセンサ信号を取り入れて演算処理をし、前記エンジン11、ロックアップクラッチ15、歯車変速機構12及び電動モータ17に対して制御信号を出力する。
具体的に前記コントローラ2は、車速及びアクセル開度に基づいて設定される運転状態に応じて、前述したモータ走行モードと、エンジン走行モードと、併用走行モードとを切り換えるべく、電動モータ17の作動及び停止、エンジン11の作動及び停止(始動及び停止)を切り換える。それと共に、前記コントローラ2は、走行モードの切り換わりに対応するように、歯車変速機構12の状態を、ドライブ状態(変速マップに従った変速制御を含む)、ニュートラル状態、及び待機状態に切り換えると共に、必要に応じて、ロックアップクラッチ15の作動制御も実行するように構成されている。
特にこうしたハイブリッド車両では、車両の走行中にエンジン11の始動及び停止が繰り返されるが、コントローラ2は、駆動しているエンジン11の停止条件が成立したときには、燃料供給を停止してエンジン11を停止させることを基本とした、所定の停止制御を実行する一方、停止しているエンジン11の始動条件が成立したときには、エンジン11の始動制御を実行する。ここで、車両の走行中のエンジン11の始動制御にはISG18を利用せずに、前述したように、エンジン11の燃焼によるエネルギで自動的にエンジン11を始動させる、いわゆる燃焼始動を行う。そして、その走行中の燃焼始動に際して、コントローラ2は、駆動輪14の側からエンジン11にアシストトルクを付与することによって、エンジン11の始動を、短時間にかつ、より確実に行い得るようにしている。
また、このように燃焼始動を行う上では、停止しているエンジン11の停止位置が重要である。例えば上死点あるいは下死点に極めて近い位置にピストンが停止している場合、筒内の空気量が著しく少なくなって燃焼エネルギが十分に得られなかったり、燃焼エネルギがピストンに作用する行程が短すぎたりして、正常に始動できなくなる可能性がある。適正なピストン位置は、膨張行程気筒において行程途中の位置であり、具体的な適正範囲は、ATDC100〜120°CA、より好ましい範囲は、ATDC105〜115°CAである。そこで、コントローラ2は、エンジン11の停止制御として、エンジン停止条件の成立時に燃料の供給を停止してから、スロットル弁を所定の開状態として吸気量を増大させ、その後、エンジン停止時に圧縮行程となる気筒のエンジン停止時における筒内の吸気量が、停止時膨張行程となる気筒のエンジン停止時における筒内の吸気量と比べて少なくなるように、所定のタイミングでスロットル弁を閉じる制御を行う。
つまり、エンジンの停止動作期間を経てエンジン停止に至るときに、圧縮行程にある気筒ではピストンが上死点に近づくにつれて当該気筒内の空気が圧縮され、その圧力でエンジンが逆転して圧縮行程気筒のピストンが下死点側に押し返されるとともに膨張行程にある気筒のピストンが上死点側に移動し、それに伴い膨張行程気筒内の空気が圧縮され、その圧力で膨張行程気筒のピストンが下死点側に押し返され、このような動作の繰り返しでピストンがある程度振動してから停止する。この際、圧縮行程気筒及び膨張行程気筒においてそれぞれピストンが上死点に近いほどこれを押し戻す力が大きくなる。そのため、前記のスロットル弁の制御によって、エンジン停止前に吸気量が増加されれば、上死点に近づいたときにピストンを押し戻す力が増大するので、極めて高い確立でピストンが行程中間部に近い所定範囲内に停止することになる。
また、コントローラ2は、エンジン11の停止制御として、オルタネータ(ISG18)の制御も併用する。つまり、エンジン11の外部負荷としてのオルタネータの目標発電量を調整して、エンジン11に所定の抵抗を付与することで、停止動作期間内において、エンジン11の回転数を予め設定した基準ラインに沿って低下させながら、エンジン11を停止させるようにする。このことにより、その停止位置が適正範囲内となるようにしている。
図2は、前記の制御装置CRが実行する、パワートレインPTの制御フローチャートであり、以下、このフローチャートと、図3に示すタイムチャートとを参照しながら、制御装置CRによるパワートレインPTの制御、特にエンジン11の始動及び停止制御について説明する。
まず、ステップS21では、車両が走行中であるか否かが判定される。これは、例えば車速センサの検出値に基づいて判断すればよい。走行中でないとき(NOのとき)には、フローはリターンをする。一方、走行中であるとき(YESのとき)には、ステップS22に移行する。
ステップS22では、停止しているエンジン11を始動する条件が成立したか否かが判定される。これには、例えば図3(a)に示すように、車両がモータ走行モードの最中に、アクセルの踏み込みによって、エンジン走行モード(又は、電動モータ17及びエンジン11を併用した併用走行モード)に切り換わる場合が含まれる。尚、ここでいうモータ走行モードには、電動モータ17の駆動力によって車両を走行させる、いわゆる力行の状態の他、電動モータ17の回生状態、及び、電動モータ17が何ら仕事をしていない状態が含まれ得る。また、停止中のエンジン11の始動条件には、前記の走行モードの切り換わりに限らず、例えば車両の定常走行(定速走行)時においても、バッテリのSOCが所定値よりも低下した、バッテリの温度が所定温度よりも高くなった、電動モータ17の温度が所定温度よりも高くなった等の条件が含まれる。
停止中のエンジン11の始動条件が成立していないとき(NOのとき)には、ステップS211に移行をする。一方、エンジン11の始動条件が成立したとき(YESのとき)には、ステップS23に移行して、コントローラ2は、エンジン11の始動制御に必要となる各種信号の読み込みを行う。ここで読み込まれる信号には、例えば車速、タービン回転数及びクランク位置が、少なくとも含まれる。
ここで、車両走行中であって、エンジン11の停止中には、エンジン11の始動に備えて、歯車変速機構12を、前述した待機状態にしておく。具体的には、車速及びアクセル開度に基づき、予め設定されてコントローラ2に記憶されている変速マップに従って、仮にエンジン11が始動した場合に、その始動後に要求される変速段(以下においては、この変速段を始動後要求変速段と呼ぶ場合がある)で待機状態にする。従って、歯車変速機構12は、その始動後要求変速段を達成する上で必要な、少なくとも2つの摩擦締結要素の内の1つを除く、残りの締結要素が締結される一方、当該1つの締結要素はプリチャージ状態にされる(図3(g)の「断続手段締結」の図を参照)。また、ロックアップクラッチ15もプリチャージ状態にされる(図3(h)の「L/Uクラッチ締結」の図を参照)。このとき歯車変速機構12(断続手段121)は、エンジン11と駆動輪14との間のトルク伝達を遮断することになるが、後述するように、エンジン11の始動に備えて待機していることになる。
そうして、続くステップS24では、プリチャージ状態であったロックアップクラッチ15を締結する(図3(h)参照)。ここでいう「ロックアップクラッチ15の締結」は、コントローラ2がロックアップクラッチ15の締結信号を出力することを意味しており、ロックアップクラッチ15が実際に締結するまでには一般的にタイムラグが生じることから、ロックアップクラッチ15が実際に締結するのは、これよりも後になり得る。尚、トルクショックを緩和する観点から、ロックアップクラッチ15は、所定のスリップ状態にしてもよい。
ステップS25では、エンジン11の停止時膨張行程気筒に対し燃料噴射を実行する(図3(i)の「エンジン燃焼」の図参照)。これは、後述する点火時点において燃料が十分に気化していることを確保するためであり、燃料の気化時間を考慮して燃料噴射を早期に行うべく、ここでは、エンジン11の始動条件が成立すれば直ぐに、燃料の噴射を実行する。
ステップS26では、コントローラ2は、断続手段121の締結信号を出力する(図3g)参照)。つまり、始動後要求変速段で待機状態とされている歯車変速機構12において、プリチャージ状態にある摩擦締結要素を締結させる信号を出力する。ここにおいても、当該摩擦締結要素が実際に締結するまでには一般的にタイムラグが生じることから、後述するように、摩擦締結要素が実際に締結するのは、これよりも後になり得る(例えば、図3(e)の「タービン回転数」の変化を参照)。但し、歯車変速機構12の摩擦締結要素は、ロックアップクラッチ15に比べて応答性が高く、しかもプリチャージ状態からの締結であるから、前記のタイムラグはかなり小さい。
続くステップS27では、電動モータ17のトルク増加を実行する(図3(j)参照)。このモータトルクの増加は、後述するように、エンジン11の始動の際に駆動輪14側からエンジン11側にトルクが奪われること(トルクの引き込み)に起因してトルクショックが発生し得ることから、電動モータ17のトルク増加によりそれを補うためである。こうすることで、エンジン11始動時のトルクショックが緩和乃至無くなり、ドライバの違和感が軽減する。モータトルクの増分は、後述するようにアシストトルクの付与後の、エンジン11の回転数の上昇率に応じて設定することが好ましい。一例としては、車速、始動後要求変速段(変速比)及びロックアップクラッチ15のスリップ量に応じて予想されるアシストトルクに基づいて、予め設定されてコントローラ2に記憶されているマップに従って設定してもよい。また、クランク角センサ33によって検出した、エンジン11の回転数の上昇率に応じて設定してもよい。
そうして、ステップS28では、前記の断続手段121が、所定のタイムラグの後に実際に締結をして駆動輪14側からエンジン11側へとトルク(アシストトルク)が付与されるタイミングに合わせて、エンジン11の停止時膨張行程気筒に対する点火を開始する(図3(i)参照)。これによって、アシストトルクがエンジン11に付与された状態で燃焼始動が行われることになり、エンジン11が安定してかつ短時間で始動する(図3(f)の「エンジン回転数」の増加を参照)。ここで、図3における「エンジン回転数」の図では、その上昇カーブにおける変曲点が、前記停止時膨張行程気筒が、点火後に下死点を超えるタイミングに相当しており、その変曲点以降は、エンジン11の始動が完了して吹き上がっている状態を示している。
エンジン11の始動完了後のステップS29では、前記のステップS27で行ったモータトルクの増加を終了させる。この終了タイミングは、前述した「エンジン回転数」の上昇カーブにおける変曲点のタイミングに対応している。つまり、エンジン11の始動後は、前記のトルクの引き込みが無くなるため、モータトルクの増加制御を終了する。
続くステップS210では、ロックアップクラッチ15を、予め設定した目標スリップ量となるように制御を実行する(図3(h)参照)。このスリップ制御は、図3(f)に示すように、エンジン11の始動直後のエンジン回転数の吹き上がりに伴うショックを緩和乃至回避するための制御である。このスリップ制御における目標スリップ量は、アクセルの踏み込み操作及び車速等に基づいて予めエンジンの回転数の吹き上がり挙動が予想されることから、吹き上がり挙動に応じて予め設定されてコントローラ2に記憶されているマップに従って、決定すればよい。
そうして、エンジン11の始動が完了した後には、例えば定速時であれば、電動モータ17はそのモータ駆動トルクが次第に小さくなるように制御されて、最終的に電動モータ17は停止される(図3(j)の「モータ駆動トルク」の図参照)。一方、例えば加速時であれば、図示は省略するが、電動モータ17はそのモータ駆動トルクが次第に大きくなるように制御されて、エンジン走行モード時の加速アシストを行うようになる(つまり、併用走行モード)。このように電動モータ17のトルク変化を滑らかにすることで、エンジン11の始動前後におけるトルク段差の発生が回避乃至抑制される。
ここで、図3のフローにおける、前記ステップS24〜S210までの各ステップは、シーケンス制御によって実行されることになるが、ここに示すフロー中の各ステップの順番は、説明の便宜上のものであり、その順番を適宜入れ替えたり、また、各ステップの実行を時間的に並列に行ったりするような変更等は、勿論可能である。
一方、前記ステップS22から移行したステップS211では、駆動しているエンジン11の停止条件が成立したか否かを判定する。例えば図3(a)に示すように、車両がエンジン走行モードからモータ走行モードへと切り換わる場合が含まれる。
駆動中のエンジン11の停止条件が成立していないとき(NOのとき)には、フローはリターンする。一方、エンジン11の停止条件が成立したとき(YESのとき)には、ステップS212に移行して、コントローラ2は、前述したように、燃料の供給停止と共に(図3(i)の「エンジン燃焼」の図参照)、スロットル弁の開閉制御(図3(c)の「スロットル開度」の図参照)、及び、オルタネータ(ISG18)の制御(図3(d)の「オルタネータ制御」の図参照)を含む、エンジン11の停止制御を実行する。これによって、エンジン11の回転数が低下して、エンジン11の停止に至る。
エンジン11が完全に停止した直後のステップS213では、エンジン11の停止位置が適正範囲内であるか否かが判定される(図3(f)の「エンジン回転数」の図における「停止位置判定」の矢印位置を参照)。このように、エンジン11の停止直後に判定を行うことで、後述するように、適正範囲でない場合は、エンジン11の停止位置を速やかに適正範囲内にして、次のエンジン11の燃焼始動に備えることが可能になる。適正範囲内であるとき(YESのとき)には、そのままリターンをし、適正範囲でないとき(NOのとき)には、ステップS214に移行する。前述したように、スロットル弁の制御及びオルタネータの制御の実行により、エンジン11の停止位置は、ほとんどの場合は、適正範囲内になるものの、そうならない場合も起こり得る。
ステップS214では、ロックアップクラッチ15を締結する(図3h)参照。このときに所定のスリップ状態としてもよく、こうすることによって、前記のエンジン始動時と同様に、エンジン11に付与するトルクの確保とショックの緩和とが両立し得る。
続くステップ215では、断続手段121を所定時間作動させると共に、スロットル弁を開け、さらに電動モータ17のトルク増加を実行する(図3(3)の「スロットル開度」の図、(g)の「断続手段締結」の図、及び(j)の「モータ駆動トルク」の図をそれぞれ参照)。ここで、断続手段121の作動は、前述したように、始動後要求変速段で待機状態にある歯車変速機構12において、非締結とされている1つの締結要素を、所定時間だけ締結した後に、再び開放する。この断続手段121の一時的な締結に伴い、走行中の車両の駆動輪14側からエンジン11側にトルクが伝達され、エンジン11が一旦回転をする。このときにロックアップクラッチ15を締結していることで、トルクコンバータ16の滑りが抑制されているから、例えば低車速であっても、エンジン11を回転し得るだけのトルクをエンジン11に付与し得る。エンジン11に付与するトルクは、エンジン11を、例えば少なくとも半回転だけ回転し得る程度としてもよい。前記の歯車変速機構12の始動後要求変速段、ロックアップクラッチ15のスリップ量、及び、断続手段121の締結時間等によってエンジン11に付与されるトルクが変更され得るから、これらを適宜調整してもよい。
また、このようにしてエンジン11が回転するときには、スロットル弁が開けられることで、気筒内に新気が導入され得る。このことにより、次の停止時膨張行程気筒内に、十分な新気を確保し得る。
さらに、駆動輪14側からエンジン11側へのトルクの伝達に伴い、トルクショックが発生し得るが、このときに電動モータ17のトルクを増加させることで、前記のステップS27のモータトルク制御と同様に、トルクショックを相殺乃至軽減し得る。
そうして、エンジン11を一時的に回転させて停止した後には、ステップS216で、そのエンジン11の停止位置が適正範囲内であるか否かが、再度判定される。尚、前記のステップS213で判定した時の停止時膨張行程気筒と、今回の判定時における停止時膨張行程気筒とは、互いに相違する場合がある。そうして、エンジン11の停止位置が適正範囲でないとき(NOのとき)には、ステップS214に戻り、ステップS214及びS215を再度実行して、エンジン11を一時的に回転させて停止させる。こうして適正範囲内となるまで、エンジン11の停止位置の変更を繰り返す。一方、ステップS216で適正範囲内になれば(YESのとき)、ステップS217に移行し、ロックアップクラッチ15を開放(前述したように、プリチャージ状態)して、リターンする。
このように、車両の走行中に停止しているエンジン11の始動条件が成立したときには、停止時膨張行程にある気筒に対して燃料を供給し、点火及び燃焼を行うことでエンジン11を始動させる燃焼始動を実行し、ISG(スタータ)18を利用しないことで、スタータの頻繁な利用に起因して発生する様々な不都合、例えばスタータの大型化、スタータの寿命低下等の不都合を解消し得る。
一方、エンジン11停止条件が成立したときには、スロットル弁の制御及びオルタネータ(ISG18)の制御を行うことで、エンジン11の停止位置を適正範囲内となるようにするものの、エンジン11の停止位置が適正範囲でないときには、駆動輪14側からエンジン11にトルクを付与することによってエンジン11を一時的に回転させ、それによって、エンジン11の停止位置が適正範囲内となるように試みる。その結果、エンジン11の停止位置を適正範囲内にさせ得るから、次回のエンジン11の始動を、確実にかつ短時間で行い得るようになる。
また、そのエンジン11にトルクを付与するときには、ロックアップクラッチ15の締結を行うことで、エンジン11に付与されるトルクが大きくなり得るから、例えば車両が低車速であっても、エンジン11を一時的に回転させて、その停止位置を適正範囲内にさせることを行い得る。このことは、車両の走行状態の如何にかかわらず、エンジン11の停止位置を適正範囲内にすることを可能にする。さらに、エンジン11へのトルク付与の際には、電動モータ17のトルク増加を行うことで、トルクショックの発生を回避乃至軽減し得ると共に、その電動モータ17のトルク増加に、ロックアップクラッチ15のスリップ制御を組み合わせることによって、トルクショックをより一層確実に回避乃至抑制し得る。
尚、ハイブリッド車両の構成は、種々の構成を採用し得る。例えば電動モータ17は、前記のように1つの電動モータからの駆動力を差動装置13を介して、左右の駆動輪14に分配するのではなく、左右の駆動輪14それぞれに独立して駆動力を付与し得るように、少なくとも2つの電動モータを備えてもよい。その場合において、インホイールモータを採用してもよい。
また、電動モータ17の駆動力は、前輪に付与することに限定されず、後輪に付与してもよい。同様に、エンジン11の駆動力も、前輪に付与することに限定されず、後輪に付与してもよい。ここにおいて、電動モータ17の駆動力を付与する車輪と、エンジン11の駆動力を付与する車輪とは、図1に示すように同じであってもよいし、異なっていても良い(例えばエンジン11の駆動力を前、電動モータ17の駆動力を後、又は、その逆)。例えば電動モータ17の駆動力を後輪に付与する場合においては、電動モータ17を後輪の駆動軸に連結する構成に限らず、ドライブシャフトの途中に電動モータ17を連結してもよい。
さらに、エンジン11のスタータとしては、ISGに限らず、クランク軸に直結されたCISGとしてもよい。
また、前記のパワートレインPTにおいて、歯車式の多段変速機構に代えて、例えばベルト式等の無段変速機構を採用してもよい。また、流体伝動機構は、トルクコンバータの代わりに、フルードカップリングを採用してもよい。
加えて、前述した各構成の特徴を、可能な範囲で適宜組み合わせることによって、ハイブリッド車両を構成してもよい。
また、エンジンの燃焼始動に関し、先ず停止時圧縮行程にある気筒に対して燃料を供給し、点火及び燃焼を行ってエンジン11を一旦、逆転方向に作動させた後に、逆転作動に伴い圧縮される膨張行程気筒に対する点火及び燃焼を行うことでエンジン11に正転方向のトルクを与えて、エンジン11を始動させるようにしてもよい。このような逆転燃焼始動は、エンジン11の始動性をより高め得る。尚、この場合は、歯車変速機構12の制御によってエンジン11に駆動輪14側からトルクを付与するタイミングと、膨張行程気筒に対する点火及び燃焼の開始タイミングとを合わせることが望ましい。
11 エンジン
12 歯車変速機構(自動変速機)
121 断続手段
15 ロックアップクラッチ
16 トルクコンバータ(流体伝達機構)
17 電動モータ
2 コントローラ
CR 制御装置
PT パワートレイン

Claims (4)

  1. 車両に搭載された多気筒エンジンと、
    前記エンジンに連結されて、駆動輪を駆動する自動変速機と、
    前記自動変速機を介さずに前記駆動輪を駆動する電動モータと、
    前記エンジンと前記駆動輪との間でトルクが断続するように、開放及び締結を切り換える断続手段と、
    前記エンジン、前記自動変速機、前記電動モータ、及び前記断続手段の制御を実行するコントローラを備え、
    前記コントローラは、前記車両の走行中は、前記エンジン及び前記電動モータの駆動を切り換えながら前記駆動輪を駆動させるように構成されており、前記車両の走行中に前記エンジンを停止させるときには、前記断続手段を開放し、
    前記コントローラはまた、前記車両の走行中に、停止している前記エンジンの始動条件が成立したときには、少なくとも膨張行程にある気筒に対して燃料を供給し、点火及び燃焼を行うことで前記エンジンを始動させる燃焼始動を実行し、
    前記コントローラはさらに、前記車両の走行中で前記エンジンが停止しているときには、当該エンジンの停止位置が前記燃焼始動の実行に適した適正範囲内にあるか否かを判断すると共に、前記エンジンの停止位置が前記適正範囲内にないときには、前記断続手段の締結及び開放を少なくとも1回、行うことによって、前記エンジンに前記駆動輪側からのトルクを与える車両用駆動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用駆動制御装置において、
    前記コントローラは、前記断続手段の締結及び開放時には、それに伴い発生するトルクショックを打ち消すように、前記電動モータのトルク制御を実行する車両用駆動制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用駆動制御装置において、
    前記エンジンと前記自動変速機との間で、流体を介したトルク伝達を行うロックアップクラッチ付きの流体伝動装置をさらに備え、
    前記コントローラは、前記断続手段の締結と共に、前記ロックアップクラッチを作動させる車両用駆動制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両用駆動制御装置において、
    前記コントローラは、前記ロックアップクラッチを所定のスリップ量で作動させる車両用駆動制御装置。
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