JP2004060486A - 真空ポンプ - Google Patents

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JP2004060486A JP2002217560A JP2002217560A JP2004060486A JP 2004060486 A JP2004060486 A JP 2004060486A JP 2002217560 A JP2002217560 A JP 2002217560A JP 2002217560 A JP2002217560 A JP 2002217560A JP 2004060486 A JP2004060486 A JP 2004060486A
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vacuum pump
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Hiroaki Namiki
並木 博昭
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Edwards Japan Ltd
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BOC Edwards Technologies Ltd
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Abstract

【課題】運転中に回転体の亀裂や膨張を発見し、破壊に至る前にポンプを停止することの可能な真空ポンプを提供する。
【解決手段】ベース部129には、内部に存在する回転翼102dの外周面を監視可能なように、アクリル等の透明樹脂からなる覗き窓151が設けられている。覗き窓151に用いられる材料は、プロセスガスに対する耐腐食性及び真空等に対する所定の強度が要求される。覗き窓151に面するように撮像(CCD)カメラ153が配設されている。そして、この撮像カメラ153は、保持部材155によりベース部129に固定されている。撮像カメラ153で撮像された映像信号は、制御装置に送信されるようになっている。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は真空ポンプに係わり、特に運転中に回転体の亀裂や膨張を発見し、破壊に至る前にポンプを停止することの可能な真空ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のエレクトロニクスの発展に伴い、メモリや集積回路といった半導体の需要が急激に増大している。
【0003】
これらの半導体は、きわめて純度の高い半導体基板に不純物をドープして電気的性質を与えたり、エッチングにより半導体基板上に微細な回路を形成したりなどして製造される。
【0004】
そして、これらの作業は空気中の塵等による影響を避けるため高真空状態のチャンバ内で行われる必要がある。このチャンバの排気には、一般に真空ポンプが用いられているが、特に残留ガスが少なく、保守が容易等の点から真空ポンプの中の一つであるターボ分子ポンプが多用されている。
【0005】
また、半導体の製造工程では、さまざまなプロセスガスを半導体の基板に作用させる工程が数多くあり、ターボ分子ポンプはチャンバ内を真空にするのみならず、これらのプロセスガスをチャンバ内から排気するのにも使用される。このターボ分子ポンプの縦断面図を図3に示す。
【0006】
図3において、ターボ分子ポンプ100は、円筒状の外筒127の上端に吸気口101が形成されている。外筒127の内方には、ガスを吸引排気するためのタービンブレードによる複数の回転翼102a、102b、102c・・・を周部に放射状かつ多段に形成した回転体103を備える。
【0007】
この回転体103の中心にはロータ軸113が取り付けられており、このロータ軸113は、例えば、いわゆる5軸制御の磁気軸受により空中に浮上支持かつ位置制御されている。
【0008】
上側径方向電磁石104は、4個の電磁石がX軸とY軸とに対をなして配置されている。この上側径方向電磁石104に近接かつ対応されて4個の電磁石からなる上側径方向センサ107が備えられている。この上側径方向センサ107は回転体103の径方向変位を検出し、図示せぬ制御装置に送るように構成されている。
【0009】
制御装置においては、上側径方向センサ107が検出した変位信号に基づき、PID調節機能を有する補償回路を介して上側径方向電磁石104の励磁を制御し、ロータ軸113の上側の径方向位置を調整する。
【0010】
ロータ軸113は、高透磁率材(鉄など)などにより形成され、上側径方向電磁石104の磁力により吸引されるようになっている。かかる調整は、X軸方向とY軸方向とにそれぞれ独立して行われる。
【0011】
また、下側径方向電磁石105及び下側径方向センサ108が、上側径方向電磁石104及び上側径方向センサ107と同様に配置され、ロータ軸113の下側の径方向位置を上側の径方向位置と同様に調整している。
【0012】
更に、軸方向電磁石106A、106Bが、ロータ軸113の下部に備えた円板状の金属ディスク111を上下に挟んで配置されている。金属ディスク111は、鉄などの高透磁率材で構成されている。ロータ軸113の軸方向変位を検出するために軸方向センサ109が備えられ、その軸方向変位信号が制御装置に送られるように構成されている。
【0013】
そして、軸方向電磁石106A、106Bは、この軸方向変位信号に基づき制御装置のPID調節機能を有する補償回路を介して励磁制御されるようになっている。軸方向電磁石106Aは、磁力により金属ディスク111を上方に吸引し、軸方向電磁石106Bは、金属ディスク111を下方に吸引する。
【0014】
このように、制御装置は、この軸方向電磁石106A、106Bが金属ディスク111に及ぼす磁力を適当に調節し、ロータ軸113を軸方向に磁気浮上させ、空間に非接触で保持するようになっている。
【0015】
モータ121は、ロータ軸113を取り囲むように周状に配置された複数の磁極を備えている。各磁極は、ロータ軸113との間に作用する電磁力を介してロータ軸113を回転駆動するように、制御装置によって制御されている。
【0016】
また、モータ121には図示しない回転数センサが組み込まれており、この回転数センサの検出信号によりロータ軸113の回転数が検出されるようになっている。
【0017】
更に、例えば下側径方向センサ108近傍に、図示しない位相センサが取り付けてあり、ロータ軸113の回転の位相を検出するようになっている。制御装置では、この位相センサと回転数センサの検出信号を共に用いて磁極の位置を検出するようになっている。
【0018】
回転翼102a、102b、102c・・・とわずかの空隙を隔てて複数枚の固定翼123a、123b、123c・・・が配設されている。回転翼102a、102b、102c・・・は、それぞれ排気ガスの分子を衝突により下方向に移送するため、ロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成されている。
【0019】
また、固定翼123も、同様にロータ軸113の軸線に垂直な平面から所定の角度だけ傾斜して形成され、かつ外筒127の内方に向けて回転翼102の段と互い違いに配設されている。
そして、固定翼123の一端は、複数の段積みされた固定翼スペーサ125a、125b、125c・・・の間に嵌挿された状態で支持されている。
【0020】
固定翼スペーサ125はリング状の部材であり、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス、銅などの金属、又はこれらの金属を成分として含む合金などの金属によって構成されている。
【0021】
固定翼スペーサ125の外周には、わずかの空隙を隔てて外筒127が固定されている。外筒127の底部にはベース部129が配設され、固定翼スペーサ125の下部とベース部129の間にはネジ付きスペーサ131が配設されている。そして、ベース部129中のネジ付きスペーサ131の下部には排気口133が形成され、外部に連通されている。
【0022】
ネジ付きスペーサ131は、アルミニウム、銅、ステンレス、鉄、又はこれらの金属を成分とする合金などの金属によって構成された円筒状の部材であり、その内周面に螺旋状のネジ溝131aが複数条刻設されている。
ネジ溝131aの螺旋の方向は、回転体103の回転方向に排気ガスの分子が移動したときに、この分子が排気口133の方へ移送される方向である。
【0023】
回転体103の回転翼102a、102b、102c・・・に続く最下部には回転翼102dが垂下されている。この回転翼102dの外周面は、円筒状で、かつネジ付きスペーサ131の内周面に向かって張り出されており、このネジ付きスペーサ131の内周面と所定の隙間を隔てて近接されている。
【0024】
ベース部129は、ターボ分子ポンプ100の基底部を構成する円盤状の部材であり、一般には鉄、アルミニウム、ステンレスなどの金属によって構成されている。
【0025】
ベース部129はターボ分子ポンプ100を物理的に保持すると共に、熱の伝導路の機能も兼ね備えているので、鉄、アルミニウムや銅などの剛性があり、熱伝導率も高い金属が使用されるのが望ましい。
【0026】
かかる構成において、回転翼102がモータ121により駆動されてロータ軸113と共に回転すると、回転翼102と固定翼123の作用により、吸気口101を通じてチャンバからの排気ガスが吸気される。
【0027】
吸気口101から吸気された排気ガスは、回転翼102と固定翼123の間を通り、ベース部129へ移送される。このとき、排気ガスが回転翼102に接触する際に生ずる摩擦熱や、モータ121で発生した熱の伝導などにより、回転翼102の温度は上昇するが、この熱は、輻射又は排気ガスの気体分子などによる伝導により固定翼123側に伝達される。
【0028】
固定翼スペーサ125は、外周部で互いに接合しており、固定翼123が回転翼102から受け取った熱や排気ガスが固定翼123に接触する際に生ずる摩擦熱などを外部へと伝達する。
ベース部129に移送されてきた排気ガスは、ネジ付きスペーサ131のネジ溝131aに案内されつつ排気口133へと送られる。
【0029】
なお、上記では、ネジ付きスペーサ131は回転翼102dの外周に配設し、ネジ付きスペーサ131の内周面にネジ溝131aが刻設されているとして説明した。しかしながら、これとは逆に回転翼102dの外周面にネジ溝が刻設され、その周囲に円筒状の内周面を有するスペーサが配置される場合もある。
【0030】
また、吸気口101から吸引されたガスがモータ121、下側径方向電磁石105、下側径方向センサ108、上側径方向電磁石104、上側径方向センサ107などで構成される電装部側に侵入することのないよう、電装部は周囲をステータコラム122で覆われ、この電装部内はパージガスにて所定圧に保たれている。
【0031】
このため、ベース部129には図示しない配管が配設され、この配管を通じてパージガスが導入される。導入されたパージガスは、保護ベアリング120とロータ軸113間、モータ121のロータとステータ間、ステータコラム122と回転翼102間の隙間を通じて排気口133へ送出される。
【0032】
ここに、ターボ分子ポンプ100は、個々に調整された固有のパラメータ(例えば、機種の特定、機種に対応する諸特性)に基づいた制御を要する。この制御パラメータを格納するために、上記ターボ分子ポンプ100は、その本体内に電子回路部141を備えている。電子回路部141は、EEP−ROM等の半導体メモリ及びそのアクセスのための半導体素子等の電子部品、その実装用の基板143等から構成される。
【0033】
この電子回路部141は、ターボ分子ポンプ100の下部を構成するベース部129の中央付近の図示しない回転数センサの下部に収容され、気密性の底蓋145によって閉じられている。
【0034】
ところで、プロセスガスは、反応性を高めるため高温の状態でチャンバに導入されることがある。そして、これらのプロセスガスは、排気される際に冷却されてある温度になると固体となり排気系に生成物を析出する場合がある。
そして、この種のプロセスガスがターボ分子ポンプ100内で低温となって固体状となり、ターボ分子ポンプ100内部に付着して堆積する。
【0035】
例えば、Alエッチング装置にプロセスガスとしてSiCl4が使用された場合、低真空(760[torr]〜10−2[torr])かつ、低温(約20
[℃])のとき、固体生成物(例えばAlCl3)が析出し、ターボ分子ポンプ100内部に付着堆積することが蒸気圧曲線からわかる。
ターボ分子ポンプ100内部にプロセスガスの析出物が堆積すると、この堆積物がポンプ流路を狭め、ターボ分子ポンプ100の性能を低下させる原因となる。
【0036】
ここに、前述した生成物は排気口付近の温度が低い部分、特に回転翼102及びネジ付きスペーサ131付近で凝固、付着しやすい状況にあった。この問題を解決するために、従来はベース部129等の外周に図示しないヒータや環状の水冷管149を巻着させ、かつ例えばベース部129に図示しない温度センサ(例えばサーミスタ)を埋め込み、この温度センサの信号に基づきベース部129の温度を一定の高い温度(設定温度)に保つようにヒータの加熱や水冷管149による冷却の制御(以下TMSという。TMS;Temperature Management System)が行われている。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、回転体103は、モータ121により30,000〜50,000rpmで回転されている。このため、実際のターボ分子ポンプ100の運転では、繰り返される腐食雰囲気の暴露や高速運転に伴う応力によって、回転体103には亀裂の発生するおそれがあった。
【0038】
この亀裂は、時間の経過と必ずしも関係なく、前述の運転環境の中で徐々に進行し、やがて一瞬の内に破壊に移行する。そして、一旦破壊すれば、ポンプのみならず他のシステムへ被害が波及するので復旧に要する時間は計り知れない。破壊されたシステムは修理が不可能となり、復旧費用は新設の場合と同等となり重大な問題となった。
【0039】
かかる回転体103の遠心力等による破壊の検査として、従来は蛍光探傷検査や非破壊検査等が行われている。しかしながら、従来の検査技術では検査にあたり、ターボ分子ポンプ100の停止・分解が必要項目であり、また、ターボ分子ポンプ100を運転中に破壊の検査を行うことができなかった。
【0040】
本発明はこのような従来の課題に鑑みてなされたもので、運転中に回転体の亀裂や膨張を発見し、破壊に至る前にポンプを停止することの可能な真空ポンプを提供することを目的とする。
【0041】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、回転体と、該回転体を回転駆動するモータと、前記回転体の亀裂及び/又は膨張を検出する亀裂等検出手段を備えて構成した。
【0042】
運転中に回転体の亀裂や膨張を検出する。
このことにより、ターボ分子ポンプが破壊に至る前に破壊の予兆である亀裂や膨張を発見でき、ポンプを停止することが可能である。そして、被害を最小限に抑えることができる。
【0043】
また、本発明は、前記回転体は、回転翼及び該回転翼の中央に配設されたロータ軸を有し、該ロータ軸を空中に磁気浮上させ径方向及び/又は軸方向に位置調整する磁気軸受手段を備えて構成した。
【0044】
磁気軸受手段により磁気浮上されつつ、回転体が高速回転することに伴う回転体の亀裂や膨張を検出できる。
【0045】
更に、本発明は、前記亀裂等検出手段は、前記回転翼に対し接触するように配設され、該接触による押圧力及び/又は位置を検出可能な接触型センサと、該接触型センサにより検出された押圧力及び/又は位置を予め設定した設定値と比較する比較手段と、該比較手段で比較された結果に基づき亀裂及び/又は膨張を判断する判断手段とを備えて構成した。
【0046】
更に、本発明は、前記亀裂等検出手段は、前記回転翼とは非接触に配設され、該回転翼との距離を測定可能な距離センサと、該距離センサにより検出された距離を予め設定した設定値と比較する比較手段と、該比較手段で比較された結果に基づき亀裂及び/又は膨張を判断する判断手段とを備えて構成した。
【0047】
距離変化は、1周期中にピーク的に現れる場合と、1周期にわたり継続して予め設定した設定値からの偏差として検出される場合とがある。ピーク的な変化の場合には亀裂と判断でき、偏差が継続する場合には膨張と判断できる。設定値は、ピーク的な変化の検出用と継続的な変化の検出用の2種類を用意する。
【0048】
更に、本発明は、前記亀裂等検出手段は、前記回転翼とは非接触に配設され、該回転翼の所定面を撮像可能な撮像センサと、該撮像センサより出力された画素信号を予め設定した設定値と比較する比較手段と、該比較手段で比較された結果に基づき亀裂を判断する判断手段とを備えて構成した。
【0049】
更に、本発明は、前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、前記接触型センサは、該翼端部の径方向外側、径方向内側及び前記翼端部の底部に対峙する軸方向のいずれか少なくとも一か所に配設されたことを特徴とする。
【0050】
翼端部は、最も亀裂や膨張が生じやすい場所である。
【0051】
更に、本発明は、前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、前記距離センサは、該翼端部の径方向外側、径方向内側及び前記翼端部の底部に対峙する軸方向のいずれか少なくとも一か所に配設されたことを特徴とする。
【0052】
更に、本発明は、前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、前記撮像センサは、該翼端部の径方向外側、径方向内側及び前記翼端部の底部に対峙する軸方向のいずれか少なくとも一か所に配設されたことを特徴とする。
【0053】
更に、本発明は、前記回転体及び前記モータを収納する外筒と、該外筒に設けられた覗き窓とを備え、前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、前記撮像センサは前記外筒の外側に配設され、該翼端部を前記覗き窓を介して撮像可能であることを特徴とする。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。図1に、本発明の第1実施形態の構成図を示す。図1において、ベース部129には、内部に存在する回転翼102dの外周面を監視可能なように、アクリル等の透明樹脂からなる覗き窓151が設けられている。覗き窓151に用いられる材料は、プロセスガスに対する耐腐食性及び真空等に対する所定の強度が要求される。
【0055】
覗き窓151に面するように撮像(CCD)カメラ153が配設されている。そして、この撮像カメラ153は、保持部材155によりベース部129に固定されている。撮像カメラ153で撮像された映像信号は、図示しない制御装置に送信されるようになっている。
【0056】
かかる構成において、撮像カメラ153により回転翼102dの外周面を撮像する。撮像は、例えば回転翼102dの1回転をカバーできるように、撮像カメラ153が撮像可能な視野範囲毎に複数ブロックに分割し、連続して行う。このため、シャッタースピードが所定時間毎に調節されている。
【0057】
この撮像は1回転分を定期的に所定時間毎に監視(例えば1時間毎に1周分を撮像することを繰り返す)してもよいが、亀裂等は突然生ずることも考えられるので連続して監視するのが望ましい。監視したデータは、制御装置に送られる。
【0058】
その後、撮像された画像データは画素毎に濃淡の数値データとして抽出する。そして、この抽出したデータを予め保存した設定値と比較する。この設定値は、濃淡から判断して亀裂を有しない状態と亀裂を有する状態を区切る閾値である。濃淡の数値データが設定値以上のときその画素に1を立てる。
【0059】
そして、この1の立った画素が撮像された画像中に幾つ存在するかカウントする。このカウントされた値が所定値以上のとき亀裂が存在すると判断する。亀裂が判断されたときには、ターボ分子ポンプ100の運転を停止し、警告を発信する。
【0060】
このことにより、ターボ分子ポンプ100が破壊に至る前に破壊の予兆である亀裂を発見できるので、被害を最小限に抑えることができる。
なお、本実施形態では撮像カメラ153をターボ分子ポンプ100に外付けするとして説明したが、回転翼102dの外側、内側、底部に対峙するようにベース部129に埋設してもよい。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
本発明の第2実施形態の構成図を図2に示す。図2において、回転翼102dの外側には光学式センサ157が埋設されている。この光学式センサ157からは、制御装置からの指令の下に、レーザー光が対峙する回転翼102dに向かって照射されるようになっている。そして、レーザー光は回転翼102dの表面で反射され、光学式センサ157に受光されるようになっている。
【0062】
光学式センサ157で受光された信号は、制御装置に送信されるようになっている。制御装置では、照射光と受光間の位相差を求めることで、光学式センサ157から回転翼102dまでの距離を非接触に検出することができるようになっている。
【0063】
かかる構成において、制御装置では、光学式センサ157から回転翼102dまでの距離を連続して検出する。回転翼102dで亀裂が生じた場合には、各回転毎にこの亀裂部分を通過する度に距離の急峻な変化を検出する。この変化を予め定めた閾値と比較し、閾値以上と判断したとき亀裂を有していると判断する。亀裂が判断されたときには、ターボ分子ポンプ100の運転を停止し、警告を発信する。
【0064】
一方、回転翼102dで膨張が生じた場合には、光学式センサ157から回転翼102dまでの距離が連続して短く検出される。この検出した距離を、運転中の光学式センサ157から回転翼102dまでの平常時の距離と比較する。この平常時の距離は、予め実験的に取得し、保存されたデータである。比較の結果、算出された偏差が所定値以下のとき膨張と判断してターボ分子ポンプ100の運転を停止し、警告を発信する。
【0065】
但し、偏差の変化が急激であるか否かを判断することで、膨張か否かを判断するようにしてもよい。また、これらの偏差の大きさの比較や偏差の変化の比較を共に行うことで、膨張か否かを総合的に判断するようにしてもよい。
【0066】
このことにより、ターボ分子ポンプ100が破壊に至る前に破壊の予兆である亀裂や膨張を発見できるので、被害を最小限に抑えることができる。
なお、本実施形態では、光学式センサ157により回転翼102dまでの距離を検出するとして説明したが、静電容量式や渦電流式のセンサでも同様に非接触に距離を検出することが可能である。
【0067】
また、これらのセンサの配設位置は、回転翼102dの外周面に対峙する位置に限るものではなく、回転翼102dの内周面に対峙する図2中のC部や、回転翼102dの底面に対峙するB部に埋設してもよい。更に、これらのすべての箇所にセンサを配設すれば、回転翼102dの外周面、内周面、底面に生じたすべての亀裂や膨張を総合的に検出できる。
【0068】
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
本発明の第1、第2実施形態では非接触式のセンサを用いるとして説明したが、本発明の第3実施形態は接触式の機械式センサを用いるものである。この機械式センサは、ベース部129に固定されており、センサ部分は回転翼102dの外周面、内周面、底面に対し直接接触されている(図示略)。
【0069】
そして、回転翼102dの回転に伴いセンサ部分が滑動することで、機械的に押圧の変化又は位置の変化として亀裂や膨張を検出するものである。亀裂や膨張の判断方法は、本発明の第2実施形態と同様であるので省略する。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、亀裂等検出手段を備えて構成したので、運転中であっても回転体の亀裂や膨張を検出可能である。このことにより、ターボ分子ポンプが破壊に至る前に破壊の予兆である亀裂や膨張を発見でき、ポンプを停止することが可能である。そして、被害を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の構成図
【図2】本発明の第2実施形態の構成図
【図3】従来のターボ分子ポンプの縦断面図
【符号の説明】
100 ターボ分子ポンプ
102、102a、102d 回転翼
103 回転体
104 上側径方向電磁石
105 下側径方向電磁石
106A、106B 軸方向電磁石
107 上側径方向センサ
108 下側径方向センサ
109 軸方向センサ
111 金属ディスク
113 ロータ軸
121 モータ
127 外筒
129 ベース部
133 排気口
149 水冷管
151 覗き窓
153 撮像カメラ
155 保持部材

Claims (9)

  1. 回転体と、
    該回転体を回転駆動するモータと、
    前記回転体の亀裂及び/又は膨張を検出する亀裂等検出手段を備えたことを特徴とする真空ポンプ。
  2. 前記回転体は、回転翼及び該回転翼の中央に配設されたロータ軸を有し、
    該ロータ軸を空中に磁気浮上させ径方向及び/又は軸方向に位置調整する磁気軸受手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の真空ポンプ。
  3. 前記亀裂等検出手段は、前記回転翼に対し接触するように配設され、該接触による押圧力及び/又は位置を検出可能な接触型センサと、
    該接触型センサにより検出された押圧力及び/又は位置を予め設定した設定値と比較する比較手段と、
    該比較手段で比較された結果に基づき亀裂及び/又は膨張を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の真空ポンプ。
  4. 前記亀裂等検出手段は、前記回転翼とは非接触に配設され、該回転翼との距離を測定可能な距離センサと、
    該距離センサにより検出された距離を予め設定した設定値と比較する比較手段と、
    該比較手段で比較された結果に基づき亀裂及び/又は膨張を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の真空ポンプ。
  5. 前記亀裂等検出手段は、前記回転翼とは非接触に配設され、該回転翼の所定面を撮像可能な撮像センサと、
    該撮像センサより出力された画素信号を予め設定した設定値と比較する比較手段と、
    該比較手段で比較された結果に基づき亀裂を判断する判断手段とを備えたことを特徴とする請求項2記載の真空ポンプ。
  6. 前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、
    前記接触型センサは、該翼端部の径方向外側、径方向内側及び前記翼端部の底部に対峙する軸方向のいずれか少なくとも一か所に配設されたことを特徴とする請求項3記載の真空ポンプ。
  7. 前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、
    前記距離センサは、該翼端部の径方向外側、径方向内側及び前記翼端部の底部に対峙する軸方向のいずれか少なくとも一か所に配設されたことを特徴とする請求項4記載の真空ポンプ。
  8. 前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、
    前記撮像センサは、該翼端部の径方向外側、径方向内側及び前記翼端部の底部に対峙する軸方向のいずれか少なくとも一か所に配設されたことを特徴とする請求項5記載の真空ポンプ。
  9. 前記回転体及び前記モータを収納する外筒と、
    該外筒に設けられた覗き窓とを備え、
    前記回転翼は前記ロータ軸を中心として円筒状に形成された翼端部を有し、
    前記撮像センサは前記外筒の外側に配設され、該翼端部を前記覗き窓を介して撮像可能であることを特徴とする請求項5記載の真空ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP7380469B2 (ja) 2020-07-22 2023-11-15 株式会社島津製作所 ポンプ洗浄管理装置、真空ポンプ、ポンプ洗浄管理方法およびポンプ洗浄管理プログラム
GB2621353A (en) * 2022-08-09 2024-02-14 Edwards Ltd A pump monitoring apparatus

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