JP2004060233A - シールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法 - Google Patents

シールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法 Download PDF

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Daizo Tanaka
田中 大三
Shinji Seki
関 伸司
Osamu Urata
浦田 修
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Shimizu Construction Co Ltd
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Abstract

【課題】シールド工法の施工途中において、スキンプレート内を的確に止水しながら、短時間且つ低コストで容易にテールシールの交換を行うことのできるシールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法を提供する。
【解決手段】シールド掘削機のスキンプレート14を、スキンプレート本体部14aとスライド部14bとからなる二重筒構造とし、スキンプレート本体部14aの後端部近傍位置の内周側に、セグメントの外周側と摺動してセグメントとスキンプレート14との間隙部Cをシールするテールシール17,17tを設け、スライド部14bを後方側にスライドさせた際に、スライド部14bがテールシール17,17tの位置よりも後方側に突出することで、スキンプレート14が所定長さ伸長されたテール伸長部14tが形成され、袋付きセグメント22によって止水できるようにした。
【選択図】   図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図14は、シールド工法を施工するための、一般的なシールド掘削機の全体構成を示す概略側断面図である。このシールド掘削機100は、地山に掘削孔を掘進するためのカッター111をシールド本体112の前方側に備えるとともに、シールド本体112から後方側に向けて筒状をなして延在するスキンプレート113を備えた構成となっている。
【0003】
シールド本体112の内部又はスキンプレート113の内部には、推進ジャッキ114が周方向に複数備えられている。この推進ジャッキ114は、掘進軸線方向に伸縮することで、スキンプレート113の内側に順次組み立てられていくセグメント121を押圧し、その反力でシールド掘削機100を掘進させるものである。この他にも、シールド本体112内部又はスキンプレート113内部には、掘削した土砂を後方に送るための搬送装置や、セグメントを所定形状に組み立てるエレクタ等といった、各種装置が備えられている。また、シールド本体112には、カッター111を首振り可能に支持するための首振り装置112fが設けられており、急曲線施工に容易に対応できるようになっている。
【0004】
スキンプレート113は、シールド本体112と外形及び断面積が略同一となっている筒状体であって、シールド掘削機100の外殻をなすものである。このスキンプレート113の内側に、セグメント121をリング状に組み立てていくとともに、これを順次筒状に連結していくことで、シールド掘削機100の後方には、シールドトンネルが順次築造されていく。
【0005】
スキンプレート113のテール部つまり後端近傍位置の内周側には、セグメント121の外周側に押圧されて、スキンプレート113の内周側とセグメント121の外周側との間隙部Cをシールするための、4段のテールシール115,115tが取り付けられている。これらテールシール115,115tは、シールド掘削機100の掘進に伴ってセグメント121の外周側と摺動され、間隙部Cをシールしながら移動していく。そのため、掘削孔内に存在する水がスキンプレート113の内部に侵入してくることが防止され、スキンプレート113内の止水が行われるようになっている。
なお、テールシール115tよりも前方側で、少なくとも2リング分のセグメント21を組み立てることができるように、スキンプレート113の長さが設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
テールシールは、セグメントの外周面と常時摺動しているので、例えば、掘進が長距離になる場合のシールド工法の施工途中において摩耗、破損等すると、新たなテールシールに交換する必要がある。この交換時には、テールシールで止水を行うことができなくなるので、他の手段によって止水を行う必要がある。従来は、薬液注入等によってテール部の止水を行い、セグメントを解体した後にテールシールの交換を行っていた。或いは、非常用の緊急止水装置を一時的に用いることによりシールを行うこともあった。
【0007】
薬液を使用する場合には、テールシール交換の度に薬液注入を行わなくてはならず、コストの高騰及び工程の増加を招いてしまうとともに、止水の確実性等にも問題があった。また、緊急止水装置を使用する場合には、複数回のテールシール交換への対応が困難であるとともに、最後段のテールシール(図14の例ではテールシール115t)の交換ができないといった問題があった。
【0008】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、シールド工法の施工途中において、スキンプレート内を的確に止水しながら、短時間で且つ低コストで容易にテールシールの交換を行うことのできるシールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントが順次筒状に組み立てられていくシールド掘削機であって、前記スキンプレートは、スキンプレート本体部と、該スキンプレート本体部の外周側に配置され且つ該スキンプレート本体部に対し前後方向にスライド可能とされたスライド部とからなる二重筒構造とされるとともに、前記スキンプレート本体部の後端部近傍位置の内周側に、前記セグメントの外周側と摺動して該セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールするテールシールが設けられ、前記スライド部を後方側にスライドさせた際に、該スライド部が前記テールシールの位置よりも後方側に突出することで、前記スキンプレートが所定長さ伸長されたテール伸長部が形成されることを特徴とする。
【0010】
このように、テールシールの位置よりも後方側に突出するスライド部を備えるようにしているので、テールシールの交換時にのみスキンプレートをテールシールよりも伸長させて、このテール伸長部にセグメント側からシールを施すことで、スキンプレート内を止水して、テールシールの交換を行うことができる。そのため、通常のシールド工法施工時には、シールド掘削機の全長を従来通りの長さとしておくことができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントが順次筒状に組み立てられていくシールド掘削機であって、前記スキンプレートは、スキンプレート本体部と、該スキンプレート本体部の内周側に配置され且つ該スキンプレート本体部に対し前後方向にスライド可能とされたスライド部とからなる二重筒構造とされるとともに、前記スライド部の後端部近傍位置の内周側に、前記セグメントの外周側と摺動して該セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールするテールシールが設けられ、前記スライド部を前方側にスライドさせた際に、前記テールシールが前記スキンプレート本体部の後端部よりも前方側に没入することで、該テールシールよりも後方側の前記スキンプレート本体部の内周側が所定長さ露出されたテール露出部が形成されることを特徴とする。
【0012】
このように、スキンプレート本体部の後端部近傍位置よりも前方側にテールシールを没入させるスライド部を備えるようにしているので、テールシールの交換時にのみテールシールをスキンプレート内に移動させ、その後方側のテール露出部にセグメント側からシールを施すことで、スキンプレート内を止水して、テールシールの交換を行うことができる。そのため、シールド掘削機の全長を従来通りの長さとしておくことができるとともに、スキンプレートの内側からスライド操作を容易に行うことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、前記シールド掘削機として、前記スキンプレートを前記テールシールが設けられた位置から更に後方に所定長さ延出させたテール延出部を有するシールド掘削機を用い、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テールシールが前記シールセグメントの位置を通過するまで前記シールド掘削機を掘進させて、前記シール手段を前記テール延出部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とする。
【0014】
このように、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントと、テールシールよりも後方側に延出するテール延出部を有するシールド掘削機とを用いて、テールシールよりも後方側の間隙部をシールするようにしているので、止水されたスキンプレート内で、テールシールを容易に短時間で交換することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、前記シールド掘削機として、請求項1に記載のシールド掘削機を用い、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テールシールが前記シールセグメントの位置を通過するまで前記シールド掘削機を掘進させるとともに、前記スライド部を後方側にスライドさせ、前記シール手段を前記テール伸長部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とする。
【0016】
このように、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントと、テールシールよりも後方側に突出するスライド部を備えたシールド掘削機とを用いて、テールシールよりも後方側の間隙部をシールするようにしているので、テールシール交換時にのみシールド掘削機の全長を伸ばして、止水されたスキンプレート内で、テールシールを短時間で容易に交換することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、前記シールド掘削機として、請求項2に記載のシールド掘削機を用い、前記スライド部を前方側にスライドさせた状態としておいて、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テール露出部の位置が前記シールセグメントの外周位置にくるまで前記シールド掘削機を掘進させて、前記シール手段を前記テール露出部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、前記シールド掘削機として、請求項2に記載のシールド掘削機を用い、前記スライド部を後方側にスライドさせた状態としておいて、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テール露出部の位置が前記シールセグメントの外周位置にくるまで前記シールド掘削機を掘進させるとともに、前記スライド部を前方側にスライドさせ、前記シール手段を前記テール露出部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とする。
【0019】
このように、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントと、スキンプレート本体部の後端部近傍位置よりも前方側にテールシールを没入させるスライド部を備えたシールド掘削機とを用いて、テールシールよりも後方側の間隙部をシールするようにしているので、スキンプレート交換時にもシールド掘削機の全長を伸ばすことなく、止水されたスキンプレート内で、テールシールを短時間で容易に交換することができる。
【0020】
請求項7に記載の発明は、請求項3〜6の何れかに記載のシールド掘削機のテールシール交換方法であって、前記シール手段は、前記シールセグメントの外周側に設けられ、充填剤が充填されることにより外側に向けて膨張する袋体であることを特徴とする。
【0021】
このように、袋体を有するセグメントをシールセグメントとして用いるようにしているので、充填剤の充填量や注入圧によって、袋体の外側への突出量を制御できるので、簡易且つ的確に間隙部をシールすることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るシールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法の第1乃至第3の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0023】
[第1の実施形態]
先ず、第1の実施形態について、図1乃至図4を用いて説明する。
図1は、本実施形態において用いるシールド掘削機1Aの全体構成を示す概略側断面図である。このシールド掘削機1Aは、地山に掘削孔を掘進するためのカッター11をシールド本体12の前方側に備えるとともに、シールド本体12から後方側に向けて筒状をなして延在するスキンプレート13を備えた構成となっている。
【0024】
シールド本体12の内部又はスキンプレート13の内部には、推進ジャッキ16が周方向に複数備えられている。この推進ジャッキ16は、掘進軸線方向に伸縮することで、スキンプレート13の内側に順次組み立てられていくセグメント21を押圧し、その反力でシールド掘削機1Aを掘進させるものである。この他にも、シールド本体12内部又はスキンプレート13内部には、掘削した土砂を後方に送るための搬送装置や、セグメントを所定形状に組み立てるエレクタ等といった、各種装置が備えられている。
また、シールド本体12には、カッター11を首振り可能に支持するための首振り装置12fが設けられており、急曲線施工に容易に対応できるようになっている。この首振り装置12fは、急曲線施工への対応が特に必要ない場合には、設けられていなくともよい。
【0025】
スキンプレート13は、シールド本体12と外形及び断面積が略同一となっている筒状体であって、シールド掘削機1Aの外殻をなすものである。このスキンプレート13の内側に、セグメント21をリング状に組み立てていくとともに、これを順次筒状に連結していくことで、シールド掘削機1Aの後方には、シールドトンネルが順次築造されていく。
【0026】
スキンプレート13の後方の内周側には、セグメント21の外周側に押圧されて、スキンプレート13の内周側とセグメント21の外周側との間隙部Cをシールする、テールシールが取り付けられている。ここでは、テールシールを4段とし、前3段のテールシールを符号17、最後段のテールシールを符号17tとして、各々示している。これらテールシール17,17tは、シールド掘削機1Aの掘進に伴ってセグメント21の外周側と摺動され、間隙部Cをシールしながら移動していく。そのため、間隙部Cをシールして、掘削孔内に存在する水等がスキンプレート13の内部に侵入してくることが的確に防止されるようになっている。また、テールシール17,17tとともに潤滑剤注入機構(図示省略)が設けられており、グリース等の潤滑剤を摺動部に注入して、テールシール17,17tが円滑に摺動できるようになっている。
【0027】
なお、テールシール17tの構成は、テールシール17の構成とほぼ同一となっているが、周囲の水圧等の程度によっては、テールシール17よりも若干大型として、より高いシール性能を確保できるようにしてもよい。また、テールシール17,17tを計4段設けるようにしているが、これに限定されるものではなく、周囲の水圧等の程度によって、段数は適宜変更可能である。
また、テールシール17tよりも前方側で、少なくとも2リング分のセグメント21を組み立てることができるように、スキンプレート13の長さが設定されている。
【0028】
このスキンプレート13の、テールシール17tが取り付けられている位置から更に後方側には、スキンプレート13を所定長さ延出させたテール延出部13tが形成されている。このテール延出部13は、後述する袋付きセグメント22を用いて、最後段のテールシール17tよりも後方側をシール可能とするためのものである。すなわち、ここでいう「所定長さ」とは、袋付きセグメント22によって間隙部Cをシールすることができるだけの長さであればよい。このようなテール延出部13tが形成されているので、シールド掘削機1Aの全長は、従来例において示したシールド掘削機100の全長よりも、テール延出部13tの分だけ長くなっている。
【0029】
このシールド掘削機1Aを用いて、シールド工法を施工し、シールドトンネルを築造していく。すなわち、スキンプレート13の内側にセグメント21を組み立ててセグメントリングを構成し、掘削孔内にシールドトンネルを築造していく。これとともに、推進ジャッキ16によって、最前部に覆工されたセグメント21を順次押圧していくことで、その反力によってシールド掘削機1Aは掘進方向への推進力を得て、シールド掘削機1Aを掘進させていく。すなわち、シールド掘削機1Aが掘進するに従い、その後方側の掘削孔内は順次セグメント21によって覆工されていき、シールドトンネルが築造されていく。このとき、テールシール17,17tによって間隙部Cはシールされているので、掘削孔内に存在する水がスキンプレート13の内部に侵入してくることが防止されて、スキンプレート113内の止水が行われる。
【0030】
このようなシールド工法の施工途中において、テールシール17,17tを、新たなテールシールに交換する場合の交換方法について、以下に説明する。
先ず、図2に示すように、少なくともテールシール17tよりも前方側で、袋付きセグメント(シールセグメント)22を組み立てる。この袋付きセグメント22は、外形や大きさ等はセグメント21とほぼ同一であるが、外周側に膨張する袋体(シール手段)22bを備えた構成となっている点が、セグメント21と異なっている。この袋付きセグメント22には、内周側から袋体22b内にグラウト等の充填剤を注入・充填することができる注入孔(図示省略)が設けられている。
【0031】
この袋付きセグメント22は、セグメントと掘削孔内壁との間隙部(テールボイド)を区画するために従来から用いられている、袋付きセグメントと同様の構成となっている。すなわち本来は、内周側から袋体22bに充填剤を充填して袋体22bを膨張させ、掘削孔の内壁に当接・密着させて、テールボイドを掘進軸線方向に所定区間毎に区画するために用いられるものである。このように区画されたテールボイドに、モルタル等の裏込め材を注入充填して、地山の肌落ちによる地盤の緩みが防止される。このとき、テールボイドは短区間毎に区画されているので、各区画毎に高圧で裏込め材を注入することが可能となる。
【0032】
袋付きセグメント22の内周側から注入孔を介して袋体22bにグラウトを充填して、膨脹した袋体22bを地山に密着させるようにしているので、これら袋付きセグメント22の袋体2によってテールボイドが軸線方向へ区画され、この区画されたテールボイドへの高圧での裏込め材の注入が可能となる。ここでは、袋体22bを、テール延出部13tの内側に当接・密着するまで膨張させることで、テール延出部13t内側の間隙部Cを区画する。
【0033】
次に図3(a)に示すように、袋付きセグメント22の前方側に、セグメント21aを組み立てる。このセグメント21aは、セグメント21と同一構成であるが、推進ジャッキ16によって押圧されるため、つまりシールド掘削機1Aを推進させるために、一時的に組み立てられるものであって、シールドトンネルを築造するためのものではない。後述するように、シールド掘削機1Aを所定位置まで推進させたら解体されるものであるので、敢えて符号を区別している。
そして、セグメント21aを推進ジャッキ16で押圧して、テールシール17tが袋付きセグメント22の位置を通過するまでシールド掘削機1Aを掘進させる。すなわち、テール延出部13tが袋付きセグメント22の外周側に位置するように、スキンプレート13を前方側へと移動させる。
【0034】
こうしておいて、袋体22b内に充填剤を注入・充填して袋体22bを膨張させ、テール延出部13tに当接・密着するように、外側に突出させる。こうすることで、間隙部Cはシールされ、掘削孔内に存在する水がスキンプレート13の内部に侵入してくることが防止されて、スキンプレート13内の止水が行われる。
【0035】
そして、推進用のセグメント21aを解体し、スキンプレート13の内側にテールシール17,17t露出させて、スキンプレート13内側から交換可能な状態とする。その後、図4(a)に示すように、テールシール17,17tを取り外して新たなテールシール18,18tを取り付ける。
【0036】
これで、テールシール交換作業は終了したので、図4(b)に示すように、袋付きセグメント22の前側にセグメント21を組み立てる。このとき、テールシール18,18tはセグメント21の外周側に位置しているので、これらテールシール18,18tによって、間隙部Cはシールされる。
この後、再び通常のシールド工法の施工に戻り、シールドトンネルの築造を更に続けていく。
【0037】
なお、間隙部Cを一時的にシールするために用いていた袋付きセグメント22は、テールボイドを区画するためにそのまま用いることができる。すなわち、袋体22bを更に膨張させて、掘削孔の内壁に当接・密着させれば、テールボイドを掘進軸線方向に多数の区間に区画することができ、これら各区間に裏込め材を高圧で充填することが可能となる。
【0038】
本実施形態に係るシールド掘削機のテールシール交換方法においては、スキンプレート13をテールシール17tが設けられた位置から更に後方に所定長さ延出させたテール延出部13tを有するシールド掘削機1Aを用い、外側に突出する袋体22bを備えた袋付きセグメント22を、テールシール17tよりも前方側で組み立て、テールシール17tが袋付きセグメント22の位置を通過するまでシールド掘削機1Aを掘進させて、袋体22bをテール延出部13tに当接するように膨張・突出させて間隙部Cをシールした後に、テールシール17,17tをテールシール18,18tに各々交換するようにしている。このように、最後段のテールシール17tよりも後方側の間隙部Cをシールするようにしているので、シールされたスキンプレート13内で、テールシール17,17tを、短時間で容易に交換することができる。そのため、交換時間の短縮化及びコストの低廉化を図りつつ、全段のテールシールを的確に交換することができる。
【0039】
また、テールボイドを複数に区画するために用いる、袋体22bを有する袋付きセグメント22を、間隙部Cをシールするためのセグメントとして用いるようにしているので、充填剤の充填量や注入圧によって、袋体22bの外側への突出量を制御でき、簡易且つ的確に止水を行うことができる。そのため、止水を行わせるための特別な薬品や装置等を必要とせずに、袋付きセグメント22を予め組み立てておいた位置で間隙部Cを的確にシールすることができ、シールド工法の施工途中においてテールシール17,17tを何度でも交換することができる。これにより、施工の安定化を図り、ひいては施工コストの低廉化を図ることができる。
【0040】
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について、図5乃至図8を用いて説明する。
なお、本実施形態に係るシールド掘削機1Bは、上記第1の実施形態におけるシールド掘削機1Aと比較して、スキンプレートの構成のみが異なっており、他の構成要素は同一である。そのため、上記シールド掘削機1Aにおけると同一の構成要素については同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【0041】
図5は、本実施形態において用いるシールド掘削機1Bの全体構成を示す概略側断面図である。このシールド掘削機1Bは、地山を掘進するためのカッター11をシールド本体12の前方側に備えるとともに、筒状をなしてシールド本体12から後方側に向けて延在するスキンプレート14を備えた構成となっている。
【0042】
スキンプレート14は、シールド本体12と外形及び断面積が略同一となっている筒状体であって、シールド掘削機1Bの外殻をなすものである。このスキンプレート14は、スキンプレート本体部14aとスライド部14bとからなる二重筒構造とされている。
スキンプレート本体部14aは、スキンプレート14の主要部を構成するもので、シールド本体12に一体的に固定されており、従来例において示したスキンプレート113と同様の長さを有している。
【0043】
スキンプレート本体部14aの後端近傍位置の内周側には、セグメント21の外周側に当接・密着されることで、スキンプレート13の内周側とセグメント21の外周側との間隙部Cをシールする、計4段のテールシール17,17tが取り付けられている。最後段のテールシール17tは、スキンプレート本体部14aの後端部近傍に位置するように設けられている。すなわち、テールシール17tよりも前方側で、少なくとも2リング分のセグメント21を組み立てることができるように、スキンプレート本体部14aの長さが設定されている。
【0044】
スライド部14bは、スキンプレート本体部14a後部の外周側に配置されるとともに、スキンプレート本体部14aに対し前後方向にスライド可能とされた筒状体である。このスライド部14bは、通常のシールド工法施工時には、前方側にスライドされており、その後端部がスキンプレート本体部14aの後端部にほぼ重なるように位置した状態で、ボルト等によってスキンプレート本体部14aと連結固定されている。すなわちスライド部14bは、通常時にはスキンプレート本体部14a後部の外周側に収納された状態となっているので、通常時のシールド掘削機1Bの全長は、従来例において示したシールド掘削機100の全長と略同一となっている。
【0045】
スライド部14bは、後方側にスライドさせた際に、スキンプレート本体部14aの後端部から後方側へと突出する。すなわち、スライド部14bが、最後段のテールシール17tが取り付けられている位置よりも後方側へと突出することで、スキンプレート14は、後方側に所定長さ伸長された状態となる。このように、所定長さ伸長された部分である「テール伸長部」を、符号14tとして図示している。このテール伸長部14tは、袋付きセグメント22を用いて、最後段のテールシール17tよりも後方側をシール可能とするためのものであって、ここでいう「所定長さ」とは、袋付きセグメント22によって間隙部Cをシールすることができるだけの長さであればよい。
なお、スキンプレート本体部14aとスライド部14bとは、互いに厚さ方向にほぼ隙間無く密接配置された状態でスライドするようになっており、摺動部分の止水性は確保されるようになっている。
【0046】
こうしたシールド掘削機1Bを用いたシールド工法の施工途中において、テールシール17,17tが摩耗、破損等して、新たなテールシールに交換する必要がある場合の交換方法について、以下に説明する。
先ず、図6に示すように、少なくともテールシール17tよりも前方側で、袋付きセグメント22を組み立てる。またその前方側に、推進用のセグメント21aを組み立てておく。
【0047】
次に図7(a)に示すように、テールシール17tが袋付きセグメント22の位置を通過するまでシールド掘削機1Bを掘進させるとともに、スライド部14bを後方側にスライドさせる。すなわち、テール伸長部14tが袋付きセグメント22の外周側に位置する状態とする。
【0048】
そして、図7(b)に示すように、袋体22b内にグラウトを注入・充填して袋体22bを膨張させ、テール伸長部14tに当接・密着するように、外周側に突出させる。こうすることで、テールシール17,17tによって間隙部Cはシールされ、掘削孔内に存在する水がスキンプレート14の内部に侵入してくることが防止されて、スキンプレート14内の止水が行われる。
【0049】
こうしておいて、推進用のセグメント21aを解体し、スキンプレート13の内側にテールシール17,17tを露出させて、スキンプレート13内側から交換可能な状態とする。すなわち、テールシール17,17tを取り外し、新たなテールシール18,18tを取り付ける。
【0050】
これで、テールシール交換作業は終了したので、袋付きセグメント22の前側にセグメント21を組み立てる。このとき、テールシール18,18tはセグメント21の外周側に位置しているので、これらテールシール18,18tによって、間隙部Cはシールされる。すなわち、テールシール交換作業の間に間隙部Cをシールするために用いていたテール伸長部14tは不要となるので、スライド部14bを前方側にスライドさせて通常時の状態に戻して、シールド掘削機1Bの全長を元に戻す。
この後、再び通常のシールド工法の施工に戻り、シールドトンネルの築造を更に続けていく。
【0051】
本実施形態に係るシールド掘削機1Bにおいては、スキンプレート14を、スキンプレート本体部14aと、その外周側に配置されたスライド部14bとからなる二重筒構造とするとともに、スキンプレート本体部14aの後端部近傍位置の内周側にテールシール17,17tを設け、スライド部14aを後方側にスライドさせた際に、スライド部14bがテールシール17,17tの位置よりも後方側に突出することで、スキンプレート14が所定長さ伸長されたテール伸長部14tが形成されるようにしている。
【0052】
また、本実施形態に係るシールド掘削機のテールシール交換方法においては、シールド掘削機1Bを用い、外側に突出する袋体22bを備えた袋付きセグメント22を、テールシール17tよりも前方側で組み立て、テールシール17tが袋付きセグメント22の位置を通過するまで前記シールド掘削機1Bを掘進させるとともに、スライド部14bを後方側にスライドさせ、袋体22bをテール伸長部14tに当接するように膨張・突出させて間隙部Cをシールした後に、テールシール17,17tをテールシール18,18tに各々交換するようにしている。
【0053】
このように、スライド部14bを後方側にスライドさせ、テール伸長部14tを形成することで間隙部Cをシールするようにしているので、テールシール17,17tの交換時にのみテール伸長部14tを形成することができ、テールシール17,17tの交換時間の短縮化及びコストの低廉化を図りつつ、全段のテールシールを的確に交換することができる。そのため、通常時にはシールド掘削機1Bの全長を長くすることなく、急曲線施工にも容易に対応可能とすることができ、多様な施工に柔軟に対応させることができるので、更に施工の安定化を図り、施工コストの低廉化を図ることができる。
【0054】
また、スキンプレート本体部14aとスライド部14bとを、互いに厚さ方向にほぼ隙間無く密接配置した状態でスライドさせるようにしているので、テール伸長部14tの形成時にスライド部14bの内側に裏込め材等が入り込んだとしても、スライド部14bを収納させれば裏込め材等を除去することができる。そのため、困難な作業である裏込め材等の除去作業を不要とすることができる。
【0055】
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について、図9乃至図13を用いて説明する。
なお、本実施形態に係るシールド掘削機1Cは、上記第1の実施形態におけるシールド掘削機1Aと比較して、スキンプレートの構成のみが異なっており、他の構成要素は同一である。そのため、上記シールド掘削機1Aにおけると同一の構成要素については同一の符号を付して、その詳しい説明は省略することとする。
【0056】
図9は、本実施形態において用いるシールド掘削機1Cの全体構成を示す概略側断面図である。このシールド掘削機1Cは、地山を掘進するためのカッター11をシールド本体12の前方側に備えるとともに、筒状をなしてシールド本体12から後方側に向けて延在するスキンプレート15を備えた構成となっている。
【0057】
スキンプレート15は、シールド本体12と外形及び断面積が略同一となっている筒状体であって、シールド掘削機1Cの外殻をなすものである。このスキンプレート15は、スキンプレート本体部15aとスライド部15bとからなる二重筒構造とされている。
スキンプレート本体部15aは、スキンプレート15の主要部を構成するもので、シールド本体12に一体的に固定されており、従来例において示したスキンプレート113と同様の長さを有している。すなわち、テールシール17tよりも前方側で、少なくとも2リング分のセグメント21を組み立てることができるように、スキンプレート本体部15aの長さが設定されている。
【0058】
スライド部15bは、スキンプレート本体部15a後部の内周側に配置されるとともに、スキンプレート本体部15aに対し前後方向にスライド可能とされた筒状体である。このスライド部15bは、通常のシールド工法施工時には、後方側にスライドされており、その後端部がスキンプレート本体部15aの後端部にほぼ重なるように位置した状態で、ボルト等によってスキンプレート本体部15aと連結固定されている。
【0059】
スライド部15b後部の内周側には、セグメント21の外周側に当接・密着されることで、スキンプレート13の内周側とセグメント21の外周側との間隙部Cをシールする、計4段のテールシール17,17tが取り付けられている。最後段のテールシール17tは、スライド部15bの後端部近傍に位置するように設けられている。
【0060】
このスライド部15bは、前方側にスライドさせた際に、スキンプレート本体部15a内のシールド本体12側に没入する。すなわち、スライド部15bが、スキンプレート本体部15aの後端部の位置よりも前方側へと没入することで、テールシール17tよりも後方側のスキンプレート本体部15aの内周側が、所定長さ露出された状態となって、テール露出部15tが形成される。すなわちスライド部15bは、通常時には、スキンプレート本体部15aの後端部近傍位置の内周側に位置しており、後方側に突出することはない。このため、シールド掘削機1Cの全長は、従来例において示したシールド掘削機100の全長と略同一となっている。
なお、スキンプレート本体部15aとスライド部15bとは、互いに厚さ方向にほぼ隙間無く密接配置された状態でスライドするようになっており、摺動部分の止水等は確保されるようになっている。
【0061】
こうしたシールド掘削機1Cを用いたシールド工法の施工途中において、テールシール17,17tが摩耗、破損等して、新たなテールシールに交換する必要がある場合の交換方法について、以下に説明する。
先ず、図11に示すように、少なくともテールシール17tよりも前方側で、袋付きセグメント22を組み立てる。なおこの図においては、スライド部15bを前方側にスライドさせた状態としておいて、袋付きセグメント22をテールシール17tよりも前方側で組み立てるようにしているが、これに限定されるものではない。図示は省略するが、スライド部15bを後方側にスライドさせた状態、つまり通常時の状態としておいて、袋付きセグメント22をテールシール17tよりも前方側で組み立て、その後スライド部15bを前方側にスライドさせるようにしてもよい。すなわち、スキンプレート15内の止水が行われるのであれば、順序は問わない。
【0062】
次に、図12(a)に示すように、袋付きセグメント22の前方側に、推進用のセグメント21aを組み立てて、テール露出部15tの位置が袋付きセグメント22の位置にくるまでシールド掘削機1Cを掘進させる。すなわち、テール露出部15tが袋付きセグメント22の外周側に位置する状態とする。
【0063】
そして、図12(b)に示すように、袋体22b内にグラウトを注入・充填して袋体22bを膨張させ、テール露出部15tに当接・密着するように外周側に突出させる。こうすることで、テールシール17,17tによって間隙部Cはシールされ、掘削孔内に存在する水がスキンプレート15の内部に侵入してくることが防止されて、スキンプレート15内の止水が行われる。
【0064】
こうしておいて、図12(c)に示すように、推進用のセグメント21aを解体し、スキンプレート15の内側にテールシール17,17tを露出させて、スキンプレート15内側から交換可能な状態とする。すなわち、テールシール17,17tを取り外し、新たなテールシール18,18tを取り付ける。
【0065】
これで、テールシール交換作業は終了したので、袋付きセグメント22の前側にセグメント21を組み立てる。このとき、テールシール18,18tはセグメント21の外周側に位置しているので、これらテールシール18,18tによって、間隙部Cはシールされる。すなわち、テールシール交換作業の間に間隙部Cをシールするために用いていたテール露出部14tは不要となるので、シールド掘削機1Cを掘進させながら、スライド部14bを後方側にスライドさせて通常時の状態に戻し、テールシール17tを元の位置、つまりスキンプレート15後端部近傍の位置に戻す。
この後、再び通常のシールド工法の施工に戻り、シールドトンネルの築造を更に続けていく。
【0066】
本実施形態に係るシールド掘削機1Cにおいては、スキンプレート15を、スキンプレート本体部15aと、その内周側に配置されたスライド部15bとからなる二重筒構造とするとともに、スライド部15bの後端部近傍位置の内周側にテールシール17tを設け、スライド部15bを前方側にスライドさせた際に、テールシール17tがスキンプレート本体部15aの後端部よりも前方側に没入することで、テールシール17tよりも後方側のスキンプレート本体部15aの内周側が所定長さ露出されたテール露出部15tが形成されるようにしている。
【0067】
また、本実施形態に係るシールド掘削機のテールシール交換方法においては、シールド掘削機1Cを用い、スライド部15bを前方側にスライドさせた状態としておいて、外側に突出する袋体22bを備えた袋付きセグメント22を、テールシール17tよりも前方側で組み立て、テール露出部15tが袋付きセグメント22の外周位置にくるまでシールド掘削機1Cを掘進させて、袋体22bをテール露出部15tに当接するように膨張・突出させて間隙部Cをシールした後に、テールシール17,17tをテールシール18,18tに各々交換するようにしている。
あるいは、スライド部15bを通常時の状態としておいて、袋付きセグメント22をテールシール17tよりも前方側で組み立て、テール露出部15tの位置が袋付きセグメント22の外周位置にくるまでシールド掘削機1Cを掘進させるとともに、スライド部15bを前方側にスライドさせて、袋体22bをテール露出部15tに当接するように膨張・突出させて間隙部Cをシールした後に、テールシール17,17tをテールシール18,18tに各々交換するようにしている。
【0068】
このように、スライド部15bを前方側にスライドさせ、テール露出部15tを形成することで間隙部Cをシールするようにしているので、シールド掘削機1Cの全長を長くすることなく、テールシール17,17tの交換を行うことができる。そのため、急曲線施工にも容易に対応可能とすることができるとともに、急曲線施工の途中においても全段のテールシールを容易且つ的確に交換することができるので、更に多様な施工に柔軟に対応させることができる。
【0069】
また、スキンプレート本体部15aの内側に位置する部材である、スライド部15bをスライド可能としているので、スキンプレート15の内側からスライド操作を容易に行うことができ、施工性をより向上させるとともに、修理や点検等も容易に行うことができる。
【0070】
更に、スキンプレート本体部15aとスライド部15bとを、互いに厚さ方向にほぼ隙間無く密接配置した状態でスライドさせるようにしているので、テール露出部15tの形成時にその内側に裏込め材等が入り込んだとしても、スライド部15bを後方側にスライドさせれば、裏込め材等を除去することができる。そのため、困難な作業である裏込め材等の除去作業を不要とすることができる。
【0071】
なお、上記各実施形態においては、スキンプレートとセグメントとの間隙部をシールするために袋付きセグメントを用いるようにしているが、間隙部をシールすることのできるシール手段を備えたものであれば、他の形態のセグメントを用いても差し支えない。例えばシール手段を、セグメントの外周側に回動可能に取り付けた複数の板状体とし、シール時にはこれら板状体を外側に回動・突出させて、スキンプレート内周側に当接させるような構成としてもよい。
【0072】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明においては、上記の如き構成を採用しているので、シールド工法の施工途中において、スキンプレート内を的確に止水しながら、短時間で且つ低コストで容易にテールシールの交換を行うことのできるシールド掘削機、及びシールド掘削機のテールシール交換方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態において用いるシールド掘削機を示す概略側断面図である。
【図2】図1に示したシールド掘削機における、スキンプレートのテール突出部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図3】図2の続きの図であって、スキンプレートのテール突出部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図4】図3の続きの図であって、スキンプレートのテール突出部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態において用いるシールド掘削機を示す概略側断面図である。
【図6】図5に示したシールド掘削機における、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図7】図6の続きの図であって、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図8】図7の続きの図であって、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態において用いるシールド掘削機を示す概略側断面図である。
【図10】図9に示したシールド掘削機における、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図11】図10の続きの図であって、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図12】図11の続きの図であって、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図13】図12の続きの図であって、スキンプレートのスライド部の近傍位置を拡大して示す概略側断面図である。
【図14】従来のシールド掘削機の一例を示す概略側断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C シールド掘削機
11 カッター
12 シールド本体
13,14,15 スキンプレート
13t テール延出部
14a,15a スキンプレート本体部
14b,15b スライド部
14t テール伸長部
15t テール露出部
16 推進ジャッキ
17,17t テールシール
18,18t テールシール
21,21a セグメント
22 袋付きセグメント(シールセグメント)
22b 袋体(シール手段)

Claims (7)

  1. 後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントが順次筒状に組み立てられていくシールド掘削機であって、
    前記スキンプレートは、スキンプレート本体部と、該スキンプレート本体部の外周側に配置され且つ該スキンプレート本体部に対し前後方向にスライド可能とされたスライド部とからなる二重筒構造とされるとともに、前記スキンプレート本体部の後端部近傍位置の内周側に、前記セグメントの外周側と摺動して該セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールするテールシールが設けられ、前記スライド部を後方側にスライドさせた際に、該スライド部が前記テールシールの位置よりも後方側に突出することで、前記スキンプレートが所定長さ伸長されたテール伸長部が形成されることを特徴とするシールド掘削機。
  2. 後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントが順次筒状に組み立てられていくシールド掘削機であって、
    前記スキンプレートは、スキンプレート本体部と、該スキンプレート本体部の内周側に配置され且つ該スキンプレート本体部に対し前後方向にスライド可能とされたスライド部とからなる二重筒構造とされるとともに、前記スライド部の後端部近傍位置の内周側に、前記セグメントの外周側と摺動して該セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールするテールシールが設けられ、
    前記スライド部を前方側にスライドさせた際に、前記テールシールが前記スキンプレート本体部の後端部よりも前方側に没入することで、該テールシールよりも後方側の前記スキンプレート本体部の内周側が所定長さ露出されたテール露出部が形成されることを特徴とするシールド掘削機。
  3. シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、
    前記シールド掘削機として、前記スキンプレートを前記テールシールが設けられた位置から更に後方に所定長さ延出させたテール延出部を有するシールド掘削機を用い、
    外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テールシールが前記シールセグメントの位置を通過するまで前記シールド掘削機を掘進させて、前記シール手段を前記テール延出部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とするシールド掘削機のテールシール交換方法。
  4. シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、
    前記シールド掘削機として、請求項1に記載のシールド掘削機を用い、
    外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テールシールが前記シールセグメントの位置を通過するまで前記シールド掘削機を掘進させるとともに、前記スライド部を後方側にスライドさせ、前記シール手段を前記テール伸長部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とするシールド掘削機のテールシール交換方法。
  5. シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、
    前記シールド掘削機として、請求項2に記載のシールド掘削機を用い、
    前記スライド部を前方側にスライドさせた状態としておいて、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テール露出部の位置が前記シールセグメントの外周位置にくるまで前記シールド掘削機を掘進させて、前記シール手段を前記テール露出部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とするシールド掘削機のテールシール交換方法。
  6. シールド掘削機の後方側に備えられた筒状をなすスキンプレートの内側に、セグメントを順次筒状に組み立てていくとともに、前記スキンプレートの内周側に設けられたテールシールを前記セグメントの外周側と摺動させて、前記セグメントと前記スキンプレートとの間隙部をシールしながら前記シールド掘削機を掘進させていき、シールドトンネルを築造していくシールド工法の施工途中において、前記テールシールを交換する方法であって、
    前記シールド掘削機として、請求項2に記載のシールド掘削機を用い、
    前記スライド部を後方側にスライドさせた状態としておいて、外側に突出するシール手段を備えたシールセグメントを、前記テールシールよりも前方側で組み立て、前記テール露出部の位置が前記シールセグメントの外周位置にくるまで前記シールド掘削機を掘進させるとともに、前記スライド部を前方側にスライドさせ、前記シール手段を前記テール露出部に当接するように突出させて前記間隙部をシールした後に、前記テールシールを交換することを特徴とするシールド掘削機のテールシール交換方法。
  7. 前記シール手段は、前記シールセグメントの外周側に設けられ、充填剤が充填されることにより外側に向けて膨張する袋体とされていることを特徴とする請求項3〜6の何れかに記載のシールド掘削機のテールシール交換方法。
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