JP2004059973A - ニッケル系薄膜用エッチング液 - Google Patents

ニッケル系薄膜用エッチング液 Download PDF

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Abstract

【課題】従来のエッチング液よりも、ニッケル系薄膜の積層薄膜に対して、そのエッチング角度を60〜90度にエッチングすることができ、ニッケル系積層薄膜を構成する各々の金属薄膜およびその酸化物薄膜に対してエッチング速度のバランスがよく、エッチング液の液疲労が少ないエッチング液およびエッチング方法の提供。
【解決手段】硝酸第2セリウムアンモニウム8〜12重量%と、過塩素酸5〜10重量%とを水性媒体中に含有することを特徴とする、ガラス基板上に形成されたニッケル系薄膜用エッチング液。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイのカラーフィルターに使用されるニッケル系薄膜からなるブラックマトリックスの製造に使用されるエッチング液およびエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、液晶ディスプレイには、表示のコントラストを高めるためにカラーフィルターにブラックマトリックスが設けられている。これらのブラックマトリックスは次の如くして作製される。まず、ガラス基板表面に、クロム、クロム酸化物、クロム窒化物、クロム酸化窒化物、クロム酸化窒化炭化物などの薄膜およびそれらの積層体からなるクロム系薄膜を形成することによりクロムブランクスを形成する。このクロムブランクスの表面に、ポジ型の感光性樹脂を塗布し、乾燥して、レジスト膜を形成する。このレジスト膜を所望のカラーフィルターのパターンを介して、紫外線などを照射し、その後現像してエッチングマスクを形成する。
【0003】
次に、上記のエッチングマスクが形成されたガラス基板を、酸性エッチング液を使用し、エッチングマスクで覆われていないブランクス部分をエッチングし、洗浄することによりクロム系薄膜の一部を除去して、ブラックマトリックスを形成する。ブラックマトリックスが形成されたガラス基板上に、顔料や染料などで着色された感光性樹脂を塗布し、パターニングすることによって、ブラックマトリックスの開口部のガラス基板面に着色画素を形成し、これを繰り返すことにより着色画素を配列してカラーフィルターが製造される。
【0004】
上記のブラックマトリックスの製造に使用されるクロム系薄膜は、その光学特性、エッチング性、ガラス基板に対する密着性および経時変化に対する耐久性などの特性が優れている。しかしながら、これらのクロム系薄膜は、酸性エッチング液によってエッチングされた場合に、その際に生ずるエッチング廃液中に6価クロムが含まれる。この6価クロムは、環境汚染物質として、作業環境上の安全性の問題があり、また、廃液処理においても6価クロムを除去する廃液処理設備が必要である。このために、カラーフィルターの製造においては、クロム系薄膜を使用せずにエッチングの際に環境汚染が生じない金属薄膜を使用したブラックマトリックスの製造が要望されている。
【0005】
このために、環境負荷の大きいクロム系ブラックマトリックスから、ニッケル系ブラックマトリックスに切り替える動きがある。これらのニッケル系ブラックマトリックス製造用のエッチング液として、従来のクロム系ブラックマトリックスの製造に使用されている硝酸第2セリウムアンモニウム系の酸性エッチング液を用いて、ニッケル系のブランクスをエッチングした場合に、得られるブラックマトリックスのエッチング角度が60度未満のテーパーが発現し、液晶ディスプレイのカラーフィルターに使用した場合に、光学的に良い表示コントラストが得られない。特に、従来のクロムエッチング液として使用されている硝酸第2セリウムアンモニウム/過塩素酸=17/5(重量比)を使用た場合には、そのエッチング角度に30度未満が発現し、得られるブラックマトリックスは、ディスプレイとした場合に表示コントラストの低下がより顕著となる。
【0006】
また、過塩素酸の代わりに硝酸などの他の酸を使用することも提案されているが、硝酸などの酸を使用したエッチング液によってエッチングした場合にも、得られるブラックマトリックスのエッチング角度には、上記と同様にテーパーが発現してしまい、ブラックマトリックスとして光学的に良い表示コントラストが得られない。上記のエッチング液は、金属クロムが3価のイオンになりエッチング液に溶け出すのに対して、ニッケルの場合にはニッケルが2価で溶け出すために、同等の酸化剤濃度ではニッケルのエッチング速度が速くなることによると推測される。
【0007】
上述のように、従来の酸性エッチング液では、得られるブラックマトリックスのエッチング角度に60度未満のテーパーが発現し易い。とくに、浸漬法(ディップ法)によってエッチングした場合にはその傾向は顕著になる。また、ニッケル系薄膜が、ニッケル合金薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜である場合には、従来のエッチング液では、各々の薄膜に対するエッチング速度が違うために各々の薄膜に対するエッチング速度のバランスを取ることが困難である。また、従来のエッチング液では、エッチング角度のコントロールは、エッチングにおける温度、エッチング方法、エッチング液濃度などの条件設定が複雑になり安定したエッチングができない。
【0008】
上記のように、ガラス基板に形成されたニッケル合金薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜を使用したブラックマトリックスの製造において、積層薄膜を構成する各々の薄膜に対するエッチング速度のバランスがよく、実用的エッチング時間で、エッチング角度を60〜90度にエッチングすることができ、光学的に表示コントラストの良いブラックマトリックスが得られるエッチング液およびエッチング方法は提供されていない。なお、本発明において「エッチング角度」とは、エッチングされて残った薄膜の端面とガラス基板面との角度をいう。すなわち、薄膜が垂直にエッチング除去された場合のエッチング角度は90度である(図1参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、従来のエッチング液よりも、ニッケル系薄膜の積層薄膜に対して、そのエッチング角度を60〜90度にエッチングすることができ、ニッケル系積層薄膜を構成する各々の金属薄膜およびその酸化物薄膜に対してエッチング速度のバランスがよく、エッチング液の液疲労が少ないエッチング液およびエッチング方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、硝酸第2セリウムアンモニウム8〜12重量%と、過塩素酸5〜10重量%とを水性媒体中に含有することを特徴とする、ガラス基板上に形成されたニッケル系薄膜用エッチング液、および該エッチング液を使用するニッケル系薄膜のエッチング方法を提供する。
【0011】
本発明者は、前記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、上記のエッチング液が、ニッケル系の積層薄膜、とくにバナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜をエッチングしてブラックマトリックスを形成した場合に、ブラックマトリックスのエッチング角度を60〜90度にエッチングすることができ、また、積層薄膜を構成する各々の金属薄膜およびその酸化物薄膜に対してエッチング速度に差がなく均一にエッチングすることができ、かつ、エッチング液の疲労が少ないエッチング液であることを見いだした。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。本発明を主として特徴づける硝酸第2セリウムアンモニウムおよび過塩素酸は、水性媒体中において硝酸第2セリウムアンモニウム濃度が8〜12重量%、過塩素酸濃度が5〜10重量%、好ましくは硝酸第2セリウムアンモニウム濃度が9〜11重量%、過塩素酸濃度が6〜9重量%である。なお、水性媒体は、通常の水道水でもよいが、イオン交換水を用いることが好ましい。
【0013】
上記のエッチング液中の硝酸第2セリウムアンモニウムの濃度が、上記上限を超える場合には、エッチングスピードが速くなり、とくに、バナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜において、バナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜が速くエッチングされる傾向があり、ブラックマトリックスとしての好ましい形状が得られない。一方、硝酸第2セリウムアンモニウムの濃度が、上記下限未満の場合には、経時変化によって硝酸第2セリウムアンモニウムが加水分解して、その加水分解生成物が沈殿するなど、エッチング液の保存安定性が低下する。また、エッチングスピードが遅くなり、生産性が低下して、さらに液寿命が短くなる。
【0014】
また、エッチング液中の過塩素酸濃度が、上記上限を超える場合には、バナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜において、バナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜のエッチング速度が遅くなり、逆に、酸化物薄膜のエッチング速度が速くなり、エッチング端面が上部に比較して下部が大きくエッチングされた逆テーパーとなり、好ましいブラックマトリックスとしてのエッチング角度が得られない。一方、過塩素酸濃度が、上記下限未満の場合には、エッチング角度に大きなテーパーが生じ、また、経時変化によって硝酸第2セリウムアンモニウムが加水分解して、その加水分解生成物が沈殿するなど保存安定性が低下する。硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸との実用的な配合割合は、ニッケル系薄膜のパターニングの実用的エッチング時間が40〜90秒間(ディップエッチング)、好ましくは60秒前後で、そのエッチング角度が60〜90度、好ましくは80〜90度になる範囲が好ましい。
【0015】
また、本発明のエッチング液中の硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸の実用上、とくに好ましい配合比は、前記の各々の成分の濃度範囲内において、また、60秒程度のエッチング時間において、過塩素酸/硝酸第2セリウムアンモニウム=0.5〜1.0/1.0(重量比)である。過塩素酸の配合比が上記上限を超える場合には、ニッケル系薄膜を構成する酸化物薄膜のエッチング速度が金属薄膜より速くなり、金属薄膜とその酸化物薄膜とのエッチングバランスが悪くなり、エッチング角度に逆テーパーが発現しやすく、エッチングが一様にはならない。
【0016】
前記の硝酸第2セリウムアンモニウムおよび過塩素酸の各々の濃度は、エッチング角度が60〜90度を有し、テーパーが発現しない条件下で、前記の実用的エッチング時間との関係から、表1に示す通り実証された。
【0017】
Figure 2004059973
【0018】
上記のジャストエッチング時間(秒)は、バナジウム−ニッケル薄膜およびその酸化物薄膜からなる1,700Åの積層薄膜を25℃のエッチング液にてディップエッチングし、薄膜が除去されてガラス基板が見えるまでの時間である。表中の*1、*2、*3および*4は、下記のとおりエッチング角度を示す。
*1:80〜90度、*2:60〜80度
*3:60度未満、*4:90度を超える
【0019】
また、前記のニッケル系積層薄膜を構成する各々の薄膜に対する硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸の濃度の各々のエッチング速度に対する効果を、表2および表3の通り検証した。なお、表中のエッチング速度(秒)は、ガラス基板上に形成された各々のニッケル系薄膜を使用して、調製されたエッチング液に浸漬(ディップ)して、薄膜が除去されてガラス基板が肉眼で見えるまでの時間である。また、薄膜a、bおよびcと、記号*と**は、下記に示す。
a:バナジウム−ニッケル/バナジウム−ニッケル−O(2層) 1700Å
b:バナジウム−ニッケル(単層) 2,000Å
c:バナジウム−ニッケル−O(単層) 2,000Å
*:エッチング角度に60度未満のテーパーの発生を示す。
**:エッチング角度に90度を超える逆テーパーの発生を示す。
【0020】
Figure 2004059973
【0021】
Figure 2004059973
【0022】
上記の表2および表3の結果より、硝酸第2セリウムアンモニウムは、金属薄膜に対してエッチング速度を速め、一方、酸化物薄膜に対してはエッチング速度に大きく影響しない。また、過塩素酸は、金属薄膜に対してはエッチング速度には影響しなく、一方、酸化物薄膜に対してはエッチング速度を速める。
【0023】
しかしながら、金属薄膜およびその酸化物薄膜からなるニッケル系積層薄膜では、エッチング液の液温が20〜30℃に変化しても、エッチング角度にテーパーが発現せず、前記の硝酸第2セリウムアンモニウムおよび過塩素酸の配合割合において、エッチング時間は実用的な40〜90秒間(ディップエッチング)の好ましい範囲内であることが実証された。上記のエッチング時間が、上記範囲を超える場合には、エッチング速度が低下し過ぎて、ブラックマトリックスの生産性が低下する。一方、エッチング時間の範囲が、上記下限未満の場合には、エッチングを止めて、洗浄するまでの間にさらにエッチングが進行してサイドエッチングされ、エッチング制御ができない。
【0024】
本発明の好ましい実施形態では、上記のエッチング液にパーフロロアルキルスルフォン酸のリチウム、カリウム、ナトリウムおよびアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することができる。これらのパーフロロアルキルスルフォン酸塩は、ガラス基板上のニッケル系薄膜からなるブランクスをエッチングした後、ガラス基板をエッチング液から引き上げる時に、エッチング液の液切れと、ブランクスに対するエッチング液の付着およびエッチング液の消耗を極力少なくするために使用する。上記のパーフロロアルキルスルフォン酸塩の添加量は、エッチング液中において0.001〜0.1重量%が好ましい。
【0025】
本発明に使用するニッケル系薄膜としては、ブラックマトリックスに使用した場合に、光学反射率、遮光性、エッチングによるパターニング性、ガラス基板に対する密着性、高温高湿の経時変化における耐久性などが優れており、また、環境に悪影響を及ぼすクロムを含有していないニッケル系薄膜が挙げられる。該ニッケル系薄膜としては、好ましくはガラス基板上にバナジウムを含むニッケルを主成分とした酸化物薄膜を形成し、次に、バナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜を形成した積層薄膜、あるいはバナジウムを含むニッケルを主成分とし、さらにクロムを除く他の元素から選ばれる少なくとも1種からなるニッケル合金薄膜およびその酸化物薄膜からなるもの等が挙げられる。とくに好ましいニッケル系薄膜としては、ニッケル(60〜80重量%)/バナジウム(20〜40重量%)からなる合金薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜が挙げられ、具体的には、ニッケル(70重量%)/バナジウム(30重量%)の合金薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜が挙げられる。
【0026】
上記のニッケル系薄膜としては、液晶ディスプレイ用無アルカリガラス、ソーダーライムガラスなどのガラス基板に、公知の蒸着法やスパッタリング法により、バナジウム−ニッケル合金を使用して酸素などのガス雰囲気中で、バナジウムを含むニッケルを主成分とした酸化物薄膜の黒色の薄膜を形成し、次に、脱酸素などの状態にて、同様の方法でバナジウム−ニッケル合金を使用して、上記の酸化物薄膜上に金属薄膜を順次形成した積層薄膜である。上記の積層薄膜の膜厚は、好ましくは1,300Å〜1,700Åである。また、その積層薄膜を構成する各々の薄膜の好ましい厚みとしては、酸化物薄膜としては300Å〜500Åであり、金属薄膜としては1,000Å〜1,200Åである。
【0027】
上記の積層薄膜を構成する酸化物薄膜の厚みが、上記上限を超える場合には、薄膜自体に凹凸が発現して、均一な膜厚が形成しにくい。また、ブラックマトリックスの光学特性からしてそれ以上厚くする必要がない。一方、酸化物薄膜の厚みが、上記下限未満の場合には、膜厚のバラツキによる隠蔽性が低下して、カラーフィルターの表示の光学的コントラストをよくするブラックマトリックスの黒色が得られない。また、ガラス基板に対する密着性が低下する。また、上記の酸化物薄膜以外の薄膜の厚みが、上記上限を超える場合には、光が透過しない光学特性からして、それ以上にコスト的に厚くする必要がない。一方、薄膜の厚みが、上記下限未満の場合には、遮光効果がなくなりブラックマトリックスとしての光学特性が得られない。
【0028】
本発明のエッチング液は、カラーフィルター用のニッケル系薄膜からなるブラックマトリックスの製造に好適に使用される。本発明のエッチング方法は、次の第1工程〜第4工程からなる。まず、第1工程は、前記のガラス基板上に、公知のスパッタリング法により、ニッケル(60〜80重量%)/バナジウム(20〜40重量%)からなる合金を使用して、酸素雰囲気中でバナジウム−ニッケルの酸化物薄膜を形成し、次に金属薄膜を形成し、全体として1,300〜1,700Åの積層薄膜からなるブランクスを形成する。
【0029】
第2工程は、上記のブランクスに、ジアゾナフトキノン系増感剤を含むノボラック系樹脂などのポジ型紫外線感光性樹脂またはポジ型電子線感光性樹脂液をスピンコーターなどの公知の方法にて、0.5〜1.2μmの膜厚(乾燥厚み)塗布し、乾燥してレジスト膜を形成する。上記の感光性樹脂は、東京応化(株)からOFPR−800等の商品名にて入手して本発明で使用することができる。
【0030】
第3工程は、上記のレジスト膜に、カラーフィルター用の所望のパターンを介して、紫外線により露光描画させた後、炭酸ナトリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの公知のアルカリ現像液を使用して現像する。必要に応じて、レジスト膜をベーキング硬化させ、さらに、バナジウム−ニッケルの金属薄膜とレジストとの密着性を強固にし、エッチングマスクを形成する。
【0031】
第4工程は、20〜30℃のエッチング液を循環濾過しながらスプレイ法あるいはディップ法で、エッチングマスクにて被覆されていない部分をディップ法で40〜90秒間あるいはスプレイ法で20〜60秒間エッチングしてガラス基板を露出させ、洗浄してブラックマトリックスを形成する。液温が上記上限を超える場合には、エッチングスピードが速過ぎて、エッチング制御ができない。一方、液温が上記下限未満の場合には、エッチングスピードが遅く、生産性が上がらない。
【0032】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは重量基準である。
実施例1〜2および比較例1(エッチング液の調製)
下記表4の処方の通りに各成分を均一に混合溶解して、本発明のエッチング液G1〜G2および比較例のエッチング液H1を調製した。
【0033】
Figure 2004059973
【0034】
実施例3〜4および比較例2(ニッケル系薄膜のエッチング方法)
上記の実施例のエッチング液G1〜G2および比較例のエッチング液H1を使用して、下記の通りニッケル系薄膜をエッチングした。
液晶ディスプレイ用無アルカリガラス基板上に、スパッタリング法にて、まず、ニッケル(70%)−バナジウム(30%)からなる300Åの酸化物薄膜を形成し、次に、ニッケル(70%)−バナジウム(30%)からなる1,200Åの金属薄膜を順次形成し、全体として1,500Åの積層薄膜を形成した。該積層薄膜のバナジウム−ニッケル金属薄膜面に東京応化(株)製のOFPR−800を0.5〜0.6μm(乾燥厚み)になるようにスピンコーティングし、乾燥後、超高圧水銀灯によりカラーフィルター用のテストパターンを介して露光し、露光後、アルカリ現像液にてスプレイ現像し、レジスト膜をベーキング硬化してエッチングマスクを形成した。次に、該エッチングマスクを、25℃に調製した上記の各々のエッチング液を使用して、30秒間スプレイエッチングを行い、エッチング後、エッチングマスクを除去および洗浄してブラックマトリックスを得た。得られた各々のブラックマトリックスの格子面を光学顕微鏡にて観測し、テストパターンの寸法再現およびラインの直線性が良好である形態におけるブラックマトリックスのエッチング断面形状の角度を下記の測定方法により測定した。
【0035】
(エッチング角度)
前述の方法でエッチングされたブラックマトリックスを、電子顕微鏡(倍率30,000)を使用して、モニター映像に表示された、ブラックマトリックスの断面形状におけるエッチングされて残ったニッケル系薄膜の金属層の天面の片端(左側)(a)と、酸化物層の底面の片端(左側)(b)とを直線で結んでなる角度(図1参照)を測定した。評価は下記の基準にて判定した。評価結果を表5に示す。
評価点:
◎:エッチング角度が80〜90度であり、ブラックマトリックスとして光
学的に良好なコントラストが得られる。
×:エッチング角度が60度未満であり、テーパーがかなり認められ、ブラ
ックマトリックスとして光学的に良好なコントラストが得られない。
【0036】
Figure 2004059973
【0037】
【発明の効果】
本発明のエッチング液によれば、バナジウムを含むニッケルを主成分とした金属薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜からなるブラックマトリックスのエッチング角度を60〜90度の角度にでき、ノンクロム用環境対応の光学的にコントラストの優れたブラックマトリックスを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エッチング断面を示す概略図(エッチング角度測定参考図)である。
【符号の説明】
1:ガラス基板
2:酸化物層
3:金属層
a:エッチング断面の金属層の天面の片端(左側)
b:エッチング断面の酸化物層の底面の片端(左側)
θ:エッチング角度

Claims (8)

  1. 硝酸第2セリウムアンモニウム8〜12重量%と、過塩素酸5〜10重量%とを水性媒体中に含有することを特徴とする、ガラス基板上に形成されたニッケル系薄膜用エッチング液。
  2. 硝酸第2セリウムアンモニウムと過塩素酸との配合比が、過塩素酸/硝酸第2セリウムアンモニウム=0.5〜1.0/1.0(重量比)である請求項1に記載のニッケル系薄膜用エッチング液。
  3. さらに、パーフロロアルキルスルフォン酸のリチウム、カリウム、ナトリウムおよびアンモニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1または2に記載のニッケル系薄膜用エッチング液。
  4. ニッケル系薄膜が、ガラス基板上に、まずバナジウムを含むニッケルを主成分とする酸化物薄膜を形成し、次にバナジウムを含むニッケルを主成分とする金属薄膜を形成してなる積層薄膜である請求項1〜3のいずれか1項に記載のニッケル薄膜用エッチング液。
  5. ニッケル系薄膜が、ニッケル(60〜80重量%)/バナジウム(20〜40重量%)からなる合金薄膜およびその酸化物薄膜からなる積層薄膜である請求項1または4に記載のニッケル系薄膜用エッチング液。
  6. ニッケル系薄膜が、バナジウムを含むニッケルを主成分とし、さらにクロムを除く他の元素から選ばれる少なくとも1種の元素からなるニッケル合金薄膜およびその酸化物薄膜からなる請求項1および4〜5のいずれか1項に記載のニッケル系薄膜用エッチング液。
  7. ガラス基板が、液晶ディスプレイ用無アルカリガラスまたはソーダーライムガラスである請求項1〜6のいずれか1項に記載のニッケル薄膜用エッチング液。
  8. 請求項1〜7に記載のエッチング液を使用し、エッチング後のテーパーの角度が60〜90度であることを特徴とするエッチング方法。
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