JP3415127B2 - クロムエッチング液 - Google Patents
クロムエッチング液Info
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Description
ッチング液に関し、さらに詳しくは、液晶カラーフィル
ター(以下単にカラーフィルターという)に使用される
ブラックマトリックスの製造に使用した場合に、エッチ
ング液の劣化によるエッチングスピードの低下がなく、
保存安定性とジャストエッチタイム性および高精度加工
性が優れたクロムエッチング液(以下単にエッチング液
という)及び液晶カラーフィルター用ブラックマトリッ
クスの製造方法に関する。
ーフィルター用のガラス基板に、公知のスパッタリング
などの方法で、クロム、クロム酸化物、クロム窒化物、
クロム酸化窒化物、クロム酸化窒化炭化物などからなる
クロム系薄膜(クロムブランクス)を形成する。次に、
これらの薄膜面に、ポジ型の感光性樹脂を塗布して、そ
の後、乾燥してレジスト膜を形成し、目的のパターンを
介して活性エネルギー線照射により露光し、露光塗膜を
現像してエッチングマスクを形成する。
クロムブランクス面を酸性エッチング液によりエッチン
グして、ガラス基板からクロム薄膜の一部を除去する。
その後、エッチングマスクを剥離および洗浄除去してブ
ラックマトリックスを形成する。
されたガラス基板上に、顔料や染料などで着色された感
光性樹脂を塗布してパターニングすることによって、ブ
ラックマトリックスの開口部のガラス面の一部に着色画
素を形成し、これを繰り返してカラーフィルターが製造
される。
硝酸第2セリウムアンモニウムを主体にして過塩素酸を
含むエッチング液が使用されている。これらのエッチン
グ液は、前記のブラックマトリックスの製造に際して、
大量に消費されるために、エッチング後、エッチング液
を濾過して不溶分を除去して回収され、繰り返して使用
するという循環方式が経済的に採用されている。この循
環方式のエッチンク液は、エッチング液が循環して使用
している間に徐々にエッチング液が劣化して、エッチン
グスピードが低下するという問題がある。
ロム系薄膜に対する溶解作用は、そのセリウムイオンが
4価から3価に還元されることにより、クロムを酸化し
て溶解するものであるが、セリウムイオンが3価に還元
されると、配位している硝酸根が加水分解され、水酸基
イオンに置き換わりやすくなり、そのために、生成した
溶解度が小さい水酸化物が、クロムブランクスに沈着し
て、シミ状のムラとなりエッチングムラが発現するとい
う問題がある。
着して、白しみ(ガラス面が曇もる)の発現や、硝酸第
2セリウムアンモニウムの加水分解物が経時変化するこ
とによって、さらにエッチング液の濁りが上昇して、そ
の加水分解物によってエッチング不良、ガラス基板への
付着が発現して、高精度のブラックマトリックスが得ら
れないという問題があり、その代替えのエッチング液の
提供が望まれている。
ロム膜のエッチング方法(特開平11−131263号
公報)が提案されている。本提案のエッチング方法は、
回路素子に使用されるクロム膜回路形成のため、そのク
ロム膜の側面のテーパー角度を30〜80度の台形の形
状にする必要性から、レジスト膜マスクを50〜100
℃の熱水にて浸漬処理して、クロム系薄膜とレジスト膜
の密着性を低下させ、上記のテーパー形状を安定化する
ために、エッチング材料として、硝酸第2セリウムアン
モニウムが10〜20重量%、硝酸が5〜10重量%の
エッチング液を使用し、ウエットエッチングを行い、次
に、酸素系のプラズマガスを使用して、ドライエッチン
グを行い、クロム回路を形成している。
に使用されているエッチング液をブラックマトリックス
の製造に用いると、クロム薄膜をエッチングして、ガラ
ス基板が見えるまでのジャストエッチタイムが遅いとい
う問題や、大量にクロム薄膜をエッチングした場合に液
疲労による、エッチング疲労度が大きくなるという問題
がある。このために、クロム薄膜とレジストとの密着性
が要求され、エッチング後のクロム膜側面の角度が垂直
(90度)に近い角度が要求され、エッチング液を循環
しながら、高い生産効率や高精度加工が要求されるカラ
ーフィルター用のブラックマトリックスの製造には適用
上問題がある。
存安定性に優れ、かつ、エッチング時に、エッチング疲
労がなく、エッチング精度およびジャストエッチタイム
性が優れたカラーフィルター用ブラックマトリックスの
製造に適した性能を満足するエッチング液は提供されて
いない。
は、従来のクロムエッチング液よりも、液濁りの経時変
化がなく、保存安定性に優れ、かつ、エッチング時に、
エッチング疲労がなく、エッチング精度およびジャスト
エッチタイム性が優れたエッチング液の提供を目的とす
る。
発明によって達成される。すなわち、本発明は、硝酸第
2セリウムアンモニウムの16重量%〜30重量%と、
硝酸の2重量%以上5重量%未満とを含有することを特
徴とする、液晶カラーフィルター用ブラックマトリック
スの製造に使用するためのエッチング液、及び該エッチ
ング液を使用して、液晶カラーフィルター用ブラックマ
トリックス基板上のクロム系薄膜をエッチングすること
を特徴とする液晶カラーフィルター用ブラックマトリッ
クスの製造方法を提供する。
検討した結果、上記のエッチング液が、従来のクロムエ
ッチング液よりも、液濁りの経時変化がなく、保存安定
性に優れ、かつ、エッチング時に、エッチング疲労がな
く、エッチング精度およびジャストエッチタイム性が優
れたエッチング液であることを見い出した。
本発明をさらに詳しく説明する。本発明を特徴づける硝
酸第2セリウムアンモニウムおよび硝酸は、エッチング
液中において、硝酸第2セリウムアンモニウムの濃度が
16重量%〜30重量%、および硝酸の濃度が2重量%
以上5重量%未満、好ましくは硝酸第2セリウムアンモ
ニウムの濃度が20重量%を越え30重量%以下で、か
つ硝酸濃度が2.0〜4.5重量%で使用する。
を含有するエッチング液では、クロム金属またはクロム
酸化窒化物などのクロム化合物からなるクロムブランク
スの薄膜に対する初期のエッチングスピードは速いが、
エッチング液を循環して使用する場合に、徐々にエッチ
ング液中に発生する生成物によってエッチング液の劣化
が進行して、エッチングスピードが低下するという問題
がある。これらのエッチングスピードの変化を、硝酸を
添加することにより抑制することができる。
度が、前記上限を越える場合には、硝酸水溶液に対する
硝酸第2セリウムアンモニウムの溶解性が低下し、ま
た、エッチング液の液温が低下すると、硝酸第2セリウ
ムアンモニウムが析出しやすいという問題があり、一
方、前記下限未満である場合には、クロム金属またはク
ロム化合物の薄膜に対するエッチング速度が遅く、ま
た、エッチング速度の安定性が悪いという問題がある。
える場合には、硝酸第2セリウムアンモニウムの飽和濃
度が低下し、液温が低下した場合、成分が析出すること
およびクロム金属またはクロム化合物の薄膜に対するジ
ャストエッチタイム(クロムブランクスをエッチングし
て、ガラス基板が見えるまでの時間)が遅くなり、エッ
チングの生産効率が低下(実用範囲外)し、また、レジ
ストとして、ナフトキノンジアジトエステル/ノボラッ
ク樹脂系ポジ型レジストを使用する場合には、さらにエ
ッチングマスクを傷つけるために、薄膜のエッチンク断
面形状に不規則なバラツキが発現するという問題があ
り、一方、硝酸の割合が前記下限未満の場合には、硝酸
第2セリウムアンモニウムの加水分解に対する安定性が
悪いという問題がある。
ンモニウムと硝酸とを配合したエッチング液の、硝酸第
2セリウムアンモニウムと硝酸との合計濃度は、前記の
性能を発揮するために、前記の両成分の比率内におい
て、イオン交換水に均一に溶解して18〜34.5重量
%、好ましくは23〜30重量%の濃度が好適に使用さ
れる。両成分の合計濃度が上記上限を越える場合には、
コストが嵩むばかりで、さらなるエッチング効果がな
く、また、硝酸第2セリウムアンモニウムの析出の問題
があり、一方、上記下限未満である場合には、エッチン
グ効果が低下するという問題がある。
0を越え3未満、好ましくは1未満である。エッチング
液の濁度が3以上の場合には、エッチング液を循環濾過
して使用しても濁度の原因となる成分を完全に除去する
ことが困難で、濁度の原因となる硝酸第2セリウムアン
モニウムの部分加水分解物によってエッチング不良の発
生や、その物がガラス基板に付着して曇が生じるという
問題がある。なお、濁度は、室温にて生成した析出物を
セントラル科学(株)製の濁度計で測定した値である。
ッチング液にパーフロロアルキルスルホン酸塩を添加す
る。パーフロロアルキルスルホン酸塩は、エッチング液
でクロムブランクスをエッチングした後、このガラス基
板をエッチング液から引き上げる際、エッチング液の液
切れを良くして、ブランクスへのエッチング液の付着量
を極力少なくし、エッチング液の消耗を少なくするため
に使用する。パーフロロアルキルスルホン酸塩として
は、酸性エッチング液に対して安定である、例えば、リ
チウム、カリウム、ナトリウムまたはアンモニウム塩の
パーフロロアルキルスルホン酸塩が好ましく使用され
る。パーフロロアルキルスルホン酸塩の添加量は、エッ
チング液中において0.001〜0.1重量%が好まし
い。
ィルター用のブラックマトリックスの製造に用いるエッ
チング方法(以下エッチング方法と称する)が挙げられ
る。エッチング方法は、次の第1工程〜第4工程からな
っている。第1工程は、カラーフィルター用のガラス基
板に、公知のスパッタリングなどの方法にて、クロム系
薄膜(クロムブランクス)を形成する。クロム系薄膜と
しては、例えば、クロム金属、Cr2O3、CrO3、C
r5O12、またはCr5O13などのクロム酸化物、Cr
N、CrN2などのクロム窒化物、Cr3C2などのクロ
ム炭化物、クロム酸化窒化物、クロム酸化炭化物など、
およびこれらの混合物からなる1,000〜3,000
Å、好ましくは1,500〜1,700Åの単層および
/または、それらが複合された積層体の薄膜が挙げられ
る。好ましいクロム系薄膜としては、クロム、クロム酸
化物、クロム酸化窒化物、クロム酸化炭化物、クロム窒
化物およびクロム炭化物が挙げられる。
ジアゾナフトキノン系増感剤を含むノボラック系樹脂な
どのポジ型紫外線感光性樹脂またはポジ型電子線感光性
樹脂液を公知の方法で0.5μm〜1.2μmの膜厚
(乾燥膜厚)に塗布および乾燥して、レジスト膜を形成
する。これらのポジ型のレジストは東京応化(株)から
OFPR−800などの商品名で入手して本発明で使用
することができる。
ターンを介して紫外線または電子線にて露光描画させた
後、アルカリ現像液(炭酸ナトリウム、メタケイ酸ナト
リウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、コリ
ンなど)で現像し、必要に応じてレジスト膜をベーキン
グ硬化して、さらに、クロム系薄膜とレジストとの密着
性を強固にし、エッチングマスクを形成する。
加温せず、常温に保たれた状態にて、前記の本発明のエ
ッチング液を使用して、20〜25℃の条件下で、エッ
チング液を濾過循環しながら公知のスプレイまたは浸漬
法にて45〜120秒間エッチングを行い、エッチング
マスクで被覆されていない部分のクロムブランクスをエ
ッチングしてガラス基板を露出させ、ブラックマトリッ
クスを形成する。なお、エッチングは、エッチング液を
循環濾過せず、本発明のエッチング液に浸漬してエッチ
ングしてブラックマトリックスを形成することもでき
る。
び比較例に使用するエッチング液の処方例を挙げ、さら
に、これらの処方例のエッチング液を使用したクロム系
薄膜のエッチング方法を挙げて本発明をさらに詳しく説
明する。なお、文中「部」または「%」とあるのは重量
基準である。
液の調製方法) 下記の成分を均一に撹拌分散し、本発明のエッチング液
H1〜H4および比較例のエッチング液H5〜H7を調
製した。 実施例1(エッチング液H1) 硝酸第2セリウムアンモニウム 17.00部 硝酸 2.00部 イオン交換水 81.00部
用したクロム系薄膜のエッチング法)および比較例4〜
6(エッチング液H5〜7を使用したクロム系薄膜のエ
ッチング法) 上記の各々の実施例および比較例のエッチング液を使用
して、クロムと酸化クロムからなる薄膜の積層体(1,
500Å)を有するカラーフィルター用ガラス基板上
に、ポジ型レジスト(東京応化製、OFPR−800)
を使用して0.5〜1.2μmの膜厚(乾燥膜厚)に塗
布し、乾燥後、超高圧水銀灯により露光し、露光後、公
知のアルカリ現像液にてスプレイ現像し、その後、レジ
スト膜をベーキング硬化してエッチングマスクを形成し
た。次に、形成されたエッチングマスクは、加温せず、
常温に保たれた状態にて、前記の各々のエッチング液を
20〜25℃の条件下で循環濾過しながら、50〜80
秒間浸漬エッチングして、ブラックマトリックスを得
た。
チング液の濁度の経時変化、保存安定性およびそれらの
エッチング液を使用したエッチング速度の経時変化(ジ
ャストエッチタイム)、エッチング疲労度について、下
記の測定方法により評価した。
エッチング液を80℃に加熱して、硝酸第2セリウムア
ンモニウムの加水分解に対する安定性を、生成した析出
物をセントラル科学(株)製の濁度計2100Pを使用
して、それらの濁度をもって測定した。評価結果を表1
に示す。
を25℃の雰囲気下で1週間放置して、析出物と液の濁
り状態を下記の基準により肉眼にて判定した。評価結果
を表2に示す。 評価点: ◎:エッチング液中に析出物および白い濁りの発現が認
められない。 ×:エッチング液中に析出物および白い濁りの発現が認
められる。
ッチタイム))上記の各々のエッチング液を使用して、
カラーフィルター用ガラス基板上にクロムと酸化クロム
からなる積層体(1700Å)を有するクロムブランク
スの複数枚を浸漬エッチングして、最終枚数目のクロム
ブランクスがエッチングされ、ガラス基板が見えるまで
の時間を測定した。評価結果を表3に示す。
グ液を使用して前述の方法にて形成されたブラックマト
リックスを1000倍の顕微鏡を使用して、開口部のガ
ラス基板上のクロム薄膜積層体のエッチング残りと、ガ
ラス基板に対する異物の付着状態を下記の基準にて判定
した。評価結果を表4に示す。 評価点: ◎:エッチング残りおよび異物付着によるガラスの曇り
が認められない。 ×:エッチング残りおよび異物付着によるガラスの曇り
が認めらる。
ング液を使用して、前述の方法にてブラックマトリック
スを100枚形成し、スタート時と最終枚数目のブラッ
クマトリックスを1000倍の顕微鏡を使用して、ブラ
ックマトリックスのエッチングされたストライプ間隔の
変化の状態を下記の基準にて判定した。評価結果を表4
に示す。 評価点: ◎:エッチングされたストライプ間隔の幅に変化が認め
られない。 ×:エッチングされたストライプ間隔の幅が狭くなって
いる。
りの経時変化、保存安定性に優れており、かつ、エッチ
ング疲労が無く、エッチング精度に優れた高品質で、ジ
ャストエッチタイム性が優れているため、生産効率を高
めたブラックマトリックスの製品を得ることが可能とな
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 硝酸第2セリウムアンモニウムの16重
量%〜30重量%と、硝酸の2重量%以上5重量%未満
とを含有することを特徴とする、液晶カラーフィルター
用ブラックマトリックスの製造に使用するためのクロム
エッチング液。 - 【請求項2】 硝酸第2セリウムアンモニウムと硝酸と
の合計濃度が18重量%〜34.5重量%である請求項
1に記載のクロムエッチング液。 - 【請求項3】 エッチング液が、さらにパーフロロアル
キルスルホン酸塩を含有する請求項1に記載のクロムエ
ッチング液。 - 【請求項4】 パーフロロアルキルスルホン酸塩が、リ
チウム、カリウム、ナトリウムおよびアンモニウム塩か
ら選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載のクロ
ムエッチング液。 - 【請求項5】 エッチング液の濁度が0を越え3未満で
ある請求項1〜4のいずれか1項に記載のクロムエッチ
ング液。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載のエ
ッチング液を使用して、液晶カラーフィルター用ブラッ
クマトリックス基板上のクロム系薄膜をエッチングする
ことを特徴とする液晶カラーフィルター用ブラックマト
リックスの製造方法。 - 【請求項7】 クロム系薄膜が、クロム、クロム酸化
物、クロム酸化窒化物、クロム酸化炭化物、クロム窒化
物およびクロム炭化物の単層および/または積層体から
選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の液晶カ
ラーフィルター用ブラックマトリックスの製造方法。
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