JP2004059045A - 簡易封緘箱 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】天面用フラップが、幅面に設ける一対の内フラップと、長さ面に設けて先端部突合せとなる一対の外フラップとからなり、前記外フラップは先端中央に閉止部を形成し、前記内フラップには、フラップ中央にハンドリング孔を開設し、先端左右に一対の切込溝を開設し、該切込溝が前記外フラップの閉止部側縁に係合して、内外両フラップがロック可能である。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として野菜や果実などの農産物を収納する段ボール箱に関するもので、内容物が飛び出すことなく、封緘が容易な段ボール箱に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、野菜や果実などを箱詰めして出荷する場合、一度に多数個が出荷されるので組立てが容易なJIS−Z1507の0201形式(旧A−1形)の段ボール箱が多用されている。
この箱は、長方形状の4側板を一方向に連接し、その4側板の上下に箱の底面及び天面を封鎖するため、それぞれ内フラップ及び外フラップを連接してなるほぼ直方体形状の箱である。この箱27に収納物を収納した後、箱の天面を閉じる際、内フラップ上に外フラップ28、28を突き合わせに重ね合わせ、天面全体を閉じ、外フラップ突き合せ部分を両方にまたがるように主としてステープルとよばれる金具29をステープル打ち込みマシン(ボクサーと呼ばれている)で打ち込んで封緘していた(図6参照)。
【0003】
しかし、前述のステープル方式による箱天面の封緘作業は、農産物の箱詰めの都度、ステープルと重いボクサーを用意する必要があり、内容物を充填した後の重い箱に、ステープルを打ち込む作業は重労働である。さらに、箱詰め作業において、ステープルによる封緘作業に割かれる時間はかなり大きな割合を占めるという問題点があり、封緘作業の改善が望まれている。
また、使用済みの箱を廃棄処分する場合、ステープルが金属であるため、紙などの可燃物と一緒に焼却することができない。使用済みの箱を古紙として再利用する場合にあっても、ステープルのような不純物を混入させることはできない。このように、箱使用後は、廃棄の場合にも、リサイクルする場合にもステープルを箱から分別する必要があり、紙片から金属のステープルを分別する手間がかかる。さらに、箱を開封する際あるいは、ステープルを分別する際に、ステープルが跳ねとび、怪我をする危険性もあった。
【0004】
このようなことから、ステープルを用いないで封緘することができる段ボール箱の要望が高かった。ステープルを使用しないでフラップを封緘する箱としては、たとえば実用新案登録第3073636号公報に記載のものが提案されている。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載の箱は、ステープルを用いずに、底をロックするものである。図7は前記実用新案登録第3073636号公報に示されている箱の展開図である。同展開図に示されているように、4枚の矩形状側板31、32、31、32の上辺に連接されて天板を形成する天板フラップと、下辺に連接されて底板を形成する底板フラップとを備えた段ボールの箱に、底板フラップのうち、組み立て時に内側となる一対の対向する内フラップ35、35は、略矩形状で、先端部から基部に向かって拡がる2本のスリット37、37を有し、組み立て時に外側となる一対の対抗する外フラップ34、34は、基部から先端部に向かって徐々に幅狭となる略台形状で、先端部から両側に突出し、内フラップのスリットに差し込まれる差込片36を有するものであった。
前記構成の箱において、底の組み立ては、図8に示すように、側板に対し、底板の内フラップ35を折り曲げ、その外側に外フラップ34を折り曲げる。さらに外フラップ35を箱内部に押し下げることで、その下方にある内フラップ34も押し下げられ、外フラップの差込片36の先端が内フラップのスリット37の位置に至って差し込まれ、押し下げ力の解除により、段ボール板紙が元の形状に戻ろうとする弾性により、差込片36がスリット37にさらに深く差し込まれて底がロックされるものであった。
【0006】
上に説明した底の封緘作業は、箱内部に農産物を収納しない状態で行うから、底フラップを箱内に押し下げて作業することができる。しかし、天面の封緘は、箱内に物品を収容した後に行うものであり、箱内部は内容物が収納されているために、天面フラップを箱内に押し下げて作業することはできない。
【0007】
ステープルを使用せずに、かつ天面フラップを箱内押し下げることなく封緘する箱としては、特開平2002−2665号公報の記載のものが提案されている。上記公報に記載の箱は、天面の内外フラップを重ね合わせても開口部が残存する段ボール箱において、天面フラップの係合によって天面の閉鎖状態が維持されるものであって、天面フラップに設けられた係止片を引き上げることによって天面が閉鎖されるものである。
しかし、上に説明した箱は、天面に残存した開口部から係止片を引き上げることで天面が閉鎖されるものであるため、天面の開口部が必須であるが、この開口部より内容物が飛び出したり、逆に異物が混入する恐れがあった。
【0008】
そこで本発明は、上記の問題を解決し、すなわち天面の封緘にステープルの使用を廃し、かつ天面フラップを箱内に押し下げずに引き上げることによって、内容物があっても容易に封緘作業が行え、かつ天面全体が閉鎖されているために内容物の飛び出しや異物混入が防止可能であり、開封も容易な段ボール箱を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の箱は、次のような手段を採用した。
即ち本発明の第1は、4側板の上下にそれぞれ折線を介して天面用フラップおよび底面用フラップを設けた箱において、
前記天面用フラップが、幅面に設ける一対の内フラップと、長さ面に設けて先端部が突き合わせとなる一対の外フラップとからなり、前記外フラップには先端中央に閉止部を形成し、
前記内フラップにはフラップ中央にハンドリング孔を開設し、先端左右に一対の切込溝を開設し、該切込溝が前記外フラップの閉止部側縁に係合して、内外両フラップがロック可能であることを特徴とする簡易封緘箱である。
【0010】
本発明の第2は、前記外フラップの先端左右両隅部をL字形に切り取り、先端中央部に凸型閉止部を設けたことを特徴とする前記第1の発明の簡易封緘箱である。
【0011】
本発明の第3は、前記内フラップのハンドリング孔下方に、側面に連接する折線に向かって広がるハ字形の切込線を形成すると共に、該切込線の端と前記切込溝端とを結ぶ折曲線を設けていることを特徴とする第1または第2の発明の簡易封緘箱である。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の一形態を図面について説明する。
図1は、第1の実施例を示す段ボール箱を構成するための組み立て前のシート(ブランクと称する)を示すものであり、このブランク10は、一例としてほぼ長方形をなす1枚の段ボールシートより形成されている。
【0013】
本実施の形態に示す箱は、前記ブランク10の中央部に、箱の対向する各側面のうち長い面(長手面)を構成する一対の長方形の側板11と短い面(幅面)を構成する長方形の側板12が交互に一方向に連設されている。一対の側板12、12にはその上端付近の中央に、箱を持ち運ぶ際に手を掛けるための取手穴13を設けている。
側板11の下縁には底面用外フラップ14が、上縁には天面用外フラップ16が、それぞれ折線を介して連設している。側板12の下縁には底面用内フラップ15が、上縁には天面用内フラップ17が、それぞれ折線を介して連接している。
【0014】
本発明において両天面用フラップ16と17の長さ方向の寸法F1は、箱の幅面を構成する側板12の幅方向寸法Wの1/2の長さに形成されている。そのため、箱の組み立て時に、内外両フラップ16と17を重ね合せて箱の天面を封緘するとき、外フラップ16、16は先端が完全に突合せとなる。
また、両底面用フラップ14と15の長さ方向の寸法F2も、箱の幅面を構成する側板12の幅方向寸法Wの1/2の長さに形成されているので、両底面用底フラップ14と15を重ねあわせて箱の底面を封緘するときは底面全面が閉塞される。
なお符号23は、側板11の端部に連接した糊代である。
【0015】
前記の天面用外フラップ16、16及び天面用内フラップ17、17に、次のような構成をもつ天面のロック機構が形成されている。すなわち、内フラップ17の先端には、左右一対の切込溝18、18を設け、切込溝18と切込線20との間に、封緘作業の際に、フラップに手を掛けるためのハンドリング孔19を開設している。またハンドリング孔19を開設することで内フラップ17の面強度を下げ、フラップ封緘の際に、内フラップ17が撓みやすくなる。
また、天面用内フラップ17、17が側面に連接する折線(連接折線)に近接させて、該折線に向かってハ字状に広がる一対の切込線20、20をそれぞれ設けている。さらに、この切込線20の連接折線側の端と、切込溝18の端とを結ぶ折曲線21を設けている。この切込線20および折曲線21は、フラップを封緘する際に、内フラップが湾曲しやすいように設けたもので、切込線20はブランクの紙厚の約半分程度まで切り込んだハーフカット、または、点線状に切込みを入れたミシン目などの断続線あるいは紙厚全体に完全に切り込んだ連続線などが使用できる。一方、折曲線21は、直線状に凹部を形成したものあるいはハーフカットの直線または断続線を用いることができる。
【0016】
天面用外フラップ16、16は先端の左右隅部をL字形に切り落とし、中央に凸型の閉止部22を形成している。
【0017】
ブランク10を組み立てるには4枚の側板11、12、11、12を順次折り曲げ、糊代23を側板12に貼着し、角筒状に連結する。農産物を箱詰めするまでは、扁平に折り畳んだ状態で保管しておくことができる。組み立てに際しては、側板を角筒状に引き起こし、底面用内フラップ15、15を折り曲げ、さらにその外側に底面用外フラップ14、14を折り曲げる。底面用内フラップ15と底面用外フラップ14とは、糊付け、または粘着テープ等、任意の手段を利用して底面を閉止する(図2参照)。
【0018】
次に箱内に農産物を収納する。箱詰め作業が完了した後、次のように天面用フラップを封緘する。
まず、天面用内フラップ17、17を側板12と連接する連接折線で内側に折り曲げる。次に、天面用外フラップ16、16を側板11との連接折線で内側に折り曲げ、天面用内フラップ17の上に折り重ねる(図3参照)。
次に、片方の手で箱を押さえながら、もう一方の手をハンドリング孔19に差し込み、内フラップ17の先端側を引張りあげると、図5に示すように、内フラップ17は切込線20および折曲線21により湾曲状に撓み、切込溝18、18と外フラップ16の側端縁がかみ合うと同時に内フラップ17先端の中央部分は、外フラップ16の上側に持ち上げられる。ここで、内フラップを引き上げる力を解除すると、内フラップ17は、段ボール素材の持つ復元力により、元の形状に戻ろうとして、自然に下降する。これにより外フラップ16の凸型閉止部22は切込溝18にさらに深く係合する。切込溝18、18は天面用外フラップ16、16の凸型閉止部22の側縁を上下から挟みこみ、内フラップ17と外フラップ16が完全にロックされ、箱の天面が封緘できる。(図4参照)。
このとき、外フラップ16が開ことしても、外フラップ16を内フラップ17が下方に押さえつけ、外フラップ16の開きを防止するように働くので、内外フラップの重ね合せ部をステープルで止めて封緘した場合と同様に、内外フラップの開きを防止する作用を奏する。
【0019】
従って、図4に示したように、箱は、天面用外フラップ16、16と天面用内フラップ17、17とが流通時に不用意に開くことなく、確実にロックされる。また、箱の天面は完全に全面封緘しているので、内容物の飛び出しを防止できる。
なお、内容物の点検時など箱天面を開封するときは、ハンドリング孔19に手を入れて、天面用内フラップ17、17を両方同時に、強制的に外側へ引き上げると、内フラップ17は連接折線を支点に回転すると同時に外フラップを上方に押し上げ、外フラップ16の閉止部22側縁は切込溝18から外れ、箱の天面を開封することができる。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、天面の封緘にステープル等の副資材を用いることなく封緘できるため、コストダウンが可能となり、箱使用後廃棄もしくはリサイクルする際に、分別の手間が省けると共に、環境への負担を軽減することができ、安全性も向上する。
さらに、天面フラップを箱内に押し下げずに引き上げることによって、内容物があっても容易に封緘作業が行え、かつ天面全体が閉鎖されているために、内容物の飛び出しや異物混入が防止可能であり、開封も容易な段ボール箱の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による箱の一実施例を示すブランクの平面図である。
【図2】同上箱の天面を開口した状態の斜視図である。
【図3】同上箱天面を封緘する途中の斜視図である。
【図4】同上箱天面を封緘した状態の斜視図である。
【図5】同上実施例における切込溝と凸型閉止部の係合状況を示した部分拡大斜視図である。
【図6】ステープルにより天面を止めた従来の包装箱の斜視図である。
【図7】別の従来例を示すブランクの平面図である。
【図8】同上従来例の組み立て斜視図である。
【符号の説明】
10、30 ブランク
11 側板
12 側板
13 取手穴
14 底面用外フラップ
15 底面用内フラップ
16 天面用外フラップ
17 天面用内フラップ
18 切込溝
19 ハンドリング孔
20 切込線
21 折曲線
22 閉止部
23 糊代
Claims (3)
- 4側板の上下にそれぞれ折線を介して天面用フラップおよび底面用フラップを設けた箱において、
前記天面用フラップが、幅面に設ける一対の内フラップと、長さ面に設けて先端部が突き合わせとなる一対の外フラップとからなり、前記外フラップには先端中央に閉止部を形成し、
前記内フラップにはフラップ中央にハンドリング孔を開設し、先端左右に一対の切込溝を開設し、該切込溝が前記外フラップの閉止部側縁に係合して、内外両フラップがロック可能であることを特徴とする簡易封緘箱。 - 前記外フラップの先端左右両隅部をL字形に切り取り、先端中央部に凸型閉止部を設けたことを特徴とする請求項1記載の簡易封緘箱。
- 前記内フラップのハンドリング孔下方に、側面に連接する折線に向かって広がるハ字形の切込線を形成すると共に、該切込線の端と前記切込溝端とを結ぶ折曲線を設けていることを特徴とする請求項1〜2に記載の簡易封緘箱。
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- 2002-07-26 JP JP2002218151A patent/JP4054976B2/ja not_active Expired - Lifetime
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