JP2004058916A - 車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】車椅子を容易に車椅子搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした車椅子搭載装置を提供しようとする。
【解決手段】従来の車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置にかわって、車椅子を収納口から収納可能な箱状構造体であるキャリアボックスと、前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリアボックス移載機構と、を備え、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であるものとした。
【選択図】 図1
【解決手段】従来の車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置にかわって、車椅子を収納口から収納可能な箱状構造体であるキャリアボックスと、前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリアボックス移載機構と、を備え、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であるものとした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置に係る。特に、身体障害者や女性等の非力な人が容易に操作できるように、車椅子やその他の品物を車両の屋根に搭載する構造に特徴の有る車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
足の不自由な人、体の弱い人(以下、身障者という。)は、日常生活を支障なく営むために車椅子を用いる。また、長距離の移動をおこなう際は、身障者は自動車を使用する。
自動車による移動の際には、車椅子を自動車に搭載する。
従来、各種の車両の車椅子搭載装置が提案されている。
その車椅子搭載装置には、介護者の存在を前提とするものと介護者の存在を前提としないものとがある。
介護者の存在を前提としない車椅子搭載装置は、身障者自らが車椅子から自動車へ移り、車椅子を車両に搭載できる様になっている。
【0003】
例えば、特願昭58ー76342では、車体のルーフパネル上に車体幅方向に向けて配設され一端部を車体側に上下方向を回動可能になるよう取り付けられた第1レールと、該第1レール上に車体幅方向にスライド可能で且つ第1レールの一端部を中心として上下方向に回動可能なるよう第1リンク機構にて支持された第2レールと、該第2レール上に車体幅方向にスライド可能で且つ第2レールの一端部を中心として上下方向に回動可能なるよう第2リンク機構にて支持された車椅子係止機構を有する第3レールとからなり、第1レールをルーフ上において上方に回動させる方向に作動する押上機構と、該第1レールの上方回動により車体外側面上方部にほぼ沿った状態に垂下した第2レール及びドア開口部に沿った状態にほぼ垂直状となっている第3レールを、上方に引き上げつつ回動させて第1レール上に重ねると共に、これらを押上機構に抗してルーフ上にてほぼ水平状態に作動させる引上げ機構と、第1、第2及び第3レールが重なってルーフ状にてほぼ水平状態になったときその状態をロックするロック機構と、該ロック機構のロックを車室内より解除し得るロック解除機構を設けた車両の車椅子搭載装置が開示されている。
【0004】
かかる構成により、身障者の自動車への乗り降り時における車椅子の扱いを極めて簡単容易とすると共に、車椅子で社内スペースをとられるようなこともない車椅子搭載装置を提供している。
【0005】
一般的な車椅子の構造を簡単に説明する。図11は、車椅子の構造図である。車椅子2は、ベースパイプ11とバックレストパイプ12とフロントパイプ13とアームレスト14とフットパイプ15とで構成される左右一対の基礎骨組10をたすき部材16がつなぎ、座シート17がたすき部材16の上端に固定された横桟20に設けられ、バックレストシート18がバックレストパイプ12に設けられ、レッグレスト19がフットパイプ15に設けられる。ハンドリム22のついた一対の後輪23が基礎骨組10の後方に回転自在に固定され、一対のキャスター24が基礎骨組10の前部に固定される。一対のフットレスト21が基礎骨組10の先端に設けられる。
一部の車椅子では、たすき部材16の下端部が基礎骨組10に回転自在に固定され、上端部に設けられた横桟20が基礎骨組10によって分離可能に支持され、フットレスト21が折畳み可能になっている。従って、たすき部材16を左右方向に畳んで車椅子の左右寸法を短くしコンパクトにし、フットレスト21を折り畳んで、持ち運びを容易にすることができる。
【0006】
かかる構造の車椅子は、一対の後輪23と一対のキャスター24とを路面上に転動して運搬されることを想定している。また、通常の人力による取り扱いには十分耐えられる強度を有している。しかし、必ずしもいかなる姿勢で支持されて、かつ運搬による激しい振動にも晒されてもよい様になってはいない。以下、この様な構造をした車椅子を折り畳み式車椅子という。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、車椅子は取り回しを容易にするために軽量、簡素な構造をしている。車椅子は、車椅子搭載装置により車両に搭載されることを前提とした構造をしていない。従って、この車椅子を車椅子搭載装置に搭載する場合、車椅子係止機構が車椅子を係止する構造に工夫をする必要が有る。
また、車両の走行時の振動で運搬中の車椅子を故障させることのないように、車椅子を係止させねばらない。
また、車椅子係止機構の構造を複雑にせず、身障者が車椅子係止機構に車椅子を係止させるのに困難を感じず、いかなる形式の車椅子にも対応可能なようにするのが好ましい。
また、車椅子搭載装置は、軽量化が容易な簡素で単純な構造とし、車両の運動性能を損なわないようにするのが好ましい。
【0008】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、従来の車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置にかわって、車椅子を容易に車椅子搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした車椅子搭載装置を提供しようとする。
また、従来の品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置にかわって、品物を容易に品物搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした品物搭載装置を提供しようとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置を、車椅子を収納口から収納可能な箱状構造体であるキャリアボックスと、前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリアボックス移載機構と、を備え、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であるものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、箱状構造体であるキャリアボックスの収納口から車椅子を収納可能であり、キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の横側との間で移載可能であり、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であるので、車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入し、車椅子を収納した前記キャリアボックスを車両の屋根に移載でき、簡単な操作で車椅子を車両の屋根に搭載できる。
【0011】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の運転席の横側に移載可能であり、
前記キャリアボックスが車両の運転席の横側に移載された際に前記収納口が車両の前方に向いているのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の運転席の横側に移載可能で、前記キャリアボックスが車両の運転席の横側に移載された際に前記収納口が車両の前方に向いているので、車椅子を前方から前記キャリアボックスのなかに押し込んで、車椅子を前記キャリアボックスに収納できる。
【0012】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックス移載機構が車両の屋根に固定されたフェアリングを有し、前記キャリアボックスが車両の屋根に移載された際に前記フェアリングが前記収納口を塞ぐのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックスが車両の屋根に移載された際に車両の屋根に固定されたフェアリングが前記収納口を塞ぐので、雨天の日であっても、車椅子を濡らさないように車両の屋根に搭載できる。
【0013】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックスが、収納した車椅子を上から押さえつける車椅子付勢機構を有するのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックスの車椅子付勢機構が収納した車椅子を上から押さえつけるので、前記キャリアボックス内で車椅子が固定される。
【0014】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックスが、収納した折り畳み式車椅子を左右方向に縮めて折畳み可能な左右伸縮機構を有するのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックスの左右伸縮機構が収納した折り畳み式車椅子を左右方向に縮めて折畳み可能なので、前記キャリアボックス内で、折り畳み式車椅子を左右方向に折畳んで、左右方向の寸法を短くすることができる。
【0015】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックス移載機構が、連結点で揺動自在に連結され直列に並んだ棒状構造体である複数のリンクと該連結点に設けられたガイドローラとを持つリフトチェーンと、車両の屋根に配置され前記ガイドローラを長手方向に案内する案内溝を持つ長尺部材であるガイドレールと、前記ガイドローラを前記ガイドレールの開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能な駆動機構と、を有し、前記リフトチェーンが前記キャリアボックスを支持する、のが好ましい。
上記本発明の構成により、前記リフトチェーンの複数のリンクが連結点で揺動自在に連結され直列に並び、前記リフトチェーンのガイドローラが該連結点に設けられ、車両の屋根に配置されたガイドレールの案内溝が前記ガイドローラを長手方向に案内し、駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能であり、前記リフトチェーンが前記キャリアボックスを支持するので、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの外へ引き出すと、前記リフトチェーンが車両の側に垂れ下がり、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアボックスが車両の側に移載され、また駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中へ引き込むと、前記リフトチェーンが前記ガイドレールに沿って屋根に引き込まれ、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアボックスが車両の屋根に搭載され、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアボックスを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
【0016】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、前記キャリアボックスが車両の側に移載された際に前記ガイドローラの一部が前記開放端から外へ引き出され前記リフトチェーンが車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から外へ引き出すと、前記リフトチェーンが複数のリンクで構成され連結部での内角が前記所定の角度で定まる多角形形状になって、車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がり、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアボックスを支持できる。
【0017】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記ガイドレールが車両の前後方向に並んだ前方ガイドレールと後方ガイドレールとで構成され、前記リフトチェーンが前方ガイドレールに案内される前方リフトチェーンと後方ガイドレールに案内される後方リフトチェーンとで構成され、前記前方リフトチェーンが前記キャリアボックスの前部を支持し、前記後方リフトチェーンが前記キャリアボックスの後部を支持するのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記前方ガイドレールに案内された前記前方リフトチェーンが前記キャリアボックスの前部を支持し、前記後方ガイドレールに案内された前記後方リフトチェーンが前記キャリアボックスの後部を支持し、車椅子を搭載したキャリアボックスの前後荷重にアンバランスがあっても、前記前方リフトチェーンと前記後方リフトチェーンとが車椅子を搭載したキャリアボックスの重量を二分して引っ張りにより支えるので、大きな曲げ荷重がリフトチェーンに作用するのを防止でき、リフトチェーンを簡素化でき、キャリアボックス移載機構の重量を軽量化できる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置を、品物を収納可能な構造体であるキャリアと、前記キャリアを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリア移載機構と、を備え、前記キャリア移載機構が、連結点で揺動自在に連結され直列に並んだ棒状構造体である複数のリンクと該連結点に設けられたガイドローラとを持つリフトチェーンと、車両の屋根に配置され前記ガイドローラを長手方向に案内する案内溝を持つ長尺部材であるガイドレールと、前記ガイドローラを前記ガイドレールの開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能な駆動機構と、を有し、前記リフトチェーンが前記キャリアを支持する、ものとした。
【0019】
上記本発明の構成により、前記リフトチェーンの複数のリンクが連結点で揺動自在に連結され直列に並び、前記リフトチェーンのガイドローラが該連結点に設けられ、車両の屋根に配置されたガイドレールの案内溝が前記ガイドローラを長手方向に案内し、駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能であり、前記リフトチェーンが前記キャリアを支持するので、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの外へ引き出すと、前記リフトチェーンが車両の側に垂れ下がり、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアボックスが車両の側に移載され、また駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中へ引き込むと、前記リフトチェーンが前記ガイドレールに沿って屋根に引き込まれ、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアが車両の屋根に搭載され、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
【0020】
さらに、本発明に係る車両の品物搭載装置は、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、前記キャリアが車両の側に移載された際に前記ガイドローラの一部が前記開放端から外へ引き出され前記リフトチェーンが車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から外へ引き出すと、前記リフトチェーンが複数のリンクで構成され連結部での内角が前記所定の角度で定まる多角形形状になって、車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がり、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアを支持できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図1は、本発明に係る実施形態の側面図である。図2は、本発明に係る実施形態の背面図である。図3は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その1である。図4は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その2である。図5は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その3である。図6は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その4である。図7は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その5である。車両の屋根に据付けられ、車椅子を車両の屋根と車両の運転席の横側とで移載する車両の車椅子搭載装置を例にとり説明する。
【0023】
車両の車椅子搭載装置3は、車椅子2を車両1の屋根に搭載可能な装置であって、キャリアボックス100とキャリアボックス移載機構200とで構成される。
【0024】
キャリアボックス100は、車椅子2を収納口Hから収納可能な箱状構造体であり、キャリアボックス本体101と車椅子付勢機構102とスロープ103と後方車止め104と車輪ガイド105と側方車止め106と左右伸縮機構107とで構成される。
キャリアボックス100には、左右伸縮機構が付かないキャリアボックスと左右伸縮機構が付くキャリアボックスとがある。
図3は、左右伸縮機構が付かないキャリアボックス100の詳細構造を示している。図4は、キャリアボックス100の左右伸縮機構107を示している。
説明の便宜のため、キャリアボックス100を収納口Hが水平に向き車椅子を立てたまま収納できる様に路面上に置いた場合に、地面側を下側、空側を上側と呼ぶ。
キャリアボックス本体101は、一面が開口し収納口Hとなった略6面体の箱である。通常は、キャリアボックス本体101の内のり寸法が、たすき部材16が畳まれて横幅寸法が小さくなった車椅子2を収納可能な寸法になっている。
【0025】
車椅子付勢機構102は、収納した車椅子2を上から押さえつける機構であり、キャリアボックス本体101の側板に回転自在に固定された2本のアームである。そのアームは、下方に回転した際に、収納した車椅子2の横桟20を押す様な位置にあるのが好ましい。
スロープ103は、キャリアボックス本体101の収納口Hの下部に設けられた坂をつくる部材であり、キャリアボックス本体101の中にはね上げ可能になっている。
後方車止め104は、キャリアボックス本体101の収納口Hに対向する壁の内側に設けられた緩衝板である。
車輪ガイド105が、キャリアボックス本体101の下側の壁の内面に設けられた車椅子の後輪23とキャスタ24とを案内する溝を形成する。
側方車止め106は、キャリアボックス本体101の左右の壁の内側に設けられた緩衝板である。
【0026】
左右伸縮機構107は、収納した折り畳み式車椅子2を左右方向に縮めて折畳み可能な機構である。
左右伸縮機構107は、折り畳み式車椅子2の左右のハンドリム22を挟んで、折り畳み式車椅子を左右方向に縮める。折り畳み式車椅子2は、たすき部材16が折り畳まれ、左右幅が短くなる。同時に、キャリアボックス本体の左右幅寸法が短くなる。
図4には、キャリアボックス本体101の上面に設けられた電動モータ駆動のパンタグラフ式伸縮機構が示されている。
【0027】
左右伸縮機能の付かないキャリアボックスの場合は、キャリアボックス本体101を収納口Hが横に向くように地上に置き、横幅の小さくなった車椅子2を後進させると、車椅子2を収納口Hからキャリアボックス本体101の中に収納できる。
左右伸縮機構の付いたキャリアボックスの場合は、キャリアボックス本体101を収納口Hが横に向くように地上に置き、折り畳み式車椅子2を折り畳まずに後進させて収納口Hから入れる。左右伸縮機構を作動させると折り畳み式車椅子2が左右方向に押されて折り畳まれ、同時にキャリアボックスの左右寸法も短くなり、車椅子2がキャリアボックス本体101の中に収納できる。
スロープ103をはね上げると、車椅子2は、後方車止め104に押しつけられ、前後方向の移動を拘束される。
車椅子付勢機構102が収納した車椅子2を上から押さえつけると、車椅子2は上下方向の移動を拘束される。
また、車椅子付勢機構102が車椅子2の横桟20を上から押さえつけると、車椅子2のたすき部材16が押し下げられて車椅子2の横幅寸法が大きくなり、車椅子2のハンドリム22が側方車止め106に当たり、左右方向の移動が拘束される。
【0028】
キャリアボックス移載機構200は、前記キャリアボックス100を車両1の屋根と車両1の横側との間で移載可能な機構であり、リフトチェーン210とガイドレール220とフェアリング230と駆動機構240と取付下部構造250とで構成される。
【0029】
リフトチェーン210は、キャリアボックス100を車両1の屋根と車両1の横側との間を移載する構造部品であり、前方リフトチェーン210aと後方リフトチェーン210bとを持つ。前方リフトチェーン210aと後方リフトチェーン210bとは、それそれ複数のリンク211と複数のガイドローラ212とで構成される。前方リフトチェーン210aは、後述する前方ガイドレール220aに案内され、後方リフトチェーン210bは、後述する後方ガイドレール220bに案内される。
複数のリンク211は、棒状構造体であり、連結点で揺動自在に連結され直列に並ぶ。リンク211の相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっている。図5には、下向きに角度α(例えば、20度)だけ回転すると、連結部で直列に繋がったリンク211が相互に干渉し、連結点回りの回転が拘束されるリフトチェーン210が示されている。
ガイドローラ212は、連結点に回転自在に設けられたローラである。ガイドローラ212は、後述するガイドレール220の案内溝に案内される。
【0030】
ガイドレール220は、車両の屋根に配置され、リフトチェーン210を案内する部材であり、前方ガイドレール220aと後方ガイドレール220bと結合部材(図示せず)を持つ。前方ガイドレール220aと後方ガイドレール220bとは、それぞれ、車両の屋根に配置されガイドローラ212を長手方向に案内する案内溝Gを持った長尺部材であり、ガイドレール本体221とガイドレールはね上げ部222とで構成される。
ガイドレール本体221は、中空矩形断面で一辺に長手方向に沿った切り欠き部を持った長尺部材である。以下、ガイドレール本体221の長手方向に沿って形成された溝部を案内溝Gという。
【0031】
前方ガイドレール本体221aは、切り欠き部が後方を向いて長手軸が略矩形になるように左右方向と上下方向とで構成される面内で折り曲げられ、一端が車両の屋根の運転手側に向くように、車両の屋根に据付けられる。前方リフトチェーン210aのガイドローラ212が、前方ガイドレール221aの案内溝Gに嵌まって長手方向に転動する。
後方ガイドレール本体221bは、切り欠き部が前方を向いて長手軸が略矩形になるように左右方向と上下方向とで構成される面内で折り曲げられ、一端が車両の屋根の運転手側に向くように、車両の屋根に据付けられる。後方リフトチェーン210bのガイドローラ212が、後方ガイドレール221bの案内溝Gに嵌まって長手方向に転動する。
図6には、下ガイドレール部223aと左ガイドレール部224aと上ガイドレール部225aと右ガイドレール部226aと中ガイドレール部227aとがアールを持った角部228aで結合した前方ガイドレール本体221aが示されている。後方ガイドレール本体221bも、前後がかって違いの同一形状をしている。
結合部材(図示せず)は、前方ガイドレール221aと後方ガイドレール221bとを前後に結合している。
【0032】
ガイドレールはね上げ部222は、ガイドレール本体221と同一の断面形状をもつ短い長手部材である。
ガイドレールはね上げ部222の一端が、ガイドレール本体221の下ガイドレール部222に繋がることができる。ガイドレールはね上げ部222は、他端を上方を向く様にはね上げることができる。ガイドレールはね上げ部222は、後述する駆動機構240の動きに連動してはね上がる。
【0033】
ガイドレール220は、車両の運転席側の側面に沿った所定の水平軸を回転中心として、上下に回転可能になっている。ガイドレール220が上下に回転できる角度は、小さく、例えば、5度である。例えば、ガイドレール220が下方に回転すると、下ガイドレール部223の案内溝Gが水平になり、ガイドレール220が上方に回転すると、下ガイドレール部223の案内溝Gが運転席側に5度だけ傾く。
ガイドレール220は、後述するリフトスプリング252により上方へ付勢される。
ガイドレール220は、駆動機構240の後述する構造により、リフトスプリング252の付勢力に逆らって、下方に回転する。
リフトスプリング252に付勢されて、ガイドレール220が上方に回転すると、下ガイドレール部223の案内溝Gが運転席側へ傾く。
【0034】
フェアリング230は、前方フェアリング230aと後方フェアリング230bとを備え、車両の屋根に固定される。
前方フェアリング230aは、前方ガイドレール220aに外周を囲う様に固定される。
後方フェアリング230bは、後方ガイドレール220bに外周を囲う様に固定される。
キャリアボックス100が車両の屋根に移載されると、前方フェアリング230aが、キャリアボックス100の収納口Hを塞ぐ。また、前方フェアリング230aとキャリアボックス100と後方フェアリング230bとが、一体の包絡面を形成し、車両の走行時の空気抵抗を低減させる。
【0035】
駆動機構240は、ガイドローラ212をガイドレール220の開放端からガイドレール200の中へ引き込み可能であり、またはガイドレール220の開放端からガイドレール200の外へ引き出し可能な機構であり、リフトウインチ241と一対のリフトワイヤー242(242a、242b)と一対の上部ワイヤーシーブ243(243a、243b)と一対の下部ワイヤーシーブ244(244a、244b)とで構成される。図7は、駆動機構240を上部から見た様子を示している。
【0036】
リフトウインチ241は、一対のリフトワイヤー242を巻き取りまたは巻き戻し可能な電動機駆動機構であり、車両から供給される動力により駆動される。リフトウインチ241は、後述する取付下部構造250に固定される。例えば、リフトウインチ241の電動機を正転すると一対のワイヤーケーブル242を巻き取り、逆転すると一対のワイヤーケーブル242を巻き戻す。
【0037】
一対のリフトワイヤー242は、キャリアボックス100を吊るワイヤーケーブルであり、前方リフトワイヤー242aと後方リフトワイヤー242bで構成される。前方リフトワイヤー242aと後方リフトワイヤー242bとは、夫々の一端がキャリアボックス100に連結され、他端がリフトウインチ241に巻きかけられている。
【0038】
一対の上部ワイヤーシーブ243は、リフトワイヤー242を巻きかけるシーブであり、前方上部ワイヤーシーブ243aと後方上部ワイヤーシーブ243bとで構成される。前方上部ワイヤーシーブ243aは、前方ガイドレール220aに回転自在に固定される。後方上部ワイヤーシーブ243bは、後方ガイドレール220bに回転自在に固定される。
【0039】
一対の下部ワイヤーシーブ244は、リフトワイヤー242を巻きかけるシーブであり、前方下部ワイヤーシーブ244aと後方下部ワイヤーシーブ244bとで構成される。前方下部ワイヤーシーブ244aは、基礎構造251の前方に回転自在に固定される。後方下部ワイヤーシーブ244bは、基礎構造251の後方に回転自在に固定される。
【0040】
前方リフトワイヤー242aは、一端をキャリアボックス100の前部に固定され、前方リフトチェーン210aの上面に案内され、前方上部ワイヤーシーブ243aに巻きかけられて向きを変えて下方に向き、前方下部ワイヤーシーブ243aに巻きかけられて向きを変えて後方に向き、リフトウインチ241に巻き取られる。
後方リフトワイヤー242bは、一端をキャリアボックス100の後部に固定され、後方リフトチェーン210bの上面に案内され、後方上部ワイヤーシーブ243bに巻きかけられて向きを変えて下方に向き、後方下部ワイヤーシーブ243bに巻きかけられて向きを変えて前方に向き、リフトウインチ241に巻き取られる。
【0041】
取付下部構造250は、キャリアボックス移載機構200を車両の屋根に据えつける構造体であり、基礎構造251とリフトスプリング252とロック機構253とで構成される。
基礎構造251は、車両の屋根に固定され、ガイドレール220とフェアリング230と駆動機構240とを支持する構造である。
リフトスプリング252は、運転手側の水平軸を回転中心とするガイドレール220を上方に付勢する機能部品であり、例えば、一端を基礎構造251に固定し他端をガイドレール220に固定したガススプリングである。
ロック機構253は、キャリアボックス100を基礎構造251に固定し又は解除できるロック機構であり、例えば、ロックする際はばね機構により自動的にロックし、電磁ソレノイドにより解除するスナッチロックである。
【0042】
キャリアボックス100が車両1の側に置かれている時に、リフトウインチ241の電動機が正転すると、リフトワイヤー242を巻き取るので、キャリアボックス100を持ち上げ、ガイドローラ212がガイドレール220の案内溝Gの中に引き込まれ、同時にリフトチェーン210がガイドレール220に沿って車両の屋根に移動し、キャリアボックス100が前方フェアリング230aと後方フェアリング230bとの間に入る。さらに、電動機が正転すると、リフトワイヤー242の張力が大きくなるので、一対の上部ワイヤーシーブ243と一対の下部ワイヤーシーブ244とが引きあい、リフトスプリング252の付勢力に打ち勝って、ガイドレール220を下方に回転させ、ガイドレール220の下ガイドレール部223の案内溝Gが水平になると、図示しないセンサにより電動機が停止し、ロック機構253によりキャリアボックス100が基礎構造251に固定される。
【0043】
車両の内部からの操作により。ロック機構253のロックを解除するとキャリアボックス100の固定が解除される。リフトウインチ241の電動機が逆転すると、リフトワイヤー242を巻き戻されるので、リフトワイヤーの張力が小さくなり、リフトスプリング252の付勢力によりガイドレール220が運転手側の水平軸を中心に回転し、ガイドレール220の下ガイドレール部223aの案内溝Gが運転席側へ傾く。重力がキャリアボックス100に作用して、キャリアボックス100を運転席側へ滑り降ろそうとする分力が生ずるの。さらに、電動機が逆転すると、ガイドローラ212がガイドレール220の案内溝Gの中から外側へ引き出され、同時にリフトチェーン210がガイドレール220に沿って車両の横側に移動し、キャリアボックス100は、車両の側へせり出して、車両1の側に置かれる。この際、ガイドレール220のリンク221の下向きの揺動角が規制されているので、ガイドレール220は、その揺動角に応じた形状を維持して、キャリアボックス100の横方向の位置を規制する。
【0044】
次に、本発明の実施形態の作用を、運用の手順に従って、図を基に、説明する。図8は、本発明の実施形態の運用手順その1である。図9は、本発明の実施形態の運用手順その2である。図10は、本発明の実施形態の運用手順その3である。
説明の便宜のために、左右伸縮機構107が付いていないキャリアボックス100の場合と左右伸縮機構107が付いているキャリアボックス100の場合とを分けて説明する。
【0045】
最初に、左右伸縮機構107が付いていないキャリアボックス100の場合を説明する。
運転手自身が操作する場合を例に取り、運転手が、車椅子2から運転席に乗り移った時点から説明する。図8は、キャリアボックスの作用を運用の手順に従って示している。
(A)
車椅子2を、キャリアボックス100の収納口Hの前方に止める。横桟20を持ち上げて、車椅子2の横幅を狭くする。運転手は、車椅子2を後方に押して、車椅子2をキャリアボックス100の中に押し込む。
車椅子2は、スロープ103を渡って収納口Hに入る。後輪23が車輪ガイド105に案内され、車椅子2がさらにキャリアボックス100の奥に入り、後方車止め104に当たる。
(B)
運転手が、車椅子搭載装置を作動させると、駆動機構240のリフトウインチ241の電動機が回転する。リフトワイヤー242に張力が発生し、図示しない機構によりスロープ103が跳ね上がる。スロープ103と後方車止め104とが車椅子2を挟んで、前後方向の位置を固定する。
(C)
さらに、電動機が回転すると、図示しない機構により、車椅子付勢機構102がアームを降ろし、横桟20を下方に押し下げる。横桟20が下がると、たすき部材16が横に広がり、車椅子2の横幅が大きくなる。ハンドリム22が左右の横方車止めに当たり、車椅子2の左右方向の移動を固定する。
【0046】
次に、左右伸縮機構107が付いているキャリアボックス100の場合を説明する。車椅子2は、折り畳み式車椅子である。
運転手自身が操作する場合を例に取り、運転手が、車椅子2から運転席に乗り移った時点から説明する。図9は、キャリアボックスの作用を運用の手順に従って示している。
(AA)
車椅子2を、キャリアボックス100の収納口Hの前方に止める。運転手は、車椅子2を後方に押して、車椅子2をキャリアボックス100の中に押し込む。
車椅子2は、スロープ103を渡って収納口Hに入る。後輪23が車輪ガイド105に案内され、車椅子2がさらにキャリアボックス100の奥に入り、後方車止め104に当たる。
(BB)
運転手が、左右伸縮機構107を作動させる。キャリアボックス本体101の左右寸法が短くなり、横方車止め106がハンドリム22に当たる。さらに、左右伸縮機構107を作動させると、横方車止め106が左右のハンドリム22を挟み、左右寸法を短くする。折り畳み式車椅子2のたすき部材16が折り畳まれ、折り畳み式車椅子の左右寸法が短くなり、同時にキャリアボックス本体の左右寸法が短くなる。
(CC)
運転手が、車椅子搭載装置を作動させると、駆動機構240のリフトウインチ241の電動機が回転する。リフトワイヤー242に張力が発生し、図示しない機構によりスロープ103が跳ね上がる。スロープ103と後方車止め104とが車椅子2を挟んで、前後方向の位置を固定する。
さらに、電動機が回転すると、図示しない機構により、車椅子付勢機構102がアームを降ろし、横桟20を下方に押し下げる。横桟20が下がると、たすき部材16が横に広がり、車椅子2の横幅が大きくなる。ハンドリム22が左右の横方車止め106に当たり、車椅子2の左右方向の移動を固定する。
【0047】
次に、車椅子が収納されたキャリアボックスを屋根に搭載する手順に従って、車椅子搭載装置の作用を説明する。図10は、車椅子搭載装置の作用を運用の手順に従って示している。
(D)
さらに電動機が正転すると、ガイドレール220の案内溝Gにガイドローラ212が案内されて引き込まれ、リフトチェーンがガイドレールに沿って屋根の上に引き込まれ、キャリアボックス100が地面から離れ、車両1の屋根に乗る。
(E)
さらに電動機が正転すると、ガイドレール220が下方に回転し、キャリアボックス100が車両の屋根に固定される。
(F)
さらに電動機が正転すると、図示しない機構により、ガイドレールはね上げ部222が跳ね上がる。
【0048】
運転手が、車両の運転席から車椅子へ乗る際には、ロック機構253に信号を送り、キャリアボックス100のロックを外し、電動機を逆転させる。
車椅子搭載装置3が、(F)−>(E)−>(D)−>(C)−>(B)又は(F)−>(E)−>(D)−>(CC)−>(BB)の順に作動し、(A)又は(AA)のごとく、運転手が車椅子2を運転席の横に引きだす。
【0049】
上述の実施形態の車両の車椅子搭載装置を用いれば、簡単な操作で車椅子を車椅子搭載機構に預けることができ、簡単な構造で車椅子を車両の屋根に搭載できる。
また、左右伸縮機構を除いて、車椅子搭載装置を作動させる駆動源を一つに出来るので、車椅子搭載装置を軽量化できる。
また、路面に置かれたキャリアボックスの収納口が前方を向いているので、身障者が一人であっても車椅子を自分で車両に搭載し、車両で自由に移動できる。
また、車両を屋根に積むので、車内の空間を有効利用できる。
また、簡素な構造であり、軽量な車椅子搭載装置を実現できるので、車両に大きな負担を与えない。
また、フェアリングで空気抵抗を下げるので、車両に大きな負担を与えない。
また、キャリアボックスを前後の2点で吊る構造としたので、構造を簡素化でき、軽量化に有利でる。
また、フェアリングでキャリアボックスの収納口を塞いだので、雨天に車両を運転しても、車椅子が濡れることがない。
また、車椅子付勢機構がキャリアボックス内の車椅子を押さえつけるので、車椅子をしっかり固定できる。
また、車椅子付勢機構がキャリアボックス内の車椅子の横桟20を押さえつけるので、車椅子が折り畳み式車椅子である場合、左右に広がって横車止めに左右方向に押し付けられ、車椅子をしっかり固定できる。
また、左右伸縮機構が折り畳み式車椅子を左右方向の寸法を短くするので、屋根に搭載した車椅子とキャリアボックスの上下方向の寸法が短くなる。
【0050】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
車椅子を車両の屋根の搭載する装置として説明したが、これに限定されず、例えば、キャリアボックスをスキーボード、自転車等のキャリアに取り換えれば、これらの品物搭載装置として使用できる。
身障者自身が車椅子搭載装置を操作し運用する場合を例にとり作用を説明したがこれに限定されず、他の者が車椅子搭載装置を操作し運用してもよい。
また、キャリアボックスを運転席のある側に下ろす場合を例に説明したがこれに限定されず、例えば、キャリアボックスを助手席のある側に下ろしてもよいし、キャリアボックスを車の背面の側に降ろしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置は、その構成により、以下の効果を有する。
収納口のあるキャリアボックスを屋根の移載するようにしたので、車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入し、車椅子を収納した前記キャリアボックスを車両の屋根に移載でき、簡単な操作で車椅子を車両の屋根に搭載できる。
また、運転席の横側に置いたキャリアボックスの収納口を車両の前方に向けたので、車椅子を前方から前記キャリアボックスのなかに押し込んむだけで、車椅子を前記キャリアボックスに収納できる。
また、キャリアボックスの収納口を塞ぐフェアリングをつけたので、雨天の日であっても、車椅子を濡らさないように車両の屋根に搭載できる。
また、キャリアボックスに収納した車椅子を上から押さえつける様にしたので、前記キャリアボックス内で車椅子が固定される。
また、キャリアボックスに収納した車椅子の左右寸法を短く出来る様にしたので、前記キャリアボックス内で、折り畳み式車椅子を左右方向に折畳んで、左右方向の寸法を短くすることができる。
また、キャリアボックスを吊ったリフトチェーンにより車両の屋根に引き上げる様にしたので、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアボックスを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
また、リンク相互に揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない構造としたので、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアボックスを支持できる。
また、キャリアボックスを前後で吊るようにしたので、リフトチェーンを簡素化でき、キャリアボックス移載機構の重量を軽量化できる。
従って、車椅子を容易に車椅子搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした車椅子搭載装置を提供できる。
【0052】
また、以上説明したように本発明の品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置は、その構成により、以下の効果を有する。
キャリアを吊ったリフトチェーンにより車両の屋根に引き上げる様にしたので、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
また、リンク相互に揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない構造としたので、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアを支持できる。
従って、品物を容易に品物搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした品物搭載装置を提供できる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の側面図である。
【図2】本発明に係る実施形態の背面図である。
【図3】本発明に係る実施形態の部分詳細図その1である。
【図4】本発明に係る実施形態の部分詳細図その2である。
【図5】本発明に係る実施形態の部分詳細図その3である。
【図6】本発明に係る実施形態の部分詳細図その4である。
【図7】本発明に係る実施形態の部分詳細図その5である。
【図8】本発明の実施形態の運用手順その1である。
【図9】本発明の実施形態の運用手順その2である。
【図10】本発明の実施形態の運用手順その3である。
【図11】車椅子の構造図である。
【符号の説明】
1 車両
2 車椅子
3 車両の車椅子搭載装置
10 基礎骨組
11 ベースパイプ
12 バックレストパイプ
13 フロントパイプ
14 アームレスト
15 フットパイプ
16 たすき部材
17 座シート
18 バックレストシート
19 レッグレスト
20 横桟
21 フットレスト
22 ハンドリム
23 後輪
24 キャスタ
100 キャリアボックス
101 キャリアボックス本体
102 車椅子付勢機構
103 スロープ
104 後方車止め
105 車輪ガイド
106 側方車止め
107 左右伸縮機構
200 キャリアボックス移載機構
210 リフトチェーン
210a 前方リフトチェーン
210b 後方リフトチェーン
211 リンク
212 ガイドローラ
220 ガイドレール
220a 前方ガイドレール
220b 後方ガイドレール
221 ガイドレール本体
221a 前方ガイドレール本体
221b 後方ガイドレール本体
222 ガイドレールはね上げ部
222a 前方ガイドレールはね上げ部
222b 後方ガイドレールはね上げ部
223a 下ガイドレール部
224a 左ガイドレール部
225a 上ガイドレール部
226a 右ガイドレール部
227a 中ガイドレール部
228a 角部
230 フェアリング
230a 前方フェアリング
230b 後方フェアリング
240 駆動機構
241 リフトウインチ
242 リフトワイヤー
243 上部ワイヤーシーブ
244 下部ワイヤーシーブ
250 取付下部構造
251 基礎構造
252 リフトスプリング
253 ロック機構
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置に係る。特に、身体障害者や女性等の非力な人が容易に操作できるように、車椅子やその他の品物を車両の屋根に搭載する構造に特徴の有る車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
足の不自由な人、体の弱い人(以下、身障者という。)は、日常生活を支障なく営むために車椅子を用いる。また、長距離の移動をおこなう際は、身障者は自動車を使用する。
自動車による移動の際には、車椅子を自動車に搭載する。
従来、各種の車両の車椅子搭載装置が提案されている。
その車椅子搭載装置には、介護者の存在を前提とするものと介護者の存在を前提としないものとがある。
介護者の存在を前提としない車椅子搭載装置は、身障者自らが車椅子から自動車へ移り、車椅子を車両に搭載できる様になっている。
【0003】
例えば、特願昭58ー76342では、車体のルーフパネル上に車体幅方向に向けて配設され一端部を車体側に上下方向を回動可能になるよう取り付けられた第1レールと、該第1レール上に車体幅方向にスライド可能で且つ第1レールの一端部を中心として上下方向に回動可能なるよう第1リンク機構にて支持された第2レールと、該第2レール上に車体幅方向にスライド可能で且つ第2レールの一端部を中心として上下方向に回動可能なるよう第2リンク機構にて支持された車椅子係止機構を有する第3レールとからなり、第1レールをルーフ上において上方に回動させる方向に作動する押上機構と、該第1レールの上方回動により車体外側面上方部にほぼ沿った状態に垂下した第2レール及びドア開口部に沿った状態にほぼ垂直状となっている第3レールを、上方に引き上げつつ回動させて第1レール上に重ねると共に、これらを押上機構に抗してルーフ上にてほぼ水平状態に作動させる引上げ機構と、第1、第2及び第3レールが重なってルーフ状にてほぼ水平状態になったときその状態をロックするロック機構と、該ロック機構のロックを車室内より解除し得るロック解除機構を設けた車両の車椅子搭載装置が開示されている。
【0004】
かかる構成により、身障者の自動車への乗り降り時における車椅子の扱いを極めて簡単容易とすると共に、車椅子で社内スペースをとられるようなこともない車椅子搭載装置を提供している。
【0005】
一般的な車椅子の構造を簡単に説明する。図11は、車椅子の構造図である。車椅子2は、ベースパイプ11とバックレストパイプ12とフロントパイプ13とアームレスト14とフットパイプ15とで構成される左右一対の基礎骨組10をたすき部材16がつなぎ、座シート17がたすき部材16の上端に固定された横桟20に設けられ、バックレストシート18がバックレストパイプ12に設けられ、レッグレスト19がフットパイプ15に設けられる。ハンドリム22のついた一対の後輪23が基礎骨組10の後方に回転自在に固定され、一対のキャスター24が基礎骨組10の前部に固定される。一対のフットレスト21が基礎骨組10の先端に設けられる。
一部の車椅子では、たすき部材16の下端部が基礎骨組10に回転自在に固定され、上端部に設けられた横桟20が基礎骨組10によって分離可能に支持され、フットレスト21が折畳み可能になっている。従って、たすき部材16を左右方向に畳んで車椅子の左右寸法を短くしコンパクトにし、フットレスト21を折り畳んで、持ち運びを容易にすることができる。
【0006】
かかる構造の車椅子は、一対の後輪23と一対のキャスター24とを路面上に転動して運搬されることを想定している。また、通常の人力による取り扱いには十分耐えられる強度を有している。しかし、必ずしもいかなる姿勢で支持されて、かつ運搬による激しい振動にも晒されてもよい様になってはいない。以下、この様な構造をした車椅子を折り畳み式車椅子という。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、車椅子は取り回しを容易にするために軽量、簡素な構造をしている。車椅子は、車椅子搭載装置により車両に搭載されることを前提とした構造をしていない。従って、この車椅子を車椅子搭載装置に搭載する場合、車椅子係止機構が車椅子を係止する構造に工夫をする必要が有る。
また、車両の走行時の振動で運搬中の車椅子を故障させることのないように、車椅子を係止させねばらない。
また、車椅子係止機構の構造を複雑にせず、身障者が車椅子係止機構に車椅子を係止させるのに困難を感じず、いかなる形式の車椅子にも対応可能なようにするのが好ましい。
また、車椅子搭載装置は、軽量化が容易な簡素で単純な構造とし、車両の運動性能を損なわないようにするのが好ましい。
【0008】
本発明は以上に述べた問題点に鑑み案出されたもので、従来の車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置にかわって、車椅子を容易に車椅子搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした車椅子搭載装置を提供しようとする。
また、従来の品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置にかわって、品物を容易に品物搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした品物搭載装置を提供しようとする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置を、車椅子を収納口から収納可能な箱状構造体であるキャリアボックスと、前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリアボックス移載機構と、を備え、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であるものとした。
【0010】
上記本発明の構成により、箱状構造体であるキャリアボックスの収納口から車椅子を収納可能であり、キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の横側との間で移載可能であり、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であるので、車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入し、車椅子を収納した前記キャリアボックスを車両の屋根に移載でき、簡単な操作で車椅子を車両の屋根に搭載できる。
【0011】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の運転席の横側に移載可能であり、
前記キャリアボックスが車両の運転席の横側に移載された際に前記収納口が車両の前方に向いているのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の運転席の横側に移載可能で、前記キャリアボックスが車両の運転席の横側に移載された際に前記収納口が車両の前方に向いているので、車椅子を前方から前記キャリアボックスのなかに押し込んで、車椅子を前記キャリアボックスに収納できる。
【0012】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックス移載機構が車両の屋根に固定されたフェアリングを有し、前記キャリアボックスが車両の屋根に移載された際に前記フェアリングが前記収納口を塞ぐのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックスが車両の屋根に移載された際に車両の屋根に固定されたフェアリングが前記収納口を塞ぐので、雨天の日であっても、車椅子を濡らさないように車両の屋根に搭載できる。
【0013】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックスが、収納した車椅子を上から押さえつける車椅子付勢機構を有するのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックスの車椅子付勢機構が収納した車椅子を上から押さえつけるので、前記キャリアボックス内で車椅子が固定される。
【0014】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックスが、収納した折り畳み式車椅子を左右方向に縮めて折畳み可能な左右伸縮機構を有するのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記キャリアボックスの左右伸縮機構が収納した折り畳み式車椅子を左右方向に縮めて折畳み可能なので、前記キャリアボックス内で、折り畳み式車椅子を左右方向に折畳んで、左右方向の寸法を短くすることができる。
【0015】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記キャリアボックス移載機構が、連結点で揺動自在に連結され直列に並んだ棒状構造体である複数のリンクと該連結点に設けられたガイドローラとを持つリフトチェーンと、車両の屋根に配置され前記ガイドローラを長手方向に案内する案内溝を持つ長尺部材であるガイドレールと、前記ガイドローラを前記ガイドレールの開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能な駆動機構と、を有し、前記リフトチェーンが前記キャリアボックスを支持する、のが好ましい。
上記本発明の構成により、前記リフトチェーンの複数のリンクが連結点で揺動自在に連結され直列に並び、前記リフトチェーンのガイドローラが該連結点に設けられ、車両の屋根に配置されたガイドレールの案内溝が前記ガイドローラを長手方向に案内し、駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能であり、前記リフトチェーンが前記キャリアボックスを支持するので、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの外へ引き出すと、前記リフトチェーンが車両の側に垂れ下がり、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアボックスが車両の側に移載され、また駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中へ引き込むと、前記リフトチェーンが前記ガイドレールに沿って屋根に引き込まれ、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアボックスが車両の屋根に搭載され、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアボックスを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
【0016】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、前記キャリアボックスが車両の側に移載された際に前記ガイドローラの一部が前記開放端から外へ引き出され前記リフトチェーンが車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から外へ引き出すと、前記リフトチェーンが複数のリンクで構成され連結部での内角が前記所定の角度で定まる多角形形状になって、車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がり、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアボックスを支持できる。
【0017】
さらに、本発明に係る車両の車椅子搭載装置は、前記ガイドレールが車両の前後方向に並んだ前方ガイドレールと後方ガイドレールとで構成され、前記リフトチェーンが前方ガイドレールに案内される前方リフトチェーンと後方ガイドレールに案内される後方リフトチェーンとで構成され、前記前方リフトチェーンが前記キャリアボックスの前部を支持し、前記後方リフトチェーンが前記キャリアボックスの後部を支持するのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記前方ガイドレールに案内された前記前方リフトチェーンが前記キャリアボックスの前部を支持し、前記後方ガイドレールに案内された前記後方リフトチェーンが前記キャリアボックスの後部を支持し、車椅子を搭載したキャリアボックスの前後荷重にアンバランスがあっても、前記前方リフトチェーンと前記後方リフトチェーンとが車椅子を搭載したキャリアボックスの重量を二分して引っ張りにより支えるので、大きな曲げ荷重がリフトチェーンに作用するのを防止でき、リフトチェーンを簡素化でき、キャリアボックス移載機構の重量を軽量化できる。
【0018】
また、上記目的を達成するため、本発明に係る品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置を、品物を収納可能な構造体であるキャリアと、前記キャリアを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリア移載機構と、を備え、前記キャリア移載機構が、連結点で揺動自在に連結され直列に並んだ棒状構造体である複数のリンクと該連結点に設けられたガイドローラとを持つリフトチェーンと、車両の屋根に配置され前記ガイドローラを長手方向に案内する案内溝を持つ長尺部材であるガイドレールと、前記ガイドローラを前記ガイドレールの開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能な駆動機構と、を有し、前記リフトチェーンが前記キャリアを支持する、ものとした。
【0019】
上記本発明の構成により、前記リフトチェーンの複数のリンクが連結点で揺動自在に連結され直列に並び、前記リフトチェーンのガイドローラが該連結点に設けられ、車両の屋根に配置されたガイドレールの案内溝が前記ガイドローラを長手方向に案内し、駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能であり、前記リフトチェーンが前記キャリアを支持するので、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの外へ引き出すと、前記リフトチェーンが車両の側に垂れ下がり、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアボックスが車両の側に移載され、また駆動機構が前記ガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から前記ガイドレールの中へ引き込むと、前記リフトチェーンが前記ガイドレールに沿って屋根に引き込まれ、前記リフトチェーンに支持された前記キャリアが車両の屋根に搭載され、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
【0020】
さらに、本発明に係る車両の品物搭載装置は、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、前記キャリアが車両の側に移載された際に前記ガイドローラの一部が前記開放端から外へ引き出され前記リフトチェーンが車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がるのが好ましい。
上記本発明の構成により、前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、駆動機構がガイドローラを前記ガイドレールの前記開放端から外へ引き出すと、前記リフトチェーンが複数のリンクで構成され連結部での内角が前記所定の角度で定まる多角形形状になって、車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がり、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアを支持できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
【0022】
図1は、本発明に係る実施形態の側面図である。図2は、本発明に係る実施形態の背面図である。図3は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その1である。図4は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その2である。図5は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その3である。図6は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その4である。図7は、本発明に係る実施形態の部分詳細図その5である。車両の屋根に据付けられ、車椅子を車両の屋根と車両の運転席の横側とで移載する車両の車椅子搭載装置を例にとり説明する。
【0023】
車両の車椅子搭載装置3は、車椅子2を車両1の屋根に搭載可能な装置であって、キャリアボックス100とキャリアボックス移載機構200とで構成される。
【0024】
キャリアボックス100は、車椅子2を収納口Hから収納可能な箱状構造体であり、キャリアボックス本体101と車椅子付勢機構102とスロープ103と後方車止め104と車輪ガイド105と側方車止め106と左右伸縮機構107とで構成される。
キャリアボックス100には、左右伸縮機構が付かないキャリアボックスと左右伸縮機構が付くキャリアボックスとがある。
図3は、左右伸縮機構が付かないキャリアボックス100の詳細構造を示している。図4は、キャリアボックス100の左右伸縮機構107を示している。
説明の便宜のため、キャリアボックス100を収納口Hが水平に向き車椅子を立てたまま収納できる様に路面上に置いた場合に、地面側を下側、空側を上側と呼ぶ。
キャリアボックス本体101は、一面が開口し収納口Hとなった略6面体の箱である。通常は、キャリアボックス本体101の内のり寸法が、たすき部材16が畳まれて横幅寸法が小さくなった車椅子2を収納可能な寸法になっている。
【0025】
車椅子付勢機構102は、収納した車椅子2を上から押さえつける機構であり、キャリアボックス本体101の側板に回転自在に固定された2本のアームである。そのアームは、下方に回転した際に、収納した車椅子2の横桟20を押す様な位置にあるのが好ましい。
スロープ103は、キャリアボックス本体101の収納口Hの下部に設けられた坂をつくる部材であり、キャリアボックス本体101の中にはね上げ可能になっている。
後方車止め104は、キャリアボックス本体101の収納口Hに対向する壁の内側に設けられた緩衝板である。
車輪ガイド105が、キャリアボックス本体101の下側の壁の内面に設けられた車椅子の後輪23とキャスタ24とを案内する溝を形成する。
側方車止め106は、キャリアボックス本体101の左右の壁の内側に設けられた緩衝板である。
【0026】
左右伸縮機構107は、収納した折り畳み式車椅子2を左右方向に縮めて折畳み可能な機構である。
左右伸縮機構107は、折り畳み式車椅子2の左右のハンドリム22を挟んで、折り畳み式車椅子を左右方向に縮める。折り畳み式車椅子2は、たすき部材16が折り畳まれ、左右幅が短くなる。同時に、キャリアボックス本体の左右幅寸法が短くなる。
図4には、キャリアボックス本体101の上面に設けられた電動モータ駆動のパンタグラフ式伸縮機構が示されている。
【0027】
左右伸縮機能の付かないキャリアボックスの場合は、キャリアボックス本体101を収納口Hが横に向くように地上に置き、横幅の小さくなった車椅子2を後進させると、車椅子2を収納口Hからキャリアボックス本体101の中に収納できる。
左右伸縮機構の付いたキャリアボックスの場合は、キャリアボックス本体101を収納口Hが横に向くように地上に置き、折り畳み式車椅子2を折り畳まずに後進させて収納口Hから入れる。左右伸縮機構を作動させると折り畳み式車椅子2が左右方向に押されて折り畳まれ、同時にキャリアボックスの左右寸法も短くなり、車椅子2がキャリアボックス本体101の中に収納できる。
スロープ103をはね上げると、車椅子2は、後方車止め104に押しつけられ、前後方向の移動を拘束される。
車椅子付勢機構102が収納した車椅子2を上から押さえつけると、車椅子2は上下方向の移動を拘束される。
また、車椅子付勢機構102が車椅子2の横桟20を上から押さえつけると、車椅子2のたすき部材16が押し下げられて車椅子2の横幅寸法が大きくなり、車椅子2のハンドリム22が側方車止め106に当たり、左右方向の移動が拘束される。
【0028】
キャリアボックス移載機構200は、前記キャリアボックス100を車両1の屋根と車両1の横側との間で移載可能な機構であり、リフトチェーン210とガイドレール220とフェアリング230と駆動機構240と取付下部構造250とで構成される。
【0029】
リフトチェーン210は、キャリアボックス100を車両1の屋根と車両1の横側との間を移載する構造部品であり、前方リフトチェーン210aと後方リフトチェーン210bとを持つ。前方リフトチェーン210aと後方リフトチェーン210bとは、それそれ複数のリンク211と複数のガイドローラ212とで構成される。前方リフトチェーン210aは、後述する前方ガイドレール220aに案内され、後方リフトチェーン210bは、後述する後方ガイドレール220bに案内される。
複数のリンク211は、棒状構造体であり、連結点で揺動自在に連結され直列に並ぶ。リンク211の相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっている。図5には、下向きに角度α(例えば、20度)だけ回転すると、連結部で直列に繋がったリンク211が相互に干渉し、連結点回りの回転が拘束されるリフトチェーン210が示されている。
ガイドローラ212は、連結点に回転自在に設けられたローラである。ガイドローラ212は、後述するガイドレール220の案内溝に案内される。
【0030】
ガイドレール220は、車両の屋根に配置され、リフトチェーン210を案内する部材であり、前方ガイドレール220aと後方ガイドレール220bと結合部材(図示せず)を持つ。前方ガイドレール220aと後方ガイドレール220bとは、それぞれ、車両の屋根に配置されガイドローラ212を長手方向に案内する案内溝Gを持った長尺部材であり、ガイドレール本体221とガイドレールはね上げ部222とで構成される。
ガイドレール本体221は、中空矩形断面で一辺に長手方向に沿った切り欠き部を持った長尺部材である。以下、ガイドレール本体221の長手方向に沿って形成された溝部を案内溝Gという。
【0031】
前方ガイドレール本体221aは、切り欠き部が後方を向いて長手軸が略矩形になるように左右方向と上下方向とで構成される面内で折り曲げられ、一端が車両の屋根の運転手側に向くように、車両の屋根に据付けられる。前方リフトチェーン210aのガイドローラ212が、前方ガイドレール221aの案内溝Gに嵌まって長手方向に転動する。
後方ガイドレール本体221bは、切り欠き部が前方を向いて長手軸が略矩形になるように左右方向と上下方向とで構成される面内で折り曲げられ、一端が車両の屋根の運転手側に向くように、車両の屋根に据付けられる。後方リフトチェーン210bのガイドローラ212が、後方ガイドレール221bの案内溝Gに嵌まって長手方向に転動する。
図6には、下ガイドレール部223aと左ガイドレール部224aと上ガイドレール部225aと右ガイドレール部226aと中ガイドレール部227aとがアールを持った角部228aで結合した前方ガイドレール本体221aが示されている。後方ガイドレール本体221bも、前後がかって違いの同一形状をしている。
結合部材(図示せず)は、前方ガイドレール221aと後方ガイドレール221bとを前後に結合している。
【0032】
ガイドレールはね上げ部222は、ガイドレール本体221と同一の断面形状をもつ短い長手部材である。
ガイドレールはね上げ部222の一端が、ガイドレール本体221の下ガイドレール部222に繋がることができる。ガイドレールはね上げ部222は、他端を上方を向く様にはね上げることができる。ガイドレールはね上げ部222は、後述する駆動機構240の動きに連動してはね上がる。
【0033】
ガイドレール220は、車両の運転席側の側面に沿った所定の水平軸を回転中心として、上下に回転可能になっている。ガイドレール220が上下に回転できる角度は、小さく、例えば、5度である。例えば、ガイドレール220が下方に回転すると、下ガイドレール部223の案内溝Gが水平になり、ガイドレール220が上方に回転すると、下ガイドレール部223の案内溝Gが運転席側に5度だけ傾く。
ガイドレール220は、後述するリフトスプリング252により上方へ付勢される。
ガイドレール220は、駆動機構240の後述する構造により、リフトスプリング252の付勢力に逆らって、下方に回転する。
リフトスプリング252に付勢されて、ガイドレール220が上方に回転すると、下ガイドレール部223の案内溝Gが運転席側へ傾く。
【0034】
フェアリング230は、前方フェアリング230aと後方フェアリング230bとを備え、車両の屋根に固定される。
前方フェアリング230aは、前方ガイドレール220aに外周を囲う様に固定される。
後方フェアリング230bは、後方ガイドレール220bに外周を囲う様に固定される。
キャリアボックス100が車両の屋根に移載されると、前方フェアリング230aが、キャリアボックス100の収納口Hを塞ぐ。また、前方フェアリング230aとキャリアボックス100と後方フェアリング230bとが、一体の包絡面を形成し、車両の走行時の空気抵抗を低減させる。
【0035】
駆動機構240は、ガイドローラ212をガイドレール220の開放端からガイドレール200の中へ引き込み可能であり、またはガイドレール220の開放端からガイドレール200の外へ引き出し可能な機構であり、リフトウインチ241と一対のリフトワイヤー242(242a、242b)と一対の上部ワイヤーシーブ243(243a、243b)と一対の下部ワイヤーシーブ244(244a、244b)とで構成される。図7は、駆動機構240を上部から見た様子を示している。
【0036】
リフトウインチ241は、一対のリフトワイヤー242を巻き取りまたは巻き戻し可能な電動機駆動機構であり、車両から供給される動力により駆動される。リフトウインチ241は、後述する取付下部構造250に固定される。例えば、リフトウインチ241の電動機を正転すると一対のワイヤーケーブル242を巻き取り、逆転すると一対のワイヤーケーブル242を巻き戻す。
【0037】
一対のリフトワイヤー242は、キャリアボックス100を吊るワイヤーケーブルであり、前方リフトワイヤー242aと後方リフトワイヤー242bで構成される。前方リフトワイヤー242aと後方リフトワイヤー242bとは、夫々の一端がキャリアボックス100に連結され、他端がリフトウインチ241に巻きかけられている。
【0038】
一対の上部ワイヤーシーブ243は、リフトワイヤー242を巻きかけるシーブであり、前方上部ワイヤーシーブ243aと後方上部ワイヤーシーブ243bとで構成される。前方上部ワイヤーシーブ243aは、前方ガイドレール220aに回転自在に固定される。後方上部ワイヤーシーブ243bは、後方ガイドレール220bに回転自在に固定される。
【0039】
一対の下部ワイヤーシーブ244は、リフトワイヤー242を巻きかけるシーブであり、前方下部ワイヤーシーブ244aと後方下部ワイヤーシーブ244bとで構成される。前方下部ワイヤーシーブ244aは、基礎構造251の前方に回転自在に固定される。後方下部ワイヤーシーブ244bは、基礎構造251の後方に回転自在に固定される。
【0040】
前方リフトワイヤー242aは、一端をキャリアボックス100の前部に固定され、前方リフトチェーン210aの上面に案内され、前方上部ワイヤーシーブ243aに巻きかけられて向きを変えて下方に向き、前方下部ワイヤーシーブ243aに巻きかけられて向きを変えて後方に向き、リフトウインチ241に巻き取られる。
後方リフトワイヤー242bは、一端をキャリアボックス100の後部に固定され、後方リフトチェーン210bの上面に案内され、後方上部ワイヤーシーブ243bに巻きかけられて向きを変えて下方に向き、後方下部ワイヤーシーブ243bに巻きかけられて向きを変えて前方に向き、リフトウインチ241に巻き取られる。
【0041】
取付下部構造250は、キャリアボックス移載機構200を車両の屋根に据えつける構造体であり、基礎構造251とリフトスプリング252とロック機構253とで構成される。
基礎構造251は、車両の屋根に固定され、ガイドレール220とフェアリング230と駆動機構240とを支持する構造である。
リフトスプリング252は、運転手側の水平軸を回転中心とするガイドレール220を上方に付勢する機能部品であり、例えば、一端を基礎構造251に固定し他端をガイドレール220に固定したガススプリングである。
ロック機構253は、キャリアボックス100を基礎構造251に固定し又は解除できるロック機構であり、例えば、ロックする際はばね機構により自動的にロックし、電磁ソレノイドにより解除するスナッチロックである。
【0042】
キャリアボックス100が車両1の側に置かれている時に、リフトウインチ241の電動機が正転すると、リフトワイヤー242を巻き取るので、キャリアボックス100を持ち上げ、ガイドローラ212がガイドレール220の案内溝Gの中に引き込まれ、同時にリフトチェーン210がガイドレール220に沿って車両の屋根に移動し、キャリアボックス100が前方フェアリング230aと後方フェアリング230bとの間に入る。さらに、電動機が正転すると、リフトワイヤー242の張力が大きくなるので、一対の上部ワイヤーシーブ243と一対の下部ワイヤーシーブ244とが引きあい、リフトスプリング252の付勢力に打ち勝って、ガイドレール220を下方に回転させ、ガイドレール220の下ガイドレール部223の案内溝Gが水平になると、図示しないセンサにより電動機が停止し、ロック機構253によりキャリアボックス100が基礎構造251に固定される。
【0043】
車両の内部からの操作により。ロック機構253のロックを解除するとキャリアボックス100の固定が解除される。リフトウインチ241の電動機が逆転すると、リフトワイヤー242を巻き戻されるので、リフトワイヤーの張力が小さくなり、リフトスプリング252の付勢力によりガイドレール220が運転手側の水平軸を中心に回転し、ガイドレール220の下ガイドレール部223aの案内溝Gが運転席側へ傾く。重力がキャリアボックス100に作用して、キャリアボックス100を運転席側へ滑り降ろそうとする分力が生ずるの。さらに、電動機が逆転すると、ガイドローラ212がガイドレール220の案内溝Gの中から外側へ引き出され、同時にリフトチェーン210がガイドレール220に沿って車両の横側に移動し、キャリアボックス100は、車両の側へせり出して、車両1の側に置かれる。この際、ガイドレール220のリンク221の下向きの揺動角が規制されているので、ガイドレール220は、その揺動角に応じた形状を維持して、キャリアボックス100の横方向の位置を規制する。
【0044】
次に、本発明の実施形態の作用を、運用の手順に従って、図を基に、説明する。図8は、本発明の実施形態の運用手順その1である。図9は、本発明の実施形態の運用手順その2である。図10は、本発明の実施形態の運用手順その3である。
説明の便宜のために、左右伸縮機構107が付いていないキャリアボックス100の場合と左右伸縮機構107が付いているキャリアボックス100の場合とを分けて説明する。
【0045】
最初に、左右伸縮機構107が付いていないキャリアボックス100の場合を説明する。
運転手自身が操作する場合を例に取り、運転手が、車椅子2から運転席に乗り移った時点から説明する。図8は、キャリアボックスの作用を運用の手順に従って示している。
(A)
車椅子2を、キャリアボックス100の収納口Hの前方に止める。横桟20を持ち上げて、車椅子2の横幅を狭くする。運転手は、車椅子2を後方に押して、車椅子2をキャリアボックス100の中に押し込む。
車椅子2は、スロープ103を渡って収納口Hに入る。後輪23が車輪ガイド105に案内され、車椅子2がさらにキャリアボックス100の奥に入り、後方車止め104に当たる。
(B)
運転手が、車椅子搭載装置を作動させると、駆動機構240のリフトウインチ241の電動機が回転する。リフトワイヤー242に張力が発生し、図示しない機構によりスロープ103が跳ね上がる。スロープ103と後方車止め104とが車椅子2を挟んで、前後方向の位置を固定する。
(C)
さらに、電動機が回転すると、図示しない機構により、車椅子付勢機構102がアームを降ろし、横桟20を下方に押し下げる。横桟20が下がると、たすき部材16が横に広がり、車椅子2の横幅が大きくなる。ハンドリム22が左右の横方車止めに当たり、車椅子2の左右方向の移動を固定する。
【0046】
次に、左右伸縮機構107が付いているキャリアボックス100の場合を説明する。車椅子2は、折り畳み式車椅子である。
運転手自身が操作する場合を例に取り、運転手が、車椅子2から運転席に乗り移った時点から説明する。図9は、キャリアボックスの作用を運用の手順に従って示している。
(AA)
車椅子2を、キャリアボックス100の収納口Hの前方に止める。運転手は、車椅子2を後方に押して、車椅子2をキャリアボックス100の中に押し込む。
車椅子2は、スロープ103を渡って収納口Hに入る。後輪23が車輪ガイド105に案内され、車椅子2がさらにキャリアボックス100の奥に入り、後方車止め104に当たる。
(BB)
運転手が、左右伸縮機構107を作動させる。キャリアボックス本体101の左右寸法が短くなり、横方車止め106がハンドリム22に当たる。さらに、左右伸縮機構107を作動させると、横方車止め106が左右のハンドリム22を挟み、左右寸法を短くする。折り畳み式車椅子2のたすき部材16が折り畳まれ、折り畳み式車椅子の左右寸法が短くなり、同時にキャリアボックス本体の左右寸法が短くなる。
(CC)
運転手が、車椅子搭載装置を作動させると、駆動機構240のリフトウインチ241の電動機が回転する。リフトワイヤー242に張力が発生し、図示しない機構によりスロープ103が跳ね上がる。スロープ103と後方車止め104とが車椅子2を挟んで、前後方向の位置を固定する。
さらに、電動機が回転すると、図示しない機構により、車椅子付勢機構102がアームを降ろし、横桟20を下方に押し下げる。横桟20が下がると、たすき部材16が横に広がり、車椅子2の横幅が大きくなる。ハンドリム22が左右の横方車止め106に当たり、車椅子2の左右方向の移動を固定する。
【0047】
次に、車椅子が収納されたキャリアボックスを屋根に搭載する手順に従って、車椅子搭載装置の作用を説明する。図10は、車椅子搭載装置の作用を運用の手順に従って示している。
(D)
さらに電動機が正転すると、ガイドレール220の案内溝Gにガイドローラ212が案内されて引き込まれ、リフトチェーンがガイドレールに沿って屋根の上に引き込まれ、キャリアボックス100が地面から離れ、車両1の屋根に乗る。
(E)
さらに電動機が正転すると、ガイドレール220が下方に回転し、キャリアボックス100が車両の屋根に固定される。
(F)
さらに電動機が正転すると、図示しない機構により、ガイドレールはね上げ部222が跳ね上がる。
【0048】
運転手が、車両の運転席から車椅子へ乗る際には、ロック機構253に信号を送り、キャリアボックス100のロックを外し、電動機を逆転させる。
車椅子搭載装置3が、(F)−>(E)−>(D)−>(C)−>(B)又は(F)−>(E)−>(D)−>(CC)−>(BB)の順に作動し、(A)又は(AA)のごとく、運転手が車椅子2を運転席の横に引きだす。
【0049】
上述の実施形態の車両の車椅子搭載装置を用いれば、簡単な操作で車椅子を車椅子搭載機構に預けることができ、簡単な構造で車椅子を車両の屋根に搭載できる。
また、左右伸縮機構を除いて、車椅子搭載装置を作動させる駆動源を一つに出来るので、車椅子搭載装置を軽量化できる。
また、路面に置かれたキャリアボックスの収納口が前方を向いているので、身障者が一人であっても車椅子を自分で車両に搭載し、車両で自由に移動できる。
また、車両を屋根に積むので、車内の空間を有効利用できる。
また、簡素な構造であり、軽量な車椅子搭載装置を実現できるので、車両に大きな負担を与えない。
また、フェアリングで空気抵抗を下げるので、車両に大きな負担を与えない。
また、キャリアボックスを前後の2点で吊る構造としたので、構造を簡素化でき、軽量化に有利でる。
また、フェアリングでキャリアボックスの収納口を塞いだので、雨天に車両を運転しても、車椅子が濡れることがない。
また、車椅子付勢機構がキャリアボックス内の車椅子を押さえつけるので、車椅子をしっかり固定できる。
また、車椅子付勢機構がキャリアボックス内の車椅子の横桟20を押さえつけるので、車椅子が折り畳み式車椅子である場合、左右に広がって横車止めに左右方向に押し付けられ、車椅子をしっかり固定できる。
また、左右伸縮機構が折り畳み式車椅子を左右方向の寸法を短くするので、屋根に搭載した車椅子とキャリアボックスの上下方向の寸法が短くなる。
【0050】
本発明は以上に述べた実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。
車椅子を車両の屋根の搭載する装置として説明したが、これに限定されず、例えば、キャリアボックスをスキーボード、自転車等のキャリアに取り換えれば、これらの品物搭載装置として使用できる。
身障者自身が車椅子搭載装置を操作し運用する場合を例にとり作用を説明したがこれに限定されず、他の者が車椅子搭載装置を操作し運用してもよい。
また、キャリアボックスを運転席のある側に下ろす場合を例に説明したがこれに限定されず、例えば、キャリアボックスを助手席のある側に下ろしてもよいし、キャリアボックスを車の背面の側に降ろしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置は、その構成により、以下の効果を有する。
収納口のあるキャリアボックスを屋根の移載するようにしたので、車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入し、車椅子を収納した前記キャリアボックスを車両の屋根に移載でき、簡単な操作で車椅子を車両の屋根に搭載できる。
また、運転席の横側に置いたキャリアボックスの収納口を車両の前方に向けたので、車椅子を前方から前記キャリアボックスのなかに押し込んむだけで、車椅子を前記キャリアボックスに収納できる。
また、キャリアボックスの収納口を塞ぐフェアリングをつけたので、雨天の日であっても、車椅子を濡らさないように車両の屋根に搭載できる。
また、キャリアボックスに収納した車椅子を上から押さえつける様にしたので、前記キャリアボックス内で車椅子が固定される。
また、キャリアボックスに収納した車椅子の左右寸法を短く出来る様にしたので、前記キャリアボックス内で、折り畳み式車椅子を左右方向に折畳んで、左右方向の寸法を短くすることができる。
また、キャリアボックスを吊ったリフトチェーンにより車両の屋根に引き上げる様にしたので、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアボックスを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
また、リンク相互に揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない構造としたので、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアボックスを支持できる。
また、キャリアボックスを前後で吊るようにしたので、リフトチェーンを簡素化でき、キャリアボックス移載機構の重量を軽量化できる。
従って、車椅子を容易に車椅子搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした車椅子搭載装置を提供できる。
【0052】
また、以上説明したように本発明の品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置は、その構成により、以下の効果を有する。
キャリアを吊ったリフトチェーンにより車両の屋根に引き上げる様にしたので、簡単で簡素な構造で車椅子の収納されたキャリアを車両の屋根に搭載しまた車両の側へ下ろすことが出来る。
また、リンク相互に揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない構造としたので、簡単な構造により車両の側面に接触せずに前記キャリアを支持できる。
従って、品物を容易に品物搭載装置に預けることができ、軽量で簡素な構造をした品物搭載装置を提供できる。
【0053】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の側面図である。
【図2】本発明に係る実施形態の背面図である。
【図3】本発明に係る実施形態の部分詳細図その1である。
【図4】本発明に係る実施形態の部分詳細図その2である。
【図5】本発明に係る実施形態の部分詳細図その3である。
【図6】本発明に係る実施形態の部分詳細図その4である。
【図7】本発明に係る実施形態の部分詳細図その5である。
【図8】本発明の実施形態の運用手順その1である。
【図9】本発明の実施形態の運用手順その2である。
【図10】本発明の実施形態の運用手順その3である。
【図11】車椅子の構造図である。
【符号の説明】
1 車両
2 車椅子
3 車両の車椅子搭載装置
10 基礎骨組
11 ベースパイプ
12 バックレストパイプ
13 フロントパイプ
14 アームレスト
15 フットパイプ
16 たすき部材
17 座シート
18 バックレストシート
19 レッグレスト
20 横桟
21 フットレスト
22 ハンドリム
23 後輪
24 キャスタ
100 キャリアボックス
101 キャリアボックス本体
102 車椅子付勢機構
103 スロープ
104 後方車止め
105 車輪ガイド
106 側方車止め
107 左右伸縮機構
200 キャリアボックス移載機構
210 リフトチェーン
210a 前方リフトチェーン
210b 後方リフトチェーン
211 リンク
212 ガイドローラ
220 ガイドレール
220a 前方ガイドレール
220b 後方ガイドレール
221 ガイドレール本体
221a 前方ガイドレール本体
221b 後方ガイドレール本体
222 ガイドレールはね上げ部
222a 前方ガイドレールはね上げ部
222b 後方ガイドレールはね上げ部
223a 下ガイドレール部
224a 左ガイドレール部
225a 上ガイドレール部
226a 右ガイドレール部
227a 中ガイドレール部
228a 角部
230 フェアリング
230a 前方フェアリング
230b 後方フェアリング
240 駆動機構
241 リフトウインチ
242 リフトワイヤー
243 上部ワイヤーシーブ
244 下部ワイヤーシーブ
250 取付下部構造
251 基礎構造
252 リフトスプリング
253 ロック機構
Claims (10)
- 車椅子を車両の屋根に搭載可能な車両の車椅子搭載装置であって、
車椅子を収納口から収納可能な箱状構造体であるキャリアボックスと、
前記キャリアボックスを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリアボックス移載機構と、
を備え、
前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の側に移載した際に車椅子の車輪を転がして路面から前記キャリアボックスの内部へ車椅子を搬入可能であることを特徴とする車両の車椅子搭載装置。 - 前記キャリアボックス移載機構が前記キャリアボックスを車両の運転席の横側に移載可能であり、
前記キャリアボックスが車両の運転席の横側に移載された際に前記収納口が車両の前方に向いていることを特徴とする請求項1に記載の車両の車椅子搭載装置。 - 前記キャリアボックス移載機構が、
車両の屋根に固定されたフェアリングを、
有し、
前記キャリアボックスが車両の屋根に移載された際に前記フェアリングが前記収納口を塞ぐことを特徴とする請求項1又は請求項2のひとつに記載の車両の車椅子搭載装置。 - 前記キャリアボックスが、収納した車椅子を上から押さえつける車椅子付勢機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載の車両の車椅子搭載装置。
- 前記キャリアボックスが、収納した折り畳み式車椅子を左右方向に縮めて折畳み可能な左右伸縮機構を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4に記載の車両の車椅子搭載装置。
- 前記キャリアボックス移載機構が、
連結点で揺動自在に連結され直列に並んだ棒状構造体である複数のリンクと該連結点に設けられたガイドローラとを持つリフトチェーンと、
車両の屋根に配置され前記ガイドローラを長手方向に案内する案内溝を持つ長尺部材であるガイドレールと、
前記ガイドローラを前記ガイドレールの開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能な駆動機構と、
を有し、
前記リフトチェーンが前記キャリアボックスを支持する、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のひとつに記載の車両の車椅子搭載装置。 - 前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、
前記キャリアボックスが車両の側に移載された際に前記ガイドローラの一部が前記開放端から引き出され前記リフトチェーンが車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がることを特徴とする請求項6に記載の車両の車椅子搭載装置。 - 前記ガイドレールが車両の前後方向に並んだ前方ガイドレールと後方ガイドレールとで構成され、
前記リフトチェーンが前方ガイドレールに案内される前方リフトチェーンと後方ガイドレールに案内される後方リフトチェーンとで構成され、
前記前方リフトチェーンが前記キャリアボックスの前部を支持し、
前記後方リフトチェーンが前記キャリアボックスの後部を支持することを特徴とする請求項6又は請求項7のひとつに記載の車両の車椅子搭載装置。 - 品物を車両の屋根に搭載可能な車両の品物搭載装置であって、品物を収納可能な構造体であるキャリアと、
前記キャリアを車両の屋根と車両の側との間で移載可能なキャリア移載機構と、
を備え、
前記キャリア移載機構が、
連結点で揺動自在に連結された直列に並んだ棒状構造体である複数のリンクと該連結点に設けられたガイドローラとを持つリフトチェーンと、
車両の屋根に配置され前記ガイドローラを長手方向に案内する案内溝を持つ長尺部材であるガイドレールと、
前記ガイドローラを前記ガイドレールの開放端から前記ガイドレールの中に引き込みまたは外へ引き出し可能な駆動機構と、
を有し、
前記リフトチェーンが前記キャリアを支持する、
ことを特徴とするの車両の品物搭載装置。 - 前記リンクの相互の揺動角が下向きに所定の角度以上に大きくならない様になっており、
前記キャリアが車両の側に移載された際に前記ガイドローラの一部が前記開放端から外へ引き出され前記リフトチェーンが車両の側面から所定の間隔を維持して下方に垂れ下がることを特徴とする請求項9に記載の車両の品物搭載装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002222602A JP2004058916A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002222602A JP2004058916A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004058916A true JP2004058916A (ja) | 2004-02-26 |
Family
ID=31942583
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002222602A Pending JP2004058916A (ja) | 2002-07-31 | 2002-07-31 | 車両の車椅子搭載装置と品物搭載装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004058916A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106740522A (zh) * | 2017-02-07 | 2017-05-31 | 雅安市智力机械设备有限责任公司 | 一种车载180°多功能旋转支架及汽车 |
-
2002
- 2002-07-31 JP JP2002222602A patent/JP2004058916A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106740522A (zh) * | 2017-02-07 | 2017-05-31 | 雅安市智力机械设备有限责任公司 | 一种车载180°多功能旋转支架及汽车 |
CN106740522B (zh) * | 2017-02-07 | 2024-01-26 | 雅安市智力机械设备有限责任公司 | 一种车载180°多功能旋转支架及汽车 |
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