JP2004058000A - 排ガス浄化触媒及びその製造方法 - Google Patents

排ガス浄化触媒及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】耐久後においても酸化セリウムや酸化セリウム系複合酸化物の劣化が抑制された排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物に、酸化セリウムと、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を担持して成る排ガス浄化触媒である。分散しているセリア基組成物と、担持した酸化セリウムとが接触ないしは結合している。X線回折における酸化セリウムの(111)面ピークに対する(200)面ピーク、(311)面ピークの相対強度が、各々0.45〜0.5、0.35〜0.4である。
セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物へ、濃度30〜70%のセリウム溶液を用いて更に酸化セリウムを含浸担持する排ガス浄化触媒の製造方法である。
【選択図】    なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関や燃焼器などから排出される排ガスを浄化する排ガス浄化触媒に係り、更に詳細には、一酸化炭素を選択的に除去可能で耐久性にも優れる排ガス浄化触媒及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、燃費向上のため、内燃機関に供給する混合気の空燃比を理論空燃比(A/F=14.7)よりもリーン側(A/F=22付近)に制御する希薄燃焼方法が行われている。しかし、リーン側に空燃比制御を行うと、通常の三元触媒による窒素酸化物(NOx)浄化率が低下するために多量のNOxを大気中に放出することになる。このため、希薄燃焼を行うことのできる内燃機関においては、NOxをトラップするNOx吸着剤を内蔵したNOx吸着型触媒によってNOxを浄化する技術が採用されている。
このNOx吸着剤は、空燃比がリーンの時にはNOxをトラップし、リッチの時には還元剤(炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)、水素(H))によってトラップしたNOxを放出・浄化する特性を有する。なお、NOxの放出・浄化に使用されない還元剤(HC、CO、水素)は完全酸化によりCO、HOとして除去される。
【0003】
一方、今後ますます厳しくなる排ガス規制に対応するためには、これまでよりもさらに広い温度範囲での排ガス浄化を行う必要がある。上述した希薄燃焼による内燃機関の燃焼効率が向上するに従い排ガス温度がさらに低下することを考慮すると、より低温域においても排ガスを浄化しなければならない。
NOx吸着型触媒によるNOx浄化は、主に300℃以上の比較的高温域では非常に有効であるが、それ以下の低温域ではNOx浄化率は著しく低下する。低温域ではトラップしたNOxの放出が困難になるためである。
【0004】
この点について詳細に検討した結果、リッチスパイク(空燃比を一時的にリッチ(燃料過剰)に変動させる処理)により生成するCOやHC、特にCOがNOxの放出を抑制していることがわかった。そこで、NOxの放出を抑制しているCOを選択的に除去して水素のみを還元剤として用いたところ、NOxの放出が著しく促進され、NOx浄化性能が飛躍的に向上することが見出された。これらの結果から、リッチスパイク時に生成するCO、水素のうち、COを選択的に除去する触媒をNOx吸着型触媒の上流側に配置するシステムが提案されている(特開2001−234737号公報)。
この場合、リッチスパイク時のCOを選択的に除去する触媒(水素触媒)としては、酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物を直接基材として用いた貴金属触媒が効果的である。これはCOとストレージ酸素によるCO酸化反応、COとストレージ酸素又は他の吸着サイトとの吸着により、COが除去されているためである。したがって、かかるシステムでは、酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物の使用量が、理論空燃比付近でCO浄化を行う三元触媒よりも非常に多いことになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の排ガス浄化システムにおいて、水素触媒によるCOの選択的な除去性能は、酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物に依存しているために、耐久後に酸化セリウムが劣化することにより、CO除去性能が著しく低下するという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、耐久後においても酸化セリウムや酸化セリウム系複合酸化物の劣化が抑制された排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、酸化セリウムやセリウム複合酸化物などのセリア基組成物を予め分散させておき、更に酸化セリウムを担持することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明の排ガス浄化触媒は、セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物に、酸化セリウムと、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を担持して成り、この場合、耐火性無機酸化物に分散しているセリア基組成物、代表的にはその酸化セリウム部分と、かかる無機酸化物表面に担持した酸化セリウムとが接触ないしは結合していることを特徴とする。
【0008】
一方、本発明の排ガス浄化触媒の製造方法は、上述の如き排ガス浄化触媒を製造する方法であって、濃度30〜70%のセリウム溶液を用いて、酸化セリウムが分散した耐火性無機酸化物へ、酸化セリウムを含浸担持することを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明においては、あらかじめセリア基組成物を含む耐火性無機酸化物上へ、更に酸化セリウムを含浸担持するので、あらかじめ酸化セリウムを含ませていない耐火性無機酸化物を使用した場合よりも高い結晶化度を有する酸化セリウム相を形成することができ、従って、耐久後においても酸化セリウムの劣化を抑制することが可能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の排ガス浄化触媒について詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上述の如く、本発明の排ガス浄化触媒は、セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物(担体)に、酸化セリウムと、貴金属を担持したものである。
ここで、「セリア基組成物」とは、ストレージ酸素によるCO浄化能(CO酸化、CO吸着)を有する材料で、セリウム酸化物を主成分とし、具体的には、セリウム酸化物、セリウム複合酸化物又は酸化セリウムを含有する混合酸化物、及びこれらの組合せを意味するものとする。
また、耐火性無機酸化物としては、排ガス浄化触媒において通常に使用されているもので、高比表面積を有するものであれば十分であるが、アルミナ、チタニア、シリカ又はジルコニア及びこれらの任意の混合物を例示できる。
貴金属としても、排ガス浄化触媒において従来から使用されているもので十分であり、白金、パラジウム又はロジウム及びこれらの任意の混合物を挙げることができる。
【0011】
また、上述のように、本発明の排ガス浄化触媒では、セリア基組成物(担体中に分散しているセリア分、いわば内部セリア)と酸化セリウム(後に担持したセリア分、いわば表面セリア)とが接触ないしは結合している。
ここで、「接触ないしは結合」とは、対象となる両成分が完全に化合して一体化している状態のみならず、化学的な親和性を有した状態で接触・混在している状態、例えば部分的な結合状態や固溶状態なども意味するものとする。
本発明の排ガス浄化触媒は、このような担持セリウム酸化物の状態に起因して優れた結晶性を有し、代表的には、X線回折における酸化セリウムの(111)面のピーク強度に対し、(200)面及び(311)面が相対強度でそれぞれ0.45〜0.5及び0.35〜0.4のピーク強度を有する。
かかる優れた結晶性は、担持セリウム酸化物がアモルファス状態などにないことを意味しており、この結果、本発明の排ガス浄化触媒は、耐久後においても担持セリウム酸化物が劣化し難く、従って、優れた浄化性能を長期間維持し得る。
【0012】
なお、本発明の排ガス浄化触媒において、耐火性無機酸化物担体に分散しているセリア基組成物の結晶子径は3〜5nmであることが好ましい。
3nm未満では、担持する酸化セリウムが選択的にセリア基組成物に堆積し難く、5nmを超えると、担持した酸化セリウムの結晶子径が増大し、シンタリングを起こしやすくなるために耐久性が低下することがある。
また、本発明の排ガス浄化触媒においては、担体に分散しているセリア基組成物の上に酸化セリウムが配置されるので、原則として、酸化セリウムの分散状態はセリア基組成物の分散状態に支配される。従って、担体中にセリア基組成物を高分散で均一に分散させておけば、酸化セリウム(表面セリア)も高分散することになり、この結果、COの選択浄化に関する活性点を均一且つ多く分布させることができ、排ガス浄化能を向上させることができる。
なお、本発明の排ガス浄化触媒は、耐熱性材料から成るモノリス担体などの一体構造型担体に被覆して用いられることが好ましい。モノリス担体としては、コージェライトなどのセラミックス製のものや、フェライト系ステンレスなどの金属製のものが知られている。
【0013】
以下、本発明の排ガス浄化触媒における排ガス浄化のメカニズムや、本発明の触媒の優位性などにつき説明する。
本発明の触媒のような水素触媒によるCOの選択的な低減では、まず、貴金属のような活性金属種にCOが選択吸着し、その後、酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物にスピルオーバーする。スピルオーバーしたCOはストレージ酸素によるCO酸化反応と、ストレージ酸素又は他の吸着サイトへの吸着により除去される。
なお、水素触媒の反応温度が300℃より低い場合には、COとストレージ酸素によるCO酸化反応が抑制されるものの、CO吸着量が増加するのでCOの選択的な低減が可能である。一方、水素触媒の反応温度が300℃より高い場合には、CO酸化反応やCO吸着が瞬時に終了するものの、新たにCOシフト反応が開始されるためCOが浄化され、さらに水素が生成される。従って、CO選択除去が可能であり、さらに、低温域でのNOx浄化に有効な水素も生成されるためNOx浄化率も向上する。
【0014】
このようなCO酸化反応、CO吸着及びCOシフト反応は、触媒中の酸化セリウムや酸化セリウム系複合酸化物により促進されると考えられる。したがって、耐久処理により酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物が劣化すると、上記反応が抑制されてしまうために、CO浄化性能が著しく低下する。
耐久による酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物の劣化原因の一つとして、表面積の低下が挙げられる。酸化セリウムの表面積が低下することにより、ストレージ酸素量が低下してCO酸化反応が抑制される。また、CO吸着サイト数も減少するので、CO吸着量も減少してしまう。さらに活性金属として添加した貴金属が凝集してCOの反応や吸着も抑制されてしまう。
【0015】
従来技術にも記載したように、水素触媒として、酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物を直接基材として用いた貴金属触媒は、高活性を有している。しかし、比較的耐熱性の低い酸化セリウム又は酸化セリウム系複合酸化物を直接基材として用いるために、耐久後の劣化(表面積の低下)を抑制することは困難である。
本発明は、この点を改善せんとするものであり、高耐熱性基材であるアルミナのような耐火性無機酸化物上へ酸化セリウムを形成することにより、耐久後の劣化を抑制したものでもある。
【0016】
次に、本発明の排ガス浄化触媒の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は、上述の如き排ガス浄化触媒を製造する方法であって、セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物担体へ、濃度30〜70%のセリウム溶液を用いて更に酸化セリウムを含浸担持するものである。
通常、耐火性無機酸化物担体上に酸化セリウムを形成する場合、セリウムを含む水溶液を含浸担持するので、調製条件によっては、生成する酸化セリウムがアモルファスになったり、シンタリングを引き起こす可能性がある。
これに対し、本発明では、あらかじめ高い分散状態でセリア基組成物を含む耐火性無機酸化物担体上へ、セリウムを含む水溶液を含浸担持することにしたので、同種成分同士の親和性などに起因して、あらかじめ酸化セリウムを含ませていない耐火性無機酸化物担体を使用した場合よりも高い結晶性を有する酸化セリウム相(表面セリア)を形成することが可能となった。
【0017】
このように、本発明では、結晶性のより高い酸化セリウム相が耐火性無機酸化物担体上に形成されるので、耐久後においても酸化セリウム表面積の低下が抑制され、ストレージ酸素量の低下を大幅に抑制することができる。その結果、ストレージ酸素量が増加してCOとの酸化反応が促進される。さらに、CO吸着サイト数も増加するためにCO吸着量も向上し、このため、CO浄化性能が向上すると考えられる。
なお、上述のように優れたCO選択除去性能を発揮する本発明の排ガス浄化触媒の排ガス流路下流側に、いわゆるNOx吸着型触媒を配置すれば、優れた浄化性能、特に低温リーンバーンNOxの浄化性能に優れた排ガス浄化システムを構築できることは言うまでもない。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0019】
(実施例1)
炭酸セリウムを濃硝酸に溶解したセリウム水溶液へ、あらかじめ酸化セリウムを含む酸化アルミニウム粉末を投入して約1時間撹拌した後、150℃で一昼夜乾燥を行った。酸化セリウムを含む酸化アルミニウムに対して、さらに含浸担持した酸化セリウムの濃度は30%とした。その後、600℃で2時間空気中で焼成することにより30%CeO/CeO−Alを得た。
得られた30%CeO/CeO−AlをテトラアンミンPt水溶液に投入して1時間撹拌した後、150℃で一昼夜乾燥を行った。30%CeO/CeO−Alに対するPtの濃度は2%とした。その後、空気中400℃で2時間焼成することにより、2%Pt/30%CeO/CeO−Alを得た。
この粉末と所定量のアルミナゾルを磁性ボールミルに投入し、混合、粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライト質モノリス担体(400セル/6ミル)の排ガス接触面にコートし、空気気流により余剰のスラリーを除去し、乾燥後、400℃で30分焼成し、単位容積当たり217gのスラリーをコートして本例の触媒(触媒1)を得た。
【0020】
(実施例2)
単位容積当たりのスラリーのコート量を433gとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒2)を得た。
【0021】
(実施例3)
酸化セリウムを含む酸化アルミニウムに対して、さらに含浸担持した酸化セリウムの濃度を50%とし、単位容積当たりのスラリーのコート量を150gとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒3)を得た。
【0022】
(実施例4)
酸化セリウムを含む酸化アルミニウムに対して、さらに含浸担持した酸化セリウムの濃度を50%とし、単位容積当たりのスラリーのコート量を300gとした以外は実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒4)を得た。
【0023】
(比較例1)
炭酸セリウムを濃硝酸に溶解したセリウム水溶液へ、酸化アルミニウム粉末を投入して約1時間撹拌した後、150℃で一昼夜乾燥を行った。酸化アルミニウムに対して、含浸担持した酸化セリウムの濃度は30%とした。その後、600℃で2時間空気中で焼成することにより30%CeO/Alを得た。
得られた30%CeO/AlをテトラアンミンPt水溶液に投入して1時間撹拌した後、150℃で一昼夜乾燥を行った。30%CeO/Alに対するPtの濃度は2%とした。この粉末と所定量のアルミナゾルを磁性ボールミルに投入し、混合、粉砕してスラリーを得た。このスラリーをコージェライト質モノリス担体(400セル/6ミル)の排ガス接触面にコートし、空気気流により余剰のスラリーを除去し、乾燥後、400℃で30分焼成し、単位容積当たり217gのスラリーをコートして、本例の触媒(触媒5)を得た。
【0024】
(比較例2)
単位容積当たりのスラリーのコート量を433gとした以外は比較例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒6)を得た。
【0025】
(比較例3)
酸化アルミニウムに対して、含浸担持した酸化セリウムの度を50%とし、単位容積当たりのスラリーのコート量を150gとした以外は比較例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒7)を得た。
【0026】
(比較例4)
酸化アルミニウムに対して、含浸担持した酸化セリウムの濃度を50%とし、単位容積当たりのスラリーのコート量を300gとした以外は比較例1と同様の操作を繰り返し、本例の触媒(触媒8)を得た。
【0027】
[性能評価]
上述のようにして得られた実施例及び比較例の排ガス浄化触媒につき、下記の条件で性能評価を行った。得られた結果を表1に示す。
Figure 2004058000
【0028】
【表1】
Figure 2004058000
【0029】
表1に示した通り、あらかじめ酸化セリウムを含むアルミナ担体上へ、さらに酸化セリウムを含浸担持した触媒の耐久後のCO浄化性能は、あらかじめ酸化セリウムを含ませていないアルミナ担体を使用した場合よりも高いことがわかる。
また、コート量を増加することにより、いずれの触媒においてもCO浄化性能が向上していることから、酸化セリウムがCO浄化に寄与していることがわかる。
これらの結果から、酸化セリウムを、あらかじめ酸化セリウムを含むアルミナに含浸担持することにより、酸化セリウムがCO浄化に対して効果的に作用するようになることがわかった。
【0030】
次に、セリウムを含浸担持する担体として、あらかじめ酸化セリウムを含むものが、酸化セリウムを含まないものよりもCO浄化性能が高い理由について、酸化セリウムの結晶性から調べた。
図1には、実施例4の触媒のX線回折パターンを示し、図2には、比較例4お触媒のX線回折パターンを示す。さらに、表2〜4には、酸化セリウムの結晶性について図1より解析した結果を示す。
【0031】
【表2】
Figure 2004058000
【0032】
【表3】
Figure 2004058000
【0033】
【表4】
Figure 2004058000
【0034】
表2から、アルミナに含浸担持したセリウムがいずれも酸化セリウムになっていることがわかる。また、表3及び4からは、あらかじめ酸化セリウムを含んでいるアルミナにセリウムを含浸担持した実施例4では、酸化セリウムを含んでいないアルミナにセリウムを含浸担持した比較例4に比べて、特にピーク強度が大きい(111)、(220)、(311)での半値幅が小さいことから、結晶性が高いことがわかる。
さらに、表4に示すように、あらかじめ酸化セリウムを含んでいるアルミナにセリウムを含浸担持した実施例4では、酸化セリウムを含んでいないアルミナにセリウムを含浸担持した比較例4に比べて、(111)に対する(200)や(311)の相対強度が高いことがわかる。つまり、酸化セリウムを含んでいるアルミナにセリウムを含浸担持した方が、酸化セリウムの結晶化度が高いといえる。
【0035】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、酸化セリウムやセリウム複合酸化物などのセリア基組成物を予め分散させておき、更に酸化セリウムを担持することしたため、耐久後においても酸化セリウムや酸化セリウム系複合酸化物の劣化が抑制された排ガス浄化触媒及びその製造方法を提供することができる。
あらかじめ酸化セリウムを含む耐火性無機酸化物上へセリウムを含浸担持して調製した触媒は、あらかじめ酸化セリウムを含まない耐火性無機酸化物上へセリウムを含浸担持して調製した触媒に比べて、結晶性が向上する。このため、酸化セリウムとしての機能が効果的に作用するので、ストレージ酸素量やCO吸着量が向上する結果、耐久後の排ガス浄化性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排ガス浄化触媒の一例のX線回折パターンを示す線図である。
【図2】本発明外の排ガス浄化触媒の一例のX線回折パターンを示す線図である。

Claims (5)

  1. セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物に、酸化セリウムと、白金、パラジウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属を担持して成り、
    上記分散しているセリア基組成物と、上記担持した酸化セリウムとが接触ないしは結合していることを特徴とする排ガス浄化触媒。
  2. X線回折における酸化セリウムの(111)面ピークに対する(200)面ピーク、(311)面ピークの相対強度が、各々0.45〜0.5、0.35〜0.4であることを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化触媒。
  3. 上記耐火性無機酸化物が、アルミナ、チタニア、シリカ及びジルコニアから成る群より選ばれた少なくとも1種ものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス浄化触媒。
  4. 上記耐火性無機酸化物に分散しているセリア基組成物の結晶子径が3〜5nm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排ガス浄化触媒を製造するに当たり、
    セリア基組成物が分散した耐火性無機酸化物へ、濃度30〜70%のセリウム溶液を用いて更に酸化セリウムを含浸担持することを特徴とする排ガス浄化触媒の製造方法。
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