JP2004057794A - 留置チューブガイド装置 - Google Patents

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Masayuki Iwasaka
岩坂 誠之
Takeshi Nakagawa
中川 剛士
Yutaka Yanuma
矢沼 豊
Hiroaki Goto
後藤 広明
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Abstract

【課題】狭窄部にガイドワイヤやシースを導いた後、すぐに留置チューブを狭窄部に留置することができる留置チューブガイド装置を提供する。
【解決手段】ステント70と、このステント70内に先端部から挿通可能で、ステント70の手元側への移動を規制するプッシャーチューブ60を有するシース20と、このシース20の先端部近傍の外周部の一部にシース20の軸方向に沿って配設したナイフ部40とを備えている。そして、ステント70の先端部をナイフ部40の基端部よりも手元側に配設するとともに、プッシャーチューブ60によってステント70の基端部をシース20上の規制位置よりも先端側に配設してシース20を狭窄部に誘導し、ステント70を目的部位に配置した状態で、ナイフ部40をシース20の外周部に押し付けながらステント70をシース20の先端から抜き取るようにした。
【選択図】  図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、胆管内に溜まった胆汁等を排出する処置として、経内視鏡的に留置チューブとしてステントが用いられている。ステントは胆管の狭窄部に導かれて留置され、胆管に溜まった胆汁をステントの内腔を介して排液するようにして使用される。
【0003】
ステントは、例えば特許文献1に示すように、ポリエチレン、シリコーンゴム材などの樹脂材を素材とする比較的柔軟な中空パイプからなる。そして、両端近傍の外周部には抜去防止のための互いに向き合うフラップが設けられている。
【0004】
このようなステントを経内視鏡的に狭窄部に留置するための技術が例えば特許文献2に開示されている。この技術は、先端に伸縮部を有するバスケット型の鉗子を備え、基端にこの鉗子の操作部を備えている。バスケット型伸縮部とその操作部との間には、ガイドワイヤが配設されている。さらに、このガイドワイヤの周囲は、シースで覆われている。操作部はガイドワイヤに対して着脱可能となっている。また、操作部を取り外した後に、上述したシースの基端にさらに継用シースを装着可能となっている。この継用シースおよび上述したシースの外周には、ステントがスライド自在となっている。さらに、ステントの基端側には、ステントを鉗子のバスケット型伸縮部の方向に押すプッシャーチューブが継用シースおよび上述したシースに沿って配設されている。
【0005】
したがって、ステントを狭窄部に留置するには、まず、ガイドワイヤ(バスケット型伸縮部)および前側のシースを内視鏡のチャンネル内を通して体腔内に導入し、狭窄部の奥に導いておく。その後、操作部を取り外す。さらに、操作部を取り外した後に継用シースを装着し、この継用シースの外周にステントを配設する。さらにステントの基端に継用シースの外周にプッシャーチューブの先端を当接させる。そして、プッシャーチューブでステントを押圧して、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿入する。この後、さらにステントをプッシャーチューブを用いて押圧し、ガイドワイヤに沿ってステントを体内の狭窄部に挿入する。そして、ステントを狭窄部に配置した後、ガイドワイヤおよびシースを体腔(狭窄部)内から引き抜くことによって、ステントを留置するようになっている。
【0006】
【特許文献1】
実開昭63−20854号公報
【0007】
【特許文献2】
特開昭60−227771号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような技術では、ステントを体内の狭窄部に留置するには、鉗子の操作部を継用シースに付け替える必要がある。さらに、このシースに沿ってステントをスライドさせる際に、内視鏡のチャンネル挿通孔の導入部から導出部まで長さ全体にわたる長い距離をプッシャーチューブでステントを押し出す操作が必要になる。このため、手技が複雑で長時間化するおそれがあった。
【0009】
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、狭窄部にガイドワイヤやシースを導いた後、すぐに留置チューブを狭窄部に留置することができる留置チューブガイド装置を提供することを目的としている。
【0010】
また、狭窄部にガイドワイヤやシースを導いた後、狭窄部の長さに合った留置チューブをすぐに留置することができる留置チューブガイド装置を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であっては、内視鏡のチャンネル内に挿入可能な留置チューブの内腔に挿入可能なシースの先端部に有する生体組織処置部と、前記留置チューブをこの生体組織処置部よりも基端側で係脱可能に係止する係止部と、前記留置チューブの係止を解除して留置チューブを目的部位に留置する留置操作手段とを設けたことを特徴とする。
【0012】
また、内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であっては、先端部に生体組織処置部を有し、内視鏡のチャンネル内に挿入可能なシースと、このシースの基端部に配設され、前記生体組織処置部を操作するハンドルと、このハンドルの先端側に配置され、かつ、前記シースの外周をシースの軸方向に対して垂直な方向から着脱可能に覆うとともに、このシースの外周に沿って前記内視鏡のチャンネル内を摺動可能な留置チューブと、この留置チューブの基端部と前記シースの基端部との間に配置され、かつ、前記シースの外周をシースの軸方向に対して垂直な方向から着脱可能に覆いながら前記シースの外周に沿って前記留置チューブの基端部を押圧して内視鏡のチャンネル内をシースの先端部方向に摺動可能な細長い押圧部材とを備え、体腔内に留置する部位の長さに合わせて前記留置チューブの長さを選択して前記シースに装着可能としたことを特徴とする。
【0013】
また、内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であっては、先端部に生体組織処置部を有し、内視鏡のチャンネル内に挿入可能なシースと、このシースの基端部に配設され、前記生体組織処置部を操作するハンドルと、前記シースの外周を覆うようにこのハンドルの先端側に配置され、シースの外周に沿って前記内視鏡のチャンネル内を摺動可能で、その長さを任意に調節する長さ調節手段を有する留置チューブと、この留置チューブの基端部と前記シースの基端部との間に配置され、かつ、前記シースの外周をシースの軸方向に対して垂直な方向から着脱可能に覆いながら前記シースの外周に沿って前記留置チューブの基端部を押圧して前記内視鏡のチャンネル内をシースの先端部方向に摺動可能な細長い押圧部材とを備えていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施の形態について説明する。
【0015】
[第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態について図1ないし図5を用いて説明する。
【0016】
(構成)
図1(A)は、この実施の形態の内視鏡用留置チューブガイド装置(処置具装置)全体の概略構成を示すものである。図1(A)に示すように、内視鏡用留置チューブガイド装置10には、内視鏡のチャンネル内に挿通可能であり、かつ、体内に挿入可能な細長い挿入部12が設けられている。この挿入部12の基端部には、操作部14が連結されている。さらに、挿入部12の先端部には病変部の処置を行う処置部16が配設されている。
【0017】
また、図1(A)ないし図1(C)および図2に示すように、挿入部12には例えばプラスチック材などの電気絶縁材料によって形成された絶縁シース20が配設されている。この絶縁シース20は図1(C)ないし図1(E)および図2に示すように、シース本体内に2つの挿通孔(ルーメン)22,24が形成されてダブルルーメンチューブとなっている。さらに、図1(C)および図2に示すように、絶縁シース20の2つの挿通孔22,24のうちの一方の第1の挿通孔22内には導電性のナイフワイヤ26が挿入されている。他方の第2の挿通孔24内には先細テーパ状に形成されたガイドワイヤ30が挿入される。すなわち、ナイフワイヤ26とガイドワイヤ30とは互いに絶縁状態で絶縁シース20内に挿入される。
【0018】
また、図2に示すように、絶縁シース20の先端部近傍には前後2か所のワイヤ導出口34,36が設けられている。これらワイヤ導出口34,36は第1の挿通孔22に連通されている。ここで、絶縁シース20の第1の挿通孔22内に挿通されたナイフワイヤ26の先端部は、基端側のワイヤ導出口36から絶縁シース20の外部に導出されている。そして、先端側のワイヤ導出口34から再び絶縁シース20の第1の挿通孔22の内部に挿入されている。さらに、このナイフワイヤ26の先端部は、ワイヤ導出口34よりも先端側の挿通孔22内に例えばプラチナなどの材質のX線不透過パイプ38によって固定されている。なお、ナイフワイヤ26の先端部は、ワイヤ導出口34よりも基端側の挿通孔22内で固定されていても構わない。そして、前後2か所のワイヤ導出口34,36から絶縁シース20の外部に導出されているナイフワイヤ26の露出部分によって高周波切開用のパピロトミーナイフ(生体組織処置部)40が形成されている。
【0019】
一方、図1(A)に示すように、操作部14にはパピロトミーナイフ40を操作するナイフ操作部(ナイフ部操作手段)42を有する略Y字状の操作部本体44が設けられている。この操作部本体44には先端側に絶縁シース20の基端部に連結される共通連結部46aが突設されている。基端側には二股状に分岐された2つの分岐連結部46b,46cがそれぞれ突設されている。そして、共通連結部46aの管腔内に絶縁シース20の基端部が挿入された状態で連結されている。
【0020】
また、操作部本体44の一方の分岐連結部46bの基端部には上述したナイフ操作部42が連結されている。このナイフ操作部42には略直線状に延設されたスライダガイド部材48と、このスライダガイド部材48に沿ってスライド自在に装着されたスライダ50とが設けられている。
【0021】
ここで、スライダガイド部材48の先端部は分岐連結部46bの基端部に固定されている。さらに、このスライダガイド部材48の基端部には使用者の手指を挿入する手指挿入リング52が設けられている。
【0022】
また、スライダ50の外周面には導電性のプラグコネクタ54が突設されている。このプラグコネクタ54には高周波電流を供給する図示しない高周波発生装置の接続コードが着脱可能に接続されるようになっている。さらに、このプラグコネクタ54の内端部には導電性の操作パイプ(図示せず)の一端部が接続固定されている。なお、操作部本体44の分岐連結部46bおよびスライダガイド部材48には操作パイプを進退自在に挿通するパイプ挿通孔(図示せず)が形成されている。そして、絶縁シース20の第1の挿通孔22内に挿通されたナイフワイヤ26の基端部側は分岐連結部46bのパイプ挿通孔内を経て操作パイプの他端部に接続固定されている。
【0023】
なお、ナイフ操作部42は通常、スライダ50がスライダガイド部材48の略中央位置に移動した待機位置で保持される。この状態では挿入部12の先端部は図1(A)に示すように略真っ直ぐに直線状に伸ばされた状態で保持される。そして、スライダ50がスライダガイド部材48の基端側に移動する操作にともなって、ナイフワイヤ26が図1(C)および図2中で基端側(後方向)に引っ張り操作される。すると、このナイフワイヤ26を介して絶縁シース20の先端部が弓状に湾曲して図3に示すように弓の弦形状のパピロトミーナイフ40が形成される。
【0024】
さらに、図1(A)に示すように、操作部本体44の他方の分岐連結部46cの基端部にはコック56と、開口端部58とが設けられている。このコック56には、送液口金56aが設けられている。この送液口金56aには図示しないシリンジ、あるいは送液チューブ等の送液手段が連結され、造影剤等の薬液を絶縁シース20の挿通孔24を通じて体内に供給可能となっている。
【0025】
なお、絶縁シース20の第2の挿通孔24内は、ガイドワイヤ30の挿通や液体の注入のほか、生体組織処置部として図示しないニードル型の高周波ナイフなどが挿通されることもあり、多目的に使用可能となっている。
【0026】
さらに、この操作部本体44の共通連結部46aの先端には、プッシャーチューブ(押圧部材)60が絶縁シース20を覆うとともに、この絶縁シース20に沿って摺動可能に設けられている。このプッシャーチューブ60の基端部には、共通連結部46aの先端に当接する把持部62が設けられている。この把持部62は、共通連結部46aの先端に係止可能であることが好ましい。
【0027】
また、このプッシャーチューブ60の先端側には、絶縁シース20を覆うとともに、この絶縁シース20に沿って摺動可能で、胆汁を排出する留置チューブとしてステント70が配設されている。このステント70は、ポリエチレン、シリコーンゴム材などの樹脂材を素材とする比較的柔軟な中空パイプからなる。そして、その両端近傍の外周部には狭窄部からの抜去防止のために互いに向き合うフラップ72がステント70の内部方向から外方に向けて設けられている。これらフラップ72は、ステント70を形成するチューブ自体に切り込みを入れて設けられている。
【0028】
なお、プッシャーチューブ60は、把持部62が共通連結部46aに係止され、かつ、先端部がステント70の基端に当接される。また、プッシャーチューブ60の長さは、後述する内視鏡80の処置具挿通チャンネルの長さよりも長く形成されている。そして、この状態では、ステント70の先端部と絶縁シース20の先端部との間の長さが100mm以上となっている。すなわち、このようにして、プッシャーチューブ60の長さが規定される。また、このプッシャーチューブ60の先端はステント70の基端と当接するので、ステント70が絶縁シース20の基端側へ移動することを規制する移動規制手段となっている。すなわち、プッシャーチューブ60の先端は、ステント70の基端を係止する係止部となっている。また、ステント70の先端側への移動は、絶縁シース20の外周とステント70の内周との間の摩擦抵抗によって制御(規制)されている。すなわち、ステント70の基端がプッシャーチューブ60の先端に当接した位置から自動的には落下しないようになっている。このため、プッシャーチューブ60によってステント70の基端を押圧する作業を行うことによって、初めてステント70が移動するようになっている。したがって、絶縁シース20には、ステント70の先端側への移動を制御するとともに、基端側への移動を規制する移動制御手段を備えている。ところで、プッシャーチューブ60は、ステント70を目的部位(狭窄部)に留置する留置操作手段となっている。
【0029】
なお、この実施の形態の留置チューブガイド装置10は、図3および図4に示すように内視鏡80と組み合わせて使用される。図3に示すように、この内視鏡80には体内に挿入される細長い挿入部82の先端側に湾曲部84を介して先端構成部86が配設されている。この先端構成部86の外周面には図示しない処置具挿通チャンネルの先端開口部が形成され、この先端開口部の近傍位置に鉗子起上装置88が配設されている。
【0030】
(作用)
次に、十二指腸乳頭部H のような管腔部出口を留置チューブガイド装置10のパピロトミーナイフ40によって処置して切開する乳頭括約筋切開術に適用した例について説明する。続いて、乳頭部H からさらに奥の狭窄部H にステント70を留置する処置について説明する。すなわち、この処置の対象は、十二指腸乳頭部H のような管腔部出口である。なお、図3および図4中で、H は十二指腸、H は胆管である。
【0031】
そして、この実施の形態に係る留置チューブガイド装置10の使用時には、予め内視鏡80の挿入部82を十二指腸H 内に挿入する。このようにして、内視鏡80の湾曲部84の湾曲操作により内視鏡80の視野内に乳頭部H を捕らえておく。
【0032】
続いて、内視鏡80の挿入部82内の処置具挿通チャンネルに留置チューブガイド装置10の挿入部12を挿入する。この状態で、内視鏡挿入部82の先端構成部86に設けられた処置具挿通チャンネルの先端開口部から絶縁シース20の先端部を外部側に突出させる。そして、内視鏡80の鉗子起上装置88の操作や、湾曲部84の湾曲操作により、絶縁シース20の先端を乳頭部H に接近させる。
【0033】
この状態からガイドワイヤ30を絶縁シース20の先端部から導出する。そして、ガイドワイヤ30を乳頭部H 内に挿通させる。そして、ガイドワイヤ30を乳頭部H のさらに奥の胆管H を介して狭窄部H まで導入しておく。このとき、図5(A)に示すように、留置チューブガイド装置10において、プッシャーチューブ60の把持部62は共通連結部46aに係止された状態である。また、ステント70の基端部は、プッシャーチューブ60の先端部と当接した状態である。
【0034】
そして、図4(A)に示すように、ガイドワイヤ30を導入した位置に留めた状態でガイドワイヤ30を案内具として絶縁シース20を乳頭部H に挿通させる。さらに、図4(B)に示すように、絶縁シース20の先端部を狭窄部Hに挿通させておく。
【0035】
この後、図5(B)に示すように、プッシャーチューブ60の把持部62を持って絶縁シース20の先端方向にステント70を押圧して移動させる。そして、図4(B)に示すように、ステント70を乳頭部H を介して胆管H まで移動させる。さらに、図5(B)に示すように、パピロトミーナイフ40のナイフワイヤ26の上をステント70を移動させるときには、ステント70はナイフワイヤ26を絶縁シース20に押し付ける。すなわち、ステント70の内腔にナイフワイヤ26および絶縁シース20を通す。
【0036】
そして、図4(C)に示すように、ステント70をプッシャーチューブ60によって狭窄部H 内に押し込む。このステント70の先端側および基端側のフラップ72によって狭窄部H の外壁に係止され、ステント70が狭窄部H から外れないことを確認する。そして、図5(C)に示すように、プッシャーチューブ60とともに絶縁シース20およびガイドワイヤ30を狭窄部H 内から引き抜く。さらに、これらプッシャーチューブ60、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を内視鏡80の処置具挿通チャンネルから引き抜く。
【0037】
したがって、図4(D)に示すように、ステント70が狭窄部H に留置される。
【0038】
なお、ガイドワイヤ30は、絶縁シース20の先端部を狭窄部H 内に挿入した後に、引き抜いても構わない。
【0039】
(効果)
以上説明したように、ステント70の先端と絶縁シース20の先端部との間の長さは、100mm以上であり、乳頭括約筋切開術中は、ステント70とパピロトミーナイフ40とは干渉しないようになっている。すなわち、この実施の形態によれば、パピロトミーナイフ40の機能をそのまま維持しながらステント70を組み合わせて留置チューブガイド装置10として使用することができる。このため、簡便にステント70を所定の部位に留置することができる。
【0040】
また、1つのデバイス(留置チューブガイド装置10)で案内、切開、留置の機能を備えているので、コストを大きく減少させることができる。また、従来技術のような付け替え作業などを行わなくてもよく、手技時間を大きく減らすことができる。このため、患者への侵襲を低減させることができる。
【0041】
したがって、乳頭部H を切開した後、すぐにガイドワイヤ30を狭窄部H に導くことができる。このため、絶縁シース20を狭窄部H の奥まですぐに導くことができる。また、ステント70を乳頭部H の切開から時間を置かずにステント70を狭窄部H に留置することができる。
【0042】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について図6および図7を用いて説明する。この実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0043】
(構成)
図6に示すように、この実施の形態にかかる内視鏡用留置チューブガイド装置10の絶縁シース20の共通連結部46aには側孔90が設けられている。そして、この側孔90から共通連結部46aの内周面と絶縁シース20の外周面との間には、細径ワイヤ92が配設されている。この細径ワイヤ92の基端、すなわち側孔90から外方に出た端部には、例えばリング状の手持部94が形成されている。さらに、絶縁シース20の外周面とプッシャーチューブ60の内周面との間を通り、絶縁シース20の外周面とステント70の内周面との間に、細径ワイヤ92の先端が圧入されている。したがって、細径ワイヤ92は、絶縁シース20の外周面に沿って配設され、側孔90から外方にその先端部が出されている。また、細径ワイヤ92は、絶縁シース20とプッシャーチューブ60との間を摩擦により留めている。さらに、絶縁シース20とステント70との間を摩擦力により留めている。したがって、細径ワイヤ92は、ステント70の先端側および基端側への移動を制御する移動制御手段となっている。
【0044】
なお、図7(A)に示すように、細径ワイヤ92の先端は、例えば真直ぐに配設されている。図7(B)ないし図7(F)に示すように、この細径ワイヤ92の先端は、折り返されていたり、巻形状となっていたり、さらには、2本からなっていたりしても良い。すなわち、ステント70の内周面と絶縁シース20の外周面との接触面積を調整して、所望の摩擦抵抗を有するようになっている。また、細径ワイヤ92は、例えば少なくとも一部がステンレス、ニッケル、チタン合金、ポリアミド系合成繊維、液晶ポリマー、シルクなどの線状体のいずれかからなることが好適である。そして、その断面は、略矩形、略円径などでもよく、また先端に拡大部を設けたものでもよい。
【0045】
ところで、絶縁シース20とプッシャーチューブ60との間の摩擦抵抗は、絶縁シース20とステント70との間の摩擦抵抗に比べて小さいことが好ましい。
【0046】
(作用)
図4(A)に示すように、ガイドワイヤ30を導入した位置に留めたまま、ガイドワイヤ30を案内具として絶縁シース20を乳頭部H 内に挿通させる。さらに、図4(B)に示すように、絶縁シース20の先端部を狭窄部H に挿通させておく。
【0047】
この後、さらに絶縁シース20を狭窄部H に押し込む。そして、ステント70の先端から狭窄部H に導入する。このステント70を狭窄部H よりも奥側に押し込んでしまったとき、絶縁シース20を手元側に引っ張る。このとき、ステント70は細径ワイヤ92を介して絶縁シース20に摩擦力で係止しているため、所定の位置まで引き戻される。
【0048】
そして、このステント70がその先端側および基端側のフラップ72によって狭窄部H の外壁に係止され、外れないことを確認する。この後、プッシャーチューブ60の先端をステント70の基端に当接させた状態でプッシャーチューブ60の基端部に設けられた把持部62を保持して、ステント70の位置がずれないように維持しながら、細径ワイヤ92の基端に設けられた手持部94を手元側に引っ張り、細径ワイヤ92先端をステント70から抜去する。このとき、ステント70と絶縁シース20との間の摩擦力は小さくなり、ステント70は絶縁シースから離脱可能となる。
【0049】
そして、図5(C)に示すように、細径ワイヤ92およびプッシャーチューブ60とともに、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を狭窄部H 内から引き抜く。さらに、これらプッシャーチューブ60、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を内視鏡80の処置具挿通チャンネルから引き抜く。
したがって、図4(D)に示すように、ステント70が狭窄部H に留置される。
【0050】
(効果)
以上説明したように、ステント70を所定の留置位置よりも行き過ぎた位置まで導入してしまった場合などに、ステント70を所定の位置まで引き戻すことができる。したがって、ステント70をより確実に目的部位に留置することができる。
【0051】
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態について図8を用いて説明する。この実施の形態は第1および第2の実施の形態の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0052】
(構成)
図8に示すように、この実施の形態にかかる内視鏡用留置チューブガイド装置10の絶縁シース20は、処置部16の近傍に段差96を有する。この段差96から先端側、すなわち処置部16側が操作部14側よりも細径に絞って形成されている。また、この段差96には、ステント70の基端部が当接している。すなわち、この実施の形態では、段差96は、ステント70が手元側に移動することを規制する移動規制手段となっている。または、段差96はステント70の基端を係止する係止部となっている。
【0053】
したがって、この段差96は、ステント70の先端部と絶縁シースの先端部との間の長さが100mm以上となる位置に設けられている。
【0054】
(作用)
そして、図4(A)に示すように、ガイドワイヤ30を導入した位置に留めたまま、ガイドワイヤ30を案内具にして絶縁シース20を乳頭部H に挿通させる。さらに、図4(B)に示すように、絶縁シース20の先端部を胆管H を介して狭窄部H に挿通させておく。
【0055】
この後、絶縁シース20をさらに狭窄部H 内に押し込む。そして、ステント70の先端から狭窄部H 内に導入する。このステント70の先端側および基端側のフラップ72によって狭窄部H の外壁に係止され、ステント70が狭窄部H から外れないことを確認する。そして、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を狭窄部H 内から引き抜く。さらに、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を内視鏡80の処置具挿通チャンネルから引き抜く。このため、絶縁シース20は、留置操作手段となっている。
【0056】
したがって、図4(D)に示すように、ステント70が狭窄部H に留置される。
【0057】
(効果)
以上説明したように、絶縁シース20を狭窄部H の内部にまで押し入れて絶縁シース20を引き抜くだけでステント70を留置することができる。このため、複雑な操作を必要としない簡単な手技のみでステント70を留置することができる。
【0058】
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態について図9および図10を用いて説明する。この実施の形態は第1および第2の実施の形態の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0059】
(構成)
図9(A)は、内視鏡用留置チューブガイド装置の概略構成を示すものである。図9(A)に示すように、内視鏡留置チューブガイド装置100のシース20は、第1および第2の実施の形態と同様に、先端側に生体組織処置部として高周波切開用のパピロトミーナイフ(生体組織処置部)40が形成されている。なお、このシース20は、X線が照射されても透過しない(観察される)部分を有する造影カテーテルや、造影機能を有することが好ましい。
【0060】
図9(B)に示すように、この実施の形態にかかるステント170は、第1ないし第3の実施の形態にかかるステント70と同様に円筒状に形成され、フラップ72を有する。また、このステント170は、絶縁シース20の長手方向に沿った方向に切り込み(スリット)が入れられている。そして、切り込み部分を開いて絶縁シース20の外周を着脱可能に覆うことができるようになっている。また、このステント170は、様々な長さのものが形成されている(用意されている)ことが好適である。さらに、ステント170を押圧するプッシャーチューブ(押圧部材)160は、ステント170と同様に、絶縁シース20の長手方向に沿った方向に切り込み(スリット)が入れられている。そして、プッシャーチューブ160の先端部をステント170の基端部に当接させてこのステント170を先端側に押出すとともに、絶縁シース20の外周を次第に覆うことができるようになっている。
【0061】
なお、図10(A)および図10(B)に示すように、絶縁シース20にはプッシャーチューブ装着パイプ162が予め配設されていることが好適である。このプッシャーチューブ装着パイプ162は、先端側が絶縁シース20に沿って円筒状に形成され、基端側がプッシャーチューブ160を受け入れ易いように基端側に向かって略楕円形状に拡径されている。したがって、図10(C)および図10(D)に示すように、プッシャーチューブ装着パイプ162を絶縁シース20に適当に配置した状態でプッシャーチューブ装着パイプ162の基端側からプッシャーチューブ160を挿入すると、プッシャーチューブ160はプッシャーチューブ装着パイプ162にガイドされ、徐々に絶縁シース20に押し付けられる。そうすると、プッシャーチューブ160上のスリットが開いて絶縁シース20に装着され始め、図10(E)ないし図10(G)に示すように、装着パイプ162の先端側から絶縁シース20に完全に装着された状態で出てくる。このようにして、プッシャーチューブ160を絶縁シース20に容易に装着することができる。
【0062】
(作用)
図4(A)に示すように、ガイドワイヤ30を導入した位置に留めたまま、ガイドワイヤ30を案内具として絶縁シース20を乳頭部H 内に挿通させる。さらに、図4(B)に示すように、絶縁シース20の先端部を狭窄部H に挿通させておく。
【0063】
この後、送液口金56aから造影剤を導入し、絶縁シース20の挿通孔24を通じて狭窄部H 近傍に塗布する。そして、X線を用いて狭窄部H の長さを測定する。
【0064】
この狭窄部H の測定長さに合ったステント170を選択して、絶縁シース20の外周に選択したステント170を摺動可能に装着する。さらに、このステント170の基端部側でプッシャーチューブ160の先端部からステント170と同様に、絶縁シース20の外周を覆っていく。そして、ステント170の基端部とプッシャーチューブ160の先端部とを当接させながらプッシャーチューブ160を絶縁シース20の外周に次第に覆っていく。すると、このプッシャーチューブ160は、絶縁シース20の先端部方向にステント170を押圧しながら内視鏡80のチャンネル内を通して図4(B)および図4(C)に示すように、ステント170を狭窄部H まで導く。
【0065】
このステント170の先端側および基端側のフラップ72によって狭窄部Hの外壁に係止され、ステント70が狭窄部H から外れ難くなっていることを確認する。そして、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を狭窄部H 内から引き抜く。さらに、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を内視鏡80の処置具挿通チャンネルから引き抜く。
【0066】
したがって、図4(D)に示すように、狭窄部H の長さに合ったステント170がこの狭窄部H に留置される。
【0067】
(効果)
以上説明したように、この実施の形態に係る留置チューブガイド装置100では、狭窄部H の長さに合わせてステント170を選択して留置することができる。したがって、狭窄部H 内に確実に胆汁などの導出路を確保することができる。また、ステント170およびプッシャーチューブ160を絶縁シース20に容易に着脱できるので、手技時間の短縮を図ることができる。
【0068】
なお、この実施の形態にかかるステント170は、上述した形状に限ることはない。例えば、図11(A)に示すようにシート状に形成されたステント172を図11(B)に示すように端部近傍が重なり合うように成形してステントを用いても良い。
【0069】
また、ステント170は、図11(C)に示すように筒状のステントに螺旋状にスリット174が切り込まれてコイル状に形成されていても良い。
【0070】
さらに、図12(A)に示すように、絶縁シース20の長手方向に沿って切り込み(スリット)を入れた内側ステント170aの外側(符号176で示す)に接着剤を塗布する。そして、図12(B)に示すように、フラップ72を有する外側ステント170bの内側(符号178で示す)に接着剤を塗布し、内側ステント170aの外側と、外側ステント170bの内側とが接着される。図12(C)および図12(D)に示すように、絶縁シース20の長手方向に沿った内側ステント170aの切り込みが外側ステント170bによって覆われて、内側ステント170aのつなぎ目が塞がれる。このようにして繋ぎ目のないステント170が形成されていても良い。
【0071】
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態について図13を用いて説明する。この実施の形態は第1ないし第4の実施の形態の変形例であり、同一の部材には同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
【0072】
(構成)
図13(A)は、内視鏡用留置チューブガイド装置100の概略構成を示すものである。
【0073】
この実施の形態では、絶縁シース20の外周には、ステント70の長さ調節手段として、互いに長さが異なる複数のチューブ状のステント70a,70b,70cが配設されている。これらのステント70a,70b,70cは、軸方向に沿って容易に裂けることが好ましい。さらに、これらのステント70a,70b,70cの外周は、1つの保護チューブ130で覆われていることが好ましい。また、この保護チューブ130の先端側、すなわち最も先端側のステント70aのさらに先端側には、先端が細く形成され、基端が膨らんだステント挿入チューブ132が絶縁シース20に沿って配設されている。このステント挿入チューブ113は、内視鏡80のチャンネルの入口でフラップ72が反り返ったりすることを防止する。
【0074】
なお、保護チューブ130は、複数のステント70間の隙間で絶縁シース20が折れるのを防止する。また、図13(B)に示すように、長手方向に沿って1対のミシン目130aが入れられている。このミシン目130aで挟まれた帯状部材の先端部には、タグ130bが形成されて、ステント70の外周から容易に取外し可能となっている。
【0075】
さらに、図13(C)に示すように、絶縁シース20の基端部(後端部)近傍には、複数の糸140が適当な間隔に留められている。これらの糸140は、それぞれのステント70の先端側から導出され、基端側に向かって延びている。これらの糸140を操作部14の方向に引くと、ステント70a,70b,70cを長手方向に切断するナイフとしての機能を有する。なお、これらの糸140には、絶縁シース20に留められた位置に対して反対側の端部に結び目140aが形成されて持ちやすくなっていることが好適である。
【0076】
(作用)
図4(A)に示すように、ガイドワイヤ30を導入した位置に留めたまま、ガイドワイヤ30を案内具として絶縁シース20を乳頭部H 内に挿通させる。さらに、図4(B)に示すように、絶縁シース20の先端部を狭窄部H に挿通させておく。
【0077】
この後、送液口金56aから造影剤が絶縁シース20の挿通孔24を通じて狭窄部H 近傍に塗布される。そして、X線を用いて狭窄部H の長さを測定する。
【0078】
この狭窄部H の測定長さに合ったステント、例えばステント70aを選択する。使用しないステント70b,70cは、それらのステント70b,70cに対応する糸140を絶縁シース20の基端部(後端部)方向に引っ張る。そして、ステント70b,70cを長手方向に切断して絶縁シース20から取り除いておく。なお、残りの糸140を切断してステント70aの先端側から取り除いておく。すなわち、使用するステント70aは、長手方向に切断せずに残しておく。
【0079】
そして、ステント70aの基端部とプッシャーチューブ160の先端部とを当接させながらプッシャーチューブ160を絶縁シース20の外周に覆っていく。すると、ステント挿入チューブ132が内視鏡80のチャンネル入口に引っ掛けられる。このステント挿入チューブ132によって、内視鏡80のチャンネル内にステント70aの両フラップ72が閉じた状態で導入される。ステント70a(フラップ72)はこの状態を維持して、プッシャーチューブ160によって絶縁シース20に沿って先端部方向にステント70aを押圧される。プッシャーチューブ160は、絶縁シース20の先端部方向にステント70aを押圧しながら内視鏡80のチャンネル内を通して図4(B)および図4(C)に示すように、ステント70aを狭窄部H まで導く。
【0080】
このステント70aの先端側および基端側のフラップ72によって狭窄部Hの外壁に係止される。ステント70aが狭窄部H から外れないことを確認する。そして、このステント70aを残して絶縁シース20およびガイドワイヤ30を狭窄部H 内から引き抜く。さらに、絶縁シース20およびガイドワイヤ30を内視鏡80の処置具挿通チャンネルから引き抜く。このため、絶縁シース20は、留置操作手段となっている。
【0081】
したがって、図4(D)に示すように、ステント70aが狭窄部H に留置される。
【0082】
(効果)
以上説明したように、この実施の形態に係る留置チューブガイド装置100では、狭窄部H の長さに合わせてステント70aを選択して留置することができる。したがって、狭窄部H の長さに合ったステント70aを確実に留置させることができる。また、複数のステント70a,70b,70cが予め絶縁シース20の外周に配設され、これらのうちから使用するステント70aを選択すれば良く、さらにプッシャーチューブ160を容易に着脱できるので、手技時間の短縮を図ることができる。
【0083】
なお、図14に示すように、糸140を使用する代わりに、例えばSUS材製パイプ140を絶縁シース20の外周に配置しても良い。このパイプ140の外周に長さ調節手段として長さの異なる複数のステント70a,70b,70cが配設されていても構わない。このようにすると、使用しないいずれかのステント70をステント70の外周側からカッターナイフ142などを用いて取り外すことができる。
【0084】
また、この実施の形態に係る留置チューブとしては、図15に示すように形成されたステント150であっても良い。すなわち、このステント150は、長さ調節手段として周方向に複数の窪み(切れ目)152が形成され、所望の位置の窪み152を切断して所望の長さにして狭窄部H に留置することができる。
【0085】
なお、上述した第1ないし第5の実施の形態では、生体組織処置具として、パピロトミーナイフ40を用いて説明したが、例えば、図16に示すように、絶縁シース20に以下に挙げる処置具を挿通させても良い。生体組織処置具としては、例えばバスケット型鉗子などの把持鉗子類(図16(A)参照)、バルーンカテーテル(図16(B)参照)、細胞診ブラシ(図16(C)参照)、プリカッティングナイフ(図16(D)参照)などでも構わない。また、処置部を先端に備えていない造影カテーテル(図16(E)参照)などでも構わない。すなわち、ステント70,170の内腔がこれら処置具の処置部を通すことができるものであれば、上述した実施の形態と同様に使用することができる。
【0086】
また、これらの実施の形態では、留置チューブとしてフラップ72を有するステントを用いて説明したが、ピッグテール状のものなど、係止することができるものであれば、形状はこれらに限るものではない。
【0087】
これまで、いくつかの実施の形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。
【0088】
上記説明によれば、下記の事項の発明が得られる。また、各項の組み合わせも可能である。
【0089】
[付記]
(付記項1) 内視鏡と組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であって、
内視鏡のチャンネル内に挿入可能な留置チューブの内腔に挿入可能なシースの先端部に有する生体組織処置部と、
前記留置チューブをこの生体組織処置部よりも基端側で係脱可能に係止する係止部と、
前記留置チューブの係止を解除して留置チューブを目的部位に留置する留置操作手段と
を設けたことを特徴とする留置チューブガイド装置。
【0090】
(付記項2) 前記係止部は、前記留置チューブの基端側でかつ、前記シースの周囲を覆うプッシャーチューブであることを特徴とする付記項1に記載の留置チューブガイド装置。
【0091】
(付記項3) 前記係止部は、前記シースに前記生体組織処置部を有する径よりも太径の太径部を有することを特徴とする付記項1に記載の留置チューブガイド装置。
【0092】
(付記項4) 前記太径部は、前記シースに前記生体組織処置部を有する径との間に段差を有することを特徴とする付記項3に記載の留置チューブガイド装置。
【0093】
(付記項5) 前記係止部は、前記シースと留置チューブとの間の摩擦抵抗を有して、前記留置チューブを所定の位置に留めていることを特徴とする付記項1ないし付記項4のいずれか1に記載の留置チューブガイド装置。
【0094】
(付記項6) 前記係止部は、前記シースと前記留置チューブとの間に設けて摩擦抵抗を生じる抵抗手段からなり、手元側の操作で摩擦抵抗を解除することを可能としたことを特徴とする付記項1ないし付記項4のいずれか1に記載の留置チューブガイド装置。
【0095】
(付記項7) 前記抵抗手段は、細径ワイヤからなることを特徴とする付記項6に記載の留置チューブガイド装置。
【0096】
(付記項8) 前記留置チューブの先端部と前記シースの先端部との間の距離は、少なくとも100mmであることを特徴とする付記項1ないし付記項7のいずれか1に記載の留置チューブガイド装置。
【0097】
(付記項9) 前記生体組織処置部は、パピロトミーナイフであることを特徴とする付記項1に記載の留置チューブガイド装置。
【0098】
(付記項10) 前記生体組織処置部は、把持鉗子類、細胞診ブラシ、プリカッティングナイフ、造影チューブであることを特徴とする付記項1に記載の留置チューブガイド装置。
【0099】
(付記項11) 内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であって、
先端部に生体組織処置部を有し、内視鏡のチャンネル内に挿入可能なシースと、
このシースの基端部に配設され、前記生体組織処置部を操作するハンドルと、このハンドルの先端側に配置され、かつ、前記シースの外周を着脱可能に覆うとともに、このシースの外周に沿って前記内視鏡のチャンネル内を摺動可能な留置チューブと、
この留置チューブの基端部と前記シースの基端部との間に配置され、かつ、前記シースの外周を着脱可能に覆いながら前記シースの外周に沿って前記留置チューブの基端部を押圧して内視鏡のチャンネル内をシースの先端部方向に摺動可能な細長いプッシャーチューブと、
を備え、体腔内に留置する部位の長さに合わせて前記留置チューブの長さを選択して前記シースに装着可能としたことを特徴とする留置チューブガイド装置。
【0100】
(付記項12) 前記留置チューブは、前記シースの長手方向に沿って切り込みを有することを特徴とする付記項11に記載の留置チューブガイド装置。
【0101】
(付記項13) 前記留置チューブは、コイル状に形成されていることを特徴とする付記項11に記載の留置チューブガイド装置。
【0102】
(付記項14) 前記留置チューブは、前記シースの長手方向に沿って切り込みが設けられている第1のチューブと、この第1のチューブの切り込みを覆う第2のチューブとを有することを特徴とする付記項11に記載の留置チューブガイド装置。
【0103】
(付記項15) 内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であって、
内視鏡のチャンネル内に挿入可能なシースと、
このシースの基端部に配設されたハンドルと、
前記シースの外周を覆うようにこのハンドルの先端側に配置され、シースの外周に沿って前記内視鏡のチャンネル内を摺動可能で、その長さを任意に調節する長さ調節手段を有する留置チューブと、
前記シースの基端部とこの留置チューブの基端部との間に配置され、かつ、前記シースの外周を着脱可能に覆い、シースの外周に沿って前記留置チューブの基端部を押圧しながら前記内視鏡のチャンネル内をシースの先端部方向に摺動可能なプッシャーチューブと、
を備えていることを特徴とする留置チューブガイド装置。
【0104】
(付記項16) 前記長さ調節手段は、予め配設された複数の留置チューブの中から適切な一本を選択することを特徴とする付記項15に記載の留置チューブガイド装置。
【0105】
(付記項17) 前記シースは、前記留置チューブを前記シースの軸方向に切断して取り除く除去手段を有することを特徴とする付記項16に記載の留置チューブガイド装置。
【0106】
(付記項18) 前記留置チューブは、シースの一部を覆うパイプ上部材上に配設されることを特徴とする付記項15に記載の留置チューブガイド装置。
【0107】
(付記項19) 前記留置チューブは、径方向に切れ目を有することを特徴とする付記項15に記載の留置チューブガイド装置。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、狭窄部にガイドワイヤやシースを導いた後、すぐに留置チューブを狭窄部に留置することができる留置チューブガイド装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかり、(A)は内視鏡用留置チューブガイド装置を示す概略図、(B)は(A)の先端部近傍の拡大図、(C)は(B)の一部を示す概略的な断面図、(D)は(A)のD−D線に沿った断面図、(E)は(A)のE−E線に沿った断面図。
【図2】図1(B)の挿入部の先端部近傍の概略的な断面図。
【図3】乳頭部をパピロトミーナイフで切開する状態を示す概略図。
【図4】(A)は乳頭部からガイドワイヤおよび絶縁シースを挿入した状態を示す概略図、(B)は(A)からさらにステントを乳頭部から挿入した状態を示す概略図、(C)は(B)からさらにステントを狭窄部に配置した状態を示す概略図、(D)はステントを留置した状態を示す概略図。
【図5】(A)はステントを狭窄部に留置する操作前の状態を示す内視鏡用処置装置の概略図、(B)はステントを留置するときの状態を示す概略図、(C)はステントを留置後、留置チューブガイド装置を引き抜いた状態を示す概略図。
【図6】第2の実施の形態にかかり、(A)は内視鏡用留置チューブガイド装置を示す概略図、(B)は(A)の先端部近傍の拡大図、(C)は(B)の一部を示す概略的な断面図。
【図7】(A)はステントとシースとの間に配設した細径ワイヤの先端形状を示す概略図、(B)ないし(F)は(A)の変形例。
【図8】第3の実施の形態にかかり、(A)は内視鏡用留置チューブガイド装置を示す概略図、(B)は(A)の先端部近傍の拡大図、(C)は(B)の一部を示す概略的な断面図。
【図9】第4の実施の形態にかかり、(A)は内視鏡用留置チューブガイド装置を示す概略図、(B)は(A)の共通連結部近傍の拡大図。
【図10】(A)は絶縁シースに装着したプッシャーチューブ装着パイプを示す概略図、(B)は(A)の縦断面図、(C)はプッシャーチューブ装着パイプにプッシャーチューブを押し込んだ状態を示す概略的な縦断面図、(D)は(C)の10C−10C線に沿う断面図、(E)は絶縁シースに装着したプッシャーチューブ装着パイプを示す概略図、(F)はプッシャーチューブ装着パイプに(C)の状態からさらにプッシャーチューブを押し込んだ状態を示す概略的な部分縦断面図、(G)は(F)に示す10F−10F線に沿う断面図。
【図11】(A)はステントが形成されるシート状部材を示す概略図、(B)は(A)に示すシート状部材を用いて1つの対向する端部同士を重ね合わせて作成したステントを示す概略図、(C)は(B)の変形例。
【図12】(A)は内ステントを示す概略図、(B)は外ステントを示す概略図、(C)は絶縁シースに内ステントを配設した状態を示す概略図、(D)は(C)の状態からさらに外ステントを配設した状態を示す概略図。
【図13】第5の実施の形態にかかり、(A)は内視鏡用留置チューブガイド装置を示す概略図、(B)は保護チューブの概略図、(C)は(A)の共通連結部近傍の概略図。
【図14】図13(A)に示すステントの変形例。
【図15】図13(A)に示すステントの変形例。
【図16】(A)はバスケット型把持鉗子を、(B)はバルーンカテーテルを、(C)は細胞診ブラシを、(D)はプリカッティングナイフを、(E)は造影カテーテルをそれぞれ示す概略図。
【符号の説明】
10…内視鏡用留置チューブガイド装置、12…挿入部、14…操作部、16…処置部、20…絶縁シース、22,24…挿通孔、30…ガイドワイヤ、34,36…ワイヤ導出口、40…パピロトミーナイフ、60…プッシャーチューブ、62…把持部、70…ステント、72…フラップ、80…内視鏡、H…十二指腸乳頭部、H…十二指腸、H…胆管、H…狭窄部

Claims (3)

  1. 内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であって、
    内視鏡のチャンネル内に挿入可能な留置チューブの内腔に挿入可能なシースの先端部に有する生体組織処置部と、
    前記留置チューブをこの生体組織処置部よりも基端側で係脱可能に係止する係止部と、
    前記留置チューブの係止を解除して留置チューブを目的部位に留置する留置操作手段と
    を設けたことを特徴とする留置チューブガイド装置。
  2. 内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であって、
    先端部に生体組織処置部を有し、内視鏡のチャンネル内に挿入可能なシースと、
    このシースの基端部に配設され、前記生体組織処置部を操作するハンドルと、このハンドルの先端側に配置され、かつ、前記シースの外周をシースの軸方向に対して垂直な方向から着脱可能に覆うとともに、このシースの外周に沿って前記内視鏡のチャンネル内を摺動可能な留置チューブと、
    この留置チューブの基端部と前記シースの基端部との間に配置され、かつ、前記シースの外周をシースの軸方向に対して垂直な方向から着脱可能に覆いながら前記シースの外周に沿って前記留置チューブの基端部を押圧して内視鏡のチャンネル内をシースの先端部方向に摺動可能な細長い押圧部材と
    を備え、体腔内に留置する部位の長さに合わせて前記留置チューブの長さを選択して前記シースに装着可能としたことを特徴とする留置チューブガイド装置。
  3. 内視鏡に組み合わせて使用する留置チューブガイド装置であって、
    先端部に生体組織処置部を有し、内視鏡のチャンネル内に挿入可能なシースと、
    このシースの基端部に配設され、前記生体組織処置部を操作するハンドルと、前記シースの外周を覆うようにこのハンドルの先端側に配置され、シースの外周に沿って前記内視鏡のチャンネル内を摺動可能で、その長さを任意に調節する長さ調節手段を有する留置チューブと、
    この留置チューブの基端部と前記シースの基端部との間に配置され、かつ、前記シースの外周をシースの軸方向に対して垂直な方向から着脱可能に覆いながら前記シースの外周に沿って前記留置チューブの基端部を押圧して前記内視鏡のチャンネル内をシースの先端部方向に摺動可能な細長い押圧部材と
    を備えていることを特徴とする留置チューブガイド装置。
JP2002308641A 2002-06-07 2002-10-23 留置チューブガイド装置 Withdrawn JP2004057794A (ja)

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