JP2004056503A - コンテンツ記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】音楽データや映像データ等のコンテンツを再生・出力しながら、再生・出力中のコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録する。
【解決手段】ヘッドホン部30は、リモコン部31から再生指示がなされた場合、装置本体54から出力される音楽データのアナログ再生信号をスピーカ1,3に出力しながら圧縮し暗号化してメモリカード2に記録し、その記録開始からその音楽データの曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体34から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされた場合、その曲をメモリカード2へ記録完了した後、その曲を暗号化したときの暗号鍵をメモリカード2に記録し、再生を開始してからその曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体34から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされなかった場合、メモリカード2に記録したその曲のデータを削除する。
【選択図】 図2
【解決手段】ヘッドホン部30は、リモコン部31から再生指示がなされた場合、装置本体54から出力される音楽データのアナログ再生信号をスピーカ1,3に出力しながら圧縮し暗号化してメモリカード2に記録し、その記録開始からその音楽データの曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体34から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされた場合、その曲をメモリカード2へ記録完了した後、その曲を暗号化したときの暗号鍵をメモリカード2に記録し、再生を開始してからその曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体34から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされなかった場合、メモリカード2に記録したその曲のデータを削除する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽データや映像データ等のコンテンツを記録し再生する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体技術の進歩により、大容量のメモリカードが登場し、長い時間の音楽情報を圧縮して記録することができるようになってきた。例えば、64MバイトのメモリカードにMP3(MPEG−1 Audio Layer−3)により圧縮して記録すると、約1時間分の音楽データを記録することができる。最近では、512Mバイトのメモリカードも市販されており、将来的には1枚のメモリカードに数百曲分の音楽データを記録できるようになると予測されている。このようなメモリカードに音楽データを記録するときには、パーソナルコンピュータにメモリカードの書き込み装置(メモリカード・ライター)を接続して書き込むのが一般的である。
【0003】
一方、CD(Compact Disc)やMD(Mini Disc)等の記録媒体に記録された音楽データを再生するための再生装置(CDプレーヤーやMDプレーヤー等)には、ワイヤを介してリモコン(遠隔操作装置)やヘッドホンが接続されている。このようなリモコンには、何曲目の何分何秒を再生しているかを表示する機能が備えられており、CDやMD等に音楽データと共に記録されているサブコード情報を再生時に読み出してリモコンに送ることで表示可能にしている。
【0004】
同様に、FM文字多重放送(FM Multiplex Telecasting)においては、オンエア中の曲のタイトルや演奏者等の情報を文字多重データとして放送することが行われており、FM文字多重放送の受信機はこの文字多重データを受信し復号して、オンエア中の曲のタイトル等を受信機の表示部に表示させることができる。
【0005】
さらに、テレビやラジオのデジタル放送においても、オンエア中の曲や映像のタイトル等の情報をデータ放送により配信し、受信機側に表示させることができるようになっており、このようなデータ放送は衛星放送のみならず、地上波デジタル放送としても近い将来サービスが開始される予定である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パーソナルコンピュータにメモリカード・ライターを接続し、メモリカードに音楽情報等を書き込む際には、ユーザーが予め記録の準備をし、記録したい曲の再生前に記録指示をするような仕組みになっており、曲を聴いている途中で急に思い立って、その再生中の曲を録音するといったことはできなかった。つまり、再生中の曲を記録したい場合には、その曲の先頭に遡って改めて録音する必要があった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、音楽データや映像データ等のコンテンツを再生しスピーカ等に出力しながら、そのコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録することができるコンテンツ記録再生装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるコンテンツ記録再生装置は、コンテンツを再生したアナログ再生信号と、前記コンテンツの切れ目を認識させるための区切り信号とを出力する装置本体と、前記装置本体と接続され、前記装置本体を制御するための操作手段を有するリモコン部と、前記リモコン部及び前記装置本体と接続され、前記装置本体から出力される前記アナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録媒体に記録する記録手段と、前記装置本体から出力される前記アナログ再生信号あるいは前記記録媒体に記録されたコンテンツを復号し伸張して得た再生信号をスピーカより出力する出力手段とを有する再生部とからなり、前記記録媒体は、前記アナログ再生信号を圧縮し暗号化してコンテンツとして記録するユーザーファイルシステム領域と、当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を暗号化して記録するプロテクテッドファイルシステム領域とを含み、前記ユーザーファイルシステム領域と前記プロテクテッドファイルシステム領域はそれぞれ、ファイルの蓄積位置や位置の連なりを示すファイル管理情報を記録するファイル管理領域とファイルの実データを記録するデータ領域とを有し、前記ユーザーファイルシステム領域に記録された前記コンテンツは前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録された当該コンテンツの暗号化時に使用した前記暗号鍵を用いて復号されることで再生可能となり、前記再生部は、前記リモコン部から前記装置本体に再生指示がなされた場合、その再生指示に応じて前記装置本体から出力される前記コンテンツを再生したアナログ再生信号を前記出力手段から出力しながら、当該アナログ再生信号を圧縮し暗号化して前記記録媒体の前記ユーザーファイルシステム領域に記録し、その記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間に前記リモコン部から記録指示がなされた場合、当該コンテンツの前記ユーザーファイルシステム領域への記録完了後、当該コンテンツの前記暗号化時に使用した暗号鍵を前記記録媒体の前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録し、前記記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間に前記リモコン部から記録指示がなされなかった場合、前記記録媒体の前記ユーザーファイルシステム領域に記録した当該コンテンツを前記ユーザーファイルシステム領域から削除することを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、再生部は、装置本体から出力されるコンテンツを再生したアナログ再生信号を出力手段に出力しながら、当該アナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録媒体のユーザーファイルシステム領域に常に記録し、その記録途中でリモコン部から当該コンテンツの記録指示がなされた場合には、当該コンテンツはそのままユーザーファイルシステム領域に記録し続け、当該コンテンツのユーザーファイルシステム領域への記録完了後、当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を暗号化して前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録する。これにより、記録媒体のユーザーファイルシステム領域に記録されたコンテンツは、プロテクテッドファイルシステム領域に記録された当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を用いて復号されることで再生可能となる。従って、コンテンツを出力手段に出力している途中においても、その出力中のコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録し、記録したコンテンツを後から再生・出力することができる。
【0010】
一方、当該コンテンツのユーザーファイルシステム領域への記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間にリモコン部から記録指示がなされなかった場合、前記ユーザーファイルシステム領域に記録した当該コンテンツを前記ユーザーファイルシステム領域から削除する。
【0011】
ここで、「コンテンツ」とは、音楽データや映像データ等をデジタルまたはアナログ信号化したものをいう。「再生部」は、音楽データを再生し出力する場合には音声信号を音に変えるスピーカ等を有するヘッドホンなどの音響装置であり、映像データを再生し出力する場合には映像信号を表示出力する表示装置である。「出力手段」は、音楽データを出力する場合にはスピーカであり、映像データを出力する場合には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイである。
【0012】
また、「記録媒体」は、メモリカードやMD等の磁気的記録媒体や、CD等の光学的記録媒体などが含まれる。
【0013】
コンテンツの切れ目を認識するための「区切り信号」は、例えば音楽データの場合には、CDやMDに記録されている音楽データの曲の切れ目を認識するサブコード、FM文字多重放送における文字多重データ、デジタル放送における識別子情報などによる。また、コンテンツが、例えば、VHS方式のビデオデータの場合には、テープに記録された頭出し用の信号であるVISS(VHS Index Search System)信号を、区切り信号としても良い。このように、区切り信号はアナログ再生信号に付随する曲の切れ目の情報をデジタル的に出力できる手段がある装置であれば、どのような信号でも良い。
【0014】
また、「圧縮」とは、高能率符号化を目的とした音楽データや映像データの圧縮符号化をいい、「伸張」とは、圧縮された音楽データや映像データの圧縮を解くこと(復元すること)をいう。「暗号化」とは、コピープロテクション等を目的とした公開鍵暗号方式や秘密鍵暗号方式等によるデータの暗号化をいい、「復号」とは暗号化されたデータを、暗号鍵を用いて復号すること(暗号を解くこと)をいう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を参照しながら、本発明の実施の形態について詳しく説明する。尚、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の参照符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0016】
本発明に係るコンテンツ記録再生装置は、例えば図1に示すようなオーディオ装置に適用することができる。
【0017】
[オーディオ装置の構成]
図1に示すように、本実施形態におけるオーディオ装置は、ヘッドホン部30,リモコン部31,装置本体54等を備え、CDプレーヤあるいはMDプレーヤ、もしくはFM文字多重放送受信機あるいはデジタル放送受信機として構成される。
【0018】
装置本体54のジャック55にリモコン部31の入力プラグ4を接続することで、装置本体54とリモコン部31とはケーブル33を介して接続され、リモコン部31とヘッドホン部30とはケーブル32を介して接続される。
【0019】
リモコン部31は、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示パネル63や、装置本体54及びヘッドホン部30を制御するための操作部であるスイッチ66を有する。尚、表示パネルに用いられる表示素子はLCDに限らず、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等、他の表示素子でも良い。
【0020】
ヘッドホン部30は、左耳用のスピーカ部3,右耳用のスピーカ部1を有し、右耳用のスピーカ部1には、操作用のスイッチ5と、装置本体54から出力されるアナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録するためのメモリカード2を装着するメモリカードI/F13を有する。スピーカ部1、3は、装置本体54から出力されるアナログ再生信号あるいはメモリカード2に記録された音楽データを出力する出力手段である。
【0021】
装置本体54は、音楽データを再生したアナログ再生信号と、それに付随する曲の切れ目を認識させるための区切り信号とを、ケーブル33、32を介してリモコン部31とヘッドホン部30に出力する。区切り信号はリモコン部31で別の区切り信号に変換されることがある。例えば装置本体54からリモコン部31に対しては、曲の再生中に常時通知されるCDのサブコード情報の様な曲の番号と再生時間であって、曲の番号が変わったことにより区切り信号と認識できるようになっている。一方、リモコン部31からヘッドホン部30に対しては、実際に曲が変わったときだけに出力されるシリアル信号上の特定のコマンド列であっても良い。つまり、区切り信号の中身のデータや伝達の形態は問わないが、曲が変化したことが通知できれば良い。
【0022】
本オーディオ装置がCDプレーヤあるいはMDプレーヤとして構成される場合には、CDやMD等の記録媒体に音楽データと共に記録されているサブコード情報を取得し、それをアナログ再生信号と共にデジタル出力することで、ヘッドホン部30及びリモコン部31では曲の切れ目を認識することができ、また、リモコン部31のLCD表示パネル63にその曲のタイトルや経過時間等を表示することができる。本オーディオ装置がFM文字多重放送あるいはデジタル放送として構成される場合にも、オンエア中の曲のタイトル情報等をデータとして受信することができ、受信したデータに基づいて区切り信号をケーブル33、32を介してリモコン部31とヘッドホン部30に出力する。具体的には、曲のタイトルが変わった、あるいはタイトルがなくなった、もしくはタイトルがない状態からある状態に変化した等の状況変化をトリガーとして、曲の切れ目である区切り信号を出力することができる。
【0023】
ヘッドホン部30は、このあと詳述するが、リモコン部31から再生指示がなされた場合、その再生指示に応じて装置本体54から出力される音楽データのアナログ再生信号をスピーカ部1,3から出力しながら、当該アナログ再生信号をデジタル信号に変換(サンプリング、量子化)し、圧縮し暗号化してメモリカード2に記録し、その記録を開始してからその曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体54から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされた場合、その曲をメモリカード2へ記録完了した後、その曲の暗号化時に使用した暗号鍵をメモリカード2に記録し、その曲の記録を開始してからその曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体54から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされなかった場合、メモリカード2に記録したその曲を削除する。
【0024】
[ヘッドホン部とリモコン部の構成]
図2は、図1に示したオーディオ装置のうち、ヘッドホン部30及びリモコン部31の内部構成を示すブロック図である。
【0025】
リモコン部31は、CPU(Central Processing Unit)60、シリアルI/F61,67、LCDコントローラ62、LCD表示パネル63、RAM(Random Access Memory)64、ROM(Read Only Memory)65、スイッチ66,及びこれらを接続するCPUバス69などを有する。CPU60は、リモコン部31全体を制御するプロセッサであり、ROM65はCPU60にて動作されるプログラムが格納されており、RAM64はプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。LCD表示パネル63は、LCDコントローラ62を介してCPUバス69に接続されており、CPU60からLCDコントローラ62のレジスタにデータを書き込むことで、LCD表示パネル63に文字や画像等を表示することができる。CPU60は、シリアルI/F67を介してシリアル信号線68と入力プラグ4を経由して装置本体54のCPU(図示せず)と接続し通信を行う。また、CPU60は、シリアルI/F61を介してシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30のCPU20と接続し通信を行う。尚、図2においては、双方向の信号が時分割、周波数分割などによる多重化がなされる1本のシリアル信号線68,25で構成される例を示しているが、これに限定されず、方向別の2本のシリアル信号線で構成することもできる。
【0026】
ヘッドホン部30は、スピーカ部1,3、スイッチ5、電池10、アンプ11、CPUバス12、メモリカードI/F13、圧縮・暗号化回路14、ADコンバータ(Analog−Digital Converter)15、DAコンバータ(Digital−Analog Converter)16、復号・伸張回路17、RAM18、ROM19、CPU20、シリアルI/F21、切替スイッチ22、などを有する。メモリカードI/F13は、メモリカード2を装着するカードスロットとCPUバス12を介してCPU20からのアクセス制御を行うインタフェース回路とを含む。電池10は、ヘッドホン部30全体の回路の電源となり、この電池10は1次電池でも2次電池でも良いが、2次電池の場合にはヘッドホン部30内に別途充電回路(図示せず)が含まれていても良い。また、入力プラグ34を介して装置本体54から電源が供給されていても良い。
【0027】
CPUバス12には、ヘッドホン部30全体の制御を行うCPU20、CPU20にて実行されるプログラムを格納するROM19、プログラム実行時のワークエリアとして用いられるRAM18、圧縮・暗号化回路14、復号・伸張回路17、スイッチ5、メモリカードI/F13、シリアルI/F21が接続され、各部に対してCPU20からアクセス制御等が可能に構成されている。
【0028】
[メモリカードの構成]
図8に示すように、メモリカード2には、ユーザーファイルシステム80で管理される領域と、プロテクテッドファイルシステム90で管理される領域とから構成される。ユーザーファイルシステム80は、通常のファイルを管理するファイルシステムであり、ファイル管理情報81、ユーザーファイル821、ユーザーファイル822、…、ユーザーファイル82nが格納される。プロテクテッドファイルシステム90は、暗号化に用いられる非公開の暗号鍵ファイルを格納・管理するファイルシステムであり、ファイル管理情報91、プロテクテッドファイル921、プロテクテッドファイル922、…、プロテクテッドファイル92nが格納される。
【0029】
1つのユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)が1つの音楽データ(1つの曲)に対応し、当該音楽データのアナログ再生信号は圧縮され暗号化されて記録される。このとき、当該アナログ再生信号の暗号化時に使用された暗号鍵がさらに暗号化されてプロテクテッドファイル(例えばプロテクテッドファイル921)として記録される。暗号化に用いられる暗号鍵は、曲毎に異なる暗号鍵が用いられ、1つのユーザーファイルと1つのプロテクテッドファイルが対になって初めて1つの音楽データが完結し、復号・伸張・再生が可能となる。
【0030】
尚、ファイル管理情報81,91は、ユーザーファイルとプロテクテッドファイルを管理するためのディレクトリ情報やファイルのチェーン構造を定義するテーブル(例えば、FAT:File Allocation Table)である。
【0031】
[オーディオ装置の処理動作]
ヘッドホン部30では、メモリカード2に記録されている音楽データを再生し出力する処理動作、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録する処理動作、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録しながら、装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号をスピーカ1,3から出力する処理動作の、3つの処理動作を行う。以下、これら3つの場合の動作を順に説明する。
【0032】
図3は、メモリカード2に記録されている音楽データを再生し出力する際のヘッドホン部30による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【0033】
まず、メモリカードI/F13にメモリカード2が装着され、ヘッドホン部30のスイッチ5またはリモコン部31のスイッチ66による再生指示操作がなされると、CPU20は再生指示操作がなされたことを検知する(ステップS001)。リモコン部31のスイッチ66による再生指示操作がなされた場合には、スイッチ66→CPU60→シリアルI/F61→シリアル信号線25→シリアルI/F21→CPU20という流れで(この後もこれと同じ情報の伝達方法が出てくるが、以後はCPU60からシリアル信号線25を経由してCPU20に伝達されると省略する。)CPU20は、再生指示操作がなされたことを検知する。
【0034】
次に、CPU20は、メモリカード2のユーザーファイルシステム80からメモリカードI/F13を介して音楽データを読み始め、読み出した音楽データはRAM18に一旦蓄積される(ステップS002)。
【0035】
次に、CPU20は、復号・伸張回路17からの要求に応じて、RAM18に蓄積されたデータを復号・伸張回路17に転送する。そして、復号・伸張回路17は、メモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90からメモリカードI/F13を介して当該音楽データの暗号鍵を読み出し、RAM18に転送された音楽データを暗号鍵を用いて復号し、復号の結果として得られた圧縮された音楽データを伸張して、PCM(Pulse Coded Modulation)音声信号に戻し、DAコンバータ16に送出する(ステップS003)。
【0036】
DAコンバータ16は、PCM音声信号をアナログ再生信号に変換してアンプ11に送り(ステップS004)、アンプ11はアナログ再生信号を増幅して(ステップS005)、増幅されたアナログ再生信号がスピーカ部1,3から出力される(ステップS006)。尚、実際はステップS002からステップS006の動作は、音声を連続的に出力するために同時にパイプライン的に動作している。
【0037】
図4は、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録する際の、ヘッドホン部30による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【0038】
まず、メモリカードI/F13にメモリカード2が装着され、ヘッドホン部30のスイッチ5またはリモコン部31のスイッチ66による記録指示操作がなされると、CPU20は記録指示操作がなされたことを検知する(ステップS100)。図3と同じく、スイッチ66による指示の場合は、CPU60からシリアル信号線25を介してCPU20に伝達される。
【0039】
次に、CPU20は、装置本体54から入力プラグ4と音声入力線24を介してアナログ再生信号を入力し、入力したアナログ再生信号はADコンバータ15に順次送られる(ステップS101)。尚、図2に示す例では、1本の音声入力線24により構成される例を示しているが、ステレオ方式の音声信号を入力するように2本の音声入力線24により構成されるようにしても良い。
【0040】
ADコンバータ15は、入力したアナログ再生信号をサンプリング、量子化しデジタル信号に変換し、圧縮・暗号化回路14に転送する(ステップS103)。
【0041】
圧縮・暗号化回路14は、ADコンバータ15にてデジタル信号化された音楽データを所定の圧縮方式で圧縮し(ステップS104)、さらに圧縮された音楽データを暗号鍵を用いて暗号化する(ステップS105)。尚、圧縮方式としては様々な方式が想定されるが、例えば、MP3や、AAC(Advanced Audio Coding)、WMA(Windows Media Audio)等の圧縮方式を用いる。また、暗号化方式についても特に限定されず、例えば、メモリカード2がSDメモリカード(Secure Digital Memory Card)である場合には、CPRM(Copy Protection for Record−able Media)方式などによる暗号化処理が施される。尚、実際はステップS101からステップS106の動作は、音声を連続的に出力するために同時にパイプライン的に動作している。
【0042】
圧縮・暗号化回路14にて圧縮され暗号化された音楽データは、CPU20によりCPUバス12を介して読み込まれ、メモリカードI/F13を介してメモリカード2のユーザーファイルシステム80に書き込まれ、この音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵もメモリカードI/F13を介してメモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90に書き込まれる(ステップS105)。尚、CPUバス12を介して圧縮・暗号化回路14から読み込んだ音楽データと暗号鍵を一旦RAM18に蓄積するようにしても良いし、DMA(Direct Memory Access)回路を用いてメモリカードI/F13に転送するようにしても良い。
【0043】
図5は、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録しながら、装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号をスピーカ1,3から出力する際の、ヘッドホン部30による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【0044】
まず、メモリカードI/F13にメモリカード2が装着され、ヘッドホン部30のスイッチ5またはリモコン部31のスイッチ66による記録指示操作がなされると、CPU20は記録指示操作がなされたことを検知する(ステップS200)。図3と同じく、スイッチ66による指示の場合は、CPU60からシリアル信号線25を介してCPU20に伝達される。
【0045】
CPU20は、装置本体54から入力プラグ4と音声入力線24を介して音楽データアナログ再生信号を入力し、入力したアナログ再生信号はADコンバータ15に順次送られる(ステップS201)。
【0046】
ADコンバータ15は、入力したアナログ再生信号をサンプリング、量子化しデジタル信号に変換し、圧縮・暗号化回路14に転送する(ステップS202)。
【0047】
圧縮・暗号化回路14は、ADコンバータ15にてデジタル信号化された音楽データを所定の圧縮方式で圧縮し(ステップS203)、さらに圧縮後の音楽データを暗号鍵を使用して暗号化する(ステップS204)。
【0048】
圧縮・暗号化回路14にて圧縮され暗号化された音楽データは、CPU20によりCPUバス12を介して読み込まれ、メモリカードI/F13を介してメモリカード2のユーザーファイルシステム80に書き込まれ、この音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵もメモリカードI/F13を介してメモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90に書き込まれる(ステップS205)。
【0049】
その一方で、圧縮・暗号化回路14により圧縮された音楽データは、復号・伸張回路17に転送され、復号・伸張回路17は、転送された暗号化済みの音楽データを、ステップS204の処理において当該音楽データを暗号化したときに使用した暗号鍵を用いて復号し、復号の結果として得られた圧縮された音楽データを伸張して、PCM(Pulse Coded Modulation)音声信号に戻し、DAコンバータ16に送出する(ステップS206)。
【0050】
DAコンバータ16は、PCM音声信号をアナログ再生信号に変換してアンプ11に送り(ステップS207)、アンプ11はアナログ再生信号を増幅して(ステップS208)、増幅されたアナログ再生信号がスピーカ1,3から出力される(ステップS209)。このとき、CPU20からのスイッチ制御23により、切替スイッチ22が図2に示す下側の接点に切り替えられる。
【0051】
尚、CPU20からのスイッチ制御23により、切替スイッチ22が図2に示すように上側の接点に接続されていると、音声入力線24から入力されるアナログ再生信号が直接スピーカ部1,3に出力される。切換スイッチ22は電源がOFFの場合、または電池が切れている場合には、この場合と同様に上側の接点に切り替わり、入力プラグ4からの入力がそのままヘッドホンスピーカ1,3を直接駆動する。これにより、電源が切れている場合でも通常のヘッドホンとして動作する。
【0052】
以上、図3〜図5を参照しながら、オーディオ装置の処理動作例について説明したが、次に、図6〜図7を参照しながら、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力するアナログ再生信号を、メモリカード2に記録しながらスピーカ部1,3から出力する際のリモコン部31とヘッドホン部30のCPU60のそれぞれの処理動作例についてさらに詳細に説明する。
【0053】
図6は、リモコン部31の処理動作例を示すフローチャートであり、電源がONになるのをトリガーとして本処理が開始される(ステップS301)。
【0054】
まず、リモコン部31のCPU60は、スイッチ66にて再生指示がなされたか否かを監視している(ステップS302)。
【0055】
CPU60は、スイッチ66により再生指示がなされるまで監視を続け、スイッチ66により再生指示がなされたら、装置本体54に対してシリアルI/F67を介して再生指示の情報を送る。装置本体54は、再生処理を開始し、区切り信号をシリアル信号線68を経由してリモコン部31へ送り、アナログ再生信号を音声入力線24を経由してヘッドホン部30に送る。
【0056】
リモコン部31のCPU60は、区切り信号を検出すると、その情報をさらにシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30に送る(ステップS303)。尚、曲の再生開始時も区切り目に相当することから、その時も装置本体54
から区切り信号を送る。
【0057】
次に、リモコン部31のCPU60は、スイッチ66により記録指示操作がなされたか否かを監視する(ステップS304)。
【0058】
そして、スイッチ66により記録指示操作がなされたことを検知した場合には、CPU60は、記録指示の情報をシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30に送る(ステップS305)。
【0059】
一方、スイッチ66により記録指示操作がなされたことを検知しない場合、リモコン部31のCPU60は、シリアルI/F67を介して装置本体54から区切り信号が到来されたかどうか判定し(ステップS306)、その曲の区切り信号が装置本体54から到来された場合、ステップS303の処理に戻る。
【0060】
逆に、ステップS303において区切り信号が装置本体54から到来しない場合、次に、リモコン部31のCPU60は、スイッチ66により停止指示操作がなされたか否かを確認する(ステップS307)。そして、停止指示操作がなされた場合には停止指示の情報を、シリアルI/F67を介して装置本体54とシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30に送り、その後、ステップS304の処理へ戻る(ステップS308)。停止指示操作がなされない場合には、S302の処理へ戻る。
【0061】
このように、1つの音楽データをスピーカ部1,3から出力しながらメモリカード2に記録している間は、リモコン部31のCPU60は、その曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体54から供給されるか、スイッチ66により停止指示操作がなされるまで、ステップS304→ステップS306→ステップS307→ステップS304→…の各処理を繰り返し実行し、その曲の切れ目を示す区切り信号がシリアルI/F67を介して装置本体54から供給されるまでの間に、スイッチ66により記録指示操作がなされると、ステップS305の処理を実行する。
【0062】
図7は、ヘッドホン部30のCPU20の処理動作例を示すフローチャートであり、電源がONになるのをトリガーとして本処理が開始される(ステップS401)。
【0063】
まず、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が供給されたか否かを確認する(ステップS402)。区切り信号が供給されるまでは、このステップS402の処理を繰り返す。
【0064】
シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が供給されると、次にヘッドホン部30のCPU20は、音声入力線24を経由して装置本体54から送られてくる、音楽データを再生したアナログ再生信号を圧縮し、暗号鍵を使用して暗号化してメモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録しはじめる(ステップS403)。具体的には、既に説明したように、音声入力線24を経由して送られてくる音楽データを、圧縮・暗号化回路14にて圧縮し、暗号鍵を使用して暗号化しながらRAM18を経由して、メモリカードI/F13に装着されたメモリカード2のユーザーファイルシステム80内に1つのユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)として記録し始める。尚、この段階では、プロテクテッドファイルシステム90内には、この暗号化時に用いた暗号鍵をプロテクテッドファイル(例えばプロテクテッドファイル921)として書き込んでいないため、これだけではユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)を再生しようとしても再生できない。
【0065】
次に、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られてきたか否かを確認する(ステップS404)。この間もアナログ再生信号を圧縮、暗号化しながらユーザーファイル821に記録しつづけている。
【0066】
記録指示の情報が送られてきた場合には、次に、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が送られてきたか否かを確認する(ステップS405)。そして、区切り信号が送られてきた場合には、メモリカード2のユーザーファイルシステム80内に記録していた曲をユーザーファイルとして確定し、再度ステップS403の処理に戻る(ステップS406)。具体的には、音楽データを圧縮し暗号鍵を使用して暗号化しながら、曲の最後まで音楽データをユーザーファイルシステム80のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)に書き込むと共に、当該音楽データの暗号化時に使用した暗号鍵をプロテクテッドファイルシステム90のプロテクテッドファイルとして書き込む。
【0067】
一方、ステップS405における確認の結果、曲の区切り信号が送られてこない場合には、次に、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきたか否かを確認し(ステップS407)、停止指示の情報が送られてきていない場合、再度ステップS405の処理に戻る。
【0068】
ステップS407における確認の結果、停止指示の情報が送られてきた場合には、記録中のその音楽データのメモリカード2への記録は結局必要なかったと判断し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していた当該曲のユーザーファイルを削除して、再度ステップS402の処理に戻る(ステップS408)。
【0069】
また、ステップS404における確認の結果、記録指示の情報が送られてこない場合、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が送られてきたか否かを確認する(ステップS409)。そして、区切り信号が送られてきた場合には、記録中のその音楽データのメモリカード2への記録は結局必要なかったと判断し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していた当該曲のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)を削除して、再度ステップS403の処理に戻る(ステップS410)。
【0070】
一方、ステップS409における確認の結果、区切り信号が送られてこない場合には、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきたか否かを確認する(ステップS411)。そして、停止指示の情報が送られてきていない場合、再度ステップS404の処理に戻る。
【0071】
逆に、ステップS411における確認の結果、停止指示の情報が送られてきた場合には、スピーカ部1,3から出力中のその音楽データのメモリカード2への記録は結局必要なかったと判断し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していた当該曲のユーザーファイルを削除して、再度ステップS402の処理に戻る(ステップS412)。
【0072】
このように、ヘッドホン部30は、初めに区切り信号が送られてきて(ステップS402)音楽データの記録を始めてからは(ステップS403)、ステップS404→ステップS409→ステップS411→ステップS404→…という処理手順でループしており、その間、曲を圧縮し暗号化しながら、メモリカード2に記録し続けている。そして、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られることなく、そのまま曲の切れ目を示す区切り信号が送られてくると、ステップS409→ステップS410→ステップS403と移行し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していたその曲のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)は削除される。また、この間にシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきた場合には、ステップS411→ステップS412→ステップS401と移行し、やはり記録していたその曲のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)は削除される。
【0073】
一方、区切り信号が送られてきて(ステップS402)曲の記録を始め(ステップS403)、ステップS404→ステップS409→ステップS411→ステップS404→…という処理手順でループしている間に、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られてきた場合には、ステップS404からステップS405に移行し、その後ステップS405→ステップS407→ステップS405→ステップS407→…という処理手順でループする。そして、そのまま曲の切れ目を示す区切り信号がシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から送られてくると、ステップS405→ステップS406→ステップS403と処理を移行し、ここで初めて、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していたその曲のデータがユーザーファイルとして確定され、それと共に当該音楽データの暗号化時に使用した暗号鍵がプロテクテッドファイルシステム90のプロテクテッドファイルとして(例えばプロテクテッドファイル921)として記録される。また、この間にシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきた場合には、ステップS407→ステップS408→ステップS401と移行し、やはりメモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していたその曲のユーザーファイルは削除される。
【0074】
つまり、スピーカ部1,3から出力中の音楽データをユーザーファイルとし、その音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵のプロテクテッドファイルとして対でメモリカード2に記録されるシーケンスは、スピーカ部1,3から出力中の音楽データの曲をメモリカード2に記録している途中でシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られてきた場合であって、さらにその後、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60からその曲の切れ目を示す区切り信号が送られてきた場合ということになる。既に説明したように、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から曲の切れ目を示す区切り信号が送られてきた場合とは、シリアル信号線68を経由して装置本体54から曲の切れ目を示す区切り信号が供給されてきた場合(図6におけるステップS306→ステップS303)に相当し、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から曲の記録指示の情報が送られてきた場合とは、リモコン部31のスイッチ66にて記録指示の操作がなされた場合(図6におけるステップS304→ステップS305)に相当する。従って、スピーカ部1,3から出力中の音楽データをユーザーファイルとして、その音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵のプロテクテッドファイルとして対でメモリカード2に記録されるシーケンスは、スピーカ部1,3から出力中の音楽データの曲をメモリカード2に記録している途中でリモコン部31のスイッチ66にて記録指示の操作がなされ、その後シリアル信号線68を経由して装置本体54から曲の切れ目を示す区切り信号が供給されてきた場合ということになる。
【0075】
ここで、メモリカード2に音楽データを書き込む処理の流れをさらに詳細に説明する。
【0076】
ステップS403におけるメモリカード2に音楽データの記録を始めるステップでは、ユーザーファイル821としてメモリカード2にファイルを作成し、作成したユーザーファイルに追加書き(append)にて、スピーカ部1,3から出力中の音楽データを記録していく。一般に、ファイルとしてデータを書き込むと、それに対応してユーザーファイルシステム80のファイル管理情報81も書き変わる。すなわち、データを書き込むにつれて、ファイル管理情報81に含まれるそのファイルの長さは長くなっていき、書き込んだデータの記録位置を示す情報も追加されていく。つまり、ここでの音楽データの記録とは、音楽データの実体がユーザーファイル821として記録されていくだけでなく、そのファイル管理情報81も更新されていくという意味である。
【0077】
ステップS408,S410,S412における、メモリカード2に記録していたユーザーファイル821を削除するということは、ユーザーファイルシステム80でのファイル削除を意味する。通常のファイルシステムの場合、ファイルを削除する場合には、ファイル管理情報81においてそのファイルが存在しないという状態にし、ファイルのデータが格納されている実エリア自体は削除しない。従って、この場合、ユーザーファイル821自体は削除しなくても、ファイル管理情報81においてユーザーファイル821が存在しないという状態にすれば、その音楽データは無いことになる。
【0078】
次に、ステップS406においてメモリカード2に記録していたユーザーファイル821を確定するということは、まず、ユーザーファイルシステム80でのユーザーファイル821への音楽データの書き込みを終了する。これは、ファイルの実体をユーザーファイル821に書き込むと共に、それを管理するファイル管理情報81も更新することを意味する。その後、その音楽データを暗号化するにあたって使用した暗号鍵を、プロテクテッドファイルシステム90のプロテクテッドファイル921として書き込む。これは、暗号鍵の実データをプロテクテッドファイル921に書き込むことと、それに合わせてプロテクテッドファイルシステム90のファイル管理情報91も更新することを意味する。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したように、装置本体54から出力される音楽データのアナログ再生信号をスピーカ部1,3から出力しながら、その音楽データを圧縮し、暗号鍵を使用して暗号化してメモリカード2に常に記録し、その記録途中でその曲の記録指示がなされた場合には、その音楽データはそのままメモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録され、その音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵もメモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90に書き込まれる。その音楽データの記録途中でその曲の記録指示がなされなかった場合には、その曲のファイルはメモリカード2ユーザーファイルシステム80から削除される。つまり、例えば、CDやMDに録音されている音楽データを聴きながら、その音楽データをヘッドホン内のメモリカード2に常に記録し、記録途中で記録指示の操作をすると、その音楽データはメモリカード2に記録されたまま残り、記録途中で記録指示の操作をしないと次の音楽データの切り替わり目で、記録していたその音楽データはメモリカード2から削除される。従って、音楽データの曲を聴いている途中で記録したいと思ったときでも、その曲の先頭からに遡って音楽データをメモリカード2に簡単に記録することができる。
【0080】
尚、本実施の形態では、音楽データの記録・再生をモデルに説明したが、本発明の技術的思想は他のコンテンツ、例えば映像データの記録・再生にも適用することができる。
【0081】
また、装置本体54とリモコン部31とヘッドホン部30とを、シリアル信号線25,68と音声入力線24とを含む有線ケーブル32,33にて接続する例を示したが、これら各部の接続の一部もしくは全部を、BluetoothやIEEE802.11aやIEEE802.11b等の無線によって接続し送受信するように構成しても良い。
【0082】
また、例えば、リモコン部31やヘッドホン部30の記録指示のスイッチ5,66を1回押すと記録指示がなされ、2回押すと記録指示がキャンセルされるように設定しても良いし、あるいは、記録指示のスイッチ5,66を押す回数に応じてユーザーの嗜好度を設定できるようにしても良い。
【0083】
さらに、図2の圧縮暗号化回路14や復号伸張回路17の機能の一部または全部を、CPU20で動作するソフトウェアで行っても良い。
【0084】
このように、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、音楽データや映像データ等のコンテンツをスピーカ等に出力しながら、そのコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録することができる。つまりコンテンツを試しに聞いたり、見たりして、途中で面白いと思った時に記録の判断をしても、その先頭に遡って最初から記録をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるオーディオ装置の構成例を示す模式図である。
【図2】図1に示したオーディオ装置のうち、リモコン部とヘッドホン部の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2に示したオーディオ装置において、メモリカードに記録されている音楽データを再生し出力する際のヘッドホン部による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【図4】図1及び図2に示したオーディオ装置において、入力プラグを経由して装置本体から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカードに記録する際のヘッドホン部による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【図5】図1及び図2に示したオーディオ装置において、入力プラグを経由して装置本体から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカードに記録しながら、装置本体から入力する音楽データのアナログ再生信号をスピーカから出力する際のヘッドホン部による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【図6】図5に示した処理動作において、リモコン部による詳細な処理動作例を示すフローチャートである。
【図7】図5に示した処理動作において、ヘッドホン部による詳細な処理動作例を示すフローチャートである。
【図8】図1及び図2に示したオーディオ装置において、メモリカードのファイル管理方式を例示する模式図である。
【符号の説明】
1…スピーカ部
3…スピーカ部
2…メモリカード
4…入力プラグ
5…スイッチ
10…電池
11…アンプ
12…CPUバス
13…メモリカードI/F
14…圧縮・暗号化回路
15…ADコンバータ
16…DAコンバータ
17…復号・伸張回路
18…RAM
19…ROM
20…CPU
21…シリアルI/F
22…切替スイッチ
23…スイッチ制御
24…音声入力線
25…シリアル信号線
30…ヘッドホン部
31…リモコン部
32…ケーブル
33…ケーブル
54…装置本体
55…ジャック
60…CPU
61…シリアルI/F
62…LCDコントローラ
63…LCD表示パネル
64…RAM
65…ROM
66…スイッチ
67…シリアルI/F
68…シリアル信号線
69…CPUバス
80…ユーザーファイルシステム
81…ファイル管理情報
821…ユーザーファイル
82n…ユーザーファイル
90…プロテクテッドファイルシステム
91…ファイル管理情報
921…プロテクテッドファイル
92n…プロテクテッドファイル
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽データや映像データ等のコンテンツを記録し再生する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体技術の進歩により、大容量のメモリカードが登場し、長い時間の音楽情報を圧縮して記録することができるようになってきた。例えば、64MバイトのメモリカードにMP3(MPEG−1 Audio Layer−3)により圧縮して記録すると、約1時間分の音楽データを記録することができる。最近では、512Mバイトのメモリカードも市販されており、将来的には1枚のメモリカードに数百曲分の音楽データを記録できるようになると予測されている。このようなメモリカードに音楽データを記録するときには、パーソナルコンピュータにメモリカードの書き込み装置(メモリカード・ライター)を接続して書き込むのが一般的である。
【0003】
一方、CD(Compact Disc)やMD(Mini Disc)等の記録媒体に記録された音楽データを再生するための再生装置(CDプレーヤーやMDプレーヤー等)には、ワイヤを介してリモコン(遠隔操作装置)やヘッドホンが接続されている。このようなリモコンには、何曲目の何分何秒を再生しているかを表示する機能が備えられており、CDやMD等に音楽データと共に記録されているサブコード情報を再生時に読み出してリモコンに送ることで表示可能にしている。
【0004】
同様に、FM文字多重放送(FM Multiplex Telecasting)においては、オンエア中の曲のタイトルや演奏者等の情報を文字多重データとして放送することが行われており、FM文字多重放送の受信機はこの文字多重データを受信し復号して、オンエア中の曲のタイトル等を受信機の表示部に表示させることができる。
【0005】
さらに、テレビやラジオのデジタル放送においても、オンエア中の曲や映像のタイトル等の情報をデータ放送により配信し、受信機側に表示させることができるようになっており、このようなデータ放送は衛星放送のみならず、地上波デジタル放送としても近い将来サービスが開始される予定である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、パーソナルコンピュータにメモリカード・ライターを接続し、メモリカードに音楽情報等を書き込む際には、ユーザーが予め記録の準備をし、記録したい曲の再生前に記録指示をするような仕組みになっており、曲を聴いている途中で急に思い立って、その再生中の曲を録音するといったことはできなかった。つまり、再生中の曲を記録したい場合には、その曲の先頭に遡って改めて録音する必要があった。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、音楽データや映像データ等のコンテンツを再生しスピーカ等に出力しながら、そのコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録することができるコンテンツ記録再生装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるコンテンツ記録再生装置は、コンテンツを再生したアナログ再生信号と、前記コンテンツの切れ目を認識させるための区切り信号とを出力する装置本体と、前記装置本体と接続され、前記装置本体を制御するための操作手段を有するリモコン部と、前記リモコン部及び前記装置本体と接続され、前記装置本体から出力される前記アナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録媒体に記録する記録手段と、前記装置本体から出力される前記アナログ再生信号あるいは前記記録媒体に記録されたコンテンツを復号し伸張して得た再生信号をスピーカより出力する出力手段とを有する再生部とからなり、前記記録媒体は、前記アナログ再生信号を圧縮し暗号化してコンテンツとして記録するユーザーファイルシステム領域と、当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を暗号化して記録するプロテクテッドファイルシステム領域とを含み、前記ユーザーファイルシステム領域と前記プロテクテッドファイルシステム領域はそれぞれ、ファイルの蓄積位置や位置の連なりを示すファイル管理情報を記録するファイル管理領域とファイルの実データを記録するデータ領域とを有し、前記ユーザーファイルシステム領域に記録された前記コンテンツは前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録された当該コンテンツの暗号化時に使用した前記暗号鍵を用いて復号されることで再生可能となり、前記再生部は、前記リモコン部から前記装置本体に再生指示がなされた場合、その再生指示に応じて前記装置本体から出力される前記コンテンツを再生したアナログ再生信号を前記出力手段から出力しながら、当該アナログ再生信号を圧縮し暗号化して前記記録媒体の前記ユーザーファイルシステム領域に記録し、その記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間に前記リモコン部から記録指示がなされた場合、当該コンテンツの前記ユーザーファイルシステム領域への記録完了後、当該コンテンツの前記暗号化時に使用した暗号鍵を前記記録媒体の前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録し、前記記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間に前記リモコン部から記録指示がなされなかった場合、前記記録媒体の前記ユーザーファイルシステム領域に記録した当該コンテンツを前記ユーザーファイルシステム領域から削除することを特徴とする。
【0009】
このような構成によれば、再生部は、装置本体から出力されるコンテンツを再生したアナログ再生信号を出力手段に出力しながら、当該アナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録媒体のユーザーファイルシステム領域に常に記録し、その記録途中でリモコン部から当該コンテンツの記録指示がなされた場合には、当該コンテンツはそのままユーザーファイルシステム領域に記録し続け、当該コンテンツのユーザーファイルシステム領域への記録完了後、当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を暗号化して前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録する。これにより、記録媒体のユーザーファイルシステム領域に記録されたコンテンツは、プロテクテッドファイルシステム領域に記録された当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を用いて復号されることで再生可能となる。従って、コンテンツを出力手段に出力している途中においても、その出力中のコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録し、記録したコンテンツを後から再生・出力することができる。
【0010】
一方、当該コンテンツのユーザーファイルシステム領域への記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間にリモコン部から記録指示がなされなかった場合、前記ユーザーファイルシステム領域に記録した当該コンテンツを前記ユーザーファイルシステム領域から削除する。
【0011】
ここで、「コンテンツ」とは、音楽データや映像データ等をデジタルまたはアナログ信号化したものをいう。「再生部」は、音楽データを再生し出力する場合には音声信号を音に変えるスピーカ等を有するヘッドホンなどの音響装置であり、映像データを再生し出力する場合には映像信号を表示出力する表示装置である。「出力手段」は、音楽データを出力する場合にはスピーカであり、映像データを出力する場合には、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイである。
【0012】
また、「記録媒体」は、メモリカードやMD等の磁気的記録媒体や、CD等の光学的記録媒体などが含まれる。
【0013】
コンテンツの切れ目を認識するための「区切り信号」は、例えば音楽データの場合には、CDやMDに記録されている音楽データの曲の切れ目を認識するサブコード、FM文字多重放送における文字多重データ、デジタル放送における識別子情報などによる。また、コンテンツが、例えば、VHS方式のビデオデータの場合には、テープに記録された頭出し用の信号であるVISS(VHS Index Search System)信号を、区切り信号としても良い。このように、区切り信号はアナログ再生信号に付随する曲の切れ目の情報をデジタル的に出力できる手段がある装置であれば、どのような信号でも良い。
【0014】
また、「圧縮」とは、高能率符号化を目的とした音楽データや映像データの圧縮符号化をいい、「伸張」とは、圧縮された音楽データや映像データの圧縮を解くこと(復元すること)をいう。「暗号化」とは、コピープロテクション等を目的とした公開鍵暗号方式や秘密鍵暗号方式等によるデータの暗号化をいい、「復号」とは暗号化されたデータを、暗号鍵を用いて復号すること(暗号を解くこと)をいう。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図8を参照しながら、本発明の実施の形態について詳しく説明する。尚、各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の参照符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0016】
本発明に係るコンテンツ記録再生装置は、例えば図1に示すようなオーディオ装置に適用することができる。
【0017】
[オーディオ装置の構成]
図1に示すように、本実施形態におけるオーディオ装置は、ヘッドホン部30,リモコン部31,装置本体54等を備え、CDプレーヤあるいはMDプレーヤ、もしくはFM文字多重放送受信機あるいはデジタル放送受信機として構成される。
【0018】
装置本体54のジャック55にリモコン部31の入力プラグ4を接続することで、装置本体54とリモコン部31とはケーブル33を介して接続され、リモコン部31とヘッドホン部30とはケーブル32を介して接続される。
【0019】
リモコン部31は、各種情報を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)表示パネル63や、装置本体54及びヘッドホン部30を制御するための操作部であるスイッチ66を有する。尚、表示パネルに用いられる表示素子はLCDに限らず、エレクトロルミネッセンス(EL)素子等、他の表示素子でも良い。
【0020】
ヘッドホン部30は、左耳用のスピーカ部3,右耳用のスピーカ部1を有し、右耳用のスピーカ部1には、操作用のスイッチ5と、装置本体54から出力されるアナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録するためのメモリカード2を装着するメモリカードI/F13を有する。スピーカ部1、3は、装置本体54から出力されるアナログ再生信号あるいはメモリカード2に記録された音楽データを出力する出力手段である。
【0021】
装置本体54は、音楽データを再生したアナログ再生信号と、それに付随する曲の切れ目を認識させるための区切り信号とを、ケーブル33、32を介してリモコン部31とヘッドホン部30に出力する。区切り信号はリモコン部31で別の区切り信号に変換されることがある。例えば装置本体54からリモコン部31に対しては、曲の再生中に常時通知されるCDのサブコード情報の様な曲の番号と再生時間であって、曲の番号が変わったことにより区切り信号と認識できるようになっている。一方、リモコン部31からヘッドホン部30に対しては、実際に曲が変わったときだけに出力されるシリアル信号上の特定のコマンド列であっても良い。つまり、区切り信号の中身のデータや伝達の形態は問わないが、曲が変化したことが通知できれば良い。
【0022】
本オーディオ装置がCDプレーヤあるいはMDプレーヤとして構成される場合には、CDやMD等の記録媒体に音楽データと共に記録されているサブコード情報を取得し、それをアナログ再生信号と共にデジタル出力することで、ヘッドホン部30及びリモコン部31では曲の切れ目を認識することができ、また、リモコン部31のLCD表示パネル63にその曲のタイトルや経過時間等を表示することができる。本オーディオ装置がFM文字多重放送あるいはデジタル放送として構成される場合にも、オンエア中の曲のタイトル情報等をデータとして受信することができ、受信したデータに基づいて区切り信号をケーブル33、32を介してリモコン部31とヘッドホン部30に出力する。具体的には、曲のタイトルが変わった、あるいはタイトルがなくなった、もしくはタイトルがない状態からある状態に変化した等の状況変化をトリガーとして、曲の切れ目である区切り信号を出力することができる。
【0023】
ヘッドホン部30は、このあと詳述するが、リモコン部31から再生指示がなされた場合、その再生指示に応じて装置本体54から出力される音楽データのアナログ再生信号をスピーカ部1,3から出力しながら、当該アナログ再生信号をデジタル信号に変換(サンプリング、量子化)し、圧縮し暗号化してメモリカード2に記録し、その記録を開始してからその曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体54から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされた場合、その曲をメモリカード2へ記録完了した後、その曲の暗号化時に使用した暗号鍵をメモリカード2に記録し、その曲の記録を開始してからその曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体54から供給されるまでの間にリモコン部31から記録指示がなされなかった場合、メモリカード2に記録したその曲を削除する。
【0024】
[ヘッドホン部とリモコン部の構成]
図2は、図1に示したオーディオ装置のうち、ヘッドホン部30及びリモコン部31の内部構成を示すブロック図である。
【0025】
リモコン部31は、CPU(Central Processing Unit)60、シリアルI/F61,67、LCDコントローラ62、LCD表示パネル63、RAM(Random Access Memory)64、ROM(Read Only Memory)65、スイッチ66,及びこれらを接続するCPUバス69などを有する。CPU60は、リモコン部31全体を制御するプロセッサであり、ROM65はCPU60にて動作されるプログラムが格納されており、RAM64はプログラム実行時のワークエリアとして用いられる。LCD表示パネル63は、LCDコントローラ62を介してCPUバス69に接続されており、CPU60からLCDコントローラ62のレジスタにデータを書き込むことで、LCD表示パネル63に文字や画像等を表示することができる。CPU60は、シリアルI/F67を介してシリアル信号線68と入力プラグ4を経由して装置本体54のCPU(図示せず)と接続し通信を行う。また、CPU60は、シリアルI/F61を介してシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30のCPU20と接続し通信を行う。尚、図2においては、双方向の信号が時分割、周波数分割などによる多重化がなされる1本のシリアル信号線68,25で構成される例を示しているが、これに限定されず、方向別の2本のシリアル信号線で構成することもできる。
【0026】
ヘッドホン部30は、スピーカ部1,3、スイッチ5、電池10、アンプ11、CPUバス12、メモリカードI/F13、圧縮・暗号化回路14、ADコンバータ(Analog−Digital Converter)15、DAコンバータ(Digital−Analog Converter)16、復号・伸張回路17、RAM18、ROM19、CPU20、シリアルI/F21、切替スイッチ22、などを有する。メモリカードI/F13は、メモリカード2を装着するカードスロットとCPUバス12を介してCPU20からのアクセス制御を行うインタフェース回路とを含む。電池10は、ヘッドホン部30全体の回路の電源となり、この電池10は1次電池でも2次電池でも良いが、2次電池の場合にはヘッドホン部30内に別途充電回路(図示せず)が含まれていても良い。また、入力プラグ34を介して装置本体54から電源が供給されていても良い。
【0027】
CPUバス12には、ヘッドホン部30全体の制御を行うCPU20、CPU20にて実行されるプログラムを格納するROM19、プログラム実行時のワークエリアとして用いられるRAM18、圧縮・暗号化回路14、復号・伸張回路17、スイッチ5、メモリカードI/F13、シリアルI/F21が接続され、各部に対してCPU20からアクセス制御等が可能に構成されている。
【0028】
[メモリカードの構成]
図8に示すように、メモリカード2には、ユーザーファイルシステム80で管理される領域と、プロテクテッドファイルシステム90で管理される領域とから構成される。ユーザーファイルシステム80は、通常のファイルを管理するファイルシステムであり、ファイル管理情報81、ユーザーファイル821、ユーザーファイル822、…、ユーザーファイル82nが格納される。プロテクテッドファイルシステム90は、暗号化に用いられる非公開の暗号鍵ファイルを格納・管理するファイルシステムであり、ファイル管理情報91、プロテクテッドファイル921、プロテクテッドファイル922、…、プロテクテッドファイル92nが格納される。
【0029】
1つのユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)が1つの音楽データ(1つの曲)に対応し、当該音楽データのアナログ再生信号は圧縮され暗号化されて記録される。このとき、当該アナログ再生信号の暗号化時に使用された暗号鍵がさらに暗号化されてプロテクテッドファイル(例えばプロテクテッドファイル921)として記録される。暗号化に用いられる暗号鍵は、曲毎に異なる暗号鍵が用いられ、1つのユーザーファイルと1つのプロテクテッドファイルが対になって初めて1つの音楽データが完結し、復号・伸張・再生が可能となる。
【0030】
尚、ファイル管理情報81,91は、ユーザーファイルとプロテクテッドファイルを管理するためのディレクトリ情報やファイルのチェーン構造を定義するテーブル(例えば、FAT:File Allocation Table)である。
【0031】
[オーディオ装置の処理動作]
ヘッドホン部30では、メモリカード2に記録されている音楽データを再生し出力する処理動作、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録する処理動作、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録しながら、装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号をスピーカ1,3から出力する処理動作の、3つの処理動作を行う。以下、これら3つの場合の動作を順に説明する。
【0032】
図3は、メモリカード2に記録されている音楽データを再生し出力する際のヘッドホン部30による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【0033】
まず、メモリカードI/F13にメモリカード2が装着され、ヘッドホン部30のスイッチ5またはリモコン部31のスイッチ66による再生指示操作がなされると、CPU20は再生指示操作がなされたことを検知する(ステップS001)。リモコン部31のスイッチ66による再生指示操作がなされた場合には、スイッチ66→CPU60→シリアルI/F61→シリアル信号線25→シリアルI/F21→CPU20という流れで(この後もこれと同じ情報の伝達方法が出てくるが、以後はCPU60からシリアル信号線25を経由してCPU20に伝達されると省略する。)CPU20は、再生指示操作がなされたことを検知する。
【0034】
次に、CPU20は、メモリカード2のユーザーファイルシステム80からメモリカードI/F13を介して音楽データを読み始め、読み出した音楽データはRAM18に一旦蓄積される(ステップS002)。
【0035】
次に、CPU20は、復号・伸張回路17からの要求に応じて、RAM18に蓄積されたデータを復号・伸張回路17に転送する。そして、復号・伸張回路17は、メモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90からメモリカードI/F13を介して当該音楽データの暗号鍵を読み出し、RAM18に転送された音楽データを暗号鍵を用いて復号し、復号の結果として得られた圧縮された音楽データを伸張して、PCM(Pulse Coded Modulation)音声信号に戻し、DAコンバータ16に送出する(ステップS003)。
【0036】
DAコンバータ16は、PCM音声信号をアナログ再生信号に変換してアンプ11に送り(ステップS004)、アンプ11はアナログ再生信号を増幅して(ステップS005)、増幅されたアナログ再生信号がスピーカ部1,3から出力される(ステップS006)。尚、実際はステップS002からステップS006の動作は、音声を連続的に出力するために同時にパイプライン的に動作している。
【0037】
図4は、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録する際の、ヘッドホン部30による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【0038】
まず、メモリカードI/F13にメモリカード2が装着され、ヘッドホン部30のスイッチ5またはリモコン部31のスイッチ66による記録指示操作がなされると、CPU20は記録指示操作がなされたことを検知する(ステップS100)。図3と同じく、スイッチ66による指示の場合は、CPU60からシリアル信号線25を介してCPU20に伝達される。
【0039】
次に、CPU20は、装置本体54から入力プラグ4と音声入力線24を介してアナログ再生信号を入力し、入力したアナログ再生信号はADコンバータ15に順次送られる(ステップS101)。尚、図2に示す例では、1本の音声入力線24により構成される例を示しているが、ステレオ方式の音声信号を入力するように2本の音声入力線24により構成されるようにしても良い。
【0040】
ADコンバータ15は、入力したアナログ再生信号をサンプリング、量子化しデジタル信号に変換し、圧縮・暗号化回路14に転送する(ステップS103)。
【0041】
圧縮・暗号化回路14は、ADコンバータ15にてデジタル信号化された音楽データを所定の圧縮方式で圧縮し(ステップS104)、さらに圧縮された音楽データを暗号鍵を用いて暗号化する(ステップS105)。尚、圧縮方式としては様々な方式が想定されるが、例えば、MP3や、AAC(Advanced Audio Coding)、WMA(Windows Media Audio)等の圧縮方式を用いる。また、暗号化方式についても特に限定されず、例えば、メモリカード2がSDメモリカード(Secure Digital Memory Card)である場合には、CPRM(Copy Protection for Record−able Media)方式などによる暗号化処理が施される。尚、実際はステップS101からステップS106の動作は、音声を連続的に出力するために同時にパイプライン的に動作している。
【0042】
圧縮・暗号化回路14にて圧縮され暗号化された音楽データは、CPU20によりCPUバス12を介して読み込まれ、メモリカードI/F13を介してメモリカード2のユーザーファイルシステム80に書き込まれ、この音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵もメモリカードI/F13を介してメモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90に書き込まれる(ステップS105)。尚、CPUバス12を介して圧縮・暗号化回路14から読み込んだ音楽データと暗号鍵を一旦RAM18に蓄積するようにしても良いし、DMA(Direct Memory Access)回路を用いてメモリカードI/F13に転送するようにしても良い。
【0043】
図5は、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカード2に記録しながら、装置本体54から入力する音楽データのアナログ再生信号をスピーカ1,3から出力する際の、ヘッドホン部30による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【0044】
まず、メモリカードI/F13にメモリカード2が装着され、ヘッドホン部30のスイッチ5またはリモコン部31のスイッチ66による記録指示操作がなされると、CPU20は記録指示操作がなされたことを検知する(ステップS200)。図3と同じく、スイッチ66による指示の場合は、CPU60からシリアル信号線25を介してCPU20に伝達される。
【0045】
CPU20は、装置本体54から入力プラグ4と音声入力線24を介して音楽データアナログ再生信号を入力し、入力したアナログ再生信号はADコンバータ15に順次送られる(ステップS201)。
【0046】
ADコンバータ15は、入力したアナログ再生信号をサンプリング、量子化しデジタル信号に変換し、圧縮・暗号化回路14に転送する(ステップS202)。
【0047】
圧縮・暗号化回路14は、ADコンバータ15にてデジタル信号化された音楽データを所定の圧縮方式で圧縮し(ステップS203)、さらに圧縮後の音楽データを暗号鍵を使用して暗号化する(ステップS204)。
【0048】
圧縮・暗号化回路14にて圧縮され暗号化された音楽データは、CPU20によりCPUバス12を介して読み込まれ、メモリカードI/F13を介してメモリカード2のユーザーファイルシステム80に書き込まれ、この音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵もメモリカードI/F13を介してメモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90に書き込まれる(ステップS205)。
【0049】
その一方で、圧縮・暗号化回路14により圧縮された音楽データは、復号・伸張回路17に転送され、復号・伸張回路17は、転送された暗号化済みの音楽データを、ステップS204の処理において当該音楽データを暗号化したときに使用した暗号鍵を用いて復号し、復号の結果として得られた圧縮された音楽データを伸張して、PCM(Pulse Coded Modulation)音声信号に戻し、DAコンバータ16に送出する(ステップS206)。
【0050】
DAコンバータ16は、PCM音声信号をアナログ再生信号に変換してアンプ11に送り(ステップS207)、アンプ11はアナログ再生信号を増幅して(ステップS208)、増幅されたアナログ再生信号がスピーカ1,3から出力される(ステップS209)。このとき、CPU20からのスイッチ制御23により、切替スイッチ22が図2に示す下側の接点に切り替えられる。
【0051】
尚、CPU20からのスイッチ制御23により、切替スイッチ22が図2に示すように上側の接点に接続されていると、音声入力線24から入力されるアナログ再生信号が直接スピーカ部1,3に出力される。切換スイッチ22は電源がOFFの場合、または電池が切れている場合には、この場合と同様に上側の接点に切り替わり、入力プラグ4からの入力がそのままヘッドホンスピーカ1,3を直接駆動する。これにより、電源が切れている場合でも通常のヘッドホンとして動作する。
【0052】
以上、図3〜図5を参照しながら、オーディオ装置の処理動作例について説明したが、次に、図6〜図7を参照しながら、入力プラグ4を経由して装置本体54から入力するアナログ再生信号を、メモリカード2に記録しながらスピーカ部1,3から出力する際のリモコン部31とヘッドホン部30のCPU60のそれぞれの処理動作例についてさらに詳細に説明する。
【0053】
図6は、リモコン部31の処理動作例を示すフローチャートであり、電源がONになるのをトリガーとして本処理が開始される(ステップS301)。
【0054】
まず、リモコン部31のCPU60は、スイッチ66にて再生指示がなされたか否かを監視している(ステップS302)。
【0055】
CPU60は、スイッチ66により再生指示がなされるまで監視を続け、スイッチ66により再生指示がなされたら、装置本体54に対してシリアルI/F67を介して再生指示の情報を送る。装置本体54は、再生処理を開始し、区切り信号をシリアル信号線68を経由してリモコン部31へ送り、アナログ再生信号を音声入力線24を経由してヘッドホン部30に送る。
【0056】
リモコン部31のCPU60は、区切り信号を検出すると、その情報をさらにシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30に送る(ステップS303)。尚、曲の再生開始時も区切り目に相当することから、その時も装置本体54
から区切り信号を送る。
【0057】
次に、リモコン部31のCPU60は、スイッチ66により記録指示操作がなされたか否かを監視する(ステップS304)。
【0058】
そして、スイッチ66により記録指示操作がなされたことを検知した場合には、CPU60は、記録指示の情報をシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30に送る(ステップS305)。
【0059】
一方、スイッチ66により記録指示操作がなされたことを検知しない場合、リモコン部31のCPU60は、シリアルI/F67を介して装置本体54から区切り信号が到来されたかどうか判定し(ステップS306)、その曲の区切り信号が装置本体54から到来された場合、ステップS303の処理に戻る。
【0060】
逆に、ステップS303において区切り信号が装置本体54から到来しない場合、次に、リモコン部31のCPU60は、スイッチ66により停止指示操作がなされたか否かを確認する(ステップS307)。そして、停止指示操作がなされた場合には停止指示の情報を、シリアルI/F67を介して装置本体54とシリアル信号線25を経由してヘッドホン部30に送り、その後、ステップS304の処理へ戻る(ステップS308)。停止指示操作がなされない場合には、S302の処理へ戻る。
【0061】
このように、1つの音楽データをスピーカ部1,3から出力しながらメモリカード2に記録している間は、リモコン部31のCPU60は、その曲の切れ目を示す区切り信号が装置本体54から供給されるか、スイッチ66により停止指示操作がなされるまで、ステップS304→ステップS306→ステップS307→ステップS304→…の各処理を繰り返し実行し、その曲の切れ目を示す区切り信号がシリアルI/F67を介して装置本体54から供給されるまでの間に、スイッチ66により記録指示操作がなされると、ステップS305の処理を実行する。
【0062】
図7は、ヘッドホン部30のCPU20の処理動作例を示すフローチャートであり、電源がONになるのをトリガーとして本処理が開始される(ステップS401)。
【0063】
まず、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が供給されたか否かを確認する(ステップS402)。区切り信号が供給されるまでは、このステップS402の処理を繰り返す。
【0064】
シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が供給されると、次にヘッドホン部30のCPU20は、音声入力線24を経由して装置本体54から送られてくる、音楽データを再生したアナログ再生信号を圧縮し、暗号鍵を使用して暗号化してメモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録しはじめる(ステップS403)。具体的には、既に説明したように、音声入力線24を経由して送られてくる音楽データを、圧縮・暗号化回路14にて圧縮し、暗号鍵を使用して暗号化しながらRAM18を経由して、メモリカードI/F13に装着されたメモリカード2のユーザーファイルシステム80内に1つのユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)として記録し始める。尚、この段階では、プロテクテッドファイルシステム90内には、この暗号化時に用いた暗号鍵をプロテクテッドファイル(例えばプロテクテッドファイル921)として書き込んでいないため、これだけではユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)を再生しようとしても再生できない。
【0065】
次に、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られてきたか否かを確認する(ステップS404)。この間もアナログ再生信号を圧縮、暗号化しながらユーザーファイル821に記録しつづけている。
【0066】
記録指示の情報が送られてきた場合には、次に、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が送られてきたか否かを確認する(ステップS405)。そして、区切り信号が送られてきた場合には、メモリカード2のユーザーファイルシステム80内に記録していた曲をユーザーファイルとして確定し、再度ステップS403の処理に戻る(ステップS406)。具体的には、音楽データを圧縮し暗号鍵を使用して暗号化しながら、曲の最後まで音楽データをユーザーファイルシステム80のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)に書き込むと共に、当該音楽データの暗号化時に使用した暗号鍵をプロテクテッドファイルシステム90のプロテクテッドファイルとして書き込む。
【0067】
一方、ステップS405における確認の結果、曲の区切り信号が送られてこない場合には、次に、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきたか否かを確認し(ステップS407)、停止指示の情報が送られてきていない場合、再度ステップS405の処理に戻る。
【0068】
ステップS407における確認の結果、停止指示の情報が送られてきた場合には、記録中のその音楽データのメモリカード2への記録は結局必要なかったと判断し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していた当該曲のユーザーファイルを削除して、再度ステップS402の処理に戻る(ステップS408)。
【0069】
また、ステップS404における確認の結果、記録指示の情報が送られてこない場合、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から区切り信号が送られてきたか否かを確認する(ステップS409)。そして、区切り信号が送られてきた場合には、記録中のその音楽データのメモリカード2への記録は結局必要なかったと判断し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していた当該曲のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)を削除して、再度ステップS403の処理に戻る(ステップS410)。
【0070】
一方、ステップS409における確認の結果、区切り信号が送られてこない場合には、ヘッドホン部30のCPU20は、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきたか否かを確認する(ステップS411)。そして、停止指示の情報が送られてきていない場合、再度ステップS404の処理に戻る。
【0071】
逆に、ステップS411における確認の結果、停止指示の情報が送られてきた場合には、スピーカ部1,3から出力中のその音楽データのメモリカード2への記録は結局必要なかったと判断し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していた当該曲のユーザーファイルを削除して、再度ステップS402の処理に戻る(ステップS412)。
【0072】
このように、ヘッドホン部30は、初めに区切り信号が送られてきて(ステップS402)音楽データの記録を始めてからは(ステップS403)、ステップS404→ステップS409→ステップS411→ステップS404→…という処理手順でループしており、その間、曲を圧縮し暗号化しながら、メモリカード2に記録し続けている。そして、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られることなく、そのまま曲の切れ目を示す区切り信号が送られてくると、ステップS409→ステップS410→ステップS403と移行し、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していたその曲のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)は削除される。また、この間にシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきた場合には、ステップS411→ステップS412→ステップS401と移行し、やはり記録していたその曲のユーザーファイル(例えばユーザーファイル821)は削除される。
【0073】
一方、区切り信号が送られてきて(ステップS402)曲の記録を始め(ステップS403)、ステップS404→ステップS409→ステップS411→ステップS404→…という処理手順でループしている間に、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られてきた場合には、ステップS404からステップS405に移行し、その後ステップS405→ステップS407→ステップS405→ステップS407→…という処理手順でループする。そして、そのまま曲の切れ目を示す区切り信号がシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から送られてくると、ステップS405→ステップS406→ステップS403と処理を移行し、ここで初めて、メモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していたその曲のデータがユーザーファイルとして確定され、それと共に当該音楽データの暗号化時に使用した暗号鍵がプロテクテッドファイルシステム90のプロテクテッドファイルとして(例えばプロテクテッドファイル921)として記録される。また、この間にシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から停止指示の情報が送られてきた場合には、ステップS407→ステップS408→ステップS401と移行し、やはりメモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録していたその曲のユーザーファイルは削除される。
【0074】
つまり、スピーカ部1,3から出力中の音楽データをユーザーファイルとし、その音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵のプロテクテッドファイルとして対でメモリカード2に記録されるシーケンスは、スピーカ部1,3から出力中の音楽データの曲をメモリカード2に記録している途中でシリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から記録指示の情報が送られてきた場合であって、さらにその後、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60からその曲の切れ目を示す区切り信号が送られてきた場合ということになる。既に説明したように、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から曲の切れ目を示す区切り信号が送られてきた場合とは、シリアル信号線68を経由して装置本体54から曲の切れ目を示す区切り信号が供給されてきた場合(図6におけるステップS306→ステップS303)に相当し、シリアル信号線25を経由してリモコン部31のCPU60から曲の記録指示の情報が送られてきた場合とは、リモコン部31のスイッチ66にて記録指示の操作がなされた場合(図6におけるステップS304→ステップS305)に相当する。従って、スピーカ部1,3から出力中の音楽データをユーザーファイルとして、その音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵のプロテクテッドファイルとして対でメモリカード2に記録されるシーケンスは、スピーカ部1,3から出力中の音楽データの曲をメモリカード2に記録している途中でリモコン部31のスイッチ66にて記録指示の操作がなされ、その後シリアル信号線68を経由して装置本体54から曲の切れ目を示す区切り信号が供給されてきた場合ということになる。
【0075】
ここで、メモリカード2に音楽データを書き込む処理の流れをさらに詳細に説明する。
【0076】
ステップS403におけるメモリカード2に音楽データの記録を始めるステップでは、ユーザーファイル821としてメモリカード2にファイルを作成し、作成したユーザーファイルに追加書き(append)にて、スピーカ部1,3から出力中の音楽データを記録していく。一般に、ファイルとしてデータを書き込むと、それに対応してユーザーファイルシステム80のファイル管理情報81も書き変わる。すなわち、データを書き込むにつれて、ファイル管理情報81に含まれるそのファイルの長さは長くなっていき、書き込んだデータの記録位置を示す情報も追加されていく。つまり、ここでの音楽データの記録とは、音楽データの実体がユーザーファイル821として記録されていくだけでなく、そのファイル管理情報81も更新されていくという意味である。
【0077】
ステップS408,S410,S412における、メモリカード2に記録していたユーザーファイル821を削除するということは、ユーザーファイルシステム80でのファイル削除を意味する。通常のファイルシステムの場合、ファイルを削除する場合には、ファイル管理情報81においてそのファイルが存在しないという状態にし、ファイルのデータが格納されている実エリア自体は削除しない。従って、この場合、ユーザーファイル821自体は削除しなくても、ファイル管理情報81においてユーザーファイル821が存在しないという状態にすれば、その音楽データは無いことになる。
【0078】
次に、ステップS406においてメモリカード2に記録していたユーザーファイル821を確定するということは、まず、ユーザーファイルシステム80でのユーザーファイル821への音楽データの書き込みを終了する。これは、ファイルの実体をユーザーファイル821に書き込むと共に、それを管理するファイル管理情報81も更新することを意味する。その後、その音楽データを暗号化するにあたって使用した暗号鍵を、プロテクテッドファイルシステム90のプロテクテッドファイル921として書き込む。これは、暗号鍵の実データをプロテクテッドファイル921に書き込むことと、それに合わせてプロテクテッドファイルシステム90のファイル管理情報91も更新することを意味する。
【0079】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したように、装置本体54から出力される音楽データのアナログ再生信号をスピーカ部1,3から出力しながら、その音楽データを圧縮し、暗号鍵を使用して暗号化してメモリカード2に常に記録し、その記録途中でその曲の記録指示がなされた場合には、その音楽データはそのままメモリカード2のユーザーファイルシステム80に記録され、その音楽データの暗号化時に使用された暗号鍵もメモリカード2のプロテクテッドファイルシステム90に書き込まれる。その音楽データの記録途中でその曲の記録指示がなされなかった場合には、その曲のファイルはメモリカード2ユーザーファイルシステム80から削除される。つまり、例えば、CDやMDに録音されている音楽データを聴きながら、その音楽データをヘッドホン内のメモリカード2に常に記録し、記録途中で記録指示の操作をすると、その音楽データはメモリカード2に記録されたまま残り、記録途中で記録指示の操作をしないと次の音楽データの切り替わり目で、記録していたその音楽データはメモリカード2から削除される。従って、音楽データの曲を聴いている途中で記録したいと思ったときでも、その曲の先頭からに遡って音楽データをメモリカード2に簡単に記録することができる。
【0080】
尚、本実施の形態では、音楽データの記録・再生をモデルに説明したが、本発明の技術的思想は他のコンテンツ、例えば映像データの記録・再生にも適用することができる。
【0081】
また、装置本体54とリモコン部31とヘッドホン部30とを、シリアル信号線25,68と音声入力線24とを含む有線ケーブル32,33にて接続する例を示したが、これら各部の接続の一部もしくは全部を、BluetoothやIEEE802.11aやIEEE802.11b等の無線によって接続し送受信するように構成しても良い。
【0082】
また、例えば、リモコン部31やヘッドホン部30の記録指示のスイッチ5,66を1回押すと記録指示がなされ、2回押すと記録指示がキャンセルされるように設定しても良いし、あるいは、記録指示のスイッチ5,66を押す回数に応じてユーザーの嗜好度を設定できるようにしても良い。
【0083】
さらに、図2の圧縮暗号化回路14や復号伸張回路17の機能の一部または全部を、CPU20で動作するソフトウェアで行っても良い。
【0084】
このように、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の色々な形で実施することができる。そのため、前述の実施例はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【0085】
【発明の効果】
本発明によれば、音楽データや映像データ等のコンテンツをスピーカ等に出力しながら、そのコンテンツの先頭からに遡って記録媒体に簡単に記録することができる。つまりコンテンツを試しに聞いたり、見たりして、途中で面白いと思った時に記録の判断をしても、その先頭に遡って最初から記録をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるオーディオ装置の構成例を示す模式図である。
【図2】図1に示したオーディオ装置のうち、リモコン部とヘッドホン部の内部構成例を示すブロック図である。
【図3】図1及び図2に示したオーディオ装置において、メモリカードに記録されている音楽データを再生し出力する際のヘッドホン部による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【図4】図1及び図2に示したオーディオ装置において、入力プラグを経由して装置本体から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカードに記録する際のヘッドホン部による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【図5】図1及び図2に示したオーディオ装置において、入力プラグを経由して装置本体から入力する音楽データのアナログ再生信号を圧縮し暗号化してメモリカードに記録しながら、装置本体から入力する音楽データのアナログ再生信号をスピーカから出力する際のヘッドホン部による処理動作例を示す動作の流れの概念図である。
【図6】図5に示した処理動作において、リモコン部による詳細な処理動作例を示すフローチャートである。
【図7】図5に示した処理動作において、ヘッドホン部による詳細な処理動作例を示すフローチャートである。
【図8】図1及び図2に示したオーディオ装置において、メモリカードのファイル管理方式を例示する模式図である。
【符号の説明】
1…スピーカ部
3…スピーカ部
2…メモリカード
4…入力プラグ
5…スイッチ
10…電池
11…アンプ
12…CPUバス
13…メモリカードI/F
14…圧縮・暗号化回路
15…ADコンバータ
16…DAコンバータ
17…復号・伸張回路
18…RAM
19…ROM
20…CPU
21…シリアルI/F
22…切替スイッチ
23…スイッチ制御
24…音声入力線
25…シリアル信号線
30…ヘッドホン部
31…リモコン部
32…ケーブル
33…ケーブル
54…装置本体
55…ジャック
60…CPU
61…シリアルI/F
62…LCDコントローラ
63…LCD表示パネル
64…RAM
65…ROM
66…スイッチ
67…シリアルI/F
68…シリアル信号線
69…CPUバス
80…ユーザーファイルシステム
81…ファイル管理情報
821…ユーザーファイル
82n…ユーザーファイル
90…プロテクテッドファイルシステム
91…ファイル管理情報
921…プロテクテッドファイル
92n…プロテクテッドファイル
Claims (1)
- コンテンツを再生したアナログ再生信号と、前記コンテンツの切れ目を認識させるための区切り信号とを出力する装置本体と、
前記装置本体と接続され、前記装置本体を制御するための操作手段を有するリモコン部と、
前記リモコン部及び前記装置本体と接続され、前記装置本体から出力される前記アナログ再生信号を圧縮し暗号化して記録媒体に記録する記録手段と、前記装置本体から出力される前記アナログ再生信号あるいは前記記録媒体に記録されたコンテンツを復号し伸張して得た再生信号をスピーカより出力する出力手段とを有する再生部とからなり、
前記記録媒体は、前記アナログ再生信号を圧縮し暗号化してコンテンツとして記録するユーザーファイルシステム領域と、当該コンテンツの暗号化時に使用した暗号鍵を暗号化して記録するプロテクテッドファイルシステム領域とを含み、前記ユーザーファイルシステム領域と前記プロテクテッドファイルシステム領域はそれぞれ、ファイルの蓄積位置や位置の連なりを示すファイル管理情報を記録するファイル管理領域とファイルの実データを記録するデータ領域とを有し、前記ユーザーファイルシステム領域に記録された前記コンテンツは前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録された当該コンテンツの暗号化時に使用した前記暗号鍵を用いて復号されることで再生可能となり、
前記再生部は、前記リモコン部から前記装置本体に再生指示がなされた場合、その再生指示に応じて前記装置本体から出力される前記コンテンツを再生したアナログ再生信号を前記出力手段から出力しながら、当該アナログ再生信号を圧縮し暗号化して前記記録媒体の前記ユーザーファイルシステム領域に記録し、その記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間に前記リモコン部から記録指示がなされた場合、当該コンテンツの前記ユーザーファイルシステム領域への記録完了後、当該コンテンツの前記暗号化時に使用した暗号鍵を前記記録媒体の前記プロテクテッドファイルシステム領域に記録し、前記記録を開始してから当該コンテンツの切れ目を示す区切り信号が前記装置本体から供給されるまでの間に前記リモコン部から記録指示がなされなかった場合、前記記録媒体の前記ユーザーファイルシステム領域に記録した当該コンテンツを前記ユーザーファイルシステム領域から削除すること
を特徴とするコンテンツ記録再生装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211366A JP2004056503A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | コンテンツ記録再生装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002211366A JP2004056503A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | コンテンツ記録再生装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004056503A true JP2004056503A (ja) | 2004-02-19 |
Family
ID=31934626
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002211366A Pending JP2004056503A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | コンテンツ記録再生装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004056503A (ja) |
-
2002
- 2002-07-19 JP JP2002211366A patent/JP2004056503A/ja active Pending
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