JP2004055534A - 燃料電池用加湿装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、中空糸膜エレメントからなり、(a)中空糸膜の内径が400μm以上、(b)中空糸膜の水蒸気透過速度(P’H2O)が0.5×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上、(c)中空糸膜の水蒸気と酸素ガスとの透過速度比(P’H2O/P’O2)が10以上、(d)中空糸膜が100℃の熱水中で50時間熱水処理した後の引張破断伸度が熱水処理前の80%以上を保持することを特徴とする燃料電池用加湿装置に関し、特に中空糸膜エレメントの有効長をL、前記中空糸膜エレメントを装着する容器の内径をDとするとき、L/Dが1.8以上である燃料電池用加湿装置に関する。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料電池の供給ガスを加湿するために好適な、中空糸膜を用いた加湿装置に関する。本発明の燃料電池用加湿装置は、圧力損失を抑制しながら高効率で加湿することが可能であり、水蒸気以外の他成分は透過が抑制され、経済的である。特に、燃料電池から排出された排ガスから水分を回収して燃料電池へ供給される供給ガスを加湿するのに好適な加湿装置である。
【0002】
【従来の技術】
近年、電気自動車や静置型小型発電装置としてパーフルオロカーボンスルホン酸膜のような固体高分子膜を電解質膜として用いた燃料電池が注目されている。
このような固体高分子は含水状態ではプロトン導電性電解質として機能するが、乾燥状態ではプロトン導電性が低下するとともに固体高分子電解質膜と電極との接触不良がおこって出力が急激に低下する。このため、固体高分子型燃料電池システムでは、固体高分子電解質膜が一定の湿度を保つように、供給ガスを加湿して供給している。このため、供給ガスを加湿するための加湿装置が種々検討されている。
特開平6−132038号公報には、水蒸気透過膜を用いて、燃料電池から排出される排気ガスを加湿用ガスとして燃料電池へ供給する供給ガスを加湿することが開示されている。
特開平8−273687号公報には、中空糸膜を用いた加湿装置で、燃料電池の供給ガスを加湿することが開示されている。
【0003】
燃料電池用加湿装置には、燃料電池の運転温度である80℃程度の温度や水蒸気、酸素、及び、水素などが存在する雰囲気中に長期間暴露されても安定して加湿することができること、低圧ガスを用いても効率よく加湿できること、ガスの圧力損失が抑制されること、水蒸気以外の他成分の透過が抑制できることなどが要求されている。
しかしながら、例えば、特開2001−351660号公報では、中空糸水透過膜型加湿装置に加えて凝縮器と水噴射弁からなる補助加湿手段を備えることが提案されている。この提案は、低圧運転で加湿量を増やすためにスケールアップすると圧力損失が増大するので中空糸水透過膜型加湿装置の採用には限界があるという問題を解決るためであった。
このように、中空糸膜を用いた燃料電池用加湿装置には改良すべき余地があった。
【0004】
本発明の発明者を含む発明者らは、米国特許第6464755号公報において、高い水蒸気透過速度と、実用的な機械的強度と、更に優れた耐水性及び耐熱水性を併せ持った非対称中空糸ガス分離膜を開示し、この非対称中空糸膜ガス分離膜が燃料電池の供給ガスを加湿するために用いることができる可能性について言及している。しかし、米国特許第6464755号公報は、本発明のように、中空糸ガス分離膜を燃料電池用加湿装置に適用する場合に有用なパラメータを具体的に検討して開示するものではない。
また、特開2002−219339号公報は中空糸膜を用いた加湿モジュールにおいて、中空糸膜束が充填された領域に最短長さLと当該領域に結ばれる対角線の長さAとのとの比L/A、又は中空糸膜束が充填された領域の中空糸膜束の高さDと当該領域に結ばれる最短長さLとの比D/Lが特定範囲内であれば、筒状ハウジング内の各中空糸膜の外面に乾燥ガスを均一に行き渡らせられるので、加湿器の加湿能力が向上することを開示している。しかし、特開2002−219339号公報は本発明のように加湿モジュールにおける中空糸膜の圧力損失の問題の解決法を開示するものではない。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−132038号
【特許文献2】
特開平8−273687号
【特許文献3】
特開2001−351660号
【特許文献4】
米国特許第6464755号
【特許文献5】
特開2002−219339号
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料電池の運転温度である80℃程度の温度や水蒸気、酸素、及び、水素などが存在する雰囲気中に長期間暴露されても安定して加湿することができ、低圧ガスを用いてもガスの圧力損失を抑制しながら加湿効率を高くすることができ、水蒸気以外の他成分の透過が抑制され、しかも、経済的な燃料電池用に好適に用いることができる加湿装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束の両端部に中空糸膜を開口状態で固着した管板が形成された中空糸膜エレメントを、少なくとも第1のガス供給口、第1のガス排出口、第2のガス供給口、及び、第2のガス排出口を有する容器内に、中空糸膜の中空側へ通じる空間と中空糸膜の外側へ通じる空間とが隔絶するように装着して構成された燃料電池用加湿装置において、
(a)中空糸膜の内径が400μm以上、好適には500μm超〜1500μm未満である
(b)中空糸膜の水蒸気透過速度(P’H2O)が0.5×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上である
(c)中空糸膜の水蒸気と酸素ガスとの透過速度比(P’H2O/P’O2)が10以上である
(d)中空糸膜が100℃の熱水中で50時間熱水処理した後の引張破断伸度が熱水処理前の80%以上を保持することを特徴とする燃料電池用加湿装置に関し、特に、中空糸膜エレメントの有効長をL、前記中空糸膜エレメントを装着する容器の内径をDとするとき、L/Dが1.8以上である燃料電池用加湿装置に関する。
更に、中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の膜充填率が35〜55%であること、中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の外周部の50%以上がフィルム状物質で被覆されていること、中空糸膜の中空側を流れる第1のガスと、中空糸膜の外側の空間を流れる第2のガスとが、中空糸膜を挟んで向流に流れること、中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の略中心部に中空糸膜束に沿って配した芯管を設け、前記芯管には芯管内と芯管外とを連通する連通孔を形成しており、第2のガスが第2のガスの供給口から前記芯管内へ導かれ前記連通孔を通じて中空糸膜の外側の空間へ導入されるように構成されたことに関する。
また、燃料電池への供給ガスが加湿されるように構成されたこと、第1のガスが燃料電池のカソードからの排ガスであり、第2のガスが燃料電池のカソードへ供給される空気であるように構成された燃料電池用加湿装置に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の燃料電池用加湿装置は、多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束の両端部に中空糸膜を開口状態で固着した管板が形成された中空糸膜エレメントを、少なくとも第1のガス供給口、第1のガス排出口、第2のガス供給口、及び、第2のガス排出口を有する容器内に、中空糸膜の中空側へ通じる空間と中空糸膜の外側へ通じる空間とが隔絶するように装着して構成されている。
本発明の加湿装置を構成する中空糸膜エレメントの一例の概略の縦断面図を図1に示す。多数本(通常は数十本から数十万本)の中空糸膜1が略平行に束ねられて中空糸膜束を形成している。その中空糸膜束の両端部は、例えばポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂やエポキシ樹脂などの硬化性樹脂からなる管板2、2’によって両端面で中空糸膜が開口状態を保持するように固着されて中空糸膜エレメント3を構成している。尚、中空糸膜は1〜100本毎に中空糸膜束の軸方向に対して30°以下の低角度で交互に交叉配列されたいわゆる綾織の状態で、中空糸膜束全体としては略平行に集束されていることが望ましい。
図2は、本発明の燃料電池用加湿装置の一例の概略の縦断面図である。前記中空糸膜エレメント3の少なくとも一つが、少なくとも第1のガス供給口4、第1のガス排出口5、第2のガス供給口6、及び、第2のガス排出口7を備えた容器8内に、中空糸膜の中空側へ通じる空間と中空糸膜の外側へ通じる空間とが隔絶するように装着されている。
すなわち、管板によって容器内の空間が間仕切りされており、容器内の2つの管板2、2’の間の空間は各中空糸膜の中空側の空間と中空糸膜の外側の空間とに分けられている。第1のガスの供給口4から供給された第1のガスは管板2端面の中空糸膜の開口から中空糸膜の中空側に導入され、中空糸膜の中空側を流れ、反対側の管板2’端面の中空糸膜の開口から流れ出し、第1のガスの排出口5から排出される。一方、第2のガスの供給口6から供給された第2のガスは中空糸膜の外側の空間を流れて、第2の排出口7から排出される。この間、それぞれのガスは中空糸膜の内外の表面に接触して流れるので、水蒸気分圧が高いガス側の水蒸気が、水蒸気分圧が低いガス側へ中空糸膜を選択的に透過することによって加湿がおこなわれる。
尚、図2中の矢印は、ガスの流れの方向を示している。
【0009】
固体高分子型燃料電池に供給するガスや排出されるガスの圧力は、その燃料電池の使用条件によって決まるが、概ね1気圧から3気圧程度(ゲージ圧で0〜2気圧)の低圧である。燃料電池のカソードで発生する水分を多量に含むカソードの排出ガスを加湿ガスとして、カソードへ供給される空気を加湿するような場合を考えれば明らかであるが、燃料電池用加湿装置では、低圧のガスを低圧のガスで加湿することができ且つガスを加圧するための動力を極力低減させるために、圧力損失が極めて低レベルに抑制されねばならない。
加湿装置の圧力損失は、ガスが中空糸膜の中空側を流れるときとガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときに主に発生する。
中空糸膜の中空側を通過するガスの圧力損失を抑制するための方法として、中空糸膜を短くする方法が考えられる。しかし、短い中空糸膜を用いると、中空糸膜の両端部の管板に包埋されて加湿に用いることができない膜面積の割合が大きくなって経済的な加湿装置を得るのが難しくなる。しかも、中空糸膜を短くして同等の加湿量を得ようとすると、より多数本の中空糸膜が必要になるので、以下で述べるように、中空糸膜エレメントの有効長をL、前記中空糸膜エレメントを装着する容器の内径をDとするとき、L/Dが小さくなることにより、中空糸膜の外側の空間でガスの流れが偏流を起こして加湿効率が低くなる。
【0010】
本発明の加湿装置で用いる中空糸分離膜の内径の好ましい下限値は、好ましくは400μm超、より好ましくは410μm以上、更に500μm超であり、また内径の好ましい上限値は1500μm未満、特に800μm未満である。中空糸分離膜の内径は典型的には400μm超〜1500μm未満の範囲内であり、500μm超〜1500μm未満の範囲内がより好ましい。
中空糸膜の内径が400μm以上更には400μm超又は410μm以上、特に500μm超であれば、内径の数百倍以上の長さの中空糸膜を用いても圧力損失を極めて低レベルに抑制できる。このため、管板によって加湿に用いることができなくなる膜面積の割合が小さくなって経済的な加湿装置が可能になる。更に、以下で述べるように、中空糸膜エレメントの有効長をL、前記中空糸膜エレメントを装着する容器の内径をDとするとき、L/Dを一定以上の大きさにすることができるので加湿効率を高くすることが可能になる。
一方、中空糸膜の内径が1500μm以上になると、所定の容積内に装着できる中空糸膜の本数が制限されて有効膜面積が少なくなって加湿効率を高めることが難しくなるし、さもなくば、装置を大型にする必要が生じるので好ましくない。しかも、中空糸膜の内径が1500μm以上になると、中空糸膜が変形し易くなり中空糸膜の製造が難しくなる。中空糸膜の強度を高めるために膜厚を大きくすると水蒸気透過速度が小さくなるので加湿効率が高い加湿装置を得るのは難しい。
【0011】
本発明の加湿装置に用いられる中空糸膜の水蒸気透過速度(P’H2O)は、80℃の温度において、0.5×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上、好ましくは2.0×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上であり、また、水蒸気と酸素ガスとの透過速度比(P’H2O/P’O2)は、80℃の温度において、10以上、好ましくは100以上である。
中空糸膜の水蒸気透過速度(P’H2O)が0.5×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg未満では、十分な加湿量が得られないし、同じ加湿量を得るためには中空糸膜を余計に用いる必要が生じるので好ましくない。また、水蒸気と酸素ガスとの透過速度比(P’H2O/P’O2)が10未満では、水蒸気以外のガス成分が中空糸膜を透過し易くなるので好ましくない。例えば、カソードへ供給される空気をカソードからの排出ガスで加湿するとき、排出ガスの酸素ガス分圧が空気の酸素ガス分圧よりも小さくなって酸素ガスが空気から排出ガス側へ透過する可能性がある。その場合に、水蒸気と酸素ガスとの透過速度比(P’H2O/P’O2)が10未満では、多量の酸素ガスが透過して供給する空気中の酸素ガス濃度が減少し燃料電池の出力が低下するので好ましくない。
【0012】
さらに、本発明の加湿装置に用いられる中空糸分離膜は、100℃の熱水中で50時間熱処理した後の引張破断伸度が熱水処理前の引張破断伸度の80%以上、好ましくは90%以上を保持することができる耐熱水性を有する。固体高分子膜型燃料電池のスタックは約80℃程度の温度で使用されるため、加湿装置も同程度の温度で運転されることになる。従って、中空糸膜は80℃程度の温度条件で水蒸気を多量に含んだガスと絶えず接触する。100℃の熱水中で50時間熱処理した後でも熱処理前の引張破断伸度の80%以上の引張破断伸度を保持できる中空糸膜は、100℃の熱水によっても加水分解しないものであるから、長期間に亘って信頼性よく加湿に用いることができる。
【0013】
本発明の加湿装置に用いられる中空糸分離膜は、多孔性膜でも非多孔性の膜でも構わないが、多孔性膜では水蒸気以外の成分が供給ガスへ混入し易いなどの問題があるため、非多孔性膜が好ましい。特に、非対称の非多孔性膜が水蒸気透過速度が高くなるので好ましい。膜の材質は、80℃程度の高温で水蒸気や酸素ガスなどに接触する使用条件から、耐熱性、耐薬品性、耐久性、及び、耐加水分解性の優れた材料が好ましい。
多孔性膜では、例えば、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、セルロース誘導体樹脂などを好適に挙げることができる。
非多孔性膜では、例えば、ポリイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアセチレン樹脂、セルロース誘導体樹脂などを好適に挙げることができる。
本発明の燃料電池用加湿装置に用いる中空糸膜としては、芳香族ポリイミドからなる非対称中空糸膜が特に好ましい。芳香族ポリイミドからなる非対称中空糸膜は、例えば、本発明の発明者を含む発明者の米国特許第6464755号公報に詳細に記載されているように、耐熱性や耐久性が優れており、水蒸気透過速度が高く、水蒸気の選択透過性が高く、耐熱水性の優れたものを製造することができるので、極めて高効率で高信頼性の加湿装置を得ることができる。
【0014】
本発明の加湿装置に用いることができる非対称中空糸分離膜は、前記の樹脂を溶解したポリマー溶液を用いて、Loebらが(例えば、米国特許第3133132号で)提案した方法、即ち、ポリマー溶液をノズルから押出して目的形状物とし空気又は窒素雰囲気空間を通過させた後で凝固浴に浸漬する、いわゆる乾湿式法により容易に製造することができる。
【0015】
また、本発明の加湿装置に用いられる中空糸分離膜は、1つの好ましい態様において、米国特許第6464755公報に開示されているように、スキン層(分離層)と多孔質層(支持層)とから構成される非対称構造を有し、多孔質層のガス透過速度がヘリウムガスの透過速度(P’He)で2.5×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上、より好ましくは3.0×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上であり、また中空糸膜での引張強度が2.5kgf/mm2以上、より好ましくは3.0kgf/mm2以上、破断伸度は10%以上、より好ましくは15%以上であることが好ましい。
中空糸分離膜の多孔質層(支持層)のヘリウム透過速度(P’He)は膜の多孔質層(支持層)のガス透過抵抗を示すもの(但し、値が大きい方が抵抗が小さい)であり、次のような測定方法で測定した値である。即ち、非対称中空糸膜を酸素プラズマ処理によって表面のスキン層を削り、ヘリウムガスと窒素ガスとの透過速度比が実質的に均質膜の透過速度比とは認められない領域に到達したときのヘリウムガスの透過速度(P’He)である。具体的には、プラズマ処理前のヘリウムと窒素の透過速度比(P’He/P’N2)が20以上の膜をプラズマ処理して、前記透過速度比(P’He/P’N2)が1.2以下になったときのヘリウムガスの透過速度である。
【0016】
また、中空糸分離膜の機械的強度は、中空糸膜の引張試験における引張強度と破断伸度で表している。これらは温度23℃にて引張試験機を用いて試料(中空糸膜)の有効長20mm、引張速度10mm/分で測定した値である。引張強度は中空糸膜の引張破断時の応力を中空糸の膜断面積で除した値[単位:kgf/mm2]であり、破断伸度は中空糸膜の元の長さをL0、引張破断時の長さをLとしたときの(L0−L))/L0×100[単位:%]である。
中空糸膜の引張強度は好ましくは2.5kgf/mm2以上、破断伸度は好ましくは10%以上である。このような機械的強度を持った中空糸膜は、容易に破損や破断することなく取扱うことができ、更に、優れた耐圧性や耐久性を持つので特に有用である。
上記のような多孔質層のヘリウムガスの透過速度(P’He)、中空糸膜の引張強度及び破断伸度を満たす非対称中空糸分離膜の製法は米国特許第6464755公報に開示されている。(その記載は参照して本発明に含める。)
【0017】
本発明の加湿装置に用いることができる非対称中空糸分離膜の膜厚は、通常、スキン層が10〜200nm好ましくは20〜100nmであり、多孔質層が20〜200μm好ましくは30〜100μmである。
【0018】
本発明の加湿装置において、中空糸膜エレメントの有効長をL、中空糸膜エレメントを装着する容器の内径をDとするとき、L/Dが1.8以上、特に2〜6であるように構成することが、加湿効率を高くできるので好適である。
容器内に中空糸膜エレメントを装着した一例の概略の縦断面図である図3中に記載してLおよびDを示した。尚、図3中の矢印は、ガスの流れの方向を示している。
中空糸膜エレメントの有効長Lとは、中空糸膜束の両端部に形成された管板を除いた実際に水蒸気透過に寄与する部分の長さであり、容器の内径Dとは、中空糸膜エレメントが装着された容器の中空糸膜束の長手方向に対し垂直な断面の径である。容器が円筒状の場合は、Dは円筒の円断面の直径である。通常、この容器は円筒状である。この容器が直方体状であるような場合は、容器の中空糸膜束の長手方向に対し垂直な断面の面積と同じ面積を有する円の直径とする。容器の内径Dは、中空糸膜の外側の空間へ導入された第2のガスが、中空糸膜の外側の空間内を流れるときの広がりの程度を示す。
L/Dが1.8以下になると、中空糸膜エレメントの長さが相対的に短いので中空糸膜の中空側を流れる第1のガスの圧力損失を低く抑制するのは容易である。しかし、一方で、中空糸エレメントの有効長に較べて中空糸膜の外側の空間を流れる第2流のガスの広がりの程度が相対的に大きくなるので、前記第2のガス流が中空糸膜の長手方向に流れないで中空糸膜を横切る方向に流れる程度が大きくなる。すなわち、中空糸膜の加湿能力を最大限に発揮させる中空糸膜に沿ったピストンフローから逸脱し、ショートパス流や偏流つまりガス流速の速いところと遅いところが生じる。ショートパス流や偏流が起ると加湿効率が低下するので好ましくない。
L/Dが6を越えると、中空糸膜エレメントの長さが相対的に長いので中空糸膜の中空側を流れる第1のガスの圧力損失を低く抑制するのが困難になる。
尚、用いられた中空糸膜エレメントが、中空糸膜束の外周部をフィルム状物質で被覆して中空糸膜の外側の空間を流れる第2流のガスの広がりの程度が抑制されたものであるときには、Dは容器の内径ではなくフィルム状物質で囲まれた空間の内径を意味する。
【0019】
本発明の加湿装置において、中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の膜充填率、即ち、中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の長手方向に垂直な断面積に対する前記中空糸膜束を構成している各中空糸膜の長手方向に垂直な断面積の総和の割合は、35〜55%、特に35〜45%が好適である。
前記中空糸膜束の膜充填率は、中空糸膜束の長手方向に垂直な断面積における、中空糸膜が占める面積の割合を示し、100(%)から膜充填率(%)を引いた値(%)は中空糸膜束における中空糸膜の外側の空間の割合を示している。
膜充填率が35%未満では、中空糸膜束を構成する中空糸膜が少なすぎて効率的な加湿が難しい。かつ、局所的に膜充填率の大きな部分と小さな部分ができ易くなり、ショートパス流や偏流の原因になる。また、膜充填率が45%特に55%を越えると、中空糸膜束の中空糸膜の外側の空間が小さくなり、シートパスや偏流の原因になるし、また中空糸膜の外側の空間を流れる第2のガス流の圧力損失を抑制することが困難になる。
【0020】
本発明の加湿装置において、中空糸膜エレメントの加湿に有効な部分の中空糸膜束の外周部の50%以上、特に80%〜95%程度が、フィルム状物質で被覆されていることが好ましい。
容器内に中空糸膜エレメントが装着されたとき、中空糸膜束の外周部と容器内壁面との間に空間が生じることがある。この空間には中空糸膜の外側の空間に導入された第2のガスが流れるが、この空間を流れる第2のガスは中空糸膜と触れることががないから、水蒸気透過に関しては全く寄与できない流れになる。本発明の加湿装置における中空糸膜束の外周部を被覆するフィルム状物質は、前述の水蒸気透過に対して全く寄与のないガス流を防ぐために設けられるものである。
このフィルム状物質は、容器に設けられた第1のガスの供給口、第1のガスの排出口、第2のガスの供給口、第2のガスの排出口から出入りするガス流を妨げないように配置される。
このフィルム状物質は、装置内に導入されたガスを実質的に透過しないか、難透過性であり、80℃程度の温度及び水分や酸素ガスが存在する雰囲気中で耐久性があればいかなる材料で形成されても構わないが、例えば、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミドなどのプラスチック材料や、アルミニウムやステンレスのフィルムを好適に使用できる。フィルム厚も特に限定されないが、数10μm〜数mm程度までが好適である。
【0021】
本発明の加湿装置においては、中空糸膜内を流れる第1のガス流と、中空糸膜の外側の空間を流れる第2のガス流とが向流に流れるように構成されることが好適である。
これらのガス流のうち、一方が水蒸気の含有量が高い状態で供給される加湿用のガスであり、他方が水蒸気の含有量が低い状態で供給される被加湿ガスである。水蒸気が膜を透過するドライビングフォースは通常膜を挟んだ2つのガスの膜表面近傍における水蒸気分圧の差である。従って、加湿用ガスを加圧し被加湿ガスを減圧にすれば、非常に大きな水蒸気の透過量を達成できる。しかしながら、燃料電池に供給するガスや燃料電池から排出されるガスの圧力は、その燃料電池の使用条件によって決まっており、特に1気圧から3気圧程度(ゲージ圧で0〜2気圧)の低圧であるので、加湿用ガスの圧力を高めることによって水蒸気透過の効率を高めることには限界がある。
特にこのような条件下では以下の理由により向流が最適である。
すなわち、水蒸気が膜を透過すると、透過側の膜表面近傍の水蒸気分圧が上昇するので、続いて起るはずの水蒸気の膜透過のドライビングフォースが弱まる。
この透過側の膜表面近傍の水蒸気分圧が上昇したガスを水蒸気分圧が低い被加湿ガスで置換すると、水蒸気が膜を透過するドライビングフォースが弱まることはない。
中空糸膜の内側と中空糸膜の外側の空間を流れるガス流が向流になるように構成すると、透過側の膜表面近傍の水蒸気分圧が上昇したガスを水蒸気分圧が低い被加湿ガスで連続的に置換することができ、しかも、水蒸気が透過して水蒸気分圧が低下した加湿用ガスが流れるところの膜の透過側をまだ加湿されていない水蒸気分圧が低い被加湿ガスが流れるようになるので中空糸膜全長にわたって水蒸気を透過させることができるようになり、加湿効率を高めることができる。
向流に流さないで、例えば、加湿用ガスと被加湿ガスとを中空糸膜に沿って同一方向に流すと、両ガスが導入されて膜の両側を流れ始めたときには、膜の両側の水蒸気分圧差が最大であって水蒸気が多量に透過するけれども、膜に沿って流れていくと加湿用ガスの水蒸気分圧は低下し且つ被加湿ガスの水蒸気分圧は上昇して膜の両側の水蒸気分圧差は小さくなり水蒸気の透過がおこり難くなる。この結果、中空糸膜全体としては加湿効率を低下させることになる。
【0022】
本発明の加湿装置において、加湿用ガスと被加湿ガスとを中空糸膜に沿って向流に流すために、第1のガスが中空糸膜エレメントの一方の端部の管板の開口から中空糸膜内に導入されて中空糸内を流れて中空糸膜メレメントの他方の端部の管板の開口から排出され、第2のガスが第1のガスが排出する側の中空糸エレメントの管板の近傍で容器内の中空糸膜外の空間へ導入され、容器内の中空糸膜外の空間を流れて第1のガスが導入される側の中空糸膜エレメントの管板の近傍で容器から排出されるように、第1のガスの供給口、第1のガスの排出口、第2のガスの供給口、及び、第2のガスの排出口を容器に配置されるのが好適である。
【0023】
第2のガスの供給口は、第2のガスが供給口から直接に容器内の中空糸膜の外側の空間へ導入されるように容器に配置されてもよい。
特に好ましくは、中空糸膜エレメントの中空糸膜束の略中心部に中空糸膜に沿って配した芯管を設け、その芯管は、第1のガスが中空糸膜外へ流れ出る側の管板を貫通しており、且つ、その管板の近傍で中空糸膜の外側の空間に面して芯管内外を連通する連通孔を形成し、第2のガスの供給口から供給された第2のガスが前記芯管に導かれ、前記連通孔から容器内の中空糸膜の外側の空間へ流れ出し、中空糸の外側の空間を中空糸に沿って流れ、第1のガスが中空糸膜内に導入される側の管板の近傍で中空糸膜の外側の空間から容器に備えられた第2のガスの排出口から容器外へ排出されるように構成された加湿装置である。
導入された第2のガスは、中空糸膜束の中心部から中空糸膜に沿って向流に流れながら且つ中空糸膜束の外側方向へ放射状に均一に流れることが可能になり、シートパス流や偏流が発生し難くなって加湿効率をより高めることができる。
【0024】
本発明の加湿装置において、中空糸膜の内側を流れる第1のガスが加湿用ガスであり、中空糸膜の外側の空間を流れる第2のガスが被加湿ガスであることが好ましい。
【0025】
本発明の加湿装置において、容器などの材料は80℃程度の温度及び水分や酸素ガスが存在する雰囲気中で耐久性があればいかなる材料で形成されても構わないが、ステンレスやアルミ合金などの金属でもよいし樹脂や繊維強化樹脂で形成されたものでも構わない。容器は、一体物でなく筒部とキャップ部から組立てられていても構わない。必要に応じてパッキン類、接着剤、ボルトナット類などが用いられる。また、本発明の加湿装置は、ガス中の不純物や膜性能を劣化する可能性がある物質、例えば、オイルミスト、塵埃、ガス中に含まれる微量の化学物質を除去するためにフルター類などの前処理装置を備えても構わない。更に、ガスの温度を調整するための熱交換器やヒーター類、ガスの圧力を調整するためのコンプレッサーなどの圧力調整装置類を、必要に応じて備える。
【0026】
以下、本発明の加湿装置の別の一例の概略の縦断面図を示した図4によって更に説明する。
図4において、中空糸膜1からなる中空糸膜束の両端部は管板2、2’で中空糸膜の端部が開口状態を保つように固着されている。中空糸膜束の略中心部には中空糸膜に沿って芯管9が備えられている。芯管9は、第1のガスの供給口4側の管板2には包埋されており、第1のガスの排出口5側の管板2’は貫通して第2のガスの供給口6と通じている。また、芯管9には、管板2’の近傍に、芯管内部と中空糸膜の外側の空間とを連通する連通孔10が芯管の外周に沿って配置されている。中空糸膜束の外周部にはフィルム状物質11が被覆されている。このフィルム状物質11は第1のガスの排出口側の管板2’に埋め込まれて固定されており、管板2の近くに設けられた第2のガスの排出口7に面する部分は、中空糸膜束はフルム状物質で被覆されていない。
この装置において、水蒸気を多く含んだ加湿用ガスは第1のガスの供給口4から導入され中空糸膜内を流れて第1のガスの排出口5から排出される。一方、加湿されるべき被加湿ガスは第2のガスの供給口6から導入され、芯管9内を流れ芯管の連通孔10から中空糸膜の外側の空間へ導入され、中空糸膜に沿って実質的に加湿用ガスの流れと向流に流れて、第2のガスの排出口7から排出される。
この間、中空糸膜の内外表面には、加湿用ガスと被加湿ガスがそれぞれ接触するから、水蒸気分圧が高い加湿用カス中の水蒸気が中空糸膜内から中空糸膜外へ中空糸膜を透過する。この結果、中空糸膜の外側の空間を流れる被加湿ガスは加湿されて第2のガスの排出口から排出される。
尚、図4中の矢印は、ガスの流れの方向を示している。
【0027】
本発明の加湿装置は、中空糸膜を用いているので小型で軽量であり、複雑な駆動や操作を必要としない加湿装置である。その上、燃料電池の運転温度である80℃程度の温度や水蒸気、酸素、及び、水素などが存在する雰囲気中に長期間暴露されても安定して加湿することができ、低圧ガスを用いてもガスの圧力損失を抑制しながら加湿効率を高くすることができ、水蒸気以外の他成分の透過が抑制され、しかも、経済的であるので、燃料電池用に好適に用いることができる
本発明の加湿装置は、特に、燃料電池のカソードへ供給される空気をカソードからの排出ガスで加湿するような場合に好適に用いることができる。
【0028】
図5は、本発明の燃料電池用加湿装置の使用形態の一例を示す概略図である。尚、図5中の矢印は、ガスの流れの方向を示している。
図5において、固体高分子型燃料電池12はアノード13、固体高分子電解質膜14、カソード15から構成されている。カソード15へは空気が供給される。該空気は、外気から採取されて先ず本発明の加湿装置へ第2のガスの供給口6から供給され、連通孔10を通って装置内の中空糸膜の外側の空間へ導入されて、第2のガスの排出口7から排出され、燃料電池のカソード15へ供給される。カソード15から排出された排出ガスは、本発明の加湿装置の第1のガスの供給口4へ導かれて装置内へ導入される。次いで、前記排出ガスは管板2の中空糸の開口部から中空糸膜の中空側に入り中空内を流れて管板2’の中空糸の開口部から流出し第1のガスの排出口5から装置外へ排出される。
カソード5から排出された排出ガスは約80℃程度の温度であり又燃料電池12で生成した水を多量に含んでいる。加湿装置へ導入された前記排出ガスと空気とは、中空糸膜を挟んで膜に接触しながらお互いに向流方向に流れる。その間に前記排出ガス中の水蒸気が膜を透過してから空気を加湿する。更に、この過程で空気は前期排出ガスの熱を受け取って加温される。加湿加温された空気が第2のガスの排出口7から排出されて燃料電池のカソードへ供給される。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明の加湿装置について更に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0030】
実施例における測定方法は以下のとおり。
(回転粘度の測定方法)
ポリイミド溶液の回転粘度は、回転粘度計(ローターのずり速度1.75/sec)を用い温度100℃で測定した。
【0031】
(中空糸膜の水蒸気透過性能の測定方法)
約10本の中空糸膜と、ステンレスパイプと、エポキシ樹脂系接着剤とを使用して有効長が20mmの透過性能評価用のエレメントを作成し、これをステンレス容器に装着してペンシルモジュールとした。このペンシルモジュールの中空糸膜の外側へ水蒸気濃度約23体積%の窒素ガスを一定量供給し、透過側へは一定量のキャリアガス(Arガス)を流しながら水蒸気分離をおこない、非透過ガス及び透過ガスの水蒸気量を鏡面式の露点計で検出した。測定した水蒸気量(水蒸気分圧)と供給ガス量及び有効膜面積から膜の水蒸気透過速度を算出した。尚、これらの測定は80℃でおこなった。
【0032】
(中空糸膜の酸素ガス透過性能の測定方法)
約15本の中空糸膜と、ステンレスパイプと、エポキシ樹脂系接着剤とを使用して有効長が10cmの透過性能評価用のエレメントを作成し、これをステンレス容器に装着してペンシルモジュールとした。それに一定圧力の酸素純ガスを供給して透過流量を測定した。測定した透過酸素ガス量と供給圧力及び有効膜面積から酸素ガスの透過速度を算出した。尚、これらの測定は80℃でおこなった。
【0033】
(中空糸膜の引張破断伸度の測定)
引張試験機を用いて有効長20mm、引張速度10mm/分で測定した。尚、測定は23℃で行った。
(中空糸膜の耐熱水性の測定)
引張破断伸度が既知の中空糸膜を試料として、ステンレス容器内にイオン交換水と前記中空糸膜を入れて密封し、前記容器を100℃のオーブン中に入れ50時間保持して中空糸膜を熱水処理した。熱水処理後の中空糸膜は容器から取り出され100℃のオーブン中で乾燥した。乾燥後の中空糸膜は前記の引張試験方法に従って引張破断伸度を測定した。引張破断伸度の保持率[%]を耐熱水性の指標として表わした。
【0034】
(加湿試験)
供給ガスの圧力がほぼ大気圧のときは、加湿装置の第1のガスの供給口と第2のガスの供給口に、所定の圧力、温度、相対湿度を持った空気をそれぞれの供給口の手前のガス流量調節弁で流量を調節しながら供給した。排出口はいずれも大気へ開放とした。また、供給ガスの圧力が0.2MPaGのときは、加湿装置のそれぞれの供給口に、所定の圧力、温度、相対湿度を持った空気を供給し、排出口から排出される流量を流量調節弁で調節した。
第1のガスと第2のガスの供給口の直前及び排出口の直後には水マノメーターを取付けて圧力を測定した。
また、第1のガス及び第2のガスともに、供給するガスと排出したガスとを鏡面式の露点計で水分含有量を測定した。尚、露点計で測定できない範囲の水分含有量を持った空気は、露点が既知の空気と所定の割合で混合して露点を下げてから露点を測定した。水分含有量は測定した露点から算出した。
【0035】
(ポリイミド(a)溶液の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物52.960gと、2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物53.309gと、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル60.793gとを、溶媒のパラクロロフェノール820.37gと共にセパラブルフラスコ中にて重合温度180℃で11時間重合し、回転粘度が1716ポイズ、ポリマー濃度が16重量%のポリイミド(a)溶液を得た。
【0036】
(ポリイミド(b)溶液の調製)
3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物88.266gと、ジアミノジフェニルエーテル61.273gとを、溶媒のパラクロロフェノール728.38gと共にセパラブルフラスコ中にて重合温度180℃で7時間重合し、回転粘度1823ポイズ、ポリマー濃度16重量%のポリイミド(b)溶液を得た。
【0037】
(非対称ポリイミド中空糸膜の製造)
前記ポリイミド(a)溶液280gと、前記ポリイミド(b)溶液120gとを、セパラブルフラスコにて温度130℃で3時間攪拌してポリイミド混合物溶液を得た。この混合物溶液のポリマー濃度は16重量%であり、回転粘度は1804ポイズであった。
このポリイミド混合物溶液を、400メッシュの金網で濾過したあと、円形開口部と芯部開口部を持つ中空糸紡糸ノズルの円形開口部から吐出させ、同時に芯部開口部から窒素ガスを吐出して中空糸状体とし、吐出した中空糸状体を窒素雰囲気中に通した後、温度0℃の所定濃度(70〜80重量%)のエタノール水溶液からなる凝固液に浸漬し湿潤糸とした。これを温度50℃のエタノール中に2時間浸漬し脱溶媒処理を完了し、更に、温度70℃のイソオクタン中に3時間浸漬洗浄して溶媒を置換後、温度100℃で絶乾状態まで乾燥し、その後所定温度(200〜300℃)で1時間の熱処理をおこなった。
【0038】
寸法の異なる中空糸紡糸ノズルを用いたり、ポリイミド溶液の吐出量及び芯部開口部から吐出する窒素ガスを調節することによって、6種類の非対称ポリイミド中空糸膜A〜Fを製造した。得られた非対称ポリイミド中空糸膜A〜Fの寸法や水蒸気透過性能を表1に示した。
【表1】
【0039】
(実施例1)
ポリイミド中空糸膜A(中空糸膜の内径=710μm)を用いて、内径165mmの円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が360mm(管板の長さはそれぞれ50mmである。以下同じ。)、膜充填率40%、中空糸膜束の外周に沿って外周面積の約80%がポリイミドフィルムで被覆され、その被覆された円筒状フィルムの内径が150mm(D)の中空糸膜エレメントを装着して、図4で示したような加湿装置とした。(L/D=2.4)
第1のガスとしてほぼ大気圧、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとしてほぼ大気圧、温度25℃、相対湿度10%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は2.4kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.1kPaであり、合計の圧力損失は2.5kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は82%であった。
【0040】
(比較例1)
ポリイミド中空糸膜B(中空糸膜の内径=285μm)を用いて、実施例1と実質的に同じ有効膜面積を持ち、実施例1と同じ内径165mmの円筒状容器からなる加湿装置を作製した。具体的には、中空糸膜束の有効長(L)が135mm、膜充填率40%、中空糸膜束の外周に沿って外周面積の約80%がポリイミドフィルムで被覆され、その被覆された円筒状フィルムの内径が150mm(D)の中空糸膜エレメントを装着して、図4で示したような加湿装置とした。(L/D=0.9)
この装置に、実施例1と同一ガスを同一条件で流れるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は8.0kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.1kPaであり、合計の圧力損失は8.1kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は36%であった。
【0041】
(実施例2)
ポリイミド中空糸膜A(中空糸膜の内径=710μm)を用いて、内径200mm(D)の円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が600mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=3.0)
第1のガスとしてほぼ大気圧、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量1500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとしてほぼ大気圧、温度25℃、相対湿度10%の空気を流量1500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は3.6kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.4kPaであり、合計の圧力損失は4.0kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は87%であった。
【0042】
(比較例2)
ポリイミド中空糸膜B(中空糸膜の内径=285μm)を用いて、実施例2と実質的に同じ有効膜面積を持ち、実施例2と同じ容器内径200mm(D)の円筒状容器からなる加湿装置を作製した。具体的には、中空糸膜束の有効長(L)が240mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=1.2)
この装置に、実施例2と同一ガスを同一条件で流れるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は18.8kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.6kPaであり、合計の圧力損失は19.4kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は43%であった。
【0043】
(実施例3)
ポリイミド中空糸膜C(中空糸膜の内径=570μm)を用いて、内径100mm(D)の円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が320mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=3.2)
第1のガスとして圧力0.2MPaG、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとして圧力0.2MPaG、温度25℃、相対湿度5%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は2.6kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.2kPaであり、合計の圧力損失は2.8kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は85%であった。
【0044】
(比較例3)
ポリイミド中空糸膜D(中空糸膜の内径=145μm)を用いて、実施例3と実質的に同じ有効膜面積を持ち、実施例3と同じ容器内径100mm(D)の円筒状容器からなる加湿装置を作製した。具体的には、中空糸膜束の有効長(L)が80mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=0.8)
この装置に、実施例3と同一ガスを同一条件で流れるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は17.5kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.4kPaであり、合計の圧力損失は17.9kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は40%であった。
【0045】
(実施例4)
ポリイミド中空糸膜C(中空糸膜の内径=570μm)を用いて、内径130mm(D)の円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が380mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=2.9)
第1のガスとして圧力0.2MPaG、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量1500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとして圧力0.2MPaG、温度25℃、相対湿度5%の空気を流量1500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は5.2kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.5kPaであり、合計の圧力損失は5.7kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は80%であった。
【0046】
(比較例4)
ポリイミド中空糸膜D(中空糸膜の内径=145μm)を用いて、実施例4と実質的に同じ有効膜面積を持ち、実施例4と同じ容器内径130mm(D)の円筒状容器からなる加湿装置を作製した。具体的には、中空糸膜束の有効長(L)が90mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=0.7)
この装置に、実施例4と同一ガスを同一条件で流れるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は33.7kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は1.1kPaであり、合計の圧力損失は34.8kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は32%であった。
【0047】
(実施例5)
ポリイミド中空糸膜E(中空糸膜の内径=510μm)を用いて、内径100mm(D)の円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が280mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=2.8)
第1のガスとして圧力0.2MPaG、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとして圧力0.2MPaG、温度25℃、相対湿度5%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は2.9kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.2kPaであり、合計の圧力損失は3.1kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は80%であった。
【0048】
(実施例6)
ポリイミド中空糸膜F(中空糸膜の内径=410μm)を用いて、内径100mm(D)の円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が230mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=2.3)
第1のガスとして圧力0.2MPaG、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとして圧力0.2MPaG、温度25℃、相対湿度5%の空気を流量500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は3.9kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.2kPaであり、合計の圧力損失は4.1kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は71%であった。
【0049】
(実施例7)
ポリイミド中空糸膜E(中空糸膜の内径=510μm)を用いて、内径130mm(D)の円筒状容器内に、中空糸膜束の有効長(L)が340mm、膜充填率40%の中空糸膜エレメントを装着して、図2で示したような加湿装置とした。(L/D=2.6)
第1のガスとして圧力0.2MPaG、温度80℃、相対湿度95%の空気を流量1500Nリットル/分で中空糸膜の中空側へ、第2のガスとして圧力0.2MPaG、温度25℃、相対湿度5%の空気を流量1500Nリットル/分で中空糸膜の外側の空間へ、第1のガスと第2のガスとが向流になるように供給した。
それぞれのガスの圧力と露点を測定した結果、第1のガスが中空糸膜の中空側を流れるときの圧力損失は5.9kPa、第2のガスが中空糸膜の外側の空間を流れるときの圧力損失は0.6kPaであり、合計の圧力損失は6.5kPaであった。また、第1のガスが含有していた水分量のうち中空糸膜を透過して第2のガスへ移動した水分量の割合は75%であった。
【0050】
【発明の効果】
本発明は以上説明したようなものであるから、以下のような効果を奏する。
すなわち、本発明は、燃料電池の運転温度である80℃程度の温度や水蒸気、酸素、及び、水素などが存在する雰囲気中に長期間暴露されても安定して加湿することができ、低圧ガスを用いてもガスの圧力損失を抑制しながら加湿効率を高くすることができ、水蒸気以外の他成分の透過が抑制され、しかも、経済的な燃料電池用に好適に用いることができる加湿装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料電池用加湿装置を構成する中空糸膜エレメントの一例の概略の縦断面図である。
【図2】本発明の燃料電池用加湿装置の一例の概略の縦断面図である。
【図3】本発明の燃料電池用加湿装置の一例の概略の縦断面図である。L及びDを示してある。
【図4】本発明の燃料電池用加湿装置の別の一例の概略の縦断面図である。
【図5】本発明の燃料電池用加湿装置の使用形態の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1:中空糸膜
2、2’:管板
3:中空糸膜エレメント
4:第1のガスの供給口
5:第1のガスの排出口
6:第2のガスの供給口
7:第2のガスの排出口
8:容器
9:芯管
10:連通孔
11:フィルム状物質
12:燃料電池
13:アノード
14:固体高分子電解質膜
15:カソード
Claims (9)
- 多数本の中空糸膜からなる中空糸膜束の両端部に中空糸膜を開口状態で固着した管板が形成された中空糸膜エレメントを、少なくとも第1のガス供給口、第1のガス排出口、第2のガス供給口、及び、第2のガス排出口を有する容器内に、中空糸膜の中空側へ通じる空間と中空糸膜の外側へ通じる空間とが隔絶するように装着して構成された燃料電池用加湿装置において、
(a)中空糸膜の内径が400μm以上である
(b)中空糸膜の水蒸気透過速度(P’H2O)が0.5×10−3cm3(STP)/cm2・sec・cmHg以上である
(c)中空糸膜の水蒸気と酸素ガスとの透過速度比(P’H2O/P’O2)が10以上である
(d)中空糸膜が100℃の熱水中で50時間熱水処理した後の引張破断伸度が熱水処理前の80%以上を保持する
ことを特徴とする燃料電池用加湿装置。 - 中空糸膜エレメントの有効長をL、前記中空糸膜エレメントを装着する容器の内径をDとするとき、L/Dが1.8以上である前記請求項1記載の燃料電池用加湿装置。
- 中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の膜充填率が35〜55%である請求項1〜2のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
- 中空糸膜の内径が500μm超〜1500μm未満の範囲内である請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
- 中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の外周部の50%以上がフィルム状物質で被覆されている請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
- 中空糸膜の中空側を流れる第1のガスと、中空糸膜の外側の空間を流れる第2のガスとが、中空糸膜を挟んで向流に流れるように構成されている前記請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
- 中空糸膜エレメントを構成する中空糸膜束の略中心部に中空糸膜束に沿って配した芯管を設け、前記芯管には芯管内と芯管外とを連通する連通孔を形成しており、第2のガスが第2のガスの供給口から前記芯管内へ導かれ前記連通孔を通じて中空糸膜の外側の空間へ導入されるように構成された前記請求項1〜6のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
- 燃料電池への供給ガスが加湿されるように構成された前記請求項1〜7のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
- 第1のガスが燃料電池のカソードからの排ガスであり、第2のガスが燃料電池のカソードへ供給される空気であるように構成された前記請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池用加湿装置。
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