JP2004055018A - 光学記録媒体およびその修理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能な光学記録媒体と、この光学記録媒体を修理する修理方法を提供する。
【解決手段】媒体基板11上に光学記録層12が形成され、その上層に光透過膜13が形成されており、光学記録層12と光透過膜13との界面と光透過膜13の表面の間のいずれかの界面、もしくは光学記録層12と光透過膜13との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっており、剥離面において選択的にで剥離することができる構成の光ディスクとする。この剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設け、これにより剥離した層部分を交換して修理する。
【選択図】 図1
【解決手段】媒体基板11上に光学記録層12が形成され、その上層に光透過膜13が形成されており、光学記録層12と光透過膜13との界面と光透過膜13の表面の間のいずれかの界面、もしくは光学記録層12と光透過膜13との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっており、剥離面において選択的にで剥離することができる構成の光ディスクとする。この剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設け、これにより剥離した層部分を交換して修理する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報を光学的に記録する光学記録層を有する光学記録媒体およびその修理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野においては、光学情報記録方式に関する研究が各所で進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれぞれのメモリ形態に対応できるなどの数々の利点を有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として幅広い用途が考えられている。
【0003】
上記の各種光学情報記録方式用の光学記録媒体(以下、光ディスクともいう)の大容量化は、主に、光学情報記録方式に用いる光源となるレーザ光の短波長化と、高開口のレンズを採用することにより、焦点面でのスポットサイズを小さくすることで達成してきた。
【0004】
例えば、CD(コンパクトディスク)では、レーザ光波長が780nm、レンズの開口率(NA)が0.45であり、650MBの容量であったが、DVD−ROM(デジタル多用途ディスク−再生専用メモリ)では、レーザ光波長が650nm、NAが0.6であり、4.7GBの容量となっている。
さらに、次世代の光ディスクシステムにおいては、光学記録層上に例えば100μm程度の光透過膜が形成された光ディスクを用いて、レーザ光波長を450nm以下、NAを0.78以上とすることで22GB以上の大容量化が可能である。
【0005】
図16(a)は、CDフォーマットの光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図である。
光ディスクDCは、中心部にセンターホールCHが開口された略円盤形状をしており、ドライブ方向DRに回転駆動される。
情報を記録または再生するときには、光ディスクDC中の光学記録層に対して、例えば開口数が0.45の対物レンズOLにより、波長が780nmのレーザ光などの光LTが照射される。
【0006】
図16(b)は図16(a)中のA−A’における模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなる光透過性のディスク基板(媒体基板)101の一方の表面に、凹部101rが設けられている。この凹部101rを含む凹凸に沿って光学記録層102が形成されている。
光学記録層102は、ディスク基板101側から、例えば誘電体膜、相変化膜などの記録膜、誘電体膜および反射膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。
光学記録層102の上層に、例えば保護層103が形成されている。
【0007】
上記の光ディスクを記録あるいは再生する場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光LTをディスク基板101側から光学記録層102に合焦するように照射する。
光ディスクの再生時においては、光学記録層102で反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信号が取り出される。
【0008】
上記のような光ディスクにおいて、光学記録層102は、ディスク基板101の表面に形成された凹部101rに起因した凹凸形状を有しており、この凹凸形状によりトラック領域が区分されている。
上記の凹部101rにより区分されたトラック領域はランドおよびグルーブと呼ばれ、ランドとグルーブの両者に情報を記録するランド・グルーブ記録方式を適用することで大容量化が可能である。また、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録領域とすることも可能である。
【0009】
また、上記のディスク基板101の凹部101rに起因する凹凸形状を記録データに対応する長さを有するピットとして、光学記録膜をアルミニウム合金膜などの反射膜で構成することにより、再生専用(ROM)型の光ディスクとすることもできる。
【0010】
上記のようなCDやDVDなどの光ディスクにおいては、記録再生用の光を入射する側の面に傷がついて記録再生が不可能となってしまった場合、図16(b)に示すように、傷が付いた光入射面101sを研磨し、傷を除去することで記録再生を再び可能にする修理方法が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
光透過膜の厚さを100μm程度とした次世代の光ディスクシステムにおいては、記録再生光の入射は光透過膜側から行うことになり、光透過膜の厚みは100μm前後であるため、その表面に傷または汚れが発生すると正常な記録再生が行えなくなる。例えば、波長405nmのレーザー光を開口数0.85のレンズで集光した際の光透過膜の表面のビームの直径は例えば130μm前後となり、数10μm程度の小さな傷または汚れで影響を受ける。
このように、光透過膜の厚さを100μm程度とした次世代の光ディスクにおいて、光入射面である光透過膜の表面の傷や汚れを防止することが望まれている。
【0012】
傷及び汚れが発生した際の修復方法としては、上述のように光透過膜の表面を研磨する方法があるが、深い傷に対してはカバー層の膜厚が変化してしまう。また、膜厚むらが発生しないように、一定の研削量を維持する必要がある。
このように、光透過膜の膜厚および膜厚むらに対して要求される精度が高く、実施するのは非常に困難である。
【0013】
また、光透過膜の表面に傷や汚れを防止するためのコーティングを行う方法があるが、傷や汚れを完全に除去することは難しい。
汚れの除去はふき取りでも可能であるが、50μmより小さいゴミおよび粘着性のゴミに対してはふき取りが著しく低下する。また、傷に対しては効果が得られない。
【0014】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能な光学記録媒体と、この光学記録媒体を修理する修理方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成された光透過膜とを有し、前記光学記録層と前記光透過膜との界面と前記光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記光学記録層と前記光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている。
【0016】
上記の本発明の光学記録媒体は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光透過膜が形成されており、光学記録層と光透過膜との界面と光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは光学記録層と光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっており、剥離面において選択的に剥離することができる。
【0017】
上記の剥離力は、例えば支持体つき粘着剤を被着体に貼り合せ25mm幅に裁断し、2kgのゴムローラを往復させることで圧着し、数十分放置の後、引き剥がし速度200mm/分にて180°方向に引き剥がし、その際に必要な力をもって剥離力F(mN)とする。以下、本明細書においては、F(mN/25mm)と表記する。その他の部分についてはJIS−K6854に準ずる。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成され、前記光学記録層の端部において前記媒体基板と接着する第1光透過膜と、前記第1光透過膜の上層に形成された第2光透過膜とを有し、前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面と前記第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている。
【0019】
上記の本発明の光学記録媒体は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光学記録層の端部において媒体基板と接着する第1光透過膜が形成され、その上層に第2光透過膜が形成されており、第1光透過膜と第2光透過膜との界面と第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは第1光透過膜と第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっており、剥離面において選択的に剥離することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成された光透過膜とを有し、前記光学記録層と前記光透過膜との界面と前記光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記光学記録層と前記光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体の前記剥離面において剥離する工程と、剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設ける工程とを有し、前記剥離した層部分を交換する。
【0021】
上記の本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光透過膜が形成されており、光学記録層と光透過膜との界面と光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは光学記録層と光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体において、剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設け、これにより剥離した層部分を交換する。
【0022】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成され、前記光学記録層の端部において前記媒体基板と接着する第1光透過膜と、前記第1光透過膜の上層に形成された第2光透過膜とを有し、前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面と前記第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体の前記剥離面において剥離する工程と、剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設ける工程とを有し、前記剥離した層部分を交換する。
【0023】
上記の本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光学記録層の端部において媒体基板と接着する第1光透過膜が形成され、その上層に第2光透過膜が形成されており、第1光透過膜と第2光透過膜との界面と第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは第1光透過膜と第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体において、剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設け、これにより剥離した層部分を交換する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0025】
第1実施形態
図1(a)は、本実施形態に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図である。
光ディスクDCは、中心部にセンターホールCHが開口された略円盤形状をしており、ドライブ方向DRに回転駆動される。
情報を記録または再生するときには、光ディスクDC中の光学記録層に対して、例えば開口数が0.78以上の対物レンズOLにより、波長が450nm以下のレーザ光などの光LTが照射される。
【0026】
図1(b)は図1(a)中のA−A’における模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。
光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。
光学記録層12の上層に、例えば紫外線硬化樹脂からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜13が形成されている。
【0027】
上記の光ディスクを記録あるいは再生する場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光LTを光透過膜13側から光学記録層12に合焦するように照射する。
光ディスクの再生時においては、光学記録層12で反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信号が取り出される。
【0028】
上記のような光ディスクにおいて、光学記録層12は、ディスク基板11の表面に形成された凹部11rに起因した凹凸形状を有しており、この凹凸形状によりトラック領域が区分されている。
上記の凹部11rにより区分されたトラック領域はランドおよびグルーブと呼ばれ、ランドとグルーブの両者に情報を記録するランド・グルーブ記録方式を適用することで大容量化が可能である。また、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録領域とすることも可能である。
【0029】
また、上記のディスク基板11の凹部11rに起因する凹凸形状を記録データに対応する長さを有するピットとして、光学記録膜をアルミニウム合金膜などの反射膜で構成することにより、再生専用(ROM)型の光ディスクとすることもできる。
【0030】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、光学記録層12と光透過膜13との界面が、ディスク基板11と光学記録層12との界面などの他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0031】
上記のように剥離面が形成されていることにより、ディスク基板11と光学記録層12との界面で剥離せずに、光学記録層12と光透過膜13との界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0032】
剥離面における剥離力は、20〜400mN/25mmであることが好ましい。
剥離力が400mN/25mmを越えると、剥離することが困難となるので、剥離力としては400mN/25mm以下とすることが望ましい。さらに簡単な剥離を可能にするため、好適には200mN/25mm以下である。
また、剥離力が20mN/25mm未満では、通常の使用中に剥離面で剥離してしまう可能性があるため、20mN/25mm以上とすることが好ましい。
【0033】
上記の剥離面以外の界面、例えばディスク基板11と光学記録層12との界面の剥離力は、剥離面における剥離力よりも大きくなるように設定しなければならない。
剥離力は、光透過膜に用いられる接着剤自体の接着力や光学記録層の材質などにより調節するが、剥離面以外の界面における剥離力が剥離面における剥離力よりも小さい場合には、予め製造工程において剥離力を高める処理を行っておく。コロナ放電処理はフィルムに行っても良いが、信号面に行うと表面が荒れることで記録再生特性が劣化する。
剥離力を高める方法としては、コロナ放電処理や化学処理を施して表面を荒らすことで機械的強度を上げる方法や、プライマー処理により化学的な結合を強くする方法、薄く金属膜を形成する方法などがある。
また、剥離力を低くする方法としては、表面にシリコーンなどの化学処理を行う方法、酸化シリコンなどの無機膜を形成する方法などがある。
【0034】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、光透過膜13の端部上面に剥離用テープ(例えばニチバン製:セロハンテープ15mm幅)14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前の光透過膜13の表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、光学記録層12と光透過膜13との界面で剥離する。このとき、光学記録層12はディスク基板11側に残るようにする。
【0035】
次に、図2(b)に示すように、光学記録層12上に、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、新たな光透過膜13’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜を交換し、修理することができる。
【0036】
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すようなスタンパ10を形成する。スタンパ10は、ディスク基板に凹凸形状を転写するための転写基板であり、スタンパ10の表面にはディスク基板の凹部に対応するように凸部10pが形成されている。凸部10pを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
【0037】
上記のスタンパは、例えば以下のようにして形成することができる。
表面を研磨処理したガラス基板上に、例えば感光するとアルカリ可溶性となるタイプのレジスト樹脂を成膜し、レーザ露光機などを用いて、螺旋状あるいは同心円状など、ディスク基板の凹凸形状となるパターンで露光し、アルカリ性の現像液で現像処理を施すことにより、ディスク基板の凹凸形状のパターンに対応するパターンのレジスト膜が形成された原盤を得る。
次に、上記の原盤上にニッケルなどの金属層を所定厚堆積させて、上記のスタンパを形成する。
【0038】
あるいは、上記のようにして得たスタンパをマスタスタンパとして、その凹凸形状の形成面にニッケルなどの金属層を堆積させて凹凸形状を転写する工程をさらに繰り返して、マザースタンパあるいはサンスタンパを形成し、上記のスタンパとして用いることもできる。
【0039】
次に、図3(a)に示すように、上記で得られたスタンパ10を金型からなるキャビティ内に凹凸形状の形成面がキャビティ内側を臨むように設置して射出成形用金型を構成し、例えば溶融状態のポリカーボネートなどの樹脂を射出することで、スタンパ10の凹凸形状の形成面上にディスク基板11を形成する。
ここで、ディスク基板11の表面には、スタンパ10の凸部10pのパターンが転写して、逆パターンの凹凸である凹部11rが形成される。
【0040】
次に、ディスク基板11をスタンパ10から離型し、ディスク基板11の凹凸形状の形成面に空気や窒素ガスなどのガスを吹き付けてダストを除去し、コロナ放電処理を行った後、図3(a)に示すように、例えばスパッタリング法などにより、反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などをこの順番で積層し、光学記録層12を形成する。また、再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜を形成する。
【0041】
次に、光学記録層12上に、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、光透過膜13とする。
以上で、図1に示す構成の光ディスクを製造することができる。
【0042】
第2実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第1実施形態に係る光ディスクと同様であるが、光透過膜が粘着剤層13aとポリカーボネートフィルム13bの積層体からなることが異なる。
【0043】
図4は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、例えばアクリル系の20μmの膜厚の粘着剤層13aと80μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13bの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。
【0044】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、光学記録層12と光透過膜を構成する粘着剤層13aとの界面が、ディスク基板11と光学記録層12との界面などの他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0045】
上記のように剥離面が形成されていることにより、ディスク基板11と光学記録層12との界面などの他の界面で剥離せずに、光学記録層12と粘着剤層13aとの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0046】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、光透過膜を構成するポリカーボネートフィルム13bの端部上面に剥離用テープ14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前のポリカーボネートフィルム13bの表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、光学記録層12と粘着剤層13aとの界面で剥離する。このとき、光学記録層12はディスク基板11側に残るようにする。
【0047】
次に、図5(b)に示すように、予め粘着剤層をポリカーボネートフィルムおよびPET(ポリエチレンテレフタレート)ライナーで挟んだ積層粘着剤シートを光ディスクサイズに打ち抜き、PETライナーを剥がしたものを上記の光学記録層12上に張り合わせ、新たな約0.1mmの膜厚の光透過膜となる20μmの膜厚の粘着剤層13a’および80μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13b’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜を交換し、修理することができる。
【0048】
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
まず、第1実施形態と同様にして、表面に凹凸形状が形成されたディスク基板11を形成し、その凹凸形状形成面上に光学記録層を形成する。
一方、図6(a)に示すように、20μmの膜厚の粘着剤層13aを80μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13bおよびPETライナー13cで挟んだ積層粘着剤シート13dを準備する。
次に、図6(b)に示すように、上記積層粘着剤シート13dを打ち抜き機Mにより光ディスクサイズに打ち抜く。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、上記の光ディスクサイズに打ち抜かれた積層粘着剤シート13dからPETライナー13cを剥離する。
次に、図7(b)に示すように、中央に位置合わせ用突起を有する基台S上に、上記で形成した粘着剤層13aとポリカーボネートフィルム13bの積層体をセットし、その上面に、上記の光学記録層12を形成したディスク基板11を、光学記録層12と粘着剤層13aとを向かい合わせて、位置合わせしてセットする。
【0050】
次に、図8に示すように、パッドPあるいはローラーなどでディスク基板11上方から押圧し、光学記録層12と粘着剤層13aを十分に接着させる。
以上の工程で、図4に示す構成の光ディスクを製造することができる。
【0051】
第3実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第2実施形態に係る光ディスクと同様であるが、ポリカーボネートフィルム13fの上層にさらに紫外線硬化樹脂層13gが形成されており、ポリカーボネートフィルム13fと紫外線硬化樹脂層13gの界面が剥離面となっていることが異なる。
【0052】
図9は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、例えば20μmの膜厚のアクリル系の粘着剤層13e、75μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13fおよび1〜5μmの膜厚の紫外線硬化樹脂層13gの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面には、不図示の約10nmの膜厚の酸化シリコン膜が形成されている。
【0053】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0054】
上記のように剥離面が形成されていることにより、例えば粘着剤層13eと光学記録層12との界面などの他の界面で剥離せずに、ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0055】
剥離面については、第1および第2実施形態のように光学記録層と光透過膜の界面としてもよいが、貼り替えの際に光学記録層が空気中に曝されることで酸化が進む、ないしは光学記録層を破壊するなどの弊害がある場合には、本実施形態のように光透過膜を2層以上からなる構成とし、光透過膜内に所定の剥離面を形成することが望ましい。
【0056】
また、光学記録層を構成する反射ないしは記録膜の種類によっては、下部のディスク基板との密着力が弱い場合もある。
この際にも、上記のように光透過膜を2層以上からなる構成とし、図9に示すように、光学記録層側の光透過膜のサイズS13を光学記録層のサイズS12よりも大きくとり、外周および/または内周部分で光学記録層側の光透過膜とディスク基板とが密着し、この界面での剥離力を上記の剥離面よりも高くすることで、剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。この場合、光学記録層側の光透過膜(本実施形態においては粘着剤層13eおよびポリカーボネートフィルム13f)は、光学記録層12を保護する保護膜としての機能を有する。
この場合、例えば光学記録層を形成するスパッタリングなどの工程において、ディスク基板上に金属性のマスクを用いることで、例えば外形φ120mm、内径φ15mmの大きさのディスク基板に対して、内径φ40mmから外形φ118.5mmの範囲に光学記録層を形成する。
【0057】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図10(a)に示すように、光透過膜を構成する紫外線硬化樹脂層13g上に、剥離用フィルムとしてポリカーボネートフィルム上に粘着剤がラミネートされ、ディスク形状に円形に打ち抜かれたものを張り合わせ、剥離用フィルム14aの引っ張り方向DR14a と剥離前の紫外線硬化樹脂層13gの表面のなす角θを90°以上として、剥離用フィルム14aを引っ張り、紫外線硬化樹脂層13gを剥離用フィルム14a上に転写するように、ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面で剥離する。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚(1〜5μm)で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、新たな紫外線硬化樹脂層13g’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜の一部を交換し、修理することができる。
【0059】
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
まず、第2実施形態と同様にして、表面に凹凸形状が形成されたディスク基板11を形成し、その凹凸形状形成面上に光学記録層を形成し、その上面に粘着剤層13eをポリカーボネートフィルム13fを張り合わせる。
次に、図11(a)に示すように、例えばスピン塗布法により、未硬化の紫外線硬化樹脂をディスペンサDにより所定の膜厚(1〜5μm)となる量で供給する。
次に、図11(b)に示すように、ディスク基板11を高速回転させることにより、遠心力により紫外線硬化樹脂13gを均一にいきわたらせ、余分な紫外線硬化樹脂13gを振り切る。
次に、図11(c)に示すように、紫外線ランプUVLにより紫外線を照射して、固化した紫外線硬化樹脂層13gとする。
【0060】
第4実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第2実施形態に係る光ディスクと同様であるが、ポリカーボネートフィルム13jが張り合わされた粘着剤層13iと光学記録層12の間に紫外線硬化樹脂層13hが形成されており、粘着剤層13iと紫外線硬化樹脂層13hの界面が剥離面となっていることが異なる。
【0061】
図4は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、5〜10μmの膜厚の紫外線硬化樹脂層13h、例えば20μmの膜厚のアクリル系の粘着剤層13iおよび70μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13jの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。
【0062】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、紫外線硬化樹脂層13hおよび粘着剤層13iの界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0063】
上記のように剥離面が形成されていることにより、例えば粘着剤層13iとポリカーボネートフィルム13jとの界面などの他の界面で剥離せずに、紫外線硬化樹脂層13hおよび粘着剤層13iの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0064】
本実施形態においても、第3実施形態のように、光学記録層が空気中に曝されることを防止でき、また、光学記録層を構成する反射ないしは記録膜の種類によって下部のディスク基板との密着力が弱い場合にも外周および/または内周部分で光学記録層側の光透過膜とディスク基板とが密着し、この界面での剥離力を上記の剥離面よりも高くすることができる。
【0065】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図13(a)に示すように、光透過膜を構成するポリカーボネートフィルム13jの端部上面に剥離用テープ14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前のポリカーボネートフィルム13jの表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、粘着剤層13iおよび紫外線硬化樹脂層13hの界面で剥離する。
【0066】
次に、図13(b)に示すように、予め粘着剤層をポリカーボネートフィルムおよびPET(ポリエチレンテレフタレート)ライナーで挟んだ積層粘着剤シートを光ディスクサイズに打ち抜き、PETライナーを剥がしたものを上記の紫外線硬化樹脂層13h上に張り合わせ、新たな20μmの膜厚の粘着剤層13i’および70μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13j’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜の一部を交換し、修理することができる。
【0067】
第5実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第1実施形態に係る光ディスクと同様であるが、光透過膜が第1紫外線硬化樹脂層13kと第2紫外線硬化樹脂層13mの積層体からなり、第1紫外線硬化樹脂層13kと第2紫外線硬化樹脂層13mの界面が剥離面となっていることが異なる。
【0068】
図14は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。
【0069】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0070】
上記のように剥離面が形成されていることにより、例えば第1紫外線硬化樹脂層13kと光学記録層12の界面などの他の界面で剥離せずに、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0071】
本実施形態においても、第3実施形態のように、光学記録層が空気中に曝されることを防止でき、また、光学記録層を構成する反射ないしは記録膜の種類によって下部のディスク基板との密着力が弱い場合にも外周および/または内周部分で光学記録層側の光透過膜とディスク基板とが密着し、この界面での剥離力を上記の剥離面よりも高くすることができる。
【0072】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図15(a)に示すように、光透過膜を構成する第2紫外線硬化樹脂層13mの端部上面に剥離用テープ14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前の第2紫外線硬化樹脂層13mの表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの界面で剥離する。
【0073】
次に、図13(b)に示すように、第1紫外線硬化樹脂層13k上に、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、新たな第2紫外線硬化樹脂層13m’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜の一部を交換し、修理することができる。
【0074】
(実施例1)
図4に示す第2実施形態に従って、光ディスクを下記のように作成した。
光ディスク基板としては射出成型により、光学記録用のピットバターンが形成された、外形φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。その上に反射膜としてアルミニウム合金60nmをスパッタリング法により堆積させた。光透過膜として、膜厚80μmのポリカーボネートフィルムと膜厚20μmのアクリル系粘着剤層とPETライナーがローラによって予めラミネートされた積層体を、外形φ119mm、内径22mmのドーナツ形状に打ち抜き、PETライナーを剥離した後、平坦なステージ上にポリカーボネートフィルムと粘着剤層の積層体を設置し、上方からディスク基板をパッドで圧着することにより、膜厚が約0.1mmの光透過膜を形成した。
【0075】
アクリル系粘着剤の剥離力はポリカーボネート上でおおよそ80〜120mN/25mm、アルミニウム合金上で90〜110mN/25mmであった。そこで、ポリカーボネート側にコロナ放電処理を行い、ポリカーボネートとアルミニウム合金の剥離力として150mN/25mm以上とすることができた。
【0076】
次に、光透過膜上面に剥離用テープ(例えばニチバン製:セロハンテープ15mm幅)を張り合わせ、90°以上の角度をつけて引き剥がした。この際、アルミニウム合金の反射膜を剥がすことなく光透過膜のみの剥離が可能であった。
その後、同様に新たな光透過膜材料をドーナツ形状に打ち抜いて平坦なステージ上に置き、上部からディスク基板をパッドで圧着することにより、再度約0.1mmの膜厚の光透過膜を形成し、修理可能であることを確認した。
【0077】
(実施例2)
図9に示す第3実施形態に従って、光ディスクを下記のように作成した。
光ディスク基板としては射出成型により、光学記録用のピットバターンが形成された、外形φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。その上に反射膜としてアルミニウム合金60nmをスパッタリング法により堆積させた。
【0078】
光透過膜として、膜厚75μmのポリカーボネートフィルムと膜厚20μmのアクリル系粘着剤層とPETライナーがローラによって予めラミネートされた積層体を、外形φ119mm、内径22mmのドーナツ形状に打ち抜き、PETライナーを剥離した後、平坦なステージ上にポリカーボネートフィルムと粘着剤層の積層体を設置し、上方からディスク基板をパッドで圧着し、つぎにポリカーボネートフィルムの上に剥離を容易にするためにSiO2 を10nmスパッタにより製膜し、さらに、アクリル系の紫外線硬化樹脂(粘度100cps)をポリカーボネートフィルムの上にリング状となるように滴下し、ディスク基板をスピンさせることで膜厚が1〜5μmの塗布膜を形成し、紫外線照射することで硬化させ、以上で、粘着剤層、ポリカーボネートフィルムおよび紫外線硬化樹脂層からなる膜厚が約0.1mmの光透過膜を形成した。
アクリル系粘着剤の密着はポリカーボネート上、アルミニウム合金上、ともに500mN/25mm以上のものを用いた。
【0079】
次に、剥離用フィルムとしてポリカーボネートフィルム上に粘着剤がラミネートされ、外形φ130mmで円形に打ち抜かれたものを用いた。粘着剤の剥離強度は500mN/25mm程度のものを用いた。
この剥離用フィルムをローラでディスク全面を覆うように貼り合せたのち、再度剥離することで表面の紫外線硬化樹脂層をすべて剥離用フィルム側に転移させ、ポリカーボネートフィルムと紫外線硬化樹脂層の間で剥離を行った。
その後、上述の方法と同様に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線硬化を行うことにより、再度約0.1mmの膜厚の光透過膜を形成し、修理可能であることを確認した。
【0080】
(実施例3)
図12に示す第4実施形態に従って、光ディスクを下記のように作成した。
光ディスク基板としては射出成型により、光学記録用のグルーブが形成された、外形φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。その上に光学記録層として相変化膜を含む積層体をスパッタリング法により堆積させた。スパッタリング時には金属性のマスクを用いることで、内径φ40mmから外形φ118.5mmまでに膜が付くようにした。
【0081】
次に、光学記録層上に紫外線硬化樹脂を塗布した。紫外線硬化樹脂をディスク基板上にリング状にパターン塗布し、スピンコートし、紫外線を照射することで厚み5〜10μmの膜厚の紫外線硬化樹脂膜を形成した。リング状の塗布位置はφ36mmとすることでスパッタリングによる光学記録層を最外周部まで覆うことが可能であった。
この上に、膜厚70μmのポリカーボネートフィルムと膜厚20μmのアクリル系粘着剤層とPETライナーがローラによって予めラミネートされた積層体を、外形φ119mm、内径22mmのドーナツ形状に打ち抜き、PETライナーを剥離した後、上記の紫外線硬化樹脂膜上に張り合わせ、以上で、紫外線硬化樹脂層、粘着剤層およびポリカーボネートフィルムからなる膜厚が約0.1mmの光透過膜を形成した。
このときアクリル系粘着剤としては、紫外線硬化樹脂に対して50mN/25mmの密着力が得られるものを用いた。ポリカーボネートフィルムには予めコロナ放電処理を施すことで100mN/25mm以上の密着力を確保した。
【0082】
次に、光透過膜上面に剥離用テープ(例えばニチバン製:セロハンテープ15mm幅)を張り合わせ、90°以上の角度をつけて引き剥がした。この際、紫外線硬化樹脂の保護膜を剥がすことなく光透過膜のみの剥離が可能であった。
その後、同様に新たな光透過膜材料をドーナツ形状に打ち抜いて平坦なステージ上に置き、上部からディスク基板をパッドで圧着することにより、再度約0.1mmの膜厚の光透過膜を形成し、修理可能であることを確認した。
【0083】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。
例えば、光学記録媒体を構成する基板、光学記録層および層間の接着剤層などの材料および膜厚などは、上記の実施形態で説明したものに限定されず、適宜選択することが可能である。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更をすることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の光学記録媒体によれば、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理が可能となっている。
【0085】
また、本発明の光学記録媒体の修理方法によれば、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図であり、図1(b)は模式断面図である。
【図2】図2(a)および(b)は第1実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図3】図3(a)〜(c)は第1実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の第2実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図5】図5(a)および(b)は第2実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図6】図6(a)および(b)は第2実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図7】図7(a)および(b)は図6の続きの工程を示す断面図である。
【図8】図8は図7の続きの工程を示す断面図である。
【図9】図9は本発明の第3実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図10】図10(a)および(b)は第3実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図11】図11(a)〜(c)は第3実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図12】図12は本発明の第4実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図13】図13(a)および(b)は第4実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図14】図14は本発明の第5実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図15】図15(a)および(b)は第5実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図16】図16(a)は従来例に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図であり、図16(b)は模式断面図である。
【符号の説明】
10…スタンパ、10p…凸部、11…ディスク基板、11r…凹部、12…光学記録層、13…光透過層、13a…粘着剤層、13b…ポリカーボネートフィルム、13c…PETライナー、13d…積層粘着剤シート、13e…粘着剤層、13f…ポリカーボネートフィルム、13g…紫外線硬化樹脂層、13h…紫外線硬化樹脂層、13i…粘着剤層、13j…ポリカーボネートフィルム、13k…第1紫外線硬化樹脂層、13m…第2紫外線硬化樹脂層、14…剥離用テープ、14a…剥離用フィルム、D…ディスペンサ、M…打ち抜き機、P…パッド、S…基台、UVL…紫外線ランプ、CH…センターホール、DC…光ディスク、DR…ドライブ方向、LT…光、OL…対物レンズ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報を光学的に記録する光学記録層を有する光学記録媒体およびその修理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、情報記録の分野においては、光学情報記録方式に関する研究が各所で進められている。この光学情報記録方式は、非接触で記録・再生が行えること、再生専用型、追記型、書換可能型のそれぞれのメモリ形態に対応できるなどの数々の利点を有し、安価な大容量ファイルの実現を可能とする方式として幅広い用途が考えられている。
【0003】
上記の各種光学情報記録方式用の光学記録媒体(以下、光ディスクともいう)の大容量化は、主に、光学情報記録方式に用いる光源となるレーザ光の短波長化と、高開口のレンズを採用することにより、焦点面でのスポットサイズを小さくすることで達成してきた。
【0004】
例えば、CD(コンパクトディスク)では、レーザ光波長が780nm、レンズの開口率(NA)が0.45であり、650MBの容量であったが、DVD−ROM(デジタル多用途ディスク−再生専用メモリ)では、レーザ光波長が650nm、NAが0.6であり、4.7GBの容量となっている。
さらに、次世代の光ディスクシステムにおいては、光学記録層上に例えば100μm程度の光透過膜が形成された光ディスクを用いて、レーザ光波長を450nm以下、NAを0.78以上とすることで22GB以上の大容量化が可能である。
【0005】
図16(a)は、CDフォーマットの光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図である。
光ディスクDCは、中心部にセンターホールCHが開口された略円盤形状をしており、ドライブ方向DRに回転駆動される。
情報を記録または再生するときには、光ディスクDC中の光学記録層に対して、例えば開口数が0.45の対物レンズOLにより、波長が780nmのレーザ光などの光LTが照射される。
【0006】
図16(b)は図16(a)中のA−A’における模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなる光透過性のディスク基板(媒体基板)101の一方の表面に、凹部101rが設けられている。この凹部101rを含む凹凸に沿って光学記録層102が形成されている。
光学記録層102は、ディスク基板101側から、例えば誘電体膜、相変化膜などの記録膜、誘電体膜および反射膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。
光学記録層102の上層に、例えば保護層103が形成されている。
【0007】
上記の光ディスクを記録あるいは再生する場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光LTをディスク基板101側から光学記録層102に合焦するように照射する。
光ディスクの再生時においては、光学記録層102で反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信号が取り出される。
【0008】
上記のような光ディスクにおいて、光学記録層102は、ディスク基板101の表面に形成された凹部101rに起因した凹凸形状を有しており、この凹凸形状によりトラック領域が区分されている。
上記の凹部101rにより区分されたトラック領域はランドおよびグルーブと呼ばれ、ランドとグルーブの両者に情報を記録するランド・グルーブ記録方式を適用することで大容量化が可能である。また、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録領域とすることも可能である。
【0009】
また、上記のディスク基板101の凹部101rに起因する凹凸形状を記録データに対応する長さを有するピットとして、光学記録膜をアルミニウム合金膜などの反射膜で構成することにより、再生専用(ROM)型の光ディスクとすることもできる。
【0010】
上記のようなCDやDVDなどの光ディスクにおいては、記録再生用の光を入射する側の面に傷がついて記録再生が不可能となってしまった場合、図16(b)に示すように、傷が付いた光入射面101sを研磨し、傷を除去することで記録再生を再び可能にする修理方法が知られている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
光透過膜の厚さを100μm程度とした次世代の光ディスクシステムにおいては、記録再生光の入射は光透過膜側から行うことになり、光透過膜の厚みは100μm前後であるため、その表面に傷または汚れが発生すると正常な記録再生が行えなくなる。例えば、波長405nmのレーザー光を開口数0.85のレンズで集光した際の光透過膜の表面のビームの直径は例えば130μm前後となり、数10μm程度の小さな傷または汚れで影響を受ける。
このように、光透過膜の厚さを100μm程度とした次世代の光ディスクにおいて、光入射面である光透過膜の表面の傷や汚れを防止することが望まれている。
【0012】
傷及び汚れが発生した際の修復方法としては、上述のように光透過膜の表面を研磨する方法があるが、深い傷に対してはカバー層の膜厚が変化してしまう。また、膜厚むらが発生しないように、一定の研削量を維持する必要がある。
このように、光透過膜の膜厚および膜厚むらに対して要求される精度が高く、実施するのは非常に困難である。
【0013】
また、光透過膜の表面に傷や汚れを防止するためのコーティングを行う方法があるが、傷や汚れを完全に除去することは難しい。
汚れの除去はふき取りでも可能であるが、50μmより小さいゴミおよび粘着性のゴミに対してはふき取りが著しく低下する。また、傷に対しては効果が得られない。
【0014】
本発明は、上記の状況に鑑みてなされたものであり、従って本発明の目的は、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能な光学記録媒体と、この光学記録媒体を修理する修理方法を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成された光透過膜とを有し、前記光学記録層と前記光透過膜との界面と前記光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記光学記録層と前記光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている。
【0016】
上記の本発明の光学記録媒体は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光透過膜が形成されており、光学記録層と光透過膜との界面と光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは光学記録層と光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっており、剥離面において選択的に剥離することができる。
【0017】
上記の剥離力は、例えば支持体つき粘着剤を被着体に貼り合せ25mm幅に裁断し、2kgのゴムローラを往復させることで圧着し、数十分放置の後、引き剥がし速度200mm/分にて180°方向に引き剥がし、その際に必要な力をもって剥離力F(mN)とする。以下、本明細書においては、F(mN/25mm)と表記する。その他の部分についてはJIS−K6854に準ずる。
【0018】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成され、前記光学記録層の端部において前記媒体基板と接着する第1光透過膜と、前記第1光透過膜の上層に形成された第2光透過膜とを有し、前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面と前記第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている。
【0019】
上記の本発明の光学記録媒体は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光学記録層の端部において媒体基板と接着する第1光透過膜が形成され、その上層に第2光透過膜が形成されており、第1光透過膜と第2光透過膜との界面と第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは第1光透過膜と第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっており、剥離面において選択的に剥離することができる。
【0020】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成された光透過膜とを有し、前記光学記録層と前記光透過膜との界面と前記光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記光学記録層と前記光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体の前記剥離面において剥離する工程と、剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設ける工程とを有し、前記剥離した層部分を交換する。
【0021】
上記の本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光透過膜が形成されており、光学記録層と光透過膜との界面と光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは光学記録層と光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体において、剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設け、これにより剥離した層部分を交換する。
【0022】
また、上記の目的を達成するために、本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成され、前記光学記録層の端部において前記媒体基板と接着する第1光透過膜と、前記第1光透過膜の上層に形成された第2光透過膜とを有し、前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面と前記第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体の前記剥離面において剥離する工程と、剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設ける工程とを有し、前記剥離した層部分を交換する。
【0023】
上記の本発明の光学記録媒体の修理方法は、媒体基板上に光学記録層が形成され、その上層に光学記録層の端部において媒体基板と接着する第1光透過膜が形成され、その上層に第2光透過膜が形成されており、第1光透過膜と第2光透過膜との界面と第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは第1光透過膜と第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体において、剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設け、これにより剥離した層部分を交換する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳しく説明する。
【0025】
第1実施形態
図1(a)は、本実施形態に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図である。
光ディスクDCは、中心部にセンターホールCHが開口された略円盤形状をしており、ドライブ方向DRに回転駆動される。
情報を記録または再生するときには、光ディスクDC中の光学記録層に対して、例えば開口数が0.78以上の対物レンズOLにより、波長が450nm以下のレーザ光などの光LTが照射される。
【0026】
図1(b)は図1(a)中のA−A’における模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。
光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。
光学記録層12の上層に、例えば紫外線硬化樹脂からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜13が形成されている。
【0027】
上記の光ディスクを記録あるいは再生する場合には、対物レンズOLにより、レーザ光などの光LTを光透過膜13側から光学記録層12に合焦するように照射する。
光ディスクの再生時においては、光学記録層12で反射された戻り光が受光素子で受光され、信号処理回路により所定の信号を生成して、再生信号が取り出される。
【0028】
上記のような光ディスクにおいて、光学記録層12は、ディスク基板11の表面に形成された凹部11rに起因した凹凸形状を有しており、この凹凸形状によりトラック領域が区分されている。
上記の凹部11rにより区分されたトラック領域はランドおよびグルーブと呼ばれ、ランドとグルーブの両者に情報を記録するランド・グルーブ記録方式を適用することで大容量化が可能である。また、ランドとグルーブのいずれか一方のみを記録領域とすることも可能である。
【0029】
また、上記のディスク基板11の凹部11rに起因する凹凸形状を記録データに対応する長さを有するピットとして、光学記録膜をアルミニウム合金膜などの反射膜で構成することにより、再生専用(ROM)型の光ディスクとすることもできる。
【0030】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、光学記録層12と光透過膜13との界面が、ディスク基板11と光学記録層12との界面などの他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0031】
上記のように剥離面が形成されていることにより、ディスク基板11と光学記録層12との界面で剥離せずに、光学記録層12と光透過膜13との界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0032】
剥離面における剥離力は、20〜400mN/25mmであることが好ましい。
剥離力が400mN/25mmを越えると、剥離することが困難となるので、剥離力としては400mN/25mm以下とすることが望ましい。さらに簡単な剥離を可能にするため、好適には200mN/25mm以下である。
また、剥離力が20mN/25mm未満では、通常の使用中に剥離面で剥離してしまう可能性があるため、20mN/25mm以上とすることが好ましい。
【0033】
上記の剥離面以外の界面、例えばディスク基板11と光学記録層12との界面の剥離力は、剥離面における剥離力よりも大きくなるように設定しなければならない。
剥離力は、光透過膜に用いられる接着剤自体の接着力や光学記録層の材質などにより調節するが、剥離面以外の界面における剥離力が剥離面における剥離力よりも小さい場合には、予め製造工程において剥離力を高める処理を行っておく。コロナ放電処理はフィルムに行っても良いが、信号面に行うと表面が荒れることで記録再生特性が劣化する。
剥離力を高める方法としては、コロナ放電処理や化学処理を施して表面を荒らすことで機械的強度を上げる方法や、プライマー処理により化学的な結合を強くする方法、薄く金属膜を形成する方法などがある。
また、剥離力を低くする方法としては、表面にシリコーンなどの化学処理を行う方法、酸化シリコンなどの無機膜を形成する方法などがある。
【0034】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図2(a)に示すように、光透過膜13の端部上面に剥離用テープ(例えばニチバン製:セロハンテープ15mm幅)14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前の光透過膜13の表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、光学記録層12と光透過膜13との界面で剥離する。このとき、光学記録層12はディスク基板11側に残るようにする。
【0035】
次に、図2(b)に示すように、光学記録層12上に、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、新たな光透過膜13’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜を交換し、修理することができる。
【0036】
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すようなスタンパ10を形成する。スタンパ10は、ディスク基板に凹凸形状を転写するための転写基板であり、スタンパ10の表面にはディスク基板の凹部に対応するように凸部10pが形成されている。凸部10pを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
【0037】
上記のスタンパは、例えば以下のようにして形成することができる。
表面を研磨処理したガラス基板上に、例えば感光するとアルカリ可溶性となるタイプのレジスト樹脂を成膜し、レーザ露光機などを用いて、螺旋状あるいは同心円状など、ディスク基板の凹凸形状となるパターンで露光し、アルカリ性の現像液で現像処理を施すことにより、ディスク基板の凹凸形状のパターンに対応するパターンのレジスト膜が形成された原盤を得る。
次に、上記の原盤上にニッケルなどの金属層を所定厚堆積させて、上記のスタンパを形成する。
【0038】
あるいは、上記のようにして得たスタンパをマスタスタンパとして、その凹凸形状の形成面にニッケルなどの金属層を堆積させて凹凸形状を転写する工程をさらに繰り返して、マザースタンパあるいはサンスタンパを形成し、上記のスタンパとして用いることもできる。
【0039】
次に、図3(a)に示すように、上記で得られたスタンパ10を金型からなるキャビティ内に凹凸形状の形成面がキャビティ内側を臨むように設置して射出成形用金型を構成し、例えば溶融状態のポリカーボネートなどの樹脂を射出することで、スタンパ10の凹凸形状の形成面上にディスク基板11を形成する。
ここで、ディスク基板11の表面には、スタンパ10の凸部10pのパターンが転写して、逆パターンの凹凸である凹部11rが形成される。
【0040】
次に、ディスク基板11をスタンパ10から離型し、ディスク基板11の凹凸形状の形成面に空気や窒素ガスなどのガスを吹き付けてダストを除去し、コロナ放電処理を行った後、図3(a)に示すように、例えばスパッタリング法などにより、反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などをこの順番で積層し、光学記録層12を形成する。また、再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜を形成する。
【0041】
次に、光学記録層12上に、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、光透過膜13とする。
以上で、図1に示す構成の光ディスクを製造することができる。
【0042】
第2実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第1実施形態に係る光ディスクと同様であるが、光透過膜が粘着剤層13aとポリカーボネートフィルム13bの積層体からなることが異なる。
【0043】
図4は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、例えばアクリル系の20μmの膜厚の粘着剤層13aと80μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13bの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。
【0044】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、光学記録層12と光透過膜を構成する粘着剤層13aとの界面が、ディスク基板11と光学記録層12との界面などの他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0045】
上記のように剥離面が形成されていることにより、ディスク基板11と光学記録層12との界面などの他の界面で剥離せずに、光学記録層12と粘着剤層13aとの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0046】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図5(a)に示すように、光透過膜を構成するポリカーボネートフィルム13bの端部上面に剥離用テープ14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前のポリカーボネートフィルム13bの表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、光学記録層12と粘着剤層13aとの界面で剥離する。このとき、光学記録層12はディスク基板11側に残るようにする。
【0047】
次に、図5(b)に示すように、予め粘着剤層をポリカーボネートフィルムおよびPET(ポリエチレンテレフタレート)ライナーで挟んだ積層粘着剤シートを光ディスクサイズに打ち抜き、PETライナーを剥がしたものを上記の光学記録層12上に張り合わせ、新たな約0.1mmの膜厚の光透過膜となる20μmの膜厚の粘着剤層13a’および80μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13b’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜を交換し、修理することができる。
【0048】
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
まず、第1実施形態と同様にして、表面に凹凸形状が形成されたディスク基板11を形成し、その凹凸形状形成面上に光学記録層を形成する。
一方、図6(a)に示すように、20μmの膜厚の粘着剤層13aを80μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13bおよびPETライナー13cで挟んだ積層粘着剤シート13dを準備する。
次に、図6(b)に示すように、上記積層粘着剤シート13dを打ち抜き機Mにより光ディスクサイズに打ち抜く。
【0049】
次に、図7(a)に示すように、上記の光ディスクサイズに打ち抜かれた積層粘着剤シート13dからPETライナー13cを剥離する。
次に、図7(b)に示すように、中央に位置合わせ用突起を有する基台S上に、上記で形成した粘着剤層13aとポリカーボネートフィルム13bの積層体をセットし、その上面に、上記の光学記録層12を形成したディスク基板11を、光学記録層12と粘着剤層13aとを向かい合わせて、位置合わせしてセットする。
【0050】
次に、図8に示すように、パッドPあるいはローラーなどでディスク基板11上方から押圧し、光学記録層12と粘着剤層13aを十分に接着させる。
以上の工程で、図4に示す構成の光ディスクを製造することができる。
【0051】
第3実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第2実施形態に係る光ディスクと同様であるが、ポリカーボネートフィルム13fの上層にさらに紫外線硬化樹脂層13gが形成されており、ポリカーボネートフィルム13fと紫外線硬化樹脂層13gの界面が剥離面となっていることが異なる。
【0052】
図9は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、例えば20μmの膜厚のアクリル系の粘着剤層13e、75μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13fおよび1〜5μmの膜厚の紫外線硬化樹脂層13gの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面には、不図示の約10nmの膜厚の酸化シリコン膜が形成されている。
【0053】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0054】
上記のように剥離面が形成されていることにより、例えば粘着剤層13eと光学記録層12との界面などの他の界面で剥離せずに、ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0055】
剥離面については、第1および第2実施形態のように光学記録層と光透過膜の界面としてもよいが、貼り替えの際に光学記録層が空気中に曝されることで酸化が進む、ないしは光学記録層を破壊するなどの弊害がある場合には、本実施形態のように光透過膜を2層以上からなる構成とし、光透過膜内に所定の剥離面を形成することが望ましい。
【0056】
また、光学記録層を構成する反射ないしは記録膜の種類によっては、下部のディスク基板との密着力が弱い場合もある。
この際にも、上記のように光透過膜を2層以上からなる構成とし、図9に示すように、光学記録層側の光透過膜のサイズS13を光学記録層のサイズS12よりも大きくとり、外周および/または内周部分で光学記録層側の光透過膜とディスク基板とが密着し、この界面での剥離力を上記の剥離面よりも高くすることで、剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。この場合、光学記録層側の光透過膜(本実施形態においては粘着剤層13eおよびポリカーボネートフィルム13f)は、光学記録層12を保護する保護膜としての機能を有する。
この場合、例えば光学記録層を形成するスパッタリングなどの工程において、ディスク基板上に金属性のマスクを用いることで、例えば外形φ120mm、内径φ15mmの大きさのディスク基板に対して、内径φ40mmから外形φ118.5mmの範囲に光学記録層を形成する。
【0057】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図10(a)に示すように、光透過膜を構成する紫外線硬化樹脂層13g上に、剥離用フィルムとしてポリカーボネートフィルム上に粘着剤がラミネートされ、ディスク形状に円形に打ち抜かれたものを張り合わせ、剥離用フィルム14aの引っ張り方向DR14a と剥離前の紫外線硬化樹脂層13gの表面のなす角θを90°以上として、剥離用フィルム14aを引っ張り、紫外線硬化樹脂層13gを剥離用フィルム14a上に転写するように、ポリカーボネートフィルム13fおよび紫外線硬化樹脂層13gの界面で剥離する。
【0058】
次に、図5(b)に示すように、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚(1〜5μm)で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、新たな紫外線硬化樹脂層13g’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜の一部を交換し、修理することができる。
【0059】
次に、本実施形態に係る光ディスクの製造方法について説明する。
まず、第2実施形態と同様にして、表面に凹凸形状が形成されたディスク基板11を形成し、その凹凸形状形成面上に光学記録層を形成し、その上面に粘着剤層13eをポリカーボネートフィルム13fを張り合わせる。
次に、図11(a)に示すように、例えばスピン塗布法により、未硬化の紫外線硬化樹脂をディスペンサDにより所定の膜厚(1〜5μm)となる量で供給する。
次に、図11(b)に示すように、ディスク基板11を高速回転させることにより、遠心力により紫外線硬化樹脂13gを均一にいきわたらせ、余分な紫外線硬化樹脂13gを振り切る。
次に、図11(c)に示すように、紫外線ランプUVLにより紫外線を照射して、固化した紫外線硬化樹脂層13gとする。
【0060】
第4実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第2実施形態に係る光ディスクと同様であるが、ポリカーボネートフィルム13jが張り合わされた粘着剤層13iと光学記録層12の間に紫外線硬化樹脂層13hが形成されており、粘着剤層13iと紫外線硬化樹脂層13hの界面が剥離面となっていることが異なる。
【0061】
図4は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、5〜10μmの膜厚の紫外線硬化樹脂層13h、例えば20μmの膜厚のアクリル系の粘着剤層13iおよび70μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13jの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。
【0062】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、紫外線硬化樹脂層13hおよび粘着剤層13iの界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0063】
上記のように剥離面が形成されていることにより、例えば粘着剤層13iとポリカーボネートフィルム13jとの界面などの他の界面で剥離せずに、紫外線硬化樹脂層13hおよび粘着剤層13iの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0064】
本実施形態においても、第3実施形態のように、光学記録層が空気中に曝されることを防止でき、また、光学記録層を構成する反射ないしは記録膜の種類によって下部のディスク基板との密着力が弱い場合にも外周および/または内周部分で光学記録層側の光透過膜とディスク基板とが密着し、この界面での剥離力を上記の剥離面よりも高くすることができる。
【0065】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図13(a)に示すように、光透過膜を構成するポリカーボネートフィルム13jの端部上面に剥離用テープ14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前のポリカーボネートフィルム13jの表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、粘着剤層13iおよび紫外線硬化樹脂層13hの界面で剥離する。
【0066】
次に、図13(b)に示すように、予め粘着剤層をポリカーボネートフィルムおよびPET(ポリエチレンテレフタレート)ライナーで挟んだ積層粘着剤シートを光ディスクサイズに打ち抜き、PETライナーを剥がしたものを上記の紫外線硬化樹脂層13h上に張り合わせ、新たな20μmの膜厚の粘着剤層13i’および70μmの膜厚のポリカーボネートフィルム13j’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜の一部を交換し、修理することができる。
【0067】
第5実施形態
本実施形態に係る光ディスクは、実質的に第1実施形態に係る光ディスクと同様であるが、光透過膜が第1紫外線硬化樹脂層13kと第2紫外線硬化樹脂層13mの積層体からなり、第1紫外線硬化樹脂層13kと第2紫外線硬化樹脂層13mの界面が剥離面となっていることが異なる。
【0068】
図14は本実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
例えば厚さが1.1mmのポリカーボネートなどからなるディスク基板(媒体基板)11の一方の表面に、凹部11rが設けられている。凹部11rを含む凹凸形状は、光ディスクのランドグルーブあるいは再生専用の光ディスクにおけるピットとなる凹凸形状である。
この凹部11rを含む凹凸に沿って光学記録層12が形成されている。光学記録層12は、ディスク基板11側から、例えば反射膜、誘電体膜、相変化膜などの記録膜および誘電体膜などがこの順番で積層された構成であり、層構成や層数は、記録材料の種類や設計によって異なる。再生専用の光ディスクの場合には、例えばアルミニウム合金膜などの反射膜となっている。
光学記録層12の上層に、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの積層体からなる約0.1mmの膜厚の光透過膜が形成されている。
【0069】
ここで、本実施形態に係る光ディスクにおいては、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている構成である。
【0070】
上記のように剥離面が形成されていることにより、例えば第1紫外線硬化樹脂層13kと光学記録層12の界面などの他の界面で剥離せずに、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの界面である剥離面で選択的に簡単に剥離することができる。
このように剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を剥離面に新たに設けることで、剥離した層部分を交換することができ、これにより、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光ディスクにおいて、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することが可能となっている。
【0071】
本実施形態においても、第3実施形態のように、光学記録層が空気中に曝されることを防止でき、また、光学記録層を構成する反射ないしは記録膜の種類によって下部のディスク基板との密着力が弱い場合にも外周および/または内周部分で光学記録層側の光透過膜とディスク基板とが密着し、この界面での剥離力を上記の剥離面よりも高くすることができる。
【0072】
次に、上記の本実施形態の光ディスクを修理する方法について説明する。
まず、図15(a)に示すように、光透過膜を構成する第2紫外線硬化樹脂層13mの端部上面に剥離用テープ14を張り合わせ、剥離用テープ14の引っ張り方向DR14と剥離前の第2紫外線硬化樹脂層13mの表面のなす角θを90°以上として、剥離用テープ14を引っ張り、第1紫外線硬化樹脂層13kおよび第2紫外線硬化樹脂層13mの界面で剥離する。
【0073】
次に、図13(b)に示すように、第1紫外線硬化樹脂層13k上に、例えばスピン塗布により紫外線硬化樹脂を所定の膜厚で塗布し、紫外線を照射して紫外線硬化樹脂を固化し、新たな第2紫外線硬化樹脂層13m’とする。
以上で、本実施形態の光ディスクの光透過膜の一部を交換し、修理することができる。
【0074】
(実施例1)
図4に示す第2実施形態に従って、光ディスクを下記のように作成した。
光ディスク基板としては射出成型により、光学記録用のピットバターンが形成された、外形φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。その上に反射膜としてアルミニウム合金60nmをスパッタリング法により堆積させた。光透過膜として、膜厚80μmのポリカーボネートフィルムと膜厚20μmのアクリル系粘着剤層とPETライナーがローラによって予めラミネートされた積層体を、外形φ119mm、内径22mmのドーナツ形状に打ち抜き、PETライナーを剥離した後、平坦なステージ上にポリカーボネートフィルムと粘着剤層の積層体を設置し、上方からディスク基板をパッドで圧着することにより、膜厚が約0.1mmの光透過膜を形成した。
【0075】
アクリル系粘着剤の剥離力はポリカーボネート上でおおよそ80〜120mN/25mm、アルミニウム合金上で90〜110mN/25mmであった。そこで、ポリカーボネート側にコロナ放電処理を行い、ポリカーボネートとアルミニウム合金の剥離力として150mN/25mm以上とすることができた。
【0076】
次に、光透過膜上面に剥離用テープ(例えばニチバン製:セロハンテープ15mm幅)を張り合わせ、90°以上の角度をつけて引き剥がした。この際、アルミニウム合金の反射膜を剥がすことなく光透過膜のみの剥離が可能であった。
その後、同様に新たな光透過膜材料をドーナツ形状に打ち抜いて平坦なステージ上に置き、上部からディスク基板をパッドで圧着することにより、再度約0.1mmの膜厚の光透過膜を形成し、修理可能であることを確認した。
【0077】
(実施例2)
図9に示す第3実施形態に従って、光ディスクを下記のように作成した。
光ディスク基板としては射出成型により、光学記録用のピットバターンが形成された、外形φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。その上に反射膜としてアルミニウム合金60nmをスパッタリング法により堆積させた。
【0078】
光透過膜として、膜厚75μmのポリカーボネートフィルムと膜厚20μmのアクリル系粘着剤層とPETライナーがローラによって予めラミネートされた積層体を、外形φ119mm、内径22mmのドーナツ形状に打ち抜き、PETライナーを剥離した後、平坦なステージ上にポリカーボネートフィルムと粘着剤層の積層体を設置し、上方からディスク基板をパッドで圧着し、つぎにポリカーボネートフィルムの上に剥離を容易にするためにSiO2 を10nmスパッタにより製膜し、さらに、アクリル系の紫外線硬化樹脂(粘度100cps)をポリカーボネートフィルムの上にリング状となるように滴下し、ディスク基板をスピンさせることで膜厚が1〜5μmの塗布膜を形成し、紫外線照射することで硬化させ、以上で、粘着剤層、ポリカーボネートフィルムおよび紫外線硬化樹脂層からなる膜厚が約0.1mmの光透過膜を形成した。
アクリル系粘着剤の密着はポリカーボネート上、アルミニウム合金上、ともに500mN/25mm以上のものを用いた。
【0079】
次に、剥離用フィルムとしてポリカーボネートフィルム上に粘着剤がラミネートされ、外形φ130mmで円形に打ち抜かれたものを用いた。粘着剤の剥離強度は500mN/25mm程度のものを用いた。
この剥離用フィルムをローラでディスク全面を覆うように貼り合せたのち、再度剥離することで表面の紫外線硬化樹脂層をすべて剥離用フィルム側に転移させ、ポリカーボネートフィルムと紫外線硬化樹脂層の間で剥離を行った。
その後、上述の方法と同様に紫外線硬化樹脂をスピンコートし、紫外線硬化を行うことにより、再度約0.1mmの膜厚の光透過膜を形成し、修理可能であることを確認した。
【0080】
(実施例3)
図12に示す第4実施形態に従って、光ディスクを下記のように作成した。
光ディスク基板としては射出成型により、光学記録用のグルーブが形成された、外形φ120mm、内径φ15mm、厚み1.1mmのポリカーボネート基板を用いた。その上に光学記録層として相変化膜を含む積層体をスパッタリング法により堆積させた。スパッタリング時には金属性のマスクを用いることで、内径φ40mmから外形φ118.5mmまでに膜が付くようにした。
【0081】
次に、光学記録層上に紫外線硬化樹脂を塗布した。紫外線硬化樹脂をディスク基板上にリング状にパターン塗布し、スピンコートし、紫外線を照射することで厚み5〜10μmの膜厚の紫外線硬化樹脂膜を形成した。リング状の塗布位置はφ36mmとすることでスパッタリングによる光学記録層を最外周部まで覆うことが可能であった。
この上に、膜厚70μmのポリカーボネートフィルムと膜厚20μmのアクリル系粘着剤層とPETライナーがローラによって予めラミネートされた積層体を、外形φ119mm、内径22mmのドーナツ形状に打ち抜き、PETライナーを剥離した後、上記の紫外線硬化樹脂膜上に張り合わせ、以上で、紫外線硬化樹脂層、粘着剤層およびポリカーボネートフィルムからなる膜厚が約0.1mmの光透過膜を形成した。
このときアクリル系粘着剤としては、紫外線硬化樹脂に対して50mN/25mmの密着力が得られるものを用いた。ポリカーボネートフィルムには予めコロナ放電処理を施すことで100mN/25mm以上の密着力を確保した。
【0082】
次に、光透過膜上面に剥離用テープ(例えばニチバン製:セロハンテープ15mm幅)を張り合わせ、90°以上の角度をつけて引き剥がした。この際、紫外線硬化樹脂の保護膜を剥がすことなく光透過膜のみの剥離が可能であった。
その後、同様に新たな光透過膜材料をドーナツ形状に打ち抜いて平坦なステージ上に置き、上部からディスク基板をパッドで圧着することにより、再度約0.1mmの膜厚の光透過膜を形成し、修理可能であることを確認した。
【0083】
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。
例えば、光学記録媒体を構成する基板、光学記録層および層間の接着剤層などの材料および膜厚などは、上記の実施形態で説明したものに限定されず、適宜選択することが可能である。
その他、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更をすることができる。
【0084】
【発明の効果】
本発明の光学記録媒体によれば、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理が可能となっている。
【0085】
また、本発明の光学記録媒体の修理方法によれば、光透過膜の厚さを100μm程度以下とした光学記録媒体において、光透過膜の表面に傷または汚れがついても修理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の第1実施形態に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図であり、図1(b)は模式断面図である。
【図2】図2(a)および(b)は第1実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図3】図3(a)〜(c)は第1実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の第2実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図5】図5(a)および(b)は第2実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図6】図6(a)および(b)は第2実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図7】図7(a)および(b)は図6の続きの工程を示す断面図である。
【図8】図8は図7の続きの工程を示す断面図である。
【図9】図9は本発明の第3実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図10】図10(a)および(b)は第3実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図11】図11(a)〜(c)は第3実施形態に係る光ディスクの製造方法を示す断面図である。
【図12】図12は本発明の第4実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図13】図13(a)および(b)は第4実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図14】図14は本発明の第5実施形態に係る光ディスクの模式断面図である。
【図15】図15(a)および(b)は第5実施形態に係る光ディスクの修理方法を示す断面図である。
【図16】図16(a)は従来例に係る光ディスクの光の照射の様子を示す模式斜視図であり、図16(b)は模式断面図である。
【符号の説明】
10…スタンパ、10p…凸部、11…ディスク基板、11r…凹部、12…光学記録層、13…光透過層、13a…粘着剤層、13b…ポリカーボネートフィルム、13c…PETライナー、13d…積層粘着剤シート、13e…粘着剤層、13f…ポリカーボネートフィルム、13g…紫外線硬化樹脂層、13h…紫外線硬化樹脂層、13i…粘着剤層、13j…ポリカーボネートフィルム、13k…第1紫外線硬化樹脂層、13m…第2紫外線硬化樹脂層、14…剥離用テープ、14a…剥離用フィルム、D…ディスペンサ、M…打ち抜き機、P…パッド、S…基台、UVL…紫外線ランプ、CH…センターホール、DC…光ディスク、DR…ドライブ方向、LT…光、OL…対物レンズ。
Claims (10)
- 媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、
前記光学記録層の上層に形成された光透過膜と
を有し、
前記光学記録層と前記光透過膜との界面と前記光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記光学記録層と前記光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている
光学記録媒体。 - 前記剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設けることで、前記剥離した層部分を交換することができる
請求項1に記載の光学記録媒体。 - 前記剥離面における剥離力が20〜400mN/25mmである
請求項1に記載の光学記録媒体。 - 媒体基板と、
前記媒体基板に形成された光学記録層と、
前記光学記録層の上層に形成され、前記光学記録層の端部において前記媒体基板と接着する第1光透過膜と、
前記第1光透過膜の上層に形成された第2光透過膜と
を有し、
前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面と前記第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている
光学記録媒体。 - 前記剥離面において剥離し、剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設けることで、前記剥離した層部分を交換することができる
請求項4に記載の光学記録媒体。 - 前記剥離面における剥離力が20〜400mN/25mmである
請求項4に記載の光学記録媒体。 - 媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成された光透過膜とを有し、前記光学記録層と前記光透過膜との界面と前記光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記光学記録層と前記光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体の前記剥離面において剥離する工程と、
剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設ける工程と
を有し、前記剥離した層部分を交換する
光学記録媒体の修理方法。 - 前記剥離面における剥離力が20〜400mN/25mmである
請求項7に記載の光学記録媒体の修理方法。 - 媒体基板と、前記媒体基板に形成された光学記録層と、前記光学記録層の上層に形成され、前記光学記録層の端部において前記媒体基板と接着する第1光透過膜と、前記第1光透過膜の上層に形成された第2光透過膜とを有し、前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面と前記第2光透過膜の表面の間のいずれかの界面、もしくは前記第1光透過膜と前記第2光透過膜との界面が、他の界面よりも剥離力が弱い剥離面となっている光学記録媒体の前記剥離面において剥離する工程と、
剥離した層に相当する層を前記剥離面に新たに設ける工程と
を有し、前記剥離した層部分を交換する
光学記録媒体の修理方法。 - 前記剥離面における剥離力が20〜400mN/25mmである
請求項9に記載の光学記録媒体の修理方法。
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Cited By (2)
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WO2011024241A1 (ja) * | 2009-08-31 | 2011-03-03 | 株式会社エルム | 光ディスクの修復方法及び修復装置 |
US8263212B2 (en) | 2007-11-01 | 2012-09-11 | Rolls-Royce Plc | Composite material repair |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002210138A patent/JP2004055018A/ja active Pending
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US8342905B2 (en) | 2009-08-31 | 2013-01-01 | Elm Inc. | Optical disk restoration method and apparatus |
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