JP2004054103A - 画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】この画像形成装置の制御が行なわれる中央処理装置(CPU)10と、デジタル値に変換したデータが画像処理部に入力される画像入力手段11と、一連のプロセスを経て画像が出力される画像出力手段12と、テストパターン発生手段131、濃度分布計測手段132及び後端部かすれ算出手段133から構成されている後端部かすれ検出部13と、入力されたデータのガンマ補正や、後端部かすれ検出部よる検出結果に基づく処理が行なわれる画像処理部14から構成されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像形成装置に関し、さらに詳しくは、後端かすれ及び画像濃度低下補正方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を利用した画像形成装置として、デジタル複写機、プリンタ、ファクシミリ等があり、既に多くの製品が実用化に供されている。これらの製品に対するユーザサイドからの要求として、高い耐久性と信頼性、低コスト、優れた操作性及び高い画像品質が挙げられる。特に、この中で、画像品質が高いレベルにあることが必須である。この高い画像品質を決定する重要な構成要素として、現像部が挙げられる。そのため、現像部の現像方式を何らかの方法で制御し、画像品質を向上させる技術が従来から提案されている。この画像品質を左右する要因は様々であるが、特に画像後端部かすれ(「後端部白抜け」ともいう)が挙げられ、後端部かすれによって画像品質は著しく劣化してしまう。この後端部かすれは、現像部の磁気ブラシの回転に伴い、画像後端部のトナーが掻き取られてしまうなどが主な原因で起こる現象である。
このような後端部かすれを低減させる方法として、例えば、特開2001−324872公報には、低コントラスト画像を良好にし且つ画像ノイズを抑制し、階調再現製にも優れた現像方法、現像装置及び画像形成装置について開示されている。それによると、潜像担持体と現像剤担持体間の距離(現像ギャップ)を平均キャリア粒径の3倍以上10倍以下とし、現像ニップの潜像担持体・現像剤担持体間最近接距離(現像ギャップ)に対するニップ境界部の潜像担持体・現像剤担持体間距離の比を1.5以下とする。これにより、磁気ブラシによる潜像担持体上のトナー像撹乱を最小限にするとともに、エッジ効果を少なくして後端白抜けを防ぎ横ライン再現性及びドット均一性を向上させるとしている。
また、特開2000−206794公報では、高密度で形成された静電潜像をも忠実に再現でき、画像ノイズも発生することのない画像形成装置について開示されている。それによると、反転現像方式の画像形成装置で、像担持体に非画像部が連続するときに、現像剤が像担持体に接触する領域で、現像剤担持体近傍の現像剤のトナー濃度に対する像担持体近傍の現像剤のトナー濃度の比が、0.6以上であるようにする。また磁性キャリアの粒径に対して現像剤担持体上の現像剤と像担持体と接触する領域が像担持体の移動方向に対する幅を5倍以上100倍以下とし、像担持体と現像装置の最近接距離を5倍以上とし、かつ磁性キャリアの平均粒径が像担持体上に照射される光ビーム径以下とする。この現像条件により、静電潜像に忠実で、摺擦跡のないベタ部などの画像のノイズのない良好な画像が得ることができるとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記公報による発明では、以下のような様々な原因により、画像品質が維持できないという問題がある。つまり、現像剤の経時的劣化による現像剤特性(トナー帯電量・キャリア抵抗・現像際流動性など、及びそれらの分布)の変化、環境(温度・湿度)による現像剤特性の変化、感光体の諸特性(潜像電位、物理表面状態など)の経時的変化、及びユニットの汚れ・摩擦などによる影響(帯電電位変動、転写電位変動、クリーニング低下など)である。このような原因により、現像条件の制御を行なうことでは、必ずしも効果的に後端部かすれを防止できるとは限らない。さらに、現像剤或いは感光体などが変更されたとき、画像品質が大きく変ってしまう。また、現像条件の制御自体も一般に容易ではないという問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、現像条件に左右されることなく、画像後端部かすれ及び濃度低下を防止/低減させ、画像品質を向上させる画像形成装置、画像形成方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成装置であって、像担持体上に所定のテストパターン像を形成するテストパターン像形成手段と、前記テストパターン像の物理量分布を計測する物理量分布計測手段と、該物理量分布計測手段により計測された物理量分布から前記テストパターン像の後端部のかすれを検出する後端部かすれ検出手段と、該後端部かすれ検出手段の検出結果に基ずいて、入力画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成装置であって、像担持体上に所定のテストパターン像を形成し、このテストパターン像の物理量分布(濃度分布)を計測し、計測された物理量分布からテストパターン像の後端部のかすれを検出し、後端かすれ検出結果に応じて、入力された画像データに所定のガンマ補正をして画像処理を施すことを特徴としている。
かかる発明によれば、トナー像化されたテストパターン像の物理量分布を計測し、後端部かすれを直接的に検出することで、実画像に忠実な後端部かすれが検出することができるとともに、その後端部かすれ検出結果を画像処理に反映させることで、一般に容易ではない現像条件の制御をすることなく、現像部の経時的変化にも対応して後端部かすれが低減/防止できる。
請求項2は、前記画像処理手段は、前記入力画像データの後端部を検出する後端部検出手段と、前記入力画像データの後端部かすれを低減する後端部かすれ低減処理手段と、を備え、前記後端部かすれ検出手段による検出結果に基づいてガンマ補正を施すことにより、前記入力画像データの後端部かすれを低減することを特徴とする。
画像のかすれは、画像の後端部に多く発生する。従って、まず画像後端部を検出する手段により後端を検出し、その後端部のかすれを軽減する。軽減する手段は、画像データの入力濃度レベルと濃度出力レベルとの関係から、補正量を変えて補正することにより可能である。つまり、入力濃度レベルが低い場合には、濃度出力レベルを高くするように補正する。
かかる発明によれば、後端部かすれ検出結果に応じて、ガンマ補正テーブルを作成することで、高精度な後端部かすれ低減処理を施すことができる。
【0005】
請求項3は、前記後端部かすれ検出手段は、前記像担持体上に形成されたテストパターン像の濃度分布を、紙送り方向に向かって前記物理量分布計測手段により計測し、計測された夫々の濃度レベルに応じてガンマ補正曲線を選択するように構成されていることを特徴とする。
一定の濃度で形成されたテストパターン像は、紙送り方向に対して後端部に行くほど画像のかすれが多くなる傾向にある。その方向に対して物理量分布を計測し、その計測結果に応じてガンマ補正テーブルを作成するようにすれば、かすれ濃度に最適な補正カーブが得られる。
かかる発明によれば、テストパターン像を複数の濃度レベルから成るものとし、それぞれの後端部かすれ検出を行なうことで、濃度レベルに応じたガンマ補正テーブルの作成ができるので、より高精度な後端部かすれ低減処理を施すことが可能となる。
請求項4は、前記画像処理手段は、前記後端部かすれ検出手段による検出結果が所定の閾値以上の場合に限り、後端部かすれ低減処理を施すように前記後端部かすれ低減処理手段を制御することを特徴とする。
テストパターンの画像濃度はある位置までは一定の濃度である。そして、ある位置から濃度が変化し始める。従って、濃度が変化し始める位置までは、一定の閾値とみなして濃度を変化させない。つまり、後端部かすれ低減処理を施さないようにする。
かかる発明によれば、後端部かすれ検出結果に所定のしきい値を設けることで、後端部かすれ低減処理を施すか否かを選択することができ、必要とされる領域にのみ適切な処理が施されるので、後端部かすれ低減処理によるその他の画像劣化を防止することができる。また、処理時間の短縮も行うことができる。
【0006】
請求項5は、入力された画像データを文字線画像領域とその他の領域に判別する領域判別手段を更に備え、前記画像処理手段は、前記領域判別手段によって文字線画像領域以外と判別された領域のみ、前記後端部検出手段により前記画像データの後端部の検出を行い、該検出結果に基づいて後端部かすれ低減処理を施すように前記後端部かすれ低減処理手段を制御することを特徴とする。
画像データには文字部分と中間調部分がある。画像のかすれが多く発生するのは、大部分中間調の部分である。そこで、この文字部分と中間調部分を検出する手段を設け、その手段により検出された中間調部分のみに後端部かすれ低減処理を施すようにすれば、効率が良くなる。
かかる発明によれば、入力画像データの領域を判別することにより、後端部かすれが発生しやすい中間調部分にのみ後端部かすれ低減処理を施すことが可能となり、必要とされる領域にのみ適切な処理が施されるので、後端部かすれ低減処理によるその他の画像劣化を防止することができ、より高画質を得ることができる。
請求項6は、電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成装置であって、像担持体上に所定のテストパターン像を形成するテストパターン像形成手段と、前記テストパターン像の物理量分布を計測する物理量分布計測手段と、該物理量分布計測手段により計測された物理量分布から前記テストパターン像の濃度低下を検出する濃度低下検出手段と、該濃度低下検出手段の検出結果に応じて、入力画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明は、電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成装置であって、像担持体上に所定のテストパターン像を形成し、このテストパターン像の物理量分布(濃度分布)を計測し、計測された物理量分布からテストパターン像の濃度低下を検出し、この濃度低下検出結果に応じて、入力された画像データに所定のガンマ補正をして画像処理を施すことを特徴としている。
かかる発明によれば、トナー像化されたテストパターン像の物理量分布を計測し、濃度低下を直接的に検出することで、実画像に忠実な画像の濃度低下を検出することができるとともに、その画像の濃度低下検出結果を画像処理に反映させることで、一般に容易ではない現像条件の制御をすることなく、現像部の経時的変化にも対応して画像の濃度低下が低減/防止できる。
【0007】
請求項7は、前記画像処理手段は、入力された画像データを文字線画像領域とその他の領域に判別する領域判別手段と、前記入力画像データの濃度が低下すると予測される領域を検出する注目領域検出手段と、前記入力画像データの濃度低下を補正する濃度補正処理手段と、を備え、前記濃度低下検出手段による検出結果に基づいてガンマ補正を施すことにより、前記入力画像データの注目領域の濃度低下を低減することを特徴とする。
画像の濃度低下が発生すると予想される領域は、一般には画像の後端部に多く発生する。従って、まず画像の濃度低下が発生すると思われる領域を検出し、その領域の画像濃度低下を軽減する。軽減する手段は、画像データの入力濃度レベルと濃度出力レベルとの関係から、補正量を変えて補正することにより可能である。つまり、入力濃度レベルが低い場合には、濃度出力レベルを高くするように補正する。
かかる発明によれば、濃度低下検出結果に応じて、ガンマ補正テーブルを作成することで、高精度な画像濃度低下の低減処理を施すことができる。
請求項8は、前記濃度低下検出手段は、前記像担持体上に所定の均一濃度レベルを持つ複数の異なる幅のテストパッチにより形成されたテストパターン像の濃度分布を、紙送り方向に向かって前記物理量分布計測手段により計測し、計測された夫々の濃度レベルに応じてガンマ補正曲線を選択するように構成されていることを特徴とする。
一定の濃度で形成されたテストパターン像は、紙送り方向に対して後端部に行くほど画像濃度が低くなる傾向にある。その方向に対して物理量分布を計測し、その計測結果に応じてガンマ補正テーブルを作成するようにすれば、濃度に最適な補正カーブが得られる。
かかる発明によれば、テストパターン像を複数の濃度レベルから成るものとし、それぞれの濃度低下検出を行なうことで、濃度レベルに応じたガンマ補正テーブルの作成ができるので、より高精度な濃度低下の低減処理を施すことが可能となる。
【0008】
請求項9は、前記テストパターン像の形成は、当該画像形成装置が画像形成中を除いた時間内に定期的に行うように構成したことを特徴とする。
また、画像品質劣化の要因としては、現像部周り全てに関わる経時的劣化、環境の変化などが挙げられるので、本発明で述べた後端部かすれの検出は定期的に行なわれることが望ましい。定期的に検出を行なうにあたって、実印字時間外に、例えば初期設定に基づいて行なわれるようにしてもよい。
かかる発明によれば、自動的に最適な後端部かすれ及び濃度低下の低減処理が入力画像データに施され、常に良好な画質を得ることが可能になる。
請求項10は、前記テストパターン像の形成は、当該画像形成装置の像担持体の実画像形成領域外に形成するように構成したことを特徴とする。
また、像担持体の実画像形成領域外にテストパターン像を形成し、後端部かすれ及び濃度低下検出を行なうことにより、実印字時間であっても、後端部かすれ及び濃度低下検出に基づいた一連の処理が可能になり、常に良好な画質を得ることができる。
かかる発明によれば、実印字時間であっても、後端部かすれ及び濃度低下検出に基づいた一連の処理が可能になり、常に良好な画質を得ることができる。
請求項11は、電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成方法であって、像担持体上に所定のテストパターン像を形成し、前記テストパターン像の物理量分布を計測し、計測された物理量分布からテストパターン像の後端部のかすれを検出し、後端かすれ検出結果に応じて、入力された画像データに所定の画像処理を施すことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項1と同様な作用効果を奏する。
請求項12は、前記画像処理は、後端部かすれ検出結果に基づいたガンマ補正を施すことで後端部かすれを低減する後端部かすれ低減処理を含むことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項2と同様な作用効果を奏する。
【0009】
請求項13は、前記像担持体上に所定の均一濃度レベルにより形成されたテストパターン像の濃度分布を、紙送り方向に向かって計測し、計測された夫々の濃度レベルに応じてガンマ補正曲線を選択することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項3と同様な作用効果を奏する。
請求項14は、前記後端部かすれ検出結果が所定のしきい値以上の場合のみ、後端部かすれ低減処理を施すことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項4と同様な作用効果を奏する。
請求項15は、入力された画像データを文字線画像領域とその他の領域に判別し、前記文字線画像領域以外と判別された領域にのみ、前記後端部かすれ検出結果に基づく所定の画像処理を施すことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項5と同様な作用効果を奏する。
請求項16は、前記テストパターン像の形成は、画像形成中を除いた時間内に定期的に行うことを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項6と同様な作用効果を奏する。
請求項17は、前記テストパターン像の形成は、像担持体の実画像形成領域外に形成することを特徴とする。
かかる発明によれば、請求項7と同様な作用効果を奏する。
請求項18は、情報処理装置上で実行されるプログラムにおいて、請求項11乃至17の何れか一項に記載の画像形成方法に従ってプログラミングしたことを特徴とする。
本発明の画像形成装置の制御プログラムは、コンピュータにより制御可能なものである必要がある。つまり、本発明による画像形成方法に従ったプログラムを作成することにより、情報処理装置上で実行することができる。
請求項19は、プログラムを記憶した記憶媒体において、請求項18の画像形成プログラムを記憶したことを特徴とする。
また、このプログラムを記憶媒体に記憶することにより、画像形成方法に従ったプログラムを他の情報処理装置に自由に挿入して実行することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。この画像形成装置100は、この画像形成装置の制御が行なわれる中央処理装置(CPU)10と、CCDなどで読み取ったアナログデータを1画素あたり8bitのデジタル値に変換したデータが画像処理部に入力される画像入力手段11と、画像処理部から入力されたデータに従って、変調されたレーザ光によって像担持体に潜像が形成された後、現像、転写、定着などの一連のプロセスを経て画像が出力される画像出力手段12と、テストパターン発生手段131、濃度分布計測手段132及び後端部かすれ算出手段133から構成されている後端部かすれ検出部13と、入力されたデータのガンマ補正や、後端部かすれ検出部よる検出結果に基づく処理が行なわれる画像処理部14から構成されている。また、画像処理部14は画像後端部を検出するために必要となる入力データ等を格納するメモリ(図示せず)を備えている。
ここで、画像処理部14で行われるデジタル画像処理について、図2を参照して説明する。まず、入力データ1は、シェーディング補正手段2により、光源、光学系、読み取り素子のばらつきが取り除かれた後、読み取り画像補正としてスキャナガンマ補正3が行われる。そして、フィルタ処理手段4によって、画像のエッジ強調や平滑化等のフィルタ処理が行われ、変倍処理手段5で、スキャナのキャリッジ移動速度を変える画像データの補間演算を行なう等により拡大縮小の変倍処理が行われる。そして、プリンタガンマ補正6が行われた後、中間調処理手段8によって、ディザや誤差拡散等の中間調処理が施され、プリンタの出力bit数に量子化されて出力データ9として送出される。以上、代表的なデジタル画像処理について説明したが、図2に示す構成に限定されるものではない。本発明では、この画像処理部14に後端部かすれ低減処理手段7及び後端部検出手段15を付加し、それぞれの結果を反映させた画像処理が行われる。また、図2中では、後端部かすれ低減処理手段7はプリンタガンマ補正6の後に行われているがこの処理順に限定されるものではない。
【0011】
図3は本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。まず、図1の後端部かすれ検出部13内のテストパターン像発生手段131により、所定の均一濃度レベルで形成されたテストパッチのテストパターン像の信号が図示しない書き込み手段に送られる(S31)。一般に後端部かすれが顕著に現れるのは中間濃度であり、例えば、入力濃度レベルを127(0:低濃度 255:高濃度)として、この濃度により図示しない書き込み手段により、テストパターン信号に従って変調されたレーザ光によって像担持体上に潜像が形成され、図示しない現像手段によって、テストパッチのトナー像が形成される(S32)。次いで、濃度分布計測手段132により、像担持体上のテストパッチトナー像の物理特性量分布データ(以下、濃度分布データ)が計測される(S33)。本発明においては濃度分布計測手段132として、例えば、図4に示す光学センサ40を用いる。これは、像担持体に隣接して設けられた光学センサ40は、レーザやLED等の発光素子41、フォトダイオード等の受光素子42から構成されており、発光素子41により像担持体上に形成されたテストパッチトナー像43に発光光が照射され、反射した光を、受光素子42によって受光することにより、テストパッチトナー像43の一次元濃度分布データが計測される。濃度分布計測手段132は一次元濃度分布データを計測するものであればどのようなものでも適応可能であり、これに限定されるものではない。このようにして計測された濃度分布データは、後端部かすれ算出手段133に送られる。
【0012】
後端部かすれ算出手段133では、送られた濃度分布データから、例えば、図5のテストパッチ20の後端部と先端部(或いは中間部)の濃度差、または、先端部から後端部への濃度変化などが後端部かすれの程度として検出され(S34)、その検出結果が画像処理部14に送られる。そして、送られた後端部かすれ検出結果に基づいて、画像処理部14内の後端部かすれ低減処理手段7では、ガンマ補正テーブルが作成され(S35)、画像処理部内のメモリ(図示せず)に格納される(S36)。次いで、画像入力手段11により、画像データが入力されると(S37)、画像処理部14内のメモリに格納され、画像処理部14内の後端部検出手段15によって入力画像データの後端部の検出が行われる(S38)。次いで、後端部検出結果に基づいて、後端部からの距離に応じた適切なガンマ補正が、先述のメモリ内のガンマ補正テーブルが参照されることによって決定され、入力画像データに適切なガンマ補正処理が施される(S39)。なお、ここで述べた後端部かすれ低減処理はガンマ補正処理であるので、作成されたガンマ補正テーブルをプリンタガンマ補正に反映して同時に処理することも可能である。そして、書き込み手段、像担持体、現像手段を介して、画像出力手段12で、転写、定着などの一連の処理が行なわれ画像が出力される(S310)。
【0013】
ここで、ガンマ補正テーブルの作成について図5、6、7を参照して説明する。図5は、像担持体上に形成された入力濃度レベルが中間濃度の127のテストパッチ20を模式的に示す図である。図6は図5のテストパッチ20の物理量分布データ(濃度分布データ)計測結果を示し、図7は、後端部かすれ低減処理手段7がガンマ補正処理で用いるガンマ補正曲線(入出力特性)を示す。図7中の太線26は、後端部かすれが検出されない場合に用いられる基本のガンマ補正曲線であり、このガンマ補正曲線26を用いて図5のテストパッチ20は像担持体に形成されている。図5のテストパッチにおいて、図6の先端のA地点からB地点までは規定の濃度で画像形成が行われているが、B地点以降かすれが現れ、後端部になるにつれ、そのかすれの程度が増していく。その濃度分布の変化を図6が示しているが、B地点以降濃度低下が発生し、後端部Dの地点が最も低濃度となっている。これは、図5に示すテストパッチ20のB〜Dいずれの地点においても、図7中の太線で示されたガンマ補正曲線26を用いているためである。そこで、後端部からの各地点(DからC)に応じたガンマ補正曲線を用いることできれば、かすれを防止することができる。図7中の黒丸は、後端部かすれ検出結果から求められる各地点での後端部かすれが防止できる出力レベルである。地点Dでは出力レベルをd、地点Cでは出力レベルをcとし、地点Bより先端部は基本のガンマ補正曲線(太線)26から求められる出力レベルを用いる。以上のようにして、後端部からの距離に応じた複数のガンマ補正テーブルが作成される。なお、入力濃度レベル127以外の入力濃度レベルに関しては、図6中の破線で示したようにdの場合は破線24、cの場合は破線25のように直線近似され、同様にガンマ補正テーブルが作成される。勿論、直線近似の代わりに、n次曲線近似やスプライン曲線近似を行なってもよい。また、ここで用いた「地点」は後端部を始点とし後端部からの距離を表すものであればよく、限定されるものではない。
ここで後端部検出手段15が用いる入力画像データは、最初の入力データとしているが、シェーディング補正2、スキャナガンマ補正3、フィルタ処理4、変倍処理5、プリンタガンマ補正6のいずれかの処理後の画像データが適応されても良い。
【0014】
図8は、後端部検出法の一例を説明するための処理フローチャートである。後端部は、紙送り方向側に紙白又は紙白に近い濃度が存在し、それより高濃度である領域の境界部であるということを利用して検出が行なわれる。まず入力画像データが画像処理部14内のメモリに格納されると(S81)、入力画像データに対して平滑化処理が施される(S82)。この平滑化処理は、入力画像データが2値的な場合でも、以下で説明する3値化を可能にするための前処理である。前記した後端部の特徴を利用して後端部を検出するには、入力画像データが紙白又は紙白に近い濃度の画素(以下紙白画素)であるか、それより高濃度画素であるかを判別する必要があるため、2種のしきい値(α、β)で3値化が行なわれる(S83)。例えば、
紙白画素≦α α<中間濃度画素<β β≦黒画素
とする。ここで3値化が行なわれるのは、一般に後端部かすれは中間濃度で発生しやすい(ある程度高濃度であると発生しにくい)ことから、かすれが発生する後端部をより効率良く検出するためである。次いで、3値化された入力画像データに対してパターンマッチングが行われる(S84)。パターンマッチングは、例えば、図9に示すような後端部の特徴を利用したパターンで行なわれる。このパターンは中央の注目画素22より紙送り方向側に紙白画素(白丸)23が10画素、紙送り逆方向側に中間濃度画素(黒丸)21が10画素としたが、この画素数は可変であり、このパターンに限定されるものではない。以上説明したようにして注目画素22が後端部であるかどうかが判別され、後端部検出が行われる(S85)。
以上説明したように、テストパターン像により後端部かすれの程度を検出し、その検出結果に基づいてガンマ補正テーブルを作成し、入力画像データに後端部かすれ低減処理を施すことにより、高精度に後端部かすれを防止/低減することが可能となる。
【0015】
次に本発明の第2の実施形態に係る画像形成装置を、図3の全体の処理フローチャートを参照して説明する。この第2の実施形態が第1の実施形態と異なる所は、濃度レベルを複数にした点である。まず、図1の後端部かすれ検出部内のテストパターン像発生手段により、例えば、複数の所定均一濃度レベルのテストパッチから成るテストパターン像の信号が書き込み手段(図示せず)に送られる(S31)。ここでは、例えば濃度レベルを42、84、127、163、191、255とする。以下、ステップS32〜S310までは、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
ここでは、ガンマ補正テーブルの作成方法については第1の実施形態とは異なるので説明する。基本的な方法は第1の実施形態と同様であるが、第2の実施形態では複数の濃度レベルのテストパッチそれぞれについて後端部かすれの程度が算出される。図10に後端部かすれ低減処理手段がガンマ補正処理で用いるガンマ補正曲線(入出力特性)を示す。図10中の黒丸は、後端部かすれ検出結果から求められる各濃度レベルでの、各後端部からの地点における後端部かすれが防止できる出力レベルであり、この結果に基づいて、後端部からの距離に応じた複数のガンマ補正テーブルが各濃度について作成される。
以上説明したように、複数の濃度レベルのテストパターン像によりそれぞれの後端部かすれの程度を検出するので、濃度による、より高精度なガンマ補正テーブルの作成が可能となり、より効果的に後端部かすれを防止/低減することができる。また、後端部かすれ程度に応じて、後端部かすれ低減処理を施すか施さないか選択することも可能である。後端部かすれ検出結果にあるしきい値を設定する。ここでは、例えば、図5のテストパッチ20の先端部濃度と後端部(或いは中間部)濃度の差にしきい値(ここでは、B点を閾値とする)を設ける。両者の差がしきい値以上のときのみ後端部かすれ低減処理が施される。
以上説明したような閾値の設定により、後端部かすれ低減処理を施すか否かを選択することが可能となり、必要と判断された場合にのみ適切な処理が施されるので、処理時間の短縮となり、かつ、後端部かすれ低減処理によるその他の画像劣化が防止され、より高画質を得ることができる。
【0016】
図11は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の処理フローチャートである。図12は、本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の構成図である。デジタル複写機、プリンタなどで出力される画像は、文字(線画を含む)/絵柄(網点、写真)の混在画像であることが多い。一般に、後端部かすれは文字線画部には発生し難く、その他の写真部中間濃度に発生しやすい。本実施形態ではこの現象に注目して混在画像であっても、より効果的に後端部かすれ低減処理を行なうことを目的としている。図12が、図2と異なる点は、文字線画部とその他の写真部中間濃度の領域を判別する領域判別手段16を更に備えた点である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。
図11のS11−1〜S11−7までは第1、第2の実施形態と同様であるので説明を省略する。S11−7で画像入力が行われると、まず画像処理部に備えられた領域判別手段16により入力画像データが文字線画部とその他の領域に判別される(S11−8)。ここで領域判別手段16が用いる入力画像データは、図12中では、入力データ1としているが、シェーディング補正2、スキャナガンマ補正3、フィルタ処理4、変倍処理5、プリンタガンマ補正6のいずれかの処理後の画像データが適応されても良い。ここで、領域判別手段16で行われる画像の領域判別の一例を説明する。領域判別は入力画像データの持つ濃度分布の特徴を利用して行われる。例えば、写真などの絵柄部を判別する場合は、一般に絵柄部は中間濃度の領域が広く存在し、文字線画部では中間濃度の領域は少ないという特徴を利用して、文字線画部であるか否かを判定する。具体的には、所定領域を例えば、図13に示すような注目画素17を中心とした5×5画素領域18として参照し、その領域内の全画素が中間濃度である場合に、その画素を絵柄領域であると判定し、それ以外の場合には文字線画領域と判定する。また、文字線画部を判別する場合には、黒画素(高濃度)または、白画素(低濃度)の連続性を利用し、パターンマッチングを使って判定することが可能である。以上のような方法で文字線画部以外と判別された領域に対して、後端部検出手段により画像後端部の検出を行なう(S11−9)。次いで、先述のメモリ内のガンマ補正テーブルが参照され、後端部検出結果に基づいて適切な後端部かすれ低減処理が文字線画部以外の領域に施される(S11−10)。そして、書き込み手段、像担持体、現像手段を介して、画像出力手段で、転写、定着などの一連の処理が行なわれ画像が出力される(S11−11)。
以上説明したように、入力画像データの領域を判別することにより、後端部かすれが発生しやすいとされる文字線画部以外に後端部かすれ低減処理を施すことが可能となり、必要とされる領域にのみ適切な処理が施されるので、後端部かすれ低減処理によるその他の画像劣化を防止することができ、より高画質を得ることができる。
【0017】
また、画像品質劣化の要因としては、先に述べたように現像部周り全てに関わる経時的劣化、環境の変化などが挙げられるので、本発明で述べた後端部かすれの検出は定期的に行なわれることが望ましい。定期的に検出を行なうにあたって、実際に印字している実印字時間外に、例えば初期設定に基づいて行なわれるようにしてもよい。それによって自動的に最適な後端部かすれ低減処理が入力画像データに施され、常に良好な画質を得ることが可能になる。
また、像担持体の実画像形成領域外にテストパターン像を形成し、後端部かすれ検出を行なうようにしてもよい。これにより実印字時間であっても、後端部かすれ検出に基づいた一連の処理が可能になり、常に良好な画質を得ることができる。また、像担持体の実画像形成領域外にテストパターン像を形成することは、像担持体への余計な負担を軽減し、像担持体の劣化を防ぐことにもつながる。
また、本発明にて述べた像担持体は、感光体でもよいし、中間転写体でもよく、テストパターン像の濃度分布計測についても、転写後、または定着後の紙上のトナー像濃度分布を計測し、後端部かすれ検出を行なう構成にしても構わない。
【0018】
図14は、本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の構成図である。図14が図12と異なる点は、後端部検出手段15の代わりに画像処理部に濃度低下が発生するであろう注目領域検出手段31を付加した点である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。本発明では、この画像処理部に領域判別手段16、濃度低下が発生するであろう注目領域検出手段31および、補正処理手段30を付加し、それぞれの結果を反映させた画像処理が行われる。また、図14中では、補正処理はプリンタガンマ補正後に行われているがこの処理順に限定されるものではない。
【0019】
図15は本実施形態に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。まず、文字・線画領域において濃度低下が発生しやすい注目領域の検出について説明する。本発明で述べる濃度低下が発生しやすい注目領域とは、主に文字・線画の後端部領域のことである。後端部は、紙送り方向側に紙白又は紙白に近い濃度が存在する、それより高濃度である領域の境界部であるということを利用して検出が行なわれる。まず、画像処理手段内のメモリに画像入力手段から送られた入力画像データ1が格納される(S41)。そして、領域判別が行なわれ(S42)、文字・線画領域と判別された領域に対して平滑化処理が施される(S43)。この平滑化処理は、前記図8で説明した内容と同じであるので説明を省略する。入力画像データが2値的な場合でも3値化を可能にするための前処理である(S44)。また、次いで、3値化された入力画像データに対してパターンマッチングが行われる(S45)。以上説明したようにして注目画素が後端部であるかどうかが判別され、濃度低下が発生する注目領域(後端部領域)の検出が行われる(S46)。続いて注目領域として検出された後端部に対しては、補正処理手段によって、濃度低下を低減する補正処理が施される(S47)。そして、濃度低下を低減する補正処理が施された後、書き込み手段、像担持体、現像手段を介して、画像出力手段で、転写、定着などの一連の処理が行なわれ画像が出力される(S48)。
ここで、例えば、ガンマ補正テーブルを用いて、濃度低下を低減する補正処理について図16を用いて説明する。図16はガンマ補正処理で用いるガンマ補正曲線(入出力特性)である。図の太線36は、濃度低下が発生しない後端部以外の領域に用いられるガンマ曲線であり(図中では便宜上直線で示した。)、実線35で示したものが、後端部に用いられるガンマ曲線である。この曲線を元に作成されたそれぞれのガンマ補正テーブルが画像処理部内のメモリに格納されている。濃度低下が発生する後端部領域に用いるガンマ補正テーブルは、後端部以外の領域に用いるガンマ補正テーブルよりも、入力値に対する出力値を高く設定しており、それにより、後端部領域は、その他の領域よりも高濃度で出力されることになり、濃度低下を低減することが可能となる。また、その他の濃度低下を低減する補正処理としては、後端部以外の領域に施すエッジ強調と比較して、後端部領域に施すエッジ強調を強くする方法などがあり、これに限定するものではない。
以上説明したように、文字・線画領域において、濃度低下が発生しやすい注目領域(後端部)を検出してその他の文字・線画領域とは異なる補正処理を施すことにより、注目領域(後端部)の濃度低下を防止/低減させ、画像劣化を防止することができる。
また、文字・線画領域として判別される領域において、文字・線画の幅は一定ではなく、さまざまな幅を持っている。後端部の濃度低下の度合いも文字・線画の幅によって変化し、その傾向としては、幅が狭い場合(細い文字)には、濃度低下が発生しにくく、後端部のかすれも目立ちにくい。一方、幅が広い場合(太文字)に濃度低下が発生しやすく、後端部のかすれが目立つ。この現象を踏まえて、ここでは、文字の幅に応じた補正処理を施すことを目的とした実施例の説明を行なう。
【0020】
図17は、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。同じ構成要素には同じ参照番号が付されているので、重複する説明は省略する。この画像形成装置200が画像形成装置100と異なる点は、後端部かすれ検出部13の変わりに濃度低下検出部33にした点である。濃度低下検出部33は、テストパターン発生手段141、濃度分布計測手段142及び濃度低下検出手段143から構成されている。
図18は、本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置200による全体の処理フローチャートである。まず、図17の濃度低下検出部33内のテストパターン像発生手段141により、例えば、図19に示すような所定の均一濃度レベルを持つ複数の異なる幅のテストパッチ19a〜19eから成るテストパターン像の信号が、書き込み手段(図示せず)に送られる(S81)。一般に後端部の濃度低下が顕著に現れるのは中間濃度であり、本実施形態では、例えば、入力濃度レベルを127(0:低濃度 255:高濃度)として書き込み手段により、テストパターン信号に従って変調されたレーザ光によって像担持体上に潜像が形成され、図示しない現像手段によって、テストパッチのトナー像が形成される(S82)。次いで、濃度分布計測手段142により像担持体上のテストパッチトナー像の物理特性量分布データ(以下、濃度分布データ)が計測される(S83)。このようにして計測された濃度分布データは、濃度低下検出手段143に送られる。濃度低下検出手段143では、送られた濃度分布データから、例えば、テストパッチの後端部と先端部(或いは中間部)の濃度差、または、先端部から後端部への濃度変化などが濃度低下の程度として検出され(S84)、その検出結果が画像処理部34に送られる。そして、送られた濃度低下検出結果に基づいて、画像処理部34内の補正処理手段では、ガンマ補正テーブルが作成され(S85)、画像処理部内のメモリ(図示せず)に格納される(S86)。
【0021】
次いで、画像入力手段11により、画像データが入力されると(S87)、画像処理部34内のメモリに格納され、まず画像処理部34に備えられた図14の領域判別手段16により入力画像データが文字・線画領域とその他の領域に判別される(S88)。例えば、前述したような方法で文字・線画領域と判別された領域に対して、注目領域(後端部)検出手段31により画像後端部の検出が行なわれる(S89)。また本実施形態では、注目領域検出手段31に、文字・線画の幅の検出機能をも備えさせ、同時に文字・線画の幅の検出が行われる(S810)。文字・線画の検出方法については、特開平7−203198号公報などにて提案されているが、複数のパターンによって収縮処理(N画素×N画素のOR処理)、膨張処理(M画素×M画素のAND処理)を行ない、複数段階で文字・線幅を判定する方法などがあり、本実施形態においては、例えば、この方法によって文字・線画の幅の検出を行なうがこれに限定されるものではない。
次いで、注目領域(後端部)検出手段31による、後端部検出結果及び文字・線画の幅(太さ)検出結果に基づいて、適切なガンマ補正が、前述のメモリ内の文字・線画幅及び後端部からの距離に応じたガンマ補正テーブルが参照されることによって決定され、入力画像データに適切な濃度低下を低減する補正処理が文字・線画領域に施される(S811)。そして、書き込み手段、像担持体、現像手段を介して、画像出力手段で、転写、定着などの一連の処理が行なわれ画像が出力される(S812)。
以上説明したように、所定の均一濃度レベルを持つ複数の異なる幅のテストパッチから成るテストパターン像を形成することで、文字・線画幅及び後端部からの距離に応じた濃度低下の程度が検出され、その検出結果に基づいてガンマ補正テーブルが作成されるので、高精度に後端部の濃度低下を防止/低減させることが可能となる。
【0022】
【発明の効果】
以上記載のごとく請求項1、11の発明によれば、トナー像化されたテストパターン像の物理量分布を計測し、後端部かすれを直接的に検出することで、実画像に忠実な後端部かすれが検出することができるとともに、その後端部かすれ検出結果を画像処理に反映させることで、一般に容易ではない現像条件の制御をすることなく、現像部の経時的変化にも対応して後端部かすれが低減/防止できる。
また請求項2、12では、後端部かすれ検出結果に応じて、ガンマ補正テーブルを作成することで、高精度な後端部かすれ低減処理を施すことができる。
また請求項3、13では、テストパターン像を複数の濃度レベルから成るものとし、それぞれの後端部かすれ検出を行なうことで、濃度レベルに応じたガンマ補正テーブルの作成ができるので、より高精度な後端部かすれ低減処理を施すことが可能となる。
また請求項4、14では、後端部かすれ検出結果に所定のしきい値を設けることで、後端部かすれ低減処理を施すか否かを選択することができ、必要とされる領域にのみ適切な処理が施されるので、後端部かすれ低減処理によるその他の画像劣化を防止することができる。また、処理時間の短縮も行うことができる。
また請求項5、15では、入力画像データの領域を判別することにより、後端部かすれが発生しやすい中間調部分にのみ後端部かすれ低減処理を施すことが可能となり、必要とされる領域にのみ適切な処理が施されるので、後端部かすれ低減処理によるその他の画像劣化を防止することができ、より高画質を得ることができる。
【0023】
また請求項6、16では、トナー像化されたテストパターン像の物理量分布を計測し、濃度低下を直接的に検出することで、実画像に忠実な画像の濃度低下を検出することができるとともに、その画像の濃度低下検出結果を画像処理に反映させることで、一般に容易ではない現像条件の制御をすることなく、現像部の経時的変化にも対応して画像の濃度低下が低減/防止できる。
また請求項7、17では、濃度低下検出結果に応じて、ガンマ補正テーブルを作成することで、高精度な画像濃度低下の低減処理を施すことができる。
また請求項8では、テストパターン像を複数の濃度レベルから成るものとし、それぞれの濃度低下検出を行なうことで、濃度レベルに応じたガンマ補正テーブルの作成ができるので、より高精度な濃度低下の低減処理を施すことが可能となる。
また請求項9では、自動的に最適な後端部かすれ及び濃度低下の低減処理が入力画像データに施され、常に良好な画質を得ることが可能になる。
また請求項10では、実印字時間であっても、後端部かすれ及び濃度低下検出に基づいた一連の処理が可能になり、常に良好な画質を得ることができる。
また請求項18では、本発明による画像形成方法に従ったプログラムを作成することにより、情報処理装置上で実行することができる。
また請求項19では、このプログラムを記憶媒体に記憶することにより、画像形成方法に従ったプログラムを他の情報処理装置に自由に挿入して実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の画像処理部のブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。
【図4】本発明の光学センサを説明する図である。
【図5】本発明のテストパッチの図である。
【図6】本発明のテストパッチの物理量分布データの図である。
【図7】本発明のガンマ補正曲線(入出力特性)を示す図である。
【図8】本発明の後端部検出法の一例を説明するための処理フローチャートである。
【図9】本発明の後端部の特徴を利用したパターン図である。
【図10】本発明の後端部かすれ低減処理手段がガンマ補正処理で用いるガンマ補正曲線(入出力特性)を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の処理フローチャートである。
【図12】本発明の第3の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の構成図である。
【図13】本発明の所定領域を判別する過程を説明する図である。
【図14】本発明の第4の実施形態に係る画像形成装置の画像処理部の構成図である。
【図15】本発明の実施形態に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。
【図16】本発明のガンマ補正処理で用いるガンマ補正曲線(入出力特性)図である。
【図17】本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置の構成図である。
【図18】本発明の第5の実施形態に係る画像形成装置による全体の処理フローチャートである。
【図19】本発明の均一濃度レベルを持つ複数の異なる幅のテストパッチの図である。
【符号の説明】
10 中央処理装置(CPU)、11 画像入力手段、12 画像出力手段、13 後端部かすれ検出部、14 画像処理部
Claims (19)
- 電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成装置であって、
像担持体上に所定のテストパターン像を形成するテストパターン像形成手段と、前記テストパターン像の物理量分布を計測する物理量分布計測手段と、該物理量分布計測手段により計測された物理量分布から前記テストパターン像の後端部のかすれを検出する後端部かすれ検出手段と、該後端部かすれ検出手段の検出結果に基ずいて、入力画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像処理手段は、前記入力画像データの後端部を検出する後端部検出手段と、前記入力画像データの後端部かすれを低減する後端部かすれ低減処理手段と、を備え、
前記後端部かすれ検出手段による検出結果に基づいてガンマ補正を施すことにより、前記入力画像データの後端部かすれを低減することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記後端部かすれ検出手段は、前記像担持体上に形成されたテストパターン像の濃度分布を、紙送り方向に向かって前記物理量分布計測手段により計測し、計測された夫々の濃度レベルに応じてガンマ補正曲線を選択するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
- 前記画像処理手段は、前記後端部かすれ検出手段による検出結果が所定の閾値以上の場合に限り、後端部かすれ低減処理を施すように前記後端部かすれ低減処理手段を制御することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 入力された画像データを文字線画像領域とその他の領域に判別する領域判別手段を更に備え、
前記画像処理手段は、前記領域判別手段によって文字線画像領域以外と判別された領域のみ、前記後端部検出手段により前記画像データの後端部の検出を行い、該検出結果に基づいて後端部かすれ低減処理を施すように前記後端部かすれ低減処理手段を制御することを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の画像形成装置。 - 電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成装置であって、
像担持体上に所定のテストパターン像を形成するテストパターン像形成手段と、前記テストパターン像の物理量分布を計測する物理量分布計測手段と、該物理量分布計測手段により計測された物理量分布から前記テストパターン像の濃度低下を検出する濃度低下検出手段と、該濃度低下検出手段の検出結果に基ずいて、入力画像データに所定の画像処理を施す画像処理手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記画像処理手段は、入力された画像データを文字線画像領域とその他の領域に判別する領域判別手段と、前記入力画像データの濃度が低下すると予測される領域を検出する注目領域検出手段と、前記入力画像データの濃度低下を補正する濃度補正処理手段と、を備え、
前記濃度低下検出手段による検出結果に基づいてガンマ補正を施すことにより、前記入力画像データの注目領域の濃度低下を低減することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。 - 前記濃度低下検出手段は、前記像担持体上に所定の均一濃度レベルを持つ複数の異なる幅のテストパッチにより形成されたテストパターン像の濃度分布を、紙送り方向に向かって前記物理量分布計測手段により計測し、計測された夫々の濃度レベルに応じてガンマ補正曲線を選択するように構成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の画像形成装置。
- 前記テストパターン像の形成は、当該画像形成装置が画像形成中を除いた時間内に定期的に行うように構成したことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 前記テストパターン像の形成は、当該画像形成装置の像担持体の実画像形成領域外に形成するように構成したことを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の画像形成装置。
- 電子写真プロセスを用いて画像形成を行なう画像形成方法であって、像担持体上に所定のテストパターン像を形成し、前記テストパターン像の物理量分布を計測し、計測された物理量分布からテストパターン像の後端部のかすれを検出し、後端かすれ検出結果に応じて、入力された画像データに所定の画像処理を施すことを特徴とする画像形成方法。
- 前記画像処理は、後端部かすれ検出結果に基づいたガンマ補正を施すことで後端部かすれを低減する後端部かすれ低減処理を含むことを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
- 前記像担持体上に所定の均一濃度レベルにより形成されたテストパターン像の濃度分布を、紙送り方向に向かって計測し、計測された夫々の濃度レベルに応じてガンマ補正曲線を選択することを特徴とする請求項11又は12に記載の画像形成方法。
- 前記後端部かすれ検出結果が所定のしきい値以上の場合のみ、後端部かすれ低減処理を施すことを特徴とする請求項11乃至13の何れか一項に記載の画像形成方法。
- 入力された画像データを文字線画像領域とその他の領域に判別し、前記文字線画像領域以外と判別された領域にのみ、前記後端部かすれ検出結果に基づく所定の画像処理を施すことを特徴とする請求項11乃至14の何れか一項に記載の画像形成方法。
- 前記テストパターン像の形成は、画像形成中を除いた時間内に定期的に行うことを特徴とする請求項11乃至15の何れか一項に記載の画像形成方法。
- 前記テストパターン像の形成は、像担持体の実画像形成領域外に形成することを特徴とする請求項11乃至16の何れか一項に記載の画像形成方法。
- 情報処理装置上で実行されるプログラムにおいて、請求項11乃至17の何れか一項に記載の画像形成方法に従ってプログラミングしたことを特徴とする画像形成プログラム。
- プログラムを記憶した記憶媒体において、請求項18の画像形成プログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。
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JP2002213913A JP2004054103A (ja) | 2002-07-23 | 2002-07-23 | 画像形成装置、画像形成方法、プログラム及び記憶媒体 |
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US7603047B2 (en) | 2006-11-13 | 2009-10-13 | Konica Minolta Business Technologies, Inc. | Image forming apparatus capable of forming high-quality image |
-
2002
- 2002-07-23 JP JP2002213913A patent/JP2004054103A/ja active Pending
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