JP2004053888A - ポジ型レジスト液の製造装置、及び該装置を用いるポジ型レジスト液の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶剤成分が異なる2種のポジ型レジスト液を順次製造するための製造装置であって、下記a)〜c)をこの順に接続した製造ラインPLと下記のd)〜e)からなる逆洗浄ラインRLとを備えた製造装置。
a)溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びノボラック樹脂成分を混合してレジスト液を調製する調製槽、
b)調製レジスト液を濾過するためのフィルターが収納されたハウジング、
c)濾過後のレジスト液を容器に充填するための充填口を具えた充填装置、
d)ハウジングb)より取り外されたフィルターを、上記濾過方向と逆向きに、且つN−メチルピロリドン及び所望の溶剤成分の順で洗浄するためのハウジングを備えた逆洗浄装置、
e)充填口c)と逆洗浄装置を接続する配管
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は露光時の波長が360〜440nmの範囲であるポジ型レジスト液の製造装置、及び該装置を用いるポジ型レジスト液の製造方法に関し、より詳しくは、溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むポジ型レジスト液が製造されたポジ型レジスト液の製造ラインを用いて、上記の製造されたポジ型レジスト液とは溶剤成分が互いに異なる他のポジ型レジスト液を製造するための装置、及び該装置を用いるポジ型レジスト液の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述した溶剤成分が互いに異なり、アルカリ可溶性ノボラック樹脂成分及びキノンジアジド系感光剤成分が互いに同一でもよく、異なっていてもよい二品目のポジ型レジスト液の製造は、該レジスト液の品目切り替え時に、前回品目のポジ型レジスト液の製造ラインとは異なる製造ラインを用いて行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のポジ型レジスト液は少量且つ多品目であるため、従来の方法では多品目のポジ型レジスト液を少量製造するために限られたスペースに多数の製造ラインを設置する必要があって、製造効率の観点からは必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
本発明の目的は、溶剤成分S2、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むポジ型レジスト液が製造された製造ラインを用いて、上記の製造されたポジ型レジスト液とは溶剤成分が互いに異なる溶剤成分S1、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むポジ型レジスト液を製造する際に、効率的なポジ型レジスト液の製造装置、及び該装置を用いるポジ型レジスト液の製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、上記溶剤成分S1を含むポジ型レジスト液を新たに製造する際、溶剤成分S2を含むポジ型レジスト液を製造したときに用いた製造ラインに新たに逆洗浄ラインを付属させた製造装置を用い、且つ、上記製造ラインのハウジングから取り外したフィルターを逆洗浄ラインのハウジングに収納し、ポジ型レジスト液製造ラインと逆洗浄ラインから構成される装置全体をこの順に、且つN−メチルピロリドン及び溶剤成分S1の順で各々一回以上洗浄すると上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明は、下記(イ)のポジ型レジスト液製造装置、及び(ロ)のポジ型レジスト液製造方法を提供するものである。
<発明(イ)>
露光時の波長が360〜440nmの範囲であり、且つ溶剤成分が互いに異なる2種のポジ型レジスト液を順次製造するための装置であって、下記のa)、b)及びc)をこの順に接続した製造ラインPLと下記のd)及びe)からなる逆洗浄ラインRLとを備えた製造装置。
a)溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してレジスト液を調製する調製槽、
b)調製されたレジスト液を濾過するためのフィルターが収納されたハウジング、
c)濾過後のレジスト液を容器に充填するための充填口を具えた充填装置、
d)上記ハウジングb)より取り外されたフィルターを、上記濾過時における濾過方向とは逆向きに、且つN−メチルピロリドン及び所望の溶剤成分を用いてこの順で洗浄するためのハウジングを備えた逆洗浄装置、
e)前記c)の充填口と前記逆洗浄装置とを接続する配管。
【0007】
<発明(ロ)>
上記(イ)に記載のポジ型レジスト液の製造装置を用いて、溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むポジ型レジスト液を製造する方法であって、下記の第一〜第七工程からなることを特徴とするポジ型レジスト液の製造方法。
第一工程)
上記(イ)に記載の製造ラインPLにより、溶剤成分S2、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してポジ型レジスト液を調製する工程、
第二工程)
調製されたレジスト液を濾過した後のフィルターを、前記製造ラインにおけるb)のハウジングから取り外す工程、
第三工程)
第二工程で取り外したフィルターを、上記(イ)におけるd)のハウジングに、前記調製レジスト液の濾過方向とは逆向きに洗浄可能に取り付ける工程、
第四工程)
上記製造ライン及び上記(イ)記載の逆洗浄ラインをこの順序で、且つN−メチルピロリドン及び溶剤成分S1を用いてこの順に各々一回以上洗浄する工程、
第五工程)
第四工程において洗浄されたフィルターを、前記d)のハウジングから取り外す工程、
第六工程)
第五工程で取り外したフィルターを、製造ラインにおけるb)のハウジングに取り付ける工程、
第七工程)
前記製造ラインPLにより、溶剤成分S1、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してポジ型レジスト液を調製し、次いで、前記の第二工程)〜第六工程)を繰り返す工程。
ただし、該第七工程)における第二工程)〜第六工程)の繰り返しでは、第四工程)における溶剤成分S1を溶剤成分S2と読み替えて行うものとする。
以下、本発明を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において製造されるポジ型レジスト液は、紫外線等の放射線、特にi線又はg線によって作用するリソグラフィーに適したものであり、少なくとも溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むレジスト液である。
上記溶剤成分としては、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、2−ヘプタノン又はγ−ブチロラクトン等が挙げられる。
上記キノンジアジド系感光剤成分としては、例えば、o−ベンゾキノンジアジドスルホン酸エステル、o−ベンゾキノンジアジドスルホン酸アミド、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル、o−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドが挙げられる。又、アルカリ可溶性ノボラック樹脂成分としては、例えば、フェノール類やクレゾール類をホルムアルデヒド又はホルムアルデヒドプレカーサーとp−トルエンスルホン酸、酢酸、塩酸又は硫酸等の酸触媒の存在下に重縮合させて得られるノボラック樹脂が挙げられる。
【0009】
本発明における(イ)の装置は溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むポジ型レジスト液を製造するためのものであり、下記のa)、b)及びc)をこの順に接続した製造ラインPLと下記のd)及びe)からなる逆洗浄ラインRLとを備える。
ここで、製造ラインPLにおけるa)は、溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してレジスト液を調製する調製槽である。製造ラインPLにおけるb)は、調製レジスト液を濾過するためのフィルターが収納されたハウジングである。製造ラインPLにおけるc)は、濾過後のレジスト液を容器に充填するための充填口を具えた充填装置である。
又、逆洗浄ラインRLにおけるd)は、上記ハウジングb)より取り外されたフィルターを、上記濾過時における濾過方向とは逆向きに、且つN−メチルピロリドン及び所望の溶剤成分を用いてこの順で洗浄するためのハウジングを備えた逆洗浄装置である。更に、逆洗浄ラインRLにおけるe)は、前記製造ラインPLにおける充填装置の末端に位置する充填口と前記逆洗浄装置とを接続する配管である。
このようなポジ型レジスト液の製造装置(イ)としては、例えば、図1に記載のような装置が挙げられる。
図1において、調製槽(1)はその上方にバルブが2個設けられている。上記2個のバルブのうち、一方のバルブからはアルカリ可溶性ノボラック樹脂の2−へプタノン溶液(2−へプタノンは、本発明の製造方法(ロ)において、最初のポジ型レジスト液の製造に使用される溶剤成分の一例である)が供給され、他方のバルブからはキノンジアジド系感光剤の2−へプタノン溶液が供給される。ここで、上記のキノンジアジド系感光剤は粉体のまま、図示されていない調製槽(1)の仕込み口から投入してもよい。これらの溶液及び粉体は調製槽内で均一に混合される。
次いで、均一に混合された溶液及び粉体はフィルターハウジング(3)に移送され、該フィルターハウジング内のフィルターにより濾過されて、微粒子が除去される。上記フィルターハウジング(3)におけるフィルターは1個でもよく、複数個でもよい。フィルターハウジングにおけるフィルターは、好ましくは並列に設置される。フィルターを複数個設置する場合、これらのフィルターの材質は互いに異なることがより好ましい。フィルターの材質としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂や、ポリエチレン等のポリオレフィン製のものが好ましい。
調製槽(1)とフィルターハウジング(3)との間には、フィルターハウジング(2)を設けてもよい。
又、調製槽内で均一に混合された2−へプタノン溶液を2個のフィルターハウジングを直列に連結して濾過する場合は、先ずフッ素系樹脂製のフィルターが収納されたハウジング(2)により濾過し、次いでポリオレフィン製のフィルターが収納されたハウジング(3)により濾過することが特に好ましい。
【0010】
図1には示されていないが、フィルターハウジング(2)とフィルターハウジング(3)の間に、貯留タンクを新たに設け、該タンクでフィルターハウジング(2)に収納されたフィルターにより濾過された溶液を一旦貯留してもよい。
フィルターハウジング(2)で濾過処理され、一旦貯留タンクに貯留された溶液は、好ましくは、バルブ(5)を経由して別のフィルターハウジング(3)に収納されたフィルターにより、上記フィルターハウジング(2)の場合と同様にして濾過処理される。
フィルターハウジング(3)で濾過処理された溶液は、バルブ(10)を経由し、流量制御が可能なバルブ(80)とレジスト容器(15)又は充填ノズル(81)が所定の位置に移動可能に設計されたレジスト液充填装置(以下、充填機という)により、上記レジスト容器に充填される。
このようにして、図1の上半分に記載された製造ラインPLにおいて、最初のポジ型レジスト液が製造される[上記(ロ)の第一工程に相当]。
【0011】
最初のポジ型レジスト液を製造後、フィルターハウジング(3)からフィルターを取り外し[上記(ロ)の第二工程に相当]、図1の下半分に記載された逆洗浄ラインRLに備えられたフィルターハウジング(21)に、上記の取り外したフィルターを、調製レジスト液の濾過方向とは逆向きに洗浄可能に取り付ける[上記(ロ)の第三工程に相当]。
そして、溶剤成分が2−へプタノンとは異なるエチルセロソルブアセテートであるポジ型レジスト液を、最初のレジスト液製造に用いた製造ラインPLにより製造する際は、N−メチルピロリドン及びエチルセロソルブアセテートを用いてこの順に、製造ラインPLと逆洗浄ラインRLを含む製造装置全体をこの順序で洗浄する[上記(ロ)の第四工程に相当]。上記第四工程の洗浄は、2−へプタノン、N−メチルピロリドン及びエチルセロソルブアセテートの順に行ってもよい。
新たに製造されるポジ型レジスト液において、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分は、それぞれ、最初のポジ型レジスト液のものとは異なっていてもよく、同一であってもよい。
【0012】
本発明(ロ)の第四工程において、前記の洗浄は、ポジ型レジスト液の製造装置全体にわたって行われる。即ち、製造ラインPLにおいては、調製槽(1)、フィルターハウジング(3)及び充填機の順に洗浄される。同様に、逆洗浄ラインRLにおいても、上記充填口(81)から、開閉弁(30)、フィルターハウジング(21)、開閉弁(26)及び開閉弁(28)までの順に洗浄される[図2における点線及び矢印は、洗浄時の液の流れ方向を示す]。
なお、上記e)の配管は、充填機の充填口(81)から上記開閉弁(30)までを接続するものである。
【0013】
又、図1記載のフィルターハウジング(3)及び図2記載のフィルターハウジング(21)におけるフィルターの材質は、ポリエチレン製のものであり、調製槽(1)で調製された最初のポジ型レジスト液を濾過する際に用いたものである。
【0014】
次に、上記逆洗浄ラインRLのフィルターハウジング(21)において濾過方向とは逆向きに洗浄されたフィルターを取り外し[上記(ロ)の第五工程に相当]、図1上半分記載の製造ラインPLにおけるフィルターハウジング(3)内に取り付ける[上記(ロ)の第六工程に相当]。そして、製造ラインPLにおいて、最初に製造されたレジスト液と同様に、異なる品目のポジ型レジスト液を製造することができる[上記(ロ)の第七工程に相当]。なお、製造ラインPLにおける実線及び矢印は液の流れ方向を示す。
【0015】
このようにして、製造ラインPLにおける濾過で用いたフィルターを、製造ラインPLとは異なる逆洗浄ラインRLにおいて、上記濾過時における方向とは逆向きに洗浄することにより、最初のポジ型レジスト液とは異なる品目の微粒子数の少ないポジ型レジスト液を、限られたスペースにおいて効率的に製造することが可能になる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を更に詳細に説明する。
【0017】
実施例1
本発明(イ)の製造装置における製造ライン(図1上半分に記載のPL)を用いて、アルカリ可溶性ノボラック樹脂、キノンジアジドスルホン酸エステル系感光剤及び2−へプタノンからなるi線用のポジ型レジスト液製品[住友化学工業株式会社製のPFI−32A6]を製造し、レジスト容器(15)に充填した。なお、PFI−32A6の製造の際は、図1記載のハウジング(3)にSH4M228J3[日本マイクロリス(株)製のポリエチレン製フィルターであり、孔径は0.2μm]を収納し、調製槽(1)で調製したレジスト液を上記フィルターSH4M228J3で濾過した。又、図1上半分に記載の調製槽(1)を含む製造ラインPL内には、上記PFI−32A6の残液が溜まっている。
次いで、ハウジング(3)からフィルターSH4M228J3を取り外し、図1記載のハウジング(21)に取り付け、図1上半分の製造ラインPL(ただし、上記レジスト容器は含まない)及び図1下半分の逆洗浄ラインRLの順に、2−へプタノン、N−メチルピロリドン及びエチルセロソルブアセテートを用いてこの順序で洗浄した。この洗浄における液の流れは、製造ラインPLでは実線と矢印で、逆洗浄ラインRLでは点線と矢印で、それぞれ示される方向とした。
上記の洗浄終了後、ハウジング(21)に取り付けられたフィルターSH4M228J3を取り外し、ハウジング(3)に収納した。
次いで、図2記載の逆洗浄ラインRLを図1上半分に記載の製造ラインPLから切り離し、製造ラインPLのみを用いて、エチルセロソルブアセテート、キノンジアジドスルホン酸エステル系感光剤及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂からなるg線用ポジ型レジスト液を、PFI−32A6と同様にして製造した。
【0018】
前記洗浄において、最初の2−へプタノンによる洗浄(以下、粗洗浄という)は3回行い、合計約30kg使用した。2番目のN−メチルピロリドンによる洗浄(以下、NMP洗浄という)は2回行い、合計12.4kg使用した。3番目のエチルセロソルブアセテートによる洗浄(以下、置換洗浄という)は7回行い、合計45.4kg使用した。
2回目の粗洗浄後に得られた液中の感光剤濃度は0.4ppmであり、3回目の粗洗浄後に得られた液中には、感光剤は検出されなかった。又、1回目の置換洗浄後に得られた液中のNMP濃度は2807ppmであり、4回目の置換洗浄後に得られた液中のNMP濃度は93ppmであり、7回目の置換洗浄後に得られた液中のNMP濃度は29ppmであった。なお、フィルターハウジング(2)は、溶媒由来の微粒子のカットを主目的として設けている。
【0019】
参考例1
ポリエチレン製のフィルターSH4M228J3(購入直後の新品を2−へプタノンで湿潤させたもの)と、実施例1の2−へプタノンによる粗洗浄で得たポリエチレン製フィルターSH4M228J3(以下、再使用品という)とを、図3記載のフィルターハウジング(3)内にそれぞれ別個に装着し、図3記載の装置を用いて以下に記すテストを行った。
【0020】
<粒子除去性能に影響するフィルター微細孔構造の損壊有無の確認試験>
フィルターハウジング(3)の側部に設けたバルブ(5)から窒素ガスを導入し、バルブ(6)を調節することにより、上記装着したフィルターを一定時間加圧後、拡散通過ガス量を捕集して、フィルター微細構造の損壊有無を試験した。窒素圧150kPaにおいても、再使用品の拡散通過ガス量は、新品フィルターの拡散通過ガス量以下であり、フィルターの微細構造の損壊が無いことが確認された。
【0021】
参考例2
実施例1で得たポリエチレン製フィルターSH4M228J3(再使用品)を上記i線用のポジ型レジスト液製品に浸漬し、i線用ポジ型レジスト液製品(フィルターの浸漬はなし)を対照として、0.2μm以上の微粒子数の変化を経時的に試験して、表1の結果を得た。
【0022】
【0023】
表1のとおり、23〜40℃の温度範囲では、微粒子数の増加は認められなかった。このことから、参考例1で得た再使用ポリエチレン製フィルターは2−へプタノンに対する耐性に優れており、このフィルターをポジ型レジスト液の濾過に使用しても、微粒子数増加の原因にならないことが判る。
【0024】
参考例3
図1記載の装置[参考例1で得た再使用ポリエチレン製フィルターをフィルターハウジング(3)内に装着している。又、フィルターハウジング(2)は、原料レジストを構成する溶媒由来の微粒子のカットを主目的として設けている。そして、配管における実線及び矢印は、液の流れ方向を示す]を用い、実施例1記載のポジ型レジスト液PFI−32A6とはアルカリ可溶性ノボラック樹脂が異なる品目のフォトレジスト液を、窒素ガス加圧によるワンパス方式で濾過した結果、0.2μm径以上の微粒子数の少ないポジ型レジスト液製品が得られた。
なお、本例では窒素ガス加圧によるワンパス方式で濾過したが、ポンプを用いて循環方式で濾過しても、ワンパス方式と同様、微粒子数の少ないポジ型レジスト製品が得られる。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、ポジ型レジスト液を工業的有利に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で用いた装置
【図2】実施例1で用いた装置の一部
【図3】参考例1で用いた装置
【符号の説明】
1・・調製槽、2、3、21・・フィルターハウジング、4、5、10、26、30・・開閉用バルブ、6・・圧力調節用バルブ、15・・レジスト容器、80・・流量制御バルブ、81・・充填口
Claims (4)
- 露光時の波長が360〜440nmの範囲であり、且つ溶剤成分が互いに異なる2種のポジ型レジスト液を順次製造するための装置であって、下記のa)、b)及びc)をこの順に接続した製造ラインPLと下記のd)及びe)からなる逆洗浄ラインRLとを備えた製造装置。
a)溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してレジスト液を調製する調製槽、
b)調製されたレジスト液を濾過するためのフィルターが収納されたハウジング、
c)濾過後のレジスト液を容器に充填するための充填口を具えた充填装置、
d)上記ハウジングb)より取り外されたフィルターを、上記濾過時における濾過方向とは逆向きに、且つN−メチルピロリドン及び所望の溶剤成分を用いてこの順で洗浄するためのハウジングを備えた逆洗浄装置、
e)前記c)の充填口と前記逆洗浄装置とを接続する配管 - 請求項1に記載のポジ型レジスト液の製造装置を用いて、溶剤成分、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を含むポジ型レジスト液を製造する方法であって、下記の第一〜第七工程からなることを特徴とするポジ型レジスト液の製造方法。
第一工程)
請求項1に記載の製造ラインPLにより、溶剤成分S2、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してポジ型レジスト液を調製する工程、
第二工程)
調製されたレジスト液を濾過した後のフィルターを、前記製造ラインにおけるb)のハウジングから取り外す工程、
第三工程)
第二工程で取り外したフィルターを、請求項1におけるd)のハウジングに、前記調製レジスト液の濾過方向とは逆向きに洗浄可能に取り付ける工程、
第四工程)
上記製造ライン及び請求項1記載の逆洗浄ラインをこの順序で、且つN−メチルピロリドン及び溶剤成分S1を用いてこの順に各々一回以上洗浄する工程、
第五工程)
第四工程において洗浄されたフィルターを、前記d)のハウジングから取り外す工程、
第六工程)
第五工程で取り外したフィルターを、製造ラインにおけるb)のハウジングに取り付ける工程、
第七工程)
前記製造ラインPLにより、溶剤成分S1、キノンジアジド系感光剤成分及びアルカリ可溶性ノボラック樹脂成分を混合してポジ型レジスト液を調製し、次いで、前記の第二工程)〜第六工程)を繰り返す工程。
ただし、該第七工程)における第二工程)〜第六工程)の繰り返しでは、第四工程)における溶剤成分S1を溶剤成分S2と読み替えて行うものとする。 - 溶剤成分S1及びS2の一方がメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート又は乳酸エチルであり、溶剤成分S1及びS2の他方が2−ヘプタノン又はγ−ブチロラクトンである請求項2に記載の製造方法。
- ポジ型レジスト液の製造装置において、製造ラインPLが2つのハウジングを有し、該2つのハウジングはそれぞれ互いに異なる材質のフィルターを収納するものである、請求項2又は3に記載の製造方法。
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