JP2004053864A - 熱定着装置および画像形成装置 - Google Patents

熱定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質な印字を維持することが可能な熱定着装置およびその熱定着装置を備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】レーザプリンタ1の制御部50は、時刻0から時刻T1まで加熱ローラ26の表面温度をトナー溶融温度以上に加熱して、この時刻T1に加熱ローラ26の回転開始後、この加熱ローラ26の表面部と剥離部材44との接触部分のA点が時刻T2にニップ部45に達した場合には、時刻T3まで加熱ローラ26を停止させる。即ち、加圧ローラ27のこのニップ部45に対向するB点の温度がトナー溶融温度以上になるまで、加熱ローラ26を停止させて加圧ローラ27のB点にトナーを転移させる。そして、再度、加熱ローラ26の回転を開始し、加圧ローラ27のB点に付着したトナーを清掃ローラ27Aによって除去する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱定着装置およびその熱定着装置を備えた画像形成装置に関し、特に、熱定着装置の回転開始時に加熱ローラ表面に付着するトナーを除去し、もって印字開始時から熱定着装置による被記録媒体の印字面及び印字裏面へのトナー付着を確実に防止でき、高品質な印字を維持することが可能な熱定着装置およびその熱定着装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、レーザプリンタ等の画像形成装置においては、熱定着装置の加熱ローラ表面には、定着済み被記録媒体を加熱ローラの表面から剥離する剥離部材等が押し当てられている。ところで、被記録媒体に定着できなかったトナーが加熱ローラ表面に転移して剥離部材などの先端部に付着するという問題を解決することに関し種々提案されている。
例えば、特開平10−149049号公報に記載された画像定着装置の剥離部材清掃装置では、加熱ローラと、前記加熱ローラに圧接させられ、前記加熱ローラとの間にトナー定着部であるニップを形成する加圧部と、未定着トナーが付着したシートを、前記未定着トナーの付着面を前記加熱ローラ側に向けた状態で、前記ニップに供給し、かつニップから所定排出方向に導くシート搬送路と、前記加熱ローラにおける前記シート搬送路の排出側にある表面に当接させられ、前記シートを前記加熱ローラから剥離除去する剥離部材と、前記剥離部材に付着したトナーを除去する清掃手段と、を具備し、前記清掃手段は、非定着時に前記加熱ローラを加熱して前記剥離部材に付着した前記トナーを軟化または溶融する加熱手段と、前記加熱ローラを定着時の回転方向とは逆方向に回転させる駆動手段と、を備え、前記軟化または溶融されたトナーを前記剥離部材から前記加熱ローラの表面に転移させ、さらに清掃手段で回収するように構成されている。
これにより、剥離部材に付着したトナーを人手によることなく除去することが可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した特開平10−149049号公報に記載された画像定着装置の剥離部材清掃装置においては、非定着時に加熱ローラを加熱して、この加熱ローラを定着時の回転方向とは逆方向に回転させる駆動手段を備えているが、一般に、画像定着装置のシート搬送方向上流側には、現像ローラやこの現像ローラのクリーニング装置などを内蔵する現像機構が配置され、この加熱ローラの回転駆動機構と歯車列を介して連結されて回転駆動されている。このため、加熱ローラを逆方向に回転させる場合には、この加熱ローラ等の逆方向回転駆動と、現像機構の回転駆動とを切り離し、現像ローラ等の逆方向の回転によるクリーニング装置からのゴミなどの逆流や、現像機構からのトナー漏れ等の不具合の発生を防止する機構が必要となり、機構が複雑化し製造コストアップになると共に、制御も複雑になるという問題がある。
【0004】
また、図13及び図14に示すように、加熱ローラ101、加圧ローラ102、清掃ローラ103、及び加熱ローラ101の被記録媒体の排出側表面に当接される剥離部材104等から構成される熱定着装置100では、この剥離部材104の加熱ローラ101の表面に当接する先端部内側面に付着するトナー105を完全に除去することが困難であるという問題がある。このため、図15に示すように、加熱ローラ101の表面温度を所定温度(トナー溶融温度以上の温度である。)に加熱後、回転を開始した時に(図15(A)中、ONの立ち上がり時)、この剥離部材104の先端部の内側面と加熱ローラ101の表面との間に付着するトナー105が溶融し(図15(B)中、H/R温度は、加熱ローラ101の表面温度を表している。)、加熱ローラ101の表面に転移して加圧ローラ102へ運ばれるが、加圧ローラ102の表面温度は(図15(B)中、P/R温度は、加圧ローラ102の表面温度を表している。)、トナー溶融温度よりも低いため、このトナー105が加圧ローラ102の表面に転移せず、そのまま加熱ローラ101の表面に付着したままで回転するため、この間に被記録媒体がニップ部に搬送されると、加熱ローラ101の表面に転移したトナー105が被記録媒体のトナー定着面に転移して定着され、被記録媒体のトナー定着面が汚れるという問題がある。
【0005】
また、加熱ローラ101の回転開始後、加熱ローラ101の表面のトナー105がニップ部に最初に搬送されて加圧ローラ102に転移した場合には、清掃ローラ103の表面温度は(図15(B)中、C/R温度は、清掃ローラ103の表面温度を表している。)、トナー軟化温度よりも低いため、このトナー105は清掃ローラ103の表面に転移せず、そのまま加圧ローラ102の表面に付着したままで回転するため、この間に被記録媒体がニップ部に搬送されると加圧ローラ102の表面に付着したトナー105が被記録媒体の裏面に転移して定着され、被記録媒体の裏面が汚れるという問題がある。
尚、図13は従来のレーザプリンタの熱定着装置100の概略構成を模式的に示す要部断面図である。図14は従来のレーザプリンタの熱定着装置100の回転停止時における、剥離部材104の先端部を拡大して模式的に示す要部拡大断面図である。図15は従来のレーザプリンタの熱定着装置100の加熱ローラ101の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラ101の回転駆動状態を示すタイムチャート、(B)は加熱ローラ101、加圧ローラ102、及び清掃ローラ103の表面温度上昇を示すタイムチャートである。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、熱定着装置の回転開始時に加熱ローラ表面に付着するトナーを確実に除去し、もって高品質な印字を維持することが可能な熱定着装置およびその熱定着装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため請求項1に係る熱定着装置は、回転可能に設けられた加熱ローラと、前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、前記制御手段は、前記加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、該加熱ローラの回転を第1の所定時間、停止するように回転制御することを特徴とする。
【0008】
このような特徴を有する請求項1に係る熱定着装置によれば、加熱ローラが回転することで加熱ローラ側にトナーが転移し、加熱ローラと接触部材との回転開始時の接触部分、即ちトナーが転移した部分がニップ部まで回転した場合に、この接触部分が第1の所定時間このニップ部に停止するように回転制御されるため、加熱ローラからの熱により加圧部材のニップ部の温度が所定温度まで上昇して、加熱ローラに付着したトナーを確実に加圧部材の表面に転移させることができ、加熱ローラ表面の接触部分に付着したトナーを確実に除去し、高品質な印字を維持することが可能となる。また、加熱ローラを逆回転させる必要がないため、加熱ローラなどの回転駆動機構を簡単な機構にすることができて、製造コストの削減化を図ることができる。
【0009】
また、請求項2に係る熱定着装置は、回転可能に設けられた加熱ローラと、前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、前記制御手段は、第1の所定速度で前記加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、該加熱ローラの回転速度を前記第1の所定速度よりも減速した第2の所定速度で回転するように回転制御することを特徴とする。
【0010】
このような特徴を有する請求項2に係る熱定着装置によれば、加熱ローラが第1の所定速度で回転を開始することで加熱ローラ側にトナーが転移し、加熱ローラと接触部材との回転開始時の接触部分、即ちトナーが転移した部分がニップ部まで回転した場合に、この加熱ローラの回転速度が第1の所定速度よりも減速した第2の所定速度で回転するように回転制御されるため、加熱ローラからの熱により加圧部材のニップ部の温度が所定温度まで上昇して、加熱ローラに付着したトナーを確実に加圧部材の表面に転移させることができ、加熱ローラ表面の接触部分に付着したトナーを確実に除去し、高品質な印字を維持することが可能となる。また、加熱ローラを逆回転させる必要がないため、加熱ローラなどの回転駆動機構を簡単な機構にすることができて、製造コストの削減化を図ることができる。
【0011】
また、請求項3に係る熱定着装置は、回転可能に設けられた加熱ローラと、前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧部材と、前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、前記制御手段は、前記加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するとき、該加圧部材の表面温度が前記接触部分からの熱によりトナー溶融温度以上に加熱されるように、該加熱ローラを減速、または停止させるように回転制御することを特徴とする。
【0012】
このような特徴を有する請求項3に係る熱定着装置によれば、加熱ローラが回転することで加熱ローラ側にトナーが転移し、加熱ローラと接触部材との回転開始時の接触部分、即ちトナーが転移した部分がニップ部まで回転した場合に、加圧部材のニップ部の温度がこの接触部分からの熱によりトナー溶融温度以上に加熱されるように、加熱ローラが減速、または停止するように回転制御されるため、加熱ローラに付着したトナーを確実に加圧部材の表面に転移させることができ、加熱ローラ表面の接触部分に付着したトナーを確実に除去し、高品質な印字を維持することが可能となる。また、加熱ローラを逆回転させる必要がないため、加熱ローラなどの回転駆動機構を簡単な機構にすることができて、製造コストの削減化を図ることができる。
【0013】
また、請求項4に係る熱定着装置は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱定着装置において、前記制御手段は、同一の前記接触部分に対し、複数回に渡って前記回転制御を行うことを特徴とする。
【0014】
このような特徴を有する請求項4に係る熱定着装置によれば、前記制御手段は、同一の前記接触部分に対し、複数回に渡って前記回転制御を行うため、この接触部分に付着したトナーが1回目の回転制御では十分に加圧部材に転移しない場合でも、複数回目の回転制御で確実に加圧部材に転移させることができる。
【0015】
また、請求項5に係る熱定着装置は、請求項1若しくは請求項4に記載の熱定着装置において、前記制御手段は、同一の前記接触部分に対する2回目以降の前記回転制御においては、前記第1の所定時間より短い時間だけ、前記加熱ローラを停止するように制御することを特徴とする。
【0016】
このような特徴を有する請求項5に係る熱定着装置によれば、加熱ローラ表面の接触部材との接触部分に付着したトナーは、第1の所定時間の停止する1回目の回転駆動制御で加圧部材にほぼ転移すると共に、加圧部材の表面温度も1回目の接触時よりも上昇しているため、2回目以降の回転駆動制御において第1の所定時間より短い時間だけ前記接触部分をニップ部に位置させるように制御することによって、加熱ローラ表面の接触部分に残っているトナーを確実に加圧部材に転移させることができると共に、この回転駆動制御にかかる総制御時間を短縮化できて印字開始までの待ち時間の短縮化を図ることができる。
【0017】
また、請求項6に係る熱定着装置は、請求項2若しくは請求項4に記載の熱定着装置において、前記制御手段は、同一の前記接触部分に対する2回目以降の前記回転制御においては、前記第1の所定速度よりも遅く、前記第2の所定速度よりも速い速度で回転するように制御することを特徴とする。
【0018】
このような特徴を有する請求項6に係る熱定着装置によれば、加熱ローラ表面の接触部材との接触部分に付着したトナーは、この接触部分がニップ部まで回転した場合に、1回目の回転駆動制御で第2の所定速度で回転するように回転制御されることにより加圧部材にほぼ転移すると共に、加圧部材の表面温度も1回目の接触時よりも上昇しているため、2回目以降の回転駆動制御において、該接触部分がニップ部まで回転した場合に、第1の所定速度よりも遅く、第2の所定速度よりも速い速度で回転するように制御することによって、加熱ローラ表面の接触部分に残っているトナーを確実に加圧部材に転移させることができると共に、この回転駆動制御にかかる総制御時間を短縮化できて印字開始までの待ち時間の短縮化を図ることができる。
【0019】
また、請求項7に係る熱定着装置は、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱定着装置において、前記加熱ローラの表層は導電性材料で形成され、前記加圧部材の表層は絶縁性材料で形成されていることを特徴とする。
【0020】
このような特徴を有する請求項7に係る熱定着装置によれば、加熱ローラ表面の接触部材との接触部分に付着したトナーは、回転駆動制御によりニップ部で溶融温度を超えて粘度が低下するため、このトナー(正帯電している。)の加熱ローラ表面への吸着力が低下し、加熱ローラ表面(加熱ローラは接地されている。)と加圧部材表面(負電位に帯電している。)との電位差による静電気力によって加熱ローラ表面側から加圧部材表面側へ容易に転移させることができる。
【0021】
また、請求項8に係る熱定着装置は、請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の熱定着装置において、前記加熱ローラの温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記加熱ローラが所定温度に加熱されると、該加熱ローラの回転を開始することを特徴とする。
【0022】
このような特徴を有する請求項8に係る熱定着装置によれば、加熱ローラは、温度検出手段を介して所定温度に加熱されるのを待って回転が開始されるため、加熱ローラ表面と接触部材との接触部分に付着したトナーを加熱ローラ表面側に付着させて、ニップ部まで搬送し、加圧部材の表面に確実に転移させることができる。
【0023】
また、請求項9に係る熱定着装置は、請求項8に記載の熱定着装置において、前記所定温度は、トナー溶融温度以上であることを特徴とする。
【0024】
このような特徴を有する請求項9に係る熱定着装置によれば、前記所定温度は、トナー溶融温度以上であるため、加熱ローラ表面と接触部材との接触部分に付着したトナーを溶融させ、溶融トナーを加熱ローラ表面側に付着させて、ニップ部まで搬送し、加圧部材の表面に更に確実に転移させることができる。
【0025】
また、請求項10に係る熱定着装置は、請求項1、請求項2及び請求項4乃至請求項9のいずれかに記載の熱定着装置において、前記第1の所定時間の停止期間または、前記第2の所定速度による減速期間において、前記加圧部材のニップ部の表面はトナー溶融温度以上に加熱されることを特徴とする。
【0026】
このような特徴を有する請求項10に係る熱定着装置によれば、第1の所定時間の停止期間または、第2の所定速度による減速期間において、ニップ部における加熱ローラ表面と加圧部材表面の温度は、トナー溶融温度以上になるため、このニップ部におけるトナーは溶融して流動性が高くなり、加熱ローラ表面と加圧部材表面との電位差による静電気力によって加熱ローラ表面側から加圧部材表面側へ更に確実に転移させることができる。
【0027】
また、請求項11に係る熱定着装置は、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の熱定着装置において、前記接触部材は、前記加熱ローラの表面に当接し、前記ニップ部を通過後該加熱ローラの表面に付着する被記録媒体を加熱ローラの表面から剥離する剥離部材を含むことを特徴とする。
【0028】
このような特徴を有する請求項11に係る熱定着装置によれば、加熱ローラ表面と、被記録媒体をこの加熱ローラの表面から剥離する剥離部材との接触部分に付着したトナーを加熱ローラ表面側に付着させて、ニップ部まで搬送し、加圧部材の表面に確実に転移させることができる。
【0029】
また、請求項12に係る熱定着装置は、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の熱定着装置において、前記接触部材は、前記加熱ローラの表面に接触して該加熱ローラの表面温度を検知する温度検知部材を含むことを特徴とする。
【0030】
このような特徴を有する請求項12に係る熱定着装置によれば、加熱ローラ表面と、この加熱ローラの表面に接触して該加熱ローラの表面温度を検知する温度検知部材との接触部分に付着したトナーを加熱ローラ表面側に付着させて、ニップ部まで搬送し、加圧部材の表面に確実に転移させることができる。
【0031】
また、請求項13に係る熱定着装置は、請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の熱定着装置において、前記加圧部材に圧接されて、該加圧部材の表面に転移したトナーを除去する清掃部材を備えたことを特徴とする。
【0032】
このような特徴を有する請求項13に係る熱定着装置によれば、前記加圧部材に圧接されて、該加圧部材の表面に転移したトナーを除去する清掃部材が設けられているため、加圧部材の表面に付着したトナーが被記録媒体の印字裏面に付着することを防止できる。
【0033】
また、請求項14に係る熱定着装置は、請求項13に記載の熱定着装置において、前記加圧部材は、ローラで、且つ前記制御手段によって回転駆動制御され、該制御手段は、前記加熱ローラの前記接触部分に前記第1の所定時間対向した前記加圧ローラの表面部が、前記清掃部材の表面部に第2の所定時間、停止するように回転制御することを特徴とする。
【0034】
このような特徴を有する請求項14に係る熱定着装置によれば、加熱ローラの前記接触部分に第1の所定時間対向した加圧ローラの表面部にはトナーが転移しており、そのトナーが転移した加圧ローラの表面部が、前記清掃部材の表面部に第2の所定時間接触するように回転駆動制御されるため、清掃部材の加圧ローラと接触している接触表面部の温度が上昇して、加圧ローラの表面部に付着したトナーを確実に清掃部材の表面側に転移させることができ、加熱ローラの表面部に付着したトナーを確実に除去し、被記録媒体の印字裏面へのトナーの付着を防止することができる。
【0035】
また、請求項15に係る熱定着装置は、請求項13に記載の熱定着装置において、前記加圧部材は、ローラで、且つ前記制御手段によって回転駆動制御され、該制御手段は、前記加熱ローラの前記接触部分に前記第2の所定速度で対向した前記加圧ローラの表面部が、前記清掃部材の表面部に対向するときに、該加圧ローラを前記第1の所定速度よりも減速した第3の所定速度で回転するように制御することを特徴とする。
【0036】
このような特徴を有する請求項15に係る熱定着装置によれば、加熱ローラの前記接触部分に第2の所定速度で対向した加圧ローラの表面部にはトナーが転移しており、そのトナーが転移した加圧ローラの表面部が、前記清掃部材の表面部に対向するときに、該加圧ローラを第1の所定速度よりも減速した第3の所定速度で回転するように制御されるため、清掃部材の加圧ローラと接触している接触表面部の温度が上昇して、加圧ローラの表面部に付着したトナーを確実に清掃部材の表面側に転移させることができ、加熱ローラの表面部に付着したトナーを確実に除去し、被記録媒体の印字裏面へのトナーの付着を防止することができる。
【0037】
また、請求項16に係る熱定着装置は、請求項14若しくは請求項15に記載の熱定着装置において、前記第2の所定時間の停止期間または、前記第3の所定速度による減速期間において、前記清掃部材の加圧部材に接触する部分の表面はトナー軟化温度以上に加熱されることを特徴とする。
【0038】
このような特徴を有する請求項16に係る熱定着装置によれば、第2の所定時間の停止期間または、第3の所定速度による減速期間において、清掃部材の加圧部材に接触する部分の表面は、トナー軟化温度以上に加熱されるため、清掃部材の表面に接触するトナーの表面は軟化して、加圧ローラ表面からより付着しやすい清掃部材の表面に確実に転移させることができる。
【0039】
また、請求項17に係る熱定着装置は、請求項13乃至請求項16のいずれかに記載の熱定着装置において、前記清掃部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする。
【0040】
このような特徴を有する請求項17に係る熱定着装置によれば、前記清掃部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されているため、フッ素樹脂等により表面部を覆われている加圧ローラ表面に付着するトナーを清掃部材の表面に更に確実に転移させることができる。また、アルミの性質として温度上昇が速いため、清掃部材の表面温度を短時間で確実に上昇させ、トナーの転移を良好に行うことができる。
【0041】
また、請求項18に係る熱定着装置は、請求項13乃至請求項17のいずれかに記載の熱定着装置において、前記清掃部材は、ローラであり、該ローラの外周を、前記加熱ローラの外周における前記接触部材との回転開始時の接触位置から前記ニップ部までの長さ以上になるように設定したことを特徴とする。
【0042】
このような特徴を有する請求項18に係る熱定着装置によれば、加熱ローラから加圧ローラに転移したトナーが、清掃ローラに到達するまでの間に、清掃ローラは、加熱ローラから熱を受けている加圧ローラの表面部分に、少なくとも1周は接触することから、清掃ローラを十分に温められた状態で、加圧ローラのトナー転移部に接触させることができ、清掃ローラへのトナーの転移をより確実に行うことができる。
【0043】
また、請求項19に係る熱定着装置は、回転可能に設けられた加熱ローラと、前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧ローラと、前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、前記加熱ローラと前記接触部材との間に堆積したトナーを、前記加圧ローラを介して回収する清掃ローラを備え、該清掃ローラをアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成したことを特徴とする熱定着装置。
【0044】
このような特徴を有する請求項19に係る熱定着装置によれば、回転可能に設けられた加熱ローラとこの加熱ローラの表面に接触する接触部材との間に堆積したトナーは、該加熱ローラとの間にトナー定着部であるニップ部を形成する加圧ローラを介して清掃ローラによって回収されるため、加熱ローラ表面の接触部材との接触部分に付着したトナーを確実に除去し、高品質な印字を維持することが可能となる。また、この清掃ローラは、アルミニウムまたはアルミニウム合金で形成されているため、フッ素樹脂等により表面部を覆われている加圧ローラ表面に付着するトナーを清掃ローラの表面に確実に転移させることができる。また、アルミの性質として温度上昇が速いため、清掃部材の表面温度を短時間で確実に上昇させ、トナーの転移を良好に行うことができる。
【0045】
また、請求項20に係る熱定着装置は、請求項19に記載の熱定着装置において、前記清掃ローラの表面は、前記加圧ローラの表面より粗く形成されていることを特徴とする。
【0046】
このような特徴を有する請求項20に係る熱定着装置によれば、前記清掃ローラの表面は、前記加圧ローラの表面より粗く形成されているため、加圧ローラの表面に付着するトナーは、清掃ローラの表面に更に転移しやすくなり、加圧ローラを介したトナーの回収を更に確実に行うことができる。
【0047】
また、請求項21に係る熱定着装置は、請求項19若しくは請求項20に記載の熱定着装置において、前記制御手段は、前記加熱ローラが所定温度に加熱されると回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、加熱ローラの回転を第1の所定時間、停止するように回転制御すると共に、前記加熱ローラの前記接触部分に第1の所定時間対向した前記加圧ローラの表面部が前記清掃ローラの表面部に接触した状態で、第2の所定時間、停止するように回転制御することを特徴とする。
【0048】
このような特徴を有する請求項21に係る熱定着装置によれば、加熱ローラの接触部材との接触部分の表面に対向する加圧ローラの表面の温度を所定温度まで上昇させることができ、加熱ローラ表面に付着したトナーを確実に加圧ローラ表面に転移させることができる。また、加熱ローラの接触部材との接触部分に第1の所定時間対向した加圧ローラの表面部にはトナーが付着しており、その部分が清掃ローラの表面部に第2の所定時間停止して接触するように回転制御されるため、この加圧ローラの表面部に対向する清掃ローラの表面の温度を上昇させることができ、加圧ローラ表面に付着したトナーを確実に清掃ローラ表面に転移させることができる。
【0049】
また、請求項22に係る熱定着装置は、請求項19若しくは請求項20に記載の熱定着装置において、前記制御手段は、前記加熱ローラが所定温度に加熱されると、第1の所定速度で該加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、加熱ローラの回転速度を前記第1の所定速度よりも減速した第2の所定速度で回転するように制御すると共に、前記加熱ローラの前記接触部分に第2の所定速度による減速期間対向した前記加圧ローラの表面部が前記清掃ローラの表面部に接触した状態で、第3の所定速度に減速するように回転制御することを特徴とする。
【0050】
このような特徴を有する請求項22に係る熱定着装置によれば、加熱ローラの接触部材との接触部分の表面に対向する加圧ローラの表面の温度を所定温度まで上昇させることができ、加熱ローラ表面に付着したトナーを確実に加圧ローラ表面に転移させることができる。また、加熱ローラの接触部材との接触部分に第2の所定速度で対向した加圧ローラの表面部にはトナーが付着しており、その部分が清掃ローラの表面部に接触した状態で、第3の所定速度に減速するように回転制御されるため、この加圧ローラの表面部に対向する清掃ローラの表面の温度を上昇させることができ、加圧ローラ表面に付着したトナーを確実に清掃ローラ表面に転移させることができる。
【0051】
更に、請求項23に係る画像形成装置は、被記録媒体上にトナー画像を作成するトナー画像作成手段と、前記トナー画像をこの被記録媒体上に定着させる熱定着装置と、を備えた画像形成装置において、前記熱定着装置は、請求項1乃至請求項22のいずれかに記載の熱定着装置であることを特徴とする。
【0052】
このような特徴を有する請求項23に係る画像形成装置によれば、請求項1乃至請求項22のいずれかに記載の熱定着装置を備えているため、熱定着装置の回転開始時に加熱ローラ表面に付着するトナーを除去し、もって印字開始時から熱定着装置による被記録媒体の印字面及び印字裏面へのトナー付着を確実に防止でき、高品質な印字を維持することができる。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置について、本発明をレーザプリンタにつき具体化した第1実施形態乃至第3実施形態に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、第1実施形態に係るレーザプリンタの概略構成について図1乃至図3に基づき説明する。図1は第1実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を示す要部側断面図である。図2は第1実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置のケーシング部材に加熱ローラが装着されている状態を示す概略斜視図である。図3は第1実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置の要部側断面図である。
【0054】
図1に示すように、第1実施形態に係るレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するためのフイーダ部4や、給紙された被記録媒体としての用紙3に所定の画像を形成するための画像形成部5などを備えている。
【0055】
フイーダ部4は、本体ケーシング2内の底部に、着脱可能に装着される給紙トレイ6と、給紙トレイ6内に設けられた用紙押圧板7と、給紙トレイ6の一端部の上方に設けられる給紙ローラ8および給紙パット9と、給紙ローラ8に対し用紙3の搬送方向の下流側(以下、用紙3の搬送方向上流側または下流側を、単に、上流側または下流側という場合がある。)に設けられる搬送ローラ10および11と、搬送ローラ10および11に対し用紙3の搬送方向の下流側に設けられるレジストローラ12とを備えている。
【0056】
用紙押圧板7は、用紙3を積層状にスタック可能とされ、給紙ローラ8に対して遠い方の端部において揺動可能に支持されることによって、近い方の端部を上下方向に移動可能とし、また、その裏側から図示しないばねによって上方向に付勢されている。そのため、用紙押圧板7は、用紙3の積層量が増えるに従って、給紙ローラ8に対して遠い方の端部を支点として、ばねの付勢力に抗して下向きに揺動される。給紙ローラ8および給紙パット9は、互いに対向状に配設され、給紙パット9の裏側に配設されるばね13によって、給紙パット9が給紙ローラ8に向かって押圧されている。用紙押圧板7上の最上位にある用紙3は、用紙押圧板7の裏側から図示しないばねによって給紙ローラ8に向かって押圧され、その給紙ローラ8の回転によって給紙ローラ8と給紙パット9とで挟まれた後、1枚毎に給紙される。給紙された用紙3は、搬送ローラ10および11によってレジストローラ12に送られる。レジストローラ12は、1対のローラから構成されており、用紙3を所定のレジスト後に、画像形成部5に送るようにしている。
【0057】
なお、このフイーダ部4は、さらに、マルチパーパストレイ14と、マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3を給紙するためのマルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット15aとを備えており、マルチパーパス側給紙ローラ15およびマルチパーパス側給紙パット15aは、互いに対向状に配設され、マルチパーパス側給紙パット15aの裏側に配設される図示しないばねによって、マルチパーパス側給紙パット15aがマルチパーパス側給紙ローラ15に向かって押圧されている。マルチパーパストレイ14上に積層される用紙3は、マルチパーパス側給紙ローラ15の回転によってマルチパーパス側給紙ローラ15とマルチパーパス側給紙パット15aとで挟まれた後、1枚毎に給紙される。
【0058】
画像形成部5は、トナー画像形成手段としてのスキャナユニット16、プロセスカートリッジ17、転写ローラ24および熱定着装置18などを備えている。
【0059】
スキャナユニット16は、本体ケーシング2内の上部に設けられ、レーザ発光部(図示せず。)、回転駆動されるポリゴンミラー19、レンズ20および21、反射鏡22などを備えており、レーザ発光部から発光される所定の画像データに基づくレーザビームを、鎖線で示すように、ポリゴンミラー19、レンズ20、反射鏡22、レンズ21の順に通過あるいは反射させて、後述するプロセスカートリッジ17の感光ドラム23の表面上に高速走査にて照射させている。
【0060】
プロセスカートリッジ17は、スキャナユニット16の下方に配設され、本体ケーシング2に対して着脱自在に装着されるように構成されている。このプロセスカートリッジ17は、感光ドラム23を備えるとともに、図示しない、スコロトロン型帯電器、現像ローラ、トナー収容部などを備えている。
【0061】
トナー収容部には、現像剤として、正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが充填されており、そのトナーが、現像ローラに一定厚さの薄層として担持される。一方、感光ドラム23は、現像ローラと対向状に回転可能に配設されており、ドラム本体が接地されるとともに、その表面がポリカーボネートなどから構成される正帯電性の感光層により形成されている。
【0062】
そして、感光ドラム23の表面は、感光ドラム23の回転に伴なって、スコロトロン型帯竜器により一様に正帯電された後、スキャナユニット16からのレーザービームの高速走査により露光され、所定の画像データに基づく静電潜像が形成され、その後、現像ローラと対向した時に、現像ローラ上に担持されかつ正帯電されているトナーが、その感光ドラム23の表面に形成される静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム23の表面のうち、レーザービームによって露光され電位が下がっている部分に供給され、選択的に担持されることによって可視像化され、これによって反転現像が達成される。
【0063】
転写ローラ24は、感光ドラム23の下方において、本体ケーシング2側において回転可能に支持された状態で、感光ドラム23と対向するように配置されている。この転写ローラ24は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料からなるローラが被覆されており、感光ドラム23に対して所定の転写バイアスが印加されている。そのため、感光ドラム23上に担持されたトナーからなる可視像は、用紙3が感光ドラム23と転写ローラ24との間を通る間に用紙3に転写される。可視像が転写された用紙3は、搬送ベルト25を介して、熱定着装置18に搬送される。
【0064】
熱定着装置18は、プロセスカートリッジ17の側方下流側に配設され、ローラとしての加熱ローラ26と、加熱ローラ26と用紙3を挟んで互いに対向配置されてフッ素樹脂等の絶縁性樹脂で外周部を覆われて接地されていない加圧ローラ27と、加圧ローラ27に対向配置されて該加圧ローラ27方向に付勢されて回転可能に支持される清掃ローラ27Aとを備えている。(第1実施形態では、加圧ローラ27は、例えば、鉄軸に約10mm厚さのシリコンゴムが巻かれ、その外側にフッ素チューブが被覆されている。)
そして、この熱定着装置18においては、プロセスカートリッジ17において用紙3上に転写されたトナーを、用紙3が加熱ローラ26と加圧ローラ27との間を通過する間に熱定着させるようにしている。また、後述のように加熱ローラ26の表面から加圧ローラ27の表面に転移したトナーは、アルミニウムまたはアルミニウム合金等で形成される略円筒状若しくは略円柱状の清掃ローラ27Aに転移して除去されるように構成されている。尚、清掃ローラ27Aの表面粗さは、加圧ローラ27の表面粗さよりも粗くなるように形成されている。
【0065】
熱定着装置18において定着された用紙3は、その後、熱定着装置18の下流側に設けられる搬送ローラ28および29によって、排紙ローラ30に搬送され、排紙ローラ30に送られた用紙3は、その排紙ローラ30によって排紙トレイ31上に排紙される。
【0066】
そして、この熱定着装置18の加熱ローラ26は、図2及び図3に示すように、金属製で接地されるローラ本体32と、そのローラ本体32の内部において軸方向に設けられるヒータ33とを備えており、本体ケーシング2のケーシング部材34に回転可能に支持されている。すなわち、ケーシング部材34は、本体ケーシング2における加熱ローラ26が配置される位置において、加熱ローラ26の軸方向に延び、下方が開放される断面略コ字状に形成されており、その長手方向両端部には、ローラ本体32を支持するためのホルダ部35が形成されるとともに、その長手方向途中における所定位置には、温度検知手段としてのサーミスタ39、サーマルカットオフ手段としての温度ヒューズ40およびサーモスタット41がそれぞれ装着されている。なお、このケーシング部材34には、搬送ローラ28が回転可能に支持されている。
【0067】
このローラ本体32は、円筒形状をなし、ケーシング部材34内に収容される状態で、その両側端部が、ケーシング部材34のホルダ部35において、回転可能に支持されている。
また、ヒータ33は、ローラ本体32の内部の中心において、そのローラ本体32の軸方向に沿って、ローラ本体32とほぼ同じ長さで設けられている。
また、サーミスタ39は、ケーシング部材34のサーミスタ取付部に取り付けられており、その温度検出部がローラ本体32の表面に接触するように設けられている。
【0068】
サーモスタット41は、円板状をなし、その表面に、所定の上限温度になると接触が解除されるバイメタル47を有しており、そのバイメタル47がローラ本体32と所定の間隔を隔てて対向するような状態で、ケーシング部材34に取り付けられている。
【0069】
また、加熱ローラ26における用紙3の排出側には、加熱ローラ26の長さ方向に一定間隔をおいて4個の各剥離部材44が配設されている。これら剥離部材44は、断面が鋭い三角形状に形成されたもので、底辺部である基端部が搬送ローラ28側で揺動可能に支持されている。この支持状態で、各剥離部材44は、その先鋭端が加熱ローラ26の定着時の回転方向に逆らう方向に向き、かつ不図示のバネで加熱ローラ26側に付勢されて加熱ローラ26の表面に常時摺接する状態となっている。また、各剥離部材44が加熱ローラ26に接する位置は、加熱ローラ26の表面におけるニップ部45の排出側近傍である。
【0070】
次に、上記のように構成されるレーザプリンタ1のプロセスカートリッジ17及び熱定着装置18の駆動制御構成について図4に基づいて説明する。
図4は第1実施形態に係るレーザプリンタ1のプロセスカートリッジ17及び熱定着装置18の駆動制御構成を示すブロック図である。
図4に示すように、プロセスカートリッジ17及び熱定着装置18の駆動制御を行う制御手段としての制御部50は、CPU51、ROM52、RAM53、及び入出力インターフェース54から構成され、これらはバス線56を介して相互に接続されている。
ここに、ROM52は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、後述の加熱ローラ26の回転駆動制御に必要な各種のプログラムが記憶されている。そして、CPU51は、かかるROM52に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算を行うものである。また、RAM53は、CPU51により演算された各種の演算結果を一時的に記憶させておくものである。
【0071】
また、入出力インターフェース54には、プロセスカートリッジ17のトナー量を検出するためのトナーセンサ61、用紙3のレジストローラ12の通過を検出するための給紙センサ62、搬送ローラ29の略中央部の近傍位置に配設される排紙センサ63、加熱ローラ26の表面温度を検出するサーミスタ39、感光ドラム23を不図示の歯車列を介して回転駆動する感光ドラム駆動モータ67を駆動するモータ駆動回路66、現像ローラを不図示の歯車列を介して回転駆動する現像ローラ駆動モータ69を駆動するモータ駆動回路68、及び、加熱ローラ26を不図示の歯車列を介して回転駆動する加熱ローラ駆動モータ71を駆動するモータ駆動回路70などが接続されている。この加熱ローラ駆動モータ71は、ステッピングモータ等により構成されている。ここで、サーミスタ39は、温度検知部材として機能する。また、制御部50およびサーミスタ39は、温度検出手段を構成する。
【0072】
次に、このように構成されたレーザプリンタ1の制御部50によるモータ駆動回路70及び加熱ローラ駆動モータ71を介した加熱ローラ26の回転駆動制御について図5及び図6に基づいて説明する。
図5は第1実施形態に係るレーザプリンタ1の熱定着装置18の概略構成を模式的に示す要部断面図である。図6は第1実施形態に係るレーザプリンタ1の制御部50による加熱ローラ26の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラ26の回転駆動状態を示すタイムチャート、(B)は加熱ローラ26のA点、加圧ローラ27のB点、及び清掃ローラ27AのC点の表面温度上昇を示すタイムチャートである。
【0073】
図5に示すように、加熱ローラ26の表面部のA点は、加熱ローラ26が停止している時に、該加熱ローラ26の表面と各剥離部材44との接触部分で、上記のようにトナーが付着する部分である。また、加圧ローラ27の表面部のB点は、加熱ローラ26が矢印75方向に回転を開始し、これに伴って、加圧ローラ27が矢印76方向に回転した場合に、該加圧ローラ27の表面部がニップ部45で、最初に加熱ローラ26のA点に対向する部分である。また、清掃ローラ27Aの表面部のC点は、加熱ローラ26が矢印75方向に回転を開始した場合に、加圧ローラ27のB点がニップ部45を最初に通過後、ニップ部46で、最初に加圧ローラ27のB点に対向する部分である。
尚、加熱ローラ26の停止時における、この加熱ローラ26のA点からニップ部45までの矢印75方向の外周長は、清掃ローラ27Aの外周面の円周長さ以上になるように形成されている。
【0074】
続いて、加熱ローラ26の回転駆動制御について説明する。
図5及び図6に示すように、先ず、時刻0において加熱ローラ26のヒータ33の通電が開始され、加熱ローラ26の表面温度が上昇する。そして、時刻T1において、サーミスタ39を介して加熱ローラ26の表面温度がトナー溶融温度(約120℃程度)を越えた所定温度(例えば、約140℃程度)に上昇すると、この加熱ローラ26は、矢印75方向に回転が開始される(図6(A)中、時刻T1において、OFFからONに立ち上がる。)。尚、図6(B)中、H/R温度は、加熱ローラ26のA点の表面温度を表している。この間に、各剥離部材44と加熱ローラ26との接触部分に付着したトナーは軟化し、加熱ローラ26の回転に伴ってこの加熱ローラ26の表面(A点)に転移して、ニップ部45に搬送される。
【0075】
そして、加熱ローラ26が矢印75方向に回転すると、この加熱ローラ26に圧接される加圧ローラ27も、矢印76方向に回転し、時刻T2において、加熱ローラ26の表面のA点と加圧ローラ27のB点とは、ニップ部45において対向する。即ち、加熱ローラ26の表面のA点に転移したトナーは、ニップ部45まで搬送されて、加圧ローラ27のB点に対向する。このとき、加熱ローラ26の回転が時刻T2から時刻T3まで停止される(図6(A)中、時刻T2において、ONからOFFに立ち下がる。)。この時刻T2から時刻T3が本発明の第1の所定時間に相当する。一方、加熱ローラ26のヒータ33は通電されたままであるため、加熱ローラ26の表面に接する加圧ローラ27の表面部のB点の温度は、時刻T2から時刻T3までの間に、トナー溶融温度以上に急激に加熱される。尚、図6(B)中、P/R温度は加圧ローラ27のB点の表面温度を表している。
これにより、加熱ローラ26の表面部のA点に付着しているトナーは、時刻T3には、トナー溶融温度以上に加熱された加圧ローラ27の表面部のB点と対向するニップ部45において、溶融して流動性が高くなる。また、加熱ローラ26は接地されているため、この加熱ローラ26の表面の電位はゼロに近い。一方、加圧ローラ27は接地されていないため、この加圧ローラ27の表面部を覆うフッ素樹脂の電位は、加熱ローラ26との摩擦によりマイナス数百ボルトに帯電される。従って、溶融温度を超えた粘度の低いトナーは、正電位に帯電しているため、静電気力によって加熱ローラ26のA点から加圧ローラ27のB点に容易に転移する。
また、時刻T1から時刻T2まで加熱ローラ26が回転した場合には、この加熱ローラ26の外周面のA点から回転開始時のニップ部45までの周長が、清掃ローラ27Aの外周面の円周長よりも長いため、A点に付着したトナーがニップ部45で加圧ローラ27に転移し、更に、清掃ローラ27Aのニップ部46に達するまでに、清掃ローラ27Aの外周面は、加熱ローラ26によって加熱された加圧ローラ27の表面部と少なくとも1周は接触して、この清掃ローラ27の表面部はトナー軟化温度近辺まで温められている。
【0076】
続いて、時刻T3において、再度、加熱ローラ26の回転が開始される(図6(A)中、時刻T3において、OFFからONに立ち上がる。)。これにより、加圧ローラ27の表面部のB点は、清掃ローラ27AのC点とニップ部46において対向し、加圧ローラ27のB点に転移したトナーは、トナー軟化温度近辺まで上昇している清掃ローラ27AのC点に転移する。これにより、加圧ローラ27のB点に付着したトナーが清掃ローラ27Aによって除去される。尚、図6(B)中、C/R温度は、清掃ローラ27AのC点の表面温度を表している。
【0077】
以上詳細に説明した通り、第1実施形態に係るレーザプリンタ1の制御部50は、時刻0から時刻T1まで加熱ローラ26の表面温度をトナー溶融温度以上に加熱して、この時刻T1に加熱ローラ26が回転開始することで、この加熱ローラ26の表面部と剥離部材44との接触部分のA点にトナーを転移させ、このA点が時刻T2にニップ部45に達した場合には、時刻T3まで加熱ローラ26を停止させる。即ち、ニップ部45において、加熱ローラ26のA点と対向する加圧ローラ27のB点の温度がトナー溶融温度以上になるまで、加熱ローラ26を停止させて加圧ローラ27のB点にトナーを転移させる。そして、再度、加熱ローラ26の回転を開始し、加圧ローラ27のB点に付着したトナーを清掃ローラ27Aによって除去する。
【0078】
従って、加熱ローラ26がトナー溶融温度以上に加熱されて回転を開始し、剥離部材44との接触部分のA点がニップ部45まで回転した場合に、このA点が時刻T2から時刻T3までこのニップ部45に停止するように回転駆動制御されるため、ニップ部45において、A点と対向する加圧ローラ27のB点の温度がトナー溶融温度以上まで上昇して、A点に付着したトナーを確実に加圧ローラ27のB点に転移させることができ、加熱ローラ26の表面部のA点に付着したトナーを確実に除去し、用紙3の印字面に付着することを防止できて高品質な印字を維持することが可能となる。
また、時刻T3における加熱ローラ26と加圧ローラ27のニップ部45における温度は、トナー溶融温度以上であるため、このニップ部45において溶融して流動性が高くなったトナーは、正電位に帯電しているため、静電気力によって加熱ローラ26のA点から加圧ローラ27のB点に更に確実に転移させることができる。
また、加圧ローラ27に圧接されて、該加圧ローラ27の表面部に転移したトナーを除去するアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成された清掃ローラ27Aが設けられているため、加圧ローラ27の表面に付着したトナーが用紙3の印字裏面に付着することを防止でき、高品質な印字を維持することができる。
更に、清掃ローラ27Aの表面は、加圧ローラ27の表面より粗く形成されているため、加圧ローラ27の表面に付着するトナーは、清掃ローラ27Aの表面に更に転移しやすくなり、加圧ローラ27を介した清掃ローラ27Aによるトナーの回収を更に確実に行うことができる。
【0079】
次に、第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部によるモータ駆動回路及び加熱ローラ駆動モータを介した加熱ローラの回転駆動制御について図7に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係るレーザプリンタ1と同一符号は、上記第1実施形態に係るレーザプリンタ1と同一あるいは相当部分を示すものである。
図7は第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部50による加熱ローラ26の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラ26の回転駆動状態を示すタイムチャート、(B)は加熱ローラ26のA点、加圧ローラ27のB点、及び清掃ローラ27AのC点の表面温度上昇を示すタイムチャートである。この第2実施形態に係るレーザプリンタの全体構成及び制御回路構成は、第1実施形態に係るレーザプリンタ1とほぼ同じ構成である。また、第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部50が実行する加熱ローラ26の回転駆動制御は、第1実施形態に係るレーザプリンタ1の制御部50が実行する加熱ローラ26の回転駆動制御とほぼ同じである。
ただし、第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部50は、図7に示すように、時刻T3以降の加熱ローラ26の回転駆動制御が、上記第1実施形態に係るレーザプリンタ1と異なっている。
【0080】
図7に示すように、先ず、時刻0において加熱ローラ26のヒータ33の通電が開始され、加熱ローラ26の表面温度が上昇する。そして、制御部50は、時刻T1において、加熱ローラ26の表面温度が、トナー溶融温度以上に上昇すると、加熱ローラ26は、矢印75方向に回転が開始され(図7(A)中、時刻T1において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。この時、A点には各剥離部材44と加熱ローラ26との接触部分に付着したトナーが転移する。尚、図7(B)中、H/R温度は、加熱ローラ26のA点の表面温度を表している。そして、この加熱ローラ26の表面部と剥離部材44との接触部分のA点が時刻T2にニップ部45に達した場合には、時刻T3まで加熱ローラ26を停止させる(図7(A)中、時刻T2において、ONからOFFに立ち下がる。)。この時刻T2から時刻T3が本発明の第1の所定時間に相当する。これによって、加圧ローラ27のこのニップ部45に対向するB点の温度がトナー溶融温度以上になるまで、加熱ローラ26を停止させて、加熱ローラ26のA点に付着したトナーを加圧ローラ27のB点に転移させる。尚、図7(B)中、P/R温度は加圧ローラ27のB点の表面温度を表している。
【0081】
そしてまた、時刻T3において、加熱ローラ26は、再度、矢印75方向に回転が開始され、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される(図7(A)中、時刻T3において、OFFからONに立ち上がる。)。そして、時刻T4において、加圧ローラ27のB点が清掃ローラ27Aとのニップ部46に到達し、この加圧ローラ27のB点が清掃ローラ27AのC点と対向した場合には、加熱ローラ26の回転が時刻T4から時刻T5まで再度、停止される(図7(A)中、時刻T4において、ONからOFFに立ち下がる。)。この時刻T4から時刻T5が本発明の第2の所定時間に相当する。これにより、清掃ローラ27AのC点の表面温度は、時刻T4から時刻T5までの間に、トナー軟化温度以上に急激に加熱される。尚、図7(B)中、C/R温度は、清掃ローラ27AのC点の表面温度を表している。
【0082】
続いて、時刻T5において、加熱ローラ26は、再度、矢印75方向に回転が開始され(図7(A)中、時刻T5において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。これにより、加圧ローラ27のB点に付着すると共に、清掃ローラ27AのC点に接触するトナーの温度は、確実にトナー軟化温度を超えるため、加圧ローラ27の回転開始に伴って、トナーがこびり付きにくい加圧ローラ27の表面部を覆うフッ素樹脂製の被覆を離れ、このトナーがこびり付きやすいアルミニウム又はアルミニウム合金より形成される清掃ローラ27Aの表面に更に容易に転移し、加圧ローラ27のB点から確実に除去される。
【0083】
従って、加熱ローラ26がトナー溶融温度以上に加熱されて回転を開始し、剥離部材44との接触部分のA点がニップ部45まで回転した時点で、このA点が時刻T2から時刻T3までこのニップ部45に停止するように回転駆動制御されるため、加圧ローラ27のB点の温度がトナー溶融温度以上まで上昇して、A点に付着したトナーを確実に加圧ローラ27のB点に転移させることができ、加熱ローラ26の表面部のA点に付着したトナーを確実に除去し、用紙3の印字面に付着することを防止できて高品質な印字を維持することが可能となる。
また、時刻T3における加熱ローラ26と加圧ローラ27のニップ部45における温度は、トナー溶融温度以上であるため、このニップ部45において溶融して流動性が高くなったトナーは、正電位に帯電しているため、静電気力によって加熱ローラ26のA点から加圧ローラ27のB点に更に確実に転移させることができる。
また、時刻T5における加圧ローラ27と清掃ローラ27Aのニップ部46における温度は、トナー軟化温度を超えるため、このニップ部46におけるトナーは軟化し、加圧ローラ27の表面のB点に付着するトナーは、トナーがこびり付きやすいアルミニウム又はアルミニウム合金より形成される清掃ローラ27Aの表面部のC点に更に容易に転移させることができ、加圧ローラ27の表面のB点に付着したトナーが用紙3の印字裏面に付着することを防止でき、高品質な印字を維持することができる。
更に、清掃ローラ27Aの表面は、加圧ローラ27の表面より粗く形成されているため、加圧ローラ27の表面に付着するトナーは、時刻T5において、この加圧ローラ27の回転開始時に、清掃ローラ27Aの表面に更に転移しやすくなり、加圧ローラ27を介した清掃ローラ27Aによるトナーの回収を更に確実に行うことができる。
【0084】
次に、第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部によるモータ駆動回路及び加熱ローラ駆動モータを介した加熱ローラの回転駆動制御について図8及び図9に基づいて説明する。尚、上記第1実施形態に係るレーザプリンタ1と同一符号は、上記第1実施形態に係るレーザプリンタ1と同一あるいは相当部分を示すものである。
図8は第3実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置18の概略構成を模式的に示す要部断面図である。図9は第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部50による加熱ローラ26の回転駆動制御を示すタイムチャートである。
【0085】
この第3実施形態に係るレーザプリンタの全体構成及び制御回路構成は、第1実施形態に係るレーザプリンタ1とほぼ同じ構成である。また、第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部50が実行する加熱ローラ26の回転駆動制御は、上記第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部50が実行する加熱ローラ26の回転駆動制御とほぼ同じである。
ただし、第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部50は、加熱ローラ26が停止している時に、該加熱ローラ26の表面と各剥離部材44との接触部分でトナーが付着するA点だけでなく、この加熱ローラ26の表面とサーミスタ39との接触部分に付着するトナーも除去するように加熱ローラ26を回転駆動制御する点で、上記第2実施形態に係るレーザプリンタと異なっている。
【0086】
図8及び図9に示すように、先ず、時刻0において加熱ローラ26のヒータ33の通電が開始され、加熱ローラ26の表面温度が上昇する。そして、制御部50は、時刻t1において、加熱ローラ26の表面温度が、トナー溶融温度以上に上昇すると、加熱ローラ26は、矢印75方向に回転が開始され(図9中、時刻t1において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。この時、サーミスタ39と加熱ローラ26との間に付着したトナーが、加熱ローラ26のD点に転移して、回転を始める。
そして、この加熱ローラ26の表面部とサーミスタ39との接触部分のD点が、時刻t2にニップ部45に達した場合には、時刻t3まで加熱ローラ26を停止させる(図9中、時刻t2において、ONからOFFに立ち下がる。)。即ち、ニップ部45において、加熱ローラ26のD点と対向する加圧ローラ27のE点の温度がトナー溶融温度以上になるまで、加熱ローラ26を停止させて、この加熱ローラ26のD点に付着しているトナーを加圧ローラ27のE点に転移させる。ここで、この時刻t2から時刻t3が本発明の第1の所定時間に相当する。
【0087】
続いて、時刻t3において、加熱ローラ26は、再度、矢印75方向に回転が開始され(図9中、時刻t3において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。
そして、時刻t4において、加圧ローラ27のE点が清掃ローラ27Aとのニップ部46に到達し、この加圧ローラ27のE点が清掃ローラ27AのF点と対向した場合には、加熱ローラ26の回転が時刻t4から時刻t5まで再度、停止される(図9中、時刻t4において、ONからOFFに立ち下がる。)。これにより、清掃ローラ27AのF点の表面温度は、時刻t4から時刻t5までの間に、トナー軟化温度以上に急激に加熱される。ここで、この時刻t4から時刻t5が本発明の第2の所定時間に相当する。
【0088】
そしてまた、時刻t5において、加熱ローラ26は、再度、矢印75方向に回転が開始され(図9中、時刻t5において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。これにより、加圧ローラ27のE点に付着すると共に、清掃ローラ27AのF点に接触するトナーの温度は、確実にトナー軟化温度を超えるため、加圧ローラ27の回転開始に伴って、トナーがこびり付きにくい加圧ローラ27の表面部を覆うフッ素樹脂製の被覆を離れ、このトナーがこびり付きやすいアルミニウム又はアルミニウム合金より形成される清掃ローラ27Aの表面に更に容易に転移し、加圧ローラ27のE点から確実に除去される。
【0089】
続いて、加熱ローラ26の回転開始前における、該加熱ローラ26の表面と各剥離部材44との接触部分のA点が、この加熱ローラ26の回転によって時刻t6にニップ部45に達した場合には、時刻t7まで加熱ローラ26を停止させる(図9中、時刻t6において、ONからOFFに立ち下がる。)。即ち、このニップ部45において、加熱ローラ26のA点に対向する加圧ローラ27のB点の温度がトナー溶融温度以上になるまで、加熱ローラ26を停止させてA点に付着したトナーを加圧ローラ27のB点に転移させる。ここで、この時刻t6から時刻t7が本発明の第1の所定時間に相当する。
【0090】
そしてまた、時刻t7において、加熱ローラ26は、再度、矢印75方向に回転が開始され(図9中、時刻t7において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。
続いて、時刻t8において、加圧ローラ27のB点が清掃ローラ27Aとのニップ部46に到達し、この加圧ローラ27のB点が清掃ローラ27AのC点と対向した場合には、加熱ローラ26の回転が時刻t8から時刻t9まで再度、停止される(図9中、時刻t8において、ONからOFFに立ち下がる。)。これにより、清掃ローラ27AのC点の表面温度は、時刻t8から時刻t9までの間に、トナー軟化温度以上に急激に加熱される。ここで、この時刻t8から時刻t9が本発明の第2の所定時間に相当する。
【0091】
そして、時刻t9において、加熱ローラ26は、再度、矢印75方向に回転が開始され(図9中、時刻t9において、OFFからONに立ち上がる。)、それに従って、加圧ローラ27も矢印76方向に回転が開始される。これにより、加圧ローラ27のB点に付着すると共に、清掃ローラ27AのC点に接触するトナーの温度は、確実にトナー軟化温度を超えるため、加圧ローラ27の回転開始に伴って、トナーがこびり付きにくい加圧ローラ27の表面部を覆うフッ素樹脂製の被覆を離れ、このトナーがこびり付きやすいアルミニウム又はアルミニウム合金より形成される清掃ローラ27Aの表面に更に容易に転移し、加圧ローラ27のB点から確実に除去される。
【0092】
従って、加熱ローラ26がトナー溶融温度以上に加熱されて回転を開始する際に、この加熱ローラ26の表面部とサーミスタ39との接触部分のD点と、剥離部材44との接触部分のA点とが各々ニップ部45まで回転した場合に、このD点が時刻t2から時刻t3まで、また、A点が時刻t6から時刻t7までこのニップ部45に停止するように回転駆動制御されるため、加熱ローラ26のD点とA点にそれぞれ対応する加圧ローラ27のE点とB点の温度がトナー溶融温度以上まで上昇して、加熱ローラ26のD点とA点に付着したトナーを確実に加圧ローラ27のE点とB点に転移させることができ、加熱ローラ26の表面部のD点とA点に付着したトナーを確実に除去し、用紙3の印字面に付着することを防止できて高品質な印字を維持することが可能となる。
また、時刻t3及び時刻t7における加熱ローラ26と加圧ローラ27のニップ部45における温度は、トナー溶融温度以上であるため、このニップ部45において溶融して流動性が高くなったトナーは、正電位に帯電しているため、静電気力によって加熱ローラ26から加圧ローラ27の表面に更に確実に転移させることができる。
また、時刻t5及び時刻t9における加圧ローラ27と清掃ローラ27Aのニップ部46における温度は、トナー軟化温度を超えるため、このニップ部46におけるトナーは軟化し、トナーがこびり付きやすいアルミニウム又はアルミニウム合金より形成される清掃ローラ27Aの表面部のF点とC点に更に容易に転移させることができ、加圧ローラ27の表面のE点とB点に付着したトナーが用紙3の印字裏面に付着することを防止でき、高品質な印字を維持することができる。
更に、清掃ローラ27Aの表面は、加圧ローラ27の表面より粗く形成されているため、加圧ローラ27の表面に付着するトナーは、時刻t5及び時刻t9において、この加圧ローラ27の回転開始時に、清掃ローラ27Aの表面に更に転移しやすくなり、加圧ローラ27を介した清掃ローラ27Aによるトナーの回収を更に確実に行うことができる。
【0093】
尚、上記第1実施形態乃至第3実施形態においては、加熱ローラ26の表面と各剥離部材44との接触部分であるA点が加圧ローラ27との間でニップ部45を形成した時点で、加熱ローラ26の回転を停止させるように構成しているが、これに代えて、加熱ローラ26の回転速度を減速させるようにしても良い。具体的には、第1実施形態と同様に、加熱ローラ26の表面温度がトナー溶融温度を超えた所定温度に上昇すると、加熱ローラ26を回転速度A(本発明の第1の所定速度に相当する。)で回転を開始させる。そして、加熱ローラ26のA点がニップ部45に到達すると加熱ローラ26の回転速度を上記回転速度Aよりも遅い回転速度B(本発明の第2の所定速度に相当する。)に減速するように制御する。そして、A点がニップ部45を通過すると、再度、加熱ローラ26の回転速度を変更することで、第1実施形態と同様の結果が得られると共に、加熱ローラ駆動モータ71をスムーズに駆動制御することができる。
【0094】
また、加熱ローラ26のA点だけでなく、加熱ローラ26の表面とサーミスタ39との接触部分であるD点についても、同様に、加圧ローラ27との間でニップ部45を形成する期間、加熱ローラ26の回転速度を減速するように制御してもよく、また、加熱ローラ26のA点とニップ部45を形成した加圧ローラ27のB点、および、加熱ローラ26のD点とニップ部45を形成した加圧ローラ27のE点が清掃ローラ27Aとの間でそれぞれニップ部46を形成する場合においても、加熱ローラ26を停止させる代わりに、加熱ローラ26の回転速度を上記回転速度Aよりも遅い回転速度C(本発明の第3の所定速度に相当する。)に減速するように制御しても良い。
尚、回転速度Bと回転速度Cとは同じ速度であっても、異なる速度であっても良い。また、加熱ローラ26の回転速度を減速する期間は、ニップ部45、46を形成している間だけでなく、ニップ部45、46を挟んだ所定区間を各点が通過する間、加熱ローラ26の回転速度を減速するように制御しても良い。
【0095】
また、上記第1実施形態では、加熱ローラ26のA点が、最初にニップ部45に達した時のみ、加熱ローラ26の回転を停止(図6中、時刻T2から時刻T3)させるように制御しているが、これに限らず、さらに加熱ローラ26の回転を継続し、図10(A)、(B)に示すように、2回目以降にA点がニップ部45に到達した場合にも、加熱ローラ26の回転を停止(図10(A)、(B)中、時刻T11から時刻T12、時刻T13から時刻T14)させるように制御しても良い。これにより、1回目の停止で、加熱ローラ26から加圧ローラ27に転移しないでA点に残ったトナーを2回目以降の停止により、加圧ローラ27側に確実に転移させることができる。
【0096】
ここで、図10は第1実施形態に係るレーザプリンタの制御部50による加熱ローラ26の他の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラ26のA点をニップ部45に2回停止させるタイムチャート、(B)は加熱ローラ26のA点をニップ部45に3回停止させるタイムチャートである。
尚、2回目以降の停止時間は、1回目の停止時間よりも短くしても良い。これは、1回目の制御により、加圧ローラ27の表面部の温度が既に上昇しているため、ニップ部45の温度を上昇させるのに要する時間が1回目よりも短縮されるためである。これにより、この回転駆動制御にかかる総制御時間を短縮化でき、印字開始までの待ち時間を短縮できる。また、減速させる場合には、その回転速度を1回目の制御において減速させた回転速度Bよりも速く、回転速度Aよりも遅い速度で回転させるようにしても良い。
【0097】
また、上記第2実施形態では、加圧ローラ27のトナーが転移した部分(B点)が最初に清掃ローラ27Aとのニップ部46に達した時のみ、加熱ローラ26の回転を停止(図7中、時刻T4から時刻T5)させるように制御しているが、これに限らず、図11(A)、(B)に示すように、2回目以降にB点がニップ部46に到達した場合にも、加熱ローラ26の回転を停止(図11(A)、(B)中、時刻T23から時刻T24、時刻T27から時刻T28)させるように制御しても良い。これにより、1回目の停止で、加圧ローラ27から清掃ローラ27Aに転移しないでB点に残ったトナーを2回目以降の停止により、清掃ローラ27A側に確実に転移させることができる。図11(A)、(B)における時刻T2から時刻T3、時刻T21から時刻T22、時刻T25から時刻T26は、加熱ローラ26のA点が加圧ローラ27とのニップ部45において停止する時間を示している。
【0098】
ここで、図11は第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部50による加熱ローラ26の他の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラ26のA点をニップ部45に2回停止させるタイムチャート、(B)加熱ローラ26のA点をニップ部45に3回停止させるタイムチャートである。
尚、2回目以降の停止時間は、1回目の停止時間よりも短くしても良い。これは、1回目の制御により、清掃ローラ27Aの表面部の温度が既に上昇しているため、ニップ部46の温度を上昇させるのに要する時間が1回目よりも短縮されるためである。これにより、この回転駆動制御にかかる総制御時間を短縮化でき、印字開始までの待ち時間を短縮できる。また、減速させる場合には、その回転速度を1回目の制御において減速させた回転速度Bよりも速く、回転速度Aよりも遅い速度で回転させるようにしても良い。
【0099】
また、加熱ローラ26のA点だけでなく、加熱ローラ26の表面とサーミスタ39との接触部分であるD点についても、図12に示すように、2回以上の停止、若しくは減速を行うように加熱ローラ26を駆動制御しても良い。この場合、加熱ローラ26のD点がニップ部45に達した時の加熱ローラ26の停止が、時刻t2から時刻t3、時刻t10から時刻t11であり、A点がニップ部45に達した時の加熱ローラ26の停止が、時刻t6から時刻t7、時刻t14から時刻t15に示されている。また、加圧ローラ27のE点がニップ部46に達したときの加熱ローラ26の停止が、時刻t4から時刻t5、時刻t12から時刻t13であり、加圧ローラ27のB点がニップ部46に達したときの加熱ローラ26の停止が、時刻t8から時刻t9、時刻t16から時刻t17になる。
ここで、図12は第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部50による加熱ローラ26の他の回転駆動制御を示すタイムチャートで、加熱ローラ26のD点及びA点をニップ部45に2回停止させるタイムチャートである。
【0100】
また、上記第1実施形態乃至第3実施形態においては、加圧ローラ27および清掃ローラ27Aは、ローラで形成されているが、ローラ以外に形成しても良い。
【0101】
【発明の効果】
以上説明した通り本発明係る熱定着装置によれば、加熱ローラが回転することで加熱ローラ側にトナーが転移し、加熱ローラと接触部材との回転開始時の接触部分、即ちトナーが転移した部分がニップ部まで回転した場合に、この接触部分が第1の所定時間このニップ部に停止するように回転制御されるため、加熱ローラからの熱により加圧部材のニップ部の温度が所定温度まで上昇して、加熱ローラに付着したトナーを確実に加圧部材の表面に転移させることができ、加熱ローラ表面の接触部分に付着したトナーを確実に除去し、高品質な印字を維持することが可能となる熱定着装置を提供することができる。また、加熱ローラを逆回転させる必要がないため、加熱ローラなどの回転駆動機構を簡単な機構にすることができて、製造コストの削減化を図ることができる熱定着装置を提供することができる。また、本発明に係る画像形成装置によれば、熱定着装置の回転開始時に加熱ローラ表面に付着するトナーを除去し、もって印字開始時から熱定着装置による被記録媒体の印字面及び印字裏面へのトナー付着を確実に防止でき、高品質な印字を維持することができる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るレーザプリンタの概略構成を示す要部側断面図である。
【図2】第1実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置のケーシング部材に加熱ローラが装着されている状態を示す概略斜視図である。
【図3】第1実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置の要部側断面図である。
【図4】第1実施形態に係るレーザプリンタのプロセスカートリッジ及び熱定着装置の駆動制御構成を示すブロック図である。
【図5】第1実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置の概略構成を模式的に示す要部断面図である。
【図6】第1実施形態に係るレーザプリンタの制御部による加熱ローラの回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラの回転駆動状態を示すタイムチャート、(B)は加熱ローラのA点、加圧ローラのB点、及び清掃ローラのC点の表面温度上昇を示すタイムチャートである。
【図7】第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部による加熱ローラの回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラの回転駆動状態を示すタイムチャート、(B)は加熱ローラのA点、加圧ローラのB点、及び清掃ローラのC点の表面温度上昇を示すタイムチャートである。
【図8】第3実施形態に係るレーザプリンタの熱定着装置の概略構成を模式的に示す要部断面図である。
【図9】第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部による加熱ローラの回転駆動制御を示すタイムチャートである。
【図10】第1実施形態に係るレーザプリンタの制御部による加熱ローラの他の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラのA点をニップ部に2回停止させるタイムチャート、(B)は加熱ローラのA点をニップ部に3回停止させるタイムチャートである。
【図11】第2実施形態に係るレーザプリンタの制御部による加熱ローラの他の回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラのA点をニップ部に2回停止させるタイムチャート、(B)加熱ローラのA点をニップ部に3回停止させるタイムチャートである。
【図12】第3実施形態に係るレーザプリンタの制御部による加熱ローラの他の回転駆動制御を示すタイムチャートで、加熱ローラのD点及びA点をニップ部に2回停止させるタイムチャートである。
【図13】従来のレーザプリンタの熱定着装置の概略構成を模式的に示す要部断面図である。
【図14】従来のレーザプリンタの熱定着装置の回転停止時における、剥離部材の先端部を拡大して模式的に示す要部拡大断面図である。
【図15】従来のレーザプリンタの熱定着装置の加熱ローラの回転駆動制御を示すタイムチャートで、(A)は加熱ローラの回転駆動状態を示すタイムチャート、(B)は加熱ローラ、加圧ローラ、及び清掃ローラの表面温度上昇を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1         レーザプリンタ
18、100    熱定着装置
26、101    加熱ローラ
27、102    加圧ローラ
27A、103   清掃ローラ
33        ヒータ
39        サーミスタ
44、104    剥離部材
50        制御部
71        加熱ローラ駆動モータ
45、46     ニップ部
105       トナー

Claims (23)

  1. 回転可能に設けられた加熱ローラと、
    前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、
    前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、
    前記制御手段は、前記加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、該加熱ローラの回転を第1の所定時間、停止するように回転制御することを特徴とする熱定着装置。
  2. 回転可能に設けられた加熱ローラと、
    前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、
    前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、
    前記制御手段は、第1の所定速度で前記加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、該加熱ローラの回転速度を前記第1の所定速度よりも減速した第2の所定速度で回転するように回転制御することを特徴とする熱定着装置。
  3. 回転可能に設けられた加熱ローラと、
    前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、
    前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、
    前記制御手段は、前記加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するとき、該加圧部材の表面温度が前記接触部分からの熱によりトナー溶融温度以上に加熱されるように、該加熱ローラを減速、または停止させるように回転制御することを特徴とする熱定着装置。
  4. 前記制御手段は、同一の前記接触部分に対し、複数回に渡って前記回転制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の熱定着装置。
  5. 前記制御手段は、同一の前記接触部分に対する2回目以降の前記回転制御においては、前記第1の所定時間より短い時間だけ、前記加熱ローラを停止するように制御することを特徴とする請求項1若しくは請求項4に記載の熱定着装置。
  6. 前記制御手段は、同一の前記接触部分に対する2回目以降の前記回転制御においては、前記第1の所定速度よりも遅く、前記第2の所定速度よりも速い速度で回転するように制御することを特徴とする請求項2若しくは請求項4に記載の熱定着装置。
  7. 前記加熱ローラの表層は導電性材料で形成され、前記加圧部材の表層は絶縁性材料で形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の熱定着装置。
  8. 前記加熱ローラの温度を検出する温度検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記加熱ローラが所定温度に加熱されると、該加熱ローラの回転を開始することを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の熱定着装置。
  9. 前記所定温度は、トナー溶融温度以上であることを特徴とする請求項8に記載の熱定着装置。
  10. 前記第1の所定時間の停止期間または、前記第2の所定速度による減速期間において、前記加圧部材のニップ部の表面はトナー溶融温度以上に加熱されることを特徴とする請求項1、請求項2及び請求項4乃至請求項9のいずれかに記載の熱定着装置。
  11. 前記接触部材は、前記加熱ローラの表面に当接し、前記ニップ部を通過後該加熱ローラの表面に付着する被記録媒体を加熱ローラの表面から剥離する剥離部材を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の熱定着装置。
  12. 前記接触部材は、前記加熱ローラの表面に接触して該加熱ローラの表面温度を検知する温度検知部材を含むことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の熱定着装置。
  13. 前記加圧部材に圧接されて、該加圧部材の表面に転移したトナーを除去する清掃部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれかに記載の熱定着装置。
  14. 前記加圧部材は、ローラで、且つ前記制御手段によって回転駆動制御され、該制御手段は、前記加熱ローラの前記接触部分に前記第1の所定時間対向した前記加圧ローラの表面部が、前記清掃部材の表面部に第2の所定時間、停止するように回転制御することを特徴とする請求項13に記載の熱定着装置。
  15. 前記加圧部材は、ローラで、且つ前記制御手段によって回転駆動制御され、該制御手段は、前記加熱ローラの前記接触部分に前記第2の所定速度で対向した前記加圧ローラの表面部が、前記清掃部材の表面部に対向するときに、該加圧ローラを前記第1の所定速度よりも減速した第3の所定速度で回転するように制御することを特徴とする請求項13に記載の熱定着装置。
  16. 前記第2の所定時間の停止期間または、前記第3の所定速度による減速期間において、前記清掃部材の加圧部材に接触する部分の表面はトナー軟化温度以上に加熱されることを特徴とする請求項14若しくは請求項15に記載の熱定着装置。
  17. 前記清掃部材は、アルミニウム又はアルミニウム合金で形成されていることを特徴とする請求項13乃至請求項16のいずれかに記載の熱定着装置。
  18. 前記清掃部材は、ローラであり、該ローラの外周を、前記加熱ローラの外周における前記接触部材との回転開始時の接触位置から前記ニップ部までの長さ以上になるように設定したことを特徴とする請求項13乃至請求項17のいずれかに記載の熱定着装置。
  19. 回転可能に設けられた加熱ローラと、
    前記加熱ローラに圧接されて、該加熱ローラとの間でニップ部を形成する加圧ローラと、
    前記加熱ローラの表面に接触する接触部材と、
    前記加熱ローラの回転駆動制御を行う制御手段と、を備えた熱定着装置において、
    前記加熱ローラと前記接触部材との間に堆積したトナーを、前記加圧ローラを介して回収する清掃ローラを備え、該清掃ローラをアルミニウムまたはアルミニウム合金で形成したことを特徴とする熱定着装置。
  20. 前記清掃ローラの表面は、前記加圧ローラの表面より粗く形成されていることを特徴とする請求項19に記載の熱定着装置。
  21. 前記制御手段は、前記加熱ローラが所定温度に加熱されると回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、加熱ローラの回転を第1の所定時間、停止するように回転制御すると共に、前記加熱ローラの前記接触部分に第1の所定時間対向した前記加圧ローラの表面部が前記清掃ローラの表面部に接触した状態で、第2の所定時間、停止するように回転制御することを特徴とする請求項19若しくは請求項20に記載の熱定着装置。
  22. 前記制御手段は、前記加熱ローラが所定温度に加熱されると、第1の所定速度で該加熱ローラの回転を開始し、該加熱ローラと前記接触部材との回転開始時の接触部分が、少なくとも最初に前記ニップ部を形成するときに、加熱ローラの回転速度を前記第1の所定速度よりも減速した第2の所定速度で回転するように制御すると共に、前記加熱ローラの前記接触部分に第2の所定速度による減速期間対向した前記加圧ローラの表面部が前記清掃ローラの表面部に接触した状態で、第3の所定速度に減速するように回転制御することを特徴とする請求項19若しくは請求項20に記載の熱定着装置。
  23. 被記録媒体上にトナー画像を作成するトナー画像作成手段と、前記トナー画像をこの被記録媒体上に定着させる熱定着装置と、を備えた画像形成装置において、
    前記熱定着装置は、請求項1乃至請求項22のいずれかに記載の熱定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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