JP2004053092A - 冷凍冷蔵庫 - Google Patents

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JP2004053092A JP2002209573A JP2002209573A JP2004053092A JP 2004053092 A JP2004053092 A JP 2004053092A JP 2002209573 A JP2002209573 A JP 2002209573A JP 2002209573 A JP2002209573 A JP 2002209573A JP 2004053092 A JP2004053092 A JP 2004053092A
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Yoshihiko Kojima
児嶋 喜彦
Takenori Adachi
足達 威則
Keiji Oya
大矢 恵司
Katsumasa Sakamoto
坂本 克正
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Abstract

【課題】冷蔵室が上方、冷凍室が下方にある冷凍冷蔵庫では、貯氷部が下方の冷凍室内に位置されているため、氷の取り出し時に腰をかがめる必要がありやりづらい。また、冷凍室内で製氷された氷は白く濁っており見かけが悪い。
【解決手段】複数の貯蔵室を備えた冷蔵庫において、冷蔵庫の上部に設けられた冷蔵室と、冷蔵室内に設けられた−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高いマイナス温度帯に設定されたマイナス温度帯貯蔵室と、マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を製氷可能な製氷皿と、を備え、冷蔵室内において透明に近い氷を製氷可能とした。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、製氷や貯氷を行なうことのできる冷凍冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は従来の冷蔵庫の側断面図であり、冷蔵室及び製氷機能を有する冷凍室を備えた冷凍冷蔵庫である。図において、45は冷蔵室、30は冷蔵室26の下部に配置された野菜室、29は冷蔵室の下部で、野菜室30の下部に配置されている冷凍室である。27は冷凍室29内に配置され、製氷を行なう製氷皿、28は冷凍室30内に設けられ、製氷皿27にて製氷された氷を貯蔵する貯氷箱である。冷蔵室26が上部にある従来の冷凍冷蔵庫は、製氷皿27や貯氷箱28が冷蔵室45の下部に配置されている冷凍室29内に設けられている。
【0003】
また、特許第3066010号公報に記載の冷蔵庫では、同一扉内に冷蔵室と新温度帯冷凍室(−5℃〜−7℃)を設けた旨の記載があるが、新温度帯冷凍室に製氷皿を配置して製氷を行うことに関しては開示されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷蔵庫では、冷凍室29内で製氷した氷は、製氷温度が−18℃以下と低い温度で短時間で製氷するため、不純物や空気混入などにより製氷された氷が白く濁っており、氷水、ウイスキーの水割りやジュースなどを飲む場合に見ためが悪いため、おいしさが半減していた。また、使用頻度の高い冷蔵室26が上方にあるため、貯氷部を有した冷凍室29が下方に配置されており、氷を取り出す場合にユーザーが腰をかがめる必要があり取りだしづらかった。
【0005】
また、冷たい飲み物を飲む場合には、グラスなどの容器に飲み物と氷の両方を入れたいが、飲み物は冷蔵室45内にあるが、氷は冷凍室29内にあるため、ユーザーが2つの扉を開ける必要があり、手間と時間がかかっていた。また、冷蔵室45と冷凍室29の両方の扉を開く必要があるため、扉開閉による冷気漏れが多くなり、電気代が高くなっていた。
【0006】
また、従来の冷蔵庫では、氷を作るのは専用の製氷室で専用のスペースを有しているため、氷を使わない時に邪魔なスペースとなっていた。
【0007】
この発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、透明に近い氷を氷の使用頻度に合わせて製氷可能な冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。また、使用頻度の高い冷蔵室内の貯蔵物の取りだし性を損なうことなく氷の取りだし性も良好な冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。また、省エネルギな冷凍冷蔵庫を提供することを目的とする。また、スペースの有効活用を行なえる冷蔵庫を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の冷凍冷蔵庫は、複数の貯蔵室を備えた冷蔵庫において、冷蔵庫の上部に設けられた冷蔵室と、前記冷蔵室内に設けられた−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高いマイナス温度帯に設定されたマイナス温度帯貯蔵室と、前記マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を製氷可能な製氷皿と、を備えたものである。
【0009】
本発明の請求項2に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を貯氷可能な貯氷箱を備え、前記冷蔵室内で製氷と貯氷の両方を可能としたものである。
【0010】
本発明の請求項3に記載の冷凍冷蔵庫は、前記貯氷箱は上部が開口し、前記貯氷箱の開口部を覆うように前記製氷皿を前記貯氷箱の上部に配置するようにしたものである。
【0011】
本発明の請求項4に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯貯蔵室内の製氷皿近傍に冷気を供給するファンを設け、前記ファンの回転数を制御することにより製氷スピードを調整するようにしたものである。
【0012】
本発明の請求項5に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵室内にスライド可能なスライドケースを設け、前記スライドケース内を−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高い温度帯に設定し、前記スライドケース内に前記製氷皿あるいは前記貯氷箱を備えたものである。
【0013】
本発明の請求項6に記載の冷凍冷蔵庫は、前記スライドケース内に仕切り壁を設け、前記製氷皿あるいは前記貯氷箱と他の食品の貯蔵スペースとを区分けしたものである。
【0014】
本発明の請求項7に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵室内に設けられた給水タンクと、前記給水タンク内の水を給水パイプを介して前記製氷皿へ供給する給水ポンプと、前記製氷皿あるいは前記製氷皿近傍に設けられ、前記製氷皿内の水あるいは氷の温度を検知する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された検出温度が所定の温度以下の場合に前記製氷皿を反転させて前記製氷皿にできた氷を離氷させるギアボックスと、前記離氷した氷を収納する貯氷箱と、を備えたものである。
【0015】
本発明の請求項8に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵庫内あるいは前記冷蔵庫外に設けられ、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を可変に設定可能な温度設定スイッチと、前記マイナス温度帯貯蔵室内に設けられ、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を検出する温度検出手段と、前記マイナス温度帯貯蔵室へ冷気を供給する冷気供給ダクト内に設けられ、前記温度設定スイッチの設定温度情報に基づいて前記温度検出手段の検出温度が設定温度に近づくように前記マイナス温度帯貯蔵室へ供給される冷気量を調整するダンパと、を備え、前記温度設定スイッチにより前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を変更することによって、製氷に有する時間を変更できるようにしたものである。
【0016】
本発明の請求項9に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を−5℃以下で、かつ、−10℃以上の範囲内に設定して製氷を行なうようにしたものである。
【0017】
本発明の請求項10に記載の冷凍冷蔵庫は、底部に複数の小さな穴を有する第1の製氷皿と、前記第1の製氷皿の底部を覆うように設けられた第2の製氷皿と、によって前記製氷皿を構成し、前記第1の製氷皿と前記第2の製氷皿とを組合せた状態で製氷するようにしたものである。
【0018】
本発明の請求項11に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯室へ冷気を送風する冷気送風ダクト内に脱臭装置を設けたものである。
【0019】
本発明の請求項12に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵室の下方に冷凍室を備え、製氷機能を有する製氷装置を前記冷凍室に備えているものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫の側断面図である。1は開閉扉を有する冷蔵室、20は冷蔵室1の下部に配置された野菜室、9は冷蔵室1の下部で、野菜室20の下部に配置される冷凍室である。
【0021】
2は氷を製氷するための製氷皿であり、冷蔵室1内の下部に設けられた0℃よりも低い温度帯に設定されたマイナス温度帯貯蔵室5内に収納される。このマイナス温度帯貯蔵室5の上面、後面および両側面にはスチロールなどによる断熱プレート3が配置されて周囲温度(冷蔵室1内温度)の影響を受けにくくしている。マイナス温度帯の前面開口部には、スチロールなどの断熱プレートや内部に空気を封入した断熱プレートなどにより断熱を行なうフタ4が設けられている。
【0022】
また、野菜室20の後面には断熱仕切り壁を介して冷却器201、ファン202を有する冷却器室200が設けられており、冷却器201にて生成された冷気をファン202により送風することによって冷却器室200内の冷気をダクトなどを介して冷蔵室1、冷凍室9、野菜室20などの各貯蔵室を冷却するようにしている。マイナス温度帯貯蔵室5にも専用の冷気送風ダクト210が設けられ、冷気量を調整する風量調整装置7も設けられている。この風量調整装置7は、弁の開度を調整することによって冷気量を調整できるようになっている。
【0023】
マイナス温度帯貯蔵室5内には温度検出手段である温度センサー6が設けられており、この温度センサー6により検出された温度情報により風量調整装置7の弁の開度を制御し、マイナス温度帯貯蔵室5内を製氷可能な温度である0℃より低い温度、例えば−3℃以下で、かつ−13℃より高い温度帯であるマイナス温度帯にコントロールするようにしている。
【0024】
ここで、−3℃より高い温度であると氷ができる時間が長くなり、また、冷蔵庫の開閉により氷が溶けやすくなるため、−3℃以下の温度に設定するようにしている。また、−18℃以下の温度に設定すると、急速に氷が製氷されるため水中の空気や不純物などの影響で氷が白く濁ってしまい見た目が悪く、氷水、ウイスキーの水割り、ジュースなどを飲む場合においしさが半減してしまうので、−18℃よりも高い温度、たとえば−13℃よりも高い温度に設定してゆっくりと時間をかけて製氷した方が透明に近い氷を作ることができ、水割りなどをおいしく飲むことができる。
【0025】
更に、マイナス温度帯貯蔵室5内の温度は、好ましくは上限温度−5℃以下であり、下限は−10℃以上である。−5℃以下に設定すると、−3℃以下に設定する場合に比べて氷が溶けにくくなるので好ましい。また、−10℃以上に設定すると、−13℃より高く設定した場合よりも製氷時間が長くなるので、より透明に近い氷を得ることができる。
【0026】
マイナス温度帯貯蔵室5内の設定温度は、上記でも説明したように、上限は−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限は−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上である。ここで、−5℃以下でかつ−10℃以上に設定すれば、マイナス温度帯貯蔵室5内に氷以外の食品等を貯蔵する場合に、鮮度維持が可能で、かつ、凍ったまま食品を切ったりすることが可能となり、調理する場合に、解凍する時間が不要となるため調理時間が短縮できるようになるため、好ましい。
【0027】
ここで、マイナス温度帯貯蔵室5は、冷蔵室1の下部に配置されているので、ユーザーが氷を取出す場合に腰をかがめる必要がなく、また、冷蔵室1のみの開閉動作でジュースなどの飲み物と氷の両方を取出すことができ、冷蔵室1を開閉して飲み物を取りだし、冷凍室9を開閉して氷を取出すよりも時間と手間がかからない。
【0028】
また、マイナス温度帯貯蔵室5は、冷蔵室1内であれば、下部でなくてもよく、どこに配置しても、設定温度を上記のように上限を−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限を−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上にしてゆっくりと製氷すれば、空気の混入などが抑制でき、透明に近い氷を得ることができる。このように、冷蔵室1内の一部をマイナス温度帯にコントロールし、その空間(マイナス温度帯貯蔵室5)内に製氷皿2を設けることにより、冷蔵室1内でありながら製氷をすることができる。
【0029】
本実施の形態では、冷凍室9内は−18℃以下の冷凍温度帯に設定されており、この冷凍室9内にも製氷を行なうことができる自動製氷機25が設けられている。自動製氷器25には製氷皿26が設けられて製氷可能であり、この冷凍室9内の自動製氷機25にて製氷された氷は、飲み物用以外の冷却用に使用すれば良く、また、夏場等氷が不足する時の補助的な氷として使用することができる。また、冬場など、冷蔵室1内の氷のみの使用で充分な場合(冷凍室9内の自動製氷機25で製氷する必要がない場合)には、冷凍室9内の自動製氷機25を停止にすれば、冷凍室9内に設けられている貯氷箱10内に他の冷凍食品を収納することができ、冷凍室9内を有効活用できる。本実施の形態では、冷凍室9内の製氷装置は、自動製氷機25を備えた例を示したが手動の製氷皿を備えた冷蔵庫であっても同様の効果が得られる。
【0030】
さらに、マイナス温度帯貯蔵室5内へ冷気を送風する冷気送風ダクト210内に脱臭装置23(たとえばLEDを使用した脱臭ユニットなど)を設ければ、冷気中の臭い成分を除去することができるので、氷にいやなにおいが閉じ込められたり付着することがなくなり、おいしい氷を得ることができる。また、マイナス温度帯貯蔵室5内へ冷気を送風する冷気送風ダクト210内にローズマリーなどの抗酸化剤を設けても良い。
【0031】
図2は本発明の実施の形態を表す別の冷蔵庫の側断面図である。図において、図1と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。2は氷を製氷するための製氷皿であり、冷蔵室1内の下部に設けられた0℃よりも低い温度帯に設定されたマイナス温度帯貯蔵室5内に収納される。8は氷を貯氷する貯氷箱であり、上部が開口しており、氷が取出しやすいようになっており、この貯氷箱8の上部に製氷皿2が配置されている。このとき貯氷箱8の開口部を覆うように製氷皿2を配置させれば、貯氷箱8内の冷気が逃げにくくなり、貯氷箱8内に貯氷されている氷が溶けるのを抑制できる。また、貯氷箱8内に直接冷気が当たるのを抑制できるので、貯氷箱8内に貯氷された氷の昇華を防ぐこともできる。
【0032】
図3は製氷皿2と貯氷箱8の保持構造を示す正面図である。図4は製氷皿2と貯氷箱8の取り出し方法を示す側断面図である。図において、図1、図2と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。2は製氷皿、8は貯氷箱、101、102はマイナス温度帯貯蔵室5の断熱材を有する側壁である断熱プレートである。111、112は側壁101、102に設けられた貯氷箱8を保持する貯氷箱用レール、31、32はマイナス温度帯貯蔵室5の上面を形成する断熱プレート3に設けられ、製氷皿2を保持する製氷皿用レールである。
【0033】
貯氷箱8は左右の貯氷箱用レール111、112が存在することにより、貯氷箱用レール111、112上をすべることによってスムーズに引き出すことができる。ただし、この貯氷箱用レール111、112は設けなくてもよく、貯氷箱8を直接マイナス温度帯貯蔵室5の底面に置いてもよい。また、製氷皿2は左右の製氷皿用レール31、32が存在することにより、製氷皿用レール31、32上をすべることによってスムーズに引き出すことができる。ただし、この製氷皿用レール31、32は設けなくてもよく、製氷皿2を直接貯氷箱8上に置いてもよい。
【0034】
貯氷箱8には前面に取っ手81が設けられており、貯氷箱8から氷を取り出す時は、取っ手81を手前に引き出すことによって、貯氷箱8の上面開口部から氷を取り出すことができる。貯氷箱8と製氷皿2を一体で引き出すと、貯氷箱8から氷が取り出しにくくなり、また、製氷皿2の氷がまだ水の状態の時だと水がこぼれる恐れがあるため、製氷皿2が冷蔵庫本体に残ったまま貯氷箱だけ取り出せる方が好ましい。
【0035】
マイナス温度帯貯蔵室5の製氷皿2収納部の前面には上方向に回転して開閉可能なフタ4が設けられており、製氷皿2を取り出す時は、このフタ4を上側に回転させて、製氷皿2の前面に設けられた取っ手280を引き出すことによって、製氷皿用レール31、32上を滑りながら手前に引き出すことができるので、製氷皿2に製氷された氷を離氷したり、製氷皿2に給水したりすることができる。ここで、マイナス温度帯貯蔵室5の前面は、フタ4と貯氷箱8の前面部によって冷気漏れの影響が少なくなるように、各部の隙間(フタ4と貯氷箱8の前面とのすきま、扉4と側壁101、102とのすきま、貯氷箱8と側壁101、102とのすきまなど)を小さくしている。
【0036】
図5は製氷皿2の天面(上面)から冷気を供給する場合の要部の側断面図である。図において、図1〜図4と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。33はマイナス温度帯貯蔵室5の上面の断熱プレート3内に設けられた風路であり、マイナス温度帯貯蔵室5の後面の断熱プレート301を介して設けられた冷気送風ダクト210と接続されており、野菜室20の背面に断熱プレート301を介して配置されている冷却器室200より冷気が供給される。
【0037】
断熱プレート3の下面には風路34内に供給された冷気をマイナス温度帯貯蔵室5内に供給するための複数の吹き出し穴35が設けられており、吹き出し穴35は、製氷皿2の上方からまんべんなく製氷皿2の上面に冷気を降り注ぐことができる。したがって、製氷皿2の手前と奥側の製氷時間の差が大きい等の問題を抑制することができるので、製氷皿2内の各部での製氷時間が均一化され、製氷皿2内の氷粒の製氷時間を均一にすることができ、きれいな氷を提供することがでできる。
【0038】
図6は本発明の実施の形態を表す別の冷蔵庫の側断面図である。図6のようにマイナス温度帯貯蔵室5内に製氷皿2を設けず、貯氷箱8のみを設けても良い。図において、図1〜図5と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。冷蔵室1内にマイナス温度帯にコントロールされたマイナス温度帯貯蔵室5が設けられており、貯氷箱8が収納されている。この貯氷箱8には手前側(前面側)に空気層を有する断熱部81が設けられており、マイナス温度帯貯蔵室5の前面は貯氷箱8の前面部がフタの役目をしている。
【0039】
また、冷凍室9内には製氷皿2が設けられており、製氷皿2の下部には冷凍室用貯氷箱10が1つ以上設けられている。冷凍室9内の製氷皿2で作った氷や、冷凍室用貯氷箱10に貯蔵されている氷を、冷蔵室1内の貯氷箱8内に移しかえることにより、冷蔵室1内でありながら貯氷をすることができる。これにより、グラスに氷と冷蔵室内の飲み物を入れる際、冷蔵室1のみの扉開閉で用を成すことができるので、冷蔵室1を開閉して飲み物を取りだし、冷凍室9を開閉して氷を取出すよりも時間と手間がかからない。また、冷凍室を開けずに済むので省エネにもなる。
【0040】
ここで、マイナス温度帯貯蔵室5の温度を−3℃以下でかつ−13℃よりも高い温度、すなわち、通常の冷凍室温度帯(−18℃以下)より高めの温度帯に設定することにより、製氷時間を長くすることができる。製氷時間を長くすると、空気が混入したまま製氷されることが抑制できるので、氷の外側や内側が透明に近くなり、水割り用の氷等に適した見た目が良い透明に近い氷を作ることができる。また、製氷時間を長くして製氷した氷の方が、氷の強度が強く、割れたり欠けたりしにくい。さらに製氷時間を長くして製氷した氷の方が、出来た氷が溶けにくくなる。
【0041】
図7は本発明の実施の形態を表す製氷皿の断面図である。図において、図1〜図6にて説明した冷蔵庫内の製氷皿2の構造について説明する図である。図において、250は冷凍室9内に設置されたり、冷蔵室1内のマイナス温度帯貯蔵室5内に設置される製氷皿であり、二重構造をしている。製氷皿250は、第1の製氷皿である内側製氷皿251と、第2の製氷皿である外側製氷皿252とによって構成されている。外側製氷皿252は、内側製氷皿251の下側(下面)を覆うようにもうけられており、内側製氷皿251の下面には、複数の小さな穴253が設けられている。また、内側製氷皿251の下面と外側製氷皿252の上面との間には、隙間254が設けられており、内側製氷皿251の下面の複数の小さな穴253により、内側製氷皿251の上面空間と隙間254が連通している。
【0042】
この二重構造の製氷皿250に、水を入れて氷を作る場合、図5で示したように製氷皿250の上面(水面)側から冷気を分散させて製氷皿250の上面に略均等となるように集中的に冷気を当てるようにすると、製氷皿250内の水は上方から氷になっていき、第1の製氷皿である内側製氷皿251と第2の製氷皿である外側製氷皿252との間の隙間254内の水が最後に氷となるため、水の中に含まれるミネラル成分等の白濁する不純物は第1の製氷皿である内側製氷皿251と第2の製氷皿である外側製氷皿252との間の隙間254内に追いやられるため、第1の製氷皿である内側製氷皿251内には、水割り用の氷等に適した透明に近い氷のみを得ることができる。
【0043】
本実施の形態では、1つの冷却器201で、冷蔵室1やマイナス温度帯貯蔵室5や冷凍室9など全ての貯蔵室を冷却する構造であり、冷却器201の温度が−20℃以下と低く、風量調整装置7の弁を全開状態にすると、マイナス温度帯貯蔵室5の冷気吹出温度を−20℃近くにすることが可能で、マイナス温度帯貯蔵室5内の温度を−10℃以下にもすることができる。
【0044】
したがって、冷凍温度帯と冷蔵温度帯をそれぞれ冷却する2冷却器を有する構造の冷蔵庫にて、冷蔵室温度帯用冷却器(冷蔵室用冷却器)で冷蔵室1内に配設されたマイナス温度帯貯蔵室5を冷却する場合に比べてマイナス温度帯貯蔵室5内への冷気吹き出し温度を低く(−20℃以下)でき、それにより、マイナス温度帯貯蔵室5内の温度を−10℃以下の低温にできる。たとえば、冷蔵室専用の冷却器の場合には、冷凍に比べて低温度(−20℃以下)を必要としないためため、冷却器温度は最低でも−18℃程度、冷蔵室への冷気吹き出し温度はせいぜい−10℃〜−13℃程度であり、冷蔵室などの貯蔵室内温度は最低でも−5℃程度に維持するのが限界である。
【0045】
したがって、2冷却器仕様の冷蔵庫で冷蔵室用冷却器を使用して製氷を行なう場合には、製氷温度が−5℃程度と高いため、製氷時間が長くなり1日に使用する量の氷を作るのが困難であるが、本実施の形態のように1冷却器仕様の冷蔵庫では、製氷温度を上限は−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限は−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上と低くできるので、透明に近い氷が得られ、しかも製氷温度を調整して製氷時間を短くすることもでき、1日に使用する充分な量の氷を作ることができる。ここで、2冷却器仕様の冷蔵庫であっても、製氷を行う部屋(貯蔵室)の温度を上限は−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限は−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上に設定できる場合は、2冷却器仕様の冷蔵庫でも同等の効果がえられる。
【0046】
実施の形態2.
図8は本発明の実施の形態2を表す冷蔵庫の側断面図である。図8は、冷蔵室1が上部にあり、冷凍室9内に製氷機能を有する冷凍冷蔵庫を表している。図において、図1〜図7と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の形態では、実施の形態1に加えて、マイナス温度帯貯蔵室5内に冷気循環用のファン12を設けたものである。図において、1は冷蔵室、20は冷蔵室1の下部に配置された野菜室、9は野菜室9の下部に配置された冷凍室であり、冷凍室9内には製氷可能な製氷装置が設けられている。5は冷蔵室1内に設けられたマイナス温度帯貯蔵室、2はマイナス温度帯貯蔵室5内にて氷を製氷する製氷皿、12はマイナス温度帯貯蔵室5内の冷気を循環する冷気循環用のファン、6はマイナス温度帯貯蔵室5内の温度を検出する温度検出手段である温度センサーである。
【0047】
マイナス温度帯貯蔵室5内のファン12を運転させると、製氷皿2の周辺に冷気が循環するため、効率よく製氷できるため製氷時間を短くすることができる。ここで、ファン12のオン/オフの制御は、マイナス温度帯貯蔵室5内に設けられている温度センサー6によって検出された温度情報によって行なってもよい。温度センサー6により検出された温度情報が所定の温度以上、あるいは所定の温度上昇率以上の場合に自動的にオンさせてもよく、また、マイナス温度帯貯蔵室5の前面に急速製氷スイッチ26を設けて、ユーザーが必要なときに急速製氷スイッチ26を押すことによって手動的にファン12を運転させてもよい。また、この急速製氷スイッチ26は、冷蔵庫内のどこに設けても良いし、また、冷蔵庫外の前面扉や側面などに設けても良い。
【0048】
実施の形態3.
図9は本発明の実施の形態3を表す冷蔵庫の側断面図であり、冷蔵室が上部にあり、製氷機能付冷凍室を有する冷凍冷蔵庫の側断面図(図9(a))と正面図(図9(b))を表している。図において、図1〜図8と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の形態では、実施の形態1や実施の形態2に加えて、マイナス温度帯貯蔵室5に前後にスライド可能なスライドケースを備えたものである。
【0049】
図におて、1は冷蔵庫の上部に配置されている冷蔵室、20は冷蔵室1の下方に配置される野菜室、9は冷蔵室1の下方で、かつ野菜室20の下方に配置され、製氷装置を有する冷凍室である。5は冷蔵室1内の下部に断熱プレート3を介して配置された0℃以下で、かつ−18℃よりも高い温度に設定されたマイナス温度帯貯蔵室であり、設定温度を上記のように上限を−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限を−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上にしてゆっくりと製氷すれば、空気の混入などが抑制でき、透明に近い氷を得ることができる。
【0050】
ここで、13は冷蔵室1の下部に全幅で設けられている前後に引き出し可能なスライドケースである。スライドケース13内の右端側には貯氷箱8が設けられ、その上方には製氷皿2が設けられており、スライドケース13を引出すことにより、貯氷箱8も引き出すことができる。貯氷箱8はスライドケース13内の全幅でなくともよく所定の幅を有しておれば良く、スライドケース13内の左右端部でも中央部でもよく、どこに配置されていても良い。
【0051】
本実施の形態では、冷蔵室1内にスライド可能なスライドケース13を設け、スライドケース13内を−3℃以下(好ましくは−5℃以下)で、かつ、−13℃よりも高い温度(好ましくは−10℃以上)範囲内に設定し、スライドケース13内に製氷皿2あるいは貯氷箱8を備えたので、冷蔵室1内でありながら製氷や貯氷が可能であり、また、スライドケース13内で冷凍食品の保存と貯氷とを同じケース内のスペースで効率良く収納することができる。また、氷を使わない時には貯氷箱8を取除いておけば、スライドケース13の内部全てを冷凍食品の収納に使え、ユーザーがその使用頻度に応じて自分で収納する物を選択することができる。
【0052】
図10は、本発明の実施の形態を表す別の冷蔵庫の正面図である。図において、図1〜図9と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。図10の冷蔵庫では、図9に対して、製氷皿2の側面にスライドケース13内に保存されている食品からの製氷皿2への臭いが移るののを防止するための仕切り14が設けられている。図において、14はマイナス温度帯貯蔵室5内の設けられたスライドケース13の上方の製氷皿2の側面を仕切る仕切り板である。この仕切り板14を設けることにより、スライドケース13内に収納された氷以外の他の食品などからのいやなにおいが製氷皿2内の水や氷に取り込まれたり、付着するのを抑制できる。なお、この仕切り14は、製氷皿2を仕切るだけでなく、貯氷箱8内へのにおいの侵入も抑制できるような長さと幅を有している。
【0053】
実施の形態4.
図11は本発明における実施の形態4の冷蔵庫を表わす図であり、図11(a)は本実施の形態を表す冷蔵庫の正面図、図11(b)は図11(a)の冷蔵庫における要部(製氷皿および貯氷箱近傍)の側断面図であり、冷蔵室が上部にあり、製氷機能付冷凍室を有する冷凍冷蔵庫の正面図を表している。図において、図1〜図8と同等部分は同一の符号を付して説明は省略する。本実施の形態では、実施の形態1や実施の形態2や実施の形態3に加えて、冷蔵室1の下部のマイナス温度帯貯蔵室5の側面に断熱プレート5を介して給水タンク17を備えたものである。
【0054】
図において、1は冷蔵庫の上部に配置されている冷蔵室、20は冷蔵室1の下方に配置される野菜室、9は冷蔵室1の下方で、かつ野菜室20の下方に配置され、製氷装置を有する冷凍室である。5は冷蔵室1内の下部に断熱プレート3を介して配置された0℃以下で、かつ−18℃よりも高い温度に設定されたマイナス温度帯貯蔵室であり、設定温度を上記のように上限を−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限を−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上にしてゆっくりと製氷すれば、空気の混入などが抑制でき、透明に近い氷を得ることができる。
【0055】
ここで、13は冷蔵室1の下部に全幅で設けられている前後に引き出し可能なスライドケースである。スライドケース13内の右端側には貯氷箱8が設けられ、その上方には製氷皿2が設けられており、スライドケース13を引出すことにより、貯氷箱8も引き出すことができる。貯氷箱8はスライドケース13内の全幅でなくともよく所定の幅を有しておれば良く、スライドケース13内の左右端部でも中央部でもよく、どこに配置されていても良い。
【0056】
また、15は断熱材を有する仕切りである断熱プレートであり、冷蔵室1の下部に設けられたマイナス温度帯貯蔵室5の側壁を形成し、給水タンク室16が冷蔵室1の下部で、この断熱プレート15に対してマイナス温度帯貯蔵室5の反対側に形成されている。即ち、マイナス温度帯貯蔵室5と給水タンク室50が断熱プレート15を介して左右に並んで配置されている。
【0057】
ここで、給水タンク室50内には給水タンク17が収納されており、マイナス温度帯貯蔵室5内に設けられている製氷皿2に給水タンク17内の水が給水ポンプ18により給水パイプ19を介して供給される。給水タンク室50内の温度は0℃以上に設定されており、給水タンク17内の水が凍らない温度であればよく、冷蔵室1内温度と同等でも良い。
【0058】
製氷皿2の下面には、製氷皿2内の水が氷になったことを検知する製氷完了検知手段である製氷完了検知温度センサー21が設けられており、この製氷完了検知温度センサー21により検出された温度情報に基づいて製氷皿2内の製氷完了を検知する。また、貯氷箱8内の氷の残量を検知するレバー24も設けられており、氷の残量が少なくなったことを検知すると、製氷皿2の端部に設けられている製氷ギアボックス22により製氷皿2を回転させ、製氷皿2の下方に配置されている貯氷箱8内に製氷皿2内の氷を離氷させる。その後、給水ポンプ18により、給水タンク17内の水を給水パイプ19を介して一定量だけ製氷皿2に給水し、次の製氷を行う。
【0059】
すなわち、冷蔵室1内に設けられた給水タンク17と、給水タンク17内の水を給水パイプ19を介して製氷皿2へ供給する給水ポンプ18と、製氷皿2あるいは製氷皿2近傍に設けられ、製氷皿2内の水あるいは氷の温度を検知する温度検出手段21と、温度検出手段である製氷完了検知温度センサー21により検出された検出温度が所定の温度以下の場合に製氷皿2を反転させて製氷皿2にできた氷を離氷させるギアボックス22と、離氷した氷を収納する貯氷箱8と、を備えたので、冷凍室9内に加えて冷蔵室1内にも自動製氷装置を備えることができ、ユーザーの使い勝手がよくなるのに加えて、透明に近い氷も得ることが可能となる。
【0060】
以上、実施の形態1〜実施の形態4で説明したように、冷凍室9に加えて冷蔵室1内にもマイナス温度帯貯蔵室5を設け、製氷機能を有する自動製氷装置(製氷皿2や貯氷箱8など)を設けて、冷蔵室1内のマイナス温度帯貯蔵室5では冷凍室9内製氷温度(−18℃以下)よりも高い温度(−13℃よりも高く、−3℃以下、好ましくは−10℃以上、−5℃以下)に設定したので、透明に近い氷を得ることができ、水割りなどをおいしく飲むことができる。また、冷凍室9内にも製氷装置を有することから、冷蔵室1内で製氷された透明に近い氷は飲食用に使用し、氷枕など単なる冷却用には冷凍室9内で製氷された氷を使用すればよく、夏場など氷を多く使用する場合でも氷不足になることがないように氷を提供できる冷蔵庫を得ることができる。
【0061】
また、実施の形態1〜実施の形態4において、マイナス温度帯貯蔵室5内の設定温度を変更できるように、マイナス温度帯貯蔵室5の前面や冷蔵庫扉の前面などに温度設定スイッチやレバー(図示せず)を設けるようにして、マイナス温度帯貯蔵室5内の温度が自由に設定できるようにしてもよい。マイナス温度帯貯蔵室5内の設定温度が高ければ高いほど、製氷時間が長く必要となるが、透明に近い氷を得ることができる。逆に、設定温度が低ければ低いほど製氷時間が短くてすむが、水に混入している空気が逃げきれないなどの理由で白く濁った氷となる。
【0062】
すなわち、本発明では、マイナス温度帯貯蔵室5内の設定温度をユーザーが自由に変更できるように温度設定スイッチや温度設定レバーなどを冷蔵庫内や冷蔵庫外に設けるようにしているので、氷が白く濁っていても製氷時間を短くしたいユーザーは設定温度を低く(−13℃以下だと氷が白くにごるので、透明に近い氷を得たい場合は、たとえば−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上にした方がよい。)でき、逆に製氷時間は多少長くかかっても透明に近い氷が必要なユーザーは設定温度を高く(−3℃よりも高い温度だと、氷が溶けやすくなるので、例えば−3℃以下、好ましくは−5℃以下に設定した方がよい。)することができ、ユーザーが製氷時間や氷の透明度に応じて製氷温度を自由に選択できる。
【0063】
ここで、予め、製氷温度と製氷時間、氷の透明度との関係を把握しておけば、温度設定スイッチや温度設定レバーの代わりに製氷時間の目安を設定できる製氷時間設定スイッチや製氷時間設定レバー(図示せず)を設けてもよい。そうすれば、ユーザーが製氷時間の目安や、氷の透明度などを把握できるので、氷を使用したい必要な時間や氷の透明度に合わせて製氷時間(あるいは製氷温度)を設定できる。なお、本発明の実施の形態1〜実施の形態4では、冷蔵室1の下方で、冷凍室9の上方に配置された貯蔵室20を野菜室として説明したが、別に野菜室でなくてもよく、切替室や冷凍室など何でもよい。また、冷凍室9は冷蔵室1の下方にあればよく、野菜室20の上方でもよい。
【0064】
ここで、本発明の実施の形態1〜実施の形態4にて説明したマイナス温度帯貯蔵室5は、必要に応じて製氷皿2や貯氷箱8を取除いて、上限が−3℃よりも低く、好ましくは−5℃以下、下限が−13℃よりも高く、好ましくは−10℃以上に設定される貯蔵室として利用することができるので、製氷室専用に設けた場合よりも冷蔵庫内のスペースの有効活用ができ、製氷しない場合に邪魔なスペースがなくなる。
【0065】
【発明の効果】
本発明の請求項1に記載の冷凍冷蔵庫は、複数の貯蔵室を備えた冷蔵庫において、冷蔵庫の上部に設けられた冷蔵室と、前記冷蔵室内に設けられた−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高いマイナス温度帯に設定されたマイナス温度帯貯蔵室と、前記マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を製氷可能な製氷皿と、を備えたので、通常の冷凍温度帯(−18℃以下)よりも高い温度でゆっくりと時間をかけて製氷できるため、通常の冷凍温度帯(−18℃以下)で氷をつくるよりも透明に近い氷を作ることができ、水割りなどをおいしく飲むことができる。
【0066】
本発明の請求項2に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を貯氷可能な貯氷箱を備え、前記冷蔵室内で製氷と貯氷の両方を可能としたので、ユーザーが氷を取出す場合に腰をかがめる必要がなく、また、冷蔵室1のみの開閉動作でジュースなどの飲み物と氷の両方を取出すことができ、冷蔵室1を開閉して飲み物を取りだし、冷凍室9を開閉して氷を取出すよりも時間と手間がかからない。
【0067】
本発明の請求項3に記載の冷凍冷蔵庫は、前記貯氷箱は上部が開口し、前記貯氷箱の開口部を覆うように前記製氷皿を前記貯氷箱の上部に配置するようにしたので、貯氷箱内の冷気が逃げにくくなり、貯氷箱内に貯氷されている氷が溶けるのを抑制できる。また、貯氷箱内に直接冷気が当たるのを抑制できるので、貯氷箱内に貯氷された氷の昇華を防ぐこともできる。
【0068】
本発明の請求項4に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯貯蔵室内の製氷皿近傍に冷気を供給するファンを設け、前記ファンの回転数を制御することにより製氷スピードを調整するようにしたので、効率よく製氷でき製氷時間を短くすることができる。
【0069】
本発明の請求項5に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵室内にスライド可能なスライドケースを設け、前記スライドケース内を−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高い温度範囲内に設定し、前記スライドケース内に前記製氷皿あるいは前記貯氷箱を備えたので、スライドケース内で冷凍食品の保存と貯氷とを同じケース内のスペースで効率良く収納することができる。また、氷を使わない時には貯氷箱を取除いておけば、スライドケースの内部全てを冷凍食品の収納に使え、ユーザーがその使用頻度に応じて自分で収納する物を選択することができる。
【0070】
本発明の請求項6に記載の冷凍冷蔵庫は、前記スライドケース内に仕切り壁を設け、前記製氷皿あるいは前記貯氷箱と他の食品の貯蔵スペースとを区分けしたので、スライドケース内に収納された氷以外の他の食品などからのいやなにおいが製氷皿内の水や氷に取り込まれたり、付着するのを抑制できる。
【0071】
本発明の請求項7に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵室内に設けられた給水タンクと、前記給水タンク内の水を給水パイプを介して前記製氷皿へ供給する給水ポンプと、前記製氷皿あるいは前記製氷皿近傍に設けられ、前記製氷皿内の水あるいは氷の温度を検知する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された検出温度が所定の温度以下の場合に前記製氷皿を反転させて前記製氷皿にできた氷を離氷させるギアボックスと、前記離氷した氷を収納する貯氷箱と、を備えたので、冷凍室内に加えて冷蔵室内にも自動製氷装置を備えることができ、ユーザーの使い勝手がよくなるのに加えて、透明に近い氷も得ることが可能となる。
【0072】
本発明の請求項8に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵庫内あるいは前記冷蔵庫外に設けられ、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を可変に設定可能な温度設定スイッチと、前記マイナス温度帯貯蔵室内に設けられ、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を検出する温度検出手段と、前記マイナス温度帯貯蔵室へ冷気を供給する冷気供給ダクト内に設けられ、前記温度設定スイッチの設定温度情報に基づいて前記温度検出手段の検出温度が設定温度に近づくように前記マイナス温度帯貯蔵室へ供給される冷気量を調整するダンパと、を備え、前記温度設定スイッチにより前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を変更することによって、製氷に有する時間を変更できるようにしたので、氷が白く濁っていても製氷時間を短くしたいユーザーは設定温度を低くでき、逆に製氷時間は多少長くかかっても透明に近い氷が必要なユーザーは設定温度を高くすることができるため、ユーザーが製氷時間や氷の透明度に応じて製氷温度を自由に選択できる。
【0073】
本発明の請求項9に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を−5℃以下で、かつ、−10℃以上の範囲内に設定して製氷を行なうようにしたので、マイナス温度帯貯蔵室内に氷以外の食品等を貯蔵する場合に、鮮度維持が可能で、かつ、凍ったまま食品を切ったりすることが可能となり、調理する場合に、解凍する時間が不要となるため調理時間が短縮できる。
【0074】
本発明の請求項10に記載の冷凍冷蔵庫は、底部に複数の小さな穴を有する第1の製氷皿と、前記第1の製氷皿の底部を覆うように設けられた第2の製氷皿と、によって前記製氷皿を構成し、前記第1の製氷皿と前記第2の製氷皿とを組合せた状態で製氷するようにしたので、水の中に含まれるミネラル成分等の白濁する不純物は第1の製氷皿と第2の製氷皿との間の隙間内に追いやられるため、第1の製氷皿内には、水割り用の氷等に適した透明に近い氷のみを得ることができる。
【0075】
本発明の請求項11に記載の冷凍冷蔵庫は、前記マイナス温度帯室へ冷気を送風する冷気送風ダクト内に脱臭装置を設けたので、冷気中の臭い成分を除去することができ、氷にいやなにおいが閉じ込められたり付着することがなくなり、おいしい氷を得ることができる。
【0076】
本発明の請求項12に記載の冷凍冷蔵庫は、前記冷蔵室の下方に冷凍室を備え、製氷機能を有する製氷装置を前記冷凍室に備えているので、冷凍室内の製氷装置で製氷した氷は飲み物用以外の冷却用などに使用すれば良く、また、夏場等氷が不足する時の補助的な氷として使用することができる。また、冬場など、冷蔵室内の氷のみの使用で充分な場合には、冷凍室内の自動製氷機を停止にすれば、冷凍室内に設けられている貯氷箱内に他の冷凍食品を収納することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫の側断面図である。
【図2】本発明の実施の形態1を表す別の冷蔵庫の側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫の製氷皿と貯氷箱の保持構造を示す正面図である。
【図4】本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫の製氷皿と貯氷箱の取り出し方法を示す側断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1を表す冷蔵庫の製氷皿の天面(上面)から冷気を供給する場合の要部の側断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1を表す別の冷蔵庫の側断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1を表す製氷皿の断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2を表す冷蔵庫の側断面図である。
【図9】本発明の実施の形態3を表す冷蔵庫の側断面図である。
【図10】本発明の実施の形態3を表す別の冷蔵庫の正面図である。
【図11】本発明の実施の形態4の冷蔵庫を表わす図である。
【図12】従来の冷蔵庫の側断面図である。
【符号の説明】
1 冷蔵室、2 製氷皿、3 断熱プレート、4 フタ、5 マイナス温度帯貯蔵室、6 温度センサー、7 風量調整装置、8 貯氷箱、9 冷凍室、10貯氷箱、12 ファン、13 スライドケース、14 仕切り、15 断熱プレート、16 冷蔵温度帯の空間、17 給水タンク、18 給水ポンプ、19給水パイプ、20 野菜室、21 製氷完了検知温度センサー、22 製氷ギアボックス、23 脱臭装置、24 検氷レバー、25 自動製氷機、26 急速製氷スイッチ、27 製氷皿、28 貯氷箱、29 冷凍室、30 野菜室、31、32 製氷皿用レール、33、34 風路、35吹き出し穴、50 給水タンク室、81 取っ手、101、102 断熱プレート、111、112 貯氷箱要レール、200 冷却器室、201 冷却器、202 ファン、210 冷気送風ダクト、250 製氷皿、251 第1の製氷皿、252 第2の製氷皿、253 複数の小さな穴、254 隙間、280 取っ手、301 断熱プレート。

Claims (12)

  1. 複数の貯蔵室を備えた冷蔵庫において、冷蔵庫の上部に設けられた冷蔵室と、前記冷蔵室内に設けられた−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高いマイナス温度帯に設定されたマイナス温度帯貯蔵室と、前記マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を製氷可能な製氷皿と、を備えたことを特徴とする冷凍冷蔵庫。
  2. 前記マイナス温度帯貯蔵室に設けられ、氷を貯氷可能な貯氷箱を備え、前記冷蔵室内で製氷と貯氷の両方を可能としたことを特徴とする請求項1に記載の冷凍冷蔵庫。
  3. 前記貯氷箱は上部が開口し、前記貯氷箱の開口部を覆うように前記製氷皿を前記貯氷箱の上部に配置するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の冷凍冷蔵庫。
  4. 前記マイナス温度帯貯蔵室内の製氷皿近傍に冷気を供給するファンを設け、前記ファンの回転数を制御することにより製氷スピードを調整するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
  5. 前記冷蔵室内にスライド可能なスライドケースを設け、前記スライドケース内を−3℃以下で、かつ、−13℃よりも高い温度帯に設定し、前記スライドケース内に前記製氷皿あるいは前記貯氷箱を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
  6. 前記スライドケース内に仕切り壁を設け、前記製氷皿あるいは前記貯氷箱と他の食品の貯蔵スペースとを区分けしたことを特徴とする請求項5に記載の冷凍冷蔵庫。
  7. 前記冷蔵室内に設けられた給水タンクと、前記給水タンク内の水を給水パイプを介して前記製氷皿へ供給する給水ポンプと、前記製氷皿あるいは前記製氷皿近傍に設けられ、前記製氷皿内の水あるいは氷の温度を検知する温度検出手段と、前記温度検出手段により検出された検出温度が所定の温度以下の場合に前記製氷皿を反転させて前記製氷皿にできた氷を離氷させるギアボックスと、前記離氷した氷を収納する貯氷箱と、を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
  8. 前記冷蔵庫内あるいは前記冷蔵庫外に設けられ、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を可変に設定可能な温度設定スイッチと、前記マイナス温度帯貯蔵室内に設けられ、前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を検出する温度検出手段と、前記マイナス温度帯貯蔵室へ冷気を供給する冷気供給ダクト内に設けられ、前記温度設定スイッチの設定温度情報に基づいて前記温度検出手段の検出温度が設定温度に近づくように前記マイナス温度帯貯蔵室へ供給される冷気量を調整するダンパと、を備え、前記温度設定スイッチにより前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を変更することによって、製氷に有する時間を変更できるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
  9. 前記マイナス温度帯貯蔵室内の温度を−5℃以下で、かつ、−10℃以上の範囲内に設定して製氷を行なうようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
  10. 底部に複数の小さな穴を有する第1の製氷皿と、前記第1の製氷皿の底部を覆うように設けられた第2の製氷皿と、によって前記製氷皿を構成し、前記第1の製氷皿と前記第2の製氷皿とを組合せた状態で製氷するようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
  11. 前記マイナス温度帯室へ冷気を送風する冷気送風ダクト内に脱臭装置を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の冷蔵庫。
  12. 前記冷蔵室の下方に冷凍室を備え、製氷機能を有する製氷装置を前記冷凍室に備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の冷凍冷蔵庫。
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