JP2004052909A - スラスト軸受け - Google Patents

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thrust bearing
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Toshiaki Yamada
山田 敏明
Hajime Ban
伴 一
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Abstract

【課題】高回転機器のスラスト軸受けにおいて、摺動時の低摩耗性と耐久性を実現することを目的とする。
【解決手段】スラスト軸受けにおいて、回転軸等に接触する表面部分の平面平滑性が、中心線平均粗さ(Ra)において2〜1000μmであるポリアセタール樹脂で形成されることを特徴とするスラスト軸受け。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パーソナルコンピューター等の情報機器類、コピー機やプリンター等の事務機器やDVD等のマルチメディア用機器等に使用されるモーターやローラーやブッシュ等に用いられるスラスト軸受けに関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、情報機器、事務機器、マルチメディア機器の性能向上に伴い、それらに用いられるモーター等の回転機器の回転数が非常に高くなってきている。10000回転を越えるモーター等に用いるスラスト軸受けとしては、特開平2001−12473や特開2001―32391等に開示されている高耐熱性、高硬度で且つ良好な平面平滑性を有するポリエーテルエーテルケトン製シート材を用いて種々検討されている。しかし、ポリエーテルエーテルケトン製シートの耐熱性は実質150℃程度しかなく、更に平面の平滑性が良好なポリエーテルエーテルケトン製シートでは、潤滑剤が摺動中に飛散し十分な潤滑が長期にわたって保持できない欠点を持っている。このため、回転に伴う発熱に対応できず、用いた樹脂が溶融摩耗してしまい、スラスト軸受けとしての耐久性が低下してしまう。現在開発が進んでいる30000rpm以上などの超高回転機器のスラスト軸受けには、従来の技術では対応できないのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、高回転機器のスラスト軸受けにおいて、摺動時の低摩耗性と耐久性を実現することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、情報機器、事務機器、マルチメディア機器向け等スラスト軸受けにおいて、回転軸に接する表面の中心線平均粗さ(Ra)が5〜1000μmで、さらに格子間距離が5〜1000μmの格子状の凹面又は凸面を有し、摺動性に優れたポリアセタール樹脂を用いて形成されたスラスト軸受けに関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられるポリアセタール樹脂は、一般に市販されているポリアセタール(ポリオキシメチレン)及びポリアセタールコポリマー等である。更に具体的には、オキシメチレン単位構造からなるオキシメチレンホモポリマー、オキシメチレンブロックコポリマー、オキシメチレングラフトポリマー及び架橋構造を有するオキシメチレンコポリマー等が挙げられる。オキシメチレン単位構造からなるオキシメチレンホモポリマーは、ホルムアルデヒド、その3量体であるトリオキサン又は4量体であるテトラオキサン等を原料として製造される。炭素数2〜8のオキシアルキレン単位構造を有するオキシメチレンコポリマーは、ホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラオキサン等とエチレンオキサイド、エピクロヒドリン、1,3−ジオキソラン、1,3,5―トリオキセパン、グリコールのホルマール、ジグリコールのホルマール等炭素数2〜8の環状エーテルから製造される。オキシアルキレン単位構造を有するオキシメチレンコポリマーは、オキシアルキレン単位構造を0.1〜20重量%含有するオキシメチレンコポリマーが好ましい。オキシメチレンブロックコポリマーは、オキシメチレンホモポリマー又はオキシメチレンコポリマーを主構造としてオキシメチレン単位構造以外のブロック構造あるいは末端構造を有するオキシメチレンブロックコポリマーが挙げられる。
【0006】
ポリアセタール樹脂としては、通常一般に粉末、フレークあるいはペレットの形状で市販されているポリアセタール樹脂の中からその用途を考慮して選択すれば、その目的を達成する事が出来る。現在、一般に市販されているポリアセタール樹脂には、酸素、水、光等の作用による分解を抑制するために、メラミン、シアノグアニジン、ポリアミド、及び、またはヒンダードフェノール、ヒンダードアミン等の安定剤や酸化剤等を1種または2種以上配合される場合がある。こうした市販ポリアセタール樹脂に配合されている安定剤や酸化防止剤等の添加剤は、本発明のポリアセタールを用いたスラスト軸受けの熱安定性の改善に通常有効に作用する。
【0007】
なお、この発明の目的を損なわない範囲で次のような公知の添加剤を配合することができる。補強剤としてカーボンブラック、シリカ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、マイカ、カオリン、ベントナイト、シラス、ウォラストナイト、炭酸珪素、ガラス粉末、カーボン粉末、ガラス繊維、カーボン繊維、ボロン繊維、アラミド繊維などが挙げられる。さらに、固体潤滑剤としてポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂や2硫化モリブデン、グラファイト等を配合することができる。また、ポリスルフィドゴム、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリエステルアミドエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、シリコンゴム、フッ素ゴム等のエラストマー類を配合できる。可塑剤として、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、アミノアルコキシランやグリシジルアルコキシラン等のシラン化合物等が挙げられる。その他、一般に用いられる紫外線吸収剤、着色剤等を用いることができる。
【0008】
本発明のスラスト軸受けは、ポリアセタール樹脂を用いて作成したシートから打ち抜き等を行って作成しても、射出成形によって作成しても構わないが、軸受け表面の平面平滑性を中心線平均粗さ(Ra)で5〜1000μmに保つ必要がある。軸受け表面の粗さを得る方法は特に限定しないが、例えば、シート表面の梨地処理や、射出成形品では用いる金型の表面を梨地処理や規則的な細密格子状に凹面又は凸面に表面加工等を行った金型を用いることにより容易に得ることができる。これらの金型を用いて成形されたスラスト軸受けは、同様のパターンが転写される。Raの範囲は、5μmから1000μmで、好ましくは8μmから500μm、更に好ましくは、10μmから200μmである。また、格子間距離が5μmより小さいと潤滑が十分に出来ない。Raが5μm未満の場合、潤滑剤が飛散し十分な潤滑効果が得られない。また、Raが1000μmを超えると、潤滑剤の保持性が悪くなり好ましくない。特に、10000rpm以上の高回転の場合、顕著に効果が現れる。格子間距離の範囲は、5μmから1000μmで、好ましくは8μmから500μm、更に好ましくは10μmから200μmである。Raが1000μmを超えると、潤滑剤の保持性が悪くなり好ましくない。
【0009】
本発明の中心線平均粗さ(Ra)とは、粗さ曲線からその中心の方向に測定長さ(L)の部分を抜き取り、この抜き取り部品の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をY=f(X)で表したとき、式1によって求められる値をマイクロメートル(μm)で表したものである。また、粗さ曲線とは、電気的フィルターを用いて断面曲線から凹凸の波長の長い成分(うねり)を除去したものである。さらに断面曲線とは、被測定面に直角な平面で被測定面を切断したとき、その切り口に表れる輪郭と定義した。
【数1】
Figure 2004052909
【0010】
本発明のスラスト軸受けに用いられる潤滑剤は、主に潤滑オイルを用いる。例えば、鉱物油、エステル油、シリコン油、エチレン油等が挙げられる。酸性や塩基性が強い等、著しく樹脂を劣化させる潤滑剤は好ましくなく、さらに樹脂表面から撥油する潤滑剤は好ましくない。
【0011】
【実施例】
本発明の実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によって何ら限定されるものではない。
【0012】
作成したスラスト板の表面は、超深度形状測定顕微鏡(キーエンス社製V−8500)を用いて観察した。さらに、その画像を解析ソフト(キーエンス社製VK−H1W)を用いて3D画像解析を行ったものを図2および図3とした。図2は、格子部分が凹形状を示し、図3は、格子部分が凸形状を示す。
【0013】
実施例1
ポリアセタール樹脂(三菱エンジニアリングプラスチック社製商品名:ユピタールF20)を射出成形し、表面状 が図2に示す格子間距離(a―a’)13μm、中心線平均粗さ(Ra)12μmの格子状に凹面処理された直径1.0cm、厚み0.3cmの円板を作成した。この円板の表面に潤滑オイル(信越化学工業社製シリコーンオイルKF−96)を0.2cc塗布したものをスラスト軸受けとした。図1に準じた装置にスラスト軸受けを装着し、回転軸は、SUS420J製で直径4.2mmのものを用いた。回転軸上には500gfの荷重を加え、30000rpm、1000時間摺動させた。その際のスラスト軸受けの摩耗量を測定した。その結果は、表1に示した。
【0014】
実施例2
実施例1に記載のポリアセタール樹脂を用いて、表面状態が図3に示す格子間距離(a―a’)189μm、中心平均粗さ(Ra)102μmの格子状凸面処理された直径1.0cm、厚み0.3cmの円板を作成して用いた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。その結果は、表1に示した。
【0015】
比較例1
実施例1に記載のポリアセタール樹脂を用いて、表面状態が図2に示す格子間距離(a−a’)2μm、中心線平均粗さ(Ra)3μmの格子状に凹面処理された直径1.0cm、厚み0.3cmの円板を作成して用いた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。その結果は、表1に示した。
【0016】
比較例2
実施例1に記載のポリアセタール樹脂を用いて、表面状態が図3に示す格子間距離(a―a’)3μm、中心線平均粗さ(Ra)2μmの格子状凸面処理された直径1.0cm、厚み0.3cmの円板を作成して用いた以外は、実施例1と同様にして試験を行った。その結果は、表1に示した。
【0017】
【表1】
Figure 2004052909
【0018】
【発明の効果】
本発明により得られた回転軸に接する表面部分の平面平滑性の中心線平均粗さ(Ra)が2〜1000μmで、さらに格子間距離が2〜1000μmの格子状の凹表面又は凸表面を有し、摺動性に優れたポリアセタール樹脂を用いて形成されたスラスト軸受けは、耐摩耗性、耐久性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転部品の断面図
【図2】格子部分が、凹形状を有するスラスト軸受け表面の3D解析図
【図3】格子部分が、凸形状を有するスラスト軸受け表面の3D解析図
【符号の説明】
1.ラジアル軸受け
2.スラスト軸受け
3.回転軸
4.潤滑剤
5.a―a’:格子間距離

Claims (3)

  1. 回転軸に接触する表面の平面平滑性が、中心線平均粗さ(Ra)において5〜1000μmであるポリアセタール樹脂で形成されることを特徴とするスラスト軸受け。
  2. 該表面に潤滑剤を塗布する請求項1記載のスラスト軸受け。
  3. 回転軸に接触する表面に、格子間距離が5〜1000μmの格子状の凹面又は凸面が形成された請求項1記載のスラスト軸受け。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007232087A (ja) * 2006-03-01 2007-09-13 Matsushita Electric Ind Co Ltd 軸受ならびに軸受を用いたモータ
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