JP2004052873A - 液圧式オートテンショナ - Google Patents
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Abstract
【課題】無端伝動帯の張力の急激な増減に対しても適正に対応して常に確実な駆動力伝達を行うことができる液圧式オートテンショナを供する。
【解決手段】内燃機関の補機を無端伝動帯6により駆動する駆動力伝達機構に用いられ互いに対向する一方の対向部材11,12が固定され他方の対向部材12が無端伝動帯6に作用して該無端伝動帯6の張力を調整する液圧式オートテンショナであって、両対向部材11,12を互いに離隔する方向に付勢する弾性部材15と、両対向部材11,12のそれぞれに一体に設けられたピストン16とシリンダ17の組合わせにより形成される液圧室14と、液圧室14から液貯留室13へ流出する液量を調整する減衰機構を備えたリーク通路20とを備えた液圧式オートテンショナにおいて、リーク通路20に液貯留室13から液圧室14への液の流入を許し逆流は阻止する第1の逆止弁21と、第1の逆止弁21に作用してその機能を停止させるアクチュエータ30と、該液圧式オートテンショナ10と別体に設けられアクチュエータ30を駆動制御する制御手段40とを備えた液圧式オートテンショナ。
【選択図】 図2
【解決手段】内燃機関の補機を無端伝動帯6により駆動する駆動力伝達機構に用いられ互いに対向する一方の対向部材11,12が固定され他方の対向部材12が無端伝動帯6に作用して該無端伝動帯6の張力を調整する液圧式オートテンショナであって、両対向部材11,12を互いに離隔する方向に付勢する弾性部材15と、両対向部材11,12のそれぞれに一体に設けられたピストン16とシリンダ17の組合わせにより形成される液圧室14と、液圧室14から液貯留室13へ流出する液量を調整する減衰機構を備えたリーク通路20とを備えた液圧式オートテンショナにおいて、リーク通路20に液貯留室13から液圧室14への液の流入を許し逆流は阻止する第1の逆止弁21と、第1の逆止弁21に作用してその機能を停止させるアクチュエータ30と、該液圧式オートテンショナ10と別体に設けられアクチュエータ30を駆動制御する制御手段40とを備えた液圧式オートテンショナ。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の補機を無端状のベルトやチェーン等の無端伝動帯により駆動する駆動力伝達機構に適用される液圧式オートテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】
無端伝動帯による駆動力伝達機構に適用される油圧式オートテンショナの従来技術としては、特開2000−220708号公報等に開示された例がある。
同公報記載の油圧式オートテンショナの基本的な構造を概略図で図6および図7に示す。
【0003】
互いに取付部01a,02aを有して対向する有底筒状の対向部材01,02が、摺動自在に嵌合して内部にオイル貯留室03を形成している。
両対向部材01,02は間に介装されたスプリング05により離隔する方向に付勢されている。
【0004】
オイル貯留室03の内部に、両対向部材01,02のそれぞれに一体に設けられたピストン06とシリンダ07との組合わせによる油圧室04が形成されている。
【0005】
オイルに満たされた油圧室04とオイルを貯留するオイル貯留室03とを底面に沿って連通路08が連通しており、同連通路08にオイル貯留室03から油圧室04へのオイルの流入を許し逆流は阻止する逆止弁09が設けられている。
【0006】
また油圧室04とオイル貯留室03との間には別にオリフィスが形成されたリーク通路010が底面に沿って設けられている。
取付部01a,02aの一方を固定側に取り付け、他方を無端状ベルトに押圧作用させてベルトに適度な張力を加える。
【0007】
すなわち図6に示すように対向部材01,02を収縮してベルトの張力を低下させるときは、油圧室04の圧縮力により逆止弁09が連通路08を閉じ、オリフィスが形成されたリーク通路010を介して油圧室04からオイル貯留室04へオイルがリークして大きい減衰力で対向部材01,02を緩慢に収縮し、ベルトに過度の張力が加わらないようにしている。
【0008】
逆にスプリング05により対向部材01,02を伸長してベルトに張力を与えるときは、図7に示すように油圧室04の膨張により逆止弁09が連通路08を開き、オイル貯留室03から油圧室04へオイルを速やかに流入して小さい減衰力で対向部材01,02を迅速に伸長して、適度な張力を保って確実に動力の伝達を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
例えば始動用電動機からクランク駆動への切換え時や、アシストモータによるクランク駆動のアシスト時のように、内燃機関の補機をベルトにより駆動する駆動力伝達機構に適用した場合、補機の作動状態によりベルトに当初大きな張力が加わった後に急激に張力が減少することがある。
【0010】
斯かる場合に、前記油圧式オートテンショナであると、当初大きな張力がベルトに加わっているときは油圧式オートテンショナの対向部材01,02が一方的に収縮してしまい張力が維持されずに動力伝達が確実になされず、さらにその後の張力の激減に対して対向部材01,02の伸長が追随できずベルトに弛みが生じて滑りが生じて適正な動力伝達ができないことが起こり得る。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、無端伝動帯の張力の急激な増減に対しても適正に対応して常に確実な駆動力伝達を行うことができる液圧式オートテンショナを供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、内燃機関の補機を無端伝動帯により駆動する駆動力伝達機構に用いられ互いに対向する一方の対向部材が固定され他方の対向部材が前記無端伝動帯に作用して該無端伝動帯の張力を調整する液圧式オートテンショナであって、前記両対向部材を互いに離隔する方向に付勢する弾性部材と、前記両対向部材のそれぞれに一体に設けられたピストンとシリンダの組合わせにより形成される液圧室と、液が貯留される液貯留室と、前記液圧室から前記液貯留室へ流出する液量を調整する減衰機構を備えたリーク通路とを備えた液圧式オートテンショナにおいて、前記リーク通路に前記液貯留室から前記液圧室への液の流入を許し逆流は阻止する第1の逆止弁と、前記第1の逆止弁に作用してその機能を停止させるアクチュエータと、該液圧式オートテンショナと別体に設けられ前記アクチュエータを駆動制御する制御手段とを備えた液圧式オートテンショナとした。
【0013】
補機による無端伝動帯を介した機関始動時等の無端伝動帯に過大な負荷が掛かる場合、制御手段によりアクチュエータを非作動とし第1の逆止弁を機能させることで、液圧オートテンショナの過度の収縮を防止し、無端伝動帯に適度な弛みを持たせ、張り側への挙動には第1の逆止弁が開き液貯留室から液圧室へ液が流れることで、追従でき、駆動力を滑ることなく確実に伝えるとともに、無端伝動帯の耐久性を向上させることができる。
【0014】
また過大な負荷が掛からない通常の場合は、制御手段によりアクチュエータを作動して第1の逆止弁の機能を停止させて開き状態のままとし液圧室と液貯留室を連通させることで、弛み側は緩慢に収縮させ、張り側は迅速に伸長して確実に動力を伝える。
【0015】
アクチュエータを作動制御する制御手段が、該液圧式オートテンショナと別体に設けられているので、無端伝動帯の張力変動により該液圧式オートテンショナに生じる微細振動の影響を制御手段が受けることがなく、よって高精度な無端伝動帯の張力制御が可能となるとともに制御手段の破損を防止でき、液圧式オートテンショナ自体はアクチュエータのみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記液貯留室から前記液圧室への液の流入を許し逆流は阻止する第2の逆止弁を有した連通路を備えたことを特徴とする。
【0017】
補機による無端伝動帯を介した機関始動時等の無端伝動帯に過大な負荷が掛かる場合、制御手段によりアクチュエータを非作動とし第1の逆止弁を機能させることで、第2の逆止弁とともに液圧オートテンショナの過度の収縮を防止し、無端伝動帯に適度な弛みを持たせて、直後の張り側への挙動には第2の逆止弁が開き液貯留室から液圧室へ液が流れることで、応答良く追従でき、駆動力を滑ることなく確実に伝えるとともに、無端伝動帯の耐久性を向上させることができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記制御手段は、内燃機関の非運転時に前記アクチュエータを非作動として前記第1の逆止弁の機能を働かせ、内燃機関の運転時に前記アクチュエータを作動して前記第1の逆止弁の機能を停止させるよう制御することを特徴とする。
【0019】
内燃機関の非運転時にアクチュエータを非作動として第1の逆止弁の機能を働かせているので、機関始動時に過大の負荷が掛かる場合、第2の逆止弁とともに液圧オートテンショナの過度の収縮を防止し、直後の張り側への挙動は第2の逆止弁が開き液貯留室から液圧室へ液が流れることで、応答良く追従でき、駆動力を滑ることなく確実に伝えるとともに、無端伝動帯の耐久性を向上させることができる。
【0020】
また内燃機関の通常の運転時には、アクチュエータを作動して第1の逆止弁の機能を停止させ開き状態のままとし弛み側は緩慢に収縮させ、張り側は迅速に伸長して確実に動力を伝えることができる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの項記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記アクチュエータが液圧アクチュエータであり、前記制御手段が液圧により前記アクチュエータの作動を制御する液圧制御手段であり、前記液圧制御手段は、前記液圧アクチュエータの液圧室と連通し液圧源から液を流入する液注入口および内燃機関側液通路に液を流出する液流出口を備える液圧制御室と、前記液注入口に設けられ液圧源からの液の流入のみを許容する第3の逆止弁と、前記液流出口を開閉する制御弁と、前記制御弁を駆動する電磁ソレノイドとを備えたことを特徴とする。
【0022】
電磁ソレノイドにより液流出口の制御弁を開くと、液圧制御室から液が流出して液圧アクチュエータの液圧室の液圧を減じ、液圧アクチュエータを非作動とし第1の逆止弁の機能を維持することができる。
【0023】
一方電磁ソレノイドにより液流出口の制御弁を閉じると、液圧源から液が液圧制御室に流入して液圧アクチュエータの液圧室の液圧を増し、液圧アクチュエータを作動し第1の逆止弁の機能を停止することができる。
【0024】
制御手段の電磁ソレノイドは、該液圧式オートテンショナと別体に設けられているので、無端伝動帯の張力変動により該液圧式オートテンショナに生じる微細振動の影響を電磁ソレノイドが受けることがなく、よって高精度な無端伝動帯の張力制御が可能となるとともに電磁ソレノイドの破損を防止でき、一方の液圧式オートテンショナ自体は液圧アクチュエータのみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの項記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記アクチュエータが空圧アクチュエータであり、前記制御手段が空圧により前記アクチュエータの作動を制御する空圧制御手段であり、前記空圧制御手段は、前記空圧アクチュエータの空圧室と連通し負圧源に空気を排出する排気口および大気側から空気を吸入する吸気口を備える空圧制御室と、前記排気口に設けられ負圧源への空気の排出のみを許容する第3の逆止弁と、前記吸気口を開閉する制御弁と、前記制御弁を駆動する電磁ソレノイドとを備えたことを特徴とする。
【0026】
電磁ソレノイドにより吸気口の制御弁を開くと、空圧制御室に大気を吸気して空圧アクチュエータの空圧室の気圧を上げ、空圧アクチュエータを非作動とし第1の逆止弁の機能を維持することができる。
【0027】
一方電磁ソレノイドにより吸気口の制御弁を閉じると、負圧源により空圧制御室から排気口を介して空気を排出して空圧アクチュエータの空圧室の気圧を下げ、空圧アクチュエータを作動し第1の逆止弁の機能を停止することができる。
【0028】
制御手段の電磁ソレノイドは、該空圧式オートテンショナと別体に設けられているので、無端伝動帯の張力変動により該空圧式オートテンショナに生じる微細振動の影響を電磁ソレノイドが受けることがなく、よって高精度な無端伝動帯の張力制御が可能となるとともに電磁ソレノイドの破損を防止でき、一方の空圧式オートテンショナ自体は空圧アクチュエータのみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図3に基づいて説明する。
【0030】
内燃機関1の周囲に補機2,3および発電機兼用電動機4が設けられ、内燃機関1の突出したクランク軸1bに嵌着されたクランクプーリ1a、補機2,3の同じ側に突出した回転駆動軸に嵌着された補機プーリ2a,3a、発電機兼用電動機4の回転駆動軸に嵌着されたモータプーリ4aの以上4つのプーリ1a,2a,3a,4aと1つのアイドラプーリ5に無端伝動帯であるベルト6を架け渡している。
【0031】
ベルト6は、図1において時計回りに回動し、回動方向順にクランクプーリ1a,アイドラプーリ5,モータプーリ4a,補機プーリ2a,補機プーリ3aに順次巻き掛けられてクランクプーリ1aにも戻って掛け渡されている。
【0032】
そしてクランクプーリ1aとアイドラプーリ5との間にテンショナプーリ7が配置され、ベルト6を押圧してベルト6に張力を与えている。
テンショナプーリ7は、屈曲部を支軸8によって枢支されたL字状アーム9の長尺アーム部9aの先端に軸支されている。
【0033】
L字状アーム9の短尺アーム部9bの先端は、互いに伸縮する対向部材11,12からなる油圧式オートテンショナ10の一方の対向部材12に連結されている。
油圧式オートテンショナ10の他方の対向部材11は固定部に取り付けられている。
【0034】
内燃機関1におけるクランク軸1b(クランクプーリ1a)の回転に対してベルト6の弛み側でかつ発電機兼用電動機4のモータプーリ4aの回転に対して同ベルト6の張り側のベルト部分6aにテンショナプーリ7が作用し、油圧式オートテンショナ10が伸長するとL字状アーム9を介してテンショナプーリ7がベルト6を押圧して張力を増加させることができ、油圧式オートテンショナ10が縮小するとベルト6の張力を減少させることができる。
【0035】
この油圧式オートテンショナ10の基本的な構造は、図2に示すように前記図6および図7に図示した従来の油圧式オートテンショナと同じである。
【0036】
すなわち互いに対向する有底筒状の対向部材11,12が、摺動自在に嵌合して内部に液貯留室13を形成し、両対向部材11,12は間に介装されたスプリング15により離隔する方向に付勢されている。
【0037】
一方の対向部材11の取付部11aが固定部に取り付けられ、他方の対向部材12の取付部12aがL字状アーム9の短尺アーム部9bに連結されている。
【0038】
オイル貯留室13の内部に、両対向部材11,12のそれぞれに一体に設けられたピストン16とシリンダ17との組合わせによる油圧室14が形成され小型化が図られている。
【0039】
そしてオイルに満たされる油圧室14とオイルを貯留するオイル貯留室13とを底面に沿って連通路18とリーク通路20が連通している。
連通路18にはオイル貯留室13から油圧室14へのオイルの流入を許し逆流は阻止する第2逆止弁19が設けられている。
【0040】
以上の構造は前記従来の油圧式オートテンショナと同じであるが、本油圧式オートテンショナ1は、リーク通路20に第1逆止弁21が介装され、同第1逆止弁21を作動する油圧アクチュエータ30が対向部材12と一体に設けられている。
【0041】
リーク通路20は、油圧室14側の大径部20aとオイル貯留室13側の小径部20bとからなり、弁室をなす大径部20aと小径部20bの境界面が弁座20cをなし球状の第1逆止弁21が大径部20aを移動して弁座20cに接離してリーク通路20の開閉を行う。
【0042】
第1逆止弁21は、スプリング22により弁座20c側に付勢されている。
なお小径部20bのオイル貯留室13側にオリフィス20dが形成されている。
【0043】
一方、油圧アクチュエータ30は、対向部材12の側部にシリンダ31が一体に突設され、同シリンダ31内にピストン32が摺動自在に嵌合されている。
ピストン32を貫通して固着されたピストンロッド33の一端から延出した作動軸34がリーク通路20の小径部20bを貫通して第1逆止弁21に当接可能に対している。
【0044】
ピストン32により分割されたシリンダ31内の第1逆止弁21側の室には圧縮スプリング35が介装され、他方の室を油圧室36としている。
【0045】
したがって油圧室36に油圧が供給されるとピストン32が圧縮スプリング35に抗して作動軸34とともに摺動して第1逆止弁21を突いてリーク通路20を開き逆止弁としての機能を停止することができ、油圧室36の油圧が低下すると圧縮スプリング35によりピストン32を作動軸34とともに逆方向に摺動して第1逆止弁21をスプリング22により弁座20cに当てリーク通路20を閉じることができ逆止弁としての機能を維持することができる。
【0046】
この油圧アクチュエータ30は、油圧式オートテンショナ10とは別に内燃機関1に取り付けられた油圧制御装置40により駆動制御される。
【0047】
油圧制御装置40は、本体ケーシング41が油圧アクチュエータ30の油圧室36と連通路37を介して連通する油圧制御室42と内燃機関側の油通路に連通する流出室43と油圧源に連通する流入室44とに画成され、油圧制御室42と流出室43の間に流出口45が形成され、油圧制御室42と流入室44の間に流入口46が形成されている。
【0048】
そして本体ケーシング41に突設された電磁ソレノイド47の駆動ロッド48が油圧制御室42内に挿入され、その駆動ロッド48の先端に固着された制御弁50は流出口45の開閉が可能である。
流入口46には流入室44から油圧制御室42へのオイルの流入のみを許容し、逆流を禁止する逆止弁51が設けられている。
【0049】
図2に示すように電磁ソレノイド47を励磁して駆動ロッド48を突出して制御弁50が流出口45を閉じると、油圧源からのオイルが流入室44から逆止弁51の開いた流入口46を介して油圧制御室42に供給され、連通路37を介して油圧アクチュエータ30の油圧室36に油圧が作用してピストン32を圧縮スプリング35に抗して押して作動軸34が第1逆止弁21を突きリーク通路20を開く。
【0050】
電磁ソレノイド47を消磁すると図3に示すように内蔵のスプリング49により駆動ロッド48を引き込み制御弁50が流出口45を開き、よって油圧制御室42のオイルが流出口45から抜け、油圧アクチュエータ30の油圧室36も油圧が低下して圧縮スプリング35によりピストン32を戻し作動軸34を引っ込めて第1逆止弁21の機能を回復することができる。
【0051】
本油圧式オートテンショナ10は、以上のような構造をしており、内燃機関1が運転中は電磁ソレノイド22が励磁されるようにし、第1逆止弁21は逆止弁として機能せずにリーク通路20を開いており、前記従来の油圧式オートテンショナと同じ状態で、同じ作用をする。
【0052】
すなわち対向部材11,12を収縮してベルト6の張力を低下させるときは、油圧室14の圧縮力により第2逆止弁19が連通路18を閉じ、オリフィス20dが形成されたリーク通路20を介して油圧室14からオイル貯留室13へオイルがリークして大きい減衰力で対向部材11,12を緩慢に収縮し、ベルト6に過度の張力が加わらないようにしている。
【0053】
逆にスプリング15により対向部材11,12を伸長してベルト6に張力を与えるときは、油圧室14の膨張により第2逆止弁19が連通路18を開き、オイル貯留室13から油圧室14へオイルを速やかに流入して小さい減衰力で対向部材11,12を迅速に伸長して、適度な張力を保って確実に動力の伝達を行う。
【0054】
一方内燃機関1が停止しているときは、電磁ソレノイド22が消磁され、第1逆止弁21は逆止弁として機能するようにしておく。
【0055】
すると発電機兼用電動機4を電動機として駆動して内燃機関1を始動するとき、クランク軸1bは停止状態にあってこれを強制的に回転させようとするので、モータプーリ4aの回転はその上流側のクランクプーリ1aとの間のベルト部分6aを緊張させ張力が加わり対向部材11,12を収縮しようとするが、第1逆止弁21は逆止弁として機能するので、弁座20cに当接してリーク通路20を閉じ、第2逆止弁19も連通路18を閉じる。
【0056】
すなわちベルト6の緊張に対して油圧式オートテンショナ10は、図3に示すように第2逆止弁19および第1逆止弁21がともに閉弁して油圧室14を完全に閉塞することにより対向部材11,12の収縮を阻止する。
【0057】
したがってベルト6は大きな張力が維持されて発電機兼用電動機4のクランク軸1bへの動力伝達が確実に行われて内燃機関1を適確に始動することができる。
【0058】
その後内燃機関1が始動すると、クランク軸1b自らがクランクプーリ1aと一体に回転するので、今度はクランクプーリ1aの下流側のモータプーリ4aとの間のベルト部分6aを急激に弛めることになる。
【0059】
この直前において油圧式オートテンショナ10は、対向部材11,12の収縮を阻止されて収縮されておらず伸長方向には第2逆止弁19の開弁により自由に伸長できる状態にあるので、内燃機関1が始動すると対向部材11,12を迅速に伸長して、ベルト6を適度な張力に保つことができ滑りを生じさせずに確実に動力の伝達を行うことができる。
【0060】
なお内燃機関1が運転状態になれば電磁ソレノイド47が励磁され、油圧アクチュエータ30により第1逆止弁21が強制的に開弁される。
【0061】
このように内燃機関1が停止しているときは、電磁ソレノイド47を消磁して第1逆止弁21を逆止弁として機能するようにしておくことにより、始動前後のベルト6の張力の急激な増減に対して適確に対応し、始動後第1逆止弁21を開いて通常状態とすることで、常時動力伝達を確実に行うことができる。
【0062】
油圧アクチュエータ30を作動制御する油圧制御装置40が、油圧式オートテンショナ10と別体に設けられているので、ベルト6の張力変動により油圧式オートテンショナ10に生じる微細振動の影響を油圧制御装置40が受けることがなく、よってベルト6の高精度な張力制御が可能となるとともに油圧制御装置40の破損を防止でき、油圧式オートテンショナ10自体は油圧アクチュエータ30のみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0063】
次ぎに第1逆止弁21を作動するのに油圧でなく空圧を利用した実施の形態について図4および図5に基づき説明する。
油圧式オートテンショナ10自体は、前記実施の形態と同じものであり、同じ符号を用いる。
【0064】
第1逆止弁21を作動する空圧アクチュエータ60は、対向部材12の側部に中空本体61が一体に突設され、同中空本体61内にダイアフラム62が介装されている。
ダイアフラム62を貫通して固着されたプランジャ63の一端から延出した作動軸64がリーク通路20の小径部20bを貫通して第1逆止弁21に当接可能に対している。
【0065】
ダイアフラム62により仕切られた中空本体61内の第1逆止弁21側の室を空圧室66とし圧縮スプリング65がダイアフラム62を付勢しており、反対側の室は大気と連通している。
【0066】
この空圧アクチュエータ60は、油圧式オートテンショナ10とは別に内燃機関1に取り付けられた空圧制御装置70により駆動制御される。
【0067】
空圧制御装置70は、本体ケーシング71が空圧アクチュエータ60の空圧室66と連通路67を介して連通する空圧制御室72と大気に連通する吸気室73と負圧源に連通する排気室74とに画成され、空圧制御室72と吸気室73の間に吸気口75が形成され、空圧制御室72と排気室74の間に排気口76が形成されている。
【0068】
そして本体ケーシング71に突設された電磁ソレノイド77の駆動ロッド78が空圧制御室72内に挿入され、その駆動ロッド78の先端に固着された制御弁80は吸気口75の開閉が可能である。
【0069】
排気口76には空圧制御室72から排気室74への空気の排気のみを許容し、逆流を禁止する逆止弁81が設けられている。
【0070】
図4に示すように電磁ソレノイド77を励磁して駆動ロッド78を突出して制御弁80が吸気口5を閉じると、負圧源により空気が逆止弁81の開いた空圧制御室72から排気口46を介して排気室74に排気され、連通路67を介して空圧アクチュエータ60の空圧室66が負圧となってダイアフラム62に作用してダイアフラム62を圧縮スプリング65に抗して吸引して作動軸64が第1逆止弁21を突きリーク通路20を開いた状態として逆止弁としての機能を停止する。
【0071】
電磁ソレノイド77を消磁すると図5に示すように内蔵のスプリング79により駆動ロッド78を引き込み制御弁80が吸気口75を開き、よって空圧制御室72に空気を入れ連通路67を介して空圧アクチュエータ60の空圧室66を大気圧として圧縮スプリング65によりダイアフラム62を戻し作動軸64を引っ込めて第1逆止弁21の機能を回復する。
【0072】
本実施の形態においても内燃機関1が停止しているときは、電磁ソレノイド77を励磁して第1逆止弁21を逆止弁として機能するようにしておくことにより、内燃機関始動前後のベルト6の張力の急激な増減に対して適確に対応し、始動後の内燃機関1の運転中は電磁ソレノイド77を消磁して第1逆止弁21を開いた状態として逆止弁としての機能を停止することで、常時動力伝達を確実に行うことができる。
【0073】
空圧アクチュエータ60を作動制御する油圧制御装置70が、油圧式オートテンショナ10と別体に設けられているので、ベルト6の張力変動により油圧式オートテンショナ10に生じる微細振動の影響を空圧制御装置70が受けることがなく、よってベルト6の高精度な張力制御が可能となるとともに油圧制御装置70の破損を防止でき、油圧式オートテンショナ10自体は空圧アクチュエータ60のみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0074】
なお以上の実施の形態における油圧式オートテンショナ10は、オイルに満たされる油圧室14とオイルを貯留するオイル貯留室13とをリーク通路20以外に連通路18が連通しているが、この連通路18がない構成でも、第1逆止弁21を逆止弁として機能させることでリーク通路20が連通路18の働きをある程度果たすことができ、同じような作用効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る内燃機関および補機類の駆動力伝達機構を示す概略側面図である。
【図2】同駆動力伝達機構に用いられた油圧式オートテンショナ、油圧アクチュエータおよび油圧制御装置の内燃機関運転時の内部構造を示す断面図である。
【図3】内燃機関停止時の同断面図である。
【図4】別の実施の形態に係る油圧式オートテンショナ、油圧アクチュエータおよび油圧制御装置の内燃機関運転時の内部構造を示す断面図である。
【図5】内燃機関停止時の同断面図である。
【図6】従来の油圧式オートテンショナの内部構造を示す断面図である。
【図7】別の状態の同油圧式オートテンショナの内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2,3…補機、4…発電機兼用電動機、5…アイドラプーリ、6…ベルト、7…テンショナプーリ、8…支軸、9…L字状アーム、10…油圧式オートテンショナ、11,12…対向部材、13…オイル貯留室、14…油圧室、16…ピストン、17…シリンダ、18…連通路、19…第2逆止弁、20…リーク通路、21…第1逆止弁、22…スプリング、30…油圧アクチュエータ、31…シリンダ、32…ピストン、33…ピストンロッド、34…作動軸、35…圧縮スプリング、36…油圧室、37…連通路、40…油圧制御装置、41…本体ケーシング、42…油圧制御室、43…流出室、44…流入室、45…流出口、46…流入口、47…電磁ソレノイド、48…駆動ロッド、49…スプリング、50…制御弁、51…逆止弁、60…空圧アクチュエータ、61…中空本体、62…ダイアフラム、63…プランジャ、64…作動軸、65…圧縮スプリング、66…空圧室、67…連通路、70…空圧制御装置、71…本体ケーシング、72…空圧制御室、73…吸気室、74…排気室、75…吸気口、76…排気口、77…電磁ソレノイド、78…駆動ロッド、79…スプリング、80…制御弁、81…逆止弁。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の補機を無端状のベルトやチェーン等の無端伝動帯により駆動する駆動力伝達機構に適用される液圧式オートテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】
無端伝動帯による駆動力伝達機構に適用される油圧式オートテンショナの従来技術としては、特開2000−220708号公報等に開示された例がある。
同公報記載の油圧式オートテンショナの基本的な構造を概略図で図6および図7に示す。
【0003】
互いに取付部01a,02aを有して対向する有底筒状の対向部材01,02が、摺動自在に嵌合して内部にオイル貯留室03を形成している。
両対向部材01,02は間に介装されたスプリング05により離隔する方向に付勢されている。
【0004】
オイル貯留室03の内部に、両対向部材01,02のそれぞれに一体に設けられたピストン06とシリンダ07との組合わせによる油圧室04が形成されている。
【0005】
オイルに満たされた油圧室04とオイルを貯留するオイル貯留室03とを底面に沿って連通路08が連通しており、同連通路08にオイル貯留室03から油圧室04へのオイルの流入を許し逆流は阻止する逆止弁09が設けられている。
【0006】
また油圧室04とオイル貯留室03との間には別にオリフィスが形成されたリーク通路010が底面に沿って設けられている。
取付部01a,02aの一方を固定側に取り付け、他方を無端状ベルトに押圧作用させてベルトに適度な張力を加える。
【0007】
すなわち図6に示すように対向部材01,02を収縮してベルトの張力を低下させるときは、油圧室04の圧縮力により逆止弁09が連通路08を閉じ、オリフィスが形成されたリーク通路010を介して油圧室04からオイル貯留室04へオイルがリークして大きい減衰力で対向部材01,02を緩慢に収縮し、ベルトに過度の張力が加わらないようにしている。
【0008】
逆にスプリング05により対向部材01,02を伸長してベルトに張力を与えるときは、図7に示すように油圧室04の膨張により逆止弁09が連通路08を開き、オイル貯留室03から油圧室04へオイルを速やかに流入して小さい減衰力で対向部材01,02を迅速に伸長して、適度な張力を保って確実に動力の伝達を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
例えば始動用電動機からクランク駆動への切換え時や、アシストモータによるクランク駆動のアシスト時のように、内燃機関の補機をベルトにより駆動する駆動力伝達機構に適用した場合、補機の作動状態によりベルトに当初大きな張力が加わった後に急激に張力が減少することがある。
【0010】
斯かる場合に、前記油圧式オートテンショナであると、当初大きな張力がベルトに加わっているときは油圧式オートテンショナの対向部材01,02が一方的に収縮してしまい張力が維持されずに動力伝達が確実になされず、さらにその後の張力の激減に対して対向部材01,02の伸長が追随できずベルトに弛みが生じて滑りが生じて適正な動力伝達ができないことが起こり得る。
【0011】
本発明は斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、無端伝動帯の張力の急激な増減に対しても適正に対応して常に確実な駆動力伝達を行うことができる液圧式オートテンショナを供する点にある。
【0012】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、内燃機関の補機を無端伝動帯により駆動する駆動力伝達機構に用いられ互いに対向する一方の対向部材が固定され他方の対向部材が前記無端伝動帯に作用して該無端伝動帯の張力を調整する液圧式オートテンショナであって、前記両対向部材を互いに離隔する方向に付勢する弾性部材と、前記両対向部材のそれぞれに一体に設けられたピストンとシリンダの組合わせにより形成される液圧室と、液が貯留される液貯留室と、前記液圧室から前記液貯留室へ流出する液量を調整する減衰機構を備えたリーク通路とを備えた液圧式オートテンショナにおいて、前記リーク通路に前記液貯留室から前記液圧室への液の流入を許し逆流は阻止する第1の逆止弁と、前記第1の逆止弁に作用してその機能を停止させるアクチュエータと、該液圧式オートテンショナと別体に設けられ前記アクチュエータを駆動制御する制御手段とを備えた液圧式オートテンショナとした。
【0013】
補機による無端伝動帯を介した機関始動時等の無端伝動帯に過大な負荷が掛かる場合、制御手段によりアクチュエータを非作動とし第1の逆止弁を機能させることで、液圧オートテンショナの過度の収縮を防止し、無端伝動帯に適度な弛みを持たせ、張り側への挙動には第1の逆止弁が開き液貯留室から液圧室へ液が流れることで、追従でき、駆動力を滑ることなく確実に伝えるとともに、無端伝動帯の耐久性を向上させることができる。
【0014】
また過大な負荷が掛からない通常の場合は、制御手段によりアクチュエータを作動して第1の逆止弁の機能を停止させて開き状態のままとし液圧室と液貯留室を連通させることで、弛み側は緩慢に収縮させ、張り側は迅速に伸長して確実に動力を伝える。
【0015】
アクチュエータを作動制御する制御手段が、該液圧式オートテンショナと別体に設けられているので、無端伝動帯の張力変動により該液圧式オートテンショナに生じる微細振動の影響を制御手段が受けることがなく、よって高精度な無端伝動帯の張力制御が可能となるとともに制御手段の破損を防止でき、液圧式オートテンショナ自体はアクチュエータのみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0016】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記液貯留室から前記液圧室への液の流入を許し逆流は阻止する第2の逆止弁を有した連通路を備えたことを特徴とする。
【0017】
補機による無端伝動帯を介した機関始動時等の無端伝動帯に過大な負荷が掛かる場合、制御手段によりアクチュエータを非作動とし第1の逆止弁を機能させることで、第2の逆止弁とともに液圧オートテンショナの過度の収縮を防止し、無端伝動帯に適度な弛みを持たせて、直後の張り側への挙動には第2の逆止弁が開き液貯留室から液圧室へ液が流れることで、応答良く追従でき、駆動力を滑ることなく確実に伝えるとともに、無端伝動帯の耐久性を向上させることができる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記制御手段は、内燃機関の非運転時に前記アクチュエータを非作動として前記第1の逆止弁の機能を働かせ、内燃機関の運転時に前記アクチュエータを作動して前記第1の逆止弁の機能を停止させるよう制御することを特徴とする。
【0019】
内燃機関の非運転時にアクチュエータを非作動として第1の逆止弁の機能を働かせているので、機関始動時に過大の負荷が掛かる場合、第2の逆止弁とともに液圧オートテンショナの過度の収縮を防止し、直後の張り側への挙動は第2の逆止弁が開き液貯留室から液圧室へ液が流れることで、応答良く追従でき、駆動力を滑ることなく確実に伝えるとともに、無端伝動帯の耐久性を向上させることができる。
【0020】
また内燃機関の通常の運転時には、アクチュエータを作動して第1の逆止弁の機能を停止させ開き状態のままとし弛み側は緩慢に収縮させ、張り側は迅速に伸長して確実に動力を伝えることができる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの項記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記アクチュエータが液圧アクチュエータであり、前記制御手段が液圧により前記アクチュエータの作動を制御する液圧制御手段であり、前記液圧制御手段は、前記液圧アクチュエータの液圧室と連通し液圧源から液を流入する液注入口および内燃機関側液通路に液を流出する液流出口を備える液圧制御室と、前記液注入口に設けられ液圧源からの液の流入のみを許容する第3の逆止弁と、前記液流出口を開閉する制御弁と、前記制御弁を駆動する電磁ソレノイドとを備えたことを特徴とする。
【0022】
電磁ソレノイドにより液流出口の制御弁を開くと、液圧制御室から液が流出して液圧アクチュエータの液圧室の液圧を減じ、液圧アクチュエータを非作動とし第1の逆止弁の機能を維持することができる。
【0023】
一方電磁ソレノイドにより液流出口の制御弁を閉じると、液圧源から液が液圧制御室に流入して液圧アクチュエータの液圧室の液圧を増し、液圧アクチュエータを作動し第1の逆止弁の機能を停止することができる。
【0024】
制御手段の電磁ソレノイドは、該液圧式オートテンショナと別体に設けられているので、無端伝動帯の張力変動により該液圧式オートテンショナに生じる微細振動の影響を電磁ソレノイドが受けることがなく、よって高精度な無端伝動帯の張力制御が可能となるとともに電磁ソレノイドの破損を防止でき、一方の液圧式オートテンショナ自体は液圧アクチュエータのみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0025】
請求項5記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの項記載の液圧式オートテンショナにおいて、前記アクチュエータが空圧アクチュエータであり、前記制御手段が空圧により前記アクチュエータの作動を制御する空圧制御手段であり、前記空圧制御手段は、前記空圧アクチュエータの空圧室と連通し負圧源に空気を排出する排気口および大気側から空気を吸入する吸気口を備える空圧制御室と、前記排気口に設けられ負圧源への空気の排出のみを許容する第3の逆止弁と、前記吸気口を開閉する制御弁と、前記制御弁を駆動する電磁ソレノイドとを備えたことを特徴とする。
【0026】
電磁ソレノイドにより吸気口の制御弁を開くと、空圧制御室に大気を吸気して空圧アクチュエータの空圧室の気圧を上げ、空圧アクチュエータを非作動とし第1の逆止弁の機能を維持することができる。
【0027】
一方電磁ソレノイドにより吸気口の制御弁を閉じると、負圧源により空圧制御室から排気口を介して空気を排出して空圧アクチュエータの空圧室の気圧を下げ、空圧アクチュエータを作動し第1の逆止弁の機能を停止することができる。
【0028】
制御手段の電磁ソレノイドは、該空圧式オートテンショナと別体に設けられているので、無端伝動帯の張力変動により該空圧式オートテンショナに生じる微細振動の影響を電磁ソレノイドが受けることがなく、よって高精度な無端伝動帯の張力制御が可能となるとともに電磁ソレノイドの破損を防止でき、一方の空圧式オートテンショナ自体は空圧アクチュエータのみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図3に基づいて説明する。
【0030】
内燃機関1の周囲に補機2,3および発電機兼用電動機4が設けられ、内燃機関1の突出したクランク軸1bに嵌着されたクランクプーリ1a、補機2,3の同じ側に突出した回転駆動軸に嵌着された補機プーリ2a,3a、発電機兼用電動機4の回転駆動軸に嵌着されたモータプーリ4aの以上4つのプーリ1a,2a,3a,4aと1つのアイドラプーリ5に無端伝動帯であるベルト6を架け渡している。
【0031】
ベルト6は、図1において時計回りに回動し、回動方向順にクランクプーリ1a,アイドラプーリ5,モータプーリ4a,補機プーリ2a,補機プーリ3aに順次巻き掛けられてクランクプーリ1aにも戻って掛け渡されている。
【0032】
そしてクランクプーリ1aとアイドラプーリ5との間にテンショナプーリ7が配置され、ベルト6を押圧してベルト6に張力を与えている。
テンショナプーリ7は、屈曲部を支軸8によって枢支されたL字状アーム9の長尺アーム部9aの先端に軸支されている。
【0033】
L字状アーム9の短尺アーム部9bの先端は、互いに伸縮する対向部材11,12からなる油圧式オートテンショナ10の一方の対向部材12に連結されている。
油圧式オートテンショナ10の他方の対向部材11は固定部に取り付けられている。
【0034】
内燃機関1におけるクランク軸1b(クランクプーリ1a)の回転に対してベルト6の弛み側でかつ発電機兼用電動機4のモータプーリ4aの回転に対して同ベルト6の張り側のベルト部分6aにテンショナプーリ7が作用し、油圧式オートテンショナ10が伸長するとL字状アーム9を介してテンショナプーリ7がベルト6を押圧して張力を増加させることができ、油圧式オートテンショナ10が縮小するとベルト6の張力を減少させることができる。
【0035】
この油圧式オートテンショナ10の基本的な構造は、図2に示すように前記図6および図7に図示した従来の油圧式オートテンショナと同じである。
【0036】
すなわち互いに対向する有底筒状の対向部材11,12が、摺動自在に嵌合して内部に液貯留室13を形成し、両対向部材11,12は間に介装されたスプリング15により離隔する方向に付勢されている。
【0037】
一方の対向部材11の取付部11aが固定部に取り付けられ、他方の対向部材12の取付部12aがL字状アーム9の短尺アーム部9bに連結されている。
【0038】
オイル貯留室13の内部に、両対向部材11,12のそれぞれに一体に設けられたピストン16とシリンダ17との組合わせによる油圧室14が形成され小型化が図られている。
【0039】
そしてオイルに満たされる油圧室14とオイルを貯留するオイル貯留室13とを底面に沿って連通路18とリーク通路20が連通している。
連通路18にはオイル貯留室13から油圧室14へのオイルの流入を許し逆流は阻止する第2逆止弁19が設けられている。
【0040】
以上の構造は前記従来の油圧式オートテンショナと同じであるが、本油圧式オートテンショナ1は、リーク通路20に第1逆止弁21が介装され、同第1逆止弁21を作動する油圧アクチュエータ30が対向部材12と一体に設けられている。
【0041】
リーク通路20は、油圧室14側の大径部20aとオイル貯留室13側の小径部20bとからなり、弁室をなす大径部20aと小径部20bの境界面が弁座20cをなし球状の第1逆止弁21が大径部20aを移動して弁座20cに接離してリーク通路20の開閉を行う。
【0042】
第1逆止弁21は、スプリング22により弁座20c側に付勢されている。
なお小径部20bのオイル貯留室13側にオリフィス20dが形成されている。
【0043】
一方、油圧アクチュエータ30は、対向部材12の側部にシリンダ31が一体に突設され、同シリンダ31内にピストン32が摺動自在に嵌合されている。
ピストン32を貫通して固着されたピストンロッド33の一端から延出した作動軸34がリーク通路20の小径部20bを貫通して第1逆止弁21に当接可能に対している。
【0044】
ピストン32により分割されたシリンダ31内の第1逆止弁21側の室には圧縮スプリング35が介装され、他方の室を油圧室36としている。
【0045】
したがって油圧室36に油圧が供給されるとピストン32が圧縮スプリング35に抗して作動軸34とともに摺動して第1逆止弁21を突いてリーク通路20を開き逆止弁としての機能を停止することができ、油圧室36の油圧が低下すると圧縮スプリング35によりピストン32を作動軸34とともに逆方向に摺動して第1逆止弁21をスプリング22により弁座20cに当てリーク通路20を閉じることができ逆止弁としての機能を維持することができる。
【0046】
この油圧アクチュエータ30は、油圧式オートテンショナ10とは別に内燃機関1に取り付けられた油圧制御装置40により駆動制御される。
【0047】
油圧制御装置40は、本体ケーシング41が油圧アクチュエータ30の油圧室36と連通路37を介して連通する油圧制御室42と内燃機関側の油通路に連通する流出室43と油圧源に連通する流入室44とに画成され、油圧制御室42と流出室43の間に流出口45が形成され、油圧制御室42と流入室44の間に流入口46が形成されている。
【0048】
そして本体ケーシング41に突設された電磁ソレノイド47の駆動ロッド48が油圧制御室42内に挿入され、その駆動ロッド48の先端に固着された制御弁50は流出口45の開閉が可能である。
流入口46には流入室44から油圧制御室42へのオイルの流入のみを許容し、逆流を禁止する逆止弁51が設けられている。
【0049】
図2に示すように電磁ソレノイド47を励磁して駆動ロッド48を突出して制御弁50が流出口45を閉じると、油圧源からのオイルが流入室44から逆止弁51の開いた流入口46を介して油圧制御室42に供給され、連通路37を介して油圧アクチュエータ30の油圧室36に油圧が作用してピストン32を圧縮スプリング35に抗して押して作動軸34が第1逆止弁21を突きリーク通路20を開く。
【0050】
電磁ソレノイド47を消磁すると図3に示すように内蔵のスプリング49により駆動ロッド48を引き込み制御弁50が流出口45を開き、よって油圧制御室42のオイルが流出口45から抜け、油圧アクチュエータ30の油圧室36も油圧が低下して圧縮スプリング35によりピストン32を戻し作動軸34を引っ込めて第1逆止弁21の機能を回復することができる。
【0051】
本油圧式オートテンショナ10は、以上のような構造をしており、内燃機関1が運転中は電磁ソレノイド22が励磁されるようにし、第1逆止弁21は逆止弁として機能せずにリーク通路20を開いており、前記従来の油圧式オートテンショナと同じ状態で、同じ作用をする。
【0052】
すなわち対向部材11,12を収縮してベルト6の張力を低下させるときは、油圧室14の圧縮力により第2逆止弁19が連通路18を閉じ、オリフィス20dが形成されたリーク通路20を介して油圧室14からオイル貯留室13へオイルがリークして大きい減衰力で対向部材11,12を緩慢に収縮し、ベルト6に過度の張力が加わらないようにしている。
【0053】
逆にスプリング15により対向部材11,12を伸長してベルト6に張力を与えるときは、油圧室14の膨張により第2逆止弁19が連通路18を開き、オイル貯留室13から油圧室14へオイルを速やかに流入して小さい減衰力で対向部材11,12を迅速に伸長して、適度な張力を保って確実に動力の伝達を行う。
【0054】
一方内燃機関1が停止しているときは、電磁ソレノイド22が消磁され、第1逆止弁21は逆止弁として機能するようにしておく。
【0055】
すると発電機兼用電動機4を電動機として駆動して内燃機関1を始動するとき、クランク軸1bは停止状態にあってこれを強制的に回転させようとするので、モータプーリ4aの回転はその上流側のクランクプーリ1aとの間のベルト部分6aを緊張させ張力が加わり対向部材11,12を収縮しようとするが、第1逆止弁21は逆止弁として機能するので、弁座20cに当接してリーク通路20を閉じ、第2逆止弁19も連通路18を閉じる。
【0056】
すなわちベルト6の緊張に対して油圧式オートテンショナ10は、図3に示すように第2逆止弁19および第1逆止弁21がともに閉弁して油圧室14を完全に閉塞することにより対向部材11,12の収縮を阻止する。
【0057】
したがってベルト6は大きな張力が維持されて発電機兼用電動機4のクランク軸1bへの動力伝達が確実に行われて内燃機関1を適確に始動することができる。
【0058】
その後内燃機関1が始動すると、クランク軸1b自らがクランクプーリ1aと一体に回転するので、今度はクランクプーリ1aの下流側のモータプーリ4aとの間のベルト部分6aを急激に弛めることになる。
【0059】
この直前において油圧式オートテンショナ10は、対向部材11,12の収縮を阻止されて収縮されておらず伸長方向には第2逆止弁19の開弁により自由に伸長できる状態にあるので、内燃機関1が始動すると対向部材11,12を迅速に伸長して、ベルト6を適度な張力に保つことができ滑りを生じさせずに確実に動力の伝達を行うことができる。
【0060】
なお内燃機関1が運転状態になれば電磁ソレノイド47が励磁され、油圧アクチュエータ30により第1逆止弁21が強制的に開弁される。
【0061】
このように内燃機関1が停止しているときは、電磁ソレノイド47を消磁して第1逆止弁21を逆止弁として機能するようにしておくことにより、始動前後のベルト6の張力の急激な増減に対して適確に対応し、始動後第1逆止弁21を開いて通常状態とすることで、常時動力伝達を確実に行うことができる。
【0062】
油圧アクチュエータ30を作動制御する油圧制御装置40が、油圧式オートテンショナ10と別体に設けられているので、ベルト6の張力変動により油圧式オートテンショナ10に生じる微細振動の影響を油圧制御装置40が受けることがなく、よってベルト6の高精度な張力制御が可能となるとともに油圧制御装置40の破損を防止でき、油圧式オートテンショナ10自体は油圧アクチュエータ30のみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0063】
次ぎに第1逆止弁21を作動するのに油圧でなく空圧を利用した実施の形態について図4および図5に基づき説明する。
油圧式オートテンショナ10自体は、前記実施の形態と同じものであり、同じ符号を用いる。
【0064】
第1逆止弁21を作動する空圧アクチュエータ60は、対向部材12の側部に中空本体61が一体に突設され、同中空本体61内にダイアフラム62が介装されている。
ダイアフラム62を貫通して固着されたプランジャ63の一端から延出した作動軸64がリーク通路20の小径部20bを貫通して第1逆止弁21に当接可能に対している。
【0065】
ダイアフラム62により仕切られた中空本体61内の第1逆止弁21側の室を空圧室66とし圧縮スプリング65がダイアフラム62を付勢しており、反対側の室は大気と連通している。
【0066】
この空圧アクチュエータ60は、油圧式オートテンショナ10とは別に内燃機関1に取り付けられた空圧制御装置70により駆動制御される。
【0067】
空圧制御装置70は、本体ケーシング71が空圧アクチュエータ60の空圧室66と連通路67を介して連通する空圧制御室72と大気に連通する吸気室73と負圧源に連通する排気室74とに画成され、空圧制御室72と吸気室73の間に吸気口75が形成され、空圧制御室72と排気室74の間に排気口76が形成されている。
【0068】
そして本体ケーシング71に突設された電磁ソレノイド77の駆動ロッド78が空圧制御室72内に挿入され、その駆動ロッド78の先端に固着された制御弁80は吸気口75の開閉が可能である。
【0069】
排気口76には空圧制御室72から排気室74への空気の排気のみを許容し、逆流を禁止する逆止弁81が設けられている。
【0070】
図4に示すように電磁ソレノイド77を励磁して駆動ロッド78を突出して制御弁80が吸気口5を閉じると、負圧源により空気が逆止弁81の開いた空圧制御室72から排気口46を介して排気室74に排気され、連通路67を介して空圧アクチュエータ60の空圧室66が負圧となってダイアフラム62に作用してダイアフラム62を圧縮スプリング65に抗して吸引して作動軸64が第1逆止弁21を突きリーク通路20を開いた状態として逆止弁としての機能を停止する。
【0071】
電磁ソレノイド77を消磁すると図5に示すように内蔵のスプリング79により駆動ロッド78を引き込み制御弁80が吸気口75を開き、よって空圧制御室72に空気を入れ連通路67を介して空圧アクチュエータ60の空圧室66を大気圧として圧縮スプリング65によりダイアフラム62を戻し作動軸64を引っ込めて第1逆止弁21の機能を回復する。
【0072】
本実施の形態においても内燃機関1が停止しているときは、電磁ソレノイド77を励磁して第1逆止弁21を逆止弁として機能するようにしておくことにより、内燃機関始動前後のベルト6の張力の急激な増減に対して適確に対応し、始動後の内燃機関1の運転中は電磁ソレノイド77を消磁して第1逆止弁21を開いた状態として逆止弁としての機能を停止することで、常時動力伝達を確実に行うことができる。
【0073】
空圧アクチュエータ60を作動制御する油圧制御装置70が、油圧式オートテンショナ10と別体に設けられているので、ベルト6の張力変動により油圧式オートテンショナ10に生じる微細振動の影響を空圧制御装置70が受けることがなく、よってベルト6の高精度な張力制御が可能となるとともに油圧制御装置70の破損を防止でき、油圧式オートテンショナ10自体は空圧アクチュエータ60のみを備えて小型軽量化を図ることができる。
【0074】
なお以上の実施の形態における油圧式オートテンショナ10は、オイルに満たされる油圧室14とオイルを貯留するオイル貯留室13とをリーク通路20以外に連通路18が連通しているが、この連通路18がない構成でも、第1逆止弁21を逆止弁として機能させることでリーク通路20が連通路18の働きをある程度果たすことができ、同じような作用効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る内燃機関および補機類の駆動力伝達機構を示す概略側面図である。
【図2】同駆動力伝達機構に用いられた油圧式オートテンショナ、油圧アクチュエータおよび油圧制御装置の内燃機関運転時の内部構造を示す断面図である。
【図3】内燃機関停止時の同断面図である。
【図4】別の実施の形態に係る油圧式オートテンショナ、油圧アクチュエータおよび油圧制御装置の内燃機関運転時の内部構造を示す断面図である。
【図5】内燃機関停止時の同断面図である。
【図6】従来の油圧式オートテンショナの内部構造を示す断面図である。
【図7】別の状態の同油圧式オートテンショナの内部構造を示す断面図である。
【符号の説明】
1…内燃機関、2,3…補機、4…発電機兼用電動機、5…アイドラプーリ、6…ベルト、7…テンショナプーリ、8…支軸、9…L字状アーム、10…油圧式オートテンショナ、11,12…対向部材、13…オイル貯留室、14…油圧室、16…ピストン、17…シリンダ、18…連通路、19…第2逆止弁、20…リーク通路、21…第1逆止弁、22…スプリング、30…油圧アクチュエータ、31…シリンダ、32…ピストン、33…ピストンロッド、34…作動軸、35…圧縮スプリング、36…油圧室、37…連通路、40…油圧制御装置、41…本体ケーシング、42…油圧制御室、43…流出室、44…流入室、45…流出口、46…流入口、47…電磁ソレノイド、48…駆動ロッド、49…スプリング、50…制御弁、51…逆止弁、60…空圧アクチュエータ、61…中空本体、62…ダイアフラム、63…プランジャ、64…作動軸、65…圧縮スプリング、66…空圧室、67…連通路、70…空圧制御装置、71…本体ケーシング、72…空圧制御室、73…吸気室、74…排気室、75…吸気口、76…排気口、77…電磁ソレノイド、78…駆動ロッド、79…スプリング、80…制御弁、81…逆止弁。
Claims (5)
- 内燃機関の補機を無端伝動帯により駆動する駆動力伝達機構に用いられ互いに対向する一方の対向部材が固定され他方の対向部材が前記無端伝動帯に作用して該無端伝動帯の張力を調整する液圧式オートテンショナであって、
前記両対向部材を互いに離隔する方向に付勢する弾性部材と、
前記両対向部材のそれぞれに一体に設けられたピストンとシリンダの組合わせにより形成される液圧室と、
液が貯留される液貯留室と、
前記液圧室から前記液貯留室へ流出する液量を調整する減衰機構を備えたリーク通路とを備えた液圧式オートテンショナにおいて、
前記リーク通路に前記液貯留室から前記液圧室への液の流入を許し逆流は阻止する第1の逆止弁と、
前記第1の逆止弁に作用してその機能を停止させるアクチュエータと、
該液圧式オートテンショナと別体に設けられ前記アクチュエータを駆動制御する制御手段と、
を備えたことを特徴とする液圧式オートテンショナ。 - 前記液貯留室から前記液圧室への液の流入を許し逆流は阻止する第2の逆止弁を有した連通路を備えたことを特徴とする請求項1記載の液圧式オートテンショナ。
- 前記制御手段は、
内燃機関の非運転時に前記アクチュエータを非作動として前記第1の逆止弁の機能を働かせ、
内燃機関の運転時に前記アクチュエータを作動として前記第1の逆止弁の機能を停止させるよう制御することを特徴とする請求項1または請求項2記載の液圧式オートテンショナ。 - 前記アクチュエータが液圧アクチュエータであり、
前記制御手段が液圧により前記アクチュエータの作動を制御する液圧制御手段であり、
前記液圧制御手段は、
前記液圧アクチュエータの液圧室と連通し液圧源から液を流入する液注入口および内燃機関側液通路に液を流出する液流出口を備える液圧制御室と、
前記液注入口に設けられ液圧源からの液の流入のみを許容する第3の逆止弁と、
前記液流出口を開閉する制御弁と、
前記制御弁を駆動する電磁ソレノイドと、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項記載の液圧式オートテンショナ。 - 前記アクチュエータが空圧アクチュエータであり、
前記制御手段が空圧により前記アクチュエータの作動を制御する空圧制御手段であり、
前記空圧制御手段は、
前記空圧アクチュエータの空圧室と連通し負圧源に空気を排出する排気口および大気側から空気を吸入する吸気口を備える空圧制御室と、
前記排気口に設けられ負圧源への空気の排出のみを許容する第3の逆止弁と、
前記吸気口を開閉する制御弁と、
前記制御弁を駆動する電磁ソレノイドと、
を備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかの項記載の液圧式オートテンショナ。
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JP2002210038A JP2004052873A (ja) | 2002-07-18 | 2002-07-18 | 液圧式オートテンショナ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US9582729B2 (en) | 2012-11-30 | 2017-02-28 | General Electric Company | Image-based detection of the boundary between a first part and a second part |
-
2002
- 2002-07-18 JP JP2002210038A patent/JP2004052873A/ja not_active Withdrawn
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