JP2004052354A - 柱脚部の構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】構造が簡単で鋼管柱の下端部と柱脚金物とを確実に接合できて、施工上および設計上の信頼性を著しく向上させた柱脚部の構造を提供する。
【解決手段】コンクリートの基礎2に固定されるベース部1aと鋼管柱3の下端部に連結される立上り1bとで形成する。立上り部1bは鋼管柱3と同じ断面形状に形成し、かつ下端部分の径が前記鋼管柱の径より大きく、上方向になる程徐々に細く形成し、そして上端部分の径を鋼管柱3の径と同じに形成する。また、立上り部1bの上端部に嵌合部1dを形成し、嵌合部1dを鋼管柱3の下端部に圧入による締り嵌めによって接合する。
【選択図】 図1
【解決手段】コンクリートの基礎2に固定されるベース部1aと鋼管柱3の下端部に連結される立上り1bとで形成する。立上り部1bは鋼管柱3と同じ断面形状に形成し、かつ下端部分の径が前記鋼管柱の径より大きく、上方向になる程徐々に細く形成し、そして上端部分の径を鋼管柱3の径と同じに形成する。また、立上り部1bの上端部に嵌合部1dを形成し、嵌合部1dを鋼管柱3の下端部に圧入による締り嵌めによって接合する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は柱脚金物とその上に立設された鋼管柱とからなる柱脚部の構造に関し、主に道路標識、照明灯、旗竿などのスミポール(支柱)として設置される鋼管柱の柱脚部の構造に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
道路標識、照明灯、旗竿などのスミポール(支柱)として円形鋼管や角形鋼管が広く用いられ、一般にこの種の支柱はコンクリート基礎の上に設置された柱脚金物の上に立設されている。
【0003】
図7(a)〜(c)は、当出願人がこれまでに開発した柱脚部の構造の一例を示し、図示するように、柱脚金物20はコンクリート基礎21に固定されたベース部20aと支柱22に接合された立上り部20bとから一体的に形成されている。
【0004】
ベース部20aは矩形板状に形成され、各コーナ部に基礎21の上端部に突設されたアンカーボルト(図省略)を通すボルト孔20cが形成されている。立上り部20bは支柱22と同じ矩形中空断面形に形成され、下端部の径が一番大きく、上端方向に徐々に小径をなし、かつ上端部の径が支柱22と同じ径に形成されている。
【0005】
また、立上り部20bの上端部に支柱22の内径より小径の外径をなす嵌合部21dが形成されている。そして、この嵌合部21dを支柱22の下端部に挿入し、かつ支柱22の下縁端部と嵌合部21dの下端部とを支柱22の周方向に全周溶接することにより支柱22の下端部は柱脚金物20に剛接合されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、支柱22から柱脚金物20に作用する荷重は、溶接部のみを介して支柱22から柱脚金物20に伝えられるため、溶接の技量や天候などによって大きく左右される溶接の良否で柱脚部の強度が決定されることとなり、確かな設計がしにくく、施工上および設計上の信頼性に欠けるという課題があった。
【0007】
本願発明は以上の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で鋼管柱の下端部と柱脚金物とを確実に接合できて、施工上および設計上の信頼性を著しく向上させた柱脚部の構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の柱脚部の構造は、柱脚金物とその上に立設された鋼管柱とからなる柱脚部の構造において、前記柱脚金物は基礎に固定されたベース部と前記鋼管柱に接合された立上り部とから形成され、前記鋼管柱の下端部と前記立上り部の上端部とは締り嵌めによって接合されてなることを特徴とするものである。
【0009】
この場合の締り嵌めによる接合方法としては、立上り部の上端部に鋼管柱の内径と同径か、もしくはよりやや大きい径(鋼管柱の内径より1mm程度大)の嵌合部を形成し、この嵌合部を鋼管柱の下端部に圧入する方法、または前記鋼管柱の下端部を加熱膨張させて鋼管柱の下端部に圧入する焼き嵌め方法などを用いることができる。
【0010】
また、鋼管柱から柱脚金物に作用する荷重は、鋼管柱の内側面と嵌合部との間の摩擦力によって鋼管柱から柱脚金物に伝達される。したがって、柱脚部に作用する応力(軸力応力や曲げ応力)の大きさに応じて、嵌合部の長さを変更して嵌合部の外側面と鋼管柱内側面との摩擦面積(当接面積)を増減することにより、柱脚部の強度を最適に設計することができる。
【0011】
また、請求項2記載の柱脚部の構造は、請求項1記載の柱脚部の構造において、鋼管柱の下端部と立上り部の上端部とは圧入による締り嵌めによって接合されてなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の柱脚部の構造は、請求項1記載の柱脚部の構造において、鋼管柱の下端部と立上り部の上端部とは焼き嵌めによる締り嵌めによって接合されてなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4記載の柱脚部の構造は、請求項1〜3のいずれかに記載の柱脚部の構造において、立上り部の上端部に形成された嵌合部を鋼管柱の下端部に嵌合し、かつ前記鋼管柱の下縁端部と前記嵌合部の下縁端部とからなるレ型開先部を前記鋼管柱の周方向に連続溶接してなることを特徴とするものである。
【0014】
このような溶接を併用することで、接合部に作用する荷重を摩擦面部と溶接部の両方に分散させることができるため、施工上および設計上の信頼性をさらに向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本願発明の一例を示し、図において、柱脚金物1はコンクリート基礎2に固定されたベース部1aと鋼管柱3に接合された立上り部1bとから一体的に形成されている。
【0016】
ベース部1aは矩形板状または円形板状に形成され、外周部に基礎2の上端部に突設されたアンカーボルト4を通すためのボルト孔1cが形成されている。この場合のボルト孔1cは、矩形板状をなすベース部1aにあっては各コーナ部に形成され、円形板状をなすベース部1aにあっては円周方向に所定間隔おきに形成されている。
【0017】
立上り部1bは鋼管柱3と同じ断面形状の中空断面形に形成され、例えば鋼管柱3が円形断面形状をなす場合、立上り部1bも同じ円形の断面形に形成されている。
【0018】
また、図3と図4にそれぞれ図示するように、鋼管柱3の断面形状が矩形断面の場合、矩形断面形に、八角形断面の場合、八角形断面形にそれぞれ形成され、さらに六角形断面の場合には六角形断面形に形成されている。
【0019】
また、立上り部1bは下端部分の径が鋼管柱3のそれより大きく、上端方向になる程徐々に小径となるように形成され、上端部分は鋼管柱3と同じ径に形成されている。
【0020】
さらに、立上り部1bの上端部には鋼管柱3の下端部に挿入可能な嵌合部1dが形成され、嵌合部1dの下縁端部には鋼管柱3の下端部に挿入された際に、鋼管柱3の周方向に連続するレ形の開先部5が形成されるようにテーパ部1eが形成されている。
【0021】
また、立上り部1bの内側には上端側よりに水平補強リブ1eが周方向に連続して突設され、水平補強リブ1eは立上り部1bの高さに応じて、例えば図5(a),(b)に図示するように数段形成されていてもよい。
【0022】
また、水平補強リブ1eの代わりに、例えば図6(a),(b)に図示するように複数の縦補強リブ1fが立上り部1bの周方向に所定間隔に突設されていてもよい。
【0023】
このように、柱脚金物1の立上り部1bが鋼管柱3と同じ断面形状をなし、かつ下端部分の径が鋼管柱3のそれより大きく、上端方向になるにつれて徐々に細くなり、そして上端部分の径が鋼管柱3の径と同じに形成されていることで、すなわち鋼管柱3の柱脚部が、ベース部1aから鋼管柱3側へと裁頭円錐形状に連続的に変化する一体化構造をなしていることで、溶接不良や応力集中を起こしにくく、強度的にきわめてすぐれた鋼管柱3の柱脚部を形成することができる。
【0024】
また、きわめて簡単な形状をなしているので、鋳造などによる方法で簡単に量産、製作コストの低減が図れる。
【0025】
また、柱脚部の外側にリブプレート等の補剛材が突設されていないので、道路わきや公園などに立設される街灯用ポール等の柱脚金物として使用したとしても、歩行の妨げになることもない。
【0026】
また、上下方向に貫通する中空をなしているので、鋼管柱3の中に電力線や電話線などのケーブル類、さらにはパイプ等も設置できる。
【0027】
さらに、立上り部1bの内側に複数の水平補強リブ1eや縦リブ1fが突設されていることにより、剛性を著しく高めることができ、またその分薄くして軽量化も図れる。
【0028】
また、立上り部1bと水平補強リブ1eとのコーナ部、立上り部1bと縦リブ1eとのコーナ部にアール(凹曲面)を付けることで応力集中を避けることができる。
【0029】
なお、ベース部1aの径、および立上り部1bの高さと径は柱脚部に作用する曲げ応力、せん断力、軸力、さらには鋼管柱3とのバランス等を参酌して適宜決められている。また、ベース部1aと立上り部1bは鍛造または鋳造などによって一体的に形成されてもよく、またそれぞれを別々に形成した後、溶接して一体化してもよい。
【0030】
このように形成された柱脚金物1の立上り1bは鋼管柱3の下端部に圧入または焼き嵌めによる締り嵌めにより接合されている。また、開先部5が鋼管柱3の周方向に連続して溶接されている。こうして、柱脚金物1に鋼管柱3の下端部が一体的に取り付けられている。
【0031】
また、ベース部1aは基礎2の上にボルト孔1cを貫通する複数のアンカーボルト4とこのアンカーボルト4に螺合される固定ナット6によって固定されている。
【0032】
【発明の効果】
本願発明は以上説明したとおりであり、特に鋼管柱の下端部に柱脚金物の立上り部を鋼管柱の下端部に締り嵌め、圧入による締り嵌め、または焼き嵌めによる締り嵌めによって接合されてなるので、接合部に作用する荷重を接合部(立上り部の嵌合部と鋼管柱との当接面)に分散させることができ、さらに鋼管柱の下縁端部と前記嵌合部の下縁端部とからなるレ型開先部を溶接することにより、接合部に作用する荷重を接合部と溶接部の両方に分散させることができ、これにより構造が簡単で鋼管柱の下端部と柱脚金物とを確実に接合できて、施工上および設計上の信頼性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図2】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図3】角形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図4】角形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図5】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図6】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図7】従来の鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【符号の説明】
1 柱脚金物
1a ベース部
1b 立上り部
1c ボルト孔
1d 嵌合部
1e 水平補強リブ
1f 縦リブ
2 コンクリート基礎
3 鋼管柱
4 アンカーボルト
5 開先部
6 固定ナット
【発明の属する技術分野】
本願発明は柱脚金物とその上に立設された鋼管柱とからなる柱脚部の構造に関し、主に道路標識、照明灯、旗竿などのスミポール(支柱)として設置される鋼管柱の柱脚部の構造に用いられる。
【0002】
【従来の技術】
道路標識、照明灯、旗竿などのスミポール(支柱)として円形鋼管や角形鋼管が広く用いられ、一般にこの種の支柱はコンクリート基礎の上に設置された柱脚金物の上に立設されている。
【0003】
図7(a)〜(c)は、当出願人がこれまでに開発した柱脚部の構造の一例を示し、図示するように、柱脚金物20はコンクリート基礎21に固定されたベース部20aと支柱22に接合された立上り部20bとから一体的に形成されている。
【0004】
ベース部20aは矩形板状に形成され、各コーナ部に基礎21の上端部に突設されたアンカーボルト(図省略)を通すボルト孔20cが形成されている。立上り部20bは支柱22と同じ矩形中空断面形に形成され、下端部の径が一番大きく、上端方向に徐々に小径をなし、かつ上端部の径が支柱22と同じ径に形成されている。
【0005】
また、立上り部20bの上端部に支柱22の内径より小径の外径をなす嵌合部21dが形成されている。そして、この嵌合部21dを支柱22の下端部に挿入し、かつ支柱22の下縁端部と嵌合部21dの下端部とを支柱22の周方向に全周溶接することにより支柱22の下端部は柱脚金物20に剛接合されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、支柱22から柱脚金物20に作用する荷重は、溶接部のみを介して支柱22から柱脚金物20に伝えられるため、溶接の技量や天候などによって大きく左右される溶接の良否で柱脚部の強度が決定されることとなり、確かな設計がしにくく、施工上および設計上の信頼性に欠けるという課題があった。
【0007】
本願発明は以上の課題を解決するためになされたもので、構造が簡単で鋼管柱の下端部と柱脚金物とを確実に接合できて、施工上および設計上の信頼性を著しく向上させた柱脚部の構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の柱脚部の構造は、柱脚金物とその上に立設された鋼管柱とからなる柱脚部の構造において、前記柱脚金物は基礎に固定されたベース部と前記鋼管柱に接合された立上り部とから形成され、前記鋼管柱の下端部と前記立上り部の上端部とは締り嵌めによって接合されてなることを特徴とするものである。
【0009】
この場合の締り嵌めによる接合方法としては、立上り部の上端部に鋼管柱の内径と同径か、もしくはよりやや大きい径(鋼管柱の内径より1mm程度大)の嵌合部を形成し、この嵌合部を鋼管柱の下端部に圧入する方法、または前記鋼管柱の下端部を加熱膨張させて鋼管柱の下端部に圧入する焼き嵌め方法などを用いることができる。
【0010】
また、鋼管柱から柱脚金物に作用する荷重は、鋼管柱の内側面と嵌合部との間の摩擦力によって鋼管柱から柱脚金物に伝達される。したがって、柱脚部に作用する応力(軸力応力や曲げ応力)の大きさに応じて、嵌合部の長さを変更して嵌合部の外側面と鋼管柱内側面との摩擦面積(当接面積)を増減することにより、柱脚部の強度を最適に設計することができる。
【0011】
また、請求項2記載の柱脚部の構造は、請求項1記載の柱脚部の構造において、鋼管柱の下端部と立上り部の上端部とは圧入による締り嵌めによって接合されてなることを特徴とするものである。
【0012】
請求項3記載の柱脚部の構造は、請求項1記載の柱脚部の構造において、鋼管柱の下端部と立上り部の上端部とは焼き嵌めによる締り嵌めによって接合されてなることを特徴とするものである。
【0013】
請求項4記載の柱脚部の構造は、請求項1〜3のいずれかに記載の柱脚部の構造において、立上り部の上端部に形成された嵌合部を鋼管柱の下端部に嵌合し、かつ前記鋼管柱の下縁端部と前記嵌合部の下縁端部とからなるレ型開先部を前記鋼管柱の周方向に連続溶接してなることを特徴とするものである。
【0014】
このような溶接を併用することで、接合部に作用する荷重を摩擦面部と溶接部の両方に分散させることができるため、施工上および設計上の信頼性をさらに向上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本願発明の一例を示し、図において、柱脚金物1はコンクリート基礎2に固定されたベース部1aと鋼管柱3に接合された立上り部1bとから一体的に形成されている。
【0016】
ベース部1aは矩形板状または円形板状に形成され、外周部に基礎2の上端部に突設されたアンカーボルト4を通すためのボルト孔1cが形成されている。この場合のボルト孔1cは、矩形板状をなすベース部1aにあっては各コーナ部に形成され、円形板状をなすベース部1aにあっては円周方向に所定間隔おきに形成されている。
【0017】
立上り部1bは鋼管柱3と同じ断面形状の中空断面形に形成され、例えば鋼管柱3が円形断面形状をなす場合、立上り部1bも同じ円形の断面形に形成されている。
【0018】
また、図3と図4にそれぞれ図示するように、鋼管柱3の断面形状が矩形断面の場合、矩形断面形に、八角形断面の場合、八角形断面形にそれぞれ形成され、さらに六角形断面の場合には六角形断面形に形成されている。
【0019】
また、立上り部1bは下端部分の径が鋼管柱3のそれより大きく、上端方向になる程徐々に小径となるように形成され、上端部分は鋼管柱3と同じ径に形成されている。
【0020】
さらに、立上り部1bの上端部には鋼管柱3の下端部に挿入可能な嵌合部1dが形成され、嵌合部1dの下縁端部には鋼管柱3の下端部に挿入された際に、鋼管柱3の周方向に連続するレ形の開先部5が形成されるようにテーパ部1eが形成されている。
【0021】
また、立上り部1bの内側には上端側よりに水平補強リブ1eが周方向に連続して突設され、水平補強リブ1eは立上り部1bの高さに応じて、例えば図5(a),(b)に図示するように数段形成されていてもよい。
【0022】
また、水平補強リブ1eの代わりに、例えば図6(a),(b)に図示するように複数の縦補強リブ1fが立上り部1bの周方向に所定間隔に突設されていてもよい。
【0023】
このように、柱脚金物1の立上り部1bが鋼管柱3と同じ断面形状をなし、かつ下端部分の径が鋼管柱3のそれより大きく、上端方向になるにつれて徐々に細くなり、そして上端部分の径が鋼管柱3の径と同じに形成されていることで、すなわち鋼管柱3の柱脚部が、ベース部1aから鋼管柱3側へと裁頭円錐形状に連続的に変化する一体化構造をなしていることで、溶接不良や応力集中を起こしにくく、強度的にきわめてすぐれた鋼管柱3の柱脚部を形成することができる。
【0024】
また、きわめて簡単な形状をなしているので、鋳造などによる方法で簡単に量産、製作コストの低減が図れる。
【0025】
また、柱脚部の外側にリブプレート等の補剛材が突設されていないので、道路わきや公園などに立設される街灯用ポール等の柱脚金物として使用したとしても、歩行の妨げになることもない。
【0026】
また、上下方向に貫通する中空をなしているので、鋼管柱3の中に電力線や電話線などのケーブル類、さらにはパイプ等も設置できる。
【0027】
さらに、立上り部1bの内側に複数の水平補強リブ1eや縦リブ1fが突設されていることにより、剛性を著しく高めることができ、またその分薄くして軽量化も図れる。
【0028】
また、立上り部1bと水平補強リブ1eとのコーナ部、立上り部1bと縦リブ1eとのコーナ部にアール(凹曲面)を付けることで応力集中を避けることができる。
【0029】
なお、ベース部1aの径、および立上り部1bの高さと径は柱脚部に作用する曲げ応力、せん断力、軸力、さらには鋼管柱3とのバランス等を参酌して適宜決められている。また、ベース部1aと立上り部1bは鍛造または鋳造などによって一体的に形成されてもよく、またそれぞれを別々に形成した後、溶接して一体化してもよい。
【0030】
このように形成された柱脚金物1の立上り1bは鋼管柱3の下端部に圧入または焼き嵌めによる締り嵌めにより接合されている。また、開先部5が鋼管柱3の周方向に連続して溶接されている。こうして、柱脚金物1に鋼管柱3の下端部が一体的に取り付けられている。
【0031】
また、ベース部1aは基礎2の上にボルト孔1cを貫通する複数のアンカーボルト4とこのアンカーボルト4に螺合される固定ナット6によって固定されている。
【0032】
【発明の効果】
本願発明は以上説明したとおりであり、特に鋼管柱の下端部に柱脚金物の立上り部を鋼管柱の下端部に締り嵌め、圧入による締り嵌め、または焼き嵌めによる締り嵌めによって接合されてなるので、接合部に作用する荷重を接合部(立上り部の嵌合部と鋼管柱との当接面)に分散させることができ、さらに鋼管柱の下縁端部と前記嵌合部の下縁端部とからなるレ型開先部を溶接することにより、接合部に作用する荷重を接合部と溶接部の両方に分散させることができ、これにより構造が簡単で鋼管柱の下端部と柱脚金物とを確実に接合できて、施工上および設計上の信頼性を著しく向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図2】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図3】角形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図4】角形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図5】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図6】円形鋼管からなる鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【図7】従来の鋼管柱の柱脚部を示し、(a)は横断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)におけるA部拡大図である。
【符号の説明】
1 柱脚金物
1a ベース部
1b 立上り部
1c ボルト孔
1d 嵌合部
1e 水平補強リブ
1f 縦リブ
2 コンクリート基礎
3 鋼管柱
4 アンカーボルト
5 開先部
6 固定ナット
Claims (4)
- 柱脚金物とその上に立設された鋼管柱とからなる柱脚部の構造において、前記柱脚金物は基礎に固定されたベース部と前記鋼管柱に接合された立上り部とから形成され、前記鋼管柱の下端部と前記立上り部の上端部は締り嵌めによって接合されてなることを特徴とする柱脚部の構造。
- 鋼管柱の下端部と立上り部の上端部は圧入による締り嵌めによって接合されてなることを特徴とする請求項1記載の柱脚部の構造。
- 鋼管柱の下端部と立上り部の上端部は焼き嵌めによる締り嵌めによって接合されてなることを特徴とする請求項1記載の柱脚部の構造。
- 立上り部の上端部に形成された嵌合部を鋼管柱の下端部に嵌合し、かつ前記鋼管柱の下縁端部と前記嵌合部の下端部とから形成されたレ型開先部を前記鋼管柱の周方向に連続溶接してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の柱脚部の構造。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN114508202A (zh) * | 2022-02-28 | 2022-05-17 | 北京建筑大学 | 一种全螺栓装配式的柱脚连接节点及其安装方法 |
JP7271819B1 (ja) | 2022-03-24 | 2023-05-12 | S.K.T.株式会社 | 柱状構造物の交換方法 |
Citations (4)
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