JP2004051542A - 美白化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム及び酸化亜鉛を含有する美白化粧料。更に、有機酸及び/又はその塩を含有する美白化粧料。更に、水素イオン指数(pH)が、7〜10である美白化粧料。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムと酸化亜鉛を含有するにより、保存安定性に優れ、かつ、皮膚のくすみ、シミ、ソバカス又は老人性色素斑及び肝斑等の色素沈着の改善である美白効果に優れ、さらに、色素沈着を十分に予防する効果を兼ね備えた美白化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、化粧水、乳液、クリーム、美容液、パック、洗浄料、分散液、軟膏、液剤、エアゾール、貼付剤等の美白化粧料には、日焼け等により生じる皮膚の黒化、色素沈着により生ずるシミ、ソバカス等を改善又は予防を目的としてL−アスコルビン酸が有用とされている。
【0003】
L−アスコルビン酸は比較的容易に酸化および加水分解されるため、そのまま化粧料に配合しても、容易に分解され、黄褐色に変色して化粧料の外観を損なうとともに、シミ、ソバカス等を改善又は予防するという美白効果が期待できない。そこで化粧料にはこれに化学修飾を施した各種誘導体が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムは、L−アスコルビン酸の保存安定性を向上させる目的で開発された誘導体である。しかしながら、これを配合した化粧料においても、長期に保存した場合にはやはり分解に伴う黄変および変臭が生じ、化粧料としての安定性は充分とは言えず、また、美白効果の面からしてもその有用性が低下し、改善が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムと、酸化亜鉛を共存させることにより、長期保存安定性に優れ、かつ高い美白効果を発揮できることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、次の成分(A)及び(B);
(A)L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム
(B)酸化亜鉛
を含有する美白化粧料である。更に、成分(C)有機酸及び/又はその塩を含有する美白化粧料である。更に、水素イオン指数(pH)が、7〜10である美白化粧料である。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について詳述する。
本発明に用いられる成分(A)のL−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムは公知の物質であり、美白効果を付与する目的で含有されるものである。本発明の美白化粧料におけるL−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの含有量は、特に限定されるものではないが、優れた美白効果を得るためには、0.001〜20質量%(以下単に「%」で示す)が好ましく、0.05〜10%がより好ましい。
【0008】
本発明に用いられる成分(B)の酸化亜鉛は、成分(A)のL−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの保存安定性を向上する目的で含有されるものである。成分(B)の酸化亜鉛は、天然から採掘された天然品でも、工業的に金属亜鉛を強熱して酸化、あるいは炭酸亜鉛を熱分解するなどして製造した工業品であっても良く、その製造方法は特に限定されるものではない。また成分(B)の酸化亜鉛は、微粒子状でも顔料級のいずれでもかまわない。本発明の美白化粧料における酸化亜鉛の含有量は、特に限定されるものではないが、優れた安定化効果を得るためには、0.001〜20%が好ましく、0.005〜10%がより好ましい。
【0009】
本発明の美白化粧料は、更なる保存安定性向上を目的に、成分(C)有機酸及び/又はその塩を含有することも可能である。成分(C)有機酸及び/又はその塩は、成分(A)のL−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの保存安定性を更に向上させることができる。本発明に用いられる有機酸及び/又はその塩は、化粧品に使用されるものであれば特に限定されないが、具体的には、乳酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、ピロリドンカルボン酸および、これらのナトリウム塩、カリウム塩が挙げられる。これらの中でも、リンゴ酸、クエン酸、乳酸および、これらのナトリウム塩がより好ましい。これらは、一種又は二種以上を適宜選択して使用することができる。成分(C)有機酸及び/又はその塩の含有量は特に限定されるものではないが、優れた保存安定性向上効果を得るには、0.01〜10%がより好ましい。
【0010】
本発明の美白化粧料は、更なる保存安定性向上を目的に、美白化粧料の水素イオン指数(以下「pH」と示す)を7〜10にすることも可能である。pHを7〜10にすることにより、成分(A)のL−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの保存安定性を著しく向上させることができる。pHの測定は、美白化粧料自体でも、美白化粧料を精製水で希釈分散したものでも構わない。また更に優れた保存安定性向上効果を得るには、pHが7.5〜9であることがより好ましい。
【0011】
本発明の美白化粧料には、上記成分の他に通常化粧品や医薬部外品、医薬品等に用いられる各種任意成分を必要に応じて適宜配合することができる。このような任意成分としては、例えば、水、エタノール、保湿剤、油性成分、乳化剤、乳化安定剤、増粘剤、防腐剤、粉体、顔料、色素、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、香料、薬効成分等が挙げられる。
【0012】
本発明の美白化粧料は、常法に従って製造することができる。また、本発明の美白化粧料は、一般の皮膚化粧料に限定されるものではなく、医薬部外品、医薬品等、皮膚外用剤全般を包含するものであり、その剤型も特に限定されず、目的に応じて選択することができる。例えば、乳化剤型、パウダー剤型、スティック剤型、分散液、軟膏、液剤、エアゾール剤型、貼付剤などが挙げられ、具体的には、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック、洗浄料、メーキャップ化粧料などに使用することができる。
【0013】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら制約されるものではない。
【0014】
実施例1〜5及び比較例1〜3:クリーム
表1に示す組成を下記製法にてクリームを調製した。得られたクリームについて、下記保存安定性試験(L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの残存率、外観、臭い)、美白効果試験を行った。その結果を併せて表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、加熱して70℃に保つ。
B.成分(7)〜(13)を加熱して70℃に保つ。
C.AにBを加え乳化した後、冷却してクリームを得た。
【0017】
保存安定性試験(L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの残存率)
表1に示す各試料を50℃の恒温槽に1ヶ月間保存した後、高速液体クロマトグラフィーにより、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの残存量を定量した。結果はサンプル作製時に配合した量に対する残存量を百分率にて表した。
【0018】
保存安定性試験(外観、臭い)
表1に示す各試料をそれぞれ2つずつ同一のガラス容器に詰め、片方を5℃の恒温槽に、もう片方を40℃の恒温槽に、それぞれ6ヶ月間保存した後、両サンプルの経時による外観色ならびに臭いの変化を比較した。評価は、5℃保存のサンプルを基準とし、これに対して40℃保存のサンプルを比較し、次の(イ)3段階判定基準により、判定した。
【0019】
【0020】
紫外線(UV−B)照射により惹起される色素沈着に対する美白効果試験
21名の被験者の上腕内側部の近接する8ヶ所に、1日1回、最小紅斑量の2倍量の紫外線(UV−B波長領域)を照射し、これを3日間にわたって繰り返して色素沈着を惹起させた。この8ヶ所の紫外線照射部位に対し、表1に示す各試料を、1ヶ月間45℃の恒温槽に保存したものをサンプルとし、1日2回、1ヶ月間の連続塗布を行なうことにより、美白効果を調べた。評価は、分光色差計(ミノルタ社製)を用いて測色を行ない、1ヶ月後に改善してきた際の明度値(L*1)から、最も色素沈着の進んだ日の明度値(L*2)を差し引いた値(L*1−L*2)を求め、21名の平均値(Δ(L*1−L*2))を算出した後、次の(ロ)5段階判定基準により美白効果を判定した。(判定5が美白効果が最も高く、判定1が最も悪い)
【0021】
【0022】
表1の結果より、実施例1〜5のクリームは、経時による変色、変臭が少なく、更にL−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの残存率も90%以上であり、優れた保存安定性を有し、かつ、色素沈着の改善である美白効果にも優れたものであった。
【0023】
【0024】
(製法)
A.成分(12)〜(19)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(11)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(20)〜(22)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0025】
実施例6は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH8.2の乳液であった。
【0026】
【0027】
(製法)
A.成分(11)〜(21)を加熱混合し、70℃に保つ。
B.成分(1)〜(10)を加熱混合し、70℃に保つ。
C.AにBを加えて混合し、均一に乳化する。
D.Cを冷却後(22)〜(24)を加え、均一に混合して乳液を得た。
【0028】
実施例7は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH7.9の乳液であった。
【0029】
【0030】
(製法)
A.成分(6)〜(11)を加熱混合し、75℃に保つ。
B.成分(1)〜(5)を加熱混合し、75℃に保つ。
C.AをBに徐々に加え、軟膏を得た。
【0031】
実施例8は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH9.0の軟膏であった。
【0032】
【0033】
(製法)
A.成分(1)〜(3)を加熱混合したのち冷却する。
B.成分(4)〜(11)を加え、美容液を得た。
【0034】
実施例9は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH7.8の美容液であった。
【0035】
【0036】
(製法)
A.成分(1)〜(6)を混合し、70℃に加熱して溶解する。
B.成分(7)及び(8)を混合し溶解する。
C.Bを先のAに加え、混合した後、冷却して成分(9)〜(14)を均一に分散してパックを得た。
【0037】
実施例10は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH8.8のパックであった。
【0038】
【0039】
(製法)
A.成分(1)〜(7)を加熱し混合溶解する。
B.Aに成分(13)〜(18)を加え、均一に混合し、70℃に保つ。
C.成分(8)〜(12)を均一に溶解し、70℃に保つ。
D.CにBを添加して、均一に乳化する。
E.Dを冷却後、成分(19)〜(22)を添加してリキッドファンデーションを得た。
【0040】
実施例11は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH8.2のリキッドファンデーションであった。
【0041】
【0042】
(製法)
A.成分(1)〜(11)を混合分散する。
B.成分(12)〜(15)を混合溶解する。
C.AにBを添加して、均一に乳化する。
D.Cに成分(16)〜(20)を添加して日焼け止め乳液を得た。
【0043】
実施例12は、保存安定性試験(6ヶ月)においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムがほとんど分解されずに安定であり、優れた美白効果を発揮する、pH8.0の日焼け止め乳液であった。
【0044】
【発明の効果】
以上の如く、本発明の美白化粧料は、長期保存においても、変色変臭がなく、かつ、L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウムの保存安定性が良好であり、優れた美白効果を発揮することのできるものである。
Claims (3)
- 次の成分(A)及び(B);
(A)L−アスコルビン酸−2−リン酸ナトリウム
(B)酸化亜鉛
を含有することを特徴とする美白化粧料。 - 更に成分(C)有機酸及び/又はその塩を含有することを特徴とする請求項1記載の美白化粧料。
- 水素イオン指数(pH)が、7〜10であることを特徴とする請求項1または2記載の美白化粧料。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002211086A JP2004051542A (ja) | 2002-07-19 | 2002-07-19 | 美白化粧料 |
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JP2004051542A true JP2004051542A (ja) | 2004-02-19 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2015030712A (ja) * | 2013-08-06 | 2015-02-16 | 日本メナード化粧品株式会社 | 乳化型粉末化粧料 |
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2002
- 2002-07-19 JP JP2002211086A patent/JP2004051542A/ja active Pending
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