JP2004050608A - エポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤および硬化促進剤を必須成分として配合したエポキシ樹脂成形材料を、押出機に供給して加熱、混練して可塑化する工程と、押出機先端に取り付けられ、所定のタブレット断面形状と同一の開口形状を有する温度制御されたダイスから、前記可塑化した成形材料を連続的に押し出す工程と、前記押し出した成形材料を所定のタブレット長に切断する工程とを含むエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエポキシ樹脂成形材料の製造方法、特にマルチプランジャー方式のトランスファーモールド装置を使用して成形されるエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法に関わるものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子を外部環境から保護し、基板への実装を容易にすることを目的として、熱硬化性樹脂を用いて樹脂封止する方法が広く採用されている。特に封止用樹脂としてエポキシ樹脂を使用したトランスファーモールド法は経済性と生産性に優れており、大量生産に好適であることから、樹脂封止の主流となっている。
樹脂封止に使用されるエポキシ樹脂成形材料の製造方法は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、離型剤、難燃助剤、硬化促進剤および着色剤等の粉末状の各種原材料を所定量秤量し、ヘンシェルミキサ或いはレディゲミキサ等を用いて混合した後、加熱ロール、連続ニーダ或いは押出機により混練し、シート状に引き伸ばして冷却、粉砕するものであり、これによって粉粒状のいわゆるパウダが得られる。さらにパウダはタブレット成形機を用いて、顧客の要求に応じた重量および寸法を有する円柱状のエポキシ樹脂成形材料タブレット(以下、タブレットという。)に打錠成形された後、トランスファーモールドに使用されるのが一般的である。
【0003】
パウダを打錠成形するタブレットの製造方法は、タブレット成形機を使用して、一組の臼と杵の中に所定重量のパウダを供給し、機械的圧縮力により加圧成形・打錠している。通常、加圧力はタブレット表面より内部に向って伝わるため、タブレット表面は緻密なものとなるが、中心部は密度が低下したものとなってしまう。密度が低下した部分にはパウダ中に含まれていた空気が封じ込められており、この空気がトランスファーモールド時にパッケージ内に流れ込むとボイドが発生する原因となり、半導体装置の不良につながる。タブレットの直径や高さが大きくなると中心部の低密度化は著しくなるため、この傾向はより強いものとなる。
【0004】
一方、近年の半導体装置の製造においては半導体装置のコストダウンと製造効率の向上が求められており、半導体封止用のエポキシ樹脂成形材料タブレットのコスト低減やエポキシ樹脂利用効率の向上、リードフレームの高密度化等が要求されている。このためタブレット直径の小さな、いわゆるミニタブレットを使用するマルチプランジャー方式のトランスファーモールドが一般的となっている。さらに最近ではエポキシ樹脂の利用効率向上とリードフレームの高密度化を追求した結果、従来のミニタブレットにはなかったφ9mm以下の小径タブレットの要求がある。これらの小径タブレットは所定のタブレット重量を確保するため、従来のタブレットに比較してタブレット高さがより高いものが必要となるが、通常のタブレット成形機を用いた打錠成形法では成形が困難であった。すなわちタブレットの直径がφ9mm以下となると杵の直径も小さくなり、機械的強度が低下するためタブレット成形機の杵が折れることがあり、対策としてタブレット打錠時の加圧力を低下させるとともに、タブレット成形機の生産性を極端に落とした状態で打錠成形しなければならなかった。
【0005】
これらの問題点を解決するものとして、特開昭56−42617号、特開平3−5103号、特開平4−71809号、特開平6−104301号及び特開平7−205144号の各公報に示される連続ニーダ或いは押出機から混練した可塑化状態で押し出した後、冷却用の金型に充填して加圧成形、冷却してタブレットを製造する方法が知られている。この製造法によれば、溶融して混練したエポキシ樹脂成形材料を可塑化状態で押し出し、これをタブレット成形用金型に充填して加圧、冷却するため、ボイドの少ない高密度のタブレットが成形できる。可塑化状態の材料は不定形であり、冷却することにより固形化してタブレットの形状を賦型する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、押出機から冷却用の金型に充填する際、可塑化したエポキシ樹脂成形材料を計量するために連続した押出し状態を止めて間欠的な押出しを必要とする場合があり、押出機シリンダ内の可塑化したエポキシ樹脂成形材料の流動が定常的ではなくなり、押出機が過負荷となって停止しまうことがあった。
また、シリンダ内壁面に付着していたいわゆるゲル層、すなわち熱履歴を受けて硬化反応が進行した部分が剥離してタブレット中に混入し、これを用いてトランスファーモールドを行うと、ゲル化した粒子がゲート部を通過できずにゲート詰まりを起こし、未充填等の特性不良となったりすることがあった。
さらに、押出機と冷却用金型の間に可塑化したエポキシ樹脂が流動するためのランナー部分を設けるようにしたものにおいては、ランナー部分で冷却が進むと粘度が増加して押出し抵抗が極端に増加してしまい、押出しが不可となるばかりでなく、ランナー部分のエポキシ樹脂成形材料は廃棄されることになるため歩留りの低下につながる。
また、可塑化したエポキシ樹脂成形材料を金型で冷却する時、さらには金型から取り出す場合において、タブレットの直径がφ7mm以下となると、安定的に杵で押し出すことができない。すなわち杵の直径が小さいため機械的強度が不足して折れてしまうという問題点があった。
【0007】
そこで本発明の目的は、上記問題点に鑑み、押出機を使用して加熱・混練し可塑化したエポキシ樹脂成形材料から、ボイドの極めて少ない小径のタブレットを効率よく製造することのできる技術を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤および硬化促進剤を必須成分として配合したエポキシ樹脂成形材料を、押出機に供給して加熱、混練して可塑化する工程と、
押出機先端に取り付けられ、所定のタブレット断面形状と同一の開口形状を有する温度制御されたダイスから、前記可塑化した成形材料を連続的に押し出す工程と、
前記押し出した成形材料を所定のタブレット長に切断する工程とを含むエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法に関する。
【0009】
また、前記ダイスの開口形状が円形である場合は、φ18mm未満であることが好ましく、φ1.5〜13mmであることがより好ましい。ダイスの開口形状が矩形である場合は、長辺20mm以下、短辺9mm以下であることが好ましい。
【0010】
さらに、前記押し出した成形材料の断面形状が、所定のタブレットの断面形状と同一であるのが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、図に沿って本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の実施形態の一例における押出機の縦断面図を示したものである。すなわち、エポキシ樹脂成形材料の各成分を配合して混合した原材料粉末1を投入するホッパー2と、原材料粉末1を定量的に押出機本体に供給する定量供給機3と、押出機の先端に取り付けられ、所定のタブレット断面と同形状の開口を有しかつ温度制御されたダイス5とを有する。さらに、押出機には、シリンダ43を介して原材料粉末を加熱するためのヒータ41が取り付けられており、シリンダ43および投入側のシリンダ43a内には、原材料粉末1を押し出し、また加熱により溶融した原材料粉末1を押し出しながら混練するスクリュ部42が組み込まれている。また、押出機にはダイス5の温度を制御するための温度調節器51が接続されている。
【0012】
成形材料の原材料粉末1は、ホッパー2から、投入側シリンダ43aを経て、押出機内のシリンダ43内で加熱及び混練により溶融状態に可塑化される。前記可塑化された前記成形材料は、ダイス5の開口から連続的に押し出されて押出し材6となる。押出し材6を冷却後、所定のタブレット長、言い替えれば所定のタブレット高さ、に切断してタブレットが得られる。
【0013】
本発明において、押出機先端に取り付けたダイス5の開口形状は、所定のタブレット断面形状と同一の開口形状である。また、開口形状が円形である丸ダイの場合、開口形状の寸法(以下、開口寸法という。)はφ18mm未満が好ましく、φ1.5〜φ13mmの範囲がより好ましい。さらに好ましくはφ4〜φ10mmの範囲である。開口形状が矩形であるTダイの場合の開口寸法は20mm×9mm以下が好ましい。開口形状は、その寸法を含めて、タブレット形状に合わせて適宜選択される。なお、矩形形状の時、ダイスの開口の四隅はR加工を施しておくと、押出し材の表面を滑らかにできるため、好ましい。
【0014】
ダイス5の開口寸法が大きくなるにつれて、例えば丸ダイの場合は、開口から押し出した押出し材6の径すなわちタブレット径も大きくなり、φ13mmを超えるような場合には押出し材6の冷却が問題となる場合がある。すなわち押出機から押し出された状態では押出し材6の温度は少なくとも40℃以上になっており、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂成形材料はそのままでは硬化反応が進行してしまい要求される流動性が低下するため、要求特性値を満足できない恐れがある。
しかしながらダイス5の開口寸法がφ13mm以下であれば冷却に関して全く問題ない。すなわち冷却は押出し材6またはタブレットの表面から進むため押出し材6またはタブレットの半径方向に熱履歴の違いがあり、中心部ほど硬化反応は進んでしまっている。一方、この押出し材6を切断して作製したタブレットをモールドする場合、タブレットをモールド機のポットに投入し、加熱、溶融させて流動可能な状態にすることになるが、この時にはタブレット表面から加熱されて硬化反応が進行していく。したがってタブレットの受ける熱履歴はタブレットの半径方向に分布が生じているものの、開口寸法がφ13mm以下のダイス5から得られたタブレットであれば問題とはならない。Tダイの場合の開口寸法の上限についても、同様である。
【0015】
開口寸法の下限については、丸ダイの場合、φ1.5mmより細いと、ダイ通過時の圧力損失が大きくなると共に材料が目詰まりすることが多くなり、好ましいものではない。また、Tダイの場合、特に下限は設ける必要はないが、扁平な断面形状を持つ場合にはタブレットが折れやすくなるなど、ハンドリングが難しくなるので注意が必要である。
【0016】
本発明によれば、タブレット冷却用の金型が不要となり、なお且つ連続的に押出し材を得られるようになるため、ボイドが少なく、極めて小径で、かつタブレット高さの高い半導体封止用成形材料タブレットでも効率良く製造することが可能である。
また、本発明では、エポキシ樹脂の組成により異なるものの、成形材料温度の適正化を図って押し出すことにより、押し出した成形材料の断面形状が、所定のタブレットの断面形状と同一であるように、すなわち前記ダイスの開口形状と同様に、押し出すことができる。
さらに、本発明によれば、真密度に近い押出し材を安定して連続的に得ることができ、圧縮率に換算すると94〜100%の範囲内とすることができる。なお、従来からのタブレット成形機を使用した打錠成形において得られるタブレットの圧縮率は90〜95%程度のものである。圧縮率は換言すればタブレット中のボイドの体積を表しており、圧縮率が高ければタブレット中のボイドが少ないといえる。ボイドの低減(圧縮率の向上)は、例えば成形材料温度をさらに適正化すること、また、ダイスの開口形状やタブレットの高さを小さくすること等により実現できる。
【0017】
成形材料温度の適正化は、目的とするタブレットの形状及び組成により、適宜選択され、具体的には、押出機の運転条件の調整により行うことができる。
該運転条件は、例えばスクリュ回転数は10〜200rpmで操作するのが好ましく、より好ましくは20〜120rpm、さらに好ましくは40〜80rpmである。
また、ヒータ41によりシリンダ43の設定温度は、60〜140℃で操作するのが好ましく、より好ましくは80〜120℃である。シリンダ温度については、配合を終えた原材料粉末を投入する投入側シリンダ43aを、図1には図示しないが、水冷ジャケット等の冷却装置により冷却するのが好ましい。これは投入した原料配合粉が投入側シリンダ入り口で溶融して投入口を閉塞させるのを防止するためである。
ダイス温度は、温度調節器51により30〜90℃で操作するのが好ましく、40〜90℃の範囲で操作するのがより好ましい。ダイスの温度設定は、押出し成形したタブレットの直径がその許容値を満たし、かつタブレットの外観が滑らかになるように調節することが必要である。図1に示すように、ダイス部分を2個以上に分割を行い、それぞれ温度設定可能とすれば温度調節が容易になる。なお、押出し成形したタブレット直径の許容値は、適宜規定されるが、本発明が適用されるような小径タブレットの場合には、直径±0.2mm以内とするのが好ましい。
【0018】
【実施例】
次に実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
図1に示す構造を有する同方向回転2軸押出機を用意した。すなわち、原材料粉末1を投入するホッパー2と、定量供給機3と、押出機本体の先端に取り付けられた、開口を有する温度制御可能なダイス5とを有する押出機である。また、ヒータ41が取り付けられ、スクリュ部42が投入側のシリンダ43aおよびシリンダ43内部に組み込まれ、ダイス5に温度調節器51が接続されている。
【0019】
原材料粉末としては、供試試料Aとしてビフェニル型エポキシ樹脂 4.3重量部、フェノールノボラック樹脂 4.8重量部、臭素化エポキシ樹脂 0.8重量部、三酸化アンチモン 0.3重量部、エポキシシランカップリング剤 0.5重量部、トリフェニルホスフィン 0.2重量部、モンタン酸エステル 0.2重量部、カーボンブラック 0.2重量部、溶融シリカ粉末 88重量部をミキサーにより混合したエポキシ樹脂成形材料を用意した。
また、供試試料Bとしてo−クレゾールノボラックエポキシ樹脂 7重量部、臭素化エポキシ樹脂 4.4重量部、フェノールノボラック樹脂 4.4重量部、三酸化アンチモン 0.5重量部、エポキシシランカップリング剤 0.3重量部、2−フェニル4−メチルイミダゾール 0.2重量部、モンタン酸エステル 0.2重量部、カーボンブラック 0.2重量部、溶融シリカ粉末 40重量部をミキサーにより混合したエポキシ樹脂成形材料を用意した。
【0020】
(実施例1)
前記同方向回転2軸押出機の先端に取り付けるダイス5として、φ1.5mmの開口を有するダイスを使用し、押出機を運転して供試試料Aをホッパー1から定量供給し、加熱、混練、押出しを行った。ダイス5の開口から押出した押出し材6を冷却後、所定の高さ(2mm)に切断してタブレットのサンプル1を試作した。
押出機の運転条件として、スクリュ回転数60rpmとした。
シリンダ設定温度は80〜120℃とし、配合を終えたエポキシ樹脂成形材料の原材料粉末1を投入する投入側のシリンダ43aは20℃に冷却を行った。
ダイス温度は60〜90℃の範囲で操作し、2個に分割したダイスの、個々の温度設定は、60〜80℃、80〜90℃とした。
【0021】
このようにして得たタブレットの圧縮率及び流動性を測定して評価を行った。ここで圧縮率とはタブレットの密度をエポキシ樹脂成形材料の真密度で割った数値を百分率で示したものである。タブレット密度は密度計或いはタブレットの直径、高さ及び質量を測定し、直径と高さから体積を算出して求めたものである。真密度はエポキシ樹脂成形材料を、トランスファ成形機により、金型温度180℃、成形圧力6.9MPa、硬化時間60秒の条件で110×110×5mmに成形した後、精密カッタで10×5×5mmのテストピースに切断し、X線検査装置(ソフテックス社製プロテスト100型)を用いてボイドがないことを確認した後、サイズと質量を測定し、密度と同様に算出して真密度とした。
また流動性はスパイラルフローを測定して評価を行った。スパイラルフローはEMMI―1−66規格に準拠した試験金型を使用し、成形温度175℃、成形圧力6.9MPa、成形時間60秒の条件で測定した。
【0022】
(実施例2)
φ5mmの開口を有するダイスを取り付け、実施例1と同様にして混練、押出しを行い、タブレットの高さを約40mmに切断してサンプル2を試作した。押出機の運転条件として、スクリュ回転数60rpmとした。
シリンダ設定温度は80〜110℃とし、ダイス温度は40〜60℃の範囲で操作し、2個に分割して、個々の温度設定は、40〜55℃、40〜60℃とした。
【0023】
(実施例3)
φ10mmの開口を有するダイスを取り付け、実施例1、2と同様にして混練、押出しを行い、タブレットの高さを約18mmに切断してサンプル3を試作した。押出機の運転条件として、スクリュ回転数60rpmとした。
シリンダ設定温度は80〜100℃とし、ダイス温度は40〜60℃の範囲で操作し、2個に分割して、個々の温度設定は、40〜55℃、40〜60℃とした。
【0024】
(実施例4)
φ13mmの開口を有するダイスを取り付けた以外は実施例3と同様にして混練、押出しを行い、サンプル4を試作した。
【0025】
(実施例5)
φ5mmの開口を有するダイスを取り付け、かつ供試試料Aに代えて供試試料Bを供給した以外は実施例2と同様にして混練、押出しを行い、サンプル5を試作した。
【0026】
(実施例6)
φ13mmの開口を有するダイスを取り付け、かつ供試試料Aに代えて供試試料Bを供給した以外は実施例3、4と同様にして混練、押出しを行い、サンプル6を試作した。
【0027】
(参考例1)
φ20mmの開口を有するダイスを取り付けた以外は実施例4と同様にして混練、押出しを行い、サンプル7を試作した。
【0028】
(参考例2)
φ18mmの開口を有するダイスを取り付け、かつ供試試料Aに代えて供試試料Bを供給した以外は実施例4と同様にして混練、押出しを行い、サンプル8を試作した。
【0029】
表1にタブレットの各サンプルの特性評価結果を示す。押出機先端に取り付けたダイス径が要求されるタブレット直径とした時、ダイス径13mm以下の実施例1〜6ではタブレット直径の許容値である±0.2mm以内をいずれも満足したが、ダイス径が18mm以上の参考例では許容値を超えるタブレット直径となり、NGであった。従来のタブレット成形機を用いた打錠成形によるタブレットの圧縮率は90〜95%の範囲であり、これ以上を許容値とした場合、押出し成形を行った実施例、参考例ともに打錠成形したタブレットよりも圧縮率が高く、許容値を満たした。ダイス径が小さいほど圧縮率は高くなる傾向となった。圧縮率は換言すればタブレット中のボイドの体積を表しており、圧縮率が高ければタブレット中のボイドが少ないといえる。これより実施例は従来の打錠成形したタブレットの圧縮率の上限である95%を超えており、ボイドが非常に少ないタブレットであることが分かる。流動性の指標であるスパイラルフローの許容値は、打錠成形したタブレットの場合、供試試料Aでは107cm以上、供試試料Bは81cm以上であり、ダイス径13mm以下で押出し成形した実施例1〜6では、打錠成形したタブレットと同等のスパイラルフローで許容値を満足したが、ダイス径18mm以上の参考例1、2ではスパイラルフローが短く、許容値を満たさない結果となった。
これらの結果より、タブレット直径、圧縮率及びスパイラルフローのいずれも許容値を満足するものを○、いずれかの項目での許容値を満たさないものを×として判定を行った。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、タブレット冷却用の金型が不要になり、製造コストの増大を招くことなく、ボイドを低減した極めて小径のエポキシ樹脂成形材料タブレットでも効率良く製造することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例における押出機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 …原材料粉末
2 …ホッパー
3 …定量供給機
41…ヒータ
42…スクリュ
43…シリンダ
43a…投入側シリンダ
5 …ダイス
51…温度調節器
6 …押出し材
Claims (4)
- エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤および硬化促進剤を必須成分として配合したエポキシ樹脂成形材料を、押出機に供給して加熱、混練して可塑化する工程と、
押出機先端に取り付けられ、所定のタブレット断面形状と同一の開口形状を有する温度制御されたダイスから、前記可塑化した成形材料を連続的に押し出す工程と、
前記押し出した成形材料を所定のタブレット長に切断する工程とを含むことを特徴とするエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法。 - 前記ダイスの開口形状が、円形で、φ1.5〜13mmである請求項1記載のエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法。
- 前記ダイスの開口形状が、矩形で、長辺20mm以下、短辺9mm以下である請求項1記載のエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法。
- 前記押し出した成形材料の断面形状が、所定のタブレットの断面形状と同一である請求項1〜3のいずれか記載のエポキシ樹脂成形材料タブレットの製造方法。
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